| 【表紙】 | |
|---|---|
| 【提出書類】 | 有価証券報告書 |
| 【根拠条文】 | 金融商品取引法第24条第1項 |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 令和8年9月18日 |
| 【事業年度】 | 自 令和7年4月1日 至 令和8年3月31日 |
| 【会社名】 | アイシーアイシーアイ・バンク・リミテッド (ICICI Bank Limited) |
| 【代表者の役職氏名】 | ジェネラル・カウンセル (General Counsel) ニランジャン・シンハ (Nilanjan Sinha) |
| 【本店の所在の場所】 | インド国グジャラート州バドダラ市390 007、オールド・パドラ・ロード、ニア・チャクリ・サークル、ICICIバンクタワー (ICICI Bank Tower, Near Chakli Circle, Old Padra Road, Vadodara 390 007, Gujarat, India) |
| 【代理人の氏名又は名称】 | 弁護士 柴 田 弘 典 |
| 【代理人の住所又は所在地】 | 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 |
| 【電話番号】 | (03)6775-1039 |
| 【事務連絡者氏名】 | 弁護士 梅 津 公 美 弁護士 長 谷 川 達 弁護士 豊 岡 正 梧 弁護士 福 本 裕 賀 子 |
| 【連絡場所】 | 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 |
| 【電話番号】 | (03)6775-1247 |
| 【縦覧に供する場所】 | 該当事項なし。 |
| (注)1. | 本書においては、「当行」の用語は、アイシーアイシーアイ・バンク・リミテッド(ICICI Bank Limited)及びその連結子会社並びにその他のインドにおいて一般に公正妥当と認められた会計原則(インドGAAP)に基づく連結事業体を指す。本書及び注記に記載される財務書類において、「当行」とは、アイシーアイシーアイ・バンク・リミテッド及びその連結子会社並びにその他のインドGAAPに基づく連結事業体を指す。 特定の子会社又はその他の連結事業体に適用される特定の情報は、当該会社の名称を言及することにより言及される。「合併」とは、ICICI、ICICIパーソナル・ファイナンシャル・サービシズ及びICICIキャピタル・サービシズのICICIバンク(ICICI Bank)との合併を指す。「サングリ・バンク(Sangli Bank)」とは、2007年4月19日に効力を生じたICICIバンクとの合併前のサングリ・バンク・リミテッド(The Sangli Bank Limited)を指す。「バンク・オブ・ラジャスタン(The Bank of Rajasthan)」とは、2010年8月12日の営業終了時から効力を生じたICICIバンクとの合併前のバンク・オブ・ラジャスタン・リミテッド(Bank of Rajasthan Limited)を指す。 「ICICIバンク」及び「当行」とは、非連結ベースのアイシーアイシーアイ・バンク・リミテッドを指す。特定の「年度」とは、当該年の3月31日に終了する年度を指す。「取締役会」とは、別段の明記がない限り、ICICIバンクの取締役会を指す。「ICICIグループ」とは、ICICIバンク及びその子会社並びにその他の連結事業体を指す。 |
|---|---|
| 「インド会社法」、「外国為替管理法」、「インド所得税法」、「銀行規制法」及び「インド準備銀行法」とは、それぞれ、インド国会で可決された2013年インド会社法、1999年外国為替管理法、1961年インド所得税法、1949年銀行規制法及び1934年インド準備銀行法(いずれもその後の改正を含む。)を指す。「RBI」及び「インド準備銀行(Reserve Bank of India)」とは、インドの中央銀行及び金融当局を指す。 | |
| 米国証券取引委員会(SEC)への登録届出書の提出が行われた米国における当行の有価証券の発行及び上場に関して、当行は、米国において一般に公正妥当と認められた会計原則(米国GAAP)に従って作成される財務書類又は純利益及び株主資本について米国GAAPに基づき調整される総合的な会計原則に従って作成される財務書類が含まれる、様式20-Fによる年次報告書を提出する。当行が初めて米国において有価証券を上場した時点では、インドGAAPは総合的な会計原則として米国証券法及び規則の下では認められていなかった。しかしながら、インドの会計原則の劇的な発展により、インドGAAPは総合的な会計原則として認められるまでに至った。したがって、本書には当行の2024年度乃至2026年度の年次報告書に記載されていた、インドGAAPに従って作成された連結財務書類(純利益又は株主資本については、米国GAAPに基づき調整される。)及びインドGAAPと米国GAAPの重大な相違点が記載されている。 | |
| インドの法令に基づき、当行の株主に向けて作成及び配布された当行の年次報告書には、インドGAAPに基づいて作成された当行の非連結財務書類、インドGAAPに基づいて作成された当行の非連結財務書類に基づく経営成績及び財政状態の管理的考察及び分析並びにインドGAAPに基づいて作成された当行の連結財務書類表が含まれている。 | |
| 本書に記載の経済及び業界に係るデータ及び情報は、インド政府、インド準備銀行及びその他規制当局による政府統計の発表、プレスリリース及び通知並びにインド政府、インド準備銀行、その他規制当局及び企業のホームページにおいて取得可能な資料から入手したものである。 | |
| 本書においては、特定の用語が同義で使用されている。これらの用語は、文脈又は特定の注記により異なる測定基準が示されていない限り、いずれの箇所においても同一の意味を持つものと理解されるものとする。これらには、「定期性預金」及び「定期預金」、「株主持分」及び「株主資本」並びに「貸付金」及び「ローン」が含まれる(ただし、これらに限らない。)。これらの用語の使用に差異がある場合も、用語の違いに過ぎず、意味の違いを示すものではないため、その趣旨に従って解釈されるものとする。 | |
| 2. | 本書に記載の「米ドル」は米ドルを、「ルピー」はインド・ルピーを、「円」は日本円を指す。本書において便宜上一定の米ドル金額は、2026年8月26日の株式会社三菱UFJ銀行が提示した対顧客電信直物売買相場の仲値である1米ドル=159.13円により円金額に換算されており、また、一定のルピー金額は、2026年8月26日の株式会社三菱UFJ銀行公表対顧客外国為替相場に基づくインド・ルピーの円に対する参考換算レートである1ルピー=1.83円により円金額に換算されている。 |
| 3. | 当行の会計年度は、4月1日に開始し、3月31日をもって終了する1年間である。特定の「年度」は、当該年の3月31日に終了する当行の会計年度をいう。例えば、「2026年度」とは、2025年4月1日に開始し、2026年3月31日に終了する1年を意味する。 |
| 4. | 本書中の表において記載されている計数は原則として四捨五入されているため、合計が計数の総和と必ずしも一致しない。 |
|---|---|
| 5. | 当行が、本書中において使用する「するつもりである」、「目指す」、「目指している」、「結果となる可能性があると思われる」、「可能性がある」、「確信する」、「期待する」、「期待されている」、「継続すると思われる」、「達成すると思われる」、「見込みである」、「見通しである」、「意図する」、「計画である」、「考える」、「求める」、「求めている」、「試みている」、「目標とする」、「提案する」、「将来」、「目的」、「目標」、「計画」、「すべきである」、「できる」、「できた」、「することができる」、「追求すると思われる」等の語句及び類似の表現又はかかる表現の変化形は、「将来の予測に関する記載」を構成する可能性がある。かかる将来の予測に関する記載は、実際の結果、機会及び成長の可能性が将来の予測に関する記載として記載されている結果から大きく乖離する可能性のあるリスク、不確実性及びその他の要因を含んでいる。かかるリスク及び不確実性は、当行が事業を行う国又は多数の顧客が居住する地域における銀行業務並びにその他の金融商品及びサービスの実需の増加、金利水準及び金利の動向、当行の貸付及び投資の利回り並びに当行の資金調達費用、将来の不良債権及び条件緩和貸付及び引当金の増加のレベル並びにかかる債権及び貸付に関連する法規制の変更、戦略を成就する当行の能力(事業戦略、技術及びインターネットの戦略的な使用、不良資産の破綻処理のための戦略を含む。)、当行の技術インフラストラクチャーの耐久性、当行幹部役員の任期の継続、インド又はその他の法域における当行が関連する訴訟、税務又は規制手続の結果、内部若しくは第三者による調査又は規制当局若しくは政府による調査の結果、当行の発展又は中小企業及び無担保の小口向け貸付等の分野におけるプレゼンスの向上、合併及び買収の機会の調査の能力、最近又は将来の合併又は買収を当行の業務に統合する能力並びに戦略目標及び財務目標を達成するためにかかる買収に関連するリスクを管理する能力、当行の海外業務において当行が直面する複雑化するリスクを管理する能力、国内及び海外市場における当行の成長及び拡大、インドにおけるシステム上重要な銀行としての当行の地位、強化された資本要件及び流動性要件を維持する当行の能力、貸倒損失及び投資損失のための当行の引当金の適正性、新商品を市場で販売する当行の能力、投資収益、キャッシュ・フロー予測、インドの信用格付に対する変化の影響、新会計基準又は新会計フレームワークの影響、当行の配当支払実行能力、当行(規制の厳格性、監督及び解釈の変更を含む。)に対するインド又はその他の法域における銀行・保険業規制及びその他の規制の変更の影響、国際金融制度の態勢及びシステミック・リスク、債券、貸付金市況及びかかる市場の投資家団体における流動性の利用可能性、随時のクレジット・スプレッド及び利息スプレッドの内容(クレジット・スプレッド又は利率上昇の可能性を含む。)並びに短期資金源及び当行の信用、市場、流動性及びレピュテーションリスクに対するエクスポージャーを克服する能力を含むがこれらに限定されない。当行は、本日付以降発生した事由又は状況を反映するため、将来の予測に関する記載を更新する義務を負わない。 |
| さらに、本書に記載される将来の予測に関する記載により予測された結果とは大きく乖離する実際の結果を引き起こす可能性のあるその他の要因には、インド及び当行が事業を行うその他の市場の通貨政策及び金利政策、インド、東南アジア又は当行の事業活動若しくは投資に影響を及ぼすその他の国における一般的経済情勢及び政治情勢、当行の地域又は世界のその他の地域における紛争、テロ攻撃又は社会不安、人的災害又は自然災害を含む要因によって生じた、インド又はその他の国における政治又は金融不安、気候変動による事象、インフレーション、デフレーション、予期できない金利不安、ルピーの価値、外国為替相場、株価及びその他の金利又は価格の変動又はボラティリティ、一般的な金融市場の機能、国内及び外国の法律、規制及び税制の変更、インドにおける競争状況及び価格形成状況の変更、並びに資産評価における地域的又は一般的な変更等を含むがこれらに限定されない。予測から乖離する実際の結果を引き起こす可能性のある要因についての詳細は、本書の「-第一部-第3-3-(1) インドに関するリスク並びにその他の経済リスク及び市場リスク」、「-第一部-第3-3-(2) 高度に規制を受ける部門における当行のプレゼンスの結果生じるリスク」、「-第一部-第3-3-(3) 当行の事業に関するリスク」、「-第一部-第3-3-(4) テクノロジーに関するリスク」及び「-第一部-第3-3-(5) 当行の保険子会社に関するリスク」における議論を参照のこと。 | |
| 6. | 本書において将来に関する事項が記載されている場合、当該事項は本書の対象となるICICIグループ(当グループ)の連結事業年度末現在において判断したものである。 |
第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)****【提出会社の属する国・州等における会社制度】
インド共和国の会社制度
インドの銀行機能を規律する主たる法律は以下のとおりである。
(ⅰ)1949年銀行規制法は銀行に適用され、銀行の免許及び事業に係る枠組み、銀行経営に対する規制並びに銀行に対する罰則を定めている。
(ⅱ)2013年インド会社法は、1949年銀行規制法に矛盾しない範囲においてインドにおける銀行に適用される。
(ⅲ)1934年インド準備銀行法は、インド準備銀行を、インドにおける銀行の活動を規制し、監督するインドの中央銀行として制定している。
有価証券市場の参加者として、銀行はさらにその機能をインド証券取引委員会(SEBI)及びSEBIが随時公表するガイドライン/規制により規制されている。
2013年インド会社法-
ICICIバンクは、2013年インド会社法における株式による有限責任会社の公開会社である。2013年インド会社法は、「公開会社」を閉鎖会社ではない2013年インド会社法により定められる以上の払込済株式資本を有する会社と定義している。同法は、公開会社は7名以上の者により設立されることを要求しており、(a)株式による有限責任会社、(b)保証有限責任会社又は(c)無限責任会社のいずれかの形態とすることができる。
公開会社は、会社登記官(その管轄内に当該会社の登記上の事務所が所在する。)に会社の基本定款及び付属定款を含む規定の書類及び情報を提出し、その後かかる登記官が設立証書を発行することによって設立することができる。かかる証書に記載された設立日をもって会社は法人格を取得する。会社の目的のいずれかを追求する場合には、インド準備銀行、インド証券取引委員会といった部門別の規制当局からの登録又は承認を必要とする場合があるが、当該規制当局からの登録又は承認は、場合により、かかる目的を追求する前に当該会社が取得するものとし、このための宣言書は、当該会社の設立段階で提出するものとする。
基本定款は、当該会社の名称、当該会社の登記上の事務所が所在する州及び当該会社の目的を記載しなければならない。また、株式によりその責任が制限される会社の基本定款には、株主の責任がその保有する株式に未払いのものがある場合には、その額までと有限であること、会社の登記時における株式資本の金額及び固定金額である株式への分割並びに基本定款の引受人が引き受けることを合意した株式数及び基本定款の各引受人が引き受けることを予定した株式数について記載することを要する。
一方、付属定款には、会社の経営に係る規則が記載されており、これには、とりわけ、(a)取締役の権限、義務、権利及び責任、(b)株主の権限、義務、権利及び責任、(c)会社の株主総会に関する規則、(d)配当金、(e)会社の借入権限、(f)株式に係る払込請求、(g)株式の譲渡及び移転、(h)株式の失権、並びに(i)株主の議決権が含まれていなければならない。
株式による有限責任会社は、以下の2種類の株式資本を有することができる。
(ⅰ)議決権付普通株式資本若しくは議決権及び配当金(ただし、これらに限られない。)について異なる権利を有する普通株式資本
(ⅱ)(a)固定金額又は固定率による配当金の支払い及び(b)資本の返還又は資本の返済の場合には、返済について優先的権利を有する優先株式資本
2013年の1949年銀行規制法の改正に基づき、インドの民間部門銀行は、インド準備銀行のガイドラインに従って、現在は優先株式を発行することができるようになった。
(a) 株式の追加発行
2013年インド会社法に基づき、株式資本を有する会社で発行済資本を株式の追加発行により増額する予定のある会社は、かかる株式を普通株式の既存株主に対し、当該追加発行時の各自の持株に関する払込資本金に比例して提供することができる。また、株式の追加発行は特別決議を通じて従業員に対するストック・オプションとして又は特別決議を通じて株主の承認を得た者に対する優先株式として提供することができ、2013年インド会社法により定められる規則遵守の対象となる。
しかしながら、会社によるディベンチャー又は貸付を株式転換するオプションの行使により会社の発行済株式が増額となる場合は、例外とされる。しかしながら、かかる発行又は貸付の条件は、事前に会社の株主総会における特別決議により承認されなければならない。
(b) 登記簿及びその他の帳簿並びに報告書の備置
銀行は、1949年銀行規制法及び2013年インド会社法の両法に従い、その会計帳簿及び貸借対照表を作成し、備置しなくてはならない。銀行は、「記録」(すなわち、登記簿、目録、契約書、基本定款、議事録又は2013年インド会社法若しくは関連規則により要求されるその他の文書)とともに、「会計帳簿」を現物又は電子的いずれかの形式により備置しなければならない。2013年インド会社法はまた、会社の運営、有価証券の買戻しの承認及び取締役会において可決された決議に関して登記官に対する追加的な提出要件を規定している。
さらに、銀行は、公的機関からの預け金の受入れの詳細に係る提出義務は免除されているものの、これらの銀行は、その資産及び負債に係る定期的な報告書並びにその他提示が求められる情報をインド準備銀行に対して提出しなければならない。各銀行はまた、年次決算書及び監査報告書のそれぞれの写しをインド準備銀行及び登記官に対して提出しなければならない。
「-(2) 提出会社の定款等に規定する制度」も参照のこと。
(c) 法定報告及び検査手続
インド準備銀行は、1949年銀行規制法及び1934年インド準備銀行法の様々な規定に基づきインドの銀行システムを監督する責任を有している。現在、地域農村銀行を除くすべての指定商業銀行に対するかかる責任は、インド準備銀行の監督局により遂行されている。監督の枠組みは変化しており、インド準備銀行は、バーゼルの「実効的な銀行監督のためのコアとなる諸原則」と一致するよう着実に行動している。既存の監督の枠組みは、リスク・ベースの監督の枠組みを設定する方向で適切に修正されている。
かかる枠組みは、各銀行に対する監督プロセスをより効率的かつ効果的にする意図を有しており、インド準備銀行は、各銀行に対して各々のリスク構造に従い異なる監督方法を適用している。銀行のリスクに係る詳細な質的かつ量的な評価が監督当局により継続的に行われており、インド準備銀行は検査・リスク評価報告書を公表している。インド準備銀行は、かかる枠組みの下、各銀行に対し、指定銀行の集中連絡窓口となる上級監督マネージャーを指定した。
当行は、2013年度からかかる枠組みに基づく監督に服している。検査・リスク評価報告書及びリスク軽減計画は、当行による対応及び対応の計画の遵守方法及び状態と併せて、取締役会の監査委員会及び取締役会に、四半期ごとに提出されなければならない。当行により講じられた対応の遵守方法及び状態は、当行によりインド準備銀行に対して報告されなければならない。
インド準備銀行は、規制が遵守されない場合に対応するため、健全性枠組みを発展させ、規制の対象である銀行に向けた執行措置を行う、独立した執行部門を設置した。1949年銀行規制法に基づき、インド準備銀行は、銀行に対して、かかる銀行の関連企業の事業又は業務に関する情報の提供を指示することができる。インド準備銀行はまた、銀行の当該関連企業の帳簿を検査することができる。
(d) 株 主
(ⅰ)年次株主総会-会社は年次株主総会を、前の年次株主総会から15ヶ月以内又は前の会計年度末から6ヶ月の期間以内のいずれか早い時期に、株主に対して通知を行うことにより開催しなければならない。かかる通知は、年次株主総会の場所及び日時を特定し、かかる年次株主総会において審議される議題が記載されていなければならず、また、議案の利害関係者の詳細を記載した補足説明並びに業務項目の意味、範囲及び意義を株主が理解し、決定することができるその他の情報及び事実とともに年次決算書、取締役報告書及び監査報告書が添付されていなければならない。かかる通知は、電子的手段による提供も可能であり、その場合、会社は当該通信記録を維持しなければならない。
以下の事項が、年次株主総会の通常の議題である。
・年次決算書並びに取締役会報告書及び監査報告書の検討
・配当金の宣言
・退任取締役の後任者の任命
・監査人の任命及びその報酬の決定
(ⅱ)臨時株主総会-取締役会は、緊急議案を審議するため、臨時株主総会を、株主総会開催日の正味21日以上前に通知を株主に対して送付することにより開催することができる。かかる臨時株主総会の通知期間は、当該株主総会において議決権を有する株主の過半数であり、かつ、議決権を行使することができる当該会社の払込済株式資本の95%以上に相当する株主による同意により短縮することができる。
(ⅲ)株主総会に出席し、議決権を行使することのできる株主は、自身を代理して総会に出席しかつ議決権を行使する代理人を任命する権利を有する。しかしながら、当該代理人は当該総会において発言することはできず、投票において議決権を行使できるのみである。
(ⅳ)2013年インド会社法は、当該総会実施日現在において5,000名超の株主を有する会社の公開総会のための定足数を、30名の株主本人(議決権行使代理人によってではなく)と定めている。当該定足数は、付属定款により増加することができる。
(ⅴ)株主により可決された株主総会の決議は、かかる決議に関して、議決権を有する株主による賛成票が反対票を上回った場合、普通決議となる。ただし、一定の事項は、2013年インド会社法により、かかる決議に関して、議決権を有する株主による賛成票が反対票の3倍以上である特別決議により可決すべきことが要求されている。
(ⅵ)証券取引所に普通株式を上場されている会社の決議は、電子投票により評決される。各株主の電子投票及び投票の際の議決権数は、当該株主が保有する株式の会社の払込済資本における割合に従って計算され、会社により期限が決定される。会社は、郵便投票により決議案の評決を行うことができ、2013年インド会社法及びそれに基づく規則により定められる規則遵守の対象である。
また、銀行規制法により付与された権限を行使し、インド準備銀行は、単一の株主として銀行が行使できる総議決権について、その上限を銀行の総議決権の26.0%とする旨を通知した。ただし、株主持分/議決権を取得した結果、持分総額(2025年インド準備銀行(商業銀行-株式又は議決権の取得及び保有)指針に定義される。)が5.0%以上となる場合には、インド準備銀行の事前の承認が必要である。株主持分/議決権の5.0%の判定にあたっては、株式及びADSの持分を合算して考慮しなければならない。大株主の持分総額が5.0%を下回った場合、再度5.0%以上に引き上げるために改めてインド準備銀行の承認を取得しなければならない。
(e) 経営管理
*(*ⅰ)取締役-2013年インド会社法に基づき、上場公開会社は3名から15名の間の人数の取締役を置くことができる。うち、1名以上は女性取締役とし、1名以上は常駐取締役とする。証券取引所に上場した公開会社は、全取締役の3分の1以上を独立取締役としなければならない。会社の取締役は、全員個人でなければならない。2013年インド会社法に基づき、15名を超える取締役を任命する場合は、特別決議が要求される。会社は、普通決議により、取締役に意見を聞く合理的な機会を与えた上で、取締役をその任期の満了前に解任することができる。ただし、かかる規定は、会社が取締役総数の3分の2以上を比例代表の原則に従って任命することを選択した場合には適用されない。
2013年インド会社法では、独立取締役の任期について、1期を5年とし、連続して2期を超えて勤めてはならない旨を定めている。ただし、連続した5年間の第1期目の満了時に特別決議の可決により当該取締役が再選される場合はこの限りではなく、当該再選の公表は、取締役会報告書によりなされる。銀行規制法の規定に従い、会長及び常勤取締役以外の取締役の任期は、連続して8年を超えないものとする。また、2013年インド会社法では、銀行については、同法の規定が1949年銀行規制法の規定と異なる場合を除き、2013年インド会社法の規定が適用されると定めている。
2013年インド会社法の規定に従い、独立取締役以外の取締役の総数の3分の2以上が、輪番制により退任するものとする。輪番制により退任する取締役の3分の1は、毎期の年次株主総会で退任しなければならない。退任取締役は、再選資格を有する。
銀行は、銀行における取締役の適格性及び報酬について、インド準備銀行が制定した基準を遵守しなければならず、また、議長、代表取締役及びその他の常勤取締役の任命及び報酬の決定に際し、インド準備銀行の承認を得る必要がある。インド準備銀行は、当該被任命者を、公益、預金者の利益又は銀行の適切な経営の観点から拒否することができる。加えて、インド準備銀行は、銀行に関連する問題を審議するために取締役会の開催を命じ、当該取締役会におけるオブザーバーを指名し、さらに銀行の経営陣の変更を行うことができ、また、新たな取締役を選任するために定時株主総会の招集を命じることができる。銀行は、他の銀行の取締役である者を取締役として任命することはできない。各銀行の取締役の51%以上は、会計学、農業及び農村経済、銀行業、協力、法学、金融、経済学、小規模事業等、情報技術、支払決済システム、人事、リスク管理、事業経営並びにインド準備銀行の見解において銀行に有益である特別な知識及び実務経験を有するその他の事項の1つ又は複数の分野に関して特別な知識又は実務経験を有している者で構成されなくてはならない。また、取締役の少なくとも2名は、農業及び農村経済、協力又は小規模事業の分野に関して特別な知識又は実務経験を有している者でなければならない。
*(*ⅱ)取締役会-2013年インド会社法の規定又は基本定款又は付属定款若しくはそれらに反しない規則であって、株主総会において会社が制定する規則を含み、それらに基づき適法に制定された規則に従い、取締役会は、会社が行使し、実行することを授権されているすべての権限を行使することができ、またかかるすべての事項を行うことができる。ただし、取締役会は、2013年インド会社法に基づき又は基本定款若しくは付属定款その他により、会社が株主総会で行使し又は行うことが要求されている権限又は行為については、これを行使し、又は行うことはできない。
取締役会は、会社を代理して以下の権限をとりわけ行使することができるものとし、またこれを行使する場合には、取締役会で可決された決議によって行うものとする。
・株主の保有する株式について未払込である金銭につき株主に払込請求を行う権限
・第68条に基づき有価証券の買戻しを承認する権限
・ディベンチャーを含み、有価証券をインド国内外で発行する権限
・金銭を借り入れる権限
・会社の資金を投資する権限
・貸付を提供する権限又は貸付について保証若しくは担保を差し入れる権限
・財務書類及び取締役会報告書を承認する権限
・会社の事業を多角化する権限
・統合、合併又は再編を承認する権限
・他の会社を買収又は支配的若しくは大幅な持分を取得する権限
・政治献金を行う権限
・主要管理職の任命又は解任する権限
・内部監査人及び秘書監査人を任命する権限
(f) 配当金
1949年銀行規制法は当行に対し、配当を行う前に、資本支出(予備費用、組織費用、株式販売手数料、仲介手数料、損失額及び有形固定資産以外のその他支出を含む。)を完全に償却し、開示された年間の利益の20%を準備金勘定へ繰り入れることを定めている。しかしながら、インド準備銀行は、インドで事業を行うことを予定しているすべての商業銀行(外国銀行を含む。)に対して、配当前の年間の利益(処分前)の25%以上を準備金基金へ繰り入れることを義務付けている。
さらに、インド準備銀行のガイドラインは、銀行が以下の条件がすべて満たされた場合にのみ配当金を宣言することができる旨を定めている。
・過去2年間及び当該銀行が配当金を宣言しようとする会計年度の自己資本比率が9.0%以上であること。
・純不良債権比率が7.0%未満であること。
・資産の減損、従業員退職金、利益の法定準備金への繰入等に対する適切な引当金の設定等に関してインド準備銀行により発表されている現行の規制及びガイドラインを遵守していること。
・予定配当金が当期利益から支払われること。
・インド準備銀行が、配当金の宣言に関して銀行に対して明示の制限を課していないこと。
銀行が2年連続上記の自己資本比率要件を満たしていない場合であっても、当該銀行が配当金の宣言を予定している会計年度において自己資本比率が9.0%以上であり、かつ純不良債権比率が5.0%未満であるときには、配当金の宣言をすることができる。
加えて、配当金を宣言するにあたり適格な銀行による配当金の宣言は、以下の制限に従うことを条件とする。
・配当金支払比率(当期純利益に対する支払配当金の割合として算出される。)は、40.0%を超過してはならないものとする。
・当該期間の収益に特別利益が含まれる場合、支払比率は、健全な支払比率を遵守するためにその特別利益を除いた後に算出されなければならない。
・銀行が配当金を宣言する会計年度に関する財務書類に法定監査人による当期の収益に悪影響を及ぼす可能性がある限定意見が付されていてはならない。かかる影響が認められた場合、純収益は、配当金支払比率を計算し、適切に調整されなければならない。
上記に加え、インド準備銀行は、2026年3月10日付の2026年インド準備銀行(商業銀行-配当宣言及び利益送金に関する健全性規制)指針に対する改正指針を公表し、2026年4月1日(すなわち2026-2027年度)から有効となる。当行は、当該指針に基づき、2026-2027年度の配当を宣言する予定である。
インド準備銀行標準指針-2023年商業銀行の投資ポートフォリオの分類、評価及び運用(指針)に従い、銀行は貸借対照表上のレベル3投資の公正評価により発生した損益計算書に計上される純未実現利益から配当を支払ってはならない。さらに、損益計算書又はAFS準備金で計上されたレベル3投資のかかる純未実現利益は、CET1資本から控除されなければならない。
上記に加え、銀行は、以下の事項の対象となる。
・2025年インド準備銀行(商業銀行-自己資本充実に関する健全性規制)指針に従い、銀行はより高い最低資本要件を要求され、資本配分及び変動賞与の支給に対する制約を回避するために、最低要件を上回る資本緩衝を維持すること。
・インド準備銀行が発表した、システム上重要であると認定される国内の銀行の枠組みに基づき、システム上重要であると認定される国内の銀行は、分類されるバケットに従って、リスク加重資産の0.20%から1.00%の範囲の追加的な普通株等Tier1資本要件を保有すること。
・インド準備銀行の発行するカウンターシクリカル資本バッファーの施行に関するガイドラインにより、銀行は、カウンターシクリカル資本バッファーの要件を満たさない場合、変動分配(配当金も含まれる。)が制限対象となること。
・銀行による投資ポートフォリオの分類、評価及び運用についての規制水準に関するインド準備銀行のガイドラインに従い、満期保有目的区分の投資売却利益は、損益勘定から「資本準備金勘定」までのラインへ充当されるものとする。このように充当された金額は、税引後及び法定準備金への振替を必要とする金額を差し引いた金額とする。
(g) 無償交付株式
2014年会社(株式資本及びディベンチャー)規則と併せて解釈する2013年インド会社法は、会社の自由準備金、払込剰余金又は資本償還準備金の勘定から完全払込済無償交付株式として株主に分配することを認めている。当該無償交付株式は、付属定款により授権され、取締役会により推奨され、株主総会において承認されなければならない。ただし、無償交付株式の発行は一定の状況において禁止されている。
(h) 株式の併合及び分割
2013年インド会社法に基づき、会社は株主総会の通常決議によりその株式の額面金額を分割又は併合することができる。会社は、株式資本の変更が、株主の議決権の変更を生じさせるかどうかについて国家会社法裁判所の事前承認を求めなければならず、また、登記官に対して所定の方法により通知しなければならない。
(i) 株主名簿、基準日、株式の譲渡
株主名簿-会社は、インド国内外に所在する各株主が保有する株式の種類(優先株式であるか又は普通株式であるか)を記載した株主名簿を保管及び備置しなければならない。1996年預託機関法に基づき、預託機関は実質所有者の名簿及び目録を備置しなければならない。株主名簿は、営業時間(取締役会が決定する毎営業日のうち合理的な時間)において閲覧することが可能でなければならない。ただし、年間配当金を受け取ることのできる株式を確定するため、株主名簿は年次株主総会前の一定の期間、その開始日を基準日として閉鎖される。2014年会社(経営及び運営)規則に基づき、会社は、株主名簿の閉鎖の7日以上前に又はインド証券取引委員会が指定するこれより短い期間に、インド証券取引委員会が指定する方法で、公衆に公告しなければならない。会社は、30日を超える期間いつでも、またいかなる場合も1年に合計45日を超えて、株主名簿を閉鎖することはできない。
株式の譲渡-2013年インド会社法及びそれに基づく規則に基づき、会社は一定の場合に名義書換を拒否することができる。
公開会社の株主が保有する株式は、その他の場合において、2013年インド会社法の規定に従うことを条件として、自由に譲渡可能である。株式の譲渡が1956年証券契約(規制)法(1956年42号)、2013年インド会社法の規定及び1992年インド証券取引委員会法(1992年15号)又は当該時点で効力を有する他の法律のいずれかの規定に抵触する場合、国家会社法裁判所は、会社、インドで設立された預託機関、預託機関参加者、証券保有者又はインド証券取引委員会による申立てにより、かかる違反、株主名簿又は関係者株主名簿を是正するよう会社又は預託機関に命じることができる。
インド証券取引委員会規制に従い、上場会社の株式は、株券を伴わない形式でのみ譲渡/取引される。
銀行の株式は自由に譲渡できるが、株式の取得又は売買は、「-第2-3 事業の内容-事業-(f) 監督及び規制」に記載されている持分制限に服し、かつ同持分制限を遵守する必要がある。
(j) 所有持分の開示
2013年インド会社法と併せて解釈する2014年会社(経営及び運営)規則に基づき、会社の登録株主及び会社の株式の実質所有者は、所定の方法により実質所有持分の詳細を所定の期間内に開示しなければならない。会社の株式の実質所有持分に変更がある場合、登録株主及び実質所有者は、いずれも会社に対してかかる変更の30日以内にかかる変更の詳細について宣言しなければならない。実質所有者は、開示をしなかった場合、本人により又はその他の者を通じて株式についていかなる権利も請求することはできない。2018年会社(重要実質所有者)法は、重要実質所有者に関する追加要件を定めている。
(k) 監査及び年次報告書
会社は、年次株主総会の開催日から30日以内に、年次報告書/財務書類を登記官に提出しなければならず、当該会社の株式が上場されている証券取引所に対して、年次報告書/財務報告書の写しを送付しなければならない。会社は、当該会社の監査済財務書類並びにこれに係る取締役会報告書及び監査報告書を当該会社のすべての株主及びディベンチャー受託会社に対して配布しなければならない。これに代えて、上場会社は、当該監査済財務書類/年次報告書の写しを会社の年次株主総会の21日以上前から会社の登記上の事務所において営業時間中に閲覧可能とするよう提供し、会社の株主が財務書類の完全版を要求する場合を除き、会社のすべての株主及びディベンチャー受託会社に対し、会社が適切と考える所定の様式による当該書類の顕著な特徴のみを記載した財務書類又は当該書類の写しを年次株主総会の21日以上前まで提供することができる。上場会社はその公式ウェブサイトにおいて、これに加えて財務書類を連結財務書類とともに公表しなければならない。2013年インド会社法の下で、会社は、
(a)会社の年次株主総会において正式に承認された、連結財務書類を含む財務書類及び同法に基づき当該財務書類に添付することが求められるすべての書類の写しは、年次株主総会の開催日から30日以内に登記官に届出なければならない。
(b)当該会社の株式/株主、ディベンチャー/ディベンチャーの所有者に関する詳細及びその他の会社情報を記載した年次報告書を年次株主総会の終了から60日以内に届出なければならない。
(l) 会社による普通株式の取得(株式の買戻し)
会社は、2013年インド会社法並びに同法に基づく規則及び規制に所定の規定及び条件、並びに2018年インド証券取引委員会(有価証券の買戻し)規則に従って、自己株式又はその他特定の証券を購入することができる。
さらに、2013年インド会社法では会社に買戻し後の2対1の負債資本比率の維持が課されており、会社が負担する担保付債務及び無担保債務の総額の比率は、会社の払込済資本及び自由準備金の2倍の額を超えてはならない。しかし、中央政府は、会社の区分により、より高い資本及び自由準備金に対する負債の比率を通達することができる。
2018年インド証券取引委員会(有価証券の買戻し)規則により、いかなる買戻しの最高限度額も、会社の単体財務諸表又は連結財務諸表のうちより低い金額を記載しているものに基づき、会社の払込済資本及び自由準備金の総額の25%以下としなければならない。ただし、会社の単体財務諸表又は連結財務諸表のうちより低い金額を記載しているものに基づく証券取引所を通じた公開市場からの買戻しは、
(ⅰ)2023年3月31日までは会社の払込済資本及び自由準備金の15%未満とする。
(ⅱ)2024年3月31日までは会社の払込済資本及び自由準備金の10%未満とする。
(ⅲ)2025年3月31日までは会社の払込済資本及び自由準備金の5%未満とする。
ただし、2025年4月1日から2026年7月31日までの間は、証券取引所を通じた公開市場からの買戻しを行うことはできない。
ただし、2026年8月1日以降、証券取引所を通じた公開市場からの買戻しは、会社の単体財務諸表及び連結財務諸表の双方に基づき、会社の払込済資本及び自由準備金の15%未満とする。
さらに、買戻し後の払込済資本及び自由準備金に対する会社が負担する担保付債務及び無担保債務の総額の比率は、
(a)会社の単体財務諸表又は連結財務諸表のうちどちらか低い方に基づき、2対1以下とするが、ただし、2013年インド会社法に基づき、資本及び自由準備金に対する会社の負債の比率について高い比率が通達されている場合には、それと同率とする。
(b)会社の単体財務諸表又は連結財務諸表のうちどちらか低い方に基づき、インド準備銀行又は場合に応じて国立住宅銀行(NHB)により規制される銀行以外の金融会社(NBFC)及び住宅金融会社であるすべての子会社の財務諸表を除外した後は、2対1以下とするが、ただし、有価証券の買戻しは、これらの除外されたすべての子会社が、払込済資本及び自由準備金に対する担保付債務及び無担保債務の総額の比率が単体ベースで6対1以下である場合にのみ許可されるものとする。
買戻しのためのすべての株式又はその他の特定有価証券は、全額払込済とする。
規則15により、
(ⅰ)会社は、場合に応じて、取締役会決議又は特別決議において指定された買戻しのために割り当てられた額の少なくとも75%が、買戻しのための株式又はその他の特定有価証券に利用されることを確保する。
(ⅱ)会社は、場合に応じて、取締役会決議又は特別決議において指定された買戻しのために割り当てられた額の少なくとも40%が、指定された期間の前半において利用されることを確保する。
規則15に違反した場合、インド証券取引委員会は、マーチャント・バンカーに対し、場合により、取締役会決議又は特別決議において指定された買戻しのために割り当てられた額の2.5%を上限としてエスクロー勘定の失権を命じることができるが、規則20(ⅷ)に規定される場合においてはこの限りではない。会社は、公表後2営業日以内に、本規則に基づく義務の履行の担保としてエスクロー口座を開設し、場合により、取締役会決議又は特別決議において指定された買戻しのために割り当てられた額の25%をエスクロー口座に預金するものとする。
すべての買戻しは、株主総会による特別決議又は取締役会決議の可決日から1年以内に完了される。会社の単体財務諸表又は連結財務諸表のうちより低い金額を記載しているものに基づき、会社の総払込済資本及び自由準備金の10%を超えない買戻しは、特別決議を要しないが、決議及び付属定款により、当該会社の取締役会の承認を得なければならない。当該上限を超過する場合には、会社は、株主総会において特別決議を得る必要があり、当該買戻しは、付属定款により承認されなければならない。ADS保有者は、預託機関から当該保有者が保有するADSを引き渡し、引渡しにより普通株式を取得し、これを会社に売戻すことで会社の自己株式取得に参加することができる。
当行が、既存株主又は公開市場から自己株式を買い戻すまでの間、自己株式買戻しにおいてADS投資家が提供した普通株式を受け入れる保証はない。ADS投資家は、当行による自己株式買戻しに参加する前に、関連する規制上の許認可及び税金問題を含め、各自の法律顧問に相談すべきである。
(m) 清算時の権利
従業員、担保付債権者及び無担保債権者並びに優先株式の保有者に対する支払後、すべての残余財産は、普通株式の保有者に対して、清算開始時点における各自の持分についての払込済の金額又は払込済とされている払込額に比例して支払われる。
(n) 普通株式の償還
2013年インド会社法の下では、普通株式の任意償還を認める規定は存在しない。
(o) 付属定款における差別規定
当行の付属定款には、既存株主又は潜在的株主が株式を所有していることを理由に、当該株主を差別する規定は存在しない。
(p) 株主権の変更
2013年インド会社法の下で、いかなる種類の株主の権利も、(変更に関して)会社の基本定款及び付属定款に定められている場合には、(ⅰ)当該種類の発行済株式の4分の3以上の株主の書面による承諾又は(ⅱ)当該種類の発行済株式の株主の種類株主総会で可決された特別決議により、変更することができる。基本定款又は付属定款中にかかる規定がない場合は、かかる権利の変更が当該種類の株式の発行要項により禁止されていない場合に、変更することができる。ただし、ある種類の株主による変更が他の種類の株主の権利に影響を及ぼす場合、上記の既存の条件に加えて、かかる他の種類の株主の4分の3の承諾も得るものとする。
さらに、2013年インド会社法は、当該種類の発行済株式の10%以上の保有者がかかる変更に承諾しなかった場合又は変更についての特別決議に賛成票を投じない場合、変更の取消しについて国家会社法裁判所に申請を行うことができることを規定している。
(q) 有価証券を所有する権利に対する制限
インドの会社の有価証券を所有する権利(非居住者又は外国人株主が有価証券を保有する権利を含む。)に対する制限については、「-2 外国為替管理制度-(2) インドの有価証券の外国人所有に対する制限」及び「-第3-3 事業等のリスク」に記載する。
(r) 資本の変更に関する規定
当行の授権資本は、株主総会の普通決議及び国家会社法裁判所の認可を条件とする特別決議による減資により変更することができる。当行のかかる資本は以下の方法により変更することができる。
1. 新株の発行-2013年インド会社法の規定に基づき、当行は新株の発行により発行済株式を増額することができる。これらの新株は、申込日のかかる株式の払込済の額に比例して、既存株主又は特別決議による承認がある場合、従業員ストック・オプション制度に基づき従業員に割り当てられ、又は登録鑑定人によって価格が決定され、株主により特別決議が可決される場合、何人(既存株主を含むか否を問わない。)にも、又は従業員ストック・オプション制度に基づき株式を割り当てられる従業員にも、現金又は現金以外の対価を支払うことができる。
2. 株式への転換-当行の発行済株式資本は、特に当行の証券に付与され若しくは個別に発行され保有者に当行株式の引受権を授与するワラントの行使、又は発行済転換社債の転換により、増資されることがある。また、2013年インド会社法は、償還時に完全に又は部分的に当該社債を株式に転換するオプションを付与された転換社債の発行を承認している。かかる発行は、株主総会における特別決議により承認されなければならない。
3. 株式の買戻し-当行はまた、減資又は2013年インド会社法及び適用されるインド証券取引委員会規制に基づく株式の買戻しの引受けにより株式資本を変更することができる。株式の買戻しの要件の1つは、買戻し後に会社が負担する担保付債務及び無担保債務の総額の比率が払込資本及び自由準備金の2倍の額を超えてはならないことである。ただし、中央政府が、会社の区分により、より高い資本及び自由準備金に対する負債の比率を通達する場合は、例外が規定される。
4. 株式の併合、分割、転換、細分割又は消却-2013年インド会社法は、当行が(付属定款により承認される場合)一定の条件に従い、株主総会において、随時、株式資本を併合又はより多数の株式に細分割できること、複数の株式を単一の株式に転換できること、逆もまた同様、株式を細分割できること及び当該決議が可決された日において、誰にも取得されていない又は取得されることに同意していない株式を消却できることを規定するため、その基本定款を変更することができる。
(2)****【提出会社の定款等に規定する制度】
以下は、現在有効な当行の基本定款及び付属定款の重要な規定の概要である。当行の普通株式並びにその基本定款及び付属定款の重要な規定に関する以下の記述は、すべての規定を網羅することを意図されてはおらず、当行の基本定款及び付属定款にそのすべてが記載されている。
基本定款及び付属定款
(a) 目的
ICICIバンクの基本定款の第Ⅲ.A.1条に基づき、ICICIバンクの主要な事業目的は、とりわけインド国内外において銀行業務を遂行することと規定されている。
(b) 取締役に係る規定
取締役に係る付属定款の規定は、以下のとおりである。
・付属定款の第128条には、いかなる取締役も、資格要件としての当行の株式を保有する必要はない旨が規定されている。
・付属定款の第135条には、ICICIバンクのいかなる取締役も、あらゆる契約又は協定について、かかる取締役が直接又は間接に関与しているか又は利害関係を有する場合には、当該契約又は協定に関する議論又は決議に一取締役として参加してはならない旨が規定されている。
・付属定款の第137条には、当行の毎年の年次株主総会において、輪番制により当該時点での取締役の3分の1は退任しなければならず、取締役の人数が3又は3の倍数でない場合は、3分の1に近い人数の取締役が退任する旨が規定されている。ディベンチャー取締役、政府取締役及びその他の非輪番制取締役は、付属定款による退任の対象とはならない。
・付属定款の第138条には、輪番制により毎年の年次株主総会において退任する取締役は、直近の着任から最も長い間その役職についている者で、同日に着任した取締役同士の間では(かかる取締役同士の合意に至らない場合)退任する者を抽選により決定する旨が規定されている。付属定款には、取締役に特定の年齢での退任を義務付ける規定はない。インド準備銀行のガイドラインに基づき、非業務執行取締役として任命することができるのは、35歳から75歳の者とされている。75歳以上のいかなる者も、継続して当該役職に就くことはできない。さらに、インド準備銀行のガイドラインに基づき、70歳超のいかなる者も、代表取締役及び最高経営責任者又は常勤取締役として職務を継続することができない。全体的な上限である70歳以下であれば、銀行の取締役会は代表取締役及び最高経営責任者を含む常勤取締役の定年を別途規定することができる。
定足数に満たない場合には、取締役は取締役会における議決権を有しないものとする。
・付属定款の第79条には、取締役は、取締役会における決議に基づき、すべての点において適切であると取締役が考える方法及び条件で、債券、償還可能ディベンチャー若しくはディベンチャーストックの発行、又はICICIバンクの事業若しくは当行の未払込資本金を含むその(現在及び将来の)財産の全部若しくは一部に関する抵当権、チャージ若しくはその他の担保権の設定等により、借入及び資金調達を行い、支払額を確保することができる旨が規定されている。
(c) 株式の保有者の権利の修正
株式の保有者の既存の権利の変更は、株主総会の特別決議を要する付属定款の修正によってのみ行うことができ、かかる特別決議は、投じられた反対票数の3倍以上の数の賛成票によって可決される。
(d) 株主総会
当行は、会計年度末から5ヶ月以内に年次株主総会を招集しなければならない。取締役会は、必要ある場合又は議決権が付された払込済資本を10%以上有する1名若しくは複数名の株主からの依頼がある場合、臨時株主総会を招集することができる。会社の株主総会は、適用ある法令/規則の規定に基づく方法で正味21日以上前に通知を送付することにより開催することができる。
(e) 管理規定の変更
付属定款の第56条には、取締役会は、その裁量により、当行が先取特権を有する有価証券に関して、譲渡の対象となる有価証券に関する金銭の支払いがなされるまでの間、有価証券の譲渡の名義書換又は承認を拒否することができる旨が規定されている。さらに、取締役会は、ある者により譲渡が行われようとしている有価証券の額面総額が、ICICIバンクが保有する有価証券の額面総額と併せてICICIバンクの払込済株式資本の1%を超える場合、又はかかる譲渡の結果、ICICIバンクの取締役会若しくは支配株式に変更が生じ、かかる変更がICICIバンクの利益を害するであろうと取締役会が認める場合には、有価証券に関する譲渡又は法令の適用による権利若しくは持分の移転の名義書換を拒否することができると規定している。ただし、インド会社法の下では、かかる譲渡制限の強制執行可能性は不明確である。
買収規定及び上場規則
***(***ⅰ) 買収規定
アイシーアイシーアイ・バンク・リミテッドは、インドにおける上場会社である。2011年インド証券取引委員会(株式の実質的取得及び買収)規則(買収規定)は、当行の株式又は議決権を取得する銀行又は人に対して適用される。買収規定は、当事者の手続要件及び開示要件という2つの主要な特徴を持つ。
*(**1) 手続:*インドの公開上場会社(被買収企業)の議決権の25%以上の取得について、買収者(すなわち、単独で又は他の共同者を通じて若しくは他の共同者とともに、被買収企業の株式若しくは議決権を直接若しくは間接的に取得したか若しくは取得することに合意している者又は被買収企業を支配している者)(買収者)は、これらの規定に従い、かかる被買収企業の株式を取得するために公開買付しなければならない。
さらに、他の共同者とともに被買収企業の議決権の25%以上かつ非一般株式持分の最大許容数未満の行使を可能とする株式又は議決権をこれらの規定に従って取得及び保有しているいかなる買収者も、かかる買収者がかかる被買収企業の株式をこれらの規定に従って取得するための公開買付を行わない限り、いかなる事業年度中においても議決権の5%超を行使することを可能とする被買収企業の株式又は議決権を追加で取得することはできない。ただし、被買収企業による優先株式発行に基づくプロモーターの取得に限り、2020-21会計年度において5%超10%以下の被買収企業の議決権を取得する場合には、上記要件が免除される。
*(**2) 開示:*かかる開示は、証券取引所(被買収企業が上場している証券取引所)及び被買収企業(登記上の事務所)に対し、買収者によって行われる。開示を受けた後、各証券取引所はかかる情報を速やかに公表するものとする。様々な開示は、特に被買収企業、被買収企業のプロモーター並びに買収者及び買収者の関係者により、株式又は議決権の取得について買収規定に従い行われなければならない。
公開買付による取得株式は、公開買付の成立によって買収者が他の共同者とともに保有する株式持分であり、かかる株式持分が非一般株式持分の最大許容数を超える場合には、買収者は、非一般株式持分を、1957年有価証券契約(規制)規則に定める水準まで、同規則で許容される時間内に引き下げなければならず、買付期間の完了日後12ヶ月の満了時において、かつ2021年インド証券取引委員会規定(株式の上場廃止)に従ってのみ、自らかかる株式の上場を廃止させ、又は上場廃止の申込みをすることができる。
***(***ⅱ) 上場規則
SEBIは、2015年12月1日付で、2015年SEBI(上場義務及び開示要件)規則(上場規則)を通知した。
当行は、「インド全国証券取引所」及び「ボンベイ証券取引所」において上場しており、上場規則の開始により、これらの証券取引所との間に上場契約を締結している。上場規則は、株式保有状況及び各株式取引に関する一定の重要な事項又は情報の開示を規定している。
当行のADSは、それぞれ普通株式2株を表章し、当初2000年3月に公募により発行され、ニューヨーク証券取引所に上場されており、「IBN」の証券コードで取引されている。ADSの裏付となっている株式は、「インド全国証券取引所」及び「ボンベイ証券取引所」に上場されている。インドと米国の間には、証券市場並びに投資家、ブローカー及びその他の市場参加者の活動における規制及び監視のレベルに相違がある。インド証券取引委員会は、インド証券市場における情報開示の改善並びにインサイダー取引及びその他の事項の規制について責任を負う。ただし、インド企業に関して公に入手可能な情報は、米国の公開会社が通常入手可能な情報とは異なる場合がある。当社のADSをNYSEに上場した結果当行に適用される規制は、変更の可能性及び政策リスクの影響を受ける。例えば、SECは最近、当行のような外国の民間発行会社に関する規則の変更の可能性について意見を求めるコンセプト・ペーパーを発行した。このため、米国市場における当行の有価証券の継続的な上場は、適用される規制、費用並びに事業戦略及び資金調達戦略といった様々な検討対象となる。当行、預託機関及びADS保有者は、預託契約を締結しており、当該預託契約の条件に従う。当行は、すべての外国企業(支配力を行使しているか否かを問わない。)の総数であり、ADSを含む「外国人株式保有総数」を報告しなければならない。
ADS****により表章される預託普通株式の議決権
当行のADS保有者が預託機関を通じて議決権を行使できるようにするため、当行は、2026年1月2日付で、様式F-6の修正及び本預託契約の修正(修正預託契約(その後の修正を含む。))を提出した。従来とは異なり、預託機関は、当行の取締役会の指示に従って議決権を行使することはない。ADS保有者は、議決権の行使について、預託機関を通じて指示を行うことができ、預託機関は、ADS保有者による議決権の行使についての指示に基づいて議決権を行使する。ADS保有者が預託機関に対して議決権の行使についての指示を行わない場合、預託機関は当該株式について議決権を行使することはない。ADSに関する議決権の行使は、随時改正又は置き換えられるインド共和国の適用法に規定される法的及び規制上の制限に従う。個々の株式保有者の議決権の上限は、銀行の総議決権の26.0%である。ドイチェ・バンク・トラスト・カンパニー・アメリカズは、2026年6月30日現在、当行の株式1,149,973,715株を保有しており、これは当行の株式の16.0%を占める。ADS保有者が希望する場合、ADSの裏付となる株式を引き出し、引出しから得た普通株式に基づく議決権を行使することを求めることができる。しかしながら、外国人投資家の場合、この引出手続に遅れが生じる可能性がある。ADS保有者は、裏付となる原株式を引き出し、当該株主総会において議決権を行使するために十分な時間的余裕をもって株主総会の事前の通知を受け取ることができない可能性もある。上記の場合を除き、議決権に差がある株主はいない。
上記にかかわらず、対外ポートフォリオ投資家、在外インド人(NRI)又は外国法人が預託機関より原株式を引き出す場合には、原株式に対する投資は、「-2 外国為替管理制度-(2) インドの有価証券の外国人所有に対する制限」に記載された外国人所有に関する一般的制限に服することとなる。
預託機関の義務は、ドイチェ・バンク・トラスト・カンパニー・アメリカズ、ADS保有者及びICICIバンクの間の預託契約に定められている。預託契約及びADSは、ニューヨーク州法に準拠している。
2【外国為替管理制度】
(1) 外国****為替規制
(a) ルピーの交換に関する規制
インドにおいては、インド・ルピーを米ドルに交換することに関しては、規制がある。外国為替管理法は、当座勘定取引に関する規制を若干の例外を除き、大幅に緩和した。しかし、インド準備銀行は、資本勘定取引(取引主体の資産又は負債(偶発債務を含む。)を変更する取引)に対する規制を、引き続き行っている。
(b) 預託証券の発行並びにADSの裏付となっている株式の売却及び売却手取金の送金に関する規制
SEBIは、2019年10月10日付通達において、預託証券の発行に係る枠組みを規定した。通達によれば、SEBIが定義する適格要件を満たす預託証券の発行を目的として、インドで設立され、かつインドの公認証券取引所に上場する企業のみが取引所で取扱いが可能な有価証券を発行することができ、又はかかる有価証券の保有者のみが取引所で取扱いが可能な有価証券の譲渡を行うことができる。さらに、SEBIは、預託証券の海外保有の監督に関して、2020年10月1日付で運用のためのガイドラインを発表した。運用のためのガイドラインに従って、すべての上場企業は、当該制限の遵守の監督のために、インドの預託機関1社を指定預託機関として任命しなければならない。その後、SEBIは2020年12月18日付通達を発行した。かかる通達によれば、在外インド人は、株式に基づく従業員の福利厚生スキーム又は賞与若しくは株主割当発行を受ける権利に基づいた在外インド人に対する預託証券の発行を除き、預託証券の追加発行の引受け又は追加取得を行ってはならない。上場会社は、従業員の福利厚生スキームに基づき預託証券の発行を引き受けた在外インド人保有者を特定し、制限遵守の監督のために、指定預託機関に当該情報を提供する義務を負う。既存の外国為替管理法のガイドラインに規定されている場合を除き、米国預託証券発行手取金に対して最終用途に関する制限は存在しない。
ADR保有者は、普通株式を所有し続ける選択肢とともに、ADRを所有、譲渡、又は裏付となる普通株式に引き換える権利を有する。ADR保有者は、当該会社の普通株式保有者と同様の賞与及び株主割当発行を受ける権利を有する。
インドの会社により非居住者に対して発行されたADSは、インド国外において自由に転換できる。現在のインドの法律の下では、ADSの裏付となっている株式が公認証券取引所を通じて売却されている場合、又は2011年インド証券取引委員会(株式の実質的取得及び買収)規則に基づく募集として売却されている場合には、ADRの転換後に取得された当該株式のインドの非居住者からインドの居住者への売却又は譲渡については、一般的に許可されている。ADRの裏付となっている株式の売却に関するその他すべての場合については、インド準備銀行による承認が必要である。
有価証券の売却が政府による規則、インド準備銀行のガイドライン及びその他適用される規制に基づいて行われている場合には、(ⅰ)有価証券がインドの居住者に返還されたことに基づき保有されており、(ⅱ)有価証券の売却がインド準備銀行の価格設定に係るガイドラインに従っており、又はインド準備銀行による承諾を得ており、かつ(ⅲ)税務当局から異議がない旨の通知又は承認証明書を取得している限り、売却手取金を自由に送金することができる。
預託証券の新規発行及び発行済ADR/GDRの条件の変更又は修正は、2014年DRスキーム及び2019年預託証券の発行に係るSEBI枠組みに沿うものでなければならず、又は/加えてインド準備銀行又はSEBIの承認又は説明を要する。
インド国外の居住者による預託証券への投資は、2019年10月17日付2019年外国為替管理(非負債証券)規制(その後の改正を含む。)の明細表IXに基づくものとする。
(2) インドの有価証券の外国人所有に対する制限
インド政府は、外国人によるインドの会社への出資を制限している。インドの会社により発行される有価証券(ADS等の株式を含む。)への外国からの投資は、外国為替管理法(同法に基づき発布される規則及び規制を含む。)に準拠している。同法は、インド準備銀行に外貨の流出入を制限する権限を付与し、また特定の取引につき、インド準備銀行若しくはインド政府の関連部署の一般的な又は特別な許可なく実行することはできない旨を規定している。管理法は、当座預金に係る取引に関する規制を緩和した。しかし、インド準備銀行は、資本勘定に係る取引(すなわち、関係者の資産又は負債(偶発債務を含む。)を変更する取引)を引き続き規制している。インド政府及びインド準備銀行は、外国為替管理法に基づき、資本勘定に係る様々な種類の取引を規制する規則及び条例(インドの会社の株式の買取り及び発行に関する一定の事項を含む。)を発布した。
インド国外の居住者によるインドの会社の有価証券の発行又は譲渡、資本性金融商品(株式、強制転換条項付ディベンチャー、強制転換条項付優先株式及び新株予約権)への外国投資、並びにADS発行のためのルピー建ての株式の発行は、すべて適用ある外国為替管理法、2014年預託証券計画及びSEBIによる規則及び規定に準拠しており、かかる規定により定められる条件に従う場合に限り行うことができる。
インドの会社の外国投資制限には、外国直接投資に加え、対外ポートフォリオ投資家、在外インド人、外貨建転換社債、米国預託証券、グローバル預託証券及び外国企業が保有する転換優先株式による投資が含まれる。
2019年外国為替管理(非負債証券)規制(その後の改正を含む。)(本規則)は、外国人による民間部門銀行出資に対し、主に下記の制限を設けている。
・外国人投資家(対外ポートフォリオ投資家が行った外国間接投資を含む。)は、インド政府及びインド準備銀行により発布される規則及び規定に従い、インドの民間部門銀行の株式資本の74.0%まで保有することができる。49.0%以下の民間部門銀行に対する外国投資は、特別の承認を要するものではない。一方、49.0%超74.0%以下の外国投資は、免除が適用されない限り、インド政府による事前の承認を要する。インド政府の承認要件を免除されている外国人投資家による投資には、居住者のインド人からの居住者たるインドの会社の所有権若しくは支配権の譲渡、又はインド国外の居住者への所有権若しくは支配権の譲渡がされることがなく、本規則に規定される対外ポートフォリオ投資の総額が完全希薄化後の払込済資本の49.0%又は部門別の上限(のうちどちらか低い方)以下であるものが含まれる。インド国外の居住者によるその他の投資は、本規則に基づき政府の承認要件及び部門別の要件が課される。本規則は、部門別の上限の遵守及び適用ある法令及び規制に規定される特定の条件を満たすことを条件に、インドの会社が既存の非居住者の株主に対して自由に権利及び無償交付株式を発行することを認めている。74.0%を上限とする外国投資総額には、外国直接投資、ADS/グローバル預託証券(預託証券)、外貨建転換社債(強制転換条項付)並びに対外ポートフォリオ投資家及び在外インド人/海外インド市民によるポートフォリオ投資計画に基づく投資が含まれ、また、私募及び公募により取得された株式並びに既存の株主より取得した株式が含まれる。常に、最低でも払込済資本の26.0%は、インドの居住者により保有されなければならない。ただし、外国銀行の完全子会社については除く。
・加えて、インド政府による事前の承認を要する投資案の場合、総額50.0十億ルピー超となる外国資本インフローが発生する当該投資案について、経済局の閣僚委員会の承認が必要となる。
・在外インド人個人による株式保有は、本国送金原則及び本国非送金原則の双方により、払込済株式資本総額の5.0%を上限としており、在外インド人全体での投資総額の上限は、本国送金原則及び本国非送金原則の双方により、払込済株式資本総額の10.0%以下とされている。しかし、在外インド人による株式保有は、本国送金原則及び本国非送金原則の双方に基づき、銀行の株主によるこれに係る特別決議により払込済株式資本総額の24.0%の額まで許容される。
・直接的、間接的、受益又はその他を問わず、個人がその親戚、関連企業及びその個人と協働する者とともに、銀行の払込済株式資本又は議決権の5.0%以上となる株式又は議決権を合算して保有する場合(主要株式持分)、2025年インド準備銀行(商業銀行-株式又は議決権の取得及び保有)標準指針に従い、インド準備銀行の事前の承認が必要となる。金融活動作業部会の不遵守管轄区域内の者は、銀行の主要株式持分の取得が認められていない。ただし、インド準備銀行の事前の承認なくこれ以上取得しないことを条件として、金融活動作業部会の不遵守管轄区域内の者による既存の主要株式持分は継続されるものとする。個人の持分総額が5.0%を下回った場合、5.0%以上に再度引き上げるにはインド準備銀行の新たな承認が必要となる。さらに、単一株主の議決権数の上限は、銀行のすべての株主の総議決権数の26.0%である。さらに、預託機関は、DR保有者が、1949年銀行規制法第12B条を遵守していることを証明する場合、DR保有者に代わって議決権を行使することができる。
・取扱いが可能な保有者は、外国為替制度に関するインド設立会社の株式の直接上場に基づき、外国為替に上場している又は上場予定のインドの公開会社の株式を購入又は売却することができる。
ポートフォリオ投資計画には、下記のとおり定められている。
・2019年SEBI(対外ポートフォリオ投資家)規則に基づき、対外ポートフォリオ投資家は、対象となるインドの会社に適用可能な部門別の上限まで株式資本を保有することができる。しかし、インドの会社は、民間部門銀行の場合、取締役会決議及び特別決議によりかかる上限について、(ⅰ)2020年3月31日以前の総額の上限を24.0%、49.0%又は74.0%のうち低い基準に引き下げるか、(ⅱ)総額の上限を49.0%若しくは74.0%又は部門別の上限若しくはその他の法定上限まで引き上げることができる。しかし、総額の上限を一度引き上げた後に、当該上限を引き下げることはできない。いかなる対外ポートフォリオ投資家も単一で又はその投資グループを通じて、完全希薄化後の10.0%以上の払込済株式資本を保有してはならない。
・外国法人は、ポートフォリオ投資計画に基づく投資を許可されていないが、当該計画に基づき既に実行した投資に関しては、かかる投資により取得した証券が証券取引所で売却される時点まで保有し続けてよいものとする。外国法人は、外国為替規則及び規制における様々なルート及び計画の下、インド準備銀行により投資事業体区分としての承認を取り消されている。
対外ポートフォリオ投資スキーム-株式又は転換可能なディベンチャー若しくはワラントの購入
2019年SEBI(対外ポートフォリオ投資家)規則(その後の改正を含む。)に基づきSEBIに登録された対外ポートフォリオ投資家は、既存のSEBI及び外国為替管理法のガイドラインに従い、インドの会社の株式又は転換可能なディベンチャー若しくはワラントを購入することができる。個々の対外ポートフォリオ投資家又はその投資グループが保有する総株式数は、完全希薄化後の払込済株式資本総額の10.0%未満、又はインド企業が発行したディベンチャー、優先株式若しくは新株予約権の各シリーズの払込金額及びすべての対外ポートフォリオ投資家による保有株式数総額の10.0%未満とする。投資総額が上記の上限を超過した場合、対外ポートフォリオ投資家は、当該違反の要因となった取引の締結日から5取引日以内に超過分の株式を売却しなければならない。これを怠った場合、当該対外ポートフォリオ投資家及びその投資グループによる当該企業に対する投資全体がFDIとみなされ、当該対外ポートフォリオ投資家及びその投資グループは、当該企業に対するさらなるポートフォリオ投資を行うことができない。対外ポートフォリオ投資家全体での投資制限は、共通の最大実質所有持分に基づく。当該規則に規定される例外を除き、対外ポートフォリオ投資家として登録され、直接的又は間接的に50.0%超の共同所有持分又は共同支配権を有する複数の事業体は、同一の投資グループの一員として扱われ、かかる全事業体の投資制限は、単一の対外ポートフォリオ投資家に適用可能な水準に統一される。
インド国外の居住者による資本制金融商品****の譲渡
インド国外の個人の居住者(在外インド人/海外インド市民/以前の外国法人を除く。)は、以下の条件を満たす場合には、インド国外の居住者に対して、かかる人物又は事業体の保有するインド企業の資本制金融商品又はユニットを売却又は贈与により譲渡することができる。
・当該企業が政府による承認が必要な分野に関与している場合には、譲渡の際には政府による事前の承認を取得するものとする。
・インド国外の居住者が、本国非送金原則に基づき資本制金融商品を保有している場合、当該資本制金融商品を本国送金原則に基づき保有する意思のある譲受人へ譲渡する際には、当該投資に係る本規則及び付随する要件に規定される申請ルート、部門別の上限又は投資制限並びに当該譲渡に関連してインド準備銀行により随時定められる価格決定ガイドライン、文書及び報告要件を遵守し、これに従うものとする。
インドの会社又はユニットの資本制金融商品を保有するインド国外の居住者は、
・贈与によりインドの居住者に同一のものを譲渡することができる。
・SEBIの規定に基づき、インドの公認証券取引所で登録ブローカーを通じて同一のものをインド居住者へ売却することができる。
・政府との協議の下、インド準備銀行により随時定められる譲渡に関する価格決定ガイドライン、文書及び報告要件を遵守することを条件に、インドの居住者に同一のものを売却することができる。
銀行の株式若しくは議決権の買取り又はその他の方法による買収に関するインド準備銀行のガイドラインは、かかる買収がかかる銀行の5.0%以上の払込済株式資本又は議決権の保有又は管理に至る場合、直接的、間接的、受益又はその他を問わず、外国投資にも適用される。銀行の株式又は議決権の買収及び保有に関するインド準備銀行のガイドラインに関する詳細に関しては、「-第2-3-(f)-持分及び議決権の制限」を参照のこと。
外国投資の報告
インド準備銀行は、インド国内の外国投資に係る異なる報告体制を一元化することを目的とした外国投資の報告についてのガイドラインを発表した。当該ガイドラインに従い、シングル・マスター・フォームはオンライン上で提出されなければならない。随時改定されるシングル・マスター・フォームは、インドの会社に対する外国投資及びインド国外の居住者による金融商品への投資の総額を報告することを目的としたものである。
この前提条件を満たしていないインドの企業は、(外国間接投資を含む。)外国投資を受けることができず、外国為替管理法(その後の改正を含む。)及びこれに係る規制に遵守していないとみなされる。
「インドにおける外国投資」に基づくすべての報告について、別途規定のない限り、インド準備銀行の外国投資に係る報告及び管理システムのプラットフォームから入手可能な随時改定されるシングル・マスター・フォームの使用が義務付けられている。インド準備銀行は、2023年1月4日付通達において、企業ポータルのシングル・マスター・フォームへの外国投資の報告に関して提出されたフォームは自動的に承認され、公認ディーラーカテゴリーⅠ銀行は、指定されたとおり、アップロードされた書類に基づいて5営業日以内にこれを確認することを通知した。さらに、3年以下の遅延報告が提出されたフォームの場合、公認ディーラーカテゴリーⅠ銀行は、提出遅延手数料の支払いを条件としてそれを承認する。3年を超えた遅延報告の場合、公認ディーラーカテゴリーⅠ銀行は、違反の複合化の対象となるフォームを承認する。従前の規定では、遅延報告が生じた場合、当該事例はインド準備銀行に付託されるものとされていたが、最近の改訂に基づき、場合に応じて提出遅延手数料/和解金を支払うことを条件として遅延報告を承認できる権限が公認ディーラーに与えられている。
現在インド企業又は投資ビークルは、被投資企業に対する間接的な外国直接投資とみなされる他のインド企業へのダウンストリーム・インベストメントを実施している。インド企業は、2019年外国為替管理法(非負債証券)に基づき、資本制金融商品の配当前であっても産業推進局(DPIIT)に対して当該投資(新規/既存のベンチャーへの投資手法を含む。)について当該投資の30日以内に報告するものとする。また、当該事業体又は投資ビークルは、資本制金融商品の割当日から30日以内にインド準備銀行に対してフォームDIを提出することを義務付けられている。
ADS****の発行
インドの会社は、2014年預託証券計画(その後の改正を含む。)に基づき、外国人投資家に対してADSに表章される株式を発行することで、外貨財源を調達することを認められている。かかる発行は、特にこれに関連してインド政府及び/又はインド準備銀行により随時定められる規則及び規制の規定どおりの分野別規制、申請ルート、最低資本基準、価格決定基準等に服している。
ADSを発行するインドの会社は、インド準備銀行により定められる一定の報告要件に従わなくてはならない。インドの会社は、FDI計画の下、インド国外の居住者に株式を発行することができ、かつ随時改定される既存の外国為替管理法及びこれに係る規則に定められる適格有価証券の海外保有の上限を超えていない場合には、ADSを発行することができる。同様に、SEBIにより証券市場への参入を制限されている会社を含め、インド資本市場から資金を調達できないインドの会社は、ADSを発行することはできない。2014年預託証券計画は、預託証券を裏付けとする取引所で取扱いが可能な有価証券の発行又は購入につき、外国為替管理法に基づく承認を要さないのであれば、当該預託証券の発行、購入又は保有に際していかなるインド政府の承認も不要である旨を規定している。適用ある規則によりインドで投資することができないと判断された外国法人及びSEBIにより有価証券の購入、売却又は取引が禁じられている事業体は、インドの会社により発行されたADSを引き受けることができない。
投資家は、状況により、ADSを譲渡するにあたり、インド政府より特別な許認可を取得する必要がある場合がある。ただし、上記にかかわらず、いかなる投資家も、その株式をADSプログラムから引き出す場合、その投資は上記の外国人所有に関する一般的な制限に服し、ポートフォリオ投資制限に服することとなる。流通市場における外国直接投資家によるインドの銀行の証券の買取り又は在外インド人及び対外ポートフォリオ投資家による上記の出資制限を超える投資は、その買取り又は投資ごとに、インド政府の許認可が必要となる。在外インド人、外国法人及び対外ポートフォリオ投資家による預託機関から引き出された株式の保有に関しては、同様に許認可が要求されるか否かは明らかではない。
さらに、投資家がADSプログラムから株式を引き出した結果、直接的若しくは間接的なインドの民間銀行の保有比率が当該銀行の自己資本の25.0%以上になる場合、又はかかる保有比率が当該銀行の自己資本の25.0%以上であり、かつその後当該投資家がある事業年度中にさらに5.0%の株式を追加保有する場合、かかる投資家は、2011年SEBI(株式の実質的取得及び買収)規則(その後の改正を含む。)に基づき既存株主の株式取得のため公開買付を行う必要がある。民間銀行の株式の買取り又はその他の方法による買収に関するインド準備銀行のガイドラインに関する詳細に関しては、「-第2-3-(f)-持分及び議決権の制限」を参照のこと。
2014年預託****証券計画
現在、適格者は2014年預託証券計画(その後の改正を含む。)に基づく預託証券の発行を目的として、外国預託機関に適格有価証券を発行又は譲渡することができる。1993年外貨建転換社債及び(預託証券の仕組みによる)普通株式発行制度に従って発行された預託証券は、2014年預託証券計画の対応する規定に従って発行されたものとみなされる。
3【課税上の取扱い】
(1) インドにおける課税上の取扱い
インドの居住者ではない者である投資家(かかる投資家がインド出身であるか否かにかかわらない。非居住者投資家)に適用されるADS及び株式に係る重要なインドの課税上の取扱いに関する以下の記述は、インド所得税法(投資家が会社の合併又は再編において取得できる追加的なADSにも適用を拡大するために有効期限が延長された同法第115条ACに定めるADSに関する特別税制、及び同法第115条ACの施行規則を含む。)の規定に基づくものである。インド所得税法は、金融法により毎年改正される。本書に記載されている課税上の取扱いは、その一部又は全部が将来のインド所得税法の改正により、修正又は変更される可能性がある。本概要は、非居住者投資家によるADS及び株式の取得、保有及び売却に関するインドの法令の完全な分析を目的としたものではない。したがって、保有者は、インド法、居住地の法令、インド及びその居住国との間で締結された租税条約並びにインド所得税法第115条ACにより適用される規制に基づく課税上の取扱いを含み、かかる取得、保有及び売却の課税上の取扱いに関して、各自の税務顧問に相談をすることが望ましい。
(a) 居住性
インド所得税法の下では、個人は、すべての会計年度に関して、以下のいずれかの場合においてインドの居住者とみなされる。
(a)当該会計年度中に182日以上インドに滞在した場合
(b)当該会計年度に先立つ4年間に合計365日以上インドに滞在し、かつ、当該会計年度中に合計60日以上インドに滞在した場合
当該会計年度中にインドの国民又はインドの出身者でインド国外に居住している者がインドを訪問し、かつインドにおける国外源泉以外の収入が1.5百万ルピー超である場合、当該60日の期間は、120日に置き換えられる。
当該60日の期間が182日に置き換えられるのは、以下のいずれかの場合においてである。
・当該会計年度中にインドの国民がその職業上の理由によりインドを離れる場合
・当該会計年度中にインドの国民がインドの船舶の乗組員としてインドを離れる場合
・当会計年度中にインドの国民又はインドの出身者でインド国外に居住している者がインドを訪問し、かつインドにおける国外源泉以外の収入が1.5百万ルピー未満である場合
会社は、以下のいずれかの場合において、当該会計年度に関してインドの居住者とみなされる。
(a)インドの会社である場合
(b)当該年度を通してその業務の事実上の経営が行われる場所がインドである場合
事務所又はその他の個人団体は、その業務の経営管理が完全にインド国外で行われない限り、インドの居住者とみなされる。
(b) 課税及び分配
所得税法の規定に基づき、ADSに関連して受領された配当金については10%の税率で課税され、当該配当金の支払人は、10%の税率で税金を控除することが義務付けられる。
(c) ADSの交換に関する課税
ADSの引渡しに基づく非居住者投資家による株式の受領については、インドの税制上、課税事由は発生しない。
(d) ADS又は株式の売買に関する課税
非居住者投資家から非居住者投資家へのインド国外におけるADSの譲渡に関しては、当該譲渡人にインドの譲渡益税は一切課されない。外国機関投資家によるインドの居住者へのADSの譲渡益は、譲渡益税が課される。
株式の売買により得られる譲渡益については、関連する二重課税防止条約による減免に服すものの、一般的には、譲渡人にインドの所得税が課され、源泉徴収する必要がある。譲渡益は、所有形態により、譲渡益又は事業所得として課税される。
株式の保有期間が12ヶ月(ADSの償還を要求した日を起算点とする。)を超える場合には、公認証券取引所で株式が取引され、かかる売買に対する有価証券取引税(以下に記載する。)が支払われる限り、発生した長期譲渡益は、インド所得税法の規定に従い課税され、長期譲渡益総額が0.125百万ルピーを超過する場合には、課税割合はインド所得税法の規定に基づき、12.5%(適用ある追加税及び教育特別税を加える。)の割合となる。
2018年2月以前に行われた取得に係る譲渡益の算出の際には、取得費用は取得に係る実費よりも高く、又は2018年1月31日(取引日ではない場合には、直前の取引日)に証券取引に上場している株式の株価若しくは売買価格よりも低いものとされる。
さらに、かかる追加要件は、特定の条件に従って、ADSから株式への転換に係る有価証券取引税の支払いのために緩和された。
株式の保有期間が12ヶ月以下である場合、発生した短期譲渡益は、20%(適用ある追加税及び教育特別税を加える。)で課税される。この税率は、所得額が譲渡益として取り扱われ、株式がインドの公認証券取引所において売却され、かつ有価証券取引税が課税される場合に適用される。その他の場合には、インド所得税法の条項に基づき適用される税率は、35%(適用ある追加税及び教育特別税を加える。)を上限として様々なものとなる。実際の適用税率は、非居住者投資家の性質を含む(ただし、これに限らない。)数々の要因により異なる。
非居住者投資家の居住する国とインド政府の間で締結された二重課税防止条約の条項により、上記の税率が引き下げられる場合がある。米国とインドとの間の二重課税防止条約(条約)により、米国の居住者がインドの譲渡益税を減免されることはない。すなわち、インドの現地法に基づき課税される。
長期及び短期の譲渡益税は、支払い可能であれば、上記のとおり、株式の売却により、
(a)インド所得税法の関連条項に基づき、非居住者への支払いに責任を負う者によって源泉控除される。インド所得税法の規定に従い、非居住者に支払う譲渡益による収益は、より低い税率による源泉徴収証書が税務当局から入手できない限り、インド所得税法又は二重課税防止条約の税率のうち、被査定者により有益な税率による源泉徴収が課される。
(b)非居住者投資家は、二重課税防止条約の適用の恩恵を受けるためには、インド国外における自身の居住地に関する証書、及び同法によって規定されるその他の書類(インド所得税局により発行された有効な永久勘定番号又は課税されている国における居住地のインド所得税局により発行された課税識別番号並びに名義、メールアカウント、連絡先及び住所等その他の詳細)を提出しなければならない。
永久勘定番号が提出された場合、(アドハーがインドにて入手された場合個人に適用される)アドハーと紐付けられる必要がある。これを満たさない場合、20%以上の税率にて控除される。
(c)非居住者は、インド所得税法の条項に基づき、かかる課税控除を証する証書を受ける権利を有する。
(d)ただし、インド所得税法の条項に従い、外国機関投資家に支払われる証券の譲渡益について、課税控除は適用されない。
インドの税制上、株式の売買により発生する譲渡益の金額を決定する場合、ADSの引渡しにより引き出された株式の取得費用は、かかる償還に対する要求のあった日のボンベイ証券取引所又はインド全国証券取引所における市場価格とする。ADSの引渡しにより受領される株式の保有期間は、ADSの償還に対する要求のあった日から起算される。
インドの公認証券取引所において行われ、株券の受渡し又は譲渡により決裁された株式の売買においては、買主及び売主に対して売買時点の取引金額に対し0.1%の有価証券取引税が課される。しかし、決裁が受渡し又は譲渡以外によってなされた場合、売主に対して売買時点の取引金額に対し0.025%の有価証券取引税が課される。
(e) 新株引受権
非居住者投資家に対する追加的なADS若しくは株式又はADS若しくは株式に係る新株引受権の分配は、非居住者である顧客がこれを保有する限り、インドの所得税の課税の対象にはならない。
非居住者投資家による他の非居住者投資家に対するインド国外での新株引受権の売却から得られた譲渡益で、租税条約に基づく免除を受けないものについて、インド税務当局により当該売却がインド国内で行われたものとみなされる場合がある(当行がインドに所在しているため)。かかる場合において、新株引受権の消滅から得た収益には、上記「-(d) ADS又は株式の売買に関する課税」に記載の方法でインドの譲渡益税が課される。
(f) 無償****交付
無償交付株式の場合、保有期間は、無償交付株式の割当ての日から起算される。2018年1月31日より前に取得された無償交付株式の取得費用は、2018年1月31日現在の無償交付株式の公正市場価格と同額とするが、発行価額を超過しないものとする。2018年1月31日より後に取得した無償交付株式の取得費用は、なしとみなされる。
(g) 一般的租税回避否認条項
ある特定の取引又は協議の主要な動機が節税であるとインド所得税局が主張した場合、一般的租税回避否認条項の規定を行使する権限が与えられる。一般的租税回避否認条項の規定が所得税局により行使された場合、税制優遇又は租税条約に基づく恩恵が得られないことがある。
(h) 印紙税
2020年7月1日付で改正された1899年インド印紙税法に基づき、印紙税は、株券を発行しない形態で発行/譲渡されたすべての株式について支払われなければならない。なお、当行の株式は、株券を発行しない形態で受け渡されることになっている。
当行は、ADSの原株式の発行に際し、発行されたすべての原株式の市場価格の0.005%に相当する印紙税を支払わなければならない。ADSの譲渡には、インド法に基づく印紙税は課されない。しかし、非居住者投資家による原株式の譲渡(受渡しがされる場合)には、取引日における当該株式の市場価格の0.015%に相当する印紙税が課される。かかる印紙税は、(ⅰ)証券取引所を介した株式の譲渡の際には譲受人に対して、(ⅱ)証券取引所を介さない、又は預託機関若しくはその他を介した株式の譲渡の際には譲渡人に対して課される。
(i) その他の税
現在、ADS又は原株式に適用される富裕税、贈与税又は遺産税はない。
(j) 物品・サービス税
物品・サービス税は、国レベルで物品・サービスの製造、販売及び消費に対し課される単一の包括的な税である。中央及び各州により物品・サービスの取引、すべてに課されている様々な間接税を併合させるものであり、物品・サービス税の範囲外であり閾値を下回る取引の場合を除き、2017年7月1日より物品・サービスの取引すべてに適用される。インドの公認証券取引所に上場された株式の売買に関して株式ブローカーに支払われる仲介手数料には、18%の物品・サービス税が課される。株式ブローカーは、物品・サービス税を徴収し、管轄当局に支払う義務を負っている。ADS及び株式を含む証券の売却に関しては、物品・サービス税の適用範囲外である。
(2) 日本における課税上の取扱い
適用ある租税条約、所得税法、法人税法、相続税法及びその他の日本の現行の関連法令に従い、またこれらの法令上の制限の下、日本の居住者又は内国法人の所得(及び個人に関しては相続財産)が上記のインドにおける課税上の取扱いに記載された租税の対象とされた場合、かかる租税は、当該居住者又は法人が日本において支払うこととなる租税の計算上税額控除の対象となる場合がある。下記「-第8-(2)-(g) 配当等に関する本邦における課税上の取扱い」を参照のこと。
4【法律意見】
当行のジェネラル・カウンセルであるニランジャン・シンハ氏より、大要、下記の趣旨の法律意見書が出されている。
(ⅰ)当行は、インド法に基づく株式による有限責任会社として適法に設立され、かつ有効に存続しており、本書に記載された事業を営み、その財産を所有及び運用するすべての権限を与えられている。
(ⅱ)本書中のインドの法令に関するすべての記述は、すべての重要な点において真実かつ正確である。
第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
以下の情報は、本書に含まれる当行の財務書類及び「-第3-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」とともに参照されたい。
平均貸借対照表
平均残高は、日次平均残高の合計である。有利子資産平均の利回りは、有利子資産平均に対する受取利息の比率である。有利子負債平均のコストは、有利子負債平均に対する支払利息の比率である。貸付金の平均残高は、不良貸付を含んでおり、貸倒引当金を差し引いた額である。当行は、非課税所得につき課税がなされたものとして再計算している。税金還付に係る受取利息及びスワップ収益を含むその他の受取利息については、ルピー及び外貨のスプレッド及び純金利差益率の変動に関する説明を容易にするために、ルピー額と外貨額に分類して表示している。これらのスワップは、当行のトレーディング・ポートフォリオには含まれておらず、当行の資産及び負債から発生する市場リスクを管理するために当行により行われている。
以下の表は、表示された期間における資産及び負債の平均残高を示したものであり、これらは受取利息、支払利息及び純利息収入の主要な要素となっている。
| (単位:百万ルピー(%の数値を除く。)) | |||||||||||||||||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||||||||||||||||
| 2024年 | 2025年 | 2026年 | |||||||||||||||||
| 平均残高 | 受取/支払利息 | 平均利回り/コスト(%) | 平均残高 | 受取/支払利息 | 平均利回り/コスト(%) | 平均残高 | 受取/支払利息 | 平均利回り/コスト(%) | |||||||||||
| 資産: | |||||||||||||||||||
| 貸付金: | |||||||||||||||||||
| ルピー | 11,017,318 | 1,108,708 | 10.06 | 12,747,775 | 1,272,610 | 9.98 | 14,127,734 | 1,331,960 | 9.43 | ||||||||||
| 外貨 | 976,161 | 57,190 | 5.86 | 1,011,729 | 59,827 | 5.91 | 946,237 | 46,083 | 4.87 | ||||||||||
| 貸付金総額 | 11,993,479 | 1,165,898 | 9.72 | 13,759,504 | 1,332,437 | 9.68 | 15,073,971 | 1,378,043 | 9.14 | ||||||||||
| 投資: | |||||||||||||||||||
| 国債への投資: | |||||||||||||||||||
| ルピー | 4,471,598 | 316,780 | 7.08 | 5,170,395 | 372,849 | 7.21 | 5,303,926 | 374,088 | 7.05 | ||||||||||
| 外貨 | 45,013 | 1,391 | 3.09 | 38,601 | 1,290 | 3.34 | 50,271 | 1,487 | 2.96 | ||||||||||
| 国債への投資総額 | 4,516,611 | 318,171 | 7.04 | 5,208,996 | 374,139 | 7.18 | 5,354,197 | 375,575 | 7.01 | ||||||||||
| その他の投資: | |||||||||||||||||||
| ルピー | 875,898 | 57,784 | 6.60 | 1,456,207 | 94,060 | 6.46 | 1,813,752 | 116,523 | 6.42 | ||||||||||
| 外貨 | 109,792 | 5,223 | 4.76 | 98,455 | 4,955 | 5.03 | 109,073 | 4,933 | 4.52 | ||||||||||
| その他の投資総額 | 985,690 | 63,007 | 6.39 | 1,554,662 | 99,015 | 6.37 | 1,922,825 | 121,456 | 6.32 | ||||||||||
| 投資総額: | |||||||||||||||||||
| ルピー | 5,347,496 | 374,566 | 7.00 | 6,626,602 | 466,909 | 7.05 | 7,117,679 | 490,611 | 6.89 | ||||||||||
| 外貨 | 154,805 | 6,614 | 4.27 | 137,056 | 6,245 | 4.56 | 159,343 | 6,420 | 4.03 | ||||||||||
| 投資総額 | 5,502,301 | 381,180 | 6.93 | 6,763,658 | 473,154 | 7.00 | 7,277,022 | 497,031 | 6.83 | ||||||||||
| (単位:百万ルピー(%の数値を除く。)) | |||||||||||||||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||||||||||||||
| 2024年 | 2025年 | 2026年 | |||||||||||||||
| 平均残高 | 受取/支払利息 | 平均利回り/コスト(%) | 平均残高 | 受取/支払利息 | 平均利回り/コスト(%) | 平均残高 | 受取/支払利息 | 平均利回り/コスト(%) | |||||||||
| その他の有利子資産: | |||||||||||||||||
| インド準備銀行への貸付: | |||||||||||||||||
| ルピー | 35,360 | 2,249 | 6.36 | 46,402 | 2,928 | 6.31 | 56,733 | 3,024 | 5.33 | ||||||||
| 外貨 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ||||||||
| インド準備銀行への貸付総額 | 35,360 | 2,249 | 6.36 | 46,402 | 2,928 | 6.31 | 56,733 | 3,024 | 5.33 | ||||||||
| レポ貸付: | |||||||||||||||||
| ルピー | 95,537 | 6,494 | 6.80 | 106,623 | 6,977 | 6.54 | 110,468 | 6,222 | 5.63 | ||||||||
| 外貨 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ||||||||
| レポ貸付総額 | 95,537 | 6,494 | 6.80 | 106,623 | 6,977 | 6.54 | 110,468 | 6,222 | 5.63 | ||||||||
| その他の銀行預け金: | |||||||||||||||||
| ルピー | 88,682 | 6,336 | 7.14 | 135,374 | 10,255 | 7.58 | 166,877 | 11,480 | 6.88 | ||||||||
| 外貨 | 154,610 | 9,780 | 6.33 | 229,839 | 12,201 | 5.31 | 410,504 | 17,910 | 4.36 | ||||||||
| その他の銀行預け金総額 | 243,292 | 16,116 | 6.62 | 365,213 | 22,456 | 6.15 | 577,381 | 29,390 | 5.09 | ||||||||
| その他の資産: | |||||||||||||||||
| ルピー | 792,694 | 6,236 | 0.79 | 804,332 | 7,301 | 0.91 | 689,177 | 5,140 | 0.75 | ||||||||
| 外貨 | 182,952 | 6,831 | 3.73 | 207,346 | 7,604 | 3.67 | 291,200 | 8,478 | 2.91 | ||||||||
| その他の資産総額 | 975,646 | 13,067 | 1.34 | 1,011,678 | 14,905 | 1.47 | 980,377 | 13,618 | 1.39 | ||||||||
| その他の有利子資産合計: | |||||||||||||||||
| ルピー | 1,012,273 | 21,315 | 2.11 | 1,092,731 | 27,461 | 2.51 | 1,023,255 | 25,866 | 2.53 | ||||||||
| 外貨 | 337,562 | 16,611 | 4.92 | 437,185 | 19,805 | 4.53 | 701,704 | 26,388 | 3.76 | ||||||||
| その他の有利子資産合計 | 1,349,835 | 37,926 | 2.81 | 1,529,916 | 47,266 | 3.09 | 1,724,959 | 52,254 | 3.03 | ||||||||
| その他の受取利息: | |||||||||||||||||
| ルピー | 7,886 | 9,643 | 19,686 | ||||||||||||||
| 外貨 | 2,380 | 942 | 5,315 | ||||||||||||||
| その他の受取利息合計 | 10,266 | 10,585 | 25,001 | ||||||||||||||
| 有利子資産: | |||||||||||||||||
| ルピー | 17,377,087 | 1,512,475 | 8.70 | 20,467,108 | 1,776,623 | 8.68 | 22,268,668 | 1,868,123 | 8.39 | ||||||||
| 外貨 | 1,468,528 | 82,795 | 5.64 | 1,585,970 | 86,819 | 5.47 | 1,807,284 | 84,206 | 4.66 | ||||||||
| 有利子資産合計 | 18,845,615 | 1,595,270 | 8.46 | 22,053,078 | 1,863,442 | 8.45 | 24,075,952 | 1,952,329 | 8.11 | ||||||||
| 固定資産 | 117,172 | 142,321 | 165,445 | ||||||||||||||
| その他の資産 | 2,422,172 | 2,732,224 | 2,551,027 | ||||||||||||||
| 非収益資産合計 | 2,539,344 | 2,874,545 | 2,716,472 | ||||||||||||||
| 総資産 | 21,384,959 | 1,595,270 | 24,927,623 | 1,863,442 | 26,792,424 | 1,952,329 | |||||||||||
| (単位:百万ルピー(%の数値を除く。)) | ||||||||||||||||||||
| 3月31日に終了した年度 | ||||||||||||||||||||
| 2024年 | 2025年 | 2026年 | ||||||||||||||||||
| 平均残高 | 受取/支払利息 | 平均利回り/コスト(%) | 平均残高 | 受取/支払利息 | 平均利回り/コスト(%) | 平均残高 | 受取/支払利息 | 平均利回り/コスト(%) | ||||||||||||
| 負債: | ||||||||||||||||||||
| 普通預金: | ||||||||||||||||||||
| ルピー | 3,576,469 | 113,510 | 3.17 | 3,940,259 | 124,488 | 3.16 | 4,238,350 | 110,187 | 2.60 | |||||||||||
| 外貨 | 49,249 | 1,348 | 2.74 | 44,087 | 1,313 | 2.98 | 51,277 | 1,133 | 2.21 | |||||||||||
| 普通預金合計 | 3,625,718 | 114,858 | 3.17 | 3,984,346 | 125,801 | 3.16 | 4,289,627 | 111,320 | 2.60 | |||||||||||
| 定期預金: | ||||||||||||||||||||
| ルピー | 7,266,625 | 453,667 | 6.24 | 8,474,332 | 565,769 | 6.68 | 9,302,868 | 602,596 | 6.48 | |||||||||||
| 外貨 | 439,291 | 19,319 | 4.40 | 516,586 | 24,909 | 4.82 | 600,639 | 25,587 | 4.26 | |||||||||||
| 定期預金合計 | 7,705,916 | 472,986 | 6.14 | 8,990,918 | 590,678 | 6.57 | 9,903,507 | 628,183 | 6.34 | |||||||||||
| その他の要求払い預金: | ||||||||||||||||||||
| ルピー | 1,369,772 | 1,554,323 | 1,757,078 | |||||||||||||||||
| 外貨 | 162,634 | 152,537 | 188,274 | |||||||||||||||||
| その他の要求払い預金合計 | 1,532,406 | 1,706,860 | 1,945,352 | |||||||||||||||||
| 預金合計: | ||||||||||||||||||||
| ルピー | 12,212,866 | 567,177 | 4.64 | 13,968,914 | 690,257 | 4.94 | 15,298,296 | 712,783 | 4.66 | |||||||||||
| 外貨 | 651,174 | 20,667 | 3.17 | 713,210 | 26,222 | 3.68 | 840,190 | 26,720 | 3.18 | |||||||||||
| 預金合計 | 12,864,040 | 587,845 | 4.57 | 14,682,124 | 716,479 | 4.88 | 16,138,486 | 739,503 | 4.58 | |||||||||||
| 長期借入金: | ||||||||||||||||||||
| ルピー | 1,256,389 | 91,756 | 7.30 | 1,322,960 | 97,847 | 7.40 | 994,578 | 70,753 | 7.11 | |||||||||||
| 外貨 | 283,052 | 14,500 | 5.12 | 274,068 | 13,046 | 4.76 | 222,812 | 10,834 | 4.86 | |||||||||||
| 長期借入金合計 | 1,539,441 | 106,256 | 6.90 | 1,597,028 | 110,893 | 6.94 | 1,217,390 | 81,587 | 6.70 | |||||||||||
| 短期借入金: | ||||||||||||||||||||
| インド準備銀行からの流動性調整枠に基づく借入: | ||||||||||||||||||||
| ルピー | 27,474 | 1,829 | 6.66 | 70,961 | 4,612 | 6.50 | 47,532 | 2,658 | 5.59 | |||||||||||
| 外貨 | - | - | - | 1,027 | 32 | 3.12 | 3,489 | 78 | 2.24 | |||||||||||
| インド準備銀行からの流動性調整枠に基づく借入合計 | 27,474 | 1,829 | 6.66 | 71,988 | 4,644 | 6.45 | 51,021 | 2,736 | 5.36 | |||||||||||
| レポ借入: | ||||||||||||||||||||
| ルピー | 332,045 | 21,954 | 6.61 | 338,944 | 21,968 | 6.48 | 374,349 | 20,313 | 5.43 | |||||||||||
| 外貨 | 4,492 | 306 | 6.81 | 3,522 | 237 | 6.73 | 2,696 | 116 | 4.30 | |||||||||||
| レポ借入合計 | 336,537 | 22,260 | 6.61 | 342,466 | 22,205 | 6.48 | 377,045 | 20,429 | 5.42 | |||||||||||
| その他の短期借入金: | ||||||||||||||||||||
| ルピー | 178,801 | 13,743 | 7.69 | 338,440 | 25,765 | 7.61 | 563,953 | 38,503 | 6.83 | |||||||||||
| 外貨 | 208,785 | 9,149 | 4.38 | 255,309 | 10,291 | 4.03 | 230,889 | 7,527 | 3.26 | |||||||||||
| その他の短期借入金合計 | 387,586 | 22,892 | 5.91 | 593,749 | 36,055 | 6.07 | 794,842 | 46,030 | 5.79 | |||||||||||
| 短期借入金: | ||||||||||||||||||||
| ルピー | 538,320 | 37,526 | 6.97 | 748,345 | 52,345 | 6.99 | 985,834 | 61,474 | 6.24 | |||||||||||
| 外貨 | 213,277 | 9,455 | 4.43 | 259,858 | 10,560 | 4.06 | 237,074 | 7,721 | 3.26 | |||||||||||
| 短期借入金合計 | 751,597 | 46,981 | 6.25 | 1,008,203 | 62,905 | 6.24 | 1,222,908 | 69,195 | 5.66 | |||||||||||
| (単位:百万ルピー(%の数値を除く。)) | |||||||||||||||||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||||||||||||||||
| 2024年 | 2025年 | 2026年 | |||||||||||||||||
| 平均残高 | 受取/支払利息 | 平均利回り/コスト(%) | 平均残高 | 受取/支払利息 | 平均利回り/コスト(%) | 平均残高 | 受取/支払利息 | 平均利回り/コスト(%) | |||||||||||
| 借入金合計: | |||||||||||||||||||
| ルピー | 1,794,709 | 129,282 | 7.20 | 2,071,305 | 150,192 | 7.25 | 1,980,412 | 132,227 | 6.68 | ||||||||||
| 外貨 | 496,329 | 23,955 | 4.83 | 533,926 | 23,606 | 4.42 | 459,886 | 18,555 | 4.03 | ||||||||||
| 借入金合計 | 2,291,038 | 153,237 | 6.69 | 2,605,231 | 173,798 | 6.67 | 2,440,298 | 150,782 | 6.18 | ||||||||||
| 有利子負債: | |||||||||||||||||||
| ルピー | 14,007,575 | 696,459 | 4.97 | 16,040,219 | 840,449 | 5.24 | 17,278,708 | 845,010 | 4.89 | ||||||||||
| 外貨 | 1,147,503 | 44,622 | 3.89 | 1,247,136 | 49,828 | 4.00 | 1,300,076 | 45,275 | 3.48 | ||||||||||
| 有利子負債合計 | 15,155,078 | 741,082 | 4.89 | 17,287,355 | 890,277 | 5.15 | 18,578,784 | 890,285 | 4.79 | ||||||||||
| その他の負債 | 3,897,917 | 4,763,941 | 4,804,647 | ||||||||||||||||
| 負債合計 | 19,052,995 | 741,082 | 22,051,296 | 890,277 | 23,383,431 | 890,285 | |||||||||||||
| 株主資本 | 2,331,964 | 2,876,327 | 3,408,993 | ||||||||||||||||
| 負債及び株主資本合計 | 21,384,959 | 741,082 | 24,927,623 | 890,277 | 26,792,424 | 890,285 | |||||||||||||
(1) 過年度の数値については、当期の分類と一致するように必要に応じて組み替えて/再分類して表示している。
受取利息及び支払利息の残高及び金利の変化の分析
以下の表は、表示された期間における純利息収入の構成項目の変化を示したものである。期間中の純利息収入の変化は、残高及び金利の変化の双方に基づき計算されていた。以下の表においては、残高と金利の双方に基づく変化は、残高に帰属するものとして計上されている。
| (単位:百万ルピー) | |||||||||||
| 2024年度と比較した2025年度の数値の変化 | 2025年度と比較した2026年度の数値の変化 | ||||||||||
| 増加(減少)要因 | 増加(減少)要因 | ||||||||||
| 純変化 | 平均残高 の変化 | 平均金利の 変化 | 純変化 | 平均残高 の変化 | 平均金利の 変化 | ||||||
| 受取利息: | |||||||||||
| 貸付金: | |||||||||||
| ルピー | 163,902 | 172,751 | (8,849) | 59,350 | 130,102 | (70,752) | |||||
| 外貨 | 2,637 | 2,103 | 534 | (13,744) | (3,190) | (10,554) | |||||
| 貸付金総額 | 166,539 | 174,854 | (8,315) | 45,606 | 126,912 | (81,306) | |||||
| 投資: | |||||||||||
| 国債への投資: | |||||||||||
| ルピー | 56,069 | 50,392 | (5,677) | 1,239 | 9,418 | (8,179) | |||||
| 外貨 | (101) | (214) | 113 | 197 | 345 | (148) | |||||
| 国債への投資総額 | 55,968 | 50,178 | (5,790) | 1,436 | 9,763 | (8,327) | |||||
| その他の投資: | |||||||||||
| ルピー | 36,276 | 37,484 | (1,208) | 22,463 | 22,970 | (507) | |||||
| 外貨 | (268) | (571) | 303 | (22) | 480 | (502) | |||||
| その他の投資総額 | 36,015 | 36,913 | (905) | 22,441 | 23,450 | (1,009) | |||||
| 投資総額: | |||||||||||
| ルピー | 92,343 | 90,126 | 2,217 | 23,702 | 33,849 | (10,147) | |||||
| 外貨 | (369) | (814) | 440 | 175 | 898 | (723) | |||||
| 投資総額 | 91,974 | 89,312 | 2,657 | 23,877 | 34,747 | (10,870) | |||||
| その他の有利子資産: | |||||||||||
| インド準備銀行への貸付: | |||||||||||
| ルピー | 679 | 697 | (18) | 96 | 551 | (455) | |||||
| 外貨 | - | - | - | - | - | - | |||||
| インド準備銀行への貸付総額 | 679 | 697 | (18) | 96 | 551 | (455) | |||||
| レポ貸付: | |||||||||||
| ルピー | 483 | 725 | (242) | (755) | 217 | (972) | |||||
| 外貨 | - | - | - | - | - | - | |||||
| レポ貸付総額 | 483 | 725 | (242) | (755) | 217 | (972) | |||||
| その他の銀行預け金: | |||||||||||
| ルピー | 3,919 | 3,537 | 382 | 1,225 | 2,167 | (942) | |||||
| 外貨 | 2,421 | 3,994 | (1,573) | 5,709 | 7,882 | (2,173) | |||||
| その他の銀行預け金総額 | 6,340 | 7,531 | (1,191) | 6,934 | 10,049 | (3,115) | |||||
| その他の資産: | |||||||||||
| ルピー | 1,065 | 106 | 959 | (2,161) | (859) | (1,302) | |||||
| 外貨 | 773 | 895 | (122) | 874 | 2,441 | (1,567) | |||||
| その他の資産総額 | 1,838 | 1,001 | 837 | (1,287) | 1,582 | (2,869) | |||||
| その他の有利子資産合計: | |||||||||||
| ルピー | 6,146 | 2,022 | 4,124 | (1,595) | (1,756) | 161 | |||||
| 外貨 | 3,194 | 4,513 | (1,319) | 6,583 | 9,947 | (3,364) | |||||
| その他の有利子資産合計 | 9,340 | 6,535 | 2,805 | 4,988 | 8,191 | (3,203) | |||||
| その他の受取利息: | |||||||||||
| ルピー | 1,757 | - | 1,757 | 10,043 | - | 10,043 | |||||
| 外貨 | (1,438) | - | (1,438) | 4,373 | - | 4,373 | |||||
| その他の受取利息合計 | 319 | - | 319 | 14,416 | - | 14,416 | |||||
| (単位:百万ルピー) | |||||||||||
| 2024年度と比較した2025年度の数値の変化 | 2025年度と比較した2026年度の数値の変化 | ||||||||||
| 増加(減少)要因 | 増加(減少)要因 | ||||||||||
| 純変化 | 平均残高 の変化 | 平均金利の 変化 | 純変化 | 平均残高 の変化 | 平均金利の 変化 | ||||||
| 受取利息合計: | |||||||||||
| ルピー | 264,148 | 264,899 | (751) | 91,500 | 162,195 | (70,695) | |||||
| 外貨 | 4,024 | 5,802 | (1,783) | (2,613) | 7,655 | (10,268) | |||||
| 受取利息合計 | 268,172 | 270,701 | (2,534) | 88,887 | 169,850 | (80,963) | |||||
| 支払利息: | |||||||||||
| 普通預金: | |||||||||||
| ルピー | 10,978 | 11,494 | (516) | (14,301) | 7,750 | (22,051) | |||||
| 外貨 | (35) | (154) | 119 | (180) | 159 | (339) | |||||
| 普通預金合計 | 10,943 | 11,340 | (397) | (14,481) | 7,909 | (22,390) | |||||
| 定期預金: | |||||||||||
| ルピー | 112,102 | 80,630 | 31,472 | 36,827 | 53,669 | (16,842) | |||||
| 外貨 | 5,590 | 3,727 | 1,863 | 678 | 3,581 | (2,903) | |||||
| 定期預金合計 | 117,692 | 84,357 | 33,335 | 37,505 | 57,250 | (19,745) | |||||
| 預金合計: | |||||||||||
| ルピー | 123,080 | 92,124 | 30,956 | 22,526 | 61,419 | (38,893) | |||||
| 外貨 | 5,555 | 3,573 | 1,982 | 498 | 3,740 | (3,242) | |||||
| 預金合計 | 128,635 | 95,697 | 32,938 | 23,024 | 65,159 | (42,135) | |||||
| 借入金: | |||||||||||
| 長期借入金: | |||||||||||
| ルピー | 6,091 | 4,924 | 1,167 | (27,094) | (23,361) | (3,733) | |||||
| 外貨 | (1,454) | (428) | (1,026) | (2,212) | (2,492) | 280 | |||||
| 長期借入金合計 | 4,637 | 4,496 | 141 | (29,306) | (25,853) | (3,453) | |||||
| インド準備銀行からの流動性調整枠に基づく借入: | |||||||||||
| ルピー | 2,783 | 2,826 | (43) | (1,954) | (1,310) | (644) | |||||
| 外貨 | 32 | 32 | - | 46 | 55 | (9) | |||||
| インド準備銀行からの流動性調整枠に基づく借入合計 | 2,815 | 2,858 | (43) | (1,908) | (1,255) | (653) | |||||
| レポ借入: | |||||||||||
| ルピー | 14 | 447 | (433) | (1,655) | 1,921 | (3,576) | |||||
| 外貨 | (69) | (65) | (4) | (121) | (36) | (85) | |||||
| レポ借入合計 | (55) | 382 | (437) | (1,776) | 1,885 | (3,661) | |||||
| その他の短期借入金: | |||||||||||
| ルピー | 12,022 | 12,153 | (131) | 12,738 | 15,397 | (2,659) | |||||
| 外貨 | 1,142 | 1,875 | (733) | (2,764) | (796) | (1,968) | |||||
| その他の短期借入金合計 | 13,164 | 14,028 | (864) | 9,974 | 14,601 | (4,627) | |||||
| 短期借入金: | |||||||||||
| ルピー | 14,819 | 15,426 | (607) | 9,129 | 16,008 | (6,879) | |||||
| 外貨 | 1,105 | 1,842 | (737) | (2,839) | (777) | (2,062) | |||||
| 短期借入金合計 | 15,924 | 17,268 | (1,344) | 6,290 | 15,231 | (8,941) | |||||
| 借入金合計: | |||||||||||
| ルピー | 20,910 | 20,056 | 854 | (17,965) | (6,069) | (11,896) | |||||
| 外貨 | (349) | 1,662 | (2,011) | (5,051) | (2,987) | (2,064) | |||||
| 借入金合計 | 20,561 | 21,718 | (1,157) | (23,016) | (9,056) | (13,960) | |||||
| 支払利息合計: | |||||||||||
| ルピー | 143,990 | 112,180 | 31,810 | 4,561 | 55,350 | (50,789) | |||||
| 外貨 | 5,206 | 5,235 | (29) | (4,553) | 753 | (5,306) | |||||
| 支払利息合計 | 149,196 | 117,415 | 31,781 | 8 | 56,103 | (56,095) | |||||
| 純利息収入: | |||||||||||
| ルピー | 120,158 | 152,719 | (32,561) | 86,939 | 106,845 | (19,906) | |||||
| 外貨 | (1,182) | 567 | (1,754) | 1,940 | 6,902 | (4,962) | |||||
| 純利息収入合計 | 118,976 | 153,286 | (34,315) | 88,879 | 113,747 | (24,868) | |||||
投資ポートフォリオ
負債証券の満期の特性別利回り
以下の表は、表示された日現在における売却可能として分類される負債証券への当行の投資の満期の特性別利回りを示したものである。かかる満期の特性は、返済期日に基づくものであり、変動利付投資の価格改定日を反映していない。
| (単位:%) | ||||||||
| 2025年3月31日現在 | 2026年3月31日現在 | |||||||
| 1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 10年以内 | 10年超 | 1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 10年以内 | 10年超 | |
| 企業負債証券 | 7.2 | 7.4 | 8.2 | 6.0 | 7.1 | 7.3 | 7.7 | 7.7 |
| 国債 | 6.6 | 6.6 | 7.2 | 7.1 | 5.8 | 5.8 | 6.5 | 7.8 |
| その他の証券 | 7.7 | 8.3 | 8.3 | 8.3 | 7.6 | 8.2 | 8.3 | 8.3 |
| 負債証券合計(1) | 7.0 | 7.0 | 7.4 | 7.9 | 6.5 | 6.7 | 6.9 | 8.1 |
(1) 他通貨建ての証券を含む。
(2) 満期の特性は、貸借対照表日からの残存期間に基づいている。
以下の表は、表示された日現在における満期保有目的として分類される負債証券への当行の投資の満期の特性別利回りを示したものである。かかる満期の特性は、返済期日に基づくものであり、変動利付投資の価格改定日を反映していない。
| (単位:%) | ||||||||
| 2025年3月31日現在 | 2026年3月31日現在 | |||||||
| 1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 10年以内 | 10年超 | 1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 10年以内 | 10年超 | |
| 企業負債証券 | 7.0 | 7.0 | 7.5 | 7.1 | 7.2 | 7.6 | 7.8 | 7.7 |
| 国債 | 7.4 | 7.2 | 7.2 | 7.0 | 6.5 | 7.2 | 7.1 | 7.6 |
| その他の証券 | 7.6 | - | - | - | 6.8 | - | - | - |
| 負債証券合計(1) | 7.0 | 7.1 | 7.2 | 7.0 | 6.9 | 7.2 | 7.1 | 7.6 |
(1) 他通貨建ての証券を含む。
(2) 満期の特性は、貸借対照表日からの残存期間に基づいている。
当行の海外支店及び銀行子会社の投資ポートフォリオの概要
以下の表は、投資の区分に基づいた当行の海外支店及び銀行子会社の投資ポートフォリオの概要を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | ||||
| 3月31日現在 | ||||
| 区分 | 2025年 | 2026年 | ||
| 債券 | ||||
| 銀行及び金融機関 | 18,723 | 10,824 | ||
| 企業 | 47,397 | 61,352 | ||
| 債券合計 | 66,120 | 72,176 | ||
| その他(1) | 5,556 | 6,164 | ||
| 合計 | 71,676 | 78,340 | ||
(1) 預金証書に対する投資を含む。
インド関連の事業体の有価証券に対する投資は、2026年度末現在は52.6%(2025年度末現在は、53.0%)であった。
これらの有価証券への投資は、ICICIバンク及びその銀行子会社のそれぞれの投資方針の規制対象となっている。重要な信用リスクの集中を緩和するために、投資方針は、投資を行う前に遵守すべきいくつかの制限について定めている。投資方針は、それらの単位ごとの格付及び発行体への投資上の制限について定めている。さらに個別の銀行及び金融機関に対しては、取引先ごとに上限が設けられている。様々な国に対してカントリー・エクスポージャーの上限も設定されている。また、ICICIバンクは、かかる投資から生じるクレジット・スプレッド・リスクも測定しており、ICICIバンクUKピーエルシーがそのポートフォリオに対してクレジット・スプレッドの感応度の上限を設定している。上記の制限の例外規定は、適切な機関の承認をもって設定される。ICICIバンクは、その国際投資に対して信用保護を購入していない。
当行の海外支店及び銀行子会社による企業及び金融部門の負債証券への投資
以下の表は、表示された日現在における当行の海外支店及び銀行子会社による企業及び金融部門の負債証券並びに不動産担保証券及び資産担保証券への投資の地域別の記載並びにそれらの時価及び実現損失を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||||||||||||
| 2026年3月31日現在 | |||||||||||||||||
| 債券(1) | その他 | 合計 | 2026年度に おける利益/(損失) (時価) | 2026年度の 損益計算書における実現利益/(損失) /減損(損失) | 2026年3月31日 現在の 利益/(損失) (時価) | ||||||||||||
| トレー ディング | 売却可能 及び満期 保有目的 | トレー ディング | 売却可能 及び満期 保有目的 | トレー ディング | 売却可能 及び満期 保有目的 | ||||||||||||
| 米国 | - | 3,024 | - | - | - | 3,024 | 74 | (26) | (39) | ||||||||
| カナダ | - | 24,206 | - | - | - | 24,204 | - | 241 | - | ||||||||
| ヨーロッパ | - | 1,836 | - | - | - | 1,836 | (2) | - | (8) | ||||||||
| インド | 2,218 | 40,892 | - | - | 2,218 | 40,892 | (88) | 204 | 48 | ||||||||
| その他の アジア諸国 | - | - | - | 6,164 | - | 6,164 | 11 | - | (1) | ||||||||
| その他 | - | - | - | - | - | - | (881) | 2 | (930) | ||||||||
| ポートフォリオ合計 | 2,218 | 69,959 | - | 6,164 | 2,218 | 76,120 | (886) | 421 | (930) | ||||||||
(1) 当行のカナダの子会社が「貸付及び債権」に分類した社債を含む。
| (単位:百万ルピー) | |||||||||||||||||
| 2025年3月31日現在 | |||||||||||||||||
| 債券(1) | その他 | 合計 | 2025年度に おける利益/(損失) (時価) | 2025年度の 損益計算書における実現利益/(損失) /減損(損失) | 2025年3月31日 現在の 利益/(損失) (時価) | ||||||||||||
| トレー ディング | 売却可能 及び満期 保有目的 | トレー ディング | 売却可能 及び満期 保有目的 | トレー ディング | 売却可能 及び満期 保有目的 | ||||||||||||
| 米国 | - | 2,195 | - | - | - | 2,195 | 133 | (50) | (107) | ||||||||
| カナダ | - | 18,801 | - | - | - | 18,801 | - | 60 | - | ||||||||
| ヨーロッパ | - | 82 | - | - | - | 82 | 4 | - | (5) | ||||||||
| インド | 2,353 | 41,473 | - | - | - | 41,473 | 152 | 81 | 127 | ||||||||
| その他の アジア諸国 | - | 458 | - | 5,556 | 2,353 | 6,014 | 27 | (11) | (10) | ||||||||
| その他 | - | 758 | - | - | - | 758 | (46) | 1 | (46) | ||||||||
| ポートフォリオ合計 | 2,353 | 63,767 | - | 5,556 | 2,353 | 69,323 | 270 | 81 | (41) | ||||||||
(1) 当行のカナダの子会社が「貸付及び債権」に分類した社債を含む。
資金調達
当行の資金調達は、資金調達の安定性を確保し、資金調達コストを最小限に抑えるとともに、流動性を効率的に管理することを目的としている。小口顧客及び法人顧客から集めた預金が当行の主要な国内資金調達源となっている。当行はまた、ルピー短期借入、リファイナンスによる借入及び国内又は海外での債券発行を通じても資金調達を行っている。当行の国内債券借入には、インド準備銀行のガイドラインに基づくインフラ・プロジェクト及び良心的な価格の住宅への融資のための長期債券借入が含まれる。「-3-(b)-(ⅰ)-小口向け預金」も参照のこと。
預金の満期の特性
以下の表は、表示された日現在における預金に関する契約満期の特性を、2026年3月31日現在の預金種類別に示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||
| 1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 | 合計 | ||||
| 利付預金: | |||||||
| 普通預金(1) | 4,794,462 | - | - | 4,794,462 | |||
| 定期預金 | 7,333,600 | 3,129,684 | 325,421 | 10,788,705 | |||
| 非利付預金: | |||||||
| その他要求払い預金(1) | 2,717,034 | - | - | 2,717,034 | |||
| 預金額合計 | 14,845,096 | 3,129,684 | 325,421 | 18,300,201 | |||
(1) 普通預金及びその他要求払い預金は、要求により払い戻されるものであるため、「1年以内」の区分に分類されている。
以下の表は、表示された日現在における預金に関する契約満期の特性を、2025年3月31日現在の預金種類別に示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||
| 1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 | 合計 | ||||
| 利付預金: | |||||||
| 普通預金(1) | 4,442,543 | - | - | 4,442,543 | |||
| 定期預金 | 7,335,737 | 1,946,581 | 315,951 | 9,598,268 | |||
| 非利付預金: | |||||||
| その他要求払い預金(1) | 2,375,563 | - | - | 2,375,563 | |||
| 預金額合計 | 14,153,842 | 1,946,581 | 315,951 | 16,416,374 | |||
(1) 普通預金及びその他要求払い預金は、要求により払い戻されるものであるため、「1年以内」の区分に分類されている。
2026年度の満期の特性は、満期までの期間が1年以上の預金が増加していることを示している。その増加は主に、当行の定期預金のピーク金利の満期までの期間を、当年度中に「15ヶ月から2年」から「3年以上」に段階的に長期化したことによるもので、当行の負債の返済期間を延長する戦略を反映している。
無保険預金
以下の表は、表示された期間における保険限度額を超える定期預金の、残存期間別の見込額及びその他の無保険預金額合計の見込額を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||||
| 2026年3月31日現在 | |||||||||
| 3ヶ月以内 | 3ヶ月超6ヶ月以内 | 6ヶ月超 12ヶ月以内 | 12ヶ月超 | 合計 | |||||
| 無保険定期預金 | |||||||||
| インド国内 | 2,571,972 | 1,249,275 | 2,666,865 | 2,909,439 | 9,397,551 | ||||
| インド国外 | 174,609 | 55,102 | 60,283 | 26,392 | 316,386 | ||||
| 無保険定期預金額合計 | 2,746,581 | 1,304,377 | 2,727,148 | 2,935,831 | 9,713,937 | ||||
| (単位:百万ルピー) | |||||||||
| 2025年3月31日現在 | |||||||||
| 3ヶ月以内 | 3ヶ月超6ヶ月以内 | 6ヶ月超 12ヶ月以内 | 12ヶ月超 | 合計 | |||||
| 無保険定期預金 | |||||||||
| インド国内 | 2,369,068 | 1,454,244 | 2,715,002 | 1,844,031 | 8,382,345 | ||||
| インド国外 | 130,190 | 36,279 | 35,805 | 12,082 | 214,356 | ||||
| 無保険定期預金額合計 | 2,499,258 | 1,490,523 | 2,750,807 | 1,856,113 | 8,596,701 | ||||
無保険預金額合計は、2026年3月31日現在は14,748,147百万ルピーであり、2025年3月31日現在は13,174,634百万ルピーであった。
「インド国内」及び「インド国外」の分類は、予約単位の住所に基づいている。インドでは、被保険預金の計算は、預金保険信用保証会社に定められたガイドラインに基づいている。預金保険信用保証会社が定める保険金額の限度額は、被保険銀行1行につき、預金者1名当たり(すべての種類の預金を含む。)最大500,000ルピーを上限とする。インド国外の定期預金に対する標準的な保険金額は、各国の規制当局が承認した保険限度額に基づいている。保証範囲は、まず普通預金に、次に当座預金に、最後に預金者の定期預金に割り当てられる。定期預金の場合、保証範囲の割当てには最高残存期間バケットが考慮される。
リスク管理
資産及び負債のギャップ
以下の表は、表示された日現在における当行の資産及び負債のギャップ・ポジションを示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||
| 2026年3月31日現在(1) | |||||||
| 1年以下 | 1年超5年以下 | 5年超 | 合計 | ||||
| 貸付金(貸付)(純額) | 14,362,382 | 2,019,924 | 64,274 | 16,446,580 | |||
| 投資 | 1,290,126 | 2,802,206 | 4,614,867 | 8,707,199 | |||
| その他の資産(2) | 2,192,145 | 64,876 | 1,564,421 | 3,821,442 | |||
| 資産合計 | 17,844,653 | 4,887,006 | 6,243,562 | 28,975,221 | |||
| 資本 | - | - | 3,630,604 | 3,630,604 | |||
| 借入金 | 1,408,820 | 532,265 | 261,558 | 2,202,643 | |||
| 預金 | 9,937,927 | 8,340,523 | 21,751 | 18,300,201 | |||
| その他の負債(3) | 31,009 | - | 4,980,522 | 5,011,531 | |||
| 負債合計 | 11,377,756 | 8,872,788 | 8,894,435 | 29,144,979 | |||
| リスク管理ポジション 計上前の差額合計 | 6,466,897 | (3,985,782) | (2,650,873) | (169,758) | |||
| オフバランスシート・ポジション(4) | (50,487) | (137,331) | 124,046 | (63,772) | |||
| リスク管理ポジション 計上後の差額合計 | 6,416,410 | (4,123,113) | (2,526,827) | (233,530) | |||
(1) 株式の性質を有する投資、現金及び現金同等物、並びに雑資産及び雑負債が含まれている。資産及び負債は、満期又は再評価の日までの残存期間でいずれか短い期間に基づき、適用区分に分類されている。分類の方法は通常、企業に関する現地の方針/規制当局の基準により、資産負債管理ガイドライン(行動研究を含む。)に基づいている。再評価が行われず、満期が確定していない、当座預金及び普通預金以外の項目は、「5年超」の区分に分類されている。固定資産(リース資産を除く。)は、上記の表から除外されている。当座預金及び普通預金は、行動研究に基づき分類される。
(2) インド準備銀行における現金及び預金残高、銀行における預金残高及び短期通知でのコールマネー並びにその他の資産が含まれる。
(3) 少数株主持分、保有契約債務並びにその他の負債及び引当金が含まれる。
(4) オフバランスシート・ポジションは、外国為替先物契約を含む、デリバティブの額面純価額により構成される。
| (単位:百万ルピー) | |||||||
| 2025年3月31日現在(1) | |||||||
| 1年以下 | 1年超5年以下 | 5年超 | 合計 | ||||
| 貸付金(貸付)(純額) | 12,382,050 | 1,734,238 | 91,348 | 14,206,636 | |||
| 投資 | 1,240,362 | 2,252,623 | 5,370,784 | 8,863,769 | |||
| その他の資産(2) | 1,476,371 | 99,165 | 1,621,939 | 3,197,475 | |||
| 資産合計 | 15,098,973 | 4,086,026 | 7,084,071 | 26,267,880 | |||
| 資本 | - | - | 3,139,059 | 3,139,059 | |||
| 借入金 | 1,445,321 | 524,016 | 219,497 | 2,188,834 | |||
| 預金 | 9,344,200 | 7,056,500 | 15,674 | 16,416,374 | |||
| その他の負債(3) | 16,807 | - | 4,661,340 | 4,678,147 | |||
| 負債合計 | 10,806,328 | 7,580,516 | 8,035,570 | 26,422,414 | |||
| リスク管理ポジション 計上前の差額合計 | 4,292,455 | (3,494,490) | (952,499) | (154,534) | |||
| オフバランスシート・ポジション(4) | (51,980) | 22,270 | 86,766 | 57,056 | |||
| リスク管理ポジション 計上後の差額合計 | 4,240,475 | (3,472,220) | (865,733) | (97,478) | |||
(1) 株式の性質を有する投資、現金及び現金同等物、並びに雑資産及び雑負債が含まれている。資産及び負債は、満期又は再評価の日までの残存期間でいずれか短い期間に基づき、適用区分に分類されている。分類の方法は通常、企業に関する現地の方針/規制当局の基準により、資産負債管理ガイドライン(行動研究を含む。)に基づいている。再評価が行われず、満期が確定していない、当座預金及び普通預金以外の項目は、「5年超」の区分に分類されている。固定資産(リース資産を除く。)は、上記の表から除外されている。当座預金及び普通預金は、行動研究に基づき分類される。
(2) インド準備銀行における現金及び預金残高、銀行における預金残高及び短期通知でのコールマネー並びにその他の資産が含まれる。
(3) 少数株主持分、保有契約債務並びにその他の負債及び引当金が含まれる。
(4) オフバランスシート・ポジションは、外国為替先物契約を含む、デリバティブの額面純価額により構成される。
金利変動の影響
以下の表は、2026年度末現在の貸借対照表をベースとして、2026年度末現在の利回り曲線(イールド・カーブ)がそのまま平行移動したと仮定した上で、金利の悪化が2027年度の純利息収入に及ぼす可能性のある影響の1つの予測値を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||
| 2026年3月31日現在 | |||||||
| 金利の変動(ベーシスポイント) | |||||||
| (100) | (50) | 50 | 100 | ||||
| ルピー建ポートフォリオ | (59,667) | (29,834) | 29,834 | 59,667 | |||
| 外貨建ポートフォリオ | (4,159) | (2,079) | 2,079 | 4,159 | |||
| 合計 | (63,826) | (31,913) | 31,913 | 63,826 | |||
2026年度末現在における当行の資産及び負債の状況に基づくセンシティビティ・モデルでは、金利が100ベーシスポイント上昇した場合、2026年度のバンキング・ブックからの純受取利息は63.8十億ルピー増加する。反対に、金利が100ベーシスポイント低下した場合は、2026年度のバンキング・ブックからの純受取利息は63.8十億ルピー減少する。
以下の表は、2025年度末現在の貸借対照表をベースとして、2025年度末現在の利回り曲線(イールド・カーブ)がそのまま平行移動したと仮定した上で、金利の悪化が2026年度の純利息収入に及ぼす可能性のある影響の1つの予測値を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||
| 2025年3月31日現在 | |||||||
| 金利の変動(ベーシスポイント) | |||||||
| (100) | (50) | 50 | 100 | ||||
| ルピー建ポートフォリオ | (41,755) | (20,878) | 20,878 | 41,755 | |||
| 外貨建ポートフォリオ | (3,893) | (1,947) | 1,947 | 3,893 | |||
| 合計 | (45,648) | (22,825) | 22,825 | 45,648 | |||
2025年度末現在における当行の資産及び負債の状況に基づくセンシティビティ・モデルでは、金利が100ベーシスポイント上昇した場合、2025年度のバンキング・ブックからの純受取利息は45.6十億ルピー増加した。反対に、金利が100ベーシスポイント低下した場合は、2025年度のバンキング・ブックからの純受取利息は45.6十億ルピー減少した。
センシティビティ分析は、資産及び負債の固定的な金利リスクの特性に基づくものであり、リスク管理の目的でのみ利用されており、上記のモデルは、1年のうちに関連するポートフォリオにおいてその他の変動がないと仮定して利用されたものである。純利息収入の実際の変動は、モデルと異なるものとなる。
価格リスク(トレーディング・ブック)
以下の表は、2026年度末現在の固定利付ポートフォリオをベースとして、金利曲線がそのまま平行移動したと仮定した上で、金利の変動が固定利付トレーディング目的保有ポートフォリオの価値に及ぼす可能性のある影響の1つの予測値を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||||
| 2026年3月31日現在 | |||||||||
| 金利の変動(ベーシスポイント)-ルピー | |||||||||
| ポートフォリオのサイズ | (100) | (50) | 50 | 100 | |||||
| インド国債 | 423,068 | 17,860 | 8,984 | (8,983) | (17,858) | ||||
| ルピー建企業負債証券 | 353,888 | 4,717 | 2,360 | (2,360) | (4,717) | ||||
| 合計 | 776,956 | 22,577 | 11,344 | (11,343) | (22,575) | ||||
| (単位:百万ルピー) | |||||||||
| 2026年3月31日現在 | |||||||||
| 金利の変動(ベーシスポイント)-外貨 | |||||||||
| ポートフォリオのサイズ | (100) | (50) | 50 | 100 | |||||
| 外国国債 | 40,604 | 49 | 25 | (25) | (49) | ||||
| 外国企業負債証券 | 2,218 | 40 | 20 | (20) | (40) | ||||
| 合計 | 42,822 | 89 | 45 | (45) | (89) | ||||
以下の表は、2025年度末現在の固定利付ポートフォリオをベースとして、金利曲線がそのまま平行移動したと仮定した上で、金利の変動が固定利付トレーディング目的保有ポートフォリオの価値に及ぼす可能性のある影響の1つの予測値を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||||
| 2025年3月31日現在 | |||||||||
| 金利の変動(ベーシスポイント)-ルピー | |||||||||
| ポートフォリオのサイズ | (100) | (50) | 50 | 100 | |||||
| インド国債 | 602,044 | 26,514 | 13,319 | (13,298) | (26,479) | ||||
| ルピー建企業負債証券 | 414,277 | 7,863 | 3,940 | (3,937) | (7,858) | ||||
| 合計 | 1,016,321 | 34,377 | 17,259 | (17,235) | (34,337) | ||||
| (単位:百万ルピー) | |||||||||
| 2025年3月31日現在 | |||||||||
| 金利の変動(ベーシスポイント)-外貨 | |||||||||
| ポートフォリオのサイズ | (100) | (50) | 50 | 100 | |||||
| 外国国債 | 35,782 | 27 | 14 | (14) | (27) | ||||
| 外国企業負債証券 | 2,353 | 69 | 34 | (34) | (69) | ||||
| 合計 | 38,135 | 96 | 48 | (48) | (96) | ||||
株式に対するバリュー・アット・リスク(自己勘定トレーディング・ブック)
ICICIバンクは、限度額の検証目的で、ヒストリカル・シミュレーション・モデルを用いてバリュー・アット・リスクを計算する。バリュー・アット・リスクは、信頼水準を99%、保有期間を1日とする前年度の市場データを使用して計算される。
以下の表は、2025年度及び2026年度におけるICICIバンクの自己勘定トレーディング・グループの株式ポートフォリオのバリュー・アット・リスクの数値の最高値、最低値、平均値及び期末値を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||||||||||
| 2025年度 | 2026年度 | ||||||||||||||
| 最高 | 最低 | 平均 | 2025年3月31日現在 | 最高 | 最低 | 平均 | 2026年3月31日現在 | ||||||||
| バリュー・アット・リスク | 118.2 | 0.7 | 51.1 | 24.9 | 136.6 | 3.8 | 51.6 | 35.0 | |||||||
当行は、そのパフォーマンスのバックテストを定期的に行うことにより、バリュー・アット・リスク・モデルの有効性を計測している。統計的には、1年間のうち財務ポートフォリオでバリュー・アット・リスクを上回る仮想損失が発生する可能性はわずか1%と予想される。すなわち、財務ポートフォリオで仮想損失がバリュー・アット・リスクを上回るのは3件の事例においてである。2026年度において、仮想損失が自己勘定トレーディング・グループの株式ポートフォリオのバリュー・アット・リスク推定値を上回る事例が2件あった。バーゼル銀行監督委員会(BCBS)の枠組みである「市場リスクに係る資本要件の内部モデル手法と併せて用いる「バックテスティング」を利用するための監督の枠組み」に従い、モデルはグリーンゾーン(すなわち、250取引日間でバックテストの例外が最大4回)に分類されるため、バックテストの結果自体は、当行のモデルの質及び正確性に問題があることを示唆するものではない。
当行はまた、株式ポートフォリオを含む財務ポートフォリオに対して内部ストレス・テストを定期的に行う。当行によって行われた内部ストレス・テストの評価結果に基づき、当行は、仮想損失は十分に資本化されていると考えている。
バリュー・アット・リスクは、通常の市況において市場リスクの測定の重要なツールであるが、過去の市場データが将来の市場動向を示すものであるとの仮定に基づいているため、極端な事象による市場への影響が生じたときに将来の損失を正確に予測できない等、考慮すべき特有の制限を有する。さらに、バリュー・アット・リスク計算方法が異なれば、異なる仮定を用い、したがって異なる結果が生じる可能性がある。例えば、営業日の終了時においてバリュー・アット・リスクを計算することで、日中リスクが排除される。また、一般に、バリュー・アット・リスク・モデルでは、ポートフォリオに存在するすべてのリスクを完全に把握することができない可能性がある。
デリバティブ及び外国為替リスク(トレーディング)
以下の表は、年度末現在のトレーディング・デリバティブの想定元本残高及び外国為替ポートフォリオをベースとして、金利曲線がそのまま平行移動したと仮定した上で、金利の変動がトレーディング・デリバティブ及び外国為替ポートフォリオの価値に及ぼす可能性のある影響の1つの予測値を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||||
| 2026年3月31日現在 | |||||||||
| 金利の変動(ベーシスポイント) | |||||||||
| ポートフォリオのサイズ(1) | (100) | (50) | 50 | 100 | |||||
| 金利デリバティブ | 41,670,181 | (12,760) | (6,401) | 6,401 | 12,760 | ||||
| 通貨デリバティブ(2) | 3,166,686 | 976 | 488 | (488) | (976) | ||||
| 外国為替 | 14,369,199 | 601 | 300 | (300) | (601) | ||||
| 合計 | 59,206,066 | (11,183) | (5,613) | 5,613 | 11,183 | ||||
(1) 想定元本。
(2) 先物、オプション及びクロス・カレンシー金利スワップを含む。
| (単位:百万ルピー) | |||||||||
| 2025年3月31日現在 | |||||||||
| 金利の変動(ベーシスポイント) | |||||||||
| ポートフォリオのサイズ(1) | (100) | (50) | 50 | 100 | |||||
| 金利デリバティブ | 51,894,372 | (10,960) | (4,796) | 4,796 | 10,960 | ||||
| 通貨デリバティブ(2) | 6,104,786 | (99) | (49) | 49 | 99 | ||||
| 外国為替 | 16,813,604 | 175 | 88 | (88) | (175) | ||||
| 合計 | 74,812,762 | (10,884) | (4,757) | 4,757 | 10,884 | ||||
(1) 想定元本。
(2) 先物、オプション及びクロス・カレンシー金利スワップを含む。
以下の表は、外国為替レートの変動がICICIグループのネット・オープン・ポジションの価値に及ぼす可能性のある影響を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||
| 2026年3月31日現在 | |||||
| ネット・オープン・ポジションの価値に対する外国為替レートの変動(ベーシスポイント) | |||||
| ネット・オープン・ポジション(1) | (100) | 100 | |||
| ICICIグループのオープン・ポジション合計 | 6,494 | 11,606 | 4,634 | ||
| (単位:百万ルピー) | |||||
| 2025年3月31日現在 | |||||
| ネット・オープン・ポジションの価値に対する外国為替レートの変動(ベーシスポイント) | |||||
| ネット・オープン・ポジション(1) | (100) | 100 | |||
| ICICIグループのオープン・ポジション合計 | 9,990 | (4,764) | 13,379 | ||
(1) ネット・オープン・ポジションは、インド準備銀行の規制要件に従って計算される。
クレジット・スプレッド・リスク
以下の表は、年度末現在のトレーディング目的保有ポートフォリオをベースとして、クレジット・スプレッドがそのまま平行移動したと仮定した上で、クレジット・スプレッドの変動がトレーディング・ポートフォリオの価値に及ぼす可能性のある影響の1つの予測値を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||||
| 2026年3月31日現在 | |||||||||
| クレジット・スプレッドの変動 (ベーシスポイント) | |||||||||
| ポートフォリオのサイズ | (50) | 50 | 100 | ||||||
| 企業負債証券 | 356,107 | 4,757 | 2,380 | (2,380) | (4,757) | ||||
| (単位:百万ルピー) | |||||||||
| 2025年3月31日現在 | |||||||||
| クレジット・スプレッドの変動 (ベーシスポイント) | |||||||||
| ポートフォリオのサイズ | (50) | 50 | 100 | ||||||
| 企業負債証券 | 416,630 | 7,932 | 3,975 | (3,971) | (7,927) | ||||
貸付の集中
当行は、ポートフォリオを多様化する方針に従い、また、特定産業の成長性及び収益性に対する当行の予測に鑑み、かかる産業に対する当行の金融エクスポージャー合計を評価している。ICICIバンクは、特定産業へのポートフォリオ(小口向け貸付を除く。)をそのエクスポージャー合計の15.0%に制限する方針を有している。加えて、当行は、単独の借入人及びグループのエクスポージャーに関して、借入人の内部評価及び実績に基づいてリスク集中を管理するための枠組みを有している。「-3-(c)-(ⅰ) 信用リスク」も参照のこと。より格付の低い借入人及びグループのエクスポージャー・リミットは、実質的に既定の上限より低い。
以下の表は、表示された日現在における当行の貸付総額の構成を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | ||||||||||||
| 3月31日現在 | ||||||||||||
| 2025年(3) | 2026年 | |||||||||||
| 金額(ルピー) | 割合 (%) | 金額(ルピー) | 金額(円) | 割合 (%) | ||||||||
| 小口向け融資(1) | 7,646,497 | 53.1 | 8,527,100 | 15,604,593 | 51.3 | |||||||
| 企業向け及び小口向け取引 | 965,633 | 6.7 | 1,211,471 | 2,216,992 | 7.3 | |||||||
| 農村向け小売 | 814,661 | 5.7 | 1,049,618 | 1,920,801 | 6.3 | |||||||
| 金融サービス | 836,247 | 5.8 | 814,474 | 1,490,487 | 4.9 | |||||||
| 不動産業 | 484,056 | 3.4 | 600,459 | 1,098,840 | 3.6 | |||||||
| 非金融サービス | 489,742 | 3.4 | 595,104 | 1,089,040 | 3.6 | |||||||
| 道路、港、通信、都市開発及びその他のインフラ | 387,282 | 2.7 | 380,241 | 695,841 | 2.3 | |||||||
| 原油、精製及び石油化学製品 | 115,090 | 0.8 | 190,967 | 349,470 | 1.1 | |||||||
| 化学製品及び肥料 | 119,869 | 0.8 | 164,560 | 301,145 | 1.0 | |||||||
| 工業製品(金属を除く。) | 299,846 | 2.1 | 377,082 | 690,060 | 2.3 | |||||||
| 食品及び飲料 | 144,353 | 1.0 | 169,820 | 310,771 | 1.0 | |||||||
| 建設 | 216,476 | 1.5 | 243,624 | 445,832 | 1.5 | |||||||
| 鋼鉄(鋼鉄製品を含む。) | 186,084 | 1.3 | 234,232 | 428,645 | 1.4 | |||||||
| 繊維製品 | 201,298 | 1.4 | 231,246 | 423,180 | 1.4 | |||||||
| 宝石類 | 156,376 | 1.1 | 224,933 | 411,627 | 1.4 | |||||||
| 電子機器及び工業技術 | 270,246 | 1.9 | 316,445 | 579,094 | 1.9 | |||||||
| その他(2) | 1,055,538 | 7.3 | 1,289,167 | 2,359,176 | 7.8 | |||||||
| 貸付総額 | 14,389,294 | 100.0 | 16,620,543 | 30,415,594 | 100.0 | |||||||
| 貸倒引当金 | (182,657) | (173,963) | (318,352) | |||||||||
| 貸付純額 | 14,206,637 | 16,446,580 | 30,097,241 | |||||||||
(1) 住宅ローン、自動車ローン、商業ビジネスローン、個人向け貸付、クレジットカード、二輪車ローン及び証券を担保としたローンを含む。
(2) 主に、開発業者向け金融ポートフォリオ、鉱物、セメント、医薬品、船舶、金属及び金属製品(鋼鉄を除く。)、電力、自動車並びに日用品を含む。
(3) 過年度の数値については、必要に応じて組み替えて表示している。
当行の資本割当ての焦点は、精度の高いポートフォリオの構築及び当行のポートフォリオの質の持続的な向上である。小口向け融資の貸付総額は、2026年度の貸付総額合計の増加が15.5%である中で、2026年度には11.5%増加している。結果、小口向け融資の貸付総額に占める割合は、2025年度末現在の53.1%から減少し、2026年度末現在には51.3%となった。
2026年度末現在、当行の融資先上位の20の借入人は、当行の貸付ポートフォリオ総額の4.2%を占め、融資先最上位の借入人は、当行の貸付ポートフォリオ総額の0.6%を占めた。同じ経営管理下にある融資先上位の法人グループは、2026年度末現在には当行の貸付ポートフォリオ総額の1.0%を占めた。
貸付金の満期の特性
以下の表は、表示された期間における貸付金(損失引当金控除後)の満期の特性を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||||||
| 2026年3月31日現在 | |||||||||
| 1年以内 | 1年から 5年以内 | 5年から 15年以内 | 15年超 | 合計 | |||||
| 商業ローン | 2,915,769 | 3,800,861 | 543,468 | 8,879 | 7,268,977 | ||||
| 消費者ローン | 2,088,628 | 3,663,906 | 2,988,011 | 437,058 | 9,177,603 | ||||
| 合計 | 5,004,397 | 7,464,767 | 3,531,479 | 445,937 | 16,446,580 | ||||
| (単位:百万ルピー) | |||||||||
| 2025年3月31日現在 | |||||||||
| 1年以内 | 1年から5年以内 | 5年から 15年以内 | 15年超 | 合計 | |||||
| 商業ローン | 4,390,424 | 1,180,311 | 485,706 | 12,404 | 6,068,845 | ||||
| 消費者ローン | 1,636,133 | 3,000,340 | 2,690,460 | 810,859 | 8,137,792 | ||||
| 合計 | 6,026,557 | 4,180,651 | 3,176,166 | 823,263 | 14,206,637 | ||||
貸付ポートフォリオ-固定金利又は変動金利
以下の表は、表示された日現在における満期までの残存契約期間が1年超であり、固定金利及び変動金利を有する当行の貸付の金額を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | |||||
| 2026年3月31日現在 | |||||
| 固定金利付貸付 | 変動金利付貸付 | 合計 | |||
| 商業ローン | 473,501 | 3,879,707 | 4,353,208 | ||
| 消費者ローン及び クレジットカード債権 | 2,257,311 | 4,831,664 | 7,088,975 | ||
| リース金融 | — | — | — | ||
| 満期が1年超の貸付金合計 | 2,730,812 | 8,711,371 | 11,442,183 | ||
| (単位:百万ルピー) | |||||
| 2025年3月31日現在 | |||||
| 固定金利付貸付 | 変動金利付貸付 | 合計 | |||
| 商業ローン | 126,029 | 1,552,392 | 1,678,421 | ||
| 消費者ローン及び クレジットカード債権 | 2,175,469 | 4,326,190 | 6,501,659 | ||
| リース金融 | — | — | — | ||
| 満期が1年超の貸付金合計 | 2,301,498 | 5,878,582 | 8,180,080 | ||
行政指導に基づく貸付
インド準備銀行は、銀行に、経済の特定部門への貸付を行うよう要求している。かかる行政指導に基づく貸付は、優先部門への貸付及び輸出信用から構成される。ICICIバンクは、インド準備銀行が随時定める優先部門貸付要件を遵守しなければならない。インド準備銀行のガイドラインに規定されているとおり、当行の優先部門への貸付の達成度は、四半期平均を基準として計算されている。2026年度中、当行は1,834.0十億ルピー(2025年度:1,183.7十億ルピー)の優先部門貸付証書を購入し、1,554.1十億ルピー(2025年度:1,228.9十億ルピー)の優先部門貸付証書を売却した。「-3-(f)-優先部門貸付」も参照のこと。
以下の表は、表示された期間におけるICICIバンクの優先部門への貸付平均額を示したものである。
| (単位:十億(%の数値を除く。)) | ||||||||||||||
| 2025年度 | 2026年度 | |||||||||||||
| 金額 | 調整された銀行融資純額に対する 割合 | 金額 | 調整された銀行融資純額に対する 割合 | 目標(調整された銀行融資純額に対する 割合) | ||||||||||
| (ルピー) | (%) | (ルピー) | (円) | (%) | (%) | |||||||||
| 農業部門 | 2,025.15 | 18.00 | 2,294.06 | 4,198.13 | 17.75 | 18.00 | ||||||||
| ‐小規模・限界的小農 | 1,197.77 | 10.65 | 1,362.24 | 2,492.90 | 10.54 | 10.00 | ||||||||
| ‐非法人農業 | 1,627.61 | 14.47 | 1,768.17 | 3,235.75 | 13.68 | 14.00 | ||||||||
| MSME | 2,640.66 | - | 3,290.90 | 6,022.35 | - | - | ||||||||
| ‐零細企業 | 882.04 | 7.84 | 1,181.30 | 2,161.78 | 9.14 | 7.50 | ||||||||
| その他の優先部門 | 253.86 | - | (355.86) | (651.22) | - | - | ||||||||
| 優先部門への貸付総額 | 4,919.67 | 43.72 | 5,229.10 | 9,569.25 | 40.47 | 40.00 | ||||||||
| ‐脆弱な部門 | 1,377.63 | 12.24 | 1,638.67 | 2,998.77 | 12.68 | 12.00 | ||||||||
インド準備銀行が発行した優先部門貸付マスターサーキュラーは、優先部門への貸付に不足がある銀行に、インド準備銀行が随時決定する国家農業農村開発銀行により設立された農業インフラ開発基金及びその他基金への拠出額を割り当てるよう要求している。当行は、上記の優先部門貸付目標の小区分を達成できないことにより、今後1年間に、インド準備銀行が指定する一定額の農村インフラ開発基金及びその他の関連基金への預託をインド準備銀行から要求される可能性がある。2026年度末現在、優先部門への貸付の不足による政府出資の開発銀行のファンドへの投資合計額は、103.7十億ルピーであり、これは優先部門全体の達成度において考慮するに値した。
輸出信用
行政指導に基づく貸付の一部として、インド準備銀行は、銀行に、輸出業者に対して優遇金利で貸付を行うよう要求している。輸出信用は、輸出業者である借入人の船積み前及び船積み後の要件に従い、ルピー及び外貨で提供される。農業部門、並びにMSME部門における輸出信用は、優先部門貸付に分類されることが認められている。加えて、輸出信用は、インド準備銀行が定めた分類基準に基づく優先部門貸付として提供される。輸出信用で得られる受取利息収益は、かかる輸出業者である顧客が当行から受ける外為商品及び手形処理といったその他の報酬ベースの商品及びサービスについて、かかる顧客から得られた報酬及び手数料により補完される。2026年3月31日現在、ICICIバンクの輸出信用は163.1十億ルピーであり、調整後の銀行融資純額の1.23%であった。
不良債権
以下の表は、表示された日付現在における借入人の産業又は経済活動別の不良債権総額(償却控除、仮利息及びデリバティブ所得の戻入れ後)及び不良債権合計に対する比率を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | ||||||||||||
| 3月31日現在 | ||||||||||||
| 2025年 | 2026年 | |||||||||||
| 金額(ルピー) | 不良債権の割合 (%) | 金額(ルピー) | 金額(円) | 不良債権の割合 (%) | ||||||||
| 小口向け融資(1) | 90,386 | 37.1 | 76,904 | 140,734 | 32.8 | |||||||
| 農村向け融資(2) | 43,396 | 17.8 | 47,488 | 86,903 | 20.3 | |||||||
| 企業向け及び小口向け取引 | 14,257 | 5.9 | 17,125 | 31,339 | 7.3 | |||||||
| 原油、精製及び石油化学製品 | 16,912 | 7.0 | 17,070 | 31,238 | 7.3 | |||||||
| 電子機器及び工業技術 | 12,653 | 5.2 | 12,585 | 23,031 | 5.4 | |||||||
| 建設 | 11,529 | 4.7 | 11,164 | 20,430 | 4.8 | |||||||
| 非金融サービス | 6,798 | 2.8 | 7,964 | 14,574 | 3.4 | |||||||
| 道路、港、通信、都市開発及び その他のインフラ | 8,654 | 3.6 | 6,283 | 11,498 | 2.7 | |||||||
| 鋼鉄製品 | 4,484 | 1.8 | 4,483 | 8,204 | 1.9 | |||||||
| 鉱物 | 3,510 | 1.4 | 3,755 | 6,872 | 1.6 | |||||||
| 電力 | 3,857 | 1.6 | 3,688 | 6,749 | 1.6 | |||||||
| 宝石類 | 2,393 | 1.0 | 2,402 | 4,396 | 1.0 | |||||||
| 工業製品 (金属を除く。) | 1,417 | 0.6 | 2,208 | 4,041 | 0.9 | |||||||
| その他の産業(3) | 23,064 | 9.5 | 21,154 | 38,712 | 9.0 | |||||||
| 不良債権総額 | 243,310 | 100.0 | 234,273 | 428,720 | 100.0 | |||||||
| 貸倒引当金 | (181,756) | (173,316) | (317,168) | |||||||||
| 純不良債権額 | 61,554 | 60,957 | 111,551 | |||||||||
(1) 住宅ローン、商業ビジネスローン、自動車ローン、ビジネス・バンキング、クレジットカード、個人向け貸付、証券を担保としたローン及びディーラー向け金融ポートフォリオを含む。
(2) 農村部及び都市部の顧客を対象とした農民クレジットカード及び宝石ローンを含む。
(3) その他の業種は主に、開発業者向け金融ポートフォリオ、自動車、セメント、船舶、食品及び飲料、化学製品及び肥料、繊維製品、医薬品、金属及び製品(鋼鉄を除く。)、金融サービス並びに日用品を含む。
「-第3-4-(2)-2026年度の動向」を参照のこと。
条件緩和貸付
以下の表は、表示された日現在における借入人の産業又は経済活動別の条件緩和貸付総額及び条件緩和貸付総額全体に対する比率を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | ||||||||||||
| 3月31日現在 | ||||||||||||
| 2025年 | 2026年 | |||||||||||
| 金額(ルピー) | 条件緩和貸付の割合 (%) | 金額(ルピー) | 金額(円) | 条件緩和貸付の割合 (%) | ||||||||
| 小口向け融資 | 21,587 | 91.5 | 16,764 | 30,678 | 91.7 | |||||||
| 企業向け及び小口向け取引 | 59 | 0.2 | 686 | 1,255 | 3.8 | |||||||
| 建設 | 1,351 | 5.7 | 220 | 403 | 1.2 | |||||||
| 道路、港、通信、都市開発及びその他のインフラ | 255 | 1.1 | 212 | 388 | 1.2 | |||||||
| 非金融サービス | 154 | 0.7 | 208 | 381 | 1.1 | |||||||
| その他(1) | 192 | 0.8 | 183 | 335 | 1.0 | |||||||
| 条件緩和貸付総額 | 23,598 | 100.0 | 18,273 | 33,440 | 100.0 | |||||||
| 貸倒引当金 | (900) | (647) | (1,184) | |||||||||
| 条件緩和貸付純額(2) | 22,698 | 17,626 | 32,256 | |||||||||
(1) その他の業種は主に、自動車、繊維製品、食品及び飲料、企業向け及び小口向け取引、非金融サービス、金融サービス、工業製品(金属を除く。)並びに宝石類を含む。
(2) 当行はまた、インド準備銀行が発行したガイドラインに規定される最低引当要件に従って、かかる条件緩和貸付に対して2026年度末現在4.8十億ルピー(2025年度末現在:6.0十億ルピー)の一般引当金を保有している。
主要比率-資産価値
以下の表は、表示された期間における資産価値に関する主要比率を示したものである。
| (単位:百万ルピー(%の数値を除く。)) | |||
| 3月31日現在又は3月31日に終了した年度 | |||
| 2025年 | 2026年 | ||
| 貸付総額に占める条件緩和貸付総額の割合 | 0.16% | 0.11% | |
| ―条件緩和貸付総額 | 23,598 | 18,273 | |
| ―貸付総額合計 | 14,389,294 | 16,620,543 | |
| 貸付総額に占める不良債権総額の割合 | 1.69 | 1.41 | |
| ―不良債権総額 | 243,310 | 234,273 | |
| ―貸付総額合計 | 14,389,294 | 16,620,543 | |
| 貸付純額に占める条件緩和貸付純額の割合 | 0.16 | 0.11 | |
| ―条件緩和貸付純額 | 22,698 | 17,626 | |
| ―貸付純総額 | 14,206,637 | 16,446,580 | |
| 貸付純額に占める純不良債権額の割合(1) | 0.43 | 0.37 | |
| ―純不良債権額 | 61,554 | 60,957 | |
| ―貸付純総額 | 14,206,637 | 16,446,580 | |
| 条件緩和貸付総額に占める条件緩和貸付に関する引当金の割合(2) | 3.81 | 3.54 | |
| ―条件緩和貸付に関する引当金 | 900 | 647 | |
| ―条件緩和貸付総額 | 23,598 | 18,273 | |
| 不良債権総額に占める不良債権に対する引当金の割合 | 74.70 | 73.98 | |
| ―不良債権に対する引当金 | 181,756 | 173,316 | |
| ―不良債権総額 | 243,310 | 234,273 | |
| 貸出総額に占める引当金の割合(3) | 2.71% | 2.41% | |
| ―引当金 | 390,090 | 400,090 | |
| ―貸付総額合計 | 14,389,294 | 16,620,543 | |
(1) 各子会社の規制当局により発行されたガイドラインに従って不良債権と認められた債権を含む。
(2) さらに当行は、リストラクチャリングされた資産に対する一般引当金25%を保有する(インド準備銀行が発行したガイドラインに従って必要とされる一般引当金を含む。)。
(3) 正常先資産に対する一般引当金を含む。
貸付金償却純額及び不良債権に対する引当金
以下の表は、表示された日現在における貸付金償却純額及び平均貸付比率を示している。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||||
| 3月31日現在 | |||||||||
| 2025年 | 2026年 | ||||||||
| 平均貸付ポートフォリオ | 貸付金貸倒償却純額 (1)(ルピー) | 平均貸付総額の割合 (%) | 貸付金貸倒償却純額 (1)(ルピー) | 平均貸付総額の割合 (%) | |||||
| 商業ローン | 22,684 | 0.40 | (294) | - | |||||
| 消費者ローン | 59,055 | 0.74 | 61,538 | 0.70 | |||||
| リース金融 | - | - | - | - | |||||
| 貸付総額 | 81,739 | 0.60 | 61,244 | 0.45 | |||||
(1) 貸付金償却純額は、貸付金償却総額と償却額からの回収額の差額である。
平均貸付ポートフォリオ総額に対する貸付金償却純額の割合は、2025年度の0.60%と比較して、2026年度は0.45%であった。
以下の表は、表示された日現在におけるICICIグループの不良債権に対する引当金総額及び貸付総額に占める各債権の割合の配分を示している。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||||
| 3月31日現在 | |||||||||
| 2025年 | 2026年 | ||||||||
| 金額(ルピー) | 貸付総額に占める各債権の割合 (%) | 金額(ルピー) | 貸付総額に占める各債権の割合 (%) | ||||||
| 商業ローン | 96,741 | 42.8 | 92,086 | 44.3 | |||||
| 消費者ローン | 85,015 | 57.2 | 81,230 | 55.7 | |||||
| リース金融 | - | - | - | - | |||||
| 貸付総額 | 181,756 | 100.0 | 173,316 | 100.0 | |||||
2【沿革】
ICICIは、1955年に世界銀行、インド政府及びインドの産業界代表らのイニシアティブで設立された。主要な目的は、インドの事業に対し中長期のプロジェクト・ファイナンスを提供する開発金融機関を創設することであった。1980年代後半まで、ICICIはその活動につき、主にプロジェクト・ファイナンスに注力しており、様々な産業プロジェクトに対して長期的な資金提供を行っていた。1990年代におけるインドの金融部門の自由化に伴い、ICICIはプロジェクト・ファイナンスのみを提供する開発金融機関から多様な金融サービスの提供機関へと事業を移行し、その子会社及びその他のグループ会社とともに多様な商品及びサービスを提供した。ICICIバンクは、1994年にICICIグループの一部として設立された。ICICI及びICICIバンクは2002年に合併した。
3【事業の内容】
事 業
(a) 概 要
当行は、法人顧客及び小口顧客に対して多様なデリバリーチャネルを通じて幅広い銀行サービス及び金融サービスを提供する、多様な金融サービス・グループである。当行は、銀行商品及びサービスの他に、生命保険及び総合保険、資産管理、証券仲介業並びにプライベート・エクイティ商品及びサービスを、専門の子会社を通じて提供している。2026年度末現在の当行の連結資産総額は、29,145.0十億ルピーであった。2026年度末現在の当行の未行使の従業員ストック・オプションを含む連結資本並びに準備金及び剰余金は、3,630.6十億ルピーであり、2026年度における当行の連結純利益(少数株主持分控除後)は、542.1十億ルピーであった。
当行の主要な業務は、小口顧客及び法人顧客に対する商業銀行業務から成る。当行の小口顧客に対する商業銀行業務は、小口向け貸付、預金受入れ並びにその他の手数料ベースの商品及びサービスから成る。当行は、大手企業、中堅企業及び中小企業に対して、ローン商品、手数料ベースの商品及びサービス、預金商品並びに外国為替商品及びデリバティブ商品を含む様々な商業銀行商品及びサービスを提供している。当行はまた、農業銀行商品及び地方銀行商品を提供している。当行は、商業銀行業務から受取利息及び手数料を得ている。当行は、銀行支店、ATM、コールセンター、インターネット及び携帯電話を含む多様な経路を通じて商品及びサービスを提供している。2026年度末現在、当行は、インド国内に7,511の支店並びに12,087機のATM及びキャッシュ・リサイクラー・マシーンを有していた。
2026年度末現在、当行は英国及びカナダに銀行子会社を、米国(ニューヨーク)、ドバイ・インターナショナル・ファイナンシャル・センター、バーレーン、香港、シンガポール及び中国に支店を、ムンバイにオフショア銀行ユニットを、ガンディーナガルにIFSC銀行ユニットを有している。2026年5月、当行は、ムンバイのサンタクルス電子輸出促進地域のオフショア銀行ユニットを閉鎖することについて、インド準備銀行から無異議書簡を受領した。2026年度末現在、当行は、アラブ首長国連邦(ドバイ、アブダビ及びシャールジャ)、米国(テキサス、カリフォルニア、イリノイ及びニュージャージー)、ネパール、バングラデシュ、スリランカ、マレーシア並びにインドネシアに駐在員事務所を有している。当行の英国における子会社は、ドイツに支店を1店有している。「-第3-3-(3)-(j) 当行の海外支店及び銀行子会社のエクスポージャーは、一般に、当行の事業、財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性がある。」も参照のこと。
当行の財務業務には、法定準備金の維持及び管理、株式及び固定利付債券の自己勘定取引、並びに先物契約、金利スワップ及び通貨スワップ等の一連の法人顧客向けの外国為替及びデリバティブの商品及びサービスが含まれる。
当行はまた、専門の子会社を通じて、保険業務、資産管理業務、証券仲介業務及びプライベート・エクイティ・ファンドの運用業務に従事している。当行の子会社であるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッド及びICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、様々な生命保険、総合保険及び資産管理商品をそれぞれ提供する。
当行の子会社であるICICIセキュリティーズ・リミテッドは、株式引受け、証券仲介及び金融商品の販売に従事している。当行の子会社であるICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドは、国債の引受け及び国債のプライマリー・ディーラー業務に従事している。当行のプライベート・エクイティ・ファンドを運用する子会社であるICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、プライベート・エクイティ、ベンチャー・キャピタル及び不動産ファンド運用業務をICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドへ移転した。ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、一定の助言活動及び一定の残余資金の管理を引き続き実施する。当行の子会社であるICICIペンション・ファンド・マネジメント・リミテッドは、国民年金制度の下で登録された年金ファンド・マネージャーである。
当行の正式名称はアイシーアイシーアイ・バンク・リミテッドであるが、商業上はICICIバンクとして知られている。当行は1994年1月5日にインド法に基づき有限責任会社として設立された。ICICIバンクの存続期間は無制限である。当行の主たる企業事務所はICICI Bank Towers, Bandra-Kurla Complex, Mumbai 400 051, Indiaに所在し、電話番号は+91 22 4008 6173であり、当行のウェブサイトのアドレスはwww.icici.bank.inである。当行及び当行の子会社のウェブサイトの内容はいずれも、本書に含まれていない。当行の米国における訴状送達代理人は575 Fifth Avenue, 26th floor, Suite 2600, New York, New York 10017に所在するアイシーアイシーアイ・バンク・リミテッド・ニューヨーク支店の支店長であるアトゥル・ジェイン氏である。
(b) 当行の商品及びサービスの概要
***(***ⅰ) 小口顧客向け商業銀行業務
小口顧客に対する当行の商業銀行業務は、小口向け貸付及び預金、並びにクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード並びに預託株式口座等の手数料ベースの商品及びサービスから成る。
小口向け貸付活動
当行の小口向け貸付活動は、住宅ローン、自動車ローン、商業ビジネスローン、個人向け貸付、クレジットカード、耐久消費財金融、定期預金を担保としたローン及び証券を担保としたローンを含む。
当行の小口顧客に対する一連の商品及びサービスには、決済サービス及びトランザクションバンキング・サービスに加え、貯蓄商品、投資商品、信用商品及び保険商品がある。当行の小口向けポートフォリオは、その大部分が担保付貸付で構成され、信用調査機関の調査に加えて独自の情報及び分析に基づいて成長している。当行の預金フランチャイズにより、当行は競争力のある価格設定を提供することができる。当行はまた、クロスセル及びアップセルを通じた主要な小口向け資産商品の販売のために、当行の既存顧客のデータベースを活用している。当行の引受手続には、収入、レバレッジ、顧客の特性、品質マーカー、信用調査機関の情報及び人口統計等の顧客のキャッシュ・フロー及び返済能力を評価するための主要な変数の組み合わせが含まれている。当行は、与信決定を行うために、負債と資産の関係、取引行動及び機関の行動を含む複数のデータポイントを独自の機械学習及び統計モデルとともに利用している。
以下の表は、表示された日現在におけるICICIグループの小口向け融資ポートフォリオの総額の内訳を示したものである。
| (単位:十億(%の数値を除く。)) | ||||||||
| 3月31日現在 | ||||||||
| 2025年 | 2026年 | |||||||
| (ルピー) | (ルピー) | (円) | 割合(%) | |||||
| 住宅ローン | 4,676.2 | 5,430.7 | 9,938.2 | 63.7 | ||||
| 自動車ローン | 623.2 | 633.0 | 1,158.4 | 7.4 | ||||
| 商業ビジネスローン(1) | 338.3 | 377.2 | 690.3 | 4.4 | ||||
| その他(2) | 189.3 | 216.1 | 395.5 | 2.6 | ||||
| 担保付の小口向け融資ポートフォリオの総額 | 5,827.0 | 6,657.0 | 12,182.3 | 78.1 | ||||
| 個人向け貸付 | 1,216.7 | 1,298.2 | 2,375.7 | 15.2 | ||||
| クレジットカード債権 | 587.9 | 548.7 | 1,004.1 | 6.4 | ||||
| その他(2) | 14.9 | 23.2 | 42.5 | 0.3 | ||||
| 無担保の小口向け融資ポートフォリオの総額 | 1,819.5 | 1,870.1 | 3,422.3 | 21.9 | ||||
| 小口向け融資ポートフォリオの総額 | 7,646.5 | 8,527.1 | 15,604.6 | 100.0 | ||||
(1) 商用車、建設設備及び健康器具を含む。
(2) 二輪車ローン及び証券を担保としたローンを含む。
住宅ローン
当行の住宅ローンポートフォリオは、住宅の購入及び建設のための貸付並びに住宅用又は商業用不動産の抵当権設定によるローンを含む。さらに当行は、既存の住宅ローンの顧客に対してローンの即時補充を提供している。住宅ローンのための当行の方針は、融資比率及び借入人の収入に対するレバレッジ、一定の規定比率に基づいている。住宅ローンの返済期間は15年から20年で、貸付期間にわたり毎月同額の分割払いの形態で返済される。与信審査手続には、当行が定める法的基準及び技術的基準に対する、借入人のキャッシュ・フローの審査及び抵当対象となる不動産の審査が含まれる。
当行は、不動産を担保としたローンを提供する際には包括的な信用査定プロセスに従っている。不動産を担保としたローンのポートフォリオの平均的な融資比率は、当行の住宅ローンポートフォリオと比較して低率である。貸付は、担保の価値だけではなく、借入人のキャッシュ・フローに基づいている。
当行の住宅ローンは、主にインド準備銀行のレポレートに連動する変動金利である。レポレートが上昇すると住宅ローンの金利は上昇し、レポレートが低下すると住宅ローンの金利は低下する。住宅ローンの金利が上昇した場合は貸付期間が延長され、期間の延長が可能でない場合はローンの毎月の分割払い金額が増加する。借入人は、貸付期間の代わりに分割払い金額を増加させることも選択できる。住宅ローンの金利が低下した場合、借入人が分割払いの金額を減らすことを選択しない限り、毎月の分割払い金額は変更せずに住宅ローンの期間が短縮される。「-(e) 技術」及び「-第3-3-(3)-(e) 当行の銀行業務及び取引業務は、特に金利リスクの影響を受けやすく、金利の変動は、当行の純金利差益率、固定利付ポートフォリオの評価、財務活動による収益、貸付ポートフォリオの価値及び財務実績に悪影響を及ぼす可能性がある。」も参照のこと。
当行は、ICICIバンク及び当行の完全子会社であるICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドを通じて主にインドにおける住宅ローン商品を提供している。当行の住宅金融子会社の貸付ポートフォリオには、住宅ローン、不動産を担保としたローン及び開発業者への貸付等が含まれる。また、当行は、経済的に脆弱な部門の顧客及び安価で手頃な住宅区分の住居を購入する顧客に対しても融資を行う。ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドの貸付ポートフォリオは、2025年3月31日現在の275.9十億ルピーから14.0%増加し、2026年3月31日現在では314.6十億ルピーとなった。ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドは、銀行からのターム・ローン、債券及びディベンチャー、コマーシャル・ペーパー、定期預金並びに国立住宅銀行からのリファイナンスを通じて資金調達を行っている。2026年3月31日に終了した年度中、当行は5.0十億ルピーの資本注入を行った。2026年3月31日現在、ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドは、246の支店の支店網及び事務所網を有していた。
当行のカナダにおける銀行子会社は、現地市場において住宅ローンを提供している。ICICIバンク・カナダは、2025年度末現在の2,739百万カナダドル(163.4十億ルピー)と比較して、2026年度末現在は2,438百万カナダドル(166.2十億ルピー)の住宅ローンを有していた。この住宅ローンのうち、カナダ国民住宅法の住宅ローン担保証券プログラムに基づいて又はカナダ担保付債券プログラムへの参加を通じて証券化された住宅ローンは、2025年度末現在の1,686百万カナダドル(100.6十億ルピー)と比較して、2026年度末現在は1,504百万カナダドル(102.5十億ルピー)である。さらに、住宅ローン総額には、従来型モーゲージ(2025年度末現在の1,011百万カナダドル(60.3十億ルピー)と比較して2026年度末現在は875百万カナダドル(59.6十億ルピー))及び保険付モーゲージ(2025年度末現在の41百万カナダドル(2.5十億ルピー)と比較して2026年度末現在は60百万カナダドル(4.1十億ルピー))が含まれている。
自動車ローン
当行は、新車及び中古車の購入に対して融資を行っている。自動車ローンは、毎月同額の分割払いで返済する固定利付商品である。かかる金利は、特に新車については、当局のスコア、顧客関係、車の部品及び貸付期間等の要因、中古車については、補充又はリファイナンス等の派生商品と組み合わされた資産年齢及び車の部品等の要因に基づいている。
商業ビジネスローン
当行は、商用車及び設備の購入に対して融資を行っている。商業ビジネスローンは、毎月同額の分割払いで返済する固定利付商品である。当行の商業ビジネスの顧客には、個人から大規模な道路運送業者、請負業者及びハイヤー業者が含まれる。
個人向け貸付及びクレジットカード
当行はまた、個人向け貸付及びクレジットカード等の無担保の商品を当行の顧客に対して提供している。個人向け貸付及びクレジットカード債権は、固定金利である。当行はまた、デジタル・チャネルを通じて利用可能な、幅広い即時の個人向け貸付及びクレジットカードを提供している。
小口向け預金
当行の小口向け預金商品は定期預金及び普通預金口座を含む。当行は、未成年者、学生、社会人、高齢者といった様々なライフステージにおいて、また、個人富裕層、国防要員、トラスト、スタートアップ及びビジネス所有者等の特定の顧客セグメントを対象として、これらの商品及び360度ソリューションを提供している。当行は、当行の顧客に対し、システム主導の検証の強化を通じた、シームレスな口座開設及び有効化を提供している。さらに、当行は、当行の大企業及び中小企業の顧客に対し、企業の給与口座及び当座預金口座(すなわち事業目的の当座預金口座)を提供している。2026年6月、インド準備銀行は、新規の非居住者向け外貨建(銀行)(FCNR(B))預金(満期時に更新される預金を含む。)を対象とした、最低期間3年、最長期間5年の米ドル・ルピー為替スワップファシリティを導入することを発表した。その後、インド準備銀行は、2026年8月31日に新規のFCNR(B)預金の調達に係るファシリティを終了することを決定した。ただし、当該制度の下で調達されたFCNR(B)預金に対するスワップは、2026年9月11日までインド準備銀行との間で実施された。当行による調達総額は、当該ファシリティの下で約17.9十億米ドルであった。
手数料ベースの商品及びサービス
当行の販売網を通じて、当行はインド政府貯蓄債券、ソブリン金貨債、保険証券、ミューチュアル・ファンド、貴金属、並びにインド企業による株式及び負債証券の公募を含む様々な商品を提供している。当行は、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、トラベルカード及びコマーシャルカード等のいくつかのカードベースの商品を提供している。当行はまた、小口顧客向けに、通貨及びトラベルカードの販売を含む、外国為替商品の提供を行っている。当行はまた、インド国外からの小口向け被仕向送金も促進している。
ナショナル・セキュリティーズ・デポジトリー・リミテッド及びセントラル・デポジトリー・サービシズ(インディア)リミテッドに参加するデポジトリーとして、当行は無券面化された方法で行われる証券取引を決済する「Demat」口座を開設することにより、預託サービスを提供している。さらに、当行は在外インド人及び海外の企業に対し、インド証券取引所で株式及び転換可能なディベンチャーの取引を行う承認を与えるため、並びに彼らの預金勘定及び保管勘定を運用するため、インド準備銀行により指定された銀行の1つである。
***(***ⅱ) 農村部の顧客に対する小口向け貸付
当行の農村向け銀行業務は、地方及び郊外の顧客の資金需要に応えることを目指している。本セグメントにおける当行の商品は、作物栽培に係る運転資金貸付、収穫後活動に係る資金調達、貴金属を担保としたローン、倉庫証券を引当とする資金調達及び農機具ローンを含む。当行は、小規模金融を行う金融機関、自助グループ、農業従事者により構成される協同組合、農業関連事業に従事する法人及び中規模企業に対して金融ソリューションを提供している。2026年度末現在の当行の農村向け銀行業務ポートフォリオは、2025年度末現在の814.4十億ルピーから25.2%増加し、1,019.9十億ルピーとなった。
以下の表は、表示された日現在における当行の農村向け融資ポートフォリオの総額の内訳を示したものである。
| (単位:十億(%の数値を除く。)) | ||||||||
| 3月31日現在 | ||||||||
| 2025年 | 2026年 | |||||||
| (ルピー) | (ルピー) | (円) | 割合(%) | |||||
| 農業従事者向けローン(1) | 327.6 | 355.0 | 649.7 | 34.8 | ||||
| 宝石を担保としたローン(2) | 315.2 | 483.4 | 884.6 | 47.4 | ||||
| その他(3) | 171.6 | 181.5 | 332.1 | 17.8 | ||||
| 農村向け貸付 | 814.4 | 1,019.9 | 1,866.4 | 100.0 | ||||
(1) 農民クレジットカードを含む。
(2) 農村部及び都市部の顧客を対象とした宝石ローンを含む。
(3) 農機具自助グループのためのターム・ローン、個人に対する貸付のための小規模金融を行う金融機関向けローン並びに在庫による資金調達等を含む。
当行の農村向け銀行業務は主に、農業従事者、ディーラー、自営業者及び零細企業家を含む農村向け市場において識別される4つの主要なエコシステムに焦点を当てている。
農業従事者のエコシステムには、農業従事者、種子生産者、農業投入物ディーラー、倉庫業者、農機具ディーラー、農産物の取引業者及び農産製造物加工業者等の参加者が含まれる。提供される商品には、農民クレジットカード商品及び金貸付商品を通じた運転資金貸付、並びに農機具、酪農畜産物の購入及び農地開発のためのターム・ローンが含まれる。「-1-行政指導に基づく貸付」も参照のこと。
ディーラーのエコシステムは、農機具及び農業関連投入材の販売業者及びサプライヤーで構成される。自営業者のエコシステムには、農業及び非農業の両分野にわたり貿易及び製造に従事する農村部の起業家が含まれる。零細起業家のエコシステムは、低所得層の女性、非政府組織及び農村経済における草の根レベルで働くその他機関に焦点を当てている。
当行は、農業従事者に対する迅速かつ容易な与信へのアクセスの機会を提供する電子的な流通性倉庫証券の資金調達を拡大した。農業従事者は、基礎となる農産物を担保とした貸付を受けるために電子的な流通性倉庫証券を利用することができる。これにより、農業従事者を不安定性から守り、農業従事者がその生産物に対してより良い価格を付ける機会を提供する。事業目的の資金需要に応えることとは別に、当行は農村部のエコシステムにおける顧客の個人的な需要に応えるための商品も提供している。
農村地域における当行の範囲は、支店網、ATM及び現地スタッフ並びに遠隔地域のラストマイル・アクセスを提供する業務代理店から構成される。2026年度末現在、当行は7,511の支店網を有しており、そのうち48.5%が農村部及び郊外に所在する。「-第3-3-(3)-(k) 新規事業への参入又は既存の貸付ポートフォリオの急拡大により、当行は当行の事業に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクにさらされている。」も参照のこと。
「-第3-3-(2)-(d) 当行はインド準備銀行の行政指導に基づく貸付要件に従わなければならず、かかる要件には、年間目標を達成するための関連する証書の割増価格での買取りも含まれる可能性がある。これらの要件を満たすことができない場合、収益性の低いインド政府のスキームに投資することを要求される可能性があり、これにより当行の収益性が影響を受ける可能性がある。また、当行の行政指導に基づく貸付ポートフォリオにおいて不良資産が増加する可能性があり、これにより当行の貸付ポートフォリオ、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格に悪影響が及ぶ可能性がある。」も参照のこと。
***(***ⅲ) ビジネス・バンキング向け商業銀行業務
当行のビジネス・バンキングの顧客には、個人企業、合資会社及び公開/非公開有限責任会社が含まれる。当行は、絶えず進化する事業ニーズに応えるべく広範囲な銀行商品及びソリューションを提供している。これには、カスタマイズされたサービス提供、応答時間の短縮、取引の利便性、資金への適時アクセス、クロスボーダー貿易及び外国為替が含まれる。かかる分野において当行は、デジタル・チャネルの活用及び精度の保証、適切な担保の取得並びに管理の強化に重点を置いている。かかる貸付は、通常、流動資産に課された担保とは別に、不動産の形での担保により保証される。当行のビジネス・バンキング・ポートフォリオは、売上高最大7.5十億ルピーの顧客により構成されている。当行は、ビジネス・バンキングの顧客に対して、パラメーター化されたプログラム・ベースの融資を提供することに注力しており、これは細分化され、十分な担保が付され、定期的に観察されている。当行のビジネス・バンキングの純ポートフォリオは、2025年度末現在の2,633.7十億ルピーから24.2%増加し、2026年度末現在には3,271.5十億ルピーとなった。
当行は、当行の販売網を活用し、様々なデジタル・チャネル及びデジタル・プラットフォームを通じて、企業のエコシステム及びプロセスの混雑解消に向けた進行中の取組みを活用することにより、当該ポートフォリオの拡大に注力している。DigiEaseは、シームレスなオンボーディング・エクスペリエンスを提供する、ビジネス・バンキングの顧客向けのデジタル・オンボーディング・プラットフォームである。このプラットフォームは、様々な公共データ・インフラとの統合を活用し、データをデジタルで調達及び処理する。
***(***ⅳ) 法人顧客向け商業銀行業務
法人顧客向けの当行の一連の商品は、貿易、財務、債券、コマーシャル・ペーパー、チャネル・ファイナンス、サプライチェーン・ソリューション及びその他様々な活動にわたる、運転資金及びターム・ローンに関する商品、トランザクションバンキング・サービス、手数料ベースの商品及びサービス、預金並びに外国為替商品及びデリバティブ商品を含むあらゆるニーズに対応している。当行は、法人顧客のエコシステム全体に対応する他、給与、プライベート・バンキング及びウェルス・バンキング、住宅ローン、個人ローン、自動車ローン等の一連の小口向け商品を通じて、従業員及びスポンサーとの関係を深めることにも注力している。当行の法人顧客基盤は、トップビジネスハウス、大手民間企業及び公共部門企業、金融機関、銀行、銀行以外の金融会社、プライベート・エクイティ・ファンド並びに不動産会社、資本市場及びカストディ参加者を含んでいる。当行は、プライベート・エクイティ・ファンドとその投資会社を含む、インドにおいて営業する多国籍企業及びファイナンシャル・スポンサーとの関係を築いた。当行は、企業の日々のスムーズな業務運営を可能にするトランザクションバンキング・サービスを提供する。提供するトランザクションバンキング・サービスには、口座に関連したサービス、支払い及び収受サービス、国内及びクロスボーダー貿易ファイナンス、運転資金ファイナンス並びにサプライチェーン・ファンナンスを含む。当行は、顧客に対して統合現金管理サービス及び貿易ファイナンス・ソリューションを提供している。当行のトランザクションバンキング・ソリューションは、物理的なチャネル及びデジタル・チャネル並びにアカウント・マネージャーのチームを通じて当行の顧客に提供される。当行はまた、トランザクションバンキング・サービスを拡張された機能を有する各地の支店を通して当行の顧客に提供し、その支店の多くは、国内の特定の大規模なコングロマリットの工場/自治体の施設内にある。
法人向け貸付ポートフォリオ
当行の法人向け貸付ポートフォリオは、ターム・ローンに関する商品並びに現金信用枠、当座貸越、コールローン並びに手形割引、信用状及び保証状を含む、資金を基盤としない与信枠の形態による運転資金金融から成る。当行の国内法人向け純ポートフォリオは、2025年度末現在の2,709.4十億ルピーから6.3%増加し、2026年度末現在には2,880.3十億ルピーとなった。当行の貸付ポートフォリオに関する詳細については、「-1-貸付の集中」を参照のこと。信用格付及び審査制度の詳細については、「-(c)-(ⅰ) 信用リスク」を参照のこと。
当行はまた、固定利付及び変動利付ディベンチャー等の市場性のある商品への投資により融資を行う。無担保ベースの融資もあるが、当行は一般的に、借入人の固定資産に対して担保権の先取特権を有している。
手数料ベースの業務
当行は、当行の顧客に提供される貸付、トランザクションバンキング、シンジケーション及び外国為替に関連したソリューションから手数料収入を得ている。当行はまた、法人顧客に対し、荷為替信用状、スタンドバイ信用状(インドでは保証状という。)、輸出入手形の収受及び支払い並びに収受、支払い及び送金サービス等の現金管理業務を含む多様な手数料ベースの商品及びサービスを提供している。
さらに、当行は在外インド人及び海外の企業に対し、インド証券取引所で株式及び転換可能なディベンチャーの取引を行う承認を与えるため、並びに彼らの預金勘定及び保管勘定を運用するため、インド準備銀行により指定された銀行の1つである。当行は、さらにエスクロー、トラスト及び保管口座制度、オンライン支払制度、保管業務並びにインド政府及びインドの州政府のための税金の申告及び徴収サービス等のサービスを提供している。
2026年度末現在、当行の顧客(主として海外機関投資家、オフショア・ファンド、国外企業及びグローバル預託証券(GDR)のための預託銀行)のために保管されていた総資産は35,599.6十億ルピーであった。インドで業務を行っている2つの証券預託機関であるナショナル・セキュリティーズ・デポジトリー・リミテッド及びセントラル・デポジトリー・サービシズ(インディア)リミテッドに登録されたデポジトリーとして、当行はまた投資家に対し電子化された預託制度も提供している。
法人預金
当行は当座預金、定期預金及び預金証書等を含む様々な預金商品を法人顧客に対して提供している。当行の預金の種類、費用及び満期の特性に関する詳細については、「-1-資金調達」を参照のこと。
外国為替、固定利付債券、貴金属及びデリバティブ
当行は、外国為替及び金利エクスポージャーにより生じる、国内外の様々な顧客からの資金調達、外国為替換算及びリスク・ヘッジの必要性に応じた顧客別仕様の商品及びサービスを提供している。
提供される商品及びサービスには、以下のものが含まれる。
・外国為替商品
これらの商品には、26通貨超の外国為替換算のための現金、翌日物及び直物が含まれる。当行は、顧客に対し、その事業のニーズに応じ、オンライン及びオフラインの取引チャネルを通して、特別に作成した外国為替のソリューションを提供する。かかる商品は、インド国内及び当行の国際的拠点において提供される。
・固定利付債券商品
これらの商品には、顧客の市場ベースの資金調達需要に応えるコマーシャル・ペーパー(CP)及び非転換ディベンチャー(NCD)が含まれる。当行は、発行の適切なストラクチャリングを通じて、オリジネーションから販売まで、発行体と投資家のニーズを満たす全面的なサービスを提供している。
・貴金属商品
これらの商品には、金地金ローン(GML)並びに金及び銀の委託販売など、顧客の金/銀の調達ニーズに対応した商品が含まれる。当行は、注文の発注から注文の履行まで、デジタル・ジャーニーを通じて市場をリードするサービスを提供している。
・デリバティブ
これらの商品には、顧客のリスク・ヘッジ・ニーズを満たすため、許容される資産クラスにわたる先物、オプション及びスワップが含まれる。当行は、顧客の特定のリスク構造及びリスク・エクスポージャーに合わせて特別に作成したデリバティブ・ソリューションを提供している。
***(***ⅴ) 政府及び機関向け商業銀行業務
当行は、中央政府、州政府、地方自治体及び現地機関(市町村及びグラム・パンチャヤートを含む。)等、様々な段階の政府部門及び政府機関に対するデジタル・ガバナンス及び財務管理を強化するカスタマイズされた製品及びサービスを含む、様々なバンキング・サービスを提供している。当行は、公認の支店やデジタル・チャネルを通じて、中央税、州税、物品税及びサービス税の支払い並びに関税について、関連する政府により指名された代理店として徴収を行っている。当行の統合バンキング・プラットフォームは、顧客にシンプルなオンラインによる納税オプションを提供している。法定納付金も、当行のプラットフォームからオンラインで支払うことができる。
当行はさらに、とりわけ教育機関、病院及び協会を含む、その他機関に対しても金融サービスを提供しており、様々な技術主導の収受及び支払ソリューションを提案している。
***(***ⅵ) 海外顧客向け商業銀行業務
当行の海外支店は、在外インド人(NRI)及びインドに関連した事業をカバーするサービスを提供することで、インドの営業センターを補完している。これらの海外支店は、次の4つの主要な柱に焦点を当てている。かかる主要な柱とは、在外インド人、インドで事業を行う多国籍企業及びグローバル・ケイパビリティ・センター、インドへの機関投資家の資金フロー並びにインドに関連したクロスボーダー貿易である。さらに、当行の海外銀行子会社は引き続き、リスク軽減及び事業の細分化に重点を置きながら選択的に現地市場を支えている。
当行が海外支店及び子会社を通じて並びに当行の国内ネットワークを通じて海外顧客に対して提供する、デット・ファイナンス、貿易金融及び信用状等の多数の商品は、当行がインドの顧客に対して提供する商品に類似している。インド準備銀行は、2026年6月23日付の「よくある質問」の通知において、インドの銀行(海外支店を含む。)に対し、スワップファシリティを通じて調達されたFCNR(B)預金を基に、非居住者への融資を行うこと又は海外の貸付人を受益者とする「スタンドバイ信用状」を発行することを許可した。インドの銀行は、FCNR(B)口座保有者への融資を行うこと及び当該預金に先取特権を付すことも認められている。2026年8月31日までのFCNR(B)預金を対象としたインド準備銀行のスワップファシリティに基づき、当行の海外支店及び子会社が当該預金に対して提供した融資は、約9.0十億米ドルであった。さらに、当該預金に対する融資に関して、当行がその他の銀行に対して発行したスタンドバイ信用状は、約3.6十億米ドルであった。2026年7月及び8月には、当行はIFSC銀行ユニットを通じて、当行のグローバル中期債プログラムの下で、約3.6十億米ドルの外国為替債券を発行した。
2026年度末現在、ICICIバンクの海外支店の総資産(支店間残高を控除後)は1,098.6十億ルピー、貸付総額は422.9十億ルピー(2025年度末現在は、総資産は896.3十億ルピー、貸付総額は307.9十億ルピー)であった。海外支店の貸付ポートフォリオの前年同期比の増加は、主に格付の高いインド企業とその子会社及びジョイントベンチャーへの融資における市場機会によるものであった。当行の海外支店は、債券発行、銀行からのバイラテラルローン、輸出信用機関からの融資、金融市場からの借入、預金及び銀行からのリファイナンスにより資金調達を行っている。ICICIバンクの海外の貸付ポートフォリオは、2026年度末現在の貸付ポートフォリオ全体の2.7%であった。2026年3月31日現在の企業資金を基盤とする残高及び企業資金を基盤としない残高(現金/銀行/保証担保貸付控除後)は、3.9十億米ドルであった。かかる3.9十億米ドルのうち、残高の94.2%はインド企業とその子会社及びジョイントベンチャーであり、残高の4.9%は非インド企業によるインド国内又はインド関連業務及び活動であり、かかるポートフォリオは一般的に格付が高く、これらの企業によるインドでの業務は、当行の預金及びトランザクションバンキングのフランチャイズのターゲット顧客である。当行は引き続きこのセグメントでのリスク調整された機会を追求する予定である。インド企業とその子会社及びジョイントベンチャーを除く海外企業のポートフォリオは、前年同期の約265百万米ドルと比較して16.1%減少し、2026年3月31日現在は223百万米ドルであった。「-第3-3-(3)-(g) 当行の資金調達は短期的であり、満期を迎えた際に預金者が預金を繰り越さない場合、当行の事業は悪影響を受ける可能性がある。」も参照のこと。
英国及びカナダの当行の子会社は、小口向け銀行業務、ビジネス・バンキング、法人向け銀行業務及び財務サービスを提供する総合銀行である。これらの子会社は、支店におけるバンキング業務並びにインターネット・バンキング及びダイレクト・バンキングを含むデジタル・チャネルを通じて、顧客にサービスを提供している。英国における当行の子会社は、主に英国及び欧州のインドに関連した事業に注力しており、インド人コミュニティの銀行ニーズに応えている。中核となるサービスには、現地の銀行業務要件への対応、インドへの送金サービス及びインドでの銀行業務要件の促進が含まれる。カナダの当行の子会社は、主にカナダ連邦政府機関又はカナダ連邦政府によりバックストップされている企業により保証され、これに適格となる住宅ローンの組成及びカナダ及び米国企業の両方のみならず海外事業を展開することを模索するインド企業に対する貸付を提供している。
2026年度末現在、ICICIバンクUKピーエルシー(ICICIバンクUK)は、英国に10の支店、ドイツに1の支店を有していた。2026年度末現在、ICICIバンクUKピーエルシーの総資産は、2.9十億米ドルであった。ICICIバンクUKピーエルシーは、2025年度における27百万米ドルの純利益に対して、2026年度においては25百万米ドルの純利益を生じさせた。2026年度末現在、ICICIバンクUKピーエルシーの貸付は、1.5十億米ドルであり、投資は0.9十億米ドルであった。
2026年度末現在、ICICIバンク・カナダは14の支店を有し、4.9十億カナダドルの総資産を有している。ICICIバンク・カナダは、2025年度における72百万カナダドルの純利益に対して、2026年度においては24百万カナダドルの純利益を生じさせた。2026年度末現在、ICICIバンク・カナダの貸付金純額は、4.2十億カナダドルであり、投資は0.5十億カナダドルであった。
「-第3-3-(1)-(b) 他の国々(特に当行が事業を展開している国)における金融不安は、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。」及び「-第3-3-(3)-(j) 当行の海外支店及び銀行子会社のエクスポージャーは、一般に、当行の事業、財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性がある。」も参照のこと。
***(***ⅶ) 支店、ATM網及びコールセンター
当行は伝統的な銀行支店からATM、キャッシュ・リサイクラー・マシーン及びコールセンターに至るまで多様なチャネルを通じて商品及びサービスを提供している。また、当行のデジタル・チャネル及びプラットフォームは、当行の顧客にとって重要度を増している。「-(e) 技術」を参照のこと。2026年度末現在、当行は複数のインドの州にわたり、7,511の支店のネットワークを保有していた。支店網は、デポジット・モビライゼーションと小口向け資産の組成の統合媒体として機能している。当行は、顧客のソリューションに要する時間を短縮するために、顧客との接点における最大限のプロセスやカスタマーエクスペリエンスのための接点をデジタル化することに重点を置いている。顧客利用数の多い支店には、デジタルサービス・キオスクを設けている。これにより、顧客は小切手の預入れ、口座への即時入金、記帳、即時送金及び様々なその他の「自分自身でやる」デジタル化されたサービスを使用することができ、顧客の待ち時間短縮に貢献している。
以下の表は、表示された日現在における地域ごとに分類した支店数を示したものである。
| 2025年3月31日現在 | 2026年3月31日現在 | |||||||
| 地域別の支店(1) | 支店数及び出張所 | 全体に占める割合(%) | 支店数及び出張所 | 全体に占める割合(%) | ||||
| 大都市 | 2,079 | 29.8 | 2,356 | 31.4 | ||||
| 都市 | 1,422 | 20.3 | 1,507 | 20.1 | ||||
| 郊外 | 1,905 | 27.3 | 1,956 | 26.0 | ||||
| 地方 | 1,577 | 22.6 | 1,692 | 22.5 | ||||
| 支店数及び出張所合計 | 6,983 | 100.0 | 7,511 | 100.0 | ||||
(1) 支店の分類は2011年人口調査のとおりである。
2026年3月31日現在、当行はインド全域において12,087機のATM及びキャッシュ・リサイクラー・マシーンを設けていた。当行のATMは即時融資取引、即時の資金移動及びカードレスでの現金引出しといった追加の付加価値サービスがある。
当行のテレフォン・バンキング業務は複数の拠点で24時間稼働しており、双方向音声応答システム、電子メールボット・ソリューション、音声生体認証、自動着信配信、統合テレフォニー及び留守番電話等を備えている。当行は、担当者が電話をかけてきた顧客の当行との関係について完全な概要を知ることができる体制を整えることで顧客情報の観点で統括できるよう、テレフォン・バンキング技術を利用するよう努めている。当行は、すべての主要なバンキング商品における顧客からのサービス依頼や苦情を把握するため、顧客関係の管理に関するソリューションを実施している。かかるソリューションは、当行の全チャネルに展開されており、顧客からの多様な問い合わせ及び問題を察知し即時解決する助けとなっている。かかるソリューションは、テレフォン・バンキング及び多くの支店において展開されている。
***(***ⅷ) 投資銀行業務
当行の投資銀行業務は、主にICICIバンクの財務業務並びにICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッド及びICICIセキュリティーズ・リミテッドの業務から成る。
財務
当行の財務業務を通じて、当行は貸借対照表の管理を試みており、かかる管理には規制上の要件である法定準備金の維持及び市場機会を利用することにより当行のトレーディング・ポートフォリオから得られる利益を最大化することが含まれる。当行の国内でのトレーディング・ポートフォリオ及び証券ポートフォリオは、当行の規制上の法定準備金ポートフォリオの積極的な管理に何ら制限がないため、当行の規制上の法定準備金ポートフォリオを含む。当行の財務業務には、先物契約、金利スワップ及び通貨スワップ並びに外国為替の商品及びサービス等の一連の法人及び小企業の顧客向けの商品及びサービスが含まれる。「-(ⅳ)-外国為替、固定利付債券、貴金属及びデリバティブ」も参照のこと。
当行の財務部は、最適なレベルの流動性の維持を試み、現金準備率の要件を遵守し、当行のすべての支店の円滑な運営を維持しようと努めることにより流動性管理を行っている。当行は収益を最大化するため、有利子流動資産と現金とのバランスを維持し、現金準備率及び法定流動性比率を含む法定準備金の維持により、準備金管理を行っている。2026年度末現在において、ICICIバンクは、国内普通預金及び定期預金の純額について、インド国債及び州政府債といった適格有価証券によって、法定流動性比率要件を18.0%で維持することが求められていた。当行は、価格の変動から得られる利回り及び利益を最大化するために、当行が積極的に管理を行っているインド国債のポートフォリオを通じて法定流動性比率を維持している。さらに、慎重な流動性管理の戦略として、当行は、通常、法定流動性比率要件に基づく適正区分を超える有価証券投資を維持している。当行は、バーゼルⅢに基づき要求される単体及びICICIグループレベルの双方のベースにおいて、LCR及びNSFRを維持している。それぞれの比率の最低要件は、100.0%である。LCRの要件は、主に国債及び高格付の社債の形である適格流動資産への投資によって満たされる。2026年3月31日に終了した3ヶ月間において、当行の平均LCRは、単体ベースで125.6%及び連結ベースで123.6%であった。これらの双方の比率は、規制上の要件を上回っていた。「-(f)-法定準備金規制」も参照のこと。
当行の流動性レジリエンスを高めるため、インド準備銀行は2025年4月21日、流動性基準に関するバーゼルⅢの枠組みについての改訂されたガイドラインである「流動性カバレッジ比率-適格流動資産のヘアカット及び特定の預金科目における流出率の見直し」を公表した。テクノロジーにより、即時の銀行振替や引出しが容易になり、流動性リスクの増加につながっているため、積極的な管理が必要とされている。改訂されたガイドラインに基づき、インターネット及びモバイル・バンキング機能を有する小口向け預金には追加的な流出要因の2.50%が割り当てられ、国債で表示されるレベル1適格流動資産は、流動性調整枠及び限界常設ファシリティの通知に沿ってヘアカットが適用されることとなる。
さらに、トラスト(教育信託/宗教信託/慈善信託)、個人団体(AOP)、パートナーシップ、個人事業主、有限責任パートナーシップ及びその他の法人等の非金融事業体からの資金調達は、流動性カバレッジ比率の枠組みに基づき、上記の事業体が小企業顧客(以下「SBC」という。)として扱われない限り、「非金融法人」からの資金調達として分類され、(現在規定されている100%に対して)40%の流出率が適用される。これらの改訂されたガイドラインは、2026年4月1日に施行された。
ICICIバンクは、ムンバイ及び海外支店から、投資及び海外の為替業務を行っている。財務活動の一環として、当行はまた国内の負債証券及び持分証券並びに外貨建資産に係る自己勘定トレーディング・ポートフォリオを保有している。当行の財務部は外国為替エクスポージャー及び外国為替並びに当行の顧客に提供されるリスク・ヘッジ・デリバティブ商品を管理しており、通貨及び金利市場のマーケットメーキング及び自己勘定取引に従事している。当行の投資及び市場リスク政策は、取締役会により承認されている。
通常、当行は、当行の投資に係るリターンを最大化するため、当行の株式ポートフォリオの積極的な運用戦略を追求している。SEBIのインサイダー取引に係る規制の遵守を強化するため、上場企業への株式投資及び負債投資に係るすべての取引は当行財務部の株式及び債券担当デスクが請け負っており、かかるデスクは財務部内の他のグループ及びデスク並びに当行のその他の事業グループから分離されており、貸付人である当行が利用可能な場合がある、価格に影響を及ぼすこれらの企業の未公開の情報にアクセスできない。
当行は複数の主要な外貨で取引を行っており、主要な外貨建てで在外インド人からの預金を受け入れている。当行はまた、国内向け外貨建口座を管理している。外国為替担当財務部は、利回り及び流動性を最適化するため、金融市場を通じて当行のポートフォリオ及び外国為替商品を管理している。
当行は、当行の顧客に対し、外国為替先物契約、通貨スワップ、金利スワップ及びオプションを含めた様々なリスク管理ソリューションを提供している。当行は、取引先ごとの制限、取引額限度、ストップロス・リミット、外国為替トレーディング業務全体の損失に係る制限及び例外報告を通じて、当行の外国為替ポートフォリオに係る市場リスク及び信用リスクを監視及び管理している。「-(c)-(ⅱ)-為替リスク」も参照のこと。
証券仲介事業及び投資銀行事業
ICICIセキュリティーズ・リミテッドは、個人及び機関投資家向け株式、金融商品の流通、個人向け資産管理業務並びに投資銀行業務を含む資本市場セグメントにわたり運営を行っている金融サービス企業である。ICICIセキュリティーズ・リミテッドは、オンラインの証券プラットフォームであるICICIダイレクトを有する。ICICIセキュリティーズ・リミテッドは、個人投資家、法人、金融機関及び個人富裕層等の顧客に対し、リサーチ、助言、執行サービスを提供し、顧客の財務目標の達成をサポートしている。ICICIセキュリティーズ・リミテッドは、米国において、子会社であるICICIセキュリティーズ・ホールディングス・インコーポレーテッドを有している。同様に、ICICIセキュリティーズ・ホールディングス・インコーポレーテッドは、米国において、子会社であるICICIセキュリティーズ・インコーポレーテッドを有している。ICICIセキュリティーズ・インコーポレーテッドは、米国証券取引委員会にブローカーディーラーとして登録を受け、米国において、金融業規制当局の一員である。ICICIセキュリティーズ・インコーポレーテッドはまた、シンガポール金融管理局に登録し、シンガポールにシンガポール国内で資本市場商品を取り扱うための資本市場サービスの免許を有する支店を有している。ICICIセキュリティーズ・リミテッドの税引後連結利益は、2026年度において17.1十億ルピー(2025年度は17.5十億ルピー)であった。
2023年3月31日現在、当行は、当行の証券仲介業子会社であるICICIセキュリティーズ・リミテッドの株式74.7%を保有しており、残りの25.3%の株式は、一般株主が保有していた。2023年6月、当行の取締役会及びICICIセキュリティーズ・リミテッドの取締役会は、2021年SEBI規則(株式の上場廃止)第37条に基づき、必要な承認の取得を条件として、ICICIセキュリティーズ・リミテッドの株式を上場廃止とする計画(上場廃止計画)を承認した。必要な承認を取得した後、2025年3月24日付でICICIセキュリティーズ・リミテッドは当行の完全子会社となり、証券取引所から上場廃止となった。2025年3月26日、当行は、上場廃止計画の規定に基づき、基準日現在のICICIセキュリティーズの一般株主に対し、当行の株式を67対100のスワップ率で割り当てた。2025年3月、当行は、上場廃止計画に基づき、基準日現在のICICIセキュリティーズ・リミテッドの一般株主に対し、承認された株式スワップ率で、1株当たり2ルピーの株式56百万株(端株権に対する株式52千株を含む。)を割り当てた。
プライマリー・ディーラー業務
当行の子会社であるICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドは、インド国債のプライマリー・ディーラー業務に従事している。同社は、その他の固定利付証券及び金利デリバティブも取り扱っている。さらに、同社は、金融市場業務、引受業務及び債務の募集も実施している。ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドは、2026年度において4.5十億ルピーの純利益(2025年度は5.4十億ルピーの純利益)を計上した。当該業務の収益は、固定利付債券市場の状況に直接連動している。
***I-***プロセス・サービシズ
I-プロセス・サービシズ(インド)リミテッド(旧I-プロセス・サービシズ(インド)プライベート・リミテッド)(iプロセス)は、販売、マーケティング、データ入力、オペレーション及び収受機能等の人的支援サービスを提供するため、当行とのみサービスプロバイダー契約を結んでいる。2023年3月31日現在、当行は、iプロセスの株式持分の19.0%を保有していた。2024年度中に、当行は、残存するiプロセスの株式を購入した結果、2024年3月22日付でiプロセスは当行の完全子会社となった。iプロセスは、2026年度において0.1十億ルピーの純利益(2025年度は0.3十億ルピーの純利益)を計上した。
***(***ⅸ) プライベート・エクイティ
当行の子会社であるICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、プライベート・エクイティ、ベンチャー・キャピタル、不動産、インフラ及びスペシャル・シチュエーションにおいてプレゼンスを有する、多数の分野を扱う専門的なオルタナティブ・アセット・マネージャーである。ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、2026年度において1.5十億ルピーの純利益(2025年度は0.2十億ルピーの純利益)を計上した。
2025年5月8日、ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドの取締役会及びICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドの取締役会は、それぞれの会議において、ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドのプライベート・エクイティ、ベンチャー・キャピタル及び不動産ファンド運用業務をICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドへ移転する提案を原則承認した。必要な承認の取得後に本取引は完了し、関連して必要な契約がICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドとICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドとの間で締結されている。これに伴い、2026年4月1日より、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドが、移管されたファンドに対して投資運用サービスを提供している。本取引は、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドによる、プライベート・エクイティを含む統合された広範な投資資産クラスの提供を可能にした。ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、引き続き一定の助言業務を行う他、一部の残存ファンドの運用も行っている。
***(***ⅹ) 資産管理
当行は、当行の子会社であるICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドを通じて、資産管理サービスを提供している。ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、PCHLとのジョイントベンチャーである。2026年3月31日現在、当行は、当該事業体の株式の53.0%を保有し、PCHLは34.6%を保有していた。ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドはまた、ポートフォリオ管理サービス及び顧客に対する助言サービスを提供している。ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、2026年度において33.0十億ルピーの純利益(2025年度は26.5十億ルピーの純利益)を計上した。
2025年2月、当行のジョイントベンチャー・パートナーであるPCHLは、市場の状況、必要な承認及びその他の考慮事項に基づき、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドに対する持分の上場及び一部売却の可能性について発表した。2025年6月、取締役会は、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドの株式持分の最大2.0%を追加購入することを承認した。必要な承認の取得後、当行はPCHLから株式持分2.0%を追加購入した。この購入は、当行が株式に基づく報酬を付与する場合に、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドにおける当行の過半数の株式持分を維持することを主な目的としていた。2025年12月19日付で、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、ボンベイ証券取引所及びインド国立証券取引所に上場している。
(ⅺ) 年金基金管理会社
ICICIペンション・ファンド・マネジメント・リミテッド(ICICI PFM)は、国民年金制度の下で登録された年金ファンド・マネージャーである。国民年金制度は、年金基金規制開発局(PFRDA)が管理し、規制する任意の確定拠出型の年金制度である。また、PFRDAは、ICICI PFMに対し、国民年金制度における「拠点」として、実店舗及びオンライン・チャネルを通じて販売及びサービス提供を行うことを承認した。ICICI PFMは、2026年度において0.09十億ルピーの純損失(2025年度は0.04十億ルピーの純損失)を計上した。
取締役会は、2025年7月19日に開催された取締役会において、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドからICICIプルデンシャル・ペンション・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドの株式持分100%を取得し、ICICI PFMを当行の完全子会社とすることを、インド準備銀行、PFRDA及びその他の必要な承認を条件として承認した。ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの取締役会は、2025年7月19日の取締役会において、ICICIプルデンシャル・ペンション・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドが保有する株式持分100%を当行に売却することを、適用される規制に基づく規制当局及び法定当局の承認を条件として承認した。必要な承認の取得後、当行は2026年1月12日付で、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド及びICICI PFMと株式譲渡契約を締結し、ICICI PFMの株式100%を取得した。これにより、ICICI PFMは現在、当行の完全子会社となっている。
(ⅻ) 保険
当行は、子会社であるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド及びICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドを通じて、多様な保険商品及びサービスを提供している。ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド及びICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドはいずれも、関連するインドの証券取引所に上場している。
2026年3月31日現在、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドに対する当社の持株比率は50.9%であり、PCHLの持株比率は21.9%であった。取締役会は2026年2月に開催された取締役会において、子会社であるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式を最大2.0%追加取得することを承認した。必要な承認を得た後、当行は、2026年7月22日から2026年9月2日までの間に締結された複数のトランシェを通じ、証券取引手続により、2026年6月30日現在のICICIライフの株式資本の約2.0%の購入を完了した。これにより、ICICIライフにおける当行の持株比率は約52.8%となった。この追加取得は、主にICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式報酬が行使された場合に備え、当行の過半数の株式保有を維持することを目的としていた。
PCHLは、2026年5月17日付で最終契約を締結し、これに基づきPCHLは、適用される規制当局の承認の取得及び一定の条件を満たすことを条件として、バーティ・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式75%を取得することに合意した。これに伴い、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドは、IRDAIに対し、PCHLの分類を「プロモーター」から「投資家」へ再分類することを申請し、同時に社名を「ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド」から「ICICIライフ・インシュアランス・リミテッド」へ変更することを提議した。IRDAIは、2026年8月7日付で社名を「ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド」から「ICICIライフ・インシュアランス・リミテッド」へ変更することを承認した。取締役会は、2026年8月13日に開催された取締役会において、株主の承認及びその他の適用される規制当局の承認の取得を条件として、社名を「ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド」から「ICICIライフ・インシュアランス・リミテッド」へ変更すること、並びにそれに伴う基本定款及び付属定款の変更を承認した。
ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドは、2026年3月31日現在、3.14兆ルピーの運用資産を保有していた。生命保険評議会が発表したデータによると、2026年度の保険金額ベースの市場シェアは、市場全体及び民間市場において、それぞれ11.4%及び14.1%であった。全体の保険料は、2026年度において531.2十億ルピー(2025年度は489.5十億ルピー)であり、前年同期比で8.5%増加した。商品セグメント内では、2025年9月22日に施行された物品・サービス税(GST)改革の影響もあり、年換算保険料相当額ベースでの小口向け保険による貢献は2025年度の5.7%から2026年度には7.4%に増加した。新規事業の価値は、当該期間に作成された新規事業からの将来の利益の現在価値を測定する主要な収益性指標であり、2026年度において26.3十億ルピー(2025年度は23.7十億ルピー)であり、前年同期比で10.9%増加した。年換算保険料は106.4十億ルピー、同期間における新規事業の利益率(年換算保険料に対する新規事業の価値の比率)は24.7%であった。新規事業の価値の増加は、新規事業構造の改善及び経済的前提条件の変更によって牽引されたが、主に仕入税額控除が利用できないことによる営業上の前提条件の変更により一部相殺された。新規事業構造は、とりわけ、商品部門の構成若しくは流通チャネル又は顧客の特性の違い及び商品の価格変更の影響を含む。ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの税引後利益は、2026年度において16.0十億ルピー(2025年度は11.9十億ルピー)であり、前年同期比で34.6%増加し、これは主に、ICICI PFMの普通株式100%の売却により実現した1.1十億ルピーの利益を含む、株主資本からの投資収益の増加によるものである。当該売却取引を除くと、2026年度の税引後利益は前年同期比25.0%増加した。
「-第3-3-(5)-(a) 保険子会社による資本増加が必要となる場合若しくは当行が必要に応じてかかる会社の当行持分の一部の収益化又はかかる会社へさらなる投資ができない場合には、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格に悪影響が及ぶ可能性がある。」、「-第3-3-(5)-(b) 当行の保険事業は当行の事業において重要な部分を占めているが、その将来における成長率又は収益性の水準を保証することはできない。」及び「-第3-4-経営成績データ-(10)-(f) 生命保険セグメント」も参照のこと。
2026年度中、IRDAIが出版したデータによると、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドは、元受保険料収益総額に基づき8.5%の業界市場シェアで、国内2位の大手総合保険会社であった。2025年3月31日現在、当行のICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニーに対する株式持分は51.6%であった。ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドは、2026年度において27.7十億ルピーの純利益(2025年度は25.1十億ルピーの純利益)を計上した。
2023年5月、取締役会は、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式持分の最大4.0%を取得し、必要な規制上の承認を得ることを条件に当行の子会社とすることを承認した。当行は、規制上の承認を得て、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドに代わって、IRDAIを受益者とするコンフォート・レターを発行しており、規制ソルベンシーの最低要件を満たすことを目的に、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドに対する株式持分に比例してICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドが資金の注入を要請した場合、これを引き受けている。2024年度中、一連の証券取引を通じて、当行はICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式を複数回に分けて追加取得した結果、株式保有率が50.0%を超えたため、2024年2月29日付でICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニーは関連会社ではなくなり、当行の子会社となった。
IRDAIは、保険商品を販売するための法人代理店の登録に関する規制を策定した。かかる規制に従い、法人代理店はそれぞれ生命保険部門、損害保険部門及び健康保険部門の保険会社最大9社と保険商品の販売を目的として提携/協力することができる。当行は、当行保険子会社であるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド及びICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドと契約を締結し、これらの会社に対する法人代理店として営業し、支店、テレフォン・バンキング及びデジタル・チャネルを通じて、総合保険商品及び精選された生命保険商品を販売しており、これらの子会社から手数料を得ている。
(c) リスク管理
金融仲介機関として、当行は当行の貸付、トランザクションバンキング及び取引業務並びに当行が経営を行う環境特有のリスクにさらされている。当行のリスク管理における目標は、生じる様々なリスクを確実に把握し、評価し、監視し、管理すること、またその組織がこれらのリスクに対処するために確立された方針及び手順を厳守することである。
リスク管理枠組みは、当行及び当行の海外銀行子会社全体にわたり一貫したリスク原則を策定するための基盤となっている。取締役会は、企業リスク管理及びリスク選好度の枠組みを承認し、様々な事業ラインが業務を行う際の制限/閾値の仕組みを承認する。当行におけるリスク管理枠組みの主要な原則は以下のとおりである。
・取締役会は、当行が負っているすべてのリスクを監督する。
・取締役会の特別小委員会は、様々なリスクを監督することに重点をおくことができるように構成されている。これらの委員会及びその他の委員会についての詳細については「-第5-3 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照のこと。
・与信委員会:与信委員会の職責には、監視対象口座、不良資産、追加制裁、主要な産業部門の発展、主要な信用ポートフォリオに関する調査及び取締役会の授権に基づく与信の提案の承認が含まれる。
・監査委員会:監査委員会は、とりわけ監査機能の指針を示し、内部監査及び法定監査の質を監視している。監査委員会の職責には、財務書類及び監査報告書の検証並びに財務書類の公正さ、十分性及び信頼性を確保するための財務報告過程の監視が含まれる。
・情報技術(IT)戦略委員会:IT戦略委員会の職責は、ITの戦略及び方針に関する書類を承認すること、IT及びISの主要なリスク指標(KRI)に照らし合わせて性能を検討すること、IT及びISのリスクを確実に網羅するためにKRIの定期検討を実施すること、IT戦略が経営戦略に沿っていることを保証すること、当行の継続的発展のためのIT投資について適切なバランスを確保すること、ITに関する資金調達の合計を当行レベルで監視すること、ITリスクについて確実に適切な管理を行うための資金を経営陣が有しているか調査すること、事業に対しITが貢献しているかどうか検討を行うこと、デジタル・カウンセルの活動を監視すること、将来への即応力の観点から技術を検討すること、主要なプロジェクトの進捗状況及び重要なITシステムの性能を監視すること(IT能力所要量並びに事業継続経営及び災害復旧の適切性及び有効性の検討を含む。)、特別なITイニシアティブを検討すること、サイバーリスクを検討すること、IT及びサイバーセキュリティーの分野で当行が随時受領するインド準備銀行の検査報告書/指示書を検討すること、随時必要とされる当該報告書/指示書から生じる様々な実行事項の遵守状況を検討すること並びに効果的かつ効率的な伝達を確保するために技術及び情報セキュリティー部門における熟練した人材の配置を検討することが含まれる。
・リスク管理委員会:リスク管理委員会の職責は、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、業務リスク、外部委託リスク、モデルリスク管理、初期の警告サイン及び勘定の警告表示に関する枠組み、レピュテーションリスク、事業継続計画及び災害復旧計画に関する当行のリスク管理方針の検討並びに仲介業者のリスト作成に対する方針及びその改正を承認することである。リスク管理委員会は、あらゆる業界又は国に対する制限の設定、企業リスク管理、リスク選好度の枠組み、ストレス・テストの枠組み、自己資本充実度に関する内部評価プロセス及び資本割当ての枠組みの検討についても職責を負い、また、バーゼルの枠組みの遵守の状況、様々なリスクに対応したリスク・ダッシュボード、外部委託活動及び資産負債管理委員会の活動並びに当グループのリスク管理委員会の手続の検討についても職責を負う。リスク管理委員会はまた、サイバーセキュリティーのリスク評価を実施する。
・取締役会/取締役会レベルの委員会によって随時承認される政策は、それぞれのリスクの種類に応じて統制枠組みを形成する。事業活動は、その政策枠組みによって行われる。
・独立したグループ及び下位のグループは、様々なリスクを独立して評価し、監視し、また報告することができるように当行の組織にわたって構成されている。当該グループは、事業グループ/下位のグループから独立して機能している。
当行は、主に信用リスク、市場リスク、流動性リスク、業務リスク、技術リスク、コンプライアンスリスク、サイバーセキュリティーリスク及びレピュテーションリスクを抱えている。当行には、リスク管理グループ、情報セキュリティー・グループ、コンプライアンス・グループ、法務グループ及び内部監査グループという集権的グループがあり、これらには明確な方針及び手続に従い当行のすべての主要リスクを識別し、評価し、監視する権限が付与されている。さらに、業務グループ並びに財務監視及び報告グループは、規制、政策、承認された制限条項及びその他内部承認の運用上の遵守状況を監視する。
リスク管理グループは、さらに信用リスク管理グループ、市場リスク管理グループ(財務監視及び報告グループを含む。)、業務リスク管理グループ、モデルリスク及び検証グループ、不正リスク管理グループ並びに特別調査ユニット・グループに組織されている。リスク管理グループは、グループ・チーフ・リスク・オフィサーが率いており、リスク管理委員会の監督下にある。与信監視グループは、取引データ/書類に基づいた、借入人の与信プロファイルの監視について責任を負っている。情報セキュリティー・グループは、当行全体の情報セキュリティーに関するリスクを監督する役割を担っている。コンプライアンス・グループ及び内部監査グループの責任者は、取締役会の監査委員会の監督下にある。リスク管理グループ、コンプライアンス・グループ及び内部監査グループは、管理上は業務執行取締役に直属する。運営グループ及び情報セキュリティー・グループは、業務執行取締役の監督下にある。これらのグループはいずれも事業部から独立している。
***(***ⅰ) 信用リスク
信用リスクとは、契約相手方が契約の条項を遵守しない場合、主に当行に対する支払いが要求される金額についての支払いを行うことができない場合に生じうる損失のリスクをいう。貸付業務においては、当行は主に信用リスクを抱えている。
信用リスク管理は、取締役会によって承認された与信及び回収政策(与信政策)によって統制されている。与信政策は、供給される商品の種類、顧客の種類の概要を説明し、信用承認プロセス、与信管理、与信制限及びその他の関連事項を定めるものである。
当行は、リテール借入人に関する信用リスクをそれぞれの借入人の個人的水準及びポートフォリオの水準に応じて評価し、監視し、管理している。当行は、構造化及び標準化された与信認可過程を有しており、これには信用査定を行うために十分に確立した手順が含まれている。
当行は、信用リスク、具体的には集中リスクの観点から、リスク選好度及び制限構造を確立したが、それには以下の措置を含む。
・グループ及び借入人に対する格付及び実績に基づくエクスポージャー・リミット
・法人ポートフォリオにおける増分資産の組成に関する格付に基づく制限
・ポートフォリオ買占めの制限及び証券化
・借入人の監視に対する重点的な取組みの強化及び必要に応じた事前行動の促進を行うことを目的とした個別の与信監視グループ
・定期審査及び時系列分析による小口向け商品ポートフォリオに関する監視の強化
取締役会の与信委員会は、ポートフォリオ及び大口エクスポージャー・グループを精査する。当行には、金融犯罪防止グループという専門グループがあり、不正行為防止、捜査、調査、監視及び注意喚起活動の監視及び処理を行っている。
与信認可権限
取締役会/与信委員会は、与信認可権限方針に基づき、様々な委員会、フォーラム及び役員個人に与信を認可する権限を委ねている。与信認可権限方針は、リスク水準及びエクスポージャーの額に基づいており、より高いエクスポージャー及びより高いリスク水準の取引は、これらに応じたより高いフォーラム/委員会に回付され、認可を得るように策定されている。
当行は、その法人向け銀行業務のための与信認可権限について、与信委員会、業務執行取締役委員会、幹部役員委員会、経営幹部委員会及び信用貸付フォーラムといったいくつかのレベルを設定した。プログラムによって処遇される一定のエクスポージャーについては、共同認可枠組みに基づく承認が確立された。
小口向け与信枠は、承認された商品方針に従わなければならない。すべての商品方針は、業務執行取締役委員会により承認される。個人の与信申請は、商品方針に基づき、役員個人/フォーラムにより評価及び承認される。
独立事業体の信用リスク評価方法
すべての与信申請(小口向け商品、プログラムによる貸付、ビジネス・バンキング借入人及び農業事業のスコアカードに基づく貸付並びにその他の特定の商品を除く。)は、適当なフォーラムによる承認を受ける前に、信用リスク管理グループによって内部的に評価される。
信用リスク管理グループは、申請についての評価を行い、産業分析を(中央化された産業チームを通じて)実施し、定期的な格付の検討により与信ポートフォリオの質を監視し、与信委員会及びリスク管理委員会に対して定期的に報告を行う。当行はまた、株式計算書、銀行取引明細書及び株式監査報告書を含めて、定期的に個別の口座を監視する与信監視グループを事業グループ及びリスク管理グループと共同で設置している。非小口向けのエクスポージャーについては、貸付サービス運営グループが、与信枠のコミットメント及び支出前に、承認の条件が遵守されているか否かを確認する。当行はまた、様々な制限構造を通じて信用リスクを管理しており、かかる構造はインド準備銀行の健全性ガイドラインに沿ったものである。当行は、借入人1名に対するエクスポージャー・リミット、グループの借入人のエクスポージャー・リミット、業界のエクスポージャー・リミット、無担保のエクスポージャー・リミット並びに資本市場、銀行以外の金融会社及び不動産等の不安定な分野へのエクスポージャーに対するリミットといった、様々なエクスポージャー・リミットを設定した。また、借入人及びグループの格付及び追跡に基づき、追加のエクスポージャーに関する制限が導入された。また、国及び銀行契約相手方に対する制限が規定された。
当行は、借入人の個人レベル及びポートフォリオのレベルの両方で信用リスクを適切に識別するための、定評のある信用分析手順を有している。適切な評価方法及び信用格付方法が、様々な種類の商品及び事業のために確立された。その方法には、量的及び質的パラメーターの評価が含まれる。例えば、大企業借入人に対する格付方法には、産業、産業における借入人の事業的地位(ベンチマーク)、財務状態及び予想、管理の質、借入人により実施されたプロジェクトの影響、並びに取引戦略についての包括的な評価が必要である。
特定の借入人のリスクの分析を行った後、信用リスク管理グループは借入人に信用格付を付与する。当行は、AAAからBまでの12階級の格付を有している。借入人の信用格付は、与信認可過程において重要な判断材料である。借入人の信用格付及びかかる信用格付に対応する債務不履行の傾向は、当行のリスクに基づく価格決定の枠組みにおいて重要な情報である。融資制度についてのすべての提案は、関連する事業部門により作成され、適切な承認当局の認可を得るために提出される前に信用リスク管理グループによって精査される(小口向け商品、プログラムによる貸付、ビジネス・バンキング借入人及び農業事業のスコアカードに基づく貸付並びにその他の特定の商品を除く。)。非資金ファシリティのための認可過程は、資金ベースのファシリティのための認可過程と類似するものである。
当行の現在の格付基準では、BBB-を下回る格付(すなわち、BB及びBの格付)は、相対的にハイリスクの分類とみなされる。当行の現在の与信政策では、貸付の検討のために必要な、借入人に対して最小限の格付を明示的に与えることはしない。内部格付がBB及びBである新規/追加エクスポージャーに関するすべての法人向け貸付の申請は、当行の与信委員会に、認可を得るために送られる。内部格付がBBB-である企業について、一定水準までの新規/追加エクスポージャーは、幹部役員委員会により認可される。「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記7-「貸付金の信用度」も参照のこと。
査定過程には、借入人の業界的、財政的、商業的、技術的及び経営的な要素に関する詳細な調査が含まれる。顧客の財務要件の評価は、当行が検討する貸付金額を導き出すために行われる。各与信申請は、その後、適切な査定フォーマットで作成され、取締役会/与信委員会の定めるとおり、随時承認機関に回される。
下記に、様々な事業セグメントにおけるリスク評価プロセスを詳述する。
プロジェクト・ファイナンス・エクスポージャーの評価
当行は、プロジェクトの技術的及び財政的な実行可能性並びにスポンサーの財政力を査定する。この分析により、当行はプロジェクトの資金調達のリスクを識別、配分及び軽減することができる。
コーポレート・ファイナンス・エクスポージャーの評価(ターム・ローン/固定満期ローン)
法人向け貸付の承認手続の一環として、当行は、通常の資本支出、長期運転資金需要額及びアクイジション・ファイナンスを含め、資金調達需要額の詳細な分析を実施している。当行の長期需要額の資金調達は、裏付けとなる取引の詳細な精査及びキャッシュ・フローの分析に基づき評価される。
当行の分析により、これらの取引においてリスクを識別することができるようになった。リスクを軽減するために、当行は担保設定、現金担保設定、エスクロー勘定及び債務返済準備金の設定といった様々な信用強化手法を利用している。これらのエクスポージャーの格付の検討は、当行の資産価値精査の枠組みに基づいて行われる。与信監視グループは、事業グループ及びリスク管理グループと共同でこれらのエクスポージャーを監視する。
コーポレート・ファイナンス貸付は、固定資産(通常、有形固定資産によって構成される。)、金融資産の担保(市場証券又は場合により非市場証券等)によって担保することができ、適切なスポンサーによる法人保証又は個人保証といった契約上の与信強化を確保することができる。一定の場合には、融資の条件に、スポンサーによる借入人の株式保有に関する遵守事項及びスポンサーが保有する当該株式のすべて又は一部を売却する権限に関する制限が含まれる。
無担保コーポレート・ファイナンス貸付は、申請者の信用力及び通常申請者に提供される商品の性質に基づき、他の貸付人から無担保ローンを受けている申請者に対して貸し付けられる。企業向け無担保追加ローンは、主に高格付の借入人及び安定した基盤を持つ法人グループに限定して貸し付けられる。当行は、企業リスク管理(ERM)及びリスク選好度の枠組み(RAF)を有しており、これらは全体的な非小口向けのエクスポージャーに対する無担保非小口向けのエクスポージャーの上限を定めており、四半期ごとに監視及び精査されている。
クロスボーダーの企業合併及び買収のための資金調達に関し、当行は、被買収企業だけでなく買収者の事業内容に関する詳細なデュー・ディリジェンスも実施する。
当行は、当行で定めた条件の新規プロジェクト資金調達申請について、環境及び社会リスク評価に重点を置いている。これらの申請は、環境及び社会リスク評価の分析を全体的な信用査定プロセスに統合する社会及び環境管理枠組みに基づき検討される。当行はまた、環境、社会、ガバナンス及び気候変動リスクの側面を信用評価の一環として取り込んでいる過程にある。外部の代行業者による借入人レベルの環境、社会及びガバナンスのスコアは、利用可能な場合には、申請の評価時に考慮される。当行は、一定の基準を超えるエクスポージャーに対して、借入人レベルの評価を行うためのセクター固有の環境、社会及びガバナンスのチェックリストを開発した。当行はまた、持続可能な金融のための枠組みを開発した。これは、持続可能/持続可能性に関連した貸付の適格基準に関するガイダンス、ファシリティの評価に関するガイダンス並びに当該ファシリティの監視及び報告を提供するものである。当行は、当行の事業を支える重要なインフラ資源に対する気候変動の影響評価を実施している。さらに、当行は、気候変動リスクに関するストレス・テストを、年次ICAAPの下シナリオに基づくストレス・テストの一環として検討している。このストレス・テストには、ホールセール・バンキング・ポートフォリオの主要カウンターパーティーに対する物理リスク及び移行リスクの影響が含まれる。
運転資金金融エクスポージャーの評価
当行は、借入人の運転資金需要額の詳細な分析を実施している。与信限度額が一旦承認されると、当行は、借入人により提供される月次株式計算書の分析及び規定された利幅に基づき貸し付けることのできる金額を計算することができる。与信限度額は、定期的に検討される。
運転資金制度は、一般的に棚卸資産、受取債権及び他の通貨資産により担保されている。さらに、特定の場合、当行は、スポンサーからの個人保証若しくは法人保証、又は設備機器を含む借入人の固定資産における劣後担保権といった契約上の与信強化を確保する。
小口向け貸付の評価
小口向け信用エクスポージャーの組成及び承認は、独立性を確保するために分離されている。
与信及びプロセス管理グループ内のプロセス管理グループは、小口向け資産の提供に関する基準を記載した運営ガイドライン及びプログラムの留意事項の草案作成について責任を負っている。信用リスク管理グループは、取締役会及び取締役会により権限を与えられたフォーラムによる、承認のために提案された方針基準の策定並びにすべての与信方針及び運営方針の審査のレビューを含め、小口向け資産の信用リスク問題につき監視する。これらのグループは、すべての小口向け資産のポートフォリオの監視並びに政策変更の提案及び実行にも携わっている。データ・サイエンス及びデータ分析グループは、顧客区分ごとの特定の戦略、ポートフォリオ追跡及びモニタリング・レポート、分析、モデル及びスコアカード開発並びにデータベース管理の考案について責任を負っている。クレジット・チームは、事業部からは独立しており、小口向け販売及びサービス構造をサポートするために様々な地域に組織されている。
当行の与信審査役は、業務執行取締役委員会により承認された運営ガイドラインに基づき与信申請を評価する。この基準は、商品の種類によって異なるが、一般的に借入人の収入、レバレッジ、融資比率及び人口統計のパラメーターを含んでいる。実地調査代行業者といった外部の代行業者は、適用されるガイドラインにより必要に応じて借入人の事務所や家庭への訪問を含む総合的なデュー・ディリジェンス過程をスムーズに行う。当行はまた、借入人のプロフィールを精査するために、集約した滞納ローンのデータ及びクレジット・ビューローからの報告書を利用する。個人向け貸付及びクレジットカードを除き、当行は一般的に借入人からの拠出を求めており、その貸付は資金提供を受けた資産により担保されている。住宅ローン及び中古車ローンについては、価格査定代行業者が評価を実施する。特定の商品については、当行は、貸付評価の基準の1つとなるクレジットスコアカードを導入した。
小口向け無担保ローンは主に、個人向け貸付及びクレジットカードである。当行の小口向けポートフォリオは、リターン・オブ・キャピタル及びエコシステム主導のサービスを基本原則とし、既知で評価可能な質の高い顧客をターゲットとし、既存のプロセスの集中を緩和し、すべて顧客中心主義のアプローチにより構築されている。企業リスク管理体制では、小口向け無担保エクスポージャー全体並びに個人向け貸付及びクレジットカードに対する制限が個別に規定されている。小口向け無担保ローンにおける基準も規定されている。ポートフォリオのデフォルトリスクも、当局のスコア帯ごとに借入人に対する無担保ローンの増分組成比率により監視される。増加分及び全体的なポートフォリオの当局のスコアの分布は精査され、リスク管理委員会に四半期ごとに報告される。さらに、認可権限も、当局スコア及び商品に関連したリスクに基づいている。
デジタル信用貸付の一環として、当行は、デジタル・チャネルを通じて小口向け資産商品を顧客に提供している。その戦略の一部として、当行は、顧客を区分しリスクを軽減するため、多様なクレジット・フィルターを使用している。ポートフォリオ構築戦略は、主要な小口向け資産商品における組成のためのフィルタリング前顧客データベースの活用に基づいており、主な増分組成は既存の顧客との信頼関係によるものである。
当行は、様々な小口向け資産商品のポートフォリオ買占めを実施している。かかるポートフォリオは、保有期間、最少投資金額、融資比率及びロケーション等の、フィルターを適用することによって選別され、売主による最低保有期間及び最低保有要件に関する規制要件を満たしている。買占めは、直接の譲渡の形か、又は証券化債券への投資による。
当行は、その小口向け資産事業のバック・オフィス処理における業務リスクを管理するために中央集約化された運営体制を構築し、また、顧客への応答時間を短縮するために事業を分散化した。与信及びプロセス管理グループの下にある別個のチームは、様々な商品にわたり信用状況及び過程の精査及び監査を行っている。当行は、債務の回収を管理するために、債務サービス管理グループを擁している。当該グループは、標準化された回収手順のガイドラインに従って運営されている。
ビジネス・バンキングの借入人の評価手続
当行のビジネス・バンキング・グループは、個人事業体並びに企業のディーラー及びベンダーへの融資を含む、零細、小規模及び中規模企業(MSME)の金融ニーズに対応している。
かかるビジネス・バンキング・グループ向け融資には、小企業に対して直接融資するものの他に、パラメーター化された商品に応じた与信枠に基づく貸付も含まれる。これには、一定のパラメーター化された基準に従った、個人又は事業体から成る同種のグループごとに貸付プログラムを実施する、集団を基準とした手法が含まれる。さらに、業務執行取締役会が承認したとおり、共通の目標市場基準及び継続か中止かのパラメーターを持つ個人/事業体/業界の多様な集団に対しても、プログラムを作成することができる。かかる集団のリスク評価は、目標市場のための適切な与信基準の識別、これらの基準を満たした企業のスコア化されたモデルの利用及びスコア化されたモデルにおいて最低限のスコアを付与されている企業の総合的な査定を含む。
当行には、様々な財務及び非財務のパラメーター並びに目標市場基準に基づいたビジネス・バンキング顧客に対する貸付のための様々なプログラムがある。プログラムの基準は、業務執行取締役委員会によって承認され、個人の与信申請は、これらの承認された基準に基づきクレジット・チームにより評価される。さらに、デジタル・プラットフォームでは、プログラムが定める与信基準及び担保基準を満たす場合、30百万ルピーまでのエクスポージャーを認可することができる。
より高額の貸付の場合、内部で開発された統計的にスコア化されたモデルが、中小企業及び中規模法人セグメントにおけるほとんどの場合を評価するために使用されている。引受プロセスは、銀行取引明細書分析ツール、当局の報告書の自動取得ツール及びスコアベース分析用のデフォルト確率スコアを計算する強化されたビジネスルールエンジン等の様々なデジタル・ツールを統合している。すべての場合において、企業の信用力を評価するため、財務/非財務のパラメーター(GSTに関する情報/アカウント・アグリゲーターからの情報を含む。)に基づいた詳細な査定が行われる。
また、当行は、ベンダー又はディーラーの基本的な信用状況を高めるストラクチャーの実施により、大企業及び中企業に関連するディーラー及びベンダーへも融資を行っている。手続は、ベンダー又はディーラーの基本的な信用状況の分析並びにベンダー又はディーラー及びアンカーとの間に存在する関連性の分析を含む。ディーラー及びベンダーに対する制限の承認は、手動及びデジタルで行う。
農村及び農業向け貸付の評価手続
農村及び農業ポートフォリオは、農業及び関連業務に従事する個人向け及び非個人向けの貸付から成る。これらの貸付は、作物生産及び維持、消費、資産の取得及び借入人の収入創出要件を満たすことを目的に貸し付けられる。
販売及び与信の決定方法に係る機能は、分離されている。与信及びプロセス管理グループ内のプロセス管理グループは、プログラムの留意事項及び運営上のガイドラインの草案作成について責任を負っている。信用リスク管理グループは、農村及び農業向け貸付に関する信用リスク(所有を含む。)に係る問題を監督し、取締役会及び取締役会により権限を与えられたフォーラムによる承認のために提案されたすべての与信政策並びに運営政策について審査を行う。これらのグループは、すべての農村資産のポートフォリオの監視並びに政策変更の提案及び実施にも関与する。データ・サイエンス及びデータ分析グループは、顧客区分ごとの特定の戦略、ポートフォリオ追跡及び監視、分析、モデル及びスコアカード開発並びにデータベース管理の考案について責任を負っている。クレジット・チームは、事業部からは独立しており、販売及びサービス構造をサポートするために様々な地域に組織されている。
金の装飾品及び金貨に対する貸付の与信基準は、当行が任命した外部の鑑定士の協力を得て、借入人の返済能力を評価した上で、当該宝石類の真正性(純度及び重量)の証明を重要視している。また、規制ガイドラインに従って、融資比率についての基準が定められた。借入人の返済能力は、データ・サイエンス及びデータ分析グループが開発したモデル又は与信チームを通じて評価される。
農産物を担保とした貸付の場合、与信基準は当該農産物の質、量及び価格の変動を重要視している。専門グループが、資金調達時に直接又はグループが指名する代行業者を通じて評価し、支払後の定期検査も請け負う。価格監視及び融資比率に関する基準が定められた。
「-第3-3-(3)-(k) 新規事業への参入又は既存の貸付ポートフォリオの急拡大により、当行は当行の事業に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクにさらされている。」も参照のこと。
リスク監視及びポートフォリオ審査
当行は、リスクに基づく資産精査の枠組みを通じて与信枠を監視しており、より多くのエクスポージャーがある場合及びより低い格付の資産の場合、資産精査はより頻繁に行われる。法人及びビジネス・バンキングに対して、資産及び負債運営グループ―貸付サービス運営グループ(ALOG-LSOG)が、支出/上限設定前に、制裁承認の条件の遵守について確認する。
与信監視グループは、事業グループ及びリスク管理グループと共同で、法人及びビジネス・バンキングの借入人口座を監視し、口座の行為及び行動に基づいてトリガーを特定する。これらのトリガーは、リスク・チーム及びビジネス・チームに対して明確に示され、評価及びポートフォリオ分析の過程に含まれる。これにより、エクスポージャーに対して適時に対応をとることができる。
リスク・ダッシュボードの一部分として、内部格付に基づく当行のポートフォリオ構成の分析が実行され、四半期ベースでリスク管理委員会に提出される。これによりポートフォリオの信用リスクにおける動向の識別及び分析を行うことができる。
当行の与信委員会は、提示を承認する他に、ポートフォリオ及び様々な下位のポートフォリオの信用状況について定期的に審査する。与信委員会によって実行された審査の概要は、情報提供のために取締役会に提出される。
当行の企業リスク管理の枠組みは、主要な小口向け商品の延滞誘因としてベンチマーク・ヴィンテージ曲線を定義している。これらの商品の実際の延滞は、ベンチマーク・ヴィンテージ曲線に照らして監視され、必要に応じて、分析及び直接的な回収戦略並びに開始基準の検討を可能にする。企業リスク管理の枠組みの一環として、小口向けポートフォリオには、当局のスコアが低い顧客に対する増分組成の閾値も規定されている。
***(***ⅱ) 市場リスク
市場リスクとは、金利、為替レート、クレジット・スプレッド及びその他の資産価格といった市場における可変要素の変動の結果、金融商品の価値が変動したことにより生じる損失の可能性をいう。当行の市場リスクに対するエクスポージャーは、当行の取引業務及び資産負債管理業務と相関関係にあり、当行の顧客関連取引における金融仲介機関としての役割でもある。これらのリスクは、取締役会によって承認及び審査された投資方針(デリバティブ方針を含む。)及び資産負債管理方針において規定された制限によって軽減されている。
市場リスク管理手続
資産負債管理方針は、流動性リスク及び金利リスクの制限を全体的な水準を基に規定し、資産負債管理委員会は、かかる制限の遵守を審査し、現在の、また予想される環境を考慮して戦略を決定する。投資方針は、様々な資金調達商品への投資に関連する問題に対処するものであり、銀行向けデリバティブに関してインド準備銀行が発行した総合的なガイドラインに沿って策定されたデリバティブ方針を含む。この方針は、有価証券並びに外国為替及びデリバティブの分野の運営が健全かつ容認可能な商慣行及び現在の規制ガイドライン、金融保証の取引を統制する法律並びに金融環境に従って遂行されていることを確実にするように策定されている。この方針には、金融商品取引を統制する制限構造が含まれている。取締役会は、リスク管理委員会、資産負債管理委員会及び業務執行取締役委員会(借入、財務及び投資業務)に対して、取締役会によって承認された方針により規定された広範な条件内で財務活動に関する特定の承認を付与する権限を付与した。
資産負債管理委員会は、マネージング・ディレクター兼最高経営責任者、常勤取締役及び上級管理職から成り、定期的な会合を行い、取引グループ並びに金利及び流動性ギャップ・ポジションを検討、預金及び貸付金利水準を設定し、様々な種類の貸付金に係る価格決定方法を精査し、並びに様々な資金調達商品の評価方法、事業の特徴及びそれが資産負債管理に対して与える影響を精査し、現在の、また予想される事業環境を勘案して、適切であるとみなされた資産負債管理戦略を決定する。資産負債管理方針は、バンキング・ブック上の流動性リスク及び金利リスクを管理するための指針を定めている。
市場リスク管理グループは、市場リスクの識別、評価及び測定について責任を負っている。取引額限度及びストップロス・リミットを含むリスク制限は、財務監視及び報告グループにより日々報告され、定期的な検討が行われる。外国為替リスクは、ネット・オーバーナイト・オープン外国為替制限を通じて監視される。バンキング・ブック上の金利リスクは、価格改定のギャップ/デュレーション分析の利用を通じて測定される。金利リスクはさらに取締役会によって承認された金利リスク制限を通じて監視される。
金利リスク
当行の基幹事業は、インド準備銀行の許可に従い、インド・ルピー建て及び外貨建てで行われる預金受入れ、借入及び貸付である。これらの業務により、当行は金利リスクにさらされている。
当行の貸借対照表は、インド・ルピー建て及び外貨建ての資産及び負債で構成されているが、ルピー建ての資産及び負債の割合が圧倒的に高い。したがって、インドの金利変動が、当行の金利リスクの主な要因である。
金利リスクは、収益面からはアーニング・アット・リスクを用いて測定され、経済的価値の面からは株式の投資期間を通じて測定される。さらに、金利の変動によるエクスポージャーもまた、ギャップ分析の方法で測定されており、これにより満期についての静態的な見解及び貸借対照表上のポジションの再評価の特性が定められている。当行は、上記測定を通じて金利リスクを2週間ごとに監視している。当行単体のデュレーション・ギャップ分析及び金利センシティビティ・ギャップ報告書は、毎月インド準備銀行に提出される。加えて、海外支店の金利ギャップ報告書は、適用あるガイドラインに基づき受入国の規制当局に提出される。当行は、金利オプション・ポートフォリオのセンシティビティについても監視を行っている。
当行の資金調達の主な源泉は預金であり、さらに限定すれば借入である。ルピー建市場においては、当行の預金受入れのほとんどは、固定金利にて行われる。特定の満期がなく、要求に応じて引き出すことのできる普通預金勘定及び当座預金勘定を除いて、当行は一定期間において預金を受け入れる。国内の事業における当座預金勘定は、無利息である。当行の借入は、通常一定期間内であり、そのうち資本商品として適格な特定の借入には、特定の日においてのみ、規制当局の承認に従い、当行によって行使可能なヨーロッパ・コール・オプションが付されている。資産面において、当行は、変動及び固定金利混合の資産を有する。一般的に当行のターム・ローンは、少しずつ返済が行われるものであり、ターム・ローンの全期間にわたって元金が返済される。
法定準備金規制に従い、当行は、当行の資産の大部分を国債及びインド準備銀行の無利息の残高の形式で有しており、主に預金及び借入による資金で構成されている。これにより、当行は法定準備金の利回り及び関連する資金調達費用の差異に関するリスクにさらされる。
当行の海外支店における長期外貨建貸付のほとんどすべてが変動利率による貸付である。これらの貸付には一般的に当行の海外支店における外貨建ての借入金及び預金が充当されている。当行は、通常、長期外貨建ての借入金を、世界有数の銀行との金利及び通貨スワップを利用することによって、変動利付米ドル建負債に変換している。当行の英国及びカナダにおける海外子会社は、資金調達の源泉として、固定利率による小口向け定期預金及び固定利率/変動利率による大規模な借入を有しており、さらに英国の子会社は、変動利率による預金及び非利付流動性預金を有している。かかる英国及びカナダにおける海外子会社はまた、固定利率による資産及び変動利率による資産も有している。金利リスクは、一般的に、必要な場合はいつでも投資及び国債のポートフォリオの期間の延長/縮小並びに/又は金利デリバティブを行うことで管理されている。当行は金利スワップ市場に積極的に参加しており、インドにおいて最大のスワップ契約当事者の1つとなっている。
当行の金利リスクに対する脆弱性については、「-第3-3-(3)-(e) 当行の銀行業務及び取引業務は、特に金利リスクの影響を受けやすく、金利の変動は、当行の純金利差益率、固定利付ポートフォリオの評価、財務活動による収益、貸付ポートフォリオの価値及び財務実績に悪影響を及ぼす可能性がある。」及び「-第3-3-(3)-(f) 当行が信用リスク、市場リスク又は流動性リスクを効率的に管理できない場合並びに当行の評価モデル及び会計上の見積りが不正確であった場合、当行の収益、資本、信用格付及び資金調達コストに悪影響が及ぶ可能性がある。」を参照のこと。
株式リスク
当行は、株式リスクを当行のインベストメント・ブック及びトレーディング・ブック両方の一部とみなしている。2026年度末現在、当行は総額270.5十億ルピーの株式投資ポートフォリオ(関係会社への投資を除く。)を有しており、主として当行による投資54.5十億ルピー及び当行の保険子会社による投資214.8十億ルピーで構成されていた。当行はまた、株式投資を貸付からの転換によって取得し、また、その性質上長期投資となる非上場株式への投資も取得した。当行はまた、当行の子会社であるICICIベンチャーが主に管理する、オルタナティブ投資ファンド/ベンチャー・キャピタル・ファンドに投資する。かかるファンドは、主に株式並びに株式連動商品及び非転換商品に投資する。かかるファンドへの当行の投資は、その性質上、当行のその他の株式投資と類似しており、同様のリスクにさらされている。さらにかかる投資は、かかる株式ファンドに適用ある規制及び税制上の方針変更によるリスクにさらされている。ICICIセキュリティーズ及びICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップも小規模のエクイティ・デリバティブ・ポートフォリオを有している。当行のトレーディング目的投資及び売却可能投資の詳細については、「-(b)-(ⅷ)-財務」を参照のこと。
当行の株式トレーディング・ブックを管理する自己勘定トレーディング・グループの株式ポートフォリオにおけるリスクは、投資方針に規定されたポジション・リミット、バリュー・アット・リスク及びストップロス・リミットを通じて操作される。このポートフォリオには、上場株式、株主持分のミューチュアル・ファンド並びにインフラ投資信託及び不動産投資信託への投資に加え、これらの投資の新規公募に対して支払われる申込代金が含まれる。バリュー・アット・リスクは、トレーディング・ポジションによる損失の統計的リスクを、特定の信頼水準及び一定の計測期間をもって測定する。「-1 主要な経営指標等の推移」を参照のこと。
為替リスク
当行は、外国為替先物取引、オプション、スワップ及びそれらの組み合わせ等の金融商品を顧客(主に、銀行及び法人顧客である。)に対して提供している。当行は、これらの取引により生じるリスクをヘッジするために、また貸付を支援する借入の通貨と異なる通貨で行われる外貨建貸付のために、クロス・カレンシー・スワップ、先物取引及びオプション取引を利用している。これらの取引の一部は、ヘッジ会計の要件を満たすことができない場合があり、時価会計に従っている。外貨建市場における取引活動によって、当行は為替リスクにさらされている。このリスクは、契約相手方についての制限を設定し、外国為替オーバーナイト及び日中ポジション・リミット、オプションに係る感応度制限並びに日次/四半期ごと/年次の累積のストップロス・リミットを定め、また例外報告を行うことにより軽減される。
デリバティブ商品のリスク
当行は、先物取引、オプション、スワップ並びに外国為替及び金利のそれらの組み合わせを含む種々のデリバティブ商品をリスク管理の目的で顧客に提供している。これらの取引に関する市場の変動による利益又は損失は、顧客が負担する。銀行間市場で全体的に又は部分的に補填されない取引に関して、当行は、投資方針に規定された制限内でオープン・ポジションを保有する。デリバティブ取引は、特定の債務者が、期限を迎える契約に関する支払いを行うことができない場合に、カウンターパーティー・リスクにさらされる。
バーゼル銀行監督委員会により公表された中央清算されないデリバティブ取引に係る証拠金規制、インド準備銀行が発表したガイドライン及び海外の規制当局が発表したガイドラインに関して、一定のデリバティブ取引はクレジット・サポート・アネックスに従った証拠金の預託及び担保の変更の対象となる。インド準備銀行は、当行に対し、許可された対象事業体とのデリバティブ契約の証拠金を計上及び回収することを認めた。当行はまた、中央清算されないデリバティブの一部について、国際スワップ・デリバティブ協会が定めた標準証拠金モデルを導入し、当初証拠金規制の見積りを行っている。当行は、一定のデリバティブ取引をインド・クリアリング・コーポレート・リミテッドやロンドン・クリアリング・ハウス・リミテッドといった適格中央機関を通じて決済し、適格中央機関が定める証拠金規制に従って担保を計上している。
当行はまた、金利及び外国為替間のリスクをヘッジする目的で金利及び通貨デリバティブ取引を締結し、また、自己勘定でデリバティブ商品の取引に従事する。
クレジット・スプレッド・リスク
クレジット・スプレッド・リスクは、固定利付証券への投資から生じるリスクである。したがって、クレジット・スプレッドのボラティリティは、当行が保有するこれらのポートフォリオの価値に影響する。当行は、ポートフォリオを厳密に監視し、リスクは、1ベーシスポイント・クレジット・スプレッド(CS01)制限、投資制限、格付に関する制限、単一発行者についての制限、満期に関する制限を設定し、日々の及び累積のストップロス・リミットを定めることにより監視される。
流動性リスク
当行は、資産負債管理方針に従って流動性リスクを管理している。この方針は、適用ある規制ガイドラインに基づいており、取締役会によって承認されている。当行の資産負債管理委員会は、戦略の策定及び精査を行い、資産負債管理方針において設定された枠組みの中で流動性リスクの管理のための指針を提供する。リスク管理委員会が、資産負債管理委員会を監督する。
当行は、構造的流動性報告書、動的流動性キャッシュ・フロー報告書、流動性比率及びシナリオ分析によるストレス・テストを含め、流動性リスクの測定のために様々な手段を利用している。構造的流動性報告書は、資金需要純額の測定及び管理並びに様々な満期バケット内の資金の将来における余剰額又は不足額についての査定を行うための標準的手段として利用されている。各バケットにつき策定されたギャップ・リミットに対する累積利用は、当行の資産負債管理委員会により検討される。
当行はまた、予定されているキャッシュ・フローに加え、増加する事業及びその資金調達に関連する流動性要件について考慮する動的流動性キャッシュ・フロー報告書を資産負債管理委員会に定期的に開示している。ストックとフローの手法の一貫として、当行は様々な流動性比率及び資産負債管理方針に基づきこれらの比率に対して規定される制限を監視している。
流動性の資金源、流動資産の水準、LCR及びNSFRは、「-第3-4-経営成績データ-(7) 流動性リスク」に記載されている。
当行は取締役会によって承認された流動性のストレス・テスト体制を有しており、これに基づき当行は、一連のストレス・シナリオに基づく当行の流動性ポジションを評価し、各シナリオに基づくアウトフローを緩和するために当行が講じる可能性のあるあらゆる措置を検討している。2026年度中、各ストレス・シナリオの結果は、取締役会が承認する限度内であった。
リスク管理委員会は、潜在的な流動性の不測事態につき継続して監視するための体制及びかかる不測事態に対応するための行動計画を策定する、流動性危機管理対策を承認した。この流動性危機管理対策は、いくつかの流動性指標となる要因を策定しており、これらは所定の頻度(毎日又は毎週)で監視され、流動性の不測事態が生じた場合の様々なチームの実行手順及び責任についても規定するものである。
流動性リスクを管理するための類似の制度が、当行の海外の銀行子会社のそれぞれにおいて構築され、かかる子会社が負うリスクに対処し、受入国の規制上の要件(適用ある場合)に適応している。
当行の英国における子会社は、その資金調達の要請に柔軟に対応できるよう、様々な流動性の源泉へのアクセスを有している。現地の規制上の要件に従って、ICICIバンクUKピーエルシーは、取締役会に承認された流動性充実度に関する内部評価プロセスの文書を保有している。流動性充実度に関する内部評価プロセスは、ストレス・テストの枠組み並びに流動性及び資金調達リスク制限の概要を示す。これらの制限は、ICICIバンクUKピーエルシーの資産負債管理委員会により少なくとも月に1回監視されている。ICICIバンクUKピーエルシーは、2026年度を通して、これらの要件を遵守していた。当該会社は、2026年度中、法定の水準の100.0%を上回るLCRを維持し、健全性規制機構により規定された第2の柱の流動性要件を遵守した。
カナダでは、金融機関監督庁のLCRのガイドラインに基づき、金融ストレスがない限り、LCRの値が100.0%を下回らないことを銀行に要求している。2026年3月31日現在、ICICIバンク・カナダは、LCRを規定最低値である100.0%超に維持した。金融機関監督庁は、カナダの各銀行が、銀行の流動性管理システム全体内で流動資産の役割を統合及び定義し、流動資産保有の最低目標を設定する内部流動性方針を持つと予想している。ICICIバンク・カナダは、その取締役会が承認した流動性管理政策及び市場リスク管理政策を有している。これらの制限は、ICICIバンク・カナダの資産負債管理委員会により少なくとも月に1回監視されている。ICICIバンク・カナダは、2026年度を通して、これらのガイドラインを遵守していた。
さらに、満期、資産及び負債のパターン並びに正味キャッシュ・フローに関する詳細が含まれる正味累積キャッシュ・フロー情報は、金融機関監督庁に毎月共有されている。
「-第3-4-経営成績データ-(7) 流動性リスク」も参照のこと。
***(***ⅲ) 業務リスク
業務リスクとは、内部の手続、人員及びシステムの不足若しくは不調又は外部的事情により生じる損失のリスクである。業務リスクには法的リスク(ただし、戦略的リスク及びレピュテーションリスクを除く。)が含まれる。法的リスクには、示談だけでなく、監督行為による罰金、罰則又は懲戒的損害賠償に対するエクスポージャーも含まれるが、これに限定されない。
業務リスクに係る管理は、取締役会が承認した業務リスク管理政策により規定される。かかる方針は、海外支店を含む当行全体に適用され、業務リスクの管理及び軽減についての明確な説明責任及び義務を負う旨を保証し、業務リスクについて共通の認識を高め、内部統制を強化できるよう事業及び運営グループを補佐する。取締役会は、当行の様々な事業活動に関連するリスクを検討するために業務リスク管理委員会を設置した。業務リスク管理委員会は、様々な主要な業務のリスク構造、業務リスクの管理及び取締役会が承認する業務リスク管理政策の実施に使用するツールを検討する。商品/派生商品の承認手続に関する枠組みは、2026年4月18日に取締役会により検討及び承認され、リスク管理委員会に対し、定期的な見直しが委任された。この枠組みは、商品及び派生商品に関するガバナンス及び承認メカニズム、保証機能による査定手続並びに保証機能による独立した査定手続についての概要を示す。COEDは、「手続承認枠組み及び運用ガイドライン」の手続の承認枠組みを承認した。この枠組みは、承認済の商品/サービスに関する手続の承認、検討及び廃止の手順を定めている。
当行の業務リスク管理手続の主要な要素は、リスクの識別及び評価、リスク測定、リスクの監視並びにリスクの軽減である。
当行は、内部統制のための総合的なシステムの維持、取引を監視するシステム及び手順の構築、主要なバックアップ手続の維持並びに定期的な危機管理計画の策定によって業務リスクの軽減を目指している。
業務リスクの重要性が増していることを考慮して、当行は、重要なプロセスの識別、業務リスクインシデントを詳細に分析するプロセスの制度化及びプロセスを改善するための学習のフィードバックループの構築を通して、当行の業務リスクの枠組みを強化している。
当行の業務管理及び手続は、以下のとおりである。
小口向け銀行業務における業務管理及び手続
当行は、顧客に対する販売、評価、サービス及び監視において、明確に定義された商品、販売、与信及び業務体系を有している。当行は、支店、テレフォン・バンキング、デジタル/オンライン、業務代理店及び選任されたサービス提供者等の様々なチャネルを通じて、顧客に小口向け商品及びトランザクションバンキング商品を提供している。顧客口座に関連する銀行取引は、内蔵式システムチェック及び承認手順により処理され、取引もまた、一定の基準に基づき強化されたデュー・ディリジェンスに従っている。当行は、国内各地の都市に指定の中央処理センター及び地域処理センター並びにテレフォン・バンキングを通じた顧客へのバンキング・サービスを拡充するために複数の都市にコンタクトセンターを有している。
ホールセール銀行及びトランザクションバンキングのための業務管理及び手続
ホールセール銀行業務の信用リスクは、信用リスク管理グループによって個別に評価される。法務グループは、担保構造及び文書作成の状況を検討し、業務グループは、承認された限度条件に関してローンの文書の照合及び精査を実施し、承認された限度条件の重要な遵守事項を確認し、当行が供与した信用に対する担保権の設定及びその他の重要な側面を監視する。
財務上の業務管理及び手続
当行は、財務関連業務に関して内部統制を有している。それには、財務フロント・オフィス並びに財務及び証券サービス・グループ間の任務の区別、一部の管理手続、詳細にわたる報告書による監視手続並びにディーラーのための明確な行為規範が含まれている。当行は、財務関連業務に関して、取引量制限、商品投資制限及び市場リスク制限を含む制限も設定した。潜在的な誤販売のリスクを軽減させるため、顧客の適合性及び適切性の方針が実施されている。同様に、潜在的な契約上のリスクを軽減させるため、店頭での取引実行に関する会話は録音される。管理対策の一部には、取引検証の独立性、取引確認、文書作成、制限監視、財務会計、決済、調整及び規制遵守が含まれる。さらに、未確定及び未決済の取引(もしあれば)、確定又は決済の遅延並びにその他の潜在的問題についてモニタリングを実施している。
ITのための業務管理及び手続
当行は、IT及びセキュリティーに対してガバナンスの枠組みを持ち、独立取締役が議長を務める取締役会レベルの委員会であるIT戦略委員会により監視されている。当行のセキュリティー戦略は、多層防御の原則に基づいており、当行のITリスクの枠組みは、役割及び責任が明確に定義された3つの防御ラインを表している。当行は、当行の事業部門から独立している情報保護及び金融犯罪防止を担う部門に注力している。ITシステムの問題に直面する顧客の利用促進等、顧客に対するサービスの利用可能性及び継続性を提供する試みに関して、当行は、災害及び非常事態の場合のITシステムの速やかな復旧のための事業継続経営及び災害復旧方針を有している。
かかるシステムを監視するために当行は、IT指令センター(ネットワークオペレーションセンターを含む。)を保有している。これは、当行のITインフラストラクチャーのすべての階層(サーバー、ストレージ及びネットワーク)の設計及び冗長性に対して耐久性を有することで補完されている。当行は、変更管理、識別管理、アクセス管理及びセキュリティーオペレーションのための手続を保有しており、かかる手続は、常にリスクの発生に対応し、当該リスクを軽減するのにふさわしい管理を実施するため、定期的に検討され、改良される。当行は、遠隔地の複数ヶ所に完全装備の災害復旧装置を保有しており、定期的な災害復旧訓練を実施している。さらに、新たなアプリケーションの導入時には、厳しいゲート規制が設けられている。
当行は、アプリケーション・アーキテクチャー、ネットワーク及びインフラの観点から、当行のITの耐久性を強化するための適切な措置を継続的に検討し、実行する。
第三者リスク
取締役会は、外部委託活動に関するガバナンスを監督するための外部委託方針(事業及びIT)を承認した。かかる方針に基づき、取締役会及び幹部役員は、外部委託活動に内在する外部委託のリスクを監視する責任を負う。取締役会は、外部委託委員会を設置し、かかる委員会は新たな外部委託活動を承認し、外部委託方針の定期的な検討及び実施を行い、外部委託方針を支援するその他の機能を果たしている。
不正リスク
不正リスク管理の枠組みは、取締役会により承認された、グループ不正リスク管理方針により規定される。当行は、インド準備銀行の不正に関する基本方針を遵守し、不正監視委員会(FMC、当委員会)を設置した。当委員会は、当行における不正事案の監視及びフォローアップ並びに不正リスク管理の有効性を監督することを目的とした取締役会特別員会である。
FMCは、当行における不正リスク管理の有効性を監視し、内部統制、リスク管理枠組みの強化、不正事案を最小限に抑えるための是正措置を提案する。また、30百万ルピー以上の金額が関わるすべての不正に加え、その他の不正についても監視、検証し、組織的な不備を特定し、必要に応じて内部統制、リスク管理枠組みを強化するための是正措置を提案することを目的としている。当行はまた、金融犯罪防止グループ(FCPG)という専門チームを設置し、不正の防止、発見、調査、監視、報告及び啓発活動を監督/担当している。これらの機能は、規制ガイドラインに沿って、主に一元的に遂行されている。
***(***ⅳ) ITリスク
ITリスクとは、ITシステム及びプロセスの使用から生じ得る潜在的なネガティブな結果のことを指す。ITリスクには、事業混乱リスク及びデータ漏洩リスクが含まれる。ITリスクの管理は、取締役会が承認した業務リスク管理政策の付属文書である情報セキュリティー方針及びサイバーセキュリティー方針により規定される。情報セキュリティー方針及びサイバーセキュリティー方針は、海外支店を含む当行全体に適用され、ITリスクの管理及び軽減についての明確な説明責任及び義務を負う旨を保証し、重要なITプロセスにおいて共通の認識を高め、IT業務における内部統制を強化できるようITグループを促進する。取締役会は、当行の様々な技術ソリューションに関連するリスクを検討するためにIT戦略委員会を設置した。
ITリスク管理プロセスの重要な要素は、リスクの識別及び評価、リスク測定、リスクの監視並びにリスクの軽減のために、IT業務の様々な分野における方針及び枠組みを策定することである。
「-第3-3-(4)-(b) 当行は、サービス妨害攻撃、インサイダーによる特権アクセスの悪用、ハッキング、当行の従業員及び顧客を標的とするソーシャル・エンジニアリング攻撃、マルウェアの侵入又はデータ破壊攻撃並びになりすまし犯罪等、機密情報の漏洩につながり、当行の事業又は評判に悪影響を及ぼし、かつ重大な法律上及び財務上のエクスポージャーを生み出す可能性のあるセキュリティーリスクに直面している。」も参照のこと。
***(***ⅴ) 反マネーロンダリング管理
当行は、2002年マネーロンダリング防止法(PMLA)に基づいた規定に従って顧客の本人確認(KYC)/反マネーロンダリング(AML)/テロ行為のための資金調達の取締強化に関する統制、同統制において公布された規則及び規制当局が随時発表する指示を実施してきた。
これらの統制の実施は、AML/テロ行為のための資金調達の取締強化の遵守基準を定め、当行のインドの戦略的事業部門、海外支店、銀行子会社及び銀行以外の子会社を含む当行のすべての活動に適用されるグループのKYC、AML及びテロ行為のための資金調達の取締強化政策の制定、AMLの体制の実施に関する監査委員会による監督、PMLAに基づく義務全般の遵守を確保するための常勤取締役の任命、AMLの体制の実施について日々の監視責任を負う主席役員としての上級役員の任命、適切なKYC手続の実施(該当する場合、規制当局により発行された制裁リスト及びその他のネガティブリスト並びに顧客を高、中又は低レベルのリスクに分類する顧客リスク分類による顧客の名義の識別を含む。)自動化されたアプリケーションによるリスクに基づく取引の監視及び規制当局への報告の手続、並びにKYC、AML及びテロ行為のための資金調達の取締強化政策に関して従業員を教育するため及び顧客認識を高めるための適切な制度の実施を含む。直面するマネーロンダリング及びテロリスト資金調達リスクを特定、評価及び理解し、リスク・ベースの手法に従った効果的なリスク軽減措置を採用することを目的として、当行は、マネーロンダリング/テロリスト資金調達リスク評価の枠組みを策定した。
「-第3-3-(2)-(a) 金融部門における監督及び遵守の環境が強化されると、当行が公式又は非公式にかかわらず規制措置の対象となるリスクが増加する。」及び「-第3-3-(3)-(i) ネガティブな評判により当行の評判が損なわれ、当行の事業及び財務実績並びに当行株式及びADSの価格が悪影響を受ける可能性がある。」も参照のこと。「-第6-3-(1) 訴訟及び規制手続」も参照のこと。「-(f)-KYC**及びAMLに関する規制」も参照のこと。
***(***ⅵ) サイバーセキュリティー
リスク管理及び戦略
当行は、ますます複雑、執拗かつ洗練された広範なサイバーセキュリティーリスクにさらされている。これらには、サービス妨害攻撃、ハッキング、マルウェアの侵入、ランサムウェア、データ破損、個人情報の窃取及びソーシャル・エンジニアリング攻撃といった脅威が含まれ、中には特に当行の従業員、顧客及び第三者ベンダーを標的とするものがある。これらのインシデントは、機密情報の不正アクセス・使用、漏洩、改変又は破壊、当行の業務の混乱を引き起こすおそれがあり、当行の事業運営、財務実績、法的地位及び評判に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行の事業運営は、当行の技術インフラ(内部のデータセンター及び様々な第三者サービス提供者のシステムを含む。)にわたる機密・占有情報の安全な処理、伝達及び保管に決定的に依存している。顧客は、当行の管理する環境の外部にあって本来的に外部のサイバーセキュリティー脅威に対し脆弱な、個人のコンピューター、モバイル機器及びその他のエンドポイントを含む多様なチャネルを通じて当行のサービスを利用する。その結果、当行のインフラ及び顧客のインターフェースの両方が、犯罪組織、国家支援組織、インサイダーの脅威、及びその他の悪意のあるアクターによるサイバー攻撃等の進化する脅威にさらされている。
当行は、急速なデジタル化、新興技術の激増及び金融取引の実行におけるデジタル・チャネルの利用の増加がもたらすサイバーセキュリティーリスクの高まりを目の当たりにし続けている。当行のサイバーリスクの状況は、人工知能及び量子コンピューティングといった技術の進歩によりさらに複雑化している。人工知能は、データ処理、顧客サービス及び業務効率の向上に利用できる一方で、敵対者により、システムの脆弱性をより迅速に特定し、従来型の検知メカニズムを回避する適応型のリアルタイム攻撃を仕掛けるために使用される可能性もある。量子コンピューティングが商用化された暁には、既存の暗号化プロトコルは侵害され、データの機密性への重大な脅威となるおそれがある。
また、クラウドベースのサービス、オープンAPI、デジタル・パートナーシップの導入及び金融エコシステムの相互接続の増加により、当行の攻撃対象領域及び外部の技術環境への依存が拡大した。サイバー脅威は、ソフトウェアのサプライチェーンの侵害、広く使われる第三者アプリの脆弱性、及び侵害された認証情報又は秘匿アカウントを通じた不正アクセスによっても生じ得る。
サイバーセキュリティーリスクは、当行がサービスプロバイダー、ベンダー及び金融市場インフラを含む第三者に依存していることにより、さらに深刻化する。これらの第三者のいずれかにおける技術の機能不全、サイバーインシデント又は侵害は、当行の事業遂行、リスク・エクスポージャーの管理又は規制上の義務を履行する能力に悪影響を及ぼす可能性がある。また、1つの金融機関における不正アクセスは、金融エコシステム全体に連鎖的に影響を及ぼし得るため、セクター間の相互関連性の増大及び統合は、システミック・リスクを増幅する。
当行は、情報資産の機密性、整合性及び可用性を保護するよう設計された、以下の事項を含む、包括的なサイバーセキュリティーの枠組みを確立している。
・ペリメーター及びエンドポイントのセキュリティー、アプリケーション及びデータのセキュリティー、ネットワークのセグメンテーション、並びに特権アクセス制御を網羅した、多層的な「徹底防御」戦略
・当行の年中無休のセキュリティーオペレーションセンター(SOC)による継続的な監視及び脅威の検出
・エンドポイント、ウェブゲートウェイ及び電子メール・インフラ全体にわたる機密データの保護を目的とするデータ損失防止(DLP)システムの配備
・準備、検出、エスカレーション、封じ込め、調査、根絶、復旧及びインシデント後の分析を内容とする、強固なサイバーインシデント対応計画の実施
・サイバー攻撃シミュレーション訓練(例えば、スピアーフィッシング、分散型サービス妨害(DDoS)のシミュレーション及びソーシャル・エンジニアリング演習)並びに回復力及び対応態勢の確認を目的とする災害復旧/事業継続訓練
当行の戦略には、強固なサイバーリスク意識向上プログラムも含まれる。当行は、カードの限度額やアクセス許可等の重要なセキュリティー・パラメーターをリアルタイムで自己管理できるようにする接客コントロールも実施した。デジタル環境における安全な銀行業務の実務について顧客を啓発するキャンペーンを通じて、意識向上イニシアティブが定期的に実施されている。当行は内部において、包括的なセキュリティー意識向上プログラムを実施し、脅威の識別、フィッシングの防止、及び安全なデータ処理の実務について、従業員の研修を行っている。
当行のサイバーセキュリティー方針及びプロセスは、インド準備銀行のサイバーセキュリティーの枠組み、NCIIPCガイドライン、インド証券取引委員会及びIRDAのサイバーセキュリティーのガイドライン、並びにNISTサイバーセキュリティーの枠組み等の国際基準を含む、多数の規制枠組み及び業界の枠組みを基準にして策定されている。当行のサイバーセキュリティー方針は、新興のリスクがある状況においても常に最新かつ有効であることを確保するため、毎年、取締役会により見直し及び承認が行われる。
当行はまた、規制当局の期待の進展に沿うよう、デジタル業務の強靭性、サイバーインシデントの報告、最重要な情報インフラの保護、並びに当行が事業を営む各法域にわたるデータ保護及びプライバシー要件に関するサイバーレジリエンスの機能を継続的に強化している。
ガバナンス
当行は、任務、責任及び監督メカニズムの定義が明確な、サイバーセキュリティーに特化したガバナンス体制を整備した。取締役会がサイバーセキュリティーの監督に最終的な責任を負い、取締役会は、IT戦略委員会を通じてサイバーセキュリティーの監督を委任する。IT戦略委員会は、サイバーセキュリティーリスクを識別、評価、管理及び軽減するための効果的なメカニズムを当行が確実に制定することに責任を負う。情報技術戦略委員会はまた、主要なリスク指標、脅威情勢の動向、及びサイバーセキュリティーインシデントの概要について、最新情報を確認する。
当行のサイバーセキュリティー戦略の業務上の遂行は、小口向け銀行業務、財務、インターネット・バンキング・プラットフォーム及びモバイル・バンキング・プラットフォーム、証券市場並びにITガバナンスにわたり28年を超える専門領域の経験を積んでいる、チーフ・インフォメーション・セキュリティー・オフィサーが指揮する。チーフ・インフォメーション・セキュリティー・オフィサーは、サイバー防御の運用、インシデント対応、規制の遵守、及び脆弱性管理に携わる専門チームにより構成される情報セキュリティー・グループを率いる。
チーフ・インフォメーション・セキュリティー・オフィサー及び情報セキュリティー・グループの主導チームは、四半期ごとに、脅威情報、インシデント傾向、サイバーリスク評価及びセキュリティー推進の現況を内容とする状況報告をIT戦略委員会に対して行う。情報セキュリティー・グループのスタッフは、進化する脅威ベクトル及び規制当局の期待について常に最新情報を把握できるよう、定期的に研修及び認定を受け、業界全体のサイバーセキュリティー・フォーラムに参加する。
サイバーセキュリティーは、当行の企業リスク管理の枠組みに組み込まれており、業務リスク、レピュテーションリスク及び第三者リスクとともに査定される。すべての技術の実装及びデジタル製品は、配置される前にセキュリティー評価を受ける。当行はまた、当行のインシデントへの対応、意思疎通及び利害関係者との調整手順を確認するため、サイバーインシデントを模した机上演習も定期的に行う。
ベンダー・第三者リスクは、ベンダー又は第三者のサイバーセキュリティー態勢、不正アクセス通報プロトコル、及び当行のデータ保護要件との適合性に対する評価を含む、組織立ったデュー・ディリジェンス及び継続的な監視の枠組みを通じて、積極的に管理される。サイバーセキュリティー義務は、適時なインシデントの報告及び緩和協力を確保するために、サービスプロバイダーとの契約に組み込まれている。
当行はまた、重要なベンダー、外部委託契約、及び技術パートナーに関連するサイバーセキュリティーリスクを評価するための手順を維持しており、ここには第三者サービスに影響を及ぼす重大インシデントに関する抑制の有効性及び激化メカニズムの定期的検討が含まれる。
サイバーセキュリティーインシデント
2026年度中、当行は、当行の事業戦略、業務又は財政状態に重大な影響を及ぼした又は及ぼすと合理的に考えられるサイバーセキュリティーインシデントを認識しなかった。しかしながら、業界全体の経験と同様、当行も標的型フィッシング、認証情報の収集、及び顧客が当行のデジタル・プラットフォームを利用することを妨害する目的のDDoS攻撃を含む、多数の攻撃の企てに直面した。これらの企ては、データ漏洩又はサービス障害が知られる前に、当行のサイバーセキュリティー・インフラによって速やかに検知され、沈静化された。
当行の準備態勢及び多層的統制にもかかわらず、いかなるセキュリティーの枠組みも侵害を免れないことを当行は認識している。攻撃の手法は絶えず進化しており、過去に知られていなかった脆弱性を利用したり、人為的過失に乗じたりすることも多い。高度な知識を持つ敵対者は、多大なリソースを有し、従来のセキュリティー防御を迂回できる高度な標的型手法を採用する可能性がある。一部の脅威は長期にわたり検知されず、侵害が発生して初めて発見される場合がある。
当行は、そのセキュリティー・インフラを強化する投資を継続し、強靭性を向上させ、対応能力を増強する。人工知能に基づく解析、行動駆動型の異常検知、及びゼロトラスト・アーキテクチャー・コンポーネントを含む防御の最新化のため、かなりのリソースが専用に投入されている。当行は、サプライチェーンへのエクスポージャー、第三者への依存及びクロスボーダー規制の進展に起因するものを含めて、新興の脅威を識別し、対処するため、警戒を怠らない。
当行は、先進的なセキュリティー技術への投資、手順の自動化、脅威情報収集能力、及びレジリエンス・テストの取組みを通じて、サイバーレジリエンスの態勢を継続的に強化している。また、当行は、テクノロジーの発展、地政学的動向及び規制環境の変化に関連して新たに発生するサイバーセキュリティーリスクの評価を継続し、準備態勢及び対応能力を強化している。
***(***ⅶ) 監査
内部監査グループは、グループ監査憲章及び取締役会に承認された内部監査方針により運営されており、内部統制、リスク管理及びコーポレート・ガバナンスの効果に対して独立して客観的に保証し、さらに改善策を提案する。内部監査グループが、体系的で規律的なアプローチを通して、リスク管理、内部統制及びガバナンス手続の効果を評価し向上させることによって、当行は目標を達成しやすくなる。内部監査グループは独立した組織として活動し、取締役会の監査委員会に報告を行う。
内部監査グループは、十分な知識、技術、経験及び専門的資格を有するスタッフを維持している。内部監査グループは、監査の実施における専門的知識及び事業活動に対する適切な理解に基づき、監査を展開する。内部監査グループによって提供される保証の質に対して、3年に1回独立した外部の機関によって評価が行われる。
内部監査グループは、インド準備銀行のガイドラインに基づいたリスク・ベースの監査手順を採用している。リスク・ベースの監査手順の概略は、内部監査方針に記載されている。毎年のリスク・ベースの監査計画は、リスク・ベースの監査手順に基づいて作成され、取締役会の監査委員会によって承認される。したがって、内部監査グループは、リスク・ベースの監査計画に従って、すべての営業センター、事業グループ及びその他の職務の包括的監査を担当している。リスク・ベースの監査計画を実施するために必要な資金もまた、監査委員会によって承認される。
内部監査グループはまた、IT及び情報セキュリティー(サイバーセキュリティーを含む。)監査の専門チームを有している。年次監査計画は、アプリケーション、インフラ、ITガバナンス/リスク管理及びIT全般の管理を含む、様々なITの要素を対象としている。サイバーセキュリティーは監査が重点を置く主要な分野であり、情報セキュリティー機能が実施する活動もまた、監査の対象である。
インド準備銀行は、特定のビジネスモデルに従い、リスク感応分野での同時監査の方法を取るよう銀行に要求している。中央処理センターは同時監査の範囲内にある。同時監査の範囲内にある営業センター及び事業領域並びに同時監査人に委託される業務範囲は、監査委員会の承認を要する。かかる要求に沿って、内部監査グループは、インド全域で国内の営業センターが始めた高リスクの金融取引の検討に関する同時監査の体系的かつ構造的なアプローチを導入した。加えて、高リスクの金融取引を大量に抱える国内の営業センターは、個別の同時監査の範囲内にある。財務関連機能及び貿易金融取引を含むその他の様々な領域もまた、同時監査の範囲内にある。同時監査はまた、取引の試査が必要であると特定された地域に着目し、また内部統制が存在し、かつこれに従うことを検証するために、中央処理センター及び地域処理センター並びに集約化された業務部門でも行われる。本社機能の一部はまた、継続的な監査の範囲内にある。同時監査カバレッジの詳細は、監査委員会が承認した毎年のリスク・ベースの監査計画において概要が記載されている。
海外の銀行子会社及び国内の銀行以外の子会社の監査は、各子会社に所属する居住者の監査人の専門チーム/又は当行の内部監査チームによって遂行される。これらの監査チームは、職務上、各子会社の監査委員会及び当行の内部監査グループに報告する。海外支店及び代理店の監査は、インドからの監査人及びシンガポール支店に本拠地を構える居住者の監査人により構成された監査チームによって遂行される。インドに委託された国際業務は、インドの内部監査チームによって監査されている。
***(***ⅷ) 法務及び規制上のリスク
当行は様々な訴訟に関与し、また、当行が業務を行っている各法域において広範囲にわたる銀行業務及び金融サービスに関する法令を遵守している。当行はまた、かかる各法域において、多数の規制及び執行当局の管轄下にある。当行の顧客及び契約相手方による義務の執行(担保の実行を含む。)に関するあらゆる不確実性によって法的リスクが生じる。
法令変更は、当行に悪影響を及ぼす可能性がある。法的リスクは、関連する法律が裁判所においてあまり審理の対象とされていない新規事業分野又は既存事業を新しい手段を利用して行う場合において高くなる。当行は、当行の企業法務グループが法律文書の提供/検討並びに当行の取引、製品及びサービスがもたらす法的リスクについての助言を行うことにより、法的リスクを軽減しようと試みている。
「-第3-3-(3)-(s) 当行は様々な訴訟に関与している。当行に重大な損害を与える最終判決が下された場合、当行の財務実績並びに当行株式及びADSの価格は重大な悪影響を受ける可能性がある。」、「-第3-3-(2)-(a) 金融部門における監督及び遵守の環境が強化されると、当行が公式又は非公式にかかわらず規制措置の対象となるリスクが増加する。」及び「-第6-3-(1) 訴訟及び規制手続」も参照のこと。
***(***ⅸ) 海外業務のリスク管理枠組み
当行は、海外支店、国際財務サービス・センター銀行ユニット及びオフショア銀行ユニットを含む海外業務のためのリスク管理枠組みを導入している。かかる枠組みの下では、当行の与信、投資、資産負債管理及びAML政策が、現地の法的規制又はビジネス上の要件を満たすための変更を加えた上で、当行のすべての海外支店、国際財務サービス・センター銀行ユニット及びオフショア銀行ユニットに適用される。かかる変更は、当行の取締役会又は取締役会により指名された委員会の承認がある場合に行うことができる。海外支店は、取締役会が承認したそれぞれのリスク選好度の枠組み及び銀行全体の政策により運営されている。さらに、支店レベルにおいても政策、枠組み及び適宜運用される信用リスク制限が存在する。海外の銀行子会社における政策は、各子会社の取締役会により承認され、リスク管理枠組みに従い、当行の関連グループとの協議により組み立てられる。
コンプライアンス・グループは、海外支店、国際財務サービス・センター銀行ユニット及びオフショア銀行ユニットにおける規制遵守の監視を行う。国内及び海外の支店に関連する重要なリスクの指標を含むコンプライアンスリスクの評価が、定期的に当行のリスク管理委員会に提出される。規制遵守リスクの管理は、内部統制メカニズムとともに、当行及び当行の子会社におけるガバナンス体制の重要な構成要素である。
***(***ⅹ) 特定の子会社におけるリスク管理
ICICIバンクUKピーエルシー
ICICIバンクUKピーエルシーは、信用リスク、市場リスク、バンキング・ブック上の金利リスク、流動性リスク、業務リスク、外部委託リスク、情報セキュリティーリスク、気候リスク、コンプライアンスリスク、コンダクトリスク、金融犯罪リスク及びレピュテーションリスクを含む主要なリスクにさらされている。
ICICIバンクUKピーエルシーの取締役会は、ICICIバンクUKピーエルシーの機能の監督及び統制について責任を有し、また、リスク管理枠組み及びリスク選好度の枠組みを含むすべての主要な方針の承認について責任を有する。
ICICIバンクUKピーエルシーの取締役会は、すべてのリスクを監督し、様々なリスクを監督するため特別な権限を有する委員会を設置した。
様々な業務執行委員会は、主要なリスクを日常的に監視し、業務執行委員会及び取締役会/取締役会委員会の両方のレベルで定期的に監視している。すべての事業活動は、承認されたリスク選好度及び政策の枠組みによって行われる。
ICICIバンク・カナダ
ICICIバンク・カナダは、信用リスク、市場リスク、業務リスク、バンキング・ブック上の金利リスク、流動性リスク、第三者リスク、情報セキュリティーリスク、気候リスク、コンプライアンスリスク、コンダクトリスク、不正リスク及びレピュテーションリスクといった複数のリスクに直面している。ICICIバンク・カナダは、これらのリスクを効果的に識別、測定及び監視するために企業リスク管理枠組みを構築した。
ICICIバンク・カナダの取締役会は、すべてのリスクを監督し、様々なリスクを監督するため特別な権限を有する委員会を設置した。
様々な業務執行委員会は、主要なリスクを日常的に監視し、業務執行委員会及び取締役会/取締役会委員会の両方のレベルで定期的に監視している。すべての事業活動は、承認されたリスク選好度及び政策の枠組みによって行われる。
ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ
ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップは、プライマリー・ディーラーであり、また、同社のポートフォリオのかなりの割合をインド国債で保有している。ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップの法人リスク管理グループは、組織の活動から発生するリスクを管理することに努める包括的なリスク管理方針を策定している。同グループは、市場リスクを評価するためのモデルを開発及び維持しており、市場の動的性質をとらえるために頻繁に更新している。同グループはまた、新製品及び事業活動の評価及び導入に関与している。
ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップは、独立取締役が会長を務め当該会社の取締役会構成員から成る取締役会レベルのリスク管理委員会を有している。かかるリスク管理委員会は、ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップの異なる事業活動に関係するリスクを分析及び監視し、取締役会により設定されたリスク及び投資制限への遵守を監視する責任を負う。
ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド
ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドのリスク・ガバナンス構造は、同社の取締役会、取締役会のリスク管理委員会、業務執行リスク管理委員会及びその小委員会で構成されている。取締役会は、取締役会のリスク管理委員会の提案により、様々な個別のリスク、すなわち投資(市場、信用及び流動性)リスク、保険リスク、レピュテーションリスク並びに業務(法務、コンプライアンス、外部委託、認知的不協和、事業継続、情報及びサイバーセキュリティーを含む。)リスクについての識別、測定、監視及び統制の基準を対象としたリスク政策を承認してきた。取締役会は、マクロ経済的要因、政府の政策、規制環境及び税制の変更等の戦略的リスクがICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの事業計画に及ぼす潜在的な影響を定期的に検討している。
これらのリスクに加えて、生命保険業界は、気候変動を含む環境的、社会的及びガバナンスの問題に関するサステナビリティリスクにも直面している。ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドのリスク管理枠組みは、全体のリスク選好の中でこれらすべてのリスクに対するエクスポージャーを識別し、測定し、抑制しようとするものである。したがって、気候関連リスクを含むサステナビリティリスクは、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドのリスク管理枠組みに統合された。
リスク政策は、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドのリスク管理のガバナンス構造について規定している。非業務執行取締役で構成されている取締役会のリスク管理委員会は、資産負債管理を含むリスク管理政策を策定し、事業の様々な境界を越えたあらゆるリスクを監視し、かかるリスクを軽減するための適切なシステムを構築する。取締役会のリスク管理委員会はまた、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドのリスク選好度を定義し、そのリスク特性を審査し、リスク管理システムの効果的な運用を監督し、重要なリスク問題について取締役会に助言をしている。
幹部役員から成る業務執行リスク管理委員会は、取締役会及び取締役会のリスク管理委員会に対してリスク管理方針の遵守を指導、調整及び監視することによりそのリスク管理の職務につき補佐を行う責任を有し、特にICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドが発売するすべての新商品の承認について商品管理委員会と共同で責任を有する。
ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドのリスク管理モデルは、リスクの識別及び評価、測定、監視並びに統制という4段階の連続したサイクルから成る。ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドのリスク政策は、企業レベルでリスク管理サイクルを遂行するために採用された戦略及び手続を詳述している。ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドが直面する主要なリスク・エクスポージャー及び軽減措置を詳述したリスク・ダッシュボードが、四半期ごとに取締役会のリスク管理委員会に提出されている。
ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー
ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニーは、引受業務に由来するリスク、同社の投資ポートフォリオに係る市場リスク、並びに再保険会社を含むカウンターパーティーに関連する信用リスクにさらされる。ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニーは、その企業リスク管理枠組みに沿って、商品クラス、業種及び地理的地域にわたる分散により引受リスクを管理するよう努める他、小口向け及び法人向けの業務の間で堅実なバランスを維持している。リスク保持は、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニーの再保険プログラム及び共同保険契約に従って管理され、再保険契約は、多額の損失へのエクスポージャーを抑える重要なメカニズムとして利用される。さらに、マクロ経済動向及び地政学的動向から生じるリスクは、戦略的リスク及び市場リスクのカテゴリーの下で特定及び監視されるとともに、引受ポートフォリオ、投資エクスポージャー、再保険契約及び業務の強靭性にわたり査定される。海外事業及び再保険のカウンターパーティーを含む地政学的エクスポージャーは、リスク管理委員会により定期的に精査され、また一方、事業継続性への潜在的影響、技術的強靭性及び情報セキュリティーは、幹部役員及び取締役会のIT戦略委員会が関与する内部ガバナンス・フォーラムを通じて監視され、これにより、主要なリスクの適時の特定及び緩和が促進される。
ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニーの投資は、IRDAIが規定する基準内で同社の取締役会が承認した投資政策により管理される。
ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニーはまた、市場リスク、商品管理リスク、業務リスク、外部委託リスク、IT・戦略リスク並びに情報セキュリティーリスク、環境・社会・ガバナンスリスク及びその他の主要リスクに関連するリスク並びに関連する軽減を監視するための様々な小委員会を有している。ICICIロンバード・インシュアランス・カンパニーは、適切なリスクの軽減及び管理のために、刻々と変化する状況を引き続き注視する。
ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッド
ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドは、その貸付業務及び営業活動に伴う様々な種類のリスク(信用リスク、市場リスク、流動性リスク、業務リスク及びテクノロジー/サイバーセキュリティーリスクを含む。)にさらされる。これらのリスクを体系的かつ積極的な方法で管理するため、ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドは、リスク管理委員会(RMC)の監督の下に包括的なリスク管理方針を制定し、取締役会に承認されている。ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドは、取締役会、取締役会委員会及び幹部役員に対する定期的な主要なリスクの報告を円滑化するための明確に定義されたシステムを持つ。
ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドは、組織レベルでのリスクの全体論的評価を可能にする企業リスク管理の手法を採用している。広範な戦略的アプローチとは、認識された主要リスクを特定し、評価すること並びに組織が直面する主要な認識されたリスクに対抗するための強固な戦略及び軽減計画を整備することである。企業リスク管理の一環として、ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドは、ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドが主要事業の全体にわたり引き受ける意思のあるリスクのレベルを明示したリスク選好度ステートメント(RAS)を策定した。RASは、戦略的な計画策定、事業の成長、資本の配分及びリスク限度の指針となる文書であり、変化する市場及び規制の動向を反映するよう、定期的に見直される。
ICICIセキュリティーズ・リミテッド
ICICIセキュリティーズ・リミテッドは、ICICIセキュリティーズ・リミテッドの事業全体にわたるリスクの特定、測定及び軽減を含む強固なリスク管理の枠組みを整備している。
取締役会は、ICICIセキュリティーズ・リミテッドのリスク・ガバナンスの枠組みを監督しており、リスク管理委員会(RMC)を設置した。RMCは、ICICIセキュリティーズ・リミテッドの商品/手続/方針を検討及び監視し、ICICIセキュリティーズ・リミテッド全体にわたる残存リスクを定められた限度内に確実に維持するためのリスク統制を承認する責任を負う。RMCは、託された任務の推進において、次の3つのリスク管理を専門とする部署による支援を受ける。
法人リスク管理グループ(CRMG)は、市場リスク、信用リスク及び流動性リスクを含む金融リスクに対応する。CRMGは、ICICIセキュリティーズ・リミテッドの自己勘定投資の限度額(バリュー・アット・リスク限度額、エクスポージャー限度額、ストップロス限度額及び集中制限等)並びにICICIセキュリティーズ・リミテッドが顧客に提供する商品及びサービスに関する限度額が規定された法人リスク・投資方針を実行し、また、定期的に見直す。
また、CRMGは、不利な/不測の市場の状況下においてICICIセキュリティーズ・リミテッドの自己資本充実性を確保し、また必要な場合常に時宜に適った対応を確保する観点から、様々なストレス・テストに用いたシナリオの結果の評価を行う。CRMGは、イベントリスクを含むリスクの予測を目標に、このようなリスクを管理するための積極的な計画を立て、不確定要素を処理/管理する態勢を強化している。
業務リスク管理グループは、事業レベルにおける業務リスクの特定、評価、測定、監視及び軽減を監督しており、業務リスクの管理に体系的アプローチを提供するため、業務リスク管理方針を制定した。
情報セキュリティーリスク管理グループは、情報セキュリティー方針、統制、サイバーレジリエンスの枠組みの作成及び監視並びに組織のサイバースペースのサイバー攻撃、脅威及び脆弱性からの保護を通じて、サイバーリスクを管理する責任を負う。
(d) 貸付ポートフォリオ
当行の貸付ポートフォリオ総額は、2025年度末現在における14,389.3十億ルピーから15.5%増加し、2026年度末現在には16,620.5十億ルピーとなった。2026年度末現在、当行の貸付総額の93.1%がルピー建貸付であった。「-第3-4-経営成績データ-(2)-(a)-(ⅶ) 貸付金」も参照のこと。
***(***ⅰ) 担保設定、対抗要件具備及び実行
当行の貸付ポートフォリオは、主として、法人借入人に対するコーポレート・ファイナンス並びに運転資金の貸付、住宅ローン、自動車ローン、商業ビジネスローン、個人向け貸付及びクレジットカード債権を含む小口顧客に対する貸付並びに農業貸付により構成される。当行の無担保ローンは、主に個人向け貸付、クレジットカード債権及び高評価を受けた企業に対するローンを含む。当行は、担保付貸付においては、貸付金組成の際に十分な担保を付すことを定めている。しかし、インドの法制度における障害が、担保の強化に遅れを生じさせる可能性がある。「-第3-3-(3)-(a) 当行の不良資産の水準が上昇し、当行の貸付ポートフォリオの全体的な価値が低下した場合、当行の事業は損害を受けると予想される。」も参照のこと。住宅ローン並びに金装飾品及び宝石に対するローンの場合を除き、インドには、貸付に対する担保の額を制限する規則はない。
***(***ⅱ) 担保付消費者ローンポートフォリオ
住宅ローン及び自動車ローン等、資産購入のための担保付消費者ローンは、融資の対象となった資産(主に不動産及び車輌)により担保される。
借入人及び融資の対象となった資産の種類により、借入人も資産の取得原価を負担しなければならない可能性がある。したがって、ローンの組成日の融資額よりも証券価値は通常高い。
不動産及び不動産借越額に対するローン等、その他の担保付消費者ローンに関しては、当行は通常、組成時の融資額の125.0%を担保として要求する。
***(***ⅲ) 商業ローン
当行は、商業ローンに関し、通常組成時の担保を求めている。当行はまた、一定の状況において無担保の融資を拡大する。かかる一定の状況には、コンソーシアム外の運転資金の制限、借入人による短期的な要件、セキュリティーを確保するための規制上の基準/制限、予想される信用リスクを軽減するために十分な構造的担保措置が利用可能なファシリティ並びにクレジットカード及び個人向け貸付等の小口向け貸付が含まれる。当行はまた、無担保ローンを、高評価を受けた安定企業に提供する。プロジェクト・ローン及びその他の法人向け貸付の担保は通常、道路/空港及びその他の利権に基づくプロジェクトを除いて、不動産(当行に対する典型的な抵当)又は動産(当行に対する典型的な担保)である。かかる担保権は、借入人が法人である場合、会社法の規定に基づいて規定される期限以内に登記所にかかる担保権を登記することにより対抗要件が具備されなければならない。不動産に係る担保権は、1908年規制法の観点から、通常は関連する副登記官によって登記される必要がある。かかる登記は、担保権に関する解釈上の公告となる。当行はまた、市場性のある有価証券のような金融資産の担保を取得し、また、適当である限り法人保証及び個人保証を受け、スポンサーを獲得することができる。一定の場合、融資の条件には、スポンサーの借入人の株式の保有に関する遵守事項及びスポンサーの当該株式の全部又は一部の売却権限に関する制限が含まれる。株式に関する遵守事項は、一般に、株価の動向により誓約事項が追加される仕組みとなっている。「-第3-3-(3)-(d) 借入人が債務不履行に陥った場合、当行の担保の価値が下がり、又は当行による担保の行使は遅延する可能性があるため、当行は担保物件から期待した金額を回収できず、含み損にさらされる可能性がある。」も参照のこと。
当行は通常、不動産業者向け及びレンタルリース割引制度向けの貸付に対し、貸付金残高の150.0%の価値の担保を要求する。当行のレンタルリース割引制度は、借入人に提供される貸出制度であり、借入人が受け取るための確定された将来のレンタルリースの支払いに対する融資が行われる。さらに、当行はまた、無担保エクスポージャー制限を設けており、これにより無担保の融資に対するエクスポージャーが制限されている。
運転資金制度に関しては、一般に、借入人の流動資産を担保とする。各借入人は、定期的に流動資産の価値を申告しなければならない。借入人の信用限度は、すべての借入人に適用される内部で承認された限度に依存する。
さらに、当行は場合により、固定資産、市場性のある有価証券のような金融資産の担保を追加的に取得し、又は適当である限りスポンサーの法人保証及び個人保証を受けることができる。当行は、各事業体に提供されるファシリティの追加的な担保措置として、先日付小切手又は現金(当行のために適法に先取特権が設定された当行の定期預金として)も受け入れている。当行は、定期的に商業ローンの担保価値を更新する内部的な枠組みを有している。コンソーシアム形態のバンキング取決め内の貸付の場合、評価報告書は、主幹事銀行が規定するタイムラインに従って取得される。当行は、一般に、担保関係書類に定める条件に従い、顧客が裁判所又は法廷に対して当行の担保実行に関して異議を申し立てない限り、かかる裁判所又は法廷を関与させることなく、担保権を実行し、その手取金を借入人の貸付債務に充当する権利を有する。さらに、当行は、通常、与信枠から当行に対する支払期限到来額について相殺を行う権利を有している。当行の与信政策に従い、当行は、不良勘定の場合の担保の評価に関する現行の規制ガイドラインを遵守する。
割賦払消費者ローンの場合、当行は、事前に指定された日に直接債務保証書又は返済のための先日付の小切手を取得する。先日付の小切手については、不渡りになった場合、当行は一定事由の発生の際には小切手の発行者に対して準刑事手続を開始する権利を持つ。当行はまた、特定の小口向け資産及びサービスに関する申立て及び紛争の迅速な解決のために、裁判所又は法廷に訴える代わりに、オンライン紛争解決手続(独立した機関によって処理される調停、和解若しくは仲裁又はそれらの組み合わせを伴う。)を採用している。かかるオンライン紛争解決手続及びその継続的な利用は、法律又は判決の変更に従う。
当行は、特に破産手続の遅れ、法制度の遅れ、借入人又はその他の利害を有する第三者からの異議の申立て、担保の対抗要件具備の瑕疵(様々な人、政府機関又は当局から必要とされる承認の取得ができないことによる瑕疵を含む。)並びに借入人による不正譲渡及びその他の要因(現行法の規定又はその改正及び過去若しくは将来の裁判所の宣告を含む。)が原因で、担保価値のすべての実現に悪影響を及ぼしていることを認識している。担保を処分する際の価額及びタイミングもまた、政策決定により影響を受ける。貸付金の返済が滞る前に当行が必要な措置を取れるよう、当行は、一般に、当行の運転資金の貸付の顧客に対して、定期的に運転資本の状態に関するデータを提出するよう要求している。ケースバイケースで、当行はまた、借入人がその与信枠からさらなる借入金の引出しを行うことを阻止又は制限できる。
***(***ⅳ) 貸付の条件決定
インド準備銀行のガイドラインに基づき、銀行が貸し付け、また、2016年4月1日付で信用制限が更新されたすべてのルピー建貸付は、資金調達の限界費用に基づく貸付金利を参照して条件決定されることが要求される。ガイドラインに要求されるとおり、当行は毎月様々な期間に対応するICICIバンクの資金調達の限界費用に基づく貸付金利を公表している。
インド準備銀行の標準指針(貸付金利)は、個人向け貸付又は小口向け貸付(例えば住宅ローン又は自動車ローン)におけるすべての新しい変動金利並びに銀行が貸し付けたMSMEに対する変動金利ローンを、特定の外部基準に連動させることを銀行に義務付けている。外部基準に連動する変動金利ローンの利率は、少なくとも3ヶ月に1回改定される。小口並びにMSME以外の借入人に対して、当行は、外部基準又は資金調達の限界費用に基づく貸付金利に連動する変動金利ローンを提供するオプションを有している。現在、ICICIバンクは、外部基準に連動する変動金利ローンを、インド準備銀行のレポレートに連動させている。
(e) 技 術
***(***ⅰ) 技術関連組織
専門の技術チームは、多様な業務ファンクションで使用される技術プラットフォーム及びソリューションの実装と支援を担当している。コア、データ、ワークフロー、インテリジェンス等の専門の技術ファンクション、顧客のエンゲージメント、従業員のエンゲージメント及びフェデレーションに注力する特定の技術業種がある。技術インフラストラクチャーチームは、データセンター、ネットワーク及びクラウドインフラにまたがる技術インフラストラクチャーの促進を担当している。技術管理グループは、銀行のエンタープライズ・アーキテクチャの実装を含む技術戦略の担当チームである。当行のスタートアップ・エンゲージメント及び投資チームは、スタートアップのイノベーション及び技術エコシステムの活用を図っている。
2026年度、当行は、ビジネス及び運用面での能力を強化させる核である技術ソリューションに投資している。当行の技術的な優先課題は、インターネット及びモバイルのインターフェースの刷新を含む、多様なタッチポイントにおける顧客のデジタル・エクスペリエンスを向上させるという目標に基づき推進されている。シームレスなオンボーディング及び迅速な処理を可能にするプラットフォームの統合とともに、監視及びセキュリティー制御を強化するアプリケーションのインハウス化に重点を置いている。当行は、安全、安定かつレジリエントなインフラを維持し、業務効率を改善することを目標に、当行の技術インフラストラクチャーを常にアップグレードし、強化している。ロボティック・プロセスを含むインテリジェント・オートメーション・プラットフォーム及びオプティカル・キャラクター・レコグニション機能の採用によりビジネス・プロセスを最適化しており、これにより、ビジネス及び運用機能全体の効率化が可能になった。これらにより、取引量及び顧客の要件を処理するためのサーバー容量の増加に加えて、ターンアラウンドタイムが短縮された。技術戦略の一環として、当行は、デジタル・プラットフォーム、データ及び分析、マイクロサービス・ベースのアーキテクチャ、クラウド・コンピューティング、AI等の新技術にまたがるエンタープライズ・アーキテクチャのフレームワークを構築することに主眼を置いている。これは、拡張性、回復力、セキュリティー、そして持続的な収益性の高い成長を可能にする、快適でデジタルネイティブなカスタマーエクスペリエンスの創造という創業の柱に基づいている。当行の技術要件において柱となる優先事項は、技術プラットフォーム、組込型バンキング、クラウド導入及びデータプラットフォーム並びに分析等である。
当行は、事業分析、意思決定戦略、予測モデル、機械学習、ルールエンジン及びパフォーマンスの監視に関するプロジェクトに事業分野をまたいで取り組む専門のデータ・サイエンス及びデータ分析グループを有している。当行は、全社規模の包括的なデータ・ウェアハウスを有しており、最先端の分析に統計ツール及びモデリングツールを採用している。
革新及びスタートアップの精神を推進し、フィンテック関連のスタートアップ企業と協働し当該企業に投資するため、また当行のデジタル・ロードマップに沿って商品を共同開発するため、当行はイノベーション・センターを設立した。スタートアップ企業との関わりは、決済、デジタル貸付、カスタマーエクスペリエンス、リスク管理及びプラットフォームに重点を置いている。
***(***ⅱ) 小口顧客向けのデジタル・プラットフォーム及び過程
当行の小口向けインターネット・バンキング・プラットフォーム及びモバイル・バンキング・アプリであるアイモバイルは、当行の顧客のニーズ全体に対応するように設計されている。当行は、シンプルで直感的かつ視覚的に一貫した体験を提供するため、インターネット・バンキング・プラットフォーム、ウェブサイト及びモバイルアプリ全体にわたるデジタル・インターフェースを再設計している。
刷新されたアイモバイル及び小口向けインターネット・バンキング・プラットフォームは、口座、預金、ローン、カード及び支払いといった主要なバンキング・サービスにおけるデジタル・ジャーニーの簡素化に重点を置いている。さらに、各地域における当行の公開ウェブサイトは、「ワン・バンク、ワン・エクスペリエンス」のアプローチに沿った一貫したユーザーエクスペリエンスを提供するために再設計された。また、(当行のインド向けウェブサイトにおける)「bank.in」ドメインの導入は、検証済の銀行IDを提供することでデジタル・セキュリティーを強化している。また当行は、モバイルアプリに「委託管理」機能を導入した。この機能により、顧客は統合決済インターフェース(UPI)、カード及び銀行口座にわたる支払委託を、単一ダッシュボードから管理することができ、委託の作成、一時停止、変更及び削除のオプションをシームレスに行うことができる。スマートロック等のアイモバイルアプリのセキュリティー機能を使用することにより、顧客がUPI、インターネット・バンキング、アイモバイルアプリ、デビット又はクレジットカード等の様々な銀行チャネルをワンクリックで一時的にブロック又は解除できるため、セキュリティーが強化される。ICICIバンクのモバイルアプリ戦略では、便利、安全及びパーソナライズされた銀行体験を提供することを目指している。
アイレンズは、ICICIバンクの貸付ソリューションであり、小口向け貸付のための統合された貸付金処理プラットフォームである。これは、オンボーディングから融資までローン・ライフサイクルの全体を網羅する、全面的なデジタル貸付プラットフォームであり、シームレスな取引体験及び業務効率の向上をもたらすことを目的としている。2026年度中、住宅ローン、個人向け貸付、教育ローン及びクレジットカードに加え、自動車ローン及び農機具融資がアイレンズ・プラットフォームに追加された。アイレンズは、複数の小口向け貸付商品を単一のプラットフォームに統合することにより、当行が顧客360度のエコシステム全体にわたり、シンプルで一貫性及び拡張性のある貸付体験を提供することができる。
***(***ⅲ) デジタル決済及びパートナーシップ
当行は、ユーザーフレンドリーな体験を伴うシームレスなデジタル・ジャーニーを創出する取組みを強化し続けている。大規模な顧客基盤及び卓越した事業を有するテクノロジー企業及びプラットフォームとの提携により、成長のため、またサービスの提供及びカスタマーエクスペリエンスを強化するための独自の機会を得ている。
FASTagは、インド道路交通・高速道路省が運営する、プリペイド無線波認識タグを用いたインドの電子料金収受システムである。当行は、FASTagを使った高速道路料金の電子料金収受における主要銀行の1つである。当行は、様々な国営及び州営高速道路の通行料の支払いにFASTagを利用したパイオニアとなったばかりでなく、全国の空港、ショッピングモール及びテックパークでの駐車料金の支払いにおいてFASTagの使用を拡大させた。
当行は、提携クレジットカードを提供するため、様々な主要企業と提携している。クレジットカードの牽引力は、顧客のデジタルオンボーディングプロセスにより促進された、効率的なポートフォリオ管理に起因する。
***(***ⅳ) 農村の顧客向けのデジタル・プラットフォーム及びソリューション
当行は、観測衛星からの画像を用いて、土地、灌漑及び作物パターンに関連する一連のパラメーターを測定し、人口統計学的及び財政的パラメーターと組み合わせて、農家に対する迅速な融資決定を行っている。これにより、与信審査の時間が短縮された。
***(***ⅴ) 債務返済管理における技術
当行の債務返済プラクティスは、技術と高度なデータ分析の活用を核としており、最適なコストで利用者負担の小さいチャネルを使用することにより顧客に辿り着くことが可能である。当行は、会話レスチャネルを使用するリスクベース・モデル、すなわち、14を超える言語で利用可能な対話型音声ロボット、スマート対話型音声応答(IVR)通話、ワッツアップ及びショート・メッセージ・サービス(SMS)キャンペーンにより、35%を超える初期デフォルトを網羅している。当行は、様々なデジタル決済ソリューションを使用していることが助けとなり、85%を超える支払いをデジタル決済にて回収している。当行の農村地域のポートフォリオにおいて、当行は、衛星ベースの画像及びデータアルゴリズムを使用して作物の生育状況を監視し、それに応じて取組み及びリソースを調整することで、収集効率上昇に役立てている。
***(***ⅵ) ビジネス・バンキング顧客、マーチャントエコシステム及び電子商取引のエコシステム向けのデジタル・プラットフォーム及び過程
当行のデジタル・プラットフォームであるインスタビズは、すべてのビジネス・バンキング・ニーズに対するワンストップソリューションである。このアプリ使用すると、顧客は、単一のインターフェースを通じて、支払い、回収、貿易取引、当座預金口座サービス、加盟店回収、法人向け貸付ソリューション及び貿易金融サービスを含む銀行関連サービスにアクセスできる。本アプリは、MSME、起業家及びその他の法人顧客向けのデジタル・バンキング・サービスをサポートし、ビジネス・バンキング及び取引管理要件に対応するよう設計された機能を備えている。「スマートロック」機能は、顧客がUPI、インターネット・バンキング、アイモバイルアプリ及びデビット又はクレジットカード等の様々な銀行チャネルをワンクリックで一時的にブロック又は解除することを可能にするため、セキュリティーが強化される。
デジイーズは、ビジネス・バンキング顧客向けに、シームレスなオンボーディング体験を提供するデジタル・オンボーディング・プラットフォームである。かかるプラットフォームは、単一のワークフローを通じた多様な公共データ・インフラとの連携を実現することで、データのデジタルでのシームレスな取得及び検証を行い、データ信頼性及び業務効率向上を確保し、処理時間を短縮する。このプラットフォームは、オンボーディングから始まり、承認及び融資実行、さらにポートフォリオの監視に至る、顧客体験の全段階を通じて完全な可視性を提供することを目的としている。2026年度中、当行は、調達チャネルへのアクセスを改善させるデジイーズ・モバイルフローの開始、手続開始をより円滑に行う各タブのガイダンス通知及び効率的な提案追跡を可能にする監督用ダッシュボードを含むプラットフォームの利便性及び業務上の監視を強化するための改善策を導入した。
トレード・オンラインのプラットフォームは、顧客が貿易金融及び外国為替取引の大半をオンラインで行い、規制コンプライアンスをデジタルで管理することを可能にする包括的なデジタル・プラットフォームである。このプラットフォームは、輸出入手形の正規化、信用状及び固定預金担保を含む銀行保証へのアクセス、輸出信用枠、輸出入手形のデジタル回収の促進といった、幅広いサービスを促進する。当行は、拡大する貿易エコシステムを支援するために、追加のセキュリティー機能により貿易金融のためのAPI群を強化した。この貿易金融のためのAPI群は、顧客のエンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)システムと直接連携することにより、自動化された取引の開始及び照合、手動介入の排除並びに処理時間の大幅な短縮を実現し、顧客に迅速、安全かつシームレスな体験を提供する。
マーチャントのエコシステム分野における投稿戦略は、ポイントオブセール(POS)、UPI、決済ゲートウェイ及び支払ソリューションを含む、当行の包括的な獲得プラットフォームを通じて、信用力が確認可能なマーチャントのオンボーディングに焦点を当てている。かかる戦略を支援するため、当行は、自社内のマーチャント獲得プラットフォームの構築に戦略的な投資を行ってきた。このプラットフォームは、小売業者、オンライン・ビジネス及び大規模な電子商取引企業に対して、当行とシームレスに連携したオムニチャネルでの集金及び決済機能を提供する。さらに、かかるプラットフォームにより、当行は最新の決済端末を導入することが可能となり、マーチャントの取引体験を向上させる技術にアクセスできるようになる。当行は、急速に変化する競争環境の中で、顧客の多様なニーズに対応するため、マーチャント向け製品群を継続的に強化している。マーチャントはまた、シームレスに会計システムと銀行が連携することで即時照合を可能にする、コネクテッド・バンキングのサービスの恩恵を受ける。
電子商取引のエコシステムは、当行が顧客及び電子商取引のウェブサイトを通じて商品を販売するマーチャントにデジタル・ソリューションを提供する商機をもたらす。事前に承認された顧客が、電子商取引のウェブサイト又はモバイルアプリの精算時において、取引を毎月の均等な分割払いに変換することができる「カードレス・イクエイテッド・マンスリー・インストールメント」機能を導入した。主要なソリューションのいくつかは、電子商取引企業及びその販売店に、当座貸越機能、様々なチャネルを通じた決済を可能にする複合的決済API、外貨建定期預金、運転資金及び簡易決済ソリューションを提供した。電子商取引プラットフォームを利用する顧客のために、当行は、デジタルウォレット、プリペイドカード及び提携クレジットカード等のソリューションを提供している。
***(***ⅶ) 法人及び機関顧客向けのデジタル・プラットフォーム及びソリューション並びにエコシステム
当行は、20を超える基幹産業における企業及びそのエコシステムであるチャネル・パートナー、ディーラー、ベンダー、従業員及びその他の利害関係者等に対して包括的なソリューションを提供し、顧客に広範なバンキング・サービスをもたらした。企業顧客に提供されるプラットフォームには、法人向けインターネット・バンキング、エスクロー・マネジメント、トレード・オンライン及びFXオンライン並びにその他のプラットフォームがある。貿易取引のデジタル化に向け、当行は高度なマルチスレッド技術を活用し、顧客に迅速、安全かつシームレスな体験を提供する貿易金融のためのAPI群を強化した。当行は、顧客体験を向上させ、規制コンプライアンスを確保し、業務効率及び透明性を改善させ、全体的な時間を短縮する、バリューチェーン全体にわたる簡素化されたデジタル・ソリューションを開発することに主眼を置いている。
デジ・エスクロープラットフォームは、シームレスなデジタル体験を提供することにより、従来のエスクローサービスを近代化する。当行は、現金管理及び貿易デジタル・プラットフォームにおける顧客体験の向上にも取り組んでいる。
当行は、包括的なデジタル・プラットフォーム群を通じて、拡張性があり効率的なサプライチェーン・ファイナンスソリューションに対する企業の増大する要求に応えるソリューションを提供している。ワン・SCF、FSCM、コープ・コネクト及びデジタル・ライトといった当行のプラットフォームは、オンボーディング・サプライチェーンパートナー向けの包括的なデジタル・ソリューションを提供し、ディーラー/ベンダーによるシームレスな貸付を可能にし、支払いから回収までのエンドツーエンドの可視化、自動データ照合及び安全でペーパーレスな取引環境におけるリアルタイムダッシュボードを提供する。これらのソリューションはまた、GSTデータ、調査機関及びAI駆動のアルゴリズムを組み込んだスマート・エンジンを使用して与信審査の効率化を図る。
当行の財務取引インフラストラクチャーは、インターネット・プロトコル電話通信に基づく構造である。当行は、財務業務の既存の自動化プロセスを強化し、これにより取引リスクが低減し、市場競争力も高まった。当行の法人向けインターネット・バンキング・プラットフォームのアイトレジャリー機能は、法人が必要とする財務要件を満たすために、統一された直感的なワンビューのダッシュボードを提供するものである。
***(***ⅷ) 顧客関係管理における技術
iCRMは、営業センター、製品チーム及びサービス・センター等の内部関係者を横断する包括的な統合型顧客関係管理プラットフォームである。かかるプラットフォームは、ICICIバンクの従業員を、銀行全体のデータ及び重要な顧客情報につなげる。ウェブ及びモバイルの両プラットフォームに対応した設計により、顧客エンゲージメント履歴を一元的かつ包括的に表示し、チームが顧客のニーズや嗜好をより深く理解し、適切な銀行業務ソリューションを提案できるようになる。
***(***ⅸ) データセンター及び災害復旧システム
当行は、2つの自社データセンターを有する。同センターは、エネルギー効率の最適化及び高密度なサーバーをサポートするよう設計されている。さらに、当行は、同エリアに近隣共同設置施設も有する。同施設は、重要なシステムについて、付近のリカバリーポイントとして機能する。当行はまた、個別の災害復旧データセンターを有する。さらに、当行は、共同設置施設に新設するデータセンターを通じ、サーバー容量を拡張している。
さらに、当行のITインフラストラクチャーは、パブリッククラウド・プラットフォーム上に構築されており、データの保存、計算能力及びソフトウェアの提供を含む、当行事業の重要な側面をサポートしている。これらのシステムは、異常を検出し、迅速なインシデント対応を確実に行うために、24時間体制で監視されている。フェイルオーバー及びフェイルバックの演習を含む災害復旧訓練は、定期的に実施され、システムの準備状況を確認し、復旧時間目標及び復旧時点目標を検証する。当行は、災害があった場合、重要な業務機能の継続的な運営の支えとなる事業継続計画を作成した。かかる計画は、インド準備銀行により発表されたガイドラインに従い作成され、当行の取締役会により承認された。かかる計画は、その有効性を確認するために定期的に検証される。
***(***ⅹ) 人工知能
当行は、顧客とのコミュニケーション強化、業務効率の向上並びに事業及び業務機能全体にわたる意思決定支援を目的として、AI及び生成AIの活用を拡大した。当行は、ポートフォリオの監視、顧客オンボーディング、不正検知、文書の抽出及び要約、コンテンツ生成並びに顧客対応等の分野におけるAIユースケースへの投資を継続している。これらの機能により当行は、データインサイトの獲得、生産性の向上、より早い応答時間の実現及びシームレスな銀行体験の提供が可能になる。当行は、長期的な価値創造、リスク管理及び全行的な導入に重点を置き、AIを拡張するための体系的かつ規律ある手法を確立した。当行は、AI及び生成AIのユースケースの開発、ホスティング及び展開のための安全な環境として機能するエンタープライズAIプラットフォームに投資している。このアーキテクチャにより、データ、モデル及び技術インフラに対する効果的な監督を可能にしつつ、制御実験及び承認済ユースケースの拡張性のある展開を促進している。
当行の手法では、情報セキュリティー、データ・プライバシー及び責任あるAI管理を重視している。当行は、AI利用のための限定された領域の定義、ヒューマン・イン・ザ・ループによる監督、厳格なデータアクセス制御及び実効性のあるモデル管理規程等、包括的なガードレールの枠組みを整備している。
(f) 監督及び規制
以下の説明は、当行に適用される、インドにおける特定の分野特有の法律及び規制の概要である。本項で述べられている情報は、公開された文献から取得している。以下の規制は、網羅的なものではなく、一般的な情報の提供を目的としている。
インドにおける銀行を規制している主な法律は、銀行規制法である。銀行規制法の規定は、銀行規制法で明示的に定められている場合を除き、インド会社法及び現行のその他の法律に付加するものであり、これらを逸脱するものではない。インド準備銀行法、FMEA、2007年支払決済システム法、2002年金融資産の証券化及び再構築並びに担保権の実行に関する法律(SARFAESI法)、1881年流通商品法並びに2016年破産・倒産法(その後の改正を含む。)もインドにおける銀行を規制する重要な法律である。さらに、インド準備銀行は、随時、銀行が従うべきガイドラインを策定する。すべての規制要件を遵守しているかについては、インドGAAPに基づく財務書類に関して評価される。2026年4月、インド準備銀行は2つの重要な規制指針である、(1)「2026年インド準備銀行(商業銀行-収益認識、資産分類及び引当金計上)改正指針」並びに(2)「2026年インド準備銀行(商業銀行-信用リスクに係る資本賦課-標準的手法)指針」を公表し、これらはいずれも2027年4月1日から有効となる。インドにおける銀行は、インド会社法の条項により規制され、かかる会社がインドの証券取引所に上場している場合はさらに、SEBIの様々な規制の適用を受ける。
インド準備銀行に関する規制
2026年度におけるインド準備銀行の最も重要な規制措置の1つは、規制枠組みの大規模な統合であった。中央銀行は、9,000件を超える通達、通知及び説明を約244の標準指針に集約することで、膨大かつしばしば断片化していた規制体系を合理化した。
銀行規制法では、企業がインドにおいて銀行業を営むにあたり、インド準備銀行の認可を受けることが義務付けられている。かかる認可を受けるためには、当該銀行が適切な資本及び収益を得る見込みがあること、現在及び将来の預金者に対して、その預金の利息を含めた全額を支払うことができること、当該銀行の事業が、現在及び将来の預金者の利益を害する形でなされず、またそのおそれがないこと等、インド準備銀行が課すことのできる条件に従わなければならない(ただし、これらに限られない。)。インド準備銀行は、当該銀行がいずれかの点において求められる条件を満たすことができず、またインドにおいて銀行業務の継続を停止する場合には、当該認可を返上することができる。
ICICIバンクは、インド準備銀行から銀行認可を取得しているため、インド準備銀行の規制及び監督を受ける。銀行は、その事業に関する報告及び情報を、インド準備銀行に提供しなければならない。インド準備銀行は、特に収益の認識、資産の分類、引当、集中リスクに関するエクスポージャー基準、投資の評価及び自己資本充実度の維持に関する銀行活動に関する銀行向けガイドライン及び健全性ガイドラインを発表している。インド準備銀行は、そのリスク・ベースの監督の行使に基づき、銀行を対象とした年次のリスク評価を行っている。インド準備銀行はまた、インド準備銀行の総裁を議長とする金融監視委員会(BFS)を設立した。BFSの主たる目的は、指定商業銀行及び協同組合銀行、全インド金融機関(AIFI)、地域銀行、小規模銀行、支払銀行、信用情報会社、銀行以外の金融会社並びにプライマリー・ディーラーから成る金融部門を統合的に監督することである。
銀行規制法に基づく要件
銀行規制法は、銀行が従事することのできる事業活動を指定している。銀行は、かかる指定事業以外の業務を行うことができない。
法定準備金
資本を増強するため、銀行は、インド準備銀行の標準指針「2025年インド準備銀行(商業銀行-財務諸表:公表及び開示)指針」に基づき、処分前の「純利益」の25.0%以上を法定準備金に振り替えなければならない。
持分及び議決権の制限
インド政府は、インドの銀行に対する外国人の持分を制限している。外国人投資家(外国人間接投資家を含む。)は、インド政府及びインド準備銀行により随時発布される規則及び規定に従い、インドの民間部門銀行の持分の74.0%まで保有することができる。49.0%以下の民間部門銀行に対する外国投資は、特別の承認を要するものではない。一方、49.0%超74.0%以下の外国投資は、当該投資が承認要件を免除されていない限り、インド政府による事前の承認を要する。インド政府の承認要件を免除されている外国人投資家による投資には、インド居住者からの非居住者投資家への所有権又は支配権の譲渡がされることがなく、一定の対外ポートフォリオ投資の総額が49.0%又は該当する部門別の上限(のうちどちらか低い方)以下であるもの、並びに一定の条件を満たす権利及び無償交付株式による外国投資が含まれる。インド政府による事前の承認を要する投資案のうち、総額50.0十億ルピー超となる外国資本インフローが発生するものについても、経済局の閣僚委員会の承認が必要となる。
2025年11月28日、インド準備銀行は、2025年インド準備銀行(商業銀行-株式又は議決権の取得及び保有)指針(指針)を発表した。2025年取得及び保有に関する指針により、銀行は、大株主(払込済株式資本又は議決権の5.0%以上を保有する株主又はその親族若しくは関連企業、又はそれらと協働する者と定義される。)の「適格」要件について取締役会の承認を取得し、大株主の適切性(インド会社法及び同法に基づき公布された規制に定義される重要実質所有者(SBO)の変更を含む。)を継続的に監視することが義務付けられている。
単一株主の議決権の上限は26.0%である。ただし、株主持分/議決権を取得した結果、持分総額(2025年取得及び保有に関する指針に定義される。)が5.0%以上となる場合には、インド準備銀行の事前の承認が必要である。株主持分/議決権の5.0%の判定にあたっては、株式及びADSの持分を合算しなければならない。大株主の持分総額が5.0%を下回った場合、再度5.0%以上に引き上げるために改めてインド準備銀行の承認を取得しなければならない。
法定報告及び検査手続
インド準備銀行は、銀行規制法及びインド準備銀行法の様々な規定に基づきインドの銀行システムを監督する責任を有している。監督の枠組みは徐々に変化しており、インド準備銀行は、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)の「実効的な銀行監督のためのコアとなる諸原則」に沿った変更を実施してきた。既存の監督の枠組みは、リスク・ベースの監督の枠組みを設定する方向で修正されている。
かかる枠組みは、各銀行に対する監督プロセスをより効率的かつ効果的にする意図を有しており、インド準備銀行は、各銀行に対して、各々のリスク構造に従い異なる監督方法を適用している。
銀行のリスクに係る詳細な質的かつ量的な評価が監督当局により継続的に行われており、インド準備銀行は、検査・リスク評価報告書(IRAR)を公表している。インド準備銀行は、かかる枠組みの対象となる銀行に対し、指定銀行の集中連絡窓口を担う上級監督マネージャーを指定した。
当行は、2013年からかかる枠組みに基づく監督に服している。インド準備銀行は、当行の会長、監査委員会の委員長並びにマネージング・ディレクター及び最高経営責任者を含む当行の経営陣と、当行のIRARに関する審議も行う。IRARは、当行による対応に関する報告書と併せて、当行の取締役会に提出されなければならない。当行は、当行の取締役会による承認を経て、当行による対応に関する報告書をインド準備銀行へ提出しなければならない。「-貸倒引当金及び不良資産-資産分類」も参照のこと。
取締役会議長、マネージング・ディレクター及びその他の取締役の任命及び報酬
当行は、当行の取締役会議長、マネージング・ディレクター及びその他の業務執行取締役の任命又は報酬の決定に際し、事前にインド準備銀行の承認を得る必要がある。インド準備銀行は、銀行の取締役としての「適格」要件に関するガイドラインを策定している。当行の取締役は、これらのガイドラインの要件を満たさなければならない。
インド準備銀行は、常勤取締役、最高経営責任者、重要なリスクテイカー、非業務執行取締役並びに民間部門及びインド国内で業務を行っている外国銀行の管理部門スタッフの報酬基準に関するガイドラインを策定した。
インド準備銀行は、銀行の最高財務責任者及びチーフ・テクノロジー・オフィサーの役職に就くにあたって最低限必要となる資格要件及び経験について規定するガイドラインを策定した。
罰則
インド準備銀行は、銀行及びその従業員が、銀行規制法に基づく規制に違反した場合には、罰則を科す可能性がある。罰則は、一定額の罰金である場合や、規制違反に含まれる金額に関連する場合もある。罰則には、懲役刑もあり得る。
インドにおいて保有されるべき資産
インド準備銀行は、インドに所在する資産の帳簿価額とインドで振り出された輸入・輸出手形及びインド準備銀行により承認された特定の証券の合計が、その所在地にかかわらず、インドにおける普通預金及び定期預金の75.0%以上を構成することを義務付けている。
浮動担保の設定に関する制限
当行の事業及び財産に対するあらゆる浮動担保を設定するためには、インド準備銀行の事前の承認が必要である。
記録の保管
銀行は、帳簿及び記録簿を保管しなくてはならない。銀行規制法は、銀行が特定の方法により帳簿及び記録簿を保管すること、並びに帳簿及び記録簿を定期的に会社登記官へ提出することを義務付けている。インド準備銀行により公布されたKYCガイドラインでは、特定の記録簿に関しては、定期的に更新するよう規定している。PMLAは、銀行に対し、顧客と銀行の取引日後5年間、取引記録簿を保管することを義務付けている。KYCの記録は、顧客との関係が停止した日から5年間保管されなくてはならない。1985年銀行(記録保存期間)法は、かかるKYCの記録を8年間保管することを義務付けており、また、銀行に対し、通帳、口座及び株式台帳に関連するその他書類の銀行の記録を8年間保管することを義務付けている。
インド準備銀行は、システム運用者が運用する支払システムに関連するデータが、インド国内に所在するシステムにのみ保存されることを確実にするよう勧告した。「-IT及びサイバーセキュリティー」も参照のこと。
銀行の管理
銀行におけるリスク管理を強化する試みの一環として、インド準備銀行は、信用リスク管理機能を信用承認プロセスから切り離し、その後の銀行による施策に一貫性を与えることを目的としたガイドラインを策定した。
2021年、インド準備銀行は、取締役会議長及び取締役会、取締役会の一部の委員会の構成、取締役の年齢、任期及び報酬、並びに銀行の取締役の指名に関する指示を出した。議長を含む非業務執行取締役の年齢の上限は75歳であり、銀行の取締役会における非業務執行取締役の任期は合計で8年を超えることができない。
2020年、インド準備銀行は、銀行が、強固なコンプライアンス体制の一環として、効果的なコンプライアンス文化、独立したコンプライアンス機能及び強固なコンプライアンスリスク管理プログラムを持たなければならないとするガイダンスを策定した。当該ガイダンスは、銀行に対し、コンプライアンス理念、コンプライアンス文化に対する期待、最高コンプライアンス責任者(CCO)の役割、並びに銀行全体のコンプライアンスリスクの管理及び報告の過程について説明するコンプライアンス方針を持つことを義務付けており、当該方針は少なくとも年1回、銀行の取締役会によって見直され、承認されなければならない。銀行は、コンプライアンス機能のすべての側面を網羅する品質保証・改善プログラムを策定し、維持することが求められており、かかるプログラムは定期的に(少なくとも3年に1回)独立した外部調査を受ける。CCOの候補者の選定は、明確に定められた選定手順に従い、かつこの目的のために取締役会が設置した上級管理職レベルの選定委員会による推薦に基づいて行われなければならない。CCOは、3年以上の任期で任命される。
監査人の任命
銀行の法定監査人の任命は、インド準備銀行の承認に基づかなくてはならない。2021年、インド準備銀行は、法定監査人及び主要な法定監査人の任命についての改正ガイドラインを発表した。資産規模が150.0十億ルピー以上の事業体についての法定監査は、2つ以上の監査法人による共同監査としなくてはならない。インド準備銀行は、預金者の利益及び公益の観点から特別監査を指示することができる。インド準備銀行はまた、銀行の法定監査に際して何らかの過失が認められた場合には、法定監査人に関する適切な措置を講じることができるよう、段階的な執行措置の枠組みを導入した。執行措置の枠組みが行使される過失とは、銀行の財務書類の虚偽表示、虚偽の証明書、長文式監査報告書の虚偽の情報、インド準備銀行の調査の際に発見された監査済財務書類の不一致並びにインド準備銀行の発表する命令及びガイドラインが遵守していないものが含まれる。
配当の支払制限
銀行規制法は、銀行に対し、配当を宣言する前に資本支出を完全に償却すること及び開示された年間利益の20.0%(法定最低額)を準備金勘定に繰り入れることを義務付けており、インド準備銀行のガイドラインは、処分前の「純利益」の少なくとも25.0%を法定準備金に繰り入れることを義務付けている。銀行は、健全性要件を満たした場合に配当を宣言することができる。
自己資本比率規制
当行は、インド準備銀行の自己資本充実度ガイドラインを遵守するよう義務付けられている。インド準備銀行の自己資本充実に関する健全性規制では、5.5%の普通株等Tier1リスク加重最低自己資本比率、7.0%のTier1リスク・ベース最低自己資本比率及び9.0%のリスク・ベース最低自己資本比率合計を規定している。かかるガイドラインは、銀行に対し、最低要件に加えて、リスク加重資産の2.5%のその他普通株等Tier1資本保全バッファーを維持することも義務付けている。
2015年には、当行は、インド準備銀行により国内のシステム上重要な銀行に指定され、その後もインドにおけるシステム上重要な銀行に分類され続けている。当行に対するその他普通株等Tier1自己資本比率要件は、当行が国内のシステム上重要な銀行に指定されていることから、リスク加重資産の0.20%となっている。
インド準備銀行は、国内のシステム上重要な銀行に対して、最低レバレッジ比率を4.0%に維持することを義務付けている。
「-第3-3-(2)-(e) 当行は、インド準備銀行が定める自己資本比率規制要件(バーゼルⅢを含む。)及びインドの大手民間部門銀行が維持すべき自己資本比率の水準に関する一般市場の予測の対象となっており、規制の変更、資本市場へのアクセスの欠如又はその他の理由により十分な自己資本を維持することができない場合、当行の事業を成長させ支援する能力に影響が及ぶ可能性がある。」及び「-第3-3-(2)-(f) 当行は、インド準備銀行の流動性要件及び当行の海外拠点における銀行規制当局の流動性要件に従い、規制変更により適切な流動性を維持できないこと、資本市場の利用不足、又はその他は、当行の事業を拡大及びサポートする能力に影響を与える可能性がある。」も参照のこと。
自己資本目的のリスク加重資産の計算に関して、当行は信用リスク及び市場リスクの査定に関する標準化されたアプローチ並びに業務リスクの査定に関する基本的指標アプローチに従う。
インド準備銀行が実施する自己資本充実に関する健全性規制の第2の柱に係る基準に基づき、銀行は、取締役会の承認を得て、規模、複雑性の程度、リスク構造及び事業の範囲に見合う自己資本充実度に関する内部評価プロセスを作成し、実施しなければならない。また、インド準備銀行は、銀行に対し、様々なリスク要因に対する感応度テスト及びシナリオ・テストを含む適切なストレス・テストの方針及び枠組みを制定し、その内容及び成果を自己資本充実度に関する内部評価プロセスに含めることを勧告するガイドラインを発表した。
2026年4月、インド準備銀行は「2026年インド準備銀行(商業銀行-信用リスクに対する資本費-標準的手法)指令」を発表した。これらの指針は、信用リスクに対するリスク加重資産の算定において、バーゼルⅢの標準的手法を、よりリスク感応度の高い方法で実施するものであり、ソブリン、銀行、企業、中小企業、小口、不動産及びオフバランスシート項目に対するバンキング・ブックのエクスポージャーを対象としている。リスク加重は、外部信用格付、エクスポージャーの種類及び適格担保に基づいて決定され、当該指針では、特定分野向け貸付、不良資産及び信用リスク軽減手法の取扱いについても改定が行われている。当該指針は2027年4月1日に施行される。
2026年7月、インド準備銀行は、規制開示の枠組みをバーゼルの第3の柱の要件とより厳密に整合させることを目的として、商業銀行に対するバーゼルの第3の柱の開示に関する改訂要件を公表した。改訂された枠組みは、規制開示、保証及び内部統制、開示の頻度及び時期並びに当行のウェブサイト上の規制開示セクションの維持に関する要件を強化する。改訂要件は、2027年4月1日から施行され、改訂後の四半期、半期及び年次開示要件は、それぞれ2027年6月30日、2027年9月30日及び2028年3月31日に終了する報告期間から適用される。
インド準備銀行による早期是正措置
PCAの枠組みにおいては、一定の財務指標を満たさない銀行がインド準備銀行の監視下に置かれ、業務及び事業の規制の対象となる。PCAの枠組みに基づき、銀行は、財務上又は業務上のパラメーターのいずれかに違反していることが発覚した場合、いかなる時点においても監視下に置かれる可能性がある。PCAの枠組みにおいて、PCAの行使に係る主要な基準には、(ⅰ)自己資本比率が10.25%未満となること及び/若しくは普通株等Tier1比率が6.75%未満となること、(ⅱ)純不良資産比率が6.0%超となること、又は(ⅲ)レバレッジ比率が4.0%未満となることが含まれる。
法定準備金規制
現金準備率
インド準備銀行は、銀行に対し、銀行間預金を除いて、その普通預金及び定期預金の純額に対する一定割合を、自行での現金準備及びインド準備銀行への当座預金の形で保有することを義務付けている。2024年12月、インド準備銀行は、すべての銀行の現金準備率を、普通預金及び定期預金の純額の4.50%から4.00%へ50ベーシスポイント引き下げた。さらに、インド準備銀行は、現金準備率を、普通預金及び定期預金の純額の4.0%から3.0%へ100ベーシスポイント(4回に分けて25ベーシスポイントずつ)引き下げた。かかる引下げは2025年9月6日、10月4日、11月1日及び11月29日にそれぞれ開始する2週間の報告から適用される。
法定流動性比率
インド準備銀行は、銀行に対し、その普通預金及び定期預金の純額に対する一定の割合を、現金、金又は承認された無担保の証券等の流動資産により維持することを義務付けている。これを法定流動性比率という。ソブリン金貨債への投資は法定流動性比率の計算に含めることができる。現在の法定流動性比率は18.0%である。
流動性カバレッジ比率
インド準備銀行が実施するバーゼルⅢに基づき、インドの銀行は、特定の規定されたストレス状態における、翌30暦日に係る純キャッシュ・アウトフロー総額に対する適格流動資産の残高の比率である、最低LCRを維持することが求められる。当該比率は現在100%に設定されている。LCRは、30日間継続する仮説上のストレス期間においても深刻な流動性に関する要件を達成することができる、十分な水準の負担のない適格流動資産を銀行に維持させることが確保できるよう規定されている。
安定調達比率
インド準備銀行が実施するバーゼルⅢに基づき、NSFRは、銀行に、継続的により安定した資金源から自らの業務への投資を行うことを義務付けている。NSFRは、必要な安定調達額の合計に対する利用可能な安定調達額の合計と定義される。銀行は、100.0%以上の水準を保たなくてはならない。
貸付に関する規制
銀行規制法並びにインド準備銀行が公布した規制及びガイダンスは、インドの銀行の貸付について規定している。インド準備銀行が公表した指針及びガイドラインは、2025年インド準備銀行(商業銀行-与信枠)指針及び2025年インド準備銀行(商業銀行-信用リスク管理)指針に統合されている。
銀行は自己の貸付金利を決定することができるが、貸付金利に関する借入人の間で一般的なすべての要素を考慮に入れた、その最低金利を公表しなければならない。
銀行が行うリテールに対する新規変動利付貸付並びにMSMEsに対する貸付の金利はすべて、外部基準市場金利に関連付けることが義務付けられている。外部基準には、インド準備銀行の政策金利であるレポレート、インド政府短期国債の91日物のイールド、インド政府短期国債の182日物のイールド又はその他のファイナンシャル・ベンチマークス・インディア・プライベート・リミテッドが発行する市場金利のベンチマークが含まれる。
銀行は、他の種類の借入人(例えば、法人借入人)に対して、外部基準又はかかる目的のための内部基準である資金調達の限界費用に基づく貸付金利のいずれかにより、自由に変動利付貸付を行うことができる。銀行は、インド準備銀行が資金調達の限界費用に基づく貸付金利の計算に関して定めたとおり、満期が1年以内の貸付につき、自身の資金調達の限界費用に基づく貸付金利を毎月精査し、公表しなければならない。銀行は、特定の満期における基準金利を下回る金利で貸付を行ってはならない。
銀行規制法は、銀行が自己株式を担保とする貸付又は担保貸付を実行することを禁止している。また銀行は、一定の例外を除き、その取締役のいずれか、若しくはその会社の取締役のいずれかがパートナー、マネージャー、従業員又は保証人となっている会社、その銀行の取締役のいずれかが取締役、経営機関、マネージャー、従業員又は保証人となっているかその銀行の取締役のいずれかがその会社の相当数の株式を有している会社(銀行の子会社、インド会社法第8条により登録された会社、政府系企業ではない。)、子会社又は持株会社並びにその取締役がパートナー又は保証人である個人に対して、又は代理をして、貸付を行うことを禁じられている。
インド準備銀行は、株式担保貸付の金額、利鞘規制及び目的に関するガイドラインを策定した。インド準備銀行は、銀行が取締役会の承認を経て、不動産に対するエクスポージャーに関する政策を定めなくてはならないとするガイドラインを策定した。最近、インド準備銀行は、買収ファイナンスに関する改訂版ガイドラインを発表した。
インド準備銀行は、デジタル貸付に関する指令を策定した。当該ガイドラインには、年率の所定の書式による表示、主要事実開示書の顧客への提供、デジタル貸付に関する苦情/問題に対処するための苦情処理責任者の任命、借入人が罰金を支払うことなく、デジタル貸付を差し押さえることができるクーリング・オフ期間/ルックアップ期間の提供、借入人へのデジタル署名文書の提供その他の要件等、借入人への開示及び消費者保護に関するガイドラインが含まれる。
インド準備銀行は、貸付口座の違約金に係る公正貸付慣行に関する指令を策定し、規制対象事業体に対し、貸付に関する違約金又は類似の手数料について、取締役会が承認した方針を定めることを義務付けている。当該ガイドラインはまた、ローン契約の重要な条件の不履行に対して課される罰則を、「違約利息」ではなく「違約金」の形とし、違約金の資産計上を行わないことを義務付けている。違約金は、ローン契約、最重要条件/主要事実開示書及び当行のウェブサイト等において明確に開示されなければならない。
インド準備銀行は、規制対象事業体が本質的に減価償却される性質を有する動産(自動車等)を担保に行うすべての補充貸付を、信用査定、健全性制限及びエクスポージャーの目的上、無担保ローンとして扱うことを義務付けている。
インド準備銀行は、規制対象事業体に対し、すべての小口向け及びMSMEs向けターム・ローンについて、標準化された主要事実開示書を発行することを義務付けている。当該報告書は、金利及び返済スケジュールを含む重要な条件を開示し、貸付実行前に借入人によって承認されなければならない。
インド準備銀行では、資金が実際に支払われた日から利息を課すことを義務付ける指令がある。小切手による支払いについては、小切手が借入人に手渡された日から利息を課さなければならず、オンラインによる支払いが奨励されている。
行政指導に基づく貸付
優先部門貸付
インド準備銀行は、優先部門への貸付に関するガイドラインを策定し、商業銀行に対し、農業、零細及び中小企業、教育、住宅、社会インフラ、再生可能エネルギー並びにスタートアップ企業への貸付等の特定の優先部門に対し、銀行融資額の一定割合を貸し付けることを義務付けている。
インド準備銀行の優先部門の合計目標額は、調整後の銀行融資純額の40.0%又はオフバランスシート・エクスポージャーに相当する融資額のうちいずれか高い方であり、農業部門の全体的な目標額18.0%のうち、非法人農業に対する副目標額は14%、小規模・限界的小農に対する副目標額は10.0%であった。零細企業に対する貸付の目標額は、2026年度以降7.5%とされ、社会の経済的に脆弱な部門として認定された部門に対する貸付の目標額は、2026年度以降12.0%とされている。
優先部門貸付目標を達成できない銀行は、割り当てられた金額を、農業インフラ開発基金(RIDF)並びに国家農業農村開発銀行/国立住宅銀行/インド中小企業開発銀行及びマイクロ・ユニッツ・デベロップメント・アンド・リファイナンス・エージェンシー・リミテッドのその他の基金等、特定のインド政府基金に拠出しなければならない。RIDF又はその他の特定のインド政府基金への拠出に対する金利、預入期間及びその他の特徴は、インド準備銀行により随時設定される。さらに、副目標額の達成に至らなかった銀行は、貸付目標を達成するために、代わりに優先部門貸付証書を購入することができる。
輸出信用
インド準備銀行は、輸出業者が国際的に競争力を有する金利で短期運転資金金融を利用することを許可した。輸出信用は、ルピー及び外貨で提供される。
海外直接投資に関する規制
2022年8月、インド準備銀行は、事業活動における利便性を高め、より広範な経済活動を網羅し、インド準備銀行に特定の承認を求める必要性を大幅に低減するため、インド政府とともに新たな海外投資枠組み(すなわち外国為替管理(海外投資)規則、規制及び指針)を策定した。
ルピーによる国際貿易の決済に関する規制
2022年7月、インド準備銀行は、インドからの輸出に重点を置いた世界貿易の成長を促進し、ルピーに対する世界貿易界の関心を高めるため、ルピー建ての輸出入の請求、支払い及び決済に関する追加的な取決めを通達した。
信用エクスポージャー・リミット
リスク管理を改善し、信用リスクの集中を回避することを目的とした健全な手法として、インド準備銀行は、銀行及び特定のその他の貸付人が、単一の事業体(その関係会社及びスポンサーを含む。)に対するエクスポージャーを制限すること、並びに分野特有のエクスポージャーを設定し、定期的に見直すことを義務付けている。
さらに、インド準備銀行は、単一の事業体及び関連事業体グループに対するエクスポージャーを適格資本基盤のそれぞれ20.0%及び25.0%とする制限を定めた、大口借入人に関するガイドラインを発表した。
資本市場エクスポージャー・リミット
インド準備銀行は、資本市場エクスポージャーに関するガイドラインを策定し、株式、転換社債/ディベンチャー、株式志向のミューチュアル・ファンドの持分、株式担保貸付並びに株式ブローカーに対する担保付及び無担保の貸付への投資による、すべての形式の市場資本に対する銀行のエクスポージャー(ファンド・ベース及びノンファンド・ベース)は前年度の3月31日現在の単体及び連結ベース双方の銀行の純資産の40.0%を超過してはならないと規定している。
グループ内取引及びエクスポージャーに関する制限
インド準備銀行は、グループ内の事業体に対するエクスポージャー・リミットを、非金融会社及び規制対象外の金融サービス会社については銀行の払込資本金及び準備金の5.0%、規制対象の金融会社については10.0%と規定している。グループ・エクスポージャーの総額は、(金融及び非金融の)すべてのグループ事業体に関して、払込資本金並びに準備金及び剰余金の20.0%を超えてはならず、非金融会社及び規制対象外の金融サービス会社に関しては10.0%を超えてはならない。株式及びその他資本商品の形でのグループ内のその他の銀行/金融機関に対する銀行のエクスポージャーは、これらの制限から除外される。エクスポージャーがこれらの制限を超える場合、その超過額は、銀行の普通株等Tier1資本から差し引かれる。
貸付エクスポージャーの譲渡及び正常先資産の証券化に関する標準指針
インド準備銀行は、銀行に流動性管理、エクスポージャーのリバランス又は戦略的売却及び不良資産の処分のための選択肢を与えることを目的として、指針を策定し、証券化の発起人に対し、一定のデュー・ディリジェンス要件並びに最低保有期間要件(3ヶ月及び6ヶ月)及び最低保有比率要件(10.0%)を満たすことを義務付けている。
信用情報機関
2005年信用情報会社(規制)法に従い、銀行等のすべての金融機関が信用情報機関のメンバーとなり、信用情報機関により金融機関に必要とされる、その金融機関との信用関係を有する個人又はグループに対する信用情報を、信用情報機関へ報告しなければならない。
2025年11月、インド準備銀行は、信用情報の報告に関する標準指針を策定した。当該指針には、信用情報の報告及び公表に関する標準化された枠組み、慎重な取扱いを要する信用情報の機密性及び安全性の保護に関する要件並びに消費者の信用情報へのアクセス及び苦情処理に関する要件が含まれるが、これらに限定されない。
貸倒引当金及び不良資産
2025年4月、インド準備銀行は、利益の認識、資産の分類及び債権に対する引当金の健全性基準に関する標準指針を策定した。当該指針は、収益の認識、資産分類及び引当基準に関する統合された指示及びガイドラインを規定している。
資産分類
特に、ターム・ローンについて利息及び/又は元本の分割払いの支払期日から90日超経過している場合、貸越又は当座貸しについてその口座が「返済されていない」状態である場合、引受手形及び割引手形について支払期日から90日超経過している場合、元本の分割払い又は利息の支払期日が、短期作物については2収穫期、長期作物については1収穫期にわたり経過している場合、並びに証券化取引について流動性補完措置が90日超未使用である場合に、担保貸付は不良資産に分類される。
デリバティブ取引については、デリバティブ契約の時価に関する期日経過の受取勘定が指定された支払期日から90日間未払いである場合、担保貸付が不良資産に分類される。クレジットカード取引については、規定されている最低支払額が、規定されている支払期日から90日超未払いである場合に、担保貸付が不良資産に分類される。不良資産の利息は、回収されなければ所得勘定への認識又は入金はなされない。不良資産は以下のとおり分類される。
要注意資産:12ヶ月を超過しない期間について、不良資産である資産をいう。かかる資産は、明らかな信用の脆弱性を伴っており、その信用の脆弱性により債務の整理が危険視され、またその信用性の低さは、銀行が赤字を填補できなければ損失を計上し続けることの可能性の高さにより特徴付けられる。
破綻懸念先資産:12ヶ月間継続して要注意資産である資産をいう。破綻懸念先として分類される貸付は、要注意資産として分類される資産に内在するあらゆる脆弱性に加えて、現在知られている事実、条件及び価値を基準とすると、その脆弱性により債務を完全に回収し整理することが非常に疑わしく、かつその可能性が低いという特徴を有している。
破綻先資産:銀行又は内部若しくは外部の監査人による監査手続又はインド準備銀行の検査で損失が認められたが、その全額が償却されていない資産をいう。
実施中のプロジェクトの貸付分類に関しては、個別のガイドラインが規定されており、決算処理時に当初予想されていたかかるプロジェクトの開始日及び完了予定日が基準とされる。
インド準備銀行は、年1回、銀行を対象としたリスク・ベースの監督評価を行っている。かかる評価の一環として、インド準備銀行は、銀行による資産分類の方法及び銀行がその借入人に付与した信用枠の引当につき、個別の検討を行う。かかる評価は、当該事業年度について年次監査が完了し、監査済財務書類が発表された後に開始される。資産分類の方法及び信用枠の引当の計上方法における銀行及びインド準備銀行のいかなる相違も、かかる相違がある参照期間において引当前利益及び偶発損失の5.0%又は総不良資産の5.0%のいずれかを占める場合には、その後の財務書類における開示の対象となる。2021年度、2022年度、2023年度、2024年度及び2025年度において、インド準備銀行によるICICIバンクの資産分類及び引当における相違の評価について、追加的開示は求められなかった。
2026年4月、インド準備銀行は、「2026年インド準備銀行(商業銀行-利益の認識、資産の分類及び引当金)改正指針」を発表した。当該指針は、既存の損失発生アプローチに代わって、担保貸付に対する引当金について将来を見据えた予想信用損失枠組みを導入しているが、不良資産への分類に係る既存の90日基準は残している。金融資産は、信用リスクに関する当初の判断からの変化に基づいて、3つのステージのうち1つに区分され、12ヶ月の予想信用損失はステージ1資産、全期間の予想信用損失はステージ2及びステージ3資産と判断される。当該指針はまた、金融資産の収益の認識に関して効果的な金利枠組みを導入している。本指針は、2027年4月1日に効力が生じる。
条件緩和貸付
リストラクチャリングされた正常先貸付には、より高い正常先資産に対する引当金及び自己資本目的のより高いリスク加重が課される。より高いリスク加重及び引当金は、改定された支払スケジュールの下で一定期間十分なパフォーマンスが確立されるまで続けられる。リストラクチャリングされた勘定が、不良貸付として分類されるための最低期間を超えて改定されたスケジュールで期日を過ぎた場合、当該勘定は、リストラクチャリング前の支払スケジュールに照らし合わせ不良の区分に格下げされる。
引当及び償却
インドGAAPに基づく引当金は、資産分類固有のガイドラインに基づいている。下記のガイドラインは様々な資産分類に適用される。
正常先資産:業績ポートフォリオに対する引当金は、インド準備銀行により発表されたガイドラインに基づく。引当要件は、0.25%から3.0%までの引当金が適用される一部の貸付金を除き、すべての正常先資産に対して一律0.4%である。
インド準備銀行は、ストレスを受けている経済部門への貸付に関するガイドラインを策定し、規制要件よりも高い比率で正常先資産の引当金を維持するよう各銀行に義務付けている。破産・倒産法に基づき国家会社法裁判所に付託された資産については、銀行は貸付金残高の50.0%の担保が付された部分から100.0%の無担保の部分に至る引当を行わなければならない。
要注意資産:すべての要注意資産に対して、15.0%の引当金が要求されている。無担保の勘定に関しては、25.0%の引当金が要求される。
破綻懸念先資産:100.0%の引当金/償却が、破綻懸念先資産の無担保の部分に対して行われなければならず、かつ収益に対しても行われる必要がある。破綻懸念先と分類される資産の担保が付されている部分について、1年間破綻懸念先と分類される資産については25.0%の引当金、1年から3年にわたり破綻懸念先と分類される資産については40.0%の引当金、また3年超破綻懸念先と分類される資産については100.0%の引当金が要求される。貸付が保証された担保の価格は、借入人の帳簿上又は第三者の査定人が決定する実現可能価値に反映される金額である。
破綻先資産:資産全額を償却し、引き当てることが要求される。
銀行による回収代行業者の利用に関するガイドライン
インド準備銀行は、銀行に対し、回収代行業者の利用に関するデュー・ディリジェンスを実施すること、回収代行業者に関する詳細を借入人に知らせること、並びに債権回収手続における苦情処理について規定することを求めている。
銀行による不良資産に対する担保実行/銀行の債権回収の法的枠組み
SARFAESI法は、インド準備銀行のガイドラインに従って不良債権に区分された貸付金に関して、担保付債権者がその借入人に対して書面による通知を行うことにより、60日以内にその債務を履行させることができる旨を規定している。借入人がこれを怠った場合、担保付債権者は、担保付借入人に支払うべき金銭を回収することを最終目的として、特に貸付金の担保となっている資産の取得/売却、借入人の事業経営の引継ぎ、取得した担保資産を管理する者の任命等を行うことができる。「-資産再構築会社に対する資産の売却に関する規制」も参照のこと。
1993年債権回収及び破産に関する法律に基づき、迅速な判断及び銀行若しくは金融機関又はそれらのコンソーシアムの債務の回収を目的とする債権回収裁判所が設立された。債権回収裁判所の設立により、いかなる裁判所又はその他の当局も、一定の状況におけるインドの高等裁判所を除いては、本法律の対象となる問題に対して権限を行使することができない。
当行はまた、特定の小口向け資産及びサービスにつき、裁判以外の方法で迅速なクレーム対応や紛争解決を行うオンライン・オフライン両方の代替的な紛争解決手続(法律サービス庁又は独立した機関が主導し、訴訟前のロク・アダラト、調停、和解又は仲裁やその複数を行う。)を導入する。また、当行は、監視下にある債権の積極的な管理を行っている。当行の対策は、初期問題に対する早期解決を目指している。
ストレス資産の破綻処理
2016**年破産・倒産法
2016年破産・倒産法は、一定の条件及び最低基準額を条件として債権者が開始することのできる法人破産再生手続について規定している。
資産再構築会社に対する資産の売却に関する規制
インド準備銀行は、2025年インド準備銀行(商業銀行-信用リスクの譲渡及び分配)指針において、銀行に対して、資産再構築会社への金融資産の売却に伴う手続に関するガイドラインを策定している。このガイドラインにより、ある資産が不良資産である場合には、銀行は金融資産を資産再構築会社に売却することができる。
銀行は、金融資産を取得するために、資産再構築会社又はそれにより設立された信託が発行した有価証券受領証又はパススルー証券に対しても投資を行うことができる。インド準備銀行は、資産再構築会社の業務を管理するガイドラインを策定した。
初期警告サイン及び警告表示勘定を含む不正リスク管理のための枠組み
2024年7月、インド準備銀行は、不正リスクの管理に関する標準指針を策定し、銀行に対し、不正リスク管理の方針を定めることを義務付けている。当該方針は、銀行の取締役会によって承認されなければならず、取締役会、その委員会及び幹部役員の役割及び責任を明確化している。銀行は、取締役会が承認した包括的な不正リスク管理方針に基づき、初期警告サイン及び勘定の警告表示に関する枠組みを設定しなければならない。当該枠組みは、特に、コア・バンキング・ソリューション又はその他の業務システムと統合された強固な初期警告サインのシステムについて規定するものとする。
「-銀行による不良資産に対する担保実行/銀行の債権回収の法的枠組み」及び「-銀行による不良資産に対する担保実行/銀行の債権回収の法的枠組み-ストレス資産の破綻処理」も参照のこと。
支店の開設に関する規制
支店の開設及び移転は、銀行規制法第23条の規定に規制される。
一定の金融包括的要件の下、銀行はインド準備銀行による事前の承認を得ずに、Tier1からTier6の地域において銀行支店を開設することができる。銀行はその年に開設される新規の総銀行支店数の25.0%を、銀行のない農村地域に配置しなければならない。銀行支店とは、預金の受入れ、引出し又は融資のサービスが少なくとも週に5日、1日に最低4時間提供される、銀行のスタッフ又はそれに準ずる業務要員が配置された店舗型のサービス供給単位である。
業務代理店の利用に関する規制
銀行の出先機関の増加及び金融包括の拡大の促進を目的として、インド準備銀行は、銀行がその支店以外の場所において銀行業務及び金融サービスを提供する際に、業務代理店を利用することを認めている。
預金に関する規制
インド準備銀行は、銀行が独立して定期預金及び普通預金に対する金利を定めることを認めている。しかし、銀行が当座預金に対して利息を支払うことはできない。普通預金に対する支払金利は規制されていない。しかし、100,000ルピーまでの普通預金については一律の金利を適用しなければならず、100,000ルピーを超える預金については異なる金利を支払うことができる。
国内定期預金並びにルピー建非居住者向け普通預金口座の最短満期は7日である。ルピー建在外インド人向け外部預金口座の最短満期は1年であり、外貨建非居住者向け預金口座の最短満期は1年、最長満期は5年である。
銀行は、国内定期預金で、大口定期預金額が30百万ルピー以上のものに対して異なる金利を提供することが認められている。
インド準備銀行は、異なる金利の提示の際の特別な条件として、定期預金の満期前解約制度を提供することを銀行に対して許可している。すべての10百万ルピー以下の個人の定期預金には、必ず期限前解約制度が付される。その他のすべての定期預金は、定期預金に期限前解約制度を付すかどうか顧客が選択することができる。銀行は、預金に対して支払われる金利条件を事前に開示しなければならない。
銀行は、非居住者(海外)向けルピー建預金及び非居住者向け普通預金口座の金利を決定することができる。ただし、その金利は、銀行により同等の国内向けルピー建預金に対して提示された金利を超えてはならない。
インド準備銀行は、グリーン預金関連の枠組みを有している。当該枠組みの目的は、規制対象事業体による顧客へのグリーン預金の提供を奨励すること、預金者の利益を保護すること、顧客が持続可能性に係る課題を達成できるよう支援すること、グリーンウォッシュの懸念に対処すること並びにグリーン活動及びプロジェクトに対する与信の流れを強化することである。
決済に関する規制
2021年、インド準備銀行は、非個人事業体が即時グロス決済及び国内電子資金振替等の集中決済システムを利用して行う500百万ルピー以上の単一の決済取引について、法人組織鑑定者システムを導入した。
インド準備銀行はまた、2021年に、デジタル決済の機密管理に関する標準指針を発表した。当該指針は、規制対象事業体が強固なガバナンス体制を構築し、インターネット、モバイル・バンキング、カード決済等のチャネルに係る機密管理の共通最低基準を満たすために必要なガイドラインを提示している。当該ガイドラインは、顧客がより安全かつ確実な方法でデジタル決済商品を利用するための環境を整備するものである。
2025年9月、インド準備銀行は、デジタル決済取引における認証メカニズムに関する指針を発表し、特別に免除されない限り、すべてのデジタル決済取引に対して少なくとも2つの異なる認証要素による認証を求めた。また、カード提示型取引以外については、認証要素のうち少なくとも1つは、動的に生成又は実証することを必須とした。
当座預金口座に関する規制
2022年にインド準備銀行は、当座預金口座及びキャッシュクレジット/オーバードラフト口座に関する統合通達を公表し、借り手のエクスポージャーに基づいて当該口座を開設する条件を定めた。この通達はまた、銀行が中核となる銀行システムにおいてこれらの口座を警告し、遵守を確実にするために、少なくとも6ヶ月に一度これらの口座を見直すことを求めている。2025年にインド準備銀行は、キャッシュクレジット口座について現在の口座制限を免除し、また制限のない当座預金/オーバードラフト口座に対する銀行の総融資額の上限を50百万ルピーから100百万ルピー未満に引き上げた。
顧客サービス及び顧客保護に関する規制
インド準備銀行は、顧客保護及び顧客サービスの強化に関する複数のガイドラインを策定している。
インド準備銀行は、顧客権利の保護のための広範かつ包括的な原則を示す、顧客権利に関する宣言書を発表した。宣言書は、銀行の顧客の5つの基本的な権利(公正、透明性、公平かつ誠実な取引、継続性、プライバシー並びに苦情対応及び補償の権利)を示す。
インド準備銀行は、内部オンブズマンによる苦情処理のための手続上のガイドラインを発表した。
インド準備銀行は、銀行に対し、不正電子銀行取引の際に発生する顧客債務を決定に関する指示を発表した。
インド準備銀行は、規制対象事業体(銀行を含む。)が、仮想通貨の取引を行うこと及び仮想通貨に関連するサービスを提供することを認めていない。かかるサービスには、口座の維持、登録、取引、決済、清算、仮想トークンへの融資、仮想トークンを担保として受け入れること、仮想トークンを取引する為替勘定を開くこと並びに仮想通貨の購入/売却に関連する口座における送金/金銭の受領が含まれる。
個人データの保護及びプライバシー
当行は、香港、シンガポール、米国、英国、カナダ、中国、アラブ首長国連邦におけるドバイ国際金融センター及びバーレーンを含む複数の法域でグローバルに事業を展開している。当行は、これらの法域の適用ある法律を遵守することが義務付けられている。当行は、すべての法域においてデータ・プライバシーの遵守を達成するための統合的かつ一元的な戦略を有している。
プライバシー規制により、顧客の個人データはそのライフサイクル全体を通じて保護されなければならない。したがって、当行は、すべての個人データ及び機密性の高い個人データを「機密情報」に分類し、すべての処理活動を記録し、顧客の個人データにアクセスできる従業員及び第三者と秘密保持契約を締結し、適用あるデータ保護規制及び事故対応手続に基づいて顧客が享受する様々な権利を行使するオプションを提供する等、いくつかの包括的な対策を講じている。
インド政府は、2023年8月に2023年デジタル個人データ保護法(DPDPA)を制定し、2025年11月13日に追加の規則を発表した。当該規則には、DPDPAの段階的な施行スケジュールが明記されている。
以下のとおり、2025年11月13日から段階的に施行されている。
・当該規則の発表と同時に効力発生:インドのデータ保護委員会の設立及び運営に関する規定
・当該規則の発表から12ヶ月後(2026年11月14日までに):同意管理者の認定及び義務に関する規定の効力が生じる。
・当該規則の発表から18ヶ月後(2027年5月14日までに):データ受託者及び重要なデータ受託者の業務上の主要な義務の効力が生じる。
デジタル銀行チャネルに関する規制
2025年11月、インド準備銀行は、銀行サービスを提供するためのデジタル・チャネルの活用に関する既存の指針を統合及び改定し、デジタル銀行チャネルの認証に関するガイドラインを発表した。当該ガイドラインはまた、各銀行に対し、すべての法定要件及び規制要件(デジタル銀行シナリオにおける流動性及び業務リスクの管理に係る要件を含む。)を勘案した上で、すべてのデジタル銀行チャネルを対象とした包括的な方針を導入するよう指示している。
クレジットカード、デビットカード及び提携カードに関する規制
インド準備銀行は、クレジットカード及びデビットカードの発行に関する標準指針を発表した。当該指針は、クレジットカード、デビットカード及び提携カードに関する一般的な規制及び行動規制を網羅しており、クレジットカード、デビットカード及び提携カードに適用される健全性、決済並びに技術及びサイバーセキュリティー関連の指針と併せて読まれるべきものである。
プリペイド決済商品に関する規制
インド準備銀行は、プリペイド決済商品の発行及び当該商品の使用に係る業務に関する標準指針を発表した。当該商品の発行者は、プリペイド決済商品の発行並びにプリペイド決済商品の発行及び補充を目的とした代理人の雇用、ブランド提携の合意、ギフトカード及び関連する業務に関して、取締役会の承認を得た方針を有することが求められている。
預金保険
インドの銀行に預けられた普通預金及び定期預金は、インド準備銀行の完全子会社である預金保険信用保証会社により保証されなければならない。保証範囲限度額は、預金者1名当たり500,000ルピーである。銀行は、6ヶ月ごとに、預金保険信用保証会社に対して、保険料を支払わなければならない。保険料は顧客に反映させることができない。
休眠口座/2014年預金者教育及び認識ファンドスキーム-銀行規正法第26A条
インド準備銀行は、銀行に対し、休眠口座及び10年をもって請求のないすべての適格な口座における貸出未実行残高及び未収利益を預金者教育及び認識ファンドに移転するよう求めるガイダンスを発行した。銀行は、1年を超えて顧客による取引がない口座に関して、少なくとも年に一度の見直しを行う必要がある。
インドの銀行による借入
インド準備銀行は、銀行間預金に関する所定の健全性制限の範囲内で、内部の取締役会が承認した制限に従って、コールマネー、ノーティスマネー、タームマネーの市場において銀行が借入及び貸付を行うことを許可している。
・銀行による銀行間預金は、銀行の前年度の3月31日現在における純資産の200%を超えてはならない。
・前年度の3月31日現在のリスク加重資産に対する自己資本比率(CRAR)について、その最低値(9%)を少なくとも25%上回る(すなわち11.25%超である)銀行は、純資産の300%を上限として銀行間預金に関する制限を引き上げることができる。
インド準備銀行は、減損されていないTier1資本の100.0%又は10百万米ドルのいずれか高い方を上限として、銀行による海外支店及びコルレス銀行からの資金の借入(輸出信用のための借入、海外からの商業借入及び本店/ノストロ口座からの当座貸越を含む。)も認めている。
インド準備銀行は、銀行に対し、その他Tier1資本に含める適格性のある永久債及びTier2資本に含める適格性のある債務資本証書を発行することを許可している。さらに銀行は、海外市場におけるルピー建債券並びにインフラ及び低価格住宅プロジェクトへの融資のための長期債券により資金を調達することができる。
金の換金スキーム及びソブリン金貨債
金の換金スキーム(GMS)は、国内の家計及び機関が保有する金を集め、生産的な目的に使用することを促進し、長期的には国の金輸入への依存度を低下させることを目的としている。一度の預金の最低額は、原料金10グラムである。GMSにおける中長期の政府預金は、2025年3月26日付で廃止された。また、遺贈における中期金預金及び長期金預金の更新、一部更新及び一部償還も廃止された。
ソブリン金貨債は、金グラム建ての国債であり、インド準備銀行がインド政府に代わって発行している。SGBは金の現物保有の代わりとなるものである。
KYC及びAMLに関する規制
PMLA及びそれに基づき発布された規則は、金融活動作業部会の勧告に沿って、マネーロンダリング及びテロ行為のための資金調達を阻止し、これを犯罪とすることを目的としている。PMLAは、特定の記録を維持し、特定の取引をインド政府内の金融情報機関に報告すること規制団体に対して定めている。この法律はまた、特定の違反を犯罪化し、指定取締役及び主要役員の任命並びに同法に基づくそれぞれの職務について規定している。
また、インド準備銀行は、顧客受入方針、顧客のデュー・ディリジェンス手続、取引に係るリスク管理の監視、定期的な報告、従業員の育成及びAML/KYCの枠組みに関する独立監査等に関する指針を発行した。これらの指令は、随時更新される。
投資に関する規制
インド準備銀行は、2025年11月28日付のインド準備銀行の商業銀行の投資ポートフォリオの分類、評価及び運用に関する標準指針で規定されている条件に従って投資活動を行うことを銀行に要求している。
すべての投資ポートフォリオ(法定流動性比率適格証券及び非法定流動性比率証券を含む。)は、満期保有目的、売却可能及び損益を通じた公正な価値評価の3区分に分類される。トレーディング目的保有は、損益を通じた公正な価値評価内の独立した個別投資区分であり、子会社、ジョイントベンチャー及び関連会社への投資は別個の区分である。投資の区分は、銀行によって取得時に決定される。
銀行は、取締役会及びインド準備銀行の承認を得ることなく、投資区分間の再分類を行ってはならない。
上場されていない非法定流動性比率証券に対する銀行の投資額は、前年度の3月31日現在の非法定流動性比率証券に対する投資総額の10%を超えてはならない。
資産を不良資産に分類するために用いる基準は、投資を不良投資(NPI)に分類するためにも用いられる(すなわち、NPIとは、満期受取金を含む利息/割賦金の支払期日が到来し、90日超未払いとなっているものをいう。)。株式の場合、最新の貸借対照表が入手できないことを理由として、会社の株式に対する投資が1社当たり1ルピーで評価される場合、これらの株式はNPIに分類される。
オルタナティブ投資ファンドへの投資
インド準備銀行は、規制対象事業体に対して、オルタナティブ投資ファンドのいかなるスキームにも10.0%を超えて投資してはいけないと指示しており、すべての規制対象事業体による当該スキームへの投資総額は、スキームの総額の20.0%に制限されている。規制対象事業体がオルタナティブ投資ファンドスキームに5.0%を超えて投資する場合、当該スキームを通じて行われた債務者企業に対する投資の割合に応じて、規定を設けることが要求される。ただし、債務者会社に対する直接貸付及び/又は投資エクスポージャーを上限とする。当該スキームの劣後ユニットに対して行われた投資は、規制対象事業体の資本金から控除されるものとする。
銀行グループは、指令に定められた条件に従って、インド準備銀行の事前の承認なく、オルタナティブ投資ファンドのカテゴリーⅠ又はカテゴリーⅡスキームの総額の20.0%未満の投資を行うことができる。銀行グループは、インド準備銀行の事前の承認を得た場合、オルタナティブ投資ファンドのカテゴリーⅠ又はカテゴリーⅡスキームの総額の20.0%以上、ただし30.0%を超えない範囲の投資を行うことができる。銀行は、オルタナティブ投資ファンドのいかなるカテゴリーⅢスキームに対する投資を許可されていない。また、銀行の子会社によるオルタナティブ投資ファンドのカテゴリーⅢスキームに対する投資は、SEBIが定める規制上の最低限度額に制限される。
銀行は、オルタナティブ投資ファンドスキームへの投資を通じた投資先企業に対するエクスポージャーが、銀行に適用されるいかなる規制の回避にもつながらないよう確保することを要求される。
子会社並びに他の金融部門及び非金融サービス投資
銀行規制法第19条(2)の規定に基づき、銀行は、質権者、抵当権者又は絶対的所有者としての別を問わず、その会社の払込済資本の30.0%又は銀行自身の払込済資本の30.0%のどちらか少ない方の金額を超えるいかなる会社の株式も保有することができない。さらに当該規制により、銀行は、当該銀行のマネージング・ディレクター又はマネージャーがその経営にいかなる形であれ利害関係を有する会社の株式を保有することを禁止されている。
銀行規制法第19条(1)の規定に基づき、銀行は、許可された活動を行う目的でのみ子会社を設立することが認められる。さらに、銀行がグループ事業体の株式資本に対して追加の投資を行うには、事前の承認が必要である。
いかなる事業体(グループ事業体を含む。)に対する銀行の個別の株式投資も、最近の監査済の貸借対照表又は直近四半期の監査済/未監査の貸借対照表のいずれか低い方の銀行の払込済株式資本及び準備金の10%を超過してはならない。
すべての事業体への株式投資(グループ事業体及び海外投資を含む。)の総額は、最近の監査済の貸借対照表又は直近四半期の監査済/未監査の貸借対照表のいずれか低い方の銀行の払込済株式資本及び準備金の20%を超過してはならない。
銀行グループは、以下の条件を満たす場合、事業体の株式資本に対し20%未満の投資を事前の承認なしに行うことができる(当該銀行による投資の有無を問わない。)。
(1) 当該銀行のCRARは、当該投資後の所定の最低資本額(資本保全バッファーを含む。)を下回ってはならない。
(2) 当該銀行は、過去2会計年度のそれぞれで純利益を計上する必要がある。
銀行は、「2025年インド準備銀行(商業銀行-金融サービス事業)指針」(2025年12月5日改定)の第29条(A)第1項に記載された状況に限り、非金融サービス事業体の株式資本に対し20%以上、ただし30%を超えない範囲の投資を行うことが認められている(子会社を除く。)。
資産負債管理に関する規制
インド準備銀行は、流動性リスク管理に関するガイドラインを発表した。当該ガイドラインには、流動性リスクの管理、測定、監視及び流動性ポジションに関するインド準備銀行への報告に関するガイダンスが含まれている。
ストレス・テスト
インド準備銀行は、ストレス・テストに関するガイドラインを発表した。当該ガイドラインは、ストレス・テスト・プログラムの全体的な目的、管理、設計及び実施に関するガイダンスを含む。銀行は、最低限、インド準備銀行所定の基本的なショックを想定したストレス・テストを実施することを義務付けられている。
銀行の資産負債管理枠組みに関するガイドライン-金利リスク
2023年2月にインド準備銀行は、銀行が所定の様式による開示を四半期ごとにインド準備銀行に対して提出することを求めるガイドラインを発表した。
IT及びサイバーセキュリティー
インド準備銀行は、2025年委託リスク管理に関する標準指針(2025年委託標準指針)を発表した。2025年委託標準指針の一部は、IT関連サービスを第三者に外注する際のリスク管理の分野に焦点を当てている。銀行は、顧客に提供するビジネスモデル、製品及びサービスをサポートするために、IT及びIT対応サービスを広く活用してきた。
当行は、ITサービスの委託に関する取決めに関連するリスクの特定、測定、緩和/管理及び報告に関する手続及び責任を包括的に取り扱うITサービスの委託に係るリスク管理枠組みを有している。
インド準備銀行は、IT管理、リスク、統制及び保証の慣行に関する標準指針(IT指針)を発表した。当該IT指針は、IT管理、ITインフラストラクチャー及びサービス管理、IT及び情報セキュリティーリスク管理、事業継続及び災害復旧管理並びに情報システム監査の分野に焦点を当てている。
インド準備銀行の銀行におけるサイバーセキュリティーの枠組み(サイバーセキュリティーの枠組み)は、銀行に対して事業の複雑さの水準及び許容可能なリスクの水準を考慮した、コンピュータ・ネットワーク上の脅威に対抗するための適切なアプローチを含むサイバーセキュリティー方針の整備を求めている。サイバーセキュリティーの枠組みは、継続的な監視、ITの包括的セキュリティー、顧客データの保護及びサイバーセキュリティーの準備態勢を維持するためのサイバー危機管理計画の分野に焦点を当てている。
「-第3-3-(4)-(b) 当行は、サービス妨害攻撃、インサイダーによる特権アクセスの悪用、ハッキング、当行の従業員及び顧客を標的とするソーシャル・エンジニアリング攻撃、マルウェアの侵入又はデータ破壊攻撃並びになりすまし犯罪等、機密情報の漏洩につながり、当行の事業又は評判に悪影響を及ぼし、かつ重大な法律上及び財務上のエクスポージャーを生み出す可能性のあるセキュリティーリスクに直面している。」も参照のこと。
外貨販売代理店
インド準備銀行は、当行に対して、当行の指定された支店を通じて外国為替を扱うための正規の公認ディーラーカテゴリーⅠの認可を付与した。
さらに、銀行は、一定の条件に従い、金利スワップ、通貨スワップ及び金利先渡契約の形で、インドの会社への外貨建貸付エクスポージャーをヘッジすることができる。
当行の外国為替業務は、インド準備銀行により定められたガイドラインに従っている。
外国為替及びクロスボーダー業務取引に適用される規制
銀行により行われる外国為替及びクロスボーダー取引は、外国為替管理法の規定に従わなくてはならない。銀行は、不自然な取引の特定、かかる取引に関するデュー・ディリジェンスの実施、及び疑わしいと確認された場合は、各法域における金融情報機関に対する報告を想定したリスク・ベースの手法を用いて、あらかじめ設定された規則に従い、顧客の取引を監視しなければならない。
インド準備銀行は、海外からの商業借入及び貿易金融に関するガイドラインを随時策定する。
2024年1月、インド準備銀行は、居住者及び非居住者による為替リスクのヘッジ手段に関する改正指令を公布した。当該指令では、発表されたガイドラインに沿って、予測可能か又は契約上の外国為替リスクを有するインド居住者又はインド国外に居住する者に対して、デリバティブ商品を提供することができる。
インド準備銀行は、非居住者が金利リスクのヘッジ又はその他の目的でルピー建金利デリバティブの市場で取引することを許可した。
非居住者(個人を除く。)は、ヘッジ以外の目的で、翌日物金利スワップ取引を、インドのマーケット・メーカーと直接行うか、又はかかるマーケット・メーカーの外国支店/親会社/グループ事業体を通じて同等の条件で行うことが許可された。
インド準備銀行は、店頭(OTC)デリバティブの提供に関するガイドラインの改定を発表した。かかるガイドラインは、ガバナンス枠組み、新商品の導入、ユーザー取引行動、価格設定及び評価、リスク管理、内部統制並びに内部監査に関して、マーケット・メーカーが遵守すべき広範な原則を規定している。
2024年5月、インド準備銀行は、中央清算されないOTCデリバティブの変動証拠金及び当初証拠金の交換を義務付ける「2024年インド準備銀行(中央精算されないOTCデリバティブに係る証拠金の預託)標準指針」を発表し、カウンターパーティー・リスク管理を強化した。
2025年5月には、「インド準備銀行(国債の先物取引)指針」が施行され、居住者である市場参加者は債券のフォワード取引でロング・ポジションを取ることができ、居住者及び非居住者である利用者は、ヘッジ目的で債券のフォワード取引でカバード・ショート・ポジションを取ることができるようになった。
インド準備銀行は、GIFT IFSCにおけるインドの銀行の支店、子会社又はジョイントベンチャーが、IIBXの取引会員又は取引清算会員として活動することを許可し、インドの銀行がIIBXの特別カテゴリーの顧客として活動するために金又は銀を輸入することを許可する、インド国際貴金属取引所(IFSCリミテッド)(IIBX)におけるインドの銀行の参加に関するガイドラインを発行した。
2025年1月、インド準備銀行は、預金及び口座に関する標準指針を改定し、すべての許容可能な当座取引及び資本取引を許可し、輸出者がインド国外の銀行において外貨口座を開設できるようにした。
連結監督ガイドライン
インド準備銀行のガイドライン「インド準備銀行(財務書類-公表及び開示)指針」に基づき、銀行は、公衆の閲覧に供するために連結財務書類を作成しなければならない。
インド準備銀行による連結健全性報告書に関するガイドラインに基づき、銀行は、インド準備銀行へ、保険子会社及び金融サービスに関連しない事業を行っているグループ会社を除く連結基準で様々な健全性基準に従っていることを記載した連結健全性報告書を提出しなければならない。
「-1-貸付の集中」も参照のこと。
銀行の業務停止、再建及び合併
インド準備銀行は、インド政府に対し、銀行の業務停止を申請することができる。インド政府は、インド準備銀行の申請を検討した上で、当該銀行に対する訴訟手続の開始につき最長6ヶ月間の停止命令を言い渡すことができる。当該停止期間中、(a)公共の利益のため、(b)預金者の利益のため、(c)銀行の適切な経営を確保するため又は(d)国全体の銀行システムの利益のためにのみ、インド準備銀行は、銀行の再建又は他行との合併の計画を作成することができる。
インド準備銀行は、民間部門銀行間の合併及び銀行と銀行以外の金融会社の間の合併に関するガイドラインを発表し、特に、合併の根拠、合併から生じる組織的利益及び合併した事業体の利益の調査が重視されている。2つの民間部門銀行の合併に関して、ガイドラインによると、当該2つの銀行の取締役会による承認の後、合併計画案が両銀行の株主の3分の2の多数で承認されなければならない。銀行規制法に基づき、インド準備銀行は、提案された合併を評価及び承認する必要がある。銀行と銀行以外の会社との合併に関しては、銀行以外の会社が銀行との合併を提案されている場合、銀行は、合併計画が銀行の取締役会及び銀行以外の金融会社の取締役会により承認された後、インド会社法の規定に定めるところにより当該計画が承認のために国家会社法裁判所に提出される前に、インド準備銀行の承認を得なければならない。「-その他の法令-インド競争法」も参照のこと。
その他の法令
インド会社法
銀行を含むインドの会社は、特定の部門に関する法令並びに部門別の規制機関により定められている規則及びガイドラインに加え、インド会社法に関連する規定を遵守するよう義務付けられている。インド会社法は、特に独立取締役の説明責任の強化やコーポレート・ガバナンスの慣行の改善及び一定の規模以上の企業に対し、企業の社会的責任を果たすよう命じ、過去3年間の平均純利益の最低2.0%を企業の社会的責任に対するイニシアティブに使用するよう義務付ける規定を含む。これに関する不足があった場合は、年次報告書で説明するよう義務付けられている。当該年度に要求される支出を超える支出超過額は、翌会計年度に要求される支出と相殺することができる。プロジェクトを継続している場合、未支出額は、未支出CSR口座に振り替え、インド会社法に規定されたとおりに使用しなければならず、その他の場合には、当該未支出額をインド会社法別表Ⅶに規定された基金に規定された期間内に振り替えなければならない。
インド競争法
2002年インド競争法は、競争の促進、不公平な取引慣行の防止及び消費者の利益保護を目的としたインド競争委員会を設立した。2002年インド競争法は、非競争的な契約及び市場独占の濫用を禁止し、一定の規模以上の企業に関する合併吸収の際に、インド競争委員会の承認を得るよう義務付けた。
守秘義務
銀行の守秘義務は、顧客との関係を規制する慣習法から生ずる。銀行は、明確に規定された状況を除いて、第三者にいかなる情報も開示することができない。この一般原則に関する例外は以下のとおりである。
・法律によって開示をしなければならないとき。
・公開しなければならない義務が存在するとき。
・当行がその利益のために情報公開する必要があるとき。
・公開に対して顧客の明示又は黙示の同意があるとき。
銀行は、裁判所の命令があった場合にも情報を開示しなくてはならない。インド準備銀行は、公益の見地から、当行から得た情報を公開することがある。銀行帳簿証拠法の規定に基づいて、銀行の役員により証明された台帳、業務日誌、現金帳簿及び会計帳簿等の銀行の帳簿における記載の写しは、訴訟において取引の証拠として提出することができる。
SEBIの規制及びガイドライン
SEBIは、証券市場において投資家の利益を保護し、かつインド証券市場の発展を促進及び規制するために設立された。当行並びに当行の子会社及び関連会社は、その株式の公募及び私募を始め、その引受け、保管機関、指定預託機関参加者、マーチャント・バンカー、預託関係者、投資顧問業務、プライベート・エクイティ、取引会員、清算会員、資産管理業務、ポートフォリオ管理業務、募集の取扱銀行、リサーチ・アナリスト及びディベンチャー受託業務につき、SEBIの規制に従わなくてはならない。これらの規制は、当行並びに特定の子会社及び関連会社(場合による。)が上記業務、機能及び責任のそれぞれについてSEBIに登録することを規定している。当行及び当行の子会社は、これらの業務に適用される行為規範を遵守しなければならない。
所得税の利益
銀行として、当行は、インド所得税法による一定の優遇措置を享受することができる。当行は、インド所得税法に規定された方法で算定され、特別準備口座に繰り入れられる、工業若しくは農業の発展、インドのインフラ設備の発展又はインドの住宅の発展のための長期融資提供事業(5年以上の貸付と定義される。)から生じる利益の20.0%を上限として控除することができる。この控除は、事業年度中に特別準備金へ繰り入れられる特別準備金の総額が、当該払込済株式資本及び一般準備金の2倍を超過しないことを条件に各事業年度ごとに認められる。当該特別準備金から引き出された金額については、インド所得税法の規定に従い、その引き出した年に所得税を課されることがある。2013年12月にインド準備銀行が発行したガイドラインによれば、銀行は慎重に特別準備金に係る繰延税負債を発生させなければならない。繰延税負債は、損益計算書を通じて計上されることが認められている。インドでは、課税所得を計算する一方、不良債権に対する引当金は、総収益の8.5%まで及び農村地域の銀行支店による貸付平均総額の10.0%までが収入からの控除として認められている。引当金の大部分を占める引当金残高は、貸付金の償却時においては、課税所得からの控除として認められている。
保険会社に対する規制
2025年Sabka Bima Sabki Raksha(保険法改正)法は、2026年2月5日から効力が生じた。かかる法はとりわけ、保険部門における外国投資の限度を74%から100%に引き上げた。
ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド及びICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドは、それぞれ生命保険商品及び総合保険商品を提供する当行の子会社/関連会社及び関係会社であるが、1938年保険法の規定並びにその後通知された諸規則及び改正並びにIRDAIにより定められた規制に基づき発行された様々な規制上の要件に従わなければならない。これらは、とりわけ、保険会社としての登録、投資、ソルベンシーマージン規制、保険代理店及びその他の保険仲介業者の認可/登録、広告、保険商品及びサービスの販売及び流通並びに保険契約者の利益の保護について規制している。
ミューチュアル・ファンドに関する規制
当行の資産管理に係る子会社であるICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、その資産管理活動に関して、SEBIの規制を受けている。ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドは主に、2026年SEBI(ミューチュアル・ファンド)規則、2020年SEBI(ポートフォリオ管理)規則及び2012年SEBI(オルタナティブ投資ファンド)規則並びにそれぞれの規則に基づき発行された通知書により規制されている。国際金融サービス・センター(GIFTシティー)及びドバイ国際金融センター(DIFC)の管轄区域に設立されたICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドの支店は、それぞれ国際金融サービス・センター当局(IFSCA)及びドバイ国際金融センター当局(DFSA)の規制を受けている。
国際業務に関する規制
当行の国際業務は、当行の支店が存在する各国の規制を受けている。さらに、インド準備銀行はインドの銀行の海外支店/海外子会社が、一定の条件を満たすことを条件として、インド準備銀行の事前の承認なしに、インド国内市場において利用できないか又はインド準備銀行によって許可されていないストラクチャード・ファイナンス商品を含む金融デリバティブ商品の取引を行えることを通知した。
海外銀行子会社
当行の英国における完全子会社であるICICIバンクUKピーエルシーは、健全性規制機構及び金融行動監視機構から認可を受け、また規制されている。当行の英国における子会社は、英国内に7の支店、欧州本土のドイツ、エシュボルンに1の支店を有している。
当行のカナダにおける完全子会社である、ICICIバンク・カナダ(カナダの第2指定銀行)は、金融機関監督庁の規制を受けている。当行のカナダにおける子会社は、10の支店並びにハリファックス及びウィニペグに所在する2つの顧客サービス・センターを有している。
オフショア支店
シンガポール、バーレーン、香港、ドバイ国際金融センター、中国及びニューヨークに所在する当行の海外支店は、それぞれシンガポール金融管理局、バーレーン中央銀行、香港金融管理局、ドバイ金融サービス機構、国家金融監督管理総局、連邦準備制度理事会及び通貨監督局による規制を受けている。また、当行は、ムンバイのサンタクルス電子輸出促進地域(SEEPZ)にオフショア銀行ユニットを1ヶ所有している。2026年5月、当行は、インド準備銀行から、SEEPZにおけるオフショア銀行ユニットを閉鎖することについての無異議書簡を受領した。
2021年、インド準備銀行は、インド国内で設立された銀行による海外支店及び子会社への資本注入並びにこれらのセンターにおける利益の留保/送金/譲渡に関する通知書を発表した。かかる通知書に基づき、規制上の資本要件を満たす銀行は、取締役会の承認を受け、かつインド準備銀行にかかる活動を報告することを要件として、資本注入又は移転(利益の留保/送金を含む。)に従事することを許可されている。
インドの国際金融サービス・センターの銀行ユニットに関する規制
インド準備銀行が発表した指針によると、外国為替取引を行う公共部門銀行及び民間部門銀行は、インド国内の各国際金融サービス・センター(IFSC)に1つずつ銀行ユニットを設置することが許可されている。銀行は、銀行ユニットを設置する前にインド準備銀行から事前承認を取得する必要があり、当該銀行ユニットは、インドの銀行の海外支店と同等に扱われる。2020年、政府は、インドにおけるIFSCにおける金融商品、金融サービス及び金融機関の発展と規制のための統一当局であるIFSC当局(IFSCA)を2019年国際金融サービス・センター当局法に基づき設立した。GIFT IFSCはインド初の国際金融サービス・センターである。IFSCAが設立される以前は、国内金融規制当局(すなわち、インド準備銀行、SEBI、PFRDA及びIRDAI)がIFSCの業務を規制していた。IFSCAの主な目的は、強固なグローバル・コネクションを構築し、インド経済のニーズに焦点を当てるとともに、地域全体及び世界経済全体の国際金融プラットフォームとしての役割を果たすことである。
駐在員事務所
当行は、各々の規制当局による規制を受けている様々な法域に駐在員事務所を有している。
外国口座税務コンプライアンス法
インド政府は、米国との間で外国口座税務コンプライアンス法に関する政府間モデル1協定を締結した。ICICIバンクは、米国国税庁に登録されている。加えて、米国は英国、カナダ、ドイツ、シンガポール、アラブ首長国連邦、バーレーン及びマレーシアとの間で外国口座税務コンプライアンス法に関する政府間モデル1協定を締結し、中国及びインドネシアと実質上類似した契約を結び、香港との間で外国口座税務コンプライアンス法に関する政府間モデル2協定を締結した。ICICIバンクは、外国口座税務コンプライアンス法に関連して適用される政府間協定及び関連して発行されたすべての規則の条件を遵守するための措置を講じた。
共通報告基準
情報の自動交換に関する情報基準である共通報告基準(正式には、金融口座情報の自動交換のための国際基準を指す。)が、経済協力開発機構との関連において発展した。インドにおいて、外国口座税務コンプライアンス法/共通報告基準に基づく要件は、直接税中央委員会により遂行されている。共通報告基準は、英国、カナダ、ドイツ、香港、シンガポール、マレーシア、インドネシア、中国、アラブ首長国連邦及びバーレーンで採用されている。
4【関係会社の状況】
以下の表は、2026年度末現在におけるICICIバンクの子会社、ジョイントベンチャー及び連結事業体(企業間相殺前)に関する情報である。
子会社、ジョイントベンチャー及び連結事業体
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | ||||||||||||||||
| 会 社 名(住所) | 設立年月 | 事業内容 | 持分 株式資本 | 株式資本 合計 | 所有持分 | 収益合計(1) | 純資産(2) | 総資産(3) | ||||||||
| (%) | (ルピー) | (ルピー) | (ルピー) | |||||||||||||
| ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッド (ICICI Venture house, Ground Floor, Appasaheb Marathe Marg, Prabhadevi, Mumbai, Maharashtra, India, 400 025) | 1988年1月 | プライベート・エクイティ/ベンチャー・キャピタル・ファンド運用 | 10ルピー | 10ルピー | 100.00 | 2,742 | 2,392 | 2,876 | ||||||||
| ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッド(4) (501B, First International Financial Centre (FIFC) Plot No. C 54 & 55, G Block, Bandra Kurla Complex Bandra (East), Mumbai, Maharashtra, India, 400 098) | 1993年2月 | 有価証券投資、取引及び引受業 | 1,563ルピー | 1,563ルピー | 100.00 | 28,836 | 21,524 | 366,440 | ||||||||
| ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッド(4) (12th Floor, Narain Manzil, 23, Barakhamba Road, New Delhi, India, 110 001) | 1993年6月 | ICICIプルデンシャル・ミューチュアル・ファンドの資産管理会社 | 494ルピー | 494ルピー | 53.00 | 60,009 | 41,712 | 50,504 | ||||||||
| ICICIプルデンシャル・トラスト・リミテッド (12th Floor, Narain Manzil, 23, Barakhamba Road, New Delhi, India, 110 001) | 1993年6月 | ICICIプルデンシャル・ミューチュアル・ファンドの受託会社 | 1ルピー | 1ルピー | 50.80 | 26 | 29 | 33 | ||||||||
| ICICIセキュリティーズ・リミテッド(4)(7) (ICICI Venture House, Appasaheb Marathe Marg, Prabhadevi, Mumbai, Maharashtra, India, 400 025) | 1995年3月 | 証券仲介業及び総合金融業 | 1,208ルピー | 1,208ルピー | 100.00 | 58,908 | 62,528 | 353,302 | ||||||||
| ICICIインターナショナル・リミテッド (Apex Group, 6th Floor, Two Tribeca, Tribeca Central, Trianon, 72261, Mauritius) | 1996年1月 | 資産管理 | 0.9米ドル | 0.9米ドル | 100.00 | 112 | 252 | 269 | ||||||||
| ICICIトラスティーシップ・サービシズ・リミテッド (ICICI Bank Towers, Bandra-Kurla Complex, Mumbai, Maharashtra, India, 400 051) | 1999年4月 | 信託業 | 0.5ルピー | 0.5ルピー | 100.00 | 4 | 13 | 14 | ||||||||
| ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッド(4) (ICICI Bank Towers, Bandra-Kurla Complex, Mumbai, Maharashtra, India, 400 051) | 1999年5月 | 住宅金融 | 14,306ルピー | 14,306ルピー | 100.00 | 40,641 | 60,166 | 344,012 | ||||||||
| ICICIインベストメント・マネジメント・カンパニー・リミテッド (ICICI Bank Towers, Bandra-Kurla Complex, Mumbai, Maharashtra, India, 400 051) | 2000年3月 | 資産管理及び投資アドバイザリー | 450ルピー | 450ルピー | 100.00 | 322 | 441 | 528 | ||||||||
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | ||||||||||||||||
| 会 社 名(住所) | 設立年月 | 事業内容 | 持分 株式資本 | 株式資本 合計 | 所有持分 | 収益合計(1) | 純資産(2) | 総資産(3) | ||||||||
| (%) | (ルピー) | (ルピー) | (ルピー) | |||||||||||||
| ICICIセキュリティーズ・ホールディングス・インコーポレーテッド(4)(5) (1120 Avenue of the Americas, 4th Floor New York, NY 10036, United States of America) | 2000年6月 | 持株会社 | 17米ドル | 17米ドル | 100.00 | 4 | 133 | 135 | ||||||||
| ICICIセキュリティーズ・インコーポレーテッド(4)(5) (1120 Avenue of the Americas, 4th Floor New York, NY 10036, United States of America) | 2000年6月 | 証券仲介業 | 13米ドル | 13米ドル | 100.00 | 326 | 520 | 616 | ||||||||
| ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド (ICICI PruLife Towers, 1089, Appasaheb Marathe Marg, Prabhadevi, Mumbai, Maharashtra, India, 400 025) | 2000年7月 | 生命保険業 | 14,493ルピー | 14,493ルピー | 50.89 | 654,865 | 136,312(6) | 3,197,349 | ||||||||
| ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッド (ICICI Lombard House, 414, Veer Savarkar Marg, Near Siddhivinayak Temple, Prabhadevi, Mumbai, Maharashtra, India, 400 025) | 2000年10月 | 総合保険業 | 4,985ルピー | 4,985ルピー | 51.26 | 370,709 | 160,723(6) | 761,109 | ||||||||
| ICICIバンクUKピーエルシー (One Thomas More Square, London E1W 1YN, United Kingdom) | 2003年2月 | 銀行業 | 220米ドル 及び 0.1英ポンド | 220米ドル 及び 0.1英ポンド | 100.00 | 13,280 | 33,930 | 276,102 | ||||||||
| ICICIバンク・カナダ (366 Bay Street, Toronto, Ontario, Canada M5H 4B2) | 2003年9月 | 銀行業 | 250カナダ ドル | 250カナダ ドル | 100.00 | 14,860 | 33,318 | 333,931 | ||||||||
| ICICIペンション・ファンド・マネジメント・リミテッド(7) (Unit A, Second Floor, Cnergy Building, Appasaheb Marathe Marg, Prabhadevi, Mumbai - 400 025) | 2009年4月 | 年金基金管理及びプレゼンスポイント | 900ルピー | 900ルピー | 100.00 | 440 | 731 | 845 | ||||||||
| I-プロセス・サービシズ(インド)リミテッド (Unit No. 602, 6th Floor, “Centre Point”, Andheri-Kurla Road J.B. Nagar, Andheri (East) Mumbai, Maharashtra, India, 400 059) | 2005年4月 | 人材サポート・サービス | 0.5ルピー | 0.5ルピー | 100.00 | 9,063 | 996 | 2,147 | ||||||||
(1) 収益合計は、かかる事業体の営業による総収益及びその他の収益を示す。
(2) 純資産は、かかる事業体の株式資本/ユニットキャピタル(ベンチャー・キャピタル・ファンドの場合。)、株式申込金並びに準備金及び剰余金を示す。
(3) 総資産は、かかる事業体の固定資産、貸付金、投資及び流動資産合計(現金及び銀行預け金を含む。)を示す。
(4) Ind ASへの移行に伴う各事業体のInd AS財務書類に基づく数値。
(5) ICICIセキュリティーズ・ホールディングス・インコーポレーテッド及びICICIセキュリティーズ・インコーポレーテッドは、ICICIセキュリティーズ・リミテッドの完全所有子会社である。
(6) 株式資本、割当前株式申込金、払込剰余金及び公正価値準備金を含む。
(7) 2026年1月12日、当行は、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドからICICIペンション・ファンド・マネジメント・リミテッドの株式を100.00%取得し、これにより、ICICIペンション・ファンド・マネジメント・リミテッドは、当行の完全子会社となった。
* 2026年3月25日、ICICIストラテジック・インベストメンツ・ファンドはすべてのユニットキャピタルを償還し、したがって、ICICIストラテジック・インベストメンツ・ファンドは、会計基準第21号に従って連結事業体ではなくなった。
2026年度末現在において、ICICIバンクの子会社及びジョイントベンチャーは、以下の5企業を除き、すべてインドにおいて設立された。
・ICICIセキュリティーズ・ホールディングス・インコーポレーテッド(米国にて設立)
・ICICIセキュリティーズ・インコーポレーテッド(米国にて設立)
・ICICIバンクUKピーエルシー(英国にて設立)
・ICICIバンク・カナダ(カナダにて設立)
・ICICIインターナショナル・リミテッド(モーリシャスにて設立)
ICICIセキュリティーズ・ホールディングス・インコーポレーテッドはICICIセキュリティーズ・リミテッドの完全子会社であり、ICICIセキュリティーズ・インコーポレーテッドはICICIセキュリティーズ・ホールディングス・インコーポレーテッドの完全子会社である。
ICICIセキュリティーズ・ホールディングス・インコーポレーテッド及びICICIセキュリティーズ・インコーポレーテッドはICICIセキュリティーズ・リミテッドの財務書類に連結計上されている。
以下の表は、2026年度末現在におけるICICIバンクの関連会社に関する情報である。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | ||||||
| 会 社 名(1)(住所) | 設立年月 | 事業内容 | 所有持分 (%) | 収益合計(2) (ルピー) | 純資産(3) (ルピー) | 総資産(4) (ルピー) |
| インディア・インフラデット・リミテッド(5) (The Capital, ‘B’ Wing, #1101-A, Bandra-Kurla Complex, Mumbai, Maharashtra, India, 400 051) | 2012年10月 | インフラ・リファイナンス | 42.33 | 28,214 | 41,787 | 328,654 |
| アルテリア・テクノロジーズ・プライベート・リミテッド (104, Ground Floor, Prestige Omega, EPIP Zone, Near Vydehi Hospital, White Field, Bangalore, Karnataka, India - 560 066) | 2007年2月 | ソフトウェア会社 | 19.02 | 640 | 1,134 | 1,385 |
(1) これらの事業体は、会計基準第23号「関連会社への投資の連結財務書類上の会計処理」で定められている、持分法による会計処理により計上された。
(2) 収益合計は、かかる事業体の営業による総収益及びその他の収益を示す。
(3) 純資産は、かかる事業体の株式資本/ユニットキャピタル(ベンチャー・キャピタル・ファンドの場合。)並びに準備金及び剰余金を示す。
(4) 総資産は、かかる事業体の固定資産、貸付金、投資及び流動資産合計(現金及び銀行預け金を含む。)を示す。
(5) 各事業体のInd AS財務書類に基づく数値。
(6) 2025年4月17日、FISERVマーチャント・ソリューションズ・プライベート・リミテッドは、当行の関連会社ではなくなった。
(7) 2025年6月11日、NIITインスティチュート・オブ・ファイナンス・バンキング・アンド・インシュアランス・トレーニング・リミテッドは、当行の関連会社ではなくなった。
(8) 2025年7月3日、インディア・アドバンテージ・ファンドⅢ及びインディア・アドバンテージ・ファンドⅣは、当行の関連会社ではなくなった。
第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1) 将来に向けた計画及び戦略
(a) 投資家による投資決定と潜在的に関連する経営政策又は経営戦略
戦略
2026年度において、当行は、リスク及びコンプライアンスの範囲内で、事業における収益性の高い成長という戦略的焦点を維持した。当行は、精度の向上を重視しつつ当行の信用ポートフォリオを拡大させ、小口向けポートフォリオ、ビジネス・バンキング・ポートフォリオ及び企業向けポートフォリオにわたり、健全な成長を遂げた。当行は、顧客及びそのエコシステムに対する総合的なサービス提供に引き続き重点を置いた。当行は、ライアビリティ・フランチャイズの維持及び強化に努めた。当行は、十分な流動性、引当金の慎重な計上及び健全な自己資本により、強固な貸借対照表の維持に注力した。2026年3月31日現在の当行の自己資本比率は、規制要件を遥かに上回っていた。
今後も当行は、財務収益を除く税引前利益(財務関連業務の収益を控除した税引前利益として計算され、いずれも「-4-経営成績データ」において個別に計上される。)を成長させることに引き続き戦略的焦点を置く。当行の企業リスク管理(ERM)及びリスク選好度枠組み(RAF)は、様々なリスク区分の上限枠組みを含む、当行のリスク選好度を規定している。当行は、顧客へのシームレスなサービス提供を促進するそのオペレーショナル・レジリエンスを強化することを引き続き強調している。当行は、資本利益と、引当金を目標水準以内に抑えることに重点を置くとともに、リスク及びリターンに基づいて貸付ポートフォリオをきめ細かく成長させることに引き続き注力する。当行は、ローン・ミックスやセグメント別の貸付の成長に関し、特定の目標を設定していない。当行は、預金フランチャイズの継続的な成長を図り、安定的かつ健全な資金調達特性及び資金調達コストにおける当行の競争上の優位性を維持することを目指している。
当行の戦略的アプローチは、以下の原則、カバレッジ及びデリバリーの枠組みの3つの柱に基づいている。
原則
すべてのステークホルダーとの信頼関係の構築は、当行の戦略目標にとって極めて重要である。誠実性、透明性及び公平性は、引き続き顧客にサービスを提供する上で中核となる。
(ⅰ) リターン・オブ・キャピタル
当行は、資本保全の必要性を最重要事項として重視した「リターン・オブ・キャピタル」という原則に重点を置く。質の高い取引先をオンボーディングするアプローチは、資本を保護しつつ事業の強固な成長を維持するための推進力となっている。
***(***ⅱ) フェア・トゥ・カスタマー、フェア・トゥ・バンク
「フェア・トゥ・カスタマー、フェア・トゥ・バンク」という原則は、顧客に公正な価値を提供しつつ、株主に対する価値も創造する必要性を強調し、当行の事業の指針となる。当行は、社会のニーズを満たし、当行の顧客の利益となるような商品を販売し、サービスを提供することを目指している。
***(***ⅲ) ワン・バンク、ワン・チーム
「ワン・バンク、ワン・チーム」という原則は、当行がエコシステム及びミクロ市場を横断する事業機会を活用し、目標とする機会における当行のシェアを最大化する試みを重視する。
***(***ⅳ) 機動的なリスク管理
当行は、状況は常に進化しており、それに伴って新たなリスクの性質も変化していることを認識している。当行は、リスク管理は動的で、データ駆動型で、将来を見据えたものでなければならないと考えている。当行は、リスクを積極的に特定し、評価し、軽減することができる機動的なリスク管理アプローチを採用することを目指している。
***(***ⅴ) 良心を伴ったコンプライアンス
当行は、法令の範囲内で業務を遂行している。当行は、長期的かつ持続可能な成果を実現するためのリスクとリターンのバランスを確保するため、リスク及びコンプライアンス文化の育成に取り組んでいる。
リスク及びコンプライアンス文化の方針は、リスク及びコンプライアンス文化の指導原則及びこれを実施するための枠組みを定めたものである。方針の効果的な実施には、取締役会、代表取締役兼最高経営責任者、業務執行取締役並びにリスク及びコンプライアンス文化審議会の役割及び責任を定めたガバナンスの枠組みが含まれる。
カバレッジ
当行は、顧客中心アプローチを採用しており、すべての銀行ニーズを総合的に満たすことを最重要目標としている。当行は、営業センター、デジタル・チャネル及びパートナーシップを活用して成長を促進することにより、エコシステム及びミクロ市場において存在感を高め、事業機会を統一的に活用することに引き続き重点を置いている。
***(***ⅰ) 360度顧客中心アプローチ
顧客中心主義は、当行事業を成長させ、顧客満足度を向上させる当行の戦略の中核である。かかるアプローチは、当行顧客のニーズ、期待、体験を深く理解することから始まる。かかるアプローチとは、当行全体で顧客に寄り添い、包括的なソリューションを提供し、当行の顧客との長期的な関係につながる信頼を構築することである。当行は、当行の顧客に最適な信頼ある金融サービス提供者となることを目指す。
***(***ⅱ) エコシステムへの注力
当行の目標は、バリューチェーン全体を把握することにより、顧客及びそのエコシステムのあらゆる資金需要に応えることである。当行は、顧客志向のエコシステムを構築するという目標に沿って、部門別のソリューションを提供している。海外業務において、当行は、4つの戦略的な柱、すなわち在外インド人のエコシステム、多国籍企業及びグローバル・ケイパビリティ・センターのエコシステム、機関投資家のエコシステム並びに貿易のエコシステムに焦点を当てるため、国際的なフランチャイズを再配置した。
***(***ⅲ) ミクロ市場への注力
ミクロ市場の識見により、当行は、整列した流通及び関連するデリバリーモデルに焦点を当てることができる。当行は、これらの地域における360度の機会を獲得するための「州の事業責任者」及び市場機会が集中している都市におけるエコシステムの全範囲をカバーする「都市の事業責任者」により、引き続きその存在感を強め、組織構造を強化している。
***(***ⅳ) 内部の横断機能型協力体制及び外部提携
組織内のシナジーを活用し、バリューチェーン全体でパートナーシップを構築することは、重点分野である。横断機能型チームは、様々なエコシステムとの関係構築のため設置されており、顧客への360度の対応を可能とし、またウォレットシェアを増加させた。当行は、大規模な顧客基盤及び卓越した事業を有するテクノロジー企業及びプラットフォームとの提携により、成長のため、またサービスの提供及びカスタマーエクスペリエンスを強化するための独自の機会を得ている。
デリバリーの枠組み
当行は、質の高いカスタマーエクスペリエンスを提供するため、引き続きデリバリー能力を強化している。当行は、顧客に対するシームレスなサービス提供を促進するため、そのオペレーショナル・レジリエンスを継続的に強化することを強調している。
***(***ⅰ) 品質重視
シンプルかつ信頼性のある質の高い銀行サービスを提供することは、当行の最優先事項である。当行は、取引先の選択において厳格さを維持しながら、既知で評価可能な特性を重視している。それにより、当行は、パートナーやサービス提供者を含む適切な取引先を選択することによって、質の高いオンボーディングのアプローチを継続している。
***(***ⅱ) プロセスの混雑緩和
デリバリーの枠組みにおけるプロセスの混雑緩和は、複雑性の排除、業務の効率化及び効率性の構築を目標とした継続的な取組みであり、顧客の受入れとサービス提供を円滑にすることでカスタマーエクスペリエンスを向上させる。
***(***ⅲ) バンク・トゥ・バンク・テック
テクノロジーは、当行の事業戦略に不可欠である。バンク・トゥ・バンク・テック変革への取組みの一環として、当行は、データ及びデジタル・プラットフォームを強化するためのエンタープライズ・アーキテクチャを再構築し、クラウド・ベースのアプリケーションを開発し、その他の新技術を採用した。当行の取組みは、技術ソリューション全体にわたる拡張性、回復力及びセキュリティーの3つの柱により引き続き推進され、サイバーセキュリティー対策を強化している。当行は、業務効率の向上、意思決定の支援及び顧客の銀行体験の混雑緩和のため、AIを活用したユースケースを様々な機能にわたって採用している。当行は、従業員が生成AIツールを活用し、効率性、正確性及び経験の向上を実現するため、ツールに投資し、枠組みを作成した。当行がAIの価値の実現に取り組む中で、関連するリスクを軽減するため、ユースケースは慎重に選択される。当行は、ビジネス・ソリューションを推進し、機会を活用するため、引き続きこの分野に投資する。
当行は、「当行の顧客に最適な信頼ある金融サービス提供者となる」というビジョンを達成するために、シンプルさ、透明性をもって顧客にサービスを提供し、長期的な持続可能性のために適切なバンキング・ソリューションを提供することに引き続き重点を置き、それによりステークホルダーに対して持続可能な価値を創造する。
(b) 経営目標達成の評価のために用いられる客観的指標
経営目標の達成は、質的及び量的側面の両方から評価される。評価のための主要業績評価分野は、財務収益を除く税引前利益、出資者関係の効果的な管理、ポートフォリオの質を重視したリスク選好及び企業リスク管理の枠組みの実施、強いリスク及びコンプライアンス文化の維持並びに主要な地位の指導者候補を養成及び維持することを含む。達成度の評価は、当該年度の初めに決定された目標と対比して行われる。
(c) 事業環境
「-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-要旨-(2) 当行の業績に影響を及ぼす特定の要因」、「-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-要旨-(3) 事業の概略」、「-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-要旨-(4) 2026年度における当行の財務実績についての考察は以下のとおりである。」及び「-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-要旨-(5) 事業の見通し」を参照のこと。
(2) 競 争
当行は、その業務のすべての主要分野において、インド国内外の商業銀行、住宅金融会社、銀行以外の金融会社、支払銀行及び小規模銀行といった民間部門における新規の分化した銀行、小口向け支払い及びその他のサービスを提供する銀行以外の機関、ミューチュアル・ファンド並びに投資銀行との競争にさらされている。当行は、当行の顧客の利益となるような商品及びサービスの提供、技術の活用、顧客関係の確立、シームレスな流通の強化並びに意欲的で能力の高い従業員の連携チームの養成により、競合相手に対する競争力の獲得に努めている。当行は、自己の競争力を評価する際、小口顧客及び法人顧客向けの商品並びにサービスについて、それぞれ別個に評価を行っている。
インドの商業銀行は、工業、貿易及び農業の短期資金ニーズ又は運転資金需要を満たしており、インフラ等の部門への長期的融資を提供し、また小口向け貸付商品の提供を行っている。
(a) 小口顧客向け商業銀行商品及びサービス
小口向け金融市場における競争は、従来インド国内外の商業銀行、銀行以外の金融会社、及び住宅金融会社を相手とするものである。近年、小規模銀行及び支払銀行といった金融市場に参入した新たな種類の銀行並びに支払い及びその他のサービスを提供する銀行以外の機関を相手とする競争も発生している。
非金融会社(とりわけ大手の電子商取引企業、フィンテック及びインターネットを基盤とするサービスプロバイダーを含む国際的なテクノロジー企業)が金融部門において存在感を増大させ、支払プラットフォーム及び厳選的なサービスを提供している。当行は現在、共同で支払サービス並びに信用商品及びサービスを提供するために、これらの事業体の数社と提携している。これらの事業体の一部又は全部は、当行及び他のインドの銀行よりもかなり多くの資金を有しており、ゆくゆくはインドの銀行及び金融サービス市場においてより大きなシェアの獲得を目指すこととなる。ICICIバンクはまた、顧客のニーズに機敏に対応できるよう、プラットフォーム及びデジタル化への注力、技術革新及びセキュリティー機能への継続的な投資等、強力なテクノロジー・アーキテクチャの開発に向けて様々な取組みを行っている。
当行は、小口向け金融市場において、包括的な商品ポートフォリオ、効率的な流通チャネル(デジタル・チャネル、支店及びパートナーシップを含む。)を強みとした競争を志している。当行は、ミクロ市場及びエコシステムの識見を通じて市場のニーズを地域ごとに理解し、効率的な流通と資源配分戦略を展開することを目指す。当行は、顧客に対して包括的な一連の商品及びサービスを提供する。これらは、預金、投資、顧客のニーズに基づく信用商品及び保護商品、並びに便利な支払サービス及びトランザクションバンキング・サービスを含んでいる。
(b) 農業従事者及び農村の顧客向け商業銀行商品及びサービス
当行が農業従事者又は農村の顧客に対して商業銀行業務を行う場合は、インド農村部に巨大な支店網を有する公共部門銀行との競争に直面する。その他の民間部門銀行及び銀行以外の金融会社もまた、農村市場を一段と重視してきた。当行はまた、農村重視の金融機関、地域の農村銀行及び小規模金融機関等の特殊企業との競争関係にある。インド準備銀行は、行政指導に基づく、銀行と比較してより高い貸付目標を有し、農村及び未組織区分において競合する特殊な小規模銀行の免許を発行した。当行は、商品戦略、エコシステムの獲得、技術力、多様な販売網及び本業務の顧客の資金ニーズを総体的に満たすアプローチを強みとした競争を志している。
(c) 法人顧客向け商業銀行商品及びサービス
当行は、サービスと迅速な応対、並びにより高い信用格付企業に加わることができた当行の近年の資金ベースの改善及び資金費用の最適化に基づき、当該セグメントにおける競争に努めている。当行は、マルチチャネル販売、エコシステムの支店及び技術主導型のデリバリー能力を通して、公共部門銀行の大規模支店網との競争に努めている。
当行は、外国銀行よりも広範な、インドにおける地理的業務範囲、及び取引の大半をデジタルで行うことを可能にする技術を基盤としたカスタマイズされた貿易金融ソリューションの提供に基づき、国境を越えた貿易金融において外国銀行と競争している。当行は、貸借対照表の規模、広範な支店網、技術力及び当行の国際的な存在感を生かして、資金調達関連の商品及びサービスの分野で競争している。
その他の民間銀行は、効率性、サービス提供及び技術の面から、法人向け銀行業務市場における競争相手にもなる。しかしながら、当行は、その規模、資本基盤、企業との強固な関係、広範な地理的業務範囲並びに技術の活用による革新的な付加価値商品及びサービスの提供により、高い競争力を有するものと確信している。
(d) 海外顧客向け商業銀行商品及びサービス
当行の国際事業において、当行は、海外事業を展開するインド国内の公共部門銀行、在外インド人及びインド企業を対象とする商品及びサービスを有する外国銀行並びに送金サービス等のその他のサービス提供者と競争関係にある。外国銀行は、低コストの外貨建資金の利用が可能であるという強みを活用することにより、インド企業への融資における競争力を高めている。当行は、在外インド人に特化した商品及びサービスを提供するインドの銀行としての地位を確立し、多国籍企業のエコシステム並びにインド国内において広範な販売網を有するインドに関連する貿易ルート及び資金ルートを獲得し、競争上の優位を獲得しようと努めている。当行は、国内事業で培った技術力を最大限活用し、当行の国際顧客に対して利便性及び効率的なサービスを提供するべく努めている。また当行は、インド企業との強固な関係を当行の国際事業に最大限活用しようと努めている。
(e) 保険及び資産管理
当行の保険及び資産管理に係る事業は、既存の公共部門大手に加え、民間部門大手とも競争関係にある。当行は、当行子会社であるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド及びICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッド、並びにICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドが、商品、販売及びリスク管理につき能力を築いており、それぞれの事業において市場の優位な地位にあると確信している。当行がICICIバンクの小口向けフランチャイズ及び販売網を利用できるということは、当行の保険及び資産管理子会社にとって競争上の主たる利点になるものと確信している。
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) ESGガバナンス
長期的かつ持続可能な事業成長は、ICICIバンクの重要な戦略目標である。環境、社会及びガバナンス(ESG)に対する当行のコミットメントは、2022年4月に取締役会の承認を受けた環境、社会及びガバナンス方針(ESG方針)の採択により強化された。
ESG方針は、当行の事業における持続可能な金融及び環境敏感性の管理を通じて、環境にプラスの影響を与えることを目的としている。かかる方針は、当行の施設及び業務から生じる環境への影響を削減する方法で事業を遂行するという当行のコミットメントを強調している。社会面では、公正な経営手法、定期的な対話、顧客の権利並びに苦情処理及び個人データ保護に係る方針に基づく顧客に対する倫理的待遇を義務付けている。従業員に対しては、公正雇用慣行、人権及びダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの尊重並びに安全な職場の構築を重視している。また、金融包摂及び企業の社会的責任といった社会的イニシアティブにも焦点を当てている。ガバナンス面では、取締役会の独立性並びに業務遂行及び倫理に関するICICIグループ規定、利益相反管理枠組み、マネーロンダリング防止、贈賄防止及び腐敗防止政策の遵守を強調している。
2026年度、取締役会は、企業の社会的責任(CSR)委員会の所掌事項を拡充し、当行のESG行動計画及びサステナビリティ関連の開示に対する監督を含めた。これは、以前はリスク委員会の権限下にあった。また取締役会は、より焦点を絞るため、CSR委員会の名称を「ESG&CSR委員会」に改称した。リスク委員会は、引き続きESGリスク及び気候リスク管理を監督し、当行のESG方針を毎年見直す。監査委員会は、SEBIのガイドラインに従って提出される年次BRSRに含まれるBRSRコアの保証のための第三者機関の選定において、取締役会を支援する。経営陣レベルのESG運営委員会は、サステナビリティ関連事項について、当行のESGチームに対し継続的な監督及び指導を行う。
当行は、過去6年間ESGに関する開示を一貫して強化してきた。2026年度における当行のESGの進捗状況の詳細は、年次報告書の統合報告セクション、ESGレポート及び事業責任及びサステナビリティ・レポート(BRSR)等の報告書を通じて、ウェブサイトから入手可能である。当行は、グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)の基準、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)及びサステナビリティ会計基準審議会(SASB)の枠組みを当行の事業及び運営の性質に関連し、意味があると認められる範囲において採用している。
(2) リスク管理
気候関連リスクに関しては、当行は気候リスク管理枠組みの一環として、気候変動が及ぼすリスクに対処するためのアプローチを策定した。かかる枠組みの範囲は、気候変動が当行の業務に与える影響の評価、当行の貸付金の気候リスク管理及び重要な気候リスクの既存のリスク管理枠組みへの統合から構成される。かかる枠組みは、インドにおける気候リスクに関する規制ガイダンスと整合するよう、定期的に見直されている。
2026年度において、当行は、ESG及び気候関連リスクの特定及び管理を引き続き強化した。当行は、資産及び運営の観点から借入人の地理的集中度並びに洪水及びサイクロン事象に対する当該地域の脆弱性を考慮し、内部で策定したシナリオを用いて、ホールセールバンキング及び特定の小口向けポートフォリオにおける主要取引先の評価プロセスを開始した。当行は、地域の脆弱性を評価するための指数ベースの枠組みを活用することで、このアプローチを拡大した。当該評価に基づき、借入人は、気候変動による潜在的な影響に関して、高リスク、中リスク又は低リスクに分類される。
金融に係る排出の分野において、当行は、世界的に採用されている金融向け炭素会計パートナーシップ(PCAF)の枠組みを用いて、スコープ1及びスコープ2排出量を開示している上場企業借入先について、初めて排出量の評価を実施した。
当行は、グリーン/社会的(持続可能な)サステナビリティ・リンク・ローンに関するガイダンスを提供することを目的とした、「持続可能な金融」のための内部枠組みを有している。かかる枠組みは、当行が提供する金融商品及びサービスを持続可能な金融として分類するために統一的に適用される方法論及び関連手続の概要を示したものである。2026年3月31日現在、当行の再生可能エネルギー、電気自動車、グリーン認証不動産、廃棄物管理、水衛生又は給水部門並びに優先部門基準の下での弱者向け融資等の部門に対するポートフォリオ残高は約993.85十億ルピーであった。このうち、再生可能エネルギー及び関連する活動、小売及び企業の両セグメントにおける電気自動車、グリーン認証不動産並びに水供給、衛生及び廃水処理に関与する企業への融資を含むグリーンファイナンスのポートフォリオは、当行のポートフォリオの30.9%であった。
(3) 環境サステナビリティ
当行は、2032年度までにスコープ1及びスコープ2排出量においてカーボンニュートラルにするという目標達成に向けた取組みを継続した。SEBIが義務付けた事業責任及びサステナビリティ報告書の一環として、特定のESGパラメーター及び属性について合理的な保証が実施された。当行のスコープ1及びスコープ2合計排出量は、2026年度に減少した。スコープ1排出量の減少は、主に当該年度における好天による冷媒の補充量の減少及びR-32ハイドロフルオロカーボン(HFC)ガスやゼロエミッションの乾燥化学粉末式消火器といった低排出製品の採用への移行に起因する。スコープ2排出量の管理策として、再生可能エネルギーの利用拡大、国際再生可能エネルギー証明書(IREC)の購入及び温室効果ガス排出を最小限に抑えるための低排出技術/製品の導入等が挙げられる。
循環性向上の取組みの一環として、当年度中に追加で2ヶ所に大気水生成装置(AWG)が設置された。当該装置は、現在7ヶ所の大型施設で稼働しており、1日あたり8,750リットルの飲用水を生産する能力を有する。また、2026年度に実施された節水対策には、オフィスにおける水エアレーターの設置が含まれ、これにより水使用量の30%の削減に寄与した。
当行では、BISエコマーク認証を取得したA4用紙の調達を拡大しており、ビジネスセンターで使用される既印字用紙の約91%は、FSC認証済みの再生紙である。業務のデジタル化に注力した結果、当行は、2026年度にA4サイズの用紙を32.15百万枚削減した。
(4) ステークホルダーとの関わり
当行の理念である「フェア・トゥ・カスタマー、フェア・トゥ・バンク」では、社会のニーズを満たし、顧客の利益となるような商品を販売し、サービスを提供する等、顧客に公正な価値を提供する必要性を重視している。当行は、顧客関係管理者、支店従業員、世論調査、ソーシャルメディアを通じて顧客との継続的な関与を確保し、質問及び苦情を受け付けるためのチャネルを有している。主要な顧客サービスに関するイニシアティブは、継続的に実施されている。
従業員の福祉に関するいくつかの情報が、専用のポータルである#BeFit360を通じて配信されている。これには、メンタルヘルス及び身体的健康等の分野に焦点を当てたビデオやウェビナーが含まれる。このポータルはまた、従業員がボランティア活動を行う手段でもある。
当行では、安全な職場環境を整備するための方針を定めている。2026年度、当行は、11ヶ所について労働安全衛生規格ISO 45001から認証を受け、これにより認証を受けた施設は、32ヶ所となった。これには、サービスセンター、テレフォン・バンキングセンター、データセンター及び地域オフィスが含まれる。これにより、現在、ICICIバンクの従業員総数の約30%にあたる約40,000人の従業員が、OHSMS(労働安全衛生マネジメントシステム)ISO 45001:2018認証の対象となっている。
当行は、従業員が関連するスキルセットを身につけられるよう、従業員の訓練及び能力開発並びに産学連携従事に投資している。これには、従業員の職務に関連する気候変動関連のリスク及び機会を特定、評価及び管理するための研修も含まれる。2026年度において、当行は、現場、政策、リスク、財務及びリーダーシップの各職務に従事する従業員向けの研修プログラムを編成した。研修セッションで取り上げられた主な分野には、気候リスクの理解及び評価、金融に係る排出の算定手法、炭素会計並びに報告/開示要件が含まれる。また当行は、金融部門の事業部及びリスク管理部の参加を得て、不動産分野におけるグリーンファイナンスに関する対面研修も実施した。
当行は差別のない企業文化を信条としており、個人の尊厳を尊重及び擁護するPOSHという人権方針等の適切な方針及び枠組みを導入している。2026年3月31日現在、女性従業員は当行従業員の32.1%を占めている。
(5) 企業の社会的責任
ICICIバンクは、包括的な社会及び経済発展の促進に取り組んでおり、特にインドの恵まれない人々及び農村コミュニティの強化に焦点を当てている。これを促進するため、2008年、当行は慈善部門としてICICIファンデーション・フォー・インクルーシブ・グロウス(ICICIファンデーション)を設立した。2026年度における企業のCSR活動の重点的な主要分野は、ヘルスケア、環境及び生態系保全、生活向上並びに地域社会発展である。当行は、2026年度のCSRに向けて9.94十億ルピーを計上した。
(6) コーポレート・ガバナンス
取締役会は最高水準のコーポレート・ガバナンスの維持に努めており、これらの慣行を継続的に見直し、強化している。取締役会が承認したリスク及びコンプライアンス文化方針は、組織の5つの原則を明示している。すべての従業員は、リスク及びコンプライアンスというガードレールの中で成長するといった明確な目標を下支えする活動を行いながら、原則に従うよう奨励されている。取締役会は、持続可能な銀行業務に不可欠な価値観及び文化を確立するために、保証機能が適切な独立性及び水準を備えていることを保証している。
当行の委員会は、業務遂行及び倫理に関するICICIグループ規定、内部通報方針、関連当事者間取引に関する当グループのアームズ・レングス・ポリシー、贈収賄及び汚職防止方針、報酬方針並びに当グループのマネーロンダリング防止方針等の複数の方針の実施を監視している。不正管理及びデータ・プライバシーのための強力なガバナンス・メカニズムを整備し、進化する技術開発及びサイバーセキュリティーに対する組織の回復力及び対応力を確保することを最優先事項としている。
3【事業等のリスク】
投資家は、当行及び当行の事業を評価にするにあたり、以下のリスク要因及び本書に含まれるその他の情報を慎重に検討すべきである。
(1) インドに関するリスク並びにその他の経済リスク及び市場リスク
(a) インドの経済成長の鈍化の長期化により、当行の事業は損害を被る可能性がある。
当行は、インドの経済状況に非常に大きく依存しており、インドの経済成長の鈍化は、特にかかる鈍化が長期に及ぶこととなった場合、当行の事業並びに当行からの借入人、当行の取引先及びその他の関係者に悪影響を及ぼす可能性がある。インドの国内総生産は、2025年度の7.1%と比較して、2026年度は(国家統計局の二次速報値によれば)7.6%増加すると見積もられている。
景気後退及びインドにおける事業活動全般の減少により、当行の借入人の財務健全性及び収益性に圧力が加わる可能性があり、その結果、当行はさらなる信用リスクにさらされる可能性がある。
インドの経済成長はまた、インフレ、金利水準、貿易及び資本移動にも影響される。インフレの水準又はインド・ルピー下落の水準により、金融緩和が制約されるか又は金融政策の引締めを招来する可能性がある。国内における食品価格の上昇、世界的な原油等の商品価格の上昇、通貨安が輸入商品の価格に及ぼす影響、及びさらなる燃料価格高騰の消費者への転嫁、又はその他の理由によりインフレが進行した場合、金融政策が引き締められる可能性がある。
政策金利を2年間据え置いた後、金融政策委員会は、2025年2月以降、累計で125ベーシスポイントの政策金利引下げという緩和サイクルに入った。うち、100ベーシスポイントは2026年度に引き下げられ、2025年9月6日、同年10月4日、同年11月1日及び同年11月29日の4回にわたり、各25ベーシスポイントずつ均等に分けて現金準備率を4.0%から3.0%へと100ベーシスポイント引き下げた。政策スタンスは、2025年4月に一時的に「緩和的」に変更された後、2025年6月に「中立」に戻され、それ以降変更されていない。2026年度の日次平均銀行システム流動性は、約1,793十億ルピーの余剰となった。2026年度において、インド準備銀行は、現金準備率の引下げ、公開市場取引の実施及び外国為替スワップ取引の実施を含む様々な手段を通じて、13.3兆ルピーの耐久性のある流動性を銀行システムに供給した。2026年6月の会合において、金融政策委員会は、政策金利及び政策スタンスについて現状を維持した。インド準備銀行は、金融政策委員会において、外国資本を誘致し国際収支を強化するための追加措置を発表した。これらの措置には主に、2026年9月30日までの新規の非居住者向け外貨建(銀行)(FCNR(B))預金(満期時に更新される預金を含む。)を対象とした、最低期間3年、最長期間5年の米ドル・ルピー為替スワップファシリティが含まれている。また、公共部門企業による対外商業借入及び海外における外国為替借入(最低期間3年、最長期間5年)を促進するため、2026年12月31日まで、優遇条件付米ドル・ルピー為替スワップファシリティも発表された。これらのFCNR(B)預金及び外国為替借入の満期時に、インドでは外貨預金の流出が生じる可能性があり、それが為替レート、銀行部門の預金、流動性及びその他の関連要因に影響を及ぼす可能性がある。
地政学的緊張及び主要なグローバル経済国間の貿易関連問題を受けて、世界的な環境の不確実性が存在する。世界的な貿易摩擦、関税又はその他の保護貿易政策及び対抗措置は、貿易及び資本移動に影響し、インド経済に悪影響を及ぼし、これにより当行の事業に悪影響を与える可能性がある。2026年3月に発生した西アジアでの紛争を受けて、ブレント原油の国際価格は大幅に上昇した。インドは主要な石油輸入国であり、西アジアからの石油及び天然ガスの輸入に大きく依存している。そのため、インド経済は依然として供給ショック及び価格ショックにさらされている。「-(d) 石油及びその他の石油製品の価格の継続的な上昇によるインドの対外貿易収支への悪影響又は経常収支の赤字拡大、外国資本の流出又は為替相場の変動は、インド経済に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果当行の事業にも悪影響を及ぼす可能性がある。」も参照のこと。金属及び鉱物といった世界的に取引が行われる商品の急激かつ長期にわたる価格の下落は、かかる部門の当行の借入人にマイナスの影響を与える可能性がある。世界全体の流動性の状況、相対的な金利水準及びリスク選好度の悪化により、インドから多額の資本が流出する可能性があり、これは当行の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。2026年度において、インドからの対外ポートフォリオ投資(FPI)の純流出は、2025年度の2.7十億米ドルの流入と比較して、16.6十億米ドルとなった。人工知能(AI)等のテクノロジーの進化は、当行及び当行の顧客の事業、並びに、当行の既存の顧客及び潜在的な顧客の雇用及び所得への影響も含む、世界的な雇用市場及びインド国内の雇用市場に影響を及ぼす可能性がある。
世界の資本市場、商品市場及びその他の市場における不利な変動、テクノロジー若しくは関税又は自然災害の悪影響が引き起こす事業の変革がもたらすインドの景気の悪化は、法人、小企業、リテール及び農村部の借入人の間の借入需要及びその他の金融商品及びサービスに対する需要の低下、競争の激化、並びに債務不履行の増加につながり、これによって当行の事業、財務実績、株主資本、戦略の実践力並びに当行株式及びADSの価格が重大な悪影響を受ける可能性がある。
(b) 他の国々(特に当行が事業を展開している国)における金融不安は、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。
新興経済国及び先進国の複数の市場において、金融危機及び景気循環を最近経験しており、これは当行の事業及び経営成績を含むすべての金融機関にとってリスクを増大させる。地政学的緊張の継続、関税の引上げ、その他の貿易摩擦及び世界市場の変動性といった、世界経済の変化により、リスク回避はさらに強化され、為替レートの変動性はさらに増大する可能性があり、これが世界的な流動性に影響を及ぼし、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。
これら及び関連問題に関する不確実性は、当行が事業を行っている国の経済に悪影響を及ぼす可能性がある。かかる不安定性及びマイナスの経済動向が、今度は当行の事業、将来の見通し、財政状態又は経営成績に重大な影響を及ぼす可能性がある。
インド若しくはその他の市場及び国々の金融システムに対する投資家の信頼喪失又はインド若しくはその他の市場における金融不安定性は、インドの金融市場の不安定さを増大させ、またインド経済及び金融部門、当行の事業及び財務実績に直接的又は間接的に悪影響を及ぼす可能性がある。当行は、依然として世界経済及び世界の銀行環境の後退の間接的な影響によるリスクにさらされている。これらのリスクの一部は、予測できず、その大部分を当行は制御することができない。当行はまた、破産するか、そうでなくとも当行に対する債務を履行できない金融機関に対するカウンターパーティー・リスクにもさらされ続けている。
(c) 国際的な格付機関によるインドの債券又は当行の優先無担保外貨建債の格付の格下げは、当行の事業、流動性並びに当行株式及びADSの価格に悪影響を及ぼす可能性がある。
国際的な格付機関によるインドの信用格付に対する不利な変更は、当行の事業に悪影響を及ぼし、当行の資本市場の利用を制限し、当行の流動性ポジション及び当行に対する市場の認識に悪影響を及ぼす可能性がある。
当行は、国際市場においてムーディーズ及びS&Pグローバル・レーティングによる格付を取得している。
また、格付機関はそれぞれ、銀行に対する格付方法又は特定パラメーターの評価を変更する可能性があり、これが当行の格付に影響を及ぼす可能性がある。
当行の英国子会社はムーディーズにより格付けされており、当行の格付若しくはアウトルック又は当該子会社の財政状態の変化は、当行子会社の格付又はアウトルックに影響を及ぼす可能性がある。
格付機関がインドのソブリン格付に関する意見を維持するという保証はなく、当行並びに当行子会社及び関連会社が格付機関の期待に応え、当行の信用格付を維持することができるという保証もない。「-(3)-(f) 当行が信用リスク、市場リスク又は流動性リスクを効率的に管理できない場合並びに当行の評価モデル及び会計上の見積りが不正確であった場合、当行の収益、資本、信用格付及び資金調達コストに悪影響が及ぶ可能性がある。」も参照のこと。
(d) 石油及びその他の石油製品の価格の継続的な上昇によるインドの対外貿易収支への悪影響又は経常収支の赤字拡大、外国資本の流出又は為替相場の変動は、インド経済に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果当行の事業にも悪影響を及ぼす可能性がある。
インドは貿易収支の動向に脆弱である。インドは、石油及び石油製品について需要の大部分を輸入している。石油価格水準の上昇又は石油価格の変動の継続並びに現地通貨での輸入をさらに割高にする通貨安の影響及びインドの顧客へのかかる価格上昇分の転嫁又は(財政赤字を増加させる可能性がある)補助金の増加が起こった場合には、インフレ率及び市場金利の上昇、貿易赤字及び財政赤字の増加並びにルピー安を通じたものを含め、インド経済並びにインドの銀行及び金融システムに重大な悪影響を及ぼす可能性がある。2026年度において、ルピーは、2025年3月31日現在の1米ドル当たり85.46ルピーから10.9%下落し、2026年3月31日現在には1米ドル当たり94.83ルピーとなり、さらに2026年5月20日現在には1米ドル当たり96.96ルピーまで下落した。その後、インド準備銀行が外貨預金及び借入金のインドへの流入を促進するために発表した措置並びに原油価格の落ち着きに支えられ、ルピーは上昇し、2026年6月18日現在1米ドル当たり94.33ルピーとなった。2026年7月に西アジア情勢が再び緊迫化したことにより、ルピーは、2026年7月17日現在、1米ドル当たり96.40ルピーとなった。インド経済は、貿易赤字及び資本移動の変動により、依然として通貨下落リスクにさらされている。
インドの対外貿易関係及び貿易赤字は、インドの経済状況及びルピーの為替相場に悪影響を及ぼす可能性がある。2024年度及び2025年度においては、経常赤字はそれぞれ、インドの国内総生産の0.7%及び0.6%であった。2026年度においては、経常赤字はインドの国内総生産の0.6%となった。世界的な経済成長の減速、関税、及び供給面の制約のような貿易赤字に影響を及ぼす要因で経常赤字及び貿易赤字が膨らむ、又は経常赤字及び貿易赤字が管理できない状況に陥った場合、インド経済、ひいては当行の事業、財務実績並びに当行株式及びADSの価格は悪影響を受ける可能性がある。資本移動の減少又は変動の増大は、インド経済及び金融市場に影響を与える可能性があるとともに、インドの金融政策の決定において複雑さ及び不確実さを増大させる可能性があり、インドにおいてインフレ及び金利の変動をもたらし、またその結果、当行の事業、財務実績、株主資本並びに当行株式及びADSの価格に悪影響を及ぼす可能性がある。
「-(3)-(p) 当行及び当行の顧客は、外国為替相場の変動にさらされている。」も参照のこと。
(e) インドにおける銀行市場及び金融市場は、未だ発展途上にあり、インドの金融システムが困難に陥り、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格に悪影響を及ぼす可能性がある。
インドの銀行である当行は、インドの特定の金融機関が直面する財政難に影響されるインドの金融システムに関するリスクにさらされている。これは、多くの金融機関の場合、商業的な安定性が信用、トレーディング、決済又はその他の関連業務に密接に関わってくるためである。かかるリスク(システミック・リスクと称されることがある。)は、当行が日常的に関係を持つ決済機関、銀行、証券会社及び証券取引所等の金融仲介業者に悪影響を及ぼす可能性がある。インドの金融システムにおける財政難又は不安定性は、一般的に、インドの金融機関及び銀行についてマイナスな市場認識を与え、また当行の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。かかる動向は、与信市場に影響を及ぼし、顧客がもはやこれらの事業体からの資金調達若しくは借換を利用できないか、又はその他の資金源からのかかる資金調達若しくは借換に代えることができない場合、当行を含む銀行の貸付ポートフォリオに悪影響を及ぼす可能性があり、これらにより事業を行うか又は金銭債務を弁済する能力は影響を受ける。当行は、これらの金融機関との取引により、相手方による不履行があった場合に信用リスクにさらされることになるが、かかる信用リスクは市場の流動性が低下したときに悪化する可能性がある。「-(3)-(n) 金融業界特有の業務リスクが存在し、それが現実化した場合、当行の事業は悪影響を受ける可能性がある。」も参照のこと。
インドの金融システムは新興成長市場において運用されているため、当行は、先進経済諸国では通常みられない特有の性質及び程度のリスクに直面している。当行の信用リスクは、一部の先進経済国の銀行の信用リスクに比べて高いことがある。当行の借入人、特に個人及び小規模企業の信用履歴に関して当行が入手できる情報は、先進経済国において一般的に入手可能な同様の借入人についての情報と比べて範囲が狭い可能性がある。さらに、当行の借入人の信用リスクは、インドの規制、政治、経済及び産業の環境が変化しているため、先進経済国における借入人の信用リスクよりも高いことが多い。インド準備銀行の行政指導に基づく貸付基準は優先部門に当行の貸付金の一定割合を割り当てることを義務付けており、優先部門には当行によるポートフォリオの価値の管理が難しく、また、経済的困難により当行の借入人がより重大な影響を受ける可能性の高い農業部門及び小規模産業が含まれている。当行はまた、行政指導に基づく貸付の要件を満たすために優先部門貸付証書を購入しており、当該証書の購入費用は、当該証書の需給シナリオによって大幅に増加する可能性がある。優先部門貸付の目標及び副目標を達成できない場合は、副市場における利益を生ずる投資に割り当てることが義務付けられている。「-(2)-(d) 当行はインド準備銀行の行政指導に基づく貸付要件に従わなければならず、かかる要件には、年間目標を達成するための関連する証書の割増価格での買取りも含まれる可能性がある。これらの要件を満たすことができない場合、収益性の低いインド政府のスキームに投資することを要求される可能性があり、これにより当行の収益性が影響を受ける可能性がある。また、当行の行政指導に基づく貸付ポートフォリオにおいて不良資産が増加する可能性があり、これにより当行の貸付ポートフォリオ、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格に悪影響が及ぶ可能性がある。」及び「-第2-3-(f)-行政指導に基づく貸付」も参照のこと。
当行は、国による預金保険制度があるにもかかわらず預金取付け騒ぎが生じるリスクに直面する可能性がある。今後そのような状況を沈静化できなかった場合、多額の預金が引き出され、これにより当行の流動性の状況は悪影響を受け、当行の事業が中断され、市場緊張時には当行の財務体質が弱体化する可能性がある。
当行は、インドにおいて、発展途上経済国における事業に伴うすべてのリスクにさらされながら、銀行、保険及びその他の業務を行っている。インドにおける当行の業務は、広範かつ多様であり、多種多様な水準の教育、金融知識及び財力を有する従業員、請負業者、相手方及び顧客が関与している。当行は、市場リスク並びに当行の組織内における業務リスクの削減及び管理のための政策及び手続の実施を追求しているが、大規模な発展途上国において事業を行うにあたっては、いくつかのリスクが依然として内在する。当行の収益性を悪化させる法律上、規制上若しくは訴訟上の措置、ネガティブな評判又はその他の展開をもたらす又は激化させる可能性のあるこれらの市場リスク及び業務リスクを排除することは不可能である。「-(2)-(a) 金融部門における監督及び遵守の環境が強化されると、当行が公式又は非公式にかかわらず規制措置の対象となるリスクが増加する。」、「-(2)-(c) 当行及び当行の従業員は、規制当局及び法執行当局による審問又は調査についてリスクにさらされており、これにより当行の評判に悪影響が及び、規制上の監視が強化され、当行が追加の費用を負担することとなり、又は当行が事業を行う能力に悪影響が及ぶ可能性がある。」及び「-(3)-(k) 新規事業への参入又は既存の貸付ポートフォリオの急拡大により、当行は当行の事業に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクにさらされている。」も参照のこと。
(f) 経済政策、財政政策及び構造改革を含むインド政府の政策における著しい変化により、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格は悪影響を受ける可能性がある。
当行の事業及び顧客の大部分は、インドに拠点を置いているか又はインド経済に関連し、その影響を受けている。インド政府は従来どおり、また今後も継続的に多方面でインド経済に支配的影響を及ぼす。インド政府の政策は、インドの業況及び経済状況、当行の戦略の実践力、当行の子会社及び関連会社の事業運営並びに財務実績に悪影響を及ぼす可能性がある。歴代のインド政府は、民間部門に対する著しい規制緩和を行い、インドの金融部門の発展の促進を含む経済開放政策を推進した。インドの首脳及びインド政権の構成は変更される可能性があり、選挙の結果は予想できない。インド政権により今後推進される経済政策を予測することは困難である。さらに、インドの法人部門による投資は、免許及び資源の付与、土地及び天然資源の利用権に関するもの並びに環境保護に関する方針等、政府の方針及び訴訟決定を含む決定により影響を受ける可能性がある。これらの政策及び決定の結果、当行が資金提供するものを含むプロジェクトの実施が遅れ、また新規のプロジェクト投資が制限される可能性があり、ひいては経済成長に影響を与えることになる。
経済開放の速度は変動する可能性があり、銀行及び金融会社、海外投資、為替に影響を及ぼす特定の法律及び政策は変更され、並びに当行の有価証券への投資に影響を及ぼすその他の要因もまた変化する可能性がある。インド政府による決定は、当行の事業及び財務実績に影響を及ぼす可能性がある。インド政府は、インド準備銀行による中央銀行のデジタル通貨(CBDC)の導入を発表している。デジタル通貨の使用のさらなる拡大のために、インド準備銀行は小口向けCBDCをより幅広い層のユーザーが利用できるよう、ノンバンクの決済システム事業者のCBDCのウォレット提供を許可することを提案した。かかる規制の変更若しくはインドの経済政策の著しい変化、又はインドのマクロ経済政策若しくは今後の選挙を取り巻く不安定性による市場変動は、インドの業況及び経済状況全般に悪影響を及ぼし、特に当行の事業に悪影響を及ぼす可能性があり、また当行株式及びADSの価格が影響を受ける可能性がある。
(g) 自然災害、気候の変化及び伝染病の発生は、インド経済、又は当行が事業を行うその他の国々の経済に悪影響を及ぼす可能性があり、これにより当行の事業並びに当行株式及びADSの価格に悪影響を及ぼす可能性がある。
インドはここ数年間で、地震、洪水及び干ばつ等の自然災害を経験している。これらの自然災害の範囲及びその重度が、インド経済への影響の度合いを決定する。特に、モンスーンの降雨量及び時期等、気候及び天候の状況は、2026年度においてインドの粗付加価値の約17.7%を占める農業部門に影響を与える。標準以上若しくは標準以下の降雨量が長期間続く場合、その他の自然災害が発生した場合又は世界的若しくは地域的に気候が変化した場合、インド経済及び当行の事業、特に当行の農業部門のポートフォリオは、悪影響を受ける可能性がある。同様に、世界的な気候の変化又はインド及び当行が事業を行っているその他の国々における地域的な気候の変化は、気象パターン並びに干ばつ、エルニーニョ、洪水及びサイクロン等の自然災害の発生頻度に変化をもたらし、インド及び当行が事業を行っている国々の経済及びかかる国々における当行の事業運営に悪影響を及ぼす可能性がある。
伝染病もまた当行の事業、当行の借入人、当行の取引先及びその他の関係者に混乱をもたらす可能性がある。新型コロナウイルス等の感染症の大流行により、過去に経済及び金融の混乱が生じており、将来的にも経済及び金融の混乱が引き起こされる可能性がある。インド及び当行が事業を行っている世界のその他の地域におけるかかる混乱は、当行の事業及び当行の事業の経営能力又は運営能力に影響を及ぼす可能性のある旅行規制を含む経営上の困難につながる可能性がある。将来、伝染病が発生した場合、当行のポートフォリオの質が影響を受けてその結果当行の不良資産が増加し、また、感染地域における事業活動水準が制約される可能性があり、ひいては当行の事業並びに当行株式及びADSの価格が悪影響を受ける可能性がある。
(h) インド又はその他の地域において世界的な紛争又は地域紛争、テロ攻撃又は社会不安が深刻化した場合、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格は悪影響を受ける可能性がある。
インドは度々、内乱及び近隣諸国との間で紛争を経験している。インドとパキスタンとの間で軍事衝突が、また中国を含む近隣諸国との国境紛争が起きている。当行は、かかる地政学的な事象が将来どのように進展し、当行の事業、経営、評判及び財政状態にどのような影響を及ぼす可能性があるかを予測することはできない。
またインドは、国内の一定の地域(当行の主たる事務所が所在するムンバイを含む。)でテロ攻撃を受けた経験もある。
世界的な貿易摩擦、関税並びにその他の保護貿易政策及び対抗措置は、貿易及び資本移動に影響し、インド経済に悪影響を及ぼし、これにより当行の事業に悪影響を与える可能性がある。さらに、中東、アジア及び欧州における地政学的な事象又は世界のその他の地域におけるテロや軍事活動は、インドの重要な貿易相手国の制限につながることを含め、主要商品の価格、金融市場、貿易動向及び資本移動に影響を及ぼす可能性がある。これらの要因並びにインドの政治及び経済不安は、当行の事業、財務実績並びに当行株式及びADSの価格に悪影響を及ぼす可能性がある。
(2) 高度に規制を受ける部門における当行のプレゼンスの結果生じるリスク
(a) 金融部門における監督及び遵守の環境が強化されると、当行が公式又は非公式にかかわらず規制措置の対象となるリスクが増加する。
当行が事業を行う各法域において、当行は、様々な銀行、保険及び金融サービスの法律、規制及び政策、並びに多くの規制当局及び法執行当局による規制に服している。インド及び当行が事業を行う各法域の規制当局は、当行を含む金融部門の機関に対する検討、監督及び精査を強化している。かかる検討及び精査の強化並びに既存の規制及び監督の枠組みの変更の可能性により、当行が不利益な法律上又は規制上の措置に直面する可能性が高まっている。インドの銀行部門における困難に直面して、インド準備銀行は、インドの銀行の精査をさらに強化しており、インドの銀行に対してこれまでの基準を超える罰金及び事業活動の制限を科している。インド準備銀行及びその他の規制当局は、当行の業務の定期的な検討を行っており、当行の資産の質、引当率、リスク管理、自己資本、経営陣の機能性、当行の業務の安全性及び健全性を測るその他の手段又は適用ある法律、規制、会計税務基準、上場基準若しくは政策の遵守に関する当行の内部評価に、すべての規制当局が合意するという保証はない。
過去10年間にわたり、インド準備銀行は、不良資産の認識に関するガイダンスを大幅に拡大しており、不良債権として分類される当行の貸付の増加及び引当金の増加をもたらした。加えて、インド準備銀行の年次監督プロセスは、当行が計上したよりも多くの引当金を評価する可能性がある。インド準備銀行が追加の引当金を要求した場合、当行の純利益、貸借対照表及び自己資本に影響を与え、当行の事業、財務実績、戦略実行能力、株主資本並びに当行株式及びADSの価格に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。インド準備銀行はまた、銀行に対して、銀行が計上するものとインド準備銀行の年次監督プロセスを通じてインド準備銀行が評価するものとの間の資産分類及び引当金設定における乖離を開示するように要求している。かかる開示により将来的に当行、当行の評判、当行の事業又は財務実績が影響を受けないという保証はない。当行の子会社及び関連会社もまた、それぞれの規制機関により規制を受けている。当行と同様、将来、当行の子会社及び関連会社による追加の開示が要求される可能性があり、そのことが当行に悪影響を及ぼす可能性がある。環境、社会及びガバナンスの問題、特に気候変動に関する新たな規制及び遵守並びに開示要件は、当行が事業を展開している法域の規制当局によって推奨又は検討されている。
とりわけインド準備銀行及びインド証券取引委員会(SEBI)を含む規制当局並びにインド又は当行が事業を展開する法域の政府当局及び裁判所は、当行が適用ある会計税務基準、上場基準、法律、規制、政策を遵守していないか又はかかる規制当局のかかる法律、規制若しくは政策の修正解釈に従っていないと判断し、当行に対して公式又は非公式の措置を講じる可能性がある。かかる公式又は非公式の措置が講じられた場合、当行は当行の不良資産に対する引当金の追加、資産の処分、新たな遵守プログラム若しくは方針の導入、上級管理職若しくはその他人材の異動、配当若しくは役員報酬の縮小、顧客に対する改善策若しくは払戻しの実施又は当行の事業活動におけるその他の変更を要求される可能性があり、当行の収益が減少し、当行に追加費用の負担が要求され、当行の収益性への影響又は当行の評判の失墜を招く可能性がある。「-第2-3-(f) 監督及び規制」も参照のこと。
各法域におけるデータ保護、プライバシー及びAIに関する規制の変化には、コンプライアンス上の義務、業務の複雑さ及び費用を増大させる可能性がある。適用される規制要件が遵守できない又はAI技術の利用を効果的に管理できない場合、規制当局による調査、金銭的制裁、訴訟、評判の低下及び事業活動の制限につながる可能性がある。「-(4)-(c) システムの不具合又はシステムの休止は、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。」も参照のこと。
当行が、その事業を行う法域において法的リスク及び規制リスクに効果的に対処できない場合には、当行の事業は悪影響を受ける可能性があり、当行の評判は毀損され、当行はさらなる法的リスク及び規制リスクを負う可能性がある。これにより、当行に対する損害賠償請求及び損害の規模や数が増加し、当行が規制当局の調査、執行行為又はその他の手続に従わなくてはならない可能性があり、又は監督上の懸念の増加につながる可能性がある。また、当行は改善策及び調査の実施について、既に開始され継続しているものに加えて、さらなる時間及び資金を費やす必要が生じることがあり、これにより当行の事業は悪影響を受ける可能性がある。
適用あるすべての規制を遵守しようとする当行の最大限の努力にかかわらず、完全に管理できない複数のリスクが存在する。当行の海外におけるプレゼンスにより、法的リスク及び規制リスクが増加した。当行が事業を行い、又は当行の有価証券を上場している各法域の規制当局は、当行の業務を制限するか、資本要件及び流動性要件の引上げを規定するか、又は当行、当行の従業員、代表者、代理機関又は当行の第三者サービス提供者に対し行政手続若しくは司法手続を課す権限を有しており、それにより、とりわけ、当行の1つ又は複数の許認可の停止若しくは撤回、停止命令、罰金、民事罰、刑事罰又はその他の懲戒処分につながる可能性があり、その場合、当行の評判、業績及び財政状況に大きな損害を及ぼす可能性がある。
(b) 当行は、規制遵守違反により罰金、制限又はその他の制裁の対象となる可能性があり、これにより当行の財務状態及び当行の事業を拡大する能力に悪影響が及ぶ可能性がある。
従業員、代表者、代理機関及び第三者による不正行為等、様々な法域において適用ある規制に従わなかったこと、顕在化しそうな又は顕在化した違反行為並びにそれに対するマスコミの報道並びに規制当局及び法執行当局によるその後の審問若しくは調査又は手続により、罰金及び制限又は関連事業の運営の停止を含む規制措置がなされ、また、今後なされることがある。当行が適切とみなし、かつ適用ある法律又は規則により認められる場合、当行は、規制当局による審問若しくは調査又は手続について、関係する規制当局との合意に基づくプロセスを通じた解決又は和解を模索することがあり、これには、当行による金銭の支払い又は非金銭的条件への同意が必要となる場合がある。非金銭的条件には、一定期間の事業活動の停止若しくは中止、主要な経営陣の変更若しくは主要な経営陣に対する制限、利益吐出し、将来の違反を防止するための強化された方針及び手続の実施、内部の方針、プロセス及び手続を見直すための独立したコンサルタントの任命若しくは雇用、強化された研修及び教育の実施、並びに/又は強化された内部監査、同時監査若しくは報告要件の遵守が含まれる。
(c) 当行及び当行の従業員は、規制当局及び法執行当局による審問又は調査についてリスクにさらされており、これにより当行の評判に悪影響が及び、規制上の監視が強化され、当行が追加の費用を負担することとなり、又は当行が事業を行う能力に悪影響が及ぶ可能性がある。
当行の従業員、代表者、代理機関又は第三者サービス提供者が、その職務の遂行中又はそれ以外において、様々な法域において適用ある規制に従わなかったこと、又はこれらによる顕在化しそうな若しくは顕在化した違反行為により、規制当局及び法執行当局によるさらなる審問又は調査、並びに当行又はかかる従業員、代表者、代理機関若しくは第三者サービス提供者に対する追加の規制措置又は強制措置がなされることがある。かかる追加措置は、当行の評判にさらなる影響を及ぼし、マスコミによる好ましくない報道を招き、規制上若しくは監督上の懸念を増加させ若しくは高め、当行に追加の費用、罰金、損害賠償請求若しくは経費が生じ、又は当行の事業を行う能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
政府及び規制当局の各機関が、当行の前マネージング・ディレクター兼最高経営責任者に対して調査を開始しており、現在も調査は継続中である。これらの調査により、当行が適用ある法律又は規則に違反したことが判明した場合、当行は法律上及び規制上の措置を受けることとなり、これにより当行の法的リスク及びレピュテーションリスクが生じる可能性がある。
複数の地域における当行の国際的なプレゼンスにより、当行は異文化リスクを含む様々な規制上及び事業上の課題及びリスクにさらされ、規制当局及び執行当局による照会又は調査のリスクがさらに高まっている。これらの地域でのプレゼンスは、通貨リスク、金利リスク、コンプライアンスリスク、規制リスク、レピュテーションリスク及び業務リスクを含む、当行の多数の分野におけるリスクの複雑性を増大させる。さらに、当行又は当行の従業員は、金融サービス業界では一般的であるが、当行又は当行の従業員に対する手続につながる可能性のある照会、審査若しくは調査の対象となる可能性が時折ある。
当行は、国際的な銀行及び金融機関においてますます一般的になっている、いかなる現在又は将来の規制当局又は法執行当局によるイニシアティブの時期又は形式も、予想することはできない。
(d) 当行はインド準備銀行の行政指導に基づく貸付要件に従わなければならず、かかる要件には、年間目標を達成するための関連する証書の割増価格での買取りも含まれる可能性がある。これらの要件を満たすことができない場合、収益性の低いインド政府のスキームに投資することを要求される可能性があり、これにより当行の収益性が影響を受ける可能性がある。また、当行の行政指導に基づく貸付ポートフォリオにおいて不良資産が増加する可能性があり、これにより当行の貸付ポートフォリオ、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格に悪影響が及ぶ可能性がある。
インド準備銀行の行政指導に基づく貸付基準の下、インドの銀行は、優先部門に分類される特定の適切な部門に対して当行の調整後の銀行融資純額の40.0%を融資することが義務付けられている。かかる貸付基準の下、銀行は主要セグメント又は部門への貸付にも副目標を設けている。2026年度について調整後の銀行融資純額の10.0%及び12.0%にあたる部分はそれぞれ小規模農家及び限界的小農並びに社会の脆弱な部門として認定された部門に貸し付けられなければならない。インド準備銀行は、非法人農業への直接貸付を過去3年間の銀行システムの平均水準に維持するよう銀行に指示し、2025年度について調整後の銀行融資純額の13.78%という目標を設定し、2026年度については14.0%に引き上げられた。また、調整後の銀行融資純額の7.5%にあたる部分は零細企業に貸し付けられなければならない。優先部門への貸付要件は、特定の基準を満たす小企業、中規模企業、再生可能エネルギー、社会インフラ及び住宅ローンを含む一連の部門に対する貸付によって満たすことができる。これらの要件及び実績は、四半期末の残高の平均を考慮して評価される。2022年度以降、優先部門の実績は、特定された地区における増加優先部門信用に割り当てられた加重に基づいて計算される。地区の加重及び実績の算出に必要な調整は、銀行が四半期ごとに提出するデータに基づいてインド準備銀行が行う。
これらの要件は、単体ベースでのICICIバンクに適用される。インド準備銀行は、優先部門目標を果たすには超過/不足がある場合に、優先部門貸付証書を売買することを銀行に許可しており、これは優先部門への貸付の不足分を補うものである。これらの証書は、優先部門又はその個別の下位セグメントへの貸付において余剰がある銀行が発行し、不足がある銀行が、リスク又は貸付資産を移転することなく、取引ポータルを通じて購入する。当行はまた、行政指導に基づく貸付要件を満たすために優先部門貸付証書を購入しているが、そのコストはかかる証書の需要と供給に応じて変動する可能性がある。調整後の銀行融資純額に対する2026年度の達成率は、農業部門は18.0%の要件に対し、17.8%、農業部門内の個別区分である非法人農業は14.0%の要件に対し、13.7%、脆弱な部門への貸付は12.0%の要件に対し、12.7%であった。
当行が優先部門への貸付要件に対して不足額がある場合、購入したいかなる優先部門貸付証書を考慮した上で、インド準備銀行の指示に応じていつでも、実勢の銀行金利及び不足額の水準により決定される収益性の低いインド政府のスキームに投資することを要求され、これにより当行の収益性は影響を受ける可能性がある。2026年3月31日現在、当行の過去の資金不足によるかかるスキームに対する投資総額は103.7十億ルピーであった。これらの投資額は、全体の優先部門貸付目標の達成率に反映される。前年度の3月31日現在の投資額は、優先部門及びその下位セグメントへの貸付要件の算出の基準となる調整後の銀行融資純額に加算される。
優先部門貸付が義務付けられる結果、行政指導に基づく貸付ポートフォリオにおいて、ポートフォリオの価値の管理が難しく、また、経済的困難により当行の借入人が重大な影響を受ける可能性の高い農業及び小企業部門に対する貸付が特に原因となり、当行の不良資産が増加する可能性がある。当行の優先部門への貸付ポートフォリオに係る不良資産の合計は、2024年度及び2025年度にはともに1.8%、2026年度には1.6%であった。2018年度及び2019年度において、インドのいくつかの州は、農家が利用できる債権免除に関するスキームを発表した。かかるスキームの費用は州政府により負担されるものの、かかるスキーム又はかかるスキームに対する借入人の期待は、銀行の農業従事者貸付ポートフォリオを含め、滞納の増加につながり、これが当行に影響を及ぼす可能性がある。インド準備銀行のガイドラインに従って、これら及びその他特定区分の農業貸付は、一般貸付の90日に対し、支払期限が1年超経過している場合、不良債権に分類される。したがって、これらの特定の種類の農業貸付に関して、不良債権としての滞納貸付の分類は、一般貸付ポートフォリオと比較して遅い段階で生じる。
2026年度中、年次監督審査の結果、インド準備銀行は、農業優先部門向け与信枠のポートフォリオについて、当該信用供与条件が、農業優先部門貸付として分類されるための規制要件を十分に満たしていないことが判明したことから、当行に対し、正常先資産に対する引当金として12.83十億ルピーを計上するよう指示した。当行は、かかる貸付が農業優先部門貸付として分類される適格性について、その現状を包括的に見直す作業を実施した。当行は、この作業を完了させる段階にあり、追加の正常先資産に対する引当金については、作業完了後に見直される予定である。
今後、当行の国内の貸付ポートフォリオの成長により、当行の優先部門貸付目標の額が大幅に増加する可能性がある。当行は、農業貸付の副目標及び脆弱な部門への貸付が継続的に不足する場合、優先部門貸付証書の購入を大幅に増やさなければならない可能性がある。インド準備銀行は、優先部門貸付要件に関するガイドラインを随時発表し、銀行が特殊金融仲介機関に対する貸付を通じて行政指導に基づく貸付義務を履行する能力を制限し、銀行による証券化資産への投資並びにローンの無条件購入及び譲渡が優先部門貸付として適格な分類となるために満たすべき基準を定め、また、当該取引の当初貸付主体が最終借入人に請求する金利を規制している。「-第2-3-(f)-行政指導に基づく貸付」も参照のこと。インド準備銀行による行政指導に基づく貸付基準が将来変更された場合、優先部門に対する貸付要件を満たすことができなくなり、当行は相対的にリスクの高いセグメントへの当行の貸付を増加させることが必要となる可能性があり、不良資産の増加につながる可能性がある。
(e) 当行は、インド準備銀行が定める自己資本比率規制要件(バーゼルⅢを含む。)及びインドの大手民間部門銀行が維持すべき自己資本比率の水準に関する一般市場の予測の対象となっており、規制の変更、資本市場へのアクセスの欠如又はその他の理由により十分な自己資本を維持することができない場合、当行の事業を成長させ支援する能力に影響が及ぶ可能性がある。
インドの銀行は、インド準備銀行が定めるバーゼルⅢの自己資本枠組みに従っている。このインドのバーゼルⅢガイドラインは、とりわけ、5.5%の普通株等Tier1リスク・ベース最低資本比率、7.0%のTier1リスク・ベース最低資本比率、9.0%のリスク・ベース最低自己資本比率合計、並びに資本分配及び裁量的な賞与の支払いにおける制約を避けるため、リスク加重資産について最低要件を上回る2.5%の普通株等Tier1資本保全バッファーを義務付ける。当行はまた、国内のシステム上重要な銀行に指定されていることから、0.2%の資本追加費を維持することが義務付けられている。バーゼルⅢガイドラインはまた、規制上の資本の各階層における資本証書に関して適格性基準を設定し、規制上の資本に適合させるための調整及び規制上の資本からの控除を義務付け、連結銀行グループの規制上の資本の少数株主持分について、限定的な認識を規定するものとなっている。バーゼルⅢガイドラインを適用すると、2026年3月31日現在の当行の連結ベースの自己資本比率は、普通株等Tier1リスク・ベース資本比率が16.25%及びリスク・ベース自己資本比率合計が17.05%であった。
インド準備銀行は、銀行に対し高度経済成長期における資本要件の引上げ(リスク加重資産の0%から2.5%の範囲の引上げ)を提言する、カウンターシクリカル資本バッファーの導入に関するガイドラインを公表した。かかる資本要件は、国内総生産に占める与信の長期平均比率の逸脱率及びその他の指標等の一定の要素に基づき決定されることとなる。かかるガイドラインは既に適用されているが、インド準備銀行は、現在の経済状況ではカウンターシクリカル資本バッファーの施行を請け負うものではない旨を表明している。インド準備銀行はまた、銀行のエクスポージャー額合計に対するTier1資本の比率として測定されるレバレッジ比率の枠組みを発表している。インド準備銀行は、当行を含む国内のシステム上重要な銀行については4.0%、その他の銀行については3.5%の最低レバレッジ率の維持を義務付けている。自己資本充実に関する健全性規制を適用した結果、2026年3月31日現在の当行の連結ベースのレバレッジ比率は、10.8%であった。
規制の変更は、当行が保有を求められる資本金額に影響を与える可能性がある。インド準備銀行は、標準的手法に基づく信用リスクに対する所要自己資本に関する改訂指針を発表した。この指針は、国際基準との整合性の確保及び資本維持のため、堅牢性、粒度及びリスク感応度を向上させることによって、信用リスク資本算定における標準的手法を強化することに重点を置くものである。これらの指針は、2027年4月1日付で発効する。当行が当行の事業を成長させ、当行の戦略を実行できるか否かは、自己資本レベルに左右され、当行は、資本市場から資金を調達するか又は当行の1社若しくは複数の子会社の株式を売却して、必要資本を満たす義務がある。インド準備銀行は当行の業務を定期的に審査しており、当行の自己資本充実度に対する内部評価に対して同意する保証はない。当行の自己資本比率の低下、規制の変更若しくはその他による当行に適用される自己資本の変更、資本市場を利用できないこと又はその他の事由により資本基盤を強化することができないこと又は当行が適切な水準の資本についてステークホルダーの期待を満たすことができない一方で、期待される資本利益率を満たすことにより、当行の市場での地位を維持し、当行の事業を拡大する能力が制限されるか、又は当行の将来の成績及び戦略が悪影響を受ける可能性がある。債券及び株式への投資家、格付機関、株式及び固定利付債券のアナリスト、規制当局その他は、当行に、当行の大手民間部門銀行としての立場を反映した規制要件を大きく超えた自己資本比率の維持を期待する傾向にある。当行が必要な時に資金を調達することができるか、又は市場を利用するタイミング若しくは調達したいかなる資金の条件が魅力的であるという保証はなく、これらは流動性情勢、市場の安定性又は政治的若しくは経済的状況を含む様々な不確実性に左右される可能性がある。当行が規制上の自己資本要件を満たすのに十分な資本を調達できない場合、当行は、資本配分及び裁量的な賞与の支払いに関する制限並びにその他の潜在的な規制措置の対象となる可能性がある。
インド準備銀行による銀行を対象とした早期是正措置(PCA)の枠組みでは、自己資本、資産の質及びレバレッジといった指標のリスク基準が定められている。PCA枠組みではさらに、利益の配当金分配/送金、支店拡大、国内及び/又は海外への拡大、並びに技術的な改良を除く設備投資に関する制限といった措置が定められている。2026年度末現在、当行の財務指標は、インド準備銀行により規定されたリスク基準に違反しなかった。当行が、今後も常にインド準備銀行により規定された基準を満たし続ける保証はない。
また、当行の保険部門、銀行部門及び住宅金融部門の子会社もまた、子会社の規制当局からソルベンシー要件及び資本要件を課されている。当行は、現時点では、これらの事業体に大幅な追加の株式資本が必要となることは予期していないが、規制又は重大なストレスによりこれらの事業体の資本要件が増加した場合にICICIバンクがこれらの子会社に追加の株式投資を行う必要が生じれば、当行の自己資本比率に影響を与える可能性がある。
(f) 当行は、インド準備銀行の流動性要件及び当行の海外拠点における銀行規制当局の流動性要件に従い、規制変更により適切な流動性を維持できないこと、資本市場の利用不足、又はその他は、当行の事業を拡大及びサポートする能力に影響を与える可能性がある。
インド準備銀行は、バーゼルⅢの流動性枠組みに基づくLCR要件に関するガイドラインを公表し、銀行に対して、その後の30暦日にわたり、キャッシュ・アウトフロー純額の合計に対する適格流動資産の残高の比率であるバーゼルⅢに基づくLCRを維持及び報告することを要求した。インド準備銀行はまた、適格流動資産の要件を満たすと認定される資産区分を定義し、最低LCRを義務付けており、かかる最低比率は100.0%である。さらに、インド準備銀行は、銀行の安定調達比率(NSFR)に関する最終ガイドラインを策定し、これは、銀行に流動性要件及び継続的に向こう1年間に満期が到来する資産をカバーする上で信頼に足ると判断される十分な資金を維持することを継続的に義務付けている。当行の海外拠点のほとんどにおいても、規制当局により同様の要件が定められており、当該地域においても適切な流動性水準を維持することが当行に求められている。
かかる流動性要件並びに既存の流動性及び現金準備金規制により、当行を含むインドの銀行が多額の流動性資産を有しており、これによりかかる銀行の収益性は影響を受ける。インド準備銀行は、LCRガイドラインを策定した。この草案は、インターネット・バンキング又はモバイル・バンキングを利用できる小口向け及び中小企業向け預金について、2.5%の追加のランオフ係数を割り当てることを商業銀行に求めている。これらの指針は2026年4月1日付で発効した。
当行のLCR若しくはNSFRが低下した場合、規制の変更若しくはその他の理由により当行に適用される流動性要件が増加した場合、流動性の構成に変更があった場合、又は資本市場を利用することができなくなった場合には、当行の事業を成長させる能力が制限され、当行の収益性並びに当行の将来の業績及び戦略に悪影響が及ぶ可能性がある。
さらに、流動性の逼迫又は国際市場の不安定性により、当行は国際債券市場へのアクセスが制限され、その結果、当行の海外支店及び海外の銀行子会社に係る資金調達コストが増加する可能性があり、当行の満期を迎える借入のリファイナンス能力及び新たな資産に融資する能力に影響を及ぼす可能性がある。
(g) インドの金融市場の規制及び構造の変化は、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。
近年、インドの金融市場においては、コスト削減及び金融サービスの利用者に対するサービス提供の質の向上を目的とした変化及び発展があり、現在も続いている。当行は、支払システムの発達及び利用の増加、並びにその他の類似の構造的変化の結果、小口現金及び当行の現金管理業務からの手数料収入に悪影響を受ける可能性がある。「-(a) 金融部門における監督及び遵守の環境が強化されると、当行が公式又は非公式にかかわらず規制措置の対象となるリスクが増加する。」も参照のこと。
当行の子会社及び関連会社も、類似のリスクを負っている。例えば、インド政府の税制は、一般的に顧客による保険の購入及びミューチュアル・ファンドへの投資に影響を及ぼす。「-(5)-(b) 当行の保険事業は当行の事業において重要な部分を占めているが、その将来における成長率又は収益性の水準を保証することはできない。」も参照のこと。
インド準備銀行は、継続的な免許付与の方針の下で、民間部門のユニバーサル・バンク及び小規模融資銀行に対する免許の発行等を通じて、金融部門への新規プレーヤーの参入を容認してきており、金融テクノロジー企業(フィンテック)及びテクノロジー企業が支払いその他の金融サービスを提供することを可能にしている。新規プレーヤーの参入は、競争を激化させており、当行の事業戦略を新しい事態の展開に適合させられなければ、事業機会を捕捉する当行の能力に影響が及ぶ可能性がある。「-(3)-(m) 当行の事業は非常に競争が激しく、当行の事業戦略は当行の競争力に左右される。」も参照のこと。
また、法律、規制若しくは政策の変化は、これらの解釈若しくは適用の変化を含め、当行が提供する商品若しくはサービス、当行の資産価値若しくは当行の貸付に付された担保の価値若しくは契約上の充足又は当行の事業一般に悪影響を及ぼす可能性がある。民間銀行の所有、ガバナンス及び企業構造に係る変更、並びに経営陣の報酬、取締役会管理、消費者保護、持続可能な金融及びリスク管理に係る変更といった、規制の変更は、当行の事業及び当行の将来的な戦略に影響を及ぼす可能性がある。これらの変更によって、当行は特定部門における事業を縮小し又は増大することを余儀なくされ、競争が増加し、又は当行の全体的な成長及び資本利益率に影響が及ぶ可能性がある。当行は、将来の法令上の変更を予測できない。これらの規制上又は構造上のいかなる変化も、コンプライアンス費用の強化を含む、費用の増加、業務上の制約、競争の激化又は当行の業務の修正を招く可能性があり、これにより当行の収益性が悪化する可能性や潜在的に有益な事業機会を断念せざるを得なくなる可能性がある。
(h) 当行の国際的業務の成長機会及びこれらの業務から資本の本国送金を行う当行の能力は、現地の規制環境により制限される可能性がある。
当行の国際的なフランチャイズは、預金、資産及び送金ビジネスについて在外インド人に重点を置くとともに、国際市場において高い評価を得ているインドの企業及び多国籍企業との関係を深め、当行のリスク管理の枠組みの中でインドと連動した貿易、トランザクションバンキング及び貸付の機会を最大化することに重点を置いている。当行の海外銀行子会社は引き続き、リスク管理及び事業の細分化に重点を置きながら選択的に現地市場を支えている。この戦略並びに国際的業務の将来の成長及び収益性を当行が成功裡に実行できるかの保証はない。
さらに、これまでに、当行の海外銀行子会社は、資本基盤を最大限に増強することに重点を置き、資本の本国送金及びICICIバンクへの配当金支払いを行っており、かかる措置は規制上の許認可に従って行われている。かかる許認可の時期又は今後かかる許認可が与えられるか否かに関する保証はない。当行の海外支店はまた、流動性、資本、資産の分類及び引当金に関する要件を含む、現地の規制要件に従っている。
(i) 当行の子会社は、インド証券取引委員会、インド保険業規制開発委員会及び年金基金規制開発局等の様々なインドの金融部門規制当局による監督及び規制の対象となる。
SEBIは、検査報告書又は当行の資産管理子会社若しくは証券仲介業子会社から提出された報告書で報告された所見に基づき、行政警告の発出、情報提示に関する通知、罰則又は執行措置の開始等の措置を講じる可能性がある。さらに、当行子会社が運用するファンド又はポートフォリオの投資家から請求が生じる可能性があり、かかる請求は裁判所において又は規制当局により決定され、当行子会社及び当行の評判及び事業に影響を及ぼす可能性がある。
当行の保険事業は、インドの保険に関する規制当局であるIRDAIによる広範囲に及ぶ規制及び監督に服している。当行の保険事業は、多数の小口の顧客及び法人顧客を有しており、これら顧客から請求を受け、裁判所又は規制当局による、当行の保険事業若しくは当行又は当行の保険子事業の経営陣及び従業員に対する判断につながる可能性がある。IRDAIは、商品、販売手数料、ソルベンシーマージン及び準備金並びに新規免許発行を規制する規則を含め、保険業界に関する規則を制定、修正及び解釈する権限を有し、結果として当行の保険子会社の事業活動にはさらなる費用又は制限が課される可能性がある。
さらに、当行の保険子会社は、インド証券取引所の公開上場会社であるため、遵守の要件及び規制上の監視が強化されている。
同様に、当行の年金基金管理子会社であるICICIペンション・ファンド・マネジメント・リミテッド(ICICI PFM)は、年金基金規制開発局(PFRDA)による監督及び規制の対象となる。
当行の子会社の規制上の監視の強化は、追加的開示を含む厳しい要件とともに、当行に重大な悪影響を及ぼすものではないと保証することはできない。規制又は行政当局が、当行が上場会社又はかかる会社の親会社若しくはその他ICICIのグループ会社との関係に関して適用される法令を遵守していないか、これによる法律、規制又は政策の解釈に従っていないと判断し、また当行とその子会社若しくは関連会社に対して公式又は非公式の措置を講じる場合がある。
(j) 異なる会計基準又は新たな会計基準を採用する場合、将来及び過去の期間における当行の報告された財務状態及び業績に変更が生じる可能性がある。
本書に含まれるか、又は本書における参照として組み込まれる財務書類及びその他の財務情報は、インドGAAPに従った当行の非連結及び連結財務書類に基づくものである。インドにおける会計基準採用に関する立法当局である企業省のロードマップに従い、インドの企業は、Ind AS(インドの会計基準の国際財務報告基準との大部分の収斂(コンバージェンス)を図る、改正された会計基準)へと移行している。ICICIグループの銀行以外の金融会社のいくつかが、Ind ASに移行した。現在、銀行を対象とするInd ASの実施は、推奨された法律の改正がインド政府によって検討中であるため、さらなる通知が行われるまで延期されている。保険会社を対象とするInd ASについては、2026年4月1日以降適用可能となっているが、IRDAIによる事前承認をもって1年間の免除を取得することが保険会社に選択肢として認められている。2023年度において、インド準備銀行は、国際財務報告基準第9号の原則に概ね基づく、商業銀行の投資ポートフォリオの分類、評価及び運用に関する健全性基準に関する改訂標準指針を公表し、2024年4月1日から適用された。2026年4月、インド準備銀行は、規制上の補完措置を加えつつ、国際財務報告基準第9号の原則に概ね基づく銀行による引当のための予想貸倒損失の枠組みを導入する指令を発行した。この予想貸倒損失の枠組みは、既存の不良資産の分類を維持しつつ、資産分類のための段階的な枠組みを導入し、将来予測引当金を採用するものである。また、これらの指針では、予想貸倒損失の枠組みの推計に基づいて算出された引当金に加え、銀行が維持すべき健全性下限値も導入された。これらの指針は、2027年4月1日に施行され、銀行に対する引当金要件を引き上げる見込みである。当行は、2026年3月31日現在、131.0十億ルピーの偶発損失引当金を有していた。これらインド準備銀行が発行するガイドライン又は発行が提案されているその他ガイドラインの採用は、金融資産及び金融負債の分類及び評価の手法に重大な影響を与えることになり、その結果、損益及び株式がより変動的になる可能性がある。さらに、インド準備銀行の年次監督プロセスにおいて当行が計上した額よりも多額の引当金の計上が求められる可能性がある。「-4-経営成績データ-(16) インドの会計基準と国際財務報告基準とのコンバージェンス」も参照のこと。
(3) 当行の事業に関するリスク
(a) 当行の不良資産の水準が上昇し、当行の貸付ポートフォリオの全体的な価値が低下した場合、当行の事業は損害を受けると予想される。
近年、当行を含むインドの銀行は、小口向け及び小規模事業貸付ポートフォリオの成長に重点を置いている。当行が小口向けセグメント及び中小企業セグメントに成長の主要な推進力の維持を期待する一方で、経済成長、投資、消費若しくは雇用の鈍化又は失業の増加が、当行の小口向け貸付ポートフォリオの質に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の第一波の発生を受けて、インド政府及びインド準備銀行は、2021年度において、特定の借入人に対するローン返済の支払猶予及び支払猶予が認められた期限経過勘定に対する資産分類上の現状維持、個人、小規模企業並びに零細、小規模及び中規模企業(MSME)を含む、小規模な借入人に対する貸付のリストラクチャリング、緊急時における信用枠保証制度に基づくMSME並びに他のストレス部門への資金提供を含む、いくつかの措置を発表した。当行のポートフォリオには、当行のポートフォリオ全体と比較して高いリスクを抱える可能性のある、緊急時における信用枠保証制度に基づく融資並びに破綻処理計画が実施された貸付及び支払猶予を利用した借入人に対する貸付が含まれている。2026年3月以降、西アジアで続いている地政学的緊張は、特に原油及び関連副産物において、グローバルなサプライチェーンの変動及び混乱を招いており、インド経済の様々な部門及び当行の借入先企業の事業に直接的又は間接的な影響を及ぼす可能性があり、当行を含む貸し手に対する債務履行能力に影響を与えている。2026年5月にインド政府は、適格企業に対して信用保証を提供する新たな緊急時における信用枠保証制度を発表した。これは、対象企業が短期的な流動性のミスマッチに対処できるよう、追加の融資枠という形式で支援を拡大するものである。この緊急時における信用枠保証制度に基づく融資は、当行のポートフォリオ全体及び過去の業績と比べてリスクが高い可能性があり、将来の業績を示す指標とはならない場合がある。「-(1)-(a) インドの経済成長の鈍化の長期化により、当行の事業は損害を被る可能性がある。」及び「-(1)-(f) 経済政策、財政政策及び構造改革を含むインド政府の政策における著しい変化により、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格は悪影響を受ける可能性がある。」も参照のこと。
最近のAI/機械学習の進展、特に大規模言語モデル及び事前学習済生成型トランスフォーマーの登場は、テクノロジーを活用したソリューション能力の飛躍的な進歩を示している。テクノロジー主導の部門におけるAI/機械学習の導入は、雇用喪失を引き起こし、その結果当行の小口向けポートフォリオの資産の質に影響が及ぶ可能性がある。
当行の不良資産の水準が上昇し、当行の不良資産に係る利息計上停止に起因して当行の貸付ポートフォリオの全体的な価値が低下した場合、当行の引当金設定コストが増加する可能性があり、当行の純利息収入及び純金利差益率がマイナスの影響を受ける可能性があり、当行の信用格付及び流動性が悪影響を受ける可能性がある。また当行は強化された規制上の監視及び精査の対象となり、当行の評判、事業、財務実績並びに当行株式及びADSの価格は悪影響を受ける可能性がある。当行は、2026年3月31日現在、131.0十億ルピーの偶発損失引当金を有している。かかる引当金が十分であるという保証又は必要となる追加の引当金の水準についての保証はない。
経済、技術的、規制若しくは法律の不利な動向又は新型コロナウイルス感染症のような自然災害は、当行の不良資産の水準をさらに上昇させ、当行の貸付ポートフォリオの価値及び事業に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
「-(b) 当行の貸付ポートフォリオは、特に完成リスク、商品価格のサイクル・リスク及びその他の関連リスク等のリスクの影響を受けやすい長期プロジェクト・ファイナンスの貸付、不動産連動貸付及び商品部門貸付等のエクスポージャーを含んでいる。」及び「-(c) 当行の貸付は一部の顧客、借入人グループ及び部門に集中しており、仮にこれらの貸付のかなりの部分が不良債権化した場合、当行の貸付ポートフォリオの全体的な価値、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格は悪影響を受ける可能性がある。」も参照のこと。
(b) 当行の貸付ポートフォリオは、特に完成リスク、商品価格のサイクル・リスク及びその他の関連リスク等のリスクの影響を受けやすい長期プロジェクト・ファイナンスの貸付、不動産連動貸付及び商品部門貸付等のエクスポージャーを含んでいる。
当行が融資したプロジェクトの実行可能性は、市場の需要、政府の政策、政府による免許の付与及び天然資源の利用権の付与過程並びにその後の司法審査又はその他の審査、当該プロジェクトの成果にとっての主要な顧客である政府又はその他の事業体の財務状態並びにインド及び国際市場における全体的な経済環境を含め、多くの要因に依拠している。過去、当行では、当行の工業及び製造業プロジェクト・ファイナンスの貸付ポートフォリオにおいて債務不履行及び再編成の度合いが高かったことがある。電力部門に対する当行の貸付の貸付総額に占める割合は、2025年3月31日現在は0.9%であったのに対し、2026年3月31日現在は0.8%に減少した。電力プロジェクトは、石炭及びガス等の燃料の調達、電力価格の変動及び発電電力のオフテイクを含む様々なリスクに直面している。さらに、電力プロジェクトは本来レバレッジ・レベルが高い。インド準備銀行は、商業用不動産及び住宅用商業不動産を含むインフラ及び非インフラ分野のプロジェクトに対する融資に関する指針を策定したが、かかる指針は、とりわけ建設中のプロジェクトについて正常先資産に係る引当金の設定要件を1.0%に合理化し、「商業的な運営開始日」の延期が四半期進むごとに段階的にかかる引当金の設定要件を引き上げることを求める。これらの指針は、2025年10月1日より施行されるものとする。
当行の貸付ポートフォリオは、鉄鋼、その他の金属及び鉱業等の商品を基礎とする部門向けのプロジェクト・ファイナンス、コーポレート・ファイナンス、運転資金の貸付を含んでおり、類似又は追加のリスク及び国際商品価格のサイクルによる影響を受けることがある。さらに、気候変動への関心の高まり及び低炭素経済への国家的コミットメントは、特定の部門への資本の移動に影響を与え、これらの部門及び経済全体に構造的な変化をもたらす可能性がある。これらの変化の影響を評価することは困難であり、当行は、貸付ポートフォリオを管理する上で、新たなリスクや課題に直面する可能性がある。
当行のポートフォリオには、住宅金融会社及び銀行以外の金融会社による小口向け資産プールの買収/購入が含まれ、これにより当行はさらなるリスク(原借入人が予想どおり履行できないこと、財務状態又は回収及びサービス提供に全般的に責任を負うオリジネーターの事業の弱点から生じるリスク、並びに追加の引当金(購入が投資に分類される証券化商品として構成される場合)を含む。)にさらされる可能性がある。さらに、不動産等の特定の部門の課題、例えば当行が顧客に貸付を行っている住宅用不動産を不動産デベロッパーが完成又は販売できないこと等は、顧客の返済行動に影響を及ぼし、滞納及び不良資産を増加させる可能性がある。
(c) 当行の貸付は一部の顧客、借入人グループ及び部門に集中しており、仮にこれらの貸付のかなりの部分が不良債権化した場合、当行の貸付ポートフォリオの全体的な価値、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格は悪影響を受ける可能性がある。
小口向けセグメントに対する当行の貸付は、2026年3月31日現在は当行の貸付総額の51.3%であった。2026年3月31日現在、当行の貸付合計における当行の貸付は、卸売業・小売業部門に対し7.3%、農村向け融資部門に対し6.3%、金融サービス部門に対し4.9%、インフラ部門(電力を除く。)に対し2.3%及び電力部門に対し0.8%であった。
銀行は、インド準備銀行が発表した単一の取引先及び関係を有する取引先グループに対する銀行のエクスポージャーの上限を定める大口エクスポージャーの枠組みに服している。かかる枠組みに従い、単一の取引先に対する銀行のすべてのエクスポージャー価値の合計は、常に銀行の利用可能かつ適切な資本基盤の20.0%を超えてはならず(すなわち、Tier1資本)、また、関係を有する取引先グループに対する銀行のすべてのエクスポージャー価値の合計は、常に銀行の利用可能かつ適切な資本基盤の25.0%を超えてはならない。2026年度末現在、当行の最大の単一の取引先は、当行のTier1資本の16.1%を占めた。最大の関係を有する取引先グループは、当行のTier1資本の16.2%を占めた。
当行が集中リスクのコントロールに注力することは、当行が一部の顧客との事業を拡大する能力を制約し、これにより当行の収益に影響が及ぶ可能性がある。当行が集中リスクのコントロールに成功する、あるいは、不良資産及び引当金を管理する中で当行が成功裡に当行の営業利益を増加させることができるという保証はない。
(d) 借入人が債務不履行に陥った場合、当行の担保の価値が下がり、又は当行による担保の行使は遅延する可能性があるため、当行は担保物件から期待した金額を回収できず、含み損にさらされる可能性がある。
法人及び小口顧客に対する当行の貸付金の大部分は、担保により保証されている。「-第2-3-(d)-(ⅰ) 担保設定、対抗要件具備及び実行」も参照のこと。資産価値の変動により当行の担保の価値が下がり、破産及び抵当権実行手続の遅れ、担保権設定の遅れ、担保の対抗要件具備の瑕疵又は不備(様々な者、代理機関又は当局から要求される可能性のある承認を取得できないことに起因する場合を含む。)、借入人による不正譲渡及びその他の要因(担保価値の下落、担保を処分する際の市場の非流動性、担保の市場価格のボラティリティ、現行の法律の規定又はその改正及び過去又は将来の裁判所の宣告を含む。)により、当行の担保価値のすべてを実現することができない可能性がある。
インドでは、不動産により構成される担保に係る抵当権実行は、(裁判所により借入人/担保提供者から異議申立てのない限り)貸付人が特定の手続及び要件を履行することによって直接的に、又はインドの裁判所若しくは裁決機関に対する申請によって実施することが可能である。申立てが行われた場合又は直接行われる抵当権実行に対する法的な異議申立てがある場合、遅れが生じ又は行政上の要件が適用される可能性があり、その結果又はこれに伴い、担保の価値が減少する可能性がある。これらの遅れは、数年間続く可能性があり、この場合担保の物的条件又は市場価値が悪化する可能性がある。
法人借入人は、自ら又は債権者の行為により、2016年破産・倒産法(法典)に基づく破産再生手続を認められる。法典に基づく再生期間中、借入人に対する貸付人による担保権実行及びその他の回収手続は猶予される。
法典は、ストレス資産を解消する期限の定められたメカニズムを提供している。法典に基づきいくつかの大口の勘定が解消された。しかしながら、手続が発展途上であるため、法典に基づき照会される勘定の解消には不透明感と遅延が伴っている。法典に基づき照会される勘定の解消手続は未だ発展途上にあり、法律及び裁判所の両方の決定により修正が随時枠組みに組み入れられている。2026年破産・倒産(改正)法により、運用を改善し、遅延を減少させすべての利害関係人のための価値を最大化することによって効果的な実施を強化し、法典に基づくすべての手続のガバナンスを改善するために、法典の改正が導入された。勘定の解消が完了せず、借入人が清算に入った場合、担保の市場価値は低下する可能性があり、貸付人による支払回収に悪影響を与える。解消が完了した場合であっても、回収の水準については保証することはできない。
さらに、インド準備銀行のストレス資産の解消のための健全性枠組みにより、銀行は、規定された期限内に未払勘定を解消する計画を実施することを義務付けられ、これには破産又は再建に係る法的手続が含まれる可能性がある。
加えて、当行がインド国外の法域において有している担保についても、かかる法域において適用ある法律及び規制が、当行が担保権を行使し、価値を実現する能力に影響を及ぼす可能性がある。担保物件から回収することが期待された金額を回収できなかった場合、当行は含み損にさらされる可能性があり、当行の財務実績、当行の株主資本並びに当行株式及びADSの価格は悪影響を受ける可能性がある。
(e) 当行の銀行業務及び取引業務は、特に金利リスクの影響を受けやすく、金利の変動は、当行の純金利差益率、固定利付ポートフォリオの評価、財務活動による収益、貸付ポートフォリオの価値及び財務実績に悪影響を及ぼす可能性がある。
インドの金利水準は、インフレ、財政赤字及び政府借入金、金融政策並びに市場流動性を含む広範な要因の影響を受ける。当行は、インド準備銀行の一定の準備金規制により、構造上、その他の国の銀行よりも高い金利リスクにさらされている可能性がある。「-第2-3-(f)-法定準備金規制」も参照のこと。この規制により、当行は、インドの固定利付国債のポートフォリオを大量に保持することとなり、特に金利の上昇が唐突又は急激であった場合には、重大な悪影響を受ける可能性がある。国債の利回りの上昇は、当行の実現時価評価損益及び固定利付ポートフォリオの価値を減少させる。また、当行は、一部の資産について、その他の有利子資産につき通常得られる利息の利率よりも一般に低い利率で利息を得ているため、準備金要件及びLCRを遵守するために国債のポートフォリオ及びその他流動資産を大量に保持する規制は、当行の純利息収入及び純金利差益率にも悪影響を及ぼしている。
有利子資産の収入が資金調達コストと同時若しくは同一程度に増加しない場合又は当行の資金調達コストが有利子資産の収入の減少と同時若しくは同一程度に減少しない場合、当行の純利息収入及び純金利差益率は悪影響を受ける可能性がある。預金全体に対する当座預金及び普通預金形式の低コストの預金の伸び悩みは、資金調達コストが増加することとなり、当行がかかる増加分を借入人に転嫁することができない場合には、当行の純金利差益率に悪影響を及ぼす可能性がある。当行が競合している銀行による預金に係る金利の引上げの導入は、競合力を維持するために当行が預金に係る金利を改正する可能性があり、これにより当行の資金調達コストは悪影響を受ける可能性がある。
インド準備銀行は、新たな小口向け変動金利貸付、零細企業及び小規模企業向け変動金利貸付並びに中規模企業向け変動金利貸付を外部の基準金利に連動させることを義務付けている。当行の資金調達は主に固定金利によるため、貸付の条件決定の基礎となる外部の基準金利の変動は、当行の純金利差益率を変動させるか、又はそれを圧迫する可能性がある。当行の資金調達コストがさらに増加し、当行がかかる増加をすべて当行の貸付金利に転嫁することができない場合、当行の純金利差益率及び収益性は悪影響を受ける可能性がある。かかる外部の貸付金利水準の修正は、当行の有利子資産の収入、純利息収入及び純金利差益率に影響を与える可能性がある。2026年度末現在、当行の国内貸付ポートフォリオの約56.0%が外部の基準金利に連動されていた。
当行はまた、当行の財務活動並びに一定の当行の子会社及び関係会社の業務によっても金利リスクにさらされており、かかる子会社には、固定利付証券のポートフォリオを持つICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド及びICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッド並びにインド国債の主たるディーラーであるICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドが含まれる。当行の資産管理事業において、当行は、実績が金利の上昇により影響を受ける金融市場、債権及びハイブリッド・ミューチュアル・ファンドのスキームを管理しており、これがかかる事業による当行の収益及び利益に悪影響を及ぼす。「-(1)-(a) インドの経済成長の鈍化の長期化により、当行の事業は損害を被る可能性がある。」も参照のこと。
高金利及び金利の上昇又は金利のボラティリティの上昇並びに貸付の条件決定の基礎となる外部の基準金利と当行の資金調達コストとの間の異なる動きは、当行の成長力、純金利差益率、純利息収入、財務活動による収益、固定利付証券ポートフォリオの価値及び当行の一部の子会社の経営に悪影響を及ぼす可能性がある。一方、預金流動化における競争力のために預金金利を魅力的な水準に維持する必要が生じる可能性を考えると、低金利は、利益率に影響を及ぼす可能性がある。
(f) 当行が信用リスク、市場リスク又は流動性リスクを効率的に管理できない場合並びに当行の評価モデル及び会計上の見積りが不正確であった場合、当行の収益、資本、信用格付及び資金調達コストに悪影響が及ぶ可能性がある。
当行のリスク管理戦略は、困難で流動性の低い市場環境においては、他の市場参加者も困難な市況に対処するためにこれと同等又は類似の戦略を用いようとするため、実効性がなくなることがある。このような状況において、他の市場参加者の活動により、当行のリスク・ポジションの削減が困難となる可能性がある。当行のデリバティブ事業により、当行は予想外の市場リスク、信用リスク又は業務リスクにさらされる可能性があり、これにより予想外の損失を被る又は規制上の精査が強化される可能性がある。資産価値の著しい下落、予想外の信用事由又は従来相関性のなかった要因が相関性を有することとなるような不測の事態が生じた場合、デリバティブ商品の開発、組成又は価格設定の際にリスクを適切に考慮しなかったことに起因する損失を被る可能性がある。また、いくつかのデリバティブ取引は、その清算及び決済が中央決済機関又は取引所を通じて行われていないため、取引相手方は必ずしもこれを適時に確認又は決済することができない。このような場合、当行は、増大した信用リスク及び業務リスクにさらされることとなり、不履行が生じた場合には契約の実行が困難となる可能性がある。さらに、より複雑なデリバティブ商品が新たに組成されるため、その契約の条件又は決済方法について紛争が生じる可能性があり、これにより当行は、取引費用及び訴訟費用等の予想外の費用を被ることを余儀なくされ、これらの商品に対するリスク・エクスポージャーを効率的に管理する当行の能力が損なわれる。当行のヘッジ戦略及びその他のリスク管理手法の多くは、過去の市場行動を基礎としており、かかる戦略及び手法はすべて、ある程度、経営陣の主観的な判断に基づいている。当行が市場リスク又は信用リスク・エクスポージャーをヘッジ又はその他管理するために用いる手段及び戦略が効果的でなかった場合、当行は、特定の市場環境において又は特定の種類のリスクにつき、リスク・エクスポージャーを効果的に軽減することができない可能性がある。当行の貸借対照表上の成長は、経済状況及び特定の貸付若しくは貸付ポートフォリオにつき当行が行う証券化、売却、購入又はシンジケート結成の能力に左右される。当行の取引収益及び金利リスクは、当行の、市場価格又は相場の変動に起因する金融商品の価値の変動を適切に見極め、時価評価を下す能力に左右される。当行の収益は、信用状況及びリスク集中における移行管理の効率性、当行の評価モデル及び重要な会計上の見積りの正確性並びに貸倒引当金の適切性に左右される。将来における感染症の世界的流行、気候変動、地政学的紛争、エネルギー及びサプライチェーンに関連する問題並びに関連する経済の中断のリスクにより、当行を含む銀行のリスク管理は著しく複雑になり、当行は、その有するリスク・エクスポージャーの変動を効果的に抑えることができない可能性がある。「-(n) 金融業界特有の業務リスクが存在し、それが現実化した場合、当行の事業は悪影響を受ける可能性がある。」も参照のこと。
当行の査定、仮定又は見積りが不正確であるか又は実際の結果と異なるものであることが判明した場合、当行は想定を上回る損害を被り、規制上の精査が強化される可能性がある。信用リスク、市場リスク及び業務リスク管理の成功は、国内及び国外の格付機関による当行の信用格付に影響を与えるため、当行の流動性リスク管理に際し考慮すべき重要な問題となる。格付機関は、随時格付を引き下げるか、又は引き下げる意向を示す可能性がある。「-(1)-(c) 国際的な格付機関によるインドの債券又は当行の優先無担保外貨建債の格付の格下げは、当行の事業、流動性並びに当行株式及びADSの価格に悪影響を及ぼす可能性がある。」も参照のこと。格付機関はまた、格付を完全に撤回することがあり、その場合は当行の格付を引き下げた場合と同様の影響を与える可能性がある。当行は、CRISIL、CARE及びICRAを含むインドの格付機関から、AAAの長期格付(アウトルック:安定的)を取得している。しかしながら、常に最高の格付を維持できる保証はなく、当行の事業若しくは資本基盤が大幅に悪化した場合又は不良資産が大幅に増加した場合、当行の格付又はアウトルックに影響が及ぶ可能性がある。当行の格付が引き下げられた又は撤回された場合、当行の借入コストが増大し、当行の資本市場へのアクセスが制限され、若しくは当行の商品を販売又はマーケティングし、商取引(特に長期取引)及びデリバティブ取引を行い、又は顧客を維持する能力が悪影響を受ける可能性がある。世界及びインドの債券市場の状況は、当行の資金調達及び流動性へのアクセスに悪影響を及ぼす可能性がある。かかる事態は、当行の流動性を低下させ、当行の業績及び財政状況に悪影響を与える可能性がある。当行の格付に関する詳細については、「-第2-3-(c)-(ⅱ)-流動性リスク」も参照のこと。
(g) 当行の資金調達は短期的であり、満期を迎えた際に預金者が預金を繰り越さない場合、当行の事業は悪影響を受ける可能性がある。
当行の追加的な資金調達需要の多くは主に、当座預金及び普通預金、小口顧客からの定期預金、法人顧客からの定期預金並びに銀行間預金を含む預金の形式で、短期的な資金源を通じて賄われる。当行の顧客預金の満期は、一般的に2年未満であり、契約満期前の早期解約も選択できる。当行の資産の大部分の満期は、中期的又は長期的であり、資金調達期間の不整合を引き起こす。例えば、当行の住宅ローン及びコーポレート・ターム・ローンは、当行の資金調達特性と比較して、通常、満期が長期である。
当行の海外支店は、主として債券資本市場における発行並びにシンジケートローン及び相互貸付により資金調達を行っており、一方、当行の海外子会社は通常、現地市場で預金を集めている。国際債券市場における不安定性により、当行の国際資本市場からの借入は制限される可能性がある。当行の海外支店及び子会社が資金を国際債券市場又は他の資金源から適時にかつ受諾可能な条件で調達できる保証はない。このため、当行の満期を迎える借入のリファイナンス能力及び新たな資産に融資する能力が悪影響を受ける可能性がある。また、当行から外貨建ての貸付を受けた借入人は、返済義務の履行にあたり、市場の状況及び通貨の変動により困難に直面する可能性がある。「-(1)-(b) 他の国々(特に当行が事業を展開している国)における金融不安は、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。」も参照のこと。
(h) 係争中の税金問題における当行への判決は、当行の財務実績に悪影響を及ぼす可能性がある。
当行はインド政府の税務当局から定期的に査定されており、未納の課税上の要求のため、2026年3月31日現在は当行の引当金を超える148.5十億ルピーの加算税が当行の偶発債務の中に含まれている。かかる加算税の請求は、主に所得税、サービス税、物品・サービス税、売上税及び付加価値税に関連するものであり、発生可能性がほとんどないと考えられる係争中の追加的な税額査定は含まれない。債務の発生可能性がほとんどないと考えられているかかる係争中の追加的な税額査定は67.7十億ルピーであり、うち39.9十億ルピーは、当行又は他の類似案件における有利なインド最高裁判所/高等裁判所判決に基づきほとんどないと考えられており、主に保険金引当金の損金算入の否認、特定の費用に対する税金の不算入についての否認、非課税利益の否認、償却した不良債権、特別期間に係る利息及び科された罰金についての税金に関するものである。また、うち27.8十億ルピーは、内部評価に基づきほとんどないと考えられており、共同保険料、再保険手数料、自動車廃品回収及び還付に係る物品・サービス税の未払い、並びに税務当局による修正が必要な誤りに関するものである。「-第6-3-(1) 訴訟及び規制手続」も参照のこと。さらに、当行は、調査及び通知を通じて、税務当局から様々な継続的な照会を受ける。その主な内容は、預金口座において指定の最低残高を維持する顧客に当行が提供するサービスに対する物品・サービス税の課税、並びにICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドによる広告サービス及び人材サービスに関する特定の費用について利用した仕入税額控除である。これは業界全体の問題であり、ICICIグループは潜在的債務について税務当局と争っている。税金関連調査は、請求額がまだ確定していないため、通常偶発債務には含まれない。しかしながら、当行は、判例に基づき、かかる手続が司法当局により支持されないと考えている。
当行は、税務当局が開始した調査又は下した不利な命令の対象であるこれらの問題のすべてについて異議を唱えた。当行は、これらの問題に関して、当行の税務顧問との相談、当行の案件及びその他の案件における有利な判決並びにICICIグループが実施した内部評価に基づき、追加の債務が発生しないと予想しているが、かかる訴訟が当行に有利な形で解決し、これらの案件に関して追加の債務が発生しないという保証はない。追加の租税債務は、当行の財務実績並びに当行株式及びADSの価格に悪影響を及ぼす可能性がある。
(i) ネガティブな評判により当行の評判が損なわれ、当行の事業及び財務実績並びに当行株式及びADSの価格が悪影響を受ける可能性がある。
レピュテーションリスク、すなわちネガティブな評判により当行の事業、収益及び資本にもたらされるリスクは、当行の事業に本来的に付随するものである。金融サービス業界全体又は当行に対するネガティブな評判は、とりわけ、当行の顧客の維持・獲得能力に悪影響を及ぼし、当行を訴訟又は規制上の措置にさらす可能性がある。ネガティブな評判は、当行の活動の中の実際の行動又は申し立てられた行動(その数を問わない。)の結果生じる可能性があり、かかる行動としては貸付の実務、特定の信用エクスポージャー、不良資産の水準、コーポレート・ガバナンス、規制の遵守、合併及び買収、並びに関連する開示、顧客情報の提供又は不十分な保護、並びに当該行為に対して政府、規制当局、捜査機関、裁判所及び地域社会の組織が講じる措置が含まれる。大規模な金融サービス組織であるため、当行は、当行の商慣行、取締役会、主要経営陣、方針及び動向に関するマスコミ報道及び世間の関心にさらされている。当行はレピュテーションリスクを最小化するため、当該行為への対策を講じているが、当行は、本来的にこのリスクを負っている。
さらなる好ましくない評判は、投資家の信頼に悪影響を与え、当行株式及びADSの価格に影響を及ぼす可能性がある。当行の子会社の事業には、ミューチュアル・ファンド、ポートフォリオ及びプライベート・エクイティ・ファンドの運用が含まれており、投資価値の減少及び投資の不十分な流動性を含む、様々なリスクにさらされている。当行は、当行の保険、資産管理及びプライベート・エクイティに係る子会社の商品の提供も行っている。これらのファンド及びスキームに投資を行う投資家は、誤運用又は脆弱なファンド運用並びに誤販売及び利益相反を申し立てる可能性があり、その場合、金融サービス・グループとしての当行全体の評判が損なわれ、これらの事業への流動性支援が求められることになる。その結果、事業の取引量及び当該事業による収益が減少するおそれがある。当行はまた、当行の事業全体にわたり、顧客、カウンターパーティー又はその他の関係者によって起こされる訴訟、請求又は紛争のリスクにさらされている。
(j) 当行の海外支店及び銀行子会社のエクスポージャーは、一般に、当行の事業、財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性がある。
当行の海外支店及び銀行子会社の貸付ポートフォリオには、(規則により認められている)インド国内の事業及びクロスボーダーの買収を含む海外事業を行うための、インド企業に対する外貨建貸付が含まれている。これにより、当行は、取得事業体が期待したとおりの実績を上げないこと、また、当行が海外市場においては経済的及び法的枠組みの様々な点で相対的な経験不足であることを含め、特殊な追加的リスクにさらされている。当行はまた、当行の海外支店及び銀行子会社を通じて、様々な現地市場における信用リスクにもさらされており、そこでは当行の専門性及び経験が制限される可能性がある。当行の国際的知名度により、複数の地域における、価格リスク、通貨リスク、金利リスク、コンプライアンスリスク、規制リスク及びレピュテーションリスク並びに業務リスク等の当行のリスクの複雑性が増加した。また、当行は、当行が事業を行う複数の法域における同一でない法律上及び規制上の要件に対応する当行の能力から生じるリスクに直面している。当行の事業は法律上及び規制上の要件の変更に従うが、かかる変更の時期又は性質を予想することはできない。「-(2)-(h) 当行の国際的業務の成長機会及びこれらの業務から資本の本国送金を行う当行の能力は、現地の規制環境により制限される可能性がある。」も参照のこと。かかる法域における事業機会はまた、当行の業務の拡大を左右するものとなる。
関税その他の貿易摩擦を含む世界情勢は、カナダ及び英国の経済成長に影響を及ぼし、その結果これらの国々における当行の銀行子会社の事業にも影響を及ぼす可能性がある。当行の海外支店及び銀行子会社は、多国籍企業及び地方企業への貸付、小規模事業、担保貸付並びに担保付住宅ローン及びその他の住宅ローンを含む厳選された地域銀行事業を請け負っており、世界経済及び地域経済の情勢によりこれらの企業が影響を受けた場合、当行の事業に悪影響を与える可能性がある。当行の海外支店及び銀行子会社は、債券、譲渡性預金、不動産担保証券、短期国債及び資産担保コマーシャル・ペーパーにも投資している。
当行の国際事業戦略はまた、在外インド人社会及びインド関連事業に焦点を当てている。当行の海外銀行子会社は引き続き、リスク軽減及び事業の細分化に重点を置きながら選択的に現地市場を支えていく。当行がこの戦略を成功させることができるという保証はない。さらに、将来のパンデミック及び金融危機のリスクによっても、当行の海外支店及び銀行子会社の課題が増える可能性がある。当行がこれらのリスクに対処することができなければ、当行の事業は悪影響を受けることとなる。さらに、当行の海外支店及び銀行子会社の貸付ポートフォリオの分類は、それぞれの現地の規制当局の規制に服する。回収の記録以外を理由として貸付実施国の規制では減損しているとみなされるが既存のインド準備銀行のガイドラインでは正常であるものは、貸付実施国における残高については不良債権に分類される。海外の規制当局も、その法域で保有されている貸付に対する引当金の増加を要求する可能性がある。
(k) 新規事業への参入又は既存の貸付ポートフォリオの急拡大により、当行は当行の事業に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクにさらされている。
当行の小口向け、農村向け及び中小企業向け貸付ポートフォリオの拡大により、当行は、当行の無担保の小口向けクレジット・ポートフォリオにおける高い水準の不良資産を含め、業務リスク、不正リスク、規制リスク及び法的リスクの増加といった、インド国内におけるリスクの増加に直面した。当行は小口向け貸付額の拡大に注力し続けており、当行の無担保の小口向けポートフォリオ並びに小企業及び小規模企業家に対する当行の貸付は増加している。無担保の小口向けクレジットを含む小口向け貸付は、インドの銀行システムの成長の重要な原動力になっている。当行はまた、ブランド提携の信用商品を提供するために大規模な顧客基盤を有するテクノロジー企業との提携を、また共同オリジネーション及び/又は貸付金の買取りのために銀行以外の金融機関との提携を結んだ。当行は、同様の提携を引き続き進めていくつもりである。
当行は、これらの事業に係るリスクに対応するための措置を講じてきたが、当行の期待どおりに業務が遂行される保証はなく、将来これらの事業が不利な進展を遂げない保証もない。当行は、小口顧客及び小企業顧客に対する貸付において広範囲にわたりデータ解析を利用しているが、これらの解析モデルが意図したとおりの役割を果たすとの保証はない。当行は、当行のポートフォリオを増加させるための他の事業体との提携に注力しているが、これにより期待される成果が挙げられず、さらなるリスクがもたらされる可能性がある。当行がかかるリスクを管理することができない場合、当行の将来的な事業及び戦略、当行の資産価値及び収益性並びに当行株式及びADSの価格に悪影響が及ぶ可能性がある。
(l) 手数料、為替及び取引手数料、外国為替取引に係る利益並びにその他の手数料収入源は当行の収益性の重要な要素とな****っており、規制変更又は市況の変化は、これらの収益源の減少をもたらし、当行の財務実績に悪影響を及ぼす可能性がある。
当行は、買収及びプロジェクト・ファイナンスに関する法人顧客向けの貸付事務、シンジケーション及びアドバイザリー業務、小口向け投資商品及び保険商品の販売、トランザクションバンキング並びに小口向け信用商品等、様々な活動から手数料、為替及び取引手数料を得ている。したがって、当行の手数料、為替及び取引手数料収入は、新規融資提案を含む企業活動の水準、小口向け金融商品に対する需要、並びに経済及び貿易活動全般の水準の影響を受ける。また、当行の手数料、為替及び取引手数料収入は、種々の商品及び金融サービス分野に適用される規制の影響も受けており、こうした規制の変更は、当行の収益源及び当行の事業を成長させる能力に悪影響を及ぼす可能性がある。第三者の金融商品の販売からの当行の手数料収入は、適用ある規制、これらの商品への需要並びに銀行及び第三者の商品のための当行の販売戦略に左右される。
(m) 当行の事業は非常に競争が激しく、当行の事業戦略は当行の競争力に左右される。
当行は、インド市場において、他の商業銀行、投資銀行、保険会社、銀行以外の金融会社、支払銀行及び小規模銀行といった新しい民間部門銀行並びに小口向け支払サービスを提供する非銀行系事業体との激しい競争に直面している。インドの一部の公共部門銀行及び民間部門銀行は、当行に比べて高い成長率を達成し、市場シェアを拡大している。既存の競合者の拡大又は新規競合者の参入は、商品及びサービスの競争の増加をもたらす可能性がある。インドの銀行部門の成長が減速した場合、事業機会をめぐる競争が激化する可能性がある。インド準備銀行が許可したアカウント・アグリゲーターの設立は、顧客が融資その他の商品を求める可能性のある別々の金融サービス提供者間の顧客データの共有を促進し、新規参入者が従来のモデルよりも低コストで顧客を取り込むことを容易にすることにより、競争を激化させる可能性がある。これらの動きは銀行業界、特に預金及び小口向け商品における競争に多大な影響を与える可能性がある。
さらに、金融サービスのモバイル化及びデジタル化における技術革新のため、銀行及び金融サービス会社は、銀行商品及び銀行サービスの提供に係る新しく、より簡易なモデルを絶え間なく開発する必要がある。新しいプラットフォーム、業務モデル及び銀行の類型の出現若しくはその他の企業によるデジタル銀行業務ソリューションの提供といった動向により、当行を含む銀行への競争圧力が増大する可能性がある。支払システムの革新及びモバイル・バンキングの利用増加は、現金不要支払いの新たな基盤の出現をもたらしている。これはまた、保険及びミューチュアル・ファンドといったその他の金融商品における銀行の存在を拡大させる新しいタイプの銀行を導く可能性がある。非金融会社(とりわけ大手の電子商取引企業及びインターネットを基盤とするサービスプロバイダーを含む国際的なテクノロジー企業)が金融部門において存在感を増大させ、支払プラットフォーム及びその他のサービスを提供している。当行は現在、共同で支払サービス並びに信用商品及びサービスを提供するために、これらの事業体の数社と提携している。これらの事業体の一部又は全部は、当行及び他のインドの銀行よりもかなり多くの資金を有しており、ゆくゆくはインドの銀行及び金融サービス市場においてより大きなシェアの獲得を目指して、当行と競合する可能性がある。当行の子会社も、同様のリスクに直面しており、これには破壊的な事業モデルを有する新たなテクノロジーを主力とする企業との競争が激化することで、既存の企業が市場シェアを失い、その収益性が低下するか、又はその両方が生じる可能性があるというリスクが含まれている。当行が新しい技術開発に迅速に対応し続けられる保証はなく、また、新しい市場機会に参加し、又は当行のシステムの機能向上を行うために資源を投入し、新規参入者と競争し続けられる保証もない。「-(4)-(a) 銀行業務及び金融サービスにおけるテクノロジー利用の増大により、新たな競争、信頼性及びセキュリティーのリスクが生じる。」も参照のこと。
当行は、住宅ローン及び自動車ローンを含む、銀行も存在感を持つ業務において貸付を行っている銀行以外の金融会社との競争に直面している。市場における当該会社の存在感は、他の事業における課題及び圧力のために銀行が自らの貸付を拡大することができない期間に増大する可能性がある。当行が、常にかかる銀行以外の金融会社と効果的に競争することができる保証はない。さらに、統合による銀行部門の構造変化及び新規競合者の拡大は、不安定性及び新たな課題をもたらし、競争力保持という銀行への圧力が増大する可能性がある。
新規銀行の参入を含めたインドにおける銀行構造の変化、既存の参入者間の競争の激化並びに既存の銀行の効率性及び競争力の向上は、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。競争圧力により、当行は成長戦略を遂行することができず、適正な収益率をもって商品及びサービスを提供できないかもしれず、このような事態は、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。「-1-(2) 競争」も参照のこと。
当行の国際事業において、当行はまた、インドの銀行及び外国銀行並びに銀行以外の金融会社を含む、金融サービス産業におけるあらゆる競争相手との競争に直面している。当行は、国際市場においては中小規模のプレーヤーであり、当行の競争相手は、当行より極めて大きな資源を有している。
(n) 金融業界特有の業務リスクが存在し、それが現実化した場合、当行の事業は悪影響を受ける可能性がある。
当行は、その他すべての金融機関と同じく、様々な種類の業務リスクにさらされており、かかるリスクには、従業員若しくは部外者による不正行為若しくはその他の不祥事、従業員及び第三者による不正取引(腐敗行為を防止するための規則及び当行の事業活動を規制するその他の規則の違反を含む。)、法定の、法律上、規制上の報告及び開示義務に関する誤った報告若しくは報告の不履行、又は業務上の過誤(内部プロセスの不順守、事務的な誤り、記録上の誤記及び照合時の誤り、若しくはコンピュータ若しくは電気通信システムの欠陥に起因する過誤を含む。)が含まれる。当行は、急速に変化する環境において大幅な成長を遂げており、また、経営陣及び当行の規制当局は、この成長が当行の管理体制に重大な問題をもたらすであろうと考えている。当行の内部評価の結果、当行及びその規制当局は、当行の処理過程及び管理が向上され得る特定の分野に注目した。特に小口向け、中小企業向け及び農村向け貸付、当行の国際事業及び保険事業における当行の成長並びに当行によるデジタル技術の活用により、当行はさらなる業務リスク及び統制上のリスクにさらされている。内部監査情報、システム及びデータ処理を含む業務リスクに関連する分野の規制上の監視が強化されている。当行が業務リスクを管理できず、当行のシステム及びインフラの耐久性を保証できない場合、当行に対する規制措置につながる可能性がある。当行の財務に係る業務及び小口向け業務は、自動制御システム及び記録システム並びに手動による検査及び記録を利用するものであるが、この大規模な業務により当行は制御、記録及び調整において誤りが生じるというリスクにさらされている。当行は、当行の保険事業の規模の拡大及びこれらの商品の複雑性により、保険数理上の債務及び繰延取得原価を計算する保険数理ソフトウェアの立ち上げモデルに誤記が含まれる可能性がある、又はかかるモデルが徐々に継続的に改善を要する可能性があるというリスクにさらされている。当行の膨大な取引量を考慮すれば、一部の過誤については、それが発見され及び無事に修正されるまでの間、繰り返されたり悪化したりする可能性がある。また、当行は取引の記録、処理、監視又は検討を自動システムに頼っているため、システムの技術上の欠陥、従業員による不正使用、システムの不正操作及びアクセス制御管理の不備により発見の難しい損害を被るリスクがさらに高くなる可能性がある。また、コンピュータウィルス若しくは停電若しくは電気通信の故障を含む、完全に又は部分的に当行の管理範囲を越えた事由に起因して、当行の業務システムに混乱が生ずる可能性もあり、かかる場合には顧客サービスの質の低下若しくは当行に損害又は損害賠償責任が生ずる可能性がある。
当行はまた、回収、小口向け貸付の業務委託及びATMの管理といった業務機能の一部をその他の事業体に委託しており、これにより当行は、外部ベンダーによる契約上の義務の不履行リスク又はかかるベンダーの従業員による不正行為若しくは業務上の過誤が起こるリスク、並びに当行又は当行のベンダーの事業継続及びデータ管理システムが十全でないというリスクにさらされている。当行の統制及び手続につき構造上の不備が発覚するか又はかかる統制手続がうまく機能しないリスクもあり、そのような事態が生じた場合には発見の遅れや情報に誤りが生ずる可能性がある。当行は、その他の金融機関及び金融仲介機関との取引による業務リスクにもさらされている。当行は、業務リスクを妥当な水準に維持するためのシステムを有しているものの、他の銀行及び保険会社と同様、業務リスクに起因する損害を被った経験がある。当行が将来的に業務リスクに起因して多額の損害を被ることがないと保証することはできず、当行の評判は、当行の従業員、顧客又は第三者によるかかる事由の発生により、悪影響を受ける可能性がある。
さらに、規制当局若しくは政府当局又は裁判所は、当行を含めた銀行に、口座に関連した機密情報の不慮の流出等の顧客の過失による損失に対する責任を負わせる可能性がある。急速に変化する環境において、又は新規の事業分野への参入若しくは地理的範囲の拡大の際、システムの有効性、とりわけ規制及び手続のシステムの有効性については、人為的ミス、規制及び手続の回避又は無効化の可能性といった固有の限界がある。したがって、効果的な開示の規制及び手続であっても、その規制目標の達成を合理的に保証することしかできない。当行は、内部統制及びリスク管理プロセスを継続して導入し、改善するための取組みを行い、このことは、当行にとって最優先課題となっている。しかしながら、当行がインド及び当行が事業を行うその他の法域において業務リスクを管理することができなかった場合、又は当行がかかるリスクを管理できないと認識された場合、当行は強化された規制上の監視及び精査の対象となる可能性がある。業務リスク管理の詳細については、「-第2-3-(c)-(ⅲ) 業務リスク」も参照のこと。
(o) 当行が財務報告に対する適切な内部統制を確立、維持及び適用できなかった場合、当行の評判、事業、財政状態又は業績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行は、財務報告に対する適切な内部統制を確立及び維持する責任を負い、かかる内部統制は、SEC及び適用されるGAAPに従って、財務報告書の信頼性並びにインドGAAPに基づき公表された当行の連結財務書類及び米国GAAPに基づく純利益の調整、株主資本の調整及びその他の開示書類に関連する開示書類の作成及び公正な開示に関する合理的な確証を提供するために設計されている。当行の経営陣は、当行の財務報告に対する内部統制の有効性を評価し、その内部統制が有効であるか否かについて開示しなければならない。当行の独立登録監査法人は、当行の財務報告に対する内部統制の有効性について評価するため監査を行い、これに関する意見書を提出しなければならない。「-第5-3-(1)-(m)-(ⅵ) 財務報告書に対する内部統制に関しての経営陣による報告」を参照のこと。
当行は、当行の財務報告の信頼性及び財務書類の作成に関する合理的な確証を提供するため、財務報告に対する内部統制並びにこれらの統制を評価する方針及び手続を確立した。しかしながら、これらの統制により、誤りを防止又は発見できない場合もある。将来における有効性の評価は、状況の変化により、かかる統制が不適切となる可能性、又は方針若しくは手続の遵守の程度が悪化する可能性があるというリスクにさらされている。上記のプロセスを通じて問題が特定された場合、当行がそれらの問題を適時に解決できるという保証も、また、解決自体ができるという保証もない。かかる事態が発生した場合、当行の評判は損なわれ、これにより当行に対する投資家の信頼が低下し、当行の事業、財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
(p) 当行及び当行の顧客は、外国為替相場の変動にさらされている。
特定の当行の借入人は、外国為替リスク・エクスポージャーを管理するためにデリバティブ契約を結んでいる。為替の大幅な変動により、当行の顧客は、デリバティブ取引において時価評価損失が増加する可能性がある。デリバティブ契約の満了時又は早期終了時には、これらの時価評価損失は、当行の債権となる。したがって、当行は、信用リスク、市場リスク及び為替リスクを含む多種多様なリスクにさらされる。
為替相場は、国際資本市場の不安定性、地政学的事象、米国等の先進国の金利及び金融政策スタンス、インドのインフレ率及び金利の水準、経済活動における収支の状況及び傾向を含む様々な要因により影響を受けている。例えば、米国若しくはその他の経済圏における金融政策の変更により増加する資本移動の変動性、世界の投資家におけるリスク選好度の低下若しくはリスク回避度の上昇は、世界的な流動性を低下させ、インド経済及び金融市場に影響を与える可能性がある。
2026年度において、ルピーは、2025年3月31日現在の1米ドル当たり85.46ルピーから、2026年3月31日現在には1米ドル当たり94.83ルピーと、10.9%下落した。米ドルは、米国金利がより長期にわたって上昇を維持するとの予測により、引き続きドル高となっている。この他、2024年10月以降の継続的な資本流出が、ルピーの持続的な下落圧力をもたらしている。「-(1)-(d) 石油及びその他の石油製品の価格の継続的な上昇によるインドの対外貿易収支への悪影響又は経常収支の赤字拡大、外国資本の流出又は為替相場の変動は、インド経済に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果当行の事業にも悪影響を及ぼす可能性がある。」も参照のこと。
外国為替及びデリバティブのエクスポージャーを有する一部の当行の借入人は、ルピーの下落により悪影響を被る可能性がある。ここには、ヘッジされない外貨建ての借入に係るルピー建ての利息又は元本の返済の増加、費用上昇分を顧客に転嫁する余地がほとんどない状況での原材料輸入費用の増加、輸入設備費用の増大のため高騰したプロジェクト費用により打撃を被る借入人、及び外国為替市場において不利な持高を有する借入人が含まれる。当行の借入人が、外国為替へのエクスポージャー及びデリバティブリスク、特に外国為替相場の不利な動き及び乱高下へのリスク管理ができなかった場合は、当行の借入人に対し、並びにひいては当行の借入人並びに当行の事業の実績及び収益性に対する当行のエクスポージャーの質に対し不利な影響を及ぼす可能性がある。
さらに、為替相場の変動を抑制するためのインド準備銀行による外国為替市場への介入の増加又はその他の政策手段は、インドの外貨準備金の減少につながり、インド経済に流動性の減少及び金利の上昇をもたらす可能性がある。為替相場の変動期間の長期化、流動性の減少及び高金利は、当行の事業、財務実績並びに当行株式及びADSの価格に悪影響を及ぼす可能性がある。為替相場の急激な下落はまた、十分にヘッジされていない外貨建債務を有する一部の法人借入人に対し影響を及ぼす可能性がある。
当行の借入人が為替リスクを管理できないために不良資産若しくはリストラクチャリングされた資産が増加した場合又はかかるエクスポージャーに対する資本若しくは引当金の要件が増加した場合、当行の収益性、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格に悪影響が及ぶ可能性がある。このようなリスクを軽減するため、当行は一定のリスク管理方針を導入した。しかし、かかる対策がこれらのリスクの軽減に十分に効力を有する保証はない。
(q) 当行は買収を通じて成長する機会を模索する可能性、既存事業の売却を行う可能性又はインド準備銀行により委託された合併を引き受けなければならない可能性があり、また、統合及びその他の買収リスクに直面する可能性がある。
当行は買収を通じて成長する機会を模索しており、その法的権限に基づきインド準備銀行により委託された合併を引き受けなければならない可能性がある。当行はこれまでに合併及び買収を引き受けた実績がある。いくつかの事例において、インド準備銀行は、主に脆弱な銀行の預金者の利益を守るために、脆弱な銀行と別の銀行との合併を命じたことがある。例えば、インド政府が、銀行数を少なくし個々が大規模な銀行を構築するための統合措置の一環として、2020年、10行の公共部門銀行を規模の拡大した4行へ合併することを発表した。当行は、今後、買収機会を検討及び模索する可能性がある。当行のインド国内の子会社もまた、インド又は海外において合併、買収及び支配権取得を実行する可能性がある。
当行はまた、重点的戦略の変更、資本の再配置、契約上の義務及び規制要件を含む多様な理由により、当行の子会社及び関係会社に対する当行の持株比率を増減させる、若しくはその他の既存事業の全部又は一部を売却する可能性がある。当行の子会社による合併・買収は、当該子会社における当行の持株比率の低下をもたらすことがあり(一部の子会社において過半数を割る事態を含む。)、この場合、適用ある法律の下では当行の持株比率を30.0%以下にする必要がある。ただし、これより高い持株比率を維持することにつき規制当局及び政府の承認を得た場合はこの限りでないが、そのためには様々な条件があり、一定の期間内に持株を売却して要求される水準である30.0%まで下げることも含まれる。
2022年度において、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドによる全株式を対象とした合併が完了した後、当行のICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドにおける持株比率は48.1%に低下した。2024年度において、当行はICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式を追加取得し、その結果、当行の持株比率は50.0%超まで引き上げられた。2023年6月、取締役会及びICICIセキュリティーズ・リミテッドの取締役会は、ICICIセキュリティーズ・リミテッドの株式を上場廃止とする取決めに関する合意計画(上場廃止計画)を承認した。2025年3月24日付でICICIセキュリティーズ・リミテッドは当行の完全子会社となり、証券取引所から上場廃止された。当行は、ICICIセキュリティーズ・リミテッドの一般株主に対し、上場廃止計画の規定に従い、当行の株式を割り当てた。2025年2月、当行のジョイントベンチャー・パートナーであるプルデンシャル・コーポレーション・ホールディングス・リミテッド(PCHL)は、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドに対する持分の上場及び一部売却の可能性について発表した。ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、PCHLによる売出しによる新規株式公開を通じて上場を完了した。また、当行は、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドの株式持分の2%をPCHLから追加購入した。この購入は、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドが株式に基づく報酬を付与した場合に、当行の過半数の株式保有を維持することを主な目的とする。2026年1月12日、当行は、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド及びICICIプルデンシャル・ペンション・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドとの間で株式売買契約を締結し、ICICIプルデンシャル・ペンション・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドの株式持分100%を取得しており、現在ではICICIプルデンシャル・ペンション・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドは当行の完全子会社となっている。取締役会は、2026年2月開催の取締役会において、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドが株式に基づく報酬を付与した場合に、当行の過半数の株式保有を維持することを主な目的として、その子会社であるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式持分の最大2.0%を追加購入することを承認した。この件につき、当行はインド準備銀行の承認を得ている。「-第2-3-(b)-(ⅷ) 投資銀行業務」、「-第2-3-(b)-(ⅸ) プライベート・エクイティ」、「-第2-3-(b)-(ⅹ) 資産管理」及び「-第2-3-(b)-(ⅻ) 保険」も参照のこと。
PCHLは、2026年5月17日付で最終合意に達し、これにより、適用ある規制上の承認を得ること及び特定の条件を満たすことを条件に、PCHLがバーティ・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式持分の75%を取得することに合意した。これに伴い、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドは、「ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド」から「ICICIライフ・インシュアランス・リミテッド」に社名変更する旨の申請とともに、PCHLを「発起人」から「投資家」へ再分類する旨の申請をIRDAIに提出した。米国GAAPに基づく会計処理に関する開示については、「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記21(c)、「-第2-3-(b)-(ⅻ) 保険」及び「-(5)-(b) 当行の保険事業は当行の事業において重要な部分を占めているが、その将来における成長率又は収益性の水準を保証することはできない。」も参照のこと。
2026年度において、インド準備銀行は、銀行が行う事業の形態に係る指針を発表した。原則として、いかなる形態の事業も銀行グループ全体を通じて単一の事業体によってのみ実施されるものとする。しかし、銀行が銀行グループ内の複数の事業体を通じて単一の事業を実施する場合、業務区分又は業務特化等の論理的根拠に基づき、かつ当該銀行の取締役会の適式な承認を得なければならない。当該指針は、2026年4月1日より適用される。当行は、ガイドラインの遵守を確保するため、当行の取締役会から必要な承認を得ており、インド準備銀行に対して、関連する活動及び事業体による遵守状況を説明する論理的根拠も提出済みである。インド準備銀行が異なる見解を抱く場合又は追加指針を定める場合、当行は、ICICIグループの活動について、さらなる変更を行いこれを実施しなければならない可能性がある。
当行によるものか当行の子会社によるものかを問わず、いかなる将来の合併、買収又は支配権取得にも多くのリスクが伴う。リスクには、資産価値、事業価値及び事業運営の悪化の可能性、従業員関連債務の経済的影響、経済環境及び金融市場の状況の変化又は買収した事業を統合するために必要な当行の経営陣の意識の分散が含まれる。その他のリスクには、買収先の主要な従業員及び顧客を維持すること、シナジー効果を活かすこと若しくは業務を合理化することができないこと、又は新規の事業及び市場に必要なスキルを発達させることができないことが含まれる。また、当行は、かかる合併、買収又は支配権取得に関連して、その株主、株式資本又は法令及び規制上の遵守義務若しくは実務について係争中の訴訟、請求若しくは紛争を含む債務を負うリスクにもさらされている。これらリスクのうちのいくつか又はすべてのリスクにより当行又は当行の子会社の事業が悪影響を受ける可能性がある。
(r) 当行は、顧客及び取引先に関する情報の正確性及び完全性に依存している。
顧客及び取引先につき、与信枠の拡大の可否又は他の取引を開始するか否かの判断をするにあたって、当行は顧客及び取引先によって又は顧客及び取引先のために提供された情報(財務書類及びその他の財務情報を含む。)に依存することがある。また、当行は、かかる情報の正確性及び完全性に関する一定の表明に依拠し、また、財務書類については、当該顧客及び取引先の独立監査人の報告に依拠することがある。例えば、与信枠の拡大の可否を決定するにあたり、当行は顧客の監査済財務書類が適用あるGAAPに従い、当該顧客の財政状態、業績及びキャッシュ・フローをすべての重要事項において公正に記載しているものとみなすことがある。適用あるGAAPに従っていない財務書類又は重大な誤解を生むおそれのあるその他の情報に依拠することにより、当行の財政状態及び業績は、悪影響を受ける可能性がある。インド準備銀行により公表されたデータによれば、インドの銀行部門において報告された不正は増加傾向にあり、報告された不正金額の構成は貸付に関する不正が多くを占めていることが示されている。さらに、当行の借入人、特に個人及び小企業の信用履歴に関して当行が入手できる情報は、より確立された全国的な信用調査機関を有する先進経済国において一般的に入手可能な同様の借入人についての情報と比べて限定的である可能性がある。このことは、借入人、特に個人及び小企業の信用履歴に関して当行が入手できる情報の質に影響を及ぼす可能性がある。その結果、当行の信用リスクを効率的に管理する能力が悪影響を受ける可能性がある。
(s) 当行は様々な訴訟に関与している。当行に重大な損害を与える最終判決が下された場合、当行の財務実績並びに当行株式及びADSの価格は重大な悪影響を受ける可能性がある。
当行及びICICIグループのその他事業体、又は当行の若しくはかかるグループ会社の取締役若しくは役員は、インド及び当行が事業を行うその他の法域において、通常、借入人からの支払額の徴収、顧客からの当行への請求又は金融サービスに関連して発生する係争により発生する様々な原因に基づく民事訴訟又は刑事訴訟に頻繁に関与している。元従業員が、当行に対して法的及びその他の手続を提起している例もある。多くの場合、これらの訴訟は通常の業務過程で発生するものであり、当行は、訴訟の事実関係及び法律顧問との協議に基づき、これらの訴訟は一般的に当行の財務実績又は当行株式及びADSの価格に重大な悪影響を及ぼすリスクを伴わないと考えている。当行は、当行の非連結財務書類及び連結財務書類の作成日現在の法的手続及び規制手続に関連して被る可能性のある損失の見込みを予測する。過去の事象の結果による現在の債務を有し、かかる債務を完済するためには資源の流出が必要となる可能性が高く、信頼性のある債務の金額を見積もることができる場合に、当行は引当金を計上する。当行は、貸借対照表日現在の債務完済に必要な予測金額に基づき、類似の状況における当行の経験も踏まえて引当金の金額を決定する。当行は、各貸借対照表日現在の引当金を検討し、現在の予測を反映するための調整を行う。入手可能な情報は損失の発生が合理的にあり得ると示しているものの、かかる損失の金額が合理的に推定できない場合には、当行は非連結財務書類及び連結財務書類においてその旨の開示を行う。当行が適切とみなし、かつ法律又は規制ガイドラインにより認められる場合、当行は、法的手続又は規制手続について、関係する原告又は規制当局との合意に基づくプロセスを通じた解決又は和解を模索することがあり、これには、金銭の支払い若しくは受領又は非金銭的条件への同意が必要となる場合がある。損失が発生するリスクがほとんどない場合には、当行は引当金を設定せず、また、非連結財務書類及び連結財務書類においても開示しない。「-第6-3-(1) 訴訟及び規制手続」も参照のこと。当行は、当行が関与している訴訟若しくはその他の手続又は法的手続若しくは規制手続の解決若しくは和解について当行に有利な判決が下されるか又は当行に有利な結果となるという保証はできず、当行のリスクに関する判断が変われば、引当金に関する当行の見解も変更する可能性がある。
「-(h) 係争中の税金問題における当行への判決は、当行の財務実績に悪影響を及ぼす可能性がある。」及び「-第6-3-(1) 訴訟及び規制手続」も参照のこと。
(t) 当行は支店網を継続して拡大しており、これらの支店を生産的に利用することができない場合、当行の成長及び収益性に悪影響が及ぶ可能性がある。
インド国内の当行の支店網は、2025年3月31日現在の6,983の支店から2026年3月31日現在は7,511の支店に増加した。当行は、その広大な地理的範囲を活用して当行の事業の成長を後押しする予定であるが、当行の新規支店は一般に、当行の既存支店に比べて目標生産レベルが低い。「-(q) 当行は買収を通じて成長する機会を模索する可能性、既存事業の売却を行う可能性又はインド準備銀行により委託された合併を引き受けなければならない可能性があり、また、統合及びその他の買収リスクに直面する可能性がある。」も参照のこと。また、当行は、農村部及び郊外に相当数の支店網を有しており、さらに、銀行サービスのない村にも支店を設立した。新たな支店からの預金、貸付金又は収益の目標レベルを達成できないか、又は達成が大幅に遅れた場合、当行の成長及び収益性並びに当行株式及びADSの価格に悪影響が及ぶこととなる。
(u) 当行は幹部役員の知識及びスキルに依存している。幹部役員の獲得並びに幹部役員及びその他の優秀な専門家の確保ができない場合、又は幹部役員若しくはその他の優秀な専門家を失った場合、当行の事業は悪影響を受ける可能性がある。
当行の成功が続くかどうかは、一部には当行の経営陣の主要メンバーが引き続き業務を行うこと及び当行が引き続き大変有能な専門家を招き入れ、養成し、意欲を起こさせ、雇い続けることができるかにかかっている。これは当行の戦略の主軸となっており、当行は、これが競争上優位に立つための重大な要素であると考えている。当行の戦略の実施を成功させられるかどうかは、当行の本店並びに当行の各事業体及び各海外事業所における優秀な経営陣の有無、当行の取締役、管理職及び幹部役員の職務の継続、並びに若手の専門家を招き入れ、養成する当行の能力にかかっている。
個人を特定の役職に指名する場合には、規制上の許認可及び株主の承認が必要である。経営における主要メンバーの任命に関する規制当局による厳しい要件によって、当行の経営体制の再編成が必要となる可能性や、様々な役割について適切な専門家を選別、雇用及び指名するための当行の権限に影響を与える可能性がある。
取締役及び主要経営陣を含む当行の幹部役員のメンバーを失うことは、当行の事業、財務実績、株主資本、戦略を実践する能力並びに当行株式及びADSの価格に重大な影響を及ぼし得る。当行若しくは当行の事業体のいずれか又はその他の機能体が、業務上適切に職員を配属することができない場合、又は1名若しくは複数名の主要な上級管理職若しくは若手の有能な専門家を失い、満足のいくかつ時宜にかなった方法で代わりの者を置くことができない場合には、当行の事業、財政状況又は業績は、業務リスクに係る統制を含め、悪影響を受ける可能性がある。同様に、当行が若手の専門家又はその他の優秀な者を招き入れ、適切に養成し、意欲を起こさせ、又は雇い続けることができない場合、当行の事業は同様の影響を受ける可能性がある。当行は最近、組織全体のアジリティ(機敏性)及びシナジー(相乗効果)を高めることを目指し、主要な業績評価指標、部門レベルの業務の柔軟性及び説明責任並びに幹部レベルでは階級名から職名への切替えを含め、人材管理実務にいくつかの変更を加えた。これらの措置により期待された目標を達成することができるという保証はない。
当行の中間及び上級経営陣に対する報酬構成の大部分を従業員ストック・オプションが占めており、これは当行株式の市場価格に左右されている。当行は、主として中間経営陣までの従業員を対象とした従業員ストック・ユニット制度を導入し、当該制度に基づきストック・ユニットは1個当たり額面金額2.0ルピーで発行され、継続して従業員の地位にあることを条件に段階的に権利確定がなされる。しかし、既に競争の激しい部門への銀行の新規参入を含む競争の激化により、当行が有能な従業員を雇用し、雇い続ける能力に悪影響が及ぶ可能性がある。「-第5-4-(2) 従業員の状況」も参照のこと。
感染症の流行又は自然災害が将来、当行の従業員(幹部役員を含む。)に影響を及ぼす可能性がある。その場合、当行の事業の経営能力若しくは運営能力又は当行株式及びADSの価格に影響が及ばない保証はない。
(4) テクノロジーに関するリスク
(a) 銀行業務及び金融サービスにおけるテクノロジー利用の増大により、新たな競争、信頼性及びセキュリティーのリスクが生じる。
当行の事業及び業務は、デジタルの商品及びサービスを提供し、大量の取引を処理できる能力に大きく依存している。このため、テクノロジーに対する当行の依存度は近年、増大している。金融サービスにおける技術革新のため、銀行及び金融サービス会社は、銀行商品及び銀行サービスの提供に係る新しく、より簡易なモデルを絶え間なく開発する必要がある。「-(3)-(m) 当行の事業は非常に競争が激しく、当行の事業戦略は当行の競争力に左右される。」も参照のこと。
デジタル銀行サービスに対する需要の増加は、銀行システムの取引量を大幅に増加させた。このため銀行は、顧客のデジタル取引依存度の高まり及びデジタル取引量の増加に対応できるよう、銀行システムの利用性及び拡張性に向けた対策の強化が必要になっており、追加の投資が必要となる可能性がある。クラウド・ベースのサービス、オープン・アプリケーション・プログラム・インターフェース(API)のデジタル・エコシステム及び第三者の技術の使用の普及が進むことで、業務リスク、サイバーセキュリティーリスク、データ・プライバシー・リスク及び集中リスクが高まる可能性がある。サービスの提供に支障が生じた場合、当行の事業、財務状態又は評判に影響が及ぶ可能性があり、当行の事業に規制を課すことを含む規制措置につながる可能性もある。また、サイバーセキュリティー、オペレーショナル・レジリエンス、データ保護及びプライバシーに係る規制当局の期待の高まりにより、技術、レジリエンス能力並びにガバナンス、監視及びコンプライアンス枠組みの継続的な強化への追加的投資が必要となる可能性がある。
AI及び生成AIを含むテクノロジーの出現は、潜在的なリスク及び機会の両方をもたらす。当行がこれらの新しいテクノロジーに適切に対応できなかった場合、当行の事業、財務実績、株主資本、株式及びADSの価格に悪影響が及ぶ可能性がある。
(b) 当行は、サービス妨害攻撃、インサイダーによる特権アクセスの悪用、ハッキング、当行の従業員及び顧客を標的とするソーシャル・エンジニアリング攻撃、マルウェアの侵入又はデータ破壊攻撃並びになりすまし犯罪等、機密情報の漏洩につながり、当行の事業又は評判に悪影響を及ぼし、かつ重大な法律上及び財務上のエクスポージャーを生み出す可能性のあるセキュリティーリスクに直面している。
当行の事業は、当行のコンピュータ・システム及びデータ管理システム並びにネットワーク、そして第三者のコンピュータ・システム及びデータ管理システム並びにネットワークにおける機密情報、占有情報及びその他の情報の安全な処理、伝達、保管及び復旧に依存している。当行の顧客は、個人のスマートフォン、タブレット、ラップトップ、PC及びその他のモバイル機器を使用して当行の商品及びサービスを利用することができるが、これらは当行の統制の制御範囲外であり、各自のサイバーセキュリティーリスクにさらされることとなる。当行は、技術力及び多様な地理的地域への進出に依存及び注力しているため、当行の技術、システム、ネットワーク及び当行の顧客のデバイスはセキュリティーリスクにさらされ、当行又は当行の顧客に関するデータの機密性、整合性又は有効性に悪影響を及ぼし得るサイバー攻撃(サービス妨害攻撃、ハッキング、テロ活動又はなりすまし犯罪等)を受けやすい。これにより、当行の顧客又は当行に対して直接的な金銭の損失が生じ、当行の評判が損なわれ、当行の事業及び財務実績に悪影響が及ぶ可能性がある。当行が取引を行う又は当行の事業活動を促進する第三者もまた、そのシステムの故障若しくは不具合又は容量制約等により、当行にとっての業務リスク及び情報セキュリティーリスクの要因となり得る。
当行、当行の顧客、規制当局並びにデータ処理に従事するその他の金融サービス機関及び企業を含むその他の第三者は、サイバー攻撃を受けやすく、また今後もその標的となり続ける可能性が高い。これらのサイバー攻撃には、コンピュータウィルス、悪意ある若しくは破壊的なコード、フィッシング攻撃、サービス若しくは情報の妨害攻撃、ランサムウェア、大規模言語モデルによる高度な攻撃、従業員若しくはベンダーによる不正アクセス、従業員の個人用メールへの攻撃、当行のシステム若しくは第三者のシステムにおけるセキュリティーの脆弱性を暴露しないことに対する身代金要求又は当行、当行の従業員、当行の顧客若しくは第三者の機密情報、占有情報及びその他情報を無許可で公開、収集、監視、悪用、紛失若しくは破壊し、当行のシステムに損害を与え、あるいは当行、当行の顧客若しくはその他の第三者のネットワーク・アクセス若しくは事業活動を著しく妨げる可能性のあるその他のセキュリティー違反が含まれる。当行の複数の従業員(派遣社員を含む。)には、多数のITシステムへの特権アクセスが付与されている。当行には、当行のITシステムへのアクセスを従業員に付与する際の確定した手続があり、当該手続はそれぞれの監督者により定期的に見直される。しかし、当該従業員による大規模かつ悪意ある行為(例えば、重要なデータの削除、悪意あるパッチの更新)により、当行の重要なサービスが長期にわたり停止する可能性がある。これにより預金者からの信頼が失われ、多くの預金者からの信頼の失墜及び資金の引出しにつながる可能性がある。当行は、その他多くの大規模な国際金融機関と同じく、顧客による当行のメインポータルの利用を妨害することを目的とした分散型サービス妨害に関する攻撃を受けてきた。当行の監視管理及び軽減管理が、こうした事故を検出し、有効に対処することができたとしても、これらの安全対策が今後効果的であるという保証はない。サイバー攻撃は進化し続けているため、当行は、対策を変更及び強化し続け、また情報保護の脆弱性を調査及び修正し続けるために、多額の追加資金を支出しなければならない可能性がある。
当行は、セキュリティーのためのガバナンスの枠組みを有しており、情報保護に関する方針、手続及び技術を導入してきた。当行は、定期的なリスク評価、脅威情報の収集・分析、脆弱性管理、インシデント対応テスト及び従業員の意識向上プログラムを通じて、継続して当行のサイバーセキュリティーのガバナンス枠組みを強化している。しかしながら、近年技術が急速な進化を遂げていること及びサイバー攻撃の方法も頻繁に改変され、場合によっては実際の攻撃が起こるまで認識もされないことを考慮すると、当行はすべてのセキュリティー違反を予測したり、効果的な防止策を講じたりすることができない可能性がある。サイバー攻撃は急速に進化しており、当行はすべての攻撃を予測又は防止することができず、セキュリティー違反又は損失に対する責任を負うこととなる可能性がある。
金融機関に関するサイバーセキュリティーリスクは、新たな技術の普及、並びに金融取引におけるインターネット及び電気通信技術の利用を一因として、この数年で大幅に増加している。例えば、当行がモバイル決済及びその他のインターネットを用いた商品の提供を拡大し続け、インターネットを用いた商品及びアプリケーションの内部利用を拡大していることにより、サイバーセキュリティーリスクが増加する可能性がある。さらに、サイバーセキュリティーリスクは、組織犯罪を行う団体、テロ組織、敵対する外国政府、不満を抱く従業員又はベンダー、活動家及び企業スパイ関係者を含むその他の外部関係者の知識及び活動の増加を一因として、この数年で大幅に増加している。AIや量子コンピューティングのような新しい技術の中には、従来のコンピュータでは複雑すぎる問題を解決するものもある。大規模なAIの変革は、リアルタイムの分析を通じてデータを迅速に処理することにより技術の強みを向上させ、最終的にはカスタマーエクスペリエンスの向上、業務の最適化及びリスクの予測分析につながる可能性を秘めている。しかしながら、AI技術を利用したサイバー攻撃は、洗練された攻撃方法を利用してリアルタイムに適応することで脆弱性をより迅速に特定することができ、従来のセキュリティー対策を回避するため、大きな脅威となっている。暗号化ツールは、当事者間のオンライン通信をあらゆる攻撃者から保護するために使用される。新しい技術は、既存の暗号化プロトコルに脅威を与え、内部データへの不正アクセスにつながる可能性がある。
最先端の内部統制環境であっても、不正アクセスを受ける可能性がある。標的を定めたソーシャル・エンジニアリング攻撃及び「スピアーフィッシング」攻撃はより精巧になっており、防ぐことが非常に難しい。かかる攻撃において、攻撃者は、従業員、顧客又はその他の当行のシステム利用者が機密情報を開示するよう不正に誘導し、そのデータ又はその顧客のデータにアクセスしようとする。常習的な攻撃者は、十分な資金、時間及び動機を有しさえすれば、防壁を突破する可能性がある。サイバー犯罪に用いられる技術は頻繁に改変され、実施されるまで認識されず、さらに違反後かなりの時間が経過するまで認識されない可能性がある。ベンダーへのサイバー攻撃又は非正規のベンダーのアクセスにより生じるセキュリティー違反のリスクもまた、この数年で増加している。さらに、当行のデータにアクセスした外部のベンダーに対するサイバー攻撃又はセキュリティー違反の存在は、当行に即時に開示されない可能性がある。当行はまた、サイバー攻撃により当行及び/又は当行の顧客の直接的な金銭の損失に帰結するおそれがあるサイバーセキュリティーリスクに直面しており、その結果、当行は事業に対する罰則及び制限、並びにレピュテーションリスクを負う可能性がある。
当行は、取引を行う又は当行の事業活動を促進若しくは実現させるために依存している顧客及びその他の第三者(取引先金融機関、規制当局並びにインターネット・アクセス及び電力等の重要インフラの提供者を含む。)に係る間接的な技術リスク、サイバーセキュリティーリスク及び業務リスクにも直面している。サイバー攻撃は、重要インフラの提供者、ソフトウェアのサプライチェーン、クラウド環境及び第三者のサービスプロバイダーをも標的とする可能性があり、これは当行の業務、顧客サービス、データの完全性及び規制遵守義務に悪影響を及ぼす可能性がある。金融会社及び技術システムの連結、相互依存並びに複雑性が増加したことにより、1社以上の金融会社のシステム又はデータを著しく劣化、消去又は危殆化するような技術上の不具合、サイバー攻撃又はその他の情報若しくはセキュリティー違反が、当行を含む取引先又はその他の市場参加者に重大な影響を及ぼす可能性がある。多くの場合、異なるシステムを急速に統合する必要があるため、この連結、相互依存及び複雑性は、個人及び業界全体の業務における失敗のリスクを増加させている。
第三者の技術上の不具合、サイバー攻撃又はその他の情報若しくはセキュリティー違反、解約又は制約は、特に、当行の取引を成立させる能力、顧客にサービスを行う能力、リスクに対するエクスポージャーを管理する能力又は事業を拡大する能力に悪影響を及ぼす可能性がある。サイバー攻撃又はその他の情報若しくはセキュリティー違反は、当行に向けられたものか第三者に向けられたものかを問わず、重大な損失又は重大な結果をもたらす可能性がある。特に、個人情報のハッキング及びなりすまし犯罪のリスクは、評判を著しく損なう要因となり得る。AIを利用したなりすまし、ディープフェイク及びソーシャル・エンジニアリング攻撃を含む不正技術の急速な進化により、不正取引、顧客による不正行為及び評判の失墜のリスクが高まる可能性がある。当行のシステムセキュリティーの突破又は迂回は、顧客及び事業機会の喪失、攻撃又は違反後の事業関係の維持に係る費用、当行の業務及び事業の大規模な混乱、当行及び/又は当行の顧客の機密情報、知的財産、資金の不正流用、漏洩又は損壊、当行のコンピュータ若しくはシステムへの損害等の深刻なマイナスの結果をもたらし、また、適用あるプライバシー法及びその他の法律の違反、訴訟エクスポージャー、法定の罰金、罰則又は規制当局の介入、当行のセキュリティー措置に対する信認の喪失、評判の失墜、弁済又はその他の補償に係る費用並びに追加の遵守費用につながり、さらに、当行の業績、流動性及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
当行の顧客もまた、フィッシング及びビッシング攻撃の増加により金銭的損失を被る可能性が生じ、それが当行への補償請求又は当行の評判の喪失につながる可能性がある。
(c) システムの不具合又はシステムの休止は、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。
当行の事業全体において小口向け商品及びサービス並びにトランザクションバンキング・サービスが占める割合が大きいため、当行の事業におけるシステム・テクノロジーの重要性も大きく増している。また、デジタル・チャネル及び相互接続システムへの依存の高まりにより、システム障害、サイバーインシデント又は妨害による影響が大きくなり、重要なベンダー、決済基盤又は電気通信ネットワークに影響を与える可能性がある。当行の事業、財務、会計、データ処理システム若しくはその他の業務システム又は設備は、完全に又は部分的に当行の管理範囲を越えた事由(顧客取引量の急増、公益事業における混乱又は障害、自然災害、伝染病の流行、政治問題又は社会問題から生じた事由及びテロ攻撃等)を含むいくつかの要因により、正常に作動しなくなるか、機能停止するか又は故障する可能性がある。当行は、システムの休止又は不具合を監視及び防止し、システムの不具合が生じた場合には復旧するための手順を有しているが、かかる手順がシステムの不具合の防止に成功するか又はシステムの不具合からの迅速な復旧を可能にする保証はない。当行のデータセンターに重大な影響が及ぶ場合には、当行は補助的な障害復旧データセンターを有しているが、当行のシステム及びサービスの復旧には遅れが生じる可能性があり、その結果当行の業務及び顧客サービス水準に悪影響が及ぶ可能性がある。当行のシステム(特に小口向け商品及びサービス並びにトランザクションバンキング用)において不具合が生じた場合、当行の業務及び顧客サービスの質は重大な影響を受ける可能性があり、規制上の精査及び措置が強化され、事業上及び財政上の損失が生じ、当行株式及びADSの価格は悪影響を受ける可能性がある。この分野における規制上の精査は強化されている。「-(2)-(a) 金融部門における監督及び遵守の環境が強化されると、当行が公式又は非公式にかかわらず規制措置の対象となるリスクが増加する。」も参照のこと。
(5) 当行の保険子会社に関するリスク
(a) 保険子会社による資本増加が必要となる場合若しくは当行が必要に応じてかかる会社の当行持分の一部の収益化又はかかる会社へさらなる投資ができない場合には、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格に悪影響が及ぶ可能性がある。
当行は、2026年3月31日現在、当行の生命保険を扱う子会社であるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式の50.9%を、また当行の総合保険を扱う子会社であるICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式の51.3%を保有していた。
当行の保険事業は収益性が高く、当行は現在のところ当該事業に資本が必要とは予想していないが、とりわけ規制要件若しくは成長機会の増加により又は損失実績及び数理上の仮定の変化により、事業を支えるために資本増加が必要とされる可能性がある。「-(c) 保険数理の経験及びその他の要素は、生命保険数理による生命保険の責任準備金及びその他の生命保険数理の情報の計算においてなされた推定と異なる可能性がある。」及び「-(d) 当行の総合保険子会社の事業のための損失準備金は、将来の請求債務に係る見積りに基づくものであり、請求額が超過した場合にはさらに準備金が追加されることとなり、当行の総合保険子会社の業務に重大な悪影響が及ぶ可能性がある。」も参照のこと。当行の保険子会社はまた、株式の発行の可能性を伴う合併及び買収を企図することがある。これらの又はその他の理由により追加で株式が発行された場合、当行がこれらの事業に追加出資しない限り、当行の株式持分が低下する。当行がこれらの事業に対して追加出資できるか否かは、インド準備銀行の自己資本比率規制及びその他の様々な自己資本比率規制、並びに当行による金融部門企業への出資総額の限度について規定した銀行が提供する金融サービスに関するガイドラインに左右される。かかる投資はすべて、インド準備銀行及び/又は(適用ある場合)その他規制当局若しくは政府機関の事前承認を要する。
当行の保険会社に対する追加の資本要件、かかる会社へ出資する当行の能力の制限及び当行の株式持分の増減に係る要件は、かかる会社の成長、当行の将来の自己資本充実性、当行の財務実績並びにかかる会社の株式並びに当行の株式及びADSの価格に悪影響を及ぼす可能性がある。「-第2-3-(b) 当行の商品及びサービスの概要-(ⅻ) 保険」及び「-(b) 当行の保険事業は当行の事業において重要な部分を占めているが、その将来における成長率又は収益性の水準を保証することはできない。」も参照のこと。
(b) 当行の保険事業は当行の事業において重要な部分を占めているが、その将来における成長率又は収益性の水準を保証することはできない。
当行の生命保険及び総合保険に関する事業は、当行の事業において重要な部分を占めている。「-第2-3-(b)-(ⅻ) 保険」も参照のこと。これらの事業の過去の成長率には変動があり、その将来における成長率又は収益性に対する保証をすることはできない。
インドの生命保険部門は、長年にわたり、大幅な規制の変更を受けている。「-第2-3-(f)-保険会社に対する規制」も参照のこと。規制の変更が将来なされる場合、事業戦略に影響するだけでなく、生命保険商品に関する利益率にも影響を与える可能性がある。当行の生命保険子会社の成長及び収益性は、ポートフォリオにおける商品の構成、様々な分配提携企業との関係性、規制の変更並びに市場の動向を含む多くの要因に左右される。ICICIバンクは、保険子会社の法人代理店であり、2026年度の年間の換算保険料ベースで、生命保険子会社の事業の取引量の15.0%未満を占めている。生命保険子会社の事業は、その商品構成及び流通構成全体において十分に多角化されている。2010年度以降、子会社は継続して利益を計上しているものの、当行が創出した事業を含め、子会社の事業及び収益性が継続的に成長するという保証はない。
当行は、当行の総合保険子会社であるICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドを通じて総合保険事業を展開している。ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの成長率、収益性及び自己資本利益率は、多様な要因によるものであるが、これには、ポートフォリオの一定の収益性のある商品の割合、主要な分配提携企業/仲介機関及び信用度の高い再保険会社との関係性の維持、インド政府による適用可能な範囲での一定の保険スキームの支援の継続、顧客の集中リスクの適切な管理を含む顧客からの評判及び信用の維持、規制の変更とその遵守/影響、気候変動要因、税務上のポジション又は判決/税務命令の変化、内部及び外部の不正に起因する損失の最小化並びに市場動向が含まれる。保険事業の将来における成長率、支払能力及び収益性を保証することはできず、その他の内部及び外部の関連する要因に加えて、様々なグローバルな地政学的環境及び考慮事項もこれらに影響を与える可能性がある。同子会社は、2013年度以降、継続して利益を計上しているものの、保険事業の将来における収益性又は成長率を保証することはできない。「-(a) 保険子会社による資本増加が必要となる場合若しくは当行が必要に応じてかかる会社の当行持分の一部の収益化又はかかる会社へさらなる投資ができない場合には、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格に悪影響が及ぶ可能性がある。」及び「-第2-3-(f)-保険会社に対する規制」も参照のこと。
さらに、IRDAIは、銀行を含む法人代理店による保険商品の販売を規律する規制の変更を随時提言している。今後の規制上の変更又は制限により、当行の保険子会社は、その販売戦略を変更することを余儀なくされる可能性があり、その結果、とりわけ費用の増加及び事業の取引量の減少を招き、ICICIバンクによる商品販売及び関連する手数料収入に影響が及ぶ可能性がある。インド経済の成長下降、将来的な災害及び感染症の流行又は世界的流行による影響、将来における規制変更による悪影響又は当行の保険商品に対する顧客の不満(製品に必要なイノベーションの欠如を含む。)により、かかる事業の将来の成長に悪影響が及ぶおそれがある。「-(2)-(a) 金融部門における監督及び遵守の環境が強化されると、当行が公式又は非公式にかかわらず規制措置の対象となるリスクが増加する。」も参照のこと。これらの事業における低迷は、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格に悪影響を及ぼす可能性がある。
2026年5月、財務省は規則を改正し、自動承認ルートを通じたインドの保険会社に対する外国直接投資(FDI)の上限を74%から100%に引き上げることを承認した。この規制の変更により、インドの保険会社への外国投資が増加し、当該部門における再編及び/又は所有権の変更がもたらされる可能性がある。また、これにより、事業戦略、管理能力及び管理方法、技術進歩等を含むインド保険会社によるインド国内での事業展開手法に影響を与える可能性があり、そのため、将来競争が加速し、保険部門の収益及び成長に影響が出る可能性がある。かかる変化により、当行の事業並びに株式及びADSの価格に悪影響が及ぶ可能性がある。「-第2-3-(b)-(ⅻ) 保険」も参照のこと。
(c) 保険数理の経験及びその他の要素は、生命保険数理による生命保険の責任準備金及びその他の生命保険数理の情報の計算においてなされた推定と異なる可能性がある。
当行の生命保険子会社がその生命保険の責任準備金を見積もる際及びその他の生命保険数理の情報を算出する際に行った推定は、当行の生命保険子会社の実際の経験とは異なる可能性がある。金利の長期的な動向、投資収益率、株式、固定利付債券及びその他のカテゴリーの間での出資金の配分、持続性、死亡率及び疾病率、保険契約者の失効、保険契約の解約並びに将来の支出レベルの見積りを含むこれらの推定は、正しくない可能性がある。さらに、かかる推定に基づく生命保険及び健康保険の責任準備金の見積りに使用されるモデルが正しくないというリスクが存在する。
当行の生命保険子会社は、これらの推定について実際の経験を観察し、実際の数値の仮定からの乖離がより長い期間継続すると予想される場合には、かかる生命保険子会社はその長期的な推定を精緻化する。かかる推定を変更することで、生命保険及び健康保険の責任準備金並びにその他の生命保険数理の情報の推定に変更が生じる可能性がある。かかる変更は、既存又は潜在的投資家による当行の生命保険子会社の評価及び当行がかかる生命保険子会社に対する株式持分を将来収益化する場合の評価にも、影響を及ぼす可能性がある。
当行の生命保険子会社は実績値及び推定値の監視を行うが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行のような事象は、生命保険の責任準備金の設定において予想されていない。将来このような感染症の世界的流行により保険金の請求が増加した場合、当該子会社の収益及び純資産に悪影響が及ぶ可能性がある。
(d) 当行の総合保険子会社の事業のための損失準備金は、将来の請求債務に係る見積りに基づくものであり、請求額が超過した場合にはさらに準備金が追加されることとなり、当行の総合保険子会社の業務に重大な悪影響が及ぶ可能性がある。
総合保険業界の慣行並びに会計及び規制上の要件に従い、当行の総合保険会社はその総合保険事業に関する損失準備金及び損失調整費を設定している。準備金は、請求に関して行われる将来の支払額の見積りに基づくものであり、これにはかかる請求に関連する費用も含まれている。損失準備金の見積りは、多数の重要な保険数理的処理及び仮定に依拠しており、例えば、事業部門ごとの保険数理的方法の選択、類似する商品分野のグループ分け、並びに予想損害率、ロス・ディベロップメント・ファクター及びロス・コスト・トレンド・ファクター等の基本的な保険数理的仮定の決定が挙げられる。かかる見積りは、準備金が設定された時点で得られる事実及び状況に基づき、計上されているが未清算の請求について個別に算定され、また生じているが未計上の損失についても算定される。これらの準備金は、すべての未解決の請求が最終的に処理されるために必要な総費用の見積額である。
準備金は、請求処理手続変更、法的環境、社会的態度、訴訟の結果、修繕費、医療費における動向の変化、最低賃金並びにインフレ及び為替レートの動向の変化を含むその他の要素といった、請求の総費用に影響を及ぼす多くの可変的な要素によって左右される。当行の総合保険会社の環境に関する請求及びその他の潜在的な請求に対する準備金は、特にかかる可変的な要素の影響を受けやすい。当行の総合保険会社の業績は、かかる総合保険会社の請求実績が、かかる総合保険会社が商品の価格設定を行う際並びに技術提供義務及び請求権に係る債務を設定する際に利用する仮定とどれほど一致しているかということに大きく依拠している。かかる総合保険会社の請求実績が、かかる債務を設定する際に利用された基礎となる仮定を超える場合、かかる総合保険会社は、その準備金を増額することが必要となり、これによりその業績に重大な悪影響が及ぶ可能性がある。
設定された損失準備金の見積りは、通常の決済の過程で経営陣が入手できる最新の情報を利用して定期的に調整され、準備金の見積りの変更により生じた調整は、現行の業績に反映される。当行の総合保険会社はまた、準備金の水準の妥当性を検討するために、定められた基準に基づいて定期的にすべての事業部門の検討を行っている。入手できる現在の情報に基づき、また、複数の診断等の内部手続に基づき、当行の総合保険会社の経営陣はこれらの準備金が合理的に適正であると判断している。経営陣はまた、過去のデータにまだ反映されていない未知の事象に備えるため、不利な変動に対するマージンを最終的な負債の最善の推定値を上回る水準で維持するという方針を取っている。しかしながら、損失及び損失調整費に対する引当金の設定は、本質的に不確定な過程を経るため、最終的な損失額は設定された損失及び損失調整費に対する引当金を大幅に超過することはなく、当行の総合保険会社の業績に重大な悪影響を及ぼすことはないと保証することはできない。かかる悪影響は、既存又は潜在的投資家による当行の総合保険会社の評価及び当行がかかる総合保険会社に対する株式持分を将来収益化する場合の評価にも、影響を及ぼす可能性がある。「-(a) 保険子会社による資本増加が必要となる場合若しくは当行が必要に応じてかかる会社の当行持分の一部の収益化又はかかる会社へさらなる投資ができない場合には、当行の事業並びに当行株式及びADSの価格に悪影響が及ぶ可能性がある。」も参照のこと。
(e) 当行の保険会社の財務実績は、災害の発生及び様々な気象変動事象により重大な悪影響を受ける可能性がある。
当行の総合保険事業の一部により、ハリケーン、暴風雨、伝染病、モンスーン、地震、火災、工業爆発、洪水、暴動並びにテロ行為及び感染症の流行若しくは世界的流行及び/又は気候変動事象を含むその他の人為的災害又は自然災害といった予測不可能な出来事による損失を補填できる可能性がある。定められた期間におけるこれらの災害の発生率及びその深刻度は、本質的に予測不可能である。対象となる災害に関する潜在的な損失を評価した上で準備金が設定されているが、かかる準備金が災害及び/又は様々な気象変動事象に関連するすべての保険金を支払うのに十分であるという保証はない。
また、当行の生命保険子会社の事業は、災害、感染症の流行又は世界的流行の影響を受けた顧客の死亡率及び疾病率の増加による損失を被る可能性がある。さらに、危機的状況の結果、とりわけ取引先の義務の不履行又は金融市場における重大な不安定性若しくは混乱のために、当行の生命保険子会社の投資ポートフォリオに損失が生じる可能性がある。
当行の総合保険会社の業務は、災害、感染症の流行、感染症の世界的流行及び気象変動事象に関連した保険金請求にさらされている。
当行の保険子会社は、各々の地理的地域において当該子会社がさらされる全般的な災害、感染症の流行及びその他の予測不能な出来事について監視し、かかる出来事により生じた損失に対する保険金に係る引受上限額の調整/再調整を考慮して当該引受上限額を決定しているが、当該保険子会社は通常、再保険を掛けること、選択的かつ重点的な引受業務を行うこと、及びリスクの蓄積を監視することにより、当該子会社がさらされる危険を減らすことを目指している。将来的な災害及び感染症の流行若しくは世界的流行又は気象変動事象に関する請求により、非常に高い損失が生じ、ソルベンシーマージンを維持するために追加資本を要求される可能性があり、当行の財政状態若しくは信用格付又は業績に重大な悪影響が及ぶ可能性がある。
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当行の財政状態及び業績に関する下記の考察及び分析は、当行の監査済連結財務書類と併せて読まれるべきものである。下記の考察は、いくつかの重要な点において米国GAAPと異なるインドGAAPに従い作成された当行の監査済連結財務書類及びその注記に基づいている。米国GAAPに基づく純利益及び株主資本の調整、インドGAAPと米国GAAPの重大な相違点に関する記述並びに米国GAAPに関する追加情報については、本書記載の当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記21及び22を参照のこと。
要旨
(1) 一般
当行は、法人顧客及び小口顧客に対して多様なデリバリーチャネルを通じて幅広い銀行サービス及び金融サービスを提供する、多様な金融サービス・グループである。当行は、銀行商品及びサービスの他に、生命保険及び総合保険、資産管理、証券仲介業並びにプライベート・エクイティ商品及びサービスを、専門の子会社を通じて提供している。2026年度末現在の当行の連結資産総額は、29,145.0十億ルピーであった。2026年度末現在の当行の未行使の従業員ストック・オプションを含む連結資本並びに準備金及び剰余金は、3,630.6十億ルピーであり、2026年度における当行の連結純利益(少数株主持分控除後)は、542.1十億ルピーであった。
当行の主要な業務は、小口顧客及び法人顧客に対する商業銀行業務から成る。当行の小口顧客に対する商業銀行業務は、小口向け貸付、預金受入れ並びにその他の手数料ベースの商品及びサービスから成る。当行は、大企業、中堅企業及び中小企業に対して、ローン商品、手数料ベースの商品及びサービス、預金商品、トランザクションバンキング並びに外国為替商品及びデリバティブ商品を含む様々な商業銀行商品及びサービスを提供している。当行はまた、農業銀行商品及び地方銀行商品を提供している。
当行の国際的なフランチャイズは、預金、資産及び送金ビジネスについて在外インド人に重点を置くとともに、国際市場において高い評価を得ているインドの企業及び多国籍企業との関係を深め、当行のリスク管理の枠組みの中でインドと連動した貿易、トランザクションバンキング及び貸付の機会を最大化することに重点を置いている。当行の海外銀行子会社は引き続き、リスク及び事業の細分化に重点を置きながら選択的に現地市場を支えている。
当行の財務業務には、法定準備金の維持及び管理、株式及び固定利付債券の自己勘定取引、並びに先物契約、金利スワップ及び通貨スワップ等の一連の法人顧客向けの外国為替及びデリバティブの商品及びサービスが含まれる。
当行はまた、専門の子会社を通じて、保険業務、資産管理業務、証券仲介業務及びプライベート・エクイティ・ファンドの運用業務に従事している。当行の子会社であるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッド及びICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、様々な生命保険、総合保険及び資産管理商品をそれぞれ提供する。
当行の子会社であるICICIセキュリティーズ・リミテッド及びICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドは、株式引受け及び証券仲介業務並びに国債及び固定利付市場のプライマリー・ディーラー業務にそれぞれ従事している。当行のプライベート・エクイティ・ファンドを運用する子会社であるICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドのプライベート・エクイティ、ベンチャー・キャピタル及び不動産ファンド運用事業をICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドへ譲渡した。ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、引き続き一定のアドバイザリー活動を実施し、一定の残余資金を管理する。
当行の子会社であるICICIペンション・ファンド・マネジメント・リミテッドは、国民年金制度の下で登録された年金ファンド・マネージャーである。
(2) 当行の業績に影響を及ぼす特定の要因
当行の貸付ポートフォリオ、財政状態及び業績は、インドの経済状況、当行の顧客に影響を及ぼす商品価格、石油及びエネルギー価格の変動、世界的なサプライチェーンの混乱及び地政学的リスク等の全世界的な経済情勢、全世界的な金融市場の状況、米国及び当行が重要な地位を有している諸外国又はインド経済及び世界市場に影響を及ぼす諸外国の経済状況、発展的な世界及びインド国内の規則、技術の発展とそれが銀行サービス及び金融サービスに及ぼす影響並びに世界的及び地域的な自然災害及び新型コロナウイルス等の感染症の世界的流行による影響を受けており、今後も受け続けることが予想される。下記の当行の業績に関する考察の理解を容易にするためには、これらの要因及びその他の主要な進展を考慮に入れるべきである。
2026****年度の動向
世界の国内総生産(GDP)は、2025年暦年において2.8%増となった。2024年暦年のGDPが先進諸国において1.8%増、新興諸国において4.5%増であったのに対し、2025年暦年のGDPは、先進諸国において1.9%増、新興諸国において4.4%増となった。2025年暦年における世界の経済成長は、安定的であった。
世界的なインフレは、2025年暦年において4.1%へと鈍化した(2024年暦年は5.8%であった。)。しかし、2026年暦年の先進諸国におけるインフレ予測は、2026年1月時点から0.6%上方修正され、前年比2.8%となった。アジアの新興市場及び発展途上市場におけるインフレ見通しは、2025年の1.1%から上方修正され、2.6%となった。
しかし、主要な政策変更により国際貿易システムは変化しており、また地政学的な発展と相まって、国際経済に不確実性をもたらしている。インフレの主要なリスクは、特に新たな米国の関税による脅威等の進行中の国際的な不確実性から生じている。特に、最近課された関税が各国のインフレに及ぼす影響は、関税が一時的なものと認識されているか、恒久的なものと認識されているか、企業が輸入コストの増加分の相殺のために調整する利益率の幅、輸入品が米ドルと現地通貨のどちらで請求されているのかによって異なる。市場は複雑に絡み合ったショックに直面し、中央銀行は国内の状況に応じて金融政策を策定するため、各国間への影響は異なる。2026年3月に西アジアにおける紛争が始まった後、世界のブレント原油価格は大幅に上昇した。インドは主要な石油輸入国であり、西アジアからの石油及び天然ガス輸入への依存度が著しく高い。そのため、インド経済は引き続き供給ショック及び価格ショックにさらされている。
インド経済は、主に民間消費の伸び及び投資の増加により、それぞれ2026年度には前年比7.7%増、2025年度には前年比7.1%増となった。
2026年度において、インドのGDP成長は前年比7.7%となり、これは主に、2025年度の5.8%と比較して前年比7.7%増となった民間消費の増加によるものであった。これは、減税、物品及びサービス税の合理化、インフレの鈍化、並びに農村需要の増加に支えられたものである。インドの粗付加価値は、前年比8.5%増となった産業部門の成長及び前年比9.3%増となったサービス部門の堅調な成長に牽引され、2026年度には前年比7.9%増となったが、農業部門の成長は、2025年度の4.2%と比較して前年比3.0%増と緩やかになっている。
インドの商品輸出は、2025年度の442.1十億米ドルと比較して、2026年度には446.1十億米ドルとなり、ほぼ横ばいであった。一方、商品輸入は、2025年度の729.0十億米ドルと比較して、2026年度には前年比で7.5%増加して783.4十億米ドルとなった。そのため、貿易赤字は、2025年度の286.9十億米ドルと比較して、2026年度には337.3十億米ドルに増加した。しかしながら、サービス輸出純額は、2025年度の188.8十億米ドルと比較して、2026年度には216.6十億米ドルに増加している。インドの経常赤字は、2026年度には25.4十億米ドル又は対GDP比0.6%であった。2026年度のインドの対外ポートフォリオの純流出額は、2025年度の流入額2.7十億米ドルと比較して、16.4十億米ドルであり、株式への流出額は19.7十億米ドル、債務への流入額は3.1十億米ドルであった。2026年度のインドへの外国直接投資の総流入額は、2025年度の84.2十億米ドルと比較して、98.3十億米ドルであった。しかし、2026年度の海外直接投資の純流入額は、2025年度の1.0十億米ドルと比較して、6.9十億米ドルとなった。
消費者物価指数に基づくインドのインフレ率は、2025年3月における前年比3.56%から、2026年3月には前年比3.40%に低下した。インフレ率の平均は、2025年度の前年比4.64%と比較して、2026年度中は前年比2.06%であった。インフレが鈍化したのは、食料インフレ率が、2025年度の前年比3.54%に対して、2026年度は0.03%に緩和されたためであり、これは主に、平均的な年間降雨量及び食料生産の増加によるものである。また、コアインフレも、2025年度の前年比3.65%と比較して、2026年度には前年比3.80%と緩やかであった。
金融政策委員会は、政策金利レートを2年間据え置いた後、2025年2月以降、緩和サイクルに入った。累積で125ベーシスポイントの政策金利レートを引下げ、うち100ベーシスポイントの引下げは2026年度に行い、現金準備率を4.0%から3.0%へと100ベーシスポイント引き下げ、2025年9月6日、2025年10月4日、2025年11月1日及び2025年11月29日の4回にわたり各25ベーシスポイントずつ均等に分けて実施した。政策金利レートの引下げは、総合インフレ率、特に食料インフレ率の低下の確実性が高まったことによるものであった。政策に係る立場は、2025年4月に一時的に「緩和的」に変更され、2025年6月に「中立的」に戻され、その後変更されていない。2026年度の日次平均銀行システム流動性は、約1,793.0十億ルピーの余剰となった。2026年度において、インド準備銀行は、現金準備率の引下げ、公開市場取引の実施及び外国為替スワップ取引の実施を含む様々な手段を通じて、13.3兆ルピーの耐久性のある流動性を銀行システムに供給した。
中期成長見通しは、インド経済の基本的な国内要因に牽引され、プラスであった。支援的な金融政策、減税及び政府支出が、需要及び成長を押し上げることが予測される。しかし、米国の関税及びその他の貿易政策並びに西アジアにおける紛争を巡る世界貿易の不確実性が、輸出に下振れリスクをもたらし、世界経済の成長を圧迫する可能性があり、これがインドの成長にも悪影響を及ぼす可能性がある。
2026年度中にルピーは、2025年3月31日現在の1米ドル当たり85.46ルピーから、2026年3月31日現在の1米ドル当たり94.83ルピーと、10.9%下落した。ベンチマークであるS&Pボンベイ証券取引所センシティビティ指数は、2025年度の4.39%の上昇と比べて2026年度には7.06%下落した。ベンチマークである10年物国債の利回りは、2025年3月31日現在の6.58%から2026年3月31日現在の7.04%となり、これは当該会計年度の最高水準でもあった。
銀行システムの非食品部門の貸出は、2025年3月31日現在で前年比11%増であったのに対し、2026年3月31日現在で前年比16.1%増であった。入手可能なセクター別貸出データでは、貸出の増加は、引き続きサービス部門の前年比19%及び個人貸出部門の前年比16.2%(物品・サービス税の合理化が寄与した。)により牽引され、産業部門向け貸出も前年比15%の伸びであった。
その一方で、指定商業銀行に係る預金の伸び率も上向いており、預金の伸び率は2025年3月31日に終了する2週間の前年比10.3%増であったのに対し、2026年3月の同時期には前年比13.5%であった。
インド準備銀行の2026年6月の金融安定報告書によると、指定商業銀行の不良資産純額比率は減少し続け、2025年3月31日現在では、不良資産総額比率は2.3%及び不良資産純額比率は0.5%であったのに対し、2026年3月31日現在では、不良資産総額比率は1.8%及び不良資産純額比率は0.4%であった。
(3) 事業の概略
当行は、当行の業績評価において、財務収益を除く税引前利益及び自己資本利益率の変動等の重要な財務変数を監視している。当行はまた、資産の利回りの変動、資金調達コスト、純金利差益率、手数料収入及び費用比率にも注視している。当行は、預金の増加、資金調達構成、貸付金の増加及びローンの延滞の動向等の重要な業務指標も監視している。当行は、引受基準及びリスク管理を継続的に再評価し、当行の資本、収益、信用コスト及び資産価値に与える財務的影響を評価している。当行は、金利、流動性、為替並びに様々な経済セクター及びサブセクターの業績等の経済指標の変化について分析を行う。これらの指標に加え、当行は、顧客サービスの質、顧客からの苦情の範囲及び性質、不正行為、サイバー脅威、データ・セキュリティー及びそれらに対する備え並びに重要な事業分野の推定される市場シェア等その他の非財務指標も監視している。当行は、気候変動リスクが当行の大口の借入人の貸付ポートフォリオ並びに環境、社会及びガバナンスの特性に及ぼす影響を引き続き評価する。
「-(2) 当行の業績に影響を及ぼす特定の要因-2026年度の動向」も参照のこと。
当行は、技術を活用等して預金フランチャイズの維持及び強化に焦点を当ててきた。当行は、より詳細なポートフォリオを組み、ポートフォリオの質を持続的に改善するため、既存の顧客に対する追加の製品のクロスセル及び中小企業への貸付拡大等、小口向け貸付の機会に焦点を当ててきた。当行は、当行の法人顧客及びそのエコシステムの総体的なニーズを満たすことを目指している。
当行は引き続き、規制要件を上回る自己資本比率を維持することに注力した。2026年3月31日現在、当行は健全なベースで、偶発損失引当金を引き続き有する。
(4) 2026年度における当行の財務実績についての考察は以下のとおりである。
財務収益を除く税引前利益(財務関連業務の収益を控除した税引前利益として計算され、いずれも「-4-経営成績データ」において個別に計上される。)は、2025年度の638.2十億ルピーから6.6%増加し、2026年度には680.5十億ルピーとなった。
引当金控除前営業利益は、2025年度の777.6十億ルピーから6.3%増加し、2026年度には827.0十億ルピーとなった。これは、主として純利息収入の増加及びその他の収益の増加によるものであるが、営業費用の増加により一部相殺された。
純利息収入は、2025年度の973.0十億ルピーから9.1%増加し、2026年度には1,061.9十億ルピーとなった。これは、有利子資産平均額の9.2%の増加による。
その他の収益(関連会社の利益に対する持分を含む。)は、2025年度の1,084.1十億ルピーから8.1%増加し、2026年度には1,171.6十億ルピーとなったが、これは主として正味既経過保険料及びその他保険事業に関連する営業収益の増加、手数料、為替及び取引手数料収入の増加並びに財務関連業務の収益の増加によるものである。保険料及びその他保険事業に関連する営業収益は、2025年度の709.0十億ルピーから9.5%増加し、2026年度には776.2十億ルピーとなった。手数料、為替及び取引手数料収入は、2025年度の277.7十億ルピーから5.6%増加し、2026年度には293.3十億ルピーとなった。財務関連業務の収益は、2025年度の91.8十億ルピーから1.0%増加し、2026年度には92.7十億ルピーとなった。
営業費用は、2025年度の1,278.0十億ルピーから9.9%増加し、2026年度には1,403.9十億ルピーとなった。これは主として、従業員に関する支払額及び引当金並びに当行の保険事業に関連する費用の増加によるものであった。
引当金及び偶発債務(納税引当金を除く。)は、2025年度の49.1十億ルピーから14.9%増加し、2026年度には56.4十億ルピーとなった。不良資産及びその他の資産に対する引当金は、2025年度の41.3十億ルピーから52.1%増加し、2026年度には62.8十億ルピーとなった。2025年度中、当行は、資産再構築会社に対する全額引当済の貸付債権の売却に係る有価証券受領証を受領した。当行は、「不良資産及びその他の資産に対する引当金」から振り替えることにより、引き続き引当金を「投資引当金」に計上した。2026年度中、年次監督審査の結果、インド準備銀行は、農業優先部門向け与信枠のポートフォリオについて、当該信用供与条件が、農業優先部門貸付として分類されるための規制要件を十分に満たしていないことが判明したことから、当行に対し、正常先資産に対する引当金として12.8十億ルピーを計上するよう指示した。インド準備銀行の指示による上記の引当金及び2025年度中の資産再構築会社に対する貸付債権の売却に係る引当金の変動を除き、2026年度中の不良資産及びその他の資産に対する引当金は、2025年度と比較して減少した。これは主として、小口向け貸付及び農村向け貸付における不良債権総額への流入額の減少に起因している。引当率は、2025年3月31日現在の74.7%と比較して、2026年3月31日現在には74.0%であった。
不良債権総額(償却額控除後)は、2025年度末現在における243.3十億ルピーから減少して、2026年度末現在には234.3十億ルピーとなった。純不良債権額は、2025年度末現在における61.6十億ルピーから減少して、2026年度末現在には61.0十億ルピーとなった。純不良債権比率は、2025年度末現在及び2026年度末現在において0.4%であった。「-3-(3)-(a) 当行の不良資産の水準が上昇し、当行の貸付ポートフォリオの全体的な価値が低下した場合、当行の事業は損害を受けると予想される。」も参照のこと。
所得税費用は、2025年度の184.3十億ルピーから増加し、2026年度には193.8十億ルピーとなった。これは主として、税引前利益の増加によるものである。実効税率は、2025年度の25.3%から2026年度には25.1%に低下した。
税引後利益(少数株主持分控除後)は、2025年度の510.3十億ルピーから6.2%増加し、2026年度には542.1十億ルピーとなった。
純資産(普通株式資本、準備金及び剰余金並びに発行済従業員ストック・オプション)は、2025年度末現在の3,139.1十億ルピーから増加し、2026年度末現在には3,630.6十億ルピーとなった。これは主として、利益から振り替えた準備金及び剰余金の年間価値の増加に起因するものであるが、配当金の支払いにより一部相殺された。総資産及び総負債は、2025年度末現在の26,422.4十億ルピーから10.3%増加し、2026年度末現在には29,145.0十億ルピーとなった。貸付金総額は、2025年度末現在の14,206.6十億ルピーから15.8%増加し、2026年度末現在には16,446.6十億ルピーとなった。預金合計は、2025年度末現在の16,416.4十億ルピーから11.5%増加し、2026年度末現在には18,300.2十億ルピーとなった。
インド準備銀行のバーゼルⅢのガイドライン及び自己資本充実に関する健全性規制に従った、ICICIバンクの非連結ベースでの自己資本比率(資本金から2026年度の予定配当を控除後)の推移は、以下のとおりである。普通株等Tier1リスク・ベース資本比率は、2025年度の16.0%から増加し、2026年度には16.4%となった。Tier1リスク・ベース資本比率は、2025年度の16.0%から増加し、2026年度には16.4%となった。総リスク・ベース資本比率は、2025年度の16.6%から増加し、2026年度には17.2%となった。総リスク・ベース資本比率の減少は主に、貸付金及びオフバランスシート・エクスポージャーの増加並びに、消費者信用、クレジットカード債権及び銀行以外の金融会社への貸付のリスク加重の増加等インド準備銀行による一定のガイドライン及び指令の実施に起因する信用リスクにさらされるリスク加重資産の増加によるものである。インド準備銀行のバーゼルⅢのガイドラインに従った、2026年度末現在の当行の連結ベースでの自己資本比率の推移は、以下のとおりである。普通株等Tier1リスク・ベース資本比率は、2025年度の15.8%から増加し、2026年度には16.3%となった。Tier1リスク・ベース資本比率は、2025年度の15.8%から増加し、2026年度には16.3%となった。総リスク・ベース資本比率は、2025年度の16.4%から増加し、2026年度には17.1%となった。
(5) 事業の見通し
中期的には、インド経済の見通しは明るい。インド経済は、投資及び消費の双方の増加に牽引されて成長していくことが見込まれる。有利な人口動態、経済のデジタル化及び形式化の進展、内需、サービス輸出、都市化の進展、企業や銀行の健全な収支、並びに世界的な価値連鎖への統合の機会は、インドの成長を牽引し、インドの銀行部門及び金融部門に機会をもたらす主な要因の一部である。支援的な金融政策、減税及び政府支出は、消費及び成長を支援すると予想される。同時に、世界経済環境は引き続き、変化する政策、地政学的緊張並びに地域によって異なるインフレ及び成長特性を含む大きな不確実性を孕んでいる。世界貿易の不確実性、エネルギー価格及びサプライチェーンの問題並びに米国の関税及びその他貿易政策は、輸出に下振れのリスクをもたらし、世界の成長を圧迫し、インド国内の成長に影響を及ぼす可能性がある。AI等の技術の進展は、潜在的なリスク及び機会の双方をもたらす可能性がある。また、サービスの高度化、生産性の向上及び成長可能性の拡大を可能にする一方で、競争を激化させ、雇用に影響を及ぼす可能性がある。不利な世界情勢は、貿易及び金融の両チャネルを通じてインド経済に影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、インドの外貨準備及び十分に資本化された金融部門は、世界情勢がインド国内経済に与える影響を緩和すると予想される。
当行の長期的戦略は、リスク及びコンプライアンスの範囲内で財務収益を除く税引前利益(財務関連業務の収益を控除した税引前利益として計算され、いずれも「-4-経営成績データ」において個別に計上される。)を成長させることに引き続き重点を置いている。当行は、「リターン・オブ・キャピタル」、「フェア・トゥ・カスタマー、フェア・トゥ・バンク」、「ワン・バンク、ワン・チーム」、「機動的なリスク管理」及び「良心を伴ったコンプライアンス」の原則に重点を置いている。当行は、360度顧客中心アプローチの採用及び顧客のエコシステム及びミクロ市場における機会獲得、内部のシナジー効果の活用、パートナーシップの構築並びに手続の簡素化により、当行の顧客向けの総合的な価値提案を作成することに尽力している。機能横断型のチーム間協力は、主要顧客及び市場区分との関係構築のため促進されており、顧客への360度の対応を可能とし、またウォレットシェアを増加させた。当行は、リスク調整された収益性の高い成長への注力を続けながら、カバレッジの深化及びデリバリー能力の強化に重点を置いている。また、当行は、ビジネス機会獲得のための柔軟性及び機敏性を育成するため、組織構造を合理化し、チームに権限を与えた。これにより、顧客に関与し、その需要に応えるための当行の能力が改善される。顧客により良いサービスを提供し、業務効率を向上させるために、当行の内部手続を簡素化することは、重要な重点分野である。当行は、持続可能な慣行を強化し、環境、社会及びガバナンスの慣行をその業務及び事業に統合することに取り組んでいる。
当行は、業務において技術を活用している。当行は、成長機会を活用し、カスタマーエクスペリエンス及びサービス提供を向上させるため、テクノロジー企業及びテクノロジー・プラットフォームと提携している。当行は、技術及び分析学を利用して市場機会、顧客のニーズ及び行動に対するより高い識見を得ている。当行は、顧客へのサービス並びに当行の技術構造の拡張性、柔軟性及びレジリエンスを強化するため、技術への投資を続ける。当行は、顧客に対するシームレスなサービス提供をサポートするため、当行のオペレーショナル・レジリエンスを継続的に強化することに注力している。
当行は、過去数年にわたり当行の預金フランチャイズを拡大し、当行のポートフォリオの信用格付構造を改善した。当行はまた、費用効率を高め、個人向け及び小企業向け貸付の成長を拡大し、格付けの低い法人向け貸付の成長を調整し、健全な水準の自己資本比率を維持した。当行は、預金、資産及び送金ビジネスについて在外インド人に重点を置くために、国際的なフランチャイズを再配置した。さらに、当行の国際的なフランチャイズを通じて、当行は国際市場において高い評価を得ているインドの企業及び多国籍企業との関係を深め、当行のリスク管理の枠組みの中でインドと連動した貿易、トランザクションバンキング及び貸付の機会を最大化することに重点を置いている。「-1-(1) 将来に向けた計画及び戦略」も参照のこと。
当行は、当行の預金フランチャイズ及び優位性のある資金調達コストは、リスク管理の実務への注力に支えられた販売網、顧客基盤及び技術に基づくサービス提供とともに、収益性の高い成長機会を追求することを可能にすると信じている。一般に、システム上の流動性、金利及びインフレの動向は、預金の増加、とりわけ低コストの普通預金及び当座預金に関して影響を与える。また預金の増加は、顧客の行動及びその他投資商品と比較した預金の選好にも左右される。当行の預金基盤を成長させる能力は、既存の銀行及び新規参入者からのかかる預金に関する競争の激化による影響を受ける可能性がある。また、インド準備銀行によるデジタル通貨の導入といった規制の進展も、当行が低コスト預金を中長期的に獲得できるか否かに影響を及ぼす可能性がある。当行は引き続き、堅調なバランスシートを維持し、強固な資本水準を維持することに注力している。
当行の成功は、変化する経済情勢への当行の対応能力、流動性及び資本の十分なバッファーを備えた強固な貸借対照表の維持能力、強固なリスク管理、当行の技術インフラストラクチャーのレジリエンス並びに事業継続計画、さらに類似する銀行及び金融会社に対する当行の貸付ポートフォリオの動きによって決定される。一般に、当行の戦略の成功は、当行が、預金基盤を増加させ、貸付金の収益性を高め、不良債権貸付を削減し、ストレス資産を早期の段階で解消し、オペレーショナル・レジリエンスを維持し、変化する規制環境において法規制の遵守を維持し、規制当局による当行業務に対する評価及び監視に対応し、技術の進展に適切に対応し、かつ新規参入及び新たなビジネスモデルに関するものを含め、インドの法人向け及び小口向けの金融サービス市場において効果的な競争を行うことができるかどうかを含む、複数の要因に左右される。銀行、保険及び資産管理を含むインドの金融部門を統制する規制は、当行のような金融サービス・グループの成長及び収益性に潜在的な影響を持ちつつ発展し続けている。当行の戦略の成功は、さらに、当行が事業を行う全体的な規制環境及び政策環境(金融政策、財政政策及び貿易政策の方向性を含む。)にも左右される。当行の戦略実行能力はまた、流動性及び金利環境並びに当行の事業に関連して、マクロ経済環境の不安定性及び不確実性並びにインドにおける一般的な事業環境及び経済状況に影響を及ぼす可能性のある要因を考慮しながら、安定性及びレジリエンスを確保する当行の能力にも左右される。「-3-(3)-(e) 当行の銀行業務及び取引業務は、特に金利リスクの影響を受けやすく、金利の変動は、当行の純金利差益率、固定利付ポートフォリオの評価、財務活動による収益、貸付ポートフォリオの価値及び財務実績に悪影響を及ぼす可能性がある。」も参照のこと。当行の海外の銀行子会社に関しては、地政学的要因、インフレ及び金融政策、関税並びにその他の世界情勢による世界経済への影響により、カナダ及び英国の経済成長が影響を受けることが予想されており、それと同様にこれらの国々における当行の銀行子会社の事業も影響を受ける可能性がある。「-3-(3)-(j) 当行の海外支店及び銀行子会社のエクスポージャーは、一般に、当行の事業、財務状態及び業績に影響を及ぼす可能性がある。」も参照のこと。
当行が事業において直面するリスクについては、「-3 事業等のリスク」を参照のこと。
経営成績データ
以下の表は、表示された期間における当行の主要な経営成績を示したものである。
| (単位:百万(普通株式1株当たりの数値を除く。)) | |||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | |||
| 主要損益計算書データ: | |||||
| 受取利息(1) | 1,863,315 | 1,952,185 | 3,572,499 | ||
| 支払利息 | (890,277) | (890,286) | (1,629,223) | ||
| 純利息収入 | 973,038 | 1,061,899 | 1,943,275 | ||
| その他の収益(2) | 1,082,555 | 1,168,999 | 2,139,268 | ||
| 総収益純額 | 2,055,593 | 2,230,898 | 4,082,543 | ||
| 営業費用 | |||||
| 従業員に関する支払額及び引当金 | (236,299) | (252,586) | (462,232) | ||
| 保険事業に関する費用 | (738,062) | (818,364) | (1,497,606) | ||
| その他の営業費用(3) | (303,639) | (332,986) | (609,364) | ||
| 営業費用合計 | (1,278,000) | (1,403,936) | (2,569,203) | ||
| 引当金及び税金控除前営業利益 | 777,593 | 826,962 | 1,513,340 | ||
| 引当金及び偶発債務(納税引当金を除く。) | (49,058) | (56,390) | (103,194) | ||
| 関連会社の利益に対する持分 | 1,507 | 2,629 | 4,811 | ||
| 税引前利益 | 730,042 | 773,201 | 1,414,958 | ||
| 納税引当金 | (184,348) | (193,839) | (354,725) | ||
| 税引後利益 | 545,694 | 579,362 | 1,060,232 | ||
| 少数株主持分 | (35,402) | (37,285) | (68,232) | ||
| 純利益(少数株主持分控除後) | 510,292 | 542,077 | 992,001 | ||
| 収益性: | |||||
| 以下に対する純利益(少数株主持分控除後)の比率 | |||||
| 総資産平均(%) | 2.05 | 2.02 | |||
| 株主資本平均(%) | 17.74 | 15.90 | |||
| 普通株式1株当たり: | |||||
| 利益-基本的(4) | 72.41 | 75.89 | 138.88 | ||
| 利益-希薄化後(5) | 71.14 | 74.77 | 136.83 | ||
| 帳簿価額(6) | 422.08 | 486.37 | 890.06 | ||
| 配当性向(%)(7) | 15.35 | 15.85 | - | ||
| 収入原価比率(%)(8) | 62.17 | 62.93 | - | ||
| 資産平均原価比率(%)(9) | 5.13 | 5.24 | - | ||
| 資本 | |||||
| 総資産平均に対する株主資本平均の比率(%)(10) | 11.54 | 12.72 | |||
(1) 受取利息には、法人所得税還付に係る利息収入が2025年度及び2026年度についてそれぞれ2.0十億ルピー及び7.3十億ルピー含まれている。
(2) 財務関連業務の収益(正味)が2025年度及び2026年度についてそれぞれ91.8十億ルピー及び92.7十億ルピー含まれている。
(3) 固定資産に関する減価償却費及びその他の一般経費が含まれる。
(4) 1株当たり利益は、加重平均株式数に基づき計算され、希薄化前の1株当たり純利益/(損失)を示す。
(5) 1株当たり利益は、加重平均株式数に基づき計算され、希薄化後の1株当たり調整済純利益/(損失)を示す。2025年度及び2026年度の各年度末現在において、それぞれ10,875,037株及び8,722,239株の普通株式を、それぞれ加重平均行使価格である1,022.4ルピー及び1,355.7ルピーで購入することのできる、従業員に対して付与されたオプションが残存していたが、かかるオプションは逆希薄化であったため、希薄化後1株当たり利益の計算には含まれなかった。
(6) 資本金、未行使従業員ストック・オプション並びに準備金及び剰余金の和から繰延税金資産及びのれんを差し引き、2026年度末現在の発行済株式数で除したものを示す。
(7) 当期純利益(少数株主持分控除後)に対する、持分株式資本に関して支払われる配当金総額の比率を示す。ある会計年度の配当は、通常、その翌会計年度に支払われる。
(8) 収益合計に対する営業費用の比率を示す。収益合計は、純利息収入及びその他の収益の合計を示す。
(9) 総資産平均に対する営業費用の比率を示す。
(10) 総資産平均に対する株主資本平均の比率を示す。株主資本平均は、資本平均、未払いの従業員ストック・オプション並びに優先株式資本を差し引いた準備金及び剰余金を示す。総資産平均は、有利子資産平均及び無利子資産平均の合計を示す。
(1) 連結収益情報
(a) 純利息収入
以下の表は、表示された期間における純利息収入の主要な構成項目を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | ||||||||
| 3月31日に終了した年度 | ||||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | |||||
| 受取利息(1) | 1,863,315 | 1,952,185 | 3,572,499 | 4.8 | ||||
| 支払利息 | (890,277) | (890,286) | (1,629,223) | 0.0 | ||||
| 純利息収入 | 973,038 | 1,061,899 | 1,943,275 | 9.1 | ||||
(1) 非課税所得については、課税がなされたものとしての再計算は行われていない。
(b) 利回り、スプレッド及び純金利差益率
以下の表は、表示された期間における有利子資産の利回り、スプレッド及び純金利差益率を示したものである。
| (単位:百万ルピー(%の数値を除く。)) | |||
| 3月31日に終了した年度 | |||
| 2025年 | 2026年 | ||
| 受取利息(1) | 1,863,442 | 1,952,329 | |
| 有利子資産平均 | 22,053,078 | 24,075,951 | |
| 支払利息 | 890,277 | 890,286 | |
| 有利子負債平均 | 17,287,355 | 18,578,783 | |
| 総資産平均 | 24,927,623 | 26,792,423 | |
| 総資産平均に占める有利子資産平均(%) | 88.47 | 89.86 | |
| 総資産平均に占める有利子負債平均(%) | 69.35 | 69.34 | |
| 有利子負債平均に占める有利子資産平均(%) | 127.57 | 129.59 | |
| 利回り(%) | 8.45 | 8.11 | |
| ルピー(%) | 8.68 | 8.39 | |
| 外貨(%) | 5.47 | 4.66 | |
| 資金調達コスト(%) | 5.15 | 4.79 | |
| ルピー(%) | 5.24 | 4.89 | |
| 外貨(%) | 4.00 | 3.48 | |
| スプレッド(2)(%) | 3.30 | 3.32 | |
| ルピー(%) | 3.44 | 3.50 | |
| 外貨(%) | 1.48 | 1.18 | |
| 純金利差益率(3)(%) | 4.41 | 4.41 | |
| ルピー(%) | 4.57 | 4.59 | |
| 外貨(%) | 2.33 | 2.15 | |
(1) 当行は、非課税所得につき課税がなされたものとして再計算している。課税がなされたものとして再計算された非課税所得における影響額は、2025年度の127百万ルピーと比較して2026年度は144百万ルピーであった。
(2) スプレッドは、有利子資産平均の利回りと有利子負債平均コストの差である。有利子資産平均の利回りは、有利子資産平均に対する受取利息の比率である。有利子負債平均コストは、有利子負債平均に対する支払利息の比率である。
(3) 純金利差益率は、有利子資産平均に対する純利息収入の比率である。純金利差益率とスプレッドの差は、有利子資産平均と有利子負債平均の差から生じている。有利子資産平均が有利子負債平均を上回った場合、純金利差益率は、スプレッドより大きくなり、有利子負債平均が有利子資産平均を上回った場合、純金利差益率はスプレッドより小さくなる。
純利息収入は、2025年度の973.0十億ルピーから9.1%増加して2026年度には1,062.0十億ルピーとなったが、これは、有利子資産平均額の9.2%の増加によるものであった。
***(***ⅰ) 純金利差益率
ルピー建ポートフォリオにおける純金利差益率は、2025年度の4.57%から2ベーシスポイント上昇して2026年度には4.59%となり、外貨建ポートフォリオにおける純金利差益率は、2025年度の2.33%から18ベーシスポイント低下して2026年度には2.15%となった。年度全体の純金利差益率は、2025年度及び2026年度のいずれも4.41%と、同レベルとなった。有利子資産平均の利回りは、2025年度の8.45%から34ベーシスポイント低下して2026年度には8.11%となった。資金調達コストは、2025年度の5.15%から36ベーシスポイント低下して2026年度には4.79%となった。
ルピー建ポートフォリオに係る利回りは、2025年度の8.68%から29ベーシスポイント低下して2026年度には8.39%となったが、これは主として以下の要因によるものであった。
・ルピー建貸付金の利回りは、2025年度の9.98%から55ベーシスポイント低下して2026年度には9.43%となった。ルピー建投資に係る利回りは、2025年度の7.05%から16ベーシスポイント低下して2026年度には6.89%となった。ルピー建てのその他の有利子資産に係る利回りは、2025年度の2.51%から2ベーシスポイント上昇して2026年度には2.53%となった。
・ルピー建貸付金の利回りは、主にレポレートの引下げ及び収益性の低い貸付の増加により減少した。
2026年3月31日現在、単体ベースでのICICIバンクのインド国内貸付総額のうち31%は固定金利であり、56%はレポレート及びその他の外部ベンチマークに連動した金利であり、13%が当行の資金調達の限界費用に基づく貸付金利及びその他の旧ベンチマークに連動した金利であった。外部基準金利が資金調達コストに対して異なる動きをすると、当行の純利息収入及び純金利差益率に影響を及ぼす。インド準備銀行のレポレートは、2025年2月の6.50%から125ベーシスポイント低下して5.25%(2025年2月に25ベーシスポイント、2025年4月に25ベーシスポイント、2025年6月に50ベーシスポイント、2025年12月に25ベーシスポイント)となった。当行の資金調達の限界費用に基づく貸付金利は、9.10%から75ベーシスポイント低下して8.35%(2025年4月に25ベーシスポイント、2025年5月に10ベーシスポイント、2025年6月に25ベーシスポイント、2025年9月に15ベーシスポイント)となった。これらの低下により、2026年度における当行の貸付ポートフォリオの利回りは減少した。貸付金の利回りに係る今後の変動は、レポレート、当行の資金調達の限界費用に基づく貸付金利及び銀行部門で通常適用されている金利の上昇又は低下に左右される。「-第2-3-(d)-(ⅳ) 貸付の条件決定」も参照のこと。
・ルピー建有利子国債の利回りは、主としてより低い市場利回りで国債への新規投資が行われたため低下した。国債以外の投資利回りは、主としてコマーシャル・ペーパー及びパススルー証券に対する利回りの減少並びに収益性の低い譲渡性預金の割合の増加に起因して減少した。
・ルピー建てのその他の有利子資産に係る利回りは、2025年度の2.51%から2ベーシスポイント上昇して2026年度には2.53%となった。これは主として、米国連邦準備制度における残高平均の増加、収益性の低い農業インフラ開発基金(RIDF)における預金の割合の低下及びインド準備銀行の無利息の残高平均の低下によるものであった。これらは、米国連邦準備制度における残高の利回りの低下並びにコールマネー及び定期貸付の割合の増加により一部相殺された。
・税還付に係る受取利息は、2025年度の2.0十億ルピーから増加し、2026年度には7.3十億ルピーとなった。かかる収益の受領、金額及び時期は、税務当局による決定の内容及び時期に左右されるため、一貫しておらず、また予測もできない。
ルピー建ポートフォリオに係る資金調達コストは、2025年度の5.24%から35ベーシスポイント低下して2026年度には4.89%となったが、これは主として以下の要因によるものであった。
・ルピー建預金コストは、2025年度の4.94%から28ベーシスポイント低下して2026年度には4.66%となった。これは、普通預金及び定期預金のコストの低下に起因していた。
ルピー建定期預金のコストは、2025年度の6.68%から20ベーシスポイント低下して2026年度には6.48%となった。普通預金のコストは、2025年度の3.16%から56ベーシスポイント低下して2026年度には2.60%となった。ルピー建ての平均当座預金及び平均普通預金がルピー建平均預金総額に占める割合は、2025年度に39.3%、2026年度には39.2%と、ほぼ同レベルとなった。2025年度第4四半期から2026年度第4四半期までにおいて、インド準備銀行はレポレートを6.50%から5.25%へと合計125ベーシスポイント低下させた。その結果、定期預金の金利の低水準での改定及び普通預金の金利の低下により、2026年度の預金コストが低下した。
・ルピー建借入コストは、2025年度の7.25%から57ベーシスポイント低下して2026年度には6.68%となった。これは主として、ICICIバンク、ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッド、ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッド及びICICIセキュリティーズ・リミテッドのルピー建借入コストの低下によるものであった。ICICIバンクのルピー建借入コストの低下は主として、銀行間参加型証書及びインド準備銀行の流動性調整枠下の借入に係るコストの低下並びに高コストの私募のディープディスカウント債のリファイナンス及び償還によるコストの低下に起因した。ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドのルピー建借入コストの低下は主として、インド準備銀行の借入、レポ借入、コール借入、通知付借入及び定期借入のコストが低下したことに起因した。ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドのルピー建借入コストの低下は主として、高コストの借入が満期を迎えたこと及び低コストでの新規借入に起因した。ICICIセキュリティーズ・リミテッドのルピー建借入コストの低下は主として、コマーシャル・ペーパーの形をとった借入コストの低下に起因した。
当行のルピー建預金総額の平均額がルピー建資金調達総額の平均額に占める割合は、2025年度の91.4%から2026年度には93.4%に増加した。
外貨建ポートフォリオにおける純金利差益率は、2025年度の2.33%から18ベーシスポイント低下して2026年度には2.15%となった。外貨建有利子資産平均額は、2025年度の1,586.0十億ルピーから14.0%増加し、2026年度には1,807.3十億ルピーとなった。外貨建有利子負債平均額は、2025年度の1,247.1十億ルピーから4.2%増加し、2026年度には1,300.1十億ルピーとなった。2026年度中、当行は、ルピーの流動性の一部を引き続き外貨に転換し、外貨建募集/投資へと振り分けた。これにより、外貨建資産平均額は外貨建負債平均額よりも大幅に高い数値となった。
当行の外貨建ポートフォリオに係る利回りは、2025年度の5.47%から81ベーシスポイント低下して2026年度には4.66%となったが、これは主として以下の要因によるものであった。
・当行の外貨建有利子資産平均額に係る利回りは、2025年度の5.58%から92ベーシスポイント低下して2026年度には4.66%となったが、これは主として貸付平均額及び投資平均額に係る利回りが低下したことに起因するものであった。貸付に係る利回りは、2025年度の6.18%から124ベーシスポイント低下して2026年度には4.94%となったが、これは主としてベンチマークである担保付翌日物調達金利の低下に起因している。
・ICICIバンクUKピーエルシーにおける有利子資産平均の利回りは低下したが、これは主として貸付平均額及びその他の有利子資産平均に係る利回りの低下によるものであり、投資平均額に係る利回りの上昇により一部相殺された。
・ICICIバンク・カナダにおける有利子資産平均の利回りは低下したが、これは主として貸付平均額、投資平均額及びその他の有利子資産平均に係る利回りの低下に起因している。
外貨建ポートフォリオの資金調達コストは、2025年度の4.00%から52ベーシスポイント低下して2026年度には3.48%となったが、これは外貨建預金及び外貨建借入に係るコストの低下によるものであった。
・ICICIバンク・カナダ、ICICIバンクUKピーエルシー及びICICIバンクの資金調達コストは、主として基準利息金利の低下による借入及び預金コストの減少により、2025年度と比較して2026年度には減少した。
当行の貸付金の利回り、受取利息、純利息収入及び純金利差益率は、システミック流動性状況、金利の変動、競争環境、不良債権の繰入の水準、規制の進展、金融政策並びに経済要因及び地政学的要因の影響を受ける。こういった進展は、純金利差益率に不利な影響を与える可能性がある。回収及び所得税還付に係る受取利息のタイミング及び額は、不確実である。
***(***ⅱ) 有利子資産
有利子資産平均額は、2025年度の22,053.2十億ルピーから9.2%増加して2026年度には24,076.0十億ルピーとなった。有利子資産平均額の増加は、主として貸付平均額が1,314.5十億ルピー、投資平均額が513.4十億ルピー増加したこと及びその他の有利子資産平均額が195.0十億ルピー増加したことに起因する。
ルピー建有利子資産平均額は、2025年度の20,467.1十億ルピーから8.8%増加して2026年度には22,268.7十億ルピーとなった。これは主として、貸付平均額及び投資平均額の増加によるものであった。ルピー建貸付平均額は、2025年度の12,747.8十億ルピーから10.8%増加して2026年度には14,127.7十億ルピーとなった。ルピー建投資平均額は、2025年度の6,626.6十億ルピーから7.4%増加して2026年度には7,117.7十億ルピーとなったが、これは主としてインド国債以外への有価証券投資額の増加によるものであった。その他のルピー建有利子資産平均額は、2025年度の1,092.7十億ルピーから6.4%減少して2026年度には1,023.3十億ルピーとなった。これは主として、現金準備率を維持するためのインド準備銀行における預け金残高及び農業インフラ開発基金への預金の減少に起因するが、コールマネーの貸付の増加により一部相殺された。
外貨建有利子資産平均額は、2025年度の1,586.0十億ルピーから14.0%増加して2026年度には1,807.3十億ルピーとなった。外貨建貸付平均額は、2025年度の1,011.7十億ルピーから6.5%減少して2026年度には946.2十億ルピーとなった。その他の外貨建有利子資産平均額は、2025年度の437.2十億ルピーから60.5%増加して2026年度には701.7十億ルピーとなった。これは主として、米国連邦準備制度理事会における預け金残高の増加に起因する。外貨建投資平均額は、2025年度の137.1十億ルピーから16.3%増加して2026年度には159.3十億ルピーとなった。
***(***ⅲ) 有利子負債
有利子負債平均額は、2025年度の17,287.4十億ルピーから7.5%増加して2026年度には18,578.8十億ルピーとなった。これは主に、預金平均額が1,456.4十億ルピー増加したことに起因するが、借入平均額が164.9十億ルピー減少したことにより一部相殺された。
ルピー建有利子負債平均額は、2025年度の16,040.2十億ルピーから7.7%増加して2026年度には17,278.7十億ルピーとなった。ルピー建定期預金平均額は、2025年度の8,474.3十億ルピーから9.8%増加して2026年度には9,302.9十億ルピーとなった。ルピー建ての平均当座預金及び平均普通預金は、2025年度の5,494.6十億ルピーから9.1%増加して2026年度には5,995.4十億ルピーとなった。ルピー建借入平均額は、2025年度の2,071.3十億ルピーから4.4%減少して2026年度には1,980.4十億ルピーとなった。ICICIバンクの借入平均額は、主として銀行間参加型証書、私募債、地金の借入、定期借入及びリファイナンスによる借入が減少したことにより減少した。
外貨建有利子負債平均額は、2025年度の1,247.1十億ルピーから4.2%増加して2026年度には1,300.1十億ルピーとなった。これは、定期預金及び当座預金の増加に起因するが、借入の減少により一部相殺された。外貨建借入平均額は、2025年度の533.9十億ルピーから13.9%減少して2026年度には459.9十億ルピーとなった。これは主として、ICICIバンクの外貨建借入の減少によるものであった。外貨建預金平均額は、2025年度の713.2十億ルピーから17.8%増加して2026年度には840.2十億ルピーとなった。ICICIバンクの外貨建預金平均額は、主として非居住者向け外貨建預金の増加により増加した。ICICIバンクUKピーエルシーの外貨建預金平均額は、主として法人預金の増加により増加した。ICICIバンク・カナダの外貨建預金平均額は、主として外国為替換算の影響により増加した。カナダドル(CAD)換算では、預金は、主として定期預金の減少により減少した。
「-3-(3)-(e) 当行の銀行業務及び取引業務は、特に金利リスクの影響を受けやすく、金利の変動は、当行の純金利差益率、固定利付ポートフォリオの評価、財務活動による収益、貸付ポートフォリオの価値及び財務実績に悪影響を及ぼす可能性がある。」も参照のこと。
(c) その他の収益
以下の表は、表示された期間におけるその他の収益の主要な構成項目を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 手数料、為替及び取引手数料 | 277,662 | 293,302 | 536,743 | 5.6 | |||
| 財務関連業務の収益(正味) | 91,846 | 92,725 | 169,687 | 1.0 | |||
| ‐外国為替/デリバティブ取引に係る収益/(損失)(正味) | 39,505 | 53,072 | 97,122 | 34.3 | |||
| ‐その他財務関連業務の 収益/(損失)(1) | 52,341 | 39,653 | 72,565 | (24.2) | |||
| 土地、建物及びその他の資産の売却 利益/(損失)(正味) | 439 | 2,886 | 5,281 | - | |||
| 保険料及びその他保険事業による営業収益 | 709,008 | 776,242 | 1,420,523 | 9.5 | |||
| 雑収益 | 5,107 | 6,473 | 11,846 | 26.7 | |||
| ‐関連会社の利益に対する持分 | 1,507 | 2,629 | 4,811 | 74.4 | |||
| ‐その他 | 3,600 | 3,844 | 7,035 | 6.8 | |||
| その他の収益合計(関連会社の利益に対する持分を含む。) | 1,084,062 | 1,171,628 | 2,144,079 | 8.1 | |||
(1) 投資の売却及び投資の再評価に係る利益/(損失)を含む。
その他の収益には、主として当行の保険事業に関する収益、手数料、為替及び取引手数料収入、財務関連業務の利益/(損失)並びにその他の雑収益が含まれる。
その他の収益(関連会社の利益に対する持分を含む。)は、2025年度の1,084.1十億ルピーから8.1%増加し、2026年度には1,171.6十億ルピーとなった。これは主として、正味既経過保険料及びその他保険事業による営業収益の増加、手数料、為替及び取引手数料の増加、並びに財務関連業務の収益の増加によるものであった。
***(***ⅰ) 手数料、為替及び取引手数料
手数料、為替及び取引手数料収入には、主に当行の銀行事業からの手数料、並びに当行の証券仲介子会社、資産管理子会社及びプライベート・エクイティ・ファンド運用子会社における手数料及び取引手数料収入が含まれる。当行の銀行事業からの手数料収入には、クレジットカードに係る手数料、デビットカードに係る手数料及び小口向け預金口座に係るサービス手数料等の貸付関連手数料及びトランザクションバンキング手数料等の小口顧客からの手数料、並びに現金管理サービス、銀行の保証予約証書、信用状及び手形割引等の手数料等の貸付関連手数料及びトランザクションバンキング手数料等の商業銀行業務手数料が含まれる。
手数料、為替及び取引手数料収入は、2025年度の277.7十億ルピーから増加し、2026年度には293.3十億ルピーとなった。これは主としてトランザクションバンキング手数料、貸付関連手数料及び資金運用手数料の増加によるものであった。トランザクションバンキング手数料は、主にデビットカードに係る手数料収入の増加により、2025年度の134.4十億ルピーから2026年度には137.9十億ルピーに増加した。貸付関連手数料は、2025年度の48.2十億ルピーから2026年度には55.3十億ルピーに増加した。資金運用手数料は、2025年度の47.9十億ルピーから2026年度には59.0十億ルピーに増加した。証券取引手数料は、2025年度の20.7十億ルピーから2026年度には16.6十億ルピーに減少した。第三者商品の販売手数料は、2025年度の11.7十億ルピーから2026年度には11.9十億ルピーに増加した。
***(***ⅱ) 財務関連業務の収益(正味)
財務関連業務の収益には、投資の売却利益並びに固定利付債券、普通株式及び優先株式ポートフォリオ、ベンチャー・キャピタル及びプライベート・エクイティ・ファンドのユニット、ミューチュアル・ファンドのユニット並びに資産再構築会社により発行された有価証券受領証における未実現利益/(損失)の変動による投資の再評価が含まれる。さらに、外国為替取引(顧客とのあらゆる外国為替取引並びにオプション及びスワップを含むデリバティブ取引により構成される。)からの利益が含まれる。
財務関連業務の収益は、2025年度の91.8十億ルピーから増加して2026年度には92.7十億ルピーとなった。
当行の株式ポートフォリオからの収益は、2025年度の27.3十億ルピーから2026年度には27.4十億ルピーとなり、横ばいとなった。
当行の国債のポートフォリオ及びその他の固定利付債券のポジションは、2025年度には17.7十億ルピーの収益が生じたのに対し、2026年度は8.4十億ルピーの収益となった。これは主に、国債の利回りの低下及びトレーディング収益の増加による。
顧客との取引を含む外国為替取引及び顧客とのデリバティブ取引に係る利鞘からの収益は、2025年度の39.5十億ルピーから増加して2026年度には53.1十億ルピーとなった。
***(***ⅲ) 保険料及び当行のその他保険事業による営業収益
保険料及び当行のその他保険事業による営業収益は、正味保険料収入、報酬及び手数料収益、解約手数料並びに保険の担保権実行に係る収益を含んでいる。保険事業に関する保険料及びその他の営業収益は、2025年度における709.0十億ルピーから9.5%増加して2026年度には776.2十億ルピーとなった。これは、当行の生命保険及び総合保険事業の両方からの収益が増加したことによる。
当行の生命保険子会社からの正味保険料収入は、2025年度における471.9十億ルピーから12.4%増加して2026年度には530.4十億ルピーとなった。ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの保険料収入(出再保険料の総額)は、2025年度における489.5十億ルピーから8.5%増加して2026年度には531.3十億ルピーとなった。これは主として、グループ保険料及び小口向け継続保険料が増加したことによる。正味グループ保険料は、2025年度における134.1十億ルピーから16.4%増加して2026年度には156.1十億ルピーとなった。小口向け正味継続保険料は、2025年度における255.1十億ルピーから7.5%増加して2026年度には274.3十億ルピーとなった。出再保険料は、2025年度の16.9十億ルピーから5.8%増加して2026年度には17.9十億ルピーとなった。当行の生命保険子会社の報酬及びその他の生命保険関連収益は、2025年度における26.6十億ルピーからわずかに1.5%増加して2026年度には27.0十億ルピーとなった。
当行の総合保険事業による収益は、2025年度における210.5十億ルピーから12.4%増加して2026年度には236.7十億ルピーとなった。当行の総合保険子会社からの保険料収益総額は、2025年度の282.6十億ルピーから増加して2026年度には306.2十億ルピーとなった。これは主として、健康保険及び自動車保険事業部門における増加によるものであった。2024年10月1日付で、2024年6月11日付の総合保険に関するIRDAIマスターサーキュラーに従い、長期商品の保険料は、全保険期間分を先行計上するのではなく、保険期間にわたり1/n法を用い比例配分して認識される。出再保険料は、2025年度における75.0十億ルピーから3.4%減少して2026年度には72.4十億ルピーとなった。
***(***ⅳ) 雑収益
雑収益は、2025年度の5.1十億ルピーから増加し、2026年度には6.5十億ルピーとなった。これは主として、関連会社の利益に対する持分が増加したことによる。
(d) 営業費用
以下の表は、表示された期間における営業費用の主要な構成項目を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 従業員に関する支払額及び引当金 | 236,299 | 252,586 | 462,232 | 6.9 | |||
| 当行の不動産に関する減価償却 | 25,972 | 30,303 | 55,454 | 16.7 | |||
| 監査報酬及び費用 | 349 | 382 | 699 | 9.5 | |||
| 保険事業に関する費用 | 738,062 | 818,364 | 1,497,606 | 10.9 | |||
| その他の営業費用 | 277,318 | 302,301 | 553,211 | 9.0 | |||
| 営業費用合計 | 1,278,000 | 1,403,936 | 2,569,203 | 9.9 | |||
営業費用は、主として当行の保険事業に関する費用、従業員に関する支払額及び引当金並びにその他の営業費用を含む。営業費用は、2025年度における1,278.0十億ルピーから9.9%増加し、2026年度には1,403.9十億ルピーとなった。これは主として、従業員に関する支払額及び引当金並びに当行の保険事業に関する費用の増加によるものであった。
***(***ⅰ) 従業員に関する支払額及び引当金
雇用経費は、2025年度の236.3十億ルピーから6.9%増加し、2026年度には252.6十億ルピーとなった。当行の従業員数(セールス・エグゼクティブ、契約社員及びインターンを含む。)は、2025年度末現在の182,665名から減少し、2026年度末現在には174,666名となった。
2025年11月、政府は新たな労働法を公布し、これを受けてICICIグループは、一定の見積り及び予測に基づき、2.1十億ルピーを損益計算書に計上した。関連規則及び特定の重要な明確化が待たれており、解釈及び業界慣行も未だ形成の途上にある。上記の影響の見積りは、最終的な規則、業界慣行及びICICIグループの従業員の報酬に関する随時の改定に基づき、再評価され、確定される。
ICICIバンクの雇用経費は、2025年度の165.4十億ルピーから8.7%増加し、2026年度には179.7十億ルピーとなった。雇用経費の増加は、主として、給与コスト、業績連動ボーナスに対する引当金、業績連動退職金、退職給付債務引当金及び従業員ストック・オプションの公正価値の増加によるものであった。給与コストの増加は、主に年次昇給及び昇進によるものであったが、平均従業員規模の縮小により一部相殺された。ICICIバンクの平均従業員数(セールス・エグゼクティブ、契約社員及びインターンを含む。)は、2025年度の134,567名から4.6%減少し、2026年度には128,311名となった。退職給付債務引当金の増加は、主に原資産の評価減によるものであったが、国債の利回りに連動する割引率の上昇により一部相殺された。
ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの雇用経費は、2025年度の15.2十億ルピーから13.8%増加し、2026年度には17.3十億ルピーとなった。ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドの雇用経費は、2025年度の4.7十億ルピーから21.4%増加し、2026年度には5.8十億ルピーとなった。
***(***ⅱ) 減価償却
当行の不動産に関する減価償却は、2025年度の26.0十億ルピーから16.7%増加し、2026年度には30.3十億ルピーとなった。
***(***ⅲ) その他の営業費用
その他の営業費用には、主として賃借料、税金及び照明費、広告宣伝費、保守修繕費、直接販売代理店費用、優先部門貸付証書の購入に関して支払われる割増料並びにその他の費用が含まれる。ICICIグループのその他の営業費用は、2025年度の277.3十億ルピーから9.0%増加し、2026年度には302.3十億ルピーとなった。
当行のその他の営業費用は、2025年度の237.0十億ルピーから13.0%増加し、2026年度には267.9十億ルピーとなった。これは主に、優先部門貸付証書の購入に関して支払われる割増料、保守修繕費、技術関連費用、直接販売代理店費用、賃借料、税金及び照明費、並びに保険料の増加によるものであるが、広告宣伝費の減少により一部相殺された。
当行の資産管理子会社のその他の営業費用は、2025年度の7.8十億ルピーから増加し、2026年度には8.9十億ルピーとなったが、これは主として、取引量に連動したオルタナティブ投資ファンド(AIF)/ポートフォリオ管理サービス(PMS)仲介手数料及びその他の間接費の増加によるものであった。
当行の住宅金融子会社のその他の営業費用は、2025年度の4.2十億ルピーから増加し、2026年度には4.7十億ルピーとなった。これは主として顧客獲得費用、専門家費用及び法務費用、旅費及び交通費、並びにその他の事務管理費の増加によるものである。
当行の生命保険子会社のその他の営業費用は、2025年度の20.2十億ルピーから減少し、2026年度には12.8十億ルピーとなった。これは主として、広告費用の減少によるものである。
当行の証券子会社のその他の営業費用は、2025年度の8.8十億ルピーから減少し、2026年度には6.7十億ルピーとなった。これは主としてパートナーへの支払、販売費用及び賃借費用の減少によるものである。
***(***ⅳ) 保険事業に関する費用
当行の保険事業に関する費用には、支払保険金及び支払給付金、支払手数料並びに責任準備金(当行の生命保険事業に関連したユニットリンク保険契約に係る保険料の投資可能部分を含む。)が含まれる。当行の保険事業に関する費用は、2025年度は738.1十億ルピーとなり、2026年度には818.4十億ルピーとなった。
当行の生命保険子会社に関する費用は、2025年度の543.8十億ルピーから9.8%増加し、2026年度には597.1十億ルピーとなった。これは主として、支払われた保険金が2025年度の91.4十億ルピーから2026年度には151.4十億ルピーに、支払われた手数料が2025年度の48.6十億ルピーから2026年度には57.3十億ルピーに増加したことによるものであるが、(非ユニットリンク)保険契約者負債に対する引当金が2025年度の171.7十億ルピーから2026年度には148.7十億ルピーに減少したことにより一部相殺された。
ユニットリンク保険契約に係る保険料の投資可能部分に係る生命保険事業の責任準備金は、契約件数の増加に伴い、2025年度の233.9十億ルピーから2.6%増加し、2026年度には240.0十億ルピーとなった。当行の生命保険事業に関連した保険契約に係る保険料の投資可能部分は、リスク補填に係る手数料及び保険料の差引後、原資金に対して投資された生命保険事業に関連した保険契約から受領する継続保険料を含む保険料の金額を表す。
当行の総合保険子会社に関する費用は、2025年度の194.3十億ルピーから増加し、2026年度には221.3十億ルピーとなった。これは主として、支払手数料並びに支払保険金及び支払給付金の増加によるものである。正味支払手数料は、2025年度の38.4十億ルピーから増加し、2026年度には44.8十億ルピーとなった。これは主として、とりわけ自動車保険及び健康保険事業部門における支払手数料の増加によるものである。支払保険金/支払給付金は、2025年度の139.9十億ルピーから13.2%増加し、2026年度には158.3十億ルピーとなった。これは、自動車保険及び健康保険事業部門における正味発生保険金の増加によるものである。損害率(正味発生保険金/正味既経過保険料)は、2025年度末現在の70.6%から上昇し、2026年度末現在には71.1%となった。これは、自動車保険事業部門における支払保険金の増加によるものである。
「-第2-3-(b)-(ⅻ) 保険」も参照のこと。
(e) 引当金及び偶発債務(租税引当金を除く。)
***(***ⅰ) 不良債権及び条件緩和貸付に関する引当金
当行は、インド準備銀行のガイドラインに従って、その資産(海外支店の資産を含む。)を優良であるか不良であるかに分類している。当行の住宅金融子会社は、その貸付及びその他の与信枠をインド準備銀行のガイドラインに従って分類している。インド準備銀行のガイドラインの下、不良資産は、一定の所定の基準に基づき、要管理先資産、破綻懸念先資産及び破綻先資産に分類される。海外支店で保有される貸付金のうち、貸付実施国の規制では減損しているとみなされるがインド準備銀行のガイドラインでは正常であるものは、貸付実施国における残高については不良資産であると特定される。当行の英国子会社における貸付は、貸付の最初の認識後に生じた1つ又は複数の事由(損失事由)の結果として減損が生じた具体的な証拠があり、かつかかる損失事由が確実に予測することが可能な貸付の将来における予測キャッシュ・フローに影響を与える場合、減損貸付として分類される。当行のカナダ子会社における貸付は、将来における予測キャッシュ・フローに悪影響を与える1つ又は複数の事由が生じた場合、信用減損されたとみなされる。
返済期限、元本、分割返済に係る変更又は金利の引下げ等の譲許型な修正がされ、貸付が不良債権に格下げされた場合、貸付はリストラクチャリングされたものとして分類される。自然災害による貸付のリストラクチャリング、実施予定のプロジェクトの営業運転開始日の猶予を含むリストラクチャリング及び特定の中小企業のリストラクチャリングは、継続して条件緩和正常先貸付として分類される。さらに、インド準備銀行は、特定の条件に基づき当該エクスポージャーを正常先に分類するとともに、適格な借入人向け貸付に対する破綻処理計画を導入するための健全性枠組みを策定した。
当行は、不良資産特定のため、主に規模、信用格付及び延滞日数に係る一定の条件に関する貸付勘定の検討を含めて、内部統制を強化している。
当行は正常先、要管理先、破綻懸念先又は破綻先の分類に基づく資産に対する引当金を、インド準備銀行が定める最低引当要件に従い、内部の引当基準に応じて設定している。破綻先資産及び破綻懸念先資産の無担保の部分については、インド準備銀行のガイドラインにより定められる範囲内で、全額、引当金の繰入又は貸倒償却がなされる。海外支店の貸付については、当行は内部の引当基準又は受入国の規制に従い、いずれか多い方の額で引当金を設定する。当行は、インド準備銀行による指示に従い、不良貸付金及び特定の正常貸付金に対する特定引当金を保有している。当行の英国子会社は、貸倒引当金を、識別された信用損失及び発生したが識別不可能な損失を吸収するために経営陣が適当と考える水準に維持している。当行のカナダの子会社は、予定貸倒損失モデルを用いて、すべての金融資産に係る引当金を維持している。減損後の金融資産に係る予定貸倒損失は、当該資産の予定キャッシュ・フローに係る個別の評価に基づき算定される。
インド準備銀行に不正があると報告され、破綻懸念先勘定に分類された非小口向け貸付については、そのいかなる担保価値を考慮することなくその全額に対して、不正が報告された四半期から4四半期を超えない期間にわたり引当金が設定される。インド準備銀行への不正に関する報告が遅れた又は破綻先勘定に分類された非小口向け貸付については、その全額に対して直ちに引当金が設定される。小口向け貸付における不正の場合、その全額に対して直ちに引当金が設定される。当行は、貸付条件が緩和/再調整された貸付に対する引当金を、銀行による貸付のリストラクチャリングに係るインド準備銀行のガイドラインに従って設定している。
不良資産に係る特定の引当金に加えて、当行は、正常先貸付及び貸付条件が緩和/再調整された貸付に対する一般引当金を、インド準備銀行が定める比率で保持している。海外支店の正常先貸付については、貸付実施国の規制要件及びインド準備銀行の要件のうちより多い額の一般引当金を設定している。また、当行は、特にストレスを受ける部門の特定借入人、インド企業の孫会社へのエクスポージャーに対する貸付金に対して追加の一般引当金を設定している。さらに、インド準備銀行の「新型コロナウイルス感染症に関連するストレスに係る破綻処理の枠組み」に係るガイドラインでは、特定の貸付に関する破綻処理計画の健全性枠組みが規定されている。インド準備銀行のガイドラインでは、銀行がかかる貸付につき最低10%の引当金を設定することを規定している。当行は、インド準備銀行のガイドラインに規定される要件と同等又はそれ以上の比率で、当該貸付の一般引当金を設定している。
当行は、慎重な判断の下、一定の貸付ポートフォリオに対して、偶発損失引当金を設定した。当行はまた、一定の正常先資産に係る追加の偶発損失引当金を設定している。かかる偶発損失引当金は「その他の負債及び引当金」に含まれる。
***(***ⅱ) 不良債権対策
回収不能な不良債権について、借入人が返済能力を喪失している場合には、当行は、裁判外の和解による解決、担保の強化、整理統合の推進及びとりわけ期限を定めた借入人の資産の売却を通じた回収を含む特定の状況における破産・倒産法に基づく破綻処理の模索を目的としたアプローチを採用している。当行は、回収の時間的価値及び解決に向けての実際的なアプローチに重点を置いている。当行の回収努力の成功にとっての重要な要素は、当行の債権に対する担保にある。債権に対する担保の価値が損なわれている特定の口座において、当行は、保有貸付損失引当金に対する貸倒償却を請け負う。しかし、当行は、その他貸付人と共同又は法的手段及び訴訟和解金により個別に、当該口座における回収努力を継続する。当行はまた、特定の小口向け資産及びサービスに関する申立て及び紛争の迅速な解決のために、裁判所又は法廷に訴える代わりに、オンライン紛争解決手続(独立した機関によって処理される調停、和解若しくは仲裁又はそれらの組み合わせを伴う。)を採用している。また、当行は、監視下にある債権の積極的な管理を行っている。当行の対策は、初期問題に対する早期解決を目指している。
不良資産の清算に係る当行の対策には、資産再構築会社により発行されたパススルー証券の形の有価証券受領証と引換えに行われる資産再構築会社への金融資産の売却が含まれており、この場合有価証券の保有者に対する支払いは、譲渡資産からの実際に実現したキャッシュ・フローに基づいて行われている。インドGAAPに基づき、これらの証券は、資産再構築会社によって宣言された純資産価値で評価され、インド準備銀行が定める最低引当要件に従い、内部の基準に応じて引当金が設定される。米国GAAPの下では、当行が有価証券受領証と引換えに売却する資産は、売却として計上されない。これは、かかる譲渡はFASB ASC Topic 860の下において当行が保有する売却として計上されないこと、又は、「譲渡及びサービス業務」若しくは譲渡は、FASB ASC Subtopic 810-10に規定された「連結-全般」によって大きく影響されるものであるという、いずれかの理由による。「連結-全般」においては、当行はこれら一定のファンド/信託の「第一受益者」であるとされ、米国GAAPの下でこれらの事業体を連結することが要求されているからである。これらの資産は米国GAAPの下ではリストラクチャリングされた資産とみなされる。「-第2-3-(f)-貸倒引当金及び不良資産」も参照のこと。
当行は、積極的な改善策を講じられるよう当行の借入人の信用格付の動向を監視している。当行は、業界予想を検討し、規制及び財政環境の変化が及ぼす影響を分析する。当行の定期的な審査制度により、当行は債権の状態を監視し、速やかに改善措置を講じることができる。当行は、当行の担保権の実行を通じて貸付金の回収を求めることができる。しかし、インドにおける法的手続は長期間に及ぶため、数年間その回収が遅れる可能性がある。このため、担保権の執行及び実行に遅れが生じている。当行はまた、市場性のある有価証券を含めた金融資産の担保を取得し、また、適当である限りスポンサーの法人保証及び個人保証を受けることができる。一定の場合には、融資の条件に、スポンサーによる借入人の株式保有に関する遵守事項及びスポンサーが保有する当該株式のすべて又は一部を売却する権限に関する制限が含まれる。株式に関する遵守事項は、株価の動向により誓約事項が追加される仕組みとなっている。当行は、担保の執行手続が継続している間は、当行の帳簿上の不良資産を保有し続ける。したがって、不良資産は、貸付勘定が決済されるか又は担保が実行されるまで、当行のポートフォリオにおいて、同様の状況における米国の銀行と比べ長期間保有されることとなる。「-第2-3-(d)-(ⅰ) 担保設定、対抗要件具備及び実行」も参照のこと。
当行の小口顧客向け担保付貸付は、調達された資産(主に不動産及び車両)により担保されている。当行は、当行の担保書面により、裁判所又は裁決機関に委託することなく、工場、設備及び車両等の資産により構成される担保につき実行する権限を有している(顧客がかかる裁判所又は裁決機関に当行の措置を停止するよう委託した場合を除く。)。小口向け貸付に関し、当行は、支払期日を経過した貸付の調査及び延滞額の回収のための迅速な対応を確保することを目的とした、標準的な回収手続を採用している。
***(***ⅲ) 不良債権
以下の表は、表示された期間における当行の不良債権ポートフォリオ総額(償却額控除、仮利息及びデリバティブ所得の戻入れ後)の変動を示したものである。(1)
| (単位:百万) | ||||||
| 3月31日現在 | ||||||
| 細目 | 2025年(ルピー) | 2026年(ルピー) | 2026年(円) | |||
| A. 消費者ローン及びクレジットカード債権(2) | ||||||
| 年度初めにおける不良債権 | 119,232 | 131,554 | 240,744 | |||
| 加算:年度中における新規不良債権 | 176,661 | 156,532 | 286,454 | |||
| 控除:格上げ(3) | (45,869) | (40,610) | (74,316) | |||
| 回収(格上げされた口座による回収を除く。) | (44,182) | (47,426) | (86,790) | |||
| 償却額 | (74,288) | (78,048) | (142,828) | |||
| 年度末における不良債権 | 131,554 | 122,002 | 223,264 | |||
| B. 商業(4) | ||||||
| 年度初めにおける不良債権 | 160,376 | 111,756 | 204,513 | |||
| 加算:年度中における新規不良債権 | 33,098 | 41,548 | 76,033 | |||
| 控除:格上げ(3) | (11,446) | (10,458) | (19,138) | |||
| 回収(格上げされた口座による回収を除く。) | (41,158) | (21,203) | (38,801) | |||
| 償却額 | (29,114) | (9,372) | (17,151) | |||
| 年度末における不良債権 | 111,756 | 112,271 | 205,456 | |||
| C. リース及び関連業務 | ||||||
| 年度初めにおける不良債権 | - | - | - | |||
| 加算:年度中における新規不良債権 | - | - | - | |||
| 控除:格上げ(3) | - | - | - | |||
| 回収(格上げされた口座による回収を除く。) | - | - | - | |||
| 償却額 | - | - | - | |||
| 年度末における不良債権 | - | - | - | |||
| D. 不良債権合計(A+B+C) | ||||||
| 年度初めにおける不良債権 | 279,608 | 243,310 | 445,257 | |||
| 加算:年度中における新規不良債権 | 209,759 | 198,080 | 362,486 | |||
| 控除:格上げ(3) | (57,315) | (51,068) | (93,454) | |||
| 回収(格上げされた口座による回収を除く。) | (85,340) | (68,629) | (125,591) | |||
| 償却額 | (103,402) | (87,420) | (159,979) | |||
| 年度末における不良債権(4) | 243,310 | 234,273 | 428,720 | |||
(1) 各子会社の規制当局により発表されたガイドラインに従って減損貸付と認められたものを含む。
(2) 住宅ローン、自動車ローン、商業ビジネスローン、二輪車ローン、個人向け貸付、クレジットカード債権、宝石ローン、開発業者向け金融及び農村向け金融商品を含む。
(3) 不良と分類されていたが正常に格上げされた口座をいう。
(4) 運転資金の回収を含む。
消費者ローン不良債権の増加分総額は、2025年度の176.7十億ルピーから減少し、2026年度には156.5十億ルピーとなった。これは主として、無担保ローン(個人向け貸付及びクレジットカード)及び住宅ローンにおける増加額の縮小によるものである。2026年度において、当行は、2025年度の45.9十億ルピーに対し、40.6十億ルピーの消費者ローン不良債権の格上げを行った。2026年度において、当行は、消費者ローン不良債権を47.4十億ルピー(2025年度は44.1十億ルピー)回収し、不良債権を78.1十億ルピー(2025年度は74.3十億ルピー)償却した。消費者ローン不良債権の総額は、2025年度末現在の131.6十億ルピーから減少し、2026年度末現在には122.0十億ルピーとなった。
商業ローン不良債権の増加分総額は、2025年度の33.1十億ルピーから増加し、2026年度には41.6十億ルピーとなった。これは主として、ビジネス・バンキング・ポートフォリオにおける増加額の拡大によるものである。2026年度において、当行は、2025年度の11.4十億ルピーに対し、10.5十億ルピーの商業ローン不良債権の格上げを行い、また2026年度において、2025年度の41.2十億ルピーに対し、21.2十億ルピーの商業ローン不良債権の回収を行った。商業ローンは、個別の債務者ごとの回収の確率及び貸付の回収可能性の評価に基づき、2025年度は29.1十億ルピーが償却されたのに対し、2026年度は9.3十億ルピーが償却された。商業ローン不良債権の総額は、2025年度末現在の111.7十億ルピーから増加し、2026年度末現在には112.3十億ルピーとなった。
上記の結果、当行の不良債権総額は、2025年度末現在の243.3十億ルピーから3.7%減少し、2026年度末現在には234.3十億ルピーとなった。当行の純不良債権額は、2025年度末現在の61.6十億ルピーから1.0%減少し、2026年度末現在には61.0十億ルピーとなった。純不良債権比率は、2025年度末現在及び2026年度末現在において0.4%であった。
不良債権として分類された借入人に対する資金を基盤としない残高の総額は、2025年3月31日現在の30.8十億ルピーに対し、2026年3月31日現在は21.7十億ルピーであった。
***(***ⅳ) 条件緩和貸付
以下の表は、表示された日現在における条件緩和正常先貸付に関するロールフォーワード及び平均残高の情報を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日現在 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/ 2025年 増減(%) | ||||
| 期首残高(条件緩和貸付総額) | 35,680 | 23,598 | 43,184 | (33.9) | |||
| 追加:当年度中にリストラクチャリングされた貸付 | - | - | - | - | |||
| 追加:過去の条件緩和貸付/借入人の貸付残高の増加 | 516 | 1,968 | 3,601 | 281.4 | |||
| 控除:当年度中に正常先区分に格上げされた貸付 | - | - | - | - | |||
| 控除:当年度中に不良債権区分に格下げされた貸付 | (1,964) | (896) | (1,640) | (54.4) | |||
| 控除:当年度中の返済額/経営変更/当年度中に転換された株式 | (10,634) | (6,397) | (11,707) | (39.8) | |||
| 条件緩和貸付総額 | 23,598 | 18,273 | 33,440 | (22.6) | |||
| 条件緩和貸付に対する引当金 | (900) | (647) | (1,184) | (28.0) | |||
| 条件緩和貸付純額 | 22,698 | 17,626 | 32,256 | (22.3) | |||
| 条件緩和貸付純額の平均残高(1) | 25,824 | 20,695 | 37,872 | (19.9) | |||
| 貸付総額 | 14,389,294 | 16,620,543 | 30,415,594 | 15.5 | |||
| 貸付純額 | 14,206,637 | 16,446,580 | 30,097,241 | 15.8 | |||
| 条件緩和貸付総額の貸付総額に対する比率 | 0.2% | 0.1% | |||||
| 条件緩和貸付純額の貸付純額に対する比率 | 0.2% | 0.1% | |||||
(1) 平均残高とは、前年度の3月末現在並びに当年度の6月末、9月末、12月末及び3月末現在における各四半期の貸付残高の平均である。
(2) 当行はまた、インド準備銀行が発行したガイドラインに規定される最低引当要件に従って、かかる条件緩和貸付に対して2026年度末現在4,765百万ルピー(2025年度末現在:5,989百万ルピー)の一般引当金を保有している。
2026年度には、1.0十億ルピーの条件緩和正常先貸付が、借入人がリストラクチャリングされた債務の条件に従い履行できなかったことにより、不良債権に分類された。条件緩和正常先貸付総額残高は、2025年度末現在の23.6十億ルピーから減少し、2026年度末現在には18.3十億ルピーとなり、条件緩和貸付純額残高は、2025年度末現在の22.7十億ルピーから減少し、2026年度末現在には17.6十億ルピーとなった。
2026年度末現在において、条件緩和貸付と分類された借入人に対する当行の資金を基盤としない与信枠の残高は、2.6十億ルピーであった。
不良債権総額及び条件緩和正常先貸付総額の合計額は、2025年度末現在の266.9十億ルピーから14.4十億ルピー減少(5.4%減)し、2026年度末現在には252.5十億ルピーとなった。不良債権純額及び条件緩和貸付純額の合計額は、2025年度末現在の84.3十億ルピーから5.7十億ルピー減少(6.7%減)し、2026年度末現在には78.6十億ルピーとなった。
***(***ⅴ) 引当金及び偶発債務(租税引当金を除く。)
以下の表は、表示された期間における引当金及び偶発債務(租税引当金を除く。)の構成を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 投資引当金(正味) | 8,001 | (1) | (6,060) | (11,090) | N/M | ||
| 不良資産及びその他の資産に対する引当金 | 41,272 | (1) | 62,768 | 114,865 | 52.1 | ||
| 正常先資産に対する引当金 | 7,011 | 8,355 | 15,290 | 19.2 | |||
| その他 | (7,226) | (8,675) | (15,875) | 20.1 | |||
| 引当金及び偶発債務(租税引当金を除く。)総額 | 49,058 | 56,388 | 103,190 | 14.9 | |||
(1) 資産再構築会社に対する貸付債権の売却及び有価証券受領証の受取りに関する引当金の振替(16.0十億ルピー)を含む。
* N/M-非適用
引当金及び偶発債務(租税引当金を除く。)は、2025年度の49.1十億ルピーから14.9%増加し、2026年度には56.4十億ルピーとなった。これは主として、不良資産及びその他の資産に対する引当金が増加したことに起因するが、その他の引当金及び偶発債務が減少したことにより一部相殺された。
不良資産及びその他の資産に対する引当金は、2025年度の41.3十億ルピーから増加し、2026年度には62.8十億ルピーとなった。2025年度中、当行は、資産再構築会社に対する全額引当済の貸付債権の売却に伴い、有価証券受領証を受け取った。当行は、「不良資産及びその他の資産に対する引当金」からの振替により、引き続き「投資引当金」を計上した。2026年度中、年次監督審査の結果、インド準備銀行は、農業優先部門向け与信枠のポートフォリオについて、当該信用供与条件が、農業優先部門貸付として分類されるための規制要件を十分に満たしていないことが判明したことから、当行に対し、正常先資産に対する引当金として12.8十億ルピーを計上するよう指示した。資産分類又は借入人に適用される条件若しくは当該条件に基づく借入人の返済行動に変更はない。この追加の正常先資産に対する引当金は、当該貸付が優先部門貸付分類ガイドラインに従って返済又は更新されるまで継続される。インド準備銀行の指示による上記の引当金及び2025年度中の資産再構築会社に対する貸付債権の売却に係る引当金の変動を除き、2026年度中の不良資産及びその他の資産に対する引当金は、2025年度と比較して減少した。これは主として、小口向け貸付及び農村向け貸付における不良債権総額への流入額の減少に起因している。2025年度中、主に小口向け貸付及び農村向け貸付において、不良資産に対する正味追加が増加した。
投資引当金は、2025年度には8.0十億ルピーであったのに対し、2026年度は、主に当行における引当金の戻入により、6.1十億ルピーの戻入となった。2026年度において、当行は、有価証券受領証の償還に対する5.0十億ルピー並びに資金及びユニットの受取並びに株式への転換に伴うディベンチャーに対する1.6十億ルピーの引当金戻入を行った。2025年度中にICICIバンクは、貸付からの転換により受け取った有価証券受領証に対して16.1十億ルピーの引当金を設定した。これは、オルタナティブ投資ファンドへの投資に対する3.9十億ルピー、有価証券受領証の償還に対する2.4十億ルピー及び株式価格の上昇に起因する普通株式に対する0.4十億ルピーの引当金戻入により一部相殺された。
正常先資産に対する引当金は、2025年度の7.0十億ルピーから増加し、2026年度には8.4十億ルピーとなった。これは主として、当行の正常先資産に対する引当金の増加に起因する。当行の正常先資産に対する引当金は、2025年度の5.8十億ルピーから増加し、2026年度には7.7十億ルピーとなった。これは主として、正常先貸付残高の増加によるものである。
その他の引当金及び偶発債務の戻入は、2025年度の7.2十億ルピーから増加し、2026年度には8.7十億ルピーとなった。これは主として、当行におけるその他の引当金及び偶発債務の戻入の増加によるものである。当行のその他の引当金及び偶発債務の戻入は、2025年度の7.6十億ルピーから増加し、2026年度には9.4十億ルピーとなった。2026年度において、当行は主に、非銀行資産の売却により2.8十億ルピーの戻入を行い、また借入人の業績が良好であったことを受け、資金を基盤としない残高に対して保有していた3.4十億ルピーの戻入を行った他、方針の変更に伴い、建設仮勘定に係る0.9十億ルピーの引当金の戻入を行った。2025年度において、当行は、正常先区分に格上げされた非小口向けの条件緩和不良資産に対する3.2十億ルピーの引当金、過去の回収額に関して係争中の訴訟を理由に保有していた引当金を評価したことによる0.9十億ルピーの引当金及び海外支店における借入人勘定をステージ3からステージ2に格上げしたことに伴う資金を基盤としないエクスポージャーに対する1.0十億ルピーの引当金の戻入を行った。
(f) 租税引当金
所得税費用引当金は、2025年度の184.3十億ルピーから増加し、2026年度には193.8十億ルピーとなった。これは主として、税引前利益の増加によるものである。実効税率は、2025年度の25.3%からわずかに低下し、2026年度には25.1%となった。
(2) 財政状態
(a) 資産
以下の表は、表示された日現在における資産の主要な構成項目を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日現在 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 現金及び現金同等物(1) | 2,140,235 | 2,649,807 | 4,849,147 | 23.8 | |||
| 投資 | 8,863,768 | 8,707,199 | 15,934,174 | (1.8) | |||
| 貸付金 | 14,206,637 | 16,446,580 | 30,097,241 | 15.8 | |||
| 固定資産 | 158,124 | 174,203 | 318,791 | 10.2 | |||
| その他の資産 | 969,056 | 1,061,690 | 1,942,893 | 9.6 | |||
| 連結に伴うのれん | 84,594 | 105,501 | 193,067 | 24.7 | |||
| 総資産 | 26,422,414 | 29,144,980 | 53,335,313 | 10.3 | |||
(1) インド準備銀行における現金及び現金残高、銀行における預金残高並びに短期通知でのコールマネーを含む。
当行の総資産は、2025年度末現在の26,422.4十億ルピーから10.3%増加し、2026年度末現在には29,145.0十億ルピーとなった。これは主として、貸付金純額並びに現金及び現金同等物の増加によるものである。
***(***ⅰ) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、2025年度末現在の2,140.2十億ルピーから23.8%増加し、2026年度末現在には2,649.8十億ルピーとなった。これは主として、リバースレポに基づくインド国内のコールマネー及び短期貸付、インド国外の銀行における預け金残高、流動性調整枠並びに常設預金ファシリティにおけるインド準備銀行への貸付の増加によるものであるが、インド準備銀行における当座勘定残高の減少により一部相殺された。
***(***ⅱ) 投資
投資総額は、2025年度末現在の8,863.8十億ルピーから1.8%減少し、2026年度末現在には8,707.2十億ルピーとなった。
当行の投資は、2025年度末現在の5,047.6十億ルピーから減少し、2026年度末現在には4,922.2十億ルピーとなった。これは主として、インド国債への投資の減少によるものである。
ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドの投資は、2025年度の346.4十億ルピーから減少し、2026年度には221.9十億ルピーとなった。これは主として、国債及び短期国債のポジションの減少によるものである。
ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの投資は、2025年度末現在の524.8十億ルピーから増加し、2026年度末現在には577.7十億ルピーとなった。これは主として、未収計上及び事業の取引量の増加によるものである。
ICICIバンクUKピーエルシーの投資は、2025年度末現在の57.3十億ルピーから増加し、2026度末現在には83.5十億ルピーとなった。これは主として、国債及び短期国債の増加によるものである。
ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの投資は、2025年度末現在の2,999.4十億ルピーから増加し、2026年度末現在には3,023.5十億ルピーとなった。関連負債を補う目的で保有する投資は、2025年度末現在の1,612.4十億ルピーから減少し、2026年度末現在には1,510.5十億ルピーとなった。これは主として、当年度の株式市場の動向に起因する純流出及び未実現損失によるものである。関連負債を補う目的で保有する投資以外の投資は、2025年度末現在の1,387.0十億ルピーから増加し、2026年度末現在には1,513.0十億ルピーとなった。これは主として、純資金流入によるものである。
ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドの投資は、2025年度末現在の32.9十億ルピーから増加し、2026年度末現在には38.6十億ルピーとなった。これは主として、ミューチュアル・ファンド・ユニットへの投資の増加によるものである。
当行のインド国債への投資総額は、2025年度末現在の5,345.8十億ルピーから4.5%減少し、2026年度末現在には5,105.0十億ルピーとなった。
「-第2-3-(b)-(ⅷ)-財務」も参照のこと。
***(***ⅲ) 投資分類
満期保有目的
当行の満期保有ポートフォリオの償却原価は、主として国債及び社債への投資の増加により、2025年度末現在の4,875.2十億ルピーから増加し、2026年度末現在には5,196.5十億ルピーとなった。2025年度末現在には、満期保有ポートフォリオについて121.8十億ルピーの未実現利益純額を計上したのに対し、2026年度末現在には、16.5十億ルピーの未実現損失純額を計上した。満期保有目的の債券ポートフォリオの受取利息は、主としてポートフォリオの平均が増加したことにより、2025年度の326.5十億ルピーから増加し、2026年度には362.4十億ルピーとなった。
売却可能
当行の売却可能ポートフォリオの償却原価は、2025年度末現在の1,192.5十億ルピーから減少し、2026年度末現在には1,083.5十億ルピーとなった。国債への投資は、2025年度末現在の620.2十億ルピーから減少し、2026年度末現在には460.8十億ルピーとなった。社債への投資は、2025年度末現在の114.8十億ルピーから増加し、2026年度末現在には161.8十億ルピーとなった。その他の負債証券への投資は、2025年度末現在の254.1十億ルピーから減少し、2026年度末現在には226.7十億ルピーとなった。株式投資は、2025年度末現在の190.1十億ルピーから増加し、2026年度末現在には217.1十億ルピーとなった。2026年度末現在、売却可能に区分される株式のうち、104.2十億ルピーはICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドにより保有され、99.1十億ルピーはICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドにより保有され、13.5十億ルピーは当行により保有されていた。その他の投資(主としてミューチュアル・ファンド・ユニット、有価証券受領証、ベンチャー・ファンド・ユニット及び優先株式で構成されている。)は、2025年度末現在の13.3十億ルピーから増加し、2026年度末現在には17.1十億ルピーとなった。
2025年度末現在には、負債投資について8.1十億ルピーの未実現利益純額を計上したのに対し、2026年度末現在には、1.6十億ルピーの未実現損失純額を計上した。これは主として、その他の負債証券の未実現損失純額によるものである。持分証券の未実現利益純額は、2025年度末現在の54.0十億ルピーから減少し、2026年度末現在には21.8十億ルピーとなった。
2025年度末現在には、その他の投資について0.4十億ルピーの未実現利益純額を計上したのに対し、2026年度末現在には、0.4十億ルピーの未実現損失純額を計上した。
トレーディング目的保有
トレーディング目的保有の負債証券への投資は、主として国債、譲渡性預金、コマーシャル・ペーパー及び社債への投資の減少により、2025年度末現在の1,054.4十億ルピーから減少し、2026年度末現在には819.7十億ルピーとなった。
***(***ⅳ) 貸付金
貸付金純額は、2025年度末現在の14,206.6十億ルピーから15.8%増加し、2026年度末現在には16,446.6十億ルピーとなった。これは主として、ICICIバンクの小口向け貸付金及びビジネス・バンキング・ポートフォリオが増加したことによるものである。
当行の貸付金純額は、2025年度末現在の13,417.7十億ルピーから15.8%増加し、2026年度末現在には15,538.9十億ルピーとなった。当行の小口向け貸付金純額は、2025年度末現在の7,172.2十億ルピーから9.5%増加し、2026年度末現在には7,851.6十億ルピーとなった。当行のビジネス・バンキングの貸付金純額は、2025年度末現在の2,633.7十億ルピーから24.4%増加し、2026年度末現在には3,276.7十億ルピーとなった。当行の海外支店の貸付金純額は、2025年度末現在の307.9十億ルピーから37.4%増加し、2026年度末現在には423.0十億ルピーとなった。「-第2-3-(d) 貸付ポートフォリオ」も参照のこと。
ICICIバンクUKピーエルシーの貸付金純額は、2025年度末現在の98.5十億ルピーから43.2%増加し、2026年度末現在には141.0十億ルピーとなった。これは主として、インド企業/子会社及びジョイントベンチャーへの貸付並びに不動産を担保としたローンの増加によるものである。
ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドの貸付金純額は、2025年度末現在の275.9十億ルピーから14.0%増加し、2026年度末現在には314.6十億ルピーとなった。これは主として、新規支払いによるものであるが、小口向け住宅ローンのセル・ダウンにより一部相殺された。
ICICIバンク・カナダの貸付金純額は、2025年度末現在の266.9十億ルピーから6.8%増加し、2026年度末現在には285.0十億ルピーとなった。これは主として、為替換算の影響によるものである。カナダドル建てでは、貸付金は、2025年度末現在の4.47十億カナダドルから減少し、2026年度末現在には4.18十億カナダドルとなった。これは主として、保険付モーゲージ及び従来型モーゲージの減少によるものである。
***(***ⅴ) 固定資産及びその他の資産
固定資産とは、建物、家具及び備品、リース資産並びにその他の固定資産である。固定資産は、2025年度末現在の158.1十億ルピーから10.2%増加し、2026年度末現在には174.2十億ルピーとなった。
その他の資産は、2025年度末現在の969.1十億ルピーから増加し、2026年度末現在には1,061.7十億ルピーとなった。これは主として、外国為替及びデリバティブ取引の時価評価益並びにその他の貸付金及び預金の増加によるものであるが、農業インフラ開発基金の預金の減少により一部相殺された。当行は、利息及び外国為替デリバティブ市場に積極的に参加している。かかる取引の時価評価益は「その他の資産」に計上され、時価評価損は「その他の負債」に計上される。当行の総合保険事業のその他の資産は、2025年度末現在には147.0十億ルピーとなり、2026年度末現在には154.7十億ルピーとなった。当行の資産管理事業のその他の資産は、2025年度末現在には11.6十億ルピーとなり、2026年度末現在には19.0十億ルピーとなった。
***(***ⅵ) 連結に伴うのれん
連結に伴うのれんは、2025年度末現在の84.6十億ルピーから増加し、2026年度末現在には105.5十億ルピーとなった。2026年度において、当行は、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドの株式を2%追加取得し、保有比率を53%まで引き上げた。これにより、当行が支払った対価と少数株主持分の帳簿価額の差額として、20.6十億ルピーの連結に伴うのれんが計上された。また、当行は、ICICIライフからICICIペンションの株式を49%追加取得し、同社を当行の完全子会社とした。これにより、0.6十億ルピーののれんが計上された。
(b) 負債及び株主資本
以下の表は、表示された日現在における負債及び株主資本の主要な構成項目を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | ||||||||
| 3月31日現在 | ||||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | |||||
| 預金 | 16,416,374 | 18,300,201 | 33,489,368 | 11.5 | ||||
| 借入金(1) | 2,188,834 | 2,202,643 | 4,030,837 | 0.6 | ||||
| その他の負債(2) | 4,529,780 | 4,846,422 | 8,868,952 | 7.0 | ||||
| 負債合計 | 23,134,988 | 25,349,266 | 46,389,157 | 9.6 | ||||
| 少数株主持分 | 148,367 | 165,110 | 302,151 | 11.3 | ||||
| 資本金 | 14,246 | 14,322 | 26,209 | 0.5 | ||||
| 準備金及び剰余金(3) | 3,124,813 | 3,616,282 | 6,617,796 | 15.7 | ||||
| 負債及び株主資本合計 | 26,422,414 | 29,144,980 | 53,335,313 | 10.3 | ||||
(1) 劣後債を含む。
(2) 契約者資金を含む。
(3) 未行使の従業員ストック・オプション/株式ユニットを含む。
当行の負債合計(資本金、準備金及び剰余金並びに少数株主持分を含む。)は、2025年度末現在の26,422.4十億ルピーから10.3%増加し、2026年度末現在には29,145.0十億ルピーとなった。これは主として、預金及び純資産が増加したことに起因する。
***(***ⅰ) 預金
預金は、2025年度末現在の16,416.4十億ルピーから11.5%増加し、2026年度末現在には18,300.2十億ルピーとなった。
当行の預金は、2025年度末現在の16,103.5十億ルピーから11.4%増加し、2026年度末現在には17,946.3十億ルピーとなった。定期預金は、2025年度末現在の9,366.2十億ルピーから12.2%増加し、2026年度末現在には10,510.4十億ルピーとなった。普通預金は、2025年度末現在の4,407.7十億ルピーから7.9%増加し、2026年度末現在には4,756.1十億ルピーとなり、当座預金は、2025年度末現在の2,329.6十億ルピーから15.0%増加し、2026年度末現在には2,679.8十億ルピーとなった。当座預金及び普通預金は、2025年度末現在の6,737.3十億ルピーから10.4%増加し、2026年度末現在には7,435.9十億ルピーとなった。海外支店における預金は、2025年度末現在の185.7十億ルピーから増加し、2026年度末現在には278.6十億ルピーとなった。当行の預金合計は、2025年度末現在は資金源泉(すなわち、預金及び借入金)の92.9%を占めたのに対し、2026年度末現在は93.5%であった。「-第2-1-資金調達」も参照のこと。
ICICIバンクUKピーエルシーの預金は、2025年度末現在の161.3十億ルピーから増加し、2026年度末現在には213.2十億ルピーとなった。これは主として、法人預金の増加に起因するものである。
ICICIバンク・カナダの預金は、2025年度末現在の175.5十億ルピーから増加し、2026年度末現在には180.9十億ルピーとなった。これは主として、外国為替換算の影響に起因するものである。カナダドル建て預金は、2025年度末現在の2.94十億カナダドルから減少し、2026年度末現在には2.65十億カナダドルとなった。これは主として、定期預金の減少に起因するものである。
平均定期預金は、2025年度の8,990.9十億ルピーから10.2%増加し、2026年度には9,903.5十億ルピーとなった。平均普通預金は、2025年度の3,984.3十億ルピーから7.7%増加し、2026年度には4,289.6十億ルピーとなった。平均当座預金は、2025年度の1,706.9十億ルピーから14.0%増加し、2026年度には1,945.4十億ルピーとなった。平均当座預金及び平均普通預金は、2025年度の5,691.2十億ルピーから9.6%増加し、2026年度には6,235.0十億ルピーとなった。平均当座預金及び平均普通預金の比率は、2025年度末現在の38.8%と比較して2026年度末現在は38.6%であった。平均当座預金及び平均普通預金は、2025年度は資金源泉(すなわち、預金及び借入金)の33.0%を占めたのに対し、2026年度は33.6%であった。
(ⅱ) 借入金
借入金は、2025年度末現在の2,188.8十億ルピーから0.6%増加し、2026年度末現在には2,202.6十億ルピーとなった。
ICICIセキュリティーズ・リミテッドの借入金は、2025年度末現在の208.3十億ルピーから増加し、2026年度末現在には250.2十億ルピーとなった。これは主として、取引所への証拠金としての定期預金の差入れ及び証拠金取引の与信残高の増加を支援するため、コマーシャル・ペーパーの形をとった短期借入金が増加したことに起因するものである。
ICICIホーム・ファイナンス・カンパニーの借入金は、2025年度末現在の244.2十億ルピーから増加し、2026年度末現在には269.5十億ルピーとなった。これは主として、債券借入、他の銀行及び金融機関からのターム・ローン並びに定期預金の増加に起因するものであるが、コマーシャル・ペーパーの減少により一部相殺された。
当行の借入金は、2025年度末現在の1,235.4十億ルピーから増加し、2026年度末現在には1,249.9十億ルピーとなった。海外支店の借入金純額は、2025年度末現在の244.2十億ルピーから増加し、2026年度末現在には270.9十億ルピーとなった。
ICICIバンクUKピーエルシーの借入金は、2025年度末現在の9.4十億ルピーから増加し、2026年度末現在には22.8十億ルピーとなった。これは主として、レポ借入の増加に起因するものである。
ICICIバンク・カナダの借入金は、2025年度末現在の103.1十億ルピーから増加し、2026年度末現在には115.4十億ルピーとなったが、これは主として、外国為替換算の影響に起因するものである。カナダドル建て借入金は、2025年度末現在の1.73十億カナダドルから減少し、2026年度末現在には1.69十億カナダドルとなった。これは主として、証券化による借入及び財務借入に起因するものである。
ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドの借入金は、2025年度末現在の367.2十億ルピーから減少し、2026年度末現在には277.2十億ルピーとなったが、これは主として、インド準備銀行からの借入、レポ借入、コール借入、通知付借入及び定期借入の減少に起因するものであるが、三者間レポ借入の増加により一部相殺された。
(ⅲ) その他の負債
その他の負債は主として、その他の資産、支払為替及び当行の保険子会社に関する有効な保険に基づく負債で構成されている。その他の負債は、2025年度末現在の4,529.8十億ルピーから7.0%増加し、2026年度末現在には4,846.4十億ルピーとなった。当行の生命保険事業に関する有効な保険に基づく負債は、2025年度末現在の2,943.1十億ルピーから0.7%増加し、2026年度末現在には2,965.0十億ルピーとなった。当行のその他の負債は、2025年度末現在の922.8十億ルピーから25.2%増加し、2026年度末現在には1,155.4十億ルピーとなった。これは主として、外国為替及びデリバティブ取引並びにその他の負債の時価評価額の増加に起因する。
当行の総合保険事業のその他の負債は、2025年度末現在の537.4十億ルピーから10.2%増加し、2026年度末現在には595.6十億ルピーとなった。これは主として、未払保険金総額、前受保険料及び他の保険会社に対する未払残高の増加に起因する。
(ⅳ) 資本金並びに準備金及び剰余金
資本金並びに準備金及び剰余金は、2025年度末現在の3,139.1十億ルピーから増加し、2026年度末現在には3,630.6十億ルピーとなった。これは主として、利益から振り替えた準備金及び剰余金の年間価値の増加に起因するものであるが、配当金の支払いにより一部相殺された。
(3) 連結キャッシュ・フロー計算書
「-第6-1-連結キャッシュ・フロー計算書」を参照のこと。
現金及び現金同等物は、2025年度末現在の2,140.2十億ルピーから23.8%増加し、2026年度末現在には2,649.8十億ルピーとなった。
営業活動による正味キャッシュ・アウトフローは、2025年度の1,228.1十億ルピーから減少し、2026年度には673.3十億ルピーとなった。これは主として、2025年度と比較した2026年度の貸付金及びその他の資産の増加に起因するものであるが、その他の負債及び引当金の増加により一部相殺された。
投資活動による正味キャッシュ・アウトフローは、2025年度の772.9十億ルピーから減少し、2026年度には130.1十億ルピーとなった。これは主として、2025年度と比較した2026年度の満期保有目的有価証券の正味取得高が減少したことに起因する。
2025年度の55.9十億ルピーの財務活動による正味キャッシュ・インフローと比較して、2026年度には46.6十億ルピーの財務活動による正味キャッシュ・アウトフローとなった。これは主として、長期借入金の返済額の増加及び短期借入金による純調達額の減少に起因するものであるが、2026年度における長期借入金による調達額の増加により一部相殺された。
2024年度と比較した2025年度の当行の業績及び2025年度の特定の比較数値については、2025年9月29日に日本国財務省関東財務局へ提出した当行の2025年度の有価証券報告書に含まれる「第一部-第3-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
(4) オフバランスシートのアレンジメント
(a) 外国為替及びデリバティブ契約
当行は、顧客による外国為替リスク及び金利リスクの管理を可能にし、当行の外国為替及び金利ポジションを管理するため、外国為替先物取引、オプション、スワップ及びその他のデリバティブ商品を用いている。これらの商品は、貸借対照表に計上される資産及び負債の特定グループに関する外国為替リスク及び金利リスクを管理するために利用される。詳細については、本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記13も参照のこと。
(b) 保証
当行は、当行の一定の顧客の事業要件を支援するために保証を提供してきた。保証は、顧客がその金銭債務又は履行義務を果たすことができなかった場合に当行が支払うという取消不能の保証を表章している。一般的に10年を超えない期間にわたり保証がなされる。当行は、顧客に対して適切なデュー・ディリジェンスを実施した後に、保証契約を締結する。当行は、一般に、これらのファシリティを年間ベースで査定している。顧客のリスク構造が許容不能な範囲まで悪化した場合、当行は保証の満期時にその更新をしないことを選択するか、又は当行のエクスポージャーを保護するために十分な追加担保を要求する可能性がある。
当行の顧客による保証条件の不履行時、受益者は保証の下で権利を行使することがあり、当行は受益者に対して支払いをする義務がある。銀行及び金融機関の中には当行の金融保証の受益者である銀行及び金融機関がいくつか含まれるが、これにより顧客はこれらの銀行及び金融機関からの金融支援を受けることができる。当行の顧客がかかる融資に関して義務を怠った場合には、銀行及び金融機関は保証に基づく権利を行使し、当行は受益者に対して支払いを行う義務を負う。
詳細については、本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記22(o)も参照のこと。
(5) コミットメント
(a) 証券化
ICICIグループは、主に(通常は信託として構成される)特別目的事業体を含む証券化取引を通じて小口向け貸付金を証券化している。当行は、引き続きサービシング代行業者として行為し、貸付金の証券化後も顧客関係を維持し、証券化信託に移管されたこれら一連の貸付金に関するサービシング業務を行う。
ICICIグループは、発起人、流動性補完措置提供者、サービシング代行業者、与信強化提供者、保険引受人及び優先支払人を含む、異なる法的資格及び異なる約因での契約の下、活動している。ICICIグループは、当行が組成した証券化プールに係る与信強化(第一位信用喪失及び第二位信用喪失に対する与信強化)並びに第三者が組成したプールに提供される保証(第二位信用喪失に対する与信強化)を提供している。
当行が組成した証券化プールに関して、2026年度末現在の第一位信用喪失に対する与信強化残高総額は0.5十億ルピーであり、第二位信用喪失に対する与信強化残高総額は0.7十億ルピーであった。第三者が組成したプールに提供された第二位信用喪失に対する保証に関して、2026年度末現在の残高は1.2十億ルピーであった。
(b) 貸付コミットメント
当行は、顧客に対する貸付及び融資を行うため、現在、未払い及び未引出しのコミットメント取引を締結している。貸付コミットメントは、一般に特定の与信基準を継続して維持する借入人の能力に依拠しており、満期日が指定されている。詳細については、本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記11も参照のこと。
(c) 資本コミットメント
当行は、複数の資本契約に基づく義務を負っている。資本契約は、締結された資本的性格の指示書である。詳細については、本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記12も参照のこと。
(d) 長期債務
長期債務は、当初約定満期日までの期間が1年超の債務である。満期償還は、残存約定満期日又は保有者の選択により債務が償還可能となる日のいずれか早く到来する日に基づいている。
詳細については、本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記3も参照のこと。
(e) 定期預金
定期預金は、固定満期の預金である。預金者は、一定の解約手数料を条件として、満期前にいつでもほとんどの定期預金を引き出すことができる。
詳細については、本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記2も参照のこと。
(f) 生命保険債務
生命保険債務は、主として生命保険契約(ユニットリンク契約及び非ユニットリンク契約の両方を含む。)の債務を含む。
ユニットリンク生命保険契約は、保険契約者が選択した投資資産におけるユニット(すなわち株式)の純資産価値に応じて契約の解約払戻金が変動する契約である。ユニット債務は、評価日現在の各契約のユニットの純資産価値に等しい。ユニットリンク保険契約の非ユニット債務及び非ユニットリンク生命保険契約の債務は、保険料総額法(利率、死亡率、費用及びインフレについて仮定する。)を用いて、計算される。参加型契約に係る仮定はまた、税務引当金及び株主への利益配分とともに、将来の賞与について行われる。これらの仮定は、評価日における慎重な見積り(不利な変動に関する引当金を含む。)として判断される。
2026年度末現在の生命保険債務合計は、8,806.28十億ルピーとなった。
(g) 退職金債務
当行は、退職金(規定の最低勤続期間の後に退職又は辞職する全従業員を対象とする確定給付退職制度)を提供する。かかる制度は、当行での各従業員の給与及び勤続年数に基づき、退職又は定年時に、資格のある従業員に一時金を支払う。
詳細については、本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記22(j)も参照のこと。
(h) 年金債務
当行は、年金(繰延退職制度-旧マドラ銀行、サングリ・バンク及びバンク・オブ・ラジャスタンの一定の従業員を対象とする。)を提供する。かかる制度は、これらの従業員に対して、退職時に月次年金支払いを提供し、かかる支払いは、各従業員の当行での勤続年数、適用ある給与及び生活調整費に基づいている。
詳細については、本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記22(j)も参照のこと。
(i) オペレーティング・リース債務及びファイナンス・リース債務
当行には、主に不動産向け及びオフィス設備向けの長期オペレーティング・リース及びファイナンス・リースに基づくコミットメントがある。
詳細については、本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記22(k)も参照のこと。
(6) 資金源
当行では、当行の事業におけるリスク、格付機関、株主及び投資家の期待値並びに資本調達のために可能な選択肢を考慮して、規制水準並びに現在及び将来の事業ニーズに応えるべく積極的に資本を管理している。当行の資本管理の枠組みは、金融グループ並びに取締役会及びリスク管理委員会の管理下にあるリスク管理グループによって管理されている。自己資本の評価及び査定は取締役会及びリスク管理委員会に定期的に報告されている。
(a) 資金の規制
当行には、インド準備銀行が定めたバーゼルⅢ自己資本比率ガイドライン、すなわち自己資本充実に関する健全性規制が適用されている。
バーゼルⅢは、資本の質・統一性・透明性の改善、リスク対象範囲の強化、補完的レバレッジ比率の導入、景気循環増幅効果(プロシクリカリティ)の減少、カウンターシクリカルバッファーの促進、並びにシステミック・リスク及び相互関連性への取組みに関する、資本構成の計測について規定する。
2026年度末現在、ICICIバンクは、普通株等Tier1最低資本比率を8.20%、Tier1最低資本比率を9.70%及び最低自己資本比率合計を11.70%に維持するよう義務付けられていた。最低自己資本比率合計には、国内のシステム上重要な銀行として指定されている、当行の口座に係る2.50%の資本保全バッファー及び0.20%の資本追加費が含まれる。バーゼルⅢに関するインド準備銀行のガイドラインの第1の柱に基づき、当行は信用リスクの査定に関する標準化されたアプローチ、市場リスクの査定に関する標準化されたデュレーション法及び業務リスクの査定に関する基本的指標アプローチに従う。
当行は、無担保、劣後、上場、非転換、Tier2及びバーゼルⅢ準拠の債券により、2025年6月27日に10.0十億ルピー、2025年11月28日に39.5十億ルピーを調達した。
***(***ⅰ) 非連結自己資本比率のポジション
以下の表は、インドGAAPに準拠し作成された当行の非連結財務書類に基づき、インド準備銀行のバーゼルⅢに関するガイドラインに従って算出された、表示された日現在における規制資本、リスク加重資産及びリスク・ベース資本比率を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||
| バーゼルⅢに関するインド準備銀行のガイドラインによる | |||||
| 年度末現在 | |||||
| 2025年(1) (ルピー) | 2026年(1) (ルピー) | 2026年(1) (円) | |||
| Tier1資本 | 2,567,375 | 2,978,178 | 5,450,066 | ||
| うち普通株等Tier1資本 | 2,567,375 | 2,978,178 | 5,450,066 | ||
| Tier2資本 | 99,246 | 152,155 | 278,444 | ||
| 資本合計 | 2,666,621 | 3,130,333 | 5,728,509 | ||
| 信用リスク(リスク加重資産) | 13,986,923 | 15,968,834 | 29,222,966 | ||
| 市場リスク(リスク加重資産) | 592,584 | 445,248 | 814,804 | ||
| 業務リスク(リスク加重資産) | 1,531,537 | 1,803,169 | 3,299,799 | ||
| リスク加重資産合計 | 16,111,044 | 18,217,251 | 33,337,569 | ||
| 普通株等Tier1リスク・ベース資本比率 | 16.0% | 16.4% | |||
| Tier1リスク・ベース資本比率 | 16.0% | 16.4% | |||
| Tier2リスク・ベース資本比率 | 0.6% | 0.8% | |||
| リスク・ベース資本比率合計 | 16.6% | 17.2% | |||
(1) 予定配当充当後。
2026年度中に、資本金(控除後)は2025年度末現在の2,666.6十億ルピーから463.7十億ルピー増加し、2026年度末現在には3,130.3十億ルピーとなった。これは主として、利益余剰金の増加(予定配当控除後)に起因する。
信用リスクに関連するリスク加重資産は、2025年度末現在の13,986.9十億ルピーから2026年度末現在には15,968.8十億ルピーへと1,981.9十億ルピー増加した。これは主に、貸借対照表に計上される資産及びオフバランスシート・エクスポージャーの増加に起因する。
市場リスクに関連するリスク加重資産は、2025年度末現在の592.6十億ルピーから2026年度末現在には445.3十億ルピーへと147.3十億ルピー減少した。これは主に、国債への投資、譲渡性預金(CD)及びコマーシャル・ペーパー(CP)の減少によるものであるが、2026年度中のネット・オーバーナイト・オープン・ポジション(NOOP)制限の増加により一部相殺された。
業務リスクに関連するリスク加重資産は、2025年3月31日現在の1,531.5十億ルピーから2026年3月31日現在には1,803.2十億ルピーへと271.6十億ルピー増加した。業務リスクの資本費は、過去3会計年度の総収入の平均の15%に基づいて算出、1年ごとに改定され、リスク加重資産は、資本費に12.5を乗じた金額である。
***(***ⅱ) 連結自己資本
規制資本計算の連結は、インド準備銀行によって発行された連結健全性報告書の水準に沿った、当行及び子会社の連結財務書類に基づいている。規制資本計算の連結に関して考慮される事業体には、子会社、関連会社及び当行のジョイントベンチャーであって、インド準備銀行の報告書のガイドラインで述べられているとおり銀行及び金融的サービスの業務を遂行するものが含まれる。保険業務に従事する事業体及び金融サービスに関連しない事業体は、自己資本計算の連結からは除外される。バーゼルⅢに関するインド準備銀行の定めるガイドラインに基づき、非連結保険及び非金融子会社における株式及びその他の規制資本投資は、ICICIグループの連結規制資本から控除される。
2026年度末現在、インド準備銀行の定めるバーゼルⅢに関するガイドラインに基づく当行の連結レベルのリスク・ベース資本比率合計は、現在の要件がそれぞれ、普通株等Tier1最低資本比率が8.20%、Tier1最低資本比率が9.70%、最低自己資本比率合計が11.70%であるのに対し、普通株等Tier1リスク・ベース資本比率が16.3%、Tier1リスク・ベース資本比率が16.3%、リスク・ベース自己資本比率合計が17.1%であった。
(b) 資本の内部査定
当行の資本管理枠組みは、当行が規制上の基準、現在及び将来の事業ニーズを満たすために要求される、適切な資本レベルを決定する年度ごとに実施される自己資本充実度に関する包括的な内部評価プロセスを有している。また当行は、複数のストレス・シナリオにより判断を行う適切なストレス・テストも行っている。自己資本充実度に関する内部評価プロセスは、銀行単独及び連結グループのレベルの双方において着手されている。自己資本充実度に関する内部評価プロセスは、4年間の計画対象期間中の資本計画、重要なリスクの査定及びリスクと資本の間の関係を網羅するものである。
資本管理枠組みは、重大なリスクの管理のために確立された政策、プロセス、手法及び枠組みを網羅する当行のリスク管理枠組みによって補完される。自己資本充実度に関する内部評価プロセス及びリスク管理枠組みの主要な側面であるストレス・テストは、リスクの特性及び資本基盤に対する、起こりうる不測の事態の影響についての見識を提供する。当行の取締役会の承認を受けたストレス・テスト構造に基づき、当行は、当行の様々なポートフォリオについてストレス・テストを行い、現在及び将来の期間における当行の資本比率に対する影響及び当行の資本バッファーの充実度を評価する。当行は、ストレスに関する事態が重要なリスクをとらえ、市況及び経営環境の結果生じ得る不測の市場の動向を反映するために定期的にストレス・テストの枠組みを評価及び改良する。ICICIグループの事業及び資本計画並びにストレス・テストの結果は、自己資本充実度に関する内部評価プロセスに統合される。
自己資本充実度に関する内部評価プロセスに基づいて、当行は維持されるべき資本レベルを以下の要因を統合的に考慮することによって決定する。
・戦略的焦点、事業計画及び成長目標
・インド準備銀行のガイドラインに沿った規制上の資本の要求
・重大なリスクの査定及びストレス・テストの影響
・株主及び投資家の認識
・子会社への投資及びディスインベストメントに関する将来的な戦略
・インド準備銀行によって時折認められる、国内外の市場から資金を調達する選択に関する評価
当行は関連する進捗の監視を継続しており、当行の現行の強固な自己資本比率及び明示された国内外の資金調達記録へのアクセス履歴をもって、引き続き事業を成長させる一方で、法令により要求される資本の必要レベルを維持することが可能になると考える。
(7) 流動性リスク
流動性リスクは、期限の到来に際し、利用可能なキャッシュ・フローを通じて、又は資産の公正価値での売却を通じて、財務上の義務を果たすことができないことから生じた、現在及び将来のリスクである。これには、適切な満期時において資産ポートフォリオの資金調達コストが予想外に上昇するリスク及び時宜を得た合理的な価格でのポジションの清算ができないリスクが含まれている。当行は、当行の流動性ポジションを積極的に監視し、常に適切な流動性の維持に努めている。当行の追加的な資金調達需要の多くは、主に銀行間預金を含む預金の形式で短期資金源を通じて賄われる。ただし、当行の大部分の資産(主に当行のコーポレート及び貸付ポートフォリオ)が、中期性又は長期性のものであり、資金供給の不整合が生じる可能性がある。
当行は、最適な流動性管理を行うため、情報の連続的な伝達及び当行における資金調達部門と借入部門との間の活発的な情報交換を促進している。流動性管理は他の隔離したグループの責任下にある。ICICIバンクは、インド準備銀行に対し国内業務に関するルピー及びその他の主要な通貨のギャップ報告書を隔週に提出することが要求されている。当行は毎日、海外業務について満期ギャップ分析、国内業務についてルピー建ての帳簿を作成している。当行の静的ギャップ分析はさらに、負債による調達を担当する部署が短期資金ニーズに対する正しい評価を得られるよう、短期のキャッシュ・フローの動態分析によっても補完されている。さらに当行は毎日、LCRを監視し、隔週ベースで特定の流動性比率も監視している。ICICIバンクは、流動性危機管理対策を有しており、かかる計画を通じて当行は潜在的な流動性の課題を示唆する重要な指標を監視し、これにより十分な流動性を確保するために必要な措置を講じることができる。
資金源及び流動性
当行は、資金需要に柔軟に対応するため、多様な流動性の資金源を保持している。インドにおいて増加する運営資金は主に小口預金者及び法人預金者からの預金の受入れにより供給されている。これらの預金は、預金証書の発行、借換機関を通じた短期銀行間市場での借入及び債券発行により増加させることができる。当行はまた、インド準備銀行から提供された短期の資金調達方法である流動性調整枠及び限界常設ファシリティを有している。当行は、一般的に流動性需要を満たすために即座に売却される優良流動性証券の多大なポートフォリオを保持している。ICICIバンクはさらに、銀行間市場での短期ベースの借入により、流動性を管理することができる。銀行間市場において重要な翌日物市場は、不安定な金利の影響を受けやすい。これらの金利は、100.0%以上にまで達したことがある。こうした不安定な資金調達源への依存を抑えるために、当行の資産負債管理方針は、かかる市場における借入及び貸付の1日当たりの基準を規定している。ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドは、同様に、資金調達要件について、レポ市場及び銀行間金融市場に依存している。そのため不安定な金利と同様のリスクにさらされている。ただし、プライマリー・ディーラーであるICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドは、インド準備銀行による常設流動性補完措置及び流動性調整枠にアクセスすることができる。
当行の総流動資産は、現金、当方勘定、翌日物その他の短期金融市場募集、国債及び短期国債(準備金要件に適格な投資(買戻契約による借入金純額の控除後)、流動性調整枠及び限界常設ファシリティを含む。)、社債(AA-以上の格付のもの)並びにコマーシャル・ペーパー、預金証書及びミューチュアル・ファンド投資といったその他の短期金融投資から構成されている。当行は、流動資産純額を決定するために、これらの資産から当行の短期金融市場借入(30日以内に契約上の満期が到来する借入)を控除する。
当行は、当行の普通預金及び定期預金を満たすための流動性の維持に関連してインド準備銀行が課した法定準備金要件に従って要求される形で、流動資産の大部分を維持している。インドの銀行は、インド準備銀行への現金準備として、普通預金及び定期預金の日次平均残高の3%を維持する義務がある。銀行は、毎日維持される現金準備の平均が、インド準備銀行により規定された要件を下回らない方法で、2週間の報告期間中、必要な現金準備の90%以上の最低現金準備を毎日維持することが認められている。
インド準備銀行はまた、インドの銀行に適用される法定流動性比率を規定しており、これにより、当行は、規定された投資において普通預金及び定期預金の一定の比率を維持する義務がある。2026年度末現在、法定流動性比率は18.0%であった。銀行は、適格証券に対して、インド準備銀行の流動補完措置である流動性カバレッジ比率のための流動性利用ファシリティを利用することが認められている。さらに、銀行は、法定流動性比率を限界常設ファシリティで認められている範囲内まで引き下げることで、その裁量で資金を借り入れることができる。インド準備銀行のガイドラインにより、流動性カバレッジ比率のための流動性利用ファシリティに基づく法定流動性比率の削減は、2026年度末現在の普通預金及び定期預金の純額の16.0%であった。限界常設ファシリティについての削減は、普通預金及び定期預金の純額の2.0%となった。
インド準備銀行は、流動性カバレッジ比率、流動性リスク監視手段及びLCR開示基準を含む流動性基準に関するバーゼルⅢの枠組みについてのガイドラインを策定した。インド準備銀行のガイドラインにより、2026年度末現在、LCRは、インドの銀行に対し単体ベース及び連結ベースで適用可能となっており、100.0%の最低要件を伴う。LCRの要件は、適格流動資産への投資によって満たされている。主に、目標法定流動性比率を超過する国債及びより格付の高い社債が含まれる。適格流動資産にはまた、インド準備銀行が随時規定する流動性カバレッジ比率のための流動性利用ファシリティ及び限界常設ファシリティに基づく国債の形で保有される、目標法定流動性比率の要件の特定部分も含まれる。2026年3月31日に終了した3ヶ月間のLCRの開示は、日次の観測値の単純平均に基づく。非営業日には、四半期の単純平均を算出するにあたり、前日の加重額及び非加重額を繰り越す。2026年3月31日に終了した3ヶ月間のICICIグループのLCRは、123.6%であった。
インド準備銀行は、流動性基準-NSFRに関するバーゼルⅢの枠組みについてのガイドラインを策定した。これらのガイドラインは、将来の資金調達ストレスのリスクを軽減させるため、十分に安定した資金源を調達することを銀行に要求することにより、より長期間にわたり資金調達リスクを減少させることを確実にする。ガイドラインにより、NSFRは、現行の基準で少なくとも100%相当となる。2026年度末現在におけるICICIグループのNSFRは122.3%であった。
当行の流動性レジリエンスを高めるため、インド準備銀行は2025年4月21日、流動性基準に関するバーゼルⅢの枠組みについての改訂されたガイドラインである「LCR-適格流動資産のヘアカット及び特定の預金科目における流出率の見直し」を公表した。テクノロジーにより、即時の銀行振替や引出しが容易になり、流動性リスクの増加につながっているため、積極的な管理が必要とされている。改訂されたガイドラインに基づき、インターネット及びモバイル・バンキング機能を有する小口向け預金には追加的な流出要因の2.50%が割り当てられ、国債で表示されるレベル1適格流動資産は、流動性調整枠及び限界常設ファシリティの通知に沿ってヘアカットが適用されることとなる。
さらに、トラスト(教育信託/宗教信託/慈善信託)、個人団体、パートナーシップ、個人事業主、有限責任パートナーシップ及びその他の法人等の非金融事業体からの資金調達は、LCRの枠組みに基づき、上記の事業体が小企業顧客として扱われない限り、「非金融法人」からの資金調達として分類され、(現在規定されている100%に対して)40%の流出率が適用される。これらの改訂されたガイドラインは、2026年4月1日付で施行された。
当行は、法定流動性比率及び現金準備率要件の他に、流動資産を維持している。2026年度中、当行は、上述した規制要件により適正な準備金を維持していた。
以下の表は、ICICIバンクの平均流動資産及び貸借対照表日現在の流動資産の構成項目を示したものである。
| (単位:十億) | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年3月31日 現在(ルピー) | 2026年度隔週 平均(ルピー) | 2026年3月31日 現在(ルピー) | |||
| 法定流動性比率適格投資証券及びその他の国債 (控除:買戻契約による借入金、流動性調整枠及び担保付借入金) | 4,044.9 | 3,931.0 | 3,947.2 | ||
| 中央銀行残高及びその他の銀行の当座勘定 | 1,552.8 | 1,141.5 | 1,710.0 | ||
| その他の流動資産 | 772.3 | 997.4 | 1,472.3 | ||
| 総流動資産 | 6,370.0 | 6,069.9 | 7,129.5 | ||
| (控除:短期借入金) | 6.5 | 2.1 | 3.9 | ||
| 流動資産純額 | 6,363.5 | 6,067.8 | 7,125.6 |
ICICIバンクは、2025年度末現在の6,363.5十億ルピーに対し、2026年度末現在には合計7,125.6十億ルピーの流動資産純額を保有していた。2026年度において、当行は、6,067.8十億ルピーの隔週平均流動資産純額を保有していた。上記の流動資産純額に含まれる額に加えて、2026年度末現在、当行はまた、2025年度末現在の8.3十億ルピーに対し、合計0.46十億ルピーのその他の固定利付非国債証券を保有していた。
現地規制に従って、当行の海外支店のいくつかは、他のICICIグループ事業体と「正味借入」状態を維持することが義務付けられている。(すなわち、これらの支店は、一定の金額を超えるものについて正味借入人になる必要があるか、又は一定の金額を超えるものについては正味貸付人になることができない。)したがって、これらの支店において維持される過剰流動性は、「正味借入」状態で利用可能なバッファーの範囲内でのみ他のICICIグループ事業体に利用することができる。2026年度末現在、かかる当行の海外支店は、499.8十億ルピー(相当額)の流動資産純額を保有しており、当行の流動資産純額合計の7,125.6十億ルピーに含まれる。
当行はまた、その他の確実な流動性の資金源を利用することができる。インド準備銀行は、流動性調整枠及び限界常設ファシリティを通じて、金融政策を行い、インドの銀行システムの流動性を管理する目的で、銀行とのレポ取引及びリバースレポ取引を行う。インド準備銀行は、固定金利レポ取引契約、固定金利リバースレポ取引契約及び限界常設ファシリティに適用される金利を規定しており、それぞれレポレート、リバースレポレート及び限界常設ファシリティレートとして知られている。さらに、インド準備銀行は、変動金利レポ又はリバースレポ競売も実施しており、その金利は競争入札により決定される。2022年、インド準備銀行は、固定金利リバースレポを、政策金利レポレートを25ベーシスポイント下回る基準である流動性調整枠コリドーの下限に置き換える新たな常設預金ファシリティを運用開始した。2026年度末現在、インド準備銀行のレポレート、固定金利リバースレポレート、常設預金ファシリティ及び限界常設ファシリティレートは、それぞれ5.25%、3.35%、5.00%及び5.50%であった。流動性調整枠及び限界常設ファシリティは、1年中利用可能である。2026年度末現在、限界常設ファシリティの下では、銀行は、法定要件を超えて保有する適格証券に加え、14日間を2回遡った末日現在のそれぞれの普通預金及び定期預金の純額の2.0%を上限として、翌日物借入をすることができ、2.0%を超える部分については、流動性カバレッジ比率のための流動性利用ファシリティ(FALLCR)による16%までの流動性も利用することができる。さらに、その他の市場の相手方とのレポ取引の流動性市場が存在する。銀行は、法定要件を超えて保有する法定流動性比率適格証券に対して、インド準備銀行又はその他の市場の相手方とのレポ取引を行うことができる。
2026年度末現在、ICICIバンクは、流動性調整枠及び限界常設ファシリティ並びにFALLCRを通じてインド準備銀行から借入可能な3,961.2十億ルピーの国債を保有していた。
当行の海外支店における貸付ポートフォリオが全体の貸付ポートフォリオに占める割合は、2025年度末現在の2.3%から上昇し、2026年度末現在では2.7%となった。海外業務について、ICICIバンクは明確な借入プログラムを有している。大規模な増分借入は、主に銀行間及び金融市場からの借入の形で行われる。当行はまた、適格取引資産に対してその他の銀行からの借換を行う。輸出信用機関の基準を満たす貸付については、これらの機関との間で締結された契約どおりに借換が行われる。当行はさらに、受入国の整備された規制の枠組みに従い、預金の債務を集めている。
ICICIバンクは、その海外支店における借換のニーズに対応するために、その時点における現行のスワップ・レート及び為替レートに基づく比較的高い費用によるものではあるが、インドにおけるそのルピーの流動性を利用することができる。当行の債券発行並びにその他の金融機関及び輸出信用機関からの貸付の条件には、クロスデフォルト条項、当行が他の事業体と統合又は合併するその能力に対する制限及びかかる債券若しくは貸付を期限前に償還又は返済する当行の能力に対する制限が含まれる可能性がある。Tier1資本又はTier2資本に含まれる対象となっている劣後債発行の条件には、損失が生じた場合又は資本の欠損が生じた場合に利息の支払いを停止し、満期日又は特定のコール・オプション期日であっても、インド準備銀行の事前の承認なく、償還の差止めを行うことが含まれている。当行は現在、借入の条件により債務不履行とみなされるような当行の借入に関する重要な遵守事項には違反しておらず、また今後も違反しない予定である。
信用、市場及び業務リスクの管理の成功は、格付機関による信用格付の評価に影響を与えるため、当行の流動性リスクの管理において考慮すべき重要な事項である。格付機関は、いつでも格付の格下げを行うことができ、又は格下げの意向を示すことができる。
格付機関はまた、当行の格付を撤回することがあり、その場合は当行の格付を引き下げた場合と同様の影響を与える可能性がある。当行の格付が引き下げられた又は格付が撤回された場合、当行の借入コストが増大し、当行の資本市場へのアクセスが制限され、又は当行の商品販売・マーケティング、事業取引(特に長期の商取引及びデリバティブ取引)の遂行、若しくは顧客維持の能力が悪影響を受ける可能性がある。「-3-(1)-(c) 国際的な格付機関によるインドの債券又は当行の優先無担保外貨建債の格付の格下げは、当行の事業、流動性並びに当行株式及びADSの価格に悪影響を及ぼす可能性がある。」も参照のこと。
想定内及び想定外の借入要件を満たすために、当行の国内業務に関して、当行は、インド・クリアリング・コーポレート・リミテッド(集中型の決済相手方)を通じて、インド準備銀行とのレポ取引の形の、又は市場の相手方との間で、法定流動性比率適格証券に対して、担保付借入を行う可能性がある。一般的に、かかるレポのために売却された証券の市場価額は、現金受領額を上回り、その差額は、ヘアカットといわれる。インド準備銀行は、インド準備銀行とのすべてのかかるレポに適用されるヘアカットを規定している。インド・クリアリング・コーポレート・リミテッドを通じて決済される商品による借入の場合、インド・クリアリング・コーポレート・リミテッドのレポセグメントのメンバーは、いかなる時点においても、原担保の価額の下落に対する緩衝材となる借入/貸付債務に関して証拠金の提供を維持する義務を負う。
さらに、当行はトライパーティ・レポセグメントのメンバーであるため、インド・クリアリング・コーポレート・リミテッドの完全子会社であるクリアコープ・ディーリング・システムズ(インディア)リミテッドが提供するトライパーティ・レポオーダー・マッチング・プラットフォームにおけるレポ取引による担保付借入を行うことができる。インド・クリアリング・コーポレート・リミテッドはまた、(レポ)買戻取引に係る(準備銀行の)2018年付指導(随時その後の改正も含む。)におけるトライパーティ・レポの代理人としての役割及び責任を果たす。トライパーティ・レポの代理人は、当該プラットフォームを通じて借り入れた適格証券に対するヘアカットを規定している。また、このような貸付に対して必要とされる担保の市場価値は、貸付の価値よりも高いものとなる。
当行は、必要な場合は追加の担保要件を満たすために、十分な有価証券を保持しており、取引の決済をサポートするために、当行の主要有価証券の総勘定元帳の勘定、買戻条件付構成有価証券の総勘定元帳の勘定、インド・クリアリング・コーポレート・リミテッドの有価証券の保証基金及びトライパーティ・レポの証拠金勘定において、十分な残高を確保するためのシステム及び手続を備えている。
さらに、緊急要件の場合、追加の有価証券が、T+0の基準で、当行の有価証券の保証基金/担保借入及び貸付債務の証拠金勘定に移管される可能性がある。買戻条件付社債の場合、有価証券の価格は、原有価証券の信用格付に応じて手形交換所が規定する又は当行の相手方と双方で合意した最低ヘアカットの適用後、算出される。当行はまた、そのために証拠金債務に貢献する必要のある、国債の無条件取引及び買戻条件付取引、外国為替取引、金利及び通貨のデリバティブの決済について、重要な相手方と取引を行っている。当行は、当行の外部信用格付が格下げされた場合、信用状、スタンドバイ信用状、銀行保証及びアンファンデッド型リスク参加契約に基づいて、追加担保を差し入れる義務を負うことがある。
海外支店業務に関して、一般に、手形交換所を通じて清算される取引並びに国際スワップ・デリバティブ協会のクレジット・サポート・アネックス及び国際スワップ・デリバティブ協会の基本レポ契約に基づく相対取引に対する担保要件がある。資産負債管理委員会は、当行の信用格付の格下げ及び借入契約の一環としての一定の財務遵守事項の限界の違反に関連した遵守事項を受け入れるための枠組みを承認した。当行のストレス・テストは、格下げの遵守事項違反によるアウトフローの可能性に関連したシナリオが含まれている。
資金調達コミットメント及びその他のオフバランスシート項目は、当行の流動性に影響を及ぼす。当行は、オフバランスシート項目の様々な構成要素について行動プロファイルを分析する。行動分析には、貸付コミットメントに基づくドローダウン、偶発債務及び市場関連取引等のオフバランスシート活動からの潜在的キャッシュ・フローが含まれる。当行は、これらのキャッシュ・フローの影響について、様々な流動性リスク報告書において検討している。
BCBSにより公表された中央清算されないデリバティブ取引に係る証拠金規制及びインド準備銀行により公表されたディスカッション・ペーパーに関して、デリバティブ取引は証拠金リセット規定の対象となり、その結果の担保預金は、当行により締結された担保の維持を要求するクレジット・サポート・アネックスによって管理されている。当行は、インド・クリアリング・コーポレート及びその他の両替店、さらにはクレジット・サポート・アネックスの対象となる取引を含む、適格な中央決済機関を通じて決済された取引の評価額の変動にあたり引き上げられた流動性要件について検討している。当行は、このような取引による潜在的な流出について、インド準備銀行のガイドラインに規定されている遡及アプローチに基づいて検討している。
国際債券市場のボラティリティは、当行の国際的な借入を制約する可能性がある。2026年3月31日現在、当行は、当行が借入金に対してより高い金利を支払わなければいけないような信用格付の格下げ契約に関する借入を有していない。
全般的な流動性のニーズに応じるために当行の英国及びカナダにおける子会社によって維持されている流動性の利用に対する制限が存在する。カナダの金融機関監督庁は、単一の事業体又は関連事業体グループに対する信用エクスポージャーにつき、Tier1資本及びTier2資本(カナダの規制に基づき定められる。)に係る100%の制限を規定した。ICICIバンク・カナダは、内部的にこの信用エクスポージャーの上限を150百万カナダドル(ICICIバンクに対するエクスポージャーに関するものを除いて、金融機関監督庁により規定された制限の30.8%)に定めた。150百万カナダドルの制限は、関連事業体グループの信用状況によって、最大75%増加することがある。2026年度において、ICICIバンク・カナダは、単一の事業体(ICICIバンクを含む。)に対する規制上及び内部のエクスポージャーに対する制限の両方を遵守していた。
ICICIバンクUKピーエルシーに適用のある資本要件規制のガイドラインに基づき、銀行は、Tier1資本の25%を超える顧客又は関連する顧客のグループに対するエクスポージャー(信用リスク軽減効果を考慮後)を有してはならない。かかる顧客が機関である場合、又は関連する顧客グループに1つ以上の機関が含まれる場合には、その価値は銀行のTier1資本の25%又は130百万英ポンドのいずれか高い方を超えてはならない。ICICIバンクUKピーエルシーは、2026年度末現在、合計378.4百万米ドルの資本金を有しており、2026年度末現在のTier1資本は328.4百万米ドルで、そのエクスポージャーは規制上の制限内である。
また、ICICIバンクUKピーエルシーは当行内のエクスポージャー集中を管理するための各種の内部制限を規定する。測定されるリスク集中の主要パラメーターには、部門別エクスポージャー、カントリー・エクスポージャー、格付区分に基づくエクスポージャー、カウンターパーティー・エクスポージャー及び大口エクスポージャーが含まれる。
(8) 設備投資
以下の表は、表示された期間における有形固定資産別の設備投資に関する情報を示したものである。
| (単位:百万) | |||||||||||
| 2024年度 | |||||||||||
| 2024年度末現在の原価 | 増加/移転/評価益 | 除却/移転 | 減価償却 | 2024年度末現在の純資産 | |||||||
| (ルピー) | (ルピー) | (ルピー) | (ルピー) | (ルピー) | (円) | ||||||
| 建物 | 94,340 | 9,806 | (1) | (1,171) | (28,099) | 74,876 | 137,023 | ||||
| その他の固定資産(家具及び備品を含む。) | 111,003 | 42,595 | (4,553) | (94,384) | 54,661 | 100,030 | |||||
| リース資産 | 17,902 | 1 | (3) | (15,034) | 2,866 | 5,245 | |||||
| 合計 | 223,245 | 52,402 | (5,727) | (137,517) | 132,403 | 242,297 | |||||
(1) 1,195百万ルピーの準備金により得られた評価益を計上している。
| (単位:百万) | |||||||||||
| 2025年度 | |||||||||||
| 2025年度末現在の原価 | 増加/移転/評価益 | 除却/移転 | 減価償却 | 2025年度末現在の純資産 | |||||||
| (ルピー) | (ルピー) | (ルピー) | (ルピー) | (ルピー) | (円) | ||||||
| 建物 | 102,976 | 13,407 | (1) | (1,557) | (30,452) | 84,374 | 154,404 | ||||
| その他の固定資産(家具及び備品を含む。) | 149,044 | 38,214 | (8,896) | (108,203) | 70,159 | 128,391 | |||||
| リース資産 | 17,900 | 1,223 | (210) | (15,322) | 3,591 | 6,572 | |||||
| 合計 | 269,920 | 52,844 | (10,663) | (153,977) | 158,124 | 289,367 | |||||
(1) 7,829百万ルピーの準備金により得られた評価益を計上している。
| (単位:百万) | |||||||||||
| 2026年度 | |||||||||||
| 2026年度末現在の原価 | 増加/移転/評価益 | 除却/移転 | 減価償却 | 2026年度末現在の純資産 | |||||||
| (ルピー) | (ルピー) | (ルピー) | (ルピー) | (ルピー) | (円) | ||||||
| 建物 | 114,826 | 12,127 | (1) | (723) | (33,749) | 92,481 | 169,240 | ||||
| その他の固定資産(家具及び備品を含む。) | 178,362 | 34,303 | (9,234) | (126,153) | 77,278 | 141,419 | |||||
| リース資産 | 18,913 | 1,785 | (755) | (15,499) | 4,444 | 8,133 | |||||
| 合計 | 312,101 | 48,215 | (10,712) | (175,401) | 174,203 | 318,791 | |||||
(1) 2,969百万ルピーの準備金により得られた評価益を計上している。
(9) 重大な変化
本書に別段記載されている事項を除き、本書に含まれる2026年度の連結財務書類の日付以降、当行において重大な変化は発生していない。
(10) セグメント収益及び資産
インド準備銀行は、「セグメント報告」に関するガイドラインにおいて、インドの銀行の事業情報の開示のために、特定の事業セグメント及びそれらの定義を規定している。
2026年度の連結セグメント別報告は、インド準備銀行が指定し規定するセグメントに基づき、以下のとおり表示されている。
・ 小口向け銀行セグメント
当行のエクスポージャーを含んでおり、当該エクスポージャーは、インド準備銀行のバーゼルⅢに関するガイドラインに規定される「規制上の小口向けポートフォリオ」の4つの適格基準を満たしている。これらの基準は、以下のとおりである。
(ⅰ) オリエンテーションに関する基準:
個人及び小企業に対するエクスポージャー(ファンド・ベース及びノンファンド・ベース)である。本項における個人とは、契約を締結する能力のある法人を意味し、個人及びHUFを含むが、これらに限定されない。小企業は、パートナーシップ、信託、非公開有限責任会社、公開有限責任会社、協同組合等を含む。小企業とは、年間平均取引高の合計が500.0百万ルピー未満のものをいう。取引高に関する基準は、既存の事業体については過去3年間の平均、新規の事業体については予測取引高、設立から3年未満の事業体については実績及び予測取引高の両方に連動している。
(ⅱ) 商品に関する基準:
すべてのエクスポージャーは、以下のいずれかの形によるものとする。
・リボルビング・クレジット及び与信枠(当座貸越を含む。)
・期限付貸付金及びリース(例えば、割賦払いの貸付金及びリース、学生ローン並びに教育ローン等)
・中小企業向け与信枠及びコミットメント
(ⅲ) 個人向けエクスポージャーの低値:
1つの取引相手方に対する小口向けエクスポージャーの総額の上限額は、絶対許容限度額である75百万ルピーを超えないものとする。
(ⅳ) 精度に関する基準:
「規制上の小口向けポートフォリオ」は、ポートフォリオ内のリスクを軽減させる程度まで十分に分散させなければならない。1つの取引相手方に対するエクスポージャーの総額は、小口向けポートフォリオ全体の0.2%を超えないものとする。
・ ホールセール銀行****セグメント
インド準備銀行のガイドラインに従って、「小口向け銀行」セグメントに含まれない信託、パートナーシップ、会社及び国家機関に対する当行のすべての貸付金を含む。
・ 財務セグメント
当行のすべての投資ポートフォリオ及びデリバティブ・ポートフォリオを含む。
・ その他の銀行業務のセグメント
その他の銀行事業は、リース業務及び当行の特定の事業セグメントに帰属しないその他の項目を含む。さらに、その他の銀行事業は、当行の銀行子会社、すなわち、ICICIバンクUKピーエルシー及びICICIバンク・カナダも含む。
・ 生命保険****セグメント
ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの業績を表す。
・ 総合保険セグメント
ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの業績を表す。
・ その他の****セグメント
ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッド、ICICIベンチャー、ICICIインターナショナル・リミテッド、ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッド、ICICIセキュリティーズ・リミテッド、ICICIセキュリティーズ・ホールディングス・インコーポレーテッド、ICICIセキュリティーズ・インコーポレーテッド、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッド、ICICIプルデンシャル・トラスト・リミテッド、ICICIインベストメント・マネジメント・カンパニー・リミテッド、ICICIトラスティーシップ・サービシズ・リミテッド、ICICIプルデンシャル・ペンション・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッド及びI-プロセス・サービシズ(インド)リミテッドを含む。
・ 非配賦セグメント
事業体レベルと推定される範囲内での租税引当金、繰延税金及び引当金の控除後の前受所得税等の項目を含む。
移転価格設定に関する枠組み
小口向け銀行セグメント及びホールセール銀行セグメントの負債の移転価格設定は、当行の中心となる財務部門で行われる。当該財務部門は、すべての資金をプールし、法定準備金要件及び特定の優先部門に対する行政指導に基づく貸付については所定の手数料に係る調整を行った後、資金調達対象の資産の満期に基づき適切な金利で各事業部門に貸付を行う。預金及び借入金の移転価格設定は、主に移転価格設定方針の定める区分に基づいて行われる。当行の資産組成の事業部門に対する移転価格設定は、資産の満期(期間プレミアム)及び法定準備金要件に係る調整を行った後、預金(当座預金及び普通預金の一体型)及び借入金の増分費用に基づいて行われる。割り当てられた資本金もセグメント報告の目的において資金源とみなされる。この移転価格設定に関する枠組みから発生する内部収益及び費用は、セグメント間調整の一部として調整される。
(a) 2026年度及び2025年度の比較
以下の表は、表示された期間における各セグメントの税引前利益及び少数株主持分を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 小口向け銀行セグメント | 216,210 | 232,443 | 425,371 | 14.7 | |||
| ホールセール銀行セグメント | 215,646 | 244,890 | 448,149 | 13.6 | |||
| 財務セグメント | 187,503 | 172,509 | 315,691 | (8.0) | |||
| その他の銀行業務セグメント | 14,512 | 17,027 | 31,159 | 17.3 | |||
| 生命保険セグメント | 13,364 | 18,077 | 33,081 | 35.3 | |||
| 総合保険セグメント | 33,213 | 36,590 | 66,960 | 10.2 | |||
| その他のセグメント | 74,231 | 83,785 | 153,327 | 12.9 | |||
| セグメント間調整 | (26,145) | (34,746) | (63,585) | 32.9 | |||
| 関連会社の利益に対する持分 | 1,507 | 2,629 | 4,811 | 74.5 | |||
| 税引前利益 | 730,040 | 773,202 | 1,414,960 | 5.9 | |||
(b) 小口向け銀行セグメント
以下の表は、表示された期間における当行の小口向け銀行セグメントの税引前利益の主要な構成項目を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 純利息収入 | 437,579 | 473,984 | 867,391 | 8.3 | |||
| その他の収益 | 154,413 | 160,253 | 293,263 | 3.8 | |||
| 収入合計 | 591,992 | 634,237 | 1,160,654 | 7.1 | |||
| 営業費用 | 304,472 | 328,216 | 600,635 | 7.8 | |||
| 引当金控除前利益 | 287,520 | 306,021 | 560,018 | 6.4 | |||
| 引当金 | 71,310 | 73,579 | 134,650 | 3.2 | |||
| 税引前利益 | 216,210 | 232,442 | 425,369 | 7.5 | |||
以下の表は、表示された期間における当行の小口向け銀行セグメントの主要な資産及び負債の残高を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | ||||||||
| 3月31日現在の残高 | ||||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | |||||
| 貸付金 | 7,651,343 | 8,504,767 | 15,563,724 | 11.2 | ||||
| 預金 | 10,773,819 | 11,827,866 | 21,644,995 | 9.8 | ||||
2026年度における小口向け銀行セグメントの税引前利益は、2025年度の216.2十億ルピーから7.5%増加し、232.4十億ルピーとなった。これは主として、純利息収入及びその他の収益の増加によるものであるが、営業費用及び引当金の増加により一部相殺された。
2026年度における純利息収入は、2025年度の437.6十億ルピーから8.3%増加し、474.0十億ルピーとなった。これは主として、平均貸付ポートフォリオの拡大によるものであった。
2026年度におけるその他の収益は、2025年度の154.4十億ルピーから3.8%増加し、160.2十億ルピーとなった。これは主として、貸付関連手数料、トランザクションバンキング手数料、預金関連手数料並びに外国為替商品及びデリバティブ商品からの収益の増加によるものであった。
2026年度における営業費用は、2025年度の304.5十億ルピーから7.8%増加し、328.22十億ルピーとなった。これは主として、雇用経費、技術関連費用、直接販売代理店費用及び報奨ポイント費用の増加によるものであった。
2026年度中、当行は新たな労働法の影響を認識した他、2026年度中の国債の利回りの変動によって退職給付債務に対する引当金が増加した。
2026年度における引当金(戻入控除後)は、2025年度の71.3十億ルピーから増加し、73.6十億ルピーとなった。これは主として、不良資産の純増加額が拡大したことによるものであった。
2026年度中、年次監督審査の結果、インド準備銀行は、農業優先部門向け与信枠のポートフォリオについて、当該信用供与条件が、農業優先部門貸付として分類されるための規制要件を十分に満たしていないことが判明したことから、当行に対し、正常先資産に対する引当金として12.8十億ルピーを計上するよう指示した。資産分類又は借入人に適用される条件若しくは当該条件に基づく借入人の返済行動に変更はない。この追加の正常先資産に対する引当金は、当該貸付が優先部門貸付分類ガイドラインに従って返済又は更新されるまで継続される。
(c) ホールセール銀行セグメント
以下の表は、表示された期間における当行のホールセール銀行セグメントの税引前利益の主要な構成項目を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | ||||||||
| 3月31日に終了した年度 | ||||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | |||||
| 純利息収入 | 201,730 | 227,996 | 417,233 | 13.0 | ||||
| その他の収益 | 81,588 | 97,565 | 178,544 | 19.6 | ||||
| 収入合計 | 283,318 | 325,561 | 595,777 | 14.9 | ||||
| 営業費用 | 90,214 | 99,725 | 182,497 | 10.5 | ||||
| 引当金控除前利益 | 193,104 | 225,836 | 413,280 | 16.9 | ||||
| 引当金 | (22,542) | (19,054) | (34,869) | - | ||||
| 税引前利益 | 215,646 | 244,890 | 448,149 | 13.6 | ||||
以下の表は、表示された期間における当行のホールセール銀行セグメントの主要な資産及び負債の残高を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日現在の残高 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 貸付金 | 5,275,202 | 6,550,838 | 11,988,034 | 24.2 | |||
| 預金 | 5,269,004 | 6,060,551 | 11,090,808 | 15.0 | |||
2026年度におけるホールセール銀行セグメントの税引前利益は、2025年度の215.6十億ルピーから13.6%増加し、244.9十億ルピーとなった。これは主として、純利息収入及びその他の収益の増加によるものであるが、営業費用の増加及び引当金戻入の減少により一部相殺された。
2026年度における純利息収入は、2025年度の201.7十億ルピーから13.0%増加し、228.0十億ルピーとなった。これは主として、平均貸付ポートフォリオの拡大によるものであった。
2026年度におけるその他の収益は、2025年度の81.6十億ルピーから19.6%増加し、97.6十億ルピーとなった。これは主として、外国為替及びデリバティブ取引による収益、商業銀行業務手数料、貸付手数料並びに非銀行資産の売却益の増加によるものである。
2026年度における営業費用は、2025年度の90.2十億ルピーから10.5%増加し、99.7十億ルピーとなった。これは主として、雇用経費及び技術関連費用の増加によるものであった。
2026年度における引当金戻入は、2025年度の22.5十億ルピーから減少し、19.0十億ルピーとなった。「-(1)-(e) 引当金及び偶発債務(租税引当金を除く。)」も参照のこと。
(d) 財務セグメント
以下の表は、表示された期間における当行の財務セグメントの税引前利益の主要な構成項目を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 純利息収入 | 163,794 | 165,006 | 301,961 | 0.7 | |||
| その他の収益 | 47,223 | 48,989 | 89,650 | 3.7 | |||
| 収入合計 | 211,017 | 213,995 | 391,611 | 1.4 | |||
| 営業費用 | 24,754 | 39,681 | 72,616 | 60.3 | |||
| 引当金控除前利益 | 186,263 | 174,314 | 318,995 | (6.4) | |||
| 関連会社の利益に対する持分 | (1,507) | (2,629) | (4,811) | N/M | |||
| 引当金 | (2,747) | (824) | (1,508) | N/M | |||
| 税引前利益 | 187,503 | 172,509 | 315,691 | (8.0) | |||
* N/M-非適用
以下の表は、表示された期間における当行の財務セグメントの主要な資産及び負債の期末残高を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日現在の期末残高 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 投資 | 5,057,918 | 4,935,157 | 9,031,337 | (2.4) | |||
| 借入金 | 1,235,383 | 1,249,941 | 2,287,392 | 1.2 | |||
当行の財務業務には、法定準備金の維持及び管理、株式及び固定利付債券の自己勘定取引、並びに先物契約、スワップ及びオプション等の一連の外国為替及びデリバティブの商品及びサービスが含まれる。
2026年度における財務セグメントの税引前利益は、2025年度の187.5十億ルピーから8.0%減少し、172.5十億ルピーとなった。これは主として、営業費用の増加によるものであるが、純利息収入及びその他の収益の増加により一部相殺された。
2026年度における純利息収入は、2025年度の163.8十億ルピーから0.7%増加し、165.0十億ルピーとなった。これは主として、平均投資ポートフォリオの増加によるものである。
2026年度におけるその他の収益は、2025年度の47.2十億ルピーから3.7%増加し、49.0十億ルピーとなった。2026年度における子会社及びジョイントベンチャーからの配当は、2025年度の26.2十億ルピーと比較して34.6十億ルピーとなった。
2026年度における営業費用は、2025年度の24.7十億ルピーから60.3%増加し、39.7十億ルピーとなった。これは主として、優先部門貸付証書の購入に際して支払われた対価の増加に加え、購入レートの上昇によるものである。
2026年度における投資に係る引当金は、2025年度の2.7十億ルピーの戻入から減少し、0.8十億ルピーの戻入となった。2025年度中、当行は、主としてAIFへの投資に対して3.9十億ルピーの引当金戻入を計上した。
(e) その他の銀行業務のセグメント
以下の表は、表示された期間における当行のその他の銀行業務のセグメントの税引前利益の主要な構成項目を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | ||||||||
| 3月31日に終了した年度 | ||||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | |||||
| 純利息収入 | 21,149 | 24,861 | 45,496 | 17.6 | ||||
| その他の収益 | 7,376 | 6,910 | 12,645 | (6.3) | ||||
| 収入合計 | 28,525 | 31,771 | 58,141 | 11.4 | ||||
| 営業費用 | 12,201 | 13,840 | 25,327 | 13.4 | ||||
| 引当金控除前利益 | 16,324 | 17,931 | 32,814 | 9.8 | ||||
| 引当金 | 1,813 | 904 | 1,654 | (50.1) | ||||
| 税引前利益 | 14,511 | 17,027 | 31,159 | 17.3 | ||||
以下の表は、表示された期間における当行のその他の銀行業務のセグメントの主要な資産及び負債の残高を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | ||||||||
| 3月31日現在の残高 | ||||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | |||||
| 貸付金 | 856,480 | 909,314 | 1,664,045 | 6.2 | ||||
| 投資 | 84,943 | 118,426 | 216,720 | 39.4 | ||||
| 預金 | 397,458 | 451,979 | 827,122 | 13.7 | ||||
| 借入金 | 112,564 | 138,260 | 253,016 | 22.8 | ||||
その他の銀行業務には、当行のリース業務、当行の海外銀行子会社及び当行の特定の事業セグメントに帰属しないその他の項目が含まれる。
2026年度におけるその他の銀行業務のセグメントの税引前利益は、2025年度の14.1十億ルピーから17.3%増加し、17.0十億ルピーとなった。これは主として、引当金の減少によるものである。
2026年度における純利息収入は、2025年度の21.1十億ルピーから17.6%増加し、24.9十億ルピーとなった。
2026年度におけるその他の収益は、2025年度の7.4十億ルピーから6.3%減少し、6.9十億ルピーとなった。これは主として、銀行子会社に係るその他の収益の減少によるものである。
2026年度における営業費用は、2025年度の12.2十億ルピーから13.4%増加し、13.8十億ルピーとなった。これは主として、銀行子会社の営業費用の増加によるものである。
2026年度における引当金は、2025年度の1.8十億ルピーから減少し、0.90十億ルピーとなった。
(f) 生命保険セグメント
以下の表は、表示された期間における当行の生命保険セグメントの税引前利益の主要な構成項目を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 既経過保険料 | 489,510 | 531,250 | 972,188 | 8.5 | |||
| 出受再保険料 | (16,910) | (17,890) | (32,739) | 5.8 | |||
| 正味既経過保険料 | 472,600 | 513,360 | 939,449 | 8.6 | |||
| その他の収益 | 28,960 | 29,720 | 54,388 | 2.6 | |||
| 投資収益 | 100,760 | 111,040 | 203,203 | 10.2 | |||
| 収入合計 | 602,320 | 654,120 | 1,197,040 | 8.6 | |||
| 支払手数料 | 48,590 | 57,263 | 104,791 | 17.8 | |||
| 支払保険金/支払給付金 | 91,420 | 151,370 | 277,007 | 65.6 | |||
| 営業費用 | 43,370 | 38,700 | 70,821 | (10.8) | |||
| 費用合計 | 183,380 | 247,333 | 452,619 | 34.9 | |||
| 関連資金への振替 | 233,870 | 239,990 | 439,182 | 2.6 | |||
| 保険契約者負債に対する引当金(非関連) | 171,710 | 148,720 | 272,158 | (13.4) | |||
| 税引前利益 | 13,360 | 18,077 | 33,081 | 35.3 | |||
以下の表は、表示された期間における当行の生命保険セグメントの主要な資産及び負債の残高を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日現在の残高 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 投資 | 1,387,041 | 1,513,190 | 2,769,138 | 9.1 | |||
| 関連負債を補填するために保有している資産 | 1,612,399 | 1,510,296 | 2,763,842 | (6.3) | |||
| 生命保険契約に係る債務 | 2,943,056 | 2,964,991 | 5,425,934 | 0.7 | |||
2026年度におけるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの税引前利益は、2025年度の13.4十億ルピーから35.3%増加し、18.10十億ルピーとなった。これは主として、既経過保険料の増加及び投資収入の増加によるものである。
2026年度におけるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの保険料収入合計は、2025年度の489.5十億ルピーから8.5%増加し、531.3十億ルピーとなった。これは主として、小口向け継続保険料及びグループ保険料の増加によるものである。2026年度における小口向け正味継続保険料は、2025年度の255.0十億ルピーから7.5%増加し、274.3十億ルピーとなった。2026年度における正味グループ保険料は、2025年度の134.1十億ルピーから16.4%増加し、156.1十億ルピーとなった。
2026年度におけるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドのその他の収益は、2025年度の29.0十億ルピーから2.6%増加し、29.7十億ルピーとなった。
2026年度におけるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの投資収入は、2025年度の100.8十億ルピーから10.2%増加し、111.0十億ルピーとなった。これは主として、利息収入、賃借料、配当及び投資の売却益の増加によるものである。
2026年度におけるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの手数料費用は、2025年度の48.6十億ルピーから17.8%増加し、57.3十億ルピーとなった。これは主として、2026年度中の税制改正に伴う、小売事業における物品・サービス税の仕入税額控除の不認可並びに商品構成及び販売チャネル構成の変化によるものである。
2026年度におけるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの支払保険金及び支払給付金は、2025年度の91.4十億ルピーから65.6%増加し、151.4十億ルピーとなった。これは主として、満期保険金及び解約金の増加によるものである。
2026年度におけるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの関連保険契約に係る保険料の投資可能部分を含む関連資金への振替は、2025年度の233.9十億ルピーから2.7%増加し、240.0十億ルピーとなった。これは主として、関連する保険料の増加によるものであった。生命保険に関連した保険契約に係る保険料の投資可能部分は、リスク補填に係る手数料及び保険料の差引後、原資産又は保険契約者が選択した指標に対して投資された、生命保険事業に関連した保険契約から受領する継続保険料を含む保険料収入を表す。2026年度における保険契約者の債務に対する引当金は、2025年度の171.7十億ルピーから減少し、148.7十億ルピーとなった。
2025年度及び2026年度における雇用経費は18.8十億ルピーと横ばいであった。2026年度におけるその他の営業費用は、2025年度の24.7十億ルピーから減少し、19.9十億ルピーとなった。これは主として、広告費用の減少及び引当金戻入額によるものであるが、2026年度中の税制改正に伴う、小売事業における物品・サービス税の仕入税額控除の不認可により一部相殺された。
(g) 総合保険セグメント
以下の表は、表示された期間における当行の総合保険セグメントの税引前利益の主要な構成項目を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 総収入保険料(受再保険料を含む。) | 282,577 | 306,181 | 560,311 | 8.4 | |||
| 出再保険料 | (74,967) | (72,436) | (132,558) | (3.4) | |||
| 未経過危険準備金 | (9,609) | (11,109) | (20,329) | 15.6 | |||
| 正味既経過保険料 | 198,001 | 222,636 | 407,424 | 12.4 | |||
| 手数料(正味) | (38,380) | (44,842) | (82,061) | 16.8 | |||
| 投資収益 | 42,499 | 47,424 | 86,786 | 11.6 | |||
| 収益合計 | 202,120 | 225,218 | 412,149 | 11.4 | |||
| 営業費用 | 28,448 | 30,586 | 55,972 | 7.5 | |||
| 支払保険金/支払給付金(正味) | 139,868 | 158,285 | 289,662 | 13.2 | |||
| その他の費用(正味) | 594 | (243) | (445) | N/M | |||
| 費用合計 | 168,910 | 188,628 | 345,189 | 11.7 | |||
| 税引前利益/(損失) | 33,210 | 36,590 | 66,960 | 10.2 | |||
以下の表は、表示された期間における主要な資産及び負債の残高を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日現在の残高 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 投資 | 524,751 | 577,681 | 1,057,156 | 10.1 | |||
| 未払いの請求を含む現在の負債 | 427,395 | 475,854 | 870,813 | 11.3 | |||
| 引当金 | 112,967 | 124,533 | 227,895 | 10.2 | |||
2026年度におけるICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの税引前利益は、2025年度の33.2十億ルピーから10.2%増加し、36.6十億ルピーとなった。これは主として、正味既経過保険料及び投資収益の増加によるものであるが、営業費用及び発生保険金の増加により一部相殺された。
2026年度における総収入保険料(受再保険料を含む。)収入は、2025年度の282.6十億ルピーから8.4%増加し、306.2十億ルピーとなった。これは主として、火災保険事業、自動車保険事業及び健康保険事業の拡大によるものである。2026年度における正味保険料収入は、2025年度の198.0十億ルピーから増加し、222.6十億ルピーとなった。これは主として、自動車保険事業及び健康保険事業の拡大によるものである。
2026年度における正味支払手数料は、2025年度の38.4十億ルピーから増加し、44.8十億ルピーとなった。これは主として、自動車事業及び健康保険事業における手数料費用の増加によるものである。
2026年度における投資収益は、2025年度の42.5十億ルピーから11.6%増加し、47.4十億ルピーとなった。これは主として、受取利息の増加及び事業の取引量の増加によるものである。2026年度における営業費用は、2025年度の28.4十億ルピーから7.5%増加し、30.6十億ルピーとなった。
2026年度における支払保険金/支払給付金は、2025年度の139.9十億ルピーから13.2%増加し、158.3十億ルピーとなった。損害率(正味発生保険金/正味既経過保険料)は、2025年度末現在において70.6%であり、2026年度末現在においては71.1%であった。
(h) その他のセグメント
「その他」のセグメントには、主としてICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッド、ICICIベンチャー、ICICIセキュリティーズ・リミテッド、ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッド及びICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドが含まれる。
ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、インドにおける大手のミューチュアル・ファンドであるICICIプルデンシャル・ミューチュアル・ファンドを管理している。
ICICIセキュリティーズ・リミテッド及びICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドはそれぞれ、株式引受け、ブローカー業務及び国債のプライマリー・ディーラーシップ業務に従事している。ICICIセキュリティーズ・リミテッドは、有数のオンライン・ブローカー・プラットホームであるICICIダイレクト・ドットコムを保有しており、株式引受け、証券仲介業及び金融商品の販売に従事している。
以下の表は、表示された期間における当行のその他のセグメントの税引前利益の主要な構成項目を示したものである。
| (単位:百万(%の数値を除く。)) | |||||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | 2026年/2025年増減(%) | ||||
| 純利息収入 | 26,495 | 34,736 | 63,567 | 31.1 | |||
| その他の収益 | 107,174 | 108,145 | 197,905 | 0.9 | |||
| 収入合計 | 133,669 | 142,881 | 261,472 | 6.9 | |||
| 営業費用 | 57,879 | 58,395 | 106,863 | 0.9 | |||
| 引当金及び税金控除前営業利益 | 75,790 | 84,486 | 154,609 | 11.5 | |||
| 引当金及び偶発債務 | 1,558 | 702 | 1,285 | (54.9) | |||
| 税引前利益 | 74,232 | 83,784 | 153,325 | 12.9 | |||
2026年度におけるその他のセグメントの税引前利益は、2025年度の74.2十億ルピーから12.9%増加し、83.8十億ルピーとなった。これは主として、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッド、ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッド及びICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドの税引前利益の増加によるものである。
2026年度における純利息収入は、2025年度の26.5十億ルピーから31.1%増加し、34.7十億ルピーとなった。これは主として、当行の証券仲介業子会社、住宅金融子会社及びプライマリー・ディーラーシップに係る子会社の純利息収入の増加によるものである。
2026年度におけるその他の収益は、2025年度の107.2十億ルピーから0.9%増加し、108.1十億ルピーとなった。これは主として、エクイティ・スキーム及びハイブリッド・スキーム、AIF及びPMS並びに当行の資産管理子会社の顧問料に係る管理費の増加によるものであるが、プライマリー・ディーラーを務める当行子会社の売買益の減少により一部相殺された。
2026年度における営業費用は、2025年度の57.9十億ルピーから0.9%増加し、58.4十億ルピーとなった。これは主として、当行の住宅金融子会社及び資産管理子会社のその他の営業費用の増加によるものであるが、証券仲介業子会社の営業費用の減少により一部相殺された。
2026年度におけるICICIセキュリティーズ・リミテッドの税引前利益は、2025年度の23.9十億ルピーから減少し、22.9十億ルピーとなった。これは主として、手数料収入の減少によるものであるが、営業費用及び純利息収入の減少により一部相殺された。
2026年度におけるICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドの税引前利益は、2025年度の35.3十億ルピーから増加し、44.06十億ルピーとなった。これは主として、ファンド運営の収入増加によるものであるが、人件費及びその他事務管理費の増加により一部相殺された。
2026年度におけるICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドの税引前利益は、2025年度の7.2十億ルピーから減少し、6.0十億ルピーとなった。これは主として、その他の収益の減少並びに人件費及びその他事務管理費の増加によるものであるが、純利息収入の増加により一部相殺された。
2026年度におけるICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドの税引前利益は、2025年度の7.4十億ルピーから増加し、8.9十億ルピーとなった。これは主として、純利息収入及び手数料収入の増加によるものであるが、人件費及びその他事務管理費の増加により一部相殺された。
2024年度と比較した2025年度の当行の業績及び2024年度の特定の比較数値については、2025年9月29日に日本国財務省関東財務局へ提出した当行の2025年度の有価証券報告書に含まれる「第一部-第3-4-要旨-(5) 事業の見通し」を参照のこと。
(11) インドGAAPと米国GAAPの間での純利益(少数株主持分控除後)の調整
当行の連結財務書類は、一部の点において米国GAAPと異なるインドGAAPに従い作成されている。以下の記述は、インドGAAPの代わりに米国GAAPを適用することにより生じ得る、インドGAAPに基づく2026年度、2025年度及び2024年度における当行の税引後連結利益への重要な調整について述べている。
2026年度の米国GAAPによるICICIバンクの株主に帰属する連結純利益は、2025年度の513.5十億ルピーから増加し、560.4十億ルピーとなった一方で、2026年度のインドGAAPによるICICIバンクの株主に帰属する税引後利益は、2025年度の510.3十億ルピーから増加し、542.1十億ルピーとなった。
貸倒損失の引当金の会計処理の差異により、米国GAAPによる純利益は、インドGAAPによる場合と比較して、2026年度は7.4十億ルピー増加(2025年度は14.1十億ルピー減少)した。2026年度中、インド準備銀行の指針に基づき、当行は、農業優先部門向け与信枠のポートフォリオについて、当該信用供与条件が、農業優先部門貸付として分類されるための規制要件を十分に満たしていないことが判明したことから、12.8十億ルピーの正常先資産に対する引当金を計上した。貸付金の存続期間にわたる予想信用損失が認識されるため、かかる引当金は米国GAAPにおいては計上されていない。
ICICIグループは、必要に応じて、モデルに基づく予測に対してマネジメント・オーバーレイを適用している。これらのオーバーレイは、特に将来の経済状況がこれらのモデル開発時に考慮された過去のパターンとは異なる展開となる可能性がある場合に、統計モデルの限界に対処するために、デフォルト確率の調整を反映するものである。このオーバーレイは、予想信用損失の予測が適切であることを保証し、モデルを使用して定量化することが難しい将来予測リスク(高まる地政学リスク、それに伴う原油及びコモディティ価格の変動、予想されるエルニーニョ現象の影響によるインドにおけるモンスーン降雨の偏在地経学的分断、予想される世界的及びインドの成長の減速、高まるインフレ圧力、ITサービスの成長及び人工知能(AI)の開発の減速等)を組み込んでいる。したがって、当行は、2026年3月31日現在、米国GAAPに基づいた信用エクスポージャーに対してマネジメント・オーバーレイを実施した。
本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記21(a)も参照のこと。
負債証券及び持分証券の評価の会計処理の差異により、米国GAAPに基づく純利益は、インドGAAPに基づく場合と比較して2025年度は21.1十億ルピー減少し、これに対し2026年度は4.8十億ルピー減少した。これは主に、株式投資に係る未実現損失が、米国GAAPでは純利益に計上されていた一方で、インドGAAP基準ではこれらの株式投資が売却可能として分類され、主としてAFS準備金として認識されていたことに起因する。
企業結合の会計処理の差異により、米国GAAPによる純利益は、2026年度において3.6十億ルピー減少(2025年度の純利益は3.6十億ルピー減少)した。
連結の会計処理の差異により、米国GAAPによる純利益は、インドGAAPによる場合と比較して2026年度は8.0十億ルピー増加したが、2025年度は11.2十億ルピー増加した。2026年度において、当行の生命保険関連会社は、米国GAAPによる場合は純利益32.5十億ルピー(2025年度は純利益33.6十億ルピー)を計上したのに対し、インドGAAPによる場合は純利益16.1十億ルピー(2025年度は11.9十億ルピー)を計上した。純利益の増加は、主として、保険契約者の負債及び保険契約者の未割当剰余金の減少及び繰延取得原価の償却によるものであるが、これらはトレーディング・ポートフォリオ及び持分証券の時価評価損により一部相殺された。本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記22(h)も参照のこと。
手数料及び費用の償却の合計差異は、2026年度において9.0十億ルピー(2025年度は8.5十億ルピー)であった。
当行は、インドGAAPでは先行計上されるが、米国GAAPでは償却される貸付金組成手数料を稼得し、また費用を負担する。貸付金組成手数料及び費用の償却により、米国GAAPによる利益は、インドGAAPによる場合と比較して、2026年度は3.6十億ルピー増加(2025年度の利益は1.3十億ルピー減少)した。2026年度において、米国GAAPによる退職給付費用はインドGAAPによる場合と比較して2.4十億ルピー減少(2025年度は1.9十億ルピー増加)した。インドGAAPでは、保険数理上の損益は損益勘定に計上され、米国GAAPでは、保険数理上の利益/損失はその他の包括利益に計上され、その後損益計算書において償却される。さらに、労働法規の変更に伴う過去勤務費用もその他の包括利益を通じて認識され、その後損益計算書を通じて償却されるが、これに対しインドGAAPでは、過去勤務費用は損益計算書で認識される。米国GAAPにおいて、過年度のその他の包括利益からの保険数理上の損失の償却と比較して、2026年度のその他の包括利益を通じて認識された保険数理上の損失が高かったことにより、2026年度中の米国GAAPにおける退職給付費用は、インドGAAPによる場合と比較して減少した。本書に含まれる「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記21(e)も参照のこと。
インドGAAPによる場合と比較して、米国GAAPによる繰延税金費用は、2026年度は3.9十億ルピー減少(2025年度は19.7十億ルピー)した。
繰延税金は、米国GAAPによる場合は子会社、支店及び関連会社への投資に関する一時的差異に計上されるが、インドGAAPによる場合は、子会社、支店及び関連会社への投資に関する一時的差異には計上されない。米国GAAPによる2026年度の繰延税金資産は、2025年度の3.7十億ルピーの増加に対して、2.3十億ルピー減少した。
当行及び当行の住宅金融子会社は、所得税法に従って税制上の優遇措置を享受するために、利益処分を通じて特別準備金を設定している。インドGAAPに基づき、繰延税金負債は、インド準備銀行が策定したガイドラインに従ってかかる特別準備金として計上されている。米国GAAPにおいて、繰延税金はその予定回収方法に基づいて認識及び測定され、予定回収方法により税効果が発生しない場合には繰延税金は計上されない。したがって、ICICIグループが引き続きかかる特別準備金の引出し/使用は一切しない意向であること、また清算シナリオにおいてかかる特別準備金が非課税であるとの法律顧問の見解に基づき、特別準備金に対して繰延税金負債は設定されなかった。2026年度において、米国GAAPによる繰延税金費用は、インドGAAPによる場合と比較して8.5十億ルピー減少(2025年度は8.0十億ルピー)した。
さらに、2025年度の7.3十億ルピーのプラスの税効果に対し、2026年度は0.6十億ルピーのマイナスの税効果があったため、インドGAAPから米国GAAPへの調整には差異が生じた。本書に含まれる「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記21(i)も参照のこと。
2025年度の米国GAAPによるICICIバンクの株主に帰属する連結純利益は513.5十億ルピーで、インドGAAPによるICICIバンクの株主に帰属する税引後利益510.3十億ルピーを上回った。2025年度において、米国GAAPによる純利益は、主として、費用控除後の貸付事務手数料の償却のプラスの影響、インドGAAPによる場合の純利益と比較した米国GAAPにおける当行の生命保険関連会社の純利益の増加及びインドGAAPによる場合と比較した米国GAAPにおける繰延税費用の減少により増加したが、インドGAAPによる場合と比較した米国GAAPにおける貸倒引当金の増加により一部相殺された。
2024年度の米国GAAPによるICICIバンクの株主に帰属する連結純利益は、613.8十億ルピーで、インドGAAPによるICICIバンクの株主に帰属する税引後利益442.6十億ルピーを上回った。2024年度において、米国GAAPによる純利益は、主として、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの公正価値の評価益、費用控除後の貸付事務手数料の償却のプラスの影響、インドGAAPによる場合の純利益と比較した米国GAAPにおける当行の生命保険関連会社の純利益の増加及びインドGAAPによる場合と比較した米国GAAPにおける繰延税費用の減少により増加したが、インドGAAPによる場合と比較した米国GAAPにおける貸倒引当金の増加により一部相殺された。
インドGAAP及び米国GAAPの重要な相違点、米国GAAPに基づく純利益及び株主資本の調整並びに米国GAAPに基づき要求される特定の追加情報の詳細については、本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記21及び22を参照のこと。
(12) 研究開発
当行は、当行の技術力強化に対して注目しており、当行のプラットフォームの強靭性、拡張性及び安全性を重点課題としている。当行は、新しい技術プラットフォームへの投資を継続し、クラウドの導入や銀行業務全般のユースケースでAIの使用の可能性を探る等、新たな技術に取り組んでいる。
(13) 重要な会計方針及び予測
当行の財政状態及び業績を理解するには、当行の重要な会計方針及び予測並びに当行がかかる方針を適用するにあたりどの程度判断及び推測を行っているかを理解することが重要である。当行の会計及び報告方針はインドGAAPに従っており、当行の商品及びサービス並びに当行が遂行する業務に関連した標準的な会計原則に準拠している。インドGAAPでは、当行に、財務書類の日付現在の資産及び負債(偶発債務を含む。)の報告額並びに報告された年度の報告された収益及び費用に影響する見積り及び予測を立てることが要求されている。したがって、当行は、実際の結果が不明確な状況において予測をするため、かなりの判断及び推測を行っている。本書に含まれる「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書17-重要な会計方針」も参照のこと。
(a) ICICI****バンク
(ⅰ) 収益認識
受取利息は、発生主義により損益勘定に認識される。ただし、不良資産については、インド準備銀行の収入認識及び資産分類の基準に従って実現時に認識される。割引商品に係る収入は、商品の保有期間にわたり一定の利回り法で認識される。受取配当金は、配当金を受け取る権利が確定した時点で発生主義により計上される。保証状及び信用状の発行に係る受取手数料並びにクレジットカード、デビットカード及びプリペイドカードの年会費/更新料は、手数料の契約期間にわたり定額法で償却される。優先部門貸付証書に関する支払/受取手数料は、証書の有効期間にわたり定額法で償却される。その他の手数料は、当行が最終的な回収を合理的に見込んだ場合に、支払期日が到来した時点で計上される。
収益認識には不確実性が伴い、収益の回収可能性に関する仮定及び判断により著しい影響を受ける。仮定の変更は、これらの予測及びその結果の認識に著しい影響を与える可能性がある。
(ⅱ) 投資の会計処理
ICICIバンクは、投資の売買について、取引日に基づく会計処理方法に従っている。ただし、インド国債及び州政府債については、インド準備銀行のガイドラインに従った決済日に基づく会計処理方法に従う。
2024年3月31日まで、当行は、主に2021年商業銀行の投資ポートフォリオの分類、評価及び運用指針に関する標準指針に基づく投資に係る会計方針に従い、有価証券は種類ごとに評価され、(a)満期保有目的、(b)売却可能及び(c)トレーディング目的に分類された。有価証券の価値の増減額は、分類別に合計された。各投資分類に基づく各分類における純増加額(もしあれば)は、未実現であるため計算に入れられないが、各分類における純減少額については算入された。満期保有目的有価証券は、取得原価又は額面金額を超過するプレミアムで取得された場合は、償却原価で計上された。取得した固定利付有価証券及び変動利付有価証券の額面金額を超過するプレミアムは、満期までの残存期間にわたりそれぞれ一定の利回り法及び定額法で償却された。
2024年4月1日付で、当行は、2023年標準指針-商業銀行の投資ポートフォリオの分類、評価及び運用指針を実施し、当該指針に基づき経過調整を行っている。したがって、投資に関する重要な会計方針は以下のとおり変更されている。
投資はすべて当初認識時に公正価値で認識され、主に取得原価で計上される。公正価値が取得原価と著しく異なることを示唆する事実や状況がある場合、インド準備銀行のガイドラインに従い、公正価値と取得原価の差額が認識される。
すべての投資は、現存するインド準備銀行の銀行による投資ポートフォリオの分類、評価及び運用に関するガイドラインに従い、(a)満期保有目的、(b)売却可能及び(c)購入日における損益を通じた公正な価値評価(トレーディング目的を含む。)に分類される。トレーディング目的は、損益を通じた公正な価値評価内の独立した個別投資区分である。これらの各分類の下で、投資はさらに、(a)政府発行有価証券、(b)その他の適格有価証券、(c)株式、(d)債券及びディベンチャー並びに(e)その他に分類される。さらに、子会社、ジョイントベンチャー及び関連会社への負債投資を含むすべての投資は、個別の区分に分類される。
投資は、(ⅰ)有価証券が満期まで保有する意図及び目的を持って取得された場合(すなわち、金融資産が契約上のキャッシュ・フローを回収する目的で保有されている場合)並びに(ⅱ)有価証券の契約条件により、特定の期日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが生じた場合に、満期保有目的として分類される。満期保有目的有価証券は、取得原価で計上される。取得した固定利付有価証券及び変動利付有価証券/満期分散有価証券の額面金額に対するプレミアム又はディスカウントは、満期までの残存期間にわたりそれぞれ一定の利回り法及び定額法で償却される。
投資は、(ⅰ)有価証券が契約上のキャッシュ・フローを回収し、かつ有価証券を売却することによって達成される目的で取得された場合並びに(ⅱ)有価証券の契約条件が元本及び利息の支払いのみの要件を満たす場合に、売却可能として分類される。さらに、当初認識時に、当行が株式投資を売却可能投資に分類する取消不能の選択を行った場合には、一部の株式投資も売却可能投資に指定される。売却可能に分類される投資は、インド準備銀行のガイドラインに従って定期的に公正価値で評価される。取得した固定利付有価証券及び変動利付有価証券/満期分散有価証券の額面金額を超過するプレミアム又は下回るディスカウントは、満期までの残存期間にわたりそれぞれ一定の利回り法及び定額法で償却される。すべての実行中の売却可能投資に係る未実現損益(税効果調整後(もしあれば))は、「売却可能準備金」として認識される。
満期保有目的又は売却可能に含めることができない有価証券は、損益を通じた公正な価値評価の有価証券に分類される。損益を通じた公正な価値評価内に、トレーディング目的といった独立した個別区分が存在する。トレーディング目的投資には、主に上場株式投資(売却可能投資に指定された株式投資を除く。)及び売却目的で取得した負債証券が含まれる。損益を通じた公正な価値評価に分類される投資は、インド準備銀行のガイドラインに従って定期的に公正価値で評価される。取得した固定利付有価証券及び変動利付有価証券/満期分散有価証券のうち、元本及び利息の支払いのみの要件を満たすものについては、その額面金額に対するプレミアム又はディスカウントは、満期までの残存期間にわたりそれぞれ一定の利回り法及び定額法で償却される。実行中の損益を通じた公正な価値評価の投資全体に係る未実現損益は、すべての区分で集計され、価値の純増減額は損益勘定で認識される。
子会社、関連会社及びジョイントベンチャーに対するすべての投資(負債投資及び株式投資を含む。)は、取得原価で計上される。取得した固定利付有価証券及び変動利付有価証券/満期分散有価証券の額面金額を超過するプレミアム又は下回るディスカウントは、満期までの残存期間にわたりそれぞれ一定の利回り法及び定額法で償却される。当行は、子会社、ジョイントベンチャー及び関連会社への投資について、その他の一時的な価値の下落がないか査定し、適切な引当金を設定する。
取得時に支払われたトレーディング・ブック投資に関連する仲介料及び手数料並びに負債証券の端数期間の利息(直前の利払日から商品購入日までの利息)を含む費用は、損益勘定に費用処理される。
当初認識及び事後測定の目的上、投資は、インド準備銀行のガイドラインに基づき公正価値で評価される。有価証券は種類ごとに評価される。
上場証券は、公認の証券取引所における終値又は固定利付金融市場及びデリバティブ協会/ファイナンシャル・ベンチマークス・インディア・プライベート・リミテッドが発表する価格に基づいて定期的に評価される。
当行は、ファイナンシャル・ベンチマークス・インディア・プライベート・リミテッドにより発表された利率に従って、売却可能及び損益を通じた公正な価値評価の区分に含まれる法定流動性比率証券の性質を有する非上場国債の市場価格/公正価値を算定する。非上場社債について、当行は、固定利付金融市場及びデリバティブ協会により発表された証券レベル評価に従って、市場価格を算定する。
当行は、パススルー証券を含む非上場の固定利付非国債証券の市場価格を、満期までの利回りの利率と連動するか否かにかかわらず、固定利付金融市場及びデリバティブ協会により発表された国債に係る満期利回り利率を超える利幅で、これに伴う信用リスクを反映した上で算定する。政府系外国証券及び非インド・ルピー建債券は、政府機関又は相手方の時価による公表価格に基づき評価される。
割引商品である短期国債、コマーシャル・ペーパー及び預金証書は、帳簿価額で評価される。
ミューチュアル・ファンドのユニットは、ミューチュアル・ファンドが公表した最新の買戻価格/純資産価値で評価される。
当行は、直近の貸借対照表が入手可能な場合、当行の非上場株式の市場価格を清算価値で算出する。かかる貸借対照表が入手できない場合又は18ヶ月より古い場合には、非上場株式はインド準備銀行のガイドラインに従い1ルピーで評価される。
ベンチャー・キャピタル・ファンド/AIFのユニットへの投資は、損益を通じた公正な価値評価の区分に認識され、ベンチャー・キャピタル・ファンド/AIFが公表する純資産価値で評価される。直近の純資産価値が継続して18ヶ月を超えて入手できない場合、ベンチャー・キャピタル・ファンド/AIFのユニットはインド準備銀行のガイドラインに従い1ルピーで評価される。
インフラ投資信託のユニットは、取引所で入手可能な市場相場価格に従って評価される。
当行は、有価証券受領証を、資産再構築会社から提供される純資産価値で評価する。当行は、破綻処理期間の残存期間に基づいて有価証券受領証の追加引当を行う。破綻処理期間において未償還の有価証券受領証は損失資産として処理され、全額が引当金として計上される。インド政府によって保証された受領証を含め、全額拠出された有価証券受領証に対する引当金はインド政府による実際の回収金の受領又は請求の承認(もしあれば)に基づき損益勘定を通じて戻し入れられる。
不良投資の減損は、インド準備銀行の最低引当要件に基づき内部引当基準に従って設定される。
投資売却(売却可能株式投資を除く。)の利益/損失は、損益勘定に計上される。投資原価は先入先出法に基づいて算定される。売却可能株式投資に係る実現損益は、売却可能準備金に認識される。さらに、満期保有目的投資、子会社、ジョイントベンチャー及び関連会社への投資並びに売却可能株式投資の売却による利益(税引後及び法定準備金への振替後)は、インド準備銀行のガイドラインに従って「資本準備金」に計上される。
当行は、インド準備銀行のガイドラインに従い日付入りの中央政府債の空売りを行っている。空売りは、トレーディング目的区分に分類され、時価評価される。時価評価損益は、インド準備銀行のガイドラインに従って損益勘定に計上される。
当行は、インド準備銀行のガイドラインに従い、インド準備銀行との間の流動性調整枠/限界常設ファシリティ下の買戻し、逆買戻し及び取引を借入取引及び貸付取引として計上している。
投資の評価方法には不確実性が伴い、様々な金融商品のリスク特性、割引率、将来のキャッシュ・フローの予測及びその他の要因に関する仮定及び判断により著しい影響を受ける。仮定の変更は、これらの予測及びその結果の公正価値に著しい影響を与える可能性がある。
(ⅲ) 貸付金及びその他の与信枠
貸付金は、インド準備銀行のガイドラインに従って優良債権又は不良債権に分類される。インド準備銀行のガイドラインに基づき、ターム・ローンについては利息又は元本の支払期日が90日超経過している場合、貸越又は当座貸しについては口座が90日間滞留している場合、また手形については当該口座が90日超延滞している場合、一般的に資産は不良と分類される。海外支店で保有される貸付金のうち、貸付実施国の規制では減損しているとみなされるが既存のインド準備銀行のガイドラインでは正常であるものは、各貸付実施国における残高については不良債権に分類される。不良貸付は、未払いとなっている日数に基づき、正常資産、要管理先資産、破綻懸念先資産及び破綻先資産に分類される。不良債権の利息は受領されるまで損益勘定には計上されない。
当行は、借入人の財政難に関する経済的又は法的理由により、当行が他の方法では考慮しないような譲渡を借入人に認めた場合、その勘定をリストラクチャリングされたとみなす。インド準備銀行のガイドラインに基づいて借入人に付与された猶予期間は貸付金のリストラクチャリングとして計上されない。インド準備銀行の特定のガイドラインでは、資産分類を「正常」で維持することが義務付けられている。そのため、かかるガイドラインの下で破綻処理計画が実施された借入人は正常にリストラクチャリングされたものとして分類される。
引当金は一般的に、当行により、正常先資産、要管理先資産、破綻懸念先資産及び破綻先資産に対して、インド準備銀行の最低引当要件に基づき、内部引当基準に従って設定される。当行は、不良債権に対する特定引当金及び正常先貸付に対する一般引当金を有している。また、当行はインド準備銀行の指導に従って一定の正常先貸付に対する特定引当金を設定する。破綻先資産及び破綻懸念先資産の無担保部分は全額引き当てられている。海外支店が保有する減損貸付金で、インド準備銀行のガイドラインで正常先に分類される貸付金については貸付実施国の規制に従って引当金が計上される。海外支店が保有する貸付金で、インド準備銀行のガイドラインでも貸付実施国の規制でも不良債権とされる貸付金については内部引当基準と貸付実施国の規制に従って要求される引当金のうち高い方が計上される。非協力的借入人として分類された借入人又は故意の不履行者に関し、当行はインド準備銀行のガイドラインに従って引当金を前倒しで計上する。当行が保有する不良債権に対する特定引当金は、最低規制要件を上回っている。
インド準備銀行に不正があると報告された非小口向け貸付については、その全額に対して、不正が報告された四半期から4四半期を超えない期間にわたり引当金が設定される。インド準備銀行への不正に関する報告が遅れた又は破綻先勘定に分類された非小口向け貸付については、その全額に対して直ちに引当金が設定される。小口向け貸付における不正の場合、その全額に対して直ちに引当金が設定される。非協力的借入人又は故意の債務不履行者に分類された借入人に関し、当行は、インド準備銀行のガイドラインに従って引当金を前倒しで計上する。
当行は、インド準備銀行のガイドラインに従った最低要求に基づき、条件緩和貸付に対する引当金を設定する。適用されるインド準備銀行のガイドラインに従い、貸付条件が緩和/再調整された貸付の公正価値の下落による引当金が計上される。不良債権及び条件緩和貸付は、適用される既存のインド準備銀行のガイドライン又は貸付実施国の規制の範囲で正常へと引き上げられた。
インド準備銀行のガイドラインに従い、不良債権は当行の方針に基づいて償却される。償却した不良債権に対する回収額は、損益勘定に計上される。
当行はまた、インド準備銀行が策定したガイドラインに従い、正常先貸付に対して一般引当金を設定しており、それにはヘッジされていない外国為替エクスポージャーを有する借入人に対する貸付についての引当金、特定のストレス部門の特定の借入人に対する貸付に関する引当金、インドの会社のステップダウン子会社のエクスポージャーに関する引当金及びインド準備銀行の大口エクスポージャーの枠組みに従って特定された借入人に対するエクスポージャーの増加に関する引当金が含まれる。海外支店の正常貸付金については、一般引当金は、貸付実施国の規制要件とインド準備銀行の要件に従い総額のいずれか高い方で計上されている。
さらに、当行は、国別エクスポージャー(間接的カントリー・リスクを含み、自国のエクスポージャーを除く。)に対して引当金を設定する。国は、7つのリスク区分、すなわち「些少」、「低い」、「中程度に低い」、「中程度」、「中程度に高い」、「高い」及び「非常に高い」に分類され、契約期間が180日を超えるエクスポージャーに対して0.25%から25%まで段階的に引当が行われる。契約期間が180日未満のエクスポージャーについては、180日を超えるエクスポージャーに対する適用率の25%の引当金を保有しなければならない。間接的エクスポージャーは、当該エクスポージャーの50%と見積られる。各国に関する当行の融資エクスポージャー純額が当行の資産総額の1%未満である場合には、かかる国別エクスポージャーに対して引当金を設定する必要はない。
当行は、インド準備銀行のガイドラインに従い、インド準備銀行指定の期限内に実行可能な破綻処理計画が遂行されなかった場合に、債務不履行日から追加の引当金を設定する。これらの追加の引当金は、インド準備銀行のガイドラインに従い、戻入に必要な条件を満たすために戻し入れられる。
当行は、慎重な判断の下、一定の正常先資産に係る偶発損失引当金も設定している。かかる偶発損失引当金は「その他の負債及び引当金」に含まれる。
当行は、取締役会が承認した方針を定めており、当行が設定する特定引当金及び一般引当金に加えて、流動引当金を設定することができる。この流動引当金は、インド準備銀行のガイドライン又はその他の規制ガイダンス/インストラクションに従って、通常の営業過程では発生せず、例外的かつ非経常的な性質の偶発債務のために、また減損貸付金に対する個別引当金を計上するために、取締役会及びインド準備銀行の承認を得た場合にのみ利用することができる。この流動引当金は貸付金から控除される。
貸付に対する引当金には不確実性が伴い、不良債権及び正常先貸付に対する引当金並びにその他の信用エクスポージャーに関する仮定及び判断により著しい影響を受ける。仮定の変更は、これらの予測及びその結果の引当金に著しい影響を与える可能性がある。
(b) ICICI****プルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド
非ユニットリンク契約の保険料は、保険契約者から支払われた時点で収入(物品及びサービス税の控除後)として認識される。ユニットリンク事業に関しては、保険料は関連ユニットが作成された時点で収入として認識される。失効した保険契約に係る保険料は、かかる保険契約が復活された時点で収入として認識される。
出再保険料は、再保険会社との関連する契約の条件に従って会計処理されている。再保険の出再保険利益手数料は、出再保険料を控除したものである。
死亡保険金及び特約保険金は、通知受領時に会計処理される。生存給付金、満期保険金及び年金は、期日到来時に会計処理される。非ユニットリンク保険契約に基づく引出し及び解約は通知受領時に会計処理され、ユニットリンク保険契約に基づく引出し及び解約は、関連するユニットが解約された時点で各スキームに会計処理される。失効/中止された契約に係る支払額は、これらの契約のロックイン期間満了時に会計処理される。解約、払戻し及び失効は、回収可能な手数料控除後の金額で開示される。該当する場合、保険金支払手続費用、弁護士費用及びその他の費用は、保険金コストの一部を構成する。再保険金は、その保険金の通告期間に会計処理され、支払われた給付金と相殺される。司法当局において争われている棄却済請求及びその他の請求は、経営陣が適切と考える健全なベースで引当計上される。
ユニットリンク契約からの収入(資金管理手数料、保険証券管理手数料、危険保険料及び(もしあれば)その他手数料を含む。)は、発行済保険契約の条件に従って、ユニットリンクの資金から補填され、期限到来時に計上される。
獲得費用は、新規保険契約及び更新保険契約の獲得によって変動し、主にそれに関連する費用であり、保険契約の締結に伴い発生する費用の義務的関係を有する。これらの費用は発生した期間に費用計上される。支払われる手数料の回収(もしあれば)は、回収可能となる年度に計上される。
保険数理上の債務は、評価日現在、すべての有効な契約及び保険料の払込が中止されているが負債が存在する契約について、保険数理上の慣例、(随時改正される)1938年保険法の要件、IRDAIの規則並びに関連するガイダンス及びインド数理協会の保険数理慣行に従って計算される。リンク事業に関するユニット債務とは、保険契約者の信用に基づくユニットの価値を評価日現在の純資産価値で表したものである。
有配当及び無配当契約両方に係る数理計算上の負債は、利息、死亡率、罹患率、持続性、費用及びインフレに関する仮定、並びに有配当契約の場合には、税金引当金及び株主に対する利益配分並びに将来支払う配当金を用いた総額保険料法を用いて算定される。これらの仮定は、評価日における慎重な見積り(可能性のある不利な変動に関する引当金を含む。)として判断される。
有配当区分における将来充当されるファンドは、貸借対照表日現在、保険契約者又は株主に配分されていない剰余金を示している。
投資は、1938年保険法、2024年インド保険業規制開発委員会(保険会社の保険数理、財務及び投資機能)規則(本規制)、2024年5月17日付保険会社の保険数理、財務及び投資機能に関するマスターサーキュラー(マスターサーキュラー)、当行の投資方針及びIRDAIがこれに関して随時発行するその他多様な通知/通告、に従って行われ、かつ会計処理がなされる。
保険契約者の負債の未請求額は、評価日現在のユニット残高の純資産価値に基づいて決定される。保険契約者の負債の未請求額に係る収入は、資金の未請求額に加えられ、資金管理手数料を控除後に発生主義により会計処理される。
借入費用は、発生した期間の損益計算書に計上される。
所得税引当金は、生命保険事業を行う会社に対して、1961年所得税法第44条(別表第1に含まれる規則を含む。)及び1961年所得税法のその他の関連規定(該当する場合)に従い計上される。所得税費用は、当期税(すなわち、1961年所得税法に従って決定されたその年度の税額)及び繰延税金費用又は繰延税金控除(年度における会計上の利益と課税所得との期間差異による税効果を反映したもの)で構成される。
(14) 公正価値測定
当行は、ASC Topic 820に規定される公正価値ヒエラルキーに基づいて米国GAAPでの金融商品の公正価値を決定している。当該基準書は、公正価値測定において使用されるデータの3つのレベルについて説明している。
レベル1の金融商品は、報告日において活発な市場で取引される同一の金融商品の調整前市場相場価格に基づいて評価される。
レベル2の金融商品は、活発な市場における類似の金融商品の市場相場価格、活発でない市場における同一又は類似の金融商品の市場相場価格、市場参加者の見積価格、及び活発な市場において観察可能な重要なデータを用いる評価モデルから導き出された価格に基づいて評価される。データとして、金利、イールドカーブ、ボラティリティ及びクレジット・スプレッドが用いられるが、これらは、ロイター、ブルームバーグ、インド外国為替業協会、ファイナンシャル・ベンチマークス・インディア・プライベート・リミテッド並びにインドの固定利付金融市場及びデリバティブ協会等の公的情報源から入手可能である。
レベル3の金融商品は、重要な市場の観察不能なデータ又は仮定を用いる評価技法又は評価モデルに基づいて評価される。評価額が価格決定モデル、割引キャッシュ・フロー法又は類似の技法を用いて決定され、少なくとも1つの重要なモデルにおける仮定又はデータが観察不能である場合、又は公正価値の決定に重要な経営陣による判断若しくは見積りが必要である場合、金融商品はレベル3に該当する。
当行の投資及びデリバティブ・ポートフォリオの評価のために当行が採用している評価方法は、下記に要約される。ポートフォリオの大部分は、調整前市場相場価格若しくは取引価格、又はインド固定利付金融市場及びデリバティブ協会、インド外国為替業協会、ファイナンシャル・ベンチマークス・インディア・プライベート・リミテッド、ロイター、ブルームバーグ及び証券取引所といった公的情報源から入手可能な金利、イールドカーブ、ボラティリティ及びクレジット・スプレッドといった市場で観察可能なデータを用いるモデルに基づいて評価される。
ルピー建固定利付ポートフォリオ(国債及び社債に対するすべてのルピー投資を含む。)は、固定利付金融市場及びデリバティブ協会が制定した市場参加者向けのガイドラインに基づき評価される。固定利付金融市場及びデリバティブ協会は、指定商業銀行、公的金融機関、プライマリー・ディーラー及び保険会社の協会であり、インドにおける債券、デリバティブ及び金融市場のための自主市場機関である。国際投資ポートフォリオは、通常、市場相場価格に基づいて評価される。特定の市場においては、その非流動性を理由に、当行は公正価値に関する独自の仮定及び見積りに基づく代替の評価技法を使用する。
デリバティブ・ポートフォリオの大部分は、スワップ・レート、外国為替相場、ボラティリティ及び先物レートといった市場で観察可能なデータを用いて評価される。デリバティブの評価は、主として市場相場のスワップ・レート及び外国為替相場を用いて行われる。特定のストラクチャード・デリバティブは、カウンターパーティーの相場に基づき評価される。デリバティブ取引に係るエクスポージャーは、それぞれのカウンターパーティーに承認された与信の上限に対して算定され、記録される。
当行はまた、観察不能なデータに基づき評価された、又はそれらの公正価値の算定にあたり経営陣が行った重要な仮定を含む、投資及びデリバティブを保有している。かかる金融商品は、FASB ASC Topic 820「公正価値測定及び開示」に定義される区分に従ってレベル3に分類される。
(15) 米国GAAPに基づくレベル3投資の評価方法の詳細
レベル3の金融商品に対する当行の投資総額は、2026年度末現在において153.1十億ルピーであった。レベル3投資総額のうち、151.6十億ルピーはインド関連投資で、1.5十億ルピーはインド関連でない投資であった。インド関連投資の内訳は、パススルー証券145.0十億ルピー、社債1.9十億ルピー、株式4.5十億ルピー及びその他証券0.1十億ルピーであった。インド関連でない投資については、不動産担保証券が2026年度末現在1.5十億ルピー、株式が2026年度末現在0.0十億ルピーであった。
インドのパススルー証券の評価は、対象信託から支払われる見積キャッシュ・フローに依拠する。対象信託は、見積キャッシュ・フローを算定するため、様々な変数に関する仮定を行う。パススルー証券のキャッシュ・フローは、満期利回り利率及びファイナンシャル・ベンチマークス・インディア・プライベート・リミテッド並びに固定利付金融市場及びデリバティブ協会が月末に発表したクレジット・スプレッドで割り引かれる。
非流動的とみなされ、評価モデルに基づき評価された債券は、かかる有価証券の評価に用いられるデータが観察不能な市場データから集められたか、又は当該債券が市場観察データに調整された後に評価された場合に限りレベル3の金融商品に分類される。1.9十億ルピーの債券に対する投資は、償却原価(減損控除後)又は重要な経営見積り及び仮定を用いて、又は原担保の市場価格に基づいて評価された。
また、資産担保証券市場及び不動産担保証券市場における非流動性のため、有価証券の大部分はレベル3に分類され、これらの有価証券は評価モデルを用いて評価される。
当行のカナダの子会社は、主に不動産担保証券の利回りに対する不動産担保証券の金利の超過スプレッドを表す、貸借対照表上、売却可能有価証券として公正価値1.5十億ルピー(内部モデルを用いて決定される。)で記録されている留保利益を有している。
0.0十億ルピーのインド関連でない株式は、同じ会社の市場価格への割引を適用して評価された。
当行が、市場で観察可能なデータを参照して価値決定を行う商品の評価モデルに用いられる方法には、当行のモデルによる算定値とカウンターパーティーの相場の比較、第三者の価格決定手段による価格決定の比較、モデル又はケースバイケースの基準で用いられるその他の手段において用いられる評価方法の再現が含まれる。評価はまた、様々なシナリオに基づき査定され、整合性について確認される。しかしながら、信頼できる時価又は入手可能な市場で観察可能なデータがない場合の商品については、代替手段によって発展したモデルを用いて、また適用ある場合はいつでも代替物を利用して評価が行われる。独立した評価モデルの検証は、リスク管理グループから独立した事業体/ユニットにより行われる。
(16) インドの会計基準と国際財務報告基準とのコンバージェンス
2016年、企業省は、指定商業銀行、保険会社及び銀行以外の金融会社を対象に、国際財務報告基準と統一された新しいインド会計基準(Ind AS)の実施のためのロードマップを発表した。しかしながら、現在、銀行を対象とするInd ASの実施は、推奨された法律の改正がインド政府によって検討中であるため、さらなる通知が行われるまで延期されており、保険会社については、Ind ASが2026年4月1日から適用されたが、保険会社はIRDAIの事前の承認を得ることで、1年間の適用猶予を受ける選択肢が与えられている。当行は、Ind ASが適用される場合に限り、Ind ASを実施するための準備において進行段階にある。さらに、Ind ASの適用に関する重要事項の規制ガイドライン及び明確化がなされる可能性があり、それらが発表された場合、当行はそれらを当行の実施プロジェクトに適切に組み込む必要がある。
Ind ASに基づき作成された財務書類は、本書に含まれるか、又は本書における参照として組み込まれる財務書類及びその他の財務情報と大幅に異なる可能性がある。相違する主な分野には、金融資産の減損及び予定貸倒損失の控除、貸付事務手数料及び費用の会計処理、連結勘定並びに繰延税金が含まれる。
2026年4月にインド準備銀行は、銀行による引当のための予定貸倒損失の枠組みを導入する指針を策定したが、これは概ね国際財務報告基準第9号の原則に基づいており、必要に応じて規制上のバックストップにより補完される。予定貸倒損失アプローチには、不良資産の分類に関する現行基準を維持しながら、資産分類のための段階的な枠組みの導入及び将来予測に基づく引当金の適用が含まれる。これらの指針は、予定貸倒損失の見積りに基づいて算定される引当金に加え、銀行が維持すべき健全性下限値も導入した。これらの指針は2027年4月1日付で施行され、より高い引当金の設定要件を必要とする可能性がある。
(17) 関連当事者間取引
2026年度中、当行は、(ⅰ)関連会社/その他の関連事業体並びに(ⅱ)主要経営陣等及びその親族により構成される関連当事者と取引を行った。
(a) 関連****当事者
***(***ⅰ) 関連会社/その他の関連事業体
2026年度中、当行の関連会社/その他の関連事業体として認定された当事者は、アルテリア・テクノロジーズ・プライベート・リミテッド、インディア・インフラデット・リミテッド、ICICIファンデーション・フォー・インクルーシブ・グロウス、チャーリー・アドバイザリー・プライベート・リミテッド、GENEZEN(1)、FISERVマーチャント・ソリューションズ・プライベート・リミテッド(旧ICICIマーチャント・サービシズ・プライベート・リミテッド)(2)、NIITインスティチュート・オブ・ファイナンス・バンキング・アンド・インシュアランス・トレーニング・リミテッド(2)、インディア・アドバンテージ・ファンドⅢ(3)、インディア・アドバンテージ・ファンドⅣ(3)、チャムンダ・ダイヤモンズ、プロセディウム・ストラテジー・エルエルピー及びファクトリーオーエス・プライベート・リミテッドの各社である。
(1) 2026年第1四半期より、GENEZENは当行の関連当事者となった。
(2) 2026年第1四半期中に、FISERVマーチャント・ソリューションズ・プライベート・リミテッド(旧ICICIマーチャント・サービシズ・プライベート・リミテッド)及びNIITインスティチュート・オブ・ファイナンス・バンキング・アンド・インシュアランス・トレーニング・リミテッドは、当行の関連当事者ではなくなった。
(3) 2026年第2四半期中に、インディア・アドバンテージ・ファンドⅢ及びインディア・アドバンテージ・ファンドⅣは、当行の関連当事者ではなくなった。
***(***ⅱ) 主要経営陣等及びその親族
当行の主要経営陣等には、当行の業務執行取締役が含まれる。2026年度における当行の主要経営陣等は、サンディープ・ベイクシ氏、サンディープ・バトラ氏、ラケシュ・ジャー氏及びアジャイ・クマール・グプタ氏である。上記の主要経営陣等の親族も、当行の関連当事者となる。業務執行取締役に関して、親族とは、その配偶者、子供、子供の配偶者、孫、孫の配偶者、兄弟、兄弟の配偶者、父母、母方の祖父母、父方の祖父母及びヒンドゥ合同家族をいう。当行は、業務執行取締役の親族を判断する際、インドGAAP及び1934年インド準備銀行法を適用している。
(b) 関連当事者間取引
以下は、当行が当行の関連会社/その他の関連事業体又は当行の主要経営陣等若しくはその親族との間で行った重要な取引である。
詳細については、「-第5-4-(2) 従業員の状況-貸付」及び「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18」に対する注記2-「関連当事者取引」も参照のこと。
***(***ⅰ) 保険業務
2026年度において、当行は、当行の関連会社/その他の関連事業体から22百万ルピー、主要経営陣等から1百万ルピー及び主要経営陣等の親族から6百万ルピーの保険料を受け取った。受取保険料は、生命保険、団体定期保険及び投資連動型保険に対するものであった。2026年度における重要な取引には、ICICIファンデーション・フォー・インクルーシブ・グロウスからの受取保険料の18百万ルピー、インディア・インフラデット・リミテッドからの受取保険料の3百万ルピー及びアジャイ・クマール・グプタ氏の親族であるアパルナ・グプタ氏からの受取保険料の5百万ルピーが含まれていた。
2026年度において、当行は、当行の関連会社/その他の関連事業体に対し満期保険金、年金及び保険解約金を含む25百万ルピー及び主要経営陣に対し1百万ルピーの保険金を支払った。2026年度における重要な取引には、ICICIファンデーション・フォー・インクルーシブ・グロウスに対し支払った25百万ルピー及びサンディープ・ベイクシ氏に対し支払った1百万ルピーが含まれていた。
***(***ⅱ) 提供業務による収益
2026年度において、当行は、当行の関連会社/その他の関連事業体から54百万ルピー、当行の主要経営陣等から2百万ルピー及び主要経営陣等の親族から0.1百万ルピーの提供業務による収益を得た。収益は、主にマーケティング及びプロモーション費用、スポンサー及び銀行サービス手数料、アレンジャー手数料並びに銀行手数料に関連するものである。2026年度における重要な取引には、FISERVマーチャント・ソリューションズ・プライベート・リミテッド(旧ICICIマーチャント・サービシズ・プライベート・リミテッド)への提供業務による35百万ルピー及びインディア・インフラデット・リミテッドへの提供業務による14百万ルピーの収益が含まれていた。
***(***ⅲ) 共有業務による収益
2026年度において、当行は、建物、企業インフラ設備及び技術サービスの共有費用14百万ルピーをICICIファンデーション・フォー・インクルーシブ・グロウスから回収した。
***(***ⅳ) 業務対価費用
2026年度において、当行は、当行の関連会社/その他の関連事業体に対し346百万ルピーの仲介手数料及びその他の経費を支払った。これらの経費は、主にマーチャントマネジメント手数料、補助金及び手数料に係るものである。2026年度における重要な取引には、FISERVマーチャント・ソリューションズ・プライベート・リミテッド(旧ICICIマーチャント・サービシズ・プライベート・リミテッド)に支払われた178百万ルピー及びアルテリア・テクノロジーズ・プライベート・リミテッドに支払われた168百万ルピーの業務対価費用が含まれていた。
***(***ⅴ) 関連当事者が発行した有価証券への投資
2026年度において、当行は、インディア・インフラデット・リミテッドの発行した有価証券に対し18.7十億ルピーを投資した。
***(***ⅵ) 投資の償還/買戻し
2026年度において、当行は、社債及びベンチャー・ファンド・ユニット償還のため、当行の関連会社/その他の関連事業体から2.8十億ルピーを受領した。2026年度における重要な取引には、インディア・インフラデット・リミテッドから受領した2.7十億ルピー、インディア・アドバンテージ・ファンドⅣから受領した81百万ルピー及びインディア・アドバンテージ・ファンドⅢから受領した62百万ルピーが含まれていた。
***(***ⅶ) 支払利息
2026年度において、当行は、預金に係る利息を当行の関連会社/その他の関連事業体に対し49百万ルピー、当行の主要経営陣等に対し28百万ルピー及び主要経営陣等の親族に対し13百万ルピー支払った。2026年度における重要な取引には、アルテリア・テクノロジーズ・プライベート・リミテッドに対して支払った45百万ルピー、ラケシュ・ジャー氏に対して支払った25百万ルピー、NIITインスティチュート・オブ・ファイナンス・バンキング・アンド・インシュアランス・トレーニング・リミテッドに対して支払った3百万ルピー、ICICIファンデーション・フォー・インクルーシブ・グロウスに対して支払った0.4百万ルピー及びFISERVマーチャント・ソリューションズ・プライベート・リミテッド(旧ICICIマーチャント・サービシズ・プライベート・リミテッド)に対して支払った0.1百万ルピーの利息が含まれていた。
***(***ⅷ) 受取利息
2026年度において、当行は、当行の関連会社/その他の関連事業体から426百万ルピー及び当行の主要経営陣等から2百万ルピーの社債への投資及び貸付に対する利息を受け取った。2026年度におけるこの重要な取引には、インディア・インフラデット・リミテッドから受領した417百万ルピーの利息が含まれていた。
(ⅸ) 固定資産の購入
2026年度において、当行は、アルテリア・テクノロジーズ・プライベート・リミテッドから1百万ルピーの固定資産を購入した。
(ⅹ) 貸付金の売却
2026年度において、当行は、インディア・インフラデット・リミテッドに対し3.6十億ルピーの貸付金を売却した。
(ⅺ) 受取配当金
2026年度において、当行は、インディア・インフラデット・リミテッドから107百万ルピーの受取配当金を受け取った。
(ⅻ) CSR弁済
2026年度において、当行は、ICICIファンデーション・フォー・インクルーシブ・グロウスに対し11.4十億ルピーの企業の社会的責任関連費用を支払った。
(xiii) 支払配当金
2026年度において、当行は、当行の関連会社/その他の関連事業体に対し7千ルピー、当行の主要経営陣等に対し16百万ルピー及び主要経営陣等の親族に対し7百万ルピーの配当金を支払った。支払われた配当金には、サンディープ・ベイクシ氏に対する3百万ルピー、サンディープ・バトラ氏に対する6百万ルピー、ラケシュ・ジャー氏に対する1百万ルピー、アジャイ・クマール・グプタ氏に対する6百万ルピー及びサンディープ・ベイクシ氏の親族であるシヴァム・ベイクシ氏に対する3百万ルピーが含まれていた。
(xiv) 支払われた経費の精算
2026年度において、当行は、主要経営陣等に対し公的経費として2百万ルピーを精算した。2026年度における重要な取引には、ラケシュ・ジャー氏に対する0.5百万ルピー、サンディープ・バトラ氏に対する0.8百万ルピー及びアジャイ・クマール・グプタ氏に対する0.4百万ルピーが含まれていた。
(xv) ESOPの行使価額
2026年度において、当行の主要経営陣等は、769百万ルピーのESOPを行使した。2026年度におけるESOPの行使価額は、サンディープ・ベイクシ氏により284百万ルピー、サンディープ・バトラ氏により240百万ルピー、ラケシュ・ジャー氏により215百万ルピー及びアジャイ・クマール・グプタ氏により30百万ルピーであった。
(xvi) 定期預金預入額
2026年度において、定期預金預入額は、当行の関連会社/その他の関連事業体から1.1十億ルピー、当行の主要経営陣等から563百万ルピー及び主要経営陣等の親族から90百万ルピーであった。2026年度における重要な取引は、アルテリア・テクノロジーズ・プライベート・リミテッドから預け入れられた1.1十億ルピー及びラケシュ・ジャー氏から預け入れられた461百万ルピーの定期預金であった。
(xvii) 実行された外国為替/スワップ/デリバティブ及び先物取引(想定元本)
2026年度において、当行は、アルテリア・テクノロジーズ・プライベート・リミテッドと73百万ルピーの外国為替/スワップ/デリバティブ及び先物取引を行った。
(xviii) 保証書/信用状
2026年度において、当行は、ICICIファンデーション・フォー・インクルーシブ・グロウスに対し2.0十億ルピーの保証を行った。
(xix) 資本注入
2026年度において、ICICIグループは、アルテリア・テクノロジーズ・プライベート・リミテッドに対し18百万ルピーの資本注入を実施した。
(c) 関連当事者に対する残高
以下の表は、表示された日現在における当行の関連会社/その他の関連事業体に対し支払うべき債務又は関連会社/その他の関連事業体より受領すべき債権の残高を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | ||
|---|---|---|
| 項目 | 2026年度末現在 | |
| 関連当事者による当行への預金 | 3,350 | |
| 関連当事者に対し支払うべき債務 | 3,833 | |
| 関連当事者に対する当行の投資 | 13,479 | |
| ICICIグループに対する関連当事者の投資(1) | 0.0 | |
| 関連当事者への貸付(2) | 102 | |
| 関連当事者より受領すべき債権 | 198 | |
| 当行が関連当事者に対して発行した保証 | 2,013 |
以下の表は、表示された日現在における主要経営陣等に対し支払うべき債務又は主要経営陣等より受領すべき債権の残高を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | ||
|---|---|---|
| 項目 | 2026年度末現在 | |
| 主要経営陣等による預金 | 880 | |
| 主要経営陣等に対し支払うべき債務 | 0.2 | |
| 主要経営陣等が保有する当行株式に対する投資 | 5 | |
| 主要経営陣等への貸付(3) | 40 | |
| 主要経営陣等より受領すべき債権 | - |
以下の表は、表示された日現在における主要経営陣等の親族に対し支払うべき債務又は主要経営陣等の親族より受領すべき債権の残高を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | ||
|---|---|---|
| 項目 | 2026年度末現在 | |
| 主要経営陣等の親族による預金 | 213 | |
| 主要経営陣等の親族に対し支払うべき債務 | 1 | |
| 主要経営陣等の親族が保有する当行株式に対する投資 | 6 | |
| 主要経営陣等の親族への貸付(2) | 3 | |
| 主要経営陣等の親族より受領すべき債権 | - |
以下の表は、表示された期間における主要経営陣等に対し支払うべき債務又は主要経営陣等より受領すべき債権の最大残高を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | ||
|---|---|---|
| 項目 | 2026年度末現在 | |
| 主要経営陣等による預金 | 880 | |
| 主要経営陣等に対し支払うべき債務 | 0.2 | |
| 主要経営陣等が保有する当行株式に対する投資 | 5 | |
| 主要経営陣等への貸付 | 100 | |
| 主要経営陣等より受領すべき債権 | 0.1 |
以下の表は、表示された期間における主要経営陣等の親族に対し支払うべき債務又は主要経営陣等の親族より受領すべき債権の最大残高を示したものである。
| (単位:百万ルピー) | ||
|---|---|---|
| 項目 | 2026年度末現在 | |
| 主要経営陣等の親族による預金 | 243 | |
| 主要経営陣等の親族に対し支払うべき債務 | 1 | |
| 主要経営陣等の親族が保有する当行株式に対する投資 | 6 | |
| 主要経営陣等の親族への貸付 | 4 | |
| 主要経営陣等の親族より受領すべき債権 | - |
(1) わずかな金額。
(2) 貸付は、(a)通常の営業過程において行われ、(b)利率及び担保を含む条件が他の当事者との類似の取引における一般的な条件と大要同じで行われ、(c)通常の回収リスクを超えるリスクを伴わず、またその他の不利な面も存在しなかった。
(3) 貸付は、(a)通常の営業過程において行われ、利率及び担保を含む条件が他の当事者との類似の取引における一般的な条件と大要同じで行われ、(b)利率及び担保を含む条件が従業員融資制度の一環として他の従業員のための一般的な条件と同じで行われ、(c)通常の回収リスクを超えるリスクを伴わず、またその他の不利な面も存在しなかった。
5【重要な契約等】
2025年12月23日に提出した2025年9月30日に終了した6ヶ月間に関する半期報告書以降、以下を除き重要な変更はなかった。
a. ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッド(ICICI Venture)のプライベート・エクイティ、ベンチャー・キャピタル及び不動産ファンド運用事業を、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッド(ICICI AMC)へ譲渡する提案に関し、必要な承認を得た後、本取引は完了し、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッド及びICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドとの間で、これに関する必要な契約が締結された。これに伴い、2026年4月1日付で、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、譲渡されたファンドに対し投資運用サービスを提供している。本取引により、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、プライベート・エクイティを含む、統合された幅広い投資資産クラスの提供が可能になる。ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、引き続き一定のアドバイザリー業務を実施するとともに、一定の残余資金を管理する。
b. ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドからICICIプルデンシャル・ペンション・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッド(ICICI PFM)の株式100%の取得に関し、必要な承認を得た後、当行は2026年1月12日付で、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド及びICICI PFMとの間で株式譲渡契約を締結し、当行はICICI PFMの株式100%を取得した。これにより、ICICI PFMは現在、当行の完全子会社である。
c. PCHLによるバーティ・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式75%の取得については、適用される規制当局の承認の取得及び一定の条件を満たすことが条件である。これに伴い、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドは、IRDAIに対し、PCHLの分類を「プロモーター」から「投資家」へ再分類することを申請し、同時に社名を「ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド」から「ICICIライフ・インシュアランス・リミテッド」へ変更することを提議した。IRDAIは、2026年8月7日付で社名を「ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド」から「ICICIライフ・インシュアランス・リミテッド」へ変更することを承認した。取締役会は、2026年8月13日に開催された取締役会において、株主の承認及びその他の適用される規制当局の承認の取得を条件として、社名を「ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド」から「ICICIライフ・インシュアランス・リミテッド」へ変更すること、並びにそれに伴う基本定款及び付属定款の変更を承認した。
6【研究開発活動】
「-第2-3 事業の内容」を参照のこと。
第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当行は、通常の事業活動の範囲外において、計画中又は進行中の重要な設備投資を行っていない。支店拡張、技術アップグレード又は既存施設の維持管理に関連して行われる日常的な設備投資は、当行の通常の事業活動の一部である。
2【主要な設備の状況】
ICICIバンクの既存本店は、インド国グジャラート州バドダラ市390 007、オールド・パドラ・ロード、ニア・チャクリ・サークル、ICICIバンクタワーに所在する。当行の主たる事務所は、インド国マハラシュトラ州ムンバイ市400 051、バンドラ-カーラ・コンプレックス、ICICIバンク・タワーズに所在する。
ICICIバンクの国内支店ネットワークは、2025年3月31日現在の6,983の支店、16,285機のATM及びキャッシュ・リサイクラー・マシーンと比較して、2026年3月31日現在、7,511の支店、12,087機のATM及びキャッシュ・リサイクラー・マシーンにより構成されていた。支店、出張所及びATMに加えて、ICICIバンクは、バドダラの本店及びムンバイの主たる事務所を含む63ヶ所の管理事務所、67ヶ所の処理センター及び45ヶ所のカレンシーチェストを有している。
さらに当行は、インドにおいて従業員向けに居住用住宅設備を提供している。2026年3月31日現在、当行は、従業員のための居住用住宅設備用の集合住宅を451世帯分所有していた。
3【設備の新設、除却等の計画】
当行は、通常の事業活動の範囲外において、計画中又は進行中の重要な設備投資を行っていない。支店拡張、技術アップグレード又は既存施設の維持管理に関連して行われる日常的な設備投資は、当行の通常の事業活動の一部である。
第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)****【株式の総数等】
①【株式の総数】
| (2026年3月31日現在) | ||
|---|---|---|
| 授 権 株 数 (株) | 発 行 済 株 式 総 数 (株) | 未 発 行 株 式 数 (株) |
| 普通株式(1株当たり額面金額2ルピー) 12,500,000,000 | 7,160,112,569(1)(2) | 5,339,887,431 |
(1) 失権した266,089株を除く。
(2) 2025年度において、ICICIセキュリティーズ・リミテッドの上場廃止に関して、ICICIバンク・リミテッド及びICICIセキュリティーズ・リミテッド並びにそれぞれの株主との間の合意計画に従い、ICICIセキュリティーズ・リミテッドの株主に発行された56,008,117株を含む。
②【発行済株式】
| (2026年3月31日現在) | ||||
| 記名・無記名の別及び額面・無額面の別 | 種 類 | 発 行 数(株) | 上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 | 内容 |
| 記名式額面株式 (1株当たり額面金額2ルピー) | 普通株式 | 7,160,112,569(1)(2) | 普通株式:ボンベイ証券取引所インド全国証券取引所 ADR:ニューヨーク証券取引所 | 1株当たり額面金額2ルピーの株式 |
| 計 | - | 7,160,112,569(1)(2) | - | - |
(1) 失権した266,089株を除く。
(2) 2025年度において、ICICIセキュリティーズ・リミテッドの上場廃止に関して、ICICIバンク・リミテッド及びICICIセキュリティーズ・リミテッド並びにそれぞれの株主との間の合意計画に従い、ICICIセキュリティーズ・リミテッドの株主に発行された56,008,117株を含む。
(2)****【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
(3)****【発行済株式総数及び資本金の推移】
| 年月日 | 発行済 株式総数 増(減)数(株) | 発行済 株式総数 残高(株) | 資本金増(減)額 (ルピー) | 資本金残高(ルピー) | 摘要 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年度中 | 32,778,988 | 6,948,771,375 | 65,557,976 (119,971,096円) | 13,897,542,750 (25,432,503,233円) | 2000年従業員ストック・オプション制度に基づく権利行使による32,778,988株の発行 |
| 2023年度中 | 34,044,356 | 6,982,815,731 | 68,088,712 (124,602,343円) | 13,965,631,462 (25,557,105,575円) | 2000年従業員ストック・オプション制度に基づく権利行使による34,044,356株の発行 |
| 2024年度中 | 39,519,912 | 7,022,335,643 | 79,039,824 (144,642,878円) | 14,044,671,286 (25,701,748,453円) | 2000年従業員ストック・オプション制度に基づく権利行使による39,519,912株の発行 |
| 2025年度中 | 99,592,187 | 7,121,927,830(1) | 199,184,374 (364,507,404円) | 14,243,855,660 (26,066,255,858円) | 2000年従業員ストック・オプション制度に基づく権利行使による99,592,187株の発行 |
| 2026年度中 | 38,184,739 | 7,160,112,569(1) | 76,369,478 (139,756,145円) | 14,320,225,138 (26,206,012,003円) | 2000年従業員ストック・オプション制度及び2022年従業員ストック・ユニット制度に基づく権利行使による38,184,739株の発行 |
(1) 失権した266,089株を除く。
(4)****【所有者別状況】
以下の表は、2026年6月30日現在における当行の株式の保有に関する情報を示したものである。
| 発行済株式総数に対する比率(%) | 保有株式数 | |||
| 政府系株主: | ||||
| インド生命保険公社 | 4.4 | 311,817,010 | ||
| その他の政府系機関、保険会社、再保険会社、ミューチュアル・ファンド、企業及び銀行 | 0.6 | 43,896,452 | ||
| 政府系株主合計 | 5.0 | 355,713,462 | ||
| その他のインドの投資家: | ||||
| SBIミューチュアル・ファンド | 6.3 | 450,111,904 | ||
| ICICIプルデンシャル・ミューチュアル・ファンド | 4.4 | 315,762,005 | ||
| HDFCミューチュアル・ファンド | 3.6 | 256,619,648 | ||
| ナショナル・ペンション・スキーム・トラスト | 3.4 | 242,305,251 | ||
| 日本生命・インド・ミューチュアル・ファンド | 2.5 | 182,635,211 | ||
| UTIミューチュアル・ファンド | 2.2 | 158,795,689 | ||
| SBI生命保険株式会社 | 1.4 | 102,408,001 | ||
| コタク・ミューチュアル・ファンド | 1.2 | 86,519,523 | ||
| アクシス・ミューチュアル・ファンド | 1.1 | 75,937,247 | ||
| アディティア・ビルラ・サン・ライフ・ミューチュアル・ファンド | 1.0 | 74,293,638 | ||
| 上記以外のミューチュアル・ファンド及びオルタナティブ投資ファンド | 8.2 | 591,643,098 | ||
| SBI生命保険株式会社以外の民間保険会社 | 2.2 | 154,537,762 | ||
| 上記以外の民間企業及び金融機関 | 0.8 | 58,709,352 | ||
| 投資家教育ファンド | 0.2 | 11,072,239 | ||
| 個人の国内投資家(1)(2) | 6.2 | 446,063,926 | ||
| その他のインドの投資家合計 | 44.7 | 3,207,414,494 | ||
| インドの投資家合計 | 49.7 | 3,563,127,956 | ||
| 海外投資家: | ||||
| 米国預託株式(ADS)保有者の預託機関としてのドイチェ・バンク・トラスト・カンパニー・アメリカズ | 16.0 | 1,149,973,715 | ||
| シンガポール政府 | 1.5 | 107,693,000 | ||
| ノルウェー政府年金基金グローバル | 1.4 | 102,293,052 | ||
| バンガード・トータル・インターナショナル・ストック・インデックス・ファンド | 1.1 | 77,861,347 | ||
| バンガード・エマージング・マーケッツ・ストック・インデックス・ファンド | 1.0 | 73,733,631 | ||
| その他の海外機関投資家、外国銀行、外国法人、外国企業、外国人、外国機関投資家及び在外インド人(2) | 29.3 | 2,098,933,043 | ||
| 海外投資家合計 | 50.3 | 3,610,487,788 | ||
| 合計 | 100.0 | 7,173,615,744 | ||
(1) 業務執行役員及び取締役(非業務執行取締役を含む。)全体で、2026年6月30日現在、約0.04%のICICIバンクの株式を保有していた。
(2) 本分類に属する株主は単独で、2026年6月30日現在、1.0%以上のICICIバンクの株式を保有していなかった。
政府系株主による保有は、2024年6月30日現在における6.4%及び2025年6月30日現在における5.7%に対して、2026年6月30日現在では5.0%であった。インド生命保険公社による保有は、2024年6月30日現在における5.8%及び2025年6月30日現在における5.2%に対して、2026年6月30日現在では4.4%であった。
当行は、独立した商業銀行として事業を展開しており、インド政府が当行の株式を直接保有したことはない。政府系株主により保有されている株式持分に関し、当行が把握する限りにおいて存在する又は当行が当事者となる株主間契約又は議決権信託はない。当行は経営管理、議決権、希薄化防止又はその他の事項に関し、政府系株主との間で契約を締結していない。当行の付属定款には、インド政府は、インド政府とICICIとの間の保証契約に従って、1名の代表者を当行の取締役として任命するものとする規定が含まれている。現在、当行の取締役にインド政府の代表者は存在しない。2026年6月30日現在、当行は、政府保証付借入残高を有していない。当行の取締役会の構成の詳細については、「-3-(2) 役員の状況」も参照のこと。
その他のインドの投資家による保有は、2024年6月30日現在における36.9%及び2025年6月30日現在における37.1%に対して、2026年6月30日現在では44.7%であった。インドの投資家による保有の合計は、2024年6月30日現在における43.4%及び2025年6月30日現在における42.8%に対して、2026年6月30日現在では49.7%であった。海外の投資家による保有は、2024年6月30日現在における56.6%及び2025年6月30日現在における57.2%に対して、2026年6月30日現在では50.3%であった。インド準備銀行は、銀行規制法の下職権を行使しているが、金融機関の単一株主の議決権に26.0%という制限を設けた。ドイチェ・バンク・トラスト・カンパニー・アメリカズは、ADS保有者のための預託機関として、約575百万株の発行済米国預託証券により表章される株式を保有している。ADSは、ニューヨーク証券取引所に上場している。2026年6月30日現在、預託機関は、当行の株式の16.0%を保有していた。従来とは異なり、預託機関は、当行の取締役会の指示に従って議決権を行使することはない。修正預託契約により、当行のADS保有者の預託機関を通じた議決権の行使が認められる。ADS保有者は、預託機関を通じて議決権の行使に関する指示を出す権利を有しており、預託機関は、ADS保有者の議決権行使指示に基づき議決権を行使する。ADS保有者が預託機関に対し、議決権行使指示を出さなかった場合、預託機関は当該株式の議決権を行使しない。ADSに関する議決権の行使は、随時改正又は置き換えられるインド共和国の適用法に規定される法的及び規制上の制限に従う。個々の株式保有者の議決権の上限は、銀行の総議決権の26.0%である。ADS保有者が希望すれば、ADSの基礎となる株式を引き出し、引出しにより取得した株式に基づく議決権の行使を求めることができる。ただし、外国人投資家の場合、この引出手続に遅れが生じる可能性がある。ADSの引渡しに伴う預託機関からの株式引出しによって生じる法的規制については、「-第1-2-(2) インドの有価証券の外国人所有に対する制限」も参照のこと。上記を除き、異なる内容の議決権を保有する株主はいない。「-第2-3-(f)-持分及び議決権の制限」も参照のこと。
米国預託証券の受取費用及び支払い
(a) 当行のADS保有者によって支払われる費用及び手数料
当行のADS保有者によって支払われる費用及び手数料は、以下を含む。
・ADSの発行に対し、ADS100株当たり5.00米ドル以下の費用(又はその一部)について請求される。これには、株式分配、配当、株式分割、無償交付及び新株引受権の分配による発行を含む。
・原預託証券と交換されるADSの引渡しに対し、ADS100株当たり5.00米ドル以下の費用(又はその一部)について請求される。
・現金配当、現金給付及び/又は現金収入(権利、有価証券及びその他受領権の売却による手取金を含む。)の分配に対し、ADS100株当たり5.00米ドル以下の費用(又はその一部)について請求される。
・預託契約に基づいた預託証券の分配に係る費用は、上記(ⅰ)で述べられたADSの発行及び受渡しに対する費用と等しい金額であり、かかる証券の預託の結果として請求される。その代わりに、かかる証券は、預託機関であるドイチェ・バンク・トラスト・カンパニー・アメリカズからADR保有者に対して分配される。
さらに、預託契約の条項に従い、預託機関は、各登録保有者に対して下記の費用について請求する権利を有する。
・ADS又はADSの原株式に対して、預託機関又は保管機関が負担した税金又はその他の政府関係手数料(それらに対して科せられた適用ある罰金を含む。)
・預託証券の預託又は引出しに関して適用ある登録において、預託証券の譲渡若しくは登録に係る譲渡費用又は登録費用(適用ある場合には、中央証券預託機関における費用を含む。)
・預託機関が負担した電信、テレックス、ファクシミリ及び受渡し手数料
・外国通貨との交換に際して預託機関が負担した通常の手数料。これには、外国為替管理規制及びその他の適用ある規制要件の遵守に関連して、登録保有者のために負担した費用を含み(ただし、これらに限らない。)、並びに、預託機関によって支払われるすべての経費、譲渡費用及び登録費用、税金、関税、政府関係手数料又はその他の手数料を含む。
現金配当の場合、その費用は、通常は分配される現金から控除される。その他の費用については、投資家の名前で(有資格者として又はブックエントリー方式によって)登録されているADS、又は、ブローカー及び保管機関の口座に(DTCを通じて)保有されているADSに対しては、預託機関により決定された方法によって、ADS保有者から回収されることがある。現金以外で配当を行う場合(すなわち、株式配当の場合)は、預託機関は、適用ある基準日現在のADS保有者に対して配当と同時に請求する。ADSが投資家の名前で(有資格者として又はブックエントリー方式によって)登録されている場合は、預託機関は適用ある基準日現在のADS保有者に請求明細書を送付する。
ADS保有者及び/又は実質所有者が税金又はその他の政府関係手数料を預託会社に対して支払うべき場合、預託会社、保管機関又は当行は、預託証券に関して行われるいずれかの分配から天引き又は控除し、ADS保有者及び/又は実質所有者の口座に対して預託証券のいずれか又は全部を売却することがある。そして、預託会社、保管機関又は当行は、かかる分配及び売却によって、かかる税金(適用ある利息及び罰金を含む。)又は手数料の支払いが促進され、ADS保有者及び/又は実質所有者がいかなる不足に対しても全面的な法的責任を引き続き負うと考えている。
(b) 預託機関によって支払われる費用及びその他の支払い
預託機関であるドイチェ・バンク・トラスト・カンパニー・アメリカズと締結した契約の修正により、預託機関は、当行に一定額を支払い、ADR受取プログラムの預託機関であるドイチェ・バンク・トラスト・カンパニー・アメリカズの代わりに提供されたサービスに対する手数料及び費用を免除する。当行は、当該支払金を投資家向け広報活動のために当行が支払った年間経費又はADR受取プログラムの維持管理に関連するその他の費用に埋め合わせるために投入することもある。当行に支払われる金額は、若干の例外はあるものの、預託機関がADR保有者から集める費用と連動する。2026年度に受領したADR受取プログラムの費用(源泉徴収税及びその他の未払請求書控除後)は、4.2百万米ドルである。
(5)****【大株主の状況】
株式総数に対する所有株式数の割合が1%を超える株式保有
| (2026年9月4日現在) | ||
| 氏名又は名称 | 所有株式数 (百万株) | 発行済株式 総数に対す る所有株式 数の割合 (%) |
| ドイチェ・バンク・トラスト・カンパニー・アメリカズ (米国預託株式(ADS)保有者のための預託機関) | 1,131.01 | 15.8 |
| SBIミューチュアル・ファンド | 446.34 | 6.2 |
| ICICIプルデンシャル・ミューチュアル・ファンド | 317.79 | 4.4 |
| インド生命保険公社 | 281.62 | 3.9 |
| HDFCミューチュアル・ファンド | 256.94 | 3.6 |
| ナショナル・ペンション・スキームトラスト | 248.60 | 3.5 |
| 日本・インド・ミューチュアル・ファンド | 165.55 | 2.3 |
| UTIミューチュアル・ファンド | 161.22 | 2.2 |
| SBI生命保険株式会社 | 100.82 | 1.4 |
| シンガポール政府 | 98.28 | 1.4 |
| ノルウェー政府年金基金グローバル | 96.38 | 1.3 |
| コタク・ミューチュアル・ファンド | 84.28 | 1.2 |
| バンガード・トータル・インターナショナル・ストック・インデックス・ファンド | 78.42 | 1.1 |
| アクシス・ミューチュアル・ファンド | 76.08 | 1.1 |
| バンガード・エマージング・マーケッツ・ストック・インデックス・ファンド | 75.21 | 1.0 |
| アディティア・ビルラ・サン・ライフ・ミューチュアル・ファンド | 74.07 | 1.0 |
| 計 | 3,692.61 | 51.4 |
2【配当政策】
インド法の下では、会社は、その取締役会による提案及び各年度末から6ヶ月以内に開催される年次株主総会における株主の過半数の承認をもって配当金を支払う。株主は取締役会が提案した配当金額を減額する権利を有するが、増額する権利はない。配当金は、未実現利得、元本利益又は資産の再評価及び公正価値における資産又は負債の測定における資産又は負債の帳簿価額のすべての変更を除いた後に、会社の当該年度の収益の中から(配当は宣言される。)又は過年度の未配当収益から支払うことができる。配当金は、「中間配当」として、中間期に会社により支払われる場合があり、取締役会が提案した最終配当と一緒にされない限り、株主の承認を必要としない。インド準備銀行は、銀行が健全性下限要件を遵守しており、インド準備銀行の公表したガイドラインに定められている配当の支払いに関する健全性基準に従っていれば、銀行は、インド準備銀行の事前の承認を得ることなく、当該会計年度の収益の中から配当の宣言及び支払いを行うことができると定めている。「-第2-3-(f)-配当の支払制限」も参照のこと。当行により発行された株式は、配当受領権を含め、すべての点において同順位である。
当行は、その業務開始の2年目にあたる1996年度より2020年度を除いて毎年一貫して配当金を支払っている。2020年度は、インド準備銀行による2020年4月17日付の「銀行による配当宣言(改訂版)」の通知書を考慮し、取締役会が配当を推奨しなかった。この通知書は、新型コロナウイルス感染症によって引き起こされる不確実性が高まる環境において、銀行が経済の支援及び損失を被る能力を維持するため、銀行が2020年度に係る利益から配当金の支払いを行わないように指示している。
以下の表は、表示された期間における各会計年度中にICICIバンクにより支払われた、配当支払税を差し引いた1株当たりの配当金及び配当金総額を示したものである。下記の数値は当該年度に宣言された配当金とは異なる場合がある。
| 1株当たりの配当金 (単位:ルピー) | 配当金総額 (単位:十億ルピー) | |||
|---|---|---|---|---|
| 各会計年度中に支払われた配当金 | ||||
| 2022年 | 2.00 | 13.9 | ||
| 2023年 | 5.00 | 34.8 | ||
| 2024年 | 8.00 | 56.0 | ||
| 2025年 | 10.00 | 70.4 | ||
| 2026年 | 11.00 | 78.5 |
2021年度から、配当金収入は、株主にとって課税対象となり、会社は、配当された収益に対し配当税を支払う責任を負わない。
2026年度に関しては、取締役会は配当金を1株当たり12.00ルピーと提案しており、次の年次株主総会における株主の承認後、2027年度中に支払われる。
将来の配当は、当行の収入、キャッシュ・フロー、財政状態、インド準備銀行の規制及びその他の要因に委ねられている。ADS保有者は、ADSに表章される株式に関し、未払配当金を受領する権利を有する。かかるADSに表章される株式は、発行済株式に劣後しないものとする。現在、当行はインドで発行された株式及びADSに表章される株式を保有している。
3【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)****【コーポレート・ガバナンスの概要】
当行のコーポレート・ガバナンスの方針は、取締役会の説明責任並びに当行の構成員である従業員、顧客、投資家及び規制当局等に対する取締役会の透明性を確保することの重要性を考慮したものであり、当行の経済活動の最終受益者が株主であることを明らかにするものである。
当行のコーポレート・ガバナンスの枠組みは、実効的な多数派の独立取締役会、取締役会の監督機能を経営幹部から分離させること及び取締役会委員会(通常、その構成員の過半数が独立取締役であり、大半の委員会は独立取締役が委員長となる。)の設置を基礎とし、経営幹部の重要事項及び職務を監視することを目的としている。
当行のコーポレート・ガバナンスの理念は、2015年におけるインド証券取引委員会(上場義務及び開示要件)規制の条項の遵守等、レベルの高いビジネス倫理、実効性の高い監督及びすべての利害関係人のための価値の向上を目的とするものである。
当行の取締役会の役割、職務、責任及び説明責任は明確に規定されている。当行の取締役会の職務には、会社の業務執行を監視するという主な役割に加えて、以下の職務が含まれている。
・企業理念及び使命を承認すること。
・戦略計画及び事業計画の策定に参加すること。
・財務計画及び予算を検討及び承認すること。
・戦略計画及び事業計画に照らして、業務自体の監視を含む会社の業務執行を監視すること。
・倫理的な行動並びに法律及び規制の遵守を確保すること。
・借入限度を検討及び承認すること。
・エクスポージャー・リミットを設定すること。
・計画、戦略及び業績について株主に情報を提供し続けること。
当行の取締役会がその責任を効果的に果たすことができるように、経営幹部は四半期ごとに取締役会に対して当行の業務執行に関する詳細な報告を行う。
当行の取締役会は、取締役会全体として又は特定の業務分野を監視するために設置された様々な委員会を通じてその職務を行う。かかる取締役会委員会は、定期的に開催される。取締役委員会会議で議案を審議するため、2019年6月30日より、取締役会委員会の定足数は2名以上から3名以上に増員され、委員会が2名のみで構成されている、又は2名は出席している場合は、3名以上の条件を満たすために独立取締役が会議に参加することができる。各委員会の構成及び主な職務に関する詳細は、以下のとおりである。
(a) 取締役会管理、報酬及び指名委員会
本書提出日現在、取締役会管理、報酬及び指名委員会は、プニト・スード氏、バーラスブラマニアム・スリラン氏、プラディープ・クマール・シンハ氏及びロヒット・バシン氏の4名の独立取締役により構成されており、委員長はプニト・スード氏である。
取締役会管理、報酬及び指名委員会の職務には、とりわけ、取締役会への取締役の任命の提案、取締役になる資格があり、幹部役員に任命される可能性のある人物の制定された基準に基づく身元確認並びに取締役会への取締役の任命及び解任の提案、常勤/独立取締役及び取締役会の業績の評価に対する基準の構築、独立取締役の業績評価報告書に基づく独立取締役の任期の延長又は継続、取締役、主要な管理職及びその他従業員の報酬に関する方針の取締役会への提案、常勤取締役及び幹部役員の報酬(業績手当及び臨時手当を含む。)の取締役会への提案が含まれる。その職務には、幹部役員及び主要な管理職を含む従業員の賞与の額に関する方針の承認、取締役の資格、長所及び独立性の決定に関する基準の制定、取締役会の多様性に関する方針の設定、従業員ストック・オプション制度/従業員ストック・ユニット制度のガイドラインの枠組みの決定並びに当行及びその子会社の従業員及び常勤取締役に対するオプション/ユニットの付与に関する決定も含まれる。
(b) 環境的、社会的及びガバナンス並びに企業の社会的責任委員会
企業の社会的責任委員会の名称は、その役割及び権限の拡大に合わせて、2025年12月18日付で環境的、社会的及びガバナンス並びに企業の社会的責任委員会に変更された。
本書提出日現在、環境的、社会的及びガバナンス並びに企業の社会的責任委員会は、プラディープ・クマール・シンハ氏、ヴィジャヤラクシュミ・アイヤー女史及びラケシュ・ジャー氏の3名の取締役により構成されており、委員長は独立取締役で当行の非業務執行非常勤取締役会会長プラディープ・クマール・シンハ氏である。
企業の社会的責任委員会の職務には、ICICIグループ及びICICIファンデーション・フォー・インクルーシブ・グロウスより行われる企業の社会的責任(CSR)に対するイニシアティブの検討、当行の行う活動を示す企業のCSRに関する方針の作成及び取締役会への提案並びにかかる活動によって発生する費用の額の提案、会社法の付則Ⅶにおいて規定される題目からの銀行により行われるイニシアティブに関する焦点の特定、企業のCSRに関するイニシアティブ及び計画の詳細並びに実施スケジュールを含む、企業のCSRに関する年次計画の検討及び取締役会への提案、ICICIグループのCSRに対するイニシアティブ、政策及び実務についての取締役会への提言、企業のCSRに関する活動の監視、企業のCSRに関する方針の実施及び遵守、取締役会に対してなされる企業のCSRに関する毎年の活動計画の実施に関する承認された目的及び方法による資金の支払いを含む提案、承認された予定及び資金の年単位の配分に従った進行中の計画の実施、進行中の計画に対して提案されるあらゆる修正の検討、(もしあれば)会社法の規定どおり企業のCSRに使われなかった金額の翌期以降の貯蓄及び翌年以降に相殺のため要件を超えて使われる金額の配置の提案、計画の影響評価の検討、(必要であれば)インド準備銀行又はその他の機関が提案する企業のCSRに対するイニシアティブのその他関連事項の検討及び実施並びに当行の環境的、社会的及びガバナンス業務の監督が含まれる。
(c) 与信委員会
本書提出日現在、与信委員会は、サンディープ・ベイクシ氏、バーラスブラマニアム・スリラン氏、ヴィジャヤラクシュミ・アイヤー女史、アシュワニ・バティア氏及びラケシュ・ジャー氏の5名の取締役により構成されている。委員長はマネージング・ディレクター兼最高経営責任者のサンディープ・ベイクシ氏である。
与信委員会の職務には、とりわけ主要な産業部門の発展、主要な信用ポートフォリオに関する調査及び取締役会の授権に基づく与信の提案の承認が含まれる。
(d) 顧客サービス委員会
本書提出日現在、顧客サービス委員会は、ヴァイブア・ポール・リシー女史、スブラマニアン・マドハヴァン氏、サンディープ・ベイクシ氏及びラケシュ・ジャー氏の4名の取締役により構成されている。委員長は独立取締役のヴァイブア・ポール・リシー女史である。
顧客サービス委員会の職務には、とりわけ、顧客サービスに関するイニシアティブの検討、カスタマーサービス常設委員会(顧客サービス・カウンセル)の機能性の監視並びに顧客サービスの質及び全体の顧客満足度の向上のための画期的な対策の作成が含まれる。
(e) 不正監視委員会
本書提出日現在、不正監視委員会は、ヴィジャヤラクシュミ・アイヤー女史、プラディープ・クマール・シンハ氏、ヴァイブア・ポール・リシー女史、アシュワニ・バティア氏及びラケシュ・ジャー氏の5名の取締役により構成されており、委員長は独立取締役のヴィジャヤラクシュミ・アイヤー女史である。
不正監視委員会は、内部統制、リスク管理体制(もしあれば)の強化のため、システム上の欠陥を特定し、是正措置を提案する目的として、30百万ルピー以上の金額を伴う不正すべてを検討し、監視する。同委員会の職務には、不正の発覚が遅れたならばその理由を特定し、当行及びインド準備銀行の経営陣へ報告することが含まれる。同委員会は、小口資産及び農村資産、負債関連の不正並びに決済システム及びカード不正を含む、あらゆるカテゴリー及び商品における不正の傾向や手口を検証する。また、5百万ルピー以上の被害額に上る個別の不正事例について、根本原因分析の検討も行う。また、法執行機関への訴状提出状況、調査の進捗及び立場の回復も、同委員会によって監視される。同委員会はまた、すべての不正における従業員の説明責任があらゆる水準で検討され、必要な場合には従業員側の措置が遅延なく早急に完了されることを保証する。同委員会は、取引の監視規則の検討を含む、不正の再発を防ぐために取られた是正措置の効果を検討する役割も担う。
(f) IT戦略委員会
本書提出日現在、IT戦略委員会は、バーラスブラマニアム・スリラン氏、プニト・スード氏、サンディープ・バトラ氏及びアジャイ・クマール・グプタ氏の4名の取締役により構成されており、委員長は独立取締役のバーラスブラマニアム・スリラン氏である。
IT戦略委員会の職務には、とりわけ、ITの戦略及び方針に関する書類を承認すること、IT戦略が経営戦略に沿っていることを保証すること、IT及び情報セキュリティーの主要なリスク指標に照らし合わせて性能を検討すること(かかるリスク指標の定期検討を含む。)、当行の継続的発展のためのIT投資について適切なバランスを確保すること、ITに関する資金調達の合計を当行レベルで監視すること、ITリスクについて確実に適切な管理を行うための資金を経営陣が有しているか調査すること、事業に対しITが貢献しているかどうか検討を行うこと、デジタル・カウンセルの活動を監視すること、将来への即応力の観点から技術を検討すること、主要なプロジェクトの進捗状況及び重要なITシステムの性能を監視すること(IT能力所要量並びに事業継続経営及び災害復旧の適切性及び有効性の検討を含む。)、特別なITイニシアティブを検討すること、サイバーリスクを検討すること、IT及びサイバーセキュリティーの分野で当行が随時受領するインド準備銀行の検査報告書/指示書を検討すること、随時必要とされる当該報告書/指示書から生じる様々な実行事項の遵守状況を検討すること並びに効果的かつ効率的な伝達を確保するために技術及び情報セキュリティー部門における熟練した人材の配置を検討することが含まれる。
(g) リスク管理委員会
本書提出日現在、リスク管理委員会は、ロヒット・バシン氏、スブラマニアン・マドハヴァン氏、ヴァイブア・ポール・リシー女史及びサンディープ・バトラ氏の4名の取締役により構成されている。委員長は独立取締役のロヒット・バシン氏である。
リスク管理委員会の職務は、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、業務リスク、外部委託リスク、モデルリスク管理、初期の警告サイン及び勘定の警告表示に関する枠組み、レピュテーションリスク、事業継続計画及び災害復旧計画に関するICICIバンクのリスク管理方針の検討並びに仲介業者のリスト作成に対する方針及びその改正を承認することである。さらに、リスク管理委員会の職務は、あらゆる業界又は国に対する制限の設定、企業リスク管理の枠組み、当行のリスク選好度、ストレス・テストの枠組み、自己資本充実度に関する内部評価プロセス及び資本割当ての枠組みの検討、バーゼルの枠組み、様々なリスクに対応したリスク・ダッシュボード、外部委託活動、資産負債管理委員会の活動並びに当グループのリスク管理委員会の手続の検討も含む。同委員会はまた、サイバーセキュリティーのリスク評価を実施している。グループ最高リスク管理責任者の任命、解任及び報酬条件は、リスク管理委員会の検討対象である。リスク管理委員会は、取締役会が定めた枠組みに従って、他の委員会の活動と重複する場合には、その活動を調整する。
(h) 出資者関係委員会
本書提出日現在、出資者関係委員会は、アシュワニ・バティア氏、サンディープ・バトラ氏及びアジャイ・クマール・グプタ氏の3名の取締役により構成されており、委員長は独立取締役のアシュワニ・バティア氏である。
出資者関係委員会の職務には、とりわけ、株式、債券及びディベンチャーの移転に関する承認及び否認、証券の写しの発行、随時発行される有価証券の割当て、有価証券所有者の苦情の救済及び解消、利息/配当金に関する支払いのための銀行口座の開設及び管理の授権が含まれる。
(i) 故意の債務不履行者の特定及び分類に関する検討委員会(総元本残高>750.0百万ルピー)
委員長はマネージング・ディレクター兼最高経営責任者であり、いずれか2名の独立取締役が残りの構成員となる。
検討委員会の機能は、特定委員会(総元本残高>750.0百万ルピー)の命令の検討、故意の債務不履行者の特定及び分類並びに最終とみなされる命令に関する同様の事実の確認である。
上記の委員会はすべて、その議論、勧告及び取るべき措置の性質及び内容について、取締役会に情報を提供する。
(j) 倫理規定
当行は、当行の取締役及び全従業員に対する業務遂行及び倫理に関するグループ規定を採用している。かかる規定は、当行のすべての構成員が一貫した行動規範及び事業の倫理的慣行を遵守することの確保を目的としており、1年ごとに検討されている。当行は、取締役又は業務執行役員に対して倫理規定の権利放棄を認めていない。経営陣の全取締役及び委員が2026年度に向けて業務遂行及び倫理に関するグループ規定の遵守を確かにしている。
(k) インサイダー取引禁止規定
当行は、インサイダー取引禁止規定を採用しており、この規程は、とりわけ取締役及び幹部役員を含む指定された者による、当行の証券及びその他の上場会社の証券の取引(すなわち、売付、買付、取引等)を規制及び監督することを目的としている。インサイダー取引禁止規定の写しは、本書の別紙として提出されている。
(l) 主要な会計士費用及びサービス
2025年度及び2026年度に係るICICIグループの連結財務書類及び子会社の財務書類の監査に関する当行の主要な会計士の費用総額並びに同期間に請求を受けたICICIグループに対して提供されたその他の専門サービス費用は、以下のとおりである。
| (単位:百万) | |||||
| 3月31日に終了した年度 | |||||
| 2025年 (ルピー) | 2026年 (ルピー) | 2026年 (円) | |||
| 監査 | |||||
| アイシーアイシーアイ・バンク・リミテッド及びその子会社の監査 | 249 | 282 | 516 | ||
| 監査関連業務 | - | - | - | ||
| 非法定監査に係る意見書 | - | - | - | ||
| その他 | 8 | 20 | 37 | ||
| 監査合計 | 257 | 302 | 553 | ||
| 非監査業務 | |||||
| 税務コンプライアンス | 1 | 1 | 2 | ||
| その他のサービス | - | - | - | ||
| 非監査業務合計 | 1 | 1 | 2 | ||
| 合計 | 258 | 303 | 554 | ||
監査業務区分のうち「その他」に係る費用は、主に認証サービス関連費用である。当行の監査委員会は、2026年度の連結財務書類の監査に関して、当行の主要な会計士に支払われた費用及び2026年度に請求を受けたその他の専門サービス費用を承認した。当行の監査委員会は、当行の主要な会計士により行われる当行に対するすべての職務を、事前に承認している。
(m) コーポレート・ガバナンスの実務の比較要約
以下において、当行のコーポレート・ガバナンスの実務と、ニューヨーク証券取引所が米国において求める実務との重要な相違点を比較要約した。
(ⅰ)* *独立取締役
当行の取締役会の大半(2026年7月8日現在、12名中の8名)は、適用されるインド法の要件に定められた独立取締役である。インド会社法の第149条(随時その後の改正を含む。)及び2015年インド証券取引委員会(上場義務及び開示要件)規則第16条(随時その後の改正を含む。)は、独立取締役について定義し、取締役が独立であると区分される資格規準について明記している。すべての独立取締役は、インド会社法(その後の改正を含む。)第149条及び2015年インド証券取引委員会(上場義務及び開示要件)規則(その後の改正を含む。)(インド証券取引委員会上場規則)第16条に定められた独立性の基準を満たしている旨の宣言を行っており、これらの宣言に当行は依拠しており、2026年4月18日に開催された当行の取締役会に提出され、また、アシュワニ・バティア氏より提出された宣言は、2026年6月1日に回覧決議として採択され、取締役会に回覧された。これに基づいて、取締役会は、かかる取締役が独立取締役であると決定した。インド会社法に従い、インド政府により指名された取締役は、独立であると区分されない。インド会社法に従い、かかる独立性に関する判断は、当行の取締役会によって行われなければならないが、当行の取締役会は、ニューヨーク証券取引所の規則に定めるところによる独立性テストに従って、かかる判断を肯定的に下す義務はない。
***(***ⅱ) 非業務執行取締役会
独立取締役は、非業務執行取締役及び経営陣を除いて、少なくとも1会計年度に1回会議を開催することが義務付けられている。かかる会議において、独立取締役は、執行及び非執行取締役、非独立取締役、取締役会委員会及び取締役会全体の意見を考慮して、取締役会会長の業績を評価することを義務付けられている。独立取締役はまた、取締役会がその職務を効果的かつ合理的に遂行するために必要な、当行の経営陣と取締役会との間の情報の質、量及び適時性を評価する。かかる独立取締役は、2026年4月18日に、審査を実行するため会議を開催した。それより前に、独立取締役らは、2025年4月19日に、同様の評価をするために個別に会合を行った。
***(***ⅲ) 取締役会管理、報酬及び指名委員会並びに監査委員会
適用されるインド法の要件に定められたところに従い、当行の取締役会管理、報酬及び指名委員会のすべての構成員は独立している。監査委員会の全構成員は、1934年証券取引法(取引法)規則10A-3に従い独立している。当行の取締役会に承認された各委員会の構成及び主な職務は上記のとおりであり、米国の発行会社に対するニューヨーク証券取引所の規制に準拠している。
***(***ⅳ) コーポレート・ガバナンス・ガイドライン
ニューヨーク証券取引所の規則に基づき、米国の発行会社は、取締役の資格要件、取締役の責任、取締役の報酬、取締役の初期教育及び継続教育、経営陣の後継人事並びに取締役会による年次業績の評価等の項目を明記したコーポレート・ガバナンス・ガイドラインの採択及び開示を求められている。当行は、外国の民間発行会社として、かかるガイドラインの採択を義務付けられていないが、本国の規制に基づき、インド会社法の通知に従い、当行は、取締役の選任及び報酬に関する方針を開示しており、2026年度の株主に対するインドの年次報告書において取締役の資格及び独立性を決定するための基準を含む。また、当行は、取締役会による自身の実績並びに当行の委員会及び個別の取締役の正式な年次評価方法を示す報告書を提出することを義務付けられており、かかる報告書がインドにおける年次報告書に含まれている。
***(***ⅴ) 規制及び手続
当行は、最高経営責任者及び最高財務責任者を含む経営陣による監督及び参加の下、2026年度末現在、取引法に基づくルール13a-15(e)及び15d-15(e)に定義される、当行の開示の規制及び手続の有効性に関する評価を実施した。
その結果、本報告書の対象となる期間の末日現在、開示の規制及び手続は、当行が取引法に基づいて提出した本報告書において開示する必要のある情報が、定められた期間内において、記録、処理、要約及び報告されることを合理的に保証するのに有効であると結論付けた。
しかしながら、当行の評価の結果、当行の処理過程及び管理をさらに改善できる特定の分野があることが判明した。監査委員会は、申し分ない結論に達するため、確認されたすべての重要なプロセスの結果を監視し、改善の機会を把握している。IT及びサイバーリスクの分野においては、IT戦略委員会も監視を行う。当行は、内部統制及びリスク管理プロセスを継続して導入し、改善するための取組みを行い、このことは、当行にとって最優先課題となっている。当行はまた、報告された財務情報の正確性並びに開示の規制、手続及び処理の有効性を証明する、当行全体における担当役員による手続を有する。
急速に変化する環境において、又は新規の事業分野への参入、地理的範囲の拡大若しくは新興技術の展開の際、あらゆるシステム、とりわけ開示の規制及び手続のシステムの有効性には、人為的ミス、共謀又は不適切な管理による統制の無効化及び誤り又は不正による重大な虚偽表示が発生し、検出されない可能性を含む本質的な限界がある。したがって、効果的な開示の規制及び手続であっても、その規制目標の達成を合理的に保証することしかできない。
当行は、急速に変化する環境において著しい成長を遂げており、経営陣はこれにより、管理体制への重要な課題が突きつけられていると認識している。「-第3-3-(3)-(n) 金融業界特有の業務リスクが存在し、それが現実化した場合、当行の事業は悪影響を受ける可能性がある。」も参照のこと。
***(***ⅵ) 財務報告書に対する内部統制に関しての経営陣による報告
当行の経営陣は、財務報告書に対する適切な内部統制(取引法に基づくルール13a-15(f)及び15d-15(f)に定義される。)を確立し、維持する責任を負う。当行の財務報告に対する内部統制システムは、米国証券取引委員会及び適用されるGAAPに従って、財務報告書の信頼性並びにインドGAAPに基づき公表された当行の連結財務書類及び米国GAAPに基づく純利益の調整、株主資本の調整及びその他の開示書類に関連する開示書類の作成及び公正な開示に関する合理的な確証を提供するために設計されている。
経営陣は、財務報告書が、経営陣及び取締役の承認に基づき取引が行われ、資産が保護され、財務記録が信頼できるものであることの合理的な確証を提供している旨保証することを目的とした、内部統制システムを維持する。
当行の財務報告に対する内部統制には、以下を目的とした方針及び手続が含まれる。
・当行の資産の取引及び処分が、合理的に詳細に、正確かつ公正に反映されている記録を保持すること。
・一般に公正妥当と認められた会計原則に基づき財務書類を作成できるよう、必要に応じて取引が記録され、経営陣及び業務執行取締役の承認がある場合のみ、当行の収支決済を行う旨、合理的な保証を提供すること。
・財務書類に重要な影響を及ぼし得る、当行の資産の未承認の取得、利用又は処分の防止又は早期発見に関する合理的な保証を提供すること。
すべての財務報告に対する内部統制システムは、その精度にかかわらず固有の限界があり、虚偽記載を防止し発見することはできないこともある。それゆえ、十分であると判断されたシステムであっても、財務書類の作成及び開示に関する合理的な保証を提供できるのみである。将来における有効性の評価の見通しは、状況の変化により、かかる統制が不適切となる可能性、又は方針若しくは手続の遵守の程度が悪化する可能性があるというリスクにさらされている。
経営陣は、2026年度末現在、当行の内部統制の統合的な枠組みに関するトレッドウェイ委員会(2013年)の組織委員会が定めた基準に基づき、財務報告書に対する内部統制の十分性を評価している。かかる評価に基づき、経営陣は、当行の財務報告書に対する内部統制は、2026年度末現在、有効である旨結論付けた。2026年度末現在の当行の財務報告書に対する内部統制の有効性は、本書に含まれる監査報告書に記載があるとおり、独立登録監査法人であるケーピーエムジー・アシュアランス・アンド・コンサルティング・サービシズ・エルエルピーにより監査されている。
***(***ⅶ) 財務報告書に対する内部統制の変更
本書の対象となる期間中に行われた財務報告書について、当行の財務報告書に対する内部統制に重大な影響を与えた又は重大な影響を与えると合理的に考えられるような当行の内部統制の変更はない。
(2)****【役員の状況】
男性取締役及び業務執行役員の人数:12名、女性取締役及び業務執行役員の人数:2名(女性取締役及び業務執行役員の割合:15%)
(2026年9月8日現在)
| 役名 及び職名 | 氏 名 (年齢) | 略 歴 | 銀行規制法に基づく 任 期(1) | 2026年9月 4日現在の 所有株式数 |
|---|---|---|---|---|
| 非業務執行(非常勤)会長 | プラディープ・クマール・シンハ (71歳) | プラディープ・クマール・シンハ氏は、デリー・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・フィロソフィー・イン・ソーシャル・サイエンシーズで、経済学修士号を取得した。同氏は、1977年にインド行政職に着任した。同氏は、1999年にオックスフォード大学で客員研究員を務めた。同氏は、主にインド政府に務め、公務員の最高位である内閣官房長官にまで上り詰めた。同氏は、首相官邸に異動するまでの4年超にわたり、内閣官房長官を務めた。同氏は、2021年3月、44年間の勤務を終え退任した。同氏は、数々の主要な公共部門事業で政府指名の取締役を務めてきた。 | 2029年 2月16日 | なし |
| 非業務執行 独立取締役 | スブラマニアン・マドハヴァン (69歳) | スブラマニアン・マドハヴァン氏は、公認会計士であり、インド経営大学院アフマダバードにおいて経営学修士号を取得している。同氏のキャリアは、ヒンドゥスタン・ユニリーバ・リミテッドから始まり、非常に成功した税実務を確立し、大規模なインド企業及び多国籍企業を顧客に抱えていた。その後、同氏は、プライスウォーターハウスクーパース・プライベート・リミテッドのシニアパートナー及び業務執行取締役となった。同氏は、会計、経済、金融、法律、情報技術、人事、リスク管理、事業経営及び銀行業において38年超の経験がある。同氏はまた、インド-アメリカン商工会議所の北部地区所長を務め、ASSOCHAMの税制委員会において前共同議長を務めてきた。同氏は、取締役協会、オール・インディア・マネジメント・アソシエーション及びデリー・マネジメント・アソシエーションのメンバーである。 | 2027年 4月13日 | 4,000株 |
| 役名 及び職名 | 氏 名 (年齢) | 略 歴 | 銀行規制法に基づく 任 期(1) | 2026年9月 4日現在の 所有株式数 |
|---|---|---|---|---|
| 非業務執行 独立取締役 | バーラスブラマニアム・スリラン (67歳) | バーラスブラマニアム・スリラン氏は、インド銀行業及び金融業協会(旧インド銀行協会で知られる。)の有資格アソシエイトであり、インディアン・アカデミー・オブ・インターナショナル・ロー・アンド・ディプロマシーで国際法及び外交の学位を取得し、オール・インディア・マネジメント・アソシエーションで同校の経営学の学位を取得した。また、同氏は、デリー大学セント・ステファン・カレッジで自然科学(物理学)の学士号及び修士号を取得している。スリラン氏は、約37年間にわたりインドステイト銀行に務めた。スリラン氏は、2013年から2014年までビカネール・アンド・ジャイプール・ステイト銀行のマネージング・ディレクター、2014年から2018年までインドステイト銀行のマネージング・ディレクター及び2018年6月から同年9月までIDBIバンク・リミテッドのマネージング・ディレクター兼最高経営責任者を務めた。同氏は、インド倒産処理委員会の非常勤委員であった。 | 2027年 1月13日 | なし |
| 非業務執行 独立取締役 | ヴァイブア・ポール・リシー (66歳) | ヴァイブア・ポール・リシー女史は、デリー大学レディー・シュリ・ラム・カレッジで経済学を学び、デリー大学経営学部でマーケティングを専門に経営学修士号も取得している。同女史は、世界各地でブランディング、戦略、イノベーション及びヒューマン・キャピタルの分野で上級職を歴任している。同女史のキャリアは、タタ・グループから始まり、タイタン・ウォッチ立ち上げの中心チームの一員であった。同女史はその後、ペプシコに17年間勤務し、インド、米国及び英国におけるマーケティング及びイノベーションの分野で指導的な役割を果たした。同女史は、ペプシコがインドで事業を開始した際の創業メンバーの一員であった。リシー女史は、複数の有名企業の取締役や委員会のメンバーでもある。 | 2030年 1月22日 (2) | 330株 (共同保有者として) |
| 役名 及び職名 | 氏 名 (年齢) | 略 歴 | 銀行規制法に基づく 任 期(1) | 2026年9月 4日現在の 所有株式数 |
|---|---|---|---|---|
| 非業務執行 独立取締役 | ロヒット・バシン (66歳) | ロヒット・バシン氏は、プライスウォーターハウスクーパースにおいて21年超の経験を有する公認会計士であり、インド・リーダーシップ・チーム及びパートナー監督委員会のメンバーであった。同氏は、インドのスタンダードチャータード銀行にも10年近く勤務していた。同氏は、インドの主要な上場企業数社の独立取締役及び監査委員会議長を務めている。 | 2032年 7月25日 | なし |
| 非業務執行 独立取締役 | プニト・スード (62歳) | プニト・スード氏は、インド工科大学ルークリー校にて電子工学及び通信工学の学士号を取得し、インド経営大学院アフマダバードにおいて経営学及び情報システム学修士号を取得している。同氏は、銀行業務及び情報技術分野で35年超の経験を有する。同氏は、ナットウェスト・デジタル・サービス・インディア・プライベート・リミテッドのマネージング・ディレクターを務めた。同氏はまた、JPモルガン・サービス・インディアではマネージング・ディレクター兼チーフ・インフォメーション・オフィサーを務め、シティ・テクノロジー・サービス・インディアでは最高経営責任者兼マネージング・ディレクターを務めた。 | 2032年 9月30日 | なし |
| 非業務執行独立取締役 | ヴィジャヤラクシュミ・アイヤー (71歳) | ヴィジャヤラクシュミ・アイヤー女史は、M.L.ダハヌカル商科大学を卒業し、ムンバイ所在のサイデナム商科大学において大学院課程を修了した。また、インド銀行業及び金融業協会の有資格アソシエイトである。 同女史は、インドの銀行及び金融分野において約40年にわたる経験を有し、インドの金融分野における多数の理事会及び委員会において議長を歴任している。同女史は、2015年5月にインド銀行の会長兼マネージング・ディレクターを退任した。また、2015年6月から2017年5月までの間、IRDAIにおいて、メンバー(財務及び投資)を務めている。現在は、複数のインド企業の取締役を兼任している。 | 2030年 5月31日 (3) | なし |
| 非業務執行独立取締役 | アシュワニ・バティア (64歳) | アシュワニ・バティア氏は、銀行及び金融市場において、40年超の経験を有するベテランである。2022年6月から2025年5月まで、インド証券取引委員会(SEBI)において常勤委員を務め、債券、ハイブリッド証券及びオルタナティブ投資ファンド等の主要部門を統括した。SEBI以前、同氏は、ステイト銀行グループに約37年間在籍し、1985年の試用役員から、最終的にはインドステイト銀行のマネージング・ディレクターとして退職した。同氏は、財務業務、小口向け銀行業務、与信、投資銀行業務及び資産運用において幅広い経験を有する。バティア氏は、アグラのダヤルバーグ大学で理学士号(物理学及び数学)を、ジャイプールのポダル経営大学院でMBAを取得している。 | 2034年 5月31日 (4) | なし |
| 非業務執行独立取締役 | ムルガンク・パランジャペ (59歳) | ムルガンク・パランジャペ氏は、インド及びシンガポールの銀行業、資本及び商品市場、資産運用、為替及び証券サービスの分野において、36年超の経験を有する。インド工科大学ムンバイ(工学士)及びインド経営大学院アフマダバード(経営学大学院ディプロマ)の卒業生である同氏は、現在、MC3のマネージング・パートナーとしてコンサルティング事業を率いるほか、オラクル・ファイナンシャル・サービス・ソフトウェア・リミテッド、アバクス・インベストメント・マネジャーズ・プライベート・リミテッド及びコムテル・ネットワークス・リミテッドの独立取締役を務める傍ら、セワ・インターナショナルの評議員会会長も兼任している。同氏のこれまでの主要な役職としては、NCDEX eマーケッツ・リミテッドのマネージング・ディレクター兼最高経営責任者、マルチ・コモディティ・エクスチェンジ・オブ・インディア(MCX)のマネージング・ディレクター兼最高経営責任者、インドステイト銀行の非業務執行取締役(2020年6月から2026年6月まで)を務め、ドイチェ・バンク、ICICIプルデンシャルAMC、WIカー・セキュリティーズ、INGベアリングス及びシティバンク等の機関で要職を歴任している。 | 2034年 7月31日 (5) | なし |
| マネージング・ディレクター兼最高経営責任者 | サンディープ・ベイクシ (66歳) | サンディープ・ベイクシ氏は、エンジニアであり、経営学修士号を取得している。サンディープ・ベイクシ氏は、1986年にICICIリミテッドに入社した。長年にわたり、同氏は、ICICIリミテッド、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッド、ICICIバンク・リミテッド及びICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドにおいて様々な業務に従事した。同氏は、2018年6月19日に最高執行責任者(任命)としてICICIバンク・リミテッドに就職し、2018年10月15日付でICICIバンクのマネージング・ディレクター兼最高経営責任者に任命された。 | 2026年 10月3日 (6) | 1,145,201株 |
| 役名 及び職名 | 氏 名 (年齢) | 略 歴 | 銀行規制法に基づく 任 期(1) | 2026年9月 4日現在の 所有株式数 |
|---|---|---|---|---|
| 業務執行取締役 | サンディープ・バトラ (60歳) | サンディープ・バトラ氏は、公認会計士及び会社秘書の資格を有している。バトラ氏は、ICICIバンクの取締役会の業務執行取締役であり、2018年7月からコーポレート・センターの責任者を務めている。 同氏はまた、ICICIプルデンシャル・アセット・マネジメント及びICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランスの会長を務め、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランスの取締役会のメンバーでもある。 同氏は、2000年9月からICICIグループに務め、グループ内の様々な分野に携わっている。 | 2027年 12月22日(7) | 849,560株 |
| 業務執行取締役 | ラケシュ・ジャー (54歳) | ラケシュ・ジャー氏は、デリーのインド工科大学の学士号及びラックナウのインド経営大学院で経営学修士号を取得している。同氏は、1996年にICICIに入社し、様々な分野に携わった。同氏の前職は、グループ最高財務責任者であった。同氏は、2022年9月2日以降ICICIバンクの取締役会の業務執行取締役に任命された。同氏は、当行の小口向け、小企業及び法人向け銀行業務の責任者を務めている。同氏は、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッド、ICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッド及びICICIセキュリティーズ・リミテッドの会長である。 | 2027年 9月1日 (8) | 46,790株 |
| 業務執行取締役 | アジャイ・クマール・グプタ (59歳) | アジャイ・クマール・グプタ氏は、公認会計士である。同氏は、1991年11月にICICIグループに入社し、法人向け銀行業務、プロジェクト・ファイナンス、SME、債務返済管理、与信及び政策並びにオペレーションに従事している。同氏は、当行の小口向け銀行業務及びビジネス・バンキング、オペレーション、技術並びにデータ・サイエンス及び分析機能の与信政策策定及び与信引受の責任者を務めている。同氏は、ICICIセキュリティーズ・プライマリー・ディーラーシップ・リミテッドの取締役会及びI-プロセス・サービシズ(インド)リミテッドの会長である。同氏はまた、ICICIセキュリティーズ・リミテッド及びICICIホーム・ファイナンス・カンパニー・リミテッドの取締役も務めている。 | 2026年 11月26日 (9) | 718,488株 |
| 役名 及び職名 | 氏 名 (年齢) | 略 歴 | 銀行規制法に基づく 任 期(1) | 2026年9月 4日現在の 所有株式数 |
|---|---|---|---|---|
| グループ最高財務責任者 | アニンディア・バネルジー (49歳) | アニンディア・バネルジー氏は、公認会計士である。同氏は、1998年にICICIグループに入社し、当初は法人向け銀行業務に従事した後、企業事務所の企画及び戦略部門に異動した。同氏は、2022年5月1日付で当行のグループ最高財務責任者に指名された。同氏の現在の責務には、財務報告、企画及び戦略並びに資産負債管理が含まれる。同氏はまた、ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドの取締役も務めている。(10) | 正規雇用 | 526,263株 |
(1) 非業務執行取締役(会長を除く。)についての「任期」に記載されている日付は、銀行規制法により認められている最長在任期間を指す。
(2) 当行の取締役会は、2026年6月29日に開催された取締役会において、ヴァイブア・ポール・リシー女史の現在の任期が2027年1月22日までであることを確認した。取締役会は、管理、報酬及び指名委員会の勧告に基づき、当行の株主の承認を条件として、同女史のICICIグループにおける10年間の在籍終了に合わせ、2027年1月23日から2028年12月31日までの期間におけるヴァイブア・ポール・リシー女史の2期目の再任を全会一致で承認した。当行の株主は、2026年8月21日に開催された年次株主総会において、上記の期間におけるヴァイブア女史の再任を承認した。
(3) 当行の取締役会は、2025年10月18日に開催された取締役会において、また当行の株主は、2026年2月25日の郵便投票により、ヴィジャヤラクシュミ・アイヤー女史を、2025年12月1日から2030年5月31日までの期間において独立取締役として任命することを承認した。
(4) 当行の取締役会は、2026年6月1日に書面決議により、株主の承認を条件として、アシュワニ・バティア氏を、2026年6月1日から2031年5月31日までの期間で、追加(独立)取締役として任命することを承認した。株主は、2026年8月21日に開催された年次株主総会において、上記の期間にバティア氏を任命することを承認した。
(5) 当行の取締役会は、2026年7月18日に開催された取締役会において、株主の承認を条件として、ムルガンク・パランジャペ氏を、2026年8月1日から2031年7月31日までの期間で、追加(独立)取締役として任命することを承認した。2026年8月21日に開催された年次株主総会において、上記の期間におけるパランジャペ氏の任命に対する株主からの必要な承認は得られている。
(6) サンディープ・ベイクシ氏は、2018年7月31日付で常勤取締役兼最高執行責任者(任命)として任命され、2018年10月15日付で2023年10月3日までの期間でマネージング・ディレクター兼最高経営責任者として任命された。同氏は、2023年10月4日から2026年10月3日までの3年間の任期で当行のマネージング・ディレクター兼最高経営責任者として再任された。かかる任命に対するインド準備銀行及び株主からの必要な承認は得られている。当行の取締役会は、2026年1月17日に開催された取締役会において、当行のマネージング・ディレクター兼最高経営責任者としてのサンディープ・ベイクシ氏の現在の任期が2026年10月3日までと確認した。当行の取締役会は、インド準備銀行、株主及びその他の必要な承認を条件として、2026年10月4日から2028年10月3日までの追加で2年間の任期でサンディープ・ベイクシ氏の再任を全会一致で承認した。インド準備銀行は、2026年5月22日付の書簡により、2026年10月4日からの2年間の任期でサンディープ・ベイクシ氏の再任を承認した。2026年8月21日に開催された年次株主総会において、ベイクシ氏の再任に対する株主からの必要な承認は得られている。
(7) サンディープ・バトラ氏は、2020年12月23日付で、2023年12月22日までの期間で常勤取締役として任命(業務執行取締役として任命)された。同氏は、2023年12月23日から2025年12月22日までの追加で2年間の任期で常勤取締役として再任(業務執行取締役として任命)された。当行の取締役会は、2025年1月25日に開催された取締役会において、インド準備銀行及び当行の株主の承認を条件として、2025年12月23日から2027年12月22日までの2年間の任期でサンディープ・バトラ氏の再任を承認した。かかるさらなる任命に対するインド準備銀行及び株主からの必要な承認は得られている。
(8) 取締役会は、2022年4月23日に開催された取締役会において、2022年5月1日又はインド準備銀行(RBI)が同氏の任命の承認した日付のいずれか遅い方の日付から5年間を任期として、ラケシュ・ジャー氏を常勤取締役として任命(業務執行取締役として任命)した。本任命は、株主総会においても承認された。RBIは、2022年9月2日より3年間の任期で同氏の任命を承認し、その後2025年9月2日から2027年9月1日までの2年間の任期で再任を承認した。かかる任命に対するインド準備銀行及び株主からの必要な承認は得られている。ラケシュ・ジャー氏は、2026年7月8日付で、ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドの非業務執行取締役ではなくなった。
(9) アジャイ・クマール・グプタ氏は、2024年3月15日付で、2026年11月26日までの期間で常勤取締役として任命(業務執行取締役として任命)された。かかる任命に対するインド準備銀行及び株主からの必要な承認は得られている。当行の取締役会は、2026年1月17日に開催された取締役会において、当行の業務執行取締役としてのアジャイ・クマール・グプタ氏の現在の任期が2026年11月26日までと確認した。当行の取締役会は、インド準備銀行、株主及びその他の必要な承認を条件として、2026年11月27日から2028年11月26日までの追加で2年間の任期でアジャイ・クマール・グプタ氏の再任を全会一致で承認した。インド準備銀行は、2026年7月31日付の書簡により、上記の期間におけるアジャイ・クマール・グプタ氏の再任を承認した。2026年8月21日に開催された年次株主総会において、株主は、上記の期間におけるグプタ氏の再任を承認した。
(10) アニンディア・バネルジー氏は、2026年7月8日付で、ICICIベンチャー・ファンズ・マネジメント・カンパニー・リミテッドの非業務執行取締役として任命された。
(3)****【監査の状況】
「-(1)-(m)-(ⅵ) 財務報告書に対する内部統制に関しての経営陣による報告」を参照のこと。
(a) 監査委員会
本書提出日現在、監査委員会は、スブラマニアン・マドハヴァン氏、ロヒット・バシン氏及びプニト・スード氏の3名の独立取締役により構成されている。委員長はスブラマニアン・マドハヴァン氏である。スブラマニアン・マドハヴァン氏、ロヒット・バシン氏及びプニト・スード氏は、監査委員会の金融専門家として適格であると判断した。
監査委員会の機能には、監査機能の指針を示し、内部監査及び法定監査の質を監視することを含む。監査委員会の職責には、財務書類及び監査報告書の検証並びに財務書類の公正さ、十分性及び信頼性を確保するための財務報告過程の監視、取締役会への提出に先立つ四半期及び年次財務書類の検討、経営陣による説明及び分析の検討、法定監査人及び主席内部監査役の選任、任期、報酬及び解任の提案、法定監査人に対するその他の許可されたサービスの提供に係る支払いの承認、監査人の独立性、実績及び監査手順の有効性の経営陣との検討及び監視、関係者間取引又はその後の修正の承認並びに銀行子会社からの投資による融資及び/又は貸付金の利用が含まれる。監査委員会は、内部通報メカニズムの機能性、内部統制システム及び内部監査機能の妥当性、法定監査人の検査及び監査報告書並びに報告書の遵守状況、内部調査の結果、法定監査人/内部監査人の発行するマネジメントレター/内部統制の脆弱性に関するレター、株式投資並びに株式に対する貸付金についても検討する。監査委員会の責任には、発行(公募、株主割当増資、優先発行等)により調達した資金の運用/適用報告の経営陣との検討、募集要項/目論見書/通知に記載の目的以外で利用された資金の計算書及び監視機関により提出された報告書の検討、公募又は株主割当増資による発行の手取金の使途の監視並びに取締役会に対し本件について手段を講じるための適切な提言を行うこと、監査の範囲に関する外部の監査人との協議、利害関係人に対する支払いの重大な不履行(もしあれば)の原因の調査、事業又は資産の評価、リスク管理システムの評価並びに企業間の貸付及び投資の審査が含まれる。監査委員会はまた、登録された公認会計士事務所を選定しその業務を監視し、会計、内部会計統制及び監査事項に関し受領した苦情の受理及び処理の手続を確立し、独立した法律顧問を関与させ、事務所/顧問への報酬の支払いに充てる相当な資金の調達をなす権限を有する。さらに、監査委員会は、当行の規制遵守機能の監視も行う。監査委員会はまた、合併/会社分割/統合等に関する事業計画の論理的根拠、費用対効果及び影響についても検討し、当行及び株主に意見を述べる。
(b) 会計監査
(ⅰ) 外国監査公認会計士(外国監査公認会計士)等
2026年度に係る当行の米国GAAPに関する財務書類についての報告は、独立会計士として業務を行うケーピーエムジー・アシュアランス・アンド・コンサルティング・サービシズ・エルエルピーにより発行されている。ケーピーエムジー・アシュアランス・アンド・コンサルティング・サービシズ・エルエルピーは、金融業界における経験、その世界的な影響力並びに規模の大きい組織の1つであることを理由に任命された。以下は、ケーピーエムジー・アシュアランス・アンド・コンサルティング・サービシズ・エルエルピーのチーム構成に関する詳細である。
・契約パートナー:リテシュ・ゴヤル
・携わったアシスタント数:236名
(ⅱ) 監査の報酬
外国監査公認会計士等の報酬
| (単位:百万) | ||||
| 区 分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 監査証明業務に基づく報酬(ルピー) | 非監査業務に基づく報酬(ルピー) | 監査証明業務に基づく報酬(ルピー) | 非監査業務に基づく報酬(ルピー) | |
| 提出会社 | 196 (359円) | 0 (0円) | 229 (419円) | 0 (0円) |
| 連結子会社 | 61 (112円) | 1 (2円) | 73 (134円) | 1 (2円) |
| 計 | 257 (470円) | 1 (2円) | 302 (553円) | 1 (2円) |
その他重要な報酬の内容
該当事項なし。
外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
非監査業務の報酬は、税務サービス及びその他サービスに係る費用から構成される。
監査報酬の決定方針
外国監査公認会計士等の監査報酬は、当行の監査委員会により承認される。監査委員会は、4.0百万ルピーに適用ある経費及び税金を加えた額の報酬を上限に業務を事前に承認し、業務執行取締役、グループ最高財務責任者、秘書役及び最高会計責任者に対してこれらの業務を承認する権限を付与した。業務及び関連報酬は、監査委員会に報告される。4.0百万ルピーを超える報酬の業務はすべて、監査委員会により承認される。
(4)****【役員の報酬及び福利厚生】
(a) 報 酬
ICICIバンクの組織書類では、政府派遣の取締役以外の各非業務執行取締役は、取締役会又は取締役会委員会へ出席するごとに、報酬を得ることができると定められている。非業務執行取締役に対して支払われる報酬金額は、インド会社法又はこれらの規則によって定められた上限に従って、取締役会により適宜定められる。取締役会は、各取締役会又は取締役会委員会へ出席するごとに出席報酬として100,000ルピーを支払うことを承認した。
インド準備銀行ガイドライン(2024年2月9日付インド準備銀行通知書を含む。)に従って、(非常勤の取締役委員長及び当行の政府に任命された取締役以外の)各非業務執行取締役に対する年間3,000,000ルピーの固定報酬の支払いが株主により承認された。また、インド準備銀行及び株主は、非業務執行会長への報酬として、年間5,000,000ルピーの支払いを承認している。さらに、ICICIバンクは、取締役会及び委員会への出席並びに関連事項に係る経費を、当行の取締役に支給している。取締役が会議の出席以上にICICIバンクに対する業務提供を求められた場合には、ICICIバンクは取締役会の決定に従って、かかる取締役に報酬を支払うことができ、かかる報酬は、上記の報酬に加えて又はそれに代わって支払われる。非業務執行取締役は、任期満了時における給付金を受け取ることができない。
取締役会は、常勤取締役に支払う報酬及び追加手当を定めることができ、かかる決定も株主の承認を要する。ICICIバンクは、当行の常勤取締役に対して、実際に支払われる月々の報酬、追加手当、毎年支払われる年次業績手当及びストック・オプションに関して、インド準備銀行の個別の承認及びその他の必要な承認を得なければならない。
基本手当及び追加手当に加え、当行の常勤取締役には、当行が提供する家具付住居、備品、課外活動費、団体保険(医療保険、生命保険及び個人傷害保険)、車の使用、車の維持・整備(運転手を含む。)、住居での電話/IT資産又はそれに代わる費用支払い等の手当、所得税法及びその下で策定された規則により許容される範囲内での当行による臨時手当に対する所得税の支払い、休暇及び休暇旅行手当、教育及びその他の給付金、準備基金、老齢退職年金、謝礼並びにその他の退職給付金を含む臨時手当(適用ある場合は所得税規則に従って、その他の場合には当行が負担する実費で判断される。)が、適宜、退職した当行の常勤取締役又は職員に適用される制度並びに規則に従い、付与される。特定の等級の従業員のうち、住宅用不動産の購入に係る融資を利用するための規定の適格基準を満たす従業員に適用される職員融資方針に従い、常勤取締役も住宅ローンの対象となる。ストック・オプションは、付与日から12ヶ月が経過した時点から3年間にわたって、毎年段階的に付与数の30%、30%及び40%が確定する。確定したオプションは、権利確定日から5年以内又は各付与について取締役会管理、報酬及び指名委員会が定めるより短い期間内に行使する必要がある。
常勤取締役については、雇用の終了時に利益の供与は行われない。
ICICIバンクが2026年度中に取締役及び常勤役員に支払った報酬総額は、約430百万ルピーであった。
(b) 賞 与
当行の取締役会は、毎年、従業員及び常勤取締役に対して、当行の業績及び個人の業績に応じて、変動賞与を支給する。2026年度において、ICICIバンクのすべての適格従業員への賞与及び業績連動型残留手当総額は、31.5十億ルピーで割り当てられた。
(c) 特定取引における経営者の利益
本書に別段の記載がある場合を除き、当行の取締役又は業務執行役員に対し、金銭又は給付金は支払われない。
(5)****【株式の保有状況】
該当事項なし。
4【従業員の状況等】
(1)****【人材戦略に関する基本方針等】
(a) 経営方針及び戦略に基づく当グループの人材戦略
「チームICICIの構築」は、ビジネス戦略を実現するために、適切な姿勢、スキル及び奉仕の精神を中核とする「Seva Bhaav」を備えた企業文化に合致した人材を配置することに重点を置いている。
公正な報酬、学習及び成長、配慮及び能力主義は、サービス志向で顧客中心、かつ革新的で機動性の高い人材の育成を目指す当行の人材戦略の重要な柱である。この戦略は、ミクロ市場及びエコシステムの機会を最大限に活用することで、当行の使命を支えている。従業員は、リスク及びコンプライアンスの枠組みの中で、ビジネスチャンスを見出し、革新を起こす権限を与えられている。
当行の組織設計の原則は、当行の事業アプローチに沿ったものである。この構造により、チーム全体の従業員が、顧客ニーズを提供するために協働することが可能となる。
(b) 当グループの従業員(当グループの事業活動の性質に照らして重要な役割を担う臨時従業員を含む。)に対する給与(賞与を含む。)及びその他の福利厚生の額及び条件の決定に関する方針
公正な報酬
当行は、RBIのガイドラインに沿い、取締役会及び取締役会管理、報酬及び指名委員会(BGRNC)の指導の下、慎重な報酬枠組みを採用している。当行の報酬方針は、チームの業績を評価するものであり、包括的なリスク管理の枠組みの中で能力主義を推進するものである。報酬は、職務責任を反映する固定給と、現金賞与や株式連動型報酬を含む変動給で構成される。「ワン・バンク、ワン・チーム」の理念に基づく変動報酬は、当行全体の業績に対して報いるものであるが、株式連動型報酬は、個人の潜在能力及び職務の重要性を反映するものである。2026年度中、当行は、株式連動型報酬の割当対象となる従業員数を約25,200名に拡大した。保証機能(リスク、コンプライアンス、内部監査)に対する報酬は、監督対象となる事業分野とは独立して、機能固有の成果に連動する。
(2)****【従業員の状況】
2026年度末現在における当行の契約社員及びインターンを含む従業員数は174,666名であった。このうち、2026年度末現在、ICICIバンクにより124,324名の従業員が雇用されていた。2026年度末現在の174,666名の従業員のうち、118,362名は、経営学、会計学、エンジニアリング、法学、情報工学、経済学又は金融学の学位を有する、学士号取得者又は大学院修了者で、専門資格を有していた。
当行の幹部役員は、従業員が高い意欲を維持し、また当行の主要な従業員の一員であると認識できるようにするため、多くの時間を割いている。従業員報酬は当行の業績と結びついており、また当行は、当行従業員の当行全体の業績及び収益性への関与を促している。経営陣のキャリア開発を補佐するため、業績及び継承計画システムが役立っている。経営陣は、当行従業員と良好な仕事上の関係を保持していると考えている。
ICICIバンクは、第一線に立つ従業員及び幹部補佐に対しては業績連動型残留手当、並びに中間管理職及び幹部役員に対しては業績手当を支払う。業績連動型残留手当は主に、経験及び職務を継続することによって得られる技能の成熟度に基づいて、第一線に立つ者及びマネージャー補佐に報酬を与えることを目的としている。かかる技能の成熟度とは、顧客サービスにとって鍵を握る差別化要因である。当行は、幹部役員レベルに当てられる変動手当の割合が高く、第一線に立つ従業員及びマネージャー補佐レベルに当てられる割合が低くなるようにしている。従業員1名当たりの手当の額が、年間固定報酬の一定の割合を超えることはない。かかる割合のうちで、手当があらかじめ定められた限度を超えた場合には、手当の一部が繰り延べられ、翌年度にわたって支払われる。幹部役員及び幹部役員級の従業員にも、変動手当として従業員ストック・オプションが支払われる。評価期間又は過年度に係る変動手当(方針に定義される。)の繰延部分は、マルスに服することとなる。当行の不良資産に対する引当金設定における乖離があると判断された場合、財務実績の悪化の合理的な証拠があった場合、重大な不正行為又は財務報告の修正再表示が行われた場合、及び/若しくは報酬方針に記載されているその他の行為があった場合には、当行はかかるマルスに基づき、未払いの変動手当のすべて、一部又は一切の支払いを止める。かかる場合(乖離があると判断された場合を除く。)、払込済の変動手当は、報酬方針に定義されるクローバック(払戻し)合意に従うことがある。「*-*従業員ストック・オプション制度」も参照のこと。
ICICIバンクは、複数の訓練センターを有しており、従業員に求められる技能の変化に対応するための多様な訓練プログラムを実施している。これらの訓練プログラムには、新入従業員のためのオリエンテーション並びに中間及び上級管理職のための管理能力開発プログラムが含まれる。訓練センターでは、国内外の業界、学会及びICICIバンク内から招いた教授陣による各種のコースが定期的に提供されている。管理能力の開発だけでなく、一般職務能力の開発のための訓練プログラムも実施されている。また、インターネット・トレーニング・モジュールを使用しての商品及びオペレーション業務の訓練も実施されている。ICICIバンクは、従業員に対する一体型学習ソリューションの提供に重点を置いている。小口向け、ホールセール、トランザクションバンキング及びその他の様々な事業グループ向けの機能的なトレーニングとともに、デジタル及び行動学習介入が導入されている。かかるプログラムは、役職、年代及び機能に基づいて詳細なニーズ分析がされた上でカスタマイズされ、提供される。当行は、各事業部のすべての役職が適切な学習プログラムを受講できる仕組みの構築に取り組んでいる。
ICICIバンクの従業員は、基本報酬に加えて、ICICIバンクから優遇金利で貸付を受けることができ、また当行の準備基金及びその他の従業員福利プランに参加することができる。「*-*従業員ストック・オプション制度」も参照のこと。
従業員ストック・オプション制度
ICICIバンクには、2000年従業員ストック・オプション制度(2000年制度)がある。これは、ICICIバンク及びその子会社の従業員及び常勤取締役が、当行の将来の成長及び財務上の成功に参加できるよう、2000年度に導入された。2000年制度は、従業員の利益を株主の利益と一致させ、かつ従業員を保持するという2つの目的の達成を目指している。当行は、従業員ストック・オプションの付与を通じて、長期的かつ持続可能な価値創造の文化を育むことを目指している。2000年制度は、2021年インド証券取引委員会(従業員の福利厚生に基づく株式及びスウェット・エクイティ)規則(SEBI SBEB及びSE規則)に従っている。オプションは、場合に応じて取締役会管理、報酬及び指名委員会によって付与され、取締役会により表明/承認される。随時改定される2000年制度によると、ストック・オプションの付与時の当行の発行済株式合計の最大10.0%が、従業員ストック・オプションに基づき割り当てられる。かかるストック・オプションは、適格従業員に株式の取得申込みを行う権利を付与する。2026年3月31日現在、かかる10.0%の上限は716百万株に相当し、当行はそのうちの651百万個のオプション(失効分控除後)を、2000年制度の下、付与した。当行若しくはICICIバンクの子会社の終身雇用従業員又は取締役(独立取締役を除く。)は、ストック・オプションが付与される適格従業員である。適格従業員に対して1年間で付与される最大オプション数は、付与時における当行の発行済株式総数の0.05%に制限されている。
2014年4月1日以降に付与されたオプションは、3年間にわたって、段階的にその30%、30%及び40%がそれぞれ付与日の1年後の日、2年後の日及び3年後の日に確定する。下記は、それ以外のものである。
・2014年4月に付与された275,000個のオプションは、50%が2017年4月30日に確定し、残りの50%は2018年4月30日において確定した。
・2015年9月に付与された34,362,900個のオプションは、50%が2018年4月30日に確定し、残りの50%は2019年4月30日において確定した。
2014年4月1日より前に付与されたオプションは、4年間にわたって、段階的にその20%、20%、30%及び30%がそれぞれ付与日の1年後の日、2年後の日、3年後の日及び4年後の日に確定する。
付与されたオプションの価格は、オプションの付与日までに、最大出来高を記録した取引所における終値である。
2017年6月の株主の承認に基づき、各オプションの付与に係る取締役会管理、報酬及び指名委員会により決定された行使期間は、オプションの確定日から10年以内である。2018年9月において、株主は行使期間に関する変更を承認し、2018年5月以降のすべての付与に係る行使期間は、オプションの確定日から5年以内であり、取締役会管理、報酬及び指名委員により決定されるとした。
以下の表は、2000年制度に基づき従業員に対し付与されたストック・オプションに関する2026年3月31日現在の情報である。当行は、かかるすべてのオプションを従業員に無償で付与した。付与されたオプションには、当行子会社の常勤取締役及び従業員に付与したものも含まれる。当行は、非業務執行取締役に対してストック・オプションを付与していない。
以下の表は、2026年3月31日現在、当行によって過年度に付与されたオプションの要約に関する情報の一部である。
| 細目 | ICICIバンク | |
|---|---|---|
| 付与オプション(失効分控除後) | 651,253,630 | |
| 確定オプション | 651,439,727 | |
| 行使オプション | 505,981,535 | |
| 無効/失効オプション | 115,122,314 | |
| オプションの行使による実現総額 | 91,737,304,995ルピー | |
| 有効なオプション数 | 145,272,095 | |
| 有効なオプションの加重平均行使価格 | 585.24ルピー |
本書に含まれる米国GAAPに基づく「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記18も参照のこと。
ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドは、I Pruライフ制度又はICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドのその他のストック・オプション制度に基づき発行された、適格従業員に付与されたオプションの行使による2016年3月31日以降の発行済株式総数又は発行可能株式総数が、2016年3月31日現在における発行済株式数の5.30%に相当する数を超過してはならないとする従業員ストック・オプション制度(I Pruライフ制度)を有している。1会計年度に適格従業員に対して付与される最大オプション数は、オプション付与時におけるICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの発行済株式の0.1%を超過してはならない。
I Pruライフ制度は、2021年インド証券取引委員会(従業員の福利厚生に基づく株式及びスウェット・エクイティ)規則に準拠している。
ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドは、2026年度末現在、発行済の24,556,368個のストック・オプション(無効オプション又は失効オプション控除後)を有していた。
ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニーは、その発行済資本の最大8.98%を従業員ストック・オプションに割り当てることのできる従業員ストック・オプション制度(ICICIジェネラル制度)を有している。1会計年度中に適格従業員に対して付与される最大オプション数は、オプション付与時におけるICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニーの発行済株式の0.1%を超過してはならない。
ICICIジェネラル制度は、2021年インド証券取引委員会(従業員の福利厚生に基づく株式及びスウェット・エクイティ)規則に準拠している。
ICICIロンバート・ジェネラル・インシュアランス・カンパニーは、2026年度末現在、発行済の10,752,805個の従業員ストック・オプション(無効オプション又は失効オプション控除後)を有していた。
従業員ストック・ユニット制度
ICICIバンクは、2023年度に導入された2022年従業員ストック・ユニット制度(2022年制度)を採用している。
2022年制度の主な目的は、以下の主要な考慮事項をもって、(ⅰ)中堅・第一線の管理職及び(ⅱ)当行の特定の非上場完全子会社の従業員間の共同所有の意識を深めることである。
・「オーナー経営者」の文化の浸透及び定着メカニズムとしての機能のため、従業員による積極的な利害関係人としての事業への参加を可能にすること。
・従業員の意欲を高めること。
・従業員による当行の長期的な成長及び財務上の成功への参画を可能とすること。
2022年制度は、2021年インド証券取引委員会(従業員の福利厚生に基づく株式及びスウェット・エクイティ)規則に準拠している。
最大100,618,910ユニットが、2022年制度が株主により承認された日から7年間にわたり、1回又は複数回に分けて付与されるものとする。この場合、投資者は、各ユニットの行使ごとに当行の資本構成の変更に応じて調整される当行の額面金額2ルピーの払込済株式1株を取得するものとする。2022年制度により付与されたユニットは、4年間の最長権利確定期間までに権利確定するものとする。
当行は、2026年3月31日までに13百万ユニット(失効分控除後)を付与した。2022年制度に従い、適格従業員に対して付与される最大ユニット数は、2022年制度が株主により承認された日から7年間にわたり、1会計年度に20,000ユニット及び付与可能な総合ユニット数の0.14%を超過してはならない。
2022年制度により付与されたユニットは、付与日から13ヶ月が経過した時点から3年間にわたって、毎年段階的にその30%、30%及び40%が確定する。各ユニットの権利行使期間は、ユニット確定日から5年又は取締役会管理、報酬及び指名委員会が決定するこれより短い期間を超えないものとする。行使価格は、当行株式の額面金額と同額、すなわち各ユニットにつき2ルピーとする。
雇用の継続に加え、かかる確定は、以下のような一定の企業業績パラメーターの達成にも左右される。
・リスク調整された主要な営業利益
・引当金/資産の質
・委員会が決定するその他のパラメーター(もしあれば)
以下の表は、2026年3月31日現在、2022年制度に基づき従業員に対して過年度に付与されたストック・ユニットの要約に関する情報の一部である。
| 細目 | ICICIバンク | |
|---|---|---|
| 付与ユニット(失効分控除後) | 12,527,209 | |
| 確定ユニット | 3,942,727 | |
| 行使ユニット | 2,575,099 | |
| 無効/失効ユニット | 1,088,431 | |
| ユニットの行使による実現総額 | 5,150,198ルピー | |
| 有効なユニット数 | 9,952,110 | |
| 有効なユニットの加重平均行使価格 | 2ルピー |
ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの取締役会は、2023年6月10日に開催の取締役会において、2023年従業員ストック・ユニット制度(2023年ICICIライフ制度)の導入を承認し、当該制度は、その後、2023年7月28日に開催された年次株主総会において承認された。
2023年ICICIライフ制度は、2021年インド証券取引委員会(従業員の福利厚生に基づく株式及びスウェット・エクイティ)規則に準拠している。
最大14,500,000ユニットが、2023年ICICIライフ制度が株主により承認された日から6年間にわたり、1回又は複数回に分けて付与されるものとする。この場合、投資者は、各ユニットの行使ごとにICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの額面金額10ルピーの払込済株式1株を取得するものとする(当行の資本構成の変更に応じて調整される。)。これにより、2023年ICICIライフ制度に基づき、最大14,500,000株の1株当たり額面金額10ルピーの株式(2023年3月31日現在の株式総数残高の約1%)が、すべての適格従業員に割り当てられる。適格従業員に対して付与される最大ユニット数は、1会計年度に60,000ユニットを超過してはならない。
2023年ICICIライフ制度に基づき付与されたユニットは、4年間の最長権利確定期間までに権利確定するものとする。さらに、ユニットの確定は、企業業績の達成義務にも左右されるものとする。行使価格は、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式の額面金額と同額、すなわち各ユニットにつき10ルピーとする。
ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドは、2026年度末現在、発行済の1,664,819ユニット(無効ユニット又は失効ユニット控除後)を有していた。
ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの取締役会は、2023年4月18日開催の取締役会において、2023年従業員ストック・ユニット制度(2023年ICICIジェネラル制度)の導入を承認し、当該制度は、その後、2023年7月6日に開催された年次株主総会において承認された。
2023年ICICIジェネラル制度は、2021年インド証券取引委員会(従業員の福利厚生に基づく株式及びスウェット・エクイティ)規則に準拠している。
2023年ICICIジェネラル制度に基づき、最大5,000,000ユニットが付与されるものとする。この場合、投資者は、各ユニットの行使ごとにICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの額面金額10ルピーの払込済株式1株を取得するものとする。これにより、2023年ICICIジェネラル制度に基づき、最大5,000,000株の1株当たり額面金額10ルピーの株式が、すべての適格従業員に割り当てられる。適格従業員に対して付与される最大ユニット数は、1会計年度に20,000ユニットを超過してはならない。
2023年ICICIジェネラル制度に基づき付与されたユニットは、4年間の最長権利確定期間までに権利確定するものとする。加えて、ユニットの確定は、1つ又は複数の以下のような関連するパラメーターに基づいて行われるものとする。
・市場シェア
・複合比率
・適格従業員の業績
取締役会管理、報酬及び指名委員会が決定するその他の条件にも基づくものとする。行使価格は、ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドの株式の額面金額と同額、すなわち各ユニットにつき10ルピーとする。
ICICIロンバード・ジェネラル・インシュアランス・カンパニー・リミテッドは、2026年度中、従業員に従業員ストック・ユニット制度に基づく787,080ユニットを付与し、2026年度末現在、1,107,145個の従業員ストック・ユニット(無効オプション又は失効オプション控除後)が発行済であった。
貸付
当行は、従業員及び業務執行取締役による市場金利よりも大幅に低い金利での不動産、車両及びその他の耐久消費財等の資産の取得のために行う貸付に関する内部規則を有している。当行の従業員に対する貸付は、年率2.5%から3.5%の利息で行われ、指定期間内に返済することとなっている。貸付は、一般的に、従業員が取得した資産により担保される。銀行規制法に従い、当行の非業務執行取締役には貸付は行われない。当行の従業員に対する貸付金残高は、2025年度末現在には33.0十億ルピーであったのに対し、2026年度末現在には合計40.2十億ルピーであった。かかる金額には、他の従業員に対する貸付と同じ条件(利率及び担保の条件を含む。)に従って行われた、一部の業務執行取締役に対する貸付金が含まれ、かかる貸付金は2025年度末現在には44百万ルピーであったのに対し、2026年度末現在には39百万ルピーであった。業務執行取締役に対する貸付はインド準備銀行の承認を得た後に行われる。「-第3-4-経営成績データ-(17) 関連当事者間取引」も参照のこと。
退職金
当行は、規定された最短の期間以上勤続した後に退職又は辞職する従業員に対して退職金を支払う。海外拠点の従業員の場合、それぞれの国の効力ある規定に従う。当行は、ICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドにより管理されている従業員に対する退職金基金に出資している。
上記の基金すべての退職金債務の保険数理上評価は、当行が任命する保険数理士によって決定されている。退職金債務の保険数理上評価は、利率、給与の上昇率、死亡率及び社員の離職率といった一定の仮定に基づいて、予測単位積立方式により決定されている。
基金の会計は、独立監査人によって監査されている。未監査財務書類に基づく基金合計額は、2025年度末現在には20.3十億ルピーであったのに対し、2026年度末現在には24.1十億ルピーであった。
退職年金
当行は、適用ある従業員について、年間基本給与及び物価調整手当(該当ある場合)の合計の15%を退職年金に出資している。当行の従業員は、残高の3分の1又は2分の1(在職期間による)を一時金換算として退職時又は辞職時に受領し、残りを年金として定期的に受領することができる。従業員が死亡した場合には、適格と認められればその保険金受取人が累積残高を受領する。当行はまた、従業員に、当行により出資される金額を、在職中の月給として受領する現金オプションを付与している。退職年金は、インド生命保険公社及びICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドにより運営されている。従業員は、インド生命保険公社又はICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドに管理されている基金のうちのいずれかを選択することができる。未監査財務書類に基づく退職年金の積立合計額は、2025年度末現在には6.6十億ルピーであったのに対し、2026年度末現在には6.8十億ルピーであった。
準備基金
当行は、従業員に対する退職手当の一部として、準備基金を維持することが法令によって義務付けられている。準備基金は、ICICIバンクとその従業員がそれぞれ定額を拠出する貯蓄制度である。かかる準備基金により、ICICIバンクは、現在その従業員に対し、随時定められる最低年利の利回りを確保するよう義務付けられており、2026年度におけるかかる最低年利の利回りは8.25%に定められた。かかる運用利益が当該基金自体によって捻出されなかった場合、ICICIバンクはその差額につき支払責任を負う。合併した事業体(マドラ銀行、バンク・オブ・ラジャスタン及びサングリ・バンク)出身の従業員及び当行のその他の従業員に対しては、別途準備基金がある。これらの基金は、内部受託者によって運営されている。各従業員は、基本給の12.0%を基金に出資し、当行は同額を基金に出資する。
雇用者による12%の当該出資のうち、8.33%は、従業員準備基金組織との従業員年金制度への従業員1名当たり最大1,250ルピーの出資を条件とする。2022年11月の最高裁判所の判決に従い、特定の適格従業員には、従業員準備基金組織との従業員年金制度に当該8.33%すべてを出資するオプションが付与されている。
基金の投資は、インド政府が定める規則に従って行われる。基金の会計は、独立監査人によって監査されている。合併した事業体出身の従業員及び当行のその他の従業員に関し、未監査財務書類に基づく基金合計額は、2025年度末現在にはそれぞれ1.5十億ルピー及び65.2十億ルピーであったのに対し、2026年度末現在にはそれぞれ1.4十億ルピー及び72.7十億ルピーであった。
年金基金
当行は、年金として旧マドラ銀行、サングリ・バンク及びバンク・オブ・ラジャスタンの特定の従業員に対して繰延退職制度を提供している。当該プランの下、これらの従業員に対して、それぞれの給与と勤続年数に応じて、インフレ手当を含む年金が退職時に毎月支払われる。旧マドラ銀行、サングリ・バンク及びバンク・オブ・ラジャスタンの在職中の従業員に関しては、基金が信託によって運営されており、保険数理上評価により負債への融資が行われている。信託は、旧マドラ銀行、サングリ・バンク及びバンク・オブ・ラジャスタンを退職した従業員への年金の支払いのための一括保険契約の一部として、インド生命保険公社及びICICIプルデンシャル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・リミテッドより年金保険を購入している。年金プランが適用される従業員には、雇用者が出資する準備基金プランは適用されない。未監査財務書類に基づく基金合計額は、2025年度末現在には17.5十億ルピーであったのに対し、2026年度末現在には18.8十億ルピーであった。
国民年金制度
国民年金制度は、任意の確定拠出型退職貯蓄制度である。当行は、かかる制度への加入を選択する従業員に対して、基本給の14%までを国民年金制度に出資している。これらの基金は、それぞれの従業員が選択した投資オプションに基づき、年金基金規制開発局によって投資され、専門家であるファンド・マネージャーによって管理されている。退職時には、出資累計額(出資の払戻しを含む。)の80%までは、従業員による脱退一時金とすることが可能である。残りの出資累計額は年金基金規制開発局の生命保険会社から終身年金を購入するために使用する必要がある。当行は、当該制度を選択した従業員に対し、2026年度に573百万ルピー(2025年度は423百万ルピー)を国民年金制度に出資した。
第6【経理の状況】
本書記載のアイシーアイシーアイ・バンク・リミテッド(以下「当行」という。) の2026年3月31日に終了した年度に係る英文連結財務書類原文は、米国証券取引委員会及びニューヨーク証券取引所に対して2026年7月20日に提出された様式20-Fに掲載された財務書類と同じものである。原文の財務書類は、インドにおいて一般に公正妥当と認められる会計基準 (以下「インドGAAP」という。) に準拠して作成されており、米国において一般に公正妥当と認められる会計基準 (以下「米国GAAP」という。) との相違、及び当該相違の影響について記述する注記を含むものとなっている。
2005年11月に提出された有価証券届出書記載の当行の財務書類は米国GAAPに基づき作成されたものであったが、当行は、2005年度よりインドGAAPに基づき作成された財務書類の様式20-Fへの記載が認められた。そのため、有価証券報告書においては、インドGAAPに基づき作成された連結財務書類(純利益及び株主持分についての米国GAAPとの調整を含む)が、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)第328条第1項の規定に基づき、記載される。
本書には、当該英文財務書類の和文訳が記載されている。
当行の財務書類は監査済であり、外国監査法人等であるケーピーエムジー・アシュアランス・アンド・コンサルティング・サービシズ・エルエルピーから、「金融商品取引法」第193条の2第1項第1号に規定されている監査証明に相当すると認められる証明を受けている。
当行の財務書類は、インド・ルピーで表示されている。和文訳で表示された主要な係数についての円換算額は、読者の便宜のために、2026年8月26日の株式会社三菱UFJ銀行公表の対顧客外国為替売相場である1インド・ルピー=1.83円で換算したものである。
円換算額及び「4 米国と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違」並びに「5 インドと日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違」の記載は、英文財務書類には含まれておらず、従って、上記監査報告書の対象にもなっていない。
1【財務書類】
連結貸借対照表
| 3月31日現在 | |||||||||
| 2026年 | 2025年 | ||||||||
| 附属 明細書 | (千インド・ ルピー) | (千円) | (千インド・ ルピー) | (千円) | |||||
| 資本及び負債 | |||||||||
| 資本金 | 1 | 14,322,344 | 26,209,890 | 14,245,974 | 26,070,132 | ||||
| 未行使従業員ストック・オプション/株式ユニット | 1A | 26,820,675 | 49,081,835 | 20,698,433 | 37,878,132 | ||||
| 準備金及び剰余金 | 2 | 3,589,461,138 | 6,568,713,883 | 3,104,114,654 | 5,680,529,817 | ||||
| 非支配株主持分 | 2A | 165,109,619 | 302,150,603 | 148,367,361 | 271,512,271 | ||||
| 預金 | 3 | 18,300,201,210 | 33,489,368,214 | 16,416,374,040 | 30,041,964,493 | ||||
| 借入金 | 4 | 2,202,642,771 | 4,030,836,271 | 2,188,834,453 | 4,005,567,049 | ||||
| 保険契約債務 | 2,964,990,702 | 5,425,932,985 | 2,943,055,571 | 5,385,791,695 | |||||
| その他の負債及び引当金 | 5 | 1,881,431,261 | 3,443,019,208 | 1,586,723,648 | 2,903,704,276 | ||||
| 資本及び負債合計 | 29,144,979,720 | 53,335,312,888 | 26,422,414,134 | 48,353,017,865 | |||||
| 資産 | |||||||||
| 現金及びインド準備銀行預け金 | 6 | 1,212,371,937 | 2,218,640,645 | 1,202,409,132 | 2,200,408,712 | ||||
| 銀行預け金及び短期コールマネー | 7 | 1,437,435,296 | 2,630,506,592 | 937,825,505 | 1,716,220,674 | ||||
| 投資 | 8 | 8,707,198,823 | 15,934,173,846 | 8,863,768,108 | 16,220,695,638 | ||||
| 貸付金 | 9 | 16,446,579,678 | 30,097,240,811 | 14,206,637,124 | 25,998,145,937 | ||||
| 固定資産 | 10 | 174,203,410 | 318,792,240 | 158,124,234 | 289,367,348 | ||||
| その他の資産 | 11 | 1,061,690,036 | 1,942,892,766 | 969,055,719 | 1,773,371,966 | ||||
| 連結上ののれん | 105,500,540 | 193,065,988 | 84,594,312 | 154,807,591 | |||||
| 資産合計 | 29,144,979,720 | 53,335,312,888 | 26,422,414,134 | 48,353,017,865 | |||||
| 偶発債務 | 12 | 63,867,022,339 | 116,876,650,880 | 78,850,007,864 | 144,295,514,391 | ||||
| 代金取り立て手形 | 1,594,079,092 | 2,917,164,738 | 1,313,614,604 | 2,403,914,725 | |||||
| 重要な会計方針及び財務諸表注記 | 17及び18 | ||||||||
上記に言及されている附属明細書は、連結貸借対照表の不可欠な一部を構成する。
2【主な資産・負債及び収支の内容】
本項に記載すべき事項は前掲の財務書類に記載されている。
3【その他】
(1) 訴訟及び規制手続
当行は、様々な訴訟に関与し、また、当行が業務を行っている各々の法域において様々な銀行業務及び金融サービスに係る法令の規制対象となっている。当行は、かかる各々の法域において、多数の規制当局及び執行当局に従っている。当行は、通常の業務過程において、数多くの法的手続及び法的関係に関与している。そのうちの何件かで、当行は、過去に罰金を科され、これらの金額を支払うことになった。
2025年4月1日から2026年3月31日までにインド準備銀行により科された罰金は以下のとおりである。
・インド準備銀行は、2025年4月29日付の命令により、インド準備銀行が発行した特定の指示「銀行におけるサイバーセキュリティーの枠組み」、「KYC」及び「クレジットカード及びデビットカード―発行及び運用」への違反があったとして、ICICIバンク・リミテッド(当行)に対して10百万ルピー(10百万ルピーのみ)の罰金を科した。この罰金は、1949年銀行規制法第47A条(1)(c)及び第46条(4)(i)の規定に基づきインド準備銀行に与えられた権限の行使により科されたものである。当行は、2025年5月9日に罰金を支払った。
・インド準備銀行は、2025年8月7日付の命令により、インド準備銀行が発行した特定の指示「不動産評価-評価人の登録」及び「銀行による当座預金口座開設-規律の必要性」への違反があったとして、ICICIバンク・リミテッド(当行)に対して8百万ルピー(8百万ルピーのみ)の罰金を科した。この罰金は、1949年銀行規制法第47A条(1)(c)及び第46条(4)(i)の規定に基づきインド準備銀行に与えられた権限の行使により科されたものである。当行は、2025年8月20日に罰金を支払った。
当行はまた、当該地域の規制当局により規定されるAML基準も遵守する。当行のAML体制は、内部監査部門による監査を受け、その所見は定期的に監査委員会に対して報告される。
当行及びその前マネージング・ディレクター兼最高経営責任者は、旧上場契約及び2015年SEBI(上場義務及び開示要件)規則の一部の規定違反の疑いに関する事項への回答を求める、情報提示に関する通知を2018年度に受領した。その後、2021年度にSEBIは当行に対し修正した情報提示に関する通知を発し、これに対する回答が提出された。2025年度中、SEBIは、当行に対し情報提示に関する通知を発し、適用される罰則規定に関する先の情報提示に関する通知を修正するとともに、当行の問題と前マネージング・ディレクター兼最高経営責任者の問題を切り離した。当行は、SEBIに回答を提出し、個別尋問に出席した。本件は、現在係争中である。
(a) 税金関連の偶発債務
過年度に、インド政府税務当局は、当行に対し所得税、利子税、サービス税、物品・サービス税及び売上税/付加価値税の支払いを課している。2026年度末現在において当行は、かかるすべての課税に対して不服申立てを行った又は不服申立ての準備中であった。法律顧問との協議、その他の類似案件の事前裁定において下された決定及びICICIグループの内部評価に従い、経営陣は、税務当局は、かかる税の課税を立証できない可能性が高いと考え、したがって2026年度末現在、かかる課税に応じなかった。かかる課税は税金関連の偶発債務として扱われた。2026年度末現在における当行の税金関連の偶発債務は、総額148.5十億ルピーと算定された。課税及び関連する会計処理の詳細については、本書に含まれる当行の「-第6-1-連結財務諸表の一部を構成する附属明細書18B-追加注記」に対する注記14も参照のこと。
(b) 訴訟
ICICIバンク及びその取締役に対する複数の訴訟が数箇所の裁判所で係属中である。ICICIバンクに対する訴訟は、主にサービス不足、地権争い、労働争議、不正行為、経済犯罪についての申立て及びその他通常の業務過程において提訴された事件に関与する民事訴訟に関して起こったものである。当行はまた、契約及び貸付の執行に関する反訴を提起されている。悪影響が発生する可能性があるとみなされ、かつ信頼できる見積もりを出せる場合に、引当金が設定される。訴訟は予測不可能であることを考慮し、また請求額が多額である場合には、訴訟の解決に係る実費は引当金額とは大幅に異なる場合がある。
2026年度末現在、当行は、請求額合計2.0十億ルピーとなる633件の訴訟に対し、合計1,079百万ルピーの引当金を有している。かかる訴訟は、悪影響が発生する可能性があるとみなされ、かつ信頼できる見積もりを出せるものであった。
悪影響が発生する合理的な可能性はあるが可能性が低い訴訟については、請求額が偶発債務に含まれている。2026年度末現在、そのような訴訟は98件あり、かかる請求額合計は3.1十億ルピーであった。訴訟の性質及びその他の外的要因により、これらの訴訟について生じ得る損失又は損失の範囲に対する見積もりを出すことはできない。悪影響が発生する可能性がほとんどないものとみなされる訴訟については、当行は引当金を設定しておらず、これらの訴訟の請求額をその偶発債務に含めていない。
ICICIバンクに対する訴訟につき、民事訴訟係争者が当行の取締役を共同被告とした場合がある。2026年度末現在、そのような訴訟は40件あった。経営陣は、法律顧問との協議に基づき、上記の訴訟における当行に対する提訴及び反訴は根拠のないものであり立証は不可能であり、かかる訴訟の最終的な判決は、当行の業績、財政状態又は流動性に重大な悪影響を及ぼすものではないと考えている。また、法務グループによるその他の訴訟の検討に基づき、経営陣は、かかるその他の訴訟の結果は当行の財務状態、業績又はキャッシュ・フローに重大な悪影響を及ぼすものではないと考えている。
2026年度末現在、「可能性が高い」「可能性がある」「可能性がほとんどない」とされる当行の負担すべき債務を含む161件の進行中の訴訟が提起されており、当該訴訟にはそれぞれ当行に対する10百万ルピー以上の請求が含まれ、その請求総額は779.8十億ルピーであった(数値化できる範囲においてであり、また当行とその他の当事者が連帯して請求を受けたものを含む。)。
当行は、いかなる将来の法執行当局によるイニシアティブ(当行は、これらが国際的な銀行においては次第に一般的になっていると考えている。)についても、その時期又は形式を予想することはできないが、いかなる規制当局の調査又は手続に対しても協力する予定である。
(2) 後発事象
該当事項なし。
4【米国と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違】
当行の2026年3月31日に終了した年度の財務書類には、インドにおいて一般に公正妥当と認められる会計基準と米国において一般に公正妥当と認められる会計基準の差異に関する注記が含まれており、米国GAAPに基づく純利益及び株主持分が開示されている。当行の米国GAAPにおける会計方針と、日本において一般に認められている会計原則との主要な相違は以下の通りである。
(1)予想信用損失引当金
米国GAAPでは、ASC Topic 326「金融商品—信用損失」に準拠して、過去及び現在に関する入手可能な情報を反映した全期間に係る予想信用損失の現時点における見積りをすべて考慮して、その金融債権に関する全期間の予想信用損失引当金が計算される。金融資産に類似した特性がある場合、事業体は、全期間の予想信用損失を集合的に(プールで)測定することが求められる。事業体がその金融資産に他の金融資産と類似したリスク特性がないと判断した場合、事業体は予想信用損失を個別に評価しなければならない。また、金融資産が個別に評価される場合、事業体はそれを集合的な評価に含めてはならない。すなわち、金融資産は集合的評価と個別評価の両方に含まれることはない。
日本においては、回収不能と判断された金額に対して一般貸倒引当金、または個別貸倒引当金が計上される。一般債権については、債権全体または、同種・同類の債権ごとに、債権の状況に応じて求めた過去の貸倒実績等合理的な基準により貸倒見積高を算定する。個別貸倒引当金は、個別に回収不能と認められた貸付金に適用され、各債務者の支払い能力調査に基づいて計上される。
(2) 連結原則
当行は、議決権の50%超を直接もしくは間接的に所有する事業体を連結している。ただし、当行が支配力を行使していない事業体を除く。当行は、ASC Subtopic 810-10「連結-全般」、「変動持分事業体の連結」に基づき、当行が主たる受益者であるとみなされる変動持分事業体(VIE)も連結している。米国GAAPでは、ある事業体が、(1)他社からの追加的な劣後財務支援がなければその事業体の活動資金を調達することができないような不十分な資本しか有していない場合、あるいは、(2)事業体の持分投資家が、その法的事業体の経済的パフォーマンスに最も重要な影響を与える活動を指示する権限がないか、予想損失を被る義務のない、又は予想残存利益を受け取ることがない場合は、VIEと呼ばれる。
日本の会計原則においては、連結の範囲を決定するために、変動持分事業体の概念は使用されていない。
(3) のれん
当行はのれんを償却する代わりに、少なくとも年次で減損テストを実施している。
日本の会計原則においては、企業結合により発生するのれんは20年以内の期間にわたって規則的に償却する。なお、のれんは減損テストの適用対象となる。
(4) 貸付金組成手数料および保険関連手数料・費用
米国GAAPでは、貸付金組成手数料(一定の費用控除後)は、貸付期間にわたり、貸付の利子率の修正として償却される。また、出再された再保険手数料および繰延新契約費は、当行の保険子会社により契約期間にわたって償却される。
日本の会計原則においては、貸付金組成手数料や保険関連手数料・費用の償却についての特段の会計基準は存在しない。
(5) ヘッジ会計
当行は、一部のデリバティブを公正価値ヘッジおよびキャッシュ・フロー・ヘッジに指定している。公正価値ヘッジでは、デリバティブの公正価値の変動は、ヘッジ対象項目の公正価値の変動とともに、損益として認識される。キャッシュ・フロー・ヘッジでは、デリバティブの公正価値の変動額は、キャッシュ・フロー・ヘッジ準備金として純資産に計上され、ヘッジの非有効部分については損益として認識される。
日本の会計原則においては、公正価値ヘッジについて、ヘッジ対象及びヘッジ手段の公正価値の変動によって生じた損益は、一般に損益として認識される。キャッシュ・フロー・ヘッジについては、ヘッジ手段の公正価値の変動によって生じた損益のうち有効部分は、税効果考慮後、直接、純資産の部に計上され、非有効部分は損益として認識される。なお、詳細な適用要件は米国会計基準とは異なる。
(6) 公正価値による測定
米国GAAPでは、ASC Topic 820「公正価値の測定及び開示」が、公正価値に関する単一の正式な定義を確立し、公正価値による測定に関するフレームワークを構築し、公正価値で認識された商品に関する追加的開示を規定している。
日本の会計基準においては、「金融商品会計に関する実務指針」に公正価値に関するガイダンスがあり、「金融資産の時価の算定に関する実務上の取扱い」、企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」、企業会計基準適用指針第31号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」が公表されている。
その結果、米国GAAPと日本基準で公正価値の概念は同様なものとなっているが、日本基準では、基準の適用範囲は金融商品及びトレーディング目的で保有する棚卸資産となっている。また、市場時価のない株式等については、従来の企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に基づき時価評価は行わず、取得原価をもって貸借対照表価額としている。
(7) 売却可能債券の減損引当金
米国GAAPでは、ASC Topic 326「金融商品-信用損失」により、事業体は償却原価基準の負債証券の公正価値の下落が、信用損失またはその他の要素であるかを識別することが要求される。信用損失に係る減損損失は損益に認識され、信用損失以外の要素はその他包括利益に認識される。ただし、引当金は償却原価が公正価値を下回る金額を上限とする。事業体が負債証券を売却する意思がある場合、又は、事業体がその償却原価基準を回収する前に当該負債証券の売却を求められる可能性が高い場合には、信用損失に係る引当金の戻入れが求められ、償却原価基準は、損益に報告される追加の減損と共に負債証券の報告日現在の公正価値まで切り下げることが要求される。
日本においては、減損は信用リスク部分と信用リスク以外の部分に区分しない。また信用リスク以外の部分を含む減損金額全額が損失として認識される。
(8) 持分証券の会計
米国GAAPでは、ASC Topic 321-10-35「持分証券-事後測定」により、持分証券は公正価値(fair value)で事後測定され未実現損益は純損益に含められる。ただし、持分証券のうち公正価値を容易に算定できないものは、a)公正価値で測定し、その変動を純損益に認識するb)取得原価から減損損失を控除し同一発行体の同一又は類似商品の通常の取引から生じる観察可能な価格の変動がある場合にはそれを加減した金額で測定しその変動を純損益に認識する、のいずれかを選択することができる。
日本においては、持分証券はその分類(売買目的証券、子会社及び関連会社株式、その他有価証券)に応じて測定される。売買目的証券は時価で計上され、評価差額は純損益に計上される。子会社及び関連会社株式への投資は取得原価で貸借対照表に計上される。その他有価証券は、時価で計上され、評価差額は純資産に計上されるが、評価差損を純損益に計上することもできる。子会社及び関連会社株式への投資並びにその他有価証券は減損処理の対象となる。
(9)年金
米国GAAPでは、ASC Topic 715「報奨-退職給付」に準拠して、正味年金費用は勤務費用、利息費用、制度資産からの収益、過去勤務債務の償却及びその他を表す。未認識損益の償却(年金数理上の損益、過去勤務債務)は、年度の期首において、年金数理上の正味損益が予測給付債務(以下「PBO」という。)又は制度資産の公正価値の10%を超過する場合に正味期間給付費用に含まれる(以下「コリドール・アプローチ」という。)。損益に計上された正味年金費用と実際に積み立てられた金額との差異は未払年金費用又は前払年金費用として計上される。
さらに、制度資産とPBOの差異は、貸借対照表に資産又は負債として認識される。また、当期の年金費用として計上されない未認識損益(税効果考慮後)は、その他包括利益累計額の構成要素として計上される。その他包括利益累計額に計上された制度資産とPBOの差異は、その後正味年金費用として償却され、その他包括利益累計額からリサイクルされる。
日本においても未認識過去勤務費用及び未認識の数理計算上の差異について、類似する会計処理が求められるが、コリドール・アプローチの採用は認められていない。
(10)年金以外の退職後給付
ASC Topic 715は、退職後給付に関する費用を発生時の費用ではなく従業員の予想勤務期間にわたり発生主義で認識することも要求している。さらに、当期の正味給付費用(税効果考慮後)に認識されていない未認識損益は、その他包括利益累計額の構成要素として計上される。
日本においては、退職後給付制度といった制度は一般に提供されていない。そのため、特別な会計基準は存在せず、そのような費用は実務として発生時に費用処理されている。
(11)法人税の申告が確定していない状況における会計処理
ASC Topic 740「法人税」は、税務申告済み、又は今後税務申告される税務上のポジションが確定していない状況における認識及び測定に言及している。基準によると、税務上のポジションの財務諸表に対する影響は、テクニカルメリットに基づき関連する税務当局による調査において税務上のポジションを維持できる可能性がそうでない可能性より高い場合に認識される。基準はまた、認識の中止、分類、利息及び罰金、中間期における会計処理、並びに申告が確定していない状況における税務上のポジションの開示についてのガイダンスを提供している。
日本においては、法人税の申告が確定していない状況についての会計基準は定められていない。
(12)リース(借手の処理)
米国GAAPでは、ASC Topic 842「リース」に準拠して、すべてのリースについて、リースの開始時点で使用権資産及びリース負債を認識することが要求され、単一のリース費用が認識される。このリース費用は、オペレーティング・リース費用をリース期間にわたって、通常は定額法で配分するように計算される。
日本においては、リース契約はファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類され、ファイナンス・リースについては、リース資産とリース債務が認識される。また、ファイナンス・リース取引については通常の売買と同様の会計処理を行い、オペレーティング・リース取引については通常の賃借と同様の会計処理を行う。
5【インドと日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違】
当行の財務書類は、インドにおいて一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されている。当行の会計方針と、日本において一般に認められている会計原則との主要な相違は以下の通りである。
(1) 連結原則
当行が、取締役会/統治会議体の議決権の50.00%超を直接もしくは子会社及びその他の連結事業体を通じて、間接的に保有するか、又は支配力を行使している事業体は、項目ごとに完全に連結される。当行が重要な影響力を行使することができる事業体への投資は、持分法で会計処理されており、持分損益については連結損益計算書に計上されている。当行は、重要な影響/支配が一時的なものであると予定される事業体、資金を親会社/投資会社へ移す能力を損なう厳格な長期的制限の下で運営されている事業体、又は支配の目的がその活動から経済的便益を得ることではない当該事業体は連結していない。
日本の会計原則においては、一定の要件を充たす場合、共同支配企業は、関連会社として持分法で会計処理される。また比例連結に関する概念はない。また、日本の会計原則においては資金を親会社に移す能力に欠ける事業体の連結に関する基準はない。
日本の会計原則においては、持分法で会計処理されていた関連会社である投資先企業の支配権取得時において、持分法関連会社への投資を取得日の公正価値で再測定することが要求され、再測定による損益は損益勘定に計上される。
(2) 子会社持分の売却
インドGAAPにおいて、子会社持分の売却による損益は損益計算書に認識される。
日本の会計原則においては、親会社による子会社の支配が継続している場合、一部売却による親会社持分の減少額と売却価額との間に生じた差額は資本剰余金に反映され、損益計算書に認識されない。
(3) 貸付金の売却処理
当行は、法人及び個人向け貸付金を証券化取引を通じて譲渡している。当行が基礎となる証券化債権契約で特定された便益に対する権利を放棄する場合のみ、譲渡された貸付金の認識は中止され、利益/損失が計上される。遡求及びサービシングの義務は引当金控除後の金額で計上される。
正常資産の証券化に関するインド準備銀行ガイドラインに従って、2006年2月1日より、証券化によって生じた利益/プレミアムは資産の売却先である特別目的事業体によって発行された、又は発行される予定の有価証券の期間にわたって償却される。2012年5月7日より、インド準備銀行ガイドラインにより、証券化による利益/プレミアムは、ガイドラインで規定された手法に基づき償却することが求められている。2021年9月24日に発行されたインド準備銀行ガイドラインに従って、貸付金の証券化時の実現利益は、取引終了時に損益勘定を通して会計処理される。
当行は、証券化によって生じた損失については売却時に直ちに計上している。
予想される将来のマージン利益に関する未実現利益は、現金受領時に損失に充当した後で損益勘定に認識される。
遡求義務のある直接譲渡を通じた貸出債権の売却によって生じた純利益は、売却された原資産の期間にわたり償却され、遡求義務のない直接譲渡を通じた貸出債権の売却によって生じた純利益は、売却時に認識される。貸出債権の直接譲渡によって生じた純損失は、売却時に認識される。2021年9月24日に発行されたインド準備銀行ガイドラインに従って、直接譲渡を通じた貸出債権の売却による損失又は実現利益は、取引終了時に損益勘定を通して会計処理される。
取得した貸付金は、取得原価で計上されている。取得した貸付金に対してプレミアムが支払われた場合、プレミアムは貸付金の期間にわたり償却される。
インド準備銀行ガイドラインに準拠して資産再構築会社に不良貸付金を売却した場合、当行は金額を受領した年度に超過引当を損益勘定に戻し入れる。こうした資産の売却について純帳簿価額に対する売却価格の不足分がある場合、当行は貸付金を売却した年度に不足額を認識する。
日本の会計原則においては、貸付金の譲渡は、財務構成要素アプローチに基づく金融資産の消滅の要件を満たす場合、売却として認識され、当該譲渡に伴って生じる譲渡損益を損益計算書に認識する。
(4) 株式に基づく報酬
当行は、2021年3月31日までに付与したストック・オプションの費用を、本源的価値法を用いて認識していた。本源的価値法において、オプション費用は、対象となる株式の付与日における公正市場価格が行使価格を超過する部分として測定される。公正市場価格とは、対象株式の取引高が最も大きかった証券取引所におけるオプション付与日の前日の終値である。
ストック・オプション/ユニットの費用は、権利確定期間にわたり損益勘定に認識される。
日本の会計原則においては、本源的価値法は用いられず、報酬費用は、付与日の公正価値に基づいて会計処理が行われる。
(5) 退職給付
インドGAAPにおいて、確定給付制度の会計処理は保険数理上の評価に基づいて会計処理され、数理計算上の差異は、直接損益に認識される。
日本の会計原則においては、確定給付型年金の会計処理は数理計算に基づき、数理計算上の差異は、平均残存勤務期間内の一定の年数で費用処理する。
(6) 投資の当初認識、分類、評価
当行はすべての投資を、当初認識時に、公正価値(主に取得原価)で認識している。満期保有目的の債券は、取得原価で計上している。売却可能及び純損益を通じて公正価値で測定する投資は、インド準備銀行ガイドラインに従って、定期的に公正価値評価される。
売却可能有価証券(Available for Sale: AFS)に分類される正常先投資については、税効果を調整後の未実現評価損益を「AFS準備金(AFS reserves)」として認識している。純損益を通じて公正価値で測定する投資損益勘定投資(売買目的有価証券を含む)の未実現損益は、すべてのカテゴリーにわたって集計され、純評価額の増減は、損益で認識される。子会社、関連会社およびジョイント・ベンチャーに対するすべての投資(負債および資本を含む)は、取得原価で保有されている。
不良投資に対する償却/引当は、インド準備銀行の最低引当要件に従って、内部引当基準に従って行われる。
日本の会計原則においては、売買目的有価証券の未実現損益は損益として認識される。売却可能有価証券について未実現利益は原則として純資産の部に計上されるが、未実現損失は損益勘定に計上することが認められている。満期保有証券は償却原価基準で計上される。また、日本においてはベンチャー・キャピタル投資に係る特段の会計基準は存在せず、当該投資の会計は、有価証券投資に係る一般的な会計基準に従う。
(7) 有価証券の取得費用
投資に関して取得時に支払われた仲介料及び手数料並びに負債証券に係る経過期間の利息(前回の利払日から、金融商品の購入日までの利息額)は、損益計算書に費用計上される。
日本の会計原則においては、取得時に支払われた仲介料及び手数料は取得価額に含める。
(8) 貸倒引当金
当行は、海外支店での貸付金及び確定したデリバティブ契約から生じる延滞を含む貸付金をインド準備銀行ガイドラインに従って、正常資産と不良資産とに分類している。海外支店で保有する貸付金のうち、貸付実施国の規制に基づき減損として特定されるものの、既存のインド準備銀行ガイドラインでは正常とみなされる貸付金は、各貸付実施国における未回収金額内で、不良資産として分類される。さらに、不良資産はインド準備銀行が規定した基準に基づいて、要管理、貸倒懸念及び破綻資産に分類されている。不良貸付金に係る利息は、利息非計上勘定に振替られて、受領されるまで損益勘定に認識されない。
当行は、債務者の財政困難による経済的又は法的理由から当行が債務者に対して通常では適用しないような譲歩を行った場合、その債権を条件変更債権とみなす。インド準備銀行ガイドラインに基づき債務者に認められた支払猶予は、貸出金の条件緩和としてみなされない。インド準備銀行の特定のガイドラインでは、資産分類を「標準」として維持することを求めている。これらのガイダンスに基づき破綻処理計画が実施された場合、正常条件変更債権として分類される。
不良債権及び条件変更債権については、RBIの現行規制又は該当する所在国の規制に基づく要件を満たした場合、正常債権に再分類される。
法人向け貸付金の場合、要管理及び貸倒懸念資産に関してインド準備銀行の最低引当要件に従って、内部引当基準により引当金が計上されている。破綻資産及び貸倒懸念資産の無担保部分は、全額引当てられている。海外支店で保有される減損貸付金で、インド準備銀行ガイドラインでは正常とされる減損貸付金に関しては、貸付実施国の規制に従って引当金が計上される。海外支店で保有される貸付金で、インド準備銀行ガイドライン及び貸付実施国の規制の両方で不良資産とされる貸付金に関しては、内部引当基準によって要求される引当金と貸付実施国の規制が要求する引当金のうち高い方が計上される。インド準備銀行が規定している最低引当要件に従って、リテール不良貸付金に対する引当金は、貸付金の延滞日数に基づき計上される。当行が保有する不良貸付金に対する個別引当金は、規制の最低要件を上回っている。
インド準備銀行に不正として報告された非リテール貸付金は、全額について不正が発覚した四半期から開始する4四半期を超えない期間にわたり引き当て計上される。損失勘定に分類される非リテール貸付金に関しては、全額が直ちに引き当て計上される。リテール口座の不正の場合には、全額が直ちに引き当て計上される。非協力的な借り手に分類される借り手又は故意の債務不履行については、当行は現存のインド準備銀行ガイドラインに従い加速的な引当てを行う。
インド準備銀行の指示に従い、当行は不良貸付金に対する個別引当金及び特定の正常貸付金に対する個別引当金を有している。
当行は、インド準備銀行ガイドラインに従った最低要件の対象となる貸出条件緩和貸付金について引当金を計上する。貸出条件緩和/返済繰延貸付金の公正価値の下落による引当金は、インド準備銀行ガイドラインに従って計上している。
インド準備銀行ガイドラインでは、不良資産を当行の方針に従って償却する。償却された不良債権からの回収額は、損益勘定に認識される。
インド準備銀行ガイドラインに従って、当行は、ヘッジされていない外貨エクスポージャーのある借り手への貸付金に対する引当金、特定のストレス部門における特定の借り手への貸付金に対する引当金、インド企業の孫会社へのエクスポージャーに対する引当金及びインド準備銀行の大規模エクスポージャーの枠組みにより識別された借り手に対する追加エクスポージャー引当金を含む、正常貸付金に対する一般引当金を維持している。海外支店の正常貸付金については、貸付実施国の規制とインド準備銀行の要件に従って必要とされる引当金合計の高い方で一般引当金が計上される。
資産分類に従って保有する必要のある引当金に加え、間接的なカントリーリスクを含む国別のエクスポージャー(本国のエクスポージャー以外)に関する引当金を保有している。各国のリスクは、軽微、低い、やや低い、中程度、やや高い、高い、非常に高い、の7つのリスクに区分されており、180日を超えるエクスポージャーに対して、0.25%から25%の範囲で段階的に引当金が計上されている。契約上の満期が180日未満のエクスポージャーに関しては、180日を超えるエクスポージャーに25%の比率を適用して引当金を計上することが要求される。間接的なエクスポージャーはエクスポージャーの50%で認識される。当行の国別エクスポージャー(正味)が資金調達済資産合計の1%を超えない国に対して引当金は要求されない。
当行は、債務不履行日からインド準備銀行が規定したタイムライン内で実行可能な破綻処理計画が実施されていない場合、インド準備銀行ガイドラインに従い追加の引当金を計上している。当該追加引当金は、インド準備銀行ガイドラインの戻入れ条件を満たす場合に戻し入れられる。
当行は、COVID-19のパンデミック及び特定の地政学的な拡大を受け、特定のローン・ポートフォリオに対して、健全なベースで偶発債務引当金を計上している。当行はまた、特定の正常資産に対して追加の偶発債務引当金を計上している。
当行は、当行が設定する個別及び一般引当金に追加する変動引当金の計上に関して、取締役会が承認した方針を有している。変動引当金は、通常の営業過程において発生せず、例外的かつ非経常的な性質を有する偶発事象が生じた場合、または現行のインド準備銀行ガイドラインもしくはその他の規制上のガイダンス/指示に基づき減損貸付金に対する個別引当金を計上する場合に、取締役会及びインド準備銀行の承認を得た場合に限り利用できる。
日本の会計原則においては、銀行の貸倒引当金は、自己査定に基づき、各資産査定区分の過去の実績率と各資産区分残高に基づいて算定される。また、将来キャッシュフローを当初の実効利子率により割り引いた金額と債権額の差に基づいて算定することも認められている。銀行の貸倒引当金の計算について当局が特定の引当率を指示することはない。
(9) ヘッジ会計およびトレーディングを目的としない先物為替予約
インドGAAPにおいて、オンバランスシート資産負債をヘッジするために締結したスワップ契約は、基礎となるオンバランスシート項目と反対の効果を及ぼして相殺するように仕組まれている。そうしたデリバティブ商品の影響は、原資産及び負債の変動と相関関係にあり、ヘッジ会計の原則に準拠して会計処理されている。当行は、ヘッジ対象項目(資産又は負債)を取引開始時に特定する。ヘッジの有効性は、ヘッジの開始時に、またその後定期的に確認される。2019年6月26日付のインド準備銀行回覧に基づき、2019年6月26日以降に確立されたヘッジ関係は、インド勅許会計士協会が公表したデリバティブ契約の会計処理に関するガイダンスに準拠する。その日以前に確立されたヘッジ関係におけるスワップは発生主義で会計処理され、基礎となる取引が時価評価されない限り時価評価されない。ヘッジの非有効性によって生じた損益は、損益計算書に認識される。
インドGAAPにおいて、トレーディングを目的とせず取引の決済日に受渡がされる、報告通貨の額を確定するために締結される先物為替予約は、期末直物レートで評価される。当該先物為替予約の開始時に発生するプレミアムまたはディスカウントは、受取利息/支払利息として契約期間にわたって償却される。
日本の会計原則においては、すべてのデリバティブは時価評価され、ヘッジ会計の要件を満たす範囲で、未実現損益が繰り延べられる。
(10) 繰延税金
インドGAAPにおいて、有税償却又は繰越欠損金にかかる繰延税金資産は、それら資産の実現が実質的に確実である場合にのみ認識される。
インドGAAPにおいて、子会社及び関連会社の未分配利益に対する繰延税金は認識されない。
日本の会計原則においては、繰延税金の認識は一時差異全体の解消についてのスケジューリングに基づく。子会社の未分配利益のうち配当等により税金の支払が見込まれる部分について、繰延税金負債が計上される。
(11) 有形固定資産
抵当権実行を目的として取得した非銀行資産は、取得時に早期処分による市場価格と貸付金評価額のいずれか低い方の金額で評価される。さらに、当行は、インド準備銀行のガイドライン又はインド準備銀行が指定された指示に従い、当該資産に係る引当金を設定している。
日本の会計原則では、抵当権実行により取得した有形固定資産の会計基準については定められていない。
第7【外国為替相場の推移】
1【最近5年間の事業年度別為替相場の推移】
財務書類の表示に用いられた通貨であるインド・ルピーと本邦通貨との間の為替相場が、国内において時事に関する事項を掲載する2紙以上の日刊新聞紙に最近5年間の期間において掲載されているため、記載を省略する。
2【最近6月間の月別最高・最低為替相場】
上記の理由により記載を省略する。
3【最近日の為替相場】
上記の理由により記載を省略する。
第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
以下は、日本における募集によるADSに関する株式事務、権利行使の方法及び関連事項の概要である。なお、ADS保有者は、そのADSとの交換により当行の普通株式(以下本第8で「本株式」という。)を受領する権利を有する。
ADS****に関する株式事務、権利行使の方法及び関連事項
(1) ADS保有者に対する株式事務
本株式を表章するADSの取得者(ADS保有者)は、その取得窓口となった証券会社(窓口証券会社)との間の外国証券取引口座約款(取引口座約款)によりADS保有者の名で外国証券取引口座(取引口座)を開設する必要がある。売買の執行、売買代金の決済、証券の保管及びその他本株式を表章するADSの取引に関する事項はすべてこの取引口座により処理される。
以下は、取引口座約款及びその他の関連規則に即した、本株式を表章するADSに関する事務の手続の概要である。
(a) 証券の登録・保管
本株式を表章するADSの購入価格が支払われた場合、預託機関は米国におけるザ・ディポジトリー・トラスト・カンパニー(DTC)の名義人の名前が記名された1枚のADR大券により証される、専らブックエントリー(振替決済)方式によるADSを当初発行する。DTCは、窓口証券会社又はその関係会社を含むDTCの参加者のコンピュータ化された記録簿を保管する。ADR大券の実質持分は、DTC及びその参加者により維持される記録簿上に表示され、またADR大券の持分の譲渡はこれを通じてのみ行われる。預託機関又はその名義人は、ADSに表章される本株式の登録株主となり、当該本株式はインドにおける預託機関の保管機関に保管される。
ADS保有者に対しては、窓口証券会社の法定帳簿上の所有者として記載がなされ、窓口証券会社から取引残高書が交付される。
(b) ADSの譲渡に関する手続
ADS保有者は、窓口証券会社に対して当該ADSの保管替え又は売却注文をなすことができる。ADS保有者と窓口証券会社との間の決済は円貨又は窓口証券会社が応じ得る範囲内でADS保有者が指定する外貨による。
(c) ADS保有者に対する諸通知
当行がADS保有者に対して行う通知及び通信は、原株式の登録保有者たる預託機関又はその名義人に対してなされ、預託機関は原則としてこれをADRの登録保有者たるDTC又はその名義人に対してなす。DTCにはこれをDTCの参加者(窓口証券会社又はその関係会社を含むことがある。)に送付する義務があり、窓口証券会社はこれをさらに必要に応じて各ADS保有者に送付する。実費はADS保有者に請求される。ただし、ADS保有者がその送付を希望しない場合又は当該通知若しくは通信の性格上重要性が乏しい場合には、これを個別に送付することなく窓口証券会社の店頭に備え付け、ADS保有者の閲覧に供される。
(d) ADS保有者の議決権の行使に関する手続
原株式の法的所有権は預託機関に属することとなるため、ADS保有者は、株主としての権利を行使するためには、預託機関に依存しなくてはならない。預託機関の義務は、ドイチェ・バンク・トラスト・カンパニー・アメリカズ、ADS保有者及びICICIバンクの間の預託契約に定められている。預託契約及びADSは、ニューヨーク州法に準拠している。
当行のADS保有者が預託機関を通じて議決権を行使できるようにするため、当行は、2026年1月2日付で、様式F-6の修正及び本預託契約の修正(修正預託契約(その後の修正を含む。))を提出した。従来とは異なり、預託機関は、当行の取締役会の指示に従って議決権を行使することはない。ADS保有者は、議決権の行使について、預託機関を通じて指示を行うことができ、預託機関は、ADS保有者による議決権の行使についての指示に基づいて議決権を行使する。ADS保有者が預託機関に対して議決権の行使についての指示を行わない場合、預託機関は当該株式について議決権を行使することはない。ADSに関する議決権の行使は、随時改正又は置き換えられるインド共和国の適用法に規定される法的及び規制上の制限に従う。
「-第1-1-(2)-ADSにより表章される預託普通株式の議決権」も参照のこと。
(e) 現金配当の交付手続
取引口座約款に従い、窓口証券会社がDTC又はその名義人から配当金を一括受領し、取引口座を通じて窓口証券会社が作成したADS保有者明細表(「-(2)-(a) 名義書換代理人並びに名義書換取扱場所及びADS保有者明細表の作成」で定義する。)に記載されたADS保有者に対して現金配当が交付される。
(f) 株式配当等の交付手続
発行される新普通株式を表章するADSを証する追加の預託証券が預託機関によりDTC又はその名義人に対して発行される場合は、原則として窓口証券会社がADS保有者明細表に記載されたADS保有者についてその法定帳簿上に保有者としての記載を行い、当該ADS保有者に対して取引残高報告書を交付する。かかる新普通株式のうちADS保有者のために預託機関により売却された部分については、DTC又はその名義人が受領するその正味手取金は、窓口証券会社がDTC又はその名義人から―括受領し、取引口座を通じてADS保有者に支払われる。
(g) 新株予約権
預託機関がかかる新株予約権をADS保有者のために売却する場合はDTC又はその名義人が受領するその正味手取金は、取引口座を通じてADS保有者に支払われる。
(2) ADS保有者に対するその他の株式事務
(a) 名義書換代理人並びに名義書換取扱場所及びADS保有者明細表の作成
本邦にはADSに表章される本株式に関する当行の名義書換代理人又は名義書換取扱場所はない。各窓口証券会社は自社に取引口座を持つADS保有者すべての明細表(ADS保有者明細表)を作成する。ADS保有者明細表には各ADS保有者の氏名及びADS数が記載される。
(b) ADS保有者明細表の基準日
当行が配当の支払い又は新株予約権の付与のため基準日を定めた場合、預託機関は、かかる配当又は新株予約権を受領する資格を有するADS保有者を決定するための基準日を設定する。
ADS保有者明細表を作成するための基準日は、預託機関が設定する基準日と同一の暦日となる。
(c) 事業年度の終了
当行の事業年度は毎年3月31日に終了する。
(d) 公告
日本における募集によるADSに関して、日本における募集に関する発行価格等の公告(もしあれば)を除き、日本において公告は行わない。
(e) ADS保有者に対するADS事務に関する手数料
ADS保有者は、窓口証券会社に取引口座を開設するときに1年間又は3年間分の口座管理料を支払う。この管理料には米国保管機関の費用その他の費用が含まれる。
(f) ADSの譲渡制限
ADSの実質所有権の移転について制限はない。
(g) 配当等に関する本邦における課税上の取扱い
本邦における課税上の取扱いについては、下記のとおりである。
***(***ⅰ) 配当
日本においてADS保有者に対して支払われる配当金は日本の税法上の配当所得となる。ADS及び原株式が「上場株式等」(租税特別措置法(昭和32年法律第26号、その後の改正を含む。)に定義される。)である限り、ADSについて日本の居住者たる個人又は日本の法人が日本における支払いの取扱者を通じて交付を受ける配当金については、外国において当該配当の支払いの際に徴収された源泉徴収税がある場合にはこの額を外国における当該配当の支払額から控除した後の金額に対して、個人の場合は、2047年12月31日までは20.315%(所得税15.315%、住民税5%)、2048年1月1日以降は20.15%(所得税15.15%、住民税5%)、法人の場合は、2047年12月31日までは15.315%(所得税)、2048年1月1日以降は15.15%(所得税)の税率によりそれぞれ源泉徴収(住民税については特別徴収)により課税される。2013年1月1日から2026年12月31日までの期間については、「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」に従い、所得税額の2.1%が「復興特別所得税」として追加で課税される。2027年1月1日から2047年12月31日までの期間については、所得税額の1.1%が復興特別所得税として追加で課税され、さらに、「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法」に従い、所得税額の1%が「防衛特別所得税」として追加で課税される。2048年1月1日以降は、所得税額の1%が防衛特別所得税として追加で課税される(本項に記載されている税率はいずれも復興特別所得税及び防衛特別所得税加算後の税率である。)。原則として、日本の居住者たる個人であるADS保有者の場合には、ADS及び原株式が「上場株式等」である限り、当該配当については日本では確定申告をしないことを選択することができるので、その場合には上記の源泉徴収及び特別徴収のみで当該配当に係る日本における課税関係は終了する。ただし、確定申告をしないことを選択する場合には、外国税額控除の目的上、当該配当の支払いの際に徴収された外国の源泉徴収税額は存在しないものとみなされる。2009年1月1日以降に支払われる配当については、日本の居住者たる個人は、申告分離課税による確定申告を選択することができる。申告分離課税による確定申告の際の税率は、2047年12月31日までに支払われる配当については20.315%(所得税15.315%、住民税5%)、2048年1月1日以降に支払われる配当については20.15%(所得税15.15%、住民税5%)である。日本の居住者たる個人であるADS保有者が配当について申告分離課税を選択した場合は、課税上、ADSその他の上場株式等の譲渡から生じた損失を、かかる配当の金額から控除することができる。日本の法人であるADS保有者の場合には、ADSについて支払いを受けた配当は法人税法上益金として課税されるが、上記に述べた日本における支払いの取扱者から交付を受ける際に源泉徴収された税額については適用ある法令に従って所得税額の控除を受けることができる。
***(***ⅱ) 売買損益
日本におけるADSの売買による損益は、内国会社の上場株式等の売買損益と同様の取扱いを受ける。上場株式等の株式売買損については、ADSの配当所得並びにその他の上場株式等の配当所得及び利子所得の金額(申告分離課税を選択したものに限られる。)から控除することができる。日本の法人であるADS保有者については、株式の売買損益は、課税所得の計算上算入される。
***(***ⅲ) 相続税
ADSを相続し又は遺贈を受けた日本のADS保有者には、日本の相続税法に基づき相続税が課せられるが、外国税額控除が認められる場合がある。
インドにおける課税上の取扱いについては、「-第1-3 課税上の取扱い」を参照のこと。
第9【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
該当事項なし。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から本書提出日までの間において当行が提出した書類及びその提出年月日は下記のとおりである。
| 1 有価証券報告書及びその添付書類 | 令和7年9月29日提出 |
|---|---|
| 2 半期報告書及びその添付書類 | 令和7年12月23日提出 |
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第1【保証会社情報】
該当事項なし。
第2【保証会社以外の会社の情報】
該当事項なし。
第3【指数等の情報】
該当事項なし。
アイシーアイシーアイ・バンク・リミテッド
取締役会御中
私どもは、アイシーアイシーアイ・バンク・リミテッド及び子会社の2026年及び2025年3月31日現在の連結貸借対照表並びに2026年3月31日に終了した3年間の各年度の連結損益計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書に係る私どもの2026年7月20日付けの監査報告書を、日本国財務省関東財務局に提出される当有価証券報告書に含めることに同意します。
ケーピーエムジー・アシュアランス・アンド・コンサルティング・サービシズ・エルエルピー(署名)
ムンバイ、インド
2026年9月18日