【表紙】
| 【提出書類】 | 有価証券報告書 |
| 【根拠条文】 | 金融商品取引法第24条第1項 |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 2026年6月30日 |
| 【事業年度】 | 自 2025年1月1日 至 2025年12月31日 |
| 【会社名】 | モンクレール・エスピーエー |
| (Moncler S.p.A.) | |
| 【代表者の役職氏名】 | 業務執行取締役会会長 レモ・ルッフィーニ (Remo Ruffini, Executive Chairman of the Board of Directors) |
| 【本店の所在の場所】 | イタリア、ミラノ20144、エリンコ・ステンダール通り47 (via Enrico Stendhal, 47 20144 Milan, Italy) |
| 【代理人の氏名又は名称】 | 弁護士 後 藤 一 光 |
| 【代理人の住所又は所在地】 | 東京都千代田区大手町1丁目3番1号 JAビル21階 ウィザーズ弁護士法人 |
| 【電話番号】 | (03)6810-2560 |
| 【事務連絡者氏名】 | 弁護士 石 山 直 樹 |
| 【連絡場所】 | 東京都千代田区大手町1丁目3番1号 JAビル21階 ウィザーズ弁護士法人 |
| 【電話番号】 | (03)6810-2560 |
| 【縦覧に供する場所】 | 該当事項なし |
| (注) 1. | 本書において、別段の記載がある場合を除き、「当社」とは、モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)を意味し、「当グループ」とは、当社およびその連結子会社を意味するものとする。 |
|---|---|
| 2. | 当社の事業年度は各年の12月31日に終了する。 |
| 3. | 本書記載の「円」は日本国の法定通貨を、「ユーロ」は欧州共同体設立条約(その後の改正を含む。)に基づき欧州経済通貨同盟に参加している欧州連合加盟国の統一通貨を指すものとする。本書において便宜上記載されている日本円への換算は、1ユーロ=185.66円の換算率(2026年6月1日現在の株式会社三菱UFJ銀行による対顧客直物電信売買相場の仲値)による。 |
| 4. | 本書記載の各種金額およびパーセントは四捨五入されているため、合計は係数の総和と一致しない場合がある。 |
| 5. | 将来予測に関する記述について本書は、将来予測に関する記述を含んでいる。本書に含まれる歴史的な事実の記述を除く全ての記述が、将来予測に関する記述であり、これには、当グループの将来の財務状態及び経営成績、経営戦略、予算、当グループが営業する市場、予想原価(projected costs)並びに将来の事業に向けた経営計画及び目標等が含まれる。さらに、将来予測に関する記述は、将来予測に関する用語の使用により特定され得る。これらの用語には、「可能性がある」、「であろう」、「予測する」、「意図する」、「見積もる」、「考える」若しくは「継続する」又はその否定形や組合せのほか、類似する用語が含まれる。当グループは、これらの将来予測に関する記述において述べられている予想は合理的であると信じているが、かかる将来予測に関する記述は現時点における経営陣の判断に基づくものであり、同記述に関していかなる保証も提供するものではない。予想成績を達成する当グループの能力は、コントロールが及ばない多くの要因に左右される。実績は、将来の予測に関する記述において予想又は含意された成績と重大な相違が生じ、又は当該予測を下回る可能性がある。将来予測に関する情報は、予想成績に重大な影響を与え得るリスクと不確実性を伴っており、一定の重要な前提に基づくものである。実績に重大なマイナスの相違をもたらし得る要因には、次のものが含まれる。 ・当グループが、新しい、かつ、変化する消費者の趣向をつかみ、それに対応するとともに、好ましいブランド認知を維持する能力 ・当グループが戦略的計画を遂行することができるか否か ・既存店舗の賃貸借契約を更新し又は代替させる当グループの能力 ・小売チャネル網を首尾よく拡大し当該拡大の費用を巧みに賄う当グループの能力 ・卸売流通パートナーとの関係を維持する当グループの能力及び当該パートナーが質の高い基準を維持できないかもしれないリスク ・第三者の製造業者に対する当グループの依存、及び当該第三者の製造業者が迅速に商品を出荷せず、当グループの基準に従って商品を製造せず、又は適用法令に従って業務を遂行しない可能性 ・当グループの事業に必要な半製品又は原料の価格若しくは品質の変動若しくは利用可能性の途絶 ・当グループの事業の季節間格差に関するリスク ・重要な社員及び経営者に対する当グループの依存 ・当グループが為替関連リスクにさらされていること ・物流センター及び当グループの事業に重要なその他の一定の施設に対する当グループの依存 ・当グループの関係者との商業上の関係及びコンサルティング関係 ・当グループの多額の負債及び無形資産に関連するリスク ・総体的な経済又は市場の状況におけるマイナスの変化 ・競争相手と有効に競争する当グループの能力 ・特に商標権侵害及び商品の偽造に関し、知的財産を保護する当グループの能力 ・様々な国際経済的リスクや、規制上及び政治上のリスクにさらされながら、世界中の多くの国で首尾よく営業する当グループの能力 |
| 「第二部 企業情報 第3-4 事業等のリスク」に詳述された前述の要因その他は、網羅的なものと解釈してはならない。当グループの将来の業績および当グループが営業する産業に影響を与える可能性がある要因を、より完全な形で理解するため、「第二部 企業情報 第2-3 事業の内容」、「第二部 企業情報 第3-4 事業等のリスク」および「第二部 企業情報 第3-7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をあわせて参照されたい。将来の予測に関する記述に対し過度に依存してはならない。同記述は、本書提出日現在における判断にすぎない。この注意喚起文言は、当グループが将来発行する可能性のある、いかなる書面又は口頭による将来予測に関する記述との関係でも考慮されるべきである。当グループは、本書提出日後、後発事象若しくは状況を反映するため又は予期しない事象の発生を反映するために、将来予測に関する記述の改訂を公表するいかなる義務も負うものではない。 |
第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
以下は、当社株式及び当社の定款(statuto)の一部の規定に関する一定の情報並びに本書提出日現在において有効なイタリア法の概要である。
株主総会
株主総会及び少数株主権に関するイタリアの法令は、株主の権利に関するEU指令2017/828(EU Directive 2017/828)を実施する2019年政令第49号(Legislative Decree No. 49/2019)によって改正された。当該法令は、その後、法律第21/2024号(いわゆる「Legge Capitali」)及びその実施措置である2026年3月27日付け政令第47号(統一財務法(Unified Financial Act)並びにイタリア民法(Italian Civil Code)の会社法に関する規定の抜本的な改革を制定するもの)によって、近時再編された。これらの新たな規則は、イタリア資本市場の競争力を支えることを目的とする一方で、コーポレート・ガバナンス及び少数株主の保護に重大な影響を及ぼす高度に構造化された枠組みを導入している。
当社の株主総会は、定款第8条に従って、イタリア国内又は当社が直接若しくは子会社を通じてその企業活動を行う国において開催することができる。統一財務法(Unified Financial Act)第83の6条第2項により、株主総会の開催日の7取引日前の日(いわゆる基準日)の営業終了時点における最終の記録に基づき、当社が仲介機関からその者のための通知を受領した者は全て、株主総会に出席する権利を有する。かかる権利者は、基準日後にその株式を譲渡した場合においても、株主総会に出席し、また、議決権を行使することができる。反対に、基準日後に株式を取得した買主は、株主総会に出席する権利を有しない。但し、当該買主は、該当する場合には、株主総会決議の効力を争い、又は株式買取請求権を行使することができる。
株主は、本人が又は統一財務法(Unified Financial Act)の代理規定に従い代理人によって、株主総会に出席することができる。代理権は、統一財務法(Unified Financial Act)第135の9条及び第135条の10条に従い、個人又は法人に対して、書面により又は電子的に授与することができる。
当社定款第10条は、適用されるイタリア法の規定に準拠して授権される代理人を通じ、株主が包括的に代理されることを認めている。当該代理人の選任は、当社に対して通知されなければならず、これは電子的方法により行うことができる。電子的方法による代理人通知は、株主総会の招集通知について定めた手順に準拠して、送信される。統一財務法(Unified Financial Act、TUF)第125条の2の1(2026年3月27日付け政令第47号により導入されたもの)によると、定款が株主総会を開催する排他的な方法を定めていない場合には、取締役会は、効率性及び透明性の基準を考慮した上で、株主総会の開催方法について決議するものとされている。同条によると、取締役会は、独立取締役の過半数の賛成(又は監査役会の承認)により、株主総会への出席及び議決権の行使を、統一財務法第135条の11に基づき会社が指定する代表者(その者に対しては、第135条の11第4項の例外として、第135条の9に基づき委任状又は再委任状を付与することができる。)を通じてのみ行うものとする旨を決議することができる。
また、統一財務法(Unified Financial Act)によると、1名以上のプロモーターは、目論見書及び委任状用紙が公表されることを条件として(委任状勧誘に関する規則は、議決権行使の手続きに影響を与える記載がされていないことを条件として、200名以下の株主に対して行われる勧誘については適用されない。)、200名を超える株主に対して委任状勧誘を行うことができる。委任状勧誘に関する一般規則(目論見書を公表する義務を含む。)は、統一財務法(Unified Financial Act)第141条が定める要件を充足する株主協会の会議による勧誘には適用されない。
イタリア法によると、株主総会は、定時株主総会又は臨時株主総会のいずれかであるとされている。株主総会は、必要な場合又は適切と認められる場合において、当社の取締役会により招集される。当社の株主総会は、(i)当社資本金の5%以上を有する保有者による請求後遅滞なく、(ii)当社の年次財務諸表を承認するため当社の取締役会によって、(iii)取締役会若しくは監査役会がそれぞれ当社株主に対する忠実義務に違反し若しくはイタリア法の規定に準拠して株主総会を招集しなかった場合に、監査役会若しくは管轄権を有する裁判所によって、又は、(iv)取締役会が株主総会の招集を不当に遅滞した場合若しくはこれを怠った場合に監査役会によって、招集されなければならない。また、株主総会は、監査役会の構成員2名以上により、招集することもできる。裁判所は、当該株主総会を請求した株主による申立後、取締役会及び監査役会との協議の上、決定により当該株主総会の招集を命じることができ、また、株主総会の議長を務める者を選任することとされている。
株主は、当社のウェブサイト上での通知の公表により、また、イタリア証券取引委員会(CONSOB)の要件に従い当該株主総会の指定日の30日前までに、開催される全ての株主総会について通知を受ける。損失による資本金の額の減少又は法定最低要件を下回る資本金の額の減少に関連する株主総会及び事業の任意解散に関する株主総会については、通知期間は21日に短縮される。公開買付けの決定のために招集される株主総会については、通知期間は15日に短縮される。取締役会又は監査役会の選任のために招集される株主総会の通知期間は、40日に延長される。定時株主総会及び臨時株主総会は、定款に第二次又は第三次招集についての定めがない限り、一度の招集によって開催される。定款に定めがある場合には、最初の通知には、第一次又は第二次の株主総会において定足数が満たされなかった場合に備えて、第二次又は第三次の株主総会の日を特定しておくことができる。かかる予備的な株主総会の日は、一般的に「予備的招集日」といわれる。
第二次招集又は第三次招集の日が通知に記載されていない場合、第二次招集又は第三次招集は、前の招集から30日以内に行われなければならず、また、いかなる場合においても、前の招集と同じ日には行われないものとする。第二次招集又は第三次招集による株主総会の通知は、議案を変更せずに、当該株主総会の日の10日前までに公表されなければならない。当社定款第8.3条に従い、定時株主総会及び臨時株主総会は一度の招集により開催される。さらに、通知がなされなかった場合においても、株主の100%が出席し、かつ、取締役及び監査役の過半数が株主総会に出席した場合には、株主総会は正当に開催されたものとみなされる。但し、出席者は、事前に適切な通知がなされなかった事項の議論について異議を唱えることができる。
当社の取締役は、株主総会の通知が公表される前に、イタリア証券取引委員会(CONSOB)の要件に従い、当社の登記簿上の本店及び当社のウェブサイトにおいて、株主総会の議案に関連する提案の書類を公表しなければならない。
株主は、株主総会の開催日前に議案における項目について質問をする権利を有し、これは当社のウェブサイト上に掲載されているQ&Aの方法による。当社は、株主総会前又は株主総会中に、これに回答しなければならない。
統一財務法(Unified Financial Act)第126条の2(2026年政令第47号により改正されたもの)によると、単独又は共同で資本金の2.5%以上を保有する株主は、(i)株主総会の通知が公表された日から3日以内(第125条の2第3項又は第104条第2項に基づき招集される株主総会の場合は2日以内)に議案を追加すること、及び(ii)すでに議案とされている事項について、当該通知が公表された日から10日以内(第125条の2第3項又は第104条第2項に基づき招集される株主総会の場合は7日以内に短縮され、又は第125条の2第2項に基づき招集される株主総会の場合は株主総会の日の20日前まで)に決議案を追加することを要求できる。
当該議案の追加は、取締役が提案した議案について決議するために法によって株主総会が要求される事項又は取締役が作成した計画若しくは書類に基づく統一財務法(Unified Financial Act)125条3項所定の事項とは異なる事項については行うことができない。議案の追加を請求した株主及びすでに議案とされている事項について決議案を提出した株主は、議案に追加するよう提案した事項に関する書類を作成しなければならない。
株主総会において可決された決議は、反対株主又は欠席株主を含め、全ての株主を拘束する。但し、イタリア法に基づき、欠席株主、棄権株主又は反対株主のうち、単独又は共同で、可決された決議について当社資本金の1/1000の議決権付き株式を保有する株主は、適用法令又は当社の定款に違反する決議を取り消すため、当社の本店所在地を管轄する裁判所に対して異議申立てをする権利を有する。また、全ての取締役及び法定監査役は、これと同じ要件の下決議に対して出訴することができる。当該異議申立ては、決議が行われた日から90日以内になされなければならず、又は、企業登記への登記が必要とされる決議の場合においては、登記から90日以内になされなければならない。
また、株主総会の招集がなされなかった場合、株主総会議事録が作成されなかった場合、及び違法又は履行不能な事項について議決された場合において、株主総会決議が可決されたときは、決議が企業登記に登記された日から3年以内、決議が当該登記の対象とならない場合には決議が企業登記に登記された日から3年以内、また、決議が登記の対象とならない場合には議事録が関連する会社書類に登録された日から3年以内に、利害関係人は、かかる決議について異議を申し立てることができる。さらに、履行不能又は違法な活動を会社の目的に含める旨変更する株主総会決議に対する異議については、期間による制限はない。また、一定の場合において適用法令は、反対株主、欠席株主及び棄権株主に対して、株式買取請求権を与えている。かかる株式買取請求権が行使された場合、当社は、株式買取請求権を生じさせる決議を行う株主総会の招集通知の公表前6ヶ月間における株式の期末日の平均株価において、株式買取請求権を行使した株主が保有する株式を買い戻すものとされる。かかる株式買取請求権が行使された場合、当社は、イタリア民法(Italian Civil Code)第2437条の4に定める多段階の清算手続に従い、当該株主が保有する株式を買い戻すことが必要となり得る。この法定の枠組みの下では、当該株主の株式は、まず、選択権及び該当する場合には先買権に基づき他の既存株主に対して提供され、又はその他の方法により市場において売却されなければならない。当該提供手続の終了時においてなお売却されずに残存する株式がある場合に限り、買戻しは、当社の使用可能な準備金又はこれに代えて当社の資本金の額の減少により行うことができる。
全ての株主に適用される規制のほか、特に非居住者又は外国人が株式を保有し又は議決権を行使する権利に対して適用されるイタリア法又は当社定款に基づく規制は、何ら存在しない。
法令第215/2023号及びこれを修正する法律第18/2024号によって、統一財務法(Unified Financial Act)が改正され、議決権増加および複数議決権株式に関する新しい規則が導入された。統一財務法(Unified Financial Act)第127条の5は、上場会社の定款において、一定の条件の下、特別名簿への登録日から少なくとも24か月連続して同じ株主が保有する各株式に対して、1株あたり最大2票までの議決権の増加を付与できることを定めている。さらに、統一財務法第127条の5は、会社は定款を変更し、少なくとも2年間の継続所有の後、所有期間の長さに応じて、普通株1株あたりの議決権が毎年2票から10票まで段階的に増加することも認める旨を定めることができると規定している(1株あたり最大10票まで増やすことができる議決権は、その後10年間にわたって希薄化される)。2026年3月27日付け政令第47号により導入された統一財務法(Unified Financial Act)第127条の5第10項の2は、株主が、イタリアの規制市場からの証券の上場廃止をもたらす合併、会社の登記簿上の本店の国外への移転、又は第112条の2に基づき株主が承認する全部取得について決議するために招集される場合には、いずれの場合においても、同条第1項及び第2項に基づき従前付与された議決権の増加を停止し、各株式の議決権を1個に制限する。さらに、この1株1議決権の制限は、第133条第1項に基づくイタリアの規制市場からの株式の上場廃止に至る取引、及び第133条第1項の2に基づく多角的取引施設への取引の移行にも適用される。
統一財務法(Unified Financial Act)の新127条の6は、上場会社は、一定の条件を満たせば、定款に定めることにより、特別のリストに記載されてから過去24か月間連続して保有する株主の1株の議決権を最大2議決権まで議決権を増加させることができると定めている。前述の法令による改正後の統一財務法(Unified Financial Act)の新127条6項は、上場会社の定款には、複数議決権についての定めを設けることができず、当該定めはイタリア民法(Italian Civil Code)に基づきイタリアの規制された市場への上場前に規定を設けていた株式会社のみが引き続き当該定めを存続させることができると定めている。当社の定款は、議決権の増加についての定めを設けていない。
定時株主総会
定時株主総会は、最低毎年1回、招集されなければならない。当社定款第8条は、当社の事業年度終了後120日以内、又は、特別の事情がある場合には当社の事業年度終了後180日以内に、定時株主総会が招集されなければならないと規定している。当社の事業年度末から120日よりも後に、非連結年次財務諸表を承認するための定時株主総会が招集される場合、取締役は、年次財務諸表に含まれる取締役報告書において、当該遅延の理由を述べなければならない。当社の非連結年次財務諸表は、株主の承認を得るため、定時株主総会に提出される。この定時株主総会において、株主は、配当の分配の承認(該当する場合)、取締役、法定監査役及び社外監査役の選任又は解任並びに報酬の額の決定、取締役及び法定監査役の責任に関する議決権の行使、株主総会に関する規則の承認、並びに、適用法令及び定款により株主の決議を要するとされたその他事業上の事項の決定も行う。
定時株主総会については、特段定足数の定めはない。したがって、最初の招集に基づく決議において、(出席又は委任状によって行使された議決権の賛成が反対を上回る場合に、決議が成立することになる。
臨時株主総会
臨時株主総会は、とりわけ、定款の改訂、合併、合併の解消、会社分割、増資及び減資並びにイタリア国内における当社の本社の移転を決議するために招集することができる。
臨時株主総会は、総議決権の5分の1以上を表象する株式を保有する株主の出席(実際の出席又は委任状による出席)がある場合に、最初の招集に基づく決議が成立する。最初の招集に基づく臨時株主総会の決議は、出席株主の3分の2以上の賛成がある場合に成立する。
取締役会
当社の取締役は、通常、当社の定時株主総会において、1会計年度から3会計年度の任期で選任される。適用されるイタリア法によると、当社の取締役は、候補者名簿制度を通じて選任され、連続して再選されることができる。取締役は、株主の決議により、いつでも解任することができる。但し、正当な理由なく解任された場合、取締役は、当社に対して損害賠償請求をすることができる。
取締役会は、7名以上15名以下の取締役で構成される。定時的にCONSOBが定める最低保有要件を満たす株主は、取締役会の選任のための候補者名簿を提出することができる。7名から12名で構成される取締役会の場合、少数派名簿から1名の取締役が選任され、12名を超える取締役会の場合、少数派名簿の最初の2つの候補者が異なる性別である場合には、少数派代表をより公平にし、常にジェンダーバランスを考慮して、少数派名簿から1名ではなく2名の取締役が選任される(但し、少数派名簿に1名の候補者のみが含まれる場合、または複数の候補者が全て同じ性別である場合、または複数の候補者が異なる性別であっても上記の要件を満たさない場合には、少数派名簿から1名の取締役が選任される)。取締役会メンバーの過半数は、関連する法律および規制要件に従って独立し、かかる職務に定められた法的要件を満たさなければならず、ジェンダーバランスに関する暫定規則も遵守されなければならない。
当社の取締役は、取締役会及び監査役会の議長に対する書面通知により、いつでも辞任できる。かかる解任又は辞任に加え、取締役会は、当社の監査役会の承認を得ること及び取締役会の過半数が当社の株主により指名された取締役で構成されていることを条件として、補欠取締役を選任することができる。
イタリア法の定めるところにより、取締役会は、当社の事業運営について完全な権限を有する。取締役会の権限には、(i)当社及び当グループの戦略計画、産業計画及び資金調達計画の審査及び承認、(ii)戦略的意義を有する当社及びその子会社の一般組織システム、管理システム及び会計システムの妥当性評価、(iii)当社及び当グループの経済実績及び財務実績の定期評価、(iv)当社のコーポレート・ガバナンス及び当グループの体制の決定、並びに、(v)当社及び/又はその子会社が関与する重要な戦略取引又は金融取引の承認が含まれる。
取締役会は、イタリア法及び当社定款に規定された範囲内で、取締役会の委員会及び/又は経営取締役にその全権を委任することができる。
取締役会は、当社の議長が必要と判断した場合又は2名以上の取締役が要求した場合に、取締役会において審議する事項を記載した通知を取締役会の日の5日前までに(又は、緊急の場合には1日前までに)送付することにより、当社の議長が招集することができる。また、取締役会は、監査役会又は監査役により招集することもできる。取締役会に必要とされる最低定足数は、当社の在任取締役の過半数である。取締役会の決議は、出席取締役の過半数により可決される。
当社の取締役会は現在15名で構成されており、いずれも2025年4月16日に開催された株主総会により選任された。すべての取締役の任期は、2027年12月31日現在の財務諸表を承認するための定時株主総会の日までである。2026年2月19日、モンクレールの取締役会は、ガブリエーレ・ギャラテッリ・ディ・ジェノーラの非業務執行取締役としての職を辞する旨の辞任(2026年4月1日付け)を承認した。これを受けて、取締役会は、イタリア民法(Italian Civil Code)第2386条及び当社定款第13.4条に基づき、かつ監査役会の承認を得て、補欠選任(cooptation)の方法により、同日付けでバルトロメオ・ロンゴーネを新たな取締役として選任した。同取締役会において、2026年1月20日に既に公表されたとおり、取締役会は、バルトロメオ・ロンゴーネを当社の最高経営責任者に選任し、レモ・ルッフィーニは、業務執行取締役会会長としてクリエイティブ・ディレクションに関する責任を引き続き担うとともに、ガバナンス及び当グループの戦略的方向性の決定において引き続き主要な役割を果たすこととされた。2026年4月21日に開催された株主総会は、バルトロメオ・ロンゴーネの取締役としての選任を承認し、同日、取締役会は、同人の最高経営責任者としての権限及び役割を確認した。
取締役会に対する会社及び株主の訴訟
イタリア民法第2393条に従い、取締役会の構成員に対する会社による訴訟は、定時株主総会により可決された決議又は監査役会により可決されその構成員の3分の2以上により承認された決議に基づいて行うことができる。当該訴訟は、取締役の退任後5年間提起することができる。さらに、上場会社の場合においては、資本金の2.5%以上(又は定款で定められた、これを下回る割合以上)を保有する株主によって、取締役会に対する株主訴訟を行うことができる。
監査役会
当社は、イタリア民法に基づき、監査機関として監査役会(Collegio Sindacale)を設置する必要がある。少なくとも、1名以上の正規の構成員及び1名以上の補欠の構成員は法務省による公認会計士登録(Registro dei Revisori)に登録されていなければならない。監査役は、定時株主総会により、3年の任期で選任される。
当社の監査役会は、2026年4月21日の株主総会で選任された3名の正規の構成員及び2名の補欠の構成員により構成されており、2028年12月31日で終了する事業年度にかかる財務諸表を承認する定時株主総会の日まで在任する。
会社経営の統制及び監査に関連する以下の義務は、監査役会に委任されている。
・ 法令及び定款の定めが遵守されていることの監督
・ 正しい経営原則、特に会社が採用する組織構造、管理体制及び会計制度についての妥当性、並びにそれらが実務上どのように機能しているかの監督
・ 会社の年次財務諸表が民法及びその他関連法令の関連規定に従って作成されたことの確認
監査役会は、取締役会及び株主総会に出席しなければならず、また、90日に1回以上の頻度で監査役会を開催しなければならない。監査役会は、会計年度の結果及びその義務を履行するために行った活動に関する報告書を作成しなければならず、この報告書においては、賛成意見又は反対意見と共に、会計に関する見解又は提案を述べることとされている。
監査役会は、次の場合には、株主総会を招集することができる。(i)取締役会又は監査役会が、株主に対する忠実義務に違反した場合、(ii)イタリア法の定めに従って株主総会が招集されなかった場合、若しくは(iii)取締役会が不当に株主総会の招集を遅滞し又は怠った場合。株主総会は、監査役会の2名以上の構成員によっても招集することができる。
前述のとおり(「取締役会に対する会社および株主の訴訟」参照)、監査役会は、イタリア民法第2393条(3)に定める限度内で取締役会に対して訴訟を提起することもできる。
監査役会は、少数株主権を守るための監査機関としても機能する。株主は、不当と判断した事項又は行為について監査役会に報告することができ、監査役会は、株主総会への報告を行うに際して、かかる申立てを考慮しなければならない。2%以上の株式を保有する株主が監査役会に対してかかる報告を行った場合、監査役会は、遅滞なく調査を行い、株主総会において調査結果を報告し勧告を行わなければならない。取締役の義務履行につき深刻な不正があると疑われる根拠がある場合には、5%以上の株式を保有する株主は、裁判所に対してかかる不正を報告し、その後かかる訴訟を取り下げ又は和解する権利を有する。
個々の法定監査役は、その発言の正確性及び真実性につき各自責任を負い、また、監査役が適切にその義務を履行していれば損失が回避できたと認められる場合において、取締役の行為又は不作為につき取締役と共同して責任を負う。
株式の種類
当社の株式は全て1個の議決権を有する普通株式である。現在、その他の種類の株式は発行されていない。
貯蓄株式
イタリア証券取引所(Borsa Italiana)又はその他のEU加盟国の規制された市場に株式を上場しているイタリアの会社は、配当の支払いについて優先権を有する一方で、議決権を有しない株式である貯蓄株式(azioni di risparmio)(但し、普通株式の株主総会の決定により貯蓄株式の株主の権利が影響される場合等に当該貯蓄株式の保有者により別途開催される総会における議決権を除く。)を発行することができる。本書提出日現在において、当社は貯蓄株式を発行していない。
当社株式の種類及び譲渡
1999年1月1日以降、株主は、イタリアの上場会社の株式にかかる券面の発行を受けることはできないこととされている。イタリアにおいて上場している会社の株式は、紙媒体の証券によって表章されるものではなく、株式の譲渡及び交換は、イタリア、ミラノ、ピアッツァ・デジリ・アファーリ6にその登記簿上の本店を有する集中証券決済機関であるモンテ・ティトーリ(Monte Titoli)により運営される電子振替決済制度を通じてのみ行われるものとされている。
このため、全ての株式は、その所有者によってモンテ・ティトーリに参加している認定金融仲介機関に預託されなければならない。仲介機関は、モンテ・ティトーリ(Monte Titoli)又は集中証券決済機関を運営することについて、イタリア証券取引委員会(CONSOB)により認定された他の会社(ルクセンブルグのユーロクリア又はクリアストリーム等)に株式を預託する。2018年8月13日付CONSOB-イタリア銀行指令(2022年10月10日にさらに改正された振替決済、決済サービス、保証制度及び関連する運用会社を定める規則をいい、以下「共同規則」という。)第13条に基づき振替決済制度への加盟が認められた参加者を含む。
株式の権利を譲渡する場合、譲渡人及び譲受人はそれぞれの仲介機関に対して指示することが要求されている。譲受人が譲渡人の仲介機関の顧客である場合、仲介機関は、単に譲渡人の口座から譲受人の口座に対して株式を移転させることとなる。しかしながら、譲受人が別の仲介機関の顧客である場合、譲渡人の仲介機関は、譲受人の仲介機関の口座に株式を移転するよう集中決済機関に対して指示し、その後、この譲受人の仲介機関が譲受人の口座に株式を登録することとなる。
各仲介機関は、各顧客のための保管口座を有している。かかる口座は、各顧客の金融商品並びに全ての譲渡、配当支払い、金融商品にかかる権利の行使及び当該商品の担保権又はその他負担の記録を示すものである。口座名義人又はその他適格者は、仲介機関に対し、口座明細証明書の発行要求を提出することができる。かかる要求には、とりわけ、申込人の名前、要求する明細証明書にかかる金融商品の数量、申込人が行使する予定の権利(株主の権利である場合には、株主総会の日及び議案)及び要求する証明書の有効期間を記載しなければならない。仲介機関は、当該要求の受領から2営業日以内に、記載された金融商品について口座名義人が所有権を有することを証する口座明細証明書を発行しなければならない。口座明細証明書の発行後、仲介機関は、明細書が無効となり又は返還されるまで、関連する株式の譲渡に影響を及ぼしてはならない。株主総会において行使できる権利の場合、上記証明は、関連する会社に対する仲介機関の通知によって代替される。
当社の当社株式は、モンテ・ティトーリ(Monte Titoli)に預託されている。そのため、株主は、当社株式を表章する株券を物理的に受領することができない。その代わりに、当社株式の譲渡は、上記の手順によって可能とされている。
ルクセンブルク所在のユーロクリア及びクリアストリームは、普通株式の清算を承認したため、当社の株主は、モンテ ティトーリではなく、これらの機関を通じて株式を保有することを選択することができる。株式保有者としての権利を行使するには、モンテ ティトーリ又はルクセンブルクのユーロクリア若しくはクリアストリームの手続、及びモンテ ティトリ、ユーロクリア、又はクリアストリームに口座を持つ仲介業者または参加者の手続に従う必要がある。
新株引受権
当社株式又はその他種類の株式の新規発行は、臨時株主総会において可決される株主総会決議によって認められる。イタリア法によると、株主(及び転換社債の保有者)は、(i)当社株式、(ii)当社株式に転換される債券及び(iii)保有者に当社株式を取得する権限を与えるワラント、ライツ又はオプション等のその他商品の新規発行につき、その株式保有又は社債保有に応じて申込みをする権利を有する。主に株主の権利の希釈化防止を目的として設定される一定の要件を充足し、特別多数決によることを条件として、当該有価証券の特定の発行に関して、該当する全株主について、これら新株予約権の全部又は一部が放棄又は制限されることがある。かかる権利放棄又は制限は、臨時株主総会の決議によってのみ行われるものとし、また、当社の利益のため必要とされる場合に限って行われるものとする。いずれの場合においても、かかる新株引受権は、資本金の額の増加が現物出資によって行われる場合には適用されない。さらに、イタリアで上場するイタリアの会社の普通株式については、定款において定めることにより、発行済株式の10%までは、新株引受権を排除することを規定することができる(但し、新株予約権を付与することなる発行される普通株式の発行価格が、市場価格と同じであり、外部監査人による報告書によって当該価格が確認されていることが条件とされている。)。当社の定款は当該除外規定を設けている。
新規発行される当社株式が当社の従業員又はその子会社若しくは親会社の従業員に対して募集される場合においても、新株引受権は制限されうる。イタリア法により、これらの場合において新株引受権を制限する決議は、臨時株主総会において、かかる決議に必要とされる過半数の票によって可決されなければならない。
当社による当社株式の取得
当社は、2025年12月31日現在、3,207,654株の自己株式を保有しており、これは当社の発行済株式総数の1.2%に相当する。
但し、当社は、イタリア法により課せられる一定の条件及び制限のもと、また、株式が全額払込み済みであることを条件として、当社株式を取得することができる。当該取得は、当社株主により定時株主総会において承認されなければならず、また、承認済み非連結財務諸表における留保利益又は配当可能剰余金の中から支払われなければならない。再取得される株式の額面価格は、一定の場合を除き、以前より当社又は当社の子会社が保有している株式と合わせて、総額で当社の発行済株式資本の20%を超えてはならない。かかる制限を超えて買い戻された株式は、取得日から1年以内に処分し又は消却がされなければならず、資本金の額はこれに応じて減少するものとする。当社の子会社による当社株式の取得についても、これと類似の条件及び制限が適用される。
当社が当社の自己株式を取得した場合、当社は貸借対照表に取得価額に対応する準備金を計上する必要がある。当該準備金は、当該普通株式が第三者に対して処分され又は償却されるまで、配当に使用することができない。当社が取得し保有する株式は、株主総会決議によってのみ処分することができる。当社は、保有する当社株式について議決権を行使し又は配当を受け取る権利を有しない。当社(一定の場合は除く。)及びその子会社は、増資の際に新しい当社株式を引き受けることはできない。当社の子会社が保有する当社株式は、議決権を行使する権利を有しないものの、配当を受け取る権利を有する。当社及びその子会社が保有する当社株式は、株主総会における定足数を算出する目的においては、これに含まれる。さらに、統一財務法(Unified Financial Act)は、上場会社による自己株式の取得及び上場会社の子会社による当該上場会社の株式の取得は、株主間の公平を確保する方法により行われなければならないと規定している。これは、(i)公開買付けの方法、(ii)市場規則が既定の売り注文と買い注文との直接マッチングを認めないことを条件として、規制市場において行う方法、(iii)市場規則が一定の条件を定めることを条件として、規制市場において取引される金融派生商品の売買による方法、又は、(iv)株主が保有する株式に関して、株主取得計画を認めた株主総会の定める期間中に行使するべき取得請求権を株主に授与する方法、(v)差別のない方法による組織的内部化活動に関連して、事前設定されたパラメータに従って自動的かつ非裁量的な取引執行を提供する方法、及び(vi)規則(EU)No. 596/2014第13条に従ってCONSOBによって許可された確立された市場慣行に従う方法である。一定の制限に従うことを条件に、当社の従業員又は当社の子会社若しくは当社の親会社の従業員から当社が取得した株式について、上記は適用されない。
2026年4月21日、当社の株主総会は、2025年4月16日になされた決議によって付与された当社の普通株式の購入および処分を未実施部分について取り消すことを条件として、当社の取締役会に対して、最長18か月の間、当社の株式を取得し、処分する権限を付与することを決議した。但し、購入される株式の最大額は当社の資本金の10%を超えてはならず、この限度内で、デリバティブ証券によって購入される株式数は当社の資本金の5%を超えてはならない。
株式取得の通知
当社の定款は、株主が株式保有割合を増加させた場合に、これを公に通知する義務については規定していない。
但し、イタリアの法律および規則で規定されている関連保有に関する一般的な通知要件は、統一財務法(Unified Financial Act)第120条以降および規則第 11971/1999 号第116条の3以降の規定に従い適用される。
これらの規定では、イタリアの上場会社における合計株式保有割合が当該上場会社の議決権付株式の3%を超え若しくは2%を下回った者(発行会社が1999年規則第11971/1999号(Regulation No.11971/1999)第1条第1項w-quarterに定義される中小企業(以下「SME」という。)に該当する場合には5%)、又は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、50%、66.6%、90%若しくは95%に達し、若しくは3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、50%、66.6%若しくは90%を下回った者は、4取引日以内にイタリア証券取引委員会(CONSOB)及び上場会社に対して通知する義務を負うものとされている。統一財務法(Unified Financial Act)は、定款で議決権の増加又は複数議決権付株式を発行することを企図する定めを設けている上場会社については、これらの割合は総議決権に対する割合を意味すると定めている。
統一財務法(Unified Financial Act)は、時価総額が大きく幅広い株主層を有する会社については、イタリア証券取引委員会(CONSOB)が、一定の期間、3%(SMEに該当する場合には5%)を下回る基準値を定めることができる旨規定している。
会社の資本金の減少又は増加の結果、上記の基準値を超えた場合においても、通知義務が生じる。保有割合に関する基準値の算出にあたっては、議決権の行使が停止されているか又は保有者若しくは第三者により議決権の行使が可能か否かにかかわらず、保有される普通株式も考慮される。また、議決権の行使が可能な普通株式も含まれる。一定の場合を除き、子会社、受託者若しくは仲介機関を通じて保有される普通株式又はこれにより議決権が行使可能な普通株式も含まれる。
統一財務法(Unified Financial Act)は、第120条の第4項の2に基づき、上場会社の株式資本の10%、20%、25%以上の株式を取得した場合には、第120条に基づいて通知を行った者は、取引後6か月以内に取得する目標について記載した公表文を提出する必要がある旨を定めている。
2026年政令第47号により導入された改正により、25%の閾値は完全に廃止され、統一財務法(Unified Financial Act)第106条1項の2の規定は削除され、現在は、統一財務法第106条第1項に基づき、単一の強制公開買付けの閾値が定められている。この統一された制度の下では、30%の閾値を超える取得者は公開買付けを開始することが義務付けられ、その結果、開示義務および買付義務を負うことになる。
公表文には、公表者の責任において、次の事項を記載するものとされている。a) 買収の資金調達条件。b) 購入者が単独で行動しているか、共同で行動しているか。c) 購入者が他の購入を中止するか、または追加購入を続けるか、また、購入者が発行者の支配権を取得するか、またはいずれにせよ会社の経営に影響を与えるか、またその場合、購入者が従う予定の戦略とその実施条件。d) 購入者が当事者となっている株主間契約および協定に関する意図。e) 購入者が発行者の管理機関または監督機関の修正または解任を提案する意図の有無。公表から6か月以内に「その後の客観的状況に基づいて」申告者の意図に変更があった場合、公表者は遅滞なく、発行者およびCONSOBに新たな理由を付した通知を送付する必要があり、当該時点から6か月の期間が再び開始されることになる。
当初の公表文及びその後の変更は、前述の重要な株式保有に関してCONSOBが定める条件に従い、株式取得の対象となる発行者、CONSOB、及び市場に送付することが義務付けられる。
通知を怠った株主は、普通株式にかかる議決権を行使することができない。これに違反して承認された株主総会決議は、当該議決権がなければ決議が可決されなかった場合においては(また、イタリア証券取引委員会(CONSOB)による訴訟提起に基づき)、無効とされ得る。
1999年法令第11971号は、上場会社の議決権付株式の3%(SMEに該当する場合には5%)未満を保有する者が、(i)議決権の行使に関する事項、(ii)議決権の行使に関する議決権の行使、または(iii)上場企業またはその親会社における支配的地位の共同ベースでの裁定の決定株主間契約の当事者である場合で、かかる株主間契約の他の当事者の株式保有を考慮すると5%、10%、15%、20%、25%、30%、50%及び66.6%の基準値に達し、これらを超え若しくはこれらを下回る場合には、通知義務の対象となる旨規定している。かかる当事者は、イタリア証券取引委員会(CONSOB)及び当該上場会社に対して(i)当該契約の対象となる総株式数、(ii)当該契約の対象となる直接又は間接に保有される株式数、及び(iii)当該契約の対象とならない直接又は間接に保有される株式数を開示しなければならない。但し、かかる情報が統一財務法(Unified Financial Act)又は1999年法令第11971号の規定に従い、既に提供されている場合には、通知は必要とされない。
上記の「金融商品持分」の定義に関して、開示義務は、ある者が以下のものの合計保有残高が、上場会社の議決権付株式の5%、10%、15%、20%、25%、30%、50%又は66.6%を超え、若しくは下回ることとなった場合に発生する。
(i) 潜在的権利(議決権付株式を原資産とするデリバティブ金融商品、又は保有者に対して、法的拘束力がある合意に基づき、対象となる株式を実際に取得する無条件の権利、若しくは実際に取得する裁量権を与える権利を付与するその他の金融商品若しくは契約)、及び
(ii) その他のロングポジション(議決権付株式を原資産とするデリバティブ金融商品、又はその他の金融商品若しくは契約であって、(a)潜在的権利に該当しないものであり、かつ(b)原資産のパフォーマンスと正の関連性を有する経済的利益の取得を決定する権限があるもの(原資産のパフォーマンスと負の相関関係がある金融商品を有する者を相手方とする契約を含む。)
さらに、1999年法令第11971号第119条第2項に従い、上場会社についての直接又は間接の「通算保有持分」((ⅰ)株式及び(ⅱ)金融商品持分の合計をいう。)が、当該上場会社の議決権付株式の5%、10%、15%、20%、25%、30%、50%又は66.6%を超え、若しくは下回ることとなった場合には、当該通算保有持分の保有者は、「通算保有持分」が当該上場会社の議決権付株式の5%、10%、15%、20%、25%、30%、50%又は66.6%を超え、若しくは下回ることとなったときに、当該上場会社及びイタリア証券取引委員会(CONSOB)に対して、保有持分を開示する必要がある。
当該通知義務は、当該上場会社の株式数が増加し又は減少したことによって上記の基準値を超え又は下回ることとなった場合にも発生する。
金融商品持分や通算保有持分の計算に際しては、同じ株式を原資産とするショートポジションとネッティングすることはできない。
また、利息および金融商品への投資に関連する開示義務を課され、当該金融商品等の保有者が他の投資又は株式を保有していない場合には、投資総額に関連する開示義務は適用されない。
同様の重要な保有に関する通知義務が支配会社及びその子会社の双方に適用される場合には、後者の通知義務は免除される。かかる場合においても、子会社が、支配会社が直接又は間接に保有するその他の株式保有を含め、完全な情報を提供する場合には、これにより通知義務は満たされるものとされている。
通知義務は、以下の場合には生じない。
・ 清算及び決済の目的だけのために、決済までの期間内で株式が取得された場合。
・ 議決権が書面又は電子的指示においてのみ行使可能な場合において、預託会社によって株式が保有される場合。
・ 10%の基準値を下回る株式又は金融商品持分がマーケットメーカーによって取得又は売却され、また、一定の条件が満たされた場合。
・ 欧州中央銀行又は加盟国の国家中央銀行により、その金融権限機能の行使にあたって、株式が取得又は売却された場合。
・ 一定の場合において、イタリアの資産運用会社が、管理運営する投資ファンドを通じて、3%を超えるが5%を超えない株式を取得した場合。又は
・ 公募において引受人又はディーラーマネージャーに任命された適格投資家によって引受け又は取得される場合であって、(i)5%未満の株式を取得し、(ii)当該取得が公募又はそのクロージング直後に行われ、(ⅲ)上場会社の経営に干渉するために行使されず、(iv)18ヶ月以内に株式を売却することを誓約している場合。
相互保有制限
相互保有制限は、2つの会社間における相互の株式の保有を制限するものである。イタリアの上場会社間の相互保有は、相互保有会社の議決権の3%(SMEに該当する場合は5%)を超えてはならず、また、上場会社及び非上場会社間の相互保有は、上場会社の議決権の3%及び非上場会社の議決権の10%を超えてはならない。かかる基準値を超えた場合、2番目に基準値を超えた方の会社は、基準値を超えた株式にかかる議決権を行使してはならず、また、超過株式を1年以内に売却しなければならないとされている。当該会社が超過株式を1年以内に売却しない場合には、その全体の保有株式にかかる議決権の行使が認められないこととなる。どちらの会社が基準値を後に超えたかを判定できない場合には、別途合意した場合を除き、両会社に対して議決権の制限が適用される。相互保有制限に関する3%制限は、各会社の定時株主総会において事前に認められた契約の後、2つの会社においてのみ超過していることを条件として、5%(SMEに該当する場合は10%)にまで増加することができる。さらに、当事者が上場会社の資本金5%(SMEに該当する場合は10%)を超えて保有する場合には、当該上場会社又はその上場会社を支配する当事者は、かかる当事者が支配する上場会社につき3%を超えて取得してはならない。これに違反した場合には、適用される制限を超える株式にかかる議決権は行使できない。どちらの会社が基準値を後に超えたかを判定できない場合には、二当事者間において別途異なる合意をした場合を除き、両会社に対して議決権の制限が適用される。かかる議決権の制限に違反して可決された株主総会の決議は、当該議決権がなければ決議が可決されなかった場合においては、イタリア証券取引委員会(CONSOB)の要求に応じ、関連する裁判所によって無効とされうる。相互保有の制限は、会社の当社株式の60%以上を取得する公開買付けの後に基準値を超過した場合には、適用されない。
株主間契約
イタリア法に従い、上場会社又はその親会社の株主間における契約は、締結日から5日以内に以下が行われなければならない。
・ イタリア証券取引委員会(CONSOB)に対する通知。
・ 報道機関を通じた要約の発表。
・ 会社が登記簿上の本店を有する場所の企業登記所への届出。
・ 上場会社に対する通知。
上記規則の遵守を怠った場合、株主間契約は無効とされ、関連する株式の議決権の行使は認められない。かかる議決権の制限に違反する株主総会の決議は、当該議決権がなければ決議が可決されなかった場合においては、関連する裁判所によって無効とされうる。これは、イタリア証券取引委員会(CONSOB)によっても行うこともできる。これらの規則は、以下の株主間契約に適用される。
・ 上場会社及びこれを支配する事業体における議決権の行使を規制するもの。
・ 上場会社又はその支配会社における議決権の行使について、事前の協議を要求するもの。
・ 株式又は株式を取得若しくは引き受ける権利を与えられた有価証券の譲渡に対する制限を含むもの。
・ 株式又は株式を取得若しくは引き受ける権利を与えられた有価証券の取得に関して規定するもの。
・ 会社に対する支配的な影響をその目的としているもの又はこれを与えるもの(共同して与える場合も含む。)。
・ 公開買付けに賛成し又は反対することを目的とするもの(公開買付けを実行しないことを約束するものを含む。)。
株主間契約に対する開示規則は、会社の資本金の3%以上(会社が中小企業(SME)である場合は5%)に相当する株式に関する契約についてのみ適用される。
さらに、統一財務法(Unified Financial Act)は、株主間契約の有効期間を最長3年とする旨規定しており、また、有効期間が契約上規定されていない場合に当事者は6ヶ月前の通知を行うことによりいつでも契約を解除することができる旨規定している。公開買付けの場合において、公開買付けに参加しようとする株主間契約の当事者は、通知を行うことなく当該契約から離脱することができる。但し、その後株主持分が譲渡されなかった場合には、離脱通知は無効とされる。
当社の株主間契約を一部抜粋した情報は、当社ウェブサイト www.monclergroup.com の「ガバナンス/文書および手順」の項目でも確認することができる。
少数株主権
株主は、取締役会の決議が当該株主の権利に不利に働く場合には、これに対して、当該取締役会決議の日から90日以内に異議を申し立てることができる。
議決権付株式の1/1000を保有する株主は、(i)当該株主が出席しなかった株主総会において決議が可決された場合、(ii)当該株主が反対した場合、(iii)当該株主が議決権の行使を棄権した場合、又は、(iv)当該株主が基準日から株主総会の開始までの間に株式を取得した場合には、定款又は適用法令の規定に違反する株主総会決議に対して、これが可決された日から90日以内に異議を申し立てることができる。
また、取締役及び法定監査役も、定款又はその他適用法令に違反していることを理由として、株主総会決議に異議を申し立てることができる。イタリア法によると、当社の当社株式の上場廃止を承認する決議の場合(また、イタリア民法に規定されるその他の場合)において、前項に規定する事項に該当する反対株主には株式買取請求権が与えられており、この場合において当社は、直近6ヶ月間における株式の期末日の平均株価で株式買取請求権を行使した株主が保有する当社株式を買い戻さなければならないとされている。
当社の各株主は、不正事実又は不正行為を監査役会に対して通知することができ、監査役会は、会議報告書にかかる主張を含めなければならない。当社の資本金の2%以上を保有する株主が監査役会に通知した場合、監査役会は、遅滞なくこれを調査し、調査結果及び提言を株主総会に報告しなければならない。取締役の職務の執行について重大な違反が疑われる場合には、当社の資本金の5%以上を保有する株主は、管轄裁判所に対してかかる重大な違反について報告する権利(及びこれを取り下げ又は和解する権利)を有する。さらに、当社の資本金の2.5%以上を保有する株主は、取締役、法定監査役及び支配人に対し、株主代表訴訟を管轄裁判所において提起することができる。当社は、株主の請求が認められた場合において、(i)裁判所が関与した取締役、法定監査役若しくは支配人に対して支払いを命じなかった場合、又は、(ii)当該取締役、法定監査役若しくは支配人が支払えない場合には、株主代表訴訟に要した訴訟費用を支払う。加えて、統一財務法(Unified Financial Act)によると、当社定款に規定する累積投票制度に従い、少数株主は、監査役会の構成員を選任することができる。さらに、監査役会の議長は、少数株主により選任された監査役の中から選任されるものとされている。
イタリアの公開買付規則
統一財務法(Unified Financial Act)によると、イタリアの規制市場に上場している会社の議決権付株式の30%超又は議決権の30%(これは、(i) 一部の例外を除き、会社が直接的又は間接的に保有する自己株式を除外し、かつ(ii)1999年CONSOB規則第11971号に規定される一定の金融派生商品を含めることにより算出される。)を有償で取得し、直接若しくは間接又はその他の者と共同して保有する者は、当該取得を公開買付けの方法によって行われなければならないとされている。2026年政令第47号により導入された改革により、25%の閾値は廃止され、統一財務法第106条の第1項の2及び第1項の3はいずれも削除され、現在は、同条第1項に基づく統一的な制度が定められている。全ての上場会社に適用されるこの単一の基準の下では、30%の閾値を超える取得者は、強制的な公開買付けを実施することが義務付けられ、その結果、開示義務及び買付義務を負うことになる。公開買付けは、会社のその他全ての発行済株式を対象としなければならない。また、CONSOB規則によると、公開買付けは、議決権付株式の30%超(これは、(i)一部の例外を除き、会社が直接的又は間接的に保有する自己株式を除外し、かつ(ii)1999年CONSOB規則第11971号に規定される一定の派生商品を含めることにより算出される。)を保有する者で、定時株主総会において過半数の議決権を行使し、12ヶ月の期間中、当該会社の取締役を選任又は解任する決議にかかる議決権の10%超を株式取得の方法又は引受権若しくは転換権若しくは議決権の増加の方法を行使する方法により購入又は取得する者によって実施されなければならないとされている。公開買付けは、関連する基準値を超えた日から20日以内に、統一財務法第102条第1項に定める公表前6ヶ月間における同種の株式の取得について公開買付者が支払った最高価格を下回らない価格において、実施されなければならない。当該6ヶ月間において株式の取得が行われなかった場合、公開買付けは、当該6ヶ月間における同種の株式の加重平均市場価格において、又は、会社の株式が当該6ヶ月を下回る期間においてのみ取引されている場合には、当該株式が取引されていた期間における株式の加重平均市場価格において、実施されなければならない。統一財務法(Unified Financial Act)127条の5に基づき議決権が増加した結果として基準値を超える場合には、それより高い価格による取得がない限り、同条第10項の2に基づく特定の臨時決議に関する当該議決権の制限及び無効化に従い、これと同じ価格が適用される。但し、統一財務法(Unified Financial Act)及び1999年CONSOB規則第11971号に従い、イタリア証券取引委員会(CONSOB)は、一定の場合に、これとは異なる価格における強制的な公開買付けの実施を認め又はこれを命じることができる。
統一財務法(Unified Financial Act)及び1999年CONSOB規則第11971号(その変更を含む。)は、基準値を超えて会社株式が取得される場合であっても、一定の場合においては公開買付けの実施義務の適用が除外される旨規定しており、これには以下の各場合が含まれる。
・ 定時株主総会において、他の株主が、単独で又は共同して、過半数の議決権を行使した場合。
・ 同一人が保有する会社間の譲渡の結果、単独で若しくは共同して及び直接的若しくは定時株主総会において議決権の過半数が行使可能な子会社(民法第2359条1項1号に定めるところによる。)を通じて間接的に、基準値を超えた場合、又は会社及びかかる者との間の譲渡の結果、基準値を超えた場合。
・ 上場会社の再資本化又は一定の経営危機の状況において会社を救済するためのその他方法をイタリア証券取引委員会(CONSOB)及び市場に通知後、これに関連して基準値を超えた場合。
・ 有効かつ正当な産業的ニーズに基づいて対象会社の株主によって承認された合併又は会社分割の結果、基準値を超えた場合。
・ 授与されている新株引受権、引受権又は転換権の行使の結果、基準値を超えた場合。
・ 基準値を超過する場合で、その議決権を行使することなく超過する保有株式を12ヶ月以内に売却する旨、取得者が約する場合。
さらに、イタリア法は、会社の資本金の30%を超える所有権の取得による場合においても、以下のいずれかの結果として基準値を超えた場合には、公開買付けを実施する義務は課されない旨、規定している。
・ 会社の普通株式の100%について公開買付けが実施された場合。
・ 会社の普通株式の60%以上について公開買付けが実施された場合で、以下を満たす場合。
(i) 買付けの効力が関連する有価証券の過半数を共同して保有する株主らの承認を条件とする場合。但し、買付者、株式保有が10%を超える大株主及び買付者に協力する者が保有する有価証券は除く。
(ii) 公開買付者(又はその子会社、支配者、関連会社及びとりわけ株主間契約に基づき関係を有する者)が、イタリア証券取引委員会(CONSOB)に通知する以前の12ヶ月間又は公開買付け期間中において、会社の当社株式を1%を超えて取得していない場合。
(iii) イタリア証券取引委員会(CONSOB)が、上記(i)及び(ii)に規定される条件の遵守につき十分な証拠を受領した後、公開買付けを必要としないと判断した場合。
かかる公開買付けが実行された後においても、その後6ヶ月の間に以下のいずれかに該当する場合、公開買付者は、100%の資本金について公開買付けを実施する義務を負う。
・ 公開買付者(又はその関係会社、子会社、取締役、役員若しくは株主間契約を締結した株主)が1%を超える会社の資本金を取得した場合。
・ 会社の株主が上場廃止をもたらす合併又は会社分割を承認した場合。
さらに、(i)イタリア上場会社の議決権付き株式を90%超を保有する者は、適正取引の確保に十分な浮動株を90日以内に回復した場合を除き、残りの保有者の要求に応じて当該種類の残余株式の全てを取得しなければならず、また、(ii)議決権付証券の100%に関する公開買付けの結果、イタリア上場会社の議決権付き株式を95%以上保有する者は、保有者の要求に応じて残余株式の全てを取得しなければならない。
上記 (ii)の場合、また、上記(i)の場合で議決権付株式の100%にかかる公開買付けを通じて取得した場合、取得価格は、公開買付けにおける価格と同額とされる。但し、任意買付けにおいては、議決権付株式の90%以上が買付けにおいて募集されていることを要するものとし、これに該当しない場合における取得価格は、以前の公開買付け(もしあれば)における価格又は直近6ヶ月間における株式の市場価格を考慮して、イタリア証券取引委員会(CONSOB)により決定されるものとする。
会社が発行する議決権付株式の全てにかかる公開買付けに基づき、上場会社の普通株式の90%を保有する株主は、公開買付けの終了から3ヶ月以内に、残りの議決権付株式の所有権を取得する権利を有する。但し、募集書類においてかかる取得を上記記載の価格で行う意図を述べていた場合に限る。
上記規制を遵守しない者が保有する全ての株式にかかる議決権は、行使することができず、関連する基準値を超える株式は、12ヶ月以内に売却されなければならない。但し、イタリア証券取引委員会(CONSOB)は、当該売却に代えて、理由を付した措置により、CONSOBが決定する価格(とりわけ、不遵守の理由、売却の結果、その後の株主構成の変化及び株式の市場価格を考慮して決定される。)において、全部公開買付けの実施を求めることができる。超過株式の売却又は代替的な公開買付けの実施のいずれかにより、議決権の停止は解除される。かかる規制を遵守しない場合、当該株式にかかる議決権により可決された株主総会決議は、当該議決権がなければ決議が可決されなかった場合においては、株主又はイタリア証券取引委員会(CONSOB)による異議申立ての対象となる。
子会社の不適切な管理に対する責任
イタリア民法第2497条によると、自己又は第三者の利益のために活動している会社その他事業体が、その指示及び調整権限を有する会社について不適切な管理を行った場合には、その損害につき、当該会社の株主及び債権者に対して責任を負うものとされている。但し、(i)生じた損害がその後の取引等を通じて完全に回復された場合、又は(ii)生じた損害がかかる指示及び調整権限の継続的な行使に由来する会社の包括的利益によって有効に相殺された場合には、当該責任を負うものではない。指示及び調整権限は、とりわけ連結子会社について存在するものとされている。
株主に対する報告
当社は、国際会計基準と統合された国際財務報告基準に基づき、また、イタリア証券取引委員会(CONSOB)の要件に従い作成された、当社の監査済み非連結年次財務諸表及び監査済み連結年次財務諸表を、当社の事業に関する取締役報告書と共に、イタリア語で公表しなければならないとされている。さらに、2024年度から、当社は欧州委員会が定めた欧州持続可能性報告基準(ESRS)に沿った企業持続可能性報告指令(CSRD)の下での義務的持続可能性報告も公表することが要求されている。
また、当社は、半期財務諸表(監査役による限定レビュー付き)を作成しなければならないとされており、これには当社の事業に関する取締役報告書を含む。
統一財務法(Unified Financial Act)第154の2条によると、(連結及び個別の)年次財務諸表及び半期財務諸表は、いずれも当社の財務書類の作成責任を負う経営取締役及びマネージャーの宣言を伴うものとされ、これは、とりわけ発行者及び連結の範囲に含まれるグループ会社の財政状況を誠実かつ正確に表す書類として適切である旨宣言するものである。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
当社は、イタリア法に基づき、フオーリ・ダル・サッコ・エスアールエル(Fuori dal Sacco S.r.l.)という名称のイタリア法上の有限責任会社であるソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタタ(società a responsabilità limitata)として2004年12月30日に設立された。当社の名称は、2008年12月31日にモンクレール・エスアールエル(Moncler S.r.l.)へ変更され、また、2011年3月25日に当社は、当時計画され後に中止されたMTA(現在のユーロネクスト・ミラノ)への上場に関連して、イタリア法上の株式会社であるソシエタ・ペル・アジオニ(società per azioni)に組織変更された。上場が中止となった結果、2011年7月8日において、当社は、モンクレール・エスアールエル(Moncler S.r.l.)という名称のイタリア法上の有限責任会社であるソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタタに再度組織変更された。2013年10月1日の株主総会において、当社の株主は、ミラノ証券取引所への上場に関連して、当社をイタリア法上の株式会社であるソシエタ・ペル・アジオニに組織変更することを決議した。当社は、2013年10月1日付でモンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A)という名称のソシエタ・ペル・アジオニへと組織変更され、2013年10月2日に会社登記簿に登記された。
2025年12月31日現在、当社の資本金は、274,805,954株の当社無額面株式によって表象される54,961,190.80ユーロである。全ての発行済株式は、有効に発行され、また、全額払込み済みである。
存続期間
当社の定款によると、当社の存続期間は、適用されるイタリア法に準拠して延長されない限り、2040年12月31日までとされている。
議決権及び譲渡制限
各株式は、その保有者に対して、当社の定時株主総会及び臨時株主総会において行使する議決権1個並びに適用されるイタリア法及び当社の定款に準拠するその他の財産権及び管理権を授与するものである。当社株式は、適用されるイタリア法に従い、自由に譲渡可能であり、上場されている。
株式保有の制限
当社株式の譲渡は、何らの制限を受けるものではない。株主が当社の定款に反してその当社株式の議決権を行使した場合において、当該当社株式による議決権の行使がなければ多数要件を満たさなかった場合には、関連する株主総会の決議の効力が争われることとなる。但し、当社株式は、株主総会の定足数が満たされたか否かを判断する目的において算入することができる。
株式の授権
当社は、臨時株主総会において株主に承認される資本増加に関連して、当社株式の追加を承認することができる。但し、一般的に、当該承認は、当社の取締役会による提案がなされた場合にのみ行われるものである。
取締役の選任権
当社の取締役の選任に関する権利については、上記(1)を参照のこと。
配当
イタリア法によると、配当の支払いに先立ち、各年の純利益(非連結ベース)の5%が法定準備金(riserva legale)として確保されなければならない。かかる要件は、当該法定準備金が、前年に確保された額を含め、会社資本金の合計額面価格の20%に達し又は20%を維持している場合には適用されない。本書提出日現在、当社の法定準備金は現在その発行済資本金の額面価格の20%を上回っている。また、株主は、利益を準備金(配当可能利益)に割り当てることもできる。配当可能準備金は、その分配によって法定準備金が法定最低額を下回らない限りにおいて分配されることができる。さらに、イタリア法及び当社定款第26.4条は、取締役会が事業年度中において中間配当の決定及び支払いを承認できる旨、規定している。また、事業年度末における配当の決定及び支払いを承認することができるのは、株主のみである。事業年度末において、当社の財務会計が中間配当の支払いにつき保証していなかった場合において、当該中間配当を善意で受領した株主は、かかる配当を当社に対して返還する義務を負わないものとする。配当は、年次株主総会において株主が指定した日に支払われる。当社定款第27条に基づき、配当が支払い可能となった日から5年以内に請求のなかった配当は、当社により没収されるものとし、これは、準備金に割り当てられるものとする。当社株式にかかる配当に関する情報については、「第5-2 配当政策」を参照のこと。
仲介機関を通じて当社株式を保有する株主に対して行われる配当の支払いは、株主総会において決定された配当支払日に行われる。配当の支払いは、株主が株式を預託した仲介機関が各株主を代理し、モンテ・ティトーリ(Monte Titoli)を通じて分配される。
イタリア国内にその株式保有にかかる定住場所又は恒久的施設を有しないイタリアの非居住者に対し支払い可能な全ての配当は、一般的に、26%のイタリアの源泉徴収税の対象となり、これは、適用される租税条約又は租税協定によって減額されうる。「第5-2 配当政策」及び「第1-3 課税上の取扱い」を参照のこと。イタリアの法令には、イタリアの非居住者に対する配当の支払いを制限する具体的な規定はない。しかし、モンテ・ティトーリ預金制度で集中的に保有されている株式に関連して支払われる配当金は、源泉徴収税ではなく、同じ税率(26%)の代替税が課せられる。
清算権
清算が行われる場合において株主は、イタリア法に基づき、また、全ての債権者に対する債務が弁済されることを条件として、当社の資本金について株主が有する株式の額面価格に比例して当社の残余清算財産の分配を受ける権利を有する。貯蓄株式又は優先株式が当社により発行される場合においてこれら株式の株主は、当該株式の額面価格の限度で、当該分配につき優先されるものとする。その上で残余財産がある場合には、普通株式の株主がかかる残余財産の分配を受ける権利を有する。
定款
当社の定款は、存続期間、本店、目的及び資本金等の当社の主要情報並びに、とりわけ、(i)株主総会、(ii)取締役会及び監査役会の構成及び選任、並びに(iii)関連当事者取引を含む、当社のコーポレート・ガバナンスに関する主要規則を定めている。
当社の定款は、とりわけ、取締役会の構成、取締役会及び監査役会の(電気通信手段による)会議、前述したサステナビリティ・ステートメントの認証を担当する責任者の選任に関する一定の修正について承認した2025年3月20日の株主総会後に最終的に改正された。
2【外国為替管理制度】
イタリアの為替管理に関する以下の内容は、本書提出日現在において有効なイタリアの関連する法令を要約するものであり、当社株式を取得するか否かの決定に関連しうる為替管理制度の全てを包括的に説明することを意図するものではない。
一般に、現行のイタリアの為替管理規制の下では、当社による日本の居住者に対する金員の支払いに関する制限はない。
イタリアにおいては、所有株式にかかる権利を制限する為替管理は存在しない。イタリアの居住者は、イタリアの国内外においてあらゆる種類の外貨及び外国証券を保有することができる。非居住者は、適用される手続要件に従い制限なくイタリアの有価証券に投資することができ、また、利息支払い、配当、その他資産の分配及び処分利益である、現金(全ての通貨で)、信用手段及び有価証券をイタリア内外へ移転することができる。
但し、イタリア法により一定の手続要件が課される。かかる法は、イタリア内外への3,000ユーロを超える現金又は有価証券の移転は、居住者又は非居住者により、信用機関及びその他権限のある仲介機関を通じて行うことを義務付けている。疑わしい取引は、かかる取引をイタリアにおいて行うよう要請された信用機関及びその他権限のある仲介機関によって、イタリア銀行の金融情報機関に対し、書面により報告されなければならない。さらに、イタリアの居住者又は非居住者を代理してイタリアにおいて当該取引を行う信用機関及びその他仲介機関は、当該取引の記録を10年間保持することが義務付けられており、イタリアの税務当局及び司法当局は、これをいつでも検査することができる。これらの報告義務及び記録保持義務に違反した場合には行政上の罰金が、又は、虚偽の報告がされた場合及び不完全な報告がされた一定の場合には刑事上の罰金が課される可能性がある。一定の条件を確認の上、イタリア銀行の金融情報機関は、受領した情報を利用し、また、他の官庁又は警察のマネー・ロンダリング部若しくは脱税操作部(nuclei operativi della guardia di finanza)に対して情報を提供することができる。
報告、開示および記録保管の要件は、欧州連合への出入国に関する規制に関するテロ資金供与およびEU規制2005/1889(その後、EU規則2018/1672/UEにより廃止された。)、/ EC資本の自由な移動に関するEU指令1988/361 / EC、マネーロンダリングの目的での金融システムの使用の防止に関するEU指令2015/849を実施するイタリアの法律に規定されている。これらの法令は、特に、10,000ユーロ以上の現金または譲渡可能な無記名証券をイタリアに持ち込み又は持ち出す際に適用される。郵便または宅配便を介して行われた現金または交渉可能な無記名商品の譲渡に関しても、同様の規定が適用される。
イタリアの居住者である個人、非営利団体及びパートナーシップは、イタリア国外において保有する投資及び金融資産の全てを、毎年の納税申告において開示しなければならない。当該投資及び資産からの所得が仲介機関自身によって源泉徴収税又は代替税の対象とされている場合、適格仲介機関に預託され、それらの仲介により締結された契約について、かかる開示は要求されない。当該開示義務は、課税期間末における投資及び資産の総額又は1年間に行われた取引の総額が15,000ユーロ以下の場合には、適用されない。2022年に実施された法改正によって、この基準額は5,000ユーロに引き下げられ、個人、非営利団体、パートナーシップ、および同等の団体に代わって、またはそれらの利益のために行われる取引にのみ適用されることとなった。当該開示要件は、イタリア居住者が最大15,000ユーロの預金及び当座預金のみを保有し、会計年度中に最大額が15,000ユーロを超えなかった場合には適用されない。2022年に導入された法改正により、当該閾値は5,000ユーロに引き下げられ、個人、非営利団体、パートナーシップ、及び同等の団体の代理又は利益のために実行される取引にのみ適用される。しかし、上記の免除にかかわらず、イタリア居住者は、IVAFEまたはIVIEの対象となるイタリア国外で保有されている投資及び金融資産を年次税務申告書において開示する必要がある(IVAFEは預金の平均額が5,000ユーロを超える場合に課税され、IVIEはイタリア居住者がイタリア国外で不動産を保有する場合に課税される)。イタリアの法人居住者は、この情報が財務諸表において開示されなければならないため、年次税務申告につきかかる開示要件から免除されている。
当社は、現在のイタリア国内外の規制環境が続くこと、又は、現在有効な一定の政策が保持されることを保証することはできない。しかしながら、イタリアは、EU及びその他国際機関に参加しているため並びに各種二国間条約及び多国間条約を遵守するために、一定の規則及び政策を維持することが必要とされている。
3【課税上の取扱い】
以下の記載は、イタリアの一定の重要な税務上の取り扱いについて述べるものである。以下の概要は、株主に関係する税に関する事項の全てを網羅的に記載するものではなく、特殊な状況における特定の納税者に関連し得る事項又は法令に基づき特別な扱いを受ける者について述べるものでもない。以下の概要は全ての投資家に関連する事項を網羅することを意図するものではない。
この課税についての概要の記載は、本書提出日現在におけるイタリアの法令又は該当する場合には米国の法令に基づいているが、当該法令は変更され遡及的に適用される可能性がある。当該法令変更はここに記載する内容を無効にする可能性があるが、本書の記載は法令変更の内容を反映するため改訂されるものではない。
投資家各位は、株式の取得、所有及び処分に伴う税務上の取り扱いについて、自らの税務顧問に相談されたい。
(1)イタリアにおける税制
配当課税
配当に関する現在の税効果を定める1986年12月22日の大統領命令第917号(Presidential Decree No. 917 of December 22, 1986. 以下「ITC」という。)及び1973年9月29日の大統領命令第600号(Presidential Decree No. 600 of September 29, 1973. 以下「大統領命令第600号」という。)(いずれもその後の改正及び改訂を含む。)の概要は、以下のとおりである。
イタリアの居住者でない株主
モンテ・ティトーリ(Monte Titoli)によって運営される集中保管制度に登録された当社株式で、イタリア国内に当該株式と事実上関連する恒久施設を有しない非居住者である株主に支払われる配当は、26%の代替税(以下「代替税」という。)が課される。
代替税は、イタリアにおいて効力を有する国際法又は国家間の合意に基づきイタリアにおける課税が免除される国際企業体又は団体が受け取る配当には課されない。
イタリア国内法上、法律に定められた条件に従って特別還付手続を適法かつ適時に履践した場合、イタリア国内に当該株式と事実上関連する恒久施設を保有せず、貯蓄株式以外の株式を保有する非居住者である株主は、居住国において少なくとも請求する還付金の額に等しい金額の所得税を支払済みであることの証拠を提出することによって、イタリアの税務当局から、配当から源泉徴収されたイタリア代替税を最大26分の11まで取り戻すことができる。もっとも、イタリア税務当局から還付を求める非居住者は、大幅な手続の遅延や費用負担に直面することがある。
当該還付手続の代わりに、イタリア国内に当該株式と事実上関連する恒久施設を保有しない非居住者である株主は、イタリアと非居住者株主の居住国の間で締結された二重課税防止のための条約(以下「条約等」という。)で定められた要件を満たし、かつ速やかに便益の申請手続を行うことにより、配当に課される代替税について軽減税率の適用を受けることができる。イタリアは、全てのEU加盟国、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、日本、ニュージーランド、ノルウェー、スイス、アメリカ合衆国及びアフリカ・中東及び極東の数カ国を含む、60カ国以上の国と条約等を締結している。もっとも、ほとんどの条約等においては、特別な定めがある場合を除き、非課税団体若しくは一部例外を除き組合又は信託の非居住者である実質的所有者には税負担の軽減措置が定められていないことに留意が必要である。
非居住者である株主が条約等に基づく代替税の軽減税率の適用を受けるためには、代替税の申請を行う株式が預託されている仲介機関に対して、次の資料等を速やかに提供する必要がある。
(a)実質的所有者が株式の実質的所有者と同一であることを特定するための情報、条約等に基づく申請を行うための条件を満たすことを示す情報、及び条約等で定められた適用税率を特定するために必要となる情報が記載され、イタリアの租税当局が承認したフォームに従って作成された申告書(2013年措置84404号(Provvedimento 2013/84404))、並びに
(b)当該実質的所有者の居住国における税務当局が発行した、当該実質的所有者が適用される条約等との関係で当該国の居住者に該当することを証明する証明書。
さらにもうひとつの方法として、非居住者である株主は、条約等において定められた最大税率を超えて課せられた源泉徴収分について、還付金を受け取ることができる。
イタリア居住者ではない株主に対して支払われる配当に課される26%の代替税又はイタリアが締結した条約等に基づき軽減された税率による代替税は、株主が株式を預託している、モンテ・ティトーリ(Monte Titoli)のシステムに加入するイタリア居住者である仲介機関、又はモンテ・ティトーリ(Monte Titoli)のシステムに加入する非居住者である仲介機関によって(直接又はモンテ・ティトーリ(Monte Titoli)のシステムに加入するイタリア以外の集中管理制度を介して)、イタリア国内で選任される財務代理人を通じて徴収される。
譲渡所得課税
非イタリア居住者株主
個人であるか法人であるかにかかわらず、イタリア国内に当該株式と事実上関連する恒久施設を保有しない非居住者である株主に、「非適格な」会社への参加に該当する株式の処分にともない発生した譲渡所得は、当該株式が規制された市場に上場されている場合には、当該株式がイタリア国内で保有されているか否かにかかわらず、イタリアの税金は課税されない。
当社株式の上場後は、保有者の株式(貯蓄株式を除く。)、有価証券及び/又は株式を取得することができる権利が次のいずれかの基準を満たす場合に、「適格な」参加であると認められる。
(i) 定時株主総会における議決権の2%を超えている、又は
(ii)発行済株式総数の5%を超えている場合
「非適格な」参加の場合、イタリアにおける課税の免除の便益を受けるためには、イタリア国内に当該株式と事実上関連する恒久施設を保有しない非居住者である株主であって、当該株式をイタリアにおいて承認された仲介金融機関を通じて保有し、投資一任ポートフォリオ制度(Risparmio Gestito. 以下「リスパルミオ・ジェスチート」という。)の対象となることを選択し、又は非投資一任ポートフォリオ制度(Risparmo Amministrato. 以下「リスパルモ・アミニストラート」という。)の対象となる場合には、イタリアにおいて承認された仲介金融機関に対して、速やかに当該株主が租税法上イタリア居住者ではないことを証明する自己宣告書(self declaration)を提出するよう求められる可能性がある。
なお、2017年12月27日法律第205号の第999条から第1006条第1項に従い、2019年1月1日以降、事業活動を行っていない非居住者個人株主によるキャピタルゲインは、「適格」参加の譲渡には、26%の率の代替税が課される(つまり、イタリア居住者による「非適格な」持株の売却について上記と同じ制度となる。)。
もっとも、イタリアが締結している条約等における、より有利な課税上の取り扱いを定めた条項の適用はさまたげられない。イタリアが締結している条約等の多くは、OECDモデルに従ったものであり、株式の処分によって発生した譲渡所得は売主の居住国でのみ課税対象となる(すなわち、非居住者である株主の場合、イタリア以外の国となる。)ことを定めている。
したがって、外国人が、(i)税法上、イタリアと条約等を締結している国の居住者であり、当該条約等において、株式の処分に伴い発生する譲渡益はOECDモデルに従うことと定められている場合であって、かつ(ii)当該条約等に基づく便益を受けるための要件を満たしている者は、当該条約等の規定にしたがって、「適格な」又は「非適格な」処分のいずれに該当するかにかかわらず、株式の処分に伴い発生する譲渡所得はイタリアでは課税対象とされない。
2024年1月から施行されるEU居住企業が実現したキャピタルゲインへの課税に関して、2024年予算法によりさらなる改正が導入された。具体的には、イタリアに恒久的施設を持たない非居住企業が実現したキャピタルゲインは、一定の条件が満たされている場合に、総額の最大5%の課税対象となる。
この条件には、i) 譲渡される持分が ITC第87条第1項に規定される要件(持分免除制度の適用)を満たすこと、ii) 持分を持つ居住企業が「単純企業」または優遇税制の適用を受ける企業として分類されていないこと、iii) 非居住の売り手が EU加盟国で法人税の対象となる企業であること、及びiv) 譲渡される持分が「適格」として分類されていることが含まれる。
イタリア国内に当該株式に事実上関連する恒久施設を保有しない非居住者である株主であって、イタリア国内に、イタリアにおいて承認された仲介金融機関を通じて株式を保有しており、リスパルミオ・ジェスチートの対象となることを選択し、又はリスパルモ・アミニストラートの対象となる場合には、適用される条約等に基づき、イタリアでの譲渡所得に対する課税を免除されるためには、速やかに必要書類(居住国の税務当局が発行した居住者であることを証する証明書を含む。)を提出し、条約等に基づき、譲渡所得が非課税とされるための要件を満たしていることを証明することを求められる可能性がある。
2023年、非居住者が不動産会社の売却に関連して得たキャピタルゲインに適用される税制が改正された。したがって、2023年以降、商品不動産および事業活動に使用される不動産以外の、イタリアに所在する不動産から直接的または間接的に得られた価値の50%超を持つ外国企業の株式の売却から生じるキャピタルゲイン(外国人が実現)は、イタリアで課税対象となる。
2025年予算法は、2025年1月から効力を有する株式の税務上の費用を再評価するオプションを導入した。具体的には、個人、「単純会社」として分類される会社、非営利事業体、及びイタリアに恒久的施設を持たない非居住者は、同年の11月までに18%の代替税の支払いを通じて(年の1月1日に保有する)株式の税務上の費用を再評価することが許容される。2026年予算法(2026 Financial Bill Law)は、近時、株式の税務上の取得原価の再評価に係る代替税率を引き上げ、2026年1月から適用される形で21%に引き上げた。
取引所税
取引所税(tassa sui contratti di borsa)は2008年2月28日法律第31号(Law No.31 of February28, 2008.)によって廃止された。
相続税及び贈与税
2001年10月18日法律第383号(Law No. 383 of October 18, 2001. 以下「法律第383号」という。)によると、イタリアの相続税及び贈与税は、従来、死亡又は贈与による証券の譲渡に伴い支払義務が発生することとされていたが、2001年10月25日に廃止され、2006年11月26日法律第286号(Law No. 286 of November 26, 2006)によって再度導入された。但し、受贈者と贈与者との関係に応じて、法律上いくつかの免除規定が定められている。
イタリアの金融取引税
イタリアの金融取引税(以下「FTT」という。)は、2012年12月24日法律第228号(Law no. 228 of 24 December 2012)の第1条第491項から第500項によって導入された。FTTは、次の金融商品の所有権の譲渡に対して課税される。
(i) イタリア居住者である会社が発行する株式、
(ii) イタリア民法第第2346条6項(sub. 6 of art. 2346 of Italian Civil Code)の規制を受ける、イタリア居住者である会社が発行する参加型金融商品、及び
(iii)(i)及び(ii)の金融商品を表象する有価証券(発行体の居住地、取引が実行された場所及び関係する当事者の居住地如何にかかわらない。)
FTTとの関係において、会社の居住地は、法律上の所在地に基づいて判断される。
FTTは、2013年3月1日以降に実行された株式の所有権の譲渡に対して適用される。FTTとの関係において、株式の所有権の譲渡は、関連する取引について実際に決済が行われた日において有効となる。FTTの支払義務者は、納税者の承諾がある場合にはこれを契約上の決済日とすることができる。
FTTは、取引価値(同一の対象者が実行した同一の金融商品にかかる日々の取引純残高 - 2013年2月21日付内閣府令(2013年2月21日付Ministerial Decree)第4条)又は各取引について支払われた対価に対して適用される。FTTは、最終取得者が支払うべきものであり、関連する取引を仲介した者には適用されない。但し、金融取引に関与した非居住対象者が、情報交換規定を満たさない国(2013年イタリア税務当局命令第26948号(Italian Tax Authorities Protocol No. 2013/26948)に基づき2013年3月1日に公表された2013年指令第26948号(Directorial Decree No. 2013/26948、その後2013年指令40010号(Directorial Decree No. 2013/40010)、2016年指令84383号(Directorial Decree No. 2016/84383)及び2016年指令89888号(Directorial Decree No. 89888/2016)により改正)が定めるリストに含まれない国をいう。)において設立されている場合には、執行された注文にかかる取得者又は最終当事者とみなされる。なお、日本は上記指定が定めるリストに含まれない。
FTT標準税率は、店頭取引については0.20%、また、規制された市場又はEU加盟国若しくはホワイトリストに含まれる欧州経済領域加盟国が設立する多角的取引機関において実行される取引については0.10%とされている。2026年予算法(2026 Financial Bill Law)は、近時、FTTの税率を引き上げ、2026年1月から適用される形で、それぞれ0.40%及び0.20%に引き上げた。
2013年2月21日付内閣府令(2013年2月21日付Ministerial Decree)第15条及び16条によると、以下の取引は、FTTの課税対象とされない:新株発行(社債の転換による場合を含む。)、贈与又は相続による譲渡、社債及び債券の譲渡、レポ取引及び有価証券の貸付け、関連当事者間の取引、更生手続(資本調達の間接税に関する2008年2月12日付の理事会指令2008/7/EC(Council Directive 2008/7/EC)第4条で定義されるところによる。)又は共同貯蓄投資法人団体の合併若しくは会社分割から派生する取引 、EU機関、ECB、EU加盟国の中央銀行又はイタリアが締結した国際協定により設立された機関が関与する取引、適格倫理的金融商品(qualifying ethical financial products)の取引、値付け(空売り及び一定のクレジット・デフォルト・スワップに関する2012年3月14日付の2012年欧州議会及び欧州評議会規則(EU)第236号(Regulation (EU) No. 236/2012 of the European Parliament and of the Council)の第2(1)(k)条で定義されるところによる。)、新規発行株式の流動性を確保するために行われる取引、インサイダー取引及び市場操作(市場における不正行為)に関する2003年1月28日付の欧州議会及び欧州評議会指令2003/6/CE(Directive 2003/6/CE of the European Parliament and Council)及び2004年4月29日付の欧州委員会指令2004/72/EC(Commission Directive 2004/72/EC)により認められた発行株式の流動性をサポートする事業体、並びに、EU加盟国若しくはホワイトリストに含まれる欧州経済領域加盟国において設立された年金基金及びその他類似の団体。
また、(売却年の前年の11月における)平均時価総額が500百万ユーロを超えない会社が規制された市場において交渉され発行する株式の取引も、FTTを免除される。内閣府令(Ministerial Decree)は、基準を満たす会社のリストを毎年12月に提供している。規制された市場/MTFにおける取引が認められた場合には、11月の平均時価総額の算出が可能となった年の翌年からリストへの参加が確認されることとなる。今年まで時価総額は500百万ユーロ未満であると推定されることから、当該取引は免除される。
FTTは、取引が実行された月の翌月16日までに、銀行、投資会社、公証人及び取引に直接関与したその他仲介機関により支払われなければならない。同一取引に複数の仲介機関が関与している場合、FTTは、取得者又は最終当事者から執行の指図を受けた仲介機関が支払わなければならない。
FTTに関する規則及び義務を遵守するため、非居住者である仲介機関は、非居住者である仲介機関と連帯して責任を負う財務代理人を選任することができる。
デリバティブ
2013年7月1日から、FTTは、その主たる価値がイタリア居住者である会社が発行する株式及び参加型金融商品に関連付けられた(50%超の場合をいう。)デリバティブの取引についても課税される(取引の実行された場所、関係する当事者の居住地如何にかかわらない。)。
FTTは、取引の各カウンターパーティによって支払われるべきものである。FTTは、デリバティブの種類及びその想定価格に応じて、所定の金額が課税される。
・ 店頭取引デリバティブについては、(1当事者ごとに)百万ユーロを超える取引につき200ユーロ以下。
・ 規制された市場又は多角的取引システムにおいて実行されるデリバティブについては、通常の課税標準に適用される税率から20%低い税率。
(2)日本における課税
日本の個人又は法人の所得が上記(1)で述べられたイタリアの租税の対象となる場合、かかる租税は、適用される租税条約、所得税法、相続税法及びその他の現行の関連法令に従い、その制限の範囲内で、当該個人又は法人が日本において支払うこととなる租税の計算上、税額控除の対象となる場合がある。
4【法律意見】
当社のイタリア法に関する法律顧問であるLatham & Watkinsから、大要以下の趣旨の法律意見書が関東財務局長宛てに提出されている。
(i)当社はイタリア法に基づき適法に設立され、有効に存続している。
(ii)本書「第一部 第1 本国における法制等の概要」(但し、「3 課税上の取扱い」を除く。)におけるイタリアの法令に関する記述(但し、税務に関する法令を除く。)は、全ての重要な点において真実かつ正確である。
当社のイタリアにおける税務顧問であるStudio Associato (KPMG)から、大要以下の趣旨の法律意見書が関東財務局長宛てに提出されている。
「第一部 第1 本国における法制度等の概要」の「3 課税上の取扱い (1)イタリアにおける税制」における記載は、イタリアの税制上の事項の概要を構成する限りにおいて、全ての重要な点において真実かつ正確である。
第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
連結財務情報の概要
以下の表には、それぞれIFRSに従い作成された2020年、2021年、2022年、2023年及び2024年12月31日に終了した事業年度の連結財務諸表から抜粋又は派生したデータが含まれる。
以下の表と併せて、当グループの財務諸表、本書のその他の箇所に含まれる関連注記、「第3-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」、及び「第6 経理の状況」に含まれる情報を読むことを推奨する。
年次連結財務諸表の概要
財政状態計算書のデータ
| 12月31日現在 | |||||
| 2021(1) | 2022年(2) | 2023年(3) | 2024年(4) | 2025年(5) | |
| (単位:百万ユーロ) | |||||
| 非流動資産………………………… | 2,804.0 | 3,018.3 | 3,085.0 | 3,303.1 | 3,586.9 |
| 流動資産…………………………… | 1,464.0 | 1,621.0 | 1,907.0 | 2,201.5 | 2,372.6 |
| 資産合計…………………………… | 4,268.0 | 4,639.3 | 4,992.0 | 5,504.6 | 5,959.5 |
| 親会社株主に帰属する持分……… | 2,499.0 | 2,902.2 | 3,214.3 | 3,586,6 | 3,849.7 |
| 非支配持分………………………… | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 |
| 資本合計…………………………… | 2,499.1 | 2,902.3 | 3,214.4 | 3,586.7 | 3,849.8 |
| 非流動負債………………………… | 874.3 | 773.3 | 767.2 | 899.2 | 1,130.0 |
| 流動負債…………………………… | 894.6 | 963.7 | 1,010.4 | 1,018.7 | 979.8 |
| 資本及び負債合計………………… | 4,268.0 | 4,639.3 | 4,992.0 | 5,504.6 | 5,959.5 |
(1) 2021年12月31日に終了した事業年度当時の当グループの連結財務諸表からのデータ。
(2) 2022年12月31日に終了した事業年度当時の当グループの連結財務諸表からのデータ。
(3) 2023年12月31日に終了した事業年度当時の当グループの連結財務諸表からのデータ。
(4) 2024年12月31日に終了した事業年度当時の当グループの連結財務諸表からのデータ。
(5) 2025年12月31日に終了した事業年度当時の当グループの連結財務諸表からのデータ。
損益計算書のデータ
| 連結財務諸表 | |
|---|---|
| 12月31日に終了した事業年度 | |
| (単位:百万ユーロ) |
| 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高(収益)……………… | 2,046.1 | 2,602.9 | 2,984.2 | 3,108.9 | 3,132.1 | |
| 売上原価……………………… | (479.2) | (615,0) | (683.4) | (682.3) | (685.9) | |
| 売上総利益…………………… | 1,566.9 | 1,987.8 | 2,300.8 | 2,426.6 | 2,446.2 | |
| 販売費………………………… | (608.5) | (757.4) | (868.1) | (937.3) | (956.0) | |
| 一般管理費…………………… | (237.1) | (284.0) | (331.2) | (351.7) | (357.4) | |
| マーケティング費…………… | (142.1) | (171.9) | (207.7) | (221.2) | (219.4) | |
| 株式報酬費用………………… | - | - | - | - | - | |
| 営業活動に係る利益………… | 579.2 | 774.5 | 893.8 | 916.3 | 913.4 | |
| 金融収益(費用)純額……… | (21.6) | (27.2) | (23.2) | (6.5) | (26.2) | |
| 税引前収益…………………… | 557.6 | 747.3 | 870.6 | 909.8 | 887.2 | |
| 法人所得税…………………… | (164.1) | (140.6) | (258.7) | (270.2) | (260.5) | |
| 当期純利益…………………… | 393.5 | 606.7 | 611.9 | 639.6 | 626.7 | |
| 非支配持分利益……………… | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 393.5 | 606.7 | 611.9 | 639.6 | 626.7 |
キャッシュ・フローのデータ
以下の表は、2021年、2022年、2023年、2024年及び2025年12月31日に終了した事業年度にかかる当社のキャッシュ・フローを、当グループの監査済連結財務諸表から抜粋したものである。
| 12月31日現在 | |||||
| 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
| (単位:百万ユーロ) | |||||
| EBIT | 603.1 | 774.5 | 893.8 | 916.3 | 913.4 |
| 減価償却費及び償却費 | 88.8 | 105.6 | 114.2 | 120.7 | 121.6 |
| その他の非流動資産(負債) | 11.8 | 14.6 | 15.3 | 16.0 | (1.9) |
| 運転資本の変動 | 92.3 | (42.8) | (48.5) | (15.3) | (48.1) |
| その他短期及び長期債権/債務の変動 | 51.8 | (212.3) | 3.7 | (18.6) | 5.7 |
| 資本支出(純額) | (124.7) | (167.1) | (174.1) | (186.7) | (215.6) |
| 営業活動に用いられた/から得られた キャッシュ・フロー | 723.1 | 472.5 | 804.4 | 832.4 | 775.1 |
| 正味キャッシュ・フロー | (2.1) | (4.0) | 5.8 | 24.9 | 14.4 |
| 法人所得税 | (170.7) | (140.8) | (260.8) | (269.8) | (260.5) |
| フリー・キャッシュ・フロー | 550.3 | 327.7 | 549.4 | 587.5 | 529.0 |
| 配当 | (120.7) | (161.0) | (303.4) | (311.0) | (353.2) |
| ストーン・アイランド取引 | (551.1) | - | - | - | - |
| 資本の変動及びその他の変動 | (4.2) | (78.1) | (30.5) | (1.4) | (26.4) |
| キャッシュ・フロー純額合計 | (125.7) | 88.6 | 215.5 | 275.1 | 149.3 |
| 期首の正味の金融資産(負債) | 855.3 | 729.6 | 818.2 | 1,033.7 | 1,308.8 |
| 期末の純金融負債 | 729.6 | 818.2 | 1,033.7 | 1,308.8 | 1,458.0 |
| 正味の金融資産(負債)の総変動額 | (125.7) | 88.6 | 215.5 | 275.1 | 149.3 |
2【沿革】
当社は、イタリア法に基づき、フオーリ・ダル・サッコ・エスアールエル(Fuori dal Sacco S.r.l.)という名称のイタリア法上の有限責任会社であるソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタタ(società a responsabilità limitata)として2004年12月30日に設立された。当社の名称は、2008年12月31日にモンクレール・エスアールエル(Moncler S.r.l.)へ変更され、また、2011年3月25日に当社は、当時計画され後に中止されたMTAへの上場に関連して、イタリア法上の株式会社であるソシエタ・ペル・アジオニ(società per azioni)に組織変更された。上場が中止となった結果、2011年7月8日において、当社は、モンクレール・エスアールエル(Moncler S.r.l.)という名称のイタリア法上の有限責任会社であるソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタタに再度組織変更された。2013年9月23日の株主総会において、当社の株主は、MTAへの上場に関連して、当社をイタリア法上の株式会社であるソシエタ・ペル・アジオニに組織変更することを決議した。当社は、2013年10月1日付でモンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A)という名称のソシエタ・ペル・アジオニへと組織変更され、2013年10月2日に会社登記簿に登記された。
モンクレールブランドの沿革
1952年 誕生
モンクレールの名称は、そのルーツに由来する。すなわち、フランス、グルノーブル近郊の山村、モネスティエ・ド・クレルモン(Monestier-de-Clermont)の略称であり、モンクレールは、この地でルネ・ラミリオン(René Ramillon)とアンドレ・ヴィンセント(André Vincent)により創設された。創業当初、高地で作業する労働者のニーズに応え、キルティング加工の寝袋、裏地付きフード付きケープやテントを製造していた。モンクレールの初期のジャケットは、こうした労働者を過酷な環境から保護する目的で考案されたものである。
1954年 遠征
フランスの登山家リオネル・テレー(Lionel Terray)がモンクレール製品の優れた機能性に着目し、モンクレー・プル・リオネル・テレー(Moncler pour Lionel Terray)というスペシャリストシリーズが誕生する。1954年には、モンクレールのコートは、登山家アキレ・コンパニョーニ(Achille Compagnoni)とリノ・ラセデリ(Lino Lacedelli)が率いるK2へのイタリア遠征隊の装備として採用される。さらに、1955年にはマカリュへの遠征隊、1964年にはアラスカへの遠征隊にも、モンクレールのコートが採用される。
1968年 オリンピック
モンクレールがグルノーブル冬季オリンピックでフランスのダウンヒルスキーチームの公式サプライヤーに選定される。
1980年代 シティ・アイコン
1980年代には、モンクレールは都市に進出し、若者の象徴的な衣服となる。
2003年 レモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)による買収
レモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)がモンクレールを買収し、ブランドのルーツと伝統を尊重しつつ、ラグジュアリーブランドとしての地位確立に向けたグローバルな展開戦略を開始する。
2006年 オートクチュール
2006年にモンクレール・ガム・ルージュ(Moncler Gamme Rouge)、2009年にモンクレール・ガム・ブルー(Moncler Gamme Bleu)が発表され、これらのオートクチュールコレクションの展開により、モンクレールのブランド領域が一層拡大する(これらのコレクションは、2017年に終了)。また、2010年には、創業当初の実用的ウェアを現代的に再解釈し、ゲレンデ内外での着用に適した実用性とファッション性を兼ね備えたモンクレール・グルノーブル(Moncler Grenoble)のコレクションが、ニューヨークで披露される。
2013年 上場
2013年12月16日、モンクレールはイタリア証券取引所に上場する。株式は10.2ユーロで公募され、初日に40%以上上昇し、近年におけるヨーロッパ最大のサクセスストーリーを象徴するものとなる。
2018年 モンクレール・ジーニアス
モンクレールは、外部デザイナーとのコラボレーション、月次のエディトリアル・プロジェクトやコレクション発表を通じてコミュニティとの継続的な対話と関与を図り、デジタル時代におけるブランドの影響力と存在意義を再定義する革新的なクリエイティブ・コミュニケーション・プロジェクト「モンクレール・ジーニアス(Moncler Genius)」を立ち上げる。
2020年 ストーン・アイランドがモンクレールグループに参画
12月、モンクレールはストーン・アイランドの買収にかかる契約を締結したことを発表する。この契約は2021年3月31日にファイナライズされ、ストーン・アイランドはモンクレールグループの一員となる。
2022年 ブランドの3つの次元への進化と70周年
モンクレールは、新たな章をスタートさせ、モンクレール・コレクション(Moncler Collection)、モンクレール・グルノーブル(Moncler Grenoble)、モンクレール・ジーニアス(Moncler Genius)という3つの次元にブランドを進化させた。同じ年に、モンクレールは、70周年を記念して、ミラノで最も象徴的な場所であるドゥオーモ広場での特別なイベント、特別商品の発表、コミュニティを魅了し結びつけることを目的とした70日間のイベントや世界規模の体験プログラムを開催する。
2023年 モンクレール・ジーニアスの共同クリエーションプラットフォームへの進化
2023年、モンクレール ジーニアスは、アート、デザイン、エンターテインメント、音楽、スポーツ、文化など、さまざまな業界のパートナーと連携し、ブランドに新たなエネルギーとラグジュアリーの世界に新たな意味をもたらす共創プラットフォームへと進化した。
ストーン・アイランド・ブランドの沿革
1982年 誕生
ストーン・アイランドの最初のコレクションは、軍服にインスピレーションを受けたマッシモ・オスティ(Massimo Osti)の創造性から生まれ、Tela Stella(海と太陽によって腐食されたワックスドジャケットを想起させる生地であり、この生地はヘビーストーンウォッシュを施した、硬質、フルボディ、かつ、2面2色のトラックターポリンの研究により作り出された)を用いて制作された。ストーン・アイランド・ブランドを象徴するバッジ(Stone Island Compass Roseを示すファブリックラベル)が付されている。
1983年 グルッポ・フィナンジアリオ・テッシレによるストーン・アイランド・ブランドの50%の持分の取得
リヴェッティ(Rivetti)家によって管理されるイタリアの会社、グルッポ・フィナンジアリオ・テッシレ(Gruppo Finanziario Tessile)が、ストーン・アイランド・ブランドの50%の持分を取得した。これにより、テキスタイル・ファブリックの処理、衣服の染色技術に関する極端な研究を特徴とするブランドの美学が創設された。
1993年 リヴェッティ家による買収
カルロ・リヴェッティ(Carlo Rivetti)が、妹のクリスティーナ・リヴェッティ(Christina Rivetti)とともに、スポーツウェア・カンパニー・エスピーエー(Sportswear Company S.p.A.)を通じてストーン・アイランド・ブランドの持分を全て取得した。1996年には、ポール・ハーヴィー(Paul Harvey)がブランドのデザイナーに任命された。
2005年 ジュニアコレクション
2歳から14歳の子供からティーンエイジャー向けのストーン・アイランド・ジュニア(Stone Island Junior)を発表。
2008年 拡大
カルロ・リヴェッティ(Carlo Rivetti)がクリエイティブ・ディレクションを引き継ぐ。世界45か国からアクセス可能なEコマースプラットフォームstoneisland.comを立ち上げる。また、ストーン・アイランド・シャドー・プロジェクト(Stone Island Shadow Project)を発表する。このプロジェクトは、新世代のアーバンメンズウェアのための探求プラットフォームで、新しい美的・機能的なコードを継続的に調査している。
2017年 テマセク
シンガポールを拠点とする投資会社であるテマセク(Tesmasek)が、スポーツウェア・カンパニー・エスピーエー(Sportswear Company S.p.A.)の持分の30%を取得。
2020年 モンクレールグループに参画
12月、ストーン・アイランドは、モンクレール・グループ傘下に入ることを発表した。
2022年 40周年
ストーン・アイランドは、40周年を記念して、特別商品の発売とマイアミでの象徴的なインスタレーションを行い、その後、ブランドの主要なすべてのコミュニティを巻き込んだイベントを開催した。
2023年 ロバート・トリファスがストーン・アイランドのCEOに就任
ロバート・トリファス(Robert Triefus)がストーン・アイランドのCEOに就任した。彼のリーダーシップのもと、ストーン・アイランドは世界的な反響を呼び、独自のポジショニングを強化するため、ブランド進化の新たな章をスタートさせた。
2024年 新たなグローバル・コミュニケーション・キャンペーンとEコマースの国際展開
2024年は、ストーン・アイランドにとって新たな進化の章の幕開けとなった。これは1月のミラノファッションウィーク中に、新たなグローバル広告キャンペーンを立ち上げ、ブランドマニフェスト「The Compass Inside」を発表することで正式に幕を開けた。さらに、ストーンアイランドはeコマース(.comサイト)の内製化を完了し、ブランドストーリーテリングと顧客体験の向上を目的としたプラットフォームの新たなフロントエンドコンセプトを導入した。
3【事業の内容】
当事業年度末日現在の当グループを構成する企業群は、以下の図のとおりである。
当グループの2025年12月31日に終了した事業年度にかかる連結財務諸表には、親会社である当社、インダストリーズ・エスピーエー(Industries S.p.A.)、スポーツウェア・カンパニー・エスピーエー(当社が直接支配する中間持株会社Sportswear Company S.p.A.)、及び親会社が議決権の過半数を間接的に保有し、支配権を行使し、若しくは財務若しくは営業方針を支配する権限を通じて利益を得ることができる50の連結子会社が含まれる。関連会社であるALS Luxury Logistic S.r.l.は30%の持分を保有しており、連結対象ではなく、持分法を使用して会計処理されている。各社の詳細については、「第6-1 財務書類」財務情報の注記3を参照のこと。
| Moncler S.p.A. | モンクレール及びストーン・アイランド・ブランドを保有する親会社 |
|---|---|
| Industries S.p.A. | 海外法人及び販売チャネルの運営(並びにイタリアにおける卸売及び小売)に直接関与するモンクレール・ブランドの中間持株会社及びモンクレール・ブランドのライセンシー |
| Industries Yield S.r.l. | アパレル製品製造会社 |
| Moncler Asia Pacific Ltd | 香港及びマカオにおける直営店(以下「DOS」という。)の運営会社 |
| Moncler Australia PTY Ltd | オーストラリアにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Belgium S.p.r.l. | ベルギーにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Brasil Comércio de moda e acessòrios Ltda. | ブラジルにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Canada Ltd | カナダにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Denmark ApS | デンマークにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Deutschland GmbH | ドイツ及びオーストリアにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler España S.L. | スペインにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler France S.à.r.l. | フランスにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Holland B.V. | オランダにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Hungary KFT | ハンガリーにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Ireland Limited | アイルランドにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Istanbul Giyim ve Tekstil Ticaret Ltd. Sti. | トルコにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Japan Corporation | 日本におけるDOSの運営並びに商品の流通及びプロモーションを行う会社 |
| Moncler Kazakhstan LLP | カザフスタンにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Korea Inc | 韓国におけるDOSの運営並びに商品の流通及びプロモーションを行う会社 |
| Moncler Malaysia SDN. BHD. | マレーシアにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Mexico, S. de R.L. de C.V. | メキシコにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Mexico Services, S. de R.L. de C.V. | 清算手続中の会社 |
| Moncler Middle East FZ-LLC | 中東地域における持株会社 |
| Moncler New Zealand Limited | ニュージーランドにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Norway AS | ノルウェーにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Prague s.r.o. | チェコにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Shanghai Commercial Co. Ltd | 中国におけるDOSの運営会社 |
| Moncler Singapore Pte. Limited | シンガポールにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Suisse SA | スイスにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Sweden AB | スウェーデンにおけるDOSの運営会社 |
| Moncler Taiwan Limited | 台湾地域におけるDOSの運営会社 |
| Moncler UAE LLC | アラブ首長国連邦におけるDOSの運営会社 |
| Moncler UK Ltd | 英国におけるDOSの運営会社 |
| Moncler Ukraine LLC | ウクライナにおいてDOSを運営していた会社(現在は休眠状態) |
| Moncler USA Inc. | 北米におけるDOSの運営並びに商品の流通及びプロモーションを行う会社 |
| Moncler (Thailand) Co., Ltd. | タイにおけるDOSの運営会社 |
| White Tech Sp.zo.o. | ダウンの品質管理を行う会社 |
| Sportswear Company S.p.A. | 子会社Stone Island Distribution S.r.l.を通じて、海外法人及び販売チャネルの運営(並びにイタリアにおける卸売及び小売)に直接関与するストーン・アイランド・ブランドの中間持株会社及びストーン・アイランドブランドのライセンシー |
| Stone Island Amsterdam B.V. | マレーシアにおけるDOSの運営会社 |
| Stone Island Antwerp B.V.B.A. | ベルギーにおけるDOSの運営会社 |
| Stone Island Austria GmbH | オーストリアにおけるDOSの運営会社 |
| Stone Island Canada Inc | カナダにおけるDOSの運営会社 |
| Stone Island China Co., Ltd | 中国におけるDOSの運営会社 |
| Stone Island España S.L. | スペインにおけるDOSの運営会社 |
| Stone Island France S.a.s.u. | フランスにおけるDOSの運営会社 |
| Stone Island Germany GmbH | ドイツ及びオーストリアにおける代理店並びにドイツにおけるDOSの運営会社 |
| Stone Island Hong Kong Limited | 香港におけるDOSの運営会社 |
| Stone Island Japan Inc. | 日本におけるDOSの運営並びに商品の流通及びプロモーションを行う会社 |
| Stone Island Korea Co., Ltd | 韓国におけるDOSの運営並びに商品の流通及びプロモーションを行う会社 |
| Stone Island Macau Limited | マカオにおけるDOSの運営会社 |
| Stone Island (UK) Retail Ltd. | 英国におけるDOSの運営会社 |
| Stone Island Suisse SA | 清算手続中の会社 |
| Stone Island Sweden AB | スウェーデンにおけるDOSの運営会社 |
| Stone Island USA Inc | 米国におけるDOSの運営並びに商品の流通及びプロモーションを行う会社 |
| Stone Island Denmark ApS | デンマークにおけるDOSの運営会社 |
モンクレール・グループ
モンクレール・グループは、「モンクレール」と「ストーン・アイランド」という2つのブランドを擁し、従来の枠組みにとらわれることなく、常に独自性、創造性、革新性を追求することで、新しいラグジュアリーコンセプトを表現している。
また、当グループは、企業サービスとノウハウを集結して各ブランドを支援するとともに、芸術、文化、音楽、スポーツを含む多様な分野からのインスピレーションを取り入れ、本物志向とコミュニティとの深い結びつきに基づく強固なブランド・アイデンティティの維持を図っている。
主要な国際市場のすべてにおいて事業を展開し、直営の実店舗とオンラインストアに加え、セレクトショップ、百貨店、オンライン小売業者を通じて、世界70カ国以上で各ブランドのコレクションを販売している。
モンクレール・ブランド
モンクレールは1952年、フランス、グルノーブル近郊の山岳地帯にある小さな村、モネスティエ・ド・クレルモンで誕生した。
2003年、レモ・ルッフィーニはモンクレールを買収し、リポジショニングのプロセスをスタートさせ、モンクレールはさらに際立ったスタイルを確立し、当初の機能性やアウトドアに特化した製品ラインから、性別、年齢、アイデンティティ、文化を問わず、誰もがあらゆる場面で着用できる汎用性の高い製品ラインへと進化を遂げた。アウターウェアは依然としてブランドを象徴するカテゴリーでありながら、補完的な製品と徐々にかつ自然に融合していった。レモ・ルッフィーニのリーダーシップのもと、モンクレールは、「山で生まれ、都会で暮らす」というモットーに導かれたブランドのDNAに常に忠実でありながら、ユニークで最高品質、汎用性が高く、常に進化し続ける製品を生み出すことを目指す哲学を追求している。
創造性、独自性の探求、品質、及びエネルギーは、常にモンクレールブランドの特徴であり、長年にわたり、世界中の多くの消費者との開かれた対話を求め続け、そのDNA、伝統、アイデンティティを一貫させながら進化してきた。
ストーン・アイランド・ブランド
素材研究、革新、機能性の文化は、常にストーン・アイランドを定義してきた価値観である。1982年、マッシモ・オスティによって設立されたストーン・アイランドは、エミリア・ロマーニャの小さな町ラヴァリーノにセンターオブエクセレンスを構え、革新的なデザインに応用された繊維と生地に関する究極の研究の象徴となることを目指している。
ストーン・アイランドは、フォルムの研究と素材の「扱い」を通じて、極限の研究と最大限の機能性を創設の柱とする独自の言語を見出している。ストーン・アイランドの各アイテムは、実験と使いやすさ、素材研究と合理性の完璧な融合から生まれる。制服や作業着の研究は、衣服の機能が美学を超えるというコンセプトを定義するストーン・アイランドの観測所となった。
長年にわたって、繊維と生地の変質と高級化に関する継続的で綿密な調査や、連続的な染色実験を通じて完成した衣服に介入する独自の能力に関する継続的で綿密な調査により、これまで使用されたことのない素材と生産技術の発見や60,000種類以上の染料レシピの開発がされている。
価値観
モンクレール・ブランド
モンクレールは、常に進化し続けるブランドであり、再発明と継続的な発展に向かって突き進んでいる。モンクレールの価値観は、常にブランドのアイデンティティに忠実でありつつも、時とともに新しい意味を有している。
モンクレールの企業文化の根底には、私たち一人一人の内に秘められた非凡な可能性を引き出すという、究極の目的がある。
このユニークさは、常に挑戦的な目標を設定することへの取り組み、すべての人の才能の祝福、すべての行動が社会や環境に影響を与えることの自覚、すべての関係において温かさを生み出す能力、そして時代を超えてブランドを差別化する努力に基づいている。
モンクレールの5つの価値
常により高い目標を目指す
我々は、個人として、またチームとして、常により良いものを目指して努力する。卓越したものを継続的に追求し、常に学習し、新しい基準を設定する。我々に終わりはない。
ひとつの家、すべての者の声
我々は皆の才能を輝かせながら、その声を届けることを大切にしている。我々はあらゆる視点を尊重し、多様性を活用し、すべての声を歌わせることですべての世代に話しかける。我々は、美しいハーモニーを奏でるのである。
狂気を受け入れる
我々は時代を超えたブランドの差別化を目指している。我々は型破りでユニークである。我々は内なる天才、我々の創造力を育む。我々は大胆な夢、クレイジーで到達不可能なアイディアを常に厳格に実現する。本当に素晴らしいものはすべてクレイジーと思われる発想から生まれることが多いと信じており、我々はエネルギーを養っている。
常に暖かくあること
我々は人々を暖かく保つために生まれた。我々は、我々が作り出す物から、我々が築く関係まで、我々が行うすべてのことに人間的なつながりの温かさをもたらす。我々は、共感と信頼をもって、大小さまざまな人々の業績を祝福する。
未来を創造し、守る
我々は、ポジティブで、より明るく、より良い未来を信じている。我々は、有意義かつ本当の変化をもらたすエージェントである。我々は、世界が直面する社会的及び環境的課題に立ち向かい、それに取り組む。
ストーン・アイランド・ブランド
ストーンアイランドは、世代、地理、文化との独自の普遍的な交わりを通じてブランドを中心に成長してきたコミュニティと結びついた継続的な研究と革新への取り組みを通じて、LAB &LIFE を代表する存在となった。
LABとLIFEのカルチャー
LABとは、繊維や生地の変形や強化に関する絶え間なく、深遠で、限りのない研究であり、これにより、これまで衣料品業界で使われることのなかった新しい素材や生産技術を発見する。
LIFEとは、ストーン・アイランドを身につけることを誇りに思う人々の生きた経験、アイデンティティ、コミュニティである。それは、ユニフォームや作業着の研究から生まれた、認識可能な強い美学を、新しいニーズを念頭に置いて再構築し、衣服の機能が単に美学にはとどまらないプロジェクトを定義するのである。
終わりのないノウハウに対する終わりのない情熱
製品を中心に据えた理念は、ストーン・アイランドのコレクションに浸透しており、また、当社の内外を問わず、ブランドを生きるすべての人々に浸透している。
当グループの戦略
当グループは、ブランドのアイデンティティと自律性を尊重しつつ、シナジーとスケールメリットの最大化を通じて各ブランドの成長可能性を支え、さらなる向上を実現するための組織、企業構造を採用している。
当グループの戦略は、次の5つの柱に支えられている。
卓越性価値の維持
当グループは、創造性、品質及びブランド・エクイティが形成される中核的かつ戦略上重要なプロセスを大切にし、最大限活用している。デザイン及び研究開発から、試作、自社及び厳選パートナーによる生産、流通、さらには顧客体験に至るまで、全てのプロセスにおける統制権を保持し、各段階で最高水準が具現化される体制を確立している。これにより、長年にわたり技術的及び産業的な職人技の価値を重視し、確固たる社内ノウハウを蓄積してきた。
コミュニティと文化的関連性の育成
当グループは、帰属意識の育成と世界規模での共感の拡張を実現する文化的エコシステムの構築に取り組んでいる。モンクレール及びストーンアイランドは、より深いエンゲージメントを生み出すため、価値あるブランド体験の提供に注力している。個々の顧客(オーディエンス)をコミュニティへと発展させることにより、両ブランドは従来の顧客関係を超越した、より強固な関係性を構築している。
未来を創設するイノベーションの推進
当グループにおけるイノベーションは、創造性や工業的な職人技から、デジタル・エコシステム、さらにその先に及ぶまで、全事業領域を横断する基本的なマインドセットである。綿密なリサーチと高度な技術的専門性、伝統とビジョンの融合を通じて、モンクレール及びストーンアイランドは文化的・創造的イノベーションの最前線に立ち、実験的な取組みを規律ある価値創造の原動力へと深化させている。
定評と一貫性のあるマルチチャネル体験
当グループは、あらゆる顧客接点を真のブランド体験へと転換する統合されたマルチチャネル流通モデルを採用している。これにより、小売りの枠組みを超え、各ブランドの世界観を総合的に体感することが可能となる。この方法は、洗練された文化的価値の高い立地に構える各ブランド店舗独自のグローバルネットワーク、厳選されたビジネスパートナー、各ブランドのアイデンティティを世界規模で具現化する統合型デジタルプラットフォームを有機的に組み合わせたものである。オンライン、オフラインの各チャネルは、統合されたオムニチャネル戦略のもとで運用され、モンクレール及びストーンアイランドの価値を反映した、パーソナライズされた一貫性のある顧客体験を提供している。同時に、最先端の技術革新を活用した継続的な取組みを推進している。
責任ある成長
当グループでは、長期的な成功は、共有価値の創出を通じて実現されるとの信念に基づき、成果の価値を、結果のみならず、その過程の観点からも評価する。環境及び社会的要因は、同グループのビジネスモデルに不可欠な要素として位置づけられ、その運営に組み込まれることで、組織全体の意思決定、業務プロセス及びステークホルダーとの関係性の形成に反映されている。
ビジネスモデル
モンクレールの統合された柔軟なビジネスモデルは、最大の付加価値をもたらすフェーズを直接制御することを目的としており、常に高まる品質と消費者の満足度の追求をすべての業務の中心に据えている。
モンクレールブランド
モンクレールのコレクション
モンクレールの成功は、ユニークなブランド戦略に基づいており、それは、ブランドの歴史に強く根付いた革新的な製品を開発することを目的としている。2003年にレモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)による買収から始まったこの旅は、常に首尾一貫しており、妥協することなく追求されてきた。創造性、独自性の探求、品質、イノベーションは、モンクレールで「ラグジュアリー」に対するビジョンを定義づける中核である。
モンクレールの独自のブランド世界は、モンクレール・コレクション(Moncler Collections)、モンクレール・グルノーブル(Moncler Grenoble)、モンクレール・ジーニアス(Moncler Genius)という、性格の異なる3つのラインから構成され、これらが相互に補完しあうことで形成されている。
ブランドのシグネチャーである主要製品のモンクレール・コレクション(Moncler Collections)は、季節やトレンド、世代を超越するデザインを志向し、都会のライフスタイルに調和するモダンなアイコンを提案する。山から街へと連なる旅の精神を体現し、ブランドの核である高級アウトドアDNAを源泉として、時代を超えて愛されるエレガンスと機能性、さらには卓越した職人技を融合させている。
モンクレール・グルノーブル(Moncler Grenoble)は、ブランドルーツの山岳文化を色濃く受け継ぎ、ゲレンデ内外のあらゆるシーンを想定して設計されたラインであり、高い機能性と洗練されたスタイルを融合している。技術革新の最前線に立ち続けてきたブランドの歴史をさらに深化させるとともに、スキーウェアをはじめ、快適性を重視したアフタースキーウェア、自然環境下でのアクティビティに適した軽量なレイヤリングスタイルに至るまで、季節や用途を問わず幅広く対応するコレクションを展開する。
モンクレール・ジーニアス(Moncler Genius)は、芸術、デザイン、エンターテインメント、音楽、テクノロジー、スポーツ及び文化が交差する領域において、可能性の限界に挑み、新たな価値を共に創るラインである。ファッションやラグジュアリーの枠を超え、世界最高峰のクリエイターやコミュニティと共鳴し、創造性を最大限に解き放つ。
これら3つの側面は、メンズ、ウィメンズ、アンファンの各コレクションにおいて一貫して表現されており、ブランドのDNAを体現するとともに、グローバル及びローカル双方の顧客の多様なニーズに応えている。さらに、モンクレールの製品ラインは、フットウェア、バッグ、バックパック、アクセサリー、アイウェア、フレグランスにまで拡張され、ブランドの世界観を一層豊かなものとしている。
モンクレールのデザイナーのチームは、コレクションごとに組織され、デザインガイドラインを設定し、それらがすべてのコレクションと製品カテゴリーにわたって均一に実装されることを確実にするレモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)の厳密な監督下で運営されている。モンクレールデザイン部門は、商品化及び製品開発チームに支えられ、デザイナーの創造的なアイデアを最終製品として具現化する役割を担っている。
モンクレール‐製造
モンクレールの製品は、最大の価値が付加されているすべてのフェーズを直接制御できるビジネスモデルに基づいて設計、製造、配布されている。
モンクレールは、創作フェーズ、原材料の購入、プロトタイプの開発を直接管理している。アウターウェアとニットウェアという2つの主要な製品カテゴリは、一部が社内で管理され、一部が「カット・メイク・トリム」フェーズを担当するサードパーティーの製造業者(ファソン製造業者)に割り当てられている。また、アクセサリーと靴については、モンクレールは、サードパーティーの製造業者を使用している。
原材料の購入はバリューチェーンの主要分野の1つである。すべての原材料は、業界最高の品質基準を満たし、革新的で、高度な機能性と美しさを提供できるものでなければならない。モンクレールは、ヨーロッパ、北米、アジアから最高級のホワイトグースダウンのみを仕入れている。テキスタイルや衣服アクセサリー(ボタン、ジップなど)は、主にイタリアと日本で購入している。
モンクレールは現在、300以上の原材料サプライヤーを使用しており、上位30のサプライヤーが、発注額ベースで総調達額の80%以上を占めている。
アウターウェアの「裁断・縫製・仕上げ」工程は、外部委託メーカー(ファソン製造業者)に加え、トレバセレゲ及びピオンビーノ・デゼ(パドヴァ)に所在する自社工場、現在2,200名以上の従業員を雇用するルーマニアの生産拠点において実施されている。ルーマニアの生産拠点は、2015年に設立され、その後2016年に現在の場所に移転され、2022年には生産能力を大幅に向上させるために拡張された。また、研究開発への投資により、アウターウェアの生産工程の一部を自動化し、処理時間を短縮することも続けている。イタリアの生産拠点は2021年に設立され、生産ラインは2交代制で稼働しているほか、リーン生産方式やインダストリー4.0に着想を得た技術を採用することで、プロセスの管理と継続的な改善を確保し、持続可能性や地域社会への価値創造にプラスの影響をもたらしている。
2024年には、イタリアのヴェネト州にニットウェア専用の新工場を開設した。ニットウェアは現在、収益貢献度で2番目に重要な製品カテゴリーとなっている。モンクレールはこの新工場の開設により、この事業における社内管理の割合を段階的に拡大し、バリューチェーン全体にわたる品質とサステナビリティの管理をさらに強化することを目指している。新技術の導入により、製造プロセスの最適化が進み、高い品質基準の維持と生産効率の向上が確保されている。あわせて、本施設は研究開発においても中核的な役割を担っており、とりわけ新素材となる糸の開発や、最先端の製造技術の導入・応用に注力している。
モンクレールと協働するサードパーティサプライヤー(ファソン製造業者)は、主にダウンジャケットの生産のために世界最高水準の品質基準を確保できる東欧諸国に存在する。モンクレールは、製品の品質、ブランド保護ならびに現行法、Moncler倫理綱領及びサプライヤー行動規範の遵守に関する側面をチェックすることを目的とした監査を実施することにより、これらのサプライヤーを直接監督している。製造については、モンクレールは、125のサプライヤーを使用しており、ファソン製造業者と完成品製造業者に分かれている。上位30のサプライヤーが総調達額の約80%を占めている。
ダウン
当社の歴史の中で、ダウンはモンクレールのアウターウェアの中心であり、徐々にブランドそのものと見なされてきた。
長年の経験と継続的な研究開発の組み合わせにより、当社は原材料としてのダウンと衣服製造プロセスに関する知識の両面で、この分野で独自の専門知識を得ることに成功した。
モンクレールは、すべてのサプライヤーが最高品質基準に準拠していることを保証している。長年に渡って、これらの基準は、製品の差別化の重要なポイントであり続けている。ブランドの衣服には最高級のホワイトグースダウンのみが使用される。
ファインダウンコンテンツと「フィルパワー」はダウン品質の主な指標である。モンクレールダウンは少なくとも90%の細かいダウンを含み、暖かく、柔らかく、軽くユニークな快適な衣服に最適な710(ダウン30グラム当たりの立方インチ)以上のフィルパワーを誇る。
ダウンの各バッチには、最も厳しい国際基準と当社が課した厳しい品質要件に基づいて設定された11の重要なパラメータを遵守しているかどうかを評価するための2段階チェック手順が適用される。2025年には950回を超えるテストが行われた。
しかし、当社にとって「品質」はそれ以上の意味を有するものである。ダウンの原料と動物福祉の尊重もモンクレールの基本である。原材料を調達し購入する際、モンクレールはこれらの側面を素材そのものの品質と同じくらい重要と考えている。2016年以降、モンクレールのダウンはすべてDISTの内部議定書に基づき認証されている(dist.moncler.comを参照)。
モンクレール‐販売
モンクレールは、直営店舗(DOS。独立型販売店、コンセッション、トラベルリテール店、ファクトリー・アウトレットを含む。)、オンラインストア、Eコンセッションからなる小売チャネルと、マルチブランドドア、高級百貨店や空港、高級マルチブランド販売店(Eテーラー)にあるショップ・イン・ショップからなる卸売チャネルを通して、主要市場に出店している。
モンクレールの戦略は、小売だけでなく卸売やデジタルの分野においても、直接組織を通じて運営されている流通チャネルの管理を行うことである。
2025年12月31日現在、モンクレールのモノブランドブティックネットワークは直営店(DOS)が295店舗となり2024年12月31日と比較して9店舗純増となった。モンクレールブランドは、卸売店として49店舗運営しており、2024年12月31日と比較して7店舗純減となった。
| モンクレール | 2025年度 | 2024年度 | 2025年度の 純増減数 |
|---|---|---|---|
| アジア | 146 | 143 | 3 |
| ヨーロッパ・中東・アフリカ | 98 | 96 | 2 |
| アメリカ諸国 | 51 | 47 | 4 |
| 小売店 | 295 | 286 | 9 |
| 卸売 | 49 | 56 | -7 |
モンクレールは、デジタルチャネルの発展も続けている。2021年に.comサイトの内製化を完了し、続いてプラットフォームの新しいフロントエンド・コンセプトを導入した。、その後も継続的なアップデートを通じて進化を続けており、顧客体験とその一連の接点の質を高めている。2025年には、刷新された「Moncler.com」をローンチした。これは、オンライン体験を再定義する新たなデジタル拠点であり、従来の販売チャネルから、AIの活用により製品を中核に据えたプラットフォームへと進化した。
モンクレール‐マーケティング及びコミュニケーション
モンクレールは山で生まれた。守るため、温めるために生まれたのである。極限に立ち向かうために生まれたのである。モンクレールは、本質的にダイナミックな企業であり、破壊的な創造性を通して、常に革新への飽くなき追求を原動力としてきた。
ラグジュアリーの限界を押し広げ、かつてない領域へと届けるという明確な使命を掲げるモンクレールは、あらゆる活動において創造性を発揮している。より高い目標を追求し、新たな声を歓迎し、最も大胆な側面を探求している。創造性とパフォーマンスの可能性を常に再定義し続けるモンクレールは、ラグジュアリーブランドという枠をはるかに超える、非凡なブランドとしての地位を確立することを目指している。
今日、モンクレールはそのポテンシャルを最大限に発揮するために、モンクレール コレクション、モンクレール グルノーブル、そしてモンクレール ジーニアスという3つの主要なブランド軸によって定義されている。それぞれが、独自の取り組みとアイデンティティを強化するストーリーを通して、ブランドの未来を形作る上で重要な役割を果たしている。モンクレール ジーニアスが、進化する文化コードとクリエイティブなコラボレーションに対するブランドの解釈を体現する軸だとすれば、モンクレール グルノーブルはアウトドアに特化したよりテクニカルな傾向を表現し、モンクレール コレクションは、最もアイコニックなアイテムを彷彿とさせるスタイルを特徴としている。
2025年を通して、モンクレールは、ブランド体験や特別な瞬間を通じて、多様なオーディエンスと繋がり、ファッション、カルチャー、パフォーマンスにおける影響力を深めるための新たな方法を模索し続けた。
マドリード及びパリでの記憶に残るキャンペーンに続き、モンクレール・コレクションはニューヨーク及びロンドンにおいて新たな章を発表した。ニューヨーク出身の俳優ペン・バッジリーを起用した2025年春夏コレクションでは、モンクレールのシグネチャーコードを軸に、都会的なエレガンスを再解釈している。さらに、2025年プレフォールコレクションにおいては、ブルックリン・ベッカムとニコラ・ペルツ・ベッカムを起用し、ロンドンの風光明媚な街並みを背景に、都会的な洗練と控えめなエレガンスを体現するルックを展開した。
3月、モンクレール・グルノーブルの2025年秋冬コレクションが、クールシュヴェル・アルティポートの滑走路において開催されたショーにて発表された。標高2,008メートルに位置する同地は、この日、ランウェイへと姿を変えた。雪に覆われた峰々に囲まれた清冽な自然環境の中で行われたこのショーは、山での生活との一体感を讃える週末にわたるイベントのクライマックスを飾るものとなった。より高みを目指し続けるモンクレール・グルノーブルの揺るぎない姿勢が体現され、高度は姿勢であるだけでなく、情熱と献身、そして山岳発祥に由来するブランドのDNAを象徴するものであるというメッセージが示された。
5月、モンクレールは、メット・ガラに初登場し、ファッション界を象徴する舞台に初めて参画した。職人技とスタイルを称える同イベントにおいては、「モンクレール・ジーニアス」の共同クリエイターであるエドワード・エンニンフルと、会長兼CEOレモ・ルフィニのもと、文化的アイコンやブランド関係者が厳選して招かれ、特注のモンクレール・デザインをまとったゲストが集結した。
2025年、モンクレールは、モンクレール・コレクションの夏コレクション及びモンクレール・グノーブルの春夏コレクションで季節ごとのラインアップを刷新し、一年を通して顧客に寄り添うブランドとしての力を強化した。モンクレール・コレクションは、軽量かつ高い通気性を備えた素材を採用し、都市における夏の装いを新たに提案し、モンクレール・ブノーブルは、アウトドアに適したレイヤリングスタイルを発表した。
10月、モンクレールは、寒さから身を守る機能性を超えた価値としての「温もり」という、長年にわたり掲げてきたビジョンを体現するグローバルブランドキャンペーン「Warmer Together」を発表した。本キャンペーンは、真の温もりは人と人とのつながりから生まれるという信念のもと、愛情、親密さ、そして共有体験といったモンクレールのコアバリューを表現したものである。アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが初めて共演し、本物志向、相互尊重、そして長年にわたる友情に裏打ちされた物語を体現した。両者の関係性は、「友情」「尊敬」「つながり」「信頼」「温もり」という5つのテーマを通じて表現される、温もりの感情的側面を探求するための視点として機能した。印象的なモノクロ写真と短編映像から構成される「Warmer Together」は、機能性と保護性をより深いところで融合させるというモンクレールのブランドとしての姿勢を一層強化し、「温もりは分かち合うことで最大化される」という理念を体現する。
モンクレール・ジーニアスは、2024年末に上海で開催された没入型イベント「The City of Genius」においてコレクションを発表することでその表現領域を拡大し、創造性の限界を超越する取組みを継続した。
モンクレール‐デジタル
当グループは、伝統と最先端のイノベーションを融合させ、グローバルコミュニティの理解を深め、その対話と交流のための新たな方法を模索し続けている。
2023年のTmallを通じた中国でのEコマース拡大の成功、及び2024年のオーストラリアでのデジタル旗艦店の立ち上げを受け、モンクレールはデジタルトランスフォーメーションの新たな段階に入った。
2025年9月、モンクレールは、オンライン体験を再定義し、Eコマースを没入型体験へと進化させるブランドの中核拠点となる「Moncler.com」のリニューアル版を公開した。R/GAとの提携により開発され、Googleの生成AIによって実現された本プラットフォームは、動画生成ツール「Google Veo 3」を活用し、静止画に動的表現を付与している。この技術により、ブランドは衣服の外観のみならず、その動きや技術的特性に関するニュアンスを表現することが可能となり、ストーリー性、製品、サービスが一体となった「デジタルネイティブ」な環境を創出している。
本プラットフォームは現在、38か国・9言語で展開されており、モンクレール・コレクション、モンクレール・ジーニアス、モンクレール・グノーブルという3つの各特徴を深く探求する場を提供している。各商品ページはストーリー性をもって構成され、各アイテムに宿る独自の職人技への理解を通じて商品を探求する設計となっている。リニューアルを受けて、閲覧者の1セッション当たりの滞在時間は27%、モバイル機器での閲覧は49%増加しており、閲覧者のエンゲージメントの顕著な向上が確認されている。
2020年に設立された「デジタル・エンゲージメント・トランスフォーメーション」部門は、本戦略の中核を引き続き担っており、グループ全体における「デジタルファースト」文化の浸透を推進している。本部門内の主要機能としては、D-インテリジェンス、D-オペレーション、コンシューマー・エンゲージメントが挙げられる。
D-インテリジェンスは、定性的及び定量的データの分析を通じて、成長機会の特定とオムニチャネルの顧客体験の向上を図ってている。
D-オペレーションは、デジタル戦略の実行管理を担い、旗艦店サイトや、プラットフォームの没入型ストーリーテリングをモバイル領域に拡大するためにリリースされたモンクレール・アプリ全体において、シームレスな顧客体験を実現させている。
コンシューマー・エンゲージメントは、「Moncler Peaks」をはじめとするロイヤルティ・プログラムを通じた新規顧客の理解と獲得に注力するとともに、AIを活用したパーソナライゼーションによって個々の興味にあわせたコンテンツの提供を行う。
モンクレールは、インスタグラム、TikTok、LinkedInなどのグローバルなソーシャルプラットフォームに加え、中国におけるWeChatやDouyin、日本におけるLINE、韓国におけるKakao Talkといった各地域の主要チャネルにおいても展開しており、世界的に強固な存在感を維持している。
ストーン・アイランドブランド
ストーン・アイランド‐コレクション
ストーン・アイランドは、特に機能性を重視しながら、一貫して生地の技術と実験を推進し、その結果、カット、形状、材質、色彩、一見してストーン・アイランドであることが認識できる特徴が生み出された。
ストーン・アイランドは、メンズコレクションに加え、2歳から14歳までの子供とティーンエイジャー向けのジュニアコレクションも展開してる。メインコレクションに加え、ストーンアイランドのコレクションは3つのサブコレクションで構成されており、それぞれ異なる市場セグメントのニーズに応えるようデザインされている。洗練された美学を備えたモノクロームのアイテムが特徴の「ストーンアイランド ゴースト」、ネイビーの世界とブランドのアーカイブアイテムに強くインスパイアされた「ストーンアイランド マリーナ」、そして高性能な機能性とエッセンシャルなデザインを兼ね備えた「ストーンアイランド ステリーナ」である。2025–2026年秋冬コレクションでは、インディゴブルーのコンパスロゴをあしらった新たなブラックバッジを特徴とする「Stone Island Denim Research」のアイテムを導入した。これらのアイテムは、同ブランドが培ってきた革新の伝統を継承しつつ、その研究開発の領域をさらに拡張する。
ストーン・アイランド‐研究開発
40年間、テキスタイルの研究、実験、衣服の機能の探求と革新に専念し、しばしば衣服とはかけ離れた世界を調査してきた結果、ストーン・アイランドはユニークで特徴的な研究によって定義されたブランドとなっており、今日のアパレルとデザインの世界にとって不可欠な原点となっている。
クリエイティブチームが、情熱と熱意を持ってビジョンを製品に反映させ、未知の領域での研究を推し進めたからこそ、重要な課題に立ち向かうことができたのである。
ストーン・アイランド‐製造
製品開発サイクルは、エミリア・ロマーニャ、ラヴァリーノの本社ですべて管理されている。
ストーン・アイランドのミッションは、繊維、糸、生地、仕上げ、染料などに関するノウハウと総合的な研究を通して、製品革新を追求するとともに、そのカテゴリーにおいてユニークな製品を提供する野心を育むことにある。
このミッションを達成するために、製品開発において、モデリング、プロトタイプ、染色の研究・実行は、確立した外部提携先を組み合わせた内部統合システムによって慎重に管理されている。
バリューチェーン(副資材、部品の選定、製造、染色など)は、当社の技術者の厳しい監視のもと、当社の倫理綱領と取締規定に沿った確立した外部提携先で管理されている。
繊維や糸は、イタリアと日本や韓国をはじめとする海外の優良企業から供給されている。
製造は、イタリア、地中海沿岸、極東で、品質とサステナビリティというブランドの基準を満たすために必要なノウハウを訓練された確立されたサードパーティ企業にて行われている。
ストーン・アイランド‐販売
ストーン・アイランドブランドは、卸売チャネルと直営店店(小売店)の両方を通じて、グローバルに展開されている。現在では、95の直営店とオンラインストアのネットワークに加え、世界の主要な百貨店の専用スペース(ショップ・イン・ショップ)、最高のマルチブランドブティック、主要なE-tailerにおいて、ブランドが展開されている。2024年には、eコマース(.comサイト)が内製化され、プラットフォームの新しいフロントエンドコンセプトが実装された。これはユーザーエクスペリエンスを向上させるものであり、Stone Islandの新しいグローバルコミュニケーション戦略に沿ったものである。
ストーン・アイランドは、グループの流通チャネルの統合的発展戦略に基づき、これまで代理店が管理していた市場の段階的な直営化(2025年に完了)とDTCチャネルの拡大を通じて、国際市場における流通のコントロール強化に向けて着実に前進している。
同時に、当社は、ストーンアイランドにとって戦略的に重要なチャネルである卸売部門における管理と品揃えを強化し続け、ブランド自体の地位をさらに高めることを目指している。
2025年の売上高は卸売チャネルが45%を占め、残りの55%は直営店とオンラインチャネルによって生み出された。2025年12月31日現在、ストーン・アイランドのモノブランドストアネットワークは直営店(DOS)95店舗で構成されており、2024年12月31日と比較して5店舗の純増となった。また、ストーン・アイランドブランドはモノブランド卸売店を11店舗運営しており、2024年12月31日と比較して2店舗の純増となった。
| ストーン・アイランド | 2025年度 | 2024年度 | 2025年度の 純増減数 |
|---|---|---|---|
| アジア | 54 | 56 | -2 |
| ヨーロッパ・中東・アフリカ | 32 | 27 | 5 |
| アメリカ諸国 | 9 | 7 | 2 |
| 小売店 | 95 | 90 | 5 |
| 卸売 | 11 | 9 | 2 |
ストーン・アイランド‐マーケティング、コミュニケーション、デジタルメディア
製品は、ブランドの物語から始まるあらゆるマーケティング活動の絶対的な主役である。
長年にわたり、ストーン・アイランドのブランドは、モデルの顔と、衣服が完全に読み取れる白い背景での直接撮影によって作り出される多文化主義によって、強く認識できるアイコンを作り出してきた。
ストーン・アイランドのトーンは率直で情報に富んでいる。装飾を省き、ファッションの世界というよりは、工業デザインの厳密さに近いものとなっている。
2024年、ストー・ンアイランドは「The Compass Inside(内なるコンパス)」というマニフェストを発表し、「Community as a Form of Research(コミュニティをリサーチの一形態として)」と題した最初の広告キャンペーンを開始した。フェルディナンド・ヴェルデリーがクリエイティブディレクションを手掛けたこのキャンペーンでは、コミュニティのメンバーがコレクションの象徴的なアイテムを着用し、写真家のデイヴィッド・シムズが撮影した。これまでのキャンペーンには、俳優のジェイソン・ステイサム、ミュージシャンのデイヴ・ギャラガーとリアム・ギャラガー、そしてストーン・アイランドのキャンペーンに初登場する女性コミュニティメンバー、DJ兼プロデューサーのペギー・グーなどが出演している。2025年は、俳優のアレッサンドロ・ボルギ、プロボクサーで無敗のヘビー級チャンピオンであるオレクサンドル・ウシク、バスケットボール殿堂入り選手のカーメロ・アンソニー、著名デザイナーのクリント419が名を連ねた。
「The Compass Inside」は、ストーン・アイランドに根付いた価値観と信念の宣言でといえる。1982年に設立されたStone Islandは、素材の研究と革新を製品開発とコレクションの中心に据えるという使命を掲げ、成長を続けるグローバルコミュニティのあらゆるメンバーに語りかける。共通の目的こそが、ストーン・アイランド独自の強みとなっている。
ストーン・アイランドは、2015年からエレクトロニックミュージックシーンの著名アーティストなどをフィーチャーした国際的な音楽イベントを開催するプロジェクト「STONE ISLAND PRESENTS」、そして2020年に設立された現代音楽の制作を支援するプロジェクト「STONE ISLAND SOUND」を通じて、ブランドの重要なコミュニケーションツールである音楽の世界と密接な関係を築いてきた。STONE ISLAND SOUNDは、地域社会の振興と世界の理想的なサウンドマップの構築を目的としたプロジェクトである。2024年には、アーティストやクリエイターとのパートナーシップを通じて、音を生み出すコミュニティを通して音を探求するプラットフォームを構築し、Apple MusicとSpotifyで配信している。2025年4月、ミラノ・デザイン・ウィーク期間中、文化イベント「Studio One」を開催した。本イベントは1週間にわたり実施され、国際的なミュージシャン、ラッパー、DJによるライブセッションを通じて、ストーン・アイランド独自のHiFiオーディオが初めて披露され、1万6,000人を超える来場者を魅了した。続く第2回「Studio One」は、ストーン・アイランドの新たな旗艦店のオープンに合わせて、2025年9月にニューヨークにて開催された。
2023年、ストーン・アイランドは、国際的なコンテンポラリーアートとカルチャーのプラットフォームであるFriezeとのグローバルな複数年パートナーシップを発表した。2023年10月から、ストーン・アイランドは、新鋭ギャラリーに特化したセクション「Focus」のオフィシャルパートナーとして同セクションのフェアへの参加を支援するとともに、アート界のコミュニティや現代文化の形成を担うグローバルメンバーシッププログラム「Frieze 91」のオフィシャルパートナーとして活動している。また、2025年10月には、これまでに168のギャラリーを支援してきた実績を踏まえ、「Frieze Focus」とのグローバル・パートナーシップをさらに2年間延長することを発表した。ブランドのウェブサイトとソーシャルメディアプラットフォームは、ストーン・アイランドの世界を垣間見ることができる窓口となっている。Stoneisland.comは、真に本物のストーン・アイランド体験を提供するために、完全に再構築され、自社で制作された。モジュール式のデザインは、ストーン・アイランドの製品研究開発のLABから、ストーン・アイランドを愛する世界中のコミュニティのLIFEまで、常に進化する物語を可能にする。また、ブランドの巡回展「Selected Works」のバーチャル展示では、来場者がストーン・アイランドの著名なアーカイブに没入する機会を提供している。
ストーン・アイランドは、Instagramをはじめとする主要ソーシャルメディアプラットフォームでも展開してる。
2025年1月、ストーン・アイランドは、かつての工業用建物を再利用した複合施設「Opificio 31」の一角、トルトーナ通り31番地に新たなミラノ・ショールームを開設した。ベネデット・カメラーナ・スタジオが設計を手掛けた本スペースは、屋外ガーデンを備えるとともに、3フロアにわたり総面積1,750平方メートルを有している。
ストーン・アイランド‐コラボレーション
ストーン・アイランドのコラボレーションの歴史に共通するのは、互いの敬意に基づいていることである。これは、2009年に開始されたAdidasやNew Balanceとのアンテ・リタラム・コラボレーションにも当てはまる。そして、2014年から現在に至るまでのSupreme、2016年から2019年にかけてのNike、2020年のPersol、そして2024年のDiorやKim Jonesとの相互ノウハウカプセルコレクションなど、他の重要なコラボレーションによってさらに強化されてきた。また、PorterやNew Balanceとの長期的なパートナーシップも継続している。
ブランド保護
当グループは、当グループの製品の価値と、独自性、信頼性を保護し、顧客を守るために不可欠な基盤である当グループのブランドに関する知的財産権を保護するために、多大なエネルギーと資源を費やしている。
IP及びブランド保護を専門とする社内部門は、まず第一に管理上の保護に重点を置いており、著作物の保護に加えて、製品の形態や特性、製品及びプロセスの発明など、商業的に関心のある現在及び将来の国や製品カテゴリーにおけるグループブランドの保護に取り組んでいる。
知的財産権の行使と偽造品との戦いには、トレーニング、税関当局との連絡、多くの国での関連出願、物理的及びオンライン市場における監視と調査、オンラインでの偽造コンテンツの削除、各国の現地当局との捜査と押収の組織化、そして最終的には民事、刑事、行政措置などの活動が含まれる。2025年、当グループは、イタリアと外国の税関職員や執行当局を対象とした研修会を引き続き相当数開催した。同年は、特に、モンクレールのブランドについて41回、ストーン・アイランドのブランドについて21回の研修会を開催した。
2025年には、偽造品撲滅に向けた継続的な取り組みの結果、世界規模で、モンクレールブランドで3,000件以上、ストーンアイランドブランドで1,500件以上の押収が行われ、それぞれ約19万5,300点と17万6,900点の完成品が市場から排除されたほか、グループの知的財産権を侵害して衣料品やアクセサリーの製造を目的としたロゴやラベルなど、それぞれ12万3,600点と23万4,700点の偽造ブランド品が排除された。
近時はデジタルチャネルへの注目が高まっており、検索エンジン、マーケットプレイス、ウェブサイト、ソーシャルネットワークを毎日監視し、権利行使を実施している。ストーン・アイランドのついては、2025年中に6万2,000件を超える偽造品のオンラインオークション出品が削除され、160以上の違反サイトが閉鎖され、偽造品にリンクされた約1万7,000のページがリストから削除され、主要なソーシャルネットワーク上の25万5,000を超える投稿、アカウント、スポンサー広告が削除された。モンクレールについては、2025年には偽造品のオークション出品が11万8,000件以上削減され、200を超えるサイトがブロックされ、オリジナルではない商品を販売するサイトへのリンクが1万8,000件超、ソーシャルネットワークを通じて偽造Moncler製品を宣伝する36万4,000件超の投稿、広告、アカウントが削除された。
両ブランドは、オンライン偽造品対策戦略を強化するため、デジタルプラットフォーム上で偽造品の国際販売を促進する販売者に対し、米国で偽造品に関する民事訴訟を起こす計画を継続しており、偽造業者に対する強力な抑止力となることが期待される。
モンクレールは、エンド顧客の保護を強化するため、2021年に真正性トレーサビリティシステムの強化に着手した。それは、現在では、固有の英数字コードとNFC(Near Field Communication)タグが特徴となっており、エンド消費者は、スマートフォンやタブレットでNFCをスキャンして、モンクレールが直接管理するウェブサイトcode.moncler.comで検証モードをアクティブにすることにより、購入した衣服の性質のフィードバックを直ちに受け取れるようになった。また、モンクレールは必要に応じて、騙されて偽物の衣服を購入した購入者が、支払った金額を関連する電子決済サービス会社から回収するためのエキスパートレポートを作成している。同様に、2014年春夏から、ストーン・アイランドはCertilogo®の技術と知見を利用して、製品の真正を確認する機会を顧客に提供している。2020-2021年秋冬から、この技術はストーン・アイランドのジュニアウェアのすべてにも適用され、「偽造防止レポート」の作成が可能となり、決済機関において、非正規品の購入に対する信用を得るために使用することが可能となっている。
デザインとクリエイティブコンテンツの検証方法を規制することを目的としたブランド保護手順を適用するというグループのコミットメントをうけ、2025年に文化評価とリスク軽減の領域が強化された。
ライセンス
当グループは、いくつかの企業と、当グループの商品の製造・販売のためのライセンス契約を締結している(グループ会社や第三者との契約を含む。)。モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)が保有するモンクレールのブランドは、インダストリーズにライセンスを行っている。また、ストーン・アイランド・ブランドはモンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)が保有しており、スポーツウェア・カンパニー・エスピーエー(Sportswear Company S.p.A.)にライセンスを許諾している。以下の表は、対象となる地域、契約の範囲及び有効期限を含む当グループのライセンス契約の条件の概要である。
| ライセンサー | ライセンシー | ブランド | 地域/商品 | 締結日/更新日 | 有効期限 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.) | インターパルファム・エスエー (Interparfums SA) | モンクレール | モンクレールS.p.A.が商標の申請又は登録を保留している関税及び旅行のないゾーンを含む世界中のすべての国及び地域 | 2020年6月11日 | 2026年12月31日 | |||||
| モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.) | エシロールルキソチカ(EssilorLuxottica) | モンクレール・ルネット | —全世界 —商品:モンクレール・ブランド・アイウェア | 2023年11月22日 | 2028年12月31日 |
4【関係会社の状況】
(1)親会社
当社の主要な直接株主については、「第5―1株式等の状況(4)大株主の状況」を参照のこと。
(2)子会社及び関連会社
当社の子会社及び関連会社については「第6-1 財務書類 監査済年次連結財務諸表」の注記3を、当社役員との兼任状況については「第5―4 役員の状況」を、当社と子会社との取引関係については「第6―1 財務書類」を参照のこと。
5【従業員の状況】
2025年12月31日現在、モンクレール・グループの従業員総数は8,533名で、2024年比で4%増加(358名増)となった。この成長は主に、直営店の新規オープン、製造現場の拡大と企業構造の強化によって推進された。なお、本項目の数値は、2025年12月31日時点の実従業員数(従業員数)に基づくものであり、モンクレール・グループの人材重視のアプローチを強化するものである。人数を記載する際には、労働力の状況を明確かつ即時に把握するため、契約形態や就業形態(フルタイム、パートタイム、臨時雇用など)に関わらず、従業員総数を表している。従業員総数は、連結財務諸表注記の4.9項「人件費」に記載されている数値と同じである。
| 性別 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|
| 女性 | 5,709 | 6,028 |
| 男性 | 2,466 | 2,505 |
| その他 | - | - |
| 非開示 | - | - |
| 合計 | 8,175 | 8,533 |
ジェンダー格差に関して、全従業員に占める女性の比率は70%を超えており、2024年と同水準である。
| 経営層における従業員の数※ | 2024 | 2025 |
|---|---|---|
| 女性 | 60 | 62 |
| 経営幹部層全体に対する割合 | 41% | 43% |
| 男性 | 87 | 81 |
| 経営幹部層全体に対する割合 | 59% | 57% |
| その他 | - | - |
| 経営幹部層全体に対する割合 | - | - |
| 非開示 | - | - |
| 経営幹部層全体に対する割合 | - | - |
| 合計 | 147 | 143 |
※役員及び上級管理職を含む。
地理的に最も多くの従業員が集中しているのは、イタリア(66%)を含む、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域である。管理部門拠点、生産拠点、物流ハブがこの地域に位置し、モンクレールとストーン・アイランドの店舗もここにある。個別の国レベルでは、イタリア(27%)に加えて、従業員は主にルーマニア(25%)、中国(中国本土、香港特別行政区、マカオ特別行政区及び台湾における従業員を含む)(10%)、日本(9%)に所在し、米国(6%)がそれに続く。
| 国 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|
| イタリア | 2,282 | 2,335 |
| ルーマニア | 1,959 | 2,150 |
| 中国※ | 883 | 882 |
| 日本 | 773 | 788 |
| 米国 | 464 | 521 |
| 韓国 | 438 | 464 |
| フランス | 358 | 359 |
| 英国 | 195 | 178 |
| ドイツ | 159 | 143 |
| スイス | 104 | 99 |
| カナダ | 89 | 97 |
| オーストリア | 78 | 77 |
| その他 | 393 | 440 |
| 合計 | 8,175 | 8,533 |
※中国本土、香港特別行政区、マカオ特別行政区及び台湾を含む。
従業員数が最も多い職業カテゴリーは、労働力の51%を占めるホワイトカラー労働者である。最も大きな成長をしているカテゴリーは、9%増加の労働者(これは、製造の部分的内製化プロセスとそれに伴う生産拠点の拡張の直接的結果である)、続いて、6%増加のマネージャーである(これは主要な活動とプロセスの実施に直接関与する調整スタッフへの当グループの継続的投資による)。管理カテゴリー(マネージャー、シニアマネージャー、エグゼクティブ、シニアエグゼクティブ)における女性の割合は53%である。
従業員は「30-50」歳の年齢層に最も集中しており、「30歳未満」の年齢層が次に多くなっている。平均年齢は38歳である。
2025年、88%の従業員が無期契約を結んでおり、そのうち94%がフルタイムである。
有期契約は全体の約12%を占め、主に一部のビジネスや小売活動の季節性に関連している。年間を通じて、357の有期契約が無期契約に転換され、人材の定着と維持に対する当グループのコミットメントが示されている。女性は無期契約従業員の72%、有期契約従業員の61%を占めている。
2025年、当グループの離職率は13.5%で、2024年比で4.3%減少した。離職率は、2025年に自主退職、解雇、定年退職、死亡によりグループを退職した有期雇用従業員と正社員(1,151名)を、2025年12月31日現在の従業員総数(8,533名)で除して算出している。この値は、無期契約従業員のみを考慮した場合10.7%に下がる。この数字は小売スタッフの一般的な傾向に関連しており、ビジネス部門の競争的環境に関連する「生理学的」現象と考えられている。年間を通じて、約1,910名が正規又は有期契約で雇用され、そのうち約66%が女性、44%が30歳未満であった。合計1,552名が当グループを退職した。本数値は、自主退職、解雇、定年退職及び死亡による離職者に加え、有期契約の満了によりグループを離れた従業員を含む。
詳細については、Annual Report Section Three、Consolidated Sustainability Statement([S1-6] CHARACTERISTICS OF THE UNDERTAKING'S EMPLOYEES及び[S1-9] DIVERSITY METRICS)を参照のこと。
第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
「第3-3 事業等のリスク」、「第3-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」及びAnnual Report Section Three、Consolidated Sustainability Statementを参照のこと。そのうち将来の見通しに関する記述は、本書提出日現在のものである点に留意されたい。
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
「第3-3 事業等のリスク」、「第3-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」及びAnnual Report Section Three、Consolidated Sustainability Statementを参照のこと。
3【事業等のリスク】
主要なリスク要因
当グループの通常の事業運営と戦略立案は、グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性のある様々な種類のリスクにさらされている。これらのリスクは、企業リスク管理(ERM)プロセスに組み込まれている。企業組織内の主要なリスクを監督・監視する際の一貫性と有効性を確保するため、ERMの管理責任者は組織内部の機能間の連携を促している。
ERMモデルは、戦略目標の達成を危うくし、企業資産に影響を与え、モンクレール及びストーン・アイランドのブランド価値又は当社の評判を損なうおそれのある主要な種類のリスクを考慮している。当該モデルは、関連する意思決定プロセス並びに製品及びサービスの開発において統合され、機能している。
主要なリスクは、当グループが事業を営む状況の分析及び重要性分析の結果を起点として特定される。リスク評価は、次の四つの側面、すなわち、リスクが顕在化した場合に組織に与え得る影響、リスクが発生する可能性、リスクが発生した場合に組織全体に広がる速度並びに他のリスクとの相互関連性を考慮する。当該分析は、事象の種類に応じて定量的及び定性的な方法を用いて行われる。この評価により、発生の可能性及び影響を見積もることが可能となる。リスクは、その後、四段階の尺度で分類され、リスクアペタイトに基づいて優先順位が付けられる。
当グループのリスク管理プロセスは、リスクアペタイト・フレームワーク、すなわち、当グループがその目標を追求するに当たって引き受ける用意のあるリスクの全体的な水準を決定するために定められた原則及び規則(リスクアペタイト、リスク許容度及び主要リスク指標)の体系に基づいている。この手法は、中長期的な事業の持続可能性にとって潜在的に重要な全てのリスクを考慮している。
フレームワークの各水準(消極的、慎重、柔軟及び積極的)について、リスクマネージャーは、定性的分析により評価されるリスクについてはリスクアペタイトの水準(重大、中程度及び低)及びこれに対応する許容値(高、重大、中及び許容なし)を、定量的分析により評価されるリスクについては戦略計画の予測に基づいて算定されるリスクにさらされるEBITの最大値及び関連する許容度を定める。
リスクの評価が、定められたリスクアペタイトの水準及び許容度の閾値を超える場合には、追加の是正措置及び緩和措置が特定され、実施される。最も重大な事業上のリスク要因は、コントロール・リスク・サステナビリティ委員会によって常時監視され、戦略立案の責任を負う取締役会はリスクを定期的に検査し、戦略立案の際に考慮に入れている。
国家間武力紛争に関連するリスク要因
複数の国家間武力紛争は、深刻な人道危機という点にとどまらず、世界市場に対する経済的影響という点からも世界全体に重大な結果をもたらし、特に輸送のリードタイム及びコストの増加並びにエネルギーと原材料コストの上昇を招いた。
当グループは、紛争地帯に原材料の供給元、製造拠点のいずれも有していない。しかし、紛争の激化により当グループが生産を行う近隣諸国に予測しがたい影響が与えられ、例えば一時的な電力供給の中断が、生産能力や調達時間・コストに影響する可能性は否定できない。いかなる紛争の激化にも迅速に対応できるよう状況は常に監視されている。
当グループが事業を営む市場及び一般的な地政学的経済的情勢に関連するリスク要因
当グループは高級品部門でビジネスを展開しており、この分野には商品に対する需要と、その需要が起こる国の富裕度、経済成長レベル、政治的安定性との間に高い相関関係がある。当グループの事業の成長力もまた、事業を展開している様々な国の政治的安定性と経済状況に左右される。
モンクレールは世界の数多くの国において事業を展開しており、限定された地域に事業が集中するリスクは抑えられているが、事業を展開している一つ又は複数の市場の経済や社会や政治情勢の悪化が、当社の売上と経済・財政上の業績に対してマイナスの結果をもたらす可能性がある。
2025年中に発効した新たな関税は、これまでのところ当グループが吸収することのできる影響にとどまっているが、その強化又は貿易制裁若しくは金融制裁に起因する更なる輸出制限の導入は、特に特定の地域における売上に影響を与える可能性がある。
例えば、国際的な危機、感染症の流行、テロ攻撃若しくはアジア太平洋地域における緊張が原因となり国家若しくは超国家的機関により個人の移動制限が導入された場合、特定の地域における収益に影響を与える可能性がある。とりわけ近年アジア地域は、高級品部門においてその重要性を増しており、2025年末時点でモンクレールブランドの総売上高の半分に達した。他方で、ストーン・アイランドは国際展開、特にアジア及びアメリカへの展開を近年始めたばかりであり、依然として欧州市場への依存が高い(2025会計年度収益の65%が欧州市場である)。
サイバーリスク及び個人情報保護リスク
サイバー攻撃の高度化・頻発化により、当グループのテクノロジーの急速な進化や組織のさらなる複雑化をもってしても、現在では人工知能の潜在力をも悪用し得る革新的な攻撃手法を用いたサイバー攻撃の標的となる潜在的リスクを排除することはできない。
さらに、十分な水準の保護を保証しない国又は地政学的緊張等の結果としてデータへのアクセスを制限する可能性のある国にデータが所在することは、機密性の喪失、サービスの中断及び評判の毀損という点において、当グループにとって追加的なリスクとなる。
モンクレールは事業の継続性及び情報保護を視野に入れ、サイバーリスクを管理するためのモデルに多額の投資を行っており、脆弱性特定及びシステム保護のための最高のテクノロジーと方法論を採用し、また、サイバーセキュリティに関する有資格の専門家、スタッフのトレーニング、及び定期的なリスク評価・レビューの慎重な手続を確保している。より詳細な情報については、Annual Report Section Three、Consolidated Sustainability Statementを参照されたい。
高品質な原材料の安定供給に関するリスク要因
モンクレール及びストーンアイランドブランドの製品は、ダウン、ナイロン、コットン及びウールを含む(ただし、これらに限られない)高品質の原材料を必要とする。原材料の価格及び安定供給は、当グループで管理できない、かつ予測が困難な幅広い要因によって左右される。
当グループは常に質・量ともに生産要件にふさわしい原材料の調達を確保するよう努めてきているが、仮に供給元サイドに一層の緊張状態が生じた場合、供給が困難になり大幅なコスト増が生じ、当グループの財務成績に影響を与える可能性がある。生産に必要な期間に原材料が調達不能となるリスクを最小化するため、モンクレールは供給元を多様化する多角的な調達戦略と中期の時間軸による購入計画を立てている。さらに、原材料の供給元は契約上求められる品質、組成、性能の要件を過不足なく満たし、労働者保護、労働条件、現地の労働法、動物福祉の尊重、環境、有害な化学物質の使用に関する法令を遵守する必要がある。
労働者の権利の分野に関して、当グループは、供給元の認定基準の一つとして資格のある専門家によって実施される企業監査を含めている。より詳細な情報については、Annual Report Section Three、Consolidated Sustainability Statementを参照されたい。
最後に、当グループは、気候変動が主要な原材料、特にコットン、ウール及びダウンの安定供給に与え得る影響に関連するリスクを評価し、監視している。これらの分析に関する詳細については、Annual Report Section Three、Consolidated Sustainability Statementを参照されたい。
ブランドイメージ、評判及び知名度に関連するリスク要因
高級品部門は、変化する顧客の好み、嗜好、その事業を展開する地域それぞれのライフスタイルから影響を受ける。当グループの成功は、ブランドのイメージ、評判及び知名度に強く影響される。もし当グループが将来的に、商品及び各種の取り組みを通じてイメージ、評判及び知名度を維持できなかった場合には、売上及び経済効果に影響を与えるおそれがある。
そのため、当グループは、製品の品質、革新性、コミュニケーション、取引先の選定を含む選択性、品質、持続可能性の基準に従った流通モデルの開発に焦点を当て、常にモンクレール及びストーン・アイランドのブランド力の維持と強化に努めている。当グループは、すべてのステークホルダーのために価値を創造し続けることが当社の評判を高めるために不可欠な優先事項であるとの信念のもと、地域の価値観(宗教、文化、社会)の順守に関するものを含む持続可能性評価を当社のコミュニケーション及びマーケティング戦略に組み込んでいる。
第三者の製造業者との関係に関連するリスク要因
当グループは、コレクションの開発と原材料の仕入れ及び選定については直接管理している一方、衣料品の製造段階においては、自社工場と、グループの厳格な監督の下で操業する独立した第三者の製造業者(façon manufacturer)の両方に頼っている。
当グループは、特定の製造業者に大きく依存するものではないが、最も重要な製造業者の一部との間の関係が停止又は終了した場合、当グループの事業に悪影響を及ぼし、売上と収益に影響を与える可能性がある。
当グループは、第三者の製造業者が高品質と財政的安定という要件に加え、労働法、労働者の安全、環境法、人権そしてサプライヤー行動規範の原則を完全に順守することを確保するため、これらの製造業者及びその下請先に対する監査を実施し、サプライチェーンを継続的にモニターしている。
また、当グループは、生産サプライチェーンに沿った管理の調和を目的として業界団体が組織する技術作業部会にも参加している。
サプライチェーンの管理に関する詳細については、Annual Report Section Three、Consolidated Sustainability Statementを参照されたい。
流通ネットワークに関連するリスク要因
モンクレールブランドでは、当グループはその収益の大半を直営の単一ブランドショップ(DOS)とオンラインストアからなる小売りチャネルを通じて生み出している。他方で、ストーンアイランドブランドは、徐々に卸売チャネルへの露出を減少しており、現在は二つのチャネルへの露出が適切に調整されている。長年にわたり当グループは、世界の主要都市の一等地及び一流百貨店内に新たな店舗を出店する能力を示してきたが、高級品部門の事業者達は確たる地位を占めようと非常に激しく競い合っている。
加えて、小売業はその性質上、主にリース契約に関連する固定費の発生率が高い。経営陣は長年にわたり収益性の高い小売事業を展開する能力を示してきたが、特定の地域における売り上げの落ち込みにより、当社グループの収益を生み出す能力が低下する可能性がある。
環境リスク
詳細な情報については、Annual Report Section Three、Consolidated Sustainability Statementを参照されたい。
気候変動問題が当グループの連結貸借対照表に与える影響
詳細な情報については、Annual Report Section Three、Consolidated Sustainability Statementを参照されたい。
主要な人員への依存に関連するリスク要因
詳細な情報については、Annual Report Section Three、Consolidated Sustainability Statementを参照されたい。
ブランド及び製品の偽造並びに知的財産権保護に関連するリスク要因
高級品市場には、ブランドや製品の偽造という特徴がある。
当グループは、事業を展開する地域においてブランド及び製品の偽造による影響を防止又は軽減し、知的財産権を保護するため、バリューチェーン全体の製品の流通過程を追跡することができる革新的技術の導入に多大な投資を行っている。しかしながら、市場におびただしい数の偽造品が出回り依然としてブランドのイメージに悪影響を及ぼし、当社の販売及び財務業績にマイナスの影響を与える可能性がある。
規制の枠組みの段階的変更に関連するリスク要因
当グループは複雑な国際情勢の中で事業を展開しており、事業を展開する様々な国及び地域の法令等、労働者の健康及び安全、環境保護、製品の製造及び組立てに関する規制、消費者保護、個人情報保護、知的財産権の保護並びに競争及び供給者管理に関する規制、税金や関税に関わる規制等について、これらに関連する全てを遵守し、常に注意を払っている。
当グループは現行適用される法規定に従って事業を行い、事業展開する特定の地域における規制や段階的に施行される規制の変更に関する知識を確かなものとするためのプロセスを策定している。しかし、一定の事項に関する法律、例えば税制は高度に複雑であるため、当社グループと異なる法律の解釈が生じた場合には、業績に重大な影響を及ぼす可能性がある。
当グループはこれに関連して、グループが事業を展開する主要国の税務当局と事前価格協定について交渉するプログラムに参加しており、そのうち一部は最終決定しており、一部は交渉の過程にある。
また、サイバーセキュリティ又は製品のコンプライアンスにおいて、より厳格な基準を課す新たな法律が制定され又は既存の法律の改正が行われることにより、例えば事業運営、製品の製造方法や製品の特徴をそれらに適応させるための費用が発生したり、当グループの事業自体を制限したりすることがありえ、業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
為替レートパフォーマンスに関連するリスク
当グループは国際市場で事業を行っており、ユーロ以外の通貨、主として人民元、日本円、米ドル、韓国ウォン、英ポンドを使用している。そのため、同一通貨において反対符号で表示される取引によってはカバーされない、取引金額(主に収入)相当額が、為替レートの変動によるリスクにさらされている。当グループには、為替レートの動向に関連するリスクを「取引」リスクに限定し、段階的にヘッジすることを目的とした戦略がある。通貨ごとの最低ヘッジ額を各販売キャンペーンの開始時点では75%、その販売キャンペーン終了時には90%に設定し、為替リスクについて厳しい方針を採っている。
しかし、現地通貨建ての海外子会社等の財務諸表をユーロに変換する際の「換算」リスクの一部により、為替レートの大幅な変動が当グループの業績に(プラスまたはマイナスの)影響を与える可能性を否定できない。
より詳細な情報については、財務情報の注記9.1を参照されたい。
金利に関連するリスク
当グループは完全に自己資金で事業資金を賄えるため、多額の与信枠を利用していない。また、当グループには第三者からの融資、特に銀行融資を利用するという選択肢がある。このような融資を利用することを選んだ場合、金利変動リスクにさらされる可能性がある。当グループは、金利上昇によってもたらされるリスクを部分的にヘッジするために、一定のヘッジ活動を行う可能性がある。しかし、金利の大幅な変動は金融費用の増加を招き、当グループの業績にマイナスの結果をもたらすおそれがある。
より詳細な情報については、財務情報注記9.1を参照されたい。
信用リスク
当グループは、卸売部門の顧客の破産に起因するリスクの削減を目的とした与信監視方針に従って運営している。この方針は、顧客の信頼性に関する事前の分析と保証付きの保険による補償及び/又は支払方法に基づいている。なお、当グループには際立った信用の集中はない。
しかし、特定の顧客の重大な債務不履行により回収不能債権が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性がある。当グループは、大量の持ち高を有する卸売顧客を特に注意して監視及び管理し、また出荷の前に銀行保証と保証金を要求ないし取得することも行っている。
より詳細な情報については、財務情報の注記9.2を参照されたい。
流動性リスク
当グループは、特にモンクレールブランドの事業の季節性を考慮して流動性リスクの削減を目的とした財務計画活動を実施している。漸進的に変化する資金需要に基づき、需要を満たすため必要に応じて、金融機関とともに短期与信枠と長期与信枠の区別に従った与信枠を計画する。
さらに、当グループは調達可能な資金損失のリスクに対応するため、資金を預金、現金、現金相当物といったバランスの取れた形で高格付けの適切な数の銀行に分散させ、また集中を避けた上でリスクが極めて低い金融商品のみを運用するとの厳格な規則に従っている。
より詳細な情報については、財務情報の注記9.3を参照されたい。
技術革新に伴うリスク
当グループは、プロセスやコレクションの技術革新に特に注意を払うとともに、顧客体験の絶え間ない改善に努めている。
このような状況において、技術革新が不十分であった場合、同業他社に対する競争優位性が失われる可能性がある。逆に、人工知能ツールの採用などの新技術の導入は、重要な機会となる一方で、規制上のリスク及び当グループ内における適切なスキルの確保の両面から管理される必要がある。
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
以下の考察と併せて、「第6 経理の状況」、当グループの連結財務諸表及び本書のその他の箇所に含まれる関連注記を参照されたい。
当社と金融市場の状況
2025年は、地政学的及びマクロ経済的な不確実性が継続する複雑かつ変動の多い世界的な環境に特徴づけられた年となった。ロシアとウクライナの紛争は依然として未解決であったものの、エネルギー市場への影響は前年までと比較して限定的であった。同時に、中東における緊張は高止まりし、金融市場に断続的な変動をもたらした。さらに、2025年4月の「Liberation Day」における米国の新たな通商措置の公表は、世界市場にとって重要な転換点となり、保護主義並びにそれが世界経済成長及びサプライチェーンに及ぼし得る影響に対する懸念を再燃させ、米ドルの大幅な下落につながった。
こうした困難にもかかわらず、金融市場は底堅さを示した。2024年後半に開始された中央銀行による金融緩和サイクルは2025年に入っても継続し、主要先進国におけるインフレ率は徐々に目標水準へと収束した。金利の低下は経済活動及び金融環境を支え、地政学的な展開及び再燃した通商摩擦に伴う不確実性の影響を一定程度相殺した。
主要株式市場は堅調なパフォーマンスを示した(S&Pグローバルインデックス広範市場指数、BMI : +20%
米国株式市場は、堅調なGDP成長、金融環境の緩和及びAI並びにデジタル・インフラへの継続的投資に支えられ、S&P500は+16%上昇した。欧州市場も力強いリターンを記録し(EuroSTOXX50:+18%)、イタリアは特に銀行業を中心とする一部セクターの好業績を背景に他地域を上回り、FTSE MIBは31%上昇した。
アジアでは市場動向にばらつきが見られた。中国では、不動産セクターにおける構造的課題及び慎重な消費行動が引き続き成長の重しとなり、経済活動は低迷し続けた。しかしながら、的を絞った財政措置、緩和的な金融政策及び消費並びに民間企業に対する政府支援の再強化が組み合わさった結果、年後半には投資家心理が徐々に改善した。株式市場のパフォーマンスは不動産セクターの低迷を部分的に相殺し、消費者信頼感を下支えした(上海証券取引所指数:+18%、ハンセン指数:+28%)。日本株は為替動向に伴う一定の減速は見られたものの、引き続き強いモメンタムを維持した(日経平均株価:+26%)。
こうしたより広範な背景において、困難な2024年に続き、2025年も高級品セクターにとって変動の大きい一年となった。年初は厳しい環境が続いたが、年後半には改善傾向が見られた。中国の需要は引き続き弱含みであったものの、株式市場の上昇及び比較ベースの緩和に支えられ、年後半には安定化の兆しが見え始めた。米国の消費者は、高価格帯消費の底堅さ及び株式市場の力強い上昇に支えられ、需要の主要な牽引役となった。欧州では、変動の大きい為替相場に起因する観光客数の減少により動向に影響が見られたものの、正常化の兆しが現れた。総じて、2025年は戦略的な調整の年であり、高級品各社は利益率を守るため組織全体にわたり効率化施策を実施するとともに、価格戦略の見直し及び創造性への再注力を進め、社内での執行力の強化に一段と重点を置いた。このことは、デザイナーの起用及び経営陣の刷新が同セクターにおいて歴史的に高い水準に達したことにも表れている。
結局投資家は、業界の長期的なファンダメンタルズに対する信頼を回復し、高級品セクターは通年で9%の上昇を記録したが、MSCIヨーロッパ(+32%)やFTSEMIB(+31%)を下回った。
モンクレールは当年度において良好な株式パフォーマンスを達成し、LVMH、ブルネロ・クチネリ、エルメス及びプラダなどを含む複数の主要同業他社及び高品質ブランドを上回った。これは、マクロ経済環境の緩和及び新たな経営陣の起用を背景とするブランド固有の再建ストーリーに投資家の関心が集まる中で実現したものであり、特にバーバリー及びケリングは、数年にわたる株価低迷の後に最も高いパフォーマンスを示した。
| 株価上昇率 | 過去1年間 (2025) | 過去2年間(2025-2024) | 過去5年間(2025-2021) |
|---|---|---|---|
| Burberry | 29.5% | (10.4%) | (29.1%) |
| Kering | 26.3% | (24.6%) | (49.4%) |
| Richemont | 24.8% | 48.6% | 114.8% |
| Zegna | 24.1% | (11.4%) | n.a. |
| Ferragamo | 21.6% | (32.6%) | (48.1%) |
| Moncler | 7.7% | (1.4%) | 9.5% |
| Swatch | 2.0% | (26.4%) | (30.3%) |
| LVMH | 1.5% | (12.1%) | 26.2% |
| Cucinelli | (6.6%) | 11.1% | 175.7% |
| Hermès | (8.6%) | 10.6% | 141.2% |
| Prada | (25.2%) | 0.8% | (12.1%) |
| セクター平均 | 8.8% | (4.3%) | 29.9% |
| FTSE MIB | 31.5% | 48.1% | 102.2% |
モンクーレルの時価総額は2025年12月31日現在151億ユーロ(2024年12月31日時点では140億ユーロ)で、同年の総株主利益(TSR)は+10.2%であった。2025年12月31日現在の株式数は274,805,954株である。モンクレールの主要株主は、「第5―1 株式等の状況(4)大株主の状況」を参照されたい。
2025年度中も、このセクターのボラティリティとマクロ経済情勢の予想不可能性に鑑み、当グループと金融界(投資家及びアナリスト)との対話は継続して実施された。当グループのInvestor Relationsチームは、当グループの管理チームとともに、高級品セクターに関する会議、主要な金融都市でのロードショー、ファンドマネージャーやバイサイドおよびセルサイドのアナリストとのミーティング及び電話会議に参加した。これらのイベントは、対面形式又はオンライン形式で開催された。
当グループの業績
以下は、再分類後の2024年度と比較した2025年の連結損益計算書である。
| 単位:千ユーロ | 2025年度 | 収益に対する割合 | 2024年度 | 収益に対する割合 |
|---|---|---|---|---|
| 収益 | 3,132,128 | 100.0% | 3,108,924 | 100.0% |
| 対前年比 | +1% | +4% | ||
| 売上総利益 | 2,446,197 | 78.1% | 2,426,557 | 78.1% |
| 販売費 | (956,000) | (30.5%) | (937,349) | (30.2%) |
| 一般管理費 | (357,432) | (11.4%) | (351,656) | (11.3%) |
| マーケティング費 | (219,409) | (7.0%) | (221,228) | (7.1%) |
| EBIT | 913,356 | 29.2% | 916,324 | 29.5% |
| 金融収益(費用)純額 | (26,184) | (0.8%) | (6,515) | (0.2%) |
| EBT | 887,172 | 28.3% | 909,809 | 29.3% |
| 法人所得税 | (260,504) | (8.3%) | (270,213) | (8.7%) |
| 税率 | 29.4% | 29.7% | ||
| 当期純利益 | 626,670 | 20.0% | 639,596 | 20.6% |
当期純利益:626,668千ユーロ(非支配持分を含む)(2024年は639,596千ユーロ)。
連結収益
モンクレール・グループの2025年度連結収益は3,132.1百万ユーロとなり、為替レートを固定した場合前年比で3%増(実際の為替レートベースでは1%増)であった。この中には、モンクレールブランドの収益(2,720.9百万ユーロ)及びストーン・アイランド・ブランドの収益(411.2百万ユーロ)が含まれる。
第4四半期の当グループの収益は1,290.8百万ユーロであり、2024年同時期と比較して、為替レートを固定した場合7%増加した。第4四半期にモンクレール及びストーン・アイランドブランドはそれぞれ1,167.7百万ユーロ及び123.1百万ユーロに相当する収益を記録した。
当グループのブランドごとの収益
| 当グループ | 2025年 | 2024年 | 対2024年比 | |||
| 千ユーロ | % | 千ユーロ | % | 現在の為替レート | 為替レートを固定 | |
| モンクレール | 2,720,934 | 86.9% | 2,707,315 | 87.1% | +1% | +3% |
| ストーン・アイランド | 411,194 | 13.1% | 401,609 | 12.9% | +2% | +4% |
| 収益総計 | 3,132,128 | 100.0% | 3,108,924 | 100.0% | +1% | +3% |
モンクレールブランドの収益の分析
2025年、モンクレールブランドの収益は2,720.9百万ユーロとなり、為替レートを固定した場合2024年比3%増であった。
第4四半期は、当ブランドの収益は、直営チャネル及び卸売チャネル双方における好調な推移により、前年同期比6%増の1,167.7百万ユーロとなった。
地域別の収益
モンクレールの地域別の収益の詳細は以下のとおりである。
| 2025年 | 2024年 | 対2024年比 | ||||
| モンクレール | 千ユーロ | % | 千ユーロ | % | 現在の為替レート | 為替レートを固定 |
| アジア | 1,416,039 | 52.0% | 1,378,955 | 50.9% | +3% | +7% |
| ヨーロッパ・中東・アフリカ | 913,751 | 33.6% | 949,328 | 35.1% | -4% | -3% |
| アメリカ諸国 | 391,144 | 14.4% | 379,032 | 14.0% | +3% | +5% |
| 収益総計 | 2,720,934 | 100.0% | 2,707,315 | 100.0% | +1% | +3% |
2025年、アジア(APAC、日本、韓国を含む)の収益は1,416.0百万ユーロで、為替レートを固定した場合は2024年と比較して+7%の増加となった。第4四半期同地域は、為替レートを固定した場合前年同期比で11%収益が増加し、高い比較可能ベースにもかかわらず前四半期と比較して幅広い地域で加速が見られた。すべての国において現地顧客及び観光客の双方からの需要の増加に支えられ、中国及び韓国が特に高い成長を示した。
ヨーロッパ・中東・アフリカの収益は913.8百万ユーロで、為替レートを固定した場合2024年同期比で3%減となった。第4四半期はこの地域の収益は為替レートを固定した場合前年同期比で3%減少し、同地域における観光客数の低迷により、直営チャネルの来店客数は引き続き影響を受けた。
アメリカ合衆国の収益は為替レートを固定した場合には2024年と比較して5%増の391.1百万ユーロとなった。この地域の第4四半期は、比較ベースが一段と厳しかったにもかかわらず、引き続き堅調な現地消費及び卸売チャネルの好調な推移に支えられ、為替レートを固定した場合前年同期比で9%増加した。
モンクレール:販売チャネル別の収益
モンクレールの販売チャネル別の収益の詳細は以下のとおりである。
| モンクレール | 2025年 | 2024年 | 対2024年比 | |||
| 千ユーロ | % | 千ユーロ | % | 現在の為替レート | 為替レートを固定 | |
| 直営 | 2,359,610 | 86.7% | 2,331,896 | 86.1% | +1% | +4% |
| 卸売 | 361,324 | 13.3% | 375,420 | 13.9% | -4% | -4% |
| 収益合計 | 2,720,934 | 100.0% | 2,707,315 | 100.0% | +1% | +3% |
2025年、直営チャネルは23億5,960万ユーロの収益を達成し、為替レートを固定した場合2024年と比較して4%の成長となった。2025年の第4四半期の収益は、より困難な比較ベースにもかかわらず、為替レートを固定した場合前年同時期と比較して7%増加し、当年度で最も高い四半期業績を記録した。複数年にわたる厳しい比較ベースにもかかわらず、全ての地域でトレンドは改善しており、アジア及びアメリカ諸国が成長を牽引した一方、ヨーロッパ・中東・アフリカは顧客数の低迷の影響を受け、やや低調に推移した。
実店舗の業績は、オンラインチャネルの業績を引き続きを上回り、とりわけヨーロッパ・中東・アフリカ及びアメリカ諸国においてその傾向が顕著であった。
2025年、12ケ月以上営業している店舗の収益(Comparable Store Sales Growth。52週以上営業しているDOS(アウトレットを除く)およびオンラインストアの売上高成長率を意味する。拡張又は移転した店舗は含まれない。)は2024年と比較し1%減少した
卸売チャネルの収益は361.3百万ユーロであり、為替レートを固定すると2024年と比較して4%減少した。第4四半期の卸売チャネルによる収益は、為替レートを固定した場合前年の同四半期と比較して2%増に転じた。しかしこのチャネルは、引き続きネットワークの最適化を通じた更なる流通品質の向上に向けた取組みの影響を受けている。
ストーン・アイランド ブランドの収益の分析
2025年、ストーン・アイランドブランドの収益は411.2百万ユーロに達し、為替レートを固定した場合2024年と比較して4%増であった。
第4四半期には、このブランドの収益は123.1百万ユーロとなり、直営チャネル及び卸売チャネル双方における堅調な推移に支えられ、全ての地域において二桁の成長を記録し、前年同期比で16%の増加した。
ストーン・アイランド:地域別の収益
ストーン・アイランドの地域別の収益の詳細は以下のとおりである。
| 2025年 | 2024年 | 対2024年比 | ||||
| ストーン・ アイランド | 千ユーロ | % | 千ユーロ | % | 現在の為替レート | 為替レートを固定 |
| アジア | 116,262 | 28.3% | 105,201 | 26.2% | +11% | +16% |
| ヨーロッパ・中東・アフリカ | 268,739 | 65.4% | 268,910 | 67.0% | 0% | 0% |
| アメリカ諸国 | 26,193 | 6.4% | 27,498 | 6.8% | -5% | -2% |
| 収益総計 | 411,194 | 100.0% | 401,609 | 100.0% | +2% | +4% |
アジア(アジア太平洋地域、日本、韓国を含む)においては、2025年は116.3百万ユーロの収益に達し、為替レートを固定した場合は2024年と比較して16%の増加となった。第4四半期のこの地域の収益は主に日本の引き続き好調な業績とと中国市場の回復傾向に牽引され、為替レートを固定した場合で22%成長した。全ての地域において順次加速が見られ、中国及び日本が引き続き特に力強いパフォーマンスを示した。
2025年、ヨーロッパ・中東・アフリカでは、268.7百万ユーロの収益となり、為替レートを固定した場合は2024年と比較して概ね横ばいであった。第4四半期は、直営チャネルにおける引き続き堅調な業績と卸売りチャネルの改善により、為替レートを固定した場合前年同期比で12%収益が増加した。
アメリカ諸国の収益は2024年と比較すると為替レートを固定した場合で2%減少した。第4四半期、直営チャネル及び卸売チャネル双方において二桁成長を記録し、対前年同期で26%収益が増加した。
ストーン・アイランド:販売チャネル別の収益
ストーン・アイランドの販売チャネル別の収益の詳細は以下のとおりである。
| ストーン・アイランド | 2025年 | 2024年 | 対2024年比 | |||
| 千ユーロ | % | 千ユーロ | % | 現在の為替レート | 為替レートを固定 | |
| 直営 | 226,379 | 55.1% | 208,935 | 52.0% | +8% | +11% |
| 卸売 | 184,815 | 44.9% | 192,674 | 48.0% | -4% | -4% |
| 収益合計 | 411,194 | 100.0% | 401,609 | 100.0% | +2% | +4% |
2025年直営チャネルは226.4百万ユーロを売り上げ、為替レートを固定した場合2024年と比較して11%の成長となった。第4四半期は、このチャネルの収益は、前四半期と比較してさらに加速し、為替レートを固定した場合前年同期比で16%増加した。全ての地域において堅調な業績が見られ、アメリカ及びアジアが特に高い成長を示した。実店舗チャネル及びオンラインチャネルの双方が二桁成長を記録した。
卸売チャネルは、184.8百万ユーロの収益となり、為替レートを固定した場合2024年と比較して4%の減少となった。第4四半期は、第3四半期と第4四半期の納品タイミングの差異が第3四半期の業績に悪影響を与えていたことから、収益は前年同期比で17%増加した。当グループは引き続き流通ネットワークの質の向上に取り組んでいる。
当グループの連結営業利益及び純利益の分析
売上原価と売上総利益
2025年度の連結売上総利益は2,446.2百万ユーロに達し、収益の78.1に相当し、2024年度と同水準であった。
販売費と営業利益
2025年度の販売費は956.0百万ユーロ(2024年度は937.3百万ユーロ)で、2024年度より若干高い収益の30.5%であった。一般管理費は357.4百万ユーロで、収益の11.4%であった。2024年度は351.7百万ユーロ(収益の11.3%に相当)であったが、これは2021年12月のマルウェア攻撃に関連して受領した保険金の返戻金7.5百万ユーロを一時的収益として含んでいる。
マーケティング費用は219.4百万ユーロで、収益の7.0%(2024年度は7.1%)になる。2025年下半期に、2024年の同時期と比較してマーケティング費用が下降したこと(及びそれに伴う売上への影響)は主に、上半期と下半期のマーケティング活動のフェーズが前事業年度と異なっているためである。
グループの営業利益(EBIT)は2024年度の916.3百万ユーロ、利益率は29.5%に対し、913.4百万ユーロ、利益率は29.2%になり、より困難な貿易環境に対するレジリエンスを示した。
金融収益(費用)
2025年度の金融費用純額は、40.6百万ユーロのリース負債(2024年度は31.4百万ユーロ)も含めた上で、2024年度の6.5百万ユーロに対し26.2百万ユーロとなった。この増加は、主としてリース負債に係る利息費用の増加及び金利の低下に伴う受取利息の減少によるものであった。
2025年度の税率は2024年度と概ね同等の29.4%であった。
グループの当期純利益は626.7百万ユーロ(2024年度は639.6百万ユーロ)となり、利益率は20.0%(2024年度は20.6%)であった。
連結貸借対照表及びキャッシュフローの分析
2025年及び2024年の組換後の連結貸借対照表
| (単位:千ユーロ) | 2025年12月31日 | 2024年12月31日 |
|---|---|---|
| ブランド | 999,354 | 999,354 |
| のれん | 603,417 | 603,417 |
| 固定資産 | 589,341 | 510,136 |
| 使用権資産 | 1,018,330 | 848,173 |
| 正味運転資本 | 303,638 | 255,548 |
| その他の資産(負債) | 23,136 | 20,076 |
| 投下資本 | 3,537,216 | 3,236,704 |
| 純有利子負債(ネットキャッシュ) | (1,458,046) | (1,308,751) |
| リース負債 | 1,109,099 | 924,077 |
| 年金及びその他の引当金 | 36,374 | 34,710 |
| 株主持分 | 3,849,789 | 3,586,668 |
| 資源合計 | 3,537,216 | 3,236,704 |
正味運転資本
2025年12月31日時点の正味連結運転資本は303.6百万ユーロ(2024年12月31日時点では255.5百万ユーロ)であり、これは収益の9.7%(2024年12月31日時点では8.2%)に相当し、運転基金水準の継続的かつ厳格な管理を反映している。当該増加は主として、重要な原材料の調達を前倒しで実施するという戦略的判断に伴う在庫水準の増加によるものである。
| (単位:千ユーロ) | 2025年12月31日 | 2024年12月31日 |
|---|---|---|
| 債務 | (527,322) | (540,914) |
| 在庫 | 538,827 | 470,080 |
| 債権 | 292,133 | 326,382 |
| 正味運転資本 | 303,638 | 255,548 |
| 収益に対する割合 | 9.7% | 8.2% |
正味の金融資産(負債)
2025年12月31日現在の正味の金融資産(当グループの用いる定義に基づいており、IFRS第16号による影響を除く)はプラスで、2024年12月31日時点の1,308.8百万ユーロに対し、1,458.0百万ユーロであった。IFRS第16号の会計原則に従い、2025年12月31日現在、当グループは1,109.1百万ユーロのリース負債(2024年12月31日時点は924.1百万ユーロ)を計上した。リース負債を含む合計純財務ポジションはプラスで、348.9百万ユーロ(2024年12月31日時点は384.7百万ユーロ)であった。
正味の金融資産の内訳は以下の表のとおりである。
| (単位:千ユーロ) | 2025年12月31日 | 2024年12月31日 |
|---|---|---|
| 現金 | 1,226,277 | 1,187,978 |
| 金融負債 | 231,769 | 120,773 |
| リース負債を除いた 純財務ポジション | 1,458,046 | 1,308,751 |
| リース負債 | (1,109,099) | (924,077) |
| 合計純財務ポジション | 348,947 | 384,674 |
2025年及び2024年の連結キャッシュ・フロー計算書
| (単位:千ユーロ) | 2025年 | 2024年 |
|---|---|---|
| EBIT | 913,356 | 916,324 |
| 減価償却費及び償却費 | 119,733 | 136,711 |
| 正味運転資本の増減 | (48,090) | (15,348) |
| その他の流動資産及び非流動資産(負債)の増減 | 5,658 | (18,647) |
| 資本支出(正味) | (215,594) | (186,675) |
| 営業活動に用いられた/から得られた キャッシュ・フロー | 775,063 | 832,365 |
| 金融収益(費用) | 14,426 | 24,916 |
| 法人所得税 | (260,521) | (269,791) |
| フリー・キャッシュ・フロー | 528,968 | 587,490 |
| 配当 | (353,231) | (311,014) |
| 資本の変動及びその他の変動 | (26,442) | (1,418) |
| 正味キャッシュ・フロー | 149,295 | 275,058 |
| 期首の正味の金融資産(負債) | 1,308,751 | 1,033,693 |
| 期末の正味の金融資産(負債) | 1,458,046 | 1,308,751 |
| 正味の金融資産の増減 | 149,295 | 275,058 |
v1) ここに表示されている純財務ポジションは、当グループが使用している定義に基づいており、リース負債を除外している。
2025年の正味キャッシュ・フローは、353.2百万ユーロの配当支払い(うち、0.2百万ユーロは2024年に分配された配当金に関連)の後で149.3百万ユーロのプラスであったが、2024年は275.1百万ユーロプラスであった。
正味資本支出
2025年の正味資本支出は収益の6.9%にあたる215.6百万ユーロ(2024年は186.7百万ユーロ、収益の6.0%)であったが、これは流通ネットワーク及び新本社を含むインフラ関連プロジェクトに対する投資の増加を反映している。当該資本支出のうち、流通ネットワーク関連の投資は136.3百万ユーロで、インフラ関連の投資は79.3百万ユーロであった。
以下の表は、カテゴリー別の資本支出の内訳である。
| (単位:千ユーロ) | 2025年12月31日 | 2024年12月31日 |
|---|---|---|
| 流通ネットワーク | 136,278 | 104,070 |
| インフラ投資 | 79,316 | 82,605 |
| 正味資本支出 | 215,594 | 186,675 |
| 収益に対する% | 6.9% | 6.0% |
親会社(モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.))単体の業績
2025年の収益は、2024年の491.9百万ユーロに対し490.4百万ユーロとなった。これは主にモンクレール及びストーン・アイランドブランドのライセンス供与から生じる収入によるものである。
株式報酬費用を含む一般管理費は76.1百万ユーロで、収益の15.5%を占めた(2024年は17.1%であった)。
マーケティング費用は100.6百万ユーロ(2025年は82.5百万ユーロ)であり、これは収益の20.5%を占めた(2024年は16.8%)。
2025年、正味金融収益は214.2百万ユーロとなった(2024年の正味金融収益は416.6百万ユーロであった)。この中には子会社から受領した配当金214.2百万ユーロ(2024年の配当金は436.0百万ユーロ)が含まれている。
2025年の法人所得税は89.8百万ユーロであり、これに対して2024年は、90.0百万ユーロであった。
主に、前述のとおり、子会社から受領した配当金が前年比で減少したことにより、当期純利益は2024年の651.9百万ユーロから33%減の438.2百万ユーロとなった。
モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の貸借対照表には、2025年12月31日現在、1,899.9百万ユーロの株主持分(2024年12月31日時点は1,783.5百万ユーロ)と、IFRS第16号の会計原則の適用から生じる賃料債務0.8百万ユーロを含む23.1百万ユーロ(2024年12月31日時点は115.4百万ユーロの正味の金融負債)の正味の金融資産が計上されている。
再分類されたモンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)単体の損益計算書
| (単位:千ユーロ) | 2025年 | 収益に対する割合 | 2024年 | 収益に対する割合 |
|---|---|---|---|---|
| 収益 | 490,449 | 100.0% | 491,918 | 100.0% |
| 一般管理費 | (76,081) | (15.5%) | (84,110) | (17.1%) |
| マーケティング費 | (100,559) | (20.5%) | (82,517) | (16.8%) |
| EBIT | 313,809 | 64.0% | 325,291 | 66.1% |
| 金融収益(費用) | 214,159 | 43.7% | 416,641 | 84.7% |
| EBT | 527,968 | 107.6% | 741,932 | 150.8% |
| 法人所得税 | (89,802) | (18.3%) | (90,046) | (18.3%) |
| 当期純利益 | 438,166 | 89.3% | 651,886 | 132.5% |
再分類後の親会社の貸借対照表
| (単位:千ユーロ) | 2025年12月31日 | 2024年12月31日 |
|---|---|---|
| 無形資産 | 1,003,800 | 1,002,558 |
| 有形資産 | 844 | 1,141 |
| 投資金額 | 1,022,158 | 1,000,012 |
| その他非流動資産(負債) | (134,315) | (89,575) |
| 非流動資産(負債)合計 | 1,892,487 | 1,914,136 |
| 正味運転資本 | 8,481 | 37,917 |
| その他の流動資産(負債) | (18,192) | (48,679) |
| 流動資産(負債)合計 | (9,711) | (10,762) |
| 投下資本 | 1,882,776 | 1,903,374 |
| 純有利子負債(ネットキャッシュ) | (23,065) | 115,358 |
| 年金及びその他の引当金 | 5,922 | 4,537 |
| 株主持分 | 1,899,919 | 1,783,479 |
| 資源合計 | 1,882,776 | 1,903,374 |
親会社およびグループの純利益および株主資本の調整
当グループの当期純利益および期末時点における株主資本と、親会社であるMoncler S.p.A.の当期純利益および株主資本との調整は、以下の表のとおりである。
| 親会社及びグループ間の利益及び正味資本の調整 (単位:千ユーロ) | 2025年利益 | 正味資本2025年12月31日 | 2024年利益 | 正味資本2024年12月31日 |
|---|---|---|---|---|
| 親会社残高 | 438,166 | 1,899,919 | 651,886 | 1,783,479 |
| グループ会社間配当 | (274,610) | 0 | (606,217) | 0 |
| 投資の帳簿価格控除後の連結会社の純利益及び正味資本 | 547,318 | 1,811,032 | 657,313 | 1,567,954 |
| 子会社取得に伴う超過取得費用及び対応する資本の配分 | 0 | 605,298 | 0 | 605,298 |
| グループ会社間損益の消去 | (85,161) | (337,323) | (61,500) | (284,933) |
| 換算調整 | 0 | (86,138) | 0 | (41,167) |
| その他連結仕訳の影響 | 957 | (43,094) | (1,886) | (44,051) |
| グループ株式合計 | 626,670 | 3,849,694 | 639,596 | 3,586,580 |
| 少数株主持分 | (2) | 95 | - | 88 |
| 合計 | 626,668 | 3,849,789 | 639,596 | 3,586,668 |
事業の見通し
2026年に向けて、世界の地政学的及びマクロ経済的環境は引き続き高いレベルの不確実性とボラティリティに特徴づけられている。こうした状況のもと、当グループは、規律と機動性を維持しつつ戦略を遂行し、事業環境の課題を意識し、新たな機会の追求と創造に注力して明確な方向性を維持し、組織及びこの特色あるブランドへの投資を継続する。
当グループは、常に進化する環境の中その真のアイデンティティーと価値を堅持し、決してブランドの長期的価値を損なわない。創造と革新を融合した企業文化に導かれ、当グループは変動の大きい市場の力学に対応し、すべてのステークホルダーに持続可能な長期の価値を提供する。これらの原則は、以下に示す当グループの主要な戦略的優先事項を支える。
モンクレール ブランドのあらゆる側面を世界規模で通年強化
2026年モンクレールは引き続き、特徴的なイベントや、それぞれのポテンシャルを解き放つことに焦点を当てた独自のマーケティング戦略を通じて、全地域においてモンクレール・グルノーブル、モンクレール・コレクション、モンクレール・ジーニアスの3つの相互に補完しあうブランドを強化する。モンクレール・グルノーブルは、モンクレールブランドのDNAに最も強く結びついた次元で、特化したマーケティング戦略と、年間のあらゆる季節に適した完成したコレクションにより、そのパフォーマンス・ラグジュアリー分野の独自性を向上させる。このアプローチにより、モンクレールはこの中核となるブランド価値をより確かなものにし、アウトドアのための正真正銘の高級ブランドとしてのモンクレールのリーダーシップを確立する。モンクレール・コレクションは、コンテンポラリー・ラグジュアリーの表現として、商品提案を向上すること、アイコニックなアイテムを再び創造すること、関連性の高いコレクションやコンセプトを通じて通年お客様にサービスを提供するブランドの能力を高めること、これらのための方策を模索し続ける。モンクレール・ジーニアスは、創造的ラグジュアリー分野における進化の軌跡を継続し、ブランドのリクルーターとしての、またはとの強力なコネクターとしての役割及び創造性やコミュニティーとの強固な接点としての機能を維持する。
商品を絶対的な主役にして、ストーン・アイランド・ブランドのレガシーをさらに進化させる
2026年において、2025年に達成した成果を基盤にし、ストーン・アイランドは、新たなターゲット層への訴求効果を企図した、意図的なマーケティング・アプローチにより、世界的なブランド認知をさらに強化することで、その可能性を最大限に引き出す旅を続ける。これは、研究と実験の文化に根ざしたユニークなアイデンティティとバリュー・マトリックスを土台としたブランドのDNAを引き続き増幅させることによって達成される。ブランドの物語において、製品は絶対的な主役に位置づけられ、コア・カテゴリーを拡大し、アイコニックなアイテムやサブコレクションを通じて魅力を最大化することで、製品提供の向上を目指し、同時に、トータル・ルックの一貫性をブランドの特徴的な要素として確立する。ブランドはまた、継続して既存の流通網及び販売力を強化し、あらゆる顧客との接点で厳選されたオムニチャネルと消費者中心の戦略を実施し、本物で質の高い顧客体験を提供する。
持続的かつ責任ある成長
モンクレール グループは、ステークホルダーの期待を反映し、グループの長期戦略と一致する共通の価値観の下で、持続可能で責任ある発展ができると確信している。このアプローチは、ますます野心的な目標を設定するというコミットメントだけでなく、あらゆる行動が社会や私たちが活動する環境に影響を与えるという認識にも基づくものである。我々の活動は、以下の明確な戦略的優先事項に支えられている。
気候変動への対応
循環型の製品アプローチの推進を含む自然環境保護
サプライチェーンにおける高い社会的基準の推進
顧客との強固な関係の維持及び地域社会への貢献
従業員の成長とウェルビーイングの促進
2025年度中に生じた重要な事象
取締役会の選任
2025年4月16日、モンクレールの定時株主総会は、2025年から2027年までの3年間にかかる15名の取締役で構成される新たな取締役会を選任した。当該取締役会は、2027年12月31日現在の財務諸表を承認する株主総会が招集されるまでその任期を有する。取締役会は、次の者で構成されていた。レモ・ルッフィーニ(取締役会会長兼最高経営責任者)、マルコ・デ・ベネデッティ(副取締役会会長兼非業務執行取締役)、アレクサンドル・アルノー(非業務執行取締役)、フランソワ・アンリ・ベナーミアス(独立取締役)、チェザーレ・コンティ(独立取締役)、ロベルト・フィリップ・エッジス(業務執行取締役)、ベッティーナ・フェツター(独立取締役)、ガブリエーレ・ギャラテッリ・ディ・ジェノーラ(非業務執行取締役)、アレッサンドラ・グリィッティ(独立取締役兼筆頭独立取締役)、ディーバ・モリアーニ(非業務執行取締役)、スー・ナビ(独立取締役)、ルチアノ・サンテル(業務執行取締役)、マリア・シャラポワ(独立取締役)、ジェフロワ・ヴァン・ラームドンク(独立取締役)及びアンナ・ザナルディ(独立取締役)。
配当
2025年4月16日、モンクレールの定時株主総会は、2024年12月31日現在のモンクレールの財務諸表を承認し、1株当たり1.30ユーロ(前年は1株当たり1.15ユーロ)の総配当を承認した。この配当に関する支払額は353.2百万ユーロであり、そのうち0.2百万ユーロは2024年に分配された配当に関するものであった(承認された配当分配額351.8百万ユーロのうち)。
2026年2月19日、モンクレールの取締役会は、ガブリエーレ・ギャラテッリ・ディ・ジェノーラの非業務執行取締役としての職を辞する旨の辞任(2026年4月1日付け)を承認した。これを受けて、取締役会は、イタリア民法(Italian Civil Code)第2386条及び当社定款第13.4条に基づき、かつ監査役会の承認を得て、補欠選任(cooptation)の方法により、同日付けでバルトロメオ・ロンゴーネを新たな取締役として選任した。同取締役会において、2026年1月20日に既に公表されたとおり、取締役会は、バルトロメオ・ロンゴーネを当社の最高経営責任者に選任し、レモ・ルッフィーニは、業務執行取締役会会長としてクリエイティブ・ディレクションに関する責任を引き続き担うとともに、ガバナンス及び当グループの戦略的方向性の決定において引き続き主要な役割を果たすこととされた。2026年4月21日に開催された株主総会は、バルトロメオ・ロンゴーネの取締役としての選任を承認し、同日、取締役会は、同人の最高経営責任者としての権限及び役割を確認した。また、ガブリエーレ・ギャラテッリ・ディ・ジェノーラは、リスク・サステナビリティコントロール委員会の委員も務めていたところ、その辞任に伴い、取締役会は、2026年4月1日付けで、非業務執行取締役であるマルコ・デ・ベネデッティを同委員会の新たな委員に選任し、その後任とした。
定款の変更
2025年3月20日、モンクレールの臨時株主総会は、次の事項に関する定款の変更案を承認した。すなわち、(i)取締役会の構成員数及び取締役会の選任(特に、取締役会が12名を超える構成員から成る場合において、最初の2議席の候補者が異なる性別であるときは、2名をマイノリティリストから選任することを定めるもの)、(ii)会長及び副会長を選任する取締役会の権限(イタリア民法第2380条が既に定める事項を明確化するもの)、(iii)取締役会及び監査役会の会議を電気通信手段のみによって開催することができること、並びに(iv)サステナビリティ報告書の認証を担当する責任者を選任する取締役会の権限。
Moncler UAE LLC
2025年4月10日、Moncler Middle East FZ-LLCは、現地の株主から、Moncler UAE LLCの株式資本の51%に相当する同社の株式を260万ユーロで取得した。この取得により、モンクレールは、子会社であるIndustries S.p.A.及びMoncler Middle East FZ-LLCを通じて、Moncler UAE LLCの全株式を保有することとなる。
Stone Island Japan Inc.
2025年10月14日、Stone Island Japan Inc.は、日本の株主から、Stone Island Japan Inc.の株式資本の20%に相当する株式を290万ユーロで取得した。この取得により、モンクレールは、子会社であるSportswear Company S.p.A.を通じて、Stone Island Japan Inc.の全株式を保有することとなる。
報告日後に生じた重要な後発事象
バルトロメオ・ロンゴーネのグループ最高経営責任者就任及びレモ・ルッフィーニの業務執行取締役会会長就任
2026年1月20日、モンクレールS.p.A.は、その組織体制を強化するため、2026年4月1日付けでバルトロメオ・「レオ」・ロンゴーネがグループ最高経営責任者に就任することを公表した。
この新たな組織体制において、レモ・ルッフィーニは、業務執行取締役会会長として、クリエイティブ・ディレクションに関する責任を引き続き担うとともに、ガバナンス及び当グループの戦略的方向性の決定において引き続き主要な役割を果たす。
ロベルト・エッジスの最高事業・グローバル市場責任者からの退任及びモンクレールS.p.A.取締役会の非業務執行取締役としての留任
2026年1月20日、モンクレールS.p.A.は、ロベルト・エッジスが、新たな職業上の道を歩むため、2026年3月1日付けで最高事業・グローバル市場責任者の職を退くことを公表した。エッジスは、モンクレールS.p.A.取締役会の非業務執行取締役として、引き続き当グループとの協働を継続する。
配当
2025年4月16日、当社の普通株主総会は、2024年12月31日現在の当社の財務諸表を承認し、1株当たり1.30ユーロの総配当(前年は1株当たり1.15ユーロ)の実施を承認した。この配当の支払いは353.2百万ユーロであり、このうち0.2百万ユーロは2024年に承認された総額351.8百万ユーロの配当支払いの一部である。
5【経営上の重要な契約等】
該当なし。
6【研究開発活動】
当グループの競争力は、ブランドの高級なイメージと高い評価によるが、当グループが、顧客の嗜好と市場の傾向に応じた新しいファッション・アパレルを作り出す能力にも依存する。当グループは、それゆえ、様々な調査や、当グループの部における新製品及び製品ラインのデザイン、製造、開発に取り組んでいる。研究開発費用は、支出される都度、当グループの損益計算書において認識される。
第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
「第3-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
2【主要な設備の状況】
当グループの主要な設備は、以下に記載の倉庫及び本社等である。また2025年12月31日現在、当グループは286店舗の直営店を運営しているが、これら全ての店舗は、第三者の所有物を当社子会社が賃借しているものである。「第2-3 事業の内容」参照。
主な設備の内容は以下のとおりである。
(1)モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)、インダストリーズ(Industries)及びスポーツウェア・カンパニー(Sportswear Company S.p.A. (当社のイタリアにおける子会社))
| 所在地 | 面積 | 所有/賃貸 | 従業員の数 | |
|---|---|---|---|---|
| 本社 | イタリア共和国ミラノ | 約44,293平方メートル | 賃貸 | 741名 |
| オフィス | イタリア共和国トレバゼーレゲ | 約16,500平方メートル | 所有 | 781名 |
| オフィス | イタリア共和国ラヴァリーノ | 約22,080平方メートル | 所有 | 213名 |
(2)インダストリーズ・イールド(Industries Yield)(ルーマニアにおける子会社)
| 所在地 | 面積 | 所有/賃貸 | 従業員の数 | |
|---|---|---|---|---|
| 工場 | ルーマニア バカウ | 約25,171平方メートル | 所有 | 2,161名 |
3【設備の新設、除却等の計画】
「第3-4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
| (2025年12月31日現在) | ||
| 授権株数(株) | 発行済株式総数(株) | 未発行株式数(株) |
| 274,805,954株 | 274,805,954株 | 0 |
②【発行済株式】
| (2025年12月31日現在) | ||||
| 記名・無記名の別及び額面・無額面の別 | 種 類 | 発行数(株) | 上場金融商品取引所名又は登録認可金融商品取引業協会名 | 内 容 |
| 記名式無額面株式 | 普通 | 274,805,954株 | ユーロネクスト・ミラノ証券取引所 (従前のMercato Telematico Azionario、MTA) | - |
| 計 | - | 274,805,954株 | - | - |
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
| (2025年12月31日現在) | |||||
| 商業登記年月日 | 発行済株式総数(株) | 資本金(ユーロ)(括弧内は円) | |||
| 増減数 | 残高数 | 増減額 | 残 高 | 摘 要 | |
| 2008年10月13日 | 該当なし | 該当なし | 10,844.34 | 20,833.34 | (1) |
| 2008年10月17日 | 該当なし | 該当なし | 979,166.66 | 1,000,000 | (1) |
| 2011年3月29日 | 100,000,000 | 100,000,000 | 49,000,000 | 50,000,000 | ソシエタ・ペル・アジ オニ(società per azioni)への組織変更 に伴う株式の発行(2) |
| 2011年7月8日 | 同日付けで当社は、イタリア法上の有限責任会社であるソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リ ミタタ(società a responsabilità limitata)に組織変更したため、株式はなくなった。 | ||||
| 2013年10月2日 | 250,000,000 | 250,000,000 | 0 | 50,000,000 | ソシエタ・ペル・アジ オニ(società per azioni)への組織変更 に伴う株式の発行(3) |
| 2015年10月26日 | 124,458 | 250,124,458 | 24,891.60 | 50,024,891.6 | 新株予約権の行使に伴 う株式の発行 |
| 2016年12月31日 | 90,266 | 250,214,724 | 18,503.20 | 50,042,944.80 | 新株予約権の行使に伴 う株式の発行 |
| 2017年12月31日 | 4,564,017 | 254,778,741 | 912,803.40 | 50,955,748.20 | 新株予約権の行使に伴 う株式の発行 |
| 2018年11月19日 | 1,041,383 | 255,820,124 | 208,276.60 | 51,164,024.80 | 新株予約権の行使に伴 う株式の発行 |
| 2019年12月31日 | 2,159,400 | 257,979,524 | 431,880 | 51,595,904.80 | 新株予約権の行使及び株式報酬の付与に伴う株式の発行 |
| 2020年12月31日 | 373,100 | 258,352,624 | 74,620 | 51,670,524.80 | 新株予約権の行使及び株式報酬の付与に伴う株式の発行 |
| 2021年12月31日 | 15,330,166 | 273,682,790 | 3,066,033.20 | 54,736,558 | Sportswear Company S.p.A.の株主との取引に伴う発行済株式数の増加 |
| 2022年12月31日 | 0 | 273,682,790 | 0 | 54,736,558 | ‐ |
| 2023年12月31日 | 944,883 | 274,627,673 | 188,976.60 | 54,925,534.60 | 2020パフォーマンス・シェア・プランに基づく株式の付与 |
| 2024年2月26日 | 178,281 | 274,805,954 | 35,656.20 | 54,961,190.80 | 2020パフォーマンス・シェア・プランに基づく株式の付与 |
| 2025年12月31日 | 0 | 274,805,954 | 0 | 54,961,190.80 | ‐ |
(1) 当社は、イタリア法上の有限責任会社であるソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタタ(società a responsabilità limitata)であったため、株式を発行していなかった。
(2) 同日付けで、当社はイタリア法上の株式会社であるソシエタ・ペル・アジオニ(società per azioni)に組織変更された。
(3) 同日付けで、イタリア法上の株式会社であるソシエタ・ペル・アジオニ(società per azioni)に組織変更された。
(4)【所有者別状況】
「(5) 大株主の状況」を参照のこと。
(5)【大株主の状況】
| (2025年12月31日現在) | |||
| 氏名又は名称 | 住 所 | 所有株式数 (株) | 発行済株式総数に対する 所有株式数の割合 |
| ドーブル・エスアールエル(Double R S.r.l.) | イタリア共和国ミラノ市サンタ・テクラ3番 | 50,089,929 | 18.2% |
| モルガンスタンレー・インベストメント・マネジメント・インク(Morgan Stanley Investment Management Inc.) | アメリカ合衆国デラウェア州ウィルミントンオレンジ通りコーポレーショントラストセンター1209 | 23,566,088 | 8.6% |
| キャピタル・リサーチ・アンド・マネジメント・カンパニー(Capital Research and Management Company) | アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス サウスホープ通り55丁目33番地1階 | 14,311,032 | 5.2% |
| ブラックロック・インク(BlackRock Inc.) | アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市ハドソンヤード50番 | 14,112,634 | 5.1% |
2【配当政策】
本概要は、当社に配当可能なものがある場合の配当に関して当社が重要と考える情報を全て含んでいるが、本概要により全ての情報が提供されるものではなく、必要に応じて当社定款又はイタリアの法令を参照することにより、完全な情報となる。
一般
イタリア法に基づき、当社による年次の配当は、取締役会決議によって、当該年における当社の配当可能な利益及び非連結ベースの剰余金の範囲内で行わなければならない。かかる決議は、当社定時株主総会で承認を受けなければならない。なお、定時株主総会は、当社の年次財務諸表の承認のために、当該財務諸表にかかる会計年度終了日から120日又は180日以内に開催しなければならない。「第1-1 会社制度等の概要」を参照のこと。
積立義務
当社の年次配当は、いずれも取締役会によって提案され、定時株主総会において、当社株主の承認を受けなければならない。当社非連結純利益からの配当が行われる前に、当該純利益の5%相当額が、少なくとも当社の発行済株式資本の額面額の5分の1相当額に達するまで、当社の法定剰余金(リゼルバ・レガーレ(riserva legale))に配賦されなければならない。もし当社の資本金が累積損失によって欠損した場合、資本金額が元に戻されるまで、又はかかる損失額分だけ減少させられるまで、配当金を支払うことはできない。取締役会は、一定限度額の範囲内で中間配当を行うことができる。詳細については「第1-1 会社制度等の概要」を参照のこと。
返済及び時効
当社が宣言した年次配当は、適用される法律に従って支払われる。株主は、適法に承認された財務諸表に基づいて支払われた年次配当を善意で受領した場合は、当社に当該配当を返済する必要はない。配当の支払可能日から5年以内に株主が配当を受領しないときは、配当を受ける権利は失効し、当社の剰余金に計上されることになる。
支払方法及び時期
当社が公表した株主への配当は、モンテ・ティトーリ(Monte Titoli)又は、モンテ・ティトーリ(Monte Titoli)のように認可を受け、株主から指示を受けた仲介機関が、株式を預け入れている有価証券の集中管理システムを介し、統一財務法(Unified Financial Act)及び共同規制に従って株主に支払われる。
課税
イタリア共和国内の居住者ではない個人又は事業体への当社普通株式についての配当は、イタリアの代用税の対象であるが、租税条約又は慣習に従い、一定の条件を満たす場合、減額される可能性がある。
当社のようなイタリアの会社は、イタリアにおける適用法に基づき、配当支払に関し、イタリア租税当局に、一定の情報の提供を求められる。詳細については「第1-3 課税上の取扱い」を参照のこと。
配当
2025年4月16日、当社の普通株主総会は、2024年12月31日現在の当社の財務諸表を承認し、1株当たり1.30ユーロの総配当(前年は1株当たり1.15ユーロ)の実施を承認した。この配当の支払いは353.2百万ユーロであり、このうち0.2百万ユーロは2024年に承認された総額351.8百万ユーロの配当支払いの一部である。
3【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
モンクレール S.p.A. が採用するコーポレート・ガバナンス システムは、モンクレール グループの事業運営の明確かつ責任ある行動において中心的な役割を果たし、株主とすべてのステークホルダーの両方にとって中長期的な持続可能な価値の創造に大きく貢献している。
当社コーポレート・ガバナンス システムは、モンクレールが遵守するイタリア証券取引所の企業統治委員会が承認した上場企業向けの推奨事項(「コーポレート・ガバナンス・コード」)、イタリアの上場企業を規定する法定および規制規定、および国内および国際的なベストプラクティスに従って構築されており、その4つの主要な原則に基づいている。
(1) 管理および統制機関の極めて重要な役割
(2) 経営上の決定の透明性
(3) 関連当事者間の取引および秘匿特権の対象となる情報の取扱いの慎重かつ積極的な監視
(4) 倫理規定と企業方針の両方で定義された一連の価値観、ならびに内部統制及びリスク管理システム(「ICRMS」)の有効性と効率性の順守
当社は、株主の意思を決議によって表明する株主総会によって任命される2つの機関、すなわち定款に基づき広範な権限が委譲されている取締役会(本書提出日現在15名で構成され、そのうち3名は業務執行取締役、12名は非業務執行取締役で、そのうち8名は独立取締役)、並びに経営及び法律、定款の順守を監督する機能を持つ監査役会で構成される、イタリアの伝統的な経営管理システムを採用している。
法定監査は、登録監査法人である監査法人デロイト&トウシュS.p.A.(Deloitte & Touche S.p.A.)によって実施される。同監査法人は、2021年4月22日に開催された定時株主総会において、監査役会が調整する選定プロセスにしたがい、2022年から2030年まで9年間の監査を委託された。
取締役会は、それぞれ提案、助言、監督の機能を持つ3つの委員会、すなわち、リスク・サステナビリティコントロール委員会、指名報酬委員会、及び関連当事者委員会を設置している。
ICRMS内に、モンクレールのメカニズムと内部統制の有効性と適切性、及び当社が採択した法律 231/2001 に従った組織と管理モデルの有効性と適切性を確保し、その実施状況を報告するという任務を負う監督機関(3名で構成され、うち2名は会長を含む社外委員)が設立された。
監督機関に加えて、コンプライアンス機能(レベルIIの管理機能として機能する)、内部監査機能(レベルIIIの管理機能として機能する)、ICRMS担当取締役、リスク・サステナビリティコントロール委員会を担当する委員会および監査役会は、とりわけICRMS内で重要な役割を果たしている。
コーポレート・ガバナンス・コードの原則と推奨事項の順守、およびモンクレールが採用しているコーポレート・ガバナンス・システムに関する詳細については、当社のウェブサイトにある「コーポレート・ガバナンスおよび所有権構造に関するレポート」を参照されたい。当社のウェブサイト www.monclergroup.com の「ガバナンス」セクションに掲載されており、財務に関する統合法第123条の2に従って作成されている。
関連当事者取引
関連当事者取引の概要は、当社の連結財務諸表の脚注10.1及び個別財務諸表の脚注8.1を参照されたい。
非定型及び/又は異常な取引
当グループ及び当社の業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性のある非定型及び/又は異常な取引から生じるポジション又は取引はない。
自己株式
当社は、2026年6月30日現在、2,816,227株の自己株式(発行済株式の1%に相当)を保有している。
(2)【役員の状況】
(1)当社の取締役及び上級社員
当社は、イタリア法が定める範囲内において全般的な権限を執行委員会及び/又は1名以上のマネージング・ディレクターに対して委譲する権限を有する取締役会(Consiglio di Amministrazione)によって経営されている。取締役会は、最高経営責任者及び業務執行取締役の権限を決定する。また、当社は、イタリア民法に基づき、監督機関として機能する監査役会(Collegio Sindacale)を設置する必要がある。
取締役会
2025年4月16日に開催されたモンクレールの定時株主総会において、2025年から2027年の3年間にかかる15名の取締役で構成される新たな取締役会が選任された。当該取締役会は、2027年12月31日現在での財務諸表を承認する株主総会が招集されるまでその任期を有する。
2026年2月19日に開催された取締役会において、取締役会は、ガブリエーレ・ギャラテッリ・ディ・ジェノーラから提出された、2026年4月1日付けでモンクレールの非業務執行取締役の職を辞する旨の辞任を承認した。これを受けて、取締役会は、イタリア民法第2386条及び定款第13.4条の規定に基づき、かつ監査役会の承認を得て、補欠選任(cooptation)の方法によりバルトロメオ・「レオ」・ロンゴーネを取締役会の新たな構成員に選任し、併せて同人を2026年4月1日付けで最高経営責任者に選任した。また、同取締役会は、業務執行取締役会会長であるレモ・ルッフィーニ及び最高経営責任者であるバルトロメオ・ロンゴーネに対し、適切な権限及び委任を付与することを決議した。
2026年3月1日付けで、ロベルト・エッジスは、業務執行取締役及び最高事業戦略・グローバル市場責任者の職を退き、モンクレールの非業務執行取締役の役割にとどまることとなった。
ガブリエーレ・ギャラテッリ・ディ・ジェノーラは、リスク・サステナビリティコントロール委員会の委員も務めていたところ、その辞任に伴い、取締役会は、2026年4月1日付けで、非業務執行取締役であるマルコ・デ・ベネデッティを同委員会の新たな委員に選任し、その後任とした。
以上を踏まえ、取締役会は、次の者で構成される。レモ・ルッフィーニ(業務執行取締役会会長)、バルトロメオ・ロンゴーネ(最高経営責任者)、マルコ・デ・ベネデッティ(副取締役会会長兼非業務執行取締役)、アレクサンドル・アルノー(非業務執行取締役)、フランソワ・アンリ・ベナーミアス(独立取締役)、チェザーレ・コンティ(独立取締役)、ロベルト・フィリップ・エッジス(非業務執行取締役)、ベッティーナ・フェツター(独立取締役)、ガブリエーレ・ギャラテッリ・ディ・ジェノーラ、アレッサンドラ・グリィッティ(独立取締役兼筆頭独立取締役)、ディーバ・モリアーニ(非業務執行取締役)、スー・ナビ(独立取締役)、ルチアノ・サンテル(業務執行取締役)、マリア・シャラポワ(独立取締役)、ジェフロワ・ヴァン・ラームドンク(独立取締役)及びアンナ・ザナルディ(独立取締役)。
| 氏名 | 役職 | 生年月日 |
|---|---|---|
| レモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini) | 業務執行取締役会会長 | 1961年8月27日 |
| バルトロメオ・ロンゴーネ(Bartolomeo Rongone) | 最高経営責任者 | 1971年5月3日 |
| マルコ・デ・ベネデッティ (Marco De Benedetti) | 副取締役会会長 非業務執行取締役 リスク・サステナビリティコントロール委員会委員 | 1962年9月9日 |
| アレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault) | 非業務執行取締役 | 1992年5月5日 |
| フランソワ・アンリ・ベナーミアス (François-Henri Bennahmias) | 独立取締役 | 1964年7月24日 |
| チェザーレ・コンティ(Cesare Conti) | 独立取締役 リスク・サステナビリティコントロール委員会委員 関連当事者委員会委員 | 1963年3月16日 |
| ロベルト・エッジス(Roberto Eggs) | 非業務執行取締役 | 1965年3月13日 |
| ベッティーナ・フェツター(Bettina Fezter) | 独立取締役 関連当事者委員会委員 | 1980年4月2日 |
| アレッサンドラ・グリィッティ (Alessandra Gritti) | 独立取締役 筆頭独立取締役 指名報酬委員会委員 リスク・サステナビリティコントロール委員会委員 関連当事者委員会委員 | 1961年4月13日 |
| ディーバ・モリアーニ(Diva Moriani) | 非業務執行取締役 指名報酬委員会委員 | 1968年10月18日 |
| スー・ナビ(Sue Nabi) | 独立取締役 | 1968年2月13日 |
| ルチアノ・サンテル(Luciano Santel) | 業務執行取締役 | 1956年10月12日 |
| マリア・シャラポワ(Maria Sharapova) | 独立取締役 | 1987年4月19日 |
| ジェフロワ・ヴァン・ラームドンク (Geoffroy Van Raemdonck) | 独立取締役 | 1972年2月11日 |
| アンナ・ザナルディ(Anna Zanardi) | 独立取締役 指名報酬委員会委員 | 1964年7月26日 |
本書提出日現在、当社取締役会の男女比率は以下のとおりである。
| 取締役 | 員数 | 比率 |
|---|---|---|
| 男性 | 9名 | 60% |
| 女性 | 6名 | 40% |
取締役会の構成および経歴に関する詳しい情報については、当社ウェブサイト www.monclergroup.com の「Governance/Board of Directors」セクションを参照されたい。
(2)当社の監査役
監査役会
2026年4月21日に開催されたモンクレールの定時株主総会において、2026年から2028年までの3年間にかかる新たな監査役会が選任された。当該監査役会は、2028年12月31日現在の財務諸表を承認する株主総会が招集されるまでその任期を有する。
本書提出日現在、当社の監査役会は以下の者で構成される。
| 氏名 | 役職 | 生年月日 |
|---|---|---|
| ソニア・フェッレーロ(Sonia Ferrero) | 監査役会会長 | 1971年1月19日 |
| カロライン・ディットメイヤー(Carolyn Dittmeier) …… | 正規監査役 | 1956年11月6日 |
| アントニオ・リッチ(Antonio Ricci) | 正規監査役 | 1970年10月10日 |
| ジャンルカ・セッテパーニ(Gianluca Settepani) | 補欠監査役 | 1970年1月25日 |
| ロレンゾ・マウロ・バンフィ(Lorenzo Mauro Banfi)…… | 補欠監査役 | 1959年1月12日 |
当社監査役は、2026年4月21日に開催された株主総会において選任された。
監査役会の構成および経歴に関する詳細については、当社ウェブサイト www.monclergroup.com の「Governance/Board of Statutory Auditors」セクション、同ウェブサイトの「Governance/Documents and procedures」セクション、及び2026年度コーポレート・ガバナンス報告書も参照されたい。また、「第6-1財務書類」の連結財務諸表注10.1も併せて参照されたい。
(3)役員の報酬等
「第6-1財務書類」の連結財務諸表注10.1を参照のこと。
(3)【監査の状況】
「(1)コーポレートガバナンスの概要」及び「(2)役員の状況」を参照のこと。
独立監査人に対して支払われた報酬は以下のとおりである。
| 区分 | 2024年12月31日に終了した事業年度 | 2025年12月31日に終了した事業年度 | ||
| 監査業務に関連する報酬(ユーロ)(*) | 非監査業務に関連する報酬(ユーロ) | 監査業務に関連する報酬(ユーロ)(*) | 非監査業務に関連する報酬(ユーロ) | |
| 当社 | 431,420 | ‐ | 429,130 | ‐ |
| 連結子会社 | 527,421 | ‐ | 511,916 | ‐ |
| 計 | 958,840 | ‐ | 941,046 | ‐ |
(*)証明業務に対する報酬を含む。
2024年度及び2025年度の独立監査人はDeloitte &Touche S.p.A.である。
2024年度において、当社の独立監査人であるDeloitte &Touche S.p.A.と同一のネットワークに属しているDeloitteネットワーク(イタリアを除く。)に対して支払った報酬の額は、243,465ユーロである。
2025年度において、当社の独立監査人であるDeloitte &Touche S.p.A.と同一のネットワークに属しているDeloitteネットワーク(イタリアを除く。)に対して支払った報酬の額は、233,756ユーロである。
いずれも非監査業務の提供は受けていない。
(4)【役員の報酬等】
2025年度の財務年度まで在任した取締役会については、連結財務諸表の脚注10.1を参照されたい。詳細な情報は、当社のウェブサイトwww.monclergroup.comの「Governance/Remuneration」セクションに掲載されている「報酬制度及び報酬の支払いに関する報告書2026(2026 Report on the Policy regarding Remuneration and Fees paid)」も参照されたい。
(5)【株式の保有状況】
該当なし。
第6【経理の状況】
1 当社は、欧州連合によって承認され、政令第38/05号第9条(Article 9 of Legislative Decree No. 38/05)に基づきイタリアで施行されている国際財務報告基準(以下「IFRS会計基準」という。)に準拠して連結財務諸表及び個別財務諸表を作成しており、当社はこれらの財務諸表を本国において年次報告書上で開示している。以下に掲げる当社の和文の年次連結財務諸表及び個別財務諸表は、2025年度にかかる年次報告書に掲載された原文の年次連結財務諸表及び個別財務諸表を翻訳したものである。
当該財務諸表の作成に当たって、当グループが採用した会計原則及び会計慣行と、日本において一般に認められている会計原則及び会計慣行との間の主要な相違点については、「4 日本とIFRS会計基準における会計原則及び会計慣行の主要な相違」において説明されている。
2 上記の年次連結財務諸表及び個別財務諸表の日本における開示については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)第129条第1項の規定の適用を受けている。
3 原文の年次連結財務諸表及び個別財務諸表は、外国監査法人等(公認会計士法(昭和23年法律第103号)第1条の3第7項に規定されている外国監査法人等をいう。)であるデロイトアンドトゥシュ・エスピーエー(DELOITTE & TOUCHE S.p.A.)による監査を受けており、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含む。)第193条の2第1項第1号に規定される監査証明に相当すると認められる証明にかかる監査報告書の原文及び和訳文が本書とともに提出されている。
4 本書記載の原文の財務諸表は、ユーロで表示されている。「円」で表示されている金額は、2026年6月1日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客直物電信売買相場の仲値である1ユーロ=185.66円により行ったものである。日本円による計数は四捨五入により合計と一致しないことがある。
5 上記の主要な金額の円換算額及び「2 主な資産・負債及び収支の内容」ないし「4 日本とIFRS会計基準における会計原則及び会計慣行の主要な相違」はIFRS会計基準により要求されているものではないため、原文の財務諸表には含まれておらず、上記3の監査の対象にもなっていない。
1【財務書類】
連結損益計算書
| 連結損益計算書 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 単位:千ユーロ | 注記 | 2025年度 | うち 関連当事者 (注記10.1) | 2024年度 | うち 関連当事者 (注記10.1) |
| 収益 | 4.1 | 3,132,128 | 1,398 | 3,108,924 | 1,393 |
| 売上原価 | 4.2 | (685,931) | (29,304) | (682,367) | (30,640) |
| 売上総利益 | 2,446,197 | 2,426,557 | |||
| 販売費 | 4.3 | (956,000) | (1,935) | (937,349) | (2,818) |
| 一般管理費 | 4.4 | (357,432) | (41,608) | (351,656) | (43,704) |
| マーケティング費 | 4.5 | (219,409) | (221,228) | ||
| 営業利益 | 4.6 | 913,356 | 916,324 | ||
| 金融収益 | 4.7 | 25,814 | 28,965 | ||
| 金融費用 | 4.7 | (51,998) | (35,480) | ||
| 税引前利益 | 887,172 | 909,809 | |||
| 法人所得税 | 4.8 | (260,504) | (270,213) | ||
| 当期純利益(非支配持分を含む) | 626,668 | 639,596 | |||
| 非支配持分 | (2) | 0 | |||
| 当期純利益(当グループ持分) | 626,670 | 639,596 | |||
| 1株当たり利益(単位:ユーロ) | 5.17 | 2.31 | 2.36 | ||
| 希薄化後1株当たり利益(単位:ユーロ) | 5.17 | 2.31 | 2.36 |
| 連結損益計算書 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 単位:百万円 | 注記 | 2025年度 | うち 関連当事者 (注記10.1) | 2024年度 | うち 関連当事者 (注記10.1) |
| 収益 | 4.1 | 581,511 | 260 | 577,203 | 259 |
| 売上原価 | 4.2 | (127,350) | (5,441) | (126,688) | (5,689) |
| 売上総利益 | 454,161 | 450,515 | |||
| 販売費 | 4.3 | (177,491) | (359) | (174,028) | (523) |
| 一般管理費 | 4.4 | (66,361) | (7,725) | (65,288) | (8,114) |
| マーケティング費 | 4.5 | (40,735) | (41,073) | ||
| 営業利益 | 4.6 | 169,574 | 170,125 | ||
| 金融収益 | 4.7 | 4,793 | 5,378 | ||
| 金融費用 | 4.7 | (9,654) | (6,587) | ||
| 税引前利益 | 164,712 | 168,915 | |||
| 法人所得税 | 4.8 | (48,365) | (50,168) | ||
| 当期純利益(非支配持分を含む) | 116,347 | 118,747 | |||
| 非支配持分 | 0 | 0 | |||
| 当期純利益(当グループ持分) | 116,348 | 118,747 | |||
| 1株当たり利益(単位:円) | 5.17 | 428.87 | 438.16 | ||
| 希薄化後1株当たり利益(単位:円) | 5.17 | 428.87 | 438.16 |
連結包括利益計算書
| 連結包括利益計算書 | |||
|---|---|---|---|
| 単位:千ユーロ | 注記 | 2025年度 | 2024年度 |
| 当期純利益(損失) | 626,668 | 639,596 | |
| ヘッジ手段のデリバティブの公正価値の変動 | 5.17 | 4,310 | (660) |
| 換算差額―在外営業活動体 | 5.17 | (44,971) | (873) |
| 純損益に振替えられる可能性のある項目 | (40,661) | (1,533) | |
| その他の利得(損失) | 5.17 | 209 | (85) |
| 純損益に振替えられることのない項目 | 209 | (85) | |
| その他の包括利益(損失)(税引後) | (40,452) | (1,618) | |
| 当期包括利益(損失)計 | 586,216 | 637,978 | |
| 帰属先: | |||
| 当グループ | 586,218 | 637,978 | |
| 非支配持分 | (2) | 0 |
| 連結包括利益計算書 | |||
|---|---|---|---|
| 単位:百万円 | 注記 | 2025年度 | 2024年度 |
| 当期純利益(損失) | 116,347 | 118,747 | |
| ヘッジ手段のデリバティブの公正価値の変動 | 5.17 | 800 | (123) |
| 換算差額―在外営業活動体 | 5.17 | (8,349) | (162) |
| 純損益に振替えられる可能性のある項目 | (7,549) | (285) | |
| その他の利得(損失) | 5.17 | 39 | (16) |
| 純損益に振替えられることのない項目 | 39 | (16) | |
| その他の包括利益(損失)(税引後) | (7,510) | (300) | |
| 当期包括利益(損失)計 | 108,837 | 118,447 | |
| 帰属先: | |||
| 当グループ | 108,837 | 118,447 | |
| 非支配持分 | 0 | 0 |
連結財政状態計算書
| 連結財政状態計算書 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 単位:千ユーロ | 注記 | 2025年 12月31日 | うち 関連当事者 (注記10.1) | 2024年 12月31日 | うち 関連当事者 (注記10.1) |
| ブランド及びその他の無形資産(純額) | 5.1 | 1,108,645 | 1,106,784 | ||
| のれん | 5.1 | 603,417 | 603,417 | ||
| 有形固定資産(純額) | 5.3 | 1,498,380 | 1,250,879 | ||
| 関連会社への投資 | 5.4 | 2,532 | 3,854 | ||
| その他の非流動資産 | 5.10 | 56,308 | 51,396 | ||
| 繰延税金資産 | 5.5 | 317,583 | 286,780 | ||
| 非流動資産 | 3,586,865 | 3,303,110 | |||
| 棚卸資産及び仕掛品 | 5.6 | 538,827 | 470,080 | ||
| 売掛金 | 5.7 | 292,133 | 176 | 326,382 | 383 |
| 当期税金資産 | 5.13 | 8,028 | 12,207 | ||
| その他の流動資産 | 5.10 | 56,246 | 50,829 | ||
| その他の金融資産 | 5.9 | 251,128 | 154,004 | ||
| 現金及び現金同等物 | 5.8 | 1,226,277 | 1,187,978 | ||
| 流動資産 | 2,372,639 | 2,201,480 | |||
| 資産合計 | 5,959,504 | 5,504,590 | |||
| 資本金 | 5.17 | 54,961 | 54,961 | ||
| 資本剰余金 | 5.17 | 745,309 | 745,309 | ||
| その他の剰余金 | 5.17 | 2,422,754 | 2,146,714 | ||
| 当期純利益(当グループ持分) | 5.17 | 626,670 | 639,596 | ||
| 当グループ持分 | 3,849,694 | 3,586,580 | |||
| 非支配持分 | 95 | 88 | |||
| 資本合計 | 3,849,789 | 3,586,668 | |||
| 長期借入金 | 5.16 | 938,490 | 761,188 | ||
| 引当金(非流動) | 5.14 | 24,225 | 22,828 | ||
| 従業員給付 | 5.15 | 12,149 | 11,882 | ||
| 繰延税金負債 | 5.5 | 155,052 | 103,282 | ||
| その他の非流動負債 | 5.12 | 35 | 73 | ||
| 非流動負債 | 1,129,951 | 899,253 | |||
| 短期借入金 | 5.16 | 189,968 | 196,120 | ||
| 買掛金 | 5.11 | 527,322 | 8,226 | 540,914 | 11,783 |
| 当期税金負債 | 5.13 | 134,899 | 136,171 | ||
| その他の流動負債 | 5.12 | 127,575 | 5,019 | 145,464 | 5,946 |
| 流動負債 | 979,764 | 1,018,669 | |||
| 資本及び負債合計 | 4,730,660 | 4,992,020 |
| 連結財政状態計算書 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 単位:百万円 | 注記 | 2025年 12月31日 | うち 関連当事者 (注記10.1) | 2024年 12月31日 | うち 関連当事者 (注記10.1) |
| ブランド及びその他の無形資産(純額) | 5.1 | 205,831 | 205,486 | ||
| のれん | 5.1 | 112,030 | 112,030 | ||
| 有形固定資産(純額) | 5.3 | 278,189 | 232,238 | ||
| 関連会社への投資 | 5.4 | 470 | 716 | ||
| その他の非流動資産 | 5.10 | 10,454 | 9,542 | ||
| 繰延税金資産 | 5.5 | 58,962 | 53,244 | ||
| 非流動資産 | 665,937 | 613,255 | |||
| 棚卸資産及び仕掛品 | 5.6 | 100,039 | 87,275 | ||
| 売掛金 | 5.7 | 54,237 | 33 | 60,596 | 71 |
| 当期税金資産 | 5.13 | 1,490 | 2,266 | ||
| その他の流動資産 | 5.10 | 10,443 | 9,437 | ||
| その他の金融資産 | 5.9 | 46,624 | 28,592 | ||
| 現金及び現金同等物 | 5.8 | 227,671 | 220,560 | ||
| 流動資産 | 440,504 | 408,727 | |||
| 資産合計 | 1,106,442 | 1,021,982 | |||
| 資本金 | 5.17 | 10,204 | 10,204 | ||
| 資本剰余金 | 5.17 | 138,374 | 138,374 | ||
| その他の剰余金 | 5.17 | 449,809 | 398,559 | ||
| 当期純利益(当グループ持分) | 5.17 | 116,348 | 118,747 | ||
| 当グループ持分 | 714,734 | 665,884 | |||
| 非支配持分 | 18 | 16 | |||
| 資本合計 | 714,752 | 665,901 | |||
| 長期借入金 | 5.16 | 174,240 | 141,322 | ||
| 引当金(非流動) | 5.14 | 4,498 | 4,238 | ||
| 従業員給付 | 5.15 | 2,256 | 2,206 | ||
| 繰延税金負債 | 5.5 | 28,787 | 19,175 | ||
| その他の非流動負債 | 5.12 | 6 | 14 | ||
| 非流動負債 | 209,787 | 166,955 | |||
| 短期借入金 | 5.16 | 35,269 | 36,412 | ||
| 買掛金 | 5.11 | 97,903 | 1,527 | 100,426 | 2,188 |
| 当期税金負債 | 5.13 | 25,045 | 25,282 | ||
| その他の流動負債 | 5.12 | 23,686 | 932 | 27,007 | 1,104 |
| 流動負債 | 181,903 | 189,126 | |||
| 資本及び負債合計 | 878,294 | 926,818 |
連結持分変動計算書
| 連結持分変動計算書 | 資本金 | 資本剰余金 | 法定準備金 | その他の包括利益 | ||
| 単位:千ユーロ | 注記 | 為替換算 調整勘定 | その他 | |||
| 2024年1月1日残高 | 5.17 | 54,926 | 745,309 | 10,985 | (40,294) | (5,433) |
| 前年度純利益の配分 | 0 | 0 | 7 | 0 | 0 | |
| 連結の範囲の変更 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 配当 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本の増加 | 35 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本のその他の変動 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 包括利益のその他の変動 | 0 | 0 | 0 | (873) | (745) | |
| 当期純利益 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 2024年12月31日残高 | 5.17 | 54,961 | 745,309 | 10,992 | (41,167) | (6,178) |
| 2025年1月1日残高 | 5.17 | 54,961 | 745,309 | 10,992 | (41,167) | (6,178) |
| 前年度純利益の配分 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 連結の範囲の変更 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 配当 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本の増加 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本のその他の変動 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 包括利益のその他の変動 | 0 | 0 | 0 | (44,971) | 4,519 | |
| 当期純利益 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 2025年12月31日残高 | 5.17 | 54,961 | 745,309 | 10,992 | (86,138) | (1,659) |
| 連結持分変動計算書 | その他の剰余金 | 当期純利益(当グループ持分) | 資本(当グループ持分) | 非支配持分 | 資本合計 | |||
| 単位:千ユーロ | 注記 | IFRS2 | 初度適用 | 利益剰余金 | ||||
| 2024年1月1日残高 | 5.17 | 57,144 | (21,482) | 1,801,249 | 611,931 | 3,214,335 | 94 | 3,214,429 |
| 前年度純利益の配分 | 0 | 0 | 611,924 | (611,931) | 0 | 0 | 0 | |
| 連結の範囲の変更 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 配当 | 0 | 0 | (311,197) | 0 | (311,197) | 0 | (311,197) | |
| 資本の増加 | 0 | 0 | (35) | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本のその他の変動 | 19,154 | 3,945 | 22,365 | 0 | 45,464 | (6) | 45,458 | |
| 包括利益のその他の変動 | 0 | 0 | 0 | 0 | (1,618) | 0 | (1,618) | |
| 当期純利益 | 0 | 0 | 0 | 639,596 | 639,596 | 0 | 639,596 | |
| 2024年12月31日残高 | 5.17 | 76,298 | (17,537) | 2,124,306 | 639,596 | 3,586,580 | 88 | 3,586,668 |
| 2025年1月1日残高 | 5.17 | 76,298 | (17,537) | 2,124,306 | 639,596 | 3,586,580 | 88 | 3,586,668 |
| 前年度純利益の配分 | 0 | 0 | 639,596 | (639,596) | 0 | 0 | 0 | |
| 連結の範囲の変更 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 配当 | 0 | 0 | (353,046) | 0 | (353,046) | 0 | (353,046) | |
| 資本の増加 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本のその他の変動 | (17,588) | 1,242 | 46,288 | 0 | 29,942 | 9 | 29,951 | |
| 包括利益のその他の変動 | 0 | 0 | 0 | 0 | (40,452) | 0 | (40,452) | |
| 当期純利益 | 0 | 0 | 0 | 626,670 | 626,670 | (2) | 626,668 | |
| 2025年12月31日残高 | 5.17 | 58,710 | (16,295) | 2,457,144 | 626,670 | 3,849,694 | 95 | 3,849,789 |
| 連結持分変動計算書 | 資本金 | 資本剰余金 | 法定準備金 | その他の包括利益 | ||
| 単位:百万円 | 注記 | 為替換算 調整勘定 | その他 | |||
| 2024年1月1日残高 | 5.17 | 10,198 | 138,374 | 2,039 | (7,481) | (1,009) |
| 前年度純利益の配分 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | |
| 連結の範囲の変更 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 配当 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本の増加 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本のその他の変動 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 包括利益のその他の変動 | 0 | 0 | 0 | (162) | (138) | |
| 当期純利益 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 2024年12月31日残高 | 5.17 | 10,204 | 138,374 | 2,041 | (7,643) | (1,147) |
| 2025年1月1日残高 | 5.17 | 10,204 | 138,374 | 2,041 | (7,643) | (1,147) |
| 前年度純利益の配分 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 連結の範囲の変更 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 配当 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本の増加 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本のその他の変動 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 包括利益のその他の変動 | 0 | 0 | 0 | (8,349) | 839 | |
| 当期純利益 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 2025年12月31日残高 | 5.17 | 10,204 | 138,374 | 2,041 | (15,992) | (308) |
| 連結持分変動計算書 | その他の剰余金 | 当期純利益(当グループ持分) | 資本(当グループ持分) | 非支配持分 | 資本合計 | |||
| 単位:百万円 | 注記 | IFRS2 | 初度適用 | 利益剰余金 | ||||
| 2024年1月1日残高 | 5.17 | 10,609 | (3,988) | 334,420 | 113,611 | 596,773 | 17 | 596,791 |
| 前年度純利益の配分 | 0 | 0 | 113,610 | (113,611) | 0 | 0 | 0 | |
| 連結の範囲の変更 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 配当 | 0 | 0 | (57,777) | 0 | (57,777) | 0 | (57,777) | |
| 資本の増加 | 0 | 0 | (6) | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本のその他の変動 | 3,556 | 732 | 4,152 | 0 | 8,441 | (1) | 8,440 | |
| 包括利益のその他の変動 | 0 | 0 | 0 | 0 | (300) | 0 | (300) | |
| 当期純利益 | 0 | 0 | 0 | 118,747 | 118,747 | 0 | 118,747 | |
| 2024年12月31日残高 | 5.17 | 14,165 | (3,256) | 394,399 | 118,747 | 665,884 | 16 | 665,901 |
| 2025年1月1日残高 | 5.17 | 14,165 | (3,256) | 394,399 | 118,747 | 665,884 | 16 | 665,901 |
| 前年度純利益の配分 | 0 | 0 | 118,747 | (118,747) | 0 | 0 | 0 | |
| 連結の範囲の変更 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 配当 | 0 | 0 | (65,547) | 0 | (65,547) | 0 | (65,547) | |
| 資本の増加 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本のその他の変動 | (3,265) | 231 | 8,594 | 0 | 5,559 | 2 | 5,561 | |
| 包括利益のその他の変動 | 0 | 0 | 0 | 0 | (7,510) | 0 | (7,510) | |
| 当期純利益 | 0 | 0 | 0 | 116,348 | 116,348 | 0 | 116,347 | |
| 2025年12月31日残高 | 5.17 | 10,900 | (3,025) | 456,193 | 116,348 | 714,734 | 18 | 714,752 |
連結キャッシュ・フロー計算書
| 連結キャッシュ・フロー計算書 | 2025年度 | うち 関連当事者 | 2024年度 | うち 関連当事者 |
| 単位:千ユーロ | ||||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | ||||
| 当期純利益 | 626,668 | 639,596 | ||
| 減価償却費及び償却費 | 336,684 | 306,844 | ||
| 金融費用(収益)純額 | 26,184 | 6,515 | ||
| 持分決済型株式報酬取引 | 33,361 | 46,954 | ||
| 法人所得税費用 | 260,504 | 270,213 | ||
| 棚卸資産の(増加)/減少 | (70,387) | (13,801) | ||
| 営業債権の(増加)/減少 | (4,440) | 207 | (3,676) | 4,109 |
| 営業債務の増加/(減少) | (2,749) | (3,557) | (1,169) | (38,543) |
| その他の流動資産/負債の増減 | (9,014) | (927) | (15,444) | (1,388) |
| 営業活動から生じたキャッシュ・フロー | 1,196,811 | 1,236,032 | ||
| 利息の受取額 | 23,116 | 26,338 | ||
| 法人所得税の支払額 | (251,473) | (263,236) | ||
| その他の非流動資産/負債の増減 | (7,939) | (9,628) | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー(a) | 960,515 | 989,506 | ||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | ||||
| 有形固定資産及び無形資産の取得による支出 | (220,114) | (195,195) | ||
| 投資の売却による収入 | 1,200 | 0 | ||
| 有形固定資産及び無形資産の売却による収入 | 4,520 | 8,520 | ||
| 国債及び短期銀行預金への投資純額 | (85,643) | (80,753) | ||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー(b) | (300,037) | (267,428) | ||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | ||||
| 借入金の返済による支出 | 0 | (1,513) | ||
| 流動及び非流動リース負債の返済による支出 | (240,927) | (210,715) | ||
| 短期借入金の増減 | (8,101) | (11,931) | ||
| 株主への配当金の支払額 | (353,231) | (311,014) | ||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー(c) | (602,259) | (535,173) | ||
| 現金及び現金同等物の純増加(減少)額(a)+(b)+(c) | 58,219 | 186,905 | ||
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 1,187,972 | 998,799 | ||
| 為替変動による影響 | (19,915) | 2,268 | ||
| 現金及び現金同等物の純増加(減少)額 | 58,219 | 186,905 | ||
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 1,226,276 | 1,187,972 |
| 連結キャッシュ・フロー計算書 | 2025年度 | うち 関連当事者 | 2024年度 | うち 関連当事者 |
| 単位:百万円 | ||||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | ||||
| 当期純利益 | 116,347 | 118,747 | ||
| 減価償却費及び償却費 | 62,509 | 56,969 | ||
| 金融費用(収益)純額 | 4,861 | 1,210 | ||
| 持分決済型株式報酬取引 | 6,194 | 8,717 | ||
| 法人所得税費用 | 48,365 | 50,168 | ||
| 棚卸資産の(増加)/減少 | (13,068) | (2,562) | ||
| 営業債権の(増加)/減少 | (824) | 38 | (682) | 763 |
| 営業債務の増加/(減少) | (510) | (660) | (217) | (7,156) |
| その他の流動資産/負債の増減 | (1,674) | (172) | (2,867) | (258) |
| 営業活動から生じたキャッシュ・フロー | 222,200 | 229,482 | ||
| 利息の受取額 | 4,292 | 4,890 | ||
| 法人所得税の支払額 | (46,688) | (48,872) | ||
| その他の非流動資産/負債の増減 | (1,474) | (1,788) | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー(a) | 178,329 | 183,712 | ||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | ||||
| 有形固定資産及び無形資産の取得による支出 | (40,866) | (36,240) | ||
| 投資の売却による収入 | 223 | 0 | ||
| 有形固定資産及び無形資産の売却による収入 | 839 | 1,582 | ||
| 国債及び短期銀行預金への投資純額 | (15,900) | (14,993) | ||
| 投資活動によるキャッシュ・フロー(b) | (55,705) | (49,651) | ||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | ||||
| 借入金の返済による支出 | 0 | (281) | ||
| 流動及び非流動リース負債の返済による支出 | (44,731) | (39,121) | ||
| 短期借入金の増減 | (1,504) | (2,215) | ||
| 株主への配当金の支払額 | (65,581) | (57,743) | ||
| 財務活動によるキャッシュ・フロー(c) | (111,815) | (99,360) | ||
| 現金及び現金同等物の純増加(減少)額(a)+(b)+(c) | 10,809 | 34,701 | ||
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 220,559 | 185,437 | ||
| 為替変動による影響 | (3,697) | 421 | ||
| 現金及び現金同等物の純増加(減少)額 | 10,809 | 34,701 | ||
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 227,670 | 220,559 |
モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.) 取締役会代表
会長兼最高経営責任者
レモ・ルッフィーニ
2【主な資産・負債及び収支の内容】
「1 財務書類」を参照のこと。
3【その他】
(1)後発事象
「1 財務書類」の連結財務諸表の注記11を参照のこと。
4【日本の会計原則及び会計慣行とIFRS会計基準の主要な相違】
以下は、IFRS会計基準と適用可能な日本の会計原則及び会計慣行との間の主要な差異を示している。IFRS会計基準には、国際会計基準(IAS)、IFRS解釈指針委員会(IFRIC、以前の解釈指針委員会(SIC))の解釈指針すべてが含まれている。なお、この項目は日本語の読者の便宜の為にイタリア語で発行された財務諸表に追加されたものであり、監査の対象ではない。
(1) 収益認識
日本基準において、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日 企業会計基準委員会)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日 企業会計基準委員会)(以下、「収益認識会計基準等」という。)が2021年4月1日以降開始する事業年度から適用されている。当該基準は財務諸表間の比較可能性の観点からIFRS第15号の基本的な原則を取り入れているが、これまで日本で行われてきた実務等に配慮すべき項目がある場合には、比較可能性を損なわせない範囲で代替的な取扱いが認められている。
(2) のれん
IFRS会計基準では、企業結合によって生じたのれんは、全部のれん方式と買入のれん方式のいずれかの方法で認識し、事後の償却は行わない。減損の兆候の有無にかかわらず、少なくとも年に1回、減損テストを行う。
他方、日本基準では、買入のれん方式に類似した方法でのれんを認識し、最長20年の期間にわたって規則的に償却する。減損の兆候がある場合にのみ、減損の認識・測定について検討する。
(3) 耐用年数を確定できない無形資産
IFRS会計基準では、耐用年数を確定できない無形資産は、減損の兆候の有無にかかわらず、少なくとも年に1回、減損テストを行う。
他方、日本基準では、耐用年数を確定できないという概念を用いていないため、すべての無形資産について規則的な償却を行う。
(4) リース
借手の会計処理において、IFRS会計基準では、免除規定を適用する短期リース、及び少額資産のリースを除くすべてのリースについて使用権資産モデルを適用し、資金調達を伴う使用権資産の取得として処理する。リース負債は、リース料総額の未決済分の割引現在価値として、使用権資産は、リース負債の当初測定額に必要な調整を加味した取得原価で当初測定される。
日本では、2024年9月に企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」(合わせて「リース会計基準等」)が公表され、2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用予定であり、早期適用も認められている。リース会計基準等では、原則として借手のすべてのリースについて使用権資産及びリース負債を計上するとともに、借手のリースの費用配分の方法については、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上するIFRS 第 16 号と同様の単一の会計処理モデルを採用している。このようにリース会計基準等は、借手の会計処理についてはIFRS第16号の主要な定めの内容を取り入れることでIFRS第16号との整合性を図っている。
リース会計基準等が適用されるまでは、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」により、リース取引は、「特定の物件の所有者たる貸手が、当該物件の借手に対し、合意された期間にわたりこれを使用収益する権利を与え、借手は、合意された使用料を貸手に支払う取引」と定義されている。借手は、リース取引をファイナンス・リース取引とそれ以外の取引(オペレーティング・リース取引)に区分し、ファイナンス・リース取引については、原則として財務諸表にリース資産を計上し対応するリース債務を負債に計上するとともにリース資産に係る減価償却費及びリース債務に係る利息相当額を計上すること、オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理することが要求されている。
(5) ヘッジ会計
IFRS会計基準では、公正価値ヘッジ、キャッシュ・フロー・ヘッジ、純投資ヘッジの3つの会計手法が認められる。公正価値ヘッジは、日本基準の時価ヘッジと類似し、キャッシュ・フロー・ヘッジは日本基準の繰延ヘッジと類似する。純投資ヘッジは、在外営業活動体に対する外貨建ての投資をヘッジ対象とするもので、会計処理はキャッシュ・フロー・ヘッジと同様である。
IFRS会計基準のキャッシュ・フロー・ヘッジでは、ヘッジ手段の公正価値の変動のうち、有効部分をその他の包括利益で認識し、非有効部分は純損益で認識する。他方、日本基準の繰延ヘッジでは、有効性の評価においてヘッジ全体が有効であれば、ヘッジ手段の公正価値の変動のうち非有効部分もその他の包括利益で認識する。
日本基準では、ヘッジ会計の例外処理である振当処理や特例処理が広く用いられるが、IFRSにこのような会計手法はない。
(6) ストック・オプション
IFRS会計基準では、株式に基づく報酬取引を、持分決済型、現金決済型、現金選択権付き、の3つに分類し、それぞれについて会計処理を定めている。このうち持分決済型が日本のストック・オプションに相当する。持分決済型の株式報酬取引では、オプション付与の対価として受け取った従業員勤務サービスの公正価値を、権利確定期間にわたり費用として認識する。オプションが行使されずに失効した場合、過去に資本に認識した対価の戻入れは行わない。
他方、日本基準では、2005年12月に公表された企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」により、2006年5月1日以後に付与されるストック・オプションに対してほぼ同様の会計処理が求められることとなった。ただし、オプションが満期になった場合、新株予約権のうち対応する部分を利益として戻し入れる。
(7) 特別損益
IFRS会計基準では、いかなる項目も異常項目として表示することは認められない。日本基準に基づくと特別損益として表示される項目は、IFRSでは一般に営業利益よりも上の区分に表示される。
(8) その他の包括利益(OCI)のリサイクリングの有無
IFRS会計基準では、その他の包括利益で認識した項目が事後的に純損益に振り替えられる可能性があるか否か(リサイクリングの有無)に従って分類し、その他の包括利益計算書上、区分して表示する。
他方、日本基準では、その他の包括利益で認識した項目は、すべて事後的に純損益に振り替えられる可能性があるため、そのような分類を行わない。
(9) 連結手続
(会計方針の統一)
IFRS第10号「連結財務諸表」に従い、親会社は類似の状況における同様の取引及び事象については、統一された会計方針を用いて連結財務諸表を作成しなければならない。在外子会社の財務諸表が現地において一般的に認められている会計基準を用いて作成されている場合には、IFRS会計基準に準拠して作成された親会社の財務諸表の会計基準に一致するように、連結前に必要な組替や調整を行う。同様に、IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」に従って会計処理されている関連会社及び共同支配企業が、類似の状況における類似の取引及び事象について親会社と異なる会計方針を採用している場合においては、当該関連会社及び共同支配企業の財務諸表に対して持分法を適用する際に、親会社の会計方針と一致させるための必要な調整を行わなければならない。
「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号)に基づき、同一環境下で行われた同一性質の取引等について、連結財務諸表作成において親会社及び子会社が採用する会計方針は原則として統一しなければならない。ただし、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」に基づき、在外子会社がIFRS会計基準または米国会計基準で財務諸表を作成している場合、及び国内子会社が指定国際会計基準または修正国際基準で連結財務諸表を作成して有価証券報告書を提出している場合は、当面の間、一定の項目(のれんの償却、退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理、研究開発費の支出時費用処理など)を修正することにより、連結財務諸表作成に利用することが認められている。
企業会計基準第16号 「持分法に関する会計基準」に従い、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、投資会社(その子会社を含む)及び持分法を適用する被投資会社が採用する会計方針は原則として統一する必要がある。ただし、実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」に基づき、在外関連会社がIFRS会計基準または米国会計基準で財務諸表を作成している場合、及び国内関連会社が指定国際会計基準または修正国際基準で連結財務諸表を作成して有価証券報告書を提出している場合は、当面の間、実務対応報告第18号にて認められている暫定的な取り扱いを適用することができる。
(10) 金融商品の分類と測定
IFRS第9号「金融商品」は、金融資産及び金融負債を以下に基づき分類・測定することを要求している。
企業は、金融資産の管理に関する事業モデルと契約上のキャッシュ・フローの特徴に基づいて、以下の分類により金融資産の事後測定を行う。
(a)償却原価
金融資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とした事業モデルの中で保有されており、当該金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合。
(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定
金融資産が、契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却の両方によって目的を達成する事業モデルの中で保有されており、当該金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合。
(c)純損益を通じて公正価値で測定
上記(a)及び(b)以外の場合。
ただし、企業は当初認識時において、売買目的保有でもなくIFRS第3号が適用される企業結合において取得企業の条件付対価でもない投資の公正価値の事後の変動を、その他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行うことができる。
企業は、公正価値オプションや負債であるデリバティブ等に係るものを除き、金融負債を償却原価で事後測定するものに分類しなければならない。
さらに、IFRS第9号は、会計上のミスマッチが除去されるかまたは大幅に低減する場合(公正価値オプション)など、一定の基準を満たした場合、企業が金融資産及び金融負債を純損益を通じて公正価値で測定するものとして取消不能の指定することを認めている。
日本では、金融資産及び金融負債は「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号)及び移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」に基づき、以下のように測定される。
・売買目的有価証券は時価で評価され、評価差額は純損益に認識する。
・満期保有目的の債券は取得原価もしくは償却原価にて測定する。
・その他有価証券(売買目的有価証券、満期保有目的の債券または子会社・関連会社への投資以外のもの)は時価で測定。評価差額は以下のいずれかにより認識される。
(a)純資産の部に認識し、売却、減損、回収時に損益にリサイクリングされる。
(b)時価が取得価額を超える場合は純資産の部に計上し、取得価額が時価を超える場合は純損益に認識される。
・市場価格のない株式は取得原価をもって貸借対照表価額とする。但し、一定の要件を満たす組合等への出資は、当該組合等の構成資産に含まれるすべての市場価格のない株式(出資者である企業の子会社株式及び関連会社株式を除く。)について時価で測定し、組合等への出資者の会計処理の基礎とすることができる。この場合、評価差額の持分相当額は純資産の部に計上する。
・貸付金および債券は取得原価もしくは償却原価にて測定する。
・支払手形、買掛金、借入金、社債およびその他の金融負債に係る債務は、債務額で測定される。ただし、社債が額面金額より低いまたは高い価格で発行されるなど、社債からの受取額が債務額と異なる場合は、償却原価で測定される。
日本基準には、IFRS会計基準で認められている公正価値オプションに関する規定は存在しない。
(11) 資産の減損
(a)固定資産の減損
IAS第36号「資産の減損」に従い、資産または資金生成単位が減損している可能性を示す兆候があり、その回収可能価額 (処分費用控除後の公正価値と使用価値(資産または資金生成単位から得られると予想される将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い方)の見積額が帳簿価額を下回る場合、その差額は減損損失として認識される。過年度に認識された減損損失については、のれんに係るものを除き、一定の基準を満たした場合に減損損失の戻入が行われる。また、減損の兆候の有無にかかわらず、耐用年数を確定できない無形資産およびのれんについては、年1回の減損テストが要求されている。
「固定資産の減損に係る会計基準」(企業会計審議会)に基づき、資産または資産グループに減損の兆候が識別され、割引前将来キャッシュ・フロー(20年を超えない合理的な期間に基づく)の総額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額(正味売却価額または使用価値(資産または資産グループの使用終了時の継続的使用と処分から得られると予想される将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い方)と帳簿価額との差額が減損損失として認識される。減損損失の戻入は認められない。
(b)金融資産の減損
IFRS第9号「金融商品」に従い、企業は、償却原価またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産、リース債権、契約資産または貸出コミットメント、および純損益を通じて公正価値で測定されない金融保証契約について、予想信用損失に対する損失引当金を認識しなければならない。その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の損失引当金は、その他の包括利益で認識し、財政状態計算書の金融資産の帳簿価額を減額してはならない。
各報告日において、企業は、金融商品の信用リスクが当初認識時から著しく増加している場合には、当該金融商品に係る損失引当金を、予想信用損失の生涯損失額に等しい金額で測定しなければならない。報告日において、金融商品の信用リスクが当初認識時から著しく増加していない場合、企業は、当該金融商品の損失引当金を12ヶ月間の予想信用損失に等しい金額で測定しなければならない。
各報告日において、企業は、金融商品の信用リスクが当初認識時から著しく増加しているかどうかを評価しなければならない。この評価を行う場合、企業は、予想信用損失額の変化ではなく、金融商品の予想残存期間に亘って発生する債務不履行リスクの変化を使用しなければならない。その評価を行うために、企業は、金融商品にデフォルトが発生するリスクについて、報告日時点におけるリスクと当初認識日時点におけるリスクとで比較し、当初認識以降の信用リスクの著しい増加を示す、過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を検討しなければならない。
企業は、金融商品の予想信用損失を、以下を反映する方法で見積もらなければならない。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率荷重金額
・貨幣の時間
・過去の事象、現在の状況、将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報。
企業は、IFRS第9号に従って、報告日時点の貸倒引当金を調整するために必要な予想信用損失の金額(または戻入額)を、減損に係る損失または利益として純損益に認識しなければならない。
企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」および関連する実務指針に従い、満期保有目的の債券、子会社および関連会社に対する投資、ならびに市場価格のない株式を除くその他の有価証券について、時価が取得価額に比べて著しく下落した場合には、その下落額の回復が見込まれる場合を除き、貸借対照表上、帳簿価額を時価に修正し、その結果生じる評価差額を当期の損失として処理する。市場価格のない株式については、発行者の財務状況の悪化により実質価額が著しく下落した場合、帳簿価額を実質価額まで減額し、評価損を当期に認識する。実質価値とは、一般に公正妥当と認められた会計基準に従って作成された財務諸表に基づき、資産の時価評価差額を含む調整を加えて算出される企業の純資産の所有持分と定義される。貸付金および債権は、債務者の財政状態および経営成績に応じて、一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権等の3つに分類される。
貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率に基づく方法、貸倒懸念債権についてはその状況に応じて財政状態または予想キャッシュ・フローに基づく方法、破産更生債権等については財政状態に基づく方法など、それぞれの区分に応じて定められた方法により算定される。
また、日本基準では、減損損失の戻入れは株式については禁止されており、満期保有目的の債券およびその他有価証券については認められていない。貸付金および債権に係る減損損失が帳簿価額を直接減額している場合には、減損損失の戻入益の計上は認められていない。
(12) 研究開発費
IAS第38号「無形資産」に基づき、研究に伴う支出は発生時に費用として認識される。開発に伴う支出は、一定の要件を満たす場合は資産計上され、予想耐用年数にわたって償却を行う。
日本では、「研究開発費に関する会計基準」に従い、研究開発費は発生時に費用処理される。
(13) 繰延税金
(a)繰延税金資産の回収可能性
IAS第12号「法人所得税」に従い、すべての将来減算一時差異について、その将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で、繰延税金資産を認識しなければならない。企業が最近において欠損を計上した場合には、企業は税務上の繰越欠損金または繰越税額控除から生じる繰延税金資産を、十分な将来加算一時差異を有する範囲でのみ、または税務上の繰越欠損金もしくは繰延税額控除の仕様対象となる十分な課税所得が稼得されるという他の信頼すべき根拠がある範囲でのみ認識する。
日本基準では、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」において、繰延税金資産の回収可能性は、収益性、タックス・プランニング、将来加算一時差異の解消状況、及び各一時差異の解消時期等に基づいて判断することとされている。収益性に基づき、企業は、当期及び過去3年間の課税所得の十分性など一定の要件を用いて、5つのカテゴリーに分類される。繰延税金資産の回収可能性は、指定された区分に基づいて決定される。
(b)グループ内取引の未実現利益の消去に係る税効果
IAS第12号「法人所得税」に従い、グループ内取引から生じる未実現利益の消去の税効果について、繰延税金資産は資産負債アプローチに基づき、一時差異を有する資産を保有する買主に適用されると予想される税率を使用して算定される。買主は、未実現利益の消去から生じるものを含め、一時差異から生じるすべての繰延税金資産の回収可能性を評価しなければならない。
企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に関する適用指針」に基づき、グループ内取引から生じる未実現利益の消去により発生する一時差異については、繰延法により売主の税率を使用する。未実現利益の消去から生じる一時差異の金額は、売主の売却年度の課税所得を超えないものとする。
(14) 法人所得税の不確実性
IFRIC第23号「法人所得税の税務処理に関する不確実性」に従い、企業は、税務当局が不確実な税務処理(税法上、関連する税務当局がその税務処理を受け入れるかどうかが不確実な税務処理)を認める可能性が高いかどうかを検討しなければならない。
税務当局が不確実な税務処理を認める可能性が高いと企業が結論を下す場合には、企業は、課税所得(税務上の欠損金)、税務基準額、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除または税率を、法人所得税申告において使用したかまたは使用を予定している税務処理と整合的に決定しなければならない。
税務当局が不確実な税務処理を認める可能性が高くないと企業が結論を下す場合には、企業は、不確実性の影響を、関連する課税所得(税務上の欠損金)、税務基準額、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除または税率を決定する際に反映しなければならない。
企業は、不確実な税務処理のそれぞれについて、不確実性の影響を、いずれの方法が不確実性の解消をより良く予測すると企業が見込んでいるのかに応じて、(a)最も可能性の高い金額もしくは(b)期待値のいずれかの方法を用いることによって反映しなければならない。
日本基準では、企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」において、過年度の法人所得税が更正処分等により追徴又は還付された場合、又は更正処分等により追徴された法人所得税を納付した企業が不服申立てを行った場合に還付される法人所得税について、その認識の閾値が定められている。当該基準では、追徴税額または還付税額を合理的に見積もることができ、かつ誤謬に該当しないときに限り、追徴税額が発生する可能性が高い場合、または還付税額が発生することが確実である場合に、追徴税額または還付税額をそれぞれ損益計算書に計上する。これにより、追徴税額に関する認識の閾値と還付税額に関する認識の閾値が異なるものとなっている。
第7【外国為替相場の推移】
ユーロと日本円の間の為替相場は、日本国内において時事に関する事項を掲載する2以上の日刊新聞紙に最近5事業年度及び最近6ヶ月間において掲載されているため、記載を省略する。
第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
以下は、当社株式に関する株式事務、権利行使の方法及び関連事項の概要である。
1.本邦における株式事務等の概要
(1) 株式の名義書換取扱場所及び名義書換代理人
日本においては、当社株式の名義書換取扱場所又は名義書換代理人は存在しない。
当社株式の取得者(以下「実質株主」という。)は、その取得窓口となった証券会社(以下「窓口証券会社」という。)との間に外国証券取引口座約款(以下「約款」という。)を締結する必要があり、約款により、実質株主の名義で外国証券取引口座(以下「取引口座」という。)が開設される。売買取引の執行、売買代金の決済、証券の保管及び当社株式に関するその他の取引に関する事項は、全て取引口座を通じて処理される。
(2) 株主に対する特典
該当事項なし
(3) 株式の譲渡制限
当社株式に譲渡制限はない。
(4) その他株式事務に関する事項
(a) 当社株式の登録
取引口座を通じて保有される当社株式は、窓口証券会社を代理するイタリアにおける保管機関(以下「現地保管機関」という。)又はその被任命者の名義で、当社の株主名簿に登録される。
(b) 配当等基準日
当社から配当等を受け取る権利を有する実質株主は、当社の取締役会が配当支払等のために定めた基準日現在において当社株式を実質的に所有する者である。
(c) 事業年度の終了
毎年12月31日
(d) 公告
日本においては、当社株式に関する公告が行われない。
(e) 実質株主に対する株式事務に関する手数料
実質株主は、窓口証券会社の定めるところにより、約款に規定された手続及び関連行為のための費用として、取引口座を維持するための管理費を支払う。さらに、実質株主は、約款に規定されたその他の費用を支払う可能性もある。
2.日本における実質株主の権利行使方法
(1) 実質株主の議決権の行使に関する手続
議決権の行使は、実質株主が窓口証券会社を通じて行う指示に基づき、現地保管機関又はその被任命者が行う。他方、実質株主が指示をしない場合、現地保管機関又はその被任命者は実質株主のために保有されている当社株式について議決権を行使しない。
(2) 配当請求等に関する手続
(a) 現金配当の交付手続
約款に従い、現金配当は、窓口証券会社が現地保管機関又はその被任命者から一括受領し、取引口座を通じて実質株主に交付する。
(b) 株式配当等の交付手続
株式分割により割り当てられた当社株式は、現地保管機関又はその被任命者の名義で登録され、窓口証券会社はかかる当社株式を取扱口座を通じて処理する。ただし、実質株主から別段の要請がない限り、売買数がイタリアにおける売買単位未満の端数の当社株式については、窓口証券会社を代理する現地保管機関によりイタリアで売却され、その純手取金は、窓口証券会社が現地保管機関又はその被任命者から一括受領し、取引口座を通じて実質株主に支払う。
株式配当により割り当てられた当社株式は、実質株主から別段の要請がない限り、窓口証券会社を代理する現地保管機関によりイタリアで売却され、その純手取金は、窓口証券会社が現地保管機関又はその被任命者から一括受領し、取引口座を通じて実質株主に支払う。
(3) 株式の譲渡に関する手続
実質株主がその持株の売却注文をなす際の実質株主と窓口証券会社との間の決済は円貨又は窓口証券会社が応じうる範囲内の外貨による。窓口証券会社は、国内店頭取引についての当社株式の決済を口座の振替によって行い、当社株式の取引の結果として現地保管機関の当社株式数残高に増減が生じた場合には、当社株式の名義書換の手続に従ってイタリアの登録機関において当該当社株式の譲渡手続がとられる。
(4) 新株引受権
実質株主が保有する当社株式について新株引受権が与えられる場合には、新株引受権は、通常、窓口証券会社を代理する現地保管機関によりイタリアで売却され、その純手取金は、窓口証券会社が現地保管機関又はその被任命者から一括受領し、取引口座を通じて実質株主に支払う。
(5) 本邦における配当等に関する課税上の取扱い
本邦における課税上の取扱いの概要は以下のとおりである。
(a) 配当
日本において実質株主に対して支払われる配当金は、日本の税法上の課税対象となる。国内における支払の取扱者を通じて交付を受ける「上場株式等」(租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含む。)に定義され、外国金融商品市場で売買取引される外国株式を含む。)の配当金については、外国において当該配当の支払の際に徴収された源泉徴収税がある場合にはこの額を外国における当該配当の支払額から控除した後の金額に対して、20%(所得税15%、住民税5%)の税率(ただし、平成25年12月31日までは、特例措置として10%(所得税7%、住民税3%)の税率が適用される。)で源泉徴収により課税される。
申告不要の特例を利用する場合は、当該配当所得の金額の多寡にかかわらず源泉徴収で課税関係が終了する。上場株式等の配当等を申告する場合には、その申告する上場株式等の配当等の全てについて総合課税と申告分離課税のいずれか一方を選択することになる。当該配当所得について総合課税による確定申告をした場合、外国株式の配当所得について配当控除の適用はないが、外国において徴収された税額については日本の税法に従い外国税額控除を申請することができる。申告分離課税を選択した場合は、上場株式等にかかる課税配当所得の金額の20%(所得税15%、住民税5%)の税率(ただし、平成25年12月31日までは10%(所得税7%、住民税3%)の軽減税率とする。)で課税される。平成21年分以後の所得税については、その年分の上場株式等の譲渡所得等の金額の計算上生じた損失の金額があるとき又はその年の前年以前3年内の各年に生じた上場株式等の譲渡損失の金額(前年以前に既に控除したものを除く。)があるときは、これらの損失の金額を上場株式等の配当所得の金額(申告分離課税を選択したものに限る。)から控除される。
日本の法人である実質株主の場合には、支払を受けた配当は税法上益金として課税される。なお、法人に対する支払について源泉徴収された税額は納付税額から控除される。外国において徴収された税額については、日本の税法に従い外国税額控除を申請することができる。
上記に加え、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法により、平成25年1月1日から平成49年12月31日まで、上記各記載の所得税率に基づく所得税額の2.1%が復興特別所得税として課される。
(b) 売買損益
日本の居住者たる個人又は日本の法人による当社株式の日本における売買に基づく損益についての課税は、内国会社の上場株式等の売買損益課税と原則として同様である。
(c) 相続税
当社株式を相続し又は遺贈を受けた日本の実質株主には、日本の相続税法に基づき相続税が課せられるが、外国税額控除が認められる場合がある。
(6) 実質株主に対する諸通知
当社が登録株主に対して行う通知及び通信は、現地保管機関又はその被任命者に対してなされる。現地保管機関はこれを窓口証券会社に送付する義務があり、窓口証券会社はこれをさらに各実質株主に送付する義務がある。実費は実質株主に請求される。ただし、実質株主がその送付を希望しない場合又は当該通知若しくは通信の性格上重要性が乏しい場合には、送付することなく窓口証券会社の店頭に備え付け、実質株主の閲覧に供される。
第9【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社の発行する有価証券は金融商品取引法第24条第1項及び第2項に該当しないため、該当事項はない。
2【その他の参考情報】
当社は、2025年度の開始日(2025年1月1日)から本有価証券報告書の提出日までの間に、以下の書類を関東財務局長に提出している。
(1)有価証券報告書及びその添付書類(2025年6月30日提出)
(2)半期報告書及びその添付書類(2025年9月26日提出)
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第1【保証会社情報】
該当事項なし。
第2【保証会社以外の会社の情報】
該当事項なし。
第3【指数等の情報】
該当事項なし。
2010年1月27日政令第39号14条及び2014年4月16日EU規則第537号10条に基づく監査人の報告書
モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)
株主各位
連結財務諸表監査に関する報告
意見
当監査法人は、モンクレールグループの2025年12月31日現在の連結財政状態計算書、同日をもって終了する事業年度の連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書、並びに重要な会計方針情報を含む連結財務諸表に対する注記から構成されている連結財務諸表についての監査を行った。
当監査法人の意見では、上記の連結財務諸表は、国際会計基準審議会により発行され、欧州連合及びイタリアの政令第38/05号第9条において採用されているIFRS会計基準に準拠して、モンクレールグループの2025年12月31日現在の財政状態、並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を真実かつ公正に反映している。
意見の根拠
当監査法人は、国際監査基準(ISAイタリア)に準拠して監査を実施した。当該基準に基づく当監査法人の責任は、本報告書の「連結財務諸表監査に対する監査人の責任」の項で詳述されている。当監査法人は、財務諸表監査に関連してイタリア法により適用される倫理・独立性規則及び基準に従い、モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)(親会社)から独立した立場にある。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと考えている。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当監査法人の専門的判断により、当期の連結財務諸表監査で最も重要であると判断された事項である。これらの事項は、全体としての連結財務諸表に対する当監査法人の監査及び当監査法人の意見形成において検討された事項であり、当監査法人はこれらの事項に対して個別に意見を表明するものではない。
ストーン・アイランドの資金生成単位に関連するブランド及びのれんに対する減損テスト
監査上の主要な検討事項の内容
2025年12月31日現在の連結財務諸表には、1,108.6百万ユーロのブランド及びその他の無形資産(純額)及び603.4百万ユーロののれんが記載されている。これらの科目にはストーン・アイランドの資金生成単位に配分されたブランド及びのれんが含まれており、その金額はそれぞれ775.5百万ユーロ及び447.8百万ユーロである。これらの資産は耐用年数の確定できない無形資産と判断されているため償却は行われないが、IAS第36号の要求に従って、少なくとも年に1度、使用価値に基づき算定された資金生成単位の回収可能価額と、固定資産として上記のブランド及びのれんを含む純投資資本の帳簿価額と比較することによる減損テストを実施している。
経営者の評価プロセスは明確であり、特に資金生成単位の将来キャッシュ・フローの予測と、適切な割引率(WACC)及び長期成長率(gレート)の一連の仮定に基づいている。これらの仮定は、ストーン・アイランドの事業の将来の動向に関する予測や市場の状況の影響を受ける。
ストーン・アイランドの資金生成単位に関連して連結財務諸表に記載されたのれんとブランド価値の金額の重要性と、資金生成単位の将来キャッシュ・フローの算定における見積もりに伴う判断レベル、及び減損モデルの他の重要なパラメーターという観点から、当監査法人は当該減損テストを監査上の主要な検討事項と判断した。
連結財務諸表注記5.2において、無形資産及びのれんに関して実施されたテストに関する情報が記載されており、そこには減損テストにおいて使用された重要なパラメーターの変動による影響を示した「感応度分析」が含まれている。
実施された監査手続
当監査法人は、減損テストの実施において経営者が用いた方法及び仮定を分析することにより、経営者による資金生成単位の使用価値の見積方法を検討した。
監査の一環として、デロイトネットワーク内の専門家の協力を得ながら、特に下記の手続を実施した。
・モンクレールグループが適用している減損テストの実施プロセスの検出及び理解
・将来キャッシュ・フロー予測に使用された主要な仮定の合理性についての分析、セクターデータ及び経営者から入手する情報の分析
・逸脱の内容及び計画プロセスの信頼性を評価するための、実績と経営者の前期予測との比較
・割引率(WACC)及び長期成長率(gレート)の合理性の評価
・資金生成単位の使用価値の算定に用いるモデルの事務面での正確性の検証
・資金生成単位の帳簿価額の算定における正確性の検証
・経営者による感応度分析の検証及び減損テストに関してモンクレールグループより提供された開示の検討
連結財務諸表に対する親会社の取締役及び監査役会の責任
取締役は、国際会計基準審議会により発行され、欧州連合及びイタリアの政令38/05号第9条において採用されているIFRS会計基準に準拠した真実かつ公正な概観を与える連結財務諸表の作成、及びイタリア法に準拠して不正か誤謬かを問わず重要な虚偽表示のない財務諸表の作成を可能とするために取締役が必要と判断する内部統制について責任を負う。
連結財務諸表の作成にあたり、取締役は、親会社の清算もしくは事業停止の状況が存在するか、もしくはそれ以外に現実的な選択肢がない場合を除き、継続企業としてのモンクレールグループの存続能力やそれに関連する開示の十分性を検証し、また、継続企業の前提に基づき会計処理することに責任を負う。
監査役会は、法律で定められた条件の範囲内で、モンクレールグループの財務報告プロセスについて監視する責任を負う。
連結財務諸表監査に対する監査人の責任
当監査法人の監査の目的は、不正か誤謬を問わずに、全体としての連結財務諸表に重要な虚偽表示がないかについて合理的な保証を得て、監査意見を含む監査報告書を発行することにある。合理的な保証は高水準の保証であるが、国際監査基準(ISAイタリア)に準拠して実施された監査が、存在する重要な虚偽表示を常に発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正又は誤謬から発生する可能性があり、個別に又は合計すると、財務諸表利用者が連結財務諸表に基づいて行う経済的意思決定に影響をおよぼすと合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
国際監査基準(ISAイタリア)に準拠した監査の一環として、当監査法人は、職業的専門家としての判断を行使し、監査を通じて職業的専門家として懐疑心を保持することに加え、以下を実施する。
・不正又は誤謬による連結財務諸表の重要な虚偽表示のリスクを識別、評価し、当該リスクに対応する監査手続を立案、実施し、当監査法人の意見の基礎を提供する十分かつ適切な監査証拠を入手する。不正は、共謀、文書の偽造、意図的な除外、虚偽の陳述、もしくは内部統制の無効化を伴う可能性があるため、不正による重要な虚偽表示を発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示を発見できないリスクよりも高い。
・ 状況に適した監査手続を立案するために、監査に関連性のある内部統制を理解するが、モンクレールグループの内部統制の有効性に対して意見を表明することを目的とはしない。
・ 取締役が採用した会計方針の適切性、取締役が行った会計上の見積り及び関連する開示内容の合理性を評価する。
・ 経営者が継続企業の前提に基づき会計処理したことの適切性、及び入手した監査証拠に基づき、継続企業としてのモンクレールグループの存続能力に著しい疑義をもたらす事象又は状況に関連する重要な不確実性の有無について結論付ける。重要な不確実性が存在すると結論付ける場合には、当監査法人は報告書の中で連結財務諸表内の関連する開示への参照を促すか、又は関連する開示が妥当ではない場合には意見を修正することが求められる。当監査法人の結論は、本報告書日までに入手した監査証拠に基づいている。ただし、将来の事象や状況によって、モンクレールグループが継続企業として存続できなくなることがある。
・ 開示を含む連結財務諸表の全体的な表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や事象を適正に表示しているか否かを評価する。
・連結財務諸表に対する意見を表明するため、モンクレールグループ内の企業又は事業活動の財務情報に関し、十分かつ適切な監査証拠を入手する。当監査法人は、モンクレールグループのグループ監査の指示、監督及び実施に対して責任を負う。当監査法人は、連結財務諸表に対する監査意見に対して単独で責任を負う。
当監査法人は、特に計画した監査の範囲とその実施時期、及び監査上の重要な発見事項(監査の過程で認識した内部統制の重要な不備を含む)について国際監査基準(ISAイタリア)で求められる適切な水準で統治責任者とコミュニケーションを行う。
また、独立性について、イタリアで適用される倫理・独立性規則及び基準を遵守した旨を統治責任者に文書で提出し、独立性に影響を与えると合理的に考えられるすべての関係及びその他の事項、並びに該当する場合には、関連するセーフガードについてコミュニケーションを行う。
統治責任者にコミュニケーションを行った事項の中から、当事業年度の連結財務諸表監査において最も重要な影響を与える事項を監査上の主要な検討事項として決定する。当監査法人は、これらの事項を報告書に記載している。
EU規則第537/14号第10条で求められるその他の情報
2021年4月22日に、親会社の株主総会は、2022年12月31日から2030年12月31日までに終了する各事業年度の監査人として当監査法人を選任した。
当監査法人は、EU規則第537/2014号第5.1条にある禁止非監査業務を提供していないこと、及び親会社からの独立性が確保されていることを宣誓する。
当監査法人は、本報告書に示された連結財務諸表に対する意見が、監査委員会として機能する監査役会に対する、上記の規則第11条に従って作成された追加報告と整合していることを確認している。
その他の法令及び規則の要件に対する報告
欧州委員会委任規則(EU)第2019/815号の規定の準拠性に対する意見
親会社の取締役は、単一電子報告フォーマット(ESEF)の仕様に係る規制上の技術基準に関する欧州委員会委任規則(EU)第2019/815号の規定を、年次財務報告書に含まれる2025年12月31日現在の連結財務諸表に適用することに責任を負う。
当監査法人は、当該連結財務諸表に関する欧州委員会委任規則(EU)第2019/815の準拠性に対して意見を表明するために、監査基準(SAイタリア)700Bに規定されている手続を実施した。
当監査法人は、2025年12月31日現在の連結財務諸表は、全ての重要な点について欧州委員会委任規則(EU)第2019/815号の規定に準拠して、XHTMLフォーマットで作成され表示されているものと認める。
政令第39/10号第14条2項e),e-2),e-3)及び政令第58/98号第123条の2第4項に基づく意見及び記述
親会社の取締役は、モンクレールグループの取締役会報告書の作成、コーポレートガバナンス及び2025年12月31日時点の株主構成に関する報告書の作成、及びこれら報告書と関連する連結財務諸表との首尾一貫性、並びにこれら報告書に適用される法令への準拠について責任を負う。
当監査法人は、以下の目的で、イタリアの監査基準(SAイタリア)720Bで要求されている手続を実施した。
・政令第58/98号第123条の2第4項に基づき作成される取締役会報告書、並びに、コーポレートガバナンス及び株主構成に関する報告書において開示される特定の情報と連結財務諸表との首尾一貫性に対して意見sを表明する
・政令第58/98号第123条の2第4項に基づき作成される、取締役会報告書(企業サステナビリティ報告に関するセクションを除く)、並びに、コーポレートガバナンス及び株主構成に関する報告書において開示される特定の情報の法令への準拠性に対して意見を表明する
・政令第58/98号第123条の2第4項に基づき作成される取締役会報告書、並びに、コーポレートガバナンス及び株主構成に関する報告書において開示される特定の情報において重要な虚偽表示を発見したか否かを述べる
当監査法人は、取締役会報告書、並びに、コーポレートガバナンス及び株主構成に関する報告書において開示される特定の情報が、モンクレールグループの2025年12月31日現在の連結財務諸表と首尾一貫して作成されているものと認める。
更に、当監査法人は、政令第58/98号第123条の2第4項に基づき作成される取締役会報告書(企業サステナビリティ報告に関するセクションを除く)、並びに、コーポレートガバナンス及び株主構成に関する報告書において開示される特定の情報が適用される法令に準拠して作成されているものと認める。
政令第39/10号第14条2項e-3)に照らして、監査の過程で得たモンクレールグループやその事業環境に関する知識及び理解に基づき、当監査法人が報告すべき事項はない。
法令の準拠性についての当監査法人の意見は、企業サステナビリティ報告に関するセクションに及んでいない。当該セクションが作成基準を規定する法律及びEU規則2020/852第8条に示された開示要求に準拠しているかどうかに関する結論は、政令第39/10号第14条の2に基づく保証報告書にて表明されている。
DELOITTE & TOUCHE S. p. A.
(署名)
バーバラ・モスカーディ
パートナー
トレヴィーゾ市、イタリア
2026年3月20日
(添付のモンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の連結財務諸表は日本の規制当局へ提出を行う目的で日本語へ翻訳されており、イタリア語の原版に加えて財務諸表に含まれる財務情報につき円貨での換算、及び日本の会計原則及び会計慣行とIFRS会計基準との相違についての段落を追加している。更に、連結企業サステナビリティ報告に特化した経営報告の特定のセクションは翻訳から除外され、モンクレールのウェブサイト上で英語にて入手可能な該当文書への参照に置き換えられている。
我々の監査はユーロで表示された連結財務諸表の原本に対して実施されている。従って、イタリア語による監査報告書の原文のみが正文である。)
2010年1月27日政令第39号第14条及び2014年EU規則第537号第10条に基づく独立監査人の報告書
モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)
株主各位
財務諸表監査に関する報告
意見
当監査法人は、モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の2025年12月31日現在の財政状態計算書、同日をもって終了する事業年度の損益計算書、包括利益計算書、持分変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書、並びに重要な会計方針情報を含む財務諸表に対する注記から構成されている財務諸表についての監査を行った。
当監査法人の意見では、上記の財務諸表は、国際会計基準審議会により発行され、欧州連合及びイタリアの政令第38/05号第9条において採用されているIFRS会計基準に準拠して、モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の2025年12月31日現在の財政状態、並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を真実かつ公正に反映している。
意見の根拠
当監査法人は、国際監査基準(ISAイタリア)に準拠して監査を実施した。当該基準に基づく当監査法人の責任は、本報告書の「財務諸表監査に対する監査人の責任」の項で詳述されている。当監査法人は、財務諸表監査に関連してイタリア法により適用される倫理・独立性規則及び基準に従い、モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)から独立した立場にある。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと考えている。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当監査法人の専門的判断により、当期の財務諸表監査で最も重要であると判断された事項である。これらの事項は、全体としての財務諸表に対する当監査法人の監査及び当監査法人の意見形成において検討された事項であり、当監査法人はこれらの事項に対して個別に意見を表明するものではない。
ストーン・アイランドブランド及びのれんに対する減損テスト
監査上の主要な検討事項の内容
2025年12月31日現在の個別財務諸表におけるブランド及びその他の無形資産(純額)は1,003.8 百万ユーロであり、これには775百万ユーロに相当するストーン・アイランドブランド(以下、ブランド)が含まれている。
子会社株式は1,022.2百万ユーロであり、そのうち599.8百万ユーロはSportswear Company S.p.A.に対する投資(以下、投資)の価値を含んでおり、これには2021年の取得時に認識され、ストーン・アイランド事業に関連するのれんに配分された増加価値が含まれている。
このブランドは耐用年数の確定できない無形資産と判断されているため償却は行われないが、IAS第36号の要求に従って少なくとも年に1度、ブランドの帳簿価額と所謂ロイヤルティ免除法の適用を通じて見積もられ、割引キャッシュ・フロー法により算定された使用価値に基づき算定された回収可能価額と比較することによる減損テストを実施している。投資の価値については、事実または状況により見直しが必要となる場合にのみ減損テストが実施される。
経営者の評価プロセスは明確であり、特にブランドの予測キャッシュ・フローと、適切な割引率(WACC)及び長期成長率(gレート)の仮定に基づいている。これらの仮定は、算定の基礎となる将来のストーン・アイランド事業の売上の予測や市場の状況の影響を受ける。
個別財務諸表に記載されたブランド価値の金額の重要性と、ブランドのキャッシュ・フロー及び投資の算定における見積もりの主観性、および減損モデルの重要な変数という観点から、当監査法人は当該減損テストを監査上の主要な検討事項と判断した。
個別財務諸表注記4.2において、ブランドについて実施されたテストに関する情報が記載されており、そこには減損テストにおいて使用された重要なパラメーターの変動による影響を示した「感応度分析」が含まれている。
個別財務諸表注記4.4において、投資に関して経営者が作成した検討内容に関する情報が記載されている。
実施された監査手続
当監査法人はまず、減損テストの実施において経営者が用いた方法及び仮定を分析することにより、経営者によるブランドの使用価値の見積方法を検討した。
監査の一環として、デロイトネットワーク内の専門家の協力を得ながら、特に下記の手続を実施した。
・モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)が適用している減損テストの実施プロセスの検出及び理解
・将来キャッシュ・フロー予測に使用された主要な仮定の合理性についての分析、セクターデータおよび経営者から入手する情報の分析、
・逸脱の内容及び計画プロセスの信頼性を評価するための、実績と経営者の前期予測の比較
・割引率(WACC)及び長期成長率(gレート)の合理性の評価
・ブランドの使用価値の算定に用いるモデルの事務面での正確性の検証
・経営者による感応度分析の検証及び減損テストに関してモンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)により提供された開示の検討
財務諸表に対するモンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の取締役及び監査役会(Collegio Sindacale)の責任
取締役は、国際会計基準審議会により発行され、欧州連合及びイタリアの政令38/05号第9条において採用されているIFRS会計基準に準拠した真実かつ公正な概観を与える財務諸表の作成、及びイタリア法に準拠して不正か誤謬かを問わず重要な虚偽表示のない財務諸表の作成を可能とするために取締役が必要と判断する内部統制について責任を負う。
財務諸表の作成にあたり、取締役は、モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の清算もしくは事業停止の状況が存在するか、もしくはそれ以外に現実的な選択肢がない場合を除き、継続企業としてのモンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の存続能力やそれに関連する開示の十分性を検証し、また、継続企業の前提に基づき会計処理することに責任を負う。
監査役会は、法律で定められた条件の範囲内で、モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の財務報告プロセスについて監視する責任を負う。
財務諸表監査に対する監査人の責任
当監査法人の監査の目的は、不正か誤謬を問わずに、全体としての財務諸表に重要な虚偽表示がないかについて合理的な保証を得て、監査意見を含む監査報告書を発行することにある。合理的な保証は高水準の保証であるが、国際監査基準(ISAイタリア)に準拠して実施された監査が、存在する重要な虚偽表示を常に発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正又は誤謬から発生する可能性があり、個別に又は合計すると、財務諸表利用者が財務諸表に基づいて行う経済的意思決定に影響をおよぼすと合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
国際監査基準(ISAイタリア)に準拠した監査の一環として、当監査法人は、職業的専門家としての判断を行使し、監査を通じて職業的専門家として懐疑心を保持することに加え、以下を実施する。
・不正又は誤謬による財務諸表の重要な虚偽表示のリスクを識別、評価し、当該リスクに対応する監査手続を立案、実施し、当監査法人の意見の基礎を提供する十分かつ適切な監査証拠を入手する。不正は、共謀、文書の偽造、意図的な除外、虚偽の陳述、もしくは内部統制の無効化を伴う可能性があるため、不正による重要な虚偽表示を発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示を発見できないリスクよりも高い。
・ 状況に適した監査手続を立案するために、監査に関連性のある内部統制を理解するが、モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の内部統制の有効性に対して意見を表明することを目的とはしない。
・ 取締役が採用した会計方針の適切性、取締役が行った会計上の見積り及び関連する開示内容の合理性を評価する。
・ 経営者が継続企業の前提に基づき会計処理したことの適切性、及び入手した監査証拠に基づき、継続企業としてのモンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の存続能力に著しい疑義をもたらす事象又は状況に関連する重要な不確実性の有無について結論付ける。重要な不確実性が存在すると結論付ける場合には、当監査法人は報告書の中で財務諸表内の関連する開示への参照を促すか、又は関連する開示が妥当ではない場合には意見を修正することが求められる。当監査法人の結論は、本報告書日までに入手した監査証拠に基づいている。ただし、将来の事象や状況によって、モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)が継続企業として存続できなくなることがある。
・ 開示を含む財務諸表の全体的な表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や事象を適正に表示しているか否かを評価する。
当監査法人は、特に計画した監査の範囲とその実施時期、及び監査上の重要な発見事項(監査の過程で認識した内部統制の重要な不備を含む)について国際監査基準(ISAイタリア)で求められる適切な水準で統治責任者とコミュニケーションを行う。
また、独立性について、イタリアで適用される倫理・独立性規則及び基準を遵守した旨を統治責任者に文書で提出し、独立性に影響を与えると合理的に考えられるすべての関係及びその他の事項、並びに該当する場合には、関連するセーフガードについてコミュニケーションを行う。
統治責任者にコミュニケーションを行った事項の中から、当事業年度の財務諸表監査において最も重要な影響を与える事項を監査上の主要な検討事項として決定する。当監査法人は、これらの事項を報告書に記載している。
EU規則第537/14号第10条で求められるその他の情報
2021年4月22日に、モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の株主総会は、2022年12月31日から2030年12月31日までに終了する各事業年度の監査人として当監査法人を選任した。
当監査法人は、EU規則第537/2014号第5.1条にある禁止非監査業務を提供していないこと、及びモンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)からの独立性が確保されていることを宣誓する。
当監査法人は、本報告書に示された財務諸表に対する意見が、監査委員会として機能する監査役会に対する、上記の規則第11条に従って作成された追加報告と整合していることを確認している。
その他の法令及び規則の要件に対する報告
欧州委員会委任規則(EU)第2019/815号の規定の準拠性に対する意見
モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の取締役は、単一電子報告フォーマット(ESEF)の仕様に係る規制上の技術基準に関する欧州委員会委任規則(EU)第2019/815号の規定を、年次財務報告書に含まれる2025年12月31日時点の財務諸表に適用することに責任を負う。
当監査法人は、当該財務諸表に関する欧州委員会委任規則(EU)第2019/815の準拠性に対して意見を表明するために、監査基準(SAイタリア)700Bに規定されている手続を実施した。
当監査法人は、2025年12月31日現在の財務諸表は全ての重要な点について欧州委員会委任規則(EU)第2019/815号の規定に準拠してXHTMLフォーマットで作成されているものと認める。
政令第39/10号第14条2項e),e-2),e-3)及び政令第58/98号第123条の2第4項に基づく意見及び記述
モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の取締役は、取締役会報告書の作成、コーポレートガバナンス及び2025年12月31日時点の株主構成に関する報告書の作成、及びこれら報告書と関連する財務諸表との首尾一貫性、並びにこれら報告書へ適用される法令への準拠について責任を負う。
当監査法人は、以下の目的で、イタリアの監査基準(SAイタリア)720Bで要求されている手続を実施した。
・政令第58/98号第123条の2第4項に基づき作成される取締役会報告書、並びに、コーポレートガバナンス及び株主構成に関する報告書において開示される特定の情報と財務諸表との首尾一貫性に対して意見を表明する
・政令第58/98号第123条の2第4項に基づき作成される、取締役会報告書(企業サステナビリティ報告に関するセクションを除く)、並びに、コーポレートガバナンス及び株主構成に関する報告書において開示される特定の情報の法令への準拠性に対して意見を表明する
・政令第58/98号第123条の2第4項に基づき作成される取締役会報告書、並びに、コーポレートガバナンス及び株主構成に関する報告書において開示される特定の情報において重要な虚偽表示を発見したか否かを述べる
当監査法人は、上記の取締役会報告書、並びに、コーポレートガバナンス及び株主構成に関する報告書において開示される特定の情報が、モンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の2025年12月31日現在の財務諸表と首尾一貫して作成されているものと認める。
更に、当監査法人は、政令第58/98号第123条の2第4項に基づき作成される取締役会報告書(企業サステナビリティ報告に関するセクションを除く)、並びに、コーポレートガバナンス及び株主構成に関する報告書において開示される特定の情報が、適用される法令に準拠して作成されているものと認める。
政令第39/10号第142項e-3)に照らして、監査の過程で得たモンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)及びその事業環境に関する知識及び理解に基づき、当監査法人が報告すべき事項はない。
法令の準拠性についての当監査法人の意見は、企業サステナビリティ報告に関するセクションに及んでいない。当該セクションが作成基準を規定する法律及びEU規則2020/852第8条に示された開示要求に準拠しているかどうかに関する結論は、政令第39/10号第14条の2に基づく保証報告書にて表明されている。
DELOITTE & TOUCHE S. p. A.
(署名)
バーバラ・モスカーディ
パートナー
トレヴィーゾ市、イタリア
2026年3月20日
(添付のモンクレール・エスピーエー(Moncler S.p.A.)の個別財務諸表は日本の規制当局へ提出を行う目的で日本語へ翻訳されており、イタリア語の原版に加えて財務諸表に含まれる財務情報につき円貨での換算、及び日本の会計原則及び会計慣行とIFRS会計基準との相違についての段落を追加している。更に、連結企業サステナビリティ報告に特化した経営報告の特定のセクションは翻訳から除外され、モンクレールのウェブサイト上で英語にて入手可能な該当文書への参照に置き換えられている。
我々の監査はユーロで表示された個別財務諸表の原本に対して実施されている。従って、イタリア語による監査報告書の原文のみが正文である。)