【表紙】
| 【提出書類】 | 半期報告書 |
| 【根拠条文】 | 金融商品取引法第24条の5第1項の表の第3号 |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 2026年9月25日 |
| 【中間会計期間】 | 第25期中(自 2026年1月1日 至 2026年6月30日) |
| 【会社名】 | チャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド (China Telecom Corporation Limited) |
| 【代表者の役職氏名】 | 会社秘書役 黄 玉霞 (Wong Yuk Har, Company Secretary) |
| 【本店の所在の場所】 | 中国100033北京市西城区金融大街31号 (31 Jinrong Street, Xicheng District, Beijing, China 100033) |
| 【代理人の氏名又は名称】 | 弁護士 松 添 聖 史 |
| 【代理人の住所又は所在地】 | 東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー ベーカー&マッケンジー法律事務所 (外国法共同事業) |
| 【電話番号】 | (03)6271-9900 |
| 【事務連絡者氏名】 | 弁護士 渡 邊 大 貴 |
| 【連絡場所】 | 東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー ベーカー&マッケンジー法律事務所 (外国法共同事業) |
| 【電話番号】 | (03)6271-9900 |
| 【縦覧に供する場所】 | 該当なし |
(注)1.別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「当社」はチャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッドまた文脈に応じてチャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド及びその子会社を指す。当社の設立以前の時点に関する「当社」という用語は当社の前身である法人が従事し当社が継承した事業を指す。
別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「当グループ」とは、チャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド及びその子会社を指す。
別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「中国電信集団有限公司」は、中国電信集団有限公司(チャイナ・テレコミュニケーションズ・コーポレーション)をいい、文脈上別段の解釈が必要でない限り、そのすべての子会社を含む。
2.本書の目的上、「中国」は中華人民共和国を指し、「政府」は中華人民共和国政府を指す。別段の記載がある場合を除き、本書に記載の中国及び中国に関する記述には香港特別行政区、マカオ特別行政区及び台湾には適用されない。
3.「香港ドル」は香港の法定通貨を指す。本書において記載されている香港ドルから日本円への換算は、1香港ドル=20.26円(株式会社三菱UFJ銀行が発表した2026年8月24日の対顧客電信売買相場の中値)の換算率により行われている。
4.「人民元」は中国の法定通貨を指す。本書において記載されている人民元から日本円への換算は、1人民元=23.51円(中国外国為替管理局が発表した2026年8月24日の基準為替レートに基づく)の換算率により行われている。
5.当社の会計年度は暦年である。
6.本書の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
当該半期中に、2026年6月24日提出の有価証券報告書の「第一部 企業情報 - 第1 本国における法制等の概要」に記載された事項のうち、以下を除いて重要な変更はなかった(変更箇所に下線を施す)。
1 会社制度等の概要
<中 略>
(2)提出会社の定款等に規定する制度
<中 略>
配当及びその他の利益分配の方法
当社は以下の方法で配当を分配することができる。
(1)現金、
(2)株式、
(3)現金及び株式を組み合わせた方法、又は
(4)法律及び行政上の規制により認められるその他の方法。
<中 略>
3 課税上の取扱い
<中 略>
(1) 中国における課税上の取扱い
<中 略>
配当金に対する課税
<中 略>
法人
2008年1月1日付で発効し、最近では2024年12月6日付で改正された法人所得税法及び施行規則により、中国企業が「非在住」(中国以外の管轄法のもとで設立され、中国に事業所又は住所を置かず、又は中国から受取った配当が、その中国における事業所又は住居と関係を持たない)の外国企業に支払う配当は、10%の税金が課せられる。ただし、課税に関する適用条約により減税される。
<中 略>
キャピタル・ゲインに対する課税
<中 略>
法人
2008年1月1日付で発効し、最近では2024年12月6日付で改正された法人所得税法及び施行規則の下では、「非在住企業」である外国企業は、関連の二重課税に関する条約によって税が軽減されるときを除き、海外で上場されている中国企業の株式の売却により実現したキャピタル・ゲインに対して10%の税金が課せられる。
<後 略>
第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
連結経営指標等(1)
| (単位:別段の記載がない限り百万人民元) (下段の括弧内の数値は別段の記載がない限り単位:億円)(2) | |||||
| 6月30日現在又は 6月30日終了の6か月間 | 12月31日現在又は 12月31日終了年度 | ||||
| 2024年 | 2025年 | 2026年 | 2024年 | 2025年 | |
| 営業収益 | 268,011 (63,009) | 271,469 (63,822) | 260,471 (61,237) | 529,417 (124,466) | 529,559 (124,499) |
| 営業利益 | 27,260 (6,409) | 28,549 (6,712) | 22,979 (5,402) | 39,803 (9,358) | 39,674 (9,327) |
| 当社株主に帰属する 利益 | 21,812 (5,128) | 23,017 (5,411) | 19,588 (4,605) | 33,012 (7,761) | 33,185 (7,802) |
| 当社株主に帰属する 資本合計 | 456,279 (107,271) | 466,871 (109,761) | 471,883 (110,940) | 452,390 (106,357) | 460,828 (108,341) |
| 総資産額 | 870,991 (204,770) | 887,224 (208,586) | 884,719 (207,997) | 866,625 (203,744) | 870,644 (204,688) |
| 1株当たり純資産額 (人民元/円)(3) | 4.99 (117.31) | 5.10 (119.90) | 5.16 (121.31) | 4.94 (116.14) | 5.04 (118.49) |
| 1株当たり中間(当期)純利益(人民元/円)(4) | 0.24 (5.64) | 0.25 (5.88) | 0.21 (4.94) | 0.36 (8.46) | 0.36 (8.46) |
| 自己資本利益率(5) | 4.78% | 4.93% | 4.15% | 7.30% | 7.20% |
| 営業活動によるキャッシュ純額 | 58,700 (13,800) | 47,307 (11,122) | 61,375 (14,429) | 145,049 (34,101) | 125,069 (29,404) |
| 投資活動により使用されたキャッシュ純額 | (50,103) ((11,779)) | (61,149) ((14,376)) | (58,087) ((13,656)) | (103,432) ((24,317)) | (100,288) ((23,578)) |
| 財務活動により使用されたキャッシュ純額 | (14,583) ((3,428)) | (15,386) ((3,617)) | (23,846) ((5,606)) | (40,545) ((9,532)) | (45,489) ((10,694)) |
| 現金及び現金同等物の中間期末(年度末)残高 | 75,072 (17,649) | 52,959 (12,451) | 40,657 (9,558) | 82,207 (19,327) | 61,394 (14,434) |
| 従業員数(人) | 273,530 | 275,051 | 274,354 | 277,674 | 277,911 |
(1) 表は当社の経営指標の抜粋を示している。当社の財務書類はIFRS会計基準に従って作成され表示されている。
(2) 日本円は、1人民元=23.51円(中国の国家外国為替管理局が発表した2026年8月24日の基準為替レートを基に計算した換算レート)で換算されている。
(3) 1株当たり純資産額は、発行済株式数で当社株主に帰属する資本合計を除して算出している。
(4) 1株当たり中間(当期)純利益は、発行済株式数で当社株主に帰属する利益を除して算出している。なお、潜在普通株式は存在しないため、希薄化後1株当たり利益額は提示されていない。
(5) 自己資本利益率は、当社株主に帰属する利益を当社株主に帰属する資本合計で除して算出している。
2【事業の内容】
当該半期中において、事業の内容に重要な異動はなかった。「第3 事業の状況-3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」も参照のこと。
3【関係会社の状況】
(1) 親会社
| (2026年6月30日現在) | ||||
| 名称 | 所在地 | 資本金 (人民元) | 業種 | 株式の 所有割合 |
| 中国電信集団公司 | 中国100033北京市西城区金融大街31号 | 214,408,360,000 | 電気通信 サービス | 63.90% |
(2) 子会社
当社の子会社に関する詳細は以下の通りである。
| (2026年6月30日現在) | ||||
| 名称 | 設立地 | 発行済払込済株式資本/登録資本 (単位記載のないものは百万人民元) | 所有割合 | 業種 |
| チャイナ・テレコム・デジタル・インテリジェンス・テクノロジー有限公司 | 中国 | 3,000 | 100% | システム・インテグレーション及びコンサルティング・サービスの提供 |
| チャイナ・テレコム・グローバル 有限公司 | 香港特別行政区 | 168百万香港ドル | 100% | 電気通信サービスの提供 |
| チャイナ・テレコム・ベスト・トーン情報サービス有限公司 | 中国 | 350 | 100% | 「ベスト・トーン」情報サービスの提供 |
| 天翼電信終端有限公司 | 中国 | 500 | 100% | 電気通信端末機器の販売 |
| iMUSIC カルチャー&テクノロジー有限公司 | 中国 | 250 | 100% | 音楽制作及び関連情報サービスの提供 |
| 天翼資本控股有限公司 | 中国 | 5,000 | 100% | 資本投資及びコンサルティング・サービスの提供 |
| 中国電信集団財務有限公司 | 中国 | 5,000 | 70% | 資本及び金融管理サービスの提供 |
| チャイナ・テレコム・クラウド・テクノロジー有限公司 | 中国 | 4,764 | 89% | クラウド製品及びサービスの提供 |
| イーサーフィン・デジタル・ライフ・テクノロジー有限公司 | 中国 | 900 | 100% | デジタルライフに関連する総合ソリューションの提供 |
| 臨港算力(上海)科技有限公司 | 中国 | 2,350 | 100% | コンピューティングパワー・サービスの提供 |
| 上海信息産業(集団)有限公司 | 中国 | 297 | 100% | 通信工学設計及びシステム端末開発サービスの提供 |
| 天翼物聯科技有限公司 | 中国 | 1,000 | 100% | IoTサービスの提供 |
| 中電信智能網絡科技有限公司 | 中国 | 900 | 100% | オペレーション及びサポート技術サービスの提供 |
| 天翼安全科技有限公司 | 中国 | 500 | 100% | ネットワーク情報セキュリティ・サービスの提供 |
| チャイナ・テレコム・デジタルシティ・テクノロジー有限公司 | 中国 | 3,500 | 100% | 情報システム統合及び技術サービスの提供 |
| チャイナ・テレコム・人工知能テクノロジー(北京)有限公司 | 中国 | 3,372 | 89% | AI技術サービスの提供 |
| 天翼視聯科技有限公司 | 中国 | 795 | 89% | 視覚ネットワーク・サービスの提供 |
| チャイナ・テレコム・量子情報技術グループ有限公司 | 中国 | 3,000 | 100% | 量子コミュニケーション及び量子コンピューティング技術サービスの提供 |
(注)当社が70%の持分を保有する中国電信集団財務有限公司、当社が89%を保有するチャイナ・テレコム・クラウド・テクノロジー有限公司、当社が89%を保有するチャイナ・テレコム・人工知能テクノロジー(北京)有限公司及び当社が89%を保有する天翼視聯科技有限公司を除き、上記の子会社はすべて当社の直接的又は間接的完全子会社である。当グループの子会社はいかなる重要な非支配持分も有していない。
4【従業員の状況】
2026年6月30日現在の当社従業員数は274,354人であった。
第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当該半期中、当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について重要な変更はなかった。下記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」も参照のこと。
2【事業等のリスク】
本項における将来に関する事項の記載は、いずれも当該半期末現在において判断したものである。
潜在的リスク
経済環境及び政策環境への適応上のリスク
現在、中国の発展は戦略的機会とリスク及び課題が併存する局面に入り、不確実かつ予測困難な要因が引き続き増加しているものの、長期的な改善を支える条件及び基本的な傾向は変わっていない。当社の内部では、「クラウド化、デジタルトランスフォーメーション及びAIフォー・グッド」に向けた戦略的転換を推進している。激化する産業競争の中で、従来の成長ドライバーを新たな成長ドライバーへと転換することは、依然として難しい課題となっている。当社は、マクロ経済環境の分析を強化するとともに、情勢及び市場の変化を的確に把握し、改革と政策の相乗効果を高めることにより、質の高い発展に向けた内発的な原動力を強化していく。また、発展における新たな勢い及び新たな優位性を絶えず育成し、変革を加速させることで、サービス志向、技術志向及び安全志向の企業への転換を加速していく。
科学技術革新に関するリスク
科学技術革命及び産業変革の新たな波は深く展開し、多くの新しいシナリオ、新しいビジネス形態及び新しいモデルを生み出している。大規模モデルは爆発的な成長傾向を示している。AI、コンピューティングパワー・サービス及びクラウドサービスは発展における主要な方向性となり、データ要素の価値が急速に顕在化している。当社の科学技術革新及び独自の研究開発成果の開放及び商業化は、引き続き改善の余地がある。今後、当社は、クラウド及びクラウド・ネットワーク統合、ネットワーク、AI並びにセキュリティ/量子の4つの重点分野に注力し、独自のイノベーションを強化するとともに、中核技術におけるブレークスルーの実現を推進していく。当社は、戦略的新興事業及び未来産業の周辺における高水準の科学技術革新プラットフォームの配備をさらに拡大し、研究開発の効率を高め、革新的な成果の商業化及び応用を強化し、人材による企業強化プロジェクトを実施し、人材拠点及び革新拠点の構築を目指す。
ネットワーク及びデータ・セキュリティ上のリスク
ネットワーク及びデータ・セキュリティの問題は、複雑さと多様性という特徴を示している。サイバー攻撃を実行するハードルが大幅に下がった一方で、攻撃の規模は著しく拡大している。新たな技術及び新たなシナリオがもたらすセキュリティリスクは増大し、ハイブリッドなマルチクラウド環境のダイナミックな特性がセキュリティ監視をより複雑にしている。法規制を遵守したデータ利用及びデータ漏洩の防止は新たな課題に直面している。当社のネットワーク及びデータ・セキュリティ体制はさらに改善され、ネットワーク及びデータ・セキュリティを維持する当社の能力は継続的な強化が必要である。当社は、ネットワーク及びデータ・セキュリティ・システムの構築をさらに強化し、ネットワーク・セキュリティ保護能力を高め、極端なシナリオのリスク防止を強化し、中核ネットワーク技術の自主的な制御を向上させる。当社は、データ・セキュリティ及びユーザーの個人情報の保護をさらに深化させ、不正防止ガバナンスの組織及び能力を改善し、データ及び個人情報のセキュリティを効果的に保護していく。
戦略的新興産業及び未来産業における新規事業がもたらすリスク
戦略的新興産業及び未来産業における新規事業は、急速な技術の更新サイクル、頻繁な政策変更及びますます激化する市場競争が特徴であり、その発展過程においては多くの不確実性が絶えず生じている。よって、当社は新興事業の研究開発及び応用能力をさらに改善しなければならない。当社は顧客のニーズに関する洞察をさらに深め、エコシステムの連携をさらに強化し、研究開発への投資を増やし、シナリオベースのソリューションの開発を強化し、差別化及び標準化された製品及びサービスの推進を加速させ、戦略的新興産業及び未来産業における新規事業の迅速な発展を推進していく。
国際的な事業のオペレーショナル・リスク
現在、世界では100年に一度とも言われる大変革が加速して進行している。国際情勢の緊張の高まり及び不安定化、大国間関係の一層の複雑化並びに当社の事業及び投資先が所在する国及び地域の政策環境の変化などの要因が絡み合い、国際的な事業展開における不確実性が高まっている。当社には、海外製品及びサービス、政府及び企業向け製品の開発及び運営能力並びに販売チャンネルの拡大という点で、まだ一定の不足を抱えている。当社は、国際情勢の変化を注視し、関連する国及び地域の政策及び規則の変化に注目し、積極的に法制度を利用して合法的な権利及び利益を保護していく。当社は、海外コンプライアンス管理及びリスク防止体制の構築を強化し、リスク評価を実施し、国際的な事業運営を定期的に追跡及び監視し、リスク対応能力を高めていく。
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
2026年上半期において、当社は新たな発展理念を全面的、正確かつ徹底的に実践し、新たな発展モデルへの積極的な参画及びその推進に取り組んだ。当社はまた、サイバー強国、科学技術強国及びデジタルチャイナの構築並びにネットワーク及び情報セキュリティの確保における責任を着実に果たした。当社は、「クラウド化、デジタルトランスフォーメーション及びAIフォー・グッド(AI for Good)」戦略を全面的に推進し、五位一体インテリジェント・クラウドシステムの高度化を継続し、その結果、科学技術革新において顕著な成果を上げるとともに、「AI+」イニシアチブをさらに推進し、クラウド・ネットワーク能力を継続的に向上させた。当社はまた、「インテリジェンス・トランスフォーメーション」を中核として改革及び対外開放を深化させ、新たな成長原動力の創出及び事業構造の最適化を進めるとともに、質の高い企業発展に向けて着実な前進を遂げた。
全体的な結果
2026年上半期の当社の営業収益は、260.5十億人民元となった。主要事業による収益1は244.1十億人民元となり、比較可能ベース2で安定的に推移した。このうち、通信事業による収益は213.0十億人民元、インテリジェンス事業による収益は31.1十億人民元となり、前年同期比で7.1%増加し、これは主要事業による収益の12.8%を占め、前年同期比で1.1ポイント上昇した。チャイナ・テレコム・クラウドの収益は61.8十億人民元となり、前年同期比で7.8%増加した。EBITDA3は74.4十億人民元となった。当期利益4は19.6十億人民元となり、比較可能ベースで堅調な成長を維持した。基本的1株当たり利益は0.21人民元であった。設備投資額は32.4十億人民元及びフリー・キャッシュ・フロー5は28.9十億人民元となり、前年同期比で121.3%増加した。
当社の収益力、キャッシュ・フロー水準及び将来の発展に向けた資金需要を総合的に勘案し、当社取締役会は、2026年も中間配当を引き続き行うことを決定した。2026年上半期の当社株主に帰属する利益のうち、現金により分配する割合を前年同期比で3ポイント引き上げ75%とし、1株当たり配当金(税引前)は0.1606人民元とすることで、株主に対する価値創出を継続して推進していく。
「クラウド化、デジタルトランスフォーメーション及びAIフォー・グッド」戦略を全面的に推進し、質の高い企業発展に向けて着実な前進を遂げる
当社はAIの活用をあらゆる分野で推進した。当社は、「クラウド化、デジタルトランスフォーメーション及びAI フォー・グッド」戦略を全面的に実施するとともに、中核技術である「息壌(Xirang)」に関する研究開発を一層強化し、インテリジェント・クラウドシステムの構築を継続的に深化させるとともに、新たなデジタル情報インフラの整備を加速し、サービス志向、技術志向及び安全志向の企業への発展に向けて新たな進展を遂げた。
重要かつ中核的な技術の研究開発を強化し、先導的な科学技術企業を目指す
当社は、科学技術革新能力の向上に取り組むとともに、科学技術革新及び産業革新のさらなる融合を推進し、高品質な技術の供給を拡大することで、中核的な競争力の強化を図った。2026年上半期における研究開発費6は5.21十億人民元となり、前年同期比で8.9%増加した。クラウド及びクラウド・ネットワーク統合に関しては、当社は「鵬城雲脳(Pengchengクラウドブレイン)超大規模国産インテリジェント・コンピューティング能力システム及び産業化プロジェクト」に参画し、同プロジェクトは2025年国家科学技術進歩賞の一等賞を受賞した。当社が主導して構築したクラウドコンピューティングのためのオリジナル技術創出拠点及びクラウドコンピューティング・イノベーション連合体は、国務院国有資産監督管理委員会(SASAC)よりA評価を取得した。当社が独自開発したチャイナ・テレコム・クラウド向けのオペレーティングシステムであるCTyunOSに続き、自社開発データベース製品であるTeleDBが国家安全性及び信頼性評価に合格し、自社開発基盤IT製品における大きなブレークスルーを実現した。さらに、TeleCloudOS 4.0クラウド・オペレーティングシステムを基盤とするARMクラウドプラットフォームは、SPEC Cloud性能試験において世界新記録を樹立し、世界最高水準の性能評価を達成したほか、大規模モデルの学習、推論及びエージェント・クラウドホスティング等のAI関連ビジネスの利用需要に対応するインテリジェント時代向けの5.0版をリリースした。ネットワークに関しては、「極限環境下における超長距離光通信の基盤技術及びその応用」プロジェクトが2025年国家技術発明賞の二等賞を受賞した。当社は、50ミリ秒波長切替型光ネットワークを用いたコンピューティング能力相互接続に関して、業界初となるライブ・ネットワーク実証試験を完了した。また、40Tbpsの従来型光通信とQKD(量子鍵配送)7を組み合わせた100キロメートル中空コア光ファイバーによる同一ファイバー伝送試験を実施し、新たな世界記録を樹立した。当社は、業界に先駆けて3GPP CT 6G標準化プロジェクトの第一陣を立ち上げ、3GPP RANへの貢献において世界の通信事業者の最上位に位置付けられた。AIに関しては、当社は、AI技術と通信技術の融合を深化させ、革新的にAIフローシステムを構築した。当社はまた、長距離及び空域横断といった極限環境下におけるコンピューティング能力伝送の課題解決に向け、ファミリー同種モデル及び生成型伝送等の主要技術の研究を推進した。これらの成果により、当社は2026年世界人工知能カンファレンスにおいて最高賞である卓越人工知能リーダー賞(Super AI Leader Award)を受賞するとともに、最優秀論文賞も受賞した。当社の「星辰(Xingchen)」大規模モデルは、ACL及びACM MMを含む主要な国際AI会議及びコンテストにおいて6件の優勝を獲得した。当社は、具身知能(Embodied Intelligence)の先端分野に進出し、自社開発した強化学習ネイティブ型VLA基盤モデルであるPRTS8が、具身知能に関する世界的ベンチマークであるMolmoSpacesにおいて世界トップ3にランクインした。量子技術及びセキュリティ技術に関しては、QKDとPQC(耐量子計算機暗号)9を統合した分散型暗号システムが、中央企業のオリジナル技術供給拠点における10の画期的成果の1つに選定された。また、天衍-P2000フォトニック量子コンピューターの接続により、天衍量子コンピューティング・クラウドプラットフォームは、フォトニック量子及び超伝導という2つの技術方式の双方において量子超越性サービスを提供する世界初の量子コンピューティング・クラウドプラットフォームとなり、その総合能力は世界最高水準に位置付けられた10。さらに当社は、AIに対するフルスタック型かつ統合的なセキュリティ保護能力を提供しており、「星辰ChangeWay」セキュリティ大規模モデルは、CyberSec-Evalにおいて第1位を獲得した。
トークン運営に注力し、先導的なAIサービスプロバイダーへの歩みを加速
当社は、引き続き戦略の高度化と効果的な実行を推進するとともに、インテリジェント・クラウドシステムをさらに改善させ、トークン運営を強力に推進した。当社はまた、インテリジェント時代におけるサービス型企業としての位置付けを一層具体化し、通信事業の質及び効率の向上、インテリジェンス事業の急速な成長の実現並びに新たな価値創出の余地を切り開くことに取り組んだ。当社は業界で初めて全国規模のトークンパッケージを提供した。当社は、星辰トークンハブを立ち上げ継続的に機能強化を進め、顧客に対して利用しやすく高品質なコンピューティング能力、データ、モデル及びAIアプリケーションを提供し、その結果、トークン消費量は急速に増加した。
通信事業に関しては、接続事業を単なる「通信チャンネル」から「インテリジェント・ポータル」へと高度化し、AIと接続事業との統合を加速するとともに、接続における新たな価値領域を拡大した。当社はユーザーベースの維持に向けて接続サービスの高度化を推進した。モバイルネットワークでは、5G-Aの大規模商用展開及び能力向上を加速した。通信及びセンシングの融合並びに高速かつ広域なカバレッジという差別化された強みを活用し、当社は、超高速、低遅延及び高信頼性を特徴とする次世代モバイル接続体験を提供した。5G契約者比率は72.9%となり、5G-A契約者数は468万人に達し、モバイル契約者のDOU(1ユーザー当たりデータ利用量)は前年同期比で10.6%増加した。ブロードバンドネットワークでは、「ギガビット+FTTR」の高度化を継続的に推進し、家庭向けデジタルインフラの強化に取り組むとともに、ブロードバンド速度及び屋内カバレッジ品質を継続的に改善した。その結果、ギガビットブロードバンド浸透率は34.3%となり、前年末比で2.7ポイント上昇した。法人及び政府向け接続サービスにおいて、当社は、仮想ネットワーク、専用線及び企業向け全光ネットワーク事業の拡大を積極的に推進した。当社はまた、革新的なアプリケーションの展開を通じて業界別シナリオを育成し、垂直市場の価値を発掘した。当社は宇宙・空域・地上を統合したネットワークの構築を加速し、モバイル通信、全光ネットワーク及び衛星ネットワーク間のマルチ・ネットワーク・シナジーを推進することで、全領域における接続優位性を実現した。当社はまた、顧客運営を強化し、顧客価値の安定化を図った。当社は、顧客運営向けインテリジェントエージェントを活用し、顧客運営の精度向上を加速するとともに、顧客インサイト、戦略的なパッケージのマッチング、的確なリーチ、レビュー及び監査に至る全プロセスにおいてAIによるデジタルインテリジェンス能力を構築することで、顧客ごとの個別ニーズに的確に対応し、マーケティング転換効率を継続的に向上させた。サービス接点を最適化するために、当社は、オンライン及びオフラインサービスの融合を強化し、顧客価値及び顧客満足度の双方を向上させた。付加価値サービスについては、モビリティ、ケータリング、エンターテインメント、ヘルスケア等の分野においてエコシステムパートナーと連携した特典パッケージを提供し、「接続+端末+アプリケーション+特典」を統合したワンストップサービス体系を充実させた。その結果、特典パートナーシップによる収益は前年同期比で75%増加した。当社は「すべての顧客の声(All Customers’Say)」サービスメカニズムを改善し、顧客サービス品質を向上させた。高付加価値統合顧客は着実に増加し、統合契約者数は1億3,000万人を超え、ブレンドARPUは128人民元となった。当社は、シナリオベースのマーケティングを深化させ、継続的に新たな開発経路を創出した。当社は、デジタルライフ、地域サービス及びガバナンス等の主要分野に注力するとともに、デジタルプラットフォームを能力基盤としてシナリオ別統合アプリケーションを継続的に構築し、GBHCの融合的かつ相互補完的な発展を推進した。個人顧客向け事業(ToC)では、5G-Aを活用し、高速鉄道・地下鉄利用、文化観光及びスポーツイベント並びにライブ配信等のシナリオ別アプリケーションを展開した。家庭向け事業(ToH)では、スマートファミリープラットフォーム及びスマートコミュニティプラットフォームを活用し、ホームセキュリティ、高齢者ケア、ワンクリックケア及びスマート教育等のアプリケーションを提供した。政府向け事業(ToG)では、AIを活用した地域ガバナンス、防火管理及び市場監督等のシナリオ別アプリケーションを開発した。企業向け事業(ToB)では、5G専用ネットワーク、IoT、低空経済プラットフォーム及び業界プラットフォームを活用し、企業専用ネットワーク、5Gファクトリー、低空測量及びマッピング、スマートキャンパス、スマート金融及びスマート医療等のシナリオ別アプリケーションを構築したことで、カスタマイズ型統合ソリューションの導入を促進するとともに、産業デジタル化ソリューションの提供能力において市場トップクラスの地位を維持した。
インテリジェンス事業に関しては、IaaS層で汎用コンピューティング、インテリジェント・コンピューティング、スーパーコンピューティング及び量子コンピューティングを網羅するコンピューティング能力レイアウトを構築し、全光ネットワーク、コンピューティング能力インターネット、モバイル・コミュニケーション・ネットワーク及び衛星ネットワークを全面的にカバーし、クラウド・ネットワーク統合型のコンピューティング基盤を提供した。AIDC事業による収益は前年同期比で9.3%増加し、インテリジェント・コンピューティング事業による収益は前年同期比で95.0%増加した。PaaS層では、息壌コンピューティング能力相互接続スケジューリング・プラットフォームを息壌2.0へ高度化したことで、20種類超の異種チップによるコンピューティング能力をサポートするとともに、自社所有及び外部接続分を合わせたAIコンピューティング能力は118.8 EFLOPSを超えた。さらに、16種類のアルゴリズムにより、コンピューティング能力、ネットワーク及びモデルの統合的なスケジューリングが実現され、高効率、低損失及び低遅延のトークン伝送サービスが提供された。DaaS層では、高品質データ製品の拡充を加速し、20兆トークンを超える高品質基盤モデルの学習データ及び500の高品質業界データセットを集約した。このうち2件のデータセットは、SASACによる「全領域インテリジェントデータセット」イニシアチブにおける高品質データセットの優良事例に選定された。また、「星海(Xinghai)」信頼データ空間の構築を強化し、信頼できる接続、制御可能な処理、及び柔軟な取引という3つの中核能力を基盤として、データ流通経路の確立及びデータ要素の市場志向型配分を推進した。MaaS層では、星辰大規模モデル体系がさらに高度化され、超長文コンテキストに対応する安定的かつ効率的な学習技術を確立したほか、エージェンティックRL向け強化学習フレームワークを独自開発し、超大規模パラメータを備えた次世代基盤モデルを構築した。また、星辰トークンハブには142の大規模モデルを集約し、端末、業務及び利用シナリオを横断する統合トークン運営サービスプラットフォームを構築した。当社は、「AI+」業界向けアプリケーションのさらなる供給力強化に向けて、420超の業界特化型エージェント及び102の業界特化型スキルを開発及び展開した。SaaS層では、社内におけるAI活用及び外部顧客へのAI活用支援を加速した。インテリジェント運営、インテリジェントサービス、インテリジェントマーケティング、インテリジェント研究開発及びインテリジェント管理という5つの重点分野を中心に、12種類のデジタル従業員を大規模展開し、AI技術を中核業務プロセスへ組み込んだ結果、累計で1.4十億人民元超のコスト削減及び効率向上効果が実現された。社内での導入及び外部での展開は継続して進展した。当社は、AI技術の大規模導入を推進するとともに、AIネイティブ製品の開発を進めた。星辰スーパーエージェントである自社開発のAIネイティブアプリケーションのTeleAgentは、高性能、低コスト、安全性及び制御可能性、プラグ・アンド・プレイ対応といった特徴を備え、文書作成、詳細調査、データ分析、開発並びに運用保守等、あらゆるオフィス業務シナリオを支援している。当社はまた、従来製品のAI化を継続的に推進し、イーサーフィン・スマート呼出音、イーサーフィン・スマート・スクリーン、イーサーフィン・スマート・カム及びクラウド・インテリジェンス携帯電話等の主要AI製品を開発することで、幅広い家庭に新たなスマートサービス体験を提供した。当社は、ICTからAICTへの転換を加速し、政府サービス、民生及び産業経済等の重点分野に注力し、インテリジェントエンジニアのチームを構築するとともに、カスタマイズ型導入及び地域特化型サービスの強みを活用し、顧客の中核業務プロセスに深く入り込むことで、さまざまな産業のデジタル化及び知能化転換を支援した。また、「息壌」及び星辰トークンハブという2つの基盤プラットフォームの強みを活用し、30都市において地域特化型インテリジェント・クラウド都市プラットフォームの構築及びビジネスモデルの革新を加速した。同時に、当社は、量子通信、量子コンピューティング及び量子精密測定に注力した。それに向けて、当社は、量子関連製品の機能を継続的に高度化し、市場展開を拡大し、インターネット・オブ・ビデオ・シングス(IoVT)、IoT、低空経済及びクラウドサービス等の重要分野において量子技術を活用したアプリケーションを開発し、その結果、量子通信契約者数は720万人に達した。IoVT分野においてもその存在を継続的に拡大し、「家庭・学校・地域」ソリューションは全国で3,900超の学校で利用され、セキュリティ・スマート・アイは2万超のガバナンス機関をカバーし、トランスペアレント・キッチン・アンド・ストーブは51万超の事業者に導入された。IoVTに接続された端末数は1億台規模に達した。当社はまた、AI+「1+1+4+N」11低空経済中核能力システムを構築した。これは低空インフラ、飛行サービス及び安全リスクの予防及び管理等の重要領域を網羅するものであり、低空域における安全保障能力の強化及びシナリオ展開の拡大を実現し、現在までに1,500超の応用シナリオが実用化されている。
安全性を重視する企業としての発展を全面的に推進し、AIとセキュリティの融合を深化
当社は、発展と安全の両立を図るとともに、AI時代におけるセキュリティガバナンスを重視し、インテリジェントクラウドの開発に適応したセキュリティ防護システムの整備を加速し、AIとセキュリティの相互強化をさらに推進した。当社は、自主的かつ制御可能なセキュリティ防護能力の強化を継続した。当社は、クラウド及びネットワークの基盤に対する防御システムを強化し、インテリジェントクラウド向けのフルスタック型「1+N+1」12セキュリティ能力を構築するとともに、コンピューティング能力ネットワーク統合に対応したセキュリティ技術を強化した。また、データ・セキュリティの体系的ガバナンスを深化させ、データ流通に対する保護能力を強化するとともに、トラステッド・コンピューティング及びプライバシー・コンピューティング能力を構築した。さらに、「ChangeMore」セキュリティデータセットが最適化され、「星辰ChangeWay」セキュリティ大規模モデル群が開発された。当社は、AIを活用したセキュリティ運営を継続的に強化した。また、エージェント型運営モデルを推進し、セキュリティ分野向けデジタル従業員を導入することで、リスク識別、脆弱性検知、イベント監視及び緊急対応等の業務シナリオにおける活用をさらに進め、主要業務において50%超の効率向上が実現された。当社は、セキュリティ製品の高度化及びインテリジェント化を推進した。クラウドダムのDDoS攻撃防御能力は18.4Tbpsに達し、中国市場におけるシェア首位を維持した。また、クラウドWAF及び雲脈SASEは国内市場において引き続きトップ3を維持し、Yunxi AIセキュリティ統合プラットフォームは9,300超の政府機関及び企業顧客にサービスを提供した。当社は、AIセキュリティガバナンス能力の向上も加速した。当社は、コンプライアンス管理、リスク評価及び技術保護能力を強化するとともに、工業情報化部(MIIT)のAI応用モデル事例及び国際電気通信連合(ITU)のAIフォー・グッド・モデル事例に選定されたAIセキュリティ評価プラットフォームを開発した。当社はまた、エージェント向けセキュリティ状況認識プラットフォーム及び信頼できるスキルリポジトリを構築し、星辰スーパー・インテリジェント・エージェントに対して97%超の防護精度によるセキュリティ保護を提供した。さらに、エージェント・セキュリティ・ガードレール及びイーサーフィン・セキュリティ・ブレーン・エージェント・プロテクション・ゲートウエイ等の製品により、エージェントアプリケーションの安全な運用を確保した。加えて、トークンセキュリティルーターをリリースし、大規模AIアプリケーションに対する防御能力を強化した。
インテリジェントかつ統合的なデジタル情報インフラの構築を加速
当社は、包括的かつ業界をリードする通信インフラ基盤を活用し、「高速かつユビキタス、空・地統合、クラウド・ネットワーク統合、インテリジェントかつ俊敏、グリーンかつ低炭素、及び安全かつ統制可能」をネットワーク整備における中核要件とした。既存インフラにおける先行優位性を基盤として、当社は、次世代通信ネットワーク及びコンピューティング能力ネットワークの先進的な構築を推進し、インテリジェントで包括的なデジタル情報インフラの高度化を加速した。
当社は、次世代通信ネットワークの進化を通じて、クラウド及びネットワーク分野におけるリーダーシップを継続的に強化した。新技術を活用して新たなインフラの改善を推進した。当社は、アップリンク及びダウンリンクのデカップリング技術やインテリジェントリンク強化技術等を先導的に導入し、1.8G及び2.1Gの大・中帯域周波数資源の強みを活用することで、モバイルネットワークにおける大容量アップリンク需要に効果的に対応した。また、光ネットワークにおいて中空コア光ファイバーを導入することにより、高付加価値シナリオ応用における伝送遅延が大幅に削減された。当社の衛星ネットワークは、「天通+北斗(Tiantong+Beidou)」を活用した通信及び測位統合を中国で初めて実現し、国内での衛星ベースの高精度測位を実現した。当社は、新たな手法及び能力を活用してコスト削減及び効率向上を推進した。当社は、モバイルネットワークの共同構築及び共同使用を継続して発展させ、5G/4G全周波数帯の協調運用を推進し、高/中帯域5G基地局数を165万局超へと拡大した。また、OTN光伝送ネットワークにおけるOSU機能の大規模導入により、専用線伝送効率を大幅に向上させた。当社は、世界で初めてEPON/10G-EPON/50G-PONの3世代共存技術を導入し、EPON端末の交換を必要としない10ギガビットへの高度化を実現した。当社は、新たなインフラの基盤強化及び能力増強を全面的に加速した。当社は、5G-Aネットワークの高度化を推進し、15万局超の5G-Aキャリアアグリゲーション基地局及び70万局超のRedCap基地局を配備した。当社はまた、低空域インテリジェントネットワーク向け基地局数も大幅に増加した。当社は、高帯域光ネットワークの大規模展開を着実に推進し、100超の都市において10ギガビットサービスの実証試験を実施した。また、インフラのハードウェアとソフトウェアのデカップリングを通じて、安全性、レジリエンス及び統一性を備えたプラットフォーム及びハードウェアリソースプールを構築した。当社は、AI機能を備えたネットワークガバナンス及びインテリジェントネットワークを活用して、モバイルネットワーク、光ネットワーク、低空域ネットワーク、IoTネットワーク、IoVTネットワーク及び量子ネットワーク等の効率的な相互接続及びインテリジェントな統合制御を加速し、産業発展を支援した。
当社は先進的な計画策定及び配備を行い、コンピューティング・ネットワークの大規模構築を加速した。AIDCの構築においては、一体型集中給電、高圧直流給電及び高効率冷却等の新技術の応用を拡大し、「高電力密度、高IT出力率、柔軟な構築及び柔軟な拡張」という基準に基づく次世代AIDCの構築を進めた。100キロワット超のキャビネットにおいて新たに追加された電力の割合は50%を超え、総電力能力は約8GWに達し、16の100メガワット級のデータセンターキャンパスを有していた。コンピューティング間ネットワークの構築において、当社は、新たな「八縦八横」基幹光ケーブルネットワークを構築し、伝送遅延をさらに低減するとともに、政府及び企業向けOTNネットワークの容量を継続的に拡大した。また、都市圏全光相互接続ネットワークを活用し、当社は、ミリ秒レベルのアクセス・コンピュートを実現した。コンピューティング能力の供給においては、8つの主要ハブノード地域に重点を置き、産業チェーンのパートナーと連携してマルチモーダル・インテリジェント・コンピューティング能力を構築した。自社保有のインテリジェント・コンピューティング能力は24.8EFLOPS追加され、累計70.8EFLOPSに到達した。また、それぞれ1万のGPUを備え、リソースの統合スケジューリングが可能な異種コンピューティング能力クラスターが4基構築され、インテリジェント・コンピューティングの稼働率は94%に達した。コンピューティング能力のスケジューリングにおいては、「息壌」コンピューティング能力相互接続スケジューリングプラットフォーム2.0を活用し、コンピューティング能力の全領域における可視化、利用可能化及び制御可能化を実現するため、コンピューティング能力ネットワークの構築を加速した。これにより、顧客は自社リソースを一元的に管理するとともに、公共コンピューティング能力へ容易にアクセスすることが可能となり、必要に応じた利用及び効率的な活用が実現された。
当社はクラウド・ネットワーク運営能力をさらに高度化し、「インテリジェント・クラウド・ネットワーク・オペレーティング・システム 3.0」をリリースし、クラウド・ネットワークインフラ向けの業界をリードするデジタル基盤及びインテリジェントハブを構築した。クラウド・ネットワークの自律運営能力は着実に向上し、複数の高付加価値シナリオにおいてL4レベルに到達した。当社は、TM Forumより「自律型ネットワーク優秀賞」を2年連続で受賞した。また、「ネットワーク大規模モデルによるインテリジェント・クラウド・ネットワーク運用保守シナリオの高度化」プロジェクトは、SASACが選定する戦略的高価値アプリケーション事例である「全業界におけるインテリジェント・シナリオ」に選出された。
グリーン発展理念を堅持し、グリーン及び低炭素な発展において顕著な成果を達成
当社は、グリーン及び低炭素の理念を企業運営全体に組み込んだ。当社は、デジタル情報インフラのグリーン及び低炭素化を継続的に推進し、グリーン電力使用量は17億キロワット時を超えた。また、6万超の基地局において簡素化された配備を完了し、636万超の基地局セクター及び8,600の設備室にAI省エネルギー技術を導入した。2026年上半期における節電量は10億キロワット時を超え、合計146万トンの二酸化炭素排出量削減を実現した。当社は、コンピューティングとエネルギーの融合をさらに深化させ、グリーン電力への直接アクセス及び「発電・送電網・負荷・蓄電」を統合した新たな電力供給モデルを構築した。また、寧夏において、中国初となるコンピューティングとエネルギーの融合を特徴とする大規模グリーン電力直接供給プロジェクトを構築し、これにより、国家ハブノードにおいて新設されたデータセンターのグリーン電力使用比率は80%を超え、グリーン化の推進と運営効率の向上が同時に実現された。当社は、グリーン製品及びグリーンサービスを通じた支援を推進し、環境保護クラウド及びグリーン照明等の主要製品及びソリューションの展開を拡大するとともに、2026年上半期には、32万超のグリーン照明及び省エネ空調製品端末を新たに展開し、各産業におけるグリーン及び低炭素化への転換を支援した。
改革及び開放を全面的に深化させ、コーポレート・ガバナンス能力を継続的に強化
当社は、「光ネットワーク変革」及び「クラウド化」に続き、「インテリジェンス変革」を中核として改革及び開放を全面的にさらに深化させた。当社は、技術力、リソース及び人材面の強みを最大限に活用し、組織プロセス及び制度メカニズムの改革・イノベーションを加速するとともに、AIの大規模活用を促進するために開放及び協力を一層推進した。
当社は、あらゆる分野において改革を全面的に深化させ、AIの発展に適応した新たな生産関係の構築を加速した。AIに対する顧客のニーズに対応するため、クラウド運営プラットフォームからAI中心型プラットフォームへの高度化を推進するとともに、AI中心型プラットフォームを中核とした主要業務プロセスを構築し、インテリジェントエンジニアリングチームの育成を加速した。当社はまた、顧客ニーズの把握、販売サービス、アジャイルデリバリー及び継続的運営に関する能力を体系的に向上させることで、顧客サービスにおける「ラストマイル」の課題を効率的に解決した。市場ニーズに対応するため、当社は、政府及び企業向け事業、クラウド・ネットワーク運営、ICT、データ開発並びにAIDCの構築及び運営等の分野において改革を深化させ、クラウド・ネットワーク、コンピューティング能力、プラットフォーム、データ、モデル及びアプリケーションを含むあらゆる要素に関する組織能力を継続的に強化することで、AI開発の分野における新たな競争優位を構築した。当社は、科学技術革新に関する体系及びメカニズムをさらに高度化し、独自性及び先駆性を有する科学技術革新を強化するとともに、科学技術人材の意欲を喚起し、重要な科学技術課題への対応能力の向上における継続的な推進力を提供した。当社は、専門子会社における改革を深化させ、事業配置を最適化するとともに、中核能力の構築を強化し、デジタル及びインテリジェント分野におけるプラットフォーム及び製品の供給力を向上させた。当社は、資源配分メカニズムを最適化し、的確な方向付けに基づく分類評価制度を構築するとともに、省レベルで設立された会社と専門会社との間及び専門会社同士の間13の協力メカニズムを改善することで、シナジー効果を一層発揮させた。革新的なメカニズム、プラットフォームの構築及び中長期インセンティブ制度の改善を通じて、当社は、若手人材及び現場従業員の起業家精神及び挑戦意欲を十分に引き出し、それぞれの潜在能力が最大限発揮される環境を整備した。
当社は、より強い決意により開放を推進し、体系的な開放及び協力の水準を向上させることで、相互利益に基づくパートナーシップの構築を進めた。モバイルネットワークインフラの共同構築及び共同使用を継続的に深化させるとともに、共有及び協力の規模と範囲をさらに拡大し、また、ネットワーク及びコンピューティング能力インフラ並びに新技術関連施設などの分野におけるオープンな共有を積極的に推進した。さらに、インフラの計画、建設、保守及び最適化における技術革新を継続的に推進することで、資源配分効率を向上させるとともに、投資及びコストの削減を実現した。当社は、科学技術革新に関する協力をさらに強化した。当社は、産業・学術・研究連携を一層推進するとともに、基礎研究に関する協力及び中核技術におけるブレークスルーを強化し、国有中央企業の量子人材の科学技術革新スペースを高い水準で構築した。また、継続的に資本を活用してインテリジェント・コンピューティング、ストレージ及び具身AI等の主要なAI分野に対する投資を加速し、Moore Threads、MetaX、DapuStor及びUnitree Robotics等の先進企業と連携し、先端分野における技術革新と産業革新の融合的発展を推進した。「直接投資+ファンド投資」を組み合わせた多層的な配置により、当社は、インテリジェントクラウドに関する5層構造の協力体系を統合及び最適化し、新たな資本戦略エコシステムを構築し、AI専門会社及び天翼視聯等の主要分野において、新たな増資及び戦略投資家の導入を加速し、市場志向の運営を推進した。当社は、事業面における開放及び協力も深化させた。当社は、開放的かつ協調的なチャンネルエコシステムを構築し、AI端末パートナーのエコシステムをさらに拡大し、また、統一的な権益オペレーションシステムを整備し、「自社所有+エコシステム」により差別化された競争優位を形成した。Modelers.cnは、国内開発されたコンピューティング能力を基盤とする中国最大のオープンソースAIコミュニティとなり、52万のAI開発者を集めるとともに、国家レベルのAI優良事例として選定された。さらに当社は、海外市場の開拓及びエコシステムパートナーシップの深化を継続し、「OneGrowth2026」グローバルパートナーシッププログラムを高度化し、グローバルAIトークンサービスエコシステム連盟を設立し、WBBA等の国際交流及び協力プラットフォームにおける国際的影響力を拡大した。
当社は、人材こそが最も重要な資源である、との理念を堅持し、人材による企業強化プロジェクトを積極的に推進するとともに、科学技術人材の育成及び採用を拡大し、5名の科学者、1,000名超の主席/上級専門家及び1万人超の技術専門家から構成される科学技術人材チームを形成した。また、科学者の役割を十分に発揮させるとともに、研究者の革新的な活力を引き出し、独立した科学技術革新成果の創出を推進し、独創的かつ先駆的な科学技術革新を支援する画期的な制度を導入した。当社は人材育成の法則を重視し、人材開発及び研修システムを改善するとともに、従業員構成の高度化を継続的に推進した。
社会的責任を積極的に果たし、資本市場から高い評価を獲得
当社は、全国両会及び有人宇宙船「神舟23号」の打上げといった重要なイベントに対し、通信支援を成功裏に実施した。また、AIフロー、低空域通信及び天通衛星等の先端技術を活用し、緊急救助活動における通信の「ライフライン」を全面的に強化した。当社は、農村振興に対して継続的にデジタル化及びインテリジェント化の推進力を提供し、農村産業の効率向上及び関連ガバナンス能力の強化に向けた具体的な取組みを推進した。また、技術を活用して不正防止のためのセキュリティネットワークを強化し、不正対策ガバナンスの効率を継続的に向上させた。
当社は、一貫して高水準のコーポレート・ガバナンスを堅持し、法令を厳格に遵守するとともに、コンプライアンス管理体制を継続的に改善し、情報開示の質及び透明性を向上させた。株主総会及び取締役会は、適切な手続きに従い運営され、効率的な意思決定を実現しており、当社の長期的かつ安定的な発展に向けた強固な基盤を構築した。当社はルックスルー型監督を深化させ、デジタル技術及びインテリジェント技術を活用してリスクの早期警戒及び精緻な予防及び管理を推進し、リスクガバナンス能力を継続的に向上させた。同時に、当社は、IR活動を積極的に強化した。業績説明会、ロードショー及び投資家ミーティング等の多様なチャンネルを通じて、当社は、戦略的位置づけ及び業績を多角的に発信し、その結果、市場における当社の投資価値に対する評価を一層高めることができた。
当社の優れた業績は、国内外の資本市場から高い評価を受けた。当社は、コーポレート・ガバナンス・アジアが主催する「アジア・エクセレンス・アワード2026」において、7年連続で「Asia’s Best CSR(アジア最優秀CSR)賞」を受賞した。また、ファイナンスアジアが実施する「アジア最優秀企業投票2026」において、「Best Investor Relations in China(中国における最優秀インベスター・リレーションズ)」、「Best Large-Cap Company in China(中国最優秀大型企業)」及び「Most Committed to DEI (diversity, equity, and inclusion) in China(中国におけるダイバーシティ、エクイティ及びインクルージョン推進に最も積極的な企業)」の各部門で金賞を受賞した。
1 主要事業による収益は、通信事業(モバイル通信、有線通信、IoT、衛星サービス、情報サービス等を含む。)による収益及びインテリジェンス事業(コンピューティング能力、プラットフォーム、データ、モデル、インテリジェント・アプリケーション等を含む。)による収益から構成される。
2 比較可能ベースとは、2026年上半期における増値税(VAT)の分類項目の適用範囲の変更による影響を除外したものをいう。
3 EBITDA=営業収益-営業費用+減価償却費及び償却費
4 当期利益とは、当社株主に帰属する利益をいう。
5 フリー・キャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー純額-設備投資額
6 研究開発費は、中国企業会計基準に基づいて算定している。
7 QKD(Quantum Key Distribution:量子鍵配送)とは、量子の不可分性、複製不能性及び不確定性等の物理的特性を利用して遠隔地間で鍵を配送する技術をいう。
8 PRTS(Primitive Reasoning and Tasking System)とは、当社が独自開発した強化学習ネイティブ型VLA基盤モデルをいう。
9 PQC(Post Quantum Cryptography:ポスト量子暗号)とは、量子コンピュータによる攻撃に耐性を有する暗号技術及び関連アルゴリズムをいう。
10 出典:ICV TA&K「2026 Global Quantum Computing Cloud Platform Assessment Report」
11 1+1+4+Nとは、1つの統合サービスソリューション基盤、1つの低空域インテリジェント・ネットワーク、4つの主要支援プラットフォーム及びN個のシナリオ別アプリケーションをいう。
12 1+N+1とは、1つのYunxi統合AIセキュリティプラットフォーム、N個の中核AIセキュリティ機能及び1つのエージェンティックSOCをいう。
13 省レベルで設立された会社と専門会社と専門会社間及び専門会社相互間の連携をいう。
4【重要な契約等】
| 単位:人民元 | |
| 当社が提供した対外保証(子会社に対し提供した保証を除く。) | |
| 報告期間中に発生した保証の総額(子会社に提供したものを除く。) | 0 |
| 報告期間末における保証残高の総額(A)(子会社に提供したものを除く。) | 0 |
| 当社及びその子会社がその子会社に対し提供した保証 | |
| 報告期間中に発生した子会社に対する保証の総額 | 71,354,057.97 |
| 報告期間末現在の子会社に対する保証残高の総額(B) | 132,594,364.33 |
| 当社の保証総額(子会社に対し提供した保証を含む。) | |
| 保証総額(A + B) | 132,594,364.33 |
| 当社の純資産に対する保証総額の割合(%) | 0.0277 |
| 内訳: | |
| 株主、最終支配者及びその関係当事者に対する保証額(C) | 0 |
| 保証対象者に直接的又は間接的に提供された債務保証のうち、ギアリングレシオが70%を超えるもの(D) | 0 |
| 保証総額が純資産の50%を超えるもの(E) | 0 |
| 上記3保証(C + D + E)の総額 | 0 |
| 未払保証に対する連帯の可能性 | なし |
| 備考 | 当社が提供する対外保証は、いずれも当社の子会社である中国電信集団財務有限公司及びチャイナ・テレコム・グローバル有限公司から当社の完全子会社に対して提供された非金融保証であった。上記の対外保証額に外貨が含まれる場合、2026年6月30日に中国人民銀行が発表した人民元の為替レートの仲値で換算される。 |
5【研究開発活動】
当該半期中、当社の研究開発活動について重要な変更はなかった。
第4【設備の状況】
1【主要な設備の状況】
当該半期中において、主要な設備に重要な異動はなかった。
2【設備の新設、除却等の計画】
「第6 経理の状況-1.中間財務書類-(5) 未監査中間要約連結財務情報に対する注記-5.有形固定資産(純額)及び建設仮勘定」を参照のこと。
第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
| ①【株式の総数】 | (2026年6月30日現在) |
| 授権株数 | 発行済株式総数 | 未発行株式数 | |
| A株式 | 該当なし | 77,629,728,699株 | 該当なし |
| H株式 | 該当なし | 13,877,410,000株 | 該当なし |
| ②【発行済株式】 | (2026年6月30日現在) |
| 記名・無記名の別及び 額面・無額面の別 | 種類 | 発行数 | 上場証券取引所又は 登録証券業協会名 |
| 記名式額面株式 (額面1人民元) | A株式 | 77,629,728,699株 | 上海証券取引所 |
| 記名式額面株式 (額面1人民元) | H株式 | 13,877,410,000株 | 香港証券取引所 |
| 合計 | - | 91,507,138,699株 | - |
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし
(3)【発行済株式総数及び資本金等の状況】
A株式
| 年月日 | 発行済株式総数 増減数 | 発行済株式総数 残高 | 資本金増減額 (人民元) (下段:円) | 資本金残高 (人民元) (下段:円) |
| 2025年 12月31日 | - | 77,629,728,699 | - | 77,629,728,699 (1,825,074,921,713) |
| 2026年 6月30日 | - | 77,629,728,699 | - | 77,629,728,699 (1,825,074,921,713) |
H株式
| 年月日 | 発行済株式総数 増減数 | 発行済株式総数 残高 | 資本金増減額 (人民元) (下段:円) | 資本金残高 (人民元) (下段:円) |
| 2025年 12月31日 | - | 13,877,410,000 | - | 13,877,410,000 (326,257,909,100) |
| 2026年 6月30日 | - | 13,877,410,000 | - | 13,877,410,000 (326,257,909,100) |
(4)【大株主の状況】
| 単位:株 2026年6月30日現在 | |||||||
| 上位10名の株主 (リファイナンスによる貸付株式を除く) | |||||||
| 株主名 | 報告期間に おける変化 | 報告期間末における保有株式数 | 割合 (%) | ロックアップ制限を有する株式数 | 質権、標記又は凍結の状況 | 株主の性質 | |
| 状況 | 数 | ||||||
| 中国電信集団有限公司 | - | 58,476,519,174 | 63.90 | - | なし | - | 国有法人 |
| 香港中央結算(代理人)有限公司 | 583,990 | 13,823,619,898 | 15.11 | - | なし | - | 外国法人 |
| 広東省広晟控股集団有限公司 | - | 4,794,082,653 | 5.24 | - | なし | - | 国有法人 |
| 浙江省財開集団有限公司 | - | 2,137,473,626 | 2.34 | - | なし | - | 国有法人 |
| 江蘇省国信集団有限公司 | - | 957,031,543 | 1.05 | - | なし | - | 国有法人 |
| 福建省投資開発集団有限責任公司 | - | 920,294,182 | 1.01 | - | なし | - | 国有法人 |
| 国豊興華(北京)私募基金管理有限公司-鴻鵠志遠(上海)私募投資基金有限公司 | - | 761,742,240 | 0.83 | - | なし | - | その他 |
| 中国人寿保険股份有限公司-伝統-普通保険商品-005L- CT001上海 | (448,261,544) | 722,175,857 | 0.79 | - | なし | - | 未詳 |
| 国新宏盛投資(北京)有限公司 | 346,222,372 | 561,403,835 | 0.61 | - | なし | - | 未詳 |
| 国網英大国際控股集団有限公司 | - | 441,501,000 | 0.48 | - | なし | - | 国有法人 |
2【役員の状況】
前事業年度の有価証券報告書提出日(2026年6月24日)後本半期報告書提出日までにおける当社の取締役及び上級役員の異動は以下の通りである。
本半期報告書提出日現在、8名の男性取締役(うち4名は上級管理職)、2名の男性上級管理職、2名の女性取締役(うち0名は上級管理職)及び1名の女性上級管理職がおり、女性取締役及び上級管理職の割合は23.1%であった。
新任
| 氏名 (年齢) | 職名及び就任日 | 略歴 | 任期 | 実質所有株式数 |
| 李 雲莊 (リ・ユンジャン) (47歳) | 執行副社長 2026年8月20日 | 李氏は、工学修士号を有する上級技師である。同氏はこれまでに、当社のクラウドコンピューティング事業部副ゼネラルマネージャー、チャイナ・テレコム・クラウド・テクノロジー有限公司の副ゼネラルマネージャー、当社海南省支店の副ゼネラルマネージャー及び当社浙江省支店のゼネラルマネージャーを歴任した。同氏は現在、中国電信集団有限公司の副社長を務めている。李氏は、経営管理及び電気通信業界において豊富な経験を有している。 | 2029年に開催される当社の2028年度年次株主総会まで | 0 |
第6【経理の状況】
a. 本書記載のチャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド(以下「当社」という。) 及び子会社(以下、総称して「当グループ」という。)の邦文の中間財務書類(以下「邦文の中間財務書類」という。)は、IFRS会計基準及び香港証券取引所上場規則に準拠して作成された添付2026年6月30日に終了した期間の原文の中間財務書類(以下「原文の中間財務書類」という。)の翻訳に、下記の円換算額を併記したものである。原文の中間財務書類は、香港証券取引所に対して2026年9月11日付で提出された期中報告書に掲載されたものと同じである。当グループの中間財務書類の日本における開示については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)第328条第1項の規定が適用されている。
邦文の中間財務書類には、財務諸表等規則に基づき、原文の中間財務書類中の人民元表示の金額のうち主要なものについて円換算額が併記されている。日本円への換算には、1人民元=23.51円の為替レートが使用されている。この為替レートは、中国の外国為替管理当局が発表した2026年8月24日現在の「人民元基準為替レート」である。
なお、財務諸表等規則に基づき、IFRS会計基準と日本の会計処理の原則及び手続並びに表示方法との主要な相違については、第6の「3 当社が採用している会計原則及び会計慣行と日本の会計原則及び会計慣行との主要な相違」に記載されている。
円換算額及び第6の「2 その他」及び「3 当社が採用している会計原則及び会計慣行と日本の会計原則及び会計慣行との主要な相違」の事項は原文の中間財務書類には記載されていない。
b. 原文の中間財務書類は、外国監査法人等(「公認会計士法」(昭和23年法律第103号)第1条の3第7項に規定されている外国監査法人等をいう。)から、「金融商品取引法」(昭和23年法律第25号)第193条の2第1項第1号に規定されている監査証明に相当すると認められる証明を受けていない。
1【中間財務書類】
(1) 要約連結財政状態計算書 (未監査)
2026年6月30日現在
| 注記 | 2026年6月30日 | 2025年12月31日 | ||||||||
| 百万 人民元 | 億円 | 百万 人民元 | 億円 | |||||||
| 資産 | ||||||||||
| 非流動資産 | ||||||||||
| 有形固定資産(純額) | 5 | 393,396 | 92,487 | 416,183 | 97,845 | |||||
| 建設仮勘定 | 5 | 69,541 | 16,349 | 56,481 | 13,279 | |||||
| 使用権資産 | 52,037 | 12,234 | 58,103 | 13,660 | ||||||
| のれん | 30,912 | 7,267 | 30,914 | 7,268 | ||||||
| 無形資産 | 26,264 | 6,175 | 28,439 | 6,686 | ||||||
| 関連会社又は共同支配企業に対する投資 | 6 | 47,094 | 11,072 | 45,280 | 10,645 | |||||
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 | 22 | 20,724 | 4,872 | 923 | 217 | |||||
| その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | 22 | 1,350 | 317 | 1,878 | 442 | |||||
| 繰延税金資産 | 1,436 | 338 | 1,002 | 236 | ||||||
| 長期銀行預金 | 5,964 | 1,402 | 11,210 | 2,635 | ||||||
| その他の資産 | 7 | 15,228 | 3,580 | 14,096 | 3,314 | |||||
| 非流動資産合計 | 663,946 | 156,094 | 664,509 | 156,226 | ||||||
| 流動資産 | ||||||||||
| 棚卸資産 | 4,119 | 968 | 3,431 | 807 | ||||||
| 未収法人所得税 | 109 | 26 | 74 | 17 | ||||||
| 売掛金(純額) | 8 | 71,794 | 16,879 | 53,146 | 12,495 | |||||
| 契約資産 | 4,433 | 1,042 | 4,123 | 969 | ||||||
| 前払金及びその他の流動資産 | 34,281 | 8,059 | 33,845 | 7,957 | ||||||
| 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 | 22 | 33,372 | 7,846 | 11,709 | 2,753 | |||||
| その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | 22 | 2,365 | 556 | - | - | |||||
| 銀行預金及び拘束預金 | 29,643 | 6,969 | 38,413 | 9,031 | ||||||
| 現金及び現金同等物 | 9 | 40,657 | 9,558 | 61,394 | 14,434 | |||||
| 流動資産合計 | 220,773 | 51,904 | 206,135 | 48,462 | ||||||
| 資産合計 | 884,719 | 207,997 | 870,644 | 204,688 | ||||||
| 注記 | 2026年6月30日 | 2025年12月31日 | |||||||
| 百万 人民元 | 億円 | 百万 人民元 | 億円 | ||||||
| 負債及び資本 | |||||||||
| 流動負債 | |||||||||
| 短期債務 | 10 | 1,677 | 394 | 2,448 | 576 | ||||
| 1年以内返済予定の長期債務 | 10 | 1,261 | 296 | 1,466 | 345 | ||||
| 買掛金 | 11 | 156,456 | 36,783 | 149,704 | 35,195 | ||||
| 未払費用及びその他の未払金 | 90,691 | 21,321 | 87,180 | 20,496 | |||||
| 契約負債 | 60,205 | 14,154 | 67,113 | 15,778 | |||||
| 未払法人所得税 | 2,472 | 581 | 1,563 | 367 | |||||
| 1年以内返済予定のリース負債 | 20,417 | 4,800 | 14,239 | 3,348 | |||||
| 流動負債合計 | 333,179 | 78,330 | 323,713 | 76,105 | |||||
| 流動負債純額 | (112,406) | (26,427) | (117,578) | (27,643) | |||||
| 流動負債控除後資産合計 | 551,540 | 129,667 | 546,931 | 128,583 | |||||
| 非流動負債 | |||||||||
| 長期債務 | 10 | 5,557 | 1,306 | 6,109 | 1,436 | ||||
| リース負債 | 18,144 | 4,266 | 25,051 | 5,889 | |||||
| 繰延税金負債 | 40,546 | 9,532 | 39,294 | 9,238 | |||||
| その他の非流動負債 | 7,890 | 1,855 | 8,217 | 1,932 | |||||
| 非流動負債合計 | 72,137 | 16,959 | 78,671 | 18,496 | |||||
| 負債合計 | 405,316 | 95,290 | 402,384 | 94,600 | |||||
| 2026年6月30日 | 2025年12月31日 | ||||||
| 百万 人民元 | 億円 | 百万 人民元 | 億円 | ||||
| 資本 | |||||||
| 株式資本 | 91,507 | 21,513 | 91,507 | 21,513 | |||
| 剰余金 | 380,376 | 89,426 | 369,321 | 86,827 | |||
| 当社株主に帰属する資本合計 | 471,883 | 110,940 | 460,828 | 108,341 | |||
| 非支配持分 | 7,520 | 1,768 | 7,432 | 1,747 | |||
| 資本合計 | 479,403 | 112,708 | 468,260 | 110,088 | |||
| 負債及び資本合計 | 884,719 | 207,997 | 870,644 | 204,688 | |||
第51頁から第74頁(原文の頁番号――訳注)の注記も当中間要約連結財務情報を構成する不可分の一部である。
(2) 要約連結包括利益計算書 (未監査)
2026年6月30日に終了した6ヶ月間
| 6月30日に終了した6ヶ月間 | |||||||||
| 注記 | 2026年 | 2025年 | |||||||
| 百万 人民元 | 億円 | 百万 人民元 | 億円 | ||||||
| 営業収益 | 12 | 260,471 | 61,237 | 271,469 | 63,822 | ||||
| 営業費用 | |||||||||
| 減価償却費及び償却費 | (51,378) | (12,079) | (52,039) | (12,234) | |||||
| ネットワーク運営・サポート費用 | 13 | (77,143) | (18,136) | (78,288) | (18,406) | ||||
| 販売費及び一般管理費 | 14 | (32,759) | (7,702) | (32,783) | (7,707) | ||||
| 人件費 | 15 | (49,389) | (11,611) | (50,438) | (11,858) | ||||
| その他の営業費用 | 16 | (26,823) | (6,306) | (29,372) | (6,905) | ||||
| 営業費用合計 | (237,492) | (55,834) | (242,920) | (57,110) | |||||
| 営業利益 | 22,979 | 5,402 | 28,549 | 6,712 | |||||
| 正味財務費用 | 17 | (93) | (22) | (294) | (69) | ||||
| 投資利益及びその他 | 1,074 | 252 | 107 | 25 | |||||
| 関連会社又は共同支配企業に対する持分利益 | 1,803 | 424 | 1,233 | 290 | |||||
| 税引前利益 | 25,763 | 6,057 | 29,595 | 6,958 | |||||
| 法人所得税 | 18 | (6,278) | (1,476) | (6,576) | (1,546) | ||||
| 当期利益 | 19,485 | 4,581 | 23,019 | 5,412 | |||||
| 6月30日に終了した6ヶ月間 | ||||||||
| 2026年 | 2025年 | |||||||
| 百万 人民元 | 億円 | 百万 人民元 | 億円 | |||||
| 当期その他の包括利益 | ||||||||
| 後に純損益に振り替えられない項目: | ||||||||
| その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に対する投資の公正価値の変動 | (279) | (66) | 60 | 14 | ||||
| その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に対する投資の公正価値の変動に係る繰延税金 | 67 | 16 | (14) | (3) | ||||
| (212) | (50) | 46 | 11 | |||||
| 後に純損益に振り替えられる可能性のある項目: | ||||||||
| 中国本土外子会社等の財務諸表の為替換算差額 | (464) | (109) | (51) | (12) | ||||
| (464) | (109) | (51) | (12) | |||||
| 当期その他の包括利益(税引後) | (676) | (159) | (5) | (1) | ||||
| 当期包括利益合計 | 18,809 | 4,422 | 23,014 | 5,411 | ||||
| 6月30日に終了した6ヶ月間 | |||||||||
| 注記 | 2026年 | 2025年 | |||||||
| 百万 人民元 | 億円 | 百万 人民元 | 億円 | ||||||
| 以下に帰属する利益 | |||||||||
| 当社株主 | 19,588 | 4,605 | 23,017 | 5,411 | |||||
| 非支配持分 | (103) | (24) | 2 | 0 | |||||
| 当期利益 | 19,485 | 4,581 | 23,019 | 5,412 | |||||
| 以下に帰属する包括利益合計 | |||||||||
| 当社株主 | 18,912 | 4,446 | 23,012 | 5,410 | |||||
| 非支配持分 | (103) | (24) | 2 | 0 | |||||
| 当期包括利益合計 | 18,809 | 4,422 | 23,014 | 5,411 | |||||
| 1株当たり利益 (人民元/日本円) | 20 | 0.21 | 5 | 0.25 | 6 | ||||
| 希薄化後1株当たり利益 (人民元/日本円) | 20 | 0.21 | 5 | 0.25 | 6 | ||||
第51頁から第74頁(原文の頁番号――訳注)の注記も当中間要約連結財務情報を構成する不可分の一部である。
2【その他】
(1) 決算日後の状況
「第6 経理の状況-1.中間財務書類-(5) 未監査中間要約連結財務情報に対する注記-25.後発事象」を参照のこと。
(2) 訴訟等
重要な訴訟はなかった。
3【当社が採用している会計原則及び会計慣行と日本の会計原則及び会計慣行との主要な相違】
本書記載の財務書類は、IFRS会計基準に準拠して作成されている。IFRS会計基準は、日本において一般に公正妥当と認められる会計原則とはいくつかの点で相違しており、その主な相違は以下に要約されている。
(1)連結手続
(a) 連結会社間の会計方針の統一
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第10号「連結財務諸表」に基づき、親会社は、類似の状況における同様の取引及び他の事象に関し、統一された会計方針を用いて、連結財務諸表を作成しなければならない。在外子会社の財務諸表は、それぞれの国で認められている会計原則を使用して作成されている場合でも、連結に先立ち、親会社が使用するIFRS会計基準に準拠した会計方針に一致させるよう必要なすべての修正及び組替が行われる。また、国際会計基準(以下「IAS」という。)第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」に基づき、関連会社又は共同支配企業が類似の状況における同様の取引及び事象に関して、企業とは異なる会計方針を用いている場合には、企業が持分法を適用するために関連会社又は共同支配企業の財務諸表を用いる際に、関連会社又は共同支配企業の会計方針を企業の会計方針に合わせるための修正を行わなければならない。
日本では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、連結財務諸表を作成する場合、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、親会社及び子会社が採用する会計方針は、原則として統一しなければならない。ただし、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」により、在外子会社の財務諸表がIFRS会計基準又は米国会計基準に準拠して作成されている場合、及び国内子会社が指定国際会計基準又は修正国際基準に準拠した連結財務諸表を作成して有価証券報告書により開示している場合には、一定の項目(のれんの償却、退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理、研究開発費の支出時費用処理など)の修正を条件に、これを連結決算手続上利用することができる。 関連会社についても、企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」に従い、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、投資会社(その子会社を含む。)及び持分法を適用する被投資会社が採用する会計方針は、原則として統一する。ただし、実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」により、在外関連会社の財務諸表がIFRS会計基準又は米国会計基準に準拠して作成されている場合、及び国内関連会社が指定国際会計基準又は修正国際基準に準拠した連結財務諸表を作成して有価証券報告書により開示している場合については、当面の間、実務対応報告第18号で規定される在外子会社等に対する当面の取扱いに準じて行うことができる。
(b) 報告日の統一
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第10号「連結財務諸表」に基づき、連結財務諸表作成に用いる親会社及びその子会社の財務諸表は、同じ報告日としなければならない。親会社の報告期間の期末日が子会社と異なる場合、子会社は、実務上不可能な場合を除いて、連結のために親会社の財務諸表と同日現在の追加的な財務諸表を作成して、親会社が子会社の財務情報を連結できるようにする。実務上不可能な場合には、親会社は子会社の直近の財務諸表を用いて子会社の財務情報を連結しなければならないが、当該財務諸表の日付と連結財務諸表の日付との間に生じた重要な取引又は事象の影響について調整する。いかなる場合でも、子会社の財務諸表と連結財務諸表の日付の差異は3ヶ月を超えてはならず、報告期間の長さ及び財務諸表の日付の差異は毎期同一でなければならない。
また、関連会社及び共同支配企業については、IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」に基づき、企業が持分法を適用する際には、関連会社又は共同支配企業の直近の利用可能な財務諸表を使用する。企業の報告期間の末日が関連会社又は共同支配企業と異なる場合には、関連会社又は共同支配企業は、実務上不可能な場合を除いて、企業の使用のために、企業の財務諸表と同じ日付で財務諸表を作成する。子会社と同様に、持分法を適用する際に用いる関連会社又は共同支配企業の財務諸表を企業と異なる日付で作成する場合には、その日付と企業の財務諸表の日付との間に生じた重要な取引又は事象の影響について調整を行わなければならない。いかなる場合にも、関連会社又は共同支配企業の報告期間の末日と企業の報告期間の末日との差異は3ヶ月以内でなければならない。報告期間の長さとその末日の差異は毎期同じでなければならない。
日本では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、子会社の決算日と連結決算日の差異が3ヶ月を超えない場合には、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができる。ただし、この場合には、子会社の決算日と連結決算日が異なることから生じる連結会社間の取引に係る会計記録の重要な不一致について、必要な整理を行う。
関連会社についても、企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」に従い、投資会社は、関連会社の直近の財務諸表を使用する。投資会社と関連会社の決算日に差異があり、その差異の期間内に重要な取引又は事象が発生しているときには、必要な修正又は注記を行う。
(2)連結の範囲及び持分法の適用範囲
(a) 連結の範囲及び持分法の適用範囲
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第10号「連結財務諸表」に基づき、支配を有する会社(子会社)に対しては連結対象とし、IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」に基づき、投資先に対して共同支配又は重要な影響力を有する企業は、関連会社又は共同支配企業に対する投資を持分法で会計処理しなければならない。IFRS会計基準第10号では、投資者が、投資先に対するパワー、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資者のリターンの額に影響を及ぼすように投資先に対するパワーを用いる能力を有している場合には、投資先を支配していると判定される。IAS第28号では、重要な影響力とは、投資先の財務及び営業の方針決定に参加するパワーであるが、当該方針に対する支配又は共同支配ではないものと定めている。またIFRS会計基準第12号「他の企業への関与の開示」では、「組成された企業」(特別目的事業体と類似の性格を有すると考えられる。)を「誰が企業を支配しているのかの決定に際して、議決権又は類似の権利が決定的な要因とならないように設計された企業」と定義し、組成された企業への関与についての開示要求事項を定めている。組成された企業は、上記IFRS会計基準第10号の支配の概念に照らし、投資者が組成された企業を支配していると判定される場合には、連結の範囲に含めることになる。
日本では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、実質支配力基準により連結の範囲が決定され、支配の及ぶ会社(子会社)は連結の範囲に含まれる。ただし、子会社のうち支配が一時的であると認められる企業、又は連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある企業については、連結の範囲に含めないこととされている。また、非連結子会社及び重要な影響力を与えることができる会社(関連会社)については、持分法の適用範囲に含める。なお、日本でも、連結財務諸表上、共同支配投資企業は、共同支配企業に対する投資について持分法を適用する。
また、日本では、特別目的会社については、企業会計基準第22号及び企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」に基づき、特別目的会社が適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者に享受させることを目的として設立され、当該特別目的会社の事業がその目的に従い適切に遂行されているときは、当該特別目的会社に資産を譲渡した会社から独立しているものと認め、当該特別目的会社に資産を譲渡した会社の子会社に該当しないものと推定される。したがって、当該要件を満たす特別目的会社は、連結の範囲に含まれないことになる。ただし、このように連結の範囲に含まれない特別目的会社については、企業会計基準適用指針第15号「一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針」に基づき、当該特別目的会社の概要、当該特別目的会社を利用した取引の概要、当期に行った当該特別目的会社との取引金額又は当該取引の期末残高等の一定の開示を行うことが、特別目的会社に資産を譲渡した会社に求められている。
(b) 連結の例外
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第10号「連結財務諸表」に従い、親会社が投資企業の定義に該当する場合には、一定の場合を除き子会社を連結してはならず、それに代えて、子会社に対する投資をIFRS会計基準第9号「金融商品」に従い純損益を通じて公正価値で測定しなければならない。
なお、投資企業の親会社は、投資企業である子会社を通じて支配している企業を含めて、支配しているすべての企業を連結しなければならない。ただし、親会社自身が投資企業である場合を除く。
日本では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」に従い、親会社が、財務上又は営業上もしくは事業上の関係からみて他の企業の意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる場合には、当該他の企業を子会社に該当しないものとして取り扱うことができる。
(3)非支配持分
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第3号「企業結合」に基づき、企業結合ごとに取得企業は、取得日現在で、被取得企業に対する非支配持分のうち、現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有者に与えているものを、以下のいずれかで測定しなければならない。
(a) 公正価値
(b) 被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する現在の所有権金融商品の比例的な取り分
非支配持分の他のすべての内訳項目は、他の測定基礎がIFRS会計基準で要求されている場合を除き、取得日の公正価値で測定しなければならない。
また、子会社に対する親会社の所有持分の変動(非支配持分との取引)で支配の喪失とならない場合には資本取引として会計処理される。
日本では、IFRS会計基準のように非支配株主持分を公正価値で測定する方法は認められておらず、非支配株主持分は取得日における被取得企業の識別可能純資産の時価に対する非支配株主の持分で測定される。
(4)他の企業への関与の開示
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第12号「他の企業への関与の開示」に従い、次の事項に関する開示が要求されている。
(a) 重大な判断及び仮定(支配、共同支配及び重要な影響力等を決定する際に行った重大な判断及び仮定)
(b) 子会社への関与(企業集団の構成、非支配持分が企業集団の活動及びキャッシュ・フローに対して有している関与、企業集団の資産へのアクセス等に対する重大な制限の内容及び程度、連結した組成された企業への関与に関連したリスクの内容、所有持分の変動)
(c) 共同支配の取決め及び関連会社への関与(共同支配の取決め及び関連会社への関与の内容、程度及び財務上の影響、並びに当該関与に関連したリスク)
(d) 非連結の組成された企業への関与(非連結の組成された企業への関与の内容及び程度、並びに当該関与に関連したリスクの内容及び変動)
日本では、上記に関して包括的に規定する会計基準はないが、連結の範囲に含まれない特別目的会社に関する開示や、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、連結の範囲に含めた子会社、非連結子会社に関する事項その他連結の方針に関する重要な事項及びこれらに重要な変更があったときは、その旨及びその理由について開示することが要求されている。
(5)企業結合
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第3号「企業結合」に基づき、すべての企業結合に取得法が適用されている(共同支配の取決め自体の財務諸表における共同支配の取決めの形成の会計処理、共通支配下の企業又は事業の結合、及び事業を構成しない資産又は資産グループの取得を除く。)。取得法では、取得日において、取得企業は識別可能な取得した資産及び引き受けた負債を、原則として、取得日公正価値で認識する。
日本でも、企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」に基づき、すべての企業結合(共同支配企業の形成及び共通支配下の取引を除く。)はパーチェス法(取得法に類似する方法)で会計処理されている。
ただし、IFRS会計基準と日本基準の間には、主に以下の差異が存在する。
(a) 条件付対価の処理
IFRS会計基準では、取得企業は条件付対価を、被取得企業との交換で移転した対価に含め、取得日公正価値で認識しなければならない。また、条件付対価の公正価値に事後的な変動があった場合でも、一定の場合を除き、のれんの修正は行わない。
日本では、条件付取得対価の交付もしくは引渡し又は返還が確実となり、その時価が合理的に決定可能となった時点で、支払対価を取得原価として追加的に認識するか又は返還される対価の金額を取得原価から減額するとともに、のれんの修正を行う。
(b) のれんの当初認識及び非支配持分の測定
IFRS会計基準では、企業結合ごとに以下のいずれかの方法を選択できる。
・ 非支配持分も含めた被取得企業全体を公正価値で測定し、のれんは非支配持分に帰属する部分も含めて測定する方法(全部のれん方式)
・ 非支配持分のうち、現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有者に与えているものは、被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する比例持分相当額として測定し、のれんは取得企業の持分相当額についてのみ認識する方法(購入のれん方式)
日本では、IFRS会計基準のように非支配株主持分自体を時価評価する処理(全部のれん方式)は認められておらず、のれんは、取得原価が、取得した資産及び引き受けた負債に配分された純額を超過する額として算定される(購入のれん方式)。
(c) のれんの償却
IFRS会計基準では、のれんの償却は行わず、のれんは、IAS第36号「資産の減損」に従い、毎期及び減損の兆候がある場合はその都度、減損テストの対象になる。
日本では、原則として、のれんの計上後20年以内に、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却する。ただし、金額に重要性が乏しい場合には、当該のれんが生じた事業年度の費用として処理することができる。のれんの未償却残高は、減損処理の対象となる。
(6)金融商品の分類及び測定
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第9号「金融商品」により、金融資産及び金融負債を以下のように分類し、測定することが要求されている。
金融資産については、金融資産の管理に関する企業の事業モデル及び金融資産の契約上のキャッシュ・フロー上の特性の両方に基づき、以下のように事後測定するものに分類しなければならない。
(a) 償却原価で事後測定するもの: 契約上のキャッシュ・フローを回収することを保有目的とする事業モデルの中で保有され、契約条件により元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で事後測定するもの: 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有され、契約条件により元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合。
(c) 純損益を通じて公正価値で事後測定するもの: 上記以外の場合。
ただし、企業は、当初認識時に、売買目的保有又は企業結合における取得者によって認識される条件付対価ではない資本性金融商品の公正価値の事後変動をその他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行うことができる。
金融負債(公正価値オプション及び負債であるデリバティブ等を除く。)については、償却原価で事後測定するものに分類しなければならない。
またIFRS会計基準第9号では、会計上のミスマッチを除去又は大幅に低減するなどの一定の要件を満たす場合、当初認識時に金融資産及び金融負債を純損益を通じて公正価値で測定するものとして取消不能の指定をすることができる(公正価値オプション)。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、金融資産及び金融負債は以下のように測定される。
・ 売買目的有価証券は、時価で測定し、時価の変動は純損益に認識される。
・ 個別財務諸表においては、子会社株式及び関連会社株式は、取得原価で計上される。
・ 満期保有目的の債券は、取得原価又は償却原価で測定される。
・ その他有価証券(売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券)は、時価で測定し、時価の変動額は
a) 純資産に計上され、売却、減損あるいは回収時に損益計算書に計上されるか、又は
b) 個々の証券について、時価が原価を上回る場合には純資産に計上し、下回る場合には損益計算書に計上する。
・ 時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、それぞれ次の方法による。
a) 社債その他の債券の貸借対照表価額は、取得原価又は償却原価で測定される。
b) 社債その他の債券以外の有価証券は、取得原価をもって貸借対照表価額とする。
なお、時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券についての取り扱いは、企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等の適用に伴い削除されている。同会計基準等の適用開始以降は、市場価格のない株式等について、取得原価をもって貸借対照表価額とすることが求められている。
・ 貸付金及び債権は、取得原価又は償却原価で測定される。
・ 金融負債は債務額で測定される。ただし、社債については、社債金額よりも低い価額又は高い価額で発行した場合など、収入に基づく金額と債務額とが異なる場合には、償却原価法に基づいて算定された価額で評価しなければならない。
IFRS会計基準で認められている公正価値オプションに関する規定はない。
(7)金融資産の認識の中止
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第9号「金融商品」に従い、(1)資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、又は(2)金融資産を譲渡し、かつ①企業が金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを他の当事者に移転した時、もしくは②企業がリスクと経済価値のほとんどすべてを移転も保持もしないが金融資産に対する支配を保持していない場合、当該金融資産の認識を中止する。企業がリスクと経済価値のほとんどすべてを移転しないが保持もせず、譲渡された資産を支配し続ける場合には、企業は資産に対する留保持分と関連して支払う可能性がある負債を認識する。企業が、譲渡された金融資産のほとんどすべてのリスクと経済価値を保持している場合には、企業は金融資産の認識を継続する。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、譲渡金融資産の財務構成要素ごとに、支配が第三者に移転しているかどうかの判断に基づいて、当該金融資産の認識の中止がなされる。
(8) 金融商品の分類変更
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第9号「金融商品」に従い、金融資産の管理に関する事業モデルを変更した場合にのみ、影響を受けるすべての金融資産を同基準に定める分類方法に従って分類変更することが求められている。金融負債の分類変更を行うことは認められていない。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、売買目的又は売却可能(その他有価証券)から満期保有目的への分類変更は認められず、売買目的から売却可能(その他有価証券)への分類変更については、正当な理由がある限られた状況(例えば、トレーディング業務の廃止を決定した場合に、売買目的として分類していた有価証券をすべて売却可能(その他有価証券)に分類変更することができる)においてのみ認められている。
(9)金融商品の公正価値の開示
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第7号「金融商品:開示」に基づき、当該基準の対象となるすべての金融資産及び金融負債について以下の開示を行うことが要求されている。
(a) 企業の財政状態及び業績に対する金融商品の重要性
(b) 企業が当期中及び報告期間の末日現在で晒されている金融商品から生じるリスクの内容及び程度並びに企業の当該リスクの管理方法
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第19号「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」に基づき、時価等の開示がすべての金融商品に求められ、かつ金融商品から生じるリスクについての開示も求められている。ただし、金融商品から生じるリスクのうち市場リスクに関する定量的開示が求められているのは、金融商品から生じるリスクが重要な企業(銀行・証券会社等)が想定されている。
(10)公正価値測定
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第13号「公正価値測定」は、一定の場合を除き、他のIFRS会計基準が公正価値測定又は公正価値測定に関する開示(及び、売却コスト控除後の公正価値のような、公正価値を基礎とする測定又は当該測定に関する開示)を要求又は許容している場合に適用される。IFRS会計基準第13号では、公正価値を「測定日時点で、市場参加者間の秩序ある取引において、資産を売却するために受け取るであろう価格又は負債を移転するために支払うであろう価格」と定義している。また、IFRS会計基準第13号は、公正価値の測定に用いたインプットの性質に基づき3つのヒエラルキーに分類し、公正価値測定を当該ヒエラルキー別に開示することを求めている。
日本では、2019年7月4日に企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」及びその適用指針である企業会計基準適用指針第31号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」並びに関連する基準及び適用指針の改正(合わせて「本会計基準等」)が公表され、2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されている。本会計基準等はIFRS会計基準第13号の定めを基本的にすべて取り入れている。ただし、これまで我が国で行われてきた実務等に配慮し、財務諸表間の比較可能性を大きく損なわせない範囲で、個別項目に対するその他の取扱いを定めている。なお、本会計基準等は、(1)改正企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」における金融商品及び(2)改正企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」におけるトレーディング目的で保有する棚卸資産を対象としている。
本会計基準等が公表されるまでは、時価の算定(公正価値測定)について包括的に規定する会計基準はなく、各会計基準において時価の算定方法が個別に定められていた。金融商品の時価については、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」において、時価とは公正な評価額をいい、市場価格に基づく価額、市場価格がない場合には合理的に算定された価額と定義されていた。また、評価技法に用いるインプットのレベルに基づき時価を分類することは求められていなかった。
(11)資産の減損
(a) 固定資産の減損
IFRS会計基準では、IAS第36号「資産の減損」に従い、資産又は資金生成単位に減損の兆候が認められ、その資産又は資金生成単位の回収可能価額(処分コスト控除後の公正価値と使用価値(資産又は資金生成単位から生じると見込まれる見積将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い金額)が帳簿価額を下回ると見積られる場合に、その差額を減損損失として認識する。減損損失計上後、一定の条件が満たされた場合、のれんに対して認識された減損を除き、減損損失の戻入れが要求される。なお、耐用年数を確定できない無形資産やのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年減損テストを実施しなければならない。
日本では、企業会計審議会公表の「固定資産の減損に係る会計基準」に従い、資産又は資産グループの減損の兆候が認められ、かつ割引前将来キャッシュ・フローの総額(20年以内の合理的な期間に基づく)が帳簿価額を下回ると見積られた場合に、その資産又は資産グループの回収可能価額(正味売却価額と使用価値(資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い方の金額)と帳簿価額の差額につき減損損失を認識する。減損損失の戻入れは認められない。
(b) 金融資産の減損
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第9号「金融商品」に従い、償却原価で事後測定される金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で事後測定される金融資産、リース債権、契約資産、純損益を通じて公正価値で事後測定されないローン・コミットメント及び金融保証契約について、予想信用損失に対する損失評価引当金を認識しなければならない。その他の包括利益を通じて公正価値で事後測定される金融資産に係る損失評価引当金はその他の包括利益に認識し、財政状態計算書における当該金融資産の帳簿価額を減額してはならない。
各報告日における金融商品に係る損失評価引当金は、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しなければならない。
各報告日において、企業は、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しなければならない。この評価を行う際に、企業は、予想信用損失の金額の変動ではなく、当該金融商品の予想存続期間にわたる債務不履行発生のリスクの変動を用いなければならない。この評価を行うために、企業は、報告日現在での当該金融商品に係る債務不履行発生のリスクを当初認識日現在での当該金融商品に係る債務不履行発生のリスクと比較し、当初認識以降の信用リスクの著しい増大を示す、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しなければならない。
予想信用損失の測定に当たっては、次のものを反映する方法で見積らなければならない。
・ 一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・ 貨幣の時間価値
・ 過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
報告日現在の損失評価引当金を本基準に従って認識が要求される金額に修正するために必要となる予想信用損失(又は戻入れ)の金額は、減損利得又は減損損失として、純損益に認識することが要求される。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」及び関連する指針に従い、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式並びにその他有価証券のうち、時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品以外のもの(企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等の適用開始以降は「市場価格のない株式等以外のもの」)について時価が著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理しなければならない。時価を把握することが極めて困難と認められる株式(企業会計基準第30号等の適用開始以降は、「市場価格のない株式等」)については、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額をし、評価差額は当期の損失として処理する。また、営業債権・貸付金等の債権については、債務者の財政状態及び経営成績等に応じて債権を3つ(一般債権、貸倒懸念債権及び破産更生債権等)(金融機関では5つ)に区分し、区分ごとに定められた方法に従い貸倒見積高を算定する。
また日本では、減損の戻入れは、株式について禁止されているだけでなく、満期保有目的の債券その他の有価証券に分類されている債券についても認められていない。貸付金及び債権についても、直接減額を行った場合には、減損の戻入益の計上は認められていない。
(12)株式に基づく報酬
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第2号「株式に基づく報酬」がすべての株式に基づく報酬取引に適用され、持分決済型、現金決済型及び現金選択権付きの株式に基づく報酬取引の3つが規定されている。
(a) 持分決済型の株式に基づく報酬取引:受け取った財又はサービス及びそれに対応する資本の増加を、原則として受け取った財又はサービスの公正価値で測定する。従業員及び他の類似サービス提供者との取引において受け取ったサービスについては、付与した資本性金融商品の付与日現在の公正価値で測定する。
(b) 現金決済型の株式に基づく報酬取引:受け取った財又はサービス及び発生した負債を、当該負債の公正価値で測定する。
(c) 現金選択権付きの株式に基づく報酬取引:株式に基づく報酬取引又は当該取引の構成要素を、現金(又は他の資産)で決済する負債が発生している場合にはその範囲で現金決済型の株式に基づく報酬取引として、そのような負債が発生していない場合にはその範囲で持分決済型の株式に基づく報酬取引として、会計処理される。
また持分決済型取引に関して、ストック・オプション等の公正価値と予想される権利確定数に基づいて費用計上額を認識した後は、権利確定後に失効した場合でも費用の戻入れ等の処理は行われず、認識される株式に基づく報酬費用の総額に影響は生じない。
日本でも、企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」に基づき、ストック・オプションの付与日から権利確定日までの期間にわたり、付与日現在のストック・オプションの公正な評価額に基づいて報酬費用が認識され、対応する金額は資本(純資産の部の新株予約権)に計上される。
ただし、同基準の適用範囲は持分決済型株式報酬に限定されており、現金決済型取引等については特段規定がなく、実務上は発生時に費用(負債)処理される。また同基準では、権利確定後に失効した場合には失効に対応する新株予約権につき利益計上(戻入れ)を行う等、IFRS会計基準と異なる処理が定められている。
(13)研究開発費
IFRS会計基準では、IAS第38号「無形資産」に基づき、研究費は発生時に費用計上される。開発費は、一定の基準を満たす場合に、資産に計上され耐用年数にわたり償却される。
日本では、「研究開発費等に係る会計基準」に基づき、すべての研究開発費は発生時に費用処理しなければならない。
(14)有形固定資産
(a) 減価償却方法
IFRS会計基準では、IAS第16号「有形固定資産」に従い、資産の将来の経済的便益が企業によって消費されると予測されるパターンを反映する減価償却方法を使用しなければならない。減価償却方法は、少なくとも各事業年度末に再検討を行わなければならない。資産の将来の経済的便益の予測消費パターンに大きな変更があり、減価償却方法の変更を行った場合には、会計上の見積りの変更として会計処理する。
日本では、日本公認会計士協会(以下「JICPA」という。)監査・保証実務委員会実務指針第81号「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」及び企業会計基準第24号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に基づき、減価償却方法は会計方針に該当するが、その変更については、「会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合」として、会計上の見積りの変更と同様に取り扱う(遡及適用は行わない。)。
(b) コンポーネント・アカウンティング
IFRS会計基準では、IAS第16号に従い、有形固定資産項目の取得原価の合計額に対して重要性のある各構成部分に当初認識された金額を配分し、個別に減価償却を行わなければならない。
日本では、有形固定資産の減価償却の単位に関して、特段の規定はない。
(c) 有形固定資産の再評価
IFRS会計基準では、IAS第16号に従い、当初認識後の有形固定資産の測定方法として再評価モデルを適用することができる。再評価モデルでは、有形固定資産は、再評価日現在の公正価値から、その後の減価償却累計額及びその後の減損損失累計額を控除した額で計上される。
日本では、有形固定資産は取得原価で計上される。特別の法律によらない限り、資産の再評価は認められていない。
(15)資産に関する政府補助金
IFRS会計基準では、IAS第20号「政府補助金の会計処理及び政府援助の開示」に従い、資産に関する政府補助金は、以下のいずれかにより処理される。
(a) 補助金を繰延収益に認識し、資産の耐用年数にわたり規則的に純損益に認識する方法
(b) 取得原価から補助金を控除し、資産の帳簿価額を算定する方法
日本では、固定資産に関して受け取った国庫補助金及び交付金は、受入時に利益として認識される。ただし、企業会計原則等に基づき、対応する資産の取得原価から当該補助金及び交付金を直接控除するか、又は剰余金処分により積立金に計上し処理することも認められている。
(16)収益認識
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第15号「顧客との契約から生じる収益」に基づき、約束した財又はサービスの顧客への移転を当該財又はサービスと交換に企業が権利を得ると見込む対価の額で描写するように収益を認識することが要求されており、この中心となる原則に従って収益を認識するために、以下の5つのステップを適用する。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:契約における履行義務に取引価格を配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時に又は充足するにつれて収益を認識する。
IFRS会計基準第15号はまた、契約獲得の増分コストに関する要求事項も含み、本人なのか代理人なのかの検討等に関する適用指針を提供している。
日本では、2018年3月30日に企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」及びその適用指針である企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」(総称して「本会計基準等」という。)が公表され、2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されている。本会計基準等は、IFRS会計基準第15号の基本的な原則を取り入れることを出発点とし、これまで我が国で行われてきた実務等に配慮すべき項目がある場合には、比較可能性を損なわせない範囲で以下の代替的な取扱いを追加することを基本的な方針として開発が行われている。
(a) 重要性が乏しい契約変更の取扱い
日本では、契約変更において追加的に約束した財又はサービスが原契約と比較して重要性に乏しい場合、以下のいずれかの方法で契約変更の会計処理を行うことができる。
・ 契約変更を独立した契約として処理する。
・ 契約変更を既存の契約を解約して新しい契約を締結したものと仮定して処理する。
・ 契約変更を既存の契約の一部であると仮定して処理する。
(b) 顧客との契約の観点で重要性が乏しい財又はサービスの取扱い
日本では、約束した財又はサービスが、顧客との契約の観点で重要性が乏しい場合には、当該約束が履行義務であるのかについて評価しないことができる。
(c) 出荷及び配送活動に関する会計処理の選択
日本では、顧客が商品又は製品に対する支配を獲得した後に行う出荷及び配送活動については、商品又は製品を移転する約束を履行するための活動としてみなすことができる。つまり、そのような出荷あるいは配送活動を別個の履行義務として識別する必要はない。
(d) 期間がごく短い工事契約及び受注制作のソフトウェア
日本では、工事契約及び受注制作のソフトウエアについて、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い場合には、一定の期間にわたり収益を認識せず、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識することができる。
(e) 船舶による運送サービスの取扱い
日本では、一航海の船舶が発港地を出発してから帰港地に到着するまでの期間が、通常の期間(運送サービスの履行に伴う空船廻航期間を含み、運送サービスの履行を目的としない船舶の移動又は待機期間を除く)である場合には、複数の顧客の貨物を積載する船舶の一航海を単一の履行義務としたうえで、当該期間にわたり収益を認識することができる。
(f) 特定の状況における出荷基準による収益認識
日本では、商品又は製品の国内での販売において、出荷時から当該商品又は製品の支配が顧客に移転される時(例えば、顧客の検収時)までの期間が通常の期間である場合には、出荷時から当該商品又は製品の支配が顧客に移転される時までの間の一時点(例えば、出荷時や着荷時)に収益を認識することができる。通常の期間である場合とは、当該期間が国内における出荷及び配送に要する日数に照らして取引慣行ごとに合理的と考えられる日数である場合をいう。
(g) 契約の初期段階における原価回収基準の取扱い
日本では、一定の期間にわたり充足される履行義務について、契約の初期段階で履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができない場合には、当該契約の初期段階に収益を認識せず、当該進捗度を合理的に見積ることができる時から収益を認識することができる。
(h) 重要性が乏しい財又はサービスに対する残余アプローチの使用
日本では、履行義務の基礎となる財又はサービスの独立販売価格を直接観察できない場合で、当該財又はサービスが、契約における他の財又はサービスに付随的なものであり、重要性が乏しいと認められるときには、当該財又はサービスの独立販売価格の見積方法として、残余アプローチを使用することができる。
(i) 契約に基づく収益認識の単位及び関連する取引価格の配分
日本では、以下の2つの要件のいずれも満たす場合には、複数の契約を結合せず、個々の契約において定められている顧客に移転する財又はサービスの内容を履行義務とみなし、個々の契約において定められている当該財又はサービスの金額に従って収益を認識することができる。
・ 顧客との個々の契約が当事者間で合意された取引の実態を反映する実質的な取引の単位であると認められること
・ 顧客との個々の契約における財又はサービスの金額が合理的に定められていることにより,当該金額が独立販売価格と著しく異ならないと認められること
(j) 工事契約及び受注制作ソフトウェアに係る収益認識の単位
日本では、工事契約及び受注制作ソフトウェアについて、当事者間で合意された実質的な取引の単位を反映するように複数の契約(異なる顧客と締結した複数の契約や異なる時点に締結した複数の契約を含む)を結合した際の収益認識の時期及び金額と、個々の契約を会計処理の単位とした収益認識の時期及び金額との差異に重要性が乏しいと認められる場合には、それらの複数の契約を単一の履行義務として会計処理することができる。
(k) 有償支給取引
有償支給取引において、企業が支給品を買い戻す義務を負っていない場合、企業は当該支給品の消滅を認識することとなるが、当該支給品の譲渡に係る収益は認識しない。一方、企業が支給品を買い戻す義務を負っている場合、企業は支給品の譲渡に係る収益を認識せず、当該支給品の消滅も認識しないこととなるが、個別財務諸表においては、支給品の譲渡時に当該支給品の消滅を認識することができる。なお、その場合であっても、当該支給品の譲渡に係る収益は認識しない。
IFRS会計基準では、上記の日本基準のような特定のルールはない。
(17)繰延税金
(a) 繰延税金資産の回収可能性
IFRS会計基準では、IAS第12号「法人所得税」に基づき、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について繰延税金資産を認識しなければならない。近年に損失が発生した経歴があるときは、企業は、税務上の繰越欠損金又は繰越税額控除より発生する繰延税金資産を、十分な将来加算一時差異を有する範囲内でのみ、又は税務上の繰越欠損金もしくは繰越税額控除の使用対象となる十分な課税所得が稼得されるという他の信頼すべき根拠がある範囲内でのみ認識する。
日本では、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に詳細な規定があり、収益力、タックス・プランニング、及び将来加算一時差異の解消に基づき、各一時差異の解消のスケジューリング等を考慮して、繰延税金資産の回収可能性を判断することが求められている。収益力に基づく判断に際しては、過去3年間と当期の課税所得等の要件に基づき企業を5つに分類し、当該分類に応じて回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定する。
(b) 内部取引の未実現利益の消去に係る税効果
IFRS会計基準では、IAS第12号「法人所得税」に基づき、内部取引の未実現利益の消去に係る税効果は、資産負債法に基づき、一時差異が発生している資産を保有する買手の税率により繰延税金資産を測定する。買手では、未実現利益の消去により発生する将来減算一時差異も含め、すべての将来減算一時差異についての繰延税金資産の回収可能性を判断する。
日本では、企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」に基づき、内部取引の未実現利益の消去に係る一時差異に対しては、例外的に繰延法に基づき売却元の税率を使用する。また、未実現利益の消去に係る一時差異は、売却元の売却年度の課税所得の額を上限とする。
(18)リース取引
IFRS会計基準では、IFRS会計基準第16号「リース」が、リースを「資産(原資産)を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約又は契約の一部分」と定義し、顧客が使用期間全体を通じて次の両方を有している場合にこれを満たすとしている。
(a) 特定された資産の使用からの経済的便益のほとんどすべてを得る権利
(b) 特定された資産の使用を指図する権利
IFRS会計基準第16号は、借手に、期間が12か月超のすべてのリースについて、資産及び負債を認識することを要求している(原資産が少額の場合を除く)。借手は、リース対象の原資産の使用権を表す使用権資産及びリース料の支払義務を表すリース負債を認識することを要求される。
借手は、使用権資産をその他の非金融資産(有形固定資産等)と同様に、リース負債をその他の金融負債と同様に測定する。その結果、借手は使用権資産の減価償却費及びリース負債に係る利息を認識する。リースから生じる資産及び負債は現在価値ベースで当初測定される。この測定には、解約不能なリース料(インフレに連動する料金を含む)が含まれる。また、借手がリースを延長するオプションを行使する、又はリースを解約するオプションを行使しないことが合理的に確実である場合には、オプション期間に行われる支払も含まれる。
日本では、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」」が、リース取引を、「特定の物件の所有者たる貸手が、当該物件の借手に対し、合意された期間にわたりこれを使用収益する権利を与え、借手は、合意された使用料を貸手に支払う取引」と定義している。借手は、リース取引をファイナンス・リース取引とそれ以外の取引(オペレーティング・リース取引)に区分し、ファイナンス・リース取引について、財務諸表に資産計上し、対応するリース債務を負債に計上する。ファイナンス・リース取引とは、解約不能かつフルペイアウトの要件を満たすものをいい、ファイナンス・リース取引に該当するかどうかについてはその経済的実質に基づいて判断すべきものであるとしている。ただし、解約不能リース期間がリース物件の経済的耐用年数の概ね75%以上、又は解約不能のリース期間中のリース料総額の現在価値がリース物件を借手が現金で購入するものと仮定した場合の合理的見積金額の概ね90%以上のいずれかに該当する場合は、ファイナンス・リースと判定される。リース資産及びリース債務の計上額を算定するにあたっては、原則として、リース契約締結時に合意されたリース料総額からこれに含まれている利息相当額の合理的な見積額を控除する方法による。当該利息相当額については、原則として、リース期間にわたり利息法により配分する。再リースに係るリース料は、企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」に基づき、借手が再リースを行う意思が明らかな場合を除き、リース料総額に含めない。ファイナンス・リースは、借手の財務諸表に資産計上され、対応する金額が負債として認識される。なお、オペレーティング・リース取引、及び少額(リース契約1件当たりのリース料総額が300万円以下の所有権移転外ファイナンス・リース)又は短期(1年以内)のファイナンス・リースについては、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。
(19)借入コスト
IFRS会計基準では、IAS第23号「借入コスト」に基づき、適格資産の取得、建設又は生産に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化される。ただし、借入コストが将来、企業に経済的便益をもたらすことが確実であり、かつ、原価が信頼性をもって測定可能である場合に限る。資産化の条件を満たさないそれ以外の借入コストはすべて、発生した期間の費用として認識される。
日本では、借入コストは原則として発生した期間に費用処理しなければならない。ただし、不動産開発事業を行う場合にはJICPA業種別監査研究部会建設業部会・不動産業部会「不動産開発事業を行う場合の支払利子の監査上の取扱いについて」に基づき、また、固定資産を自家建設する場合には「企業会計原則と関係諸法令との調整に関する連続意見書」第三に基づき、一定の要件を満たす場合には借入金の支払利子の資産化が容認されている。
(20)カスタマー・ロイヤルティ・プログラム(ポイント制度)
IFRS会計基準では、カスタマー・ロイヤルティ・プログラムにおける顧客特典クレジット等の契約における追加的な財又はサービスに対する顧客のオプションは、IFRS会計基準第15号「顧客との契約から生じる収益」に基づき、オプションが、当該契約を締結しなければ顧客が受け取れない重要な権利を顧客に提供する場合には、契約における履行義務として処理される。
日本では、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」及びその適用指針(2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されている。)において、カスタマー・ロイヤルティ・プログラム(ポイント制度)については、IFRS会計基準第15号と同様の会計処理を行うことが求められる。同基準の公表前においては、ポイント制度の会計処理に関する明確な指針は定められていなかった。
(21)負債と資本の区分
IFRS会計基準では、IAS第32号「金融商品:表示」に基づき、当初認識時に、契約の実質、並びに金融負債、金融資産及び資本性金融商品の定義に従い、金融負債、金融資産又は資本性金融商品に分類する。
日本では、会社法上の株式として発行された金融商品は、純資産の部に計上される。転換社債型新株予約権付社債については、企業会計基準適用指針第17号「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理」において、一括して負債とするか、社債と新株予約権に区分して負債と純資産の部にそれぞれ表示することが定められている。
(22)損益計算書上の表示
IFRS会計基準では、IAS第1号「財務諸表の表示」に基づき、収益又は費用のいかなる項目も、純損益及びその他の包括利益を表示する計算書又は注記において、異常項目として表示してはならない。なお、IAS第1号では「営業利益」を定義していないが、純損益及びその他の包括利益を表示する計算書に営業利益を表示することは認められる。
日本では、企業会計原則及び企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、損益計算書上、売上総利益、営業利益、経常利益を含む損益の段階別表示を行わなければならない。経常損益計算の結果を受け、特別利益及び特別損失を記載することが求められる。
(23)法人所得税の不確実性
IFRS会計基準では、IFRIC第23号「法人所得税の税務処理に関する不確実性」に基づき、企業は、税務当局が不確実な税務処理(関連する税務当局が税法に基づいてその税務処理を認めるかどうかに関して不確実性がある税務処理)を認める可能性が高いかどうかを検討しなければならない。
税務当局が不確実な税務処理を認める可能性が高いと企業が結論を下す場合には、企業は、課税所得(税務上の欠損金)、税務基準額、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除又は税率を、法人所得税申告において使用したか又は使用を予定している税務処理と整合的に決定しなければならない。
税務当局が不確実な税務処理を認める可能性が高くないと企業が結論を下す場合には、企業は、不確実性の影響を、関連する課税所得(税務上の欠損金)、税務基準額、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除又は税率を決定する際に反映しなければならない。企業は、不確実な税務処理のそれぞれについて、不確実性の影響を、いずれの方法が不確実性の解消をより良く予測すると企業が見込んでいるのかに応じて、①最も可能性の高い金額又は②期待値のいずれかの方法を用いることによって反映しなければならない。
日本では、企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」において、過年度の所得等に対する法人税、住民税及び事業税等の更正等による追徴及び還付の場合の当該追徴税額及び還付税額、又は、更正等により追徴税額を納付したが当該追徴の内容を不服として法的手段を取る場合の還付税額の認識の閾値が定められている。同基準に基づき、当該追徴税額又は当該還付税額を合理的に見積もることができる場合には、誤謬に該当する場合を除き、追徴される可能性が高い場合及び還付されることが確実に見込まれる場合に、それぞれ当該追徴税額及び還付税額を損益に計上することが求められている。このように、認識の閾値は、追徴の場合と還付の場合とで異なっている。
第7【外国為替相場の推移】
1【当該半期中における月別為替相場の推移】
| 月 別 | 2026年1月 | 2026年2月 | 2026年3月 | 2026年4月 | 2026年5月 | 2026年6月 |
| 最 高 | 22.75 | 22.66 | 23.16 | 23.36 | 23.41 | 23.78 |
| 最 低 | 22.00 | 22.07 | 22.66 | 23.01 | 22.90 | 23.44 |
| 平 均 | 22.46 | 22.42 | 22.99 | 23.22 | 23.19 | 23.61 |
単位:1人民元の円相当額(円/人民元)
出所:中国の国家外国為替管理局(State Administration of Foreign Exchange)が公表している人民元/100円のデータを基に、円/人民元ベースに換算したものである。
2【最近日の為替相場】
1人民元=23.51円(2026年8月24日)
第8【提出会社の参考情報】
イ.有価証券報告書及びその添付書類
事業年度 第24期(自2025年1月1日 至2025年12月31日)
2026年6月24日 関東財務局長に提出
ロ.半期報告書及びその添付書類
該当事項なし
ハ.臨時報告書及びその添付書類
該当事項なし
ニ.訂正報告書
該当事項なし
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第1【保証会社情報】
該当事項なし
第2【保証会社以外の会社の情報】
該当事項なし
第3【指数等の情報】
該当事項なし