| 【表紙】 | |
|---|---|
| 【提出書類】 | 有価証券報告書 |
| 【根拠条文】 | 金融商品取引法第24条第1項 |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 2026年5月29日 |
| 【事業年度】 | 自 2025年1月1日 至 2025年12月31日 |
| 【会社名】 | ナティクシス (Natixis) |
| 【代表者の役職氏名】 | アジア太平洋コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門主席執行役員 ブルーノ・ル・サン (Bruno Le Saint, Chief Executive Officer, Corporate & Investment Banking, Asia Pacific) |
| 【本店の所在の場所】 | フランス、75013 パリ市プロムナード・ジェルメーヌ・サブロン7番地 (7, promenade Germaine Sablon, 75013 Paris, France) |
| 【代理人の氏名又は名称】 | 弁護士 黒 田 康 之 |
| 【代理人の住所又は所在地】 | 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 |
| 【電話番号】 | 03-6775-1000 |
| 【事務連絡者氏名】 | 弁護士 中 川 佳 直 同 酒 寄 里 彩 同 岡 野 寛 也 |
| 【連絡場所】 | 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 |
| 【電話番号】 | 03-6775-1348 |
| 【縦覧に供する場所】 | 該当事項なし |
| (注) 1. | 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「ユーロ」、「€」または「EUR」は欧州経済通貨同盟に参加している欧州連合(以下「EU」という。)の加盟国の統一通貨を、「米ドル」、「ドル」または「USD」はアメリカ合衆国の法定通貨を、「円」または「日本円」は日本国の法定通貨を指すものとする。本書において、別段の記載がある場合を除き、便宜上記載されている日本円への換算は、1ユーロ=183.94円の為替レート(2026年3月27日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場仲値)により計算されている。 |
| 2. | 本書において、文脈上別段の記載または解釈がなされる場合を除き、「当行」および「ナティクシス」は、ナティクシスを、「当行グループ」はナティクシスおよびその連結子会社を指す。 |
| 3. | 本書において、文脈上別段の記載または解釈がなされる場合を除き、「Groupe BPCE」は、Groupe BPCEを指す。Groupe BPCEは、Banques PopulairesおよびCaisses d'Epargneの2大ブランドを有するフランスの銀行グループである。Groupe BPCEは主にBanques Populairesの14の銀行、15のCaisses d'Epargne、ナティクシス、Crédit Foncier、Banque PalatineおよびBPCE Internationalで構成される。 |
| 4. | 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。 |
| 5. | 将来予測に関する記述 本書に含まれる記載は、将来予測に関する記述を含んでいる。「信じている」、「意図している」、「予想している」、「考えている」、「見積もっている」、「予測している」、「~の可能性がある」、「計画している」、「~であろう」、「企図している」、「期待している」、「目的としている」、「将来」および「~に違いない」といった用語ならびにこれらに類似する表現は、将来予測に関する記述であることを明確にすることを意図している。これらの将来予測に関する記述は、将来の事象に関する本書の日付現在の当行の予想および仮定に基づくものである。 かかる将来予測に関する記述は、リスク、不確実性その他実際の結果と将来予測に関する記述において明示または黙示される記述との相違を生じさせる要因による影響を受ける。 |
第一部 【企業情報】
第1 【本国における法制等の概要】
1 【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当行は株式会社(Société Anonyme (SA))の形態をとるフランスの有限責任会社である。
フランスの有限責任会社として、当行はフランス商法(Code de commerce)第2編の第L.225-1条以下に従う(下記「以下の記載は、当行を含む株式会社に適用されるフランス商法の主要な規定の概略である。」を参照のこと。)。金融機関として、当行はフランス通貨金融法典(code monétaire et financier)の第L.511-1条以下および第L.531-1条以下に従う。
以下の記載は、当行を含む株式会社に適用されるフランス商法の主要な規定の概略である。
定款は株式会社の準拠する根本規則を定めた文書である。定款には特に株式会社の商号、存続期間、登録事務所の所在地、企業目的、資本金の額および株式の譲渡性についての一切の制限を定めることを要する。
a) 資本金
2009年4月1日以降(2009年1月22日付指令番号2009-80に従い)株式会社の法定最低資本金は37,000ユーロで、1株当たりの額面金額について法律上の制約はない。株式には、普通株式と優先株式のような異なる種類を設けることができる。優先株式とは、議決権の有無にかかわらず、優先的配当または清算に関する権利等、普通株式に対する優先的な権利を持つすべての株式をいう。フランス法上、議決権のない優先株式(actions de préférence sans droit de vote)が株式会社の資本金全体に占める割合は、50%を超えることができない。
b) 株式の様式、所有および譲渡
従来の意味における無記名式株式の概念、すなわち会社がその無記名式株式の株券を発行し、かかる株券の所有者は株券を引き渡すことにより第三者に当該株式を譲渡することができ、またかかる株券を発行会社に呈示することにより株券に表章された権利を会社に対して行使することができるという概念は、フランスではもはや存在しない。記名式であれ、無記名式であれ、株式の所有権は、もはや株券によってではなく、記名式株式(titres en nominatif pur)の場合には、会社の株主名簿への登録によって、無記名式株式(titres au porteur)または管理登録株式(titres en nominatif administré)の場合には、実質株主が承認仲介機関において保有する個々の口座への記帳によって表章される。所有権またはその譲渡は、記名式株式の場合には会社により、管理登録株式または無記名式株式の場合には承認仲介機関により発行される証明書によって証明される。
当行の定款には、株式譲渡を制限する条項はない。
c) 株式取得
会社は、株主による事前の授権を条件として、その資本金の10%を上限に自己株式を取得することができる。フランス商法は次のような株式の会社間の相互保有を制限している。すなわち、もしある会社が他の会社の株式を10%以上直接所有している場合、当該他の会社は前者の会社の株式を所有することができない。さらに、もしある会社が直接的にもしくはその子会社またはその支配する会社を通じて間接的に自己株式を支配している場合、それらの株式については、当該会社の株主総会において議決権の行使が認められない。
d) 株主の責任は所有株式の額面金額を限度とする。
e) 資本金の変更
増資
フランス商法の規定に基づき、当行の資本金は、取締役会からの提案を受けた臨時株主総会における株主の承認を得たうえでのみ増加させることができる。増資は、以下の方法により実施することができる。
・株式の追加発行
・発行済株式の額面金額の増加
有価証券の追加発行による増資は、以下の一つまたは複数の方法により実施することができる。
・現金を対価とする方法(換金可能な対価および当行に対する債権を含む。)
・現物出資資産を対価とする方法
・合併または会社分割による方法
・資本へのアクセスを可能にする譲渡可能証券に付与された権利の行使による方法
・利益、準備金もしくは資本剰余金の資本組入れによる方法
・様々な条件に従い、当行が負う債務を弁済するために行う方法
準備金、利益および/または資本剰余金の資本組入れによる増資を決定するには、定時株主総会に適用される定足数および多数決要件に従い開催された臨時株主総会における承認が必要である。株式の額面金額の増加により実施される増資は、準備金、利益または資本剰余金の資本組入れにより実施される場合を除き、株主の全員一致による承認が必要である。その他のすべての増資は、通常の定足数および多数決要件に従い開催された臨時株主総会における承認が必要である。
当該増資が株主により承認された場合、株主は、当該増資を実施する権限を取締役会に委託することができる。取締役会は、かかる権限をさらに最高経営責任者に委託することができる。
減資
フランス商法に基づき、当行の資本金を減少するには、臨時株主総会において議決権を行使する資格を有する株主による承認が必要である。資本金は、発行済株式の額面金額の減少または発行済株式数の減少のいずれかにより減少させることができる。発行済株式数は、株式の交換または株式の買戻しおよび消却により減少させることができる。各種類の株式の株主は、影響を受ける各株主が別途合意しない限り、同等に扱われなければならない。
当該減資が株主により承認された場合、株主は、当該減資を実施する権限を取締役会に委託することができる。
優先的新株引受権
フランス商法に基づき、当行が資本金に影響を及ぼす(発行時であるかその後であるかを問わない。)株式または有価証券を発行する場合、現在の普通株式の株主は、比例計算による、かかる有価証券の優先的引受権を有する。かかる優先的新株引受権により、当行は、現在の普通株式の株主を優先的に扱うことが求められる。かかる権利により、これを有する個人または団体は、当行の資本金を増加することのできる有価証券が発行される場合に、これを現金により引き受けることができる。優先的新株引受権は、特定の募集に係る申込期間中に譲渡することができる。
特定の募集に係る優先的新株引受権は、臨時株主総会における議決権のある株式の3分の2の多数票を有する株主の決議により、放棄することができる。取締役会およびその独立法定監査人は、フランス法により、優先的新株引受権を放棄する提案を明確に示した報告書を提出する必要がある。放棄を行う場合、有価証券の発行は法律で定められた期間内に完了しなければならない。
普通株式の株主はまた、その選択により、特定の募集に関する自身の優先的新株引受権を放棄したい旨当行に通知することができる。
普通株式の株主は、限定された期間において、普通株式の既存株主に対して、新規の有価証券を引き受けるための譲渡不能な優先権を与えることを臨時株主総会で決定することができる。
f) 株式払込請求および株式の失権
株式払込請求
フランス法上、株式会社(Société Anonyme (SA))として組織された会社は、以下の条件に従い、引受け時に全額の払込が行われない株式を発行することができる。
・当該会社の設立時に現金により引き受けられた株式は、その額面価額の少なくとも50%が払い込まれなければならない。
・増資により現金で支払われた株式は、その額面価額の少なくとも4分の1が払い込まれなければならない。
いずれの場合にも、残高は、会社の登記または増資から5年以内に一括または分割で支払われなければならない。
定款により明示的に認められていない場合、当該会社は、その授権機関により決定された分割払いの事前支払いを株主より受け入れることを要しない。
また、配当受領権は、株主がその引き受けた株式の支払金を当該会社の授権機関が定めた期間内に支払わなかった場合にのみ停止される。
株式が額面金額を超えた価格で発行されるときは、かかるプレミアムは発行時に全額払い込まれることを要する。
株式の失権
フランス法上、株主が取締役会の要求する方法および日時による分割払いを行わなかった場合、以下の結果が生じる。
・取締役会が定めた当該分割払いの支払日以降、未払いの金額に対して、適用ある法定金利による利息が付される。
・会社が損失を被った場合、当該株主は損害賠償の責任を負う可能性がある。
・当該株主に対して正式な通知が送付されてから30日が経過した後においても当該分割払い金が支払われていない場合、当該分割払い金が支払われていない株式による、株主総会への出席権および議決権の付与が停止される。かかる株式に付随する議決権は、株主総会における定足数および多数決に算入されないものとする。
このような株式に付随する配当受領権および優先的新株引受権は、一時的に停止される。元本および利息の全額支払いの後、当該株主は、未受領の配当がある場合にはその支払いを要求することができる。しかしながら、当該株主は、申込期間の終了後に当該優先的新株引受権を行使することはできない。
g) 経営および運営
フランス法上、株式会社の株主は2種類の経営制度を選択することができる。すなわち、最高経営責任者を伴う取締役会の制度、または業務執行役員会と監督委員会の制度である。
(ⅰ) 取締役会および最高経営責任者
取締役会(Conseil d'administration)は3名以上18名以内の取締役からなる。また、吸収合併または新設合併の場合、取締役の数を暫定的に最高24名まで増加することができる。取締役はフランス人もしくは外国人または法人でもよいが、取締役として選任された法人の場合はその常任代表者として自然人1名を指名しなければならない。
2009年1月1日以降、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役会構成員が会社株式を1株以上保有しなければならないとする要件はない。
2011年1月27日以降、法律により、会社の取締役会における女性の構成員の最低人数が定められている。したがって、取締役会には、2017年1月1日以降に開催される最初の定時株主総会までに少なくとも40%の女性を含めなければならない。
取締役会構成員は最長任期6年で株主により選任され、定款に別段の定めがない限り、(定款に定めがある場合はその年齢制限の範囲内で)何度でも再任されることができる。取締役は、株主により事前の通知、理由または補償なしに解任され得る。
取締役会は会社の活動の方向性を決定し、その実行を確保する。取締役会は、株主総会に明示的に与えられた権限に従い、また会社の目的の範囲内で会社の適切な運営に関する一切の問題を取り扱い、会社に関する事項を協議によって決定する。取締役会はその任務の遂行に必要なすべての文書および情報を与えられる。
審議を有効とするためには、少なくとも半数の取締役が審議の場に出席する必要がある(実際に出席している場合か、テレビ会議の手段を使用し、出席しているとみなされる場合である。)。取締役会の決議は、出席取締役または委任状により代理された取締役の多数決により決せられる。可否同数の場合は、定款に別段の定めがない限り、取締役会会長(Président du Conseil d'Administration - PCA)が決定権限を有する。
取締役会会長は取締役会の構成員の中から同構成員によって選任される。取締役会会長は取締役会の業務を調整および監督し、株主総会にこれを報告する。取締役会会長は会社の企業組織が正常に機能していることを確認し、特に他の取締役会構成員がそれぞれの任務を遂行できることを確保する。
取締役会は、会社の経営管理を組織化する方法を決定する。会社の経営管理は、取締役会会長が、または取締役会に選任された最高経営責任者(directeur général)の肩書を有する者が、自らの責任で担当することができる。
最高経営責任者は、すべての状況において会社を代表して行為をする幅広い権限を与えられている。最高経営責任者は、会社の目的の範囲内で、かつ、法が明示的に株主総会または取締役会に与えた権限に従って、その権限を行使する。
最高経営責任者は、第三者との関係で会社を代表する。会社は、第三者が、当該行為が会社の目的の範囲外であることを知っていたこと、または定款の公表だけではかかる証明をするのに十分でないと思われる場合は知っていたはずであることが証明されない限り、会社の目的の範囲外の最高経営責任者の行為によっても拘束される。
2016年12月9日以降、「サパン2」法により、500名超の従業員を雇用し、100百万ユーロを超える売上高を有するフランス企業の最高経営責任者に対し、腐敗および斡旋収賄の防止のため、フランス国内外の会社およびその子会社に適用されるコンプライアンス・プログラムの実施が義務付けられた。
取締役会は最高経営責任者の権限を制限することができるが、この制限は第三者に対しては効力を有しない。
最高経営責任者は、取締役会により選任され、取締役会によりいつでも解任され得る。
取締役会は、最高経営責任者の提案により、最高経営責任者代理(directeur général délégu**é)の肩書で最高経営責任者を補佐する責任を負う者を5名まで選任することができる。取締役会は、最高経営責任者の提案により、いずれの最高経営責任者代理も解任することができる。
取締役会は、最高経営責任者の同意を得て、最高経営責任者代理に与えられる権限の範囲および期間を決定する。ただし、最高経営責任者代理は、第三者との関係においては、最高経営責任者と同一の権限を有するものとする。
(ⅱ) 業務執行役員会および監督委員会
本制度の下で会社は監督委員会(Conseil de surveillance)の監督下にある業務執行役員会(Directoire)により経営される。
監督委員会は3名以上18名以内の監事から構成され、監事にはフランス人もしくは外国人または法人がなることができ、最長任期6年で株主により選任される。ただし、何度でも再任されることができる。監事は定時株主総会で理由を示されることなく解任され得る。法人が監事になっている場合は、その法人は自然人1名をその常任代表者として定めなければならない。各監事は、定款に定めがある場合に限り、会社の株式を一定数保有しなければならない。監督委員会に関係する規定の大部分は、取締役会に適用されるものと同様であるが、監督委員会は業務執行役員会を単に監督するのに対して取締役会は経営機能を有する点が異なる。
業務執行役員会は、2名以上5名以内の構成員からなり、その構成員は自然人であることを要し、監督委員会により選任されるが、構成員は、定款に別段の定めのある場合を除き、株主である必要はない。資本金が150,000ユーロ未満の株式会社の業務執行役員会は1名の構成員を有するだけでよい。この場合、当該構成員は単独最高経営責任者(directeur général unique)と呼ばれる。業務執行役員会の構成員の任期は、定款に定めがなければ4年、定めがあるときは最低2年で、かつ最長6年である。業務執行役員会の権限は広範で、会社の目的ならびに監督委員会および株主総会に法律上留保された決定によってのみ制約を受ける。最高経営責任者に対する腐敗防止に関する規則は、業務執行役員会に対しても同様に適用される。業務執行役員会の権限に加えられた制限は会社内部では拘束力を有するが、第三者に対してその制限をもって対抗することはできない。業務執行役員会によりなされる経営上の決定に関する規則は定款に定められる。業務執行役員会は合議制の経営機関である。業務執行役員会の構成員1名は監督委員会により会社を代表すべきことを定められる。このように選定された者は業務執行役員会会長の肩書を有する。
2012年1月27日以降、取締役会の構成に適用される女性構成員に関する規則と同様の規則が監督委員会に適用される。
業務執行役員会は、四半期ごとの営業報告書を監督委員会に提出することとなっている。業務執行役員会の構成員は監事を兼ねることができない。業務執行役員会の構成員は、定時株主総会および定款で定められている場合において監督委員会により解任され得る。業務執行役員会の構成員が正当な理由なく解任された場合、当該構成員には損害賠償の請求を行う権利が認められている。
取締役の契約上の利益
フランス法に基づき、直接または間接的に利害関係のある者は、自身または自身と関係のある事業体と当行との間で直接または間接的に締結される契約を認識した場合、直ちに取締役会に報告しなければならない。かかる契約は、通常の業務において締結された通常の条件での取引を除き、関連当事者間取引(conventions réglementées)と呼ばれ、取締役会による事前の同意および次の株主総会における事後承認を得なければならない。取締役会による事前承認は正当な動機に基づいたものでなければならず、とりわけ取引に係る経済的な条件を考慮しなければならない。承認された関連当事者間の取引は効力を有する限り、各会計年度において取締役会により再審査される。直接または間接的に利害関係のある者は、かかる取引の事前または事後の承認(場合による。)のために取締役会または年次株主総会に提示された議題についての審議および投票に参加することができない。当該利害関係者は、フランスの裁判所の最終的な管理の下で、関連当事者間取引が通常の条件でかつ通常の業務において行われたか否かを決定する責任を有する。
フランス法上、通常の業務において締結された通常の条件でない関連当事者間取引は、最終的に、かかる取引に関する法定監査人または取締役会会長の特別報告書が提供された後の年次株主総会(またはこれに関して開催されたその他の定時株主総会)に出席し、またはこれに代理出席した株主による投票の過半数により承認されなければならない。利害関係者はかかる投票に参加することができず、その有する株式は、当該投票に係る定足数および多数決の計算において算入されない。ただし、フランス法に基づき、かかる関連当事者間取引は、取締役会の承認を得た場合には有効となる。かかる取締役会の事前承認がない場合、次の株主総会において承認されない限り、当行にとって不利益ないかなる契約も無効であると宣言することができる。利害関係者はまた、民事責任を負う。一度取締役会により正式に承認されると、(不正行為として失効させられない限り)関連当事者間取引は有効で、次回の年次株主総会において承認されなかったとしても、第三者に対する効力を有し続ける。利害関係者および(必要な場合には)その他の取締役は、この場合、かかる取引の結果当行が被った損失に対して責任を負う。
フランス法上、取締役は、自身の取締役としての選任および職務の終了に関して株主総会に提示された議題について、議決権を行使することができ、また定足数に含めることができる。
フランス法に基づき、取締役は、通常の条件での通常の商慣習による取引を除き、当行によって提供された融資、融資類似の取引、保証またはその他の信用供与から直接または間接的に個人的な利益を得ることを禁止されている。
かかる規則は業務執行役員会および監督委員会にも準用され、関連当事者間取引は事前承認を得るために監査役会に提示される。
法定監査人
株式会社は、法定の指定基準を超えている限りは1名以上、会社が持株会社であり、連結会計表示の義務がある場合には2名以上の法定監査人を置かなければならない。法定監査人は、取締役会、監督委員会または株主の提案を受けて株主総会において指名される。法定監査人は、特に会社勘定を監査する法的任務を有する。法定監査人は、その任務を報告書に詳述し、かかる勘定が会社の状態に関する真実かつ公正な見解を示しているかについての見解を述べ、これを証明する。
法定監査人に関する詳細については、下記「h) 株式に付与された権利-(ⅲ) 法定監査人」を参照のこと。
h) 株式に付与された権利
(ⅰ) 株主総会
株主は、総会を通じて会社に対する支配権を行使する。
総会には定時・臨時の2種類がある。
定時株主総会
定時株主総会は、少なくとも毎年1回、財務書類を承認するために事業年度末から6ヶ月以内(銀行については5ヶ月以内)に開催されなければならない。その他の定時株主総会は、定款を変更する場合を除き、あらゆる事項について必要とされる場合に開催することができる。以下の事項は定時株主総会による決議を必要とする。
・取締役の選任、変更または解任
・取締役の報酬の原則および基準の承認
・最高経営責任者の報酬の承認
・独立法定監査人の選任
・年次決算の承認
・配当の宣言または株式による配当支払いの承認
・当行、その取締役、執行役員(すなわち、最高経営責任者および最高経営責任者代理)または大株主を当事者とする一定の取引の承認
定時株主総会の第1回招集の場合の定足数は、資本の20%を有する株主が出席し、または代理出席することにより充足される。第2回招集については定足数の要件はない。承認のためには、出席または代理出席した株主による過半数の賛成投票(代理投票を含む。)を要する。
臨時株主総会
臨時株主総会のみが定款を変更する権限を有する。利益準備金、準備金または資本剰余金の資本組入れは、臨時株主総会で承認されるが、その定足数および多数決要件は定時株主総会の場合と同じである。その他のすべての決議については、定足数は少なくとも第1回招集で資本の25%または第2回招集で20%を有する株主が出席し、または代理出席することにより充足される。承認のためには、出席または代理出席した株主の3分の2の多数の賛成投票(代理投票を含む。)を要する。定款により数種の株式が定められている場合は、全株主に適法に通知された臨時株主総会の承認がなければこれら数種の株式の権利内容に変更を加えることができない。さらに、関係する種類の株式の株主の特別総会により当該決議が承認されなければならない。
(ⅱ) 配当および準備金
配当および利益処分は株主により承認されなければならない。定款に別段の記載がある場合を除き配当金の支払いについて制限はないが、配当は分配可能利益を上回ることはできない。さらに、各年、純利益の最低5%は、発行済株式の資本金の10%に達するまで法定準備金に組み入れることを要する。定款により第1順位配当を設けることができる。法定監査人が意見を述べた最終または中間貸借対照表により、利益が減価償却、準備金および適用ある場合は繰越損失による調整後の中間配当の額以上であることが示される場合には、会社は中間配当を支払うこともできる。取締役会(または業務執行役員会)は、中間配当の支払い、その金額および支払日について決定する。
(ⅲ) 法定監査人
会社の財務書類は、非常に広い調査権限を有する1名または複数名の法定監査人に監査され得る。かかる法定監査人は定時株主総会において株主より選任され、任期は6事業年度とする。法定監査人は当該会社と共通の利益を有してはならない。
(ⅳ) 清算
会社の清算の場合は、全負債および清算費用支払い後の残余金は、株主(議決権証券保有者を除く。)の間で分配される。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
以下の記載は、フランス法の一定の条項における本書提出日現在までの当行の定款の規定の要約である。かかる当行の要約された情報に関する記載は完全なものでなく、そのすべてにつき当行の定款を参照することが必要である。定款は2025年5月21日の共同株主総会で最終更新された。
当行の企業目的(定款第2条)
当行のフランスおよびその他の構成国における企業目的は、以下のとおりである。
・銀行法の意味するところのあらゆる銀行業務およびそれに付随する事業の実施
・フランス通貨金融法典に定められているところのあらゆる投資サービスの提供
・特別な契約の一環として、フランス国家から経済金融分野において委任される任意のミッションの遂行
・あらゆる仲介業務の実施
・上記活動に直接的または間接的に関連する企業、グループまたは団体への資本参加
・あらゆる民事および商事取引の実行
株式
(a) 資本金(定款第3条)
当行の資本金は6,339,247,192ユーロとし、1株当たり額面金額1.60ユーロの当行の普通株式3,962,029,495株からなり、そのすべてが全額払込済である。
(b) 株式の様式(定款第4条)
当行の株式は、記名式で保有することが強制されている。
株式は自由に譲渡することができる。株式は株主名簿に登録し、現行の法令で定める条件と方法に従って口座間振替で譲渡を行う。
第三者および当行に関する株式の譲渡は、譲渡人またはその代理人が署名した譲渡請求書により行われる。当該譲渡は、これらの名簿に記載される。
(c) 株式の不可分性(定款第5条)
株式は当行に対して不可分とする。
共同所有者は、当行に対してその中の1人または株主以外の1人の受任者を自らの代表者としなければならない。
(d) 株式に付着する権利と義務(定款第6条)
優先株がある場合に優先株に付与される権利を除き、各株式は、会社資産の所有権の範囲で、発行済の株式数に比例する1個の持分を受ける権利を与える。
株主は自らの出資の範囲内においてのみ損失を負担する。
株式に付着する義務と権利とは株券に付随する。株式の所有は、法律上当然に、当行の定款および株主総会の決議に従うことを意味する。
経営
(a) 取締役会(定款第8条および第10条)
(ⅰ) 取締役会の構成
当行は、法律で定める合併の場合における例外規定に従い、3名以上18名以内で構成される取締役会により運営される。
取締役は定時株主総会によって選任される。ただし、死亡または辞職により、単数または複数の取締役の職に欠員が出た場合は、次回の株主総会で追認されることを条件として、それぞれの前任者の任期の残存期間を任期として取締役会による補欠の選任を行うことができる。
現行の規則に従って、従業員株主の所有する資本金の割合が法律で規定される上限を超えたことが明らかになった場合、従業員貯蓄基金の理事会によって、このために指名された候補者の中から1名の取締役が定時株主総会で選任される。このように選任された取締役は、第一段落に規定される取締役の員数制限の計算には考慮されない。
このように選任された取締役は、取締役会の構成員であり、投票権を有する。かかる取締役は、当行の他の取締役と同様の権利と義務を有するものとする。
70歳を上回る取締役の人数が現職の取締役全体の3分の1を超えることがあってはならない。この割合に達した場合、次回の定時株主総会終了後に最年長の取締役が辞任する。
取締役の任期は4年とし、再任可能とする。取締役の任期は、取締役の任期が満了する年に開催され、過年度の決算承認が行われる定時株主総会の終結時に終了する。
(ⅱ) 取締役会の会議
取締役会は、取締役会会長からの通知に基づき、本社または招集通知に示される他の場所において、当行の利益および法令の規定により必要が生じた場合に随時開催される。当該通知は、ナティクシスの事務総長が必要に応じて取締役会会長の要請により送付する。必要に応じて、参加者の身元確認が可能でありかつ効果的な参加を保証する電磁的方法が用いられる。
取締役会長はまた、取締役の3分の1以上または最高経営責任者による要請がある場合、特定の議題に基づいて取締役会を招集することができる。取締役会長は、かかる方法による要請に従うものとする。
招集通知は、いかなる手段によっても行うことができ、かかる方法は電子メールで送付される場合もあれば、口頭で、通知なしに行われる場合もある。招集通知には、会議の詳細な議題が含まれる。
取締役は、会議の前に、十分な事前の通知とともに、詳細な情報を得た上での判断ができるよう十分な情報を有しなければならない。
取締役会における議長は、取締役会長または会長が欠席の時は最年長の最高経営責任者もしくは副会長のうちの1人(場合により)が務める。
取締役会は取締役の中または取締役以外の者から書記1人を選任することができる。
決議は自らまたは委任状により出席した取締役(または参加者の身元確認が可能でありかつ効果的な参加を保証する電磁的方法を使用する場合は、出席しているとみなされる取締役)の過半数をもって採択する。賛否同数の場合は、(取締役会会長の任命を除き)議長の票を決定票とする。
取締役会は、取締役の過半数以上が出席している場合(または参加者の身元確認が可能でありかつ効果的な参加を保証する電磁的方法を使用する場合は、出席とみなされる場合)にのみ、有効な決定についての投票を行う。
現行の法令により認められまたは規定される条件の下で、参加者の身元確認が可能な電磁的方法を通じて取締役会に出席する取締役を、定足数および多数決の計算を行う際に出席者とみなす。
取締役会は議事録を作成し、法律に従ってその謄本または抄本を発行し、原本に相違ないことを証明する。
以下の決定を除き、現行の規則に従い、取締役会の特定の決議は、書面による協議を通じて行うことができる。
ⅰ. 単体および連結財務諸表の審査および承認
ⅱ. 最高経営責任者または最高経営責任者代理の任命および解任(該当する場合)
ⅲ. ナティクシスの事業を重要な新規事業分野へ拡大すること
ⅳ. ナティクシスまたはその重要な子会社が行う、総額100百万ユーロ超の株式取得もしくは持株比率の増加、投資、売却またはジョイントベンチャーの設立(グループ範囲の変更を伴う場合に限る。)
ⅴ. ナティクシスが関与する出資事業、合併または分割
(ⅲ)から(ⅴ)の決定について、協議の提案者は、その緊急性および必要性を正当化できる場合に限り、例外的に書面による協議に頼ることができるものとする。
書面による協議は、取締役会会長またはその要請を受けたナティクシスの事務総長が、電磁的方法を含むあらゆる通信手段により、発信の証明が可能な状態で、各取締役に宛てて行うものとする。
書面による協議文の作成者は、会議の議題、審議事項の文言を投票に必要な書類とともに全取締役に伝達し、また当該書類の発信後から開始する所定の応答期間を記載する。当該応答期間は、決議事項、緊急性または投票に必要な時間に応じて、その招集通知の作成者がその都度判断するものとする。
いかなる取締役も、発信の証明が可能な電磁的方法を含むあらゆる通信手段により、書面による協議の使用に異議を申し立てることができる。当該異議は、前段落に記載されている応答期間の満了までに、書面による協議の提案者に対して通知されなければならない。
所定の期間内に応答がない場合、当該取締役は定足数の計算上、欠席したものとみなされる。
決議は、過半数の取締役が協議に参加し、電磁的方法を含むいずれかの書面による手段で、最低でも半数の取締役が投票した場合にのみ採択できる。
かかる方法により決議された事項は、取締役会の他の決議事項と同じ条件で保存される議事録の対象となる。これらの議事録は、次回の取締役会の承認に付されるものとする。取締役会の秘書役は、提案された各決議の後に、議事録に取締役会の投票を記録する。
(b) 取締役会長および最高経営責任者(定款第9条、第14条および第15条)
(ⅰ) 取締役会長
取締役会は、取締役会長(自然人に限る)を互選で選出する。取締役会長の任期は取締役の任期とし、再任可能とする。
取締役会は取締役会長の報酬を決定する。
取締役会は、取締役会長の提案により、1人または複数の副会長を互選で選出することができる。
取締役会長の任期は、遅くとも取締役会長が65歳に達した過年度の決算承認が行われる定時株主総会の終結時に終了する。
取締役会長は取締役会の会議を招集しなければならない。取締役会長は、会議を計画および開催し、これを株主総会に報告する。
取締役会長は、当行組織の円滑な機能、特に取締役による任務の遂行状況に対する責任を持つ。
(ⅱ) 執行役員
A 最高経営責任者
取締役会は、最高経営責任者を取締役の中または取締役以外の者から任命することができる。
最高経営責任者は、いかなる状況においても当行の名で行為する広範な権限が与えられる。最高経営責任者は、当行の目的の範囲内で、法令により明示的に株主総会および取締役会に付与される権限ならびに内規により定められた規定および制限に従って、その権限を行使する。最高経営責任者は第三者に対して当行を代表する。
取締役会は、最高経営責任者の報酬および任期を決定する。かかる最高経営責任者が取締役を兼任している場合は、最高経営責任者としての任期は取締役としての任期を超えてはならない。
最高経営責任者は、取締役会によっていつでも解任することができる。
取締役会は、最高経営責任者の権限を制限することができる。ただし、かかる権限の制限は、第三者に対抗することができない。
最高経営責任者は、その他の者に代理される権利を有しているかどうかを問わず、その権限の一部を自ら選択する代表者に委任することができる。
B 最高経営責任者代理
最高経営責任者の提案により、取締役会は、最高経営責任者代理の肩書きにおいて最高経営責任者を補佐する責任を負う1人から5人の自然人を取締役の中または取締役以外の者から選出し、任命することができる。
取締役会は、最高経営責任者代理に与える権限の範囲および期間を、最高経営責任者の同意をもって決定する。最高経営責任者代理は、第三者に関して最高経営責任者と同様の権限を有する。
最高経営責任者代理が取締役を兼任している場合は、最高経営責任者代理としての任期は取締役としての任期を超えてはならない。
最高経営責任者代理は、最高経営責任者の提案により、取締役会によっていつでも解任することができる。
最高経営責任者代理の報酬は、取締役会が決定する。
(c) 監査人(定款第17条)
定時株主総会は、1人または複数の監査人を選任することができる。
監査人の任期は4年とする。監査人の任期は、その任期が満了する年に開催され、前事業年度の決算承認が行われる定時株主総会の終結時に終了する。監査人は再任可能とし、株主総会は監査人を解任することができる。
監査人は、取締役と同一の情報を受け取り、すべての取締役会の会合に招集され、諮問的な立場で取締役会に参加するものとする。
取締役会は、その直後に開催される株主総会で追認されることを条件として、監査人を仮に選任することができる。
監査人は報酬を受け取ることができる。その金額は取締役会が決定する。
株主総会
(a) 株主総会(定款第19条)
株主の決議は定時または臨時の株主総会で行う。
(b) 株主総会の通知(定款第20条)
株主総会は取締役会が招集を行う。取締役会が招集しない場合は、現行の規則で定める条件に従ってこれを行う。
(c) 参加許可および委任状(定款第21条)
株主総会は必要な株式の払込を行ったすべての株主で構成される。
株主総会への出席権を得るためには、株主総会の2営業日前の午前零時(パリ時間)(D-2)までに、当行が保有する記名式株式の株主名簿または共有電子登録システムに株式が登録されていなくてはならない。
法令の規定で定められた条件に従って、株主はいつでも他の株主、配偶者またはシビルパートナーを株主総会へ出席させることができる。
法令の規定で定める条件に従って、株主は、郵送投票または委任状によって投票を行うことができる。
取締役会は、現行の法令で規定される条件に従い、テレビ会議または本人確認が可能な電磁的方法により、株主を株主総会に出席させ、また、投票させることができる。取締役会が特定の株主総会についてこの選択権の行使を決定した場合、かかる決定は招集通知に記載される。取締役会の裁量により、テレビ会議または上記記載のその他の電磁的方法のいずれかにより株主総会に出席する株主は、定足数および過半数を計算するうえで出席したものとみなされる。
このように株主総会前に株主の特定が可能な電磁的方法により行われた委任状または投票、および発行される受領通知は、書面による取消不能な表明としてみなされ、すべての当事者を拘束するものとする。株主総会の2営業日前の午前零時(パリ時間)までに株式が譲渡された場合には、当行はこれを受けて、その日時までに行われた委任状または投票を無効にするまたは変更する(場合による。)ことが明記されている。
(d) 議決権(定款第24条)
株式に付随する議決権は、それが表す株式資本の量に比例し、1株につき1票の議決権を有する。
当事業年度の利益-配当(定款第32条)
法令の定めるところにより、前期繰越損失を控除した各事業年度の最終利益のうち少なくとも5%が法定準備金として留保されるものとする。かかる規定は、当該準備金が資本金の10分の1に達した場合には適用されなくなるが、いかなる理由においても当該準備金がかかる最低要件を下回った場合は再びこの留保が再開される。
利益残高は、繰越利益とともに、取締役会の提案による次期繰越、準備金の積み増しもしくは一部または全額の分配のいずれかの方法により、法律により認められる範囲内で定時株主総会が自由に処分することが可能な分配可能利益を構成する。
定時株主総会は、また、繰越利益または株主総会が自由に処分できる準備金から留保した額を分配する決定を行うこともできる。この場合、当該決定に、使用する準備金の勘定科目について明示しなければならない。
定時株主総会決議により、分配配当金の全額または一部について、現金による配当または株式による配当のいずれかを選択するオプションを与えることができる。株式配当の場合は、適用法令の規定に従って、当行の株式を分配することにより配当金の支払いを行う。
取締役会は、法律により認められる範囲内で、現金配当または株式配当のいずれかによる中間配当を実施する決定を行うことができる。
株主総会(または中間配当の場合は取締役会)は、配当金、中間配当、準備金、プレミアムまたは繰越利益の分配の全額または一部を、金融証券を含む現物資産の交付により行うことを決定できる。いかなる場合も、株主総会は、単位未満株式の権利を譲渡または移転することができないものとする決定を行うことができる。特に、株主が配当を受領する権利を有する株式が配当に用いられる測定単位の整数と一致しない場合、株主は、当該株式数を越えない最大の測定単位の整数に、差額の現金支払いまたは株主総会(または中間配当の場合は取締役会)で規定された条件に従って譲渡することができる測定単位の端数に対する権利のいずれかを追加して受け取るとする決定を行うことができる。
年間配当金の支払いは、事業年度末日から9ヶ月以内の取締役会の定める時期に実施する。
解散-清算(定款第34条)
当行の存続期間の満了または早期解散の場合は、株主総会は、取締役会の提案および現行の法律の要件に基づき、清算の方法を決定し、1人または複数の清算人を選任し、その権限を定める。
2 【外国為替管理制度】
(1) 株式の所有
本書の日付現在、フランス通貨金融法典第L.151-1条に従い、フランスおよび外国との間の外国為替取引は原則として自由である。しかしながら、フランスの政府機関は、フランス通貨金融法典第L.151-2条に従い、特に国益の防衛を確保するため、また、経済大臣の報告を受けて制定された命令により、通知および事前の許可を与え、またはフランスにおける対内投資の設立および清算を管理する(下記を参照のこと。)。
フランス通貨金融法典第L.151-3条に従い、EUの非居住者が、フランス企業の支配的持分を取得する際、事前の許可を得る必要はない。ただし、慎重を要する一部の業界および戦略分野については、この限りではない。
当行に対する対内投資は、フランス通貨金融法典第L.151-3条の範囲に該当しないため、事前の許可を得る必要はない。
フランス通貨金融法典第L.151-2条以下に規定される承認制度の実行ならびに慎重を要する業界および戦略分野への対内投資に係る申請の目的において、「投資」という用語は、フランス通貨金融法典第R.151-2条によれば、4つの種類の投資を指す。
(a) フランス法に準拠する事業体における支配的持分の買収
(b) フランス法に準拠する事業体に係る事業分野(branche d’activité)の直接買収または間接買収
(c) フランス法に準拠する事業体の資本金もしくは議決権の単独もしくは共有の直接保有または間接保有を25%超に増加させること。
(ⅰ)欧州連合の加盟国の国籍もしくはフランスと「管理支援協定」を締結している欧州経済地域の加盟国の国籍を有し、かかる国に居住する自然人または(ⅱ)管理チェーンのすべての構成員が、これらの国のうちの1つの法律に該当するか、もしくはかかる国の国籍を有し、かつ、居住する事業体には上記(c)は適用されないことに留意すべきである。
フランス通貨金融法典第R.151-1条に従い、不安定な産業および戦略部門に対する対内投資に適用される許可制度は、以下による(上記に定義されるような)投資を懸念している。
(ⅰ) 外国籍を有する自然人
(ⅱ) フランスに居住していないフランス国籍の自然人
(ⅲ) 外国法に準拠する事業体
(ⅳ) 上記(ⅰ)、(ⅱ)もしくは(ⅲ)で述べられている1もしくは複数の人または事業体によって管理されている、フランス法に準拠する事業体
フランス通貨金融法典第L.151-3条の意味における不安定な産業および戦略部門の一覧表は、フランス通貨金融法典第R.151-3条に規定される。
フランス通貨金融法典第R.151-5条以下に記載される承認制度は、30営業日以内にフランスの経済大臣により第一段階の審査が行われ、必要に応じて、45営業日以内に第二段階の審査が行われることを規定している。
(2) 外国為替管理
現行のフランスの為替管理規則の下では、当行が非居住者に対して送金できる現金支払額に関する制限はない。
2005年10月26日付欧州規則第1889/2005号は、2018年10月23日付欧州規則第2018/1672号(以下「欧州規則2018」という。)により廃止された。欧州規則2018は、2021年6月3日に発効した。この欧州規則2018により、フランス通貨金融法典第L.152-1条が改正された。
現行の規則(フランス通貨金融法典第L.152-1条を含む。)に従い、自然人によるフランスから他のEU域内の国へまたは他のEU域内の国からフランスへの現金(欧州規則2018において「現金」とは、通貨、無記名流通証券、流通性の高い価値の貯蔵手段として使用される商品および特定の種類のプリペイドカードを意味する。)の支払いについては、当該指令に定める条件に基づき関税当局に対して届出を行わなければならない。ただし、送金される金額が10,000ユーロより低い場合を除く。
欧州規則2018は、自然人によるEU域内の国から外国に対する送金または外国からEU域内の国に対する送金に関し、10,000ユーロを超える額の現金の支払いがなされる場合にも、届出が必要であることを定めている。
3 【課税上の取扱い】
フランスの租税制度
以下の記載は、(ⅰ)フランスの税務上、フランスの非居住者であり、(ⅱ)恒久的施設または固定的拠点としてフランスで行われている事業または職業に関連して当行が発行する社債(以下「本社債」という。)を保有しておらず、かつ(ⅲ)当行の株式を同時に保有していない本社債の所持人に関連し得る、一定の源泉徴収税の効果についての基礎的概要である。本概要は、現在有効でありかつフランスの税務当局が適用するフランスの税法および規則に基づいており、いずれも今後変更または異なる解釈がなされることがある。本概要は、一般的な情報のみを目的としており、特定の保有者の特殊な状況に照らして関連し得るフランスの税務上のすべての考慮事項に言及するものではない。自身の税務上の状況について疑義のある者は、専門の税務アドバイザーに相談すべきである。
フランス一般租税法典第125AⅢ条に基づき、利息および本社債に関して当行に生じたその他の収益の支払いは、当該支払いがフランス一般租税法典第238-0 A条の意義の範囲に含まれるフランス国外の非協力的国家または非協力的地域(以下「非協力国」という。)においてなされる場合を除き、源泉課税の対象にはならない。当該本社債に基づく当該支払いが非協力国においてなされた場合は、75%の源泉課税が適用される(ただし、一定の例外(その一部は下記に記載する。)および適用ある二重課税条約のより有利な規定に従う。)。非協力国の一覧は政府の行政命令により公開され、毎年更新される。
ただし、社債の発行の主たる目的および趣旨が非協力国における利息またはその他の収益の支払いを許容するものでないことを当行が証明することができる場合は、社債の特定の発行に関し、源泉課税は適用されない(以下「源泉免除」という。)。
さらに、フランス一般租税法典第238A条に従い、利息およびその他の収益は、その者が優遇税制(フランス一般租税法典第238A条によると、当該管轄地域で課税されない場合、または当該管轄地域で利益もしくは所得に対して課税される税額が、その者がフランスに居住していた場合に課されるフランス税の、少なくとも40%下回る場合、その者は当該管轄地域の優遇税制の対象とみなされる。)により利益を得る管轄地域(非協力国を含むが、これらに限られない。)(以下「優遇税制管轄地域」という。)において居住し、もしくは設立された者に対して支払われ、もしくは発生した場合、または当該優遇税制管轄地域に所在する金融機関に開設された銀行口座に支払われた場合は、当行の課税所得から控除することはできない(以下「控除不適用」という。)。一定の条件の下では、控除できない利息およびその他の収益はフランス一般租税法典第109条以下に従って、みなし配当と位置付けられることがある。その場合、かかる控除できない利息およびその他の収益は、適用ある二重課税条約のより有利な規定に従い、12.8%、25%または75%の税率で、同法典第119の2条に規定する源泉課税の対象となることがある。
ただし、該当する利息または収益が真正な取引に関連するものであること、それらが異常なまたは過大な金額でないこと、また、優遇税制管轄地域が非協力国である場合、社債の発行の主たる目的および趣旨が当該非協力国における利息またはその他の収益の支払いを許容するものでないことを当行が証明することができる場合は、社債の特定の発行に関し、控除不適用またはかかる控除不適用の結果課される可能性のある第119の2条に規定する源泉課税のいずれも適用されない(以下本項において「控除不適用の免除」という。)。
また、フランスの租税に関する行政指導指針(Bulletin Officiel des Finances Publiques-Impôts BOI-INT-DG-20-50-30-14/06/2022、BOI-RPPM-RCM-30-10-20-40-20/12/2019)の規定に従って、以下のいずれかに該当する場合は、当行が社債の発行の主たる目的および趣旨を立証する証拠を提出しなくても、社債の発行には控除不適用の免除および源泉免除が適用される。
(ⅰ) 社債がフランス通貨金融法典第L.411-1条の意義の範囲内における公募により、または非協力国以外の国家における同等の募集に従って募集される場合。ここでいう「同等の募集」とは、外国証券市場当局による、または外国証券市場当局への募集書類の届出または提出を必要とする募集を意味する。
(ⅱ) 社債が規制市場またはフランスもしくは外国の多国間証券取引システムでの取引を承認されている場合。ただし、当該市場またはシステムは非協力国に所在せず、また、当該市場の運営は市場運営者もしくは投資サービス提供者またはその他類似の外国事業体により行われているものとする。さらに、当該市場運営者、投資サービス提供者または事業体は非協力国には所在しないものとする。
(ⅲ) 社債が、発行時に、フランス通貨金融法典第L.561-2条の意義の範囲内にある振替決済制度もしくは証券決済・引渡・支払制度の運営者の業務または1つもしくは複数の類似の外国の振替機関もしくは運営者の業務に承認されている場合。ただし、当該振替機関または運営者は非協力国には所在しないものとする。
本社債は公募に相当する募集方法により募集されるため、本社債に関して当行によりまたは当行に代わり支払われる利息またはその他の収益は、フランス一般租税法典第125AⅢ条に規定される源泉課税の対象にならない。
さらに、フランス一般租税法典第119 2AⅠ条に基づき、本社債がフランス源泉の配当金の分配と関連している場合で、以下の条件を満たすときは、フランスに事業所を有する者またはフランスに納税地を有する者が、フランスに事業所を有しない者またはフランスに納税地を有しない者のために、直接的または間接的に行う、支払いまたは価値の移転に対して25%の源泉徴収税が課される。
・当該支払いまたは価値の移転が、フランスに設立された会社が発行する株式(以下「フランス株式」という。)からの所得の分配(配当金など)もしくは特定のこれに準ずる所得の分配に、直接的または間接的に条件付けられている場合、またはその金額が当該分配を考慮して決定される場合
・当該支払いまたは価値の移転が、直接的または間接的に、とりわけ、フランスに事業所を有しない者またはフランスに居住地を有しない者に対して、当該フランス株式の保有と同様の経済効果を直接的または間接的にもたらす契約または金融商品に関連している場合
当該支払いまたは価値の移転の受益者は、当該支払いまたは価値の移転が、源泉徴収税の適用回避もしくは税制上の優遇措置の取得以外の目的または効果を主たる目的としていることを証明すれば、25%の源泉徴収税の還付を受けることができる。
支払いの受益者は、一定の条件を満たす場合、適用される租税条約に基づき、25%の源泉徴収税率の減免を受けることもできる。
フランス一般租税法典第244 2C条に基づき、本社債の売却益は、フランスの課税対象とはならない。
これに加えて、フランス一般租税法典第235 3ZD条に基づき、本社債が特定のフランス上場株式(または特定の同等の有価証券)もしくは当該株式(および同等の有価証券)を表章する有価証券の実物引渡しにより決済または償還される場合、対価を伴う取得により次の所有権の移転が生じる場合には、金融取引税(以下「フランス金融取引税」という。)が適用される。(ⅰ)フランス通貨金融法典第L.212-1 A条に定義される資本証券、または同法第L.211-41条に定義される同等の資本証券で、公認証券取引所での取引が認められ、かつ、当該証券が、フランスに本店を置き、課税が行われる年の前年の12月1日時点で時価総額が1十億ユーロを超える会社によって発行されたものである場合に限る(以下「フランス株式」という。)、(ⅱ)当該証券の発行者の登記上の本店所在地にかかわらず、フランス株式を表章する証券。
既存の免除規定が適用されない限り、社債の決済または償還に関連してフランス株式(またはフランス株式を表章する証券)を取得する場合、特定の状況下においてフランス金融取引税が適用され得る。投資家は、これらの免除措置の適用対象となるかどうかを判断するため、各自の弁護士に相談する必要がある。
フランス金融取引税の税率は、フランス株式(またはフランス株式を表章する証券)の取得価額の0.4%である。フランス株式の取得にフランス金融取引税が適用される場合、当該取引には、通常、フランスに登記上の本店を有する会社が発行する株式の売買に対して0.1%の税率で課される譲渡税が免除される。ただし、公認証券取引所に上場されている株式の場合、譲渡が書面による証書または契約によって証明される場合に限り、当該譲渡税が課される。
4 【法律意見】
当行のフランスにおける法律顧問であるカティア・ペトローバ氏より、以下の趣旨の法律意見書が提出されている。
(ⅰ) 当行は、フランスの法律に基づき、株式会社として有効に存在しており、有価証券報告書に記載されている事業を行い、財産を所有し、運用する完全な権限を有している。
(ⅱ) 当行は、関東財務局長に有価証券報告書を提出する権限を有している。
(ⅲ) 本有価証券報告書の「1 会社制度等の概要」、「2 外国為替管理制度」および「3 課税上の取扱い-フランスの租税制度」に記載されているフランスの法律に関する記述は、当該記載が各箇所で説明されるフランスの法令の特定の規定を要約した記載である限りにおいて、すべての重要な点において真実かつ正確である。
第2 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 最近の連結事業年度に係る主要な経営指標等の推移
2025年、ナティクシスの事業分野は持続的な商業活動により好業績を達成し、Groupe BPCEの業績に大きく貢献した。
■ 損益計算書
| (単位:百万ユーロ) | 2025年 | 2024年 プロフォーマ | 2023年 |
|---|---|---|---|
| 銀行業務純収益 | 8,267 | 8,110 | 7,396 |
| 営業総利益 | 2,180 | 2,325 | 1,812 |
| 税引前利益 | 1,977 | 2,052 | 1,600 |
| 当期純利益(グループ持分) | 1,361 | 1,352 | 995 |
事業分野別の銀行業務純収益 (単位:百万ユーロ) 事業分野別の税引前利益 (単位:百万ユーロ)
■ 財政構造
普通株式等Tier1比率 バーゼル3 (単位:%) 貸借対照表上の合計 (単位:十億ユーロ) リスク加重資産 バーゼル3 (単位:十億ユーロ)
(2) 最近の事業年度に係る主要な経営指標等の推移
「第6 経理の状況-1 財務書類-(2) 個別財務諸表および注記」の注記39を参照のこと。
2 【沿革】
フランス第2位の銀行グループであるGroupe BPCEが、Caisse Nationale des Caisses d'EpargneおよびBanque Fédérale des Banques Populairesの合併により設立された。
・ 2009年
ナティクシスは、2009年-2013年のニュー・ディール戦略計画を発表した。この計画により、事業、貯蓄ソリューションおよび専門金融サービス部門を担うGroupe BPCEの銀行としての地位を確立した。
・ 2013年
ナティクシスは、その顧客にのみ的を絞った、付加価値の高いソリューションを提供する銀行となるという目標を軸とした2014年-2017年のニュー・フロンティア戦略計画を打ち出した。
・ 2014年
ナティクシスは独自の保険部門を創設し、Groupe BPCEが本格的なバンカシュアランスの会社となる道を開いた。
・ 2017年
ナティクシスは欧州の決済部門において主要なプレーヤーとなるという目的で、新たな決済事業分野を創設した。
ナティクシスは、その共有の文化である「パープル・タッチ」を反映した新たなブランド領域および新たなビジュアル・アイデンティティを公表した。
・ 2018年
ナティクシスは、強化、デジタル化および差別化という3つの柱に基づく、2018年-2020年のニュー・ディメンション戦略計画を打ち出した。
Groupe BPCEは、ナティクシスの専門金融サービス事業分野をBPCE S.A.に統合することにより、組織の簡素化を図るプロジェクトに着手した。
・ 2019年
Groupe BPCEとナティクシスは、責任銀行原則に署名し、業務上戦略的に提携している国際連合の持続可能な開発目標および気候変動に関するパリ協定に熱心に取り組んだ。
ナティクシスは、グリーン・ウェイティング・ファクターの実施により貸借対照表上の気候の影響に積極的に対応する初めての銀行となった。
Groupe BPCEとBanque Postale Asset Managementは、ナティクシスが主要な欧州保険マネージャーおよびユーロ・フィックスド・インカム・マネージャーとなることを許可するための協議を行った。
・ 2020年
健康危機のさなか、ナティクシスは、すべての事業分野において顧客に対する支援を強化し、適当な商品およびサービスならびにより多くの助言を提供した。
ナティクシスおよびLa Banque Postaleは、債券運用および保険関連の資産運用における欧州のリーダーとなるOstrum Asset Managementを設立した。同社は、資産運用に係るオファリングおよび専門の投資サービスを提供する。
ナティクシスは、シェールオイルおよびシェールガスからの撤退を発表し、石炭産業からの撤退を加速した。
・ 2021年
Groupe BPCEは、ナティクシスの株式の簡易的公開買付けおよびグループ組織の簡素化業務の両方から成るPléiadeプロジェクトを立ち上げた。
「BPCE 2024」の一環として、3つの原則(顧客の利益および当行の発展のための多様化、エネルギー移行およびSRIファイナンスへの取組み、自己変革および持続可能な価値を創造するための投資)に基づくナティクシス事業分野の戦略目標を発表した。
La Banque PostaleがOstrum Asset ManagementおよびAEW Europeに対して保有する非支配持分を取得するため、Natixis Investment Managersが独占的交渉を開始した。
・ 2022年
3月22日、Groupe BPCEのグローバル事業分野である、Natixis Corporate & Investment Bankingのブランドで展開するコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングならびに特にNatixis Investment Managersのブランドによる資産運用およびウェルス・マネジメントを統合し、グローバル金融サービス(GFS)部門が誕生した。
3月25日、Natixis Investment ManagersおよびH2O AMがパートナーシップの解消に合意した。
・ 2023年
Natixis CIBの2つの新オフィスの開設:トロント駐在員事務所および韓国支店
リテール事業分野およびリソース・プールに並び、ナティクシスの事業分野のBPCEへの統合
・ 2024年
Natixis Partnersは、ベルギーを拠点とするTandem Capital Advisorsとオランダを拠点とするEmendo Capitalの2つのM&Aブティックに投資した。
Natixis Interépargneは、アカウントマネージャーであるHSBC Epargne Entrepriseの買収に関してHSBCと基本合意書を締結した。
Natixis CIBおよびNatixis IMは、Groupe BPCEがプレミアム・パートナーを務める2024年パリオリンピック・パラリンピック大会の成功に貢献した。
Groupe BPCEは、2026年に達成する最初のマイルストーンとなるナティクシスの事業分野を含む新たなVISION 2030戦略計画を発表した。
・ 2025年
Natixis IMは、関連資産運用会社であるMirovaとThematics AMを合併する計画を発表した。
Natixis CIBは日本で銀行免許を取得し、日本市場における顧客への包括的な支援の提供が可能となった。
Natixis IMは、特に新たなウェルス・マネジメントのパートナーシップを通じて、米国での販売を強化した。
顧客へより良いサービスを提供し、世界的な動向に適応するため、Natixis CIBは、中東およびアジア太平洋での活動を単一のプラットフォームに統合することを決定した。
3 【事業の内容】
ナティクシス
ナティクシスは、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングならびに資産運用およびウェルス・マネジメントを専門とするフランスの国際的な金融機関である。
<> <img width={416} height={64} id="図 7" src="/images/S100Y6UK/0102010_natixis_2605y_image007.jpg" /> </>
ナティクシスは、世界中で会社、銀行、機関ならびにBanque PopulaireおよびCaisse d'Epargneのネットワークの顧客がプロジェクトを実現することを支援し、カスタマイズされたファイナンス・ソリューションを作成している。ナティクシスは、地域の支え、戦略的対話の質および専門知識の組合せのおかげで、当行の顧客と持続可能な事業モデルを構築している。
Natixis Corporate & Investment BankingおよびNatixis Investment ManagersはBPCEの一部であり、当行グループの中央機関、リテールおよび海外事業分野ならびにリソース・プールが集約された。
<> <img width={643} height={697} id="図 8" src="/images/S100Y6UK/0102010_natixis_2605y_image008.jpg" /> </>
<> <img width={643} height={694} id="図 9" src="/images/S100Y6UK/0102010_natixis_2605y_image009.jpg" /> </>
ナティクシスの事業分野
(a) コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング
Natixis Corporate & Investment Banking(CIB)は、法人顧客、金融機関、機関投資家、資金スポンサー、公的部門の事業体およびGroupe BPCEネットワークを支援している。本部門は、アドバイザリー・サービス、投資、ファイナンス、コマーシャル・バンキングおよびキャピタル・マーケッツにおける幅広い専門知識と、南北アメリカ大陸、欧州ならびにアジア太平洋および中東の3つの地域にまたがる約30ヶ国におけるグローバルなプレゼンスを活用することで、各顧客に助言し、その戦略を支援するための革新的かつ各顧客向けにカスタマイズされたソリューションを開発する。
Natixis CIBは、6つの主要な事業分野(グローバル・マーケッツ、インベストメント・バンキング、実物資産、グローバル・トレード、M&A、信用ポートフォリオおよび資源管理)を中心に組織されている。
・ グローバル・マーケッツ事業分野は、すべての認知された経済調査と組み合わせた、債券、クレジット、外国為替、コモディティおよび株式市場における幅広いヘッジ商品、ファイナンスおよび投資ソリューションを提供している。
・ インベストメント・バンキング・チームは、買収、資産の売却または購入、そしてより一般的にはあらゆる成長プロジェクトにおいて、顧客の戦略的意思決定を支援する。付加価値の高いソリューションを提供するインベストメント・バンキングは、戦略的なファイナンスや買収活動、債券発行市場や株式発行市場におけるファイナンス、上場投資に関する財務エンジニアリング等を手がけている。
・ 実物資産事業分野には、航空機、インフラストラクチャーおよび天然資源、ならびに不動産およびホテル部門におけるストラクチャード・ファイナンスの組成および仕組みが含まれる。実物資産は、これらの部門での市場の主要プレーヤーの1つとして認識されている。
・ グローバル・トレード事業分野は、法人顧客、商品取引事業者ならびにBanques PopulairesおよびCaisses d'Epargneのネットワークの顧客向けのインターナショナル・トレード・ファイナンス事業、輸出業務のためのストラクチャード・ファイナンス・ソリューション事業および現金管理事業を統括している。この事業分野は、当行グループの戦略の中心であり、持続可能な方法で顧客の商業開発を支援し、資金提供するように設計されている。
・ ポートフォリオ・マネジメントチーム(CPRM)は、すべてのファイナンスを支援している。同チームは、販売に向けた組成(O2D)モデルの中核を担っており、リソースの最適化および戦略的な配分を確実に行っている。
・ 最後に、合併および買収(M&A)チームは、大・中規模の商業および事業会社、機関投資家ならびに投資ファンドに対し、事業分割または合併、資金調達、組織再編および資本保護取引に関する準備および実施を支援する。この専門知識は、9ヶ国にあるNatixis Partners、Solomon Partners、Fenchurch、Natixis Partners Iberia、Natixis Partners Belgium、Emendo Capital、Vermilion、Azure CapitalおよびClippertonという9つのブティックのネットワークによって支援されている。
これらの主要な事業分野を支えるため、顧客カバレッジに特化したアドバイザリーおよびカバレッジ部門では、銀行家、各部門の専門家ならびに顧客の環境および技術的な移行を支援する担当チームが結集している。顧客との緊密な関係を確保するため、この部門はフランスにおいて強固な地域的プレゼンスを有し、海外にいる当行のすべての専門家チームを活用している。
最後に、6つの主要な事業分野に加えて、Natixis CIBは、子会社Coficinéを通じてメディア、エンターテイメントおよび文化産業向け専門金融のリーダーとしての地位を確立している。
2025年の重要事象
2025年、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門の四半期ごとの収益は、一貫して1十億ユーロを超え、銀行業務純利益は年間で過去最高の4.8十億ユーロ(恒常為替レートで10%増)を記録した。
・ グローバル・マーケッツ:Natixis CIBは、すべての資産クラスが前年比で堅調な実績を上げた環境下において、事業を拡大し続けた。この成長はすべてのプラットフォームで達成され、顧客基盤の拡大および取引量の増加を伴った。グローバル・マーケッツ・チームの専門性は、2025 Global Derivatives Awardsにおいて表彰され、「Equity Derivatives House of the Year: Europe & Asia」および「Commodity Derivatives Bank of the Year: Europe & Asia」(注1)を受賞した。
(注1) Global Capital Derivatives Awards 2025
・ インベストメント・バンキング:Natixis CIBは、Universe Direct Lending Partners Iファンドの初のクロージングを発表した。同ファンドは、BPCE AssurancesおよびCEGC(Compagnie Européenne de Garanties et Cautions)をはじめ、主要な機関保険会社を含む多様な投資家グループから強い支持を得た。同ファンドは、Natixis CIBと連携し、主に欧州において資金スポンサーの支援を受ける中堅企業を支援するための直接融資の案件に投資を行う。
・ 2025年8月、Natixis CIBは、Groupe BPCEに代わって、欧州の金融機関が発行する初の欧州防衛債券の組成および発行を行った。かかる750百万ユーロの5年物上位優先証券の発行により調達された資金は、防衛部門の資産のための資金調達および借換えに充てられる。また、Natixis CIBは、BPI Franceによる初の1十億ユーロ相当の「欧州防衛債券」の発行も支援した。
・ ナティクシスは、欧州においてECM分野での専門性を拡大し続けており、株式連動型市場では欧州第4位の規模を誇り、主に転換社債およびEB債の発行を手掛けている。
・ 実物資産:2025年、Natixis CIBは、顧客にオーダーメイドのファイナンス・ソリューションを提供し、「資産担保型」ファイナンスの提供範囲を拡大するため、新たな事業分野として「交通ファイナンス」を開始した。Natixis CIBは、航空機部門において、Viva Aerobusとの間でラテンアメリカ初となるフランスのオプティマイズド・リースを含む、数々の注目すべき取引を手掛けた。
・ グローバル・トレードは、新たな通貨や地域、特に日本における顧客のニーズに応えるため、投資ソリューションの範囲を拡充した。2025年以降、Natixis CIBはトレード・トラッカーというツールを活用し、顧客が輸出入貿易金融取引をリアルタイムで追跡できるサービスを提供している。
・ M&A:2025年1月、子会社のNatixis Partnersは、Financière de Courcellesとの戦略的提携を発表し、中小型セグメントにおける専門性を強化するとともに、Banques PopulairesおよびCaisses d’Epargneの顧客へのサービス提供体制を強化した。
Natixis CIBは、重大なリスクの移転(SRT)プログラムの見直しによりO2Dモデルの強化を継続し、特に2025年10月には2022年以来初となるクレジット・リンク・ノート(CLN)SRTを発行した。
Natixis CIBは、サステナブル・ファイナンス分野においても戦略的目標を追求した。その専門性は世界的に認められている。Natixis CIBは「Bank for Sustainability」(注2)、World’s Best Bank Transition Strategy(注3)、およびESG Lender of the Year(注4)に選出された。Natixis CIBは、革新的なサステナブル・ファイナンス・ソリューションの提供を継続している。2025年、Natixis CIBは特に二酸化炭素回収プロジェクトへの融資を活発に行った。Natixis CIBはまた、特にBanco do Brasilによる初の「ブルー・レポ」の発行を通じて、ブルー・ファイナンスの発展にも参画した。
(注2) IFR Awards 2025
(注3) Euromoney
(注4) IJ Global - EMEA 2025
Natixis CIBは、中核産業(注5)を拡大した。2025年、Natixis CIBはアドバイザリーおよびカバレッジ部門内の献身的な業界銀行家チームを中心に、「食品、農業および自然資本」部門における専門知識を体系化した。
(注5) 9つの主要部門における専門性:エネルギー安全保障および脱炭素化、低炭素エネルギー、重要金属および鉱物、食品、農業および自然資本、ヘルスケア、通信およびテクノロジー、モビリティ、環境、不動産
Natixis CIBは、国際的なプレゼンスの強化を継続している。
・ 顧客へのサービス向上および世界的な動向への適応を図るため、Natixis CIBはその組織およびガバナンスを刷新した。2026年1月より、中東およびアジア太平洋地域は、単一のプラットフォームの下に統合された。
・ 2025年7月、Natixis CIBは日本で銀行業免許を取得し、東京支店が顧客に対してより幅広い金融サービスを提供できるようになった。
・ 南北アメリカ大陸のプラットフォームは引続き発展を遂げ、その専門性が度々評価された。数多くのインフラストラクチャーおよび航空機ファイナンス取引が評価され、Natixis CIBは「MLA of the Year, Latin America」(注6)に選出された。また、Natixis CIBは「Private Credit CLO Arranger of the Year」(注7)にも選出された。
(注6) IJ Global
(注7) Deal Catalyst US CLO Awards 2025
(b) 資産運用およびウェルス・マネジメント
資産運用およびウェルス・マネジメントは、Groupe BPCEの様々な個人顧客および機関顧客の貯蓄、投資、リスク管理およびアドバイザリーのニーズに合わせたソリューションを開発する。
① 資産運用
Natixis Investment Managers(Natixis IM)は、2025年12月末現在の運用資産額が1,323十億ユーロと、資産運用において世界の主導的地位を占めており、投資家に多種多様な責任ある幅広いソリューションを提供することにより、あらゆる大陸の投資家のポートフォリオの構築を支援している。
Natixis IMは、分散型かつ起業家的なマルチ・アフィリエイト・モデルにより、15社超の専門的な資産運用会社の専門知識を結集し、市況にかかわらず投資家の顧客が投資目的を達成できるよう支援するために、200超の戦略の数々を提供している。
同社は、ボストンおよびパリの本部を拠点に、3つの主要な専門分野を中心に事業を展開している。
・ 信念に基づく運用(アクティブ・ファンダメンタル)
・ 債務主導型運用(保険および退職金/年金)
・ 個人資産
同社は、Banques PopulairesおよびCaisses d'Epargneの販売チームに加え、20ヶ国超に構築された総合的な販売ネットワークを通じて、そのサービスを展開している。
2025年の重要事象
全チームの尽力により、Natixis Investment Managersは2025年に好調な営業力を記録し、主に、Loomis SaylesおよびDNCAが牽引するフィックスド・インカム商品ならびに多角的商品(Solutions)により、2年連続で40十億ユーロの純流入額を達成した。
Morningstarが3年間のパフォーマンスで評価した第1および第2四分位群に属するファンドは、前年は68%であったのに対し、2025年12月末現在においては77%であった。
同社は引続き、組織の合理化と積極的な投資管理を行い、ThematicsとMirovaの合併により、イノベーションとプラスの影響を融合させたテーマ型株式運用分野の主要プレーヤーを誕生させるとともに、Belmont Capitalの事業を買収することで、Gatewayが持つオプションベースの投資戦略の専門性を活かし、顧客のニーズにより的確に応える体制を整えた。
米国において、Natixis IMは、運用資産額が2,000十億ドル超の市場最大手の1つであるEdward Jonesと戦略的提携を結び、この重要な市場において有望な成長の見通しを開拓した。
Natixis IMは、関連会社とともに、責任投資およびインパクト投資の開発への取組みを継続し、ESG資産(サステナブル・ファイナンス開示規制第8/9条)は2025年末現在には540十億ユーロを超えた。また、個人的および集団的な関与活動、積極的な投票政策および責任投資を推進するための主要なイニシアチブへの参加を通じて、その声を伝え続けた。
| Natixis Investment Managers:米国、欧州およびアジア太平洋における15社超の専門的な資産運用会社(2025年12月末現在-運用資産額の単位:十億ユーロ) ・ AEW(59.3十億ユーロ):不動産資産運用、不動産投資信託(REIT)および不動産ミューチュアルファンド ・ DNCA Investments(53.9十億ユーロ):債券運用および株式運用 ・ Flexstone Partners(6.3十億ユーロ):プライベート・エクイティ ・ Gateway Investment Advisers, LLC(9.8十億ユーロ):ヘッジ株式 ・ Harris Oakmark(96.8十億ユーロ):米国および海外の株式運用 ・ Investors Mutual Limited(2.1十億ユーロ):バリュー型オーストラリア株式運用 ・ Loomis, Sayles & Co.(367.0十億ユーロ):株式運用(グロース型、コア型、バリュー型)および債券運用(コア型から高利回り型) ・ Mirova(33.4十億ユーロ):SRI株式運用および債券運用、インフラストラクチャー・プロジェクト・ファイナンス ・ Naxicap Partners(8.1十億ユーロ):プライベート・エクイティ ・ Ossiam(10.3十億ユーロ):戦略的ベースによるETFs(上場投資信託) ・ Ostrum Asset Management(384.4十億ユーロ):債券運用および株式運用 ・ Seventure Partners(0.698十億ユーロ):プライベート・エクイティ ・ Thematics Asset Management(3.0十億ユーロ):国際的テーマ型投資 ・ Vauban Infrastructure Partners(9.5十億ユーロ):サステナブル・インフラストラクチャー運用 ・ Vaughan Nelson Investment Management(13.0十億ユーロ):株式運用および債券運用 ・ VEGA Investment Solutions(72.3十億ユーロ):株式運用、債券運用、多角的資産運用および個人資産運用 ・ WCM Investment Management(99.0十億ユーロ):海外のグロース型株式運用 |
|---|
| Solutionsによる運用の提供(2025年12月末現在-運用資産額の単位:十億ユーロ) ・ Natixis Investment Managers Solutions US(95.5十億ユーロ) |
|---|
従業員貯蓄計画および年金貯蓄制度
フランスを代表する、責任のある企業貯蓄計画の提供会社であるNatixis Interépargneは、あらゆる規模の115,000社超の会社(注1)から信頼されるパートナーとして、従業員貯蓄計画および年金貯蓄制度の導入・運営を支援しており、約4百万のフランス人貯蓄者(注1)にサービスを提供している。
Natixis Interépargneは、Natixis Investment Managersの豊富で多様な専門知識を活用し、市場で最も高い評価を得ている高パフォーマンスかつサステナブルな投資運用サービスを幅広く提供しており(注2)、44十億ユーロ超の運用資産(注1)を有している。
(注1) 出典:Natixis Interépargne、2025年6月30日現在
(注2) 2015年以来、Natixis InterépargneはCorbeilles Mieux Vivre Votre Argent賞において、定期的に高い評価を受けている。
Natixis Interépargneは、社会的役割を全うすることを使命とし、共有価値の創出こそが、株主、経営陣および従業員の利益を一致させ、会社の繁栄につながる最善の道であると考え、有益な貯蓄を推進している。
2025年の重要事象
2025年には、HSBC Continental Europe(HBCE)の子会社であるHSBC Epargne Entreprise(HEE)の買収が完了し、その事業がNatixis Interépargneに移管され、3,300社および193,000人の新規貯蓄者を自社のプラットフォームに迎え入れた。これは会計管理市場における初の統合案件であり、Natixis Interépargneがリーダーシップを確立していることを示す明確なメッセージである。
Natixis Interépargneは、有意義な貯蓄の促進に全力を注いでおり、従業員貯蓄計画の普及を推進するという企業理念およびインパクト戦略を、自社の戦略に適用している。
VEGA Investment Solutions(VEGA IS)およびCollectif Reconstruireと提携してフランスの製造業企業に投資し、上場株式と非上場株式を組み合わせた従業員投資ファンド「Sélection VEGA Industrie France」を立ち上げた。
革新を重んじる企業文化に忠実に、チーム内での文化浸透が順調に進んだ後、Natixis Interépargneは数多くのAI活用事例を試験導入し、運用の一貫性とプロセスの効率性を向上させた。
Natixis Interépargneは、2年連続でEcovadis 2025の銀賞を受賞し、持続可能な開発における実績を裏付けた。
最後に、営業の勢いは続いており、大手法人顧客、特にCAC40に上場している企業との取引で大きな成功を収めた。2025年の総流入額は前年比で15%増加した(注3)。
販売網の面では、価値共有法に基づき従業員数11人から49人の従業員を擁する企業を支援する取組みを原動力として、すべての販売網が力強い伸びを示し、新規契約の販売額は前年比で31%増加した(注3)。
(注3) 出典:Natixis Interépargne、2025年12月31日現在
② ウェルス・マネジメント
フランスおよびルクセンブルクで設立されたNatixis Wealth Managementは、会社の取締役、執行役、大口個人投資家および家族株主の資産を構築・管理するためのカスタマイズされた資産および金融ソリューションを設計し、これを実行する。Natixis Wealth Managementは、コーポレート・アドバイザリー、オリジネーション、バニラ・ファイナンスおよびコンプレックス・ファイナンス、投資、資産設計、資産運用および特にプライベート・エクイティにおけるソリューションの多様化といった、プロジェクトの規模または成熟度を問わず、あらゆるニーズを網羅する幅広い専門知識を引き受け、投資し、取り込み、結集させる取組みにおいて彼らを支援している。
すべての価値提案は、顧客が望む個人化の程度に合わせて調整され、B2CとB2Bの2つのチャネルを介して提供される。上場・非上場の運用商品およびサービスの範囲を拡大するため、Natixis Wealth Managementは、4つの子会社(主にプライベート・エクイティにおいて、私有の家族経営団体およびファミリーオフィスへのアドバイスを行うMassena Partners、柔軟かつ責任ある資産運用を専門とするDorval Asset Management、ハイエンドなオープン構造の生命保険仲介を専門とするTeora by Natixis Wealth ManagementおよびVEGA Investment Solutions)の専門知識を活用している。
2025年の重要事象
金利の変動や不透明な地政学的状況が依然として続く市場環境の中、Natixis Wealth Management****およびその子会社は、成長と革新の勢いを維持した。
Natixis Wealth Managementの運用資産額は、2025年12月末現在で26十億ユーロとなった。
2025年7月1日に完了したDorval Asset Managementの買収により、当行グループは柔軟かつ責任ある資産運用における専門性を強化し、顧客に提供する投資ソリューションをさらに充実させた。
さらに、Natixis Wealth Managementは、Décideurs Patrimoineが主催する第7回Sommet du Patrimoine et de la Performanceにおいて、「Best Affiliated Private Bank」賞を受賞し、その卓越した評価を確固たるものとした。
こうした進展は、当行がウェルス・マネジメント市場におけるベンチマークとしての地位を確立しつつ、模範的なサービス品質をもって顧客を支援するという継続的な取組みを如実に示している。
この期間は、Banque PopulaireおよびCaisse d'Epargneのネットワークとの連携が強化された時期でもあり、これにより、事業展開における相乗効果を高め、ますます多様化する顧客層に向けて提供するソリューションの幅を広げることが可能となった。
4 【関係会社の状況】
(1) 親会社
2026年3月31日現在
| 親会社の名称 | 設立地および営業地 | 資本金 | 主要事業 | 親会社が保有する 当行の議決権比率 (%) |
|---|---|---|---|---|
| BPCE S.A. | フランス・パリ | 188,932,730.00ユーロ | 銀行業 | 99.994 |
(a) 2025年12月31日現在の組織
<> <img width={439} height={371} id="図 10" src="/images/S100Y6UK/0102010_natixis_2605y_image010.jpg" /> </>
(b) BPCEとの金融****相互支援メカニズム
Natixis S.A.を含め、Groupe BPCEの中央機関に属するすべての関連機関は、保証および相互支援制度により恩恵を受けている。この制度は、フランス通貨金融法典第L.511-31条、第L.512-107-5条および第L.512-107-6条に従い、すべての関連機関の流動性および支払能力を保証し、当行グループ内で金融相互支援を組織することを目的としている。かかる金融相互支援は、法的相互支援の原則を確立する法的条項に基づいている。かかる原則により、中央機関は、困難にある関係事業体および/または当行グループのすべての関係事業体の流動性または支払能力を回復するよう義務付けられている。相互支援原則の無制限性により、BPCEは、いかなるときも、関係事業体のいずれか1つ、または複数、あるいはすべてに、ポジションを回復するために必要となりうる財政的努力に貢献するよう要請する権利を有し、関係事業体の1つ、または複数が困難に直面した場合には、必要に応じて、関係事業体のすべての現金および資本を動員することができる。
これにより、Natixis S.A.が困難に直面した場合、BPCEは、ナティクシスの状況を回復させるために必要なことすべてを行うものとし、特に、以下の方法により、設定した内部相互支援メカニズムを実施することができる。(ⅰ)第一に株主の義務の一環として資本を動員し、(ⅱ)これが十分でない場合、BPCEは、Banques PopulairesおよびCaisses d'Epargneのネットワークが均等に拠出し、年間出資(基金に対する要求がある場合には、これに充当する金額に従う。)によって増加する、2025年12月31日現在で合計資産422.8百万ユーロのBPCEが創設した相互保証基金を用い、(ⅲ)BPCEの資本およびかかる相互保証基金が不十分である場合には、BPCEは、BPCEの帳簿における10年間の定期預金(無期限で更新可能)の形でBanques PopulairesおよびCaisses d'Epargneにより預金された、Banques PopulairesおよびCaisses d'Epargneの2つのネットワークのそれぞれに属している合計900百万ユーロ(すなわち、各ネットワークにつき450百万ユーロ)の保証基金を(均等に)用いることができる。(ⅳ)BPCEの資本およびこれらの3つの保証基金が十分でない場合には、すべてのBanques PopulairesおよびCaisses d'Epargneに対して追加の金額を要求する。上記の保証基金が、BPCEの業務執行役員会または金融危機問題にある管轄当局の取組みで有効となったGroupe BPCEの内部保証メカニズムで構成されており、必要とみなされた場合には、実施するよう要求することができるという点は留意すべきである。(ⅴ)さらに、BPCEは、いずれか1つ、いくつかまたはすべての他の関係会社の資源を無制限に使用することもできる。
かかる完全かつ完璧な法的相互支援により、1つまたは複数の関係会社が強制的清算に陥ることまたは銀行の再生および破綻処理に関するEU指令第2014/59号(その後のEU指令第2019/879号(「BRRD」)による改正を含む。)の意味における破綻処理措置の影響を受けることはなく、すべての関係会社が同様の状況に立たされることもない。
これにより、フランス通貨金融法典第L.613-29条に基づき、司法的な清算手続は、中央機関およびそのすべての関係事業体について協調的に実施される。
すべての関係事業体に関する裁判所命令による清算の場合、すべての関係事業体の同順位または同一の権利を有する外部債権者は、特定の関係事業体との関係にかかわらず平等に債権者の階層順により管理される。したがって、AT1資本およびその他同等の証券保有者は、T2資本およびその他同等の証券保有者よりも影響を受け、T2資本およびその他同等の証券保有者は、対外非上位優先証券保有者よりも影響を受け、対外非上位優先証券保有者は、対外上位優先証券保有者よりも影響を受ける。解散の場合、フランス通貨金融法典第L.613-55-5条に基づき、同等の順位の債権および債務には、同一の減損および/または転換率が特定の関係事業体への帰属にかかわらず上記の階層順で適用される。
Natixis S.A.が中心的機関であるBPCEに所属していることおよびGroupe BPCEの体系的な性質ならびに破綻処理当局が現在行っている調査により、必要に応じて裁判所命令による清算手続の開始よりも、破綻処理措置が取られる可能性が高いと思われる。破綻処理手続は、BPCEおよびすべての関係会社に対して、(ⅰ)BPCEおよびすべての関係会社のデフォルトが判明または予測できる場合、(ⅱ)他の方法により、合理的な時間枠内でかかるデフォルトを回避できると合理的に見込めない場合、ならびに(ⅲ)破綻処理措置が破綻処理目標である(a)重要な機能の継続性の保証、(b)財政の安定性に対する重大な悪影響の回避、(c)特別な公的財政支援の利用を最小化することによる政府資源の保護、および(d)顧客、特に預金者の資金および資産の保護を達成するために必要となる場合に開始される。機関は、その承認の条件に従っておらず、満期となる債務もしくはその他のコミットメントを支払うことができていない場合、または特別な公的財政支援を要求する(限られた例外の対象となる)もしくは負債の価値が資産の価値を超えた場合にデフォルトに陥ったとみなされる。
ベイルインの権限に加えて、破綻処理当局は、経営不振の機関との関連で他の破綻処理措置を実施するための幅広い権限を与えられており、特定の状況下では、かかる機関のグループとの関連、特に、第三者もしくはブリッジ機関に対するすべてまたは一部のかかる機関の事業売却、資産の分離、債務証券に関する債務者としてのかかる機関もしくは負債性金融商品の後継または代理、負債性金融商品の契約条件の変更(満期日および/または未払利息額の変更および/または一時的な支払い停止を含む。)、金融商品の取引または上場の承認中止、および経営責任者の解任または一時的な管理者(特別管理者)の任命ならびに資本またはエクイティの発行に関するものも含まれる。
(2) 子会社および関連会社
2026年3月31日現在、当行は、持分法により完全連結子会社214社および関係会社3社を計上している。
「第6 経理の状況-1 財務書類-(1) 連結財務諸表および注記-連結財務諸表注記」の注記16を参照のこと。
5 【従業員の状況】
(1) 部門別従業員数および地域別従業員数
| 従業員数(契約数) | ||
| 部門 | 2025年12月 | 2024年12月 |
| コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング(1)(2) | 7,705 | 7,396 |
| 資産運用およびウェルス・マネジメント | 5,891 | 5,816 |
| 本部(1) | - | - |
| グローバル・ソリューション(2) | 2,587 | 2,170 |
| ナティクシス合計 | 16,183 | 15,382 |
| 金融投資(3) | 908 | 917 |
| ナティクシス合計(金融投資を含む。) | 17,091 | 16,299 |
(1) 2025年12月のコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの本部統合(2024年12月31日現在、従業員120名)に伴い、プロフォーマを実施した。
(2) Bangalore CIBからサポート機能を移管し、Natixis Portoの部門名を変更(2024年12月31日現在、従業員147名)。2024年12月現在のプロフォーマの作成を完了した。
(3) Natixis Algérie
| ナティクシス(Natixis Algérieを除く。) | |||||
| 2025年12月 | 2024年12月 | ||||
| 地域別 | 従業員数(契約数) | 割合 | 従業員数(契約数) | 割合 | |
| フランス | 8,072 | 49.9% | 7,859 | 51.1% | |
| EMEA | 3,650 | 22.6% | 3,297 | 21.4% | |
| 南北アメリカ大陸 | 3,077 | 19.0% | 2,984 | 19.4% | |
| APAC | 1,384 | 8.6% | 1,242 | 8.1% | |
| 合計 | 16,183 | 100% | 15,382 | 100% | |
| ナティクシス(Natixis Algérieを含む。) | |||||
| 2025年12月 | 2024年12月 | ||||
| 地域別 | 従業員数(契約数) | 割合 | 従業員数(契約数) | 割合 | |
| フランス | 8,072 | 47.2% | 7,859 | 48.2% | |
| EMEA | 4,558 | 26.7% | 4,214 | 25.9% | |
| 南北アメリカ大陸 | 3,077 | 18.0% | 2,984 | 18.3% | |
| APAC | 1,384 | 8.1% | 1,242 | 7.6% | |
| 合計 | 17,091 | 100% | 16,299 | 100% | |
上記の表に記載されている従業員数は、ナティクシス・グローバルの範囲に含まれる従業員を表している。ナティクシス・グローバルは、金融投資(Natixis Algérie)を含む、ナティクシスおよび全世界のその子会社(直接または間接的に少なくとも50%所有している会社)の全会計連結範囲をカバーしている。
**1)**従業員の範囲の定義
・ 社内の正社員
・ 社内の臨時従業員
・ 勤労従業員
・ 社内の国際ボランティア(VIE)
**2)**従業員数合計の計算方法
・ 従業員数は契約上のアプローチ:契約数
・ 期末時点における従業員の状況
・ 基準日:基準年の12月31日
・ 代替値の利用
(2) 指標
(a) 事業に従事する従業員の特性
一般的な前置き:指標の定義および計算方法
予備的な注意事項:従業員のみを対象とする(指標の対象範囲には非従業員は含まれない。)。
| ・ | 横断的な定義 |
|---|---|
| 算出された指標における労働者/従業員の範囲の定義 |
・ 社内の正社員
・ 社内の臨時従業員
・ 勤労従業員
・ 社内の国際ボランティア(VIE)
注記:インターンは範囲に含まれていない。フランスではインターンは会社の従業員とはみなされない。
勤労従業員およびVIE従業員は臨時従業員とみなされる。
| ・ | 横断的な計算方法 |
|---|---|
| 従業員数合計の計算方法 |
・ 契約方式に基づく従業員数:契約数
・ 期末時点における従業員の状況
・ 基準日:基準年の12月31日
・ 代替値の利用:該当する場合、代替値の計算方法は指標ごとに詳細に記載される。
ジェンダー別従業員数についての情報開示のテンプレート
| ・ | 定義 |
|---|---|
| ナティクシスは「性」(生物学的概念)と「ジェンダー」(当該個人のアイデンティティの識別)を区別している。CSRDの目的のために、ナティクシスは「ジェンダー」の概念を維持している。 | |
| ・ | 4つの欄に基づく表の完成 |
・ 「男性」および「女性」の欄:ISで入手可能な情報に基づく。
・ 「非開示」の欄は、ISにデータが記載されていない場合に利用される。
・ 「その他」の欄(従業員による申告に基づく。)は、従業員が「その他」のジェンダーを自己申告できるシステムが現在存在しないため、ナティクシスでは記入しない。フランス法では、このようなシステムの導入は義務付けられていない。
・ 対象範囲
・ フランスおよび海外の経営範囲:すべての事業体
・ AWM Franceおよび海外の範囲のその他の事業体
・ Solomon Partnersを除くCIBのM&Aブティック
・ 金融資産の範囲
| ・ | 代替値の利用 |
|---|---|
| 代替値は、当年度末に収計した「AWM部門のその他の事業体」の範囲内の事業体の従業員数に基づいて算出されたが、手動で収集され、情報が入手可能である2社を除く。 男女の割合を算出するために代替値が計算され、当年度末に、該当する事業体は、正社員、有期雇用の従業員、勤労従業員等の労働力を報告する。この男女の労働力人口に関するファイルを基に、ジェンダー情報が入手可能なN-1年における従業員の男女比を算出する。 |
| ジェンダー別の従業員数 | ジェンダー別の従業員数 | ||||
| ナティクシス(Natixis Algérieを除く。) | ナティクシス(Natixis Algérieを含む。) | ||||
| 従業員数 (契約数) | 2025年12月 | 2024年12月 | 従業員数 (契約数) | 2025年12月 | 2024年12月 |
| 女性 | 6,647 | 6,272 | 女性 | 7,092 | 6,720 |
| 男性 | 9,265 | 8,606 | 男性 | 9,728 | 9,075 |
| その他* | - | - | その他* | - | - |
| 非開示 | 271 | - | 非開示 | 271 | - |
| 合計 | 16,183 | 14,878 | 合計 | 17,091 | 15,795 |
* ジェンダーは従業員自身による申告に基づく。
会社が少なくとも50人の従業員を有し、会社の従業員数合計の少なくとも10%を占める国の従業員数を示すためのテンプレート
| ・ | 指標の定義 |
|---|---|
| 「会社」は、CSRDの送付範囲の意味において考慮される。 | |
| ・ | 指標の計算 |
| 従業員数の計算基準は、CSRDの公表範囲に基づいている。従業員数合計の10%を占める国々を特定するため、「会社」はCSRDの送付範囲の意味において考慮されなければならない。 | |
| ・ | 対象範囲 |
・ フランスおよび海外の経営範囲:すべての事業体
・ AWM Franceおよび海外の範囲のその他の事業体
・ CIBのM&Aブティック
・ 金融資産の範囲
| 国別従業員数 | ||||
| ナティクシス(Natixis Algérieを除く。) | ||||
| 2025年12月 | 2024年12月 | |||
| 国 | 当行が少なくとも50人の従業員を有し、当行の従業員数合計の少なくとも10%を占める国の従業員数 | 割合 | 当行が少なくとも50人の従業員を有し、当行の従業員数合計の少なくとも10%を占める国の従業員数 | 割合 |
| フランス | 8,072 | 49.9% | 7,859 | 51.1% |
| 米国 | 3,037 | 18.8% | 2,947 | 19.2% |
| ポルトガル | 2,356 | 14.6% | 2,023 | 13.2% |
| 国別従業員数 | ||||
| ナティクシス(Natixis Algérieを含む。) | ||||
| 2025年12月 | 2024年12月 | |||
| 国 | 当行が少なくとも50人の従業員を有し、当行の従業員数合計の少なくとも10%を占める国の従業員数 | 割合 | 当行が少なくとも50人の従業員を有し、当行の従業員数合計の少なくとも10%を占める国の従業員数 | 割合 |
| フランス | 8,072 | 47.2% | 7,859 | 48.2% |
| 米国 | 3,037 | 17.8% | 2,947 | 18.1% |
| ポルトガル | 2,356 | 13.8% | 2,023 | 12.4% |
契約形態別従業員についての情報開示のテンプレート、ジェンダー別内訳(契約数)
| ・ | 定義 |
|---|---|
| 上記の一般的な前置きの定義を参照のこと。 注記:ナティクシスでは、労働時間が保証されない契約に基づき勤務する従業員の数を数えていない。Groupe BPCEと同様に、ナティクシスは、グループが提供する契約形態およびナティクシスの事業モデルを考慮すると、このカテゴリーの従業員に影響を受けない。 | |
| ・ | 計算 |
・ ジェンダー別内訳は、上記「ジェンダー別従業員数」の指標を参照のこと。
・ 契約形態別内訳は、一般的な前置きの横断的な定義のセクションに詳細が記載されている。
・ 常勤/パートタイムの内訳は任意で公表される(経営範囲内の事業体のみ)。
・ 契約上の常勤労働者が100%の従業員はすべて常勤とみなされる。それ以外はすべてパートタイムとみなされる。勤労学生は特定の固定された勤務形態であるため、パートタイムとみなされる。
・ 対象範囲
・ フランスおよび海外の経営範囲:すべての事業体
・ AWM Franceおよび海外の範囲のその他の事業体
・ Solomon Partnersを除くCIBのM&Aブティック
・ 金融資産の範囲
| ・ | 代替値の利用 |
|---|---|
| 代替値は、当年度末に収計した「AWM部門のその他の事業体」の範囲内の事業体の従業員数に基づいて算出されたが、手動で収集され、情報が入手可能である2社を除く。 男女の割合を算出するために代替値が計算される。当年度末に、該当する事業体は、正社員、有期雇用従業員、勤労従業員等の労働力を報告する。この男女の労働力人口に関するファイルを基に、N-1年における従業員の男女比を算出する。 |
| 契約形態別従業員数、ジェンダー別内訳(契約数) | ||||||||
| ナティクシス(Natixis Algérieを除く。) | ||||||||
| 2025年12月 | ||||||||
| 女性 | 男性 | その他* | 非開示 | 合計 | ||||
| 従業員数 | 6,647 | 9,265 | - | 271 | 16,183 | |||
| 正社員数 | 6,174 | 8,730 | - | 271 | 15,175 | |||
| 臨時従業員数 | 473 | 535 | - | - | 1,008 | |||
| 労働時間が保証されていない従業員の数 | - | - | - | - | - | |||
| 常勤従業員数(1) | 4,987 | 7,380 | - | - | 12,367 | |||
| パートタイム従業員数(1) | 749 | 415 | - | - | 1,164 | |||
| * ジェンダーは従業員自身による申告に基づく。 | ||||||||
| (1)「管理対象」の範囲に限り区別がなされている可能性がある。 | ||||||||
| 契約形態別従業員数、ジェンダー別内訳(契約数) | ||||||||
| ナティクシス(Natixis Algérieを除く。) | ||||||||
| 2024年12月 | ||||||||
| 女性 | 男性 | その他* | 非開示 | 合計 | ||||
| 従業員数 | 6,272 | 8,606 | - | - | 14,878 | |||
| 正社員数 | 5,868 | 8,147 | - | - | 14,015 | |||
| 臨時従業員数 | 404 | 459 | - | - | 863 | |||
| 労働時間が保証されていない従業員の数 | - | - | - | - | - | |||
| 常勤従業員数(1) | 4,697 | 6,906 | - | - | 11,603 | |||
| パートタイム従業員数(1) | 741 | 406 | - | - | 1,147 | |||
| * ジェンダーは従業員自身による申告に基づく。 | ||||||||
| (1) 「管理対象」の範囲に限り区別がなされている可能性がある。 | ||||||||
| 契約形態別従業員数、ジェンダー別内訳(契約数) | |||||
| ナティクシス(Natixis Algérieを含む。) | |||||
| 2025年12月 | |||||
| 女性 | 男性 | その他* | 非開示 | 合計 | |
| 従業員数 | 7,092 | 9,728 | - | 271 | 17,091 |
| 正社員数 | 6,592 | 9,183 | - | 271 | 16,046 |
| 臨時従業員数 | 500 | 545 | - | - | 1,045 |
| 労働時間が保証されていない従業員の数 | - | - | - | - | - |
| 常勤従業員数(1) | 5,412 | 7,836 | - | - | 13,248 |
| パートタイム従業員数(1) | 769 | 422 | - | - | 1,191 |
| * ジェンダーは従業員自身による申告に基づく。 | |||||
| (1) 「管理対象」の範囲に限り区別がなされている可能性がある。 | |||||
| 契約形態別従業員数、ジェンダー別内訳(契約数) | |||||
| ナティクシス(Natixis Algérieを含む。) | |||||
| 2024年12月 | |||||
| 女性 | 男性 | その他* | 非開示 | 合計 | |
| 従業員数 | 6,720 | 9,075 | - | - | 15,795 |
| 正社員数 | 6,281 | 8,594 | - | - | 14,875 |
| 臨時従業員数 | 439 | 481 | - | - | 920 |
| 労働時間が保証されていない従業員の数 | - | - | - | - | - |
| 常勤従業員数(1) | 5,122 | 7,363 | - | - | 12,485 |
| パートタイム従業員数(1) | 764 | 418 | - | - | 1,182 |
| * ジェンダーは従業員自身による申告に基づく。 | |||||
| (1) 「管理対象」の範囲に限り区別がなされている可能性がある。 | |||||
契約形態別従業員についての****情報開示のテンプレート、地域別内訳(契約数)
| ・ | 定義 |
|---|---|
| ナティクシスの「地域」とは、地理的地域を意味する。ナティクシスは、フランス、南北アメリカ大陸、APAC、EMEA(フランスを除く。)の4つの地域に区分している。 | |
| ・ | 計算 |
| ジェンダー別内訳は、上記「ジェンダー別従業員数」の指標を参照のこと。 契約形態別内訳は、一般的な前置きに詳細が記載されている。 | |
| ・ | 対象範囲 |
・ フランスおよび海外の経営範囲:全事業体
・ AWM Franceおよび海外の範囲のその他の事業体
・ Solomon Partnersを除くCIB M&Aブティック
・ 金融資産の範囲
**契約形態別従業員数、**地域別内訳(契約数)
| ナティクシス(Natixis Algérieを除く。) | |||||
| 2025年12月 | |||||
| フランス | EMEA* | 南北アメリカ大陸 | APAC | 合計 | |
| 従業員数 | 8,072 | 3,650 | 3,077 | 1,384 | 16,183 |
| 正社員数 | 7,293 | 3,550 | 3,013 | 1,319 | 15,175 |
| 臨時従業員数 | 779 | 100 | 64 | 65 | 1,008 |
| 労働時間が保証されていない従業員の数 | - | - | - | - | - |
| 常勤従業員数(1) | 6,416 | 3,327 | 1,415 | 1,209 | 12,367 |
| パートタイム従業員数(1) | 1,068 | 80 | 15 | 1 | 1,164 |
* フランスを除く。
(1) 「管理対象」の範囲に限り区別がなされている可能性がある。
契約形態別従業員数、地域別内訳(契約数)
| ナティクシス(Natixis Algérieを除く。) | |||||
| 2024年12月 | |||||
| フランス | EMEA* | 南北アメリカ大陸 | APAC | 合計 | |
| 従業員数 | 7,763 | 3,209 | 2,748 | 1,158 | 14,878 |
| 正社員数 | 7,077 | 3,115 | 2,700 | 1,123 | 14,015 |
| 臨時従業員数 | 686 | 94 | 48 | 35 | 863 |
| 労働時間が保証されていない従業員の数 | - | - | - | - | - |
| 常勤従業員数(1) | 6,244 | 2,977 | 1,321 | 1,061 | 11,603 |
| パートタイム従業員数(1) | 1,039 | 74 | 33 | 1 | 1,147 |
* フランスを除く。
(1) 「管理対象」の範囲に限り区別がなされている可能性がある。
契約形態別従業員数、地域別内訳(契約数)
| ナティクシス(Natixis Algérieを含む。) | |||||
| 2025年12月 | |||||
| フランス | EMEA* | 南北アメリカ大陸 | APAC | 合計 | |
| 従業員数 | 8,072 | 4,558 | 3,077 | 1,384 | 17,091 |
| 正社員数 | 7,293 | 4,421 | 3,013 | 1,319 | 16,046 |
| 臨時従業員数 | 779 | 137 | 64 | 65 | 1,045 |
| 労働時間が保証されていない従業員の数 | - | - | - | - | - |
| 常勤従業員数(1) | 6,416 | 4,208 | 1,415 | 1,209 | 13,248 |
| パートタイム従業員数(1) | 1,068 | 107 | 15 | 1 | 1,191 |
* フランスを除く。
(1) 「管理対象」の範囲に限り区別がなされている可能性がある。
契約形態別従業員数、地域別内訳(契約数)
| ナティクシス(Natixis Algérieを含む。) | |||||
| 2024年12月 | |||||
| フランス | EMEA* | 南北アメリカ大陸 | APAC | 合計 | |
| 従業員数 | 7,763 | 4,126 | 2,748 | 1,158 | 15,795 |
| 正社員数 | 7,077 | 3,975 | 2,700 | 1,123 | 14,875 |
| 臨時従業員数 | 686 | 151 | 48 | 35 | 920 |
| 労働時間が保証されていない従業員の数 | - | - | - | - | - |
| 常勤従業員数(1) | 6,244 | 3,859 | 1,321 | 1,061 | 12,485 |
| パートタイム従業員数(1) | 1,039 | 109 | 33 | 1 | 1,182 |
* フランスを除く。
(1) 「管理対象」の範囲に限り区別がなされている可能性がある。
退職数および退職率
| ・ | 定義 |
|---|---|
| ナティクシスは本指標の計算にあたり、契約終了、辞職、雇用期間中の死亡、解雇および引退を退職の理由として使用した。 注記:内部の異動に関連する退職は、本指標の計算に含まれない。 本指標は、正社員契約についてのみ示している。 | |
| ・ | 計算 |
| 退職率:計算式:基準期間における正社員契約の退職数/基準N-1年の12月31日時点における正社員契約の人員 | |
| ・ | 対象範囲 |
・ フランスおよび海外の経営範囲:全事業体
・ 手動で集計したAWMの事業体の範囲(DNCA Finance France、Natixis US Advisors)
・ Solomon Partnersを除くCIB M&Aブティック
・ 金融資産の範囲
<> <img width={597} height={95} id="図 13" src="/images/S100Y6UK/0102010_natixis_2605y_image011.jpg" /> </>
退職数および退職率
| ナティクシス(Natixis Algérieを除く。) | ||||
| 地理的地域 | 2025年12月 | 2024年12月 | ||
| 退職数 | 退職率 | 退職数 | 退職率 | |
| フランス | 347 | 5.0% | 320 | 4.9% |
| EMEA | 309 | 10.4% | 328 | 12.3% |
| 南北アメリカ大陸 | 146 | 11.2% | 120 | 9.8% |
| APAC | 120 | 10.8% | 92 | 9.5% |
| 合計 | 922 | 7.5% | 860 | 7.6% |
退職数および退職率
| ナティクシス(Natixis Algérieを含む。) | ||||
| 地理的地域 | 2025年12月 | 2024年12月 | ||
| 退職数 | 退職率 | 退職数 | 退職率 | |
| フランス | 347 | 5.0% | 320 | 4.9% |
| EMEA | 423 | 11.0% | 450 | 12.9% |
| 南北アメリカ大陸 | 146 | 11.2% | 120 | 9.8% |
| APAC | 120 | 10.8% | 92 | 9.5% |
| 合計 | 1,036 | 7.9% | 982 | 8.0% |
労働移動率(異動を除く。)
| ・ | 計算 |
|---|---|
| 計算は、正社員契約(基準年中の変動)のみに基づいて行われ、2024年度末時点の当行の労働者について報告される(下記の計算式を参照のこと。)。 労働移動率の計算式:((基準期間に雇用された正社員契約数+基準期間に終了した正社員契約数)/2)/基準N-1年の12月31日時点の正社員 注記:有期雇用契約、勤労契約およびVIEにとって、本指数は実質的な意味を持たないため、この種の契約は労働移動率の計算から除外されている。 | |
| ・ | 対象範囲 |
・ フランスおよび海外の経営範囲:全事業体
・ 手動で集計したAWMの事業体の範囲(DNCA Finance France、Natixis US Advisors)
・ Solomon Partnersを除くCIB M&Aブティック
・ 金融投資の範囲
<> <img width={597} height={95} id="図 14" src="/images/S100Y6UK/0102010_natixis_2605y_image012.jpg" /> </>
| 労働移動率(異動を除く。) | 労働移動率(異動を除く。) | |||||
| ナティクシス(Natixis Algérieを除く。) | ナティクシス(Natixis Algérieを含む。) | |||||
| 地理的地域 | 労働移動率 | 地理的地域 | 労働移動率 | |||
| 2025年12月 | 2024年12月 | 2025年12月 | 2024年12月 | |||
| フランス | 6.0% | 5.4% | フランス | 6.0% | 5.4% | |
| EMEA | 16.3% | 18.5% | EMEA | 15.7% | 17.9% | |
| 南北アメリカ大陸 | 13.5% | 11.5% | 南北アメリカ大陸 | 13.5% | 11.5% | |
| APAC | 14.1% | 12.0% | APAC | 14.1% | 12.0% | |
| 合計 | 10.0% | 9.6% | 合計 | 10.3% | 10.1% | |
・ 財務諸表の最も代表的な数値との相互参照である。上記指標は、ジェンダー別従業員数内訳、および(当行が少なくとも50人の従業員を有し、当行の従業員数合計の少なくとも10%を占める国の)国別従業員数内訳を参照している。
・ 報告書の発行期限により、常勤労働者と財務諸表を一致させる時間を確保できなかったため、これらは一致していない。
(b) 多様性測定基準
上級経営陣のジェンダー別内訳(人数および割合)
・ 定義
「上級経営陣」とは、従業員を指す。
・ スケジュールを組む際に高い独立性が必要とされる重要な責務を任される従業員
・ 大幅な裁量権をもって決定を下す権限を有する従業員
・ 所属する会社または組織の報酬制度において最も高い水準の報酬を受けている従業員
公表された指標は、フランス労働法典(リクサン法)第L.1142条に規定された基準を使用している。
年齢別の割合は、N-1年における従業員数の男女別内訳に関するこのファイルを基に算出される。
・ 計算
・ 本計算には年平均の正社員契約のみ含まれる。
・ 計算式:
上級管理者における女性の割合:女性の人数/上級経営陣の人数
・ 対象範囲
・ Natixis S.A. Holding
上級経営陣のジェンダー別内訳(1)
| 2025年12月31日現在 | ||
| ジェンダー | 上級経営陣の従業員数(契約数) | 上級経営陣の従業員の割合 |
| 女性 | 9 | 33.9% |
| 男性 | 18 | 66.1% |
| その他* | - | - |
| 非開示 | - | - |
| 合計 | 27 | 100.0% |
* ジェンダーは従業員自身による申告に基づく。
(1) リクサン法に定義される上級管理者における女性の割合(年平均)
2024年に公表された2つの指標(上級経営陣における女性の割合:19%および「アンバサダー・リーダーズ」における女性の割合:31.1%)は、その他の地域で公表された規制報告とのより良い一貫性を確保するために、いわゆる「リクサン」指標に置き換えられた。上級管理者とは、ナティクシスの上級経営委員会の構成員およびNatixis S.A.(コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング)の経営委員会の構成員であり、法律で定められた規定に従ってNatixis S.A.と雇用契約を締結している者をいう。参考までに、2つ目のリクサン指標は、ガバナンス機関における女性の割合であり、57.3%(リクサン法に規定された方法に従って計算される上級経営委員会の構成員)である。
第3 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1) 経営方針、経営戦略および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ナティクシスの戦略計画および見通し
2024年6月、Groupe BPCEはVISION 2030戦略計画を発表した。当該計画は、3つの主要な柱を中心に構成されている。
・ 当行の長期的な成長を実現すること
・ 将来に対する信頼を顧客に与えること
・ すべての地域において当行の協力的な性質を表現すること
ナティクシスの戦略計画は、Groupe BPCEの成長および多様化の流れと完全に一致している。ナティクシスの2つの事業分野は、2030年までにより持続可能な事業モデルを提供する世界的な金融の主要プレーヤーとなるという、強い成長意欲を有している。
この戦略計画を通じて、Natixis CIBはその人材、多角的な成長、移行の中核としての位置付けおよび変革モデルにより、主要な専門分野における世界的なリーダーとなることを目指している。この目標は、3つの戦略的分野に基づいている。
・ 特に、当行の顧客のニーズをより良く満たすための当行のカバレッジ、アドバイザリーおよびM&A業務の強化、ならびに、特に北米、アジア太平洋および中東を中心とした当行の国際展開の強化による重要な専門分野において、世界的なリーダーの一員として地位を確立するための当行のフランチャイズの持続的な成長
・ 2026年の主な指標:
・ フランス国外の顧客から創出される収益におけるAAGRがプラス8%
・ グローバル・マーケッツのアクティブな顧客がプラス230
・ 戦略的対話およびESGアドバイザリー・サービスの展開による、移行の中核としての位置付け
・ 2026年の主な指標:2023年から2026年のグリーン収益におけるAAGR=Natixis CIBの総収益におけるAAGRの1.5倍
・ 特にインフラにおいて、当行の組成能力の強化を可能にする、販売の相乗効果による**「販売に向けた組成」モデルの拡大**
・ 2026年の主な指標:組成された資金調達がプラス25%(数量ベース)
Natixis IMの目標は、顧客のあらゆるニーズに対応できるよう設計された、能動的かつ実証に基づく投資戦略およびソリューション通じて、Natixis IMを顧客から選ばれるパートナーとして位置付けることである。この目標は、4つの戦略的分野に基づいている。
・ 当行の販売プラットフォームの活性化による販売モデルの見直しによる適用範囲の拡大
・ 2026年の主な指標:
・ 2023年から2026年の期間における、共有分配を通じた総流入額のプラス15%の成長
・ フランスおよび米国以外での収益におけるAAGRがプラス10%
・ Groupe BPCEのネットワークで販売される資産の年間平均成長率がプラス6%
・ 当行の個人資産プラットフォームの発展ならびに機関顧客およびリテール顧客向けの当行の「ソリューション」提供の補強による、顧客の目標に合った投資オファーの強化
・ 2026年の主な指標:
・ 個人資産のAUM(注1)のプラス6%の成長
・ 移行(注2)におけるAUMのAAGRがプラス5%
(注1) 運用資産額
(注2) サステナブル・ボンド、インパクトファンドおよび責任ある持続可能な個人資産
・ 特に、保険等のキャプティブ資産の管理へノウハウを拡大することを可能にする新たなパートナーシップを構築することによる、各戦略的専門分野でのクリティカルマスの達成
・ 当行の組織体制の合理化およびインフラの工業化による顧客サービスの改善
2030年のGroupe BPCEおよびナティクシスの戦略計画に関する詳細については、Groupe BPCEのVISION 2030戦略計画のウェブサイト(https://www.groupebpce.com/en/the-group/strategic-plan/)およびナティクシスの事業分野のウェブサイト(https://natixis.groupebpce.com/strategie/)を参照のこと。
上記「第2 企業の概況-3 事業の内容」および下記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-(3) 財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」も参照のこと。
(2) 経営環境
2026年の経済見通し
2026年は、米国によるベネズエラへの軍事介入という急激な地政学的変化で幕を開けた。この軍事介入は、中国やロシアの勢力圏に対して、西半球を自国の支配下にある戦略的聖域としたいという米国の明確な意思表示であったようだ。ウクライナ戦争、中国の台湾併合リスク、日中間の緊張またはグリーンランドに関する米国の拡張主義的野心等、地政学的な不確実性は解消されていない。
さらに、中東情勢の不安定化により、2月28日からイランで米国およびイスラエルによる軍事作戦が開始された。この作戦はすでに、特にブレント原油および天然ガスの価格に大きな影響を与えている。紛争開始から1週間後、これらの株価はそれぞれ15ドル近く、50%超上昇した。とりわけ、市場は不確実性の急激な高まりを反映しており、株価指数は下落している(ストックス600:5%減、CAC 40:6%減、DJ:2%減)。しかしながら、代替生産源があることおよび現在の在庫水準を考えると、供給ショックの可能性を語るのは時期尚早である。経済への影響は、紛争の期間および程度に左右される。マクロ経済リスクは非常に現実的であり、価格上昇および経済活動の鈍化が組み合わさったスタグフレーション・シナリオが発生する可能性がある。例えば、原油価格が10ドル上昇すると、フランスでは初年度にインフレ率が0.3パーセントポイント上昇し、GDPが0.1パーセントポイント低下する(注1)。紛争がどのような形をとり、どのような結果をもたらすかは、様々な可能性を残している。後者は、一方では、イラン政権がペルシャ湾に接する国々の石油・ガスインフラに対して大規模な攻撃を行い、長期的にホルムズ海峡を通行不能にさせる能力にかかっており、他方では、イスラエルと米国がイランの長距離攻撃能力を迅速に無力化し、現政権を崩壊させる能力にかかっている。現時点では、紛争を地域化するというイランの戦略は望ましい効果を上げていない。
(注1) Working Paper第2017/04号「The Mésange Macro-econometric Model: Re-estimation and New Findings」
対照的に、保護主義の高まりに伴う貿易摩擦は2025年下半期以降徐々に緩和され、サプライチェーンの正常化が進んでいる。世界の成長率は鈍化するものの、底堅さを維持すると予想される。OECDによれば、世界の成長率は、主に既存の経済動向により、2025年の3.2%から2026年には2.9%へと減速すると予想される。
中東紛争が短期間(数週間以内)に終結することを前提にすれば、2026年の経済見通しは、欧州および米国で比較的良好な金融環境が継続していることから、引続き明るい見通しとなっている。原油価格の上昇によるディスインフレは予想より緩やかで、堅調な経済活動が続く見込みである。もう1つの後押し要因は、欧州におけるドイツの防衛およびインフラへの投資回復の影響といった、防衛努力の増大に応じた債務(特に公的債務)の広範な利用である。
より具体的には、米国の成長率は鈍化(1.8%増)することが予想される。また、中国(前年の5.0%増に対して、4.8%増)およびユーロ圏(前年の1.5%増に対して、1.2%増)でも成長が鈍化すると予想される。ユーロ圏は、スペイン(前年の2.9%に対して、2.2%増)およびとりわけアイルランドよりも、ドイツ(前年の0.3%増に対して、1.3%増)による牽引がより大きい。新興国は2025年と同水準の動向(4.2%増)を維持すると予想される。米国は雇用が急減速するものの、AI投資の急増および富裕層の堅調な消費による後押し(「K字型経済」シナリオ)により成長が持続すると予想される。中国は、戦略的自律性、国内市場強化、ならびに特にイノベーションおよびAIを通じた産業近代化の目標を再確認する第15次5カ年計画(2026年-2030年)で示された経済軌道を継続すると予想される。しかしながら、関税回避の困難化により、輸入代替志向の高まりおよび輸出の超競争力による恩恵は、関税上昇が発表値よりも小幅ではあったものの、やや縮小する見込みである。ユーロ圏の経済活動は、インフレが2.0%の目標をわずかに下回る水準で推移する見込みであることを背景として、アイルランドの個別の実績を除けば2026年に改善し、潜在成長率に近いペース(1.2%増)で成長すると予想される。成長は、対外貿易の寄与度は2025年と同様にマイナスを維持する一方で、国内需要の漸進的な回復およびわずかにプラスとなる財政刺激策によってさらに後押しされる見込みである。2026年、フランスは前年と同様に継続する政治的・財政的不確実性を持ちこたえる見込みである。GDPは、2025年のプラス0.9%に続いて、プラス1.0%と緩やかな成長が予想される。景気後退の引き金とならずに中央銀行によって管理されたインフレは、年間を通じてユーロ圏平均を下回ると予想される。緩やかな景気回復およびより限定的な賃金上昇により、年間平均で、2025年のプラス0.9%に対して、プラス1.3%と小幅な上昇が予想される。成長は、世界および欧州の経済動向、低インフレおよびエネルギーの低価格、ドイツの防衛およびインフラへの投資回復の影響、ならびに金融緩和の遅延効果によって後押しされる見込みである。これに加え、貯蓄志向の低下も期待される。しかしながら、国内需要は、債務負担の増加および調整が極めて不十分と思われるものの、欧州の過剰財政赤字是正手続が実施されたことにより制約が強まった、公会計の管理改善の必要性によって、依然として構造的に抑制される見込みである。実際に、2026年の財政赤字はGDPの約5.2%と非常に高い水準で推移すると予想される。さらに、2025年に最初の兆候が現れ始めた財政ショックが、経済活動および雇用を損なう可能性がある。
しかしながら、フランス家計の貯蓄率は、2025年には極めて高い水準にあったものの、非常に緩やかに低下すると予想される。かかる貯蓄率は、18.3%に達した後、2026年には18.1%へと緩やかに低下すると予想される。この推移は、予測されている失業率および税負担の増加への懸念に起因するものである。実際に、政治的不確実性および財政不均衡への懸念といった特定の懸念事項の再燃は、特に金融資産における購買力の低下感の一部を、過去のインフレ急騰時の感覚に置き換えている。したがって、賃金所得の大幅な増加がない限り、家計消費の回復は限定的となり、2025年よりわずかに速いペースでの成長となる見込みである。特に、企業の生産性および利益率の回復ならびに税収増加が所得増加を上回るため、家計購買力の伸びは2025年よりわずかに鈍化する。同様に、公共政策をめぐる不透明感の再燃、長期金利の高止まりおよび需要低迷に伴う様子見姿勢により、非金融企業は、前年に投資が事実上停滞した後、2026年に予想されていた投資の回復ペースを減速させることになる見込みである。持ち越し効果および輸入の伸びの鈍化により、対外貿易は引続き経済成長に寄与する見込みである。市場部門における生産性の機械的回復により、失業率は2025年の7.7%に対して7.9%に達する可能性がある。
多くの新興国経済および大半の先進国における物価および経済活動に関する世界的な状況により、日本を除く各国で金融緩和政策の継続が見込まれる。その主な理由としては、貿易戦争によるインフレへの影響が予想を下回ったこと、および中東紛争に起因する経済活動への懸念が挙げられる。雇用停滞および失業率上昇を受けて、連邦準備制度理事会は、政策金利を25ベーシスポイント刻みで計75ベーシスポイント引き下げることで、二重の使命(インフレおよび雇用)というジレンマを解決することを選択する見込みである。連邦準備制度理事会は、関税による価格上昇は一時的であるものとみなし、2026年半ば頃の中央銀行総裁交代期に予測されるインフレ急騰にもかかわらず、政策金利を金融中立の最低水準である2.75%から3.00%の範囲へ誘導しようとする見込みである。ユーロに対するドルの急激な追加下落がない限り、ECBは預金ファシリティ金利を金融中立範囲(1.75%から2.25%)の中間点であり、インフレ目標に近い2.0%に据え置く可能性が高い。
金利曲線の傾斜は引続き再形成される見込みである。長期金利は、特にフランスにおいて、公共支出の増加、債務規模および構造改革実施の政治的困難さに伴うリスクプレミアムの上昇により、下落局面でより大きな慣性を示す可能性が高い。実際に、今後の高水準の債務発行(債務者間の競争激化)や、特に欧州においてはドイツの資金調達需要増により、公的資本および民間資本への総需要は増加すると予想される。したがって、米国では、連邦準備制度理事会の金融緩和継続により10年物金利は年間平均4.32%となる見込みである。一方、ECBの現状維持姿勢およびフランスの公的債務のさらなる悪化リスクにより、10年物OATは上昇が予想される。10年物OATは2025年の3.37%に対して年間平均約3.73%となり、ドイツブンドとのスプレッドは76ベーシスポイント超となる見込みである。
これまでと同様に、これらの経済・金融予測には不確実性が伴う。2026年を迎えるにあたり、また最近の出来事を踏まえ、これらの予測は主に中近東における紛争の進展に焦点を当てている。3月6日時点で入手可能な情報に基づき、これらの予測は、紛争が同盟関係の連鎖反応による事態の拡大を伴わず、短期間(数週間以内)に終結するという前提に立っている。このシナリオのもとでは、インフレ予想は小幅な上方修正に留まり、その結果、成長予想はごくわずかに下方修正されることになる。
下記「3 事業等のリスク」および「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-(3) 財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」も参照のこと。
(3) 対処すべき課題
下記「3 事業等のリスク」および「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-(3) 財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) サステナビリティに関するガバナンス
(a) ナティクシスの経営および監督機関の構成と多様性
取締役会および上級経営陣
ナティクシスの取締役会および上級経営委員会の構成は、「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等」に詳述される。
取締役会およびナティクシス上級経営委員会の構成員は、(ⅰ)任命および継承方針、ならびに(ⅱ)2024年12月12日付改訂版における多様性方針を含む、ナティクシスの取締役会の構成員、業務執行取締役および主要な役職者の適切性を評価するための方針に従って任命される。
取締役の任命または再任にあたり、取締役会は、取締役および監査人の選任に関する提案を(法律および法定規則に準拠し、取締役会の内部規則に従って)策定する指名委員会の作業に依拠する。この作業は、候補者の評判、能力および独立性に関する適性基準に依拠し、多様性方針で定められた目標の追求を確保することによって行われる。
・ 取締役の職務に必要な知識および資格
・ 男女間のバランス
・ 取締役会の構成員の年齢の均衡
・ 取締役会の国際的な開放性
指名委員会は、十分に豊かで多様なプロファイルを持つために、能力の補完性ならびに文化および経験の多様性を支持する。
取締役会のサステナビリティに関する専門知識と能力
取締役会の多様性に関する見直しの一環として、指名委員会は、2026年2月26日の会合において、取締役会の構成員に期待される17の能力と専門知識のマトリックスを検討し、各取締役の個別および全体的な知識と専門性のレベルを評価した。
取締役会のサステナビリティに関する専門知識と能力は、以下のトピックをカバーしている。
*「ESR/持続可能な開発」*能力は、特に気候および環境に係る問題やリスクに関する知識および/または経験と、それらがナティクシスの戦略策定にどのように考慮されるかをカバーするものであり、ナティクシス取締役会による総合的なスキル・マッピングでは「専門」レベルとされている。より具体的には、15人の構成員のうち14人がこの能力において「上級」または「専門」レベルを有している。
*「ガバナンス/内部統制」*能力は、効果的なガバナンス、監督および統制を保証する機関のシステムの有効性評価に関する知識および/または経験をカバーするものであり、ナティクシス取締役会による総合的なスキル・マッピングでは「専門」レベルとされている。より具体的には、15人の構成員のうち14人がこの能力において「上級」または「専門」レベルを有している。
*「企業戦略」*能力は、特に戦略的計画に関する知識および/または経験、特に企業または組織の商業戦略または事業計画およびその実施に関する理解をカバーするものであり、ナティクシス取締役会による総合的なスキル・マッピングでは「専門」レベルとされている。より具体的には、取締役会の15人の構成員全員がこの能力について「高度」または「専門」レベルを有している。
*「情報技術/セキュリティ」*能力は、技術および情報セキュリティに関連するリスクを十分に理解し、認識するための知識および/または経験をカバーするものであり、ナティクシス取締役会による総合的なスキル・マッピングでは「上級」レベルとされている。より具体的には、15人の構成員のうち13人がこの能力において「上級」または「専門」レベルを有している。
*「マネーロンダリングおよびテロリストへの資金提供の防止」*能力は、国内外のAML-CTF規制枠組、関連するリスクおよびそれらの適切な管理に関する知識および/または経験をカバーするものであり、ナティクシス取締役会による総合的なスキル・マッピングでは「上級」レベルとされている。より具体的には、15人の構成員のうち13人がこの能力において「上級」または「専門」レベルを有している。
研修プログラム
内部および/または外部の利害関係者によって提供され得る研修は、特にESRおよびサステナビリティの問題を考慮する観点から、能力を強化するために取締役会の構成員に提供される。研修プログラムは、取締役の多様な経験およびニーズ、ならびに取締役会の年次評価の一環として提出された提案を考慮している。取締役の研修方針の詳細については、「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要-(1) コーポレート・ガバナンスの管理および監督-(a) 取締役会-⑤ 取締役の研修」を参照のこと。
2025年には、ナティクシスの業務に関連するESRの知識を強化し、規制、経済および社会の状況変化に対応するために、ESRに関するテーマ別の研修が取締役会の構成員に提供された。これらの研修では、資産運用の分野におけるESG問題への成熟したアプローチ、ESRと生物多様性、CIBの顧客の移行計画の分析といったテーマが取り上げられた。
(b) 経営、管理および監督機構が取り組むサステナビリティに関するテーマ
ナティクシスのサステナビリティ問題に関連するガバナンス体制
取締役会は、環境、社会およびガバナンス(ESG)の側面を含めた戦略的指導、意思決定および統制機能に責任を有する。上級経営陣は、業務および執行機能に責任を有する。
経営および管理機構の役割および責任の詳細については、*「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等」*を参照のこと。
取締役会およびその委員会
取締役会は、当行の利益および法令の規定により必要とされる回数、少なくとも四半期に1回開催される。取締役会により複数の特別委員会が設置され、取締役会の責任のもとで業務を行う。取締役会および特別委員会の任務および業務規則は、内部規定により定められている。各委員会の委員長は、委員会の業務を報告書の形で取締役会に報告する。これらの委員会は意思決定を行わず、執行機能も有していない。その役割は取締役会を補佐することである。
定期的に、また事業年度中に議論される議題(「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載されている。)に加え、取締役会は、ナティクシスのサステナビリティ戦略を承認し、これらの議題に関するナティクシスのコミットメントを、影響、リスクおよび機会の側面から検証している。取締役会および特別委員会の会議で議論されるサステナビリティに関する議題は、以下のとおりである。
| ガバナンス機関 | 議長 | 2025年の 会議数 | 任務 | 2025年に取り上げられた 主なESGのテーマ |
|---|---|---|---|---|
| 取締役会 | Groupe BPCEの 業務執行役員会会長 | 9回 | 取締役会の職務は法律およびナティクシスの定款により定められている。取締役会は、特別委員会の補佐を受け、以下の事項に関わっている。 ・戦略的方向性 ・財務諸表 ・内部統制/リスク管理/コンプライアンス ・ガバナンス ・補償方針 | ・2024年サステナビリティ報告書の承認 ・現代奴隷法に関連する宣言の承認 ・ESR委員会の内部規定改正の承認 ・デジタル・オペレーショナル・レジリエンス(DORA)システムの承認 ・年次AML-CTFおよび資産凍結報告書 ・コンプライアンス・リスクの解析、コンプライアンス・リスク管理枠組の状況ならびにコンプライアンス監視活動および結果の確認 ・コンプライアンス統制活動および結果の提示 ・「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載されているコーポレート・ガバナンスに関する議題 ・レピュテーションに重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟に関する最新情報 ・ESR委員会およびこの表に含まれる特別委員会の業務の報告 |
| ESR委員会 | 独立取締役 | 4回 (監査委員会との合同会議を含む。) | ・当行グループのESR戦略およびコミットメント、ナティクシスの環境フットプリントを減少させるための活動および投融資活動の結果の検討 ・報酬委員会と連携した、業務執行役員の報酬方針における非財務的基準を考慮するための手続の審査 ・従業員の意識向上策および報告システムの監視 ・リスク委員会と連携したESRリスクの審査 ・Groupe BPCEに関連する、報告システム、非財務情報および、特に非財務実績報告書の作成、ならびに全般的に、現行のESR規制で要求されている情報の監視 ・ナティクシスの非財務格付の年次レビュー | ・規制および政治の状況に関する「一般的な」情報(米国、オムニバス法案等) ・CSRDの業務に関する進捗報告 ・2024年サステナビリティ報告書の審査 ・NIMのESGガバナンスおよび運営体制の提示 ・NIMのESG市場における位置付け ・「ESGデータ」の提示 ・グリーン・ウェイティング・ファクター(GWF)ツールの提示 ・ネットワーク・グリーン・ハブの提示 ・新たな顧客オンボーディング・プロセスの提示(顧客のESGリスク評価の提示を含む。) ・「CSRD 2025」におけるDMAに関する取組みの共有 ・ESR委員会の内部規定の年次レビュー ・NIMに関する最新情報(市場/事業) ・CIBに関する最新情報(第3四半期/9ヶ月間の業績) ・2026年の暫定スケジュール |
| 監査委員会 | 独立取締役 | 7回 (ESR委員会との合同会議を含む。) | ・ナティクシスが提供する情報の明確性の検証 ・財務情報の作成手順、連結財務諸表の法定監査人ならびに内部統制およびリスク管理システムの有効性の監督 | ・非財務報告書/CSRDプロジェクトの進捗 ・2024年サステナビリティ報告書の審査 ・CSRDに関する進捗報告(CSRD 2025の公表の一環としてのDMAに関する取組みの提示) ・財務および非財務要素(2024年サステナビリティ報告書を含む。)に関する法定監査人の所見 ・CSRD 2025の公表の一環としてのDMAに関する取組みの提示 ・ESG非財務情報の推移に関する最新情報 |
| リスク委員会 | 独立取締役 | 7回 | ・特に、環境リスクおよび気候変動に関連するリスクの監視に関する要素の、少なくとも年に1回の検証による、オペレーショナル・リスクの管理戦略の実施状況の監視 | ・ESGの主要なリスク指標の閾値の提示 ・気候リスクおよび環境リスクを含むESGリスクの監視に関する年次更新 ・テクノロジー・リスクの更新 ・法的リスクの概要 ・2025年上半期における「レピュテーション・リスク」および「内部通報」システムの更新 ・AML-CTF年次内部統制報告書の提示 ・内部通報システムの更新 ・コンプライアンス・リスクのハイライト、課題およびプロジェクト(四半期ごと) ・DORAシステムの提示 ・リスク選好枠組の審査(リスク解析の提示、重要性の評価および行動のフォローアップならびにRAF指標および関連する閾値/限界値のレビューを含む。) |
| 米国リスク 委員会 | 独立取締役 | 5回 | ・ナティクシスの米国における統合事業に関連するリスク管理の監督 | ・サイバー・セキュリティプロジェクトの監視 ・サイバー・セキュリティとITリスクの更新 ・気候リスクに関する研修 ・CIB Americasのサイバー・セキュリティ改善計画 ・CUSOのコンプライアンス・リスク解析および2025年の年次統制計画の提示 |
| 報酬委員会 | 独立取締役 | 3回 | ・特に経営陣の報酬の水準と条件に関する取締役会への提案の策定 ・ナティクシスの報酬方針の審査 | ・ESR目標を含む最高経営責任者の変動報酬の審査 ・同一賃金および2025年の職場における男女間の平等性に関するナティクシスの方針 ・ナティクシスの行動規範の遵守を含む、リスクおよびコンプライアンス目標ならびに2024年のCRD5の違反者数の審査 ・ESR基準を組み込んだ従業員貯蓄計画の審査 |
| 指名委員会 | 独立取締役 | 3回 | ・管理機構(取締役会、上級経営陣および業務執行取締役)の構成員の任命に関する問題提起 ・取締役の個人および集団としての能力ならびに取締役会の有効性を評価し、強化すべき能力と、該当する場合は取締役会のパフォーマンス向上の余地がある分野について、取締役会への提言の取りまとめ | ・特に任命前の取締役会および上級経営陣の構成員のスキル・マッピング(サステナビリティ関連の能力を含む。「(3) 戦略-(a) サステナビリティ戦略」を参照のこと。)に関する、取締役会および特別委員会の構成(不足しているプロファイルの特定、今後の任期、退任する取締役の後任選定プロセスの開始、有利となるプロファイルの特定) ・ESRに関連する研修を含む、2025年研修計画についての審査 ・2024年の研修セッションへの取締役会の構成員の出席状況の審査 ・ガバナンス計画の進捗の提示 ・ガバナンス方針の更新 |
| 戦略委員会 | 独立取締役 | 1回 | ・戦略的方向性の実施を監視 ・ナティクシスの戦略的展開について上級経営陣と対話 | ・サステナビリティの側面を含めた2025年-2030年の戦略計画 |
上級経営委員会レベル
上級経営委員会は、戦略を検証し、その実施を保証する。これは経営陣および意思決定レベルである。
| ガバナンス機関 | 議長 | 2025年の 会議数 | 任務 | 2025年に取り上げられた 主なESGのテーマ |
|---|---|---|---|---|
| SMC | 最高経営責任者 | 8回 | ・戦略計画におけるESG指標の監視 ・ナティクシスのサステナビリティ問題に関する決定の承認 | ・Natixis CIBおよびNatixis IMのESR戦略 ・CSRD ・事業部門別の脱炭素化軌道 ・グリーン・ウェイティング・ファクターおよびグリーン収益指標 |
2025年には、当行の戦略計画のサステナビリティに関する業績指標の監視の一貫として、上級経営委員会の会議においてESRの議題が直接取り上げられた。これに関して、2025年において8回の会議が開催された。ダブルマテリアリティ分析およびその結果は、2025年11月17日の上級経営委員会(SMC)の会議で発表された。
2025年には、CSRDテーマが定期的に監視された。2025年12月10日の取締役会会議において、2025年11月20日のESR委員会および2025年12月8日の監査委員会の業務が審査され、ダブルマテリアリティ分析に関する最新の取組みが提示された。ダブルマテリアリティ分析の結果および2026年のナティクシスの行動計画が提示された。ダブルマテリアリティ分析に関しては、IRO格付における手法の変更および前年との比較における重要性の変化が提示された。
(c) サステナビリティ情報の開発と公開
役割と責任
財務部門とサステナビリティおよび戦略部門は、サステナビリティ情報の作成と処理を担当している。これら2つの部門がすべての拠出を調整する。Groupe BPCEのサステナビリティ報告書に必要な要素の作成の調整も担当している。
財務部門
財務部門には、ナティクシスの非財務報告書の作成を専門とするチームが存在する。当該チームは、レベル1およびレベル2の統制の実施を統括することで、2025年サステナビリティ報告書が規制要件を満たすことを保証している。
このチームは、フランス金融市場庁(AMF)に提出する規制対象の財務および非財務情報(登録届出書)の提示を調整し、作成する責任を有する。
財務部門の責任は以下のとおりである。
・ Groupe BPCEとの調整、指標に関する戦略的選択肢の協議、基準の期待の理解の確保、使用される方法の決定および作成プロセスの実施
・ ナティクシスの事業分野および機能部門を指標作成に動員・調整
・ 2025年サステナビリティ報告書の作成全体におけるガバナンスの確保
・ 組織化および自動化されたESGデータベースの構築ならびにデータ処理プロセスの定義および情報システム構造の合理化への取組み
・ 各指標についてレベル1およびレベル2の統制の実施の保証
サステナビリティおよび戦略部門
2023年12月、ナティクシスのサステナビリティ・チームは、ナティクシスの上級経営陣の管轄下に置かれ、当行の戦略およびサステナビリティ課題の関連性を示した。サステナビリティ・チームは、Groupe BPCEと緊密に連携し、各部門の戦略から業務活動まで、ナティクシスの事業の中心にこれらの課題を統合することを目指す。当行グループのESG規範を実行に移し、ナティクシスのすべての事業分野における一貫性を確保する。ナティクシスのサステナビリティ・チームは、以下を含む当行グループの専門家すべてと緊密に連携している。
・ Groupe BPCEのインパクト部門
・ Natixis CIBのグリーン&サステナブル・ハブ
・ Natixis IMのサステナビリティ・チームおよびそれを連携する関連資産運用会社のESRの専門家
・ 自らの到達範囲を監視および調整するテクノロジー・アンド・オペレーション部門
・ 「データ」チーム
(2) サステナビリティに関するリスク管理
気候リスクおよび環境リスク
参照枠組
Groupe BPCEにおける環境、社会およびガバナンスに関するリスクの管理は、以下の3つの枠組の中で行われる。
・ Groupe BPCEが事業を展開する法域で施行されているすべての条文を含む法規制の枠組。フランスにおいては、注意義務に関するフランス法ならびにECBによる気候関連リスクおよび環境リスクの管理ガイド等の銀行および保険に係る規制に基づく条文が、主な条文として考慮される。
・ Groupe BPCEが自主的に適用している基準およびベスト・マーケット・プラクティスの枠組。持続可能な開発目標(国連)、国連グローバル・コンパクト(国連)、エクエーター原則(プロジェクト・ファイナンス)ならびにTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)およびTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の作業等の国際的な参照基準が統合されている。
・ Groupe BPCEが、影響を受けやすい部門においては、CSR方針を通じて自らのレベルにおいて直接に、または2050年までに温室効果ガス排出量の軌道をカーボン・ニュートラルに一致させるコミットメントの枠組を提供するネット・ゼロ・バンキング・アライアンス等の市場イニシアチブの枠組の中で行う、自主的なコミットメントの枠組
ナティクシスが導入した環境、社会およびガバナンスに関するリスク管理システムは、リスク選好度ならびにこの参照枠組において規定された方法論的基準および制約事項への準拠を確保することを目的としている。
リスク一覧
ESGリスクは、ナティクシスのリスクを特定および監視するために使用される主要な部門横断的プロセスに直接統合されている。この点で、リスク一覧には、環境リスク(気候リスクおよび非気候リスク)をグループ化し、物理的気候リスク、移行に関する気候リスク、社会的リスクおよびガバナンス・リスクを区分する「エコシステム・リスク」カテゴリーが含まれている。
これらのエコシステム・リスクは、ナティクシスがさらされている他のリスク区分(信用リスクおよび取引相手方リスク、市場リスク、オペレーショナル・リスク、レピュテーション・リスク等)の基礎となるリスク要因として扱われる。
これらのリスクは、ナティクシス自らの活動に関連して直接的に顕在化することもあれば、ナティクシスが融資事業または投資事業および資産運用の過程でさらされる取引相手方を通じて間接的に顕在化することもある。
ESGデータ
取引相手方および自らの活動のESG特性に関するデータを、Groupe BPCE内部で取得、公表および利用することは、特にESGリスクを特定、評価および管理する上での重要な課題である。
このような課題に対応するためには、適切なガバナンス、インフラおよびプロセスを整備する必要がある。さらに、ESG参照データに関する規範および基準の急速な発展も、特別な課題となっている。
このような背景から、2022年、Groupe BPCEは、外部提供者からのデータ取得、その処理および様々な事業体への提供の仕組み化および調和を図り、ESGデータに特化したガバナンス枠組を定義するためのプロジェクトを立ち上げた。
ガバナンスおよび組織
ナティクシスにおける気候リスクおよび環境リスクの管理は、ナティクシスのESGリスクチームによって組織化され、監督されている。同チームは、組織上、ナティクシスの最高リスク管理責任者に属している。
気候リスクおよび環境リスクに係る問題は、ナティクシスの取締役会のリスク委員会およびナティクシスの最高経営責任者が委員長を務めるグローバルリスク委員会が取り扱う。2025年、グローバルリスク委員会は、ESGリスク選好枠組およびESG基準の効果的な検討を通じた与信の承認プロセスの強化を承認した。
このガバナンス体制は、Groupe BPCEの業務執行役員会会長が委員長を務める、Groupe BPCEのESGリスク委員会(Groupe BPCEの各事業分野の責任者、リスク、財務、コンプライアンスおよびESRの担当部門、一般的調査部門ならびにGroupe BPCEの上級管理者2名で構成される。)を中心に構成されており、当行グループ全体および様々な事業分野の気候リスクおよび環境リスクに係る課題を取り扱っている。
リスク重要性の特定および評価
ナティクシスは、Groupe BPCE全体のために定義された手法の一環として、事業体が負うリスクに影響を与える可能性のある気候リスク要因を特定し、その重要性を評価するための枠組を構築した。この枠組を通じて、気候変動に関連するリスクの重要性が、バーゼル3Pillar Ⅰの広範なリスク区分である信用リスク、市場リスク、流動性リスクならびに(コンプライアンス・リスクおよびレピュテーション・リスクを含む)オペレーショナル・リスクを参照して評価される。
気候リスク要因とGroupe BPCEのリスク一覧で特定されたリスクとの間の伝達経路のレビューを経て、気候リスク要因の重要性評価は、内部専門家によるリスク重要性レベルの評価の裏付となる、定量的指標に基づいて行われる。
リスク選好枠組
ESGリスクは、ナティクシスのリスクを特定および監視するための主要な部門横断的プロセスに直接組み込まれている。特に、ナティクシスのリスク枠組には、「気候リスク/移行リスク」および「気候リスク/物理的リスク」といったカテゴリーが含まれている。
これらのリスク区分の重要性は、「リスク重要性の特定および評価」の項に記載した作業に基づいて、また環境リスクについては専門家の意見に基づいて評価されている。2025年、移行リスクの重要性は、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの範囲において4段階中3であると判断されている。
さらに、Natixis CIBの資産のうち、グリーン・ウェイティング・ファクター手法に基づき「ダークブラウン」に分類される資産の割合は、移行リスクへのエクスポージャーが最も高い資産に相当し、リスク選好枠組の一環として監視されている。2022年以降には閾値および限界値が設定され、これらの資産の割合が下方に推移することを制御するために定期的にレビューされている。
ストレス・テスト制度
2つの気候リスク・シナリオが、Groupe BPCEにより定義された規範的アプローチを用いた内部ストレス・テストの不利なシナリオの1つに基づき確定され、2026年3月のICAAP報告書において公表するためにナティクシスの閾値に適用された。この作業に基づき、移行リスクおよび物理的リスクの両方をカバーするアドオンがICAAPの経済的アプローチに導入された。
ICAAPに基づくシナリオの他、Groupe BPCEは、内部の気候ストレス・テストも実施し、移行リスクおよび物理的リスクに関連する4つの追加的シナリオを組み込んだ。ナティクシスは、信用リスクに係るリスク費用の測定基準に当該リスクが与える影響を測定することを通じて、参加した。
ナティクシスは、Groupe BPCEが実施する作業を通じて、監督機関が主催する気候ストレス・テスト(特に欧州中央銀行が2022年に実施したものや、EBAが2023年に実施したもの(「Fit for 55」))にも参加している。
気候リスクおよび環境リスクのリスク管理枠組への統合
信用リスク
2025年、当該枠組の主な構成要素は以下のとおりである。
| ・ 信用セクターの方針 Natixis CIBでは、与信方針は、影響を受けやすいセクターに関するインパクト部門の除外方針を参照しており、場合によっては、気候リスク、環境リスク、社会的リスクまたはガバナンス・リスクに関する追加的な基準を含んでいる。これらの除外方針の遵守は、取引開始の際に、またその後は与信プロセスの一環として監視される。 |
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・ エクエーター原則 エクエーター原則に沿って、Natixis CIBは、顧客の事業セクターを問わず、融資対象プロジェクトの環境リスクおよび社会的リスクならびに顧客によるこれらのリスク管理を評価するために設計された市場手法も適用している。2020年10月以降、Natixis CIBは、人権(先住民族の権利を含む。)の尊重に関する追加的な要件が含まれ、物理的気候リスクおよび移行に関する気候リスクの分析を求める当該原則の改定版(EP第四次改定版)を適用している。 このため、借手は、(ⅰ)大部分のプロジェクトについて、気候変動に伴う物理的リスクを評価すること、ならびに(ⅱ)CO2換算排出量が年間で合計100,000トン以上のすべてのプロジェクトについて、移行に関する気候リスクの評価および温室効果ガス強度の低い代替案について分析を行うことが義務付けられる。特定されたリスクおよび関連する影響の性質に応じて、緩和策が顧客から要求される。これらは、融資書類の特定条項(「コベナンツ」)によってカバーされる。
| ・ コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングによるグリーン・ウェイティング・ファクターの使用 Natixis CIBが与信プロセスの一環として行う移行に関する気候リスク課題の分析は、融資が気候に与える影響を測定および監視するための独自のモデルであるグリーン・ウェイティング・ファクター(GWF)に基づいている。 GWFスコアは、取引相手方または融資されたプロジェクトに対して体系的に割り当てられ、与信プロセスで提示されるファイルに含められる。当該スコアは毎年更新される。 |
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| ・ 気候リスクの個別の信用格付への統合 ナティクシスは、物理的リスクおよび移行リスク評価の強化のため、気候リスク測定方法を作成、導入した。当該測定方法により、気候リスクが大企業の法人顧客の信用リスクに与える影響を個別に測定することができる。 2025年末現在、当該測定方法は、Groupe BPCEにより単独で評価され、現在では当行の信用格付システムにおいて本格的に使用されている。第一防衛ラインおよび第二防衛ライン(LoD1およびLoD2)チームは、大企業ポートフォリオの特定セグメントに係る信用リスクの意見形成の際に、当該測定方法を積極的に使用している。 確実に画一的に導入し、気候リスク文化を組み込むため、導入は、ガイド、指導動画および専用サポート(ヘルプデスク)を含む強固な研修基盤を通じて行われる。 今後の見通しとしては、ナティクシスは、当該測定方法の適用範囲をコーポレート・ポートフォリオ全体(中規模の企業および持株会社を含む。)および専門金融へ拡大するためのプロジェクトをすでに実施している。2026年の最終的な戦略的目標は、規制資本枠組への当該測定結果の統合状況を評価することにあり、これは、当行の健全性の測定に気候リスクを完全に組み込むための、重要なステップである。 |
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オペレーショナル・リスク
| ・ 事業活動に関連するリスク ナティクシスのオペレーショナル・リスク監視ツールでは、特に気候リスク(物理的リスクおよび移行リスク)に関連するオペレーショナル・リスクの発生を特定している。 さらに、ナティクシスは、自らの事業活動に影響を及ぼす可能性のある物理的な気候事象を予測するため、従業員、資産および主要な事業を保護し必要不可欠なサービスの継続性を確保することを目的とした、当行が自然災害に対処する際の手順やリソースを定めた事業継続計画を策定している。気候リスクにさらされる拠点を特定し、気候災害を監視するために、内部ツールが使用されている。 |
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・ レピュテーション・リスク 気候問題に対する消費者の意識および感度の高まりは、特に、規制当局の期待に反する行為または物議を醸すような行為に関連する不祥事が発生した場合に、銀行セクターがレピュテーション・リスクにさらされる機会を増やすことにつながっている。 Groupe BPCEには、レピュテーション・インシデントの監視システムならびに環境、社会およびガバナンスの課題に関するトピックを含む専用の指標が導入されている。 Natixis CIBでは、新規顧客獲得時にレピュテーション・リスクの分析が実施される。この分析には、ESGリスクに関連する論争の評価も含まれる。ナティクシスの最高経営責任者が委員長を務める委員会が、レピュテーション・リスクの観点から影響を受けやすい案件のレビューを担当している。
| ・ 法的リスク、コンプライアンス・リスクおよび規制リスク 気候変動の影響および環境への圧力を抑制するために、行政当局および立法当局は新たな規制を定めなければならない。これらの法規制には、国際的なもの(パリ協定)、欧州のもの(タクソノミー)または国内のもの(気候レジリエンス法)がある。 ナティクシスのリスク部門は、事務局およびESR部門と連携して、ベスト・マーケット・プラクティスに沿った強固なESGリスク管理枠組を導入するため、監督当局(ECBまたはEBA、ならびに銀行が事業を行うその他の法域)の期待に沿ったコンプライアンス活動を組織および監督している。 そのため、規制監視委員会は、新たな規制上の変化およびそれが銀行の多様な活動へ与える影響を予測することにも引続き注意を払っている。 |
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金融リスクおよび市場リスク
市場リスクの範囲においては、株価、信用スプレッドおよび特定のコモディティ等の一部の原資産は、その市場相場およびボラティリティの両方の観点から、気候リスク課題に敏感である可能性がある。集中分析およびストレス・テストは、不利なシナリオがトレーディング勘定の価値に及ぼす影響の重要性を測定するために使用される。
流動性リスクに関しては、特に流動性準備金の管理および監視を通じて気候リスクが評価される。気候基準(より広範にはESG基準)は、証券の環境品質および発行体のESG格付という2つの方法で考慮されている。
資産運用事業に関連するリスク
Natixis Investment Managersは、気候リスクの重要性およびそれが投資ポートフォリオに与えうる影響について考慮している。ほとんどの関連会社は、投資家に代わって運用するポートフォリオの気候リスク・エクスポージャーを測定するシステムを構築し、様々な運用商品に関連する環境問題の透明性を高めている。Natixis Investment Managersも、外部提供者からのデータを利用して、ポートフォリオの気候リスク指標(カーボン・フットプリント、石炭に対するエクスポージャー、気温上昇)を算出および監視している。
さらに、Natixis Investment Managersは、特に運用資産に関連するレピュテーション・リスクを対象とするESGリスク管理方針を導入した。この方針は、特にファンドの分類および投資プロセスにおける独立した第二防衛ラインによる当該リスクの監督について定め、また関連会社およびNatixis Investment Managersの持株会社内のエスカレーション・プロセスについて定義している。
(3) 戦略
(a) サステナビリティ戦略
ナティクシスは、スケールアップ戦略計画の項で記載したとおり、ESG問題を戦略の中心に据えており、これはGroup BPCEのVision 203Oの一環である。Natixis CIBおよびNatixis IMは、以下のとおり2030年の目標を定めている。
・ **Natixis Corporate & Investment Banking(CIB)**は、多角的な成長、移行の中核としての位置付けおよび変革モデルを通じて、主要な専門分野における世界的なリーダーとしての地位を確立することを目指している。Natixis CIBの事業戦略は、生態系、エネルギーおよびサステナビリティの移行における様々な段階において、借手、発行者および投資家の顧客を支援することに重点を置いている。この目的のために、Natixis CIBは、真の変革を目指す顧客のための銀行となり、グリーン、サステナブルおよびトランジションファイナンスにおけるリーダーシップを維持し発展させるとともに、Natixis CIBの成長に貢献し続けるESGの専門知識を開発することを目指している。
・ Natixis Investment Managers (Natixis IM)
Natixis IMのサステナビリティ戦略は、顧客の移行および持続可能なポートフォリオ構築の必要性に伴った支援および助言を目的としたグローバルな野望の一部である。これに関連して、Natixis IMの資産運用会社は、受託者責任を遵守し、資産運用会社として利用可能な手段を活用し、第三者の代理として行動する。
・ 商品戦略:脱炭素化目標、持続可能な移行テーマならびに気候および生物多様性の問題の解決策に焦点を当てた商品およびサービスの移行
・ エンゲージメント戦略:気候、移行、自然、社会問題およびガバナンスに関連する問題を含む、企業とのエンゲージメントおよび対話
・ 投資戦略:情報に基づいた意思決定を可能にするための投資方針およびプロセスにおける社会、環境および移行要因の統合を改善するための内部専門知識および能力の開発
(b) インパクト、リスクおよび機会管理
① 人権
当行の従業員に関する方針
ナティクシスは、人権の尊重および促進に尽力しており、これは当行の社会的責任を実行する上での根幹をなす柱の1つである。
Groupe BPCEの人権憲章に記載されているように、Groupe BPCEおよびナティクシスは、方針の指針となる以下の記載に依拠している。
・ 人権に関する以下の2つの原則を含む国連グローバル・コンパクト
・ その活動領域および影響力の範囲内で、国際人権法の保護を促進し、尊重すること
・ 確実に人権侵害に加担しないこと
・ 国連の「保護、尊重および救済」という枠組で定義された、事業と人権に関する指導原則。これらの原則はILOの労働における基本的原則に基づいており、OECDの原則に沿ったものである。
これらの信念およびアプローチは、ナティクシスを含むGroupe BPCEの行動規範および倫理規範の「原則」に定められている。「当行のあらゆる活動において人権尊重を推進する」という原則はこのようにして、ナティクシスの価値枠組に組み込まれている。
ナティクシスは、積極的かつ責任ある人事方針を通じて、当行の従業員および社会パートナーの権利および尊厳を尊重している。特に、ナティクシスは、
・ 区別や差別のない、包括的で敬意に満ちた環境を作り、当行の従業員の幸福を促進し、従業員のコミットメントを評価する報酬を提供することに努め、
・ 職場での健康と安全を保証するための適切な予防および保護システムを実施し、適用される規則に従って、当行の従業員のプライバシーおよびデータの機密性を保護することに取り組み、
・ 当行の従業員の結社の自由および団体交渉権を尊重する。
ナティクシスの従業員は、全従業員に適用される行動規範および倫理規範に記載されているように、業務遂行において人権を尊重しなければならない。
② 魅力、採用、雇用維持およびエンゲージメント
ナティクシスの魅力向上方針は、人事部および事業の利害関係者すべてと共同で策定され、若年層の職業訓練のみならず経験豊富な従業員の定着にも注力することで、最良の人材を発見かつ魅了し、魅力的なキャリア開発の道筋を通じて彼らの雇用を維持することを目的としている。これは、明確で一貫性のある魅力的な雇用主ブランド戦略ならびに従業員の定着および専門能力開発の各段階で彼らにポジティブな経験を提供することを目指したデジタルで包摂的な採用システムに基づいている。このシステムは、当行の従業員にとっての快適な環境づくりに寄与することによるポジティブな影響を生み出し、当行が雇用主ブランドのイメージおよび求人市場での魅力を強化するための経済的な機会となる。
当行の従業員に関する方針
ナティクシスは引続き、フランスおよび国際的な舞台の両方において、先進的、包括的かつ責任ある雇用主となるという目標を有している。
ナティクシスは、技術的、環境的および社会的な変革のなかで、国際的な規模での事業の成長を支える優秀な人材を、惹きつけ、引き留め、育成するための戦略を維持している。
これらの課題に取り組むため、ナティクシスは以下の3つの人事部の推進策を活用している。
・ ナティクシスの専門性および雇用主としての価値提案(卓越性、集合知および持続可能な影響力)を高める。
・ 柔軟性、幸福および健康、ワーク・ライフ・バランスならびにインクルージョンの点で、期待が変化し続ける優秀な人材のエンゲージメントおよび帰属意識を強化する。
・ すべての従業員にキャリアおよび能力開発の機会を提供する。新たな能力を身につけ、新たな経験を得る機会を提供することは、主に期待することの1つである。スタッフの長期的な雇用可能性に投資することは、会社の社会的および経済的な責任でもある。
成長し変革を支援し続けるという当行の野望に沿って、ナティクシスは競争の激しい環境下で、候補者の期待に効果的に応じることで、優秀な人材を惹きつける必要がある。これには、候補者一人ひとりに合わせた経験を提供し、現行の採用慣行に疑問を投げかけ、特定のターゲット層における認知度を高めることが必要である。
雇用主としての約束を実現する
ナティクシスは、社会および経済における金融の変革的役割に基づいた雇用主ブランドを展開し続けている。雇用主ブランドは、誰もがその一部を担うことができる卓越した価値観、集合知およびサステナブルな影響力である、「#transformativefinance, join us to make a difference」を推進している。
この雇用主としての約束を実現するために、ナティクシスは複数の求人掲示板および専門メディアに参画している。この参画の目的は、幅広い採用対象者に対する企業文化、事業分野および雇用機会についてのコミュニケーションを通じて、レピュテーションおよびイメージを高めることである。
若手人材への深い関与
学生に積極的に関わり、様々な事業分野で毎年、勤労学生、インターンおよびVIE(国際ボランティア)を採用しているナティクシスは、長年にわたりフランスの提携校と特別な関係を築いてきた。ナティクシスは、Essec、Centrale-Supélec、Skema、EnsaeおよびEcole 42とパートナーシップ協定を締結している。ナティクシスは、学生コミュニティと強固なつながりを育むことを目指しており、これにより若手人材の期待にきっちりと応えるプログラムを展開し、彼らに実りある経験を提供することが可能である。
2025年は、学生の専門キャリア支援のために2024年に導入されたイベント形式が継続された年であった。
・ 「ラーニング・エクスペディション」の展開:学生集団を当行オフィスに招き、専門職との交流により、内部から様々な事業分野の知見を紹介する。
・ キャリア・デイの実施:ナティクシスの勤労学生およびインターンを対象に、キャリアに関するアドバイスを提供したり、採用担当者と面談して履歴書を推敲したり、現在募集中の役割および職業上の機会についての説明をする日である。
③ 職場での生活の質
職場での生活の質はナティクシスにとって重要な課題であり、従業員の幸福に適した安全な職場環境を整備することを目指している。以下に示す方針を通じて、当行は欠勤および離職に伴う財務リスクを軽減しつつ従業員のエンゲージメントを強化することを目指している。この戦略的アプローチの目的は、従業員の幸福および組織の効率性を両立させ、持続可能な組織全体のパフォーマンスに貢献することである。従業員の幸福に適した安全な労働条件および職場環境の実現は、職場での生活の質にもポジティブな影響を与える。
当行の従業員に関する方針
ナティクシスにおける職場での生活の質は、効率性と従業員の幸福を同時に兼ね備えることを目的としており、持続可能なパフォーマンスの促進剤となっている。これは特に、以下の4つの要素から生み出されている。
・ 職場での幸福への配慮:幸福および仕事と私生活のバランスを目的とした**「ケア」イニシアチブ(時間外オフラインの権利、コンシェルジュ・サービス/福利厚生スペース、子育て支援、2つの柱*(健康/座りっぱなしの生活習慣予防プランおよび介護者向けプログラム)から成るBPCEヘルス&ケアプログラム等)*
・ 職場環境:効率性および協業を促す作業空間*(ハイブリッドワークの支援、作業空間、協業ツール)*
・ 人間関係およびリーダーシップの質:チームに権限を与えて育成する、信頼に基づく管理*(リーダーシップモデル、リーダーシップ開発プログラム、組織のシンプル化)*
・ 変革へのサポート:従業員に変革への参加を求める、常に進化し続ける会社*(管理手法の変更、専用コルレスのネットワーク、労働環境への関心の高まりおよび心理社会的リスクの防止)*
これらの行動はすべて、絶え間ないソーシャルダイアローグによって枠組が定められ、以下に起因する離職、欠勤および従業員の意欲低下に関連する財務上の損失という高いリスクを軽減するのに役立つ。
・ 優秀な人材の損失、採用および新入社員の研修コスト、ならびに欠勤により発生する費用の全部または一部負担
・ 生産性、パフォーマンスおよび社内または社外の顧客満足度の低下に伴う収益の損失
④ 職場でのリスク予防および安全
ナティクシスは、その各事業体において、拠点ごとかつ組織横断的なリスク予防措置を導入することで、現行の健康および安全基準に適合した労働条件を備えている。さらに、従業員の健康および安全に関するリスクを予防および管理するため、規制要件に準拠した方針を策定している。
当行の****従業員に関する方針
フランスでは、ナティクシスはGroupe BPCEの「人員および財産の安全に関する方針」を採用している。これはGroupe BPCE内で業務上の適用方法(組織、管理、機関等)を定め、従業員およびその代表者に定期的に情報を知らせている。
Groupe BPCEの安全部門は、人員および財産の安全に関する方針に関する参照文書を作成し、その実施および更新を確実に行う。加えて、フランスにおいてナティクシスは、参照文書に記載された規則および勧告を、検証手続および当行の従業員を代表する機関の責務を遵守して実施する。
安全方針は、実施されたリスク評価(フランス語でDUERP)の結果および認識されたリスク群に基づく行動計画、ならびに毎年改訂される予防および労働条件の改善のための年次計画(フランス語でPAPRIPACT)を考慮に入れて実施される。
これらにより、予防の定期的なモニタリングが確実に可能になる。
法規定により、予防策および安全策を作り、全体の安全目標を達成するために、システム、設備および資源を適応させることが可能になる。これらの規則は、従業員代表団の会議において従業員代表と共有される。
業務規則はフランスの規制に準拠している。
国際的に、ナティクシスは現行の法規程に基づき人員および財産の安全に関する方針を展開し、安全および業務上のリスク回避に関する規則を定めている。規則は、現地法のある外国子会社については、所在国の規制に適応している。
業務上のリスクを予防することで、ナティクシスはすべての拠点において安全および労働環境の改善に寄与する環境の整備を目指している。
⑤ プライバシーおよび個人データの保護
ナティクシスは、確実に労働条件が現行の基準に準拠し、個人の権利が尊重されるようにしており、それ故にプライバシーおよび個人データの保護に特に注意を払っている。従業員の個人データに関する方針を厳格に適用することで、彼らの安全に関するリスクおよび秘密保持リスクを予防することができる。当行は、組織内に信頼および敬意のある風土を保証するため、規制要件に準拠した明確な実務を整備することを目指している。
従業員およびエンドユーザー方針
Groupe BPCE全体の方針に従い、ナティクシスは、従業員の個人データにつき情報シートを定めている。情報シートは、個人データのデータ処理と関係し、当該データの主体に対する事前情報提供義務および透明性義務を満たしている。
また、ナティクシスは、ナティクシスの事業体が所在する世界中すべての法域で適用される一般的な枠組を定めた個人データ保護方針も有する。この方針はまた、適用あるデータ保護規制の遵守に関する従業員研修の要件も規定している。
個人データ保護方針は、一般データ保護規則(GDPR)の適用を受ける国に所在するすべてのナティクシスの従業員に適用される。ただし、社会経済委員会は、ナティクシスのデータ保護オフィス(DPOff)が助言を提供し、労使協議会のデータ保護責任者(DPO)の任務を引き受けているにもかかわらず、独立した法人であって、この方針の適用対象ではないことに注意を要する。
個人データ保護方針は、ナティクシス・セキュリティ部門に属するナティクシスDPOが原案を作成している。作成後、ナティクシス・セキュリティ・ディレクターおよびナティクシス相談役に提出され、承認を受けた後に配布される。
本方針は、欧州規則(GDPR)およびフランスの規制を実行するものである。また、本方針は、EDPB(欧州データ保護会議)およびフランスのデータ保護機関(CNIL)のガイドラインを組み込んでいる。さらに、本方針にはナティクシス事業体が所在する世界中すべての国で適用される基本原則も含まれている。
本方針は、ナティクシスが設定した処理目的、従業員の権利およびこれらの権利を行使するための手続を定めている。したがって、従業員は、データ保護方針およびデータ保護通知書を通じて、自分の個人データの処理に関するすべての情報を入手することができる。
個人データ方針および情報シートは、ナティクシスのイントラネットから入手可能である。情報シートはまた、すべての新規従業員に対しても提供される。
⑥ 社会的対話
良好な労働環境に対する取組みの一環として、ナティクシスは、その社会政策の中心に社会的対話を据えている。経営陣と従業員代表との間の定期的な対話を促進することで、当行は従業員のエンゲージメントおよびパフォーマンスを強化し、プラスの影響をもたらす。
当行の従業員に関する方針
ナティクシスにおける社会的対話は、現地の労働法規に準拠しており、フランスでは従業員代表との組織的な対話を通じて反映される。国際的には、ナティクシスが最も進出している国々では従業員団が存在しない。
ナティクシスの社会政策は従業員の基本的権利および自由を尊重するよう努めている。社会的対話は労働組合の従業員代表との定期的な協議に基づいており、ナティクシスの経済的および社会的な業績に貢献している。
この社会的対話は、ナティクシスの社会政策の基礎となる一連の合意の交渉につながり、従業員のエンゲージメントとパフォーマンスに非常に良い影響をもたらした。
団結権の行使、団体交渉、従業員代表との協議の組織化等、社会的対話に関するいくつかの労働協定は、ナティクシスおよびその子会社を対象としている。
このように、BPCEを対象として、また、ナティクシスおよびその子会社を対象として社会的対話機関が運営されている。これらは、関係する会社の戦略や運営全般に関する事項について、従業員代表との特別な協議を促している。
この状況下で、3つの主要な対話機関が設置された。
・ BPCEの経営陣と代表労働組合が、BPCEの企業範囲内の事業体に共通する人事の方針について、半年ごとの会議で協議を行うためのBPCEの情報・対話機関
・ これらの事業体の経済および戦略に関する関心事項について話し合う、関係事業体の人事および経営陣の代表者で構成される委員会。話し合いの結果は四半期ごとの会議で発表する。
・ 経営陣と対象範囲内の事業体の代表労働組合で構成され、ナティクシスの戦略的方向性および変革の課題に関する情報共有と協議を促進することを目的とした、戦略および変革に関する対話機関
2024年5月14日の枠組合意により、BPCEの範囲内に交渉機関が設置された。同機関は、経営陣とBPCEの労働組合との間で特定された部門横断的な課題に関する労働協定の交渉を担当し、BPCEの企業範囲内の企業に適用されるところ、ナティクシスもその一員である。
こうした状況を受け、以下の協定が3年間の期間で締結された。
・ 2024年9月16日付のテレワークに関する協定
・ 2025年12月31日付の障害のある労働者の雇用に関する協定
さらに、BPCEの範囲における企業貯蓄制度(PEE)において提供されるファンドの範囲を見直すため、BPCEの労働組合との協議が行われた。この協議の結果、新たな統一されたファンドのオファリングが策定され、2025年12月31日時点の対象範囲内の各事業体においてPEE契約の変更契約を締結することで、BPCE内の事業体に導入された。
ナティクシスおよびその子会社は、労働組合との交渉機関を設置しており、これにより対象範囲内の従業員に適用される労働協定を締結することができる。
・ 追加医療保険に係る労働協定
・ 利益分配、従業員貯蓄制度(PES)および団体年金制度(PERCOL)に係る労働協定
社会的対話は、Groupe BPCEの様々な事業体(Banques Populaires、Caisses d’Epargne、ナティクシスおよびその子会社を含むBPCEの事業分野)に適用される、以下のようなGroupe BPCEの協定にも反映されている。
・ 2025年7月17日に締結された、職務およびキャリアパス管理に係る協定(GEPP)。これは、当行グループ内における人材管理の推進、事業展開の支援および最高の従業員体験の提供を目的としている。この協定はまた、世代間のバランス、経験豊富な従業員向けのキャリア支援プログラムおよびキャリア終了時の取り決め、能力開発、職業および地理的な流動性、移動休暇等のテーマも扱う。
・ 2022年7月12日に締結された、従業員代表がその任務を引き受ける場合の任期中および任期終了時のサポートについて取り扱う、従業員代表のキャリアパスに係る協定
さらに、ナティクシスの各事業体は、社会経済委員会および団体交渉機関の枠組内で、従業員代表との緊密な関係を促進する独自の社会的対話機関も有している。
このように、社会的対話は、ナティクシスの戦略の実行およびその活動の実績に貢献するとともに、従業員の福祉に資する職場環境を支援する方針の展開を促進する。
また、ナティクシスは、従業員の基本的権利および自由、結社の自由、ストライキ権の尊重ならびに労働法規制に真剣に取り組むものである。
⑦ 報酬
労働環境の継続的な改善を目標として、ナティクシスは、適正な報酬と社会的保障(慣行、ベンチマークおよび最低限の福利厚生に準拠したもの)を重要な課題と位置付けている。この取組みは、意欲を高め、公正な労働環境を醸成することで、プラスの効果をもたらす。これは、競争力のある水準を確保し、すべての従業員に適した社会的保障措置を導入する一方で、報酬の公平性を促進する方針に反映されている。
当行の従業員に関する方針
ナティクシスの報酬方針は、従業員の長期的な帰属を促し、企業の魅力を高める一方で、過度なリスクテイクを助長しないように設計されている。ナティクシスの報酬方針は、企業およびその従業員の個別の実績および集団の実績を反映する一方で、従業員と顧客の間で利益相反を生じさせないことを保証し、ナティクシスの文化および倫理基準に沿った行動を促進する。
ナティクシスの報酬方針のもう1つの目的は、ベンチマークとなる市場と比較して競争力のある報酬水準を提供することである。ナティクシスは定期的に、当行の実務をその他の国内外の金融セクターのプレーヤーの実務と比較し、当行の報酬方針が競争力を保ち、また各事業分野および事業体に関して適切であることを確認している。
また、報酬方針には、職業上の平等および差別の禁止というナティクシスの基本目的が組み込まれている。この点を考慮して、ナティクシスは、給与に関する男女間の公正な待遇を保証し、この問題に関して進歩を遂げるための様々な対策を講じている。また、ナティクシスは、若手と年配の従業員の報酬にも特に注意を払っている。
最後に、環境・社会的責任(ESR)の側面は、以下のとおり、いくつかのレベルで報酬方針に織り込まれている。
・ 最高経営責任者および上級経営委員会の構成員の変動年間報酬を決定する際、ナティクシスのESR戦略を反映させること。特別利益分配準備金(資産運用事業に関する気候変動にとどまらない移行に関連する商品の資産運用ならびにコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング事業に関するグリーン収益額)の計算にあたり、ESR指標を考慮に入れる旨を規定した利益分配契約。ナティクシスおよび一定の子会社の利益分配契約にESR指標を織り込むこと。従業員貯蓄制度(PES)および団体年金計画(PERCO)の自由運用におけるSRIラベルのファンドの体系的選定またはESG基準の組み込み
ナティクシスの従業員の報酬は、以下の3要素を中心に構成されている。
・ 地位に伴い期待される技能、責任および専門知識ならびに組織内の機能の役割および重要性を反映する固定報酬。これは、現地の市場における各職務の特性に基づいて決定される。ここには、地位に対応した技能および責任に対する報酬である基本給、ならびに、該当する場合、地理的移動性または一定の任務および責任の特異性に関連し、規則に従い割り当てられる固定補完給が含まれる。
・ 個人の変動報酬は、業務実績、ならびにあらかじめ決めた個人の目標の達成に基づいて1年ごとに付与され、リスク管理への寄与および規則の遵守を含むほか、市場慣行(事業分野別または地理別)を勘案する。支払いは、付与年に全額キャッシュで行うことができる。一部の従業員に関しては(規則上の地位、職務または変動報酬の水準に基づき)、従業員を定着させ、従業員とGroupe BPCEおよびナティクシスの長期的利益との同調を図る戦略の一環として、支払額の一部を条件に従い金融商品に連動させることで繰り延べることもできる。
・ 特にフランスにおける従業員貯蓄計画(利益分配制度およびインセンティブ制度)ならびに各法域で提供されるその他の現地の貯蓄計画または社会的保護計画に関連する団体変動報酬
各従業員は、その責任、技能および実績に応じて、上記の様々な構成要素の一部または全部による利益を享受する。
ナティクシスの報酬方針の目的および主要原則は、国内外すべての従業員に適用される。この方針は、ナティクシスのすべての事業分野、機能部門および事業体にわたり、それぞれの特殊性や市場慣行を考慮しつつ、適用ある現地の法令を遵守して実施される。ナティクシスの子会社は、個別の規制に服し、それぞれの報酬方針を有するが、それらは体系的にナティクシスの報酬方針と整合している。
取締役会は、その報酬委員会を通じて、報酬方針およびその実施を最終的に有効とする機関であり、その構成および優越的権限により、独立した意思決定を確保している。
コンプライアンス部門およびリスク部門もまた、統制機能として、報酬方針の実施に関与しており、その目的は特に、個人の変動報酬額の決定において、品行および法令遵守の観点から、リスク管理およびリスク行動の考慮に正確性を期することである。
ナティクシスの報酬方針は、グローバル、欧州または現地レベルで当行に適用される労働法規、社会立法および税法に関する法的義務を厳格に守っている。
さらに、ナティクシスの報酬方針は、事業セクターおよび企業が営業を行う国における個別の規制枠組に服する。ここには、特に以下の規制が含まれる。
・ 信用金融機関および投資会社に関する資本要求指令(CRD)および投資会社指令(IFD)
・ 資産運用業務に関するオルタナティブ投資ファンド運用者指令(AIFMD)および譲渡可能証券の集団投資事業(UCITS)指令
・ 金融商品関連のサービスおよびアドバイザリーに関する金融商品市場指令(MiFID)
・ 資本市場業務に適用される、フランス銀行法(銀行業務の分離および規制に関する法律)およびボルカー・ルール
・ 金融サービスセクターのサステナビリティに関する情報開示に関するサステナブル・ファイナンス開示規制(SFDR)
フランスおよび法律の規定がある国においては、従業員代表が報酬方針の決定に関与する。フランスでは毎年、ナティクシスおよびその子会社において、従業員代表団との間で報酬に関連する事項の義務的年次交渉を行う。従業員貯蓄のメカニズム(利益分配制度およびインセンティブ制度を含む。)および社会的保護計画(医療費、身体障害保険および生命保険)もまた、従業員代表との交渉による団体協約に規定される。また、賃金平等のテーマは、男女間の賃金平等に関して締結された協定に織り込まれている。
内部コミュニケーション
報酬および社会給付に係る方針および実務は、内部で周知および実施される。これは、手順書、手引書、通知およびガイドラインの形式により、特に人事部、リスク部門およびコンプライアンス部門の内部でその作成および実施に関与する様々な利害関係者に対して行われる。配下の従業員の年次報酬査定に携わる管理職も、その職務の遂行において同様に支援を受ける。
ナティクシスの報酬方針の主要原則ならびに従業員貯蓄計画および社会的保護計画は、ナティクシスおよびその子会社のイントラネットを通じて従業員に伝達される。自社独自の報酬方針を持つ子会社もまた、当該方針の内部での周知が義務付けられている。
年次報酬査定を経て、各従業員個別の報酬要素(固定報酬および個人変動報酬)およびそれらの進化は、管理職から口頭で伝達され、その後、セキュリティのかかったアクセスを通じて正式に通知される。ナティクシスのフランスの従業員は、社会的報告書によっても、前年の自分の報酬要素および社会給付(固定報酬、個人変動報酬、追加給与、従業員貯蓄および社会的保護)を総合的に把握することができる。
外部コミュニケーション
さらに、その規制上の義務に従い、ナティクシスは、CRD規則に基づき当行のリスク特性に重要な影響を与えると特定した従業員について重点的に、当行の報酬方針および実務に関する報告書をウェブサイトに毎年公表することが義務付けられている。
また、ナティクシスは、フランス健全性監督・破綻処理機構(ACPR)、欧州中央銀行(ECB)およびフランス金融市場庁(AMF)といったフランス、欧州レベル、および事業を行っている諸国の監督当局の透明性要件も遵守している。
包括的で競争力のある報酬方針の活用により、ナティクシスは、業界水準や生活費の変動に見合った、すべての従業員に対する適正かつ総合的な報酬の確保を目指している。また、人生の節目に備えた社会的保護制度も併せて整備している。ナティクシスの報酬方針に適用される様々な法令の遵守は、内部では統制機能(リスク、コンプライアンスおよび監査)による、また外部からは監督当局による、堅固なガバナンスおよび定期的な監督を通じてさらに確実となる。
⑧ 能力開発
責任ある雇用主としての取組みの一環として、またすべての人への機会均等を促進する観点から、ナティクシスは、能力開発が不可欠な原動力であると考えている。当行は学習文化の促進により、革新的な研修や個々に合わせた成長の機会を提供することを目指している。関連する方針は、従業員の雇用可能性および専門知識を高めることを目的としており、市場の変化への適応力や組織内での内部異動機会へのアクセスにプラスの効果をもたらす。また、これは内部の能力開発を促進し、専門知識を十分に活用する機会でもある。
当行の従業員に関する方針
フランス国内外において、ナティクシスは、従業員の長期的な雇用可能性に投資している。これは、キャリアの機会および継続的な新しい能力の開発を通じて、従業員が新しい経験を追求する機会を提供することを含む。
ナティクシスでの能力開発方針は、競争の激化および事業分野の変化を背景に設定されている。ナティクシスは、技術的能力、行動能力および対人能力の開発が、個人および組織全体の成功にとって不可欠な原動力となりつつあると確信しており、能力開発を人事部の方針の中心に据えることを目指している。
能力開発方針の主な目標は、以下の6つの主要分野を中心として構成される。
1.ナティクシスの事業分野における若手社員向け職業訓練の推進
2.専門職の人事異動の展開
3.将来の雇用のサポート
4.部門横断的な能力開発の強化
5.ESGへの意識向上
6.ポジティブなAI(人工知能)文化の促進
特にフランスでは、この方針は、2025年7月における労働およびキャリア管理に関する当行グループ協定「Gestion des Emplois et des Parcours Professionnels(GEPP)」につながった。これは、2025年から2028年の期間における共通の方針および慣行基盤を定めている。
この協定は、能力開発を、将来の事業に備えることを目的とした文化、行動およびプロセスを通じた従業員の経験の礎石として位置付けている。
優秀な人材および潜在能力の支援
フランス国内外において、ナティクシスは、専門能力の向上に関する従業員期待に応えるため、包括的な人材管理枠組を活用している。これにより、優秀な人材および潜在能力を見極め、彼らの能力開発を後押しすることが可能である。この枠組はまた、当行内で重要なポジションを引き継ぐ経営幹部後継者を確保し、ナティクシスのコミットメント達成状況を追跡するのに役立っている。
⑨ ダイバーシティ&インクルージョン
ナティクシスは、すべての人に対する平等な待遇と機会を約束する一環として、ダイバーシティ&インクルージョンを人事戦略の中核に据えている。この取組みは、互いが尊重し合う公平な職場環境の実現により、プラスの影響をもたらす。これは、職業上の平等性およびインクルージョンを促進する方針に反映されている。
当行の従業員に関する方針
ナティクシスは、多様性、平等性およびインクルージョン(DEI)の課題を人事戦略の中心に据え、従業員の多様性を活かし、誰もが傾聴され、認められるような、互いが尊重し合う包括的な職場環境の構築を目標としている。こうした課題に対処するため、特に行動規範を定めており、これには、国内外において従業員が職務を遂行する際に求められる行動が明記されている。
経営陣の支援を受け、多様性、平等性およびインクルージョン(DEI)の方針は、ナティクシスに様々なレベルでプラスの影響を提供する。
・ 採用慣行およびより広くは人事部の管理における差別禁止に関する義務の遵守
・ 個人の尊重とあらゆる形態の差別への取組みによってもたらされるパフォーマンス
・ 従業員、候補者および社会全体の期待を考慮した、エンゲージメントおよび雇用主ブランド
ナティクシスには以下のDEI方針がある。
・ **グローカル:**ジェンダーダイバーシティおよび各事業分野特有の目標等、すべての事業分野および地域に共通する目標。この方針は、地域的な特徴も有している(例えば、フランスでは障害のある人またはキャリアの終盤にある従業員への支援)。
・ **システミック:**人事部のプロセス(採用、人材管理、業績評価、報酬)への取組み
・ **モニタード:**明確な進捗目標。専用のDEI調査またはエンゲージメント調査に組み込まれた質問により、当行の慣行に対する従業員の認識を測定することができる。
事業内で測定された状況および現地の法律に応じて、DEIの措置を上記記載の分野で実施することができる。ナティクシスの労働力の約50%を占めるフランスでは(Natixis Algérieを除く。)、これらの措置は従業員代表団と交渉される。
職場における男女平等の促進
数年にわたって、ナティクシスはジェンダーダイバーシティおよび職業上の平等という方針を以下の3分野を中心として実行している。
・ 多様性が最も低い事業への女性の進出
・ 責任ある役割への就任
・ 賃金の平等
男女間の職業上の平等には、性差別的行為およびセクハラの防止も含んでいる。フランスでは、ナティクシスは企業連合「ストップ・セクシズム」に参加して取組みを推進しており、目撃者や被害者として利用できる内部通報制度について定期的に周知徹底を図るとともに、事業分野が利用できる特定のe-ラーニングプログラムを設けた。ナティクシスはまた、フランスおよび国際的な「行動規範」に、この種の行為に対してはゼロ容認の原則も盛り込んだ。
LGBTQIA+の従業員のインクルージョンの確保
2021年より、ナティクシスはフランスの「L’Autre Cercle」の憲章への署名およびLGBTQIA+ All Equals networkの支援を通じてLGBTQIA+の人々の受け入れに尽力してきた。ナティクシスはLGBTQIA+の従業員に平等な権利および取扱いを保証することを目指している。
すべての世代が当行に溶け込んでいると感じられるようにする
職業人生の延長および4世代で構成される労働力の時代を迎え、ナティクシスは年齢による固定観念と戦い、当行におけるあらゆる世代の従業員の価値向上のために尽力している。
この取組みは、フランスにおいて以下のとおり反映されている。
・ 2024年に、人口構造の変化に取り組むシンクタンク「Club Landoy」の主導により策定された、50代以上の人々の雇用促進に向けた誓約憲章へ署名
・ 2025年から2028年までの期間を対象とした新たな雇用およびキャリア管理協定(GEPP)へ署名。これにより、経験豊富な従業員への支援および新入社員の職場への定着状況のモニタリングが強化される。
文化的・社会経済的多様性の奨励
ナティクシスは、奨学金、メンター制度またはディスカバリー・インターンシップを提供することで、恵まれない環境で育った若者達を支援することを約束している。ナティクシスはまた、自主的な取組みの一環として、見習税の一部を拠出することで機会均等を推進する非営利団体を支援している。
障害のある人の雇用促進および雇用維持
2011年以降、ナティクシスは、障害のある人の雇用に取り組んできた。
フランスでは、2022年12月21日に締結された5つ目の障害者協定(2023年から2025年までを対象とする。)の一環として、ナティクシスの障害者に関する方針は以下のガイドラインに基づいている。
・ 特にRQTH(障害者労働者認定)の取得および更新手続における支援を提供し、職務および労働条件の調整を確実に行うことにより、障害のある人の雇用維持を促進すること
・ 障害のある従業員の採用に際し、採用の過程から必要な補償措置を確実に実施すること
・ 障害のある従業員に対し、キャリアを通じて、特に研修へのアクセスや報酬の面において、平等な機会を保障すること
・ 全従業員を対象に、職場における障害に関する固定観念を解きほぐし、かかる協定の規定に対する理解を深めるための周知・啓発活動を実施すること
・ 保護的かつ適応的な労働部門からの購入量を維持すること
・ 障害のある子どもの保護者や、障害のある人の配偶者に対して、具体的な支援策を提供すること
ミッション・ハンディキャップは、これらすべての制度の導入を統括するとともに、障害のある人の担当者のネットワークも活用している。
ナティクシスは、5つ目の障害者協定の一環として、職場における健常者と障害のある人のより良い調和への希望も強化したいと考えている。ナティクシスは現在、慢性的かつ/または障害を伴う状況(糖尿病、多発性硬化症、がん等)を抱え、長期的な健康状態に対する免除(社会保障)を受けている従業員に対し、個人が協定に記載された支援手段(職場組織の調整や予約診療の受診のための有給休暇等)による便益を享受できるようにしている。
2024年末までに、ナティクシスはフランス国内において、障害のある人の直接雇用比率4.49%を達成した(フランス法の規則である、障害者雇用義務(フランス語ではOETH)に従って計算)。
(4) 指標および目標
(a) 義務付けられたGAR
信用金融機関に適用される主な指標は、グリーン資産比率(GAR)である。割合で表され、ヘッジされた総資産と比較し、EUタクソノミーに従った経済活動に資金提供または投資された資産の割合を示す。
(b) GARの概要
GAR-概要
以下では、GARに関する情報を、委任規則第2023/2486号の別紙Ⅵに提示されている信用金融機関に適用されるモデル表に従って示している。これらは、プルーデンシャル範囲に基づいている。
GARの概要
■ 2025年12月31日現在
| 2025年12月31日現在 | 2024年12月31日現在 | |||||||
| (単位:百万ユーロ) | 総資産に対する割合 | GAR総資産に対する 割合(分母) | (単位:百万ユーロ) | 総資産に対する割合 | GAR総資産に対する 割合(分母) | 2024年12月31日以降の変動 | ||
| 総資産 | 519,077 | 100.00% | 507,116 | 100.00% | 0.00% | |||
| GAR計算に含まれない資産 | 298,020 | 57.41% | 292,312 | 57.64% | (0.23)% | |||
| GAR総資産 | 221,057 | 42.59% | 100% | 214,804 | 42.36% | 100% | 0.23% | |
| GAR計算の分子から除外された資産(分母には含まれる) | 75,799 | 14.60% | 34.29% | 77,806 | 15.34% | 36.22% | (0.74)% | |
| GAR-分子および分母に含まれる資産: 適格性および整合性の分析に基づく資産 | 145,258 | 27.98% | 65.71% | 136,998 | 27.02% | 63.78% | 0.97% | |
| (CSRD取引相手方の売上高ベース) | ||||||||
| うちEUタクソノミーに関連するセクター (EUタクソノミーに対して適格) | 2,482 | 1.12% | 3,302 | 1.54% | (0.41)% | |||
| うち環境的に持続可能なもの (EUタクソノミーに対して整合) | 670 | 0.30% | 923 | 0.43% | (0.13)% | |||
| (CSRD取引相手方の設備投資ベース) | ||||||||
| うちEUタクソノミーに関連するセクター (EUタクソノミーに対して適格) | 3,094 | 1.40% | 3,957 | 1.84% | (0.44)% | |||
| うち環境的に持続可能なもの (EUタクソノミーに対して整合) | 1,135 | 0.51% | 1,489 | 0.69% | (0.18)% | |||
3 【事業等のリスク】
本項に含まれる将来予測に関する記述は、2025年12月31日現在の予測である。
2025年の規制比率
<> <img width={272} height={178} id="図 1" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image001.jpg" /> </>
リスク加重資産の内訳および変動(単位:十億ユーロ)
<> <img width={242} height={223} id="図 2" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image002.jpg" /> </>
リスク分類別自己資本要件 事業分野別資本要件
2024年から2025年の期間のナティクシスの規制上のVaR
<> <img width={643} height={252} id="図 5" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image005.jpg" /> </>
(1) リスク要因
ナティクシスがさらされているリスクの主な種類は、以下のとおりである。これらは現在、重要なリスクとして認識されており、ナティクシスの見積りによると、ナティクシスの業務の実行力に悪影響を及ぼす可能性がある。また、通常、これらのリスクは、ナティクシスの健全性比率、純資産または純利益に与える可能性がある影響の観点から測定されている。ナティクシスがさらされているリスクは、特に、マクロ経済上およびナティクシスの業務環境の規制上の変更または戦略の実行および事業の実施に関するいくつかのリスク要因から発生する可能性がある。「目論見書3」として周知されている、2017年6月14日付規則(EU)第2017/1129号第16条(その後の改正を含む。)の規定に従って、ナティクシスの事業特有のリスクは、以下の5つの主要なカテゴリーとして示される。
・ 信用リスクおよび取引相手方リスク
・ 金融リスク
・ 非金融リスク
・ 戦略および事業リスク
・ ナティクシスが発行した有価証券の保有に関するリスク
以下のリスク要因の記載は、ナティクシスの構造に基づいて評価される。リスク要因は、その重要性の評価、発生の確率および推定されるマイナスの影響の規模に基づいて提示されている。各カテゴリー内では、最も重要なリスク要因が前述の評価と一致する方法で記載されている。
信用リスクおよび取引相手方リスク
ナティクシスは、信用リスクおよび取引相手方リスクにさらされており、リスク集中の結果としてかかるリスクが高まる可能性がある。
ナティクシスは、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング(CIB)部門が主に行う金融商品の融資、ストラクチャリング、取引および決済・引渡の現在の活動を通じて、信用リスクおよび取引相手方リスクにさらされている。
信用リスクおよび取引相手方リスクは、ナティクシスが認識する主要なリスクの1つであり、2025年12月31日現在のRWA合計の65%を示した。
参考までに、2025年12月31日現在、ナティクシスの信用リスクおよび取引相手方リスクのエクスポージャー(CVAを除くデフォルト時エクスポージャー)は合計で398.7十億ユーロとなり、主に銀行および類似機関(41%)、企業(31%)ならびにソブリン(4%)に分かれていた。
特定の経済部門に対する重大なエクスポージャーのリスクを軽減するため、当行は、ポートフォリオを多様化し、部門の集中度を注意深く監視することを目的とした、厳密な部門別リスク管理政策を実施している。ナティクシスの信用リスク政策もまた、ポートフォリオの多様化を確保し、複数のサブリミットに分割された全体的なリミットを含む、現行の量的枠組を通じた集中度の監視に貢献している。リスク政策は定期的に見直され、必要に応じて早期に全体的または部分的に改定することができる。事業分野および/または商品に関する政策があり、主要な経済部門別のエクスポージャーを管理する「包括的」政策により監督されている。この政策は、部門集中のリスクを運用レベルで監視することを目的としている。
この枠組は、エクスポージャー/RWAおよびナティクシスの過去の活動の観点から、10の主要な部門(石油・ガス、商品取引、不動産、電気、航空、通信・IT、公益事業、金属・鉱業、製薬・ヘルスケア、アグリビジネス)に焦点を当て、これらの活動のそれぞれについて10の特定のグローバルな部門別の限度枠を実施している。
1または複数の取引相手方が契約上の義務を履行できない場合、ナティクシスは、当該取引相手方へのエクスポージャーの集中度合いにより、様々な程度の財務損失を被る可能性がある。さらに、単一のグループもしくは単一の事業部門に属する取引相手方の格付もしくは債務不履行状態が著しく悪化した場合、または国の経済状況が悪化した場合にナティクシスの信用リスクのエクスポージャーが増加する可能性がある。信用リスクは、レバレッジド・ファイナンス取引においても増加する可能性がある。
また、ナティクシスが金融商品の融資、ストラクチャリング、取引および決済・引渡活動を実行できるかどうかは、特に、その他の銀行および市場参加者の安定性ならびに財務の健全性等の要因に左右される。これは、銀行が、主にそれらの取引、決済および融資業務により、相互に密接に関連しているためである。金融業界市場の1人または複数の参加者の不履行または予想される潜在的な不履行が、これが正当であるか否かにかかわらず、その他の銀行に影響を与える可能性があり、かかる市場においてその他の参加者による不履行の連鎖を招きかつ市場の流動性にマイナスの影響を及ぼし、これによりナティクシスのリスク費用、業績および財政状態に重大な悪影響を与える可能性がある。
ナティクシスの減損または予想信用損失引当金の大幅な増加は、ナティクシスの純利益および財政状態に悪影響を与える可能性がある。
ナティクシスは、その活動の一環として、また必要に応じて、不良債権の引当金を認識し、損益計算書上の「リスク費用」に記録された貸付金および債権のポートフォリオに関する実際の損失または潜在的損失を反映している。
ナティクシスは、IFRS第9号(国際財務報告基準第9号)「金融商品」を適用しており、これにより、金融商品の当初認識時点から引当金を設定することが義務付けられる。この引当金のモデルは、所定の利益、貸出コミットメントおよび保証コミットメント(損益を通じて公正価値で認識されるものを除く。)ならびにリース債権に振り替えられる回収可能なその他の包括利益を通じて、償却原価または公正価値で認識される残高に適用される。主に米国に起因する貿易摩擦に加え、多次元的な地政学的緊張により、経済環境は依然として極めて不確実な状態にある。主要な政府機関および国際機関の予測によると、世界経済は引続き2つの大きな変化、すなわち、ユーロ圏の低い予想成長ならびに特に関税の賦課および輸入制限に特徴付けられる米国主導の貿易戦争に直面している。
この文脈において、2025年第3四半期(旧版は2025年3月付のものである。)に、楽観的、中庸的および悲観的の3つのシナリオからなるIFRS第9号のシナリオが更新された。特に、米国主導の貿易戦争の激化に加え、地政学的緊張という悲観的シナリオが含まれている。このシナリオの基礎となるマクロ経済の変数の予測は、予測リスク・パラメーターの推定に用いられる。2025年12月31日現在、各地域で使用される加重は以下のとおりである。
・ フランスにおいては、30%が悲観シナリオ、35%が中庸シナリオ、35%が楽観シナリオである。
・ フランス以外の欧州においては、21%が悲観シナリオ、25%が中庸シナリオ、54%が楽観シナリオである。
・ 米国においては、11%が悲観シナリオ、32%が中庸シナリオ、57%が楽観シナリオである。
部門別の調整については、デフォルト確率(PD)は、6ヶ月から12ヶ月の期間における各部門の格付評価に基づき部門ごとに調整される。部門の将来予測加重平均PDは、移行マトリックスによって決定され、部門の予想格付に相当するPDと合致するよう比較および調整が行われる。
かかる枠組の下、当初認識以降に信用リスクが大幅に増加していない正常債権(ステージ1)は、1年間の予想損失で引当金計上される。当初認識以降に信用リスクが大幅に増加しているものの、不良債権に分類されるには不十分な債権である不良債権(ステージ2)は、存続期間予想損失に基づいて引当金計上される。不良債権(ステージ3)は、減損の客観的証拠がある債権である。ナティクシスは、個々の予想されるキャッシュ・フローの回復分析に基づき、これらのキャッシュ・フローが取引相手方の活動によるものか、または担保の潜在的な執行によるものかを問わず、不良債権の引当金を決定する。かかる個々の分析に従って減損されない不良債権は、引当金ではない債権に対する過去の偶発損失に基づいた定率で引当金計上される。
2025年12月31日現在、ナティクシスのリスク費用は、マイナス236.8百万ユーロ(うちステージ1およびステージ2エクスポージャーの純引当金の割当は20.4百万ユーロ、不良債権の純引当金の割当は216.4百万ユーロ減)となった。
2025年12月31日現在、顧客の不良債権は2,173百万ユーロとなり、40%はフランス、9%はフランス以外の欧州、24%は北米、10%はアジア、12%は中央およびラテンアメリカ、3%はアフリカならびに2%は中東で構成されていた。
ナティクシスの顧客への総貸付残高(買戻契約を除く。)に占める不良債権比率は2.6%(2024年12月31日現在は2.5%)であり、これらの不良債権の総合的なカバレッジ比率は45.7%(2024年12月31日現在は48.6%)であった。
S1およびS2の債権に関する信用リスクの増加は、当初認識以降の取引相手方の格付変更(個人顧客、専門顧客、中小企業、大企業、銀行およびソブリン債の貸出金勘定)、警戒リストの監視、その耐久力、リスクにさらされている国の格付、期日が30日間を経過した1つまたは複数の貸付の存在、POCI(購入または組成した信用減損)の状況および現在までの格付(非常にリスクの高い格付とみなされる場合)を基準に測定される。
地政学的な不確実性により、ナティクシスの取引相手方への影響を予測することが困難になっている。その結果、損失および引当金が大幅に増加し、ナティクシスのリスク費用、純利益および財政状態に重大な悪影響が及ぶ可能性がある。
債権等の資産の流動性が低下した、または流動性がない場合、ナティクシスがかかる資産を販売し、または組成することがさらに困難となり、その結果、ナティクシスの純利益および財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
ナティクシスは、「販売に向けた組成」モデルに従い、特にシンジケーションや証券化を通じて後の段階での販売を目的として、特定の資産を組成または獲得する。
ナティクシスの組成活動は、大企業向け融資ならびに専門金融および買収ファイナンスに大きく集中している。販売は主に銀行および銀行以外の金融機関に関連する。
ナティクシスはまた、証券化ビークル(SPV、特別目的事業体/特別事業体)に対して様々な形のブリッジ・ファイナンスを提供している。このファイナンスにより、各SPVは、ウェアハウジング段階中に、金融資産(一般に債権)の一時的なポートフォリオを構築することができる。取引の終了時に、SPVは、投資家が引き受けた有価証券を発行することで資金を調達し、その手取金を、ウェアハウジング信用ファシリティの返済に充当する。この資金調達の結果は、暫定ポートフォリオの信用力およびこの種の商品(とりわけ、CLO(ローン担保証券)、RMBS(住宅ローン担保証券))に対する投資家の選好度合いの両方によって左右される。この点に関して、リスク選好枠組(RAF)には専用の制限が組み込まれている。
特にこれらの資産において、シンジケーション市場もしくは証券化市場での流動性が低下した場合、またはナティクシスが販売できない、もしくはかかる資産の位置付けが低下した場合、予想された期間よりも長期にわたって、ナティクシスは、かかる資産に関連した信用リスクおよび市場リスクをさらに抱える可能性がある。流通市場におけるかかる資産の流動性の欠如により、ナティクシスは、組成活動を縮小しなければならない可能性があり、その結果、ナティクシスの収益および顧客との関係に影響を及ぼし、ナティクシスの業績および財政状態に悪影響を与える可能性がある。さらに、市況を考慮して、ナティクシスは、その業績に悪影響を与えそうなこれらの資産について、評価調整額を計上しなければならない可能性がある。
ナティクシスは、ナティクシスが活動する地域および国における政治的、経済的、地政学的、社会的および財政的情勢の変化に関連したカントリーリスクにさらされている。
ナティクシスは、世界規模で事業を展開しており、そのため、ナティクシスが活動する地域および国における政治的、経済的、地政学的、社会的および財政的情勢の変化にさらされている。参考までに、2025年12月31日現在、信用リスクおよび取引相手方リスクの主なエクスポージャーのうち54%はフランスに集中し、フランス以外の欧州(EU域内および域外)は17%、北米は17%、アジアは7%を占めている。
これらのリスクを軽減するため、当行は、ポートフォリオを多様化し、国の集中度合いを注意深く監視することを目的とした厳格なカントリーリスク管理政策を実施している。
カントリーリスクは特に監視されており、信用供与および監視手続ならびに資産評価および引当において特に考慮される。国別のエクスポージャーを監視するための包括的政策も策定され、展開されている。しかし、ナティクシスが活動する国または地域の政治的、地政学的、経済的、社会的および/または財政的環境が著しく悪化すると、ナティクシスは、すでに財務諸表に計上されている金額を超える追加費用を計上したり、損失を認識したりすることを余儀なくされる可能性がある。特に、ナティクシスは、経済協力開発機構(OECD)の非加盟国で活動する際にさらなるリスクにさらされており、政情不安、法律上および財政上の予測不可能性、収用問題ならびに先進国の経済ではそれほど重要でないその他のリスクに関連する不確実性にさらされている。
2026年初めは、特にイラン、米国、イスラエル間の軍事交戦の激化によって特徴付けられ、これは世界市場に大きな不確実性をもたらしている。世界の石油輸出の大部分が通過するホルムズ海峡を通る石油の流れに何らかの支障が生じれば、コモディティ価格が急騰し、インフレ、世界経済の成長および金融市場の安定に悪影響を及ぼす可能性が高い。この文脈において、紛争の継続または激化は、ナティクシスの事業、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性が高い。
2026年2月28日にイランで開始された米国イスラエルの軍事作戦の影響について、詳細な分析が行われている。ナティクシスの中東における純エクスポージャーは、主にサウジアラビア(最大3.2十億ユーロ)およびアラブ首長国連邦(最大2.9十億ユーロ)に集中しており、その大部分はコーポレート・ファイナンスおよびプロジェクト・ファイナンスに関連している。
信用リスク特性は統制下にあり、ソブリン・リスクは引続き堅調で、銀行業務ポートフォリオおよびプロジェクト・ポートフォリオも堅調であり、分散されている。
これらのエクスポージャーおよび取引相手方に対する監視の強化は確実に行われている。
金融リスク
金融市場の悪化は、ナティクシスの資本市場事業および資産運用事業に悪影響を与える可能性がある。
資本市場事業の一部として、また顧客のニーズに応えるため、ナティクシスは金融市場、すなわち債券、外国為替、コモディティおよび株式市場で活動している。
近年、金融市場が激しく変動する時期があり、これが繰り返されると、ナティクシスの資本市場事業に損失が生じる可能性がある。
2025年は、不確実な地政学的状況および市場のボラティリティの大きさに特徴付けられた年であり、これは関税政策、特に当年度上半期の中東における戦争ならびに最近の米国によるベネズエラおよびイランへの介入に関連した不確実性を反映している。しかし、基礎的な要因の大幅な悪化がなかったため、当年度中は大半の主要な資産クラスがプラスのリターンを計上した。
2025年4月2日の「解放の日」に向けた米国の関税の発表は、世界中の市場で強い売り圧力を引き起こした。米国では、S&P500が翌週にかけて12%下落した一方、10年物米国債の利回りが4月4日から4月11日の間に50ベーシスポイント上昇した。この不安定な状況に対応して、米国政府は相互関税を90日間一時停止し、中国、欧州連合およびその他の貿易相手国との貿易交渉を開始した結果、リスク資産の急速な回復が2025年末まで続いた。
欧州連合との間で関税協定が締結され、2025年8月1日から、欧州から米国へのほぼすべての輸出に15%の単一税率が適用される。この協定はまた、互恵的な分野別免除事項を規定しているが、該当製品リストの最終的な詳細は依然として議論中である。欧州におけるこの協定の受け止め方は様々である。中国では、関税措置への対応として、4月にレアアースの輸出規制が導入され、その後10月にも再び規制が導入された。このエピソードは、エネルギー転換および半導体を通じた人工知能の発展の両方にとって不可欠であるこれらの戦略的コモディティを制御することが極めて重要であることを示している。
さらに、米国およびイスラエルによるイランへの軍事介入は、石油市場を非常に不安定な状態にした。この不安定な状況は、紛争が激化した場合はさらに深刻化し、世界マクロ経済の状況に悪影響を及ぼす可能性が高い。
人工知能、そしてより一般的には米国のテクノロジー関連株も、米国株式市場の好調なパフォーマンスに貢献し、ナスダック指数は20%超、S&P500は16%上昇した。欧州のパフォーマンスも好調で、ユーロ・ストックス指数は18%、DAXは23%、FTSEは22%上昇した。アジアも好調なパフォーマンスを示し、NKY指数は26%、HSIは28%上昇した。
しかし、米国では、データセンター開発のために多額の資金調達を行った特定の銘柄の株価が、過剰評価されているのではないかという疑念が、当年度半ばから生じ始めた。さらに、この期間以降、テクノロジー株の株式市場におけるパフォーマンスは様々であり、例えば、オラクルは当年度下半期にパフォーマンスが低下した一方で、アルファベットのパフォーマンスは好調だった。
これら2社の信用スプレッドにも同様の傾向が見られる。しかし、投資適格企業の平均水準を反映する米ドル指数の信用スプレッドは、当年度中安定していたのに対し、同等のユーロ指数のスプレッドは7ベーシスポイント縮小し、4月の関税措置期間を除いてボラティリティは低水準にとどまった。
米国では、連邦準備制度理事会が不確実なインフレ動向、低迷する雇用市場および上昇する株式市場に対処しなければならなかったため、主要金利は合計75ベーシスポイント引き下げられた。欧州では、ECBが6月まで金利を100ベーシスポイント引き下げた後、安定した局面に入った。対照的に、10年物スワップ金利は逆方向に動いており、ユーロは57ベーシスポイント上昇した一方、米ドルは26ベーシスポイント下落した。最後に、当年度中、ドルはユーロに対して13%下落し、原油価格(ブレント)も19%下落したが、特に6月の米国によるイラン介入時には一時的に上昇した。
これらの潜在的な影響を抑制するため、ナティクシスはポジションの管理において慎重なアプローチを採用した。ナティクシスは、株式市場が下落した場合における極端なリスクヘッジ戦略を2021年1月以降維持し、継続している。さらに、ナティクシスは、不利な事象を予想して、個々の場合に応じてマクロ・ヘッジ戦略の実施を選択する場合もある。資本市場事業に関する限り、ナティクシスが運用するすべての資産クラス(株式、フィックスド・インカム、インフレ、債券、外国為替、コモディティ)のリスク要因は、トレーディング・デスクにより動的かつ継続的にカバーされ、慎重に管理されている。この文脈において、これらのリスク要因のいずれも、影響という点で他のリスク要因より突出していないことに留意することが重要である。リスク選好枠組は、市場リスクの慎重な日常的モニタリングの一環として、様々な要因を特定し管理することを可能にする。この枠組は、それぞれの事業に合わせて選択される1次および2次感応度を対象とする。信頼区間99%の1日後のバリューアットリスクやストレス・テスト等の総合的なリスク測定もこの枠組の不可欠な部分である*((2) リスク管理-(e) 市場リスク」を参照のこと。)*。
ボラティリティの高い環境下では、資産の劣化につながる可能性のある市場の変動が長期化することで、かかる市場の活動レベルを圧迫し、または流動性の低下をもたらす可能性もある。このような状況では、ナティクシスが損失を被る地位を迅速に解消できない場合、ナティクシスが大きな損失を受ける可能性がある。これは特に、構造的に流動性の低いナティクシスの保有資産に当てはまる。証券取引所またはその他の規制市場で取引されていない資産(例えば、銀行間で店頭取引されている特定のデリバティブ)は、ナティクシスが市場価格ではなくモデルを用いて評価している。
地政学的な不確実性および経済の混乱が継続する状況下では、株式市場および債券市場における低迷は、特に以下に対するマイナスの影響を通じて、資産運用事業に悪影響を及ぼす可能性がある。
・ Natixis Investment Managersのシード・マネー・ポートフォリオの評価。これはポートフォリオのヘッジ戦略により緩和されるであろう。
・ Natixis Investment Managersのスポンサーシップ・ポートフォリオにおける、不動産またはプライベート・エクイティの分野での実物資産の評価。これは実体経済およびマクロ経済のパラメーター(インフレ、金利等)に係る影響に起因する。
・ Natixis Investment Managersおよびその関係会社の運用資産額の水準および最終的には収益。これは、これらのファンドのオファリングにおける戦略が市場の変動に敏感なためである。
金融危機が生じるおよび/またはナティクシスおよびGroupe BPCEの格付が引き下げられる場合、ナティクシスによる特定の資金調達の利用が悪影響を受ける可能性があり、ナティクシスの流動性および貸借対照表上の適切な資産・負債管理を確保する能力は、市況の悪化により影響を受ける可能性がある。
2011年以降、ナティクシスの資金調達の構造は、ナティクシスおよびBPCE間のジョイント・ファイナンス・プラットフォームに依存している。ナティクシスは、ナティクシスのバニラ債、公募債および私募債、BPCE S.A.の仲介を通じてGroupe BPCEから発行される優先および劣後サブファンドのための中長期的な資金調達を確保している。ナティクシスは引続き、仕組み私募債による資金調達業務に関して、Groupe BPCEの中長期的な発行体である。
システミック事象(2008年および2011年の危機等)、または金融業界の1もしくは複数の関係者の不履行もしくは予想される潜在的な不履行(予想が正当であるか否かにかかわらない。)に関連した市場の混乱、またはフランスのソブリン格付に関する懸念により、特定の資金調達源が閉鎖された場合、Groupe BPCE、ナティクシスおよび銀行業界が互いにリファイナンスする能力または実体経済に対しリファイナンスする能力が損なわれる可能性がある。
このような状況において、またはGroupe BPCEの信用格付が主要格付機関により引き下げられた場合、Groupe BPCEの流動性が悪化し、その結果としてナティクシスの流動性も悪化する可能性があり、またそれらに相関する資金調達費用も悪影響を受け、金融市場契約に基づき追加の債務が生じる可能性もある。
ナティクシスは、現金流入額および現金流出額の満期の不一致のリスク、金利指数リスクならびに構造的な外国為替リスクにさらされている。特に、特定の資産および負債の場合、現金流入額および現金流出額の日付は不確実であり、事象および市況に左右される。必要に応じて、その義務を遵守するための追加の資金調達および市場からの流動性支援が必要となる可能性がある。
この多因子性のエクスポージャーは、流動性危機のシナリオでは、体系的、特異的または複合的であるかを問わず、具体化する可能性があり、その強度は様々である。これは、危機シナリオ等の指標を用いて監視および定量化されており、危機ガバナンスを含む当行グループのリスクシステムの一部としてのみ解釈することができる。この種のリスクに対処するため、ナティクシスは、流動性、有価証券および緊急時計画を実行する能力で構成される、Groupe BPCEの準備金に寄与する流動性準備金を有している。
発行体の信用度変更によるナティクシスが保有する有価証券の公正価値の変動は、ナティクシスの株主資本およびナティクシスの自己資本に悪影響を与える可能性がある。
このリスクは、その他の包括利益(OCI)において相殺され、公正価値でプルーデンシャル銀行勘定に計上される、ナティクシスが保有する有価証券と関係している。ナティクシスは、主に流動性バッファーの管理の一部としてナティクシスが保有する負債性金融商品を通じて、かかるリスクにさらされている。かかるリスクは、債務証券の発行体の信用度変更によって発生する金融資産価値の減少として現れる(CSRBB‐銀行勘定の信用スプレッド・リスク)。
参考までに、2025年12月31日現在、ナティクシスの流動性バッファーにおけるCSRBBとして測定された価値変動のリスクは、248.4百万ユーロとなった(2025年6月30日現在は246.6百万ユーロ)。こうしたストレスの安定性は、資産構成およびポートフォリオの平均残存期間に起因するものであり、これらはほぼ横ばいで推移した(残高は、2025年6月30日現在の11.36十億ユーロと比較して12月31日現在は11.14十億ユーロとなった。)。
危機の発生または再発は、信用スプレッドをさらに悪化させる可能性があり、その結果、ナティクシスの株主資本に悪影響を及ぼす可能性がある。
デリバティブのポートフォリオの公正価値には、ナティクシスの純利益および株主資本に影響を与える可能性がある評価調整が含まれる。
ナティクシスのデリバティブの公正価値は、以下を含む特定の追加調整を考慮することにより決定される。
・ 関連する取引相手方の期限の到来した支払いの不払いリスクに相当する信用リスクを、デリバティブの評価に含めることによる取引相手方の特性(CVA)
・ ナティクシスの取引相手方が負担する信用リスク(すなわち、格下げまたは債務不履行があった場合に、ナティクシスの取引相手方が被る潜在的損失)を無担保または担保が完全ではないヘッジ・デリバティブの負債の評価に含めることによる、ナティクシス自身の信用スプレッドのリスク(債務評価調整(DVA))
・ マージンコールの資金調達またはリファイナンスに関連する費用および担保されたヘッジ・デリバティブに関連する将来のイニシャル・マージンに関連する費用を、無担保または担保が完全ではないヘッジ・デリバティブの評価に含めることによる流動性の費用(資金調達評価調整(FVA))
・ リファイナンスが必要な非標準担保(通常は債券の形で計上される。)からの追加費用または利益を評価に含めることによる担保の借換え費用(「担保評価調整」(「ColVA」))これらの損益計算書に計上された追加調整は、ナティクシスの銀行業務純利益および株主資本に直接的な影響を与える。さらに、これらの追加調整は大幅に変動する可能性があり、活動および財政状態に影響を及ぼし、その結果、ナティクシスまたはそのデリバティブの公正価値に大きな悪影響を与える可能性がある。参考までに、2025年12月31日現在、損益計算書におけるCVA、DVA、FVAおよびColVAの変動はそれぞれ、マイナス105.3百万ユーロ、10.4百万ユーロ、マイナス176.5百万ユーロおよびマイナス6.5百万ユーロであった。
非金融リスク
ナティクシスは、適用される法律および規制を遵守しない場合、ナティクシスの財政状態、事業およびレピュテーションに重大な悪影響を及ぼすであろう多額の罰金その他の司法処分、行政処分、仲裁処分および刑事処分(刑事罰を含む。)を科される可能性がある。
コンプライアンス・リスクは、国内外の法的および規制条項、行動規範ならびに銀行事業特有のグッドプラクティスの基準を遵守しないことに起因する法律上、行政上または刑事上の処分のリスクとしてだけでなく、財務損失またはレピュテーションの毀損としても定義される。
銀行部門は、特に、金融市場および投資サービス・プロバイダーと顧客または投資家間の関係性を規制することを目的としたフランス国内外における部門規制の対象である。これらの規制は、ナティクシスの業務上の過程に重大な影響を及ぼす。さらに、銀行部門はまた、管轄の地方および国際機関による専門的な監督対象である。
コンプライアンス・リスクは、例えば、銀行の商品およびサービスを宣伝および販売する不適切な手段の使用、潜在的な利益相反、機密情報もしくは内部情報の開示における不適切な管理または特に金融セキュリティ(マネーロンダリング防止、テロリズムへの資金提供の防止、禁輸措置の遵守、不正防止および汚職防止)に関する新たな顧客もしくは仕入先のデューディリジェンス手続の不遵守を含む。
ナティクシスのコンプライアンス部門は、コンプライアンス・リスク防止および管理を監視する。ナティクシスは、それでもなお、ナティクシスの財政状態、事業およびレピュテーションに重大な悪影響を及ぼす可能性がある規制当局または監督当局により科せられる罰金その他の主要な制裁ならびに民事訴訟、仲裁訴訟または刑事訴訟のリスクに引続きさらされている。事業の過程で、ナティクシスは、従業員、サービス・プロバイダー、仕入先もしくは第三者の非倫理的または違法な活動もしくは行動にさらされており、これによりナティクシスのレピュテーションが損なわれ、制裁措置が課されるおそれがあり、その財政状態および事業見通しに悪影響を及ぼす可能性がある。
ナティクシスのレピュテーションは、関係を築き、顧客ロイヤルティを構築する上で重要である。その商品およびサービスの宣伝および販売にあたって不適切な手段を使用すること、潜在的な利益相反の不適切な管理、法律および規制要件、倫理規定、汚職およびマネーロンダリングに関する法、経済制裁の国際決定、情報セキュリティポリシーならびに販売および取引慣行の不遵守により、ナティクシスおよびGroupe BPCEのレピュテーションが損なわれるおそれがある。
ナティクシスの従業員またはサービス・プロバイダーによる不適切な行為、ナティクシスのコミュニケーションおよび情報システムが対象となる可能性のあるサイバー犯罪もしくはサイバーテロ、ナティクシスがさらされる可能性のある詐欺、横領その他の不正行為、または潜在的に不利な結果をもたらす裁判所の判決もしくは規制措置もレピュテーションを毀損するおそれがある。
全従業員に適用されるナティクシスの行動規範は、ナティクシスで施行される行動の一般原則をまとめており、全従業員に向けて、責務および責任の遂行にあたって求められる行動に関するガイドラインを設けている。
また、ナティクシスは、その仕入先および請負業者に対して、行動規範の基本原理に従うよう求めている。
かかる行動規範を日々実行するため、ナティクシスは、専門委員会(グローバル文化および行動委員会)との行動枠組および研修プログラムを設けた。
しかしながら、行動枠組を適用したにもかかわらず、ナティクシスは従業員、仕入先および請負業者が汚職もしくは不正行為に関する法および規定を遵守しない、または金融セキュリティ要件もしくは市場統合要件を満たさない、非倫理的または顧客にとって好ましくない活動または行動を取る可能性にさらされている。
かかる活動または行動がナティクシスに悪影響を与え、ナティクシスのレピュテーションを毀損し、ナティクシス、その従業員またはその株主が刑事罰、行政処分または民事制裁を科される可能性があり、これによりナティクシスの財政状態および事業見通しが悪影響を受ける可能性がある。
オペレーション上の失敗、すなわちナティクシスの第三者パートナーの情報システムの中断もしくは故障、またはナティクシスの情報システムの毀損により、損失およびレピュテーションの毀損が発生する可能性がある。
ナティクシスは、数種類のオペレーショナル・リスクにさらされている。これらのリスクには、過程および手続上の欠点、(外部および内部の)不正行為、システムの故障または利用不能ならびにサイバー犯罪が含まれる。
事業の性質により、ナティクシスは、その業務に大量の取引を処理することが要求され、その一部はより複雑化しているため、通信および情報システムに大きく依存している。ナティクシスは、データ交換の品質を最優先事項としているが、かかる通信および情報システムの運転停止、中断または故障は、顧客関係管理、総勘定元帳、預金および貸付取引処理またはリスク管理に使用するシステムの不具合または中断を引き起こす可能性がある。相互接続性が増大する限り、ナティクシスは、清算機関、外国為替市場、クリアリングハウス、保管機関その他の金融仲介機関または外部のサービス・プロバイダーの破綻または運営上の失敗のリスクにさらされる。その他のコントロール機能と同様に、ナティクシスのオペレーショナル・リスクの機能は、外注業務についてEBAの規制に一致したGroupe BPCEのコンプライアンス・プログラムの一環として、仕入先由来のリスクの評価に貢献している。
ナティクシスはまた、サイバー犯罪リスクにもさらされている。サイバー犯罪は、会社、従業員、パートナー、顧客および取引相手方に重大な損失を被らせることを目的とし、データ(個人情報、銀行情報、保険情報、技術情報または戦略情報)、プロセスおよびユーザーにアクセスするため、より高度な説得を実現するための人工知能に基づくものを含むデジタル上での様々な不当および/または不正な行為を犯すことを指す。あらゆる会社(特に銀行部門)の財務およびレピュテーションに重大な影響を与える可能性のある複雑かつ進化する脅威に、会社のデータ資産はさらされている。サイバー攻撃を行う犯罪組織の巧妙化が進み、規制当局および監督当局は情報通信技術(ICT)リスク管理の重要性を強調し始めている。サイバー犯罪のリスク防止はナティクシスにとって最優先事項であるため、ナティクシスは、その情報システム(IS)部門とテクノロジー・リスク管理部門間の連携を通じて、かかる当局が策定したガイドラインの実施に取り組んでいる。これにより、特に情報システム・セキュリティに関するリスクの解析が進み、全従業員のISセキュリティ問題に関する認識を向上させる広範囲にわたるキャンペーンが実施された。
2025年中、サイバー犯罪関連の事件は、ナティクシスの財政状態またはレピュテーションに重大な悪影響を与えなかった。しかし、サイバー攻撃は絶えず進化しますます高度になっており、地政学上の展開を考慮して、上記の方策は、将来ナティクシス、その従業員、パートナーおよび顧客を完全に保護するためには十分でないおそれがある。かかる攻撃の発生は、ナティクシスの顧客サービスを妨害する可能性があり、機密情報の書換えもしくは暴露または事業中断および(さらに広く見れば)ナティクシスの事業、財政状態およびレピュテーションに悪影響を与える可能性がある。
オペレーション上の問題は、テロ攻撃、自然災害または重大な健康危機等の不測の事態または壊滅的な事象の結果としても発生する可能性がある。この種の事象に対処するため、ナティクシスは事業継続計画(BCP)ならびに組織における運用面および技術面の強靭性を保証することを目的としたテクノロジー・リスク管理枠組を含むそのセキュリティ・ネットワークに依拠している。この枠組は、最近の危機管理における有効性を実証している。
ナティクシスは、通信および情報システムの中断、障害または情報システムの侵害の発生防止に努めており、特に第三者のシステムのための統制枠組を導入している。しかしながら上記事象の例外的な発生により、事業の損失、その他の損失および追加的費用が発生し、ナティクシスのレピュテーションを毀損する可能性がある。
ナティクシスのレピュテーションの毀損は、ナティクシスの競争優位性に影響を及ぼし、財政状態に悪影響を与える可能性がある。
ナティクシスのレピュテーションは、事業を行う上で極めて重要である。現在のナティクシスのレピュテーションのおかげで、ナティクシスは、顧客、従業員、仕入先、パートナーおよび投資家との信頼関係を維持することができる。
本項に記載された1つまたは複数のリスクが発生した場合、発生した回数にかかわらず、透明性の欠如またはコミュニケーション・エラーによりナティクシスのレピュテーションが損なわれる可能性がある。今日、ソーシャル・メディアの利用が拡大することで、レピュテーション・リスクがより高まっている。レピュテーション・リスクそのもののマイナスの影響に加えて、ナティクシスのレピュテーションの毀損が事業の損失を引き起こし、またはその競争優位性に影響を及ぼして、ナティクシスの財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
資産運用事業の特定の事例においては、レピュテーション・リスクおよび関連する潜在的な損失は、投資の一連の行為(投資が関係会社による各種投資ファンドの運用のレベルにあるか、Natixis Investment Managersおよび/またはナティクシスによる直接投資(すなわち、外部買収、シード・マネーおよびスポンサーシップ事業)を通じたものかを問わない。)の様々な側面と密接に関係している。ナティクシス、Groupe BPCEまたはその他の関係会社のレピュテーションに影響を及ぼすコンフィデンス・ショックの発生は、ファンドからの資金流出、運用資産の減少およびその結果としての事業収益の減少につながる可能性がある。
戦略および事業リスク
厳しい市況または経済状況は、ナティクシスの収益性および財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
資産運用およびウェルス・マネジメントならびにコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング事業は、金融市場の変化ならびに一般的にはフランス、欧州および世界の経済状況における変化に敏感である。
結果として、ナティクシスは以下のリスクに直面している。
・ ナティクシスが事業を行う主要な市場は、世界的な貿易の変化(特にコモディティおよびエネルギーの価格変動ならびに世界のサプライチェーンの逼迫)、特に関税の賦課および輸入制限により特徴付けられる米国が仕掛けた貿易戦争、地政学的状況の変化(特にウクライナおよびロシア連邦の間で続く紛争、イラン、米国およびイスラエルが関与する軍事的緊張の高まりによって最近悪化している中東の軍事紛争ならびに紅海における緊張に関連するもの)、国内情勢、フランスのソブリン格付またはその他のあらゆる種類の不確実性に関連する不確実性等より影響を受ける可能性がある。
・ 不利な経済状況がナティクシスの顧客の事業および運営に対して影響を及ぼし、貸付金および売掛金のデフォルト率の上昇ならびに不良債権のための引当金の増加につながる可能性がある。これらの引当金または計上された引当金を超える実現損失の著しい増加により、ナティクシスの業績および財政状態は悪影響を受ける可能性がある。
・ インフレが進行するマクロ経済状況下において、中央銀行の超緩和的な金融政策の終了により、金利は2022年および2023年に上昇し、そして2024年以降は徐々に低下した。中央銀行、特にECBによる調整不十分な金融引締めから潜在的に生じる可能性のある景気後退のリスクに加え、望ましくないソブリン・スプレッドの拡大に起因するユーロ圏の異なる加盟国のソブリン債間での裁定取引リスクもありうる。ECBは、2022年に分断を防ぐ措置を導入したが、これが実施されなければ2011年のソブリン債務危機の再来につながる可能性がある。
・ 債券、株式またはコモディティ市場での価格の下落は、これらの市場における事業量を低下させ、ナティクシスの収益にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
・ 様々な資産クラスの市場価格の下落、特にマネジメント・フィーが課される資産の減少により、Natixis Investment Managersの運用会社の業績に悪影響を与える可能性がある。
・ 実際のまたは予想された不利な経済状況に応じて採用されたマクロ経済方針は、意図しない影響を有する可能性があり、金利および外国為替レート等の市場パラメーターに悪影響を及ぼすことがある。これにより、最も市場リスクにさらされているナティクシスの事業の業績にも影響を及ぼす可能性がある。
・ 把握された良好な経済状況は、一般的にまたは特定の事業部門において、基礎となる原資産のなす実際の価値と相互関係のない資産価格バブルを引き起こす可能性がある。これは同様に状況が不利に傾いた際の反落の悪影響を拡大させ、ナティクシスの事業に損失を与える可能性がある。
・ 著しい経済的混乱(2008年の金融危機、2011年の欧州のソブリン債務危機、2020年のCOVID-19危機、2022年以来のウクライナとロシア連邦の軍事紛争および中東の軍事紛争、過剰な財政赤字またはフランスのソブリン格付の大幅な格下げ等)は、特に、その混乱が、ナティクシスへの融資および一定のクラスの資産の予想された市場評価価格での売却を困難にさせる、または極端な場合、そのすべての資産の売却さえ不能にさせる市場流動性の欠如によるものである場合、ナティクシスのすべての事業に対して厳しい悪影響を与える可能性がある。
・ 金利の上昇または低下は、金利リスクに対する感応度が限定的なナティクシスの事業にわずかな影響しか与えない見込みである。参考までに、2025年12月31日現在で、2022年10月の最新のガイドラインにおいてEBAにより定義される6つの規制上のストレス・シナリオに従った金利の(規制フロアと)平行的な下方への推移およびスティープ化に対するナティクシスの連結範囲内の主要な事業体の経済価値の感応度は、マイナス76百万ユーロ未満であり、すなわち、ナティクシスのTier1資本の0.5%未満の影響となった(上方および下方ショックの結果の非対称性は、EBAのクロス・カレンシー集計規則の適用に関連している)。しかし、金利変動がGroupe BPCEの他の事業(特にリテール・バンキングおよび個人向け保険)に及ぼす影響は、ナティクシスに割り当てられる資金に不利な結果をもたらし、ナティクシスの事業、業績および資金比率の管理に影響を及ぼす可能性がある。
戦略計画の目標の一部は達成できない可能性があり、これによりナティクシスの事業、財政状態および業績が潜在的に重大な影響を受ける可能性がある。
2024年6月、Groupe BPCEは、その戦略計画VISION 2030を提示した。このプロジェクトは、2030年を目標とする当行グループおよびその事業分野の主要な戦略的優先事項の概要を示し、2026年の商業、財務および非財務目標を伴っている。ナティクシスコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング(Natixis CIB)ならびにNatixis Investment Managers(Natixis IM)は、Groupe BPCEの戦略計画、特に多角的な成長という目標に全面的に貢献している。
人材に牽引され、Natixis CIBは、多角的な成長、転換の中心でのポジショニングおよび適合モデルを通じて、重要な専門分野で世界的なリーダーとなることを目指している。この目標は、以下の分野の発展に基づいている。
・ 特に、顧客のニーズをより良く満たすためのカバレッジ、アドバイザリーおよびM&A業務の強化、ならびに、特に北米、アジア太平洋および中東を中心とした国際展開の加速による重要な専門分野において、世界的なリーダーの一員として地位を確立するためのフランチャイズの持続的な成長
・ 戦略的対話およびESGアドバイザリー・サービスの展開により、転換の中心に位置づける。
・ 特にインフラにおいて、組成能力の強化を可能にする、販売の増加による「販売に向けた組成」モデルの拡大
Natixis IMの2030年の目標は、顧客のニーズをすべて満たすように設計された積極的かつ確信に基づく投資戦略およびソリューションを提供し、顧客の好ましいパートナーとなることである。この目標は、以下の分野の発展に基づいている。
・ 販売プラットフォームの強化を継続することにより、適合販売モデルによってリーチを拡大させた。
・ 個人資産プラットフォームの開発を含む、顧客の目標に合ったアクティブな投資戦略とソリューションの範囲の拡大
・ 特に、保険等のキャプティブ資産の管理へノウハウを拡大することを可能にする新たなパートナーシップを構築することにより、各戦略的専門分野でクリティカルマスを達成した。
・ 組織の簡素化、インフラの産業化および新技術への多大な投資による業務効率の向上
これらの発展に係る優先事項を達成できない場合、もしくは誤って実行した場合、戦略計画で定義されているように、ナティクシスの財務軌道にマイナスの影響を及ぼす可能性ならびに/またはナティクシスおよびその事業分野のレピュテーション・リスクにつながる可能性がある。
特にモデルの使用に基づいたナティクシスのリスク測定枠組の機能不全時には、ナティクシスは未確認または予期せぬリスクにさらされる可能性があり、これによりナティクシスの業績および財政状態に悪影響が及ぶ可能性がある。
モデルの使用に基づいたナティクシスのリスク測定枠組は機能しなくなるおそれがあり、ナティクシスを未確認または予期せぬリスクにさらすことで、大きな損失につながる可能性がある。
モデルに頼ることが多いリスク管理技術は、特定の種類のリスクに対して不十分であることが明らかになる可能性がある。例えば、ナティクシスがリスク管理に使用する格付またはVaRの測定モデル*(「(2) リスク管理-(e) 市場リスク-③ 市場リスクの測定方法」に定義される。)のいくつかは、過去の市場行動の観測に基づいている。その後、ナティクシスは、そのリスク・エクスポージャーを数量化するため、主にこれらの観測について統計的な分析を実行する(リスク管理枠組の詳細については、「(2) リスク管理-(e) 市場リスク-④ 定量的市場リスクの測定データ」を参照のこと。)*。使用される測定基準およびツールは、ナティクシスが自身の統計モデルにおいて予測しない、正確に評価しないもしくは考慮しない可能性があるという要因の結果として、または予期していなかった前例のない市場動向を要因として、将来のリスク・エクスポージャーに関する不正確な結論を生じさせる可能性がある。このため、ナティクシスのリスク管理能力が低下する可能性がある。
さらに、ナティクシスの数量的モデルは、すべてのリスクを考慮するものではない。特定のリスクは定性的な分析の対象となるが、これが不適切であることが判明し、ナティクシスを予期せぬ損失にさらす可能性がある。
ナティクシスは、買収またはジョイントベンチャーについては、ナティクシスの対外的な拡大方針を実装しかつ新しい事業体を統合する上で困難に直面する可能性があり、これによりナティクシスの収益性に悪影響が及んだり、損失を被ったり、またはそのレピュテーションが毀損される可能性がある。
ナティクシスは、対外的な拡大またはパートナーシップの機会を検討する可能性がある。ナティクシスは、買収する企業または参加予定のジョイントベンチャーの綿密な分析を行う予定であるが、一般的にはこれらを徹底的に評価することは不可能である。結果として、ナティクシスは当初は予想していなかったコミットメントを負担しなければならない、またはリスクを負う可能性がある。同様に、買収した企業またはジョイントベンチャーの実際の業績が期待外れであることが判明する可能性、予想したシナジーの全部もしくは一部が達成されない可能性、または費用が予想以上に著しくかさむ可能性がある。ナティクシスはまた、予想を上回る統合費用等、新しい事業体を統合するにあたって困難に直面する可能性もある。発表した対外的な拡大への活動の失敗または新しい事業体もしくはジョイントベンチャーの統合は、ナティクシスの収益に重大な影響を及ぼす可能性がある。
特に、これらの対外的な拡大に向けた取引の期間中ののれんの計上は、収益の悪化が継続しているときの(定期考査の間の)財務諸表上の減損または売却時の損失の計上につながる可能性がある。2025年12月末現在、ナティクシスののれんは3.162十億ユーロであり、そのうちコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングは141百万ユーロならびに資産運用およびウェルス・マネジメントは3.022十億ユーロであった。ジョイントベンチャーの場合は、ナティクシスの管理が及ばないシステム、統制および人材に依存している限り、ナティクシスは追加のリスクおよび不確実性にさらされ、またこのために、責任を負い、損失を被りまたはレピュテーションが悪化する可能性がある。さらに、ジョイントベンチャーにおけるナティクシスとパートナー間の対立または意見の不一致は、ジョイントベンチャーの一部として追及される利益にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
また、対外的な拡大に伴う取引に関連する訴訟が生じる可能性があり、訴訟により統合プロセス、財務上の利益または期待されるシナジー効果に不利な影響が生じる可能性がある。
気候リスクおよび環境リスクの物理的要素および移行的要素ならびにそれらが経済プレーヤーへ及ぼす影響は、ナティクシスの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
気候リスクおよび環境リスクとは、気候変動および環境悪化の財務・非財務的影響をいう。これらのリスクには、直接的なもの(すなわち銀行自体の営業に関連するもの)および間接的なもの(すなわち銀行の顧客および取引相手方に関するもの)があり得る。これらは、事業経営の一環として通常監視されるリスク(信用リスク、オペレーショナル・リスク、市場リスク等)を悪化させる要因であり、また、ナティクシスにレピュテーション・リスクをもたらす可能性もある。
気候リスクおよび環境リスクについては、物理的リスクと移行リスクとを区別すべきである。
・ 物理的リスクは、異常気象事象(熱波、地滑り、洪水、遅霜、火災および暴風雨、または水質、土壌および大気の汚染、または水不足等)(異常気象の深刻度および頻度は気候変動により増大する。)のみならず気候または環境の長期にわたる緩やかな変化(降水率の変化、海水位および平均気温の上昇、または生物多様性の喪失および天然資源の枯渇等)により発生する経済コストに相当する。これらのリスクは、経済プレーヤーの活動に直接的影響(資産の損害および入手難、流通および供給能力の障害等)またはマクロ経済環境を通じての間接的影響(生産性の低下、地域の経済的魅力の減少等)を及ぼし、財政状態を悪化させ、経済資産の評価額を低下させる可能性がある。
・ 移行リスクは、より持続可能かつ低炭素型経済への移行の結果起こり得る規制の変更、技術の躍進、または利害関係者(顧客、従業員、市民社会等)の予想に変化をもたらす社会・人口動態の変化に関連する。これらの変化は、ビジネスモデルの全部または一部に疑問を投げかけ、経済プレーヤーに多大の投資の必要性をもたらす可能性がある。また、これらの変化は、移行の目的に合致しない経済資産の評価額の損失をもたらし、事業部門の次元でマクロ経済に影響を及ぼす可能性もある。
気候リスクおよび環境リスク(物理的リスクまたは移行リスク)が取引相手方に及ぼす影響は、財務に関連するリスクの増大を通じて、ナティクシスに財務損失をもたらすおそれがある。また、ナティクシスは、気候リスクおよび環境リスクのリスク要因に関連するオペレーショナル・リスク、レピュテーション・リスク、コンプライアンス・リスクまたは法的リスクへのエクスポージャーが増大するために財務損失を被る可能性もある。
法規制の動向は、ナティクシスおよびナティクシスが活動する環境に重大な影響を及ぼす可能性がある。
法律および規制は急速かつ継続的に進化している。こうした変化により、ナティクシスはその事業の適応を余儀なくされる可能性があり、これによりナティクシスの業績および財政状態が影響を受ける可能性がある(資本の増加または総資金調達費用の増加等)。
かかる方策のうち、適用された、または適用される可能性があるものは、すべてを網羅してはいないものの、いくつかは以下のとおりである。
・ 特定の種類の商品または事業の禁止または制限。これにより、ナティクシスの収益源の多様性が部分的に影響を受ける。
・ 内部統制の要件の強化。これにより、リスクの監視およびコンプライアンスの目的のために人材および技術資源への多大な投資が必要となる可能性がある。
・ 資本要件の枠組の修正および内部計算モデルへの投資の必要性。例えば、欧州におけるバーゼル規制に関する変更(特に改訂されたバーゼル3)により、特定の業務のリスク加重資産の計算モデルまたは流動性比率の見直しにつながる可能性がある。この改革は、一部の例外を除き、2025年1月1日から適用されている改正欧州立法コーパスCRR(規則(EU)第575/2013号)で実施される。
・ 欧州委員会が提案したベンチマーク規制(2016年6月8日付規則(EU)第2016/1011号。2025年5月7日付規則(EU)第2025/914号により改正)を変更し、適用範囲および負担を変更する可能性がある。
・ 特に持続可能な開発および低炭素経済への移行に関連して、環境、社会およびガバナンスのリスクを特定、測定かつ管理するための新たな規範的規定の導入(例えば金融商品規制の改正、情報開示要件の強化)
・ 個人データ保護およびサイバー・レジリエンス要件の強化。特に2025年1月17日からすべてのEU加盟国において適用されているDORAパッケージ(デジタル・オペレーショナル・レジリエンス法、規則(EU)第2022/2554号)の適用を通じて行う。
・ 2027年12月11日から適用されるサイバー・レジリエンス法(規則(EU)第2024/2847号)によりサイバー・レジリエンス要件を強化し、接続されたデジタル製品にセキュリティ要件を課す。
・ フランスのグリーン産業法(2023年10月23日付第2023-973号)の要件を実施するグリーン産業
・ リスク管理および監督上の検証・評価プロセス(SREP)における環境、社会およびガバナンス・リスクの考慮の改善。すなわち、欧州企業のサステナビリティ報告および情報開示義務を簡素化することを目的とした欧州の規制規定、注意義務に関するCSRD(企業サステナビリティ報告指令)およびCSDDD(コーポレート・サステナビリティ・デューディリジェンス指令)を改正するオムニバス指令案、EUタクソノミー、SFDR(サステナブル・ファイナンス開示規制)の改正
・ 特に2023年4月18日に公表された欧州委員会の提案に従った、銀行危機管理および預金保証枠組(CMDI)の強化。欧州議会の本会議によって2024年4月に採択されたこの提案により、預金保証・破綻処理基金のより広範な利用につながり、当行グループの預金保証・破綻処理基金への拠出が増加する可能性がある。2025年6月25日、欧州連合の理事会および議会は、この提案について政治的合意に達したと発表した。これはまだ技術的なレベルで最終調整が必要であり、その後理事会と議会によって正式に採択される。
・ EMIR規制の見直し(2024年12月4日にEU官報において本文が公表された、「EMIR3.0」の見直し。すなわち、2024年11月27日の欧州議会および欧州理事会の規則第2024/2987号(2024年12月24日に施行された。)ならびに2024年11月27日の指令第2024/2994号(2026年6月25日までの国内法化が必要とされる。))の一環として、新たな義務を導入。特に、欧州の経済プレーヤー金融機関が顧客に対して求める情報要件、株式オプション制度およびEUのクリアリングハウスにおける活動口座の資金調達に関する要件の較正である。
・ リスク保有要件を明確化し、EUにおける好調、安全かつ健全な証券化市場の発展に貢献するための、EBAにより公表された規制技術基準(RTS)の実施(2022年4月12日にEBAが公表)
・ 金融商品市場指令および金融商品市場規則の本文の改正に起因する新たな規定の適用。すなわち、第2次金融商品市場指令を改正する指令第2024/790号(2025年9月29日までの国内法化が必要とされる。)および金融商品市場規則を改正する規則第2024/791号(2024年3月28日に施行された。)
・ 特に2023年5月24日に欧州委員会により発表された一般投資家の利益の優先および資本市場同盟に対する信頼の強化を目的とする一般投資家向け戦略を通じた、一般投資家の保護の強化
・ 暗号資産の出現、中央銀行のデジタル通貨に関する議論およびロボット化に関連する、または決済サービスおよびフィンテックにおける技術開発に起因するデジタル化および技術革新についての規制の変更、創設または強化
・ 人工知能の利用の規制(特に、すべての経済分野に適用される人工知能システムに関する規則を定めた、人工知能に関する2024年6月13日の欧州議会および欧州理事会の規則(EU)第2024/1689号(AI法)が2024年7月12日にEU官報において公表されたことによるものである。)かかるAI法に関する規則は、2024年8月1日の施行から24ヶ月後に全面適用される。例外として、禁止される人工知能システムの禁止は施行から6ヶ月後に適用され、汎用目的型人工知能に関する義務は施行から12ヶ月後に施行される。
・ 特に一般投資家向け戦略における仲介機能の流れに沿った銀行モデルへの転換および決済サービス指令2(PSD2)といった欧州の「オープンバンキング」または「オープンファイナンス」を目指した取組みの競争の激化
・ 銀行に対して、欧州の銀行システムの安定性を保証するため、ならびに公共財政および実体経済に対する銀行破産の影響を限定的にするための多大な財政貢献の要求
・ 欧州レベルでの金融取引税の導入
・ 指令、銀行に直接適用される規則ならびに新しい欧州のマネーロンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CTF)の監督機関の構築から構成される、2024年5月31日の欧州AMLパッケージの導入に従った新しい義務の負担
また、ナティクシスは、その様々な管轄区域において、複雑かつ変化に富んだ税制に従っている。適用ある税制の変更、かかる変更の解釈についての不確実性またはそれらの影響により、ナティクシスの事業、財政状態、費用および業績は悪影響を受ける可能性がある。
この法的および規制環境の変化の中で、これらの新たな措置がナティクシスに対してどのような影響を及ぼすか予想することは困難である。さらにナティクシスは、プログラムを更新または開発してこれらの新たな法的処置および規制措置に対処するため、またはそれに対応し、もしくはそれに備えて、情報システムを更新および開発するための膨大な費用を被り、かつ今後も被る可能性がある。かかる施策にもかかわらず、ナティクシスはまた、すべての適用ある法律および規制を完全に遵守することができない可能性があり、ナティクシスは罰金または行政処分を受ける可能性がある。
ナティクシスが適任の従業員を惹きつけ、定着させられる能力は、事業の成功において不可欠であり、これが実現できなければ、業績および財政状態に重大な影響を及ぼすおそれがある。
12月31日現在、ナティクシスは、世界中で15,380名の(有期および無期雇用契約の)従業員(金融投資を除く。)を雇用しており、その所在地は、48.3%がフランス、23.2%がEMEA地域、19.7%が南北アメリカ大陸および8.8%がアジア太平洋である。勤労学生およびVIEを含めると、ナティクシスは合計16,183名の従業員を擁している。ナティクシスの業績は、これらの人々に密接に結びついている。実際にナティクシスの事業モデルは、適任の従業員の雇用を要する専門事業分野に基づいている。さらに、2008年の金融危機に関連するより厳しい規制要件により、ひっ迫した求人市場(希少性かつモバイルプロファイル)を利用する必要のある専門分野において、ナティクシスの事業分野の規制に対する強化および規制への対応を行う必要が生じた。ナティクシスの成功は、経営陣、リーダーまたは従業員となる主要な人々を定着させる能力ならびに継続して適任の専門家を強く惹きつける能力に部分的に依拠している。高い労働移動率または人材の流出は、ナティクシスの重要分野におけるスキルおよびノウハウに影響を与えるおそれがあり、ナティクシスの事業の見通しが縮小して財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
また、金融部門は、従業員の報酬政策、特に変動報酬の決定方法および支払方法に関する特定の規制上の枠組の対象となっている。世界中に適用されるこれらの規制は、ナティクシスの人材を惹きつけかつ定着させる能力を制約する可能性がある。銀行の業務の開始および遂行ならびに銀行および投資会社の健全な監督についての2013年6月26日の欧州議会および理事会の指令2013/36/EU号(「CRD4」)は、2014年から、欧州経済領域(「EEA」)の機関に適用され、またCRD4を改正する2019年5月20日の欧州議会および理事会の指令2019/878/EU号(「CRD5」)は、2021年1月から施行され、特に報酬についてその固定部分に関連して変動部分の上限ならびにかかる報酬の変動部分の繰延、条件付きおよび指数付き支払いを定めている。この制約により、特にEEA域外において、これらの規制要件の対象外である現地の競合他社に対峙した場合に、ナティクシスの魅力的な報酬水準および構造を提供する能力、ひいては従業員を惹きつけかつ定着させる能力が低下する可能性がある。
2021年以降、ナティクシスは、ハイブリッド・ワーキングを認める方針を導入している。例として、フランスでは、1ヶ月当たり最大10日のリモートワーク制度があり、これにより従業員は月平均で8日はリモートで仕事をしている。このハイブリッド・ワーキング・メソッドは、集団のパフォーマンスと魅力の両方を促進し、自律性を促進する柔軟な働き方を求める人材の採用と定着を可能にする。ナティクシスが従業員の期待に応えてその組織を適応させることができなかった場合、当行の従業員を定着させる能力、または新しい人材(特に高い経歴を有する人材)を惹きつける能力に影響を及ぼす可能性があり、また、彼らの満足度を低下させ、その結果サービスの質および業績に影響を及ぼす可能性がある。
ナティクシスの有価証券の保有に関するリスク
Groupe BPCEが破綻処理手続の対象となった場合、ナティクシスの証券保有者および特定のその他のナティクシスの債権者は、損失を被る可能性がある。
信用金融機関および投資会社の再建ならびに破綻処理に関する枠組を設定するEU指令第2014/59号(「BRRD1」)は、単一の破綻処理メカニズムおよび単一の銀行破綻処理基金に基づく信用金融機関の破綻処理に係る規則および統一的な手続を策定した2014年7月15日付EU規則第806/2014号の規定にフランス法を適応させた2015年8月20日付政令第2015-1024号により、フランス法として国内法化された。このBRRD1は、金融システムに付随するシステミック・リスクに対処し、特に危機発生時の政府による財政的な介入を回避するため、破綻処理当局に「ベイルイン」の権限を与える単一の破綻処理メカニズムを設定することを主な目的としている。2019年5月20日付EU指令第2019/879号(以下「BRRD2」といい、BRRD1と併せて、以下「BRRD規則」と総称する。)はBRRD1を改正し、2020年12月21日付政令第2020-1636号によりフランス法として国内法化された。特に、BRRD規則において規定された権限により、破綻処理当局は、BRRDの対象となる金融機関または金融機関が属するグループが債務不履行に陥り、または陥りそうになった場合、当該金融機関の有価証券および適格債務について、減額、消却または株式への転換を行うことができる。この「ベイルイン」のメカニズムの利用可能性に加え、BRRDは、破綻処理当局に対してより広範な権限を付与しており、破綻処理当局は特に、(1)事業体に対して、認可の条件を遵守し、市場から十分な信頼を得て承認された活動を継続するために、(必要な場合)当該事業体の法形式を変更することによって、当該事業体の資本を増強するよう強制することができ、また、(2)債権もしくは負債性金融商品の価値を低下させ、資本化のためにブリッジ機関に譲渡する目的で、もしくは事業売却の一環として債権もしくは負債性金融商品を持分証券に転換し、または資産運用ビークルに対して償還請求権を行使することができる。
2025年12月31日現在、ナティクシスのCET1資本(普通株式等Tier1)は、予想される分配の純額で12.6十億ユーロ、Tier1資本合計は15.5十億ユーロ、規制上のTier2資本は3.1十億ユーロとなった。
BPCEに関連する機関として、つまりフランス通貨金融法典第L.511-31条の意味におけるGroupe BPCEの中央機関として、またすべてのGroupe BPCE関連会社および中央機関を結束する完全な法的連帯によって、BPCEおよびNatixis S.A.を含むGroupe BPCEのすべての関連会社が債務不履行に陥った場合にのみ、Natixis S.A.は破綻処理措置の対象になる可能性がある。Natixis S.A.を含むGroupe BPCE全体の財政状態が悪化した場合、または悪化しているようにみえた場合、BRRDが提供する破綻処理措置の実施が、Natixis S.A.が発行する有価証券の市場価値をより急速に下落させる可能性がある。
BPCEおよびNatixis S.A.を含むそのすべての関連会社が破綻処理手続の対象となった場合、BRRDによって破綻処理当局に与えられた権限の行使の結果として、Natixis S.A.の証券保有者は損失を被る可能性があり、同当局は以下のことを行う可能性がある。
・ Natixis S.A.の持分金融商品および適格金融商品の全部または一部の減損の実施。これにより、これらの商品の価値のすべてまたは一部の損失につながる。
・ 適用対象となる金融商品の全部または一部のNatixis S.A.の株式への転換。その結果、希望していないにもかかわらずNatixis S.A.の株式を保有することとなり、これらの株式を転売した場合に経済的な損失が生じる可能性がある。
・ 商品の金銭的条件および償還条件を変更できる適格金融商品の契約上の条件の変更。かかる変更が利率の低下または満期の延長につながり、上記金融商品の価値に悪影響を与える可能性がある。
さらに、Groupe BPCEレベルにおける破綻処理措置の実施は、これらの金融商品について要求される支払いを行うNatixis S.A.の能力、より一般的には、第三者に対する支払義務を履行する能力に重大な影響を与える可能性がある。実際に、Natixis S.A.が発行プログラムに基づき発行する債券は、(フランス通貨金融法典第L.613-30-3-I 3°条にいう)Natixis S.A.による一般、無担保かつ上位の契約上の義務に該当する。これらの有価証券は、劣後の債権および負債性金融商品(普通株式等Tier1資本証券、追加的Tier1資本証券およびTier2資本証券)が「ベイルイン」措置の対象となった場合、最後の手段としてその対象となる可能性がある。いかなる場合においても、持分証券の保有者は、Natixis S.A.の減損による影響を最初に受ける。
(2) リスク管理
(a) ナティクシスの内部統制枠組の組織
ナティクシスの内部統制枠組は、法的要件および規制要件に従い、様々な業務に内在するリスクの計測、監視および管理を保証する機関によって実施されるすべての手順を網羅する。かかる枠組は、銀行部門、支払サービス部門および投資サービス部門の企業の内部統制に関する2014年11月3日付フランス省令に定められる規定に準拠している。
かかる内部統制枠組は、出資企業グループにより行使される統制枠組の範囲において、リスクに対する統合されたアプローチを保証することを目的とし、BPCEが規定した原則に基づき構築される。
その目的は、当行の社内業務の有効性と質、社内および社外に配布される会計および財務情報の信頼性、業務の安全性ならびに法律、規則および社内規定の遵守を確実にすることである。
① 内部統制枠組の概要
ナティクシスの内部統制枠組は、以下の事項で構成されている。
・ 内部手続ならびに法的要件および規制要件に従い、業務スタッフ自身が責任を有する処理業務に関して行う第一段階の永久統制(FLPC)(「④ 第一段階の永久統制」を参照のこと。)
・ 業務スタッフから独立した、5つの部門によって行われる第二段階の永久統制(SLPC)(「⑤ 第二段階の永久統制」を参照のこと。)
・ 上級経営委員会の構成員である最高リスク管理責任者が代表を務めるリスク部門の統制部門は、事業活動に内在するリスク、とりわけ信用リスクおよび取引相手方リスク、市場リスク、構造的な貸借対照表上のリスク、オペレーショナル・リスクならびにモデル・リスクについて測定、監視および管理する責任を有する。
・ 上級経営委員会の構成員であり、コンプライアンス、法務、セキュリティ、ガバナンスおよび規制関連業務を担当する相談役に直属するコンプライアンス部門は、とりわけ第二段階の統制の実施によるコンプライアンス・リスクの統制(特に、顧客保護、商品管理、職業倫理および行為、市場の透明性および健全性(市場における不正行為を含む。)、顧客デューディリジェンス(KYC)ならびに金融セキュリティのリスク分類に関連するもの)に関して責任を有する。コンプライアンス・リスクに加えて、当該部門は、特定のオペレーショナル・リスクに対する第二段階の永久統制を行う。さらに、当該部門は、推奨される是正措置について、業務の事業分野および支援部門による実施を監視する*(コンプライアンス・リスクに関する詳細については、「(h) コンプライアンス・リスク」を参照のこと。)*。データ保護に特化した統制は、DPO(データ保護責任者)が直接行っている。
・ 上級経営委員会の構成員であり、コンプライアンス、法務、セキュリティ、ガバナンスおよび規制関連業務を担当する相談役に直属するセキュリティ部門は、テクノロジー・リスクについて管理する責任を有する。かかるリスクは、情報システム・セキュリティ、IT計画および開発、ガバナンスおよび戦略、またはIT生産活動に関係することがある。そのため、当該部門は、方針および規則を規定し、第二段階の統制を行い、関連するリスクの評価および管理を監督する。また、当該部門は、データ保護責任者(DPO)が行うデータ保護の統制、および事業継続マネージャー(BCM)が行う事業継続の統制も管轄下に置く。
・ 機能としては最高財務責任者に直属し、2026年1月1日現在、階層としては永久統制調整部門の部門長に直属する永久財務統制部門は、Groupe BPCEの財務統制部門の規制およびガイドラインに従い、主に以下の点に責任を有する。
・ 財務情報(法定、健全性、規制および税務報告)に関連する内部統制システムの信頼性および有効性を保証する。
・ 具体的な助言を作成し、財務情報の質の継続的な改善に貢献する。
・ Natixis CIBおよびAWMの2つの内部監査部門が請け負う定期統制。かかる部門は、調査を通じて、業務のコンプライアンス、実際に発生したリスクのレベル、手続の遵守ならびに内部統制枠組全体の有効性および適切性を定期的に確認する。Natixis CIBおよびAWMの内部監査部門は、それぞれの最高経営責任者および最高経営責任者代理に直属する。Natixis CIBおよびAWMの内部監査については、ナティクシスの取締役会のリスク委員会の議長らに監督され、AWMの内部監査については、Natixis Investment Managersの内部統制およびコンプライアンス部門のリスク委員会の議長らに監督される。ナティクシスは、BPCEの一般的調査部門の監査計画にも含まれる。
ナティクシスは、当行全体における内部統制枠組の一貫性を保つために統制に携わる機能を世界的規模で体系化している。子会社または事業分野における第二段階の永久統制および内部監査に携わる機能は、階層としては事業分野およびプラットフォームに直属し、機能としては該当するナティクシスの中央統制部門に直属する。プラットフォーム内の内部監査機能は、階層としては該当するナティクシスの中央統制部門に直属し、機能としては事業分野およびプラットフォームに直属する。
かかる構造の目的は、以下の原則を遵守していることを確実にすることである。
・ とりわけ会計担当チームにおける、取引の実施に責任を有する部署と取引の承認に責任を有する部署との間での職務の厳密な分担
・ 取引を請け負い、認証する責任を有する業務および職務に関する部署とそれらを統制する部署との間での厳密な独立性
統制機能調整委員会は、業務全体の調整を行う。(「② 統制機能調整委員会」を参照のこと。)
業務執行取締役は、取締役会の監督の下、ナティクシスの内部統制枠組全体の実施について責任を負う。そのため、自らに直属するリスク管理、永久統制、コンプライアンスおよび内部監査の各担当部長を指名する責務を負う。
取締役会は、すべての重大なリスク、またそれに加えて決定されたリスク管理方針および変更について、取締役会のリスク委員会から直接またはかかる委員会を経由して定期的に報告を受けている。
■ ナティクシスの内部統制枠組の組織
<> <img width={643} height={395} id="図 6" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image006.jpg" /> </>
② 統制機能調整委員会
統制機能調整委員会(CFCC)は、ナティクシスの最高経営責任者またはコンプライアンス、法務、セキュリティ、ガバナンスおよび規制関連業務を担当する相談役が議長を務める。特に当該委員会は、最高リスク管理責任者、コンプライアンス・ディレクター、内部監査ディレクター(CIBおよびAWM)、BPCEの永久統制調整マネージャーならびに第一および第二防衛ライン機能すべての代表者をまとめている。
CFCCは、以下のとおり全体の内部統制枠組を調整する。
・ ナティクシスの内部統制システムの調査、リスクに基づくアプローチの策定およびナティクシスの業務のセキュリティ強化に適切なソリューションの提案を行う。
・ 組織および統制業務の計画に関するあらゆる問題、特に年次統制計画の検証および監督を取り扱う。
・ 新規のまたは反復的なリスク分野を洗い出し、重大な欠陥を発見した場合は執行機関に報告する(例えば、失効した主な是正措置のフォローアップを実施する。)。
・ 効果的かつ一貫性のある統制枠組を確保するために実施される行動計画を定期的に検証し、余念なく行動計画を監視する。
・ 内部または外部の統制機能の担当者または規制当局により実施された統制業務の概要を執行機関に提供し、それらの結果を業務の事業分野に確実に検討させる。
内部監査および外部監査の結果によって補完される、かかるシステムの下実施される統制の結果は、取締役会の派生機関である監査委員会およびリスク委員会を経由して取締役会に報告される。
③ 永久統制の調整
調整機能の役割は、以下の3つの側面にまたがる。
・ 指揮:現在運用中の統制管理の確立を可能にするために、戦略的な刺激を与え、方針、基準または手続を設定および導入する能力
・ 監視:指標報告のために体系化されたプロセス、および定期的に正しく更新され、適切な範囲を網羅しているダッシュボードへのアクセスを通じて、業務を監視する能力
・ 統制:指令および積極的な調整に必要なリソースを用いて、適切な遂行を保証する能力
④ 第一段階の永久統制
第一段階の永久統制は、内部手続ならびに法的要件および規制要件に従い、事業分野またはその活動に関する支援部門によって実施される。業務スタッフは以下のことに責任を有する。
・ 実施された業務の文書記録
・ 第一段階の統制およびその内容(文書作成、監査証跡)の実施
・ 第一段階の統制の結果の分析
・ 当該結果に基づく、第一段階の行動計画の策定および実施
・ 第一段階の統制の年次計画の監視
⑤ 第二段階の永久統制
第二段階の永久統制は、事業分野または支援部門から独立した5つの部門が行い、以下のことに責任を有する。
・ 第一段階および第二段階の統制手続の文書記録を最新の状態に保つことを保証する。
・ 現在適用している統制基準および手続が当行で正しく適用されていることを保証する。
・ 第二段階の統制の年次計画を監視し、統制がより信頼できるものになるよう規定し、選択されなかった統制の付属書類を使用できるよう保証する。
・ テーマ別統制に加えて、各統制向けに規定された手続に沿って第二段階の統制を実施する。
・ 統制を再現することで第一段階の統制の信頼性を保証し(統制の信頼性)、また差異を減らすために是正措置の実施を保証する。
・ 事業体の全範囲の統制の結果を統合および分析する。
・ マッピングおよび現在の統制において評価されるリスクの範囲が適切であることを保証する。
・ マッピングを実施し、その経過を観察した後、リスク統制枠組の強化を目指した行動計画を事後検討する。
・ 第二段階の報告書を作成する。
⑥ 定期統制
2014年11月3日付改正フランス省令の意味における第三段階の統制(内部監査機能)は、Natixis CIB(CIB業務および横断的統制機能のため)およびAWM(Natixis IM、その関係会社およびNatixis WMの業務のため)の2つの内部監査部門により実施される。
そのため、当該部門はすべてのナティクシスの経営上および職務上の事業体から独立しており、業務上の役割を委託されることはない。したがって、利益相反の立場に立つことも一切ない。
当該部門は、それぞれの事業体の最高経営責任者に直属し、Natixis CIBの内部監査についてはナティクシスの取締役会のリスク委員会、AWMの内部監査についてはナティクシスの取締役会のリスク委員会およびNatixis IMの内部統制およびコンプライアンス部門(CRIC)のリスク委員会のそれぞれの議長に監督される。
内部監査機能について責任を有するNatixis CIBおよびAWMの内部監査部門長は、Natixis CIBの内部監査についてはナティクシスのリスク委員会および監査委員会、Natixis AWMの内部監査についてはナティクシスのリスク委員会、Natixis IMのCRICおよびNatixis IMの監査委員会の客員常任委員である。そのため、当該部門長は、Natixis CIBの内部監査についてはナティクシスの取締役会のリスク委員会、AWMの内部監査についてはナティクシスの取締役会のリスク委員会およびNatixis IMのCRICの議長と直接会うことができる。
BPCEの監査憲章に基づき、Natixis CIBおよびAWMの内部監査部門長は当行グループの一般的調査部門に直属する。かかる同様の方針に基づき、ナティクシスの内部監査部門はその範囲内で全体的な監査機能を調整し、Groupe BPCEの内部監査機能の一部となっている。
内部監査部門は、そのすべての活動およびプロジェクトについて、ナティクシスのリスク委員会に報告し、リスク委員会は、かかる報告を受け、ナティクシスの取締役会へ概括報告書を提出する。AWMの内部監査部門も、そのすべての活動および業務についてNatixis IMのCRICに報告し、Natixis IMのCRICは、かかる報告を受け、Natixis IMの取締役会へ概括報告書を提出する。
当該部門は、ナティクシスの全範囲(Natixis S.A.、子会社および支店)にわたり、様々な事業分野に関連するすべてのリスク区分を対象に、監査業務という形で業務を遂行しており、いかなる制約または職務上の守秘義務も課せられない。当該部門は、すべての情報(機密か機密でないかを問わず)を完全かつ無制限に入手できる。その調査領域は、業務活動のすべて、支援部門(事業体において永久統制任務を担当する職務部門を含む。)および外部委託活動を含む。すべての事業分野に関して、かかる監査は、監査過程における既存の統制のポイントの適切性の評価、また、関連する活動より生じるリスクの評価につながる。当該部門は、業務部門および第二段階の永久統制機能により、この分野において反復的に行われる業務に基づいている。監査は、監査されるリスクの統制および管理枠組を強化する、優先順位をつけた助言へとつながる。
Natixis CIBの内部監査報告書は、BPCEの業務執行役員会会長、一般的調査部門、ナティクシスのリスク委員会の議長および上級経営陣ならびに監査された部署に対して提出される。同様に、AWMの内部監査報告書は、AWMを担当しNatixis IMの最高経営責任者でもあるナティクシスの最高経営責任者代理、BPCEの一般的調査部門および被監査者に提出される。Natixis CIBの内部監査の概括報告書は、ナティクシスの上級経営陣およびナティクシスのリスク委員会に提示される。AWMの内部監査については、AWMを担当しNatixis IMの最高経営責任者でもあるナティクシスの最高経営責任者代理、ナティクシスのリスク委員会およびNatixis IMのCRICに、その概括報告書が提示される。
AWMの内部監査部門と連携し、Natixis CIBの一般的調査部門は、定期的に助言の実施を監視し、ナティクシスの上級経営委員会、リスク委員会およびナティクシスの取締役会に対して監査結果を提示する。この点において、CIBおよびAWMの内部監査部門は、デューディリジェンスおよびフォローアップの職務を実施する。
AWMの内部監査部門はまた、定期的に助言内容の実施を監視し、Natixis IMの上級経営委員会およびNatixis IMのCRICに対して監査結果を提示する。
内部監査部門の活動は、Natixis CIBの内部監査についてはナティクシスの上級経営委員会、AWMの内部監査についてはNatixis IMの様々な委員の助言を受けた後、BPCEの一般的調査部門の承認のため提出された、年次の監査計画に基づいている。当該年次計画は、干渉の間隔を定義し、リスクおよび規制の再発要件に対して適合する資源を調整する、最大5年間にわたる複数年計画の一部である。
監査計画は、状況により必要な場合(例えば時事問題、環境の悪化または新たなリスクの出現)、年度の途中で変更される可能性がある。Natixis CIBおよびAWMの内部監査部門もまた、従来の監査業務に加え、年度中に発生し監査計画に当初含まれていなかったニーズに対応するため、特別調査を実施するためのリソースを有している。
年次のまたは複数年にわたる監査計画は、取締役会のリスク委員会により検討され、取締役会に承認されたのち、ナティクシスの最高経営責任者に提示される。
2025年、Natixis CIBの内部監査部門は、CIBのフランスにおける様々な事業分野およびそのプラットフォームについて、地政学的不確実性によって金融市場のボラティリティがさらに高まった状況に対する監査を行った。
現在進行中のシステム改善の一環として、Natixis CIBの内部監査部門は、年次リスクの検証プロセス(リスク評価)の拡充を目指した再編プロジェクトを率いている。その中で、部門および事業分野に対する継続的な監視が強化され、2026年には、特に上級経営委員会の委員および主要部門とのより頻繁な意見交換によって、さらに拡充される予定である。監査機能を統制する枠組については、特に職務についての包括的な品質管理プロセス(監査品質評価)の導入による構造改革も進行中である。人材管理については、利用可能な専門知識をよりよく監督および管理するために、スキル監視プロセスが導入された。
2025年、AWMの内部監査部門は、合意されたサイクル期間に沿って従来のトピックを確実に網羅するための業務を実施するとともに、リスクが最も高い分野を優先する規則を導入することで、リスクに基づくアプローチを強化した。さらに、IT、人事および財務リスクの対応範囲も増やし、AWMの事業分野の戦略的変更(NIM-OS Europeの組成、Vega ISの規模変更、NIMIの再構成等)に適応する取組みを行った。
両部門は、特にデータ分析技術の近代化に向けた投資を継続することによって、内部監査部門の業務の効率性および全体的な一貫性の改善を目指し、部門横断的なプロジェクトおよび取組みを継続した。
(b) ガバナンスおよびリスク管理枠組
① リスク管理枠組
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
ナティクシスのリスク・ガバナンスは、当行の全レベルを含む構造化された組織に基づいている。
・ 取締役会およびその特別委員会(リスク委員会、監査委員会等)
・ 業務執行取締役および彼らが委員長を務める銀行内の特別リスク委員会
・ 3つの防衛ラインとして、事業分野、独立した統制機能およびナティクシスの事業体の内部監査
リスク部門は、リスク選好の枠組を指示し、Groupe BPCEのリスク方針に一致するリスク方針を承認のため上級経営陣に推奨し、以下の分野における原則および規則に関する上級経営陣への提案を行う。
・ リスクの引受けに関する決定手順
・ 権限付与の枠組
・ リスク測定
・ リスク監督
同機能は、ナティクシスのリスクの管理および監督に関わるエグゼクティブ委員会の体制によってサポートされており、その傘下にある委員会であるグローバルリスク委員会は、少なくとも四半期に一度、最高経営責任者を委員長として会議を開催している。
グローバルリスク委員会の目的は以下のとおりである。
・ リスク環境およびリスク・エクスポージャーの一般的な進展の見直し
・ リスク選好枠組およびその進展の検証
・ 主要なリスク管理基準、手続および方法の検証ならびに事業、市場環境または分析技術の変化および現行の手続の変更案に照らしたリスク測定、統制および報告システムの見直し
・ 主要なリスク領域およびコミットメントの質の変化の見直し
・ 与信判断の手続(レベル、正式な署名等)に委任されたシステムの承認
リスク部門は、分析および成果をナティクシスの業務執行取締役、ナティクシスの監督機関およびGroupe BPCEへ提出し、その作業につき定期的に報告する。生じている様々なリスク(信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスク、モデル・リスク等)を報告するため、概要はダッシュボードの形式で定期的に作成および提出される。
この経営陣へのコミュニケーションは一方で、グローバルリスク委員会、取締役会リスク委員会、および評価委員会*(「(e) 市場リスク-② 市場リスク管理の組織」を参照のこと。)*、監視リスト委員会および引当委員会を含む、リスク指標の共有を可能にする定期開催の委員会を通じて行われ、他方では、必要に応じてエスカレーション手続を通じて行われる。
これらの責任を果たすために、リスク部門は、ナティクシスの事業分野の業務のために適合され、そのモデリングおよびリスクの種類ごとの定量化方法を適用するITシステムを利用する。
コンプライアンス部門は、ネットワーク組織を通じてNatixis S.A.、その支店およびフランス国内外の子会社によるコンプライアンス・リスクの統制に責任を有する。
2024年1月に創設されたセキュリティ部門(「(h) *コンプライアンス・リスク-② ITリスク」*を参照のこと。)に直属するグローバル・テクノロジー・リスク管理(G-TRM)部門は、ITリスクの管理に責任を有する。
コンプライアンス部門の組織ならびにコンプライアンスの管理およびITリスクに関する枠組の詳細については、「(h) コンプライアンス・リスク」を参照のこと。
② リスク部門の組織
リスク管理は、独立機能として構成され、その責任下のすべてのリスク範囲および関連する地理的地域を網羅するグローバルなマトリクスで組織されている。
リスク部門は、以下の4つの主要な分野で編成されている。
・ 全社的リスク管理部門は、リスクに関する部門横断的な見解を集約し、リスク選好枠組、リスク測定の定義、BCBS 239の監督枠組の調整および規制管理の全体的な運営を保証する。
・ 信用リスク部門、市場および取引相手方リスク部門、オペレーショナル・リスク部門およびリスク機能監督部門ならびに構造的な貸借対照表上のリスク部門は、フランス国内外およびすべての事業分野におけるそれぞれの範囲のリスクを網羅する。
・ 地域部門は、アジア太平洋、EMEA(フランスを除く欧州、中東およびアフリカ)、南北アメリカ大陸/CUSO(統合米国業務(Combined US Operations))プラットフォームにおけるリスクを網羅している。
・ 資産運用およびウェルス・マネジメント部門(Natixis Investment ManagersおよびNatixis Wealth Management)のリスク部門は、資産運用およびウェルス・マネジメント業務から生じるすべてのリスクの監督を担当している。
また、リスク部門は、Groupe BPCEのリスク部門内に設置され機能的にはナティクシスの最高リスク責任者に直属する、Groupe BPCEレベルで共有される2つの専門的なセンターに依拠している。
・ モデル・リスク管理(MRM)部門は、当行グループのモデル・リスク管理枠組の一環として、モデルの独立した検証を実施している。
・ 気候リスク部門は、気候リスクの運用監視を担当し、当行グループおよびナティクシスの事業分野における気候リスク監督枠組の展開をサポートする。
最後に、IT部門は、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングのリスクの監督に関わるITシステムを専門にしている。この部門は、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングのITシステム部門の一部であり、機能的にはリスク部門に直属している。
③ リスク文化
ナティクシスは、その組織のあらゆるレベルにおいて、強固なリスク文化により特徴付けられている。
そのリスク文化は、リスク部門憲章に規定されているように、リスク機能の指針の中心となる。リスク文化の枠組は以下の2つの主な柱に基づいている。
・ 当行の主要なリスク(信用、市場、オペレーショナルおよびモデル)のすべてをカバーするリスク政策、基準および手続の概要を展開させ、銀行の戦略的ビジョンおよびリスク選好の概要を示すことにより、当行内のベストプラクティスを調和させること
・ 以下の3つの分野に基づく、組織を通じて強く一貫性のあるリスク文化を促進するための戦略の展開
**1)**啓発およびコミュニケーションは、デジタル・コミュニケーションおよびフィジカル・コミュニケーションへの取組み(広報紙、内部ソーシャル・ネットワーク、シェア・ポイント、会議等)を含み、リスク管理枠組、リスク環境およびケーススタディに関する時事問題に取り組んでいる。
**2)**研修においては、リスク監督枠組全体に関する義務またはオンデマンドの研修および規制環境またはリスク監督枠組の変更に関係した特別研修の資料の集成を拡充した。
**3)**キャリアパスには、部門内および部門間(サポート分野および事業分野)の内部異動の促進ならびに従業員のオンボーディングへの特化が含まれる。
さらに、ナティクシスの行動規範は、すべての従業員に適用される行動規則を定義し、さらなる関与および説明責任を促すため、リスク文化の推進に積極的に寄与する。これらの指針は、以下のテーマに分類される。
・ 顧客中心であること
・ 倫理的に行動すること
・ 社会に対して責任を持って行動すること
・ ナティクシスおよびGroupe BPCEの資産やレピュテーションを保護すること
ナティクシスは、事業分野、人事、コンプライアンス部門およびリスク部門の専門のガバナンスを含む行動枠組を設置した。行動規範は、全従業員のための義務研修の対象である。
加えて、2021年以降ナティクシスは、I-CARE*「エスカレーションのために報告義務があると見なされた事案」*と呼ばれる報告メカニズムを有している。この枠組は「問題」、つまり、ナティクシスを1つもしくは複数のリスクにさらす可能性のある手続、システムまたは管理の中に確認された機能不全、不具合もしくは脆弱性を指す。
最後に、ナティクシスの報酬方針は、過度なリスク負担となる行為を奨励することなく、従業員の長期的なコミットメントを促進し、当行の魅力を強化するように構成されている。
④ リスク管理枠組の適切性
2025年の間、取締役会のリスク委員会は、リスクの状況およびその管理について定期的に報告を受けた。この高い水準で監督されるリスク管理は、適用基準、具体的には内部統制に関する2014年11月3日付フランス省令(2021年2月25日付省令により改正済)、および欧州規則「バーゼル3」(資本要求規則/資本要求指令-CRR/CRD)の最終版を遵守して行われている。
⑤ リスク選好
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
ナティクシスのリスク選好は、その事業モデルおよび戦略の範囲内で当行が負うことをいとわないリスクの性質および度合いとして定義される。
リスク選好は、主に以下の2つの手順を踏み、ナティクシスが実施する戦略計画、予算手続および活動と一致するように確立され、Groupe BPCEのリスク選好の全般的な枠組に含まれる。
・ ナティクシスがその事業モデルを通して晒されるリスクを検証し、その重要性を評価する。
・ 最も重要性の高いリスクについて、組織が翌事業年度に許容できるとみなすリスクの程度を示すリスク選好枠組を設定する。
リスク選好報告書(RAS)は、翌事業年度のリスク選好を概説した文書である。リスク選好枠組(RAF)は、事前に設定した選好度の範囲内でリスクの引受業務を統制するシステムであり、それに沿って行われるすべてのプロセス、測定および仕組みが含まれる。
リスク選好は、上級経営陣が1年ごとに見直し、リスク委員会と協議の上、取締役会により承認される。
事業モデルに関連するリスク一覧
ナティクシスのリスク選好枠組は、その事業モデルに沿って当行が引き受ける用意があるあらゆる種類のリスクの特定、選定および管理を目指している。
ナティクシスの事業モデルは、自身の特化している分野(コーポレート・ファイナンス、資本市場活動ならびに資産運用およびウェルス・マネジメント)に基づいており、自身の顧客およびGroupe BPCEの顧客のニーズに応えている。ナティクシスの戦略は、希少な資源(資本、流動性、貸借対照表)の消費を制御しながら、その業務において長期的な収益性を確保することである。そのため、ナティクシスは、習得していない業務には従事せず、リスク/利益比率が高いプロファイルの業務については、厳正な選考および監視を行っている。特に市場リスク管理は、非常に選択的な投資アプローチを有し、極端なリスクへの限られた許容誤差および厳しい監視の対象にもなっている。
ナティクシスは、本質的にコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングならびに資産運用およびウェルス・マネジメントの事業活動に固有のリスクを負う。
・ コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングにより生じる信用リスクは、事業および子会社に採用される個別のリスク政策、取引相手方、国別(先進国および新興国)、部門別に定義される集中制限に基づき、ストレス・テストおよび部門審査を含むポートフォリオに対する広範囲の監視を通じて管理される。かかる枠組は、様々な信用委員会によって実施される独立した分析(事業分野/リスク機能)を通じて、発行預託金の選択的管理を確保する。
・ 市場リスクおよび取引相手方リスクは主に、顧客のニーズを満たし、あらゆる自己勘定売買を除くことを目的とする当行の資本市場活動から生じる。これによる市場リスクは、リスク政策ならびに個別の質的および量的指標の主要部分に従って管理される(例えば、授権商品のリスト、VaRの測定、ストレス・テスト、感応度)。
・ レバレッジリスクおよび流動性リスクは、バッファー部門、業務部門、ALMおよびトレジャリー部門によって監視され、専門のガバナンス機関(2ヶ月に一度のALM委員会)内の上級経営陣による個別の監督を受ける。これら2つのリスクにより、専用の枠組および事業分野で必要なレバレッジの管理目的を用いた希少な資源の管理のための個別の目的の設定が必要となる。さらに、流動性リスクは、関連会社の「最終的な貸し手」であり、公共の「バニラ」資金調達の中長期的な問題に責任を持つBPCEと共同で監視されている。構造的な貸借対照表上のリスク内で、ナティクシスは、信用スプレッド・リスクにさらされている。
・ 当行のソルベンシーの軌道から逸脱することで生じるソルベンシー・リスクは、上級経営陣により設定され、資本および資本消費の目標レベルを設定する財務実績および資本政策部門によって監視される。かかる軌道は、当行の範囲および活動の変化、特に規制資本要件の計算に関する方法論の変更ならびに債券または資本の発行を考慮している。
・ オペレーショナル・リスクは、その性質上、当行のすべての事業分野および機能に存在している。かかるリスクは、事業分野および地理的地域全体に展開されるシステムを通じて、毎年リスクをマッピングし、事象および損失についてのフィードバックをするために、他の管理機能とあわせて、共有データ収集ツールを用いて管理される。これにより、是正および予防措置制度を適切に実施することが可能となる。ルールとして、ナティクシスは、オペレーショナル・リスクに対して特別な選好は持たずに、厳密に管理している。
・ 銀行業務および金融規制に関するコンプライアンス・リスクについて、ナティクシスは、行動規範の実施および金融セキュリティ、倫理および顧客保護の領域において、フランス国内外で業務を管理する法律、規則、基準を遵守することで管理することを義務付けられている。
・ レピュテーション・リスクは、当行の顧客から見たナティクシスのイメージへの潜在的なダメージによって生じる。ナティクシスのレピュテーションが最も重要な資産である。そのため、顧客の利益が最優先され、当行は、(事業活動、事業体または地理的地域に関係なく)最高レベルの倫理基準で営業することに専念し、最善の取引の遂行や安全の基準に従っている。ナティクシスのレピュテーションを損なうリスクは、金融リスク、法的リスクまたはオペレーショナル・リスク等のその他のより「直接的」リスクを通して反映される可能性があり、事前監視と一連の事後指標に基づいて注意深く監視されている。
・ モデル・リスクは、指令第2013/36/EU号(CRD4)の意味における内部モデルおよび連邦準備制度理事会の指令第SR11-7号に基づくモデルの定義の意味における当行が使用するすべてのその他モデル(金融商品の評価に使用されたモデルを含む。)のどちらにも関係している。モデル・リスクは、主に、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの資本市場業務に関係しており、専門的なガバナンスおよび特定の指標を使用した監視の対象である。
・ 資産運用業務はレピュテーション・リスク、コンプライアンス・リスク(利益相反特有の管理)およびオペレーショナル・リスクを含む。これらは、投資リスク(リキッド・シード・マネー、プライベート・エクイティおよび不動産)にもさらされている。収益は市場トレンドに大きく依存している。また、資産運用が信託業務であるため、金融リスクの大部分は投資家が負う。
・ すべてのグローバルリスクは以下のとおりである。事業および戦略リスク、マクロ経済および規制上の変更に関連するリスク(好ましくない経済状況および規制要件の強化)ならびにその他の外的要素に関連するリスク。これを踏まえ、気候変動に関連するリスクはナティクシスの主なリスク特定および監視手続に直接組み込まれている。
リスク選好枠組
重要であるとみなされたリスクは、リスク選好報告書(RAS)で毎年発表される許容閾値に基づく指標を使用して監視される。
・ 各事業分野に割り当てられるリスク・エンベロープを設定する閾値
・ 上限を超えた場合、ソルベンシー、流動性、業績およびレピュテーションの点でナティクシスの事業継続性および/または安定性にリスクを与える可能性がある最大リスクについての上限
リスク選好枠組(RAF)において定義される許容レベル(閾値および限界値)を超過した場合、上級経営委員会に続き監督機関への通知およびエスカレーションの手続の対象となる。かかる業務枠組は、リスクのタイプ(信用リスクおよび取引相手方リスク、市場リスク、流動性リスクおよびレバレッジリスクを含む構造的貸借対照表上のリスク、オペレーショナル・リスク、ソルベンシー・リスク等)に応じて適用され、ナティクシスの既存の測定および報告システムに依拠している。
同枠組は、定期的に見直され、強化され、また上級経営委員会および取締役会のリスク委員会に提示される。
リスク選好枠組は、特に下記に関する、ナティクシスの主要な手続の一部を形成する。
・ リスク特定:ナティクシスが直面しているまたは直面する可能性のあるリスクの概要を示すため、事業分野およびリスクの種類別に、毎年リスクが示される。当該アプローチにより、最も重要とみなされるリスクを特定することができ、それを監視するための指標がリスク選好枠組に含まれている。
・ 予算過程および全体的なストレス・テスト
・ Groupe BPCEの2030年戦略計画
システム上重要な金融機関に関する規則に従って、Groupe BPCEは再建防止計画(PPR)を作成した。
⑥ リスクの報告および評価システム
地方および中央レベルの両方において、ファイナンスおよびリスク機能チームは、データを集め、統合したリスク指標および報告書を提出する。
リスク評価枠組の情報システムは、グローバルであり、フランス国内外に全体的(ナティクシスの子会社および支店を含む。)に展開されている。
BCBS 239規制に従って、IT構造原則は、複数年展開計画の基本スキームの実施により明確化され、承認され、支援されている。
この作業は、BCBS 239の要件を遵守するためにリスクおよびファイナンス機能の対象構造を定めた。かかる原則は、以下の目的に沿って構成されている。
・ リスク指標の作成は、事業分野の責任のもとに置かれ、「ゴールデン・ソース」アプリケーションに認証されるオペレーショナル・データに基づいている。
・ リスクおよびファイナンス・アプリケーションは共通のデータ枠組を共有している。
・ Groupe BPCEに対するものを含む、中央(ナティクシスS.A.)および地方(子会社および支店)レベル間の異なる情報システムのプールおよびデータの連携
・ 特にリスクおよびファイナンスのデータレイクを通じた事業プロセスおよび報告実務の自動化
・ 様々な保管場所を通じてデータの全履歴および関連する監査証跡を利用する能力
・ 標準化された分析ツールおよびインターフェースを通じて作成されたデータおよび測定結果への容易なアクセス
・ 会計に関するリスク測定の一貫性ならびに契約/取引レベルで計算されるファイナンスおよびリスクデータのクロスリファレンス能力
・ データのクオリティおよび測定の一貫性を監視するための統制および監視手続の実施
これらの構造原則は、以下の6つの主要なアプリケーション・スコープに適用される。
・ 信用リスク、市場リスク、取引相手方リスク、構造上のリスク(流動性、利率、外国為替)およびオペレーショナル・リスクの計算チェーン
・ RWAの計算のためのプルーデンシャル・チェーン
⑦ リスク類型論
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
ナティクシスは、業務に伴う一定のリスクにさらされている。
信用リスクおよび取引相手方リスク
信用リスクは、債務者が契約上の義務を履行できないことによる財務上の損失のリスクである。デフォルト確率およびその場合予想される回収率の程度の評価が、信用の質の測定における主要な要因である。信用リスクは、かかる状況がデフォルト率の上昇を生じる可能性がある限り、経済的不確実性の期間に増加する。
取引相手方リスクは、市場取引において取引相手方がデフォルトした際にさらされるリスクである。デフォルト時のエクスポージャーは、考慮される期間によって異なり、当該期間における市場パラメーターの変動に依存する。
ナティクシスは、その顧客とともに実行している取引(例えば、融資業務、店頭デリバティブ(スワップ、オプション等)および再購入契約等。)によりこれらのリスクにさらされている。
証券化リスク
証券化とは、特定目的事業体(通常、特定目的事業体(SPE)または「コンデュイット」)に一連のエクスポージャーに固有の信用リスクが置かれる取引であり、その後、通常は投資家に販売する目的で、各トランシェに分けられる。SPEは、ある場合には投資家により直接引き受けられるか、短期満期債券(財務省債券またはコマーシャルペーパー)を発行することにより株式の購入をリファイナンスするマルチセラー・コンデュイットによって引き受けられる株式を発行する。
格付機関は、投資家に対して販売される株式の信用度を評価する。
一般的に、証券化には下記の特徴がある。
・ 結果としてナティクシスにより組成された取引のリスクを物質的に移転させる。
・ 取引の過程で行われる決済は、裏付けとなるエクスポージャーの業績によって決まる。
・ 取引により定義される各トランシェの劣後は、リスク移転期間における損失の配分を決定する。
市場リスク
市場リスクとは、市場パラメーターの動きの悪化により発生する価値損失のリスクである。これらのパラメーターは、とりわけ証券(債券、株式)およびコモディティ、金利ならびに外国為替相場を含む。
資産流動性は、市場リスクの重要な構成要素である。流動性が不十分かまたは全くない場合(例えば、取引数の減少または特定の資産の需給の著しい不均衡によるもの。)、金融商品またはその他の譲渡可能資産は、見積価格で取引できない可能性がある。
流動性の欠如は、資本市場へのアクセスの減少、不測の現金もしくは資本の必要性、または法的規則につながる可能性がある。
オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、不十分もしくは失敗した内部プロセス(従業員によるものか情報システムによるものかを問わない。)または財務、規制、法律もしくはレピュテーションによる影響といった外部的事象に関連する損失のリスクである。
Groupe BPCEの保険部門は、保険をかけられるオペレーショナル・リスクの分析および適切な保険を適用することに責任を負っている。ナティクシスおよびその子会社は、詐欺、横領および窃盗により生じる可能性のある重大な結果、営業損失またはナティクシスもしくはその子会社もしくはナティクシスが責任を負う従業員の民事責任の影響に対するGroupe BPCEと共通の保険方針を享受する。
コンプライアンス・リスク
コンプライアンス・リスクとは、国内のもしくは直接適用できる欧州の細則もしくは規則または業務執行取締役による指示であるかを問わず、監督機関の政策により発布された銀行業務および金融活動に特有の規定の不遵守により生じる著しい財務上の損失またはレピュテーションの毀損を伴う法的処分、行政処分または懲戒処分のリスクをいう。このリスクは、定義上はオペレーショナル・リスクの下位カテゴリーである。
サイバー・リスク
サイバー・リスクは、会社、従業員、パートナーおよび顧客に重大な損失を被らせることを目的とし、デジタルにデータ(個人情報、銀行/保険情報、技術情報または戦略情報)、プロセスおよびユーザーを操作する不当および/または不正な行為に起因するリスクである。銀行情報システムの変化、それに付随する新技術および関連サービスの外部委託の増加により、より高度化および自動化した攻撃を実行する新たな機会がサイバー犯罪者に提供されている。
ナティクシスの事業を行う能力は、その情報システムの入手可能性、データの一貫性および機密性の保証ならびに各取引のトレーサビリティにより決定される。
レピュテーション・リスク
レピュテーション・リスクとは、その信頼があらゆる点において通常の事業の遂行に不可欠である顧客、取引相手方、供給者、従業員、株主、監督者またはその他の第三者からの当行に対する信頼を損なうリスクをいう。
レピュテーション・リスクは、本質的に当行が被るその他のリスクに付随するリスクである。
法的リスク
法的リスクとは、当行の業務に起因する可能性のある不正確性、不作為または不備から生じる第三者との訴訟のリスクとして定義される。
モデル・リスク
モデル・リスクとは、評価モデル、規制上の資本モデルもしくはその他のモデルの定義、実行または使用の際に生じるエラーを起因とする、直接的な経済損失またはイメージに関わる問題、訴訟もしくは風評被害の結果として生じる経済損失のリスクである。
世界的な金利リスク
総合的な金利リスクは、現在使用されている金利と資産の金利との相違による金利の不利な変動に起因する銀行業務ポートフォリオに対する損失リスクとして定義される。
大半のコーポレート銀行兼投資銀行と同様に、ナティクシスは構造的な金利ポジションが生じる金融資産および負債をほとんど有していない。最も重要なポジションは、イールド・カーブのショートエンドに対するエクスポージャーに関するもので、特にIBOR金利更改日の違いに関連する。したがって、これは銀行レベルでは二次的リスクである。
流動性リスクおよびリファイナンスリスク
流動性リスクとは、資産と負債の満期における超過分によって、ナティクシスが債権者に対する責務を果たすことができなくなるリスクである。例えば、多額の顧客預金の引出し、信用危機または市場全体の流動性危機が生じる場合に、かかるリスクが発生する。
コーポレート銀行兼投資銀行として、かかるリスクは、主に契約上の満期を有する取引間のポジションの不一致によって生じる。これは、リテール・バンクに比べてナティクシスには安定的かつ恒久的な顧客資源が限られていることや、一部には業務の資金調達を市場で行っているからである。
流動性危機の文脈において、流動性スプレッド・リスクとは、固定金利付長期資産により、または現在利用可能な資産と比較して高いマージンで長期ファンドを買い替えることにより、資金調達費用が増加するリスクである。
構造的な為替リスク
構造的な為替リスクとは、純投資の通貨(同一の通貨購入によってリファイナンスされる。)と株主資本の通貨の不一致に起因して、連結会計に使用される通貨に対する為替相場の不利な変動によって生じる譲渡可能な株主資本の損失リスクとして定義される。
ナティクシスの構造的な為替リスクの大部分は、米ドルで資金調達が行われた海外の支店および子会社の連結に起因する同通貨の構造的ポジションに関連するものである。
その他のリスク
戦略リスクとは、選択した戦略に伴うリスクまたはナティクシスが戦略を実行できなかったことから生じるリスクである。
気候リスクおよび環境リスクは、一般的に2つの主要なリスク要因からなると考えられている。
・ 物理的リスクとは、気候変動(異常気象現象、気候の緩やかな変化)および環境悪化による経済的影響を指す。直接的な影響(物的損害、生産性の低下等)もあれば、間接的なもの(サプライチェーンの混乱等)もある。
・ 移行リスクとは、低炭素でより環境的に持続可能な経済への適応プロセスの結果、直接的または間接的に機関が被る可能性のある財務上の損失を指す。例えば、気候政策や環境政策が突然採用されること、技術進歩または市場心理と嗜好の変化によって発生する場合がある。
⑧ ストレス・テスト
ナティクシスは、リスクを動的に監視し、管理する包括的なストレス・テストメカニズムを開発した。
そのツールは、ナティクシスのリスク管理枠組、財務実績および資本管理システムの不可欠な部分を担っており、ナティクシスの資本要件および規制要件の計画プロセスに貢献する。
ナティクシスのストレス・テストメカニズムは、下記で構成されている。
・ 総合的な内部および外部のテスト
・ 定期的な規制上のテスト
・ 特定の対象範囲ごとのテスト
包括的な内部ストレス・テスト
包括的な内部ストレス・テストの目的は、基本的な経済シナリオの影響ならびに当行の損益計算書、リスク加重資産および株式に係るストレス下の経済シナリオの影響を評価することである。
経済リサーチ・チームにより提案される同シナリオは、Groupe BPCEの上級経営委員会により議論および承認され、ナティクシスの上級経営委員会に提示される。
同シナリオは、レベルまたは3年の期間における経済変数および財務変数(GDP、インフレ率、雇用率および失業率、金利および為替レート、主要な株式市場の指数レベルおよびコモディティの価格等)に対する衝撃に変換される。これらの変数は、損益計算書、リスク加重資産および株式のあらゆる総計に対してストレスを適用するため、ナティクシスにより使用される予測モデルの要素として組み込まれる。
基本的なシナリオの軌道は、市場コンセンサス、先渡取引および先物取引から導かれる。
2025年に実施された包括的な内部ストレス・テストにおいて、1つ目のストレス・シナリオは、貿易戦争および保護主義の台頭のリスクに基づいている。2つ目のストレス・シナリオは、フランスの政治危機の深刻化のリスクに基づいている。
中心的シナリオは、西側諸国における選挙の監視、複数の地域における武力紛争および状況悪化の可能性といった地政学的環境に焦点を当てている。このシナリオでは、地政学的紛争のエスカレートまたは大きな進展および現在の気候変動のペースの変化は想定されていない。
中心的シナリオは、異なる景気動向が継続することに注目しており、ユーロ圏は世界的な成長から依然遅れている一方、米国は安定的な拡大を経験し、中国は減速しつつも積極的な財政政策に下支えされて活発さを維持している。主な特徴として、ユーロ圏におけるディスインフレの持続、欧州で2025年に見られた成長率のわずかな回復、低下が予測されるFF金利、および2025年末まで2%前後に維持されるECB預金金利が含まれる。地政学的緊張、特に米中間の緊張は、引続き懸念事項である。
1つ目のストレス・シナリオは、米国がその貿易相手国との充分な交渉を怠った場合、中国および欧州との緊張状態が悪化し、財やサービスの貿易が大幅に減少すると予測している。欧州は、米国へ輸出できなくなった製品の輸出先変更について、その市場を守る措置を講じるとみられる。国際貿易の減少、特に主要な経済圏における世界的な景気後退、ならびに関税およびサプライチェーンの問題によるインフレの急騰が予測される。
2つ目のストレス・シナリオは、フランスの政治危機の深刻化を予測している。主な特徴には、年金改革の失敗および2026年度予算合意の失敗が含まれる。マリーヌ・ル・ペン氏の被選挙権停止は、国民連合による不信任動議の成功を招き、結果として共和国大統領が辞任に追い込まれる可能性がある。フランスの債券市場における混乱は、AA-への格付低下、OAT/ブンドスプレッドの上昇(120/150ベーシスポイント)、およびECBの介入なしにフランスの銀行で信用スプレッドの拡大を招く可能性がある。この2つ目のストレス・シナリオは、気候リスクを組み込んだ2つの追加シナリオに分けられる。
・ すべての経済主体が、世界の気温上昇を1.5度未満に抑制するという目標と両立する野心と成果を持っているという仮定。このシナリオは長期的な物理的リスク(基本的な傾向)も含む。
・ 急性の物理的リスクを把握するために、大規模熱波が一時的に発生するという仮定。
これらのストレス・テストの結果は、上級経営委員会にされ、取締役会のリスク委員会に提示された。それらは、ナティクシスのソルベンシーの軌道の計算プロセスの一環として分析された。かかる影響は、純利益(グループ持分)、NBI、RWAおよびCET1資本において測定される。
規制上のストレス・テスト
規制上のストレス・テストは、ECB、EBAおよびその他の監督機関の特別の要請に対応するものである。直近の規制上のテスト(市場ストレス・テスト)は、欧州銀行監督機構により公表された方法およびシナリオに基づき2025年上半期に実行された。ナティクシスは、Groupe BPCEの範囲において実施されたテストに貢献した。
特定のストレス・テスト
ナティクシスのリスク部門により実施された特定のストレス・テストの詳細は、本書の各セクションにおいて記載されている*(とりわけ、信用ストレス・テストについては、「(c) 信用リスクおよび取引相手方リスク**-⑩ コミットメントを監視する枠組」を、また市場ストレス・テストについては、「(e) 市場リスク-③ 市場リスクの測定方法」を参照のこと。)*。
(c) 信用リスクおよび取引相手方リスク
① 組織
信用リスクおよび取引相手方リスクを管理および統制するための枠組は、当行のすべての事業分野および支援部門の活発な関与を伴い、リスク部門により監視される。すべての内部基準、方針および手続は、Groupe BPCEの枠組と一致しており、内部統制、規制上の変更および当行のリスク選好の結果を考慮するために定期的に見直される。
信用リスク管理および統制は、職務の分担に従って実施され、銀行のすべてのレベルが関与する。
・ 銀行内で議長を務める業務執行取締役および専門リスク委員会
・ 3つの防衛ライン:事業分野、独立した信用リスク統制機能ならびに、必要に応じてコンプライアンスおよびナティクシス事業体の内部監査
したがって、リスク部門は、その他の部門とともに、以下を行う様々なチームを通じて信用リスクの監視に責任を負う。
・ 信用リスク方針および内部信用リスク管理手続を定義する。
・ 信用リスクの上限およびエクスポージャー閾値を設定する。
・ クレジットの承認および上限の承認のプロセスに従った信用リスクおよび取引相手方リスクの再分析の後、取引の承認を発行する。
・ 格付専門家およびLGDに基づく内部手法およびモデルを所有する。
・ 第二段階の永久統制を実施する。
・ エクスポージャーを監視し、上級経営陣に報告する。
リスク部門の主要な職務は、各事業分野と連携しつつ、当行が取るリスクに関する関連性および有用性のあるすべての情報に基づき、意見を述べることである。
信用決定は、事業分野およびリスク部門の特定の担当者の両方に付与された制限付きの権限内で行われ、最高経営責任者または最高経営責任者がそのために権限を与える者が、自ら承認する。かかる権限の付与は、取引相手方の種類および内部信用格付ならびに取引契約の性質、金額および期間、ならびに部門および/または事業別に決定された各種のリスク方針基準の遵守状況により異なる。
ナティクシスは、BPCEと協力し、共同保有する資産クラスが適用対象となる格付方法を定義した。
信用リスクの監視の枠組は、以下を主要な目的とする多数の委員会の設置を基盤として機能する。
・ ナティクシスが設定した委任レベルに従い、ナティクシス信用委員会(CCN)または地域信用委員会(CCR)を通じて、すべての取引相手方およびすべての取引の限度枠、格付およびLGDに関する個別のリスクを決定する。
・ 信用リスク限度枠監督委員会を通じて、限度枠に係るコンプライアンスを遵守し、すべての必要かつ具体的な対応を行う。
・ ウォッチリスト・引当金委員会を通じて、取引相手方の監視および引当金の水準について決定を行い、当該取引相手方の監視の強化を行う。
・ 公正市場評価委員会を通じて、IFRSの規則およびECBのガイドラインに従い、分配手続が完了していないことを受けたオーバーホールディング取引の公正価値測定の妥当性を検証する。
・ ナティクシス信用リスク委員会の枠組において、個々の取引相手方とは無関係の事項に係る信用リスクに関する決定事項を記録する。
・ 地域部門委員会を通じて、部門、国およびソブリンの格付けを検証し、IFRS第9号のシナリオに付随する確率を推奨し、内部のストレス・テスト・シナリオを提示かつ検証し、上級経営陣が特定した事柄に関する分析を提示する。
② リスク特性
ナティクシスのリスク特性は、リスク選好枠組およびリスク方針により管理されており、これにはナティクシスが設定した部門別の限度枠および様々な国別上限が含まれる。
ナティクシスは、40ヶ国近くの大企業顧客との業務に付随する、信用リスク、取引相手方リスクおよび販売リスクにさらされている。
・ 財務事業
・ 従来の「プレーン・バニラ」によるファイナンスの組成、アレンジおよびシンジケーションならびに「販売に向けた組成」モデルに基づくすべての当該ファイナンスのポートフォリオの管理
・ 戦略的ファイナンスや買収(買収ファイナンス、LBOファイナンス)の組成、アレンジおよびシンジケーション、ならびに債券発行市場および株式発行市場でのファイナンス
・ 投資に関する金融工学および金融構造に関する助言
・ 金利ヘッジ、外国為替、コモディティ、株式または再購入契約による資本市場活動
・ 取引金融活動
・ インフラストラクチャーおよびエネルギー、不動産およびホスピタリティ、ならびに航空機の3つの主要な事業分野を中心に構成された専門的な財務事業
・ 証券化活動およびストラクチャード・クレジット活動
③ 目標およびリスク方針
ナティクシスのリスク方針は、当行のリスク選好、信用リスク統制枠組および管理枠組全体の構成要素として定義されている。当該方針は、リスク部門および当行の様々な事業分野による協議の産物である。当該方針は、リスク負担の枠組を確立しながら、リスク選好およびナティクシスの事業分野または部門による戦略的見通しを適用することを目的としている。
現在約20あるナティクシスのリスク方針は定期的に改訂され、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの様々な事業分野(コーポレート、LBO、エアクラフト・ファイナンス、不動産ファイナンス、プロジェクト・ファイナンス、商品ファイナンス、銀行、保険等)および子会社におけるこれらの事業を網羅している。
当該リスク方針により策定される枠組は、ベストプラクティスに基づく推奨ならびに(定性的または定量的に)厳格な監視基準、意思決定過程および通常の上限の承認のシステムに影響を与える逸脱との間で区別をつける。
さらに、7つのESG分野別の方針および広義のプロジェクト・ファイナンスに関するエクエーター原則が信用取引申請書を分析する際に考慮される。
定量的な枠組は通常以下に基づいている。
・ 事業分野または部門による取組みの上限
・ 取引相手方の種類、商品の種類または(場合によっては)地理的地域による取組みのサブリミット
・ リスク方針に組み込まれたパラメーター(期間の上限、財務比率、分散基準等)
当該枠組は特定の部門または特定の種類のリスクに対し、当行の取組みが集中していないかの監視に役立っている。
一方、定性的な枠組は以下の基準に基づいて構築されている。
・ 事業部門:優先部門、禁止部門
・ ターゲット:様々な基準(規模、格付、事業が展開されている国等)に基づいてターゲットとするべきまたは除外すべき顧客
・ 構造:契約条項、保証スキーム等
・ 商品
リスク方針の適切な適用を確実に行うため、ローン承認の個別審査において、必要に応じて調査が行われる。全体の調査(上限および逸脱数との整合性の確認)も四半期ごとに実施され、リスク委員会に提出される。
最後に、3つのグローバル・ポリシーは、主要分野、資産クラスおよびナティクシスがエクスポージャーを有する国々へのエクスポージャーも管理している。その他の与信方針と同様、設定されたいずれかの限度枠に対する違反は、対応策の決定のために関連する委員会/機関へ報告され、必要ある場合、付随する限度枠以下となるようエクスポージャーを減らすための改善計画が提示される。
④ 許可および信用リスクの管理についての一般原則
ナティクシスの信用リスクの測定および管理手続は、以下のものに基づく。
・ 上限承認のシステムおよび意思決定の委員会により構築された、標準化されたリスク負担プロセス
・ ローン承認審査プロセスにおいて、リスク部門が実施した独立した分析
・ 取引相手方リスクの標準化され、適合された評価を提供する格付手段および手法(気候リスクに関連するものを含む。)。これにより1年以内のデフォルト確率およびデフォルト時損失率を評価することが可能となる。
・ リスク水準の高い取引相手方を監視する枠組
・ ローン残額および信用限度の検討を行う情報システム
・ 限度枠の違反を監視および調整する枠組
・ 特にリスク選好の枠組の一部として定義された指標の変化を監視するための、ダッシュボードの公表を通じて経営陣および中央機関に対して定期的に行われる情報提供
さらに、信用リスク部門は、分野別の与信方針へのESG(環境、社会およびガバナンス)基準の組み込み、当行の取引承認ならびにコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの審査プロセスにおける気候リスクの考慮を確実にし、また気候リスク識別ツールの運用を確実なものにしている。当該部門では、多くの機密性の高い取引につき、ESGリスク管理チーム(信用リスク部門の一部)の専門知識を活用している。
⑤ 取引相手方リスク管理
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
取引相手方リスク管理の原則は以下に基づいている。
・ 取引相手方リスクに対するエクスポージャー測定
・ 取引相手方リスクの上限および配分手続
・ 取引相手方リスクに関する価値調整(信用評価調整)
・ 取引相手方リスクの軽減
・ 誤方向リスクの組込み
取引相手方リスクに対するエクスポージャー測定
ナティクシスは、その取引相手方リスクを測定および管理するために内部モデルを用いる。かかるモデルは、主要なリスク要因に対するモンテカルロ型シミュレーションに基づいて、相殺および担保基準を考慮しつつ各取引相手方およびエクスポージャーの存続期間全体の状況を測定する。
このようにして、かかるモデルは、EPE(正の期待エクスポージャー)特性およびPFE(将来の潜在的エクスポージャー)特性を決定する。後者は、ナティクシスが取引相手方リスク・エクスポージャーの評価に用いる主要な指標である。
PFE特性に加え、ナティクシスは取引相手方のストレスのかかったエクスポージャーを評価しており、特にヘッジファンドを含む最もリスクの高い取引相手方について重点的に行っている。
ECBは取引相手方リスクに対する資本要件の算出の一環として、Natixis S.A.に対し、バニラ金利、外国為替、インフレおよびコモディティ・デリバティブ、信用デフォルト・スワップならびに債券および株式に係る貸出金、借入れおよびレポへのエクスポージャーの算出にあたり、IMM内部モデルの利用について部分的な承認を与えた。その他の事業体およびNatixis S.A.の内部モデルにおいて認められていない範囲に関しては、エクスポージャーは、デリバティブに係る標準的SA-CCR手法ならびに貸出金およびレポに係る標準的手法を利用して算定される。
取引相手方リスクに関する上限枠組
上限は、取引相手方リスク特性に応じて、意思決定プロセスに関連性および有用性のあるすべての情報の分析後に定義される。
上限は、ナティクシスの信用承認プロセスに沿ったもので、委任を受けた機関または信用委員会のいずれかにより検証および承認される。
上限は、監視枠組の遵守を確実にするために、専用の統合システムを用いて日常的に監視される。
信用評価調整
ナティクシスは、デリバティブ商品の評価に、信用評価調整(CVA)を含む。
これは、取引相手方の債務不履行リスクごとの期待損失に対応し、ナティクシスは、取引の市場価値のすべてを回復することはできないという事実を説明することを目的とする。
ナティクシスは、2014年1月1日からCVAの資本要件を算出している。
信用評価調整リスクに関する定性的な開示要件(EU CVAA)
ナティクシスは、主にグローバル・マーケッツ内で行われる日々の資金調達、ストラクチャリングおよび貿易業務において、信用リスクおよび取引相手方リスクにさらされている。
ナティクシスの信用格付に対する調整リスクは、グローバル・マーケットのxVAデスクによって管理されている。「xVA」という略語は、ナティクシスのデリバティブ・ポートフォリオの評価において検討すべき様々な公正価値調整を指し、特にデフォルト(CVA)、担保および資金調達に関する多様なリスクを考慮に入れるためのものである。したがって、信用格付調整のリスクはこの点においてカバーされている。
xVAデスクは、グローバル・マーケッツがデリバティブに関して取り扱うすべての資産クラスを対象とする。
実施されている様々なプロセスには、以下のものが含まれる。
・ xVAリスクの特定と、それが評価/公正価値に与える影響
・ (適用範囲内の各取引レベルにおける)リスクの算出
・ 当該リスクのトレーディング・デスクへの転嫁
・ xVAデスクレベルでのリスクの検討
・ 当該リスクに対する補償
・ 市場リスク部門および財務部門によるデスクとそのエクスポージャーの監視
信用格付調整に伴うリスクは、ナティクシスのリスク部門における全体的な市場リスク管理プロセスの一部であり、その原則は以下に概説されている*(EU CVABを参照のこと。)*。
特にXVAデスクは、ボルカーの「リスク軽減ヘッジ」ステータスを有する市場リスクの任務の対象であり、その目的の1つは、信用評価調整に関するリスクを軽減することである(その他の目的は一般に「XVA」と呼ばれる別のリスクを軽減することである。)。この任務は、当該リスクの日常的な管理枠組を提供し、その継続的な有効性を保証する、一連の定性的および定量的な制限を定義する。
ナティクシスは、第385条に定められた基本的な手法を用いて、信用評価調整(CVA)リスクに対する資本要件を算出する。
標準方式を用いる機関向けのCVAリスクに関する定性的な開示要件(EU CVAB)
xVAデスク・マネージャーはxVAおよび希少資産チームマネージャーの直属であり、同チームマネージャーはグローバル・マーケッツ部門長の直属となる。したがって、xVAデスクはグローバル・マーケッツおよびそのすべてのプロセス(リスク、財務およびITを含む。)に完全に統合される。
さらに、xVAデスクは独自のガバナンスを有している。
日常業務、日々の活動、プロジェクト、取引、目標およびxVAデスクの制約は、デスクの主要代表者が出席する隔月のxVA委員会で議論される。
リスク、モデルおよび評価に関する決定は、専門の委員会により監督されている。
他のリスクと同様に、ナティクシスのリスク・ガバナンスはリスク部門が主導し、すべてのリスク部門が関与する構造化された組織を有している。リスク部門はリスク選好を管理し、リスクの監視と監督のため様々な委員会に委ねている。
ナティクシスの上級経営陣は、最高リスク責任者(CRO)および全社的リスク管理(ERM)のグローバルヘッドを代表として、CVAリスク管理に携わっている。グローバルリスク委員会が主要な委任委員会である一方、市場リスク委員会は最高経営責任者またはその代理が議長を務める。リスク管理枠組のガバナンスは明確に定義、文書化されており、リスク、責任ならびに市場および取引相手方リスク管理に関与する委員会(グローバルリスク委員会(GRC)が毎年承認する市場リスク委員会(MRC)およびグローバル・マーケット取引相手方信用リスク(GM-CCR)委員会等)の特定、評価および管理の効率性を確保している。この枠組は、リスク管理の異なるレベル間の円滑な連携を保証する。
「(e) 市場リスク」の冒頭に記載されているとおり、CVAリスクには他のリスクと同様のガバナンスが適用される。市場リスクおよび取引相手方リスク部門は、定性的かつ将来を見据えた方式を組み入れた市場リスク管理方針を策定する。この枠組は、リスク選好を監督し、独立したリスク審査を確立する複数の委員会を含む、構造的なガバナンスによって支えられている。したがって、XVAデスクのVaRおよびSVaRは、他の事業分野と同様の方法で監視される。
誤方向リスク
誤方向リスク(WWR)とは、ナティクシスの取引相手方に対するエクスポージャーが、取引相手方のデフォルト確率と深く関連しているリスクをいう。
このリスクは、規制の観点から以下の2つのコンセプトにより表される。
・ 特定の誤方向リスク(SWWR):これは、将来のエクスポージャーが、取引相手方のデフォルト確率と強い正の相関関係にあり、原資産の発行者と取引相手方の間に直接的な法的関係がある場合に発生する。例えば、証券金融取引の場合、対象資産の発行者と取引相手方が同じグループであれば、SWWRを特定することができる。当該リスクは、欧州規則のCRD4指令に基づき評価され、資本要件の算出時には資本サーチャージの設定が義務づけられる。SWWRに基づく取引の承認手続は、特定の付与システムに依拠する。
・ 事前:かかる取引の特定を担当する営業部門は、規制上の自己資本の監視、報告および算出のため、また承認手続の一環として、当該取引についてリスク部門へ通知しなければならない。SWWRに提出された取引は、既存の限度枠にかかわらず(市場リスクおよび信用リスクの両方に関して)「一時的な」申請として扱われる。当該取引のリスク加重資産(RWA)は、各取引を想定元本に対応するデフォルト時のエクスポージャー(EAD)を有する個別のネッティングのためのセットとして考慮した上で決定される。
・ 事後:SWWRを伴う各取引は、それが事前に承認されたことを確認するための調査を受ける。かかる管理は、リスク部門により、これに特化した週次報告を通じて行われる。
・ 一般的な誤方向リスク:すなわち、取引相手方の信用の質と一般的な市場要素との間に相関関係が存在する場合に発生するリスクをいう。当該リスクは、新興国を対象に設定された限度枠の枠組を通じて、カントリーリスクへのエクスポージャーに基づき評価され、委員会により毎年検証が行われる。より具体的には、当該限度枠は、証券金融取引(すなわちレポ契約、トータル・リターン・スワップ)およびクレジット・デリバティブ([CDS])において、誤方向リスク(WWR)を発生させる活動に対して適用される。WWRの限度枠は、オーバーステッピング委員会により毎月監視される。
この一般的な誤方向リスクの監視枠組は、1回限りの調査を基に、すべてのリスク要因に拡大された。相関のあるCDS事業については、専用の限度枠を通して特定の枠組が設定され、為替レートリスクの要因における一般的な誤方向リスクの監視も導入された。
⑥ 格付システム
内部格付システム
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
内部格付システムは、ナティクシスの信用リスクの評価、監視枠組および統制枠組の不可欠な部分である。これは、信用リスクの評価に使用されるすべての手法、プロセス、方法および管理をカバーしている。これは、基礎的インプット(格付に対応するデフォルト確率(PD)およびデフォルト時エクスポージャー(EAD)に対する比率で表わされるデフォルト時損失率(LGD)を含む。)を考慮している。
規制上の要件に従って、銀行帳簿および関連エクスポージャーの中のすべての取引相手方は、以下の場合に、内部格付を有さなければならない。
・ 貸付があるかまたは信用限度が割り当てられている場合
・ ローンを保証する場合
・ 貸付担保として使用される証券を発行する場合
ECBにより先進的IRB手法(IRB-A)として承認された当行の主要なエクスポージャー分野(銀行、企業および専門金融)の枠組は、4つの基本的な柱に基づいている。
・ きめ細やかで状況に応じた手法:格付手法の選択は、取引相手方のリスク特性に依存する。当行は、データが許す場合には統計的手法を用い、より具体的な分野では専門的な手法に依拠する。この枠組には、少なくとも年1回見直される国(ソブリン)のリスクに連動する格付上限の適用といった、専用の措置が含まれている。
・ 堅牢なITツール:専用システムにより、各格付の開始から検証に至るまでのトレーサビリティ、管理およびアーカイブ化が確保される。
・ 統合された管理枠組:格付は、信用供与からデフォルト後の分析まで、当行のリスク管理プロセスの中核をなしている。
・ 継続する定期的なレビュー:モデルとそのパラメーターは、長期にわたってその適合性およびパフォーマンスを確保するため体系的に見直される。
カントリーリスクに関して、同システムは、ソブリン格付およびソブリンでない取引相手方に付与される格付を制限する国に対する格付に基づく。これらの格付は、毎年(必要な場合はより頻繁に)審査される。
かかる枠組の責任は、全社的リスク管理部門内の専門チームが信用リスク部門と共同して担っている。その専門性は、従来の信用リスク・パラメーター(PD、LGD、CCF)のモデリングだけでなく、予測方法(ストレス・テスト、IFRS第9号)、経済的信用資本指標(デフォルト、移行、集中に関するもの)および**非金融リスク(気候、オペレーショナル)**の評価にも及ぶ。
■ 内部格付グレードおよびS&Pによる外部格付の対応表
| Groupe BPCEの参照スケール | ||
| 格付 | デフォルト確率 | S&Pの格付 |
| 1 | 0.008% | AAA |
| 2 | 0.013% | AA+ |
| 3 | 0.021% | AA |
| 4 | 0.035% | AA- |
| 5 | 0.057% | A+ |
| 6 | 0.092% | A |
| 7 | 0.149% | A- |
| 8 | 0.242% | BBB+ |
| 9 | 0.394% | BBB |
| 10 | 0.639% | BBB- |
| 11 | 1.038% | BB+ |
| 12 | 1.686% | BB |
| 13 | 2.738% | BB- |
| 14 | 4.448% | B+ |
| 15 | 7.224% | B |
| 16 | 11.733% | B- |
| 17 | 19.056% | CCC+ |
| 18 | 30.950% | CCC |
| 19 | 50.268% | CCC-からC |
取引相手方の種類により格付の尺度は異なり、銀行、大企業および専門金融の場合は19階級に分類される。各格付は、格付手法、格付(1~19)およびウォッチリスト・レベルに応じて7~8クラスの範囲のデフォルト確率クラスに割り当てられる。リスク加重資産(RWA)の算出に用いられるデフォルト確率は、エクスポージャー分野に応じて3ベーシスポイントまたは5ベーシスポイントの差が設けられた規制フロアの対象となる。
外部格付システム
標準方式を用いる資産については、ナティクシスは、Fitch Ratings、Standard & Poor's、Moody's、DBRS(Dominion Bond Rating Service)およびBanque de France(BDF)といった機関の外部格付を用いる。
外部格付機関の英数字からなる信用格付段階およびリスク加重係数は、ACPRが公表する注記*(CRD4に基づく健全性比率算出方法(資本要件指令4))*に従って調整される。
銀行ポートフォリオのエクスポージャーがそのまま適用できる外部信用格付を有しない場合には、当行の顧客標準により、個別に、分析の後で、発行体(または該当する場合には保証人)の内部またはエクスポージャー格付に部分的に基づく格付の適用が許可される。
⑦ 内部モデルの検証
モデルの検証
規制要件に従って、Groupe BPCEは、ナティクシスに適用される信用リスクおよび取引相手方リスクの内部評価モデルを検証するための方針および手続を実施した。この独立したモデルの検証方針は、より広範なリスク・モデル管理枠組の一部である。
Groupe BPCEの最高リスク管理責任者の直属であるモデル・リスク管理部門が、モデルのライフサイクルを取り巻くガバナンスについて責任を負う。モデルのライフサイクルにおける様々なステージ(デザイン、ITの開発、検証および使用)が明確に提示され、各参加者の役割および責任が特定および詳述される。
内部取引相手方リスク・モデルおよび内部格付システムの検証は、Groupe BPCEのリスク部門の検証チームにより行われる。モデルの検証プロセスは、以下の7つの段階に基づいている。
・ モデルにより適用されたデータおよびパラメーター:データの質および代表性の分析、統制の完全性、エラー報告、データの包括性等
・ 手法およびデザイン:モデルの基礎となる理論の分析、推計値、測定方法、リスク指標、集計規則、モデルのベンチマーキングの分析、精度および収束値の分析
・ 恒久的監視:検証チームは、モデルの監視手法の存在を確保し、かかる手法の実施に伴うリスクを評価する。
・ モデルのパフォーマンス:設計段階および定期的に行われる、モデルのパフォーマンスに関連するリスクの評価
・ ITの開発:カウンター・インプリメンテーション、コード分析、検証
・ 文書化:受領した手法に関する文書の質および包括性の分析
・ モデル管理:モデルがそのライフサイクルを通じて内部基準を遵守しているか否かの評価
モデルのデザイン、改良および継続的な管理は、モデル所有者に代わってモデルデザイナーにより実施される。Groupe BPCEのリスク部門の検証チームは独立して活動し、あらゆる新規のモデルおよび既存のモデルに関するすべての修正または改善につき相談を受ける。格付モデルの設計(より一般的には、信用リスクまたは取引相手方リスクの算出)を担当する当該チームは、1年ごとに、バックテストおよび使用試験の分析を網羅するモデルの定期的審査を行っている。
第三防衛ラインは、一般的調査部門であるが、内部モデルの審査およびモデル・リスク管理枠組を遵守しているか、またモデル・リスク管理がその方針および手続を正しく適用しているかについて毎年審査している。
モデル管理は、モデル・リスク管理委員会(MRMC)と機能モデル検証委員会で展開され、強固なモデル・リスク管理枠組の実施を保証している。
内部モデル検証手続は、2つまたは3つの段階で行われる。
**1)**モデル開発に携わった事業体または部門から独立して行われる、検証チームによるモデルとその適合性の審査
**2)**定量的専門家(モデラーとバリデーター)および事業分野の専門家で構成される機能委員会による検証結果の審査。審査は、上級経営委員会の構成員であるGroupe BPCEの最高リスク責任者またはモデル・リスク管理部門長が議長を務めるモデル監視委員会(MOC)に提出される。
**3)**特定のモデル変更の重要性分析という特例に関するモデル・リスク管理委員会(MRMC)による検証(欧州の監督機関による事前の承認が必要となる場合がある。)
モデル・リスク管理委員会の役割は、モデル・リスクの管理を監督し、モデル・リスクの管理のための適切な措置の実施を確保することである。MRMCは、年に2回、Groupe BPCEの業務執行役員会会長およびGroupe BPCEのリスクを担当する最高経営責任者が権限の委任を通じてこれを務める。
また、モデル・リスクは月次経営報告書の対象となっている。その目的は、リスク選好枠組の一部として定義される指標の実施を通じてモデル・リスクの変化を監視することであり、特にモデル・パフォーマンスの変化を追跡することである。
パフォーマンスの監視および継続する信用リスク・モデルの検証
バックテストおよびベンチマーキングは、モデルの評価プロセスにおいて不可欠である。バックテストプログラムは、格付モデル、デフォルト確率の高さを校正する方法ならびにLGDおよびEADの見積りモデルの質および信頼性を確保するために、少なくとも年に1回使用される。
これらには、指標の範囲、例えば格付機関による格付と比較した厳格性および移行に関する差異、デフォルト前の格付の変更、観察されたデフォルトならびにデフォルト前の損失および格付の変更、ならびに歴史的データの量的分析に基づき、定性的分析により補完されたLGDモデルのパフォーマンス測定に基づく詳細な分析が含まれる。
リスク・パラメーターの監視手法
当行のバックテスト手法は、各リスク・パラメーターの固有の特性に合わせて設計されている。
・ デフォルト確率(PD):格付手法のパフォーマンスは、内部格付と観察されたデフォルトおよび格付の変動とを比較することで評価される。銀行や大企業といったデフォルト実績が低いポートフォリオ(LDP)については、結論の頑健性を確保するため、外部のベンチマーク(格付機関)で内部分析を補完している。
・ デフォルト時損失率(LGD)およびデフォルト時エクスポージャー(EAD):モデルの推定値は、長期の歴史的期間にわたり観察された実際の損失およびエクスポージャーと比較される。この分析により、モデルのカリブレーションおよび経済実態との整合性を検証することが可能となる。
発展的手法を使用した内部LGD、(CCFを通じた)EADおよびELBEの監視およびバックテスト
パフォーマンス分析の柱
手法にかかわらず、当行のパフォーマンス分析は3つの主要な柱に基づいている。
・ 判別力:リスクを効果的に優先順位付けし、高リスクの借手と低リスクの借手を区別するモデルの能力(ジニ係数等の指標によって測定される。)
・ カリブレーション精度:リスク推定値(PD、LGD、EAD)が、長期的にわたって観察されたデフォルト率および損失率、または実際のエクスポージャーとどの程度一致しているかを示す指標
・ 安定性:モデルとその推定値が継続的に一貫していること。これにより対象となる母集団がモデル開発時に使用された母集団と整合していることを確認する。
ガバナンスおよび是正措置
各バックテスト演習は、詳細な報告書の対象となる。結果は、第一防衛ラインおよび第二防衛ラインが参加する専門の監視委員会に提出され、レビューと検証が行われる。
これらの分析は、上級経営陣にモデル・パフォーマンスに関する情報を提供する。警告または重大な逸脱が発生した場合、その結果を受け、当行のシステムが常に信頼性があり慎重であり続けることを確保するため、リスク・パラメーターの再調整といった是正措置が講じられることがある。
■ エクスポージャー・クラス別LGDおよびPDのバックテスト
| 2025年のバックテストの数値 | ||||
| 観察されたLGD | LGDモデル | 観察された デフォルト率 | 推定されるPD | |
| 金融機関 | F-IRB | F-IRB | 0.10% | 0.40% |
| 企業(専門金融を除く。) | 21.23% | 35.48% | 0.72% | 1.20% |
| 企業(専門金融) | 20.96% | 24.60% | 1.37% | 2.33% |
この表は、当行の格付システムの長期的なパフォーマンスの要約を示している。これはエクスポージャー・クラス別の集約的な見解を提供し、個々のモデルについて毎年実施される詳細なバックテストの演習を補完するものである。この統合分析では、当行の過去のデータに基づき、2025年1月1日から施行されているCRR3規制の枠組を考慮した上で、リスク推定値(PD、LGD)と実績を比較している。
こうしたパフォーマンス監視の結果は、詳細にせよ集計にせよ、厳格なガバナンス・プロセスによって監督されている。これらの結果は、リスク・マネージャーとモデル利用者で構成される信用リスク・モデル監視委員会(CRMMC)に四半期ごとに報告される。
同委員会はパフォーマンス指標を分析し、警告閾値からの乖離を詳細に検証し、実施すべき是正措置を決定するといった、中心的な役割を果たす。こうした措置は、モデルの信頼性を常に確保するため、方法論の調整からモデルの全面的な再調整まで多岐にわたる。検証結果はその後、独立した審査に提出され、管理機構と共有されることで、システムの包括的な監督が確保される。
取引相手方リスク・モデルの監視およびバックテスト
バックテストおよび検証は内部モデル手法によるアプローチの重要な項目である。一般的な規制要件に従い、包括的なバックテストプログラムを用いて、内部モデルの信頼性を定期的に監視しなければならない。内部のリスク管理および規制義務の遵守の双方の観点から開発および使用されているモデルから得られる結果の質および関連性を確保するために、かかるプロセスは不可欠である。
取引相手方リスクに関するバックテストプログラムは、エクスポージャー・モデルが構築される重要な仮定(市場リスク要因における確率的なプロセス、相関および価格モデル)を検証し、特定のモデルの構成要素における特筆すべき相違点を識別するように設計されている。
これらの作成された枠組は、以下の2つのバックテストに基づいている。
・ 市場リスク要因に係るバックテスト。すなわち、特殊なリスク要因の力学を説明するために用いられる確率的プロセスの予測能力を評価すること
・ ポートフォリオに係るバックテスト。すなわち、ナティクシスのエクスポージャーを代表するポートフォリオについての完全なエクスポージャー・モデル(確率的プロセス、相関および価格)を評価すること
市場リスク要因について、確率的プロセスに基づくリスク要因予測を検証するため、バックテストでは過去の傾向を用いる。バックテストは、選択した検証期間の過去の市場の集合データを用いるか、またはより長い対象期間の結果を含めることおよび/もしくはより広範囲の市況を網羅することにより事後に実施することができる。また、これは遡及的に実施することもでき、この特定のアプローチは、遡及的バックテストと呼ばれる。かかる遡及的バックテストの目的は、これよりも前の期間にモデルが実施されていたとしても当該モデルは正確に機能したといえることから、これを将来使用することが適切であるということを示すことにある。
エクスポージャーの観点では、予測した将来の時価評価(MtM)での価値を検証するため、バックテストの統計的ポートフォリオの過去のMtMでの価値をバックテストに適用する。リスク要因の観点では、サブグループの商品に対して遡及的バックテストが導入された場合であっても、エクスポージャーは、過去の価格を集計することにより事後にバックテストが行われる。事後アプローチは、営業部門のシステム内における専用のバックテスト用のポートフォリオに直接取引を重複させることを伴う。そのため、経年プロセスは実際のポートフォリオのものと類似する。遡及的バックテストは、主要な商品の分類における遡及的バックテスト用のMtMに対して特定の手段を用いる。
結果は、ヒストリカル・アプローチおよび遡及的アプローチについて取引水準および集計水準(商品の種類およびヒストリカル・アプローチについてのみ取引相手方を含む。)に織り込まれる。営業部門のポートフォリオにおいて統計的バックテストの検討ために重複される取引は、ポートフォリオの代表性を確保する方法で選択され、また年間ベースでは割り引かれる。現在および将来の価格は、参考となるCCR(取引相手方信用リスク)モデル・エンジン、営業部門のシステムの現在の価格に伴い四半期ごとに再調整される現在の価格から取得される。
⑧ ナティクシスが用いる主要な内部モデル
■ 主要な内部モデル:PD、LGD、CCFおよびボラティリティ・ディスカウント(EU CRE)
| インプット・モデル | エクスポージャー・タイプ(PD)/ リカバリー・タイプ(LGD) | モデル数/採点手法(SM) | 詳細/方法 |
| PD | 金融機関 | 5 | 量的基準(会計バランスシート)および質的基準(アンケート調査)に基づく専門家の分析型の採点手法(SM)。取引相手方の種類別手法。 |
| PD | 大企業 | 4 | 事業部門および分析の2つの主要な柱(事業特性と財務特性)に基づく、または持株会社の信用リスク(保有)、あるいは特別目的会社の存続可能性とリスク(オブジェクト・ファイナンス)に基づく、専門家分析型の採点手法。 |
| PD | 不動産 | 2 | 専門家分析型のSM。対象の不動産プロジェクトの進捗状況や成熟度に応じて分析手法は異なる。 |
| PD | プロジェクト | 1 | SMは、ⅰ.商業リスク、ⅱ.プロジェクト価値リスク、ⅲ.運営および建設リスク、ⅳ.財務リスクの4つの主要なリスク区分に分類される。 |
| PD | 中小企業 | 8 | 主に貸借対照表データ及び銀行取引行動/銀行取引履歴に基づく、親会社または連結財務諸表を有する企業を対象とした統計モデル(ロジスティック回帰)または定率格付。 |
| LGD | 中小企業 | 2 | 1)収益と地理的領域を用いた意思決定の樹状図に基づく統計的モデル。 |
| 2)取引関係、商品種別、事業部門等を用いたロジスティック回帰に基づく統計的モデル。 | |||
| LGD | 専門金融 | 3 | 再販売資産の評価に用いられるモデル。資産処分の仮定は、不利なシナリオに基づく。 |
| CCF | リボルビング・クレジット・ファシリティ-中小企業/専門金融 | 1 | リボルビング・クレジット・ファシリティについて、商品の種類および取引相手方の種類別の内部債務不履行およびセグメンテーションに基づき測定されるモデル。 |
| ボラティリティによる修正 | 「コモディティ」証券 | 1 | 内部データおよび専門知識を根拠とする仮定を基にした過去の市場価格に基づく確率的モデル。 |
| ELBE | 中小企業/専門金融 | 2 | 1)供給率とデフォルト期間に基づく専門的モデル。 |
| 2)統計的モデル:部門、デフォルトの理由、デフォルトの期間に基づくロジスティック回帰。 |
2025年1月1日にCRR3規制が発効したことに伴い、当行の内部モデルの範囲は大幅に変更された。この新規制に伴い、IRB基礎アプローチ(IRB-F)は、銀行および大企業(売上高500百万ユーロ超)に対するエクスポージャーに適用されるようになった。
その結果、内部LGDモデルおよびCCRモデルの適用範囲が限定された。さらに、2024年にECBが承認した要請を受け、ソブリン機関に対するエクスポージャーは標準的手法に戻った。こうした規制の調整に伴い、新たな枠組では適用できなくなった内部モデルが廃止された。
取引相手方リスクに使用される主要なモデル
EEPE(正の実効期待エクスポージャー)の計算には、モンテカルロ型アプローチを用いた多くのシナリオにおける将来の日付時点のリスク要因の変動可能性のシミュレーションが必要となる。そのため、各取引の時価評価での価値は各シミュレーションの期間および各シナリオにおいて再測定される。ネッティングおよび担保の設定の段階では、エクスポージャーは、価格のネッティングおよび担保をエクスポージャーに含めることを許容する法的枠組(マスター契約およびクレジット・サポート・アネックス)を考慮し、価格を集計することで計算される。特定の取引相手方に対するエクスポージャーの金額は、すべての相殺金額および非清算取引について計算されたエクスポージャーの合計額と一致する。
当該モデルは、主に以下の要素を適用している。
・ 様々な軌道について商品を再評価するための価格モデル
・ クローズアウト・ネッティングの枠組のモデリングおよびクレジット・サポート・アネックスに規定される担保取引
・ 評価段階において分布および要求された要素に係る分布モデル
| 資産クラス別モデル |
|---|
| 金利/通貨分布モデル |
| 基準金利/通貨分布モデル |
| 株式分布モデル |
| 商品先物分布モデル |
| 信用分布モデル |
| インフレ分布モデル |
⑨ 信用リスクおよび取引相手方リスクの軽減法
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
信用リスクの軽減は、取引相手方が、一部または完全な債務不履行に陥った場合に、当行が被る信用リスクを軽減するための手法である。
信用リスクの軽減(CRM)手法は、適格性(欧州議会が規定する多様な基準および当行の内部書面に記載のある理事会規則第575/2013号の遵守)に基づく健全な資本要求の計算において考慮される。これには、ネッティング契約、担保(担保として提供された資産)および個人保証(請求払い保証、保証、クレジット・デリバティブ)の認識が含まれる。参考までに、ナティクシスの貸借対照表上の取引の相殺に使用される基準は、「第6 経理の状況-1 財務書類-(1) 連結財務諸表および注記-連結財務諸表注記」の注記7.3に記載されている。
CRMは、専用のアプリケーションに入力され、規制の計算ツールに組み込まれる。CRMは、健全性の規定に係る勧告に従って考慮されなければならない。保証の適格性は、保証の付与から資本要求の計算までのプロセスを通じて規定される統制のポイントに基づく。
ナティクシスは、多くの信用リスク軽減法(相殺契約、個人保証、資産保証またはヘッジ目的の信用デフォルト・スワップ(CDS)の使用を含む。)を有している。
信用リスク軽減法には、以下の2つの種類の保証が含まれる。
・ 非金融または個人担保:
借手が債務不履行に陥った場合に、1または複数の保証人が債権者への支払いを担保する。これには、個人保証、請求払いの保証およびクレジット・デリバティブが含まれる。
・ 金融または不動産担保もしくは担保付ローン:
金融担保により、債権者に借手または保証人に属する1つまたは複数の資産に対する不動産担保権が付与される。担保の形式には、現預金、証券、(金等の)コモディティ、不動産資産、住宅ローン担保証券、生命保険契約の誓約が含まれる。
担保の適格性は、以下のプロセスに従って規制される。
・ 法務部門による担保に関連する書類および担保の執行可能性の検証
・ リスク部門による検証
規制上の要件に従い、当行は保証の評価を行い、これらの評価を定期的に見直し、必要に応じて調整を行う。
担保は、ボラティリティおよび種類を調整される。担保の回収は、保守的な評価および債務減免に基づき四半期ごとまたは毎年見積もられ、景気減速の際には、かかる担保権を現実に実行することを考慮する。
その性質に応じて、担保による保証は以下の個別の適格性基準を満たさなければならない。
・ 非金融保証:個人保証の適格性は、保証人の質によって左右され、複数の条件を満たさなければならない。
・ 保証人に対する直接的な請求の表明および個別エクスポージャーへの言及
・ 取消不能および無条件
・ 取引相手方が債務不履行となった場合には、当行は、遅延している支払いを受けるために、取引を管理する法的文書に基づき、許される時間の枠組内で保証人に対して法的措置を講じることができる。
・ 保証とは、保証人の負債を負わせた法的文書により課せられる債務である。
・ 保証人が、当該借手により行われるべき支払いのすべての種類を網羅する。
・ 金融保証:適格性は、関連する法的枠組、保証の性質(金融担保、不動産担保または相殺契約)、借手および流動性により決定する。適格性は、少なくとも年に1回評価され、以下の条件のうちいくつかを満たさなければならない。
・ すべての法的文書は、すべての関係者に対して拘束力を有し、すべての関連管轄において法的に有効である。
・ 当行は、債務不履行、支払不能または破産の場合に、担保を現金化するまたは担保の所有権を取得する権利を有する。
・ 取引相手方の信用の質と担保の評価との間に重大なプラスの関連性は存在しない。
・ 資産は流動的でなければならず、その評価は、現金化が確実に行われるよう、長期的に十分に安定していなければならない。
監視に関して、担保契約および相殺契約につき、以下が行われる。
・ 融資申込が承認されまたは審査された場合、提供された商品または保証ならびにリスクの質における関連する改善の適格性を確定するための分析
・ 標準契約または法務部門が承認した契約に基づく検証、処理および文書作成
・ リスク管理および管理メカニズムにおける登録および監視手続の対象となる。
同様に、保証人の提供機関(署名による保証、CDSまたは個人信用保証による。)は、債務者に対するのと同様に、検証され、格付けされ、監視される。
ナティクシスは、取引相手方、部門および地理的地域別のリスク集中を減少させるために、債務を減じる措置を講じる可能性がある。集中リスクは、ストレス・テストの方法(マクロ経済のシナリオによる格付の変更)に基づき、分析により完成される。ナティクシスは、リスクの市場への移転により、いくつかの資産に付随する信用リスク・エクスポージャーの全部または一部を軽減するために、クレジット・デフォルト・スワップを購入し、総合的証券化取引を行う可能性がある。ナティクシスは、一般的にOECD銀行であるクレジット・デフォルト・スワップの売り手に付随する取引相手方リスクを負担する。ノンバンクである第三者との取引は、現金で全額担保される。これらの取引は、デリバティブ取引に適用される意思決定および監視手続に従う。
取引相手方リスクの軽減
二者間取引の場合、ナティクシスは以下の3つの手段を用いて、さらされている取引相手方リスクを軽減する。
・ 可能な場合、取引相手方とのネッティングを完全に終了することができる包括協定の締結。包括協定を締結する主要な目的の1つは、一方の当事者がデフォルトに陥った際に、他方の当事者が既存の取引をすべて終了することができる点にある。マスター契約は、基礎となる取引の評価方法およびすべてのヘッジ取引を相殺することによる最終的な決算金額の確定方法について規定する。クローズアウト・ネッティングのメカニズムにより、相手方当事者の信用リスクを軽減することができる。店頭取引でのデリバティブ取引に最もよく用いられる包括協定とは、国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)またはフランス法に基づく店頭取引でのデリバティブ取引の場合には、Fédération Bancaire Française(FBF)に基づくものである。
・ 当該包括協定に追加される、関連する取引相手方との間の取引のポートフォリオの評価に応じて変動する担保交換の適用について規定する担保契約。保証のメカニズムにより、信用リスクおよび市場の変動から生じるデリバティブ取引の潜在的な損失が軽減される。担保は、追加証拠金の後に両当事者間で交換される現金または有価証券(国債等)の形をとることもある。当事者は、適格担保の種類、追加証拠金の頻度、閾値または最低送金額を変更することにより、担保交換の条件を追加または修正することができる。欧州市場インフラ規則(「EMIR」)により、強制清算の対象とならないデリバティブについて、担保契約(「VM CSA」)の締結が義務化された。
・ イニシャル・マージン取引。当該イニシャル・マージンは、EMIRの一環として、義務的ネッティングの対象とならないデリバティブのために設定された。当該規制では、現在の信用エクスポージャーを対象とするヴァリエーション・マージン(上記にて定義される「VM」)のほか、取引相手方のデフォルトに伴い、VMの最終交換からポジションの清算までの期間における潜在的な将来の信用エクスポージャーを対象とするイニシャル・マージン(「IM」)の導入についても規定される。VMとは異なり、IMは分離され、再度使用することはできない。当該イニシャル・マージンは、過去のデータに基づきモデル化した信頼区間99%、清算期間10日間の極端な推定値を用いた場合の、清算期間中の取引額の変動を補填するための預り保証金として機能する。イニシャル・マージン・スワップは、主にヘッジファンド顧客を対象に、規制上の枠組を超えて拡大された。当該イニシャル・マージンの交換は、ナティクシスに有利な一方的なものであり、清算期間中の取引価値の変動を補填することを目的とする。
・ 店頭取引でのデリバティブのポートフォリオに対する信用リスク保護の購入。取引相手方がデフォルトに陥った場合、プロテクション・セラーは、デリバティブ・ポートフォリオの解約価額または定額のいずれか小さい方に適用される割合をナティクシスに支払う。プロテクション・セラーは取引相手方に対する請求の回収においてナティクシスと同順位であり、リスク保有比率が適用される(ナティクシスはリスクの一部を負担しなければならない。)。こうしたヘッジの購入については、いくつかの法的構造が考えられる。すなわち保険、金融保証、リスク分担契約、CCDSまたはCLNであり、すべての適格な原資産(コモディティ、信用、株式、FXまたは金利)は、リスク・マンデートで認められた通貨で取引される。
クリアリングハウスを通して処理される取引の場合、クリアリングハウスは、構成員の代理を務めることにより取引相手方リスクの大部分を負担する。これを実行するために、クリアリングハウスは、イニシャル・マージンおよびヴァリエーション・マージンのコール・システムを用いる。
ナティクシスは、EMIRおよびドッド・フランク法の規定に基づき、資本市場活動(レポ、デリバティブ)における通常の取引相手方リスクの軽減枠組の一環として、ネッティングを使用している。
ナティクシスは、適切な法的文書を締結し、最低A(ブローカーはA-)の内部格付を付与され、承認を受けた機関とのみ、直接的または間接的に取引を行う。
決済業務は、特定の管理枠組から恩恵を受け、またナティクシスが当該クリアリングハウスの一員である場合には、イニシャル・マージンおよびデフォルト・ファンドに係る特定の閾値の設定を伴う。
ナティクシスがブローカーの仲介サービスを利用する場合、ナティクシスがかかる取引相手方に関して設定しているその他の限度枠に、イニシャル・マージンの限度枠が追加される。
閾値の設定および年次の見直しに係る新たな要請は、ナティクシスの与信判断の手続に従い、信用委員会が精査する。
信用リスク監視部門は、閾値の遵守状況を毎日監視するほか、信用リスクの監視ツールの閾値を更新し、月次のCCPエクスポージャー・ダッシュボードを作成する。さらに、違反が指摘された場合は、当該部門は、市場違反に係る週報および月例の違反委員会を通じてかかる情報を報告する。
当該限度枠は、特に主要なリスクおよび集中について、当行のシステミック・リスク感応度に組み入れられる。
⑩ コミットメントを監視する枠組
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
集中リスクおよび監視
取引相手方のグループごとの集中リスクは、主に主要な規制リスク枠組により管理されている。大規模なエクスポージャーの管理に関する規制は、1社の取引相手方が財務上の困難に陥った場合、他の取引相手方も資金調達または返済が困難になる可能性が高いことから、同一の取引相手方への過度なリスクの集中を回避するためにある。単一の受益者に対するリスクの合計額は、当該機関の総資本の25%を超えてはならない。ナティクシスは、顧客グループに対するエクスポージャーの限度枠を自己資本の最大10%までと社内規定で定めているため、かかる規制に基づく集中の閾値を下回っている。
国および地域別の集中リスクの監視は、毎年見直される全般的な限度枠に基づき行われる。
主要部門における部門集中のリスクは、前述の「③ 目標およびリスク方針」の全般的な方針により管理されている。運用限度枠は、該当する分野の取引相手方が関与するすべての資金調達取引を包含する。
評価枠組および監視枠組
ナティクシスの取引契約は、専用の統合システムを用いて日常的に評価および監視される。ITシステムにより、ナティクシスの信用リスク・エクスポージャーのすべておよびその子会社の信用リスク・エクスポージャーの大半を対象とする範囲において、限度枠および信用リスク・エクスポージャーの包括的な統合が可能となった。
リスク部門は、ナティクシスのリスク(傾向分析、指標、ストレス・テストの結果等)の分析に関する報告を上級経営陣および当行の事業分野担当部長に提出する。
信用リスク監督は、以下に基づいている。
・ 事業分野の責任
・ リスク部門の信用リスク部門が行う様々な第二段階の統制活動(格付および限度枠の確認等)
この監督は、特に「クレジット・アラート」システムを通じて、融資申込の厳格な審査、取引相手方の定期的な監視およびそれらの潜在的な悪化の予測に基づいている。このシステムは、関連するアナリスト(営業部門およびリスク部門)に送られる日々の情報に基づいており、以下を対象としている。
・ 財務データ(事業による株式またはキャッシュ・フローの不利な変動等)
・ 市場データ(株価、外部格付、CDS等)
・ 当行の展開に関連する事象(警戒リストの設定等)
これは、さらに多くの指標を組み込むことによって、状況が悪化する前に対処することを可能にしている(ファイルの確認、警戒リストまたは債務不履行への切替等)。
制限違反については、専門の月例委員会が特定の指標(数、想定、デュレーション、関連事業分野等)を用いて、制限違反の変動を分析し、著しい違反を調査し、改善状況を監視する。
債務不履行に関する新しい欧州ガイドラインの導入以降、ナティクシスはBPCEに未払いの請求書、当座貸越、破産手続および一時返済猶予の状況を常時送付し、他のBPCEの機関から報告されたデータと集計後、すべての第三者に適用される状況(健全、慎重または債務不履行)を受領する。
リスクのレベルに悪化の見られるエクスポージャーは、それらが生じた時に、確認され、取引相手方警戒リスト、特定の規定および緊急手順の両方に従って、直ちにリスク部門および関連事業に報告される。
それらは次に、エクスポージャーの程度によって、警戒リストに載せるか、リスク部門または管轄権を有する信用委員会により決定される。
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングのリスクは、必要な場合に困難なまたは債務不履行の案件に介入するリストラクチャリングおよびワークアウト部門により監視される。訴訟部門は、訴訟における貸付金の回収を取り扱う。
不良債権および貸倒懸念債権の監視ならびに引当メカニズム
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
個別の減損
ナティクシスの警戒リスト・引当委員会は、四半期に一度開催され、当行のすべての事業分野を対象とする。同委員会は、事業分野、リストラクチャリングおよびワークアウト部門ならびにリスク部門が同委員会に個別に提出した引当額に基づき、その監視下にある、引当金または既存の引当金の調整を生じさせる可能性のあるすべての不良債権を審査し、必要な引当額を決定する。
この委員会は、リスク部門により組織され、最高経営責任者が議長を務める。同委員会は、最高リスク責任者、事業分野および財務部門を担当する上級経営委員会の構成員、財務統制部門ならびに関連する支援部門の部長を招集する。
これは、リスク部門および当行の各事業分野が共同で指示する予備的委員会の構造を利用する。
予想信用損失引当金
個別の引当金に加え、ナティクシスは、当初認識時の予想信用損失(ECL)引当金を計上している。
これらの金融商品は、当初認識時以降に観察される信用リスクの増加度合いに応じて3つの区分に分類される。各区分における貸出金残高に係る減損損失は以下のとおり計上される。
信用リスクが当初認識時以降に著しく増大する正常債権は、ステージ2(S2)に分類される。信用リスクに係る減損または引当金は、当該金融商品の満期時予想信用損失(Lifetime ECL)に基づいて決定される。
S2に分類された信用リスクの増大の測定は、定量的基準および定性的基準の組み合わせを基にしている。定量的基準は当初認識時以降の格付の変化に基づいている。追加の定性的な基準は、30日を超える延滞があるすべての契約をS2、レベル1または2の警戒リスト、もしくは猶予期間中の契約、およびカントリー格付等の追加の基準を分類するために使用される。
米国およびユーロ圏におけるIFRS第9号シナリオの加重提案の検証は、地域部門委員会によって四半期ごとに検証される(そして警戒リストおよび当行の引当委員会によって最終的に検証される)。当該地域部門委員会は、財務部門、リスク部門およびCIBの事業分野の代表者で構成される。IFRS第9号の実施の一環として、当該委員会は部門、国およびソブリンの格付の承認を任務とする。
ストレス・テスト
信用ストレス・テスト枠組は、A-IRB、F-IRBおよび標準方式に従ってナティクシスの範囲を対象としている。かかるシステムは、妥当な危機的状況および深刻度の高い状況を複製するシナリオの選択に基づいており、市場慣習に沿って、過去の出来事、市場動向および環境を考慮に入れることで単なる過去のシナリオまたは理論的シナリオが排除されるようになっている。
当該枠組は、定期的に導入および見直されるシナリオを有する実質的なリスク管理手段である。リスク部門は、特に市場ストレス・テストの要件を念頭に置きながら、ストレス・シナリオについて使用されている手法の改善および定義の範囲を追加するよう定期的に努めている。
2025年には新たなシナリオが見直され、グローバルリスク委員会および上級経営委員会に提示された。これらの内部の信用ストレス・テスト・シナリオは、カントリーリスク・アナリストおよびGroupe BPCEと協力して、経済調査アナリストにより作成されたマクロ経済の前提に基づいており、2026年から2028年の期間を通して5つのシナリオで構成される。
・ 1つの基本シナリオは、外部の情報源(コンセンサス予想、中央銀行等)に基づく最も起こりうるマクロ経済および金融背景に基づいている。この基本的なシナリオは、引当金に関する当行の規定方針にも使用されている。
・ 2つの「不利な」信用シナリオとは、(ⅰ)貿易戦争と保護主義的な措置の激化の想定および(ⅱ)ECBの介入なしに、フランスの政治的危機が深刻化するという想定である。
・ 最後の2つのシナリオは、シナリオ(ⅱ)に基づき、以下の気候リスクを組み込む。(ⅰ)すべての経済主体が野心を持ち、地球温暖化を1.5度未満に抑えることと整合的な方法で、秩序立って達成するという想定。このシナリオにはまた、慢性的な物理的リスク(基調的な傾向)も組み込まれている。そして(ⅱ)急性リスクを捉えるために大規模な熱波が突発的に発生するという想定である。
(d) 証券化取引
① 一般方針
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
ナティクシスは、魅力的な条件の資金調達にアクセスし、資金調達源を多様化し、また貸借対照表の構成および比率を改善するために、顧客に対して証券化サービスを提供している。
このサービスには、取引の斡旋、マーケット・プレースメント、一時的なバック・トゥ・バック・ファイナンス(ウェアハウジング)および証券化ビークルと締結した金利デリバティブ等の様々なサービスが含まれる可能性があり、これらは単独でまたは組み合わせて行うことができる。このサービスは、ABS(資産担保証券)およびCLO(ローン担保証券)についての限定的なマーケットメイク活動によって補完される。主に優先証券レベルのエクスポージャーを考慮したこの活動は、投資家に適切な証券を販売すること、および顧客のために市場を動かすことに必要な専門知識を提供するものである。
このサービスは、この事業分野が展開されている3つのプラットフォーム(欧州、米国およびアジア)で提供されている。銀行、特定の信用金融機関(クレジットカード発行会社、消費者金融等)、クレジット・ファンド、プライベート・エクイティ・ファンド、保険会社、資産運用会社等、サービスの顧客は多様であることが想定される。
これらの取引が行われるポートフォリオはほとんど均質的だが、その資産の種類は以下のように多岐にわたる。
・ 商事債権
・ リース債権
・ 住宅ローンまたは商業用不動産ローン
・ 企業向け貸出金
・ 消費者ローンまたはクレジットカードの利用残高
ナティクシスは、自己の資金調達およびリスク管理の一環としても、この活動を行っている。
この活動を行う際、ナティクシスは様々な役割を担う可能性がある。
・ 投資家として、顧客のための金融取引および/もしくは金利デリバティブ取引、またはナティクシスが行うABSおよびCLOに係るマーケットメイク活動を通じて携わった。投資家として、ナティクシスは、地政学的観点ならびに原資産および部門の種類の両方における多様化戦略を遂行している。
・ スポンサーとして、すなわち、ABSプログラムの設定および管理を行うため、自己の顧客のための取引において携わった。
・ オリジネーターとして、自己の資金調達活動の一環としてまたは(債券ポートフォリオの信用リスクの一部を投資家に移転することを目的とした)総合的証券化を通じて携わった。
かかる活動はナティクシスの一般的な「販売に向けた組成」戦略に基づき実行されている。ナティクシスから顧客に対して付与する証券化による資産担保融資は、市場取引を通じてリファイナンスされる前提のため、基本的には期間限定である。保有するリスクポジションは、「再証券化」には分類されていない。証券化によるすべての顧客融資プロジェクトは、ナティクシスの信用判定プロセスに従っている。3つの基準が採用されており、それらは金額、満期および信用の質(格付(もしあれば外部格付)を含む。)である。
判定のために提出される各仕組配置には、理由を記載した請願書、ならびに斡旋、担保、売主/オリジネーターおよび証券化計画の資本構成(トランシェ分け)についての説明、さらに関連する保護および規制を遵守した多数のストレス・テストの分析が含まれなければならない。
トレーディング勘定に含まれない証券化資産については、信用委員会の承認を必要とする。
その後リスク部門により再分析が行われ、必要がある場合は、ポートフォリオのデフォルトリスクの定量分析が行われる。取引は、融資申込みに係るすべてのパラメーター(貸出金に係る予想利益率、資金消失および現行のリスク方針の遵守を含む。)に基づき検討され、決定が行われる。
バニラ・ファイナンス取引のように、証券化の仕組みおよび取引は、最低年1回再検討され、さらに警戒リストに記載のある取引については、最低四半期に1回再検討される。
ナティクシスは、2つのメカニズムを通じて、証券化ポジションに関するリスクを管理する。
・ 第1のものには、ナティクシスの証券化ポジションおよび関連する潜在的リスクに影響を及ぼすすべての格付の降格(該当する場合)の日次確認、また必要な場合には、適切な方策の決定が含まれる。
・ 第2のものは、定量的(ポートフォリオの格下げに対する耐性、信用の質、もしあれば格付、評価)および定性的基準(分析)による証券化ポジションの分析に基づくものである。
銀行勘定における市場リスク
エクスポージャーが通貨およびレートと合致しているので、リスクの規模は限定的である。
銀行勘定における資産の流動化リスク
証券化ポジションは、当行グループの資金またはナティクシスが出資するコンデュイットから内部的に資金調達をしている。
トレーディング勘定で認識された活動について、ナティクシスは、顧客との売買取引から生じる証券化ポジション(流通市場)を保有する可能性がある。かかる活動は、ボルカー・マニュアルならびに発生するリスクの種類および保有手続を特定するリミット・マンデートにより管理される。
ナティクシスは、証券化ポジションについてIAA(バーゼル内部評価手法)は用いていない。
② 格付システム
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
ナティクシスは、状況に応じて、SEC-IRBA、SEC-SAおよびSEC-ERBA手法を使用し、手法の階層を考慮しながら適切な種類を選択している。
ナティクシスは、証券化取引において、特にMoody's、DBRS(Dominion Bond Rating Service)、Fitch IBCAおよびStandard & Poor'sの4つの外部信用格付機関に依頼している。
(e) 市場リスク
① 目標および方針
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
リスク部門は、市場および取引相手方リスク(M&CR)部門を通じて、質的分析および将来の見通しについての分析の双方に基づく市場取引に関するすべてのリスク方針の正式な規定を非常に重視している。かかるアプローチは、主にグローバルリスク予算の戦略的な検討、事業目的および市場の傾向に基づいており、早期に警告する先行システムに依存する。
これらの市場リスク方針は、リスク監視および管理に関する一連の方法論的原理を重視し、ビジネスへの資産区分および管理戦略によるマトリックスアプローチを提供する。
② 市場リスク管理の組織
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
リスク部門によって運営されるリスク・ガバナンスは、すべてのリスク部門が関与する構造的な組織に基づいている。同部門は、リスク選好枠組を運営し、ナティクシスのリスクを管理および監督する委員会の構成に依拠している。この枠組の中で、市場リスク管理枠組は、グローバルリスク委員会を頂点とする委任構造に基づいて定められる。最高経営責任者またはその代理が議長を務める市場リスク委員会も重要な役割を果たす。
リスク部門は、
・ 市場リスクに関するリスク測定方法、基準および手続を規定する。
・ 年次限度評価(リスク選考を含む。)および特別変更要請(VaR、ストレス・テスト、業務インジケーターおよび損失警告)の調査を行う。
・ 事業分野または上級経営陣にリスク領域に対して注意を喚起する。
・ 経済的損益、仮説的損益および現実的損益の分析と日次測定、生じたリスクの測定、これらすべての測定基準の日次報告、ならびに割り当てられた制限を超過した場合に当行グループの営業担当および経営陣への報告を行う責任を有する。
・ 規制に従い、独立して価格を検証し、調整する。
・ ポジション状態にある金融商品の評価に使用されるパラメーターが規制を遵守しているか判定する。
・ 管理ツールとして営業担当に使用される評価モデルおよびリスク測定モデル、ならびに当行の内部モデルに関するモデルおよび手法の検証および監督を行う。
市場および取引相手方リスク(M&CR)部門は、市場運営のためのリスク選好およびリスク・マンデートのコンプライアンスを保証する。市場リスク監督枠組は、多くの委員会により支持されている。
・ 市場リスク委員会は、最高リスク管理責任者、上級経営陣およびエグゼクティブ委員会の委員(グローバル・マーケット、ファイナンス、コンプライアンスおよびALMの担当部長、内部統制ならびにBPCEの代表者を含む。)が出席する。この委員会の目的は、RAFおよび規則に従って戦略が確実に実施されるようにすることである。
・ 顧客貢献委員会は、事業分野と連携している。
・ 評価委員会は、ファイナンスと共同で運営され、市場および公正評価パラメーターに関するすべての事項を取り扱う。
・ BCBS 239規制に準拠したデータ品質委員会
・ FBL/ボルカー委員会は、MCRが監視するボルカー/LSBに関する指標の検証を担当している。
・ すべての委員会は、全社的リスク管理チームおよび内部の独立モデル検証チームと連携してモデル監視に取り組んでいる。
③ 市場リスクの測定方法
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
ナティクシスの市場リスク管理は、当行の各事業体により生じたリスクを測定するリスク測定方法に基づいている。
市場リスクを測定するために様々な手法が用いられ、これらの手法により、ポートフォリオのポジションに生じたリスクを異なるショックに応じて特定することができる。
・ 局所的には、感応度装置により、内在するリスク要因のわずかな変動による潜在的な損失を特定することが可能である。
・ ストレスがかかっていない日次的ショックの場合は、過去年において最も重大なショックが適用された現ポートフォリオのポジションについて潜在的な損失を見積もるためにVaRが用いられる。
・ ストレスのかかった日次的ショックの場合は、ストレスのかかったVaRにより、直近の過去年において最も重大なショックが適用された現ポートフォリオのポジションについて潜在的な損失を見積もることが可能である。
・ 連続した3日間および10日間のより大きな規模のショックについては、(特定のおよびグローバルな)ストレス・テストにより、例外的で即時性がある潜在的損失を見積もることが可能である。
これらのリスク測定は、包括的な監視枠組により管理されており、特定のリスクに関する上限枠組に基づくナティクシスのリスク選好に対応している。
トレーディング勘定におけるポジションの割当
当行の金融資産および負債ならびにオフバランスシート商品は、健全性規制が定義するトレーディング勘定または銀行勘定という2つのポートフォリオのうちどちらかに分類されなければならない。トレーディング勘定に含まれないポジションは、銀行勘定に振り分けられる。
規制(CRRの第4条(1)(86))によると、トレーディング勘定には「第104条に従い、取引目的または取引目的で保有しているポジションをヘッジする目的で組織が保有する金融商品およびコモディティのすべてのポジション」が含まれる。
取引は、特に商品の管理方針および流動性を基準とする専用の手続に従って、トレーディング勘定に割り当てられる。このナティクシスレベルに適用される手続は、Groupe BPCEのために設計された手続全体の一部である。銀行ポートフォリオとトレーディングポートフォリオの間でのポジションの再分類は、例外的であり、ナティクシスのプルーデンシャル委員会の承認を受け、最終的にはBPCEの特別機関によって承認される。
ポジションはポートフォリオ・レベルで運用上分類され、その管理方針は各オペレーターのリスク・マンデートで定義される。
各支払いが正しく分類されていることを確認するために、毎月チェックされる。
バリューアットリスク(VaR)
ナティクシスの内部VaRモデルは、2009年1月にフランス健全性監督機構に承認された。ナティクシスは、承認された範囲内(主にフィックスド・インカムの範囲)で市場リスクに係る資本要件を計算し、市場リスクの管理および監視のためにもVaRを使用している。本モデルは、様々なリスク要因に関してポートフォリオの潜在的な非線形の特性を考慮に入れた、モンテカルロ型の方式に基づくコンピューター・シミュレーションにより計算されている。
ナティクシスのすべてのトレーディングポートフォリオ(グローバル・マーケット、ALM、キャッシュ、非継続事業)に関して、VaRは毎日計算および監視されている。ポートフォリオの評価に用いられた市場データ(株価、指数、金利、為替レート、商品価格およびそれらに関連する変動)は、可能な場合は毎日、また統計データ(標準偏差および相関)は、毎週更新される。
すべてのトレーディング勘定は、有効な市場リスク方針に従い、適切なリスク監視・監督メカニズムの対象となっている。VaRの限度は総合的な水準で、事業ごとに設定される。
これらの手段は、VaRについて理解させ、あらかじめ定められた信頼水準(99%)および時間(1日)に基づき、各事業における潜在的損失を識別するのに役立つ。
この目的を達成するために、ポートフォリオの価値に影響を及ぼす市場パラメーターの動向を追跡する統計的モデルが構築された。計算方法は、標準偏差が12ヶ月間および3ヶ月間で定期的に計算される(それぞれのリスク要因ごとの)最大標準偏差として計算される計量経済学モデルに基づいている。この方法により、市場が突然不安定になった場合にVaRがより敏感に反応するようになる。
VaRの計算のためのポートフォリオ保有期間は、リスク監視は1日、資本計算は10日と設定されている。10日の保有期間は、1日VaRに10の平方根をかけることで推定される。
最も複雑な商品を含む一連の商品について、VaRは感応度を通じた限定的な変化によって測定される。
VaRの水準は、ナティクシスにおける様々なレベル(デスクや事業分野)で設定された制限によって管理されており、営業の観点からみた当行のリスク選好の低下に資している。
ポートフォリオの評価方法は、商品により異なり、(特に金融派生商品では)全体の再評価、または線型および非線型効果の両方を考慮するために、市場のインプットに対する一次または二次感度に基づく。
一般的なリスクおよび特定のリスクは、リスク要因同士の相関関係を考慮した単一のモデルに従って計算される。
リスク要因の予想される変動をシミュレーションするためにナティクシスにより用いられた利益は、以下の分野を除く、ほぼすべてのリスク要因の絶対利益率である。
・ エクイティ:株価/指数、ボラティリティ、配当
・ IR:ボラティリティ
・ FX:為替レート、ボラティリティ
・ コモディティ:貴金属価格および指数、商品指数ならびに商品先物契約
さらに、VaRの信頼性は、日々の取引結果の変動と比較することにより、定期的に測定される(このプロセスはバックテストとしても知られている。)。これにより、VaRが事前に予測した潜在的損失と実際の損失との事後比較が可能となる。
ストレスのかかったバリューアットリスク(SVaR)
規制基準(バーゼル2.5)の変更により、ナティクシスは日次のストレスのかかったVaR(SVaR)モデルを実施した。かかるモデルは、ポートフォリオ(VaRと同じ範囲)に関係する代表的な危機シナリオを含む固定された計量経済学モデルに基づき、連続する12ヶ月間にわたり計算される。かかる計算方法は、99%の信頼水準で1日のホライズンのヒストリカル・シミュレーションに基づく。一方で、1年間で変動する260の日内変動シナリオを用いるVaRと異なり、ストレスのかかったVaRは、関連する金融不安期に対応する過去1年間の時間枠を用いる。
VaRと同様に、ストレスのかかったVaRは、最も複雑な商品に対するリスク要因別の感応度を通じた限定的な変化によって算出される。
VaRと同様に、ポートフォリオの評価方法は、商品により異なり、(特に金融派生商品では)全体の再評価または線型および非線型効果の両方を考慮するために、市場のインプットに対する一次または二次感度に基づく。
現在ナティクシスが用いているストレスのかかった期間は、ストレスのかかったVaRを算出するのに最適な時期である2008年8月1日から2009年7月31日を含む。
VaRの場合と同様に、ナティクシスが用いる10日の保有期間は、1日のストレスのかかったVaRに10の平方根をかけることで推定される。
VaR、SVaRおよびVaRのバックテストの監視
ナティクシスの内部モデルはVaRおよびストレスのかかったVaRの計算に基づいている。
・ 計算の前提、特に99%の信頼区間が保証されていることを確認するため、損益のバックテストの計算が1日単位で実施される。
・ かかる検証には、99%のVaR水準と日次の現実的損益水準および仮説的損益水準との比較が含まれる。
・ 測定は、ナティクシスの連結会計およびすべての主要な活動にわたり実施されている。
・ マイナスの現実的損益水準または仮説的損益水準が同日のVaR計算を上回った場合、分析の上、内部で定義された基準に基づいて説明を行う。
・ その後、規制当局に連絡し、ナティクシスが承認した連結の範囲内で生じたかかる例外について通知する。
・ 1年間で相当数の例外が発生した場合、ナティクシスの資本の計測の際のVaRおよびSVaR計算に適用される乗算係数に前年同期比ベースで付加が与えられる。
追加的リスクに係る自己資本賦課(IRC)
IRCは、負債性金融商品(債券、信用デフォルト・スワップおよび関連するデリバティブ)のうち、特定金利リスクのVaRに基づき認可を得た製品について、1年間の期間にわたる格付の変動リスクおよび発行者の債務不履行リスクのために要する資本費である。この資本費は、ナティクシスが認可したすべての活動に対して、VaRおよびSVaRに基づいて算出された費用に追加される。IRCは、モンテカルロ内部シミュレーション・モデルにより計算され、1年間において最も悪い数値の0.1%を除外した後の最大のリスクに相当する99.9%のバリューアットリスクである。格付の変動および債務不履行の有無は、発行者の相関モデルおよび移行マトリックスを1年の資産ホライズンを使用し、シミュレーションする。格付は、多様な状況に合わせて再測定される。したがって、それぞれの状況により、格下げや格上げまたは債務不履行に陥る可能性もある。
IRC計算モデルに使用される流動性ホライズンは、不利な市況下でのポジションの売却または分散に要する時間を表し、その期間はすべてのポジションおよび発行者において1年である。
遷移マトリックスのカリブレーションは、Standard & Poor'sの過去の遷移データに基づく。コーポレートおよびソブリン両者の履歴データは20年を超える。Standard & Poor'sに格付けされていない発行者の調整は、内部で行われる。
相関前提は、各発行者のIRCホライズン(1年)における信用度の格付に基づく。シミュレーションプロセスは、部門内および部門間の相関インプットに基づく。
この内部モデルは、いくつかの領域で定期的に監視されている。
・ IRCレベルの分析は市場および取引相手方リスク内の生産担当チームによって実施され、この測定基準を定期的に認証する効果がある。本モデルの主要なパラメーターに対する感度の測定は毎週実施され、毎月実施される分析により本モデルの一貫性が保証される。
・ 四半期末に保持される費用は、直近60日間の平均と直近のIRCの計算との間の最大額である。
・ 本モデルは様々なパラメーターに影響を与えるストレス・テストの対象となる。
・ 規範的なICAAPのニーズを対象とした内部ストレス・テスト枠組内
・ EBAストレス・テスト実施期間に規制要件を満たすため
・ 本モデルは半年に1回のモデル監視の対象となる。この監視は特に以下の項目を対象としている。
・ 使用された軌道の数を考慮した信頼区間
・ 格付のない発行体のデフォルト格付は、ナティクシスのポートフォリオに基づいて推定される。この推定の影響は、内部モデルに関するECBガイドに従って測定される。
・ 経験的相関および暗黙的相関を比較することによる、本モデルによる相関の表示ならびに相関の算出に使用されたデフォルト仮定の重要性
・ 本モデルで使用される現物ベーシス・ショックをカリブレーションするためのパフォーマンス指標
・ 業務生産プロセスにおいて事後統制が実施される。
ナティクシスが用いる内部IRC計算モデルは、2012年にフランス健全性監督機構により承認された。かかる承認は2019年に更新され、IRCの対象となるすべてのポートフォリオに対して同じモデルが使用される。
規制上の要件に従い、Groupe BPCEは、内部モデル検証に関する方針および手続を構築した。本モデル検証段階は、IRC使用に際しての必須要件である。IRCモデルは、内部モデル検証チームによって定期的に再検証されている。
ストレス・テストおよび業務インジケーター
VaR、SVaRおよびIRC手法に加え、ストレス・テストは、ナティクシスのポートフォリオおよび業務インジケーターの価値に厳しい市況が及ぼす影響をシミュレーションするために用いられる。
**1)**厳しい市況におけるポートフォリオの潜在的損失を測定するためのストレス・テスト。ナティクシスの枠組は、全般的ストレス・テストおよび事業ごとの専用ストレス・テストに基づいている。
全般的ストレス・テストは、継続的な検証の対象である。総合的なストレス・テストは日々実施され、次の2種類に分類することができる。
・ 過去のストレス・テストは、計上済の損益の変動について事後的なシミュレーションを行うために、過去の危機的時期に観測された市場パラメーターにおける一連の変動を複製することからなる。ストレス・テストは予測する力は有していないが、既知のシナリオに対するポートフォリオのエクスポージャーについての測定を行うことを可能にする。2008年のリーマンショック以来、2011年のソブリン債務危機、2020年の最新のCOVID-19危機、そして2023年のSVB破綻を含む、最も重要な出来事をカバーする4つの一連のシナリオが規定されている。
・ 仮説的ストレス・テストは、最初のショックの特性に従って、他の市場と比較した場合のある市場の予想される反応について妥当と思われる仮定に基づき行われる、すべての活動に係る市場パラメーターの変動のシミュレーションに使用される。ストレスは、リスク部門、営業部門および経済調査の共同の取組みを通じて決定される。7つの一連のシナリオが規定された。
・ イールド・カーブのフラット化および信用スプレッドの増加と相まった株式市場の指標の暴落
・ インフレ環境における力強い欧州金利の上昇
・ 信用スプレッドおよび金利の上昇ならびに株式市場のわずかな下落に伴う金融機関の破綻
・ 地政学的事象による供給への障害のシナリオに基づく商品危機
・ 欧州銀行連盟スプレッドの急な拡大、流動性スプレッドの拡大および「末梢」イールドの増加によって主に特徴付けられる流動性危機
・ コーポレート・クレジット:新興市場における危機の結果を想定。借入コストの上昇に伴い収益が大幅に減少し、新興国通貨の為替レートが上昇し、非金融信用指数へ深刻な打撃が生じる。
・ 気候:NGFSのネット・ゼロ2050シナリオに基づき、低炭素経済への移行に焦点を当てている。2050年までに温室効果ガスのネット・ゼロを達成するためには、大幅な政策転換(主な手段:炭素税)、技術の進歩、および投資が必要であることを強調する一方で、気候変動に関する移行リスクおよび物理的リスクを評価している。
現在、すべてのシナリオは、すべてのポジションを再評価することによって正確に計算されている。
個別ストレス・テストもまた、すべてのポートフォリオについて管理ツールにおいて日々計算され、限度が定められている。個別のストレス・テストは、同じ過酷度水準に基づき設定され、ポートフォリオごとに主な損失が生じる分野を特定することを目的としている。
ストレス・テスト測定の集計、すなわち事業分野ごとに計算された個別ストレス・テストを組み合わせたものにより、全体的な枠組が完成する。各事業の特色および異なる事業分野の多様性が及ぼす影響を反映するよう設計された多様な個別ストレス・テストの二次的に集計した合計から、この当行レベルの概要インジケーターが導き出される。
さらに、この枠組は、市場で大規模な変動を引き起こす可能性のある時事問題を明らかにする特別なストレス・テストによって補完される。特別なストレス・テストは、経済調査に基づく全体的なストレス・テストのシナリオに変換される市場動向予測を使用している。それらは主要な時事問題に対する銀行の回復力を測定し、適宜ヘッジ戦略の適用を可能にしている。
最後に、この枠組は、あらかじめ定められた損失水準に至るシナリオを特定することを目的とした逆危機シミュレーションによって強化される。リバース・ストレス・テストを算出するための新たな方法は、2022年第1四半期にERM部門によって開発され、2024年第1四半期にMRMによって検証された。その実施は2025年第4四半期にMRMによって検証され、本番環境に導入されたことで、アポロ勧告に定められた行動計画が達成された。
ストレス・テストの枠組は、リスク部門により定義され、リスク部門は、原則、方法および調整の規定ならびにシナリオの選択に責任を有する。ストレス・テスト委員会は、ストレス・テストの運用実施において責任を有し、隔月に会合する。同委員会は、実施される作業および作業量を承認し、年間のIT予算を決定する。
**2)**ポートフォリオおよび事業分野ごとに集計される損失警告は、所定の月数にわたり、または年初からの累積で損失が一定の上限に達した場合、経営陣およびリスク部門に警告する。かかる上限は、各ポートフォリオの特性、過去の業績および予算目標に応じて市場リスク委員会により設定される。
**3)**制限体制もまた、全般的な経営指標および/または事業を含み、より直接的に観測可能な基準(原商品の変動に対する感度、変動性、相関関係、名目等)に焦点を当てる。これらの質的および量的な指標の制限は、VaRおよびストレス・テストの限界に従っている。
独立した評価管理
ナティクシスの多様な市場製品の評価は、専用の手続による独立した統制枠組を形成する。
IFRS第9号に従い、損益を通じて公正価値で認識される金融商品は、市場価値で測定される*(金融商品の公正価値を決定するために用いられる原則に係る情報については、「第6 経理の状況-1 財務書類-(1) 連結財務諸表および注記-連結財務諸表注記」の注記5.6および注記7.5を参照のこと。)*。
公正価値の決定は、金融商品の価格および評価モデルに関する独立機能による決定および検証に基づくことの立証を目指す管理枠組に従う。
独立した価格検証
独立した価格検証は、部門の方針に沿って銀行取引の評価手続に要する市場投入を管理する、市場および取引相手方リスク部門内の評価リスクチームによって行われる。市場投入の検証は、経済効果および財務諸表で確認される評価調整の要因となることもある。
IPV(独立した価格検証)管理は、特に以下に基づく。
・ 委員会を中心に構築された監督枠組(公正価値レベル委員会、評価委員会、IPV委員会)
・ 検証およびエスカレーション枠組を説明する、方針および一連の手続
・ 週次および月次の一連の報告書
・ 専用ツール
モデルの検証
規制要件に従って、Groupe BPCEは、ナティクシスの範囲に適用される内部の市場リスク評価モデルおよび評価モデルを検証するための方針および手続を実施した。この独立したモデルの検証方針は、より広範なリスク・モデル管理枠組の一部である。
Groupe BPCEの最高リスク管理責任者の直属であるモデル・リスク管理部門が、モデルのライフサイクルを取り巻くガバナンスについて責任を負う。モデルのライフサイクルにおける様々なステージ(デザイン、ITの開発、検証および使用)が明確に提示され、各参加者の役割および責任が特定および詳述される。
内部の市場リスク・モデルは、Groupe BPCEのリスク部門の検証チームによって検証される。モデルの検証プロセスは、以下の7つの側面に基づいている。
・ モデルにより適用されたデータおよびパラメーター:データの質および代表性の分析、統制の完全性、エラー報告、データの包括性等
・ 手法およびデザイン:モデルの基礎となる理論の分析、推計値、測定方法、リスク指標、集計規則、モデルのベンチマーキングの分析、精度および収束値の分析
・ 恒久的監視:検証チームは、モデルの監視手法の存在を確保し、かかる手法の実施に伴うリスクを評価する。
・ モデルのパフォーマンス:設計段階および定期的に行われる、モデルのパフォーマンスに関連するリスクの評価
・ ITの開発:カウンター・インプリメンテーション、コード分析、検証
・ 文書化:受領した手法に関する文書の質および包括性の分析
・ モデル管理:モデルがそのライフサイクルを通じて内部基準を遵守しているか否かの評価
より具体的には、評価モデルについて、以下の点が評価される。
・ モデルの理論的および数学的検証、仮定の分析ならびにモデル文書におけるそれらの正当性
・ アルゴリズムによる検証および代替モデル(ベンチマーク)との比較
・ 安定性の分析、数値解析の収束およびストレス・シナリオにおけるモデルの安定性
・ 潜在的リスク因子およびキャリブレーションの研究、入力データの分析ならびに上流モデルの特定
・ モデル・リスクの測定および関連する準備金方式の検証
モデルのデザイン、改良および継続的な管理は、モデル所有者に代わってモデルデザイナーにより実施される。Groupe BPCEのリスク部門の検証チームは独立して活動し、あらゆる新規のモデルおよび既存のモデルに関するすべての修正または改善につき相談を受ける。内部モデルまたは評価モデルの設計を担当するチームは、特にバックテストおよび使用試験の分析をすることで、モデル・パフォーマンスを1年ごとに監視する。
第三防衛ラインは、一般的調査部門であるが、内部モデルの審査およびモデル・リスク管理枠組を遵守しているか、またモデル・リスク管理がその方針および手続を正しく適用しているかについて毎年審査している。
モデル・ガバナンスは、モデル・リスク管理委員会(MRMC)および機能別モデル検証委員会を中心に展開され、強固なモデル・リスク・ガバナンス枠組の実施を保証している。
内部のモデル検証プロセスは、2段階または3段階で行われる。
**1)**検証チームによって、モデルの開発に携わった事業体または部門から独立して実施される、モデルおよびその適合性の審査
**2)**定量的専門家(モデラーとバリデーター)および事業分野の専門家で構成される機能委員会による検証結果の審査。審査は、Groupe BPCEの最高リスク管理責任者、上級経営委員会またはモデル・リスク管理部門の部門長が議長を務めるモデル監督委員会(MOC)に提出される。
**3)**モデル・リスク管理委員会(MRMC)による検証。特定のモデル変更に関する重要性分析の場合には、欧州の監督当局による事前承認が条件とされる場合がある。
モデル・リスク管理委員会の役割は、モデル・リスクの管理を監督し、モデル・リスクの管理のための適切な措置の実施を確保することである。MRMCの議長は、年に2回、Groupe BPCEの業務執行役員会会長およびGroupe BPCEのリスク部門を担当する最高経営責任者が権限の委任を通じてこれを務める。
加えて、モデル・リスクは毎月の経営報告の対象となっており、その目的は、リスク選好枠組の一部として定義される指標の実施を通じてモデル・リスクの変化を監視し、特にモデル・パフォーマンスの変化を追跡することである。
注意:ナティクシスはその範囲の一部において内部モデルを採用しているが、トレーディング勘定におけるポジションの一部は、これらのモデルによるヘッジの対象外となっている。
特定された対象外の範囲は、主に以下の業務に関連している。
・ 株式市場(ストラクチャード・デスク)
・ グローバル・セキュリティ・ファイナンス、エクイティ部門
・ コモディティ、FIクレジット GSCS ABS
・ 外国為替市場における長期オプション
ナティクシスの公正価値調整方針
リスク部門は、資本市場活動の運営結果のFairVA(公正価値調整)方針を定義し、遂行する責任を負う。
当該方針の目的は、報告された結果の信頼性を保証することである。
したがって、FairVA方針は、公正価値で評価された金融商品への市場リスクのFairVA算出指針を定義する。
市場リスクのFairVAは、以下に分類される。
・ 反転するポジションおよび流動性ポジションの費用のFairVA
・ インプットの不確実性を考慮したFairVA
・ モデルの不確実性を考慮したFairVA
適用された衝撃および使用された方法は、進行形でアップデートされる。
FairVA金額は毎月アップデートされる。市場およびモデルの不確実性に関連したFairVAの算出方法の変更は、モデル・リスク管理市場および取引相手方モデル承認チームによる独立した検証の対象となる。
④ 定量的市場リスクの測定データ
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
ナティクシスのVaRの変動
ナティクシスのトレーディング勘定についてのVaRの水準は、平均して7.8百万ユーロであった。2025年4月1日に最小値は5.9百万ユーロ、2025年4月23日に最大値は12.6百万ユーロに達し、2025年12月31日現在では6.8百万ユーロとなった。
■ ナティクシスの全体的なVaR-トレーディング勘定(信頼水準99%の1日VaR)
<> <img width={643} height={319} id="図 7" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image007.jpg" /> </>
■ スコープ別のトレーディングVaR合計の内訳
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
以下の表は、主要VaR数値(信頼水準99%の1日VaR)を示している。
| (単位:百万ユーロ) ナティクシスのトレーディング勘定 | 2025年12月31日現在のVaR |
|---|---|
| ナティクシス | 6.8 |
| 内訳 | |
| ・グローバル・マーケッツ | 6.8 |
| ・株式市場 | 5.7 |
| ・コモディティ | 1.8 |
| ・フィックスド・インカム-信用プラットフォーム | 1.3 |
| ・フィックスド・インカム-レートおよび通貨市場 | 4.3 |
| ・グローバル証券ファイナンス | 4.6 |
| その他ランオフ事業 | 0.4 |
2025年12月31日現在、業務別VaRは前年度を下回っている(2024年12月31日の7.6百万ユーロに対し6.8百万ユーロ)。このわずかな減少は、不安定な地政学的環境およびより持続的な商業活動の中で、前年に沿ってポジションを慎重に管理したことが主な要因である。
■ 事業分野別および相殺効果別の内訳
事業分野別のVaRの内訳は、主要な事業分野の毎月の寄与およびVaRに関する相殺効果の見通しを示している。
<> <img width={642} height={352} id="図 8" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image008.jpg" /> </>
このわずかな減少は、不安定な地政学的環境および増加する取引活動における、慎重なポジション管理が主な要因である。
■ 規制上の範囲に関するナティクシスのバックテスト
以下のグラフは、規制上の範囲に関するバックテスト(仮説的損益および現実的損益の影響を考慮したVaR(信頼水準99%の1日VaR)により事前に計算された潜在的損失の事後の比較)の結果を示したものであり、VaR指標の堅実性の証明に利用される。
<> <img width={643} height={318} id="図 9" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image009.jpg" /> </>
2025年に、主に金利セグメントにおける市場変動による損失を受け、2025年4月9日、6月26日、10月29日、12月5日、および12月29日付の仮説的損益において、5件のバックテストの例外が確認された。
■ ナティクシスの規制上のストレスのかかったVaR
規制上のストレスのかかったVaRは、平均して15.8百万ユーロであり、2025年11月12日に最小値は10.2百万ユーロ、2025年4月7日に最大値は25.7百万ユーロに達し、2025年12月31日現在では13.9百万ユーロの水準となった。
規制上のVaR(信頼水準99%の1日VaR)およびストレスのかかったVaR(信頼水準99%の1日SVaR)の変動
<> <img width={643} height={274} id="図 10" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image010.jpg" /> </>
■ IRC指標
この指標は、規制上の範囲を対象としている。ナティクシスのIRCは、平均して35.2百万ユーロであり、2025年5月8日には18.1百万ユーロの最低水準まで下落し、2025年12月17日に最大66.7百万ユーロに達し、2025年12月31日現在では48.9百万ユーロであった。IRCは、IRCの金額に直接組み込まれた現金ベースのCDS構成に関する、2024年4月5日に可決されたモデルの方法論的変更に続いて、より大きな変動にさらされている。
<> <img width={639} height={268} id="図 11" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image011.jpg" /> </>
■ ナティクシスの範囲に関するストレス・テストの結果
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
全体的なストレス・テスト水準は、2025年12月31日現在、プラス198百万ユーロの平均水準に達した(これに対し2024年12月31日現在ではプラス158百万ユーロ)。
金利上昇を想定する仮説的ストレス・テストにおいては最低水準となった(2025年12月31日現在、25百万ユーロ増)。
■ 2025年12月31日現在の全体的なストレス・テスト(単位:百万ユーロ)
<> <img width={642} height={433} id="図 12" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image012.jpg" /> </>
(f) オペレーショナル・リスク
① 目標および方針
リスク選好の策定の一環として、および2014年11月3日付フランス省令第98条に基づき、ナティクシスは、オペレーショナル・リスクに関連する損失を制限することおよびリスク軽減のための活動を定期的に見直すことを目的として、オペレーショナル・リスクの許容度の方針を策定した。かかる方針は、設置されたガバナンス、定量的かつ定性的な管理枠組ならびにこれまでに行われた監視を提示している。
かかる方針は、オペレーショナル・リスク管理基準を定めており、以下が含まれる。
・ 定量的指標
・ リスク費用を測定する1つの過去の指標
・ 規制当局に通知すべき重大な突発事象の発生を特定する1つの指標(2014年11月3日付フランス省令第98条)、内部不正、規制当局による制裁および/または情報およびコミュニケーション技術(ICT)に関連する事象を特に警告する。
・ 枠組規定遵守の1つの定性的指標
・ サイバー・リスクへのエクスポージャーを管理する1つの特定の指標
このリスク管理枠組は、フランス国内外のすべての当行の事業分野および支援部門に関するオペレーショナル・リスクのレベルを特定し、測定し、監視しかつ統制する。
② 組織
オペレーショナル・リスクの責任を負う部門は、業務上の手続、従業員および内部システムに起因する不履行または外部事象により生じるリスクの監視ならびに管理を保証する。
オペレーショナル・リスク委員会によって検証されたオペレーショナル・リスクの方針および手続に記載されている当該業務の責務は、以下を含む。
・ オペレーショナル・リスク責任者のネットワークを介したすべての事業分野および支援部門に係る事故の記録
・ 拡大プロセスを使用する深刻な事象の分析
・ 事業分野により実施されたリスクの自己評価、監査および統制に基づく量的質的いずれもの潜在的なリスクの解析
・ その他統制機能との連携
・ 主要なリスク指標および予測可能な環境変数の設定
本枠組は、オペレーショナル・リスク政策の決定、ナティクシスのオペレーショナル・リスク・エクスポージャーの監視ならびにリスクヘッジおよび軽減に関する最終的な意思決定を担う特別組織であるオペレーショナル・リスク委員会により管理されている。当委員会は、執行役会の運営機能の延長であり、責任を有する分野内の問題に係る意思決定権を有している。当委員会は、四半期ごとに会合を開き、財務部門、グローバル・テクノロジー・リスク管理事業分野を含むコンプライアンス部門、情報システム部門、全社的リスク管理部門、モデル・リスク管理部門、一般的調査部門、CIB事業部門長およびGroupe BPCEのオペレーショナル・リスク部門が出席する。当委員会は、最高経営責任者である最高リスク管理責任者(またはその代理人)が議長を務め、オペレーショナル・リスク部門長を補佐役とする。オペレーショナル・リスク部門の常任委員は、部門長を除き、オペレーショナル・リスク担当部長ならびに基準、報告およびプロジェクトの責任者である。
事業分野のオペレーショナル・リスク委員会および支援部門は、オペレーショナル・リスク委員会から派生しており、各範囲のオペレーショナル・リスク・エクスポージャーを管理している。これらの委員会は、その業務のガバナンス・マトリックス(地域および事業分野)に応じて組織されている。これらの委員会は、委員会補佐役としてのオペレーショナル・リスク・マネージャーにより促進される。各委員会は、委員会の範囲(事業分野、または事業体により支援部門)を担当する部門長またはマネージャーが議長を務め、オペレーショナル・マネージャー、委員会の範囲を専任する支援部門およびコンプライアンス・マネージャーの参加を伴う。
部門の構造は、以下の組織を反映する。
・ オペレーショナル・リスク・マネージャーの責任下にある事業分野部門
・ 現地のリスク・マネージャーに階層的に直属し、職務上オペレーショナル・リスク・マネージャーにも直属する、南北アメリカ大陸、欧州・中東・アフリカおよびアジア太平洋プラットフォームのオペレーショナル・リスク・マネージャーの責任下にある地域拠点
・ オペレーショナル・リスク・マネージャーが付託された権限内の活動に加え、ナティクシスがさらされている総合的なリスクおよび組織的なオペレーショナル・リスク(敷地もしくは情報システムへのアクセスの喪失または確保可能な従業員の喪失)をカバーするオペレーショナル・リスク・マネージャーの責任の下での支援・統制部門
オペレーショナル・リスク管理には43名のFTE(常勤労働者)が専念する。その指定された範囲内(子会社、支店、事業分野または支援部門)で、当該従業員は、オペレーショナル・リスク文化の浸透、突発事象の記録および分析、リスクの解析、是正措置の提案および追跡調査、報告書の作成ならびに管理部門への情報の上申を行う責任を有する。分析は、支援業務または統制部門が属する、または営業担当、経営管理担当もしくは事務管理担当に関係なく、そのプロセスがチームに影響を及ぼす、当行全体に実行される。
この枠組は、フランス国内外の当行の事業体、事業分野および支援部門に展開される単一の情報システムを使用して管理される。この内部ツールはフランス語および英語で利用可能であり、オペレーショナル・リスク監督枠組のすべての要素(突発事象、リスクの解析、主要なリスク指標(KRI)、是正措置、委員会等)を備えている。オペレーショナル・リスク・マネージャーが入力または承認した情報の正確性は、その他の部門(財務、コンプライアンス、法務、情報システム・セキュリティ、データの品質、保険等)からの情報と照合することにより保証される。
オペレーショナル・リスクの資本要件は、すべてのナティクシスの業務部門の標準手法を用いて算定されている。経済資本を管理する目的で、ナティクシスは、事業分野の事業体別、地理的領域別および一定の高リスクの状況におけるオペレーショナル・リスクへのエクスポージャーのレベルの総合的な概算を得るために内部の手法を使用している。かかる手法は、リスク解析に基づくバリュー・アット・リスク(VaR)の計算に依存し、バックテストのために特定された突発事象および既知の外部損失を考慮に入れている。
③ オペレーショナル・リスクの監視
リスク解析
リスク解析は、オペレーショナル・リスクの監視の中心的役割を果たしている。
<> <img width={643} height={499} id="図 13" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image013.jpg" /> </>
オペレーショナル・リスクを担当する部門は、各事業分野、事業体および支援部門とともに、またその他の統制機能と協議してオペレーショナル・リスク解析の見直しを管理している。後者は、現行のリスク管理枠組を考慮して、リスクの特定および記述的な分析ならびにかかるリスクの状況の定量化(平均頻度、平均損失および最大損失の定量化)に基づいている。かかる解析は、プロセス分析に基づき、銀行の活動のすべてについて実施されている。内部での突発事象の履歴は、得られた結果との一貫性を確認するため(バックテスト)、また内部監査および永久統制部門の調査結果の分析のために使用される。
リスク解析プロセスは、ナティクシスがさらされている業務分野およびその最大のリスクについて、それらを是正措置および指標を通して管理できるようにするために特定する役割を果たす。
極端にリスクが高い状況(すなわち、規制上の罰金、大規模自然災害、パンデミック、テロ攻撃等のような、めったに起こることがない深刻な影響)の解析もまた、金融業界における突発事象のデータを含む外部データの利用に基づいている。
リスク解析に加え、オペレーショナル・リスク・エクスポージャーの変化を動的に検出するために、限界値を伴う500を超えるKRIが設定されており、定期的に監視されている。この指標は、ナティクシス(総合的な指標)、事業分野またはオペレーショナル・リスク・マネージャーとともに、指標を解析の過程で関連する早期警告指標と定義する支援部門のいずれかに適用される。これらの指標は、オペレーショナル・リスク委員会による承認のために提出される。系統的な警告の対象である閾値を超えた場合には、直ちに実行されるか、またはオペレーショナル・リスク委員会の承認を要求する措置を誘発する可能性がある。
損失および突発事象の特定
突発事象の記録および分析
突発事象は年間を通して記録されている。コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングならびに資産運用事業分野に対しては5,000ユーロから、ウェルス・マネジメント事業分野に対しては1,500ユーロからが報告閾値としてそれぞれ設定されている。「深刻な突発事象」の単一の定義が、Groupe BPCE基準(総額300,000ユーロ)に従って使用される。すべての深刻な突発事象(規定の閾値を超えるか、または事業分野およびオペレーショナル・リスク部門長が深刻であるとみなす突発事象)は、事業分野の経営陣および最高リスク管理責任者に直ちに報告される。
すべての関連する当事者に対する調査に続き、事業分野のオペレーショナル・リスク・マネージャーは、事象の事実に基づく記述、一次的原因の分析、影響の詳細および提案された是正措置を含む標準化された詳細な報告をまとめる。当行のすべてのレベルにおいて、事業分野のオペレーショナル・リスク委員会は、その深刻な突発事象を検討する。かかる委員会は、是正措置の実施を決定し、関連する期限および提出書類を提示し、進捗を監視する。事業体および事業分野は、かかる措置を自身の閾値に適用することを決定することができるが、その閾値は、ナティクシスの閾値より低く、その活動およびリスクのレベルに沿うものである。
報告された突発事象の全体的傾向
2025年には、当年度において発生した総数2,494件の突発事象がナティクシスの事業分野の記録ツールによって報告された。
■ 2023年から2025年における活動別および発生年別の突発事象件数の内訳
<> <img width={642} height={232} id="図 14" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image014.jpg" /> </>
■ 2023年から2025年におけるバーゼルの分類別および発生年別の突発事象の純額の内訳比率
<> <img width={642} height={345} id="図 15" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image015.jpg" /> </>
リスク軽減への措置
ナティクシスは、すべての事業分野および支援部門において、当行のオペレーショナル・リスクへのエクスポージャーを低減させるための是正および予防措置を監視する監視枠組を講じた。2025年に確認された、731の措置のうち、89%は実施担当の事業分野によって直接開始され、事業分野および中央オペレーショナル・リスク委員会により監視される。オペレーショナル・リスクを軽減および解消することを特徴とするこれらの措置は、被ったリスクに依拠して3つの優先度により順位付けされる。オペレーショナル・リスク委員会は、一次的な優先是正措置の施行のあらゆる遅延に対して警戒している。かかる遅延については正当性を示さなければならない。
④ リスク特性
2025年のリスク分析は、すべての事業分野ならびに支援部門および統制機能において行われた。
2025年12月31日現在、すべてのグローバル事業分野におけるリスク状況の解析は、Natixis CIBが2,200件超、資産運用およびウェルス・マネジメントが1,500件超、Natixis Algérieが80件超を含む、4,300件を超えるリスク状況で構成されている。ナティクシスのリスク特性は、高い潜在的影響という観点から2つの主要なリスク区分を特徴としている。すなわち、当行全体がさらされているコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの下に集中した機能横断的リスク区分(規制、パンデミック、ならびにサイバー、法律および気候を含む技術)および事業分野のリスク区分である。場合に応じたリスク管理枠組は、手続および管理の安全防護対策、従業員の意識の向上、事業継続計画、情報システム・セキュリティおよび保険方針を含むこれらのリスクを網羅するために導入されてきた。
⑤ オペレーショナル・リスクに係る保険
保険に関しては、ネットワークおよび子会社は、主要な保険会社との間で締結された団体保険契約に基づき、保険対象となるオペレーショナル・リスクを補償している。このシステムは、社内の再保険会社によって補完されており、控除水準の調整を可能にしている。
保険対象となるリスクのカバレッジ
2025年1月1日現在、BPCE S.A.は、保険対象となるオペレーショナル・リスクを補償し、当行および子会社の両方を代表して、貸借対照表および損益計算書を保護するため、以下の主要保険プログラムに加入していた。
a) 統合された「国際銀行*(証券および不正行為に対する損害)*」、「専門家民事責任」および「サイバー」
b) 「規制仲介責任」(金融仲介、保険仲介、不動産取引および管理の3セクション)
c) 「子会社所有者の責任」および「引渡後および検収後の責任」を追加補償する「営業責任」
d) 「取締役および執行役員責任」
e) 本社および類似の建物ならびにその内部にあるもの*(**IT機器を含む。)*への「物的損害」および「銀行損失」
f) 「サイバー・リスクに対するデジタル資産の保護」および「銀行損失」
かかる補償は、主に「専門家民事責任」に関して、米国にある常設機関には方針が対象とならない一定の例外を除き(そこでの補償はGFSの米国における業務によって当該地域において取得される。)、一次リスクまたはアンブレラ・リスクに対して全世界的に適用が拡張される。
上記のすべての保険契約は、Groupe BPCEの保有能力に従い、免責金額を控除して(許容可能な保有レベルで)購入されている。
(g) 資産債務の管理
① ガバナンスおよび組織
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
ナティクシスは、フランス通貨金融法典が示すところの、Groupe BPCEの中央機関であるBPCEに属している。同法第L.511-31条は、中央機関は信用機関を代表し、ネットワークのまとまりならびにこれに所属する機関および会社の適切な運営を保証する責任を負うと規定している。このため、中央機関は、とりわけかかる各機関および各会社ならびにその各ネットワーク全体の流動性と支払能力を保証するために必要なあらゆる措置を行う。
Groupe BPCEの組織および中央機関の使命に基づき、構造的な貸借対照表上のリスクならびにALM方針および戦略の管理は当行グループの戦略ALM委員会の下で監督されている。これらの方針および戦略は、ナティクシスを含む各関連会社の水準で適用されている。
ナティクシスでは、資産および負債管理委員会(「ALM委員会」)は、上級経営機関である。最高経営責任者が議長を務め、隔月で開催される当委員会には、最高財務責任者、最高リスク責任者、BOAT(「バッファー、金融業務、ALMおよびトレジャリー」)部門の部門長、BPCE/ナティクシスの中央トレジャリーの部門長、SBSR(「構造的な貸借対照表上のリスク」)部門の代表者、CIB事業分野の代表者ならびにBPCE財務管理部門およびリスク部門の代表者が集まる。
当該委員会の主な使命は以下のとおりである。
・ 組織、代表および関連する責任を含むナティクシスのALM管理の監督
・ ナティクシスのために中央機関が設定したALM戦略および方針の実施の監視
・ ナティクシスのために当行グループが定義した制約を含む、ALM方針の管理の監督
・ 予算プロセスの一環として事業分野に割り当てられた内部流動性限度枠の検証および中央機関によりナティクシスに付与された市場占有率限度枠(SRN)の批准
・ ナティクシスによる当行グループの年次中期リファイナンスプログラムへの参加の承認
・ 非金融顧客からの資源を多様化し、誘致するための戦略の検証
・ RAFの限界値を除いた内部ALMの閾値および限界値の検証。当行グループの閾値および限界値におけるナティクシスへの配分は、当行グループの戦略的ALM委員会の責任であり、ALM管理に適用されるRAFの閾値および限界値は、リスク部門の勧告に基づき取締役会で承認される。
・ 資金移転価格規定(FTP)の検証
・ ALM方針、CFPおよびLMPを含むALM文書化の承認
・ SBSRリスク委託、閾値および限界値の検証
・ SBSR閾値および限界値の監視コンプライアンス
財務部門内で、BOAT部門は第一防衛ライン(LoD1)として活動し、第二防衛ライン(LoD2)であるSBSR部門の統制の下、リスク委託に沿って委員会の決定を実行し、またその実行を調整する。
リスク部門は、貸借対照表の構造的リスクを管理、測定および監視するための枠組を独立的に評価する責任を負う。当該機能は、「モデル」として分類されるALM手法の検証ならびに、トレジャリー部門およびMC&R部門(「指標算出および報告」)によって作成される経済指標の第二段階の統制を行う一方で、MC&Rによって作成される規制指標の第二段階の統制は「財務永久統制」の責任となる。
② 流動性リスクおよびリファイナンスリスクの管理
目標および方針
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
ナティクシスが参加するGroupe BPCEの資金調達方針、戦略および組織は、当行グループのグループ戦略ALM委員会の権限下に置かれており、Groupe BPCEのすべての連結範囲をカバーしている。それらは特に以下に基づいている。
・ Groupe BPCEの国際流動性市場におけるクレジット・シグネチャーおよび信用格付の保護、強化ならびに促進のための資本蓄積および保全戦略
・ BPCEにより監督され、BPCE S.A.およびナティクシスの両方の貸借対照表上から運用される流動性プール内における、流動性管理および流動性市場へのアクセスの一元化。当組織は、単一価格決定方針の適用を進め、当行グループ内での資金調達コストの最適化および流動性の循環を促進させる。
・ 地域や使用される通貨を問わず、市場勢力を占有しながら、安定的かつ恒常的なリファイナンス活動を目指すために地域別、通貨別、取引相手別、満期別および商品別に資金調達先を多様化する戦略
・ 顧客に対するコミットメントならびに規制および経済的制約の遵守を確実にするため、当行グループのリスク選好の枠組内での利用および資源の間における成熟度の観点から適切性を促進することを目的とした管理方針
・ 流動性の混乱時に事業の持続性を保持するため、担保を設定し流動性バッファーを維持する戦略
監視の枠組
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
当該リスクの運営、管理、測定および監督は、以下の当行グループの枠組に基づいている。
・ 当行グループの市場勢力に対するナティクシスの寄与度の測定および管理
・ トレジャリー部門からの各事業分野による無担保流動性(借入および規制上のもの)の消費量の測定および監視
・ Groupe BPCEの短期および中期の流動性変換に対するナティクシスの寄与度の測定および管理
・ ナティクシスの連結規制上の流動性比率に適用される閾値および内部限界値
・ Groupe BPCEの連結流動性ストレスに対するナティクシスの寄与度の測定
・ 流動性を高めリファイナンス資源を多様化するために、当行グループの戦略の実行を監視するための測定
流動性ストレス下における非常事態資金調達計画
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
流動性危機が起こった際に引き起こされる非常事態資金調達計画(「CFP」)は、流動性危機の発生時にGroupe BPCEの流動性を保護し、その活動の継続を確保するために用いられるガバナンス、組織、戦略および措置を記載した文書を指す。当計画は以下の事項で構成される。
・ 意思決定および拡大プロセスを促進するために、関連する警告閾値(「早期警告指標」)を伴う定量的かつ定性的な指標を基本とした、現在行われている監視の枠組
・ 活性化された場合に実行される組織およびガバナンスの説明
・ 実行される戦略および措置の説明
Groupe BPCEの中央機関の使命に従って、当行グループのCFPは比類のないものであり、Groupe BPCEおよびその関係会社の全体を網羅し、BPCEの財務部門の責任下に置かれる。当行グループのCFPは、その運営執行を促進するため、ナティクシスのレベルで細分化されている。ALM委員会によって検証されたナティクシスCFPは、それ自体が地理的プラットフォーム内のローカルCFPに細分化される。
BPCEの財務部門は、確実な運営準備のために、ナティクシスも参加の上、潜在的な弱点を特定し、改善点の提案を行うための当行グループのCFPの定期的なテストを行っている。
リファイナンスの原理および構造
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
ALMリファイナンス戦略
「目標および方針」の項目で述べられているように、リファイナンス戦略は比類のないものであり、当行グループの戦略ALM委員会により策定および監督されている。ナティクシスは、BPCEの財務管理部門に直属するBPCE/ナティクシスの中央トレジャリー部門を通じて、この戦略の実行に参加している。
2025年のリファイナンス構造
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
■ 取引相手方別
<> <img width={454} height={271} id="図 16" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image016.jpg" /> </>
■ 通貨別
<> <img width={454} height={254} id="図 17" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image017.jpg" /> </>
**
**
■ 満期別
<> <img width={454} height={251} id="図 18" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image018.jpg" /> </>
■ プラットフォーム別
<> <img width={454} height={249} id="図 19" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image019.jpg" /> </>
■ 2025年の中長期リファイナンス計画
<> <img width={340} height={335} id="図 20" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image020.jpg" /> </>
■ 2024年の中長期リファイナンス計画
<> <img width={340} height={266} id="図 21" src="/images/S100Y6UK/0103025_natixis_2605y_image021.jpg" /> </>
リファイナンス
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
経済および金融情勢
2025年の世界の経済活動は、直面した構造的変化がもたらした多くの不確実性および課題にもかかわらず、驚くべき回復を見せた。不確実性および貿易障害の高まりが間違いなく経済発展の足かせとなったものの、IMFは2025年の世界経済成長率を3.30%と推計した。これは前年に見られた水準と同程度である。国際貿易は、米国が課した関税の大幅な引上げに上手く適応した。極めて拡張的な財政政策が続いたにもかかわらず、2025年の先進国における経済活動は減速した(1.80%から1.70%へ)。しかし、この減速は、発展途上国における力強い成長(IMFの推計では、前年の4.30%と比較して2025年は4.40%)によって相殺された。
2025年4月2日、トランプ大統領が米国への輸入品に対する関税の全面的な引上げを発表し、もしこの貿易戦争が拡大した場合、国際貿易の低迷およびインフレの再燃が懸念された。当年度上半期は前例のない現象が見られた。輸入業者が、米国の関税引上げの導入および国境管理の引締めを懸念して発注を前倒ししたため、一時的に輸入量が増加した。WTOは、当時適用された関税が維持された場合、春には世界の商品貿易量が微減(0.2%)すると予測していたが、秋にはその予測を大幅に修正し、2025年の成長率を2.4%と予測した。この加速の要因として、関税障壁に先立って積み上げられた在庫および人工知能関連の製品(半導体、サーバー、通信機器)を挙げている。第2四半期および第3四半期における多数の貿易協定の発効も、これらの関税引上げの影響を緩和する一助となったが、米中間の緊張(特に北京が貿易交渉の切り札として用いたレアアースの輸出に関して)は、年間を通じて市場を牽引し続けた。
2025年の米国のインフレ率は2.70%となった。これは2024年(3.00%)よりわずかに低いものの、依然として連邦準備制度理事会のコンフォートゾーン(2.00%)を上回っている。連邦準備制度理事会が予想していたサービス価格の正常化が現実のものとなり、4.39%から3.26%へと鈍化した。一方、住宅セクターの成長(前年比3.20%)は、米国の中央銀行が過大とみなす水準にとどまっている。連邦準備制度理事会の12月の会合の議事録によると、FOMC構成員の間では、関税引上げの影響は今後数ヶ月で薄れると予想されるという点でコンセンサスが形成されている。しかし、一部の構成員は、その影響が年間を通じて続く可能性があると見ている。しかしながら、ユーロ圏では2025年のインフレ率は1.90%にとどまり、欧州中央銀行はこの抑制が持続可能であると見ているようだ。
連邦準備制度理事会は当年度上半期、利下げに踏み切る前に関税引上げが物価水準に与える影響を見極めることを優先し、慎重な姿勢を貫いた。最終的に行動を促したのは、第2四半期以降に見られた労働市場の減速であった。2025年の米国の非農業部門雇用者数は、前年の2百万人超と比較してわずか584,000人であり、失業率は労働力人口の4.10%から4.40%へ上昇した。長期のシャットダウン(10月1日から11月12日までの43日間)は、連邦政府の統計作成を妨げ、業務を複雑化させた。これにもかかわらず、米国の中央銀行は、異例の内部対立ならびに行政機関および中央銀行間の激しい緊張の中で、最終的に3回(9月、10月および12月)にわたる25ベーシスポイントの利下げを相次いで実施することを決定し、当年度末にはFF金利のレンジを3.50から3.75%に引き下げた。貿易戦争がユーロ圏にデフレ効果をもたらすと確信したECBは、当年度初めに4回の利下げを躊躇なく実施し、預金ファシリティ金利を3.00%から2.00%に引き下げた。中立に近いとみなされるこの水準に達した現在、欧州中央銀行は慎重な姿勢をとっており、経済データを踏まえて各金融政策会合で検討される金利の今後の推移に関して、市場に示唆を与えることを控えている。
2025年6月、イスラエルがイランの核施設および軍事施設を標的として襲撃したことを受け、中東では緊張状態が続いた時期があった。米国はウラン濃縮センターに直接介入した。この作戦は、原油価格への影響は限定的であったものの、地域的なリスクプレミアムを押し上げ、海上保険料のボラティリティを高め、重要なエネルギールートの脆弱性を浮き彫りにした。東欧では、ウクライナとロシアの交渉が停滞している。春にイスタンブールで2回の交渉が行われたが、トルコおよび米国による働きかけにもかかわらず、実質的な進展は見られていない。欧州では引続き再軍備が加速しており、ドイツはインフラ、エネルギー転換および防衛への投資の資金を調達することを目的として、約500十億ユーロの特別基金を通じた異例の財政努力を約束した。これらの支出はユーロ圏の国々の経済活動を支えるはずだが、財政赤字の重荷となるだろう。
アジアでは、日本銀行が12月に政策金利を0.75%に引き上げた。植田和男日銀総裁は、金利の正常化に向けたこの動きを継続する意向を示しているが、10年物国債の取引が1999年以来初めて2%を上回り、債券利回りが急上昇していることから、慎重な対応が求められている。中国経済は2025年の成長目標を達成したものの、依然として二極化した様相を見せている。対米輸出が急減したにもかかわらず、輸出は過去最高を記録し、貿易黒字は初めて1兆ドルを超えた。ASEAN、アフリカおよびEUへのシフトが、米国による購入の減少をほとんど相殺した。しかし国内面では、不動産が家計消費の重荷となり続け、国内需要は依然として低迷している。
短期リファイナンス
2025年は、当事業年度初めに積極的な流動性確保戦略が展開された後、過剰な流動性を抑制するために徐々に調整が行われた。この結果、短期発行プログラムの発行額は意図的に削減され(5.6十億ユーロ減)、この変化の大部分は米国プログラム(USCP、Yankee CD)に集中した一方、欧州プログラム(NeuCPおよびECP)の発行額はより安定した。当行が発行する通貨構成比はほぼ横ばいであり、貸付残高に占める米ドルの割合は65.4%から66.2%へ上昇し、ユーロの割合は28%のままだった。
欧州のマネー・マーケット・ファンド(特にフランスのファンド)による最高格付の銀行債に対する需要は、特に満期が長期のもの(6ヶ月以上)において、依然として非常に堅調である。さらに、地政学的・経済的な不確実性が高まっている昨今、中央銀行、特に当年度末の連邦準備制度理事会による利下げも、投資家の金融資産への需要を冷やすことはなかった。その結果、米国のマネー・マーケット・ファンドの運用資産総額は、年間を通じて6,806十億ドルから7,666十億ドルへと増加し、銀行の信用供与を購入できるプライムファンドの残高も、1,079十億ドルから1,218十億ドルへと増加した。FitchおよびStandard & Poor'sによるフランスの信用格付引下げも、同国の銀行債に対する投資家の関心には影響を及ぼさなかった。
■ ナティクシスによる短期債券発行プログラムの発行額
| (単位:百万ユーロまたはユーロ換算額) | 譲渡性預金証書 | コマーシャル・ ペーパー |
|---|---|---|
| プログラムの規模* | 45,000 | 24,772 |
| 2025年12月31日現在発行済 | 20,248 | 12,537 |
* 譲渡性預金証書については、NEU CPプログラムの規模のみ(NEU CP:譲渡性欧州コマーシャル・ペーパー)。
長期リファイナンス
混乱にもかかわらず、2025年の信用市場は引続き非常に活気があった。銀行は特に活発で、ドル建て市場では優先債務で384十億ドル、資本調達で81十億ドルを調達して2024年と同程度の規模となり、ユーロ建て債券市場では362十億ユーロを調達した。スプレッドの動向は当年度を通じて変動した。2025年の最初の数ヶ月の間、当行グループはスプレッドのわずかな広がりを確認した。これは地政学的な不確実性およびリスクを反映したものであったが、発行体の発行プログラムもより迅速に実行したいという意向もあった。しかし、当年度後半にはスプレッドの縮小が見られ、優良発行体で2022年より前に見られた水準近くに戻った。この緩和は、金融の安定性への見通しと堅調な資本比率に支えられ、銀行債に対する信頼の回復と強い需要を反映している。
銀行債に対する投資家の需要が堅調だったため、発行プレミアムは低くなった。ドル建ての発行額はゼロに近く、ユーロ建ての発行額は約プラス5ベーシスポイントとなった。ユーロ建てファンド(IGおよびHY)は、2025年に過去最高の60十億ユーロ(2024年は20十億ユーロ)の純流入を記録した。
■ ナティクシスによる中長期債券発行プログラムによる発行額および発行済額
| (単位:百万ユーロまたはユーロ換算額) | EMTN | NEU MTN | US MTN | 債券 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年12月31日現在から1年未満の発行 | 4,729 | 0 | 65 | 23,755 |
| 2025年12月31日現在発行済 | 24,091 | 2 | 135 | 31,942 |
③ 構造的な為替リスク
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
目標および方針
連結ベースで構造的外国為替ポジションを管理する方針は、ナティクシスALM委員会により監督されており、そのガバナンスおよび使命は「① ガバナンスおよび組織」に記載されている。この方針は、為替レートの変動に対するCET1比率をヘッジすることを目的としている。再評価が為替換算調整勘定の下で比率の分子に含まれるこのポジションは、外貨建てCET1と外貨建てRWAを整合させる。これらは、海外の支店や子会社に対する外貨資本注入、報告通貨建てでのリファイナンスまたは外貨建ての収益の留保のいずれかによって発生する。反対に、海外で保有する外貨建て純利益を本国に送金してユーロに交換したり、外貨建て純投資を同じ通貨建ての借入金で借り換えることによって減少する。ナティクシスは、構造的な外国為替ポジションを管理するため、または為替レートの変動に対するCET1比率の感応度をヘッジするために、ヘッジ・デリバティブを使用していない。
■ 構造的な為替ポジション
| 構造的変動 | ||
| 通貨(現行為替レートによる百万ユーロ相当値) | オープン時のポジション 2024年12月31日 | クローズ時のポジション 2025年12月31日 |
| 米ドル | 4,390 | 4,610 |
| アルジェリア・ディナール | 217 | 227 |
| 豪ドル | 136 | 110 |
| 日本円 | 89 | 109 |
| 人民元 | 43 | 38 |
| 香港ドル | 42 | 39 |
| 台湾ドル | 13 | 18 |
| 韓国ウォン | 29 | 35 |
| カナダドル | (4) | (1) |
| 英ポンド | 4 | 10 |
| その他 | 9 | 12 |
④ 世界的な金利リスク
一般的な方針
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
ナティクシスがGroupe BPCEに代わって主催している業務は、主に変動金利ベースで運営されたり、リファイナンスが行われている。そのためナティクシスのプルーデンシャル銀行勘定は金利の変動の影響をほとんど受けておらず、このリスクの重要性は低い。したがって、総合的な金利リスクを管理するためのナティクシスの方針は、銀行帳簿において長期にわたる構造的な指向性金利ポジションを保有することを目的としているのではない。
一定の例外を除いて、固定金利金融資産および負債は金利スワップを通じて変動金利でヘッジされている。全体的な金利ポジションは主にトレジャリー部門に集中しており、リスク部門内のSBSR(構造的な貸借対照表上のリスク)部門により監視された委任事項および制限の枠組の中で管理される。金利ヘッジの会計上の取扱いおよびヘッジ対象商品との関係は、IASの会計基準に準拠している。
総合的な金利リスク監視枠組
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
ナティクシスは、当行グループのALMにより定義された当行グループの枠組に準拠して、各事業体の具体的な必要性に応じて内部調整された評価および監視を行う枠組に補完される、連結銀行勘定の金利リスクの評価および監視のためのシステムの対象となっている。
ナティクシスの銀行勘定の金利リスク管理は、ALM委員会に監督され、そのガバナンスおよび使命は「① ガバナンスおよび組織」に記載されている。全体的な金利ポジションは、リスク部門のLoD2機能、より具体的にはSBSR部門の統制の下、リスク・マンデートおよび定義された限界値の枠組内でLoD1機能により管理されている。
3つの主要な分類の測定が実施される。
・ 通貨別および満期バケット別に計算された静的な固定金利ギャップ:次回金利リセット日までの取引予定を表す。
・ 会計処理(償却原価、損益を通じた公正価値、OCIを通じた公正価値)にかかわらず、プルーデンシャル銀行勘定におけるすべての取引に係るカーブポイント別および通貨別の経済価値の感応度(△EVE)の測定:この指標は、異なるイールド・カーブの変形シナリオ(EBAによって標準化されたものを含む。)に応じた経済価値の変動を測定する。
・ 純受取利息(△NII)の変動の測定:この指標は、当該期間中に満期を迎える取引が繰り越されるという仮定の下で、異なるシナリオに対する将来の純受取利息の感応度を測定する。
当行グループの戦略ALM委員会によりGroupe BPCEのリスク選好枠組の一部として検証された限界値は、ナティクシスの指標に割り当てられている。
定量的情報
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
下記に示されるGroupe BPCEの固定金利ギャップに対するナティクシスの寄与は、健全な銀行勘定に計上されたすべての取引を連結したものである。
■ 2025年12月31日現在の満期別金利ギャップ
| 満期 (単位:百万ユーロ) | 1年 | 3年 | 5年 | 7年 |
|---|---|---|---|---|
| 金利ギャップ(固定金利) | (327) | 200 | 374 | 235 |
以下の表は、年次報告日における利率の変動についての規制当局の異なるシナリオによる、経済価値(△EVE)およびナティクシスの連結銀行勘定の純受取利息(△NII)の感応度を示している。
■ 経済価値および純受取利息の感応度(IRRBB-テーブルB)
| △EVE | △NII | |||
| 期間 (単位:百万ユーロ) | 2025年12月31日 | 2024年12月31日 | 2025年12月31日 | 2024年12月31日 |
| 上昇の平行移動 | 30 | (28) | (46) | (151) |
| 下落の平行移動 | (76) | 10 | 7 | 50 |
| スティープ化 | (17) | (39) | ||
| フラット化 | 7 | 4 | ||
| 短期金利の上昇 | 15 | (4) | ||
| 短期金利の下降 | (47) | (27) | ||
| 期間 | 2025年12月31日 | 2024年12月31日 | ||
| Tier1資本 | 15,509 | 13,538 | ||
ストレス・テストの測定は、2022年10月のEBAガイドラインに定義された先進的な規制フロアおよびクロス通貨集約法を用いて実行される。純受取利息に関しては、規制金利ショックに対する初年度のNIIの感応度を測定する標準的な外れ値検知(SOT)に対応する感応度が示されている。
ナティクシスの銀行勘定は、固定金利エクスポージャーが超短期債に集中しているため、金利リスクに対してのエクスポージャーは限定的である。
規制上のストレス・シナリオは、欧州銀行監督機構により設定され(イールド・カーブの上昇または下降の平行移動、スティープ化、フラット化、進歩的なフロアに伴う短期金利の上昇または下降)、2025年12月31日現在のイールド・カーブの下降の平行移動シナリオによると、(EBAの通貨間集計手法を考慮した)銀行勘定の経済価値は、最悪のシナリオであるマイナス76百万ユーロの変動を示し、これはTier1資本の0.5%に相当する。
2025年12月31日現在の多様なストレス・シナリオの下での金利変動に対するナティクシスの純受取利息の感応度は依然として低く、EBAが定義するイールド・カーブの平行移動するシナリオの下では、Tier1資本の0.3%未満であった。これらの結果は、ナティクシスの金利リスクに対する銀行勘定のエクスポージャーが低いことを示している。
⑤ 契約上の満期別金融負債の内訳
(IFRS第7号に従い、法定監査人に報告されたデータ)
■ 契約上の満期別金融負債の内訳
| (単位: 十億ユーロ) | 2025年12月31日 | |||||||||
| 合計 | 要求 払い | 1ヶ月 未満 | 1ヶ月 から 3ヶ月 | 3ヶ月 から 6ヶ月 | 6ヶ月 から 1年 | 1年 から 2年 | 2年 から 5年 | 5年超 | 未定 | |
| 中央銀行 | ||||||||||
| 売買目的で保有された金融負債-トレーディング・デリバティブを除く | 140.4 | - | 76.2 | 15.1 | 6.5 | 5.5 | 2.0 | 5.3 | 7.0 | 25.5 |
| うち買戻契約 | 98.0 | - | 75.9 | 14.6 | 4.7 | 1.6 | 0.5 | 1.2 | 0.1 | - |
| 担保付負債 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 無担保負債 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 損益勘定を通じて公正価値で 評価されたその他の金融負債 | 52.1 | - | 2.6 | 3.9 | 3.5 | 6.2 | 5.5 | 12.5 | 21.4 | 0.0 |
| うち買戻契約 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 担保付負債 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 無担保負債 | 49.8 | - | 2.0 | 3.3 | 3.3 | 6.1 | 5.4 | 11.5 | 21.4 | - |
| トレーディング・デリバティブ | 58.2 | - | - | - | - | - | - | - | - | 58.2 |
| ヘッジ目的デリバティブ | 0.3 | - | - | - | - | - | - | - | - | 0.3 |
| 銀行に対する債務 | 133.6 | 5.1 | 7.4 | 21.8 | 6.1 | 20.7 | 60.6 | 10.2 | 2.2 | 4.7 |
| うち買戻契約 | 3.7 | - | 1.4 | 0.0 | 1.5 | 0.5 | 0.1 | 0.0 | 0.3 | - |
| 顧客預金 | 64.2 | 33.3 | 9.0 | 7.3 | 3.8 | 4.4 | 4.7 | 7.4 | 7.1 | 1.0 |
| うち買戻契約 | 0.0 | - | 0.0 | - | - | - | - | - | (0.0) | - |
| 債務証券 | 38.1 | - | 5.5 | 11.8 | 7.3 | 10.5 | 0.4 | 1.6 | 3.2 | - |
| うちカバード・ボンド | 1.1 | - | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.1 | 0.3 | 0.5 | 0.3 | - |
| 金利リスクをヘッジするポートフォリオに対する再評価調整額 | 0.0 | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 劣後債務 | 3.0 | - | 0.0 | 0.0 | 1.0 | 0.0 | 0.1 | 1.9 | 0.4 | - |
| 合計 | 489.8 | 38.4 | 100.7 | 59.8 | 28.2 | 47.4 | 73.2 | 38.9 | 41.4 | 89.7 |
| (単位: 十億ユーロ) | 2024年12月31日 | |||||||||
| 合計 | 要求 払い | 1ヶ月 未満 | 1ヶ月 から 3ヶ月 | 3ヶ月 から 6ヶ月 | 6ヶ月 から 1年 | 1年 から 2年 | 2年 から 5年 | 5年超 | 未定 | |
| 中央銀行 | ||||||||||
| 売買目的で保有された金融負債-トレーディング・デリバティブを除く | 139.1 | - | 82.3 | 13.8 | 4.7 | 6.1 | 2.0 | 3.5 | 5.2 | 21.5 |
| うち買戻契約 | 100.9 | - | 81.9 | 13.8 | 3.7 | 1.3 | 0.2 | 0.1 | 0.1 | - |
| 担保付負債 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 無担保負債 | 0.0 | - | - | 0.0 | - | - | - | - | - | - |
| 損益勘定を通じて公正価値で 評価されたその他の金融負債 | 42.8 | - | 2.1 | 2.8 | 3.2 | 5.1 | 4.9 | 18.2 | 6.5 | 0.0 |
| うち買戻契約 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 担保付負債 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 無担保負債 | 41.3 | - | 2.1 | 2.7 | 3.1 | 5.0 | 4.8 | 17.3 | 6.3 | - |
| トレーディング・デリバティブ | 60.9 | - | - | - | - | - | - | - | - | 60.9 |
| ヘッジ目的デリバティブ | 0.3 | - | - | - | - | - | - | - | - | 0.3 |
| 銀行に対する債務 | 149.0 | 5.6 | 21.4 | 18.4 | 3.5 | 17.7 | 68.4 | 6.6 | 2.7 | 4.8 |
| うち買戻契約 | 2.9 | - | 0.6 | 0.0 | 0.0 | 1.5 | 0.5 | - | 0.3 | - |
| 顧客預金 | 70.1 | 26.6 | 6.9 | 7.3 | 4.2 | 3.7 | 3.7 | 8.0 | 8.4 | 1.2 |
| うち買戻契約 | (0.0) | - | - | - | - | - | - | - | (0.0) | - |
| 債務証券 | 45.9 | - | 6.6 | 15.9 | 12.1 | 9.8 | 0.5 | 0.4 | 0.5 | - |
| うちカバード・ボンド | 1.3 | - | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.1 | 0.3 | 0.5 | 0.3 | - |
| 金利リスクをヘッジするポートフォリオに対する再評価調整額 | 3.0 | - | - | - | - | - | - | - | - | 3.0 |
| 劣後債務 | 3.4 | - | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.4 | 1.0 | 1.4 | 0.5 | 0.0 |
| 合計 | 514.3 | 32.2 | 119.3 | 58.2 | 27.7 | 42.8 | 80.5 | 38.1 | 23.9 | 91.7 |
**
**
(h) コンプライアンス・リスク
コンプライアンス・リスクの定義については、「(b) ガバナンスおよびリスク管理枠組-⑦ リスク類型論」を参照のこと。
① コンプライアンス部門
コンプライアンス部門は、コンプライアンス・リスクの監督および監視において責任を有している。特に、コンプライアンス・リスクについては、第二段階の統制を実施し、第一段階の永久統制枠組を調整している。その行為の範疇には、機能別組織のおかげで、ナティクシスならびにそのフランス国内外の子会社および支店が含まれている。
2025年に生じた最も重要な変化は以下のとおりである。
コンプライアンス部門は、特に日本、インドおよびスウェーデンといった主要市場における新規ライセンスの取得または支店開設を目的とした、戦略的事業分野の取組みを支援した。この事業分野の成長に対する支援は、高頻度取引に関連する革新的なプロジェクトへの参加にも表れた。規制面では、コンプライアンスと業務効率を確保するため、MiFIR、EMIR3および利益相反管理に関するSECルール192などの取組みが開始された。
コンプライアンス・リスク管理枠組の強化は、コンプライアンス部門の取組みの中核である。例えば、重要リスク管理に再び焦点を合わせるためのI-CAREシステムの改訂、監督機関への適時報告を確保するための運用中のインシデントの管理の強化、永久統制システム間の連携の改善および汚職防止に関する(サプライヤー、採用およびスポンサーシップのための)評価プロセスの統合などが挙げられる。これらの取組みは、すべてを網羅するものではないが、リスク管理の積極的なアプローチを示している。
最後に、2025年は内部再編が行われた年となった。中東の事業体のアジア太平洋プラットフォームへの移管が開始され、市場監視を担当する部門はグローバル・マーケッツ・コンプライアンスに統合され、事務総局内におけるコンプライアンス部門および規制関連部門の役割を再定義することで、規制関連管理が最適化された。
責任
コンプライアンス部門は、様々な事業分野の業務における潜在的なコンプライアンス・リスクを回避し、新たな規制リスクや顕在化するコンプライアンス・リスクを特定および管理するナティクシスのすべての従業員に対して、助言および支援を行っている。同部門は、ナティクシスの行動規範に定められた原則の運用実施に重要な役割を担っていると位置付けられ、同原則は、コンプライスに関して、ナティクシスのコンプライアンス規則および手続に含まれている。
このコンプライアンス部門の範疇は、非金融リスク、とりわけ銀行業務および金融活動に特有の立法および規制に対する規定、ならびにコンプライアンス・リスク解析で特定および評価されるあらゆるコンプライアンス・リスクを回避するための業務基準である。これには、供給される商品またはサービスの適合性、市場の統合、ファイナンシャル・セキュリティおよび不正防止が含まれている。
これに関連して、コンプライアンス部門は、基準、方針および手続の実施に参画し、特に新規事業、新商品および新組織の管理に関して、該当する文書のコンプライアンスを確保することで意見を表明する。
コンプライアンス部門はまた、規制の動向を監視し、研修および規制上の変更に係る自己啓発促進活動に従事している。
コンプライアンス部門は、第一段階の永久コンプライアンス・リスク統制の調整を行う。さらに同部門は、リスクに基づく手法*(「(a) ナティクシスの内部統制枠組の組織」を参照のこと。)*の一環として、手続の事業分野内での適用およびコンプライアンス・リスクの管理が確実に行われるようにするために、第二段階の永久統制を構築および実施する。かかる目的のため、コンプライアンス部門は、コンプライアンス・リスクを特定している。また、特定された機能不全はすべて関連事業分野により修正された。
ガバナンス
2014年11月3日付フランス省令に定義されているように、コンプライアンス部門は第二防衛ライン機能として、業務部門から独立してコンプライアンスの検証を行う*(「(a) ナティクシスの内部統制枠組の組織」を参照のこと。)*。同部門は、ナティクシスのコンプライアンス、法務、セキュリティ、ガバナンスおよび規制関連業務を担当する相談役(上級経営委員会の構成員)に直属し、機能的にはGroupe BPCEのコンプライアンス部門に直属する。
コンプライアンス部門は、検知された主要なリスク、ならびにこれらのリスクに対処するための方法の実施および効果について、ナティクシスの上級経営委員会および取締役会(特にリスク委員会を通じて)の構成員に対して報告を行う。同部門は、規制当局に対する様々な報告書の作成に関与している。
コンプライアンス部門は、Groupe BPCEの業務原則および報告原則を採用している。
コンプライアンス部門の業務規則は、GFSのグローバル・コンプライアンス委員会により文書化および検証され、ナティクシスのリスク委員会に転送される。これらの規則は、Groupe BPCEのコンプライアンス枠組の文書に定義された原則およびガイドラインを適用して作成されたもので、全部門が適用すべき最低限の枠組を定めている。
国際的な監督
ナティクシスのコンプライアンス部門は、Groupe BPCEのコンプライアンス枠組の文書に規定されている監督原則に従い、ナティクシスの全事業体のコンプライアンス枠組の管理、監視および監督の責任を有する。
ナティクシスの各事業分野および各事業体においてコンプライアンス部門が行うコンプライアンスの監視および監督のレベルは、現地の規制要件、事業体固有のリスクおよび統合のレベルに応じて調整される。
ナティクシスは、当行全体での内部統制枠組の一貫性を確保するために、統制機能をグローバルに組織している。この組織は、一方では取引の開始および確認に責任を有する業務・機能ユニットと、他方ではそれらを統制するユニットとの間の厳格な独立性の原則の遵守を確実にすることを目指している。
ナティクシスのコンプライアンス部門は、その業務の一環として、事業体のコンプライアンス・マネージャーに対して監督、指導し、リーダーシップをとる。
コンプライアンス部門は、Natixis S.A.が直接的または間接的に関連する事業体を排他的または共同支配している場合に限り、その業務または事業体が規制の対象となるかにかかわらず、ナティクシスのすべての事業体に設置されている。
ナティクシスが事業を展開している各国において、少なくとも1名以上コンプライアンス部長が任命される。
ツール
コンプライアンス部門は、監視、報告および規制管理を含む、その多様なニーズに対応するために、様々な専門的なコンプライアンス・アプリケーションに依拠している。主要なツールは以下の分野をカバーしている。
・ AMLの監視:不審な活動を検知するために取引を監視するツールは不可欠であり、潜在的なマネーロンダリングの事案をタイムリーに検知・報告することを可能にする。
・ 市場操作の監視:取引パターンおよび行動を分析して市場操作の兆候を検知することで、違法な取引慣行を特定・防止するのに役立つ。
・ 取引スクリーニング:ウォッチリストおよび制裁リストの取引をスクリーニングするために使用され、不正行為の防止および規制要件の準拠を確保するのに役立つ。
・ 継続的監視:アプリケーションによりコンプライアンス・プロセスの継続的な評価と検証が可能となり、すべての業務が確立された方針およびベストプラクティスに沿っていることを保証する。
・ 行動規範の監視:倫理および行動規範の遵守を保証する。
・ 報告:様々な委員会および規制報告のために、コンプライアンスKPIおよびKRIを提供する。
・ 規制監視:規制関連の出来事/新規規制の公表に関する情報を提供する。
・ 内部通報システム
一部のツールはGroupe BPCEと共有されており、その他のツールはグループ基準に従ってナティクシスで導入されている。
コンプライアンス部門が、ツールに必要な機能を定義する。これらのツールの開発、更新およびメンテナンスに関する業務は、ナティクシスまたはGroupe BPCEのITチームが管理する。
主要な枠組
コンプライアンス・リスクの監視枠組は、不具合の対応および警告の報告手順を含む一連の内部規定および手順に詳述されている。このように、様々な枠組を導入することで、リスク管理が確保される。
顧客およびその利益を保護するために設計された枠組に関しては、以下のとおりである。
顧客の利益を保護することは、ナティクシスの中核となる関心事であり、フランス国内外のすべての事業体の方針に反映され、ナティクシスの行動規範にも含まれている。あらゆる状況において、従業員は勤勉さ、忠義、誠実さおよびプロ意識をもって顧客に対応し、顧客の能力およびニーズに見合った金融商品およびサービスを提供することを求められている。
これに関連して、高レベルの顧客保護の維持のため、ナティクシスは、手続体系を確立および維持し、この問題に関する統制を実施している。
この結果、顧客身元確認(KYC)およびその他の情報の管理、顧客に提供された商品のガバナンスの構築ならびに顧客の資産保護のために使用する様々なシステムを実施することとなった。GDPRおよび顧客の個人データ保護に関しては「③ 個人データの保護」を参照のこと。
・ 顧客情報
規制により規定されるプロではない顧客、プロの顧客または適格な取引相手方としてのステータスに基づく顧客に起因する取引前後の情報のみならず、顧客の受入れに関する第2次金融商品市場指令のすべての義務をも含む顧客情報手続が存在する。
経費および費用の情報ならびにプロではない顧客に提供されるパッケージ商品向けの主要な情報文書に関する特定の手続も存在しており、その結果、確実にナティクシスのPRIIPS義務が遵守される。
・ 顧客身元確認(KYC)
ナティクシスは、顧客のデューディリジェンス手続が、マネーロンダリングおよびテロリストへの資金提供の防止(AML-CTF)ならびに禁輸措置および制裁の遵守、汚職防止(「サパン2」法)および租税回避の防止(FATCA、EAIおよびDAC6)を統制する様々な法的規制に沿うよう、方針および手続を実施している。取引関係の開始時に実施されるデューディリジェンスは、顧客を保護することも目的としている(金融商品市場指令、EMIR、ドッド・フランク法)。
・ 顧客の金融商品および資金の保護
ナティクシスは、顧客に帰属する金融商品または資金を運用する際にかかる顧客の金融資産に対する所有権を保護するための、口座および台帳のシステムを有している(分離勘定)。
ナティクシスが自らのために顧客の所有する金融商品を使用することはない。
・ 商品管理
第2次金融商品市場指令は、ナティクシスが販売するすべての金融商品および保険商品のターゲットとする市場を明確にし、それを定期的に見直すこと、ならびに商品が意図したターゲットに販売されることを確保することも目的とした商品管理の原則を強化した。これには、ターゲットとする市場および販売戦略の一貫性と整合性を確保し、サステナブル・ファイナンスの選好(顧客の選好)に関する新たな要件を考慮に入れることが含まれる。商品管理は、金融商品市場指令の分類にかかわらずすべての種類の顧客に適用され、複雑さまたは取引場所にかかわらずすべての商品について適用される。
商品管理の業務への適応、特にターゲットとする市場の定義および検証は、専門の委員会/ワーキング・グループを通じて管理される。
・ 顧客からの苦情処理
この枠組は、以下を確保する。
・ 顧客が自らの苦情がどのように処理されるかについての透明性のある情報を受け取ること
・ 苦情は効果的に処理されること
・ 識別された問題を改善するために是正措置が実施されること
不正の防止に関しては、以下のとおりである。
・ 内部および外部の不正に対抗するための基本原則の定義:予防、発見および通報、調査、是正措置ならびに報告
・ 不正防止枠組の調整および監視を担当する、コンプライアンス部門内の不正防止ユニット
・ 各会社/地域プラットフォーム/事業分野/支援部門/事業体/子会社/支店(全世界を対象)における不正防止担当者の任命
・ システムの有効性を監視する不正防止監視委員会
具体的には、以下のとおりである。
・ 行動枠組
・ ビジネス行動研修方針
・ マネーロンダリングおよびテロリストへの資金提供に対抗し、国内および国際的な制裁(禁輸措置および資産凍結)への遵守を確保するために設計されたファイナンシャル・セキュリティ枠組ならびに不正・贈収賄の防止と検知
・ 市場の健全性を損なうことを防ぐため、利益相反を防止・特定・管理し、市場濫用を防止することを目的とした枠組
② ITリスク
2019年の「ICT」リスク管理に関するEBAのガイドラインの発効、2014年11月3日付のフランス省令の改正および金融部門のデジタルオペレーショナルレジリエンス(DORA)に関する2022年12月14日付の欧州規則第2022/2554号の制定に伴い、ナティクシスはIT関連リスクの管理を強化してきた。
セキュリティ部門は、コンプライアンス、法務、セキュリティ、ガバナンスおよび規制関連業務を担当するナティクシスの相談役に直属しており、技術リスク管理、個人情報保護および事業継続性を管轄している。この部門は、ナティクシス、フランス国内外の支店および子会社の第二防衛ラインである。
情報システム・セキュリティ
TRM部門は、情報システムに関するリスクを評価する。かかる部門は、オペレーショナル・リスクに関して、事業分野の懸案事項のリスク状況および潜在的に脆弱なIT資産を特定する手法を採用している。リスク評価は、年間検証の間に実施され得るか、または他のプロジェクトを支援するための作業の一環として完了され得る。TRM部門に監視される事業分野のプロジェクトは、より良くリスクを管理するために、特定の要件を公表する。
これらのリスクを考慮して、TRM部門は、ITシステム・セキュリティのすべての分野を対象とする年間の第二段階の永久統制計画を実施している。アクセス権の確認およびインターネットにさらされている情報資産に対する侵入テストが特に重点的に実施されている。
リスクに基づく手法もまた、当行グループの2025年-2030年のサイバーおよびレジリエンスの戦略プログラムを作成するために役立った。このプログラムの目的は、当行の現行システムの成熟度を市場の最高水準まで引き上げ、リスクに基づくアプローチを広げ、技術革新(AI、量子等)に伴うリスクと、ますます厳格化する規制要件への対応に引続き取り組むことである。サイバーセキュリティ・モデルの産業化を大幅に強化し、大規模なサイバー災害に対するナティクシスの対処能力を向上し、データを継続的に保護することを目的としている。
ナティクシスは、Groupe BPCEのセキュリティ部門が定義したITリスク管理の規則および手法を適用し、ITリスク管理をGroupe BPCEのツールに集約している。TRM部門の部門長は、Groupe BPCEのITセキュリティ・エグゼクティブ委員会の常任委員である。
事業継続性
ナティクシスの事業継続性の枠組は、ITシステムの不便性、インターネットサイトの不便性もしくは重要な能力の欠落または仕入先の不足の結果に基づく事象の管理と、地域ごとのシナリオ(セーヌ川の氾濫、サイバー攻撃等)に特有の緊急措置を組み合わせている。
COVID-19以来、ナティクシスはリモートワークを実施しており、これは突発的な危機にさらされることが少なくなり、ゆっくりと訪れる危機的状況(セーヌ川氾濫、ストライキ等)にも適切に対応できることを意味する。
ナティクシスは、第一段階および第二段階の統制、危機管理の実施ならびにバックアップ・ソリューション・テストを使用して、この枠組全体を定期的に検査している。これに関連して、ナティクシスはサイバー攻撃に対するレジリエンスを図る複数年にわたるテスト計画を実施している。
ナティクシスは、Groupe BPCEの事業継続に関する手法および基準を適用し、Groupe BPCEの事業継続部門が管理する事業継続機能に統合されている。
③ 個人データの保護
ナティクシスのデータ保護責任者(DPO)は、ナティクシスの最高セキュリティ責任者に直属し、すべてのナティクシスの事業体および事業分野に広がる「データ・プライバシー・リエゾン」(DPLs)のコミュニティを率いている。
このユニットの目的は、ナティクシスが事業を展開する各国における個人データの保護に関係するすべての規則、特に欧州の一般データ保護規則(GDPR)の遵守を確実にすることである。ナティクシスのデータ・プライバシー委員会は、部門の活動を監視し、残存するコンプライアンス活動を管理している。
ナティクシスは、データ漏えいの対応、個人による権利行使についての要求への対処、当局への紹介の対応、登記簿の更新および毎年の審査、第一段階および第二段階の統制計画の実施、研修の必要性への対応、規制の監視の実施ならびにプロジェクトにおけるデザイン/デフォルトのプライバシーを確実にするといった重要なプロセスのために、個人データの登録および手続を行っている。
(i) 法的リスク
大半の銀行グループと同様、ナティクシスおよびその連結子会社は、訴訟手続および税務手続の対象となっており、規制当局により調査を受ける。
ナティクシスの財務上の立場および/もしくはナティクシスとその連結子会社全体の財務上の立場、またはそれらの利益性または事業に重要な影響を及ぼす可能性があるとみなされるか、または近年及ぼしているこれらの手続による財政面の影響(2025年12月31日現在の評価による。)は、ナティクシスの連結財務諸表に記載されている。
最も重要な訴訟手続および仲裁手続については、以下に記述する。以下の一連の記述は、かかる争議がナティクシスおよび/またはその連結子会社へ必ず影響を及ぼすことを指し示すものではない。税務手続を含むその他の手続は、ナティクシスおよび/またはナティクシスとその連結子会社全体の財務上の立場または利益性に重要な影響を及ぼす可能性がないとみなされるか、またはかかる影響を及ぼすか否かを判断できる段階に至っていない。
① 訴訟手続および仲裁手続
Madoff詐欺
Madoffのエクスポージャーは、2024年12月31日現在の347.8百万ユーロに対して、2025年12月31日現在は対価ベースで306百万ユーロと見積られ、その時点で全額引き当てられていた。当該エクスポージャーの実際の影響は、ナティクシスが利益を得る回収の程度および当行が利用可能な法的またはその他の救済処置の結果の両方に依拠する。さらに、2011年にはこの件について、専門職賠償責任保険の適用について乖離が生じており、承継保険会社に合計123百万ユーロが拠出されている。2016年11月、パリ控訴院は、Madoff詐欺によりナティクシスが被った損失に対して、当行が保証された金額については原保険会社が負担する責任があるという商事裁判所の過去の判決の正当性を示した。2018年9月19日、破棄院は控訴に基づき判決を破棄し、本訴訟を異なる裁判官で構成されたパリ控訴院に差し戻した。2019年9月24日、同控訴院はナティクシスに対して判決を言い渡し、パリ商事裁判所の判決を覆した。2019年12月、ナティクシスは、破棄院に上訴した。破棄院は2021年11月4日に上訴を棄却したため、2019年9月24日のパリ控訴院のナティクシスに不利な判決が確定し、取消不能となった。
Bernard L. Madoff Investment Securities LLC(BMIS)の清算人であるアーヴィング・H・ピカールは、ニューヨーク州南部地区連邦破産裁判所において、いくつかの銀行機関に対して申立(ナティクシスに対する400百万米ドルの請求を含む。)を行うことにより、詐欺発覚の前に受領した金額の清算に関する補償請求を行った。ナティクシスは自身に不利な当該主張を否認しており、ナティクシスの地位を擁護し、自身の権利を保護するために必要な措置を行った。ナティクシスは、本件を予備的に、または本件の判決の前に棄却することを含む申立を行い、また特定の案件を米国地方裁判所に移転する言及を撤回する請求を行った。これらの訴訟は多数の判決および申立を待っており、未だ進行中である。2016年11月の破産裁判所からの判決は、管財人が起こした複数の返還請求を域外的管轄権に基づき棄却するものであった。2017年9月、第2巡回裁判所は、BMISの管財人および被告に対して域外的管轄権に基づく破産裁判所の判決に対する上訴権を直接付与し、そうすることで地方裁判所への中間申立が必要となるのを避けた。2019年2月、第2巡回裁判所の控訴院は、破産裁判所の域外的管轄権判決を覆した。2019年8月、ナティクシスは、最高裁判所に対して、第2巡回裁判所に対する上訴を許可するよう申請した被告団に加わった。2020年6月、最高裁判所は訴訟の審理を拒否した。2021年8月30日、第2巡回裁判所は、(ⅰ)被告に不利な「照会通知」基準に従い判断されること、および(ⅱ)立証責任はBMISの管財人ではなく被告にあることを決定し、「誠実」概念を明確にした。これらの予備的な点は現在決定されており、本案に関しては手続が継続されている。BMISの清算人は、当初ナティクシスに対して提起していた1件の補償請求を、Natixis S.A.(Fairfield Sentryの投資口の償還のみを含むように修正された当初の訴え)およびNatixis Financial Products LLC(Groupement Financierの投資口の償還に関連し提起される新たな訴え)に対する2件の別々の訴訟に分割する措置を講じた。これら2件の訴訟は別々に提訴され、現在も進行中である。破産裁判所は2023年11月に判決を下し、Natixis S.A.およびNatixis Financial Product LLCが提起した棄却の申立を却下した(「棄却の申立」)。2023年12月、Natixis S.A.は、棄却の申立を却下した判決に対する控訴の許可を求めて控訴を提起した。2024年2月2日、控訴は棄却された。この訴訟は進行中である。
さらに、Fairfield Sentry LimitedおよびFairfield Sigma Limitedの清算人らは、これらのファンドから受益証券の買戻しに係る支払いを事前に受けた投資家に対して多数の訴訟手続(ニューヨーク州において200を超える訴訟手続がなされている。)を開始している。これらの手続の一部について、ナティクシスの事業体の一部が被告とされている。ナティクシスはこれらの手続に全く根拠がないものとみなしており、積極的に自身の地位を擁護している。これらの手続は数年間停止していたが、2016年10月に破産裁判所は清算人に対しその当初の請求を修正することを承認した。被告は2017年5月および6月に共同で答弁した。2018年8月、破産裁判所は、本件を予備的に、または本案判決の前に却下することを求める被告による却下の申立について判決を下した。裁判官は、申立の1つである対人管轄権についてのみ判決を行い、被告に対する請求への判断は示さなかった。2018年12月、裁判官は棄却の申立について判決を下し、清算人の慣習法に関する請求(不当利得、不当利得返還請求、誤払いおよび法定信託)および契約に基づく請求を棄却した。しかし、裁判官は、免責条項第546条(e)項を適用するための答弁をする権利を留保しながらも、イギリス領バージン諸島の法律に基づく請求については棄却の申立を覆した。2019年5月、清算人は破産裁判所の判決を不服として地方裁判所に控訴した。ナティクシスを含む被告は、2020年3月9日に本訴訟の棄却を申立て、2020年3月16日に当初の申立を更新した。破産裁判所は、清算人による全訴訟の棄却につながる可能性があるため、免責条項第546条(e)項または当初の申立の不適切性を基に、訴訟に対する棄却の申立を制限するよう被告に求めた。2020年12月、破産裁判所は、ナティクシスを含む被告が免責条項第546条(e)項の適用を受けることを考慮し、イギリス領バージン諸島の法律に基づく請求を棄却した。2022年8月、地方裁判所は、ナティクシスを含むすべての被告人に対する清算人による訴訟を棄却する破産裁判所の決定を支持した。清算人はこの決定を不服として第2巡回裁判所に控訴したが棄却され、米国の最高裁判所へこの判決に対して控訴した。本件は進行中である。
少数株主擁護連盟により取りまとめられた刑事告訴
2009年3月、パリ検察庁は、ナティクシスの少数株主により提起され、少数株主擁護連盟(Association de Défense des Actionnaires Minoritaires(ADAM))により取りまとめられた訴えについて、予備捜査を開始した。原告が民事手続を開始したため、2010年に司法調査が開始された。2017年2月14日、ナティクシスは2007年下半期のサブプライム危機の始まりに送信した2件のメッセージによる虚偽および誤解を与える情報について調査を受けた。
司法調査の後、2019年6月28日に陪審裁判が命じられた。
かかる陪審審理は、サブプライム危機の結果当時ナティクシスがさらされていたリスクについて説明している、2007年11月25日に発信された2件のメッセージのうち1件のみを問題としている。2件目のメッセージについては免訴された。
パリ軽罪裁判所は、2021年6月24日に言い渡された判決において、2007年11月25日のプレスリリースが提供した情報、より具体的には、サブプライム危機により当行が当時さらされていたリスクの情報が不十分であると判断し、ナティクシスを非難した。
同裁判所は、7.5百万ユーロの罰金を科した。民事当事者には、合計約2百万ユーロの賠償金が支払われた。ナティクシスは、この判決を不服として控訴した。
本件は、2024年1月22日から31日の間にパリ控訴院で審理された。2024年5月7日、パリ控訴院はナティクシスの有罪判決を支持する判決を下したが、罰金は大幅に減額され2百万ユーロとなった。民事訴訟については、控訴院は判決を実質的に支持し、民事当事者に対して、当該訴訟手続に要した費用の追加補償を認めた。
ナティクシスは、一貫していかなる罪も犯していないと考えており、2024年5月7日、控訴した。2026年2月4日付の判決において、破棄院はこの控訴を棄却した。
EDA - Selcodis
2013年11月20日に提起された2件の申立を通じて、一方ではSelcodisが、他方ではEDAが、ナティクシスおよび他の2つの銀行に対して、違法契約につき、パリ商事裁判所において共同の申立を行い、かかる行為がEDAに対する保証の付与拒否および種々のローンの終了の要因となったことを主張している。
この訴訟において、Selcodisは裁判所命令による子会社のEDAの清算の結果被った損失について補償を求めており、被告に対し、32百万ユーロと査定する損害および利息の支払命令を行うことを要求している。EDAは、被告に対し資金不足分全額を負担する命令を求めており、その金額は裁判所が指定する受取人により算定されるものとする。
ナティクシスは、これらのすべての申立には根拠がないと考えている。
2018年12月6日、これらの申立の併合後、パリ商事裁判所はこれらの申立期間が経過しているとの判決を下し、終了したものとみなした。2019年1月、原告はこの判決に対して控訴した。
判決は2020年6月22日に言い渡され、控訴院は手続が時効であるとの申立を棄却した。破棄院への控訴は行わないこととなった。
本案の訴訟を再開するため、2021年3月に手続の再開が行われた。2025年12月5日付の判決において、パリ商事裁判所はSelcodisの訴えを認めず、原告らの請求をすべて棄却した。
2026年1月8日、Selcodisはこの判決に対して控訴した。
フォーミュラファンド
2015年2月におけるフランス金融市場庁による、Natixis Asset Management(現在はNatixis IM International)の、特にフォーミュラファンドの管理についての職業上の義務の遵守についての調査の後、フランス金融市場庁の執行委員会は、2017年7月25日に命令を下し、警告および35百万ユーロの罰金を下した。執行委員会は、ファンドおよび構造的マージンに請求された償還費用に関する多数の誤りを発見した。
Natixis IM Internationalはフランスの国務院に、この判決を不服として控訴した。2019年11月6日の判決において、フランスの国務院は執行委員会の決定を覆し、罰金を20百万ユーロに減額した。警告は下されたままである。
さらに、UFC-QUE CHOISIRは、消費者の権利の非営利組織という立場で、2018年3月5日、問題となったフォーミュラファンドの保有者が被った金融損失の補償を得るために、資産運用会社に対する請求をパリの大審裁判所に申立てた。
2024年4月3日付の判決において、パリ司法裁判所はUFC-QUE CHOISIRの訴えを認めず、その請求を全面的に棄却した。UFC-QUE CHOISIRはこの判決を不服として控訴した。
2025年6月18日、パリ控訴院は、Natixis IM Internationalが運用するフォーミュラファンドの受益権保有者に賠償すべき損害は生じていないとの結論を下し、請求を全面的に棄却した。
2025年8月18日、UFC Que choisirは、控訴院の判決に対して破棄院に控訴した。
フランス競争委員会/ナティクシス
2015年10月9日、食事券産業で事業を行う会社は、フランス競争委員会に対し、食事券の発行および承認に関する産業の慣行について異議を申立てた。この照会は、当時ナティクシスの傘下であったNatixis Intertitresを含む、食事券部門のフランス企業数社に関するものであった。
2019年12月17日の判決において、フランス競争委員会は、Natixis Intertitresが情報交換行為および食事券市場への新たな参入者を防ぐ目的の行為に加担したと判決を下した。
Natixis Intertitresは、当時の親会社であるナティクシスと連帯して、単独で罰金を科され、他の2つの罰金と併せて合計78,962,000ユーロの罰金となった。
パリ控訴院は2023年11月16日に下した判決で、フランス競争委員会の決定を承認した。
ナティクシスは他の食事券部門のフランス企業とともにこの判決に控訴した。
この控訴において、ヴェルサイユ控訴院は2025年1月28日付の判決において、2023年11月16日付のパリ控訴院の判決を破棄した。この決定を踏まえ、2025年10月28日、破棄院はパリ控訴院の判決を破棄し、構成員を変更した上で、本件をパリ控訴院に差し戻した。
本件が付された控訴院において、訴訟手続が続いている。
2024年11月から2025年7月の間に、ナティクシスは、Natixis Intertitresの行為を含む、フランス競争委員会によって認可された行為によって生じたとされる損害の補償を求める複数の原告によって、食事券市場の他の企業とともにパリ経済裁判所に召喚された。
現段階では、原告が要求する専門家による鑑定を条件として、連帯して請求された総額は830,457,122ユーロ、それに専門家による鑑定費用2,475,000ユーロおよびフランス民法典第700条に基づく4,060,000ユーロを加えた額である。
これらすべての訴訟手続は現在、パリ経済裁判所で係争中である。
Bucephalus Capital Limited/Darius Capital Conseil
2019年6月7日、Bucephalus Capital Limited(英国法に基づく会社)は、パリ商事裁判所においてDarius Capital Partners(Natixis Investment Managersが株式を70%保有する子会社で、Darius Capital Conseilと改称したフランス法に基づく会社)に対する請求を他会社と連帯して行い、特に契約上の関係および様々な事後協定を定めた2013年9月5日付の包括協定に関して、様々な契約上の義務の不履行について異議を申立てた。Bucephalus Capital Limitedは合計178,487,500ユーロを請求した。
訴訟手続中にBucephalus Capital Limitedは請求額を増やし、フランス民法典第700条に基づく100,000ユーロに加え、418,492,588ユーロ、またはその代替案として320,645,136ユーロの支払いを求めた。
2023年3月16日の判決で、パリ商事裁判所はBucephalus Capital Limitedの請求をすべて棄却し、Darius Capital Conseilの訴訟費用150,000ユーロの支払いを命じた。Bucephalus Capital Limitedは2023年6月28日に控訴し、150,000ユーロの支払いに関する執行停止を要請した。2023年11月29日付の判決で、パリ控訴院はこの要請を棄却した。
2026年3月10日の判決において、パリ控訴院はパリ商事裁判所の判決を支持し、民事訴訟法第700条に基づき、Bucephalus Capital Limitedに対し、Darius Capital Conseilへさらに150,000ユーロを支払うよう命じた。
欧州国債 - カルテル決定
2021年5月20日、欧州委員会は、ナティクシスに対して侵害決定を下し、ナティクシスが2008年から2009年に欧州国債の発行市場および流通市場においてカルテルに参加したことによりEUの競争規定に違反したと認定した。
ナティクシスは欧州委員会が調査を開始する5年超前にカルテルから離脱していたため、時効期間の恩恵を受けた。したがって、ナティクシスに対して罰金は科されなかった。
2021年7月30日、ナティクシスは欧州委員会の決定を破棄するように欧州連合の一般裁判所へ要請した。この要請は、特に、欧州委員会は「正当な利益」を証明することができる場合にのみ侵害に関する決定を下す権限があるとの主張およびナティクシスの防御権を侵害しているとの主張に基づいている。
控訴審は2023年6月6日に行われた。
2025年3月26日、一般裁判所はナティクシスの控訴を棄却し、欧州委員会が下したナティクシスに対する違反決定を確認した。
ナティクシスは2025年6月10日、欧州連合司法裁判所に対し、さらに控訴した。
H2Oキャリアコレクティブ(「Collectif porteurs H2O」)
2023年12月末現在、「Collectif porteurs H2O」として知られる団体の構成員である6,077の自然人および法人が、2015年から2021年の間に英国法人のH2O AM LLPおよびフランス法人のH2O AM Europeが運用する7つのミューチュアルファンド(OPCVM)の投資家として被ったとされる損害賠償を要求するため、5人の被告人を挙げるとともに、フランス法に基づいて設立された会社であるNatixis Investment Managersをパリ商事裁判所に提訴した。
2025年3月、BPCEおよびNatixis S.A.は、原告らから訴訟手続への参加を求められた。
原告らは、Natixis S.A.、Natixis Investment Managers、BPCEおよびその他の共同被告人(7つのファンドの運用会社、保管機関および法定監査人を含む。)に対し、被ったとされる損害の補償を行うために連帯責任を求めている。原告らの数が絶えず変動していることと、原告らが請求額を更新していないという事実を踏まえると、現時点では請求額を正確に特定することができない。原告らから提供された情報に基づき、現時点での請求額は、訴訟費用に加え、金銭的損害および精神的損害として約600百万ユーロと推定される。
2025年7月、Natixis S.A.、Natixis Investment ManagersおよびBPCEの各社は、H2Oファンドの保有者26名によって2023年7月初めにパリ経済裁判所に提起された訴訟手続への参加を、原告らから求められた。原告らは、被告らに対し、現時点で総額約13.8百万ユーロ(金額は確定待ち)の支払いを求めている。
BPCE、Natixis S.A.およびNatixis Investment Managersは、同社に対する請求は根拠のないものとし、激しく争うことになるだろう。
② その他の手続
ナティクシスは、フランスのフランス国家金融検察庁(Parquet National Financier)およびドイツのケルン検察当局による予備捜査の対象となっている。
フランスで実施された捜査の一環として、特に2023年3月28日にナティクシスを含む複数の銀行内で実施された家宅捜索があり、2021年12月16日および17日に5件の予備捜査が開始され、加重ロンダリング、加重租税詐欺およびその一部については、市場取引を背景に銀行が受領した配当金の課税に関する加重租税詐欺の容疑で捜査が開始されたとするプレスリリースをフランス国家金融検察庁は発表した。
ケルン検察当局による捜査の一環として、2023年6月13日、主にナティクシスのフランクフルト支店内、またNatixis Pfandbriefbank AGの本社およびNatixis Investment Managers International S.A.のフランクフルトとミュンヘンの事務所内でも家宅捜索が行われた。
調査は現在進行中であり、その秘密は守られている。ナティクシスはその権利に関しては引続き当局に協力する意向であり、裁判所においてその立場を主張する予定である。
③ 依存関係
ナティクシスは、いかなる特許またはライセンスもしくは産業、商業または財務供給契約にも依存していない。
(j) その他のリスク
戦略リスク
戦略リスクは、以下により構成される。
・ 選択した戦略に付随するリスク
・ またはナティクシスが戦略を遂行できないことにより生じるリスク
戦略リスクは、取締役会がこれを監視しており、戦略委員会によるサポートを受けて、ナティクシスの活動を導く戦略を少なくとも年に1回見直している。取締役会はまた、戦略的投資計画に加え、とりわけナティクシスの純利益、その貸借対照表の構造またはリスク特性に重大な影響を及ぼす可能性がある取得および処分といった取引を承認している。
上級経営陣は、上級経営委員会の支援を受けながら、ナティクシスの戦略を定め、推し進める役割を担っている。
これら様々な組織の構成員については、「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載されている。取締役会の内部規定については、会合の招集手続を含めて、本書の「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要-(1) コーポレート・ガバナンスの管理および監督-(a) 取締役会-② 取締役会の役割および権限」を参照のこと。
(3) バーゼル3Pillar Ⅲの開示
(a) 資本管理および自己資本
① 規制上の枠組
2014年1月1日以降、CRD4および資本要求規則(CRR)は、バーゼル3規制を欧州に適用した。
バーゼル2に基づき、バーゼル3規制上の要件は、以下の3つの柱に分類される。
・ Pillar Ⅰ:取り得る様々な手法および最低遵守要件に基づきリスクおよび資本の測定を規定する一連のルール
・ Pillar Ⅱ:監督機関の役割を管理する枠組。管轄機関がリスク・エクスポージャーならびに内部統制および運営の枠組に基づき、監督下にある各機関の追加的な資本要件を定義することができる。
・ Pillar Ⅲ:被ったリスクの程度、自己資本および経営の妥当性を強調する多くの項目を開示することを機関に要求する。
かかるCRR/CRD4パッケージは、金融機関の財政力の健全性を強化することを目的としており、特に以下を提示した。
・ 規制上の資本要件を満たす資格のある資本項目の定義の強化
・ 特にデリバティブの取引相手方リスクに関する強化された資本要件
・ 特にCET1資本および資本バッファーに関する遵守率の増加
・ 資本保全バッファー:加重リスク・エクスポージャー合計の2.5%を占める。
・ カウンター・シクリカル・資本バッファー:つまり、かかるエクスポージャーの額により補正された、ナティクシスがリスク・エクスポージャーを有する各国のカウンター・シクリカル・資本バッファーの平均である。2020年第2四半期以降、フランスにおいて適用される比率はゼロであった。2022年下半期以降は、特に2023年から、多くの国のナショナル・マクロプルーデンシャル当局がカウンター・シクリカル・バッファー率を引き上げた。フランスでは、HCSFが2023年4月7日から0.5%に引き上げ、その後2024年1月2日から1%まで引き上げることを決定した。
・ システム上重要な機関に対するバッファー:大規模な金融機関(G-SIBs/O-SIB)向けの追加要件であり、これは破産リスクの抑制を目的とする。ナティクシスには、このバッファーは適用されない。
・ システミック・リスク・バッファー:これは、長期のノンシクリカルなシステミック・リスクまたはマクロプルーデンシャルリスクを抑制することが目的である。これは、金融機関のすべてのエクスポージャーに適用することも、セクター別のエクスポージャーに適用することも可能である。現時点では、0%である。
・ さらに、配当金支払い、その他Tier1(AT1)劣後債に係る利息および変動報酬(最大分配可能額、つまりMDA)を制限するためのメカニズムを含む、その他のメカニズムが導入された。
2014年11月以降、ECBが主要な欧州の銀行に対して直接監督を行っている。ECBは、Pillar ⅡのSREPプロセス(すなわち監督上の検証・評価プロセス)に基づいて、健全性規制の最低要件(統一的な方法で監督されるすべての機関に適用される。)に加えて、各機関が遵守する比率レベルを設定し、対象の各機関に遵守すべき追加のソルベンシー要件(「P2R」またはPillar Ⅱ要件と呼ばれる。)および推奨追加要件(「P2G」またはPillar Ⅱ指針)を課している。
2025年現在、ナティクシスはSREPプロセスに基づき、CET1資本比率に関して8.90%、そのうち資本保全バッファーに関しては2.5%、Pillar Ⅱ(P2Gを除く。)に関しては1.27%およびカウンター・シクリカル・資本バッファーに関しては0.64%を遵守しなければならない。四半期ごとに再計算される後者は、2025年12月31日現在で0.65%であった。これにより、ナティクシスが遵守しなければならない規制要件は8.91%で維持された。
② 健全性のための連結の範囲
連結範囲に関する定量的情報(EU LIB)
CRR第18条に基づき、以下の原則に基づくプルーデンシャル連結範囲が設定された。
・ 完全連結企業または連結の範囲内で持分法適用対象となる企業は、プルーデンシャル範囲に含まれている*(「第6 経理の状況-1 財務書類-(1) 連結財務諸表および注記-連結財務諸表注記」の注記16を参照のこと。)*。
Versailles conduitは、プルーデンシャル範囲において、関連会社として会計処理されている。
ステップイン・リスクに関する作業の一環として、ナティクシスは、2025年12月31日時点でプルーデンシャル連結範囲に含めるべき組成された企業または追加企業を特定しなかった。
監督機関との合意により、ナティクシスは、フランスに位置する信用金融機関としての地位を持つその子会社およびNatixis S.A.について、CRR第7条および第8条に規定される免除を利用している。かかる免除により、当該企業がプルーデンシャルCRR要件を遵守することを個別に除外することができる。
当行グループ内の譲渡または償還の制限は、「第6 経理の状況-1 財務書類-(1) 連結財務諸表および注記-連結財務諸表注記」の注記3.3.2を参照のこと。
③ 資本の構成
CRRが導入した規則およびACPRが定義する国家の規定によると、(帳簿株主資本に基づき計算される)規制上の資本とは、以下の3つの分野からなる。
各分野は、連結財務諸表から抜粋され、直接または閾値を対象とし、控除を自動的に適用して再表示された負債項目からなる。
また、健全な資本は、CRRの施行に伴い、2021年12月31日までいわゆる段階的実施措置および経過措置の対象であった。
CRR2規則の発効に伴い、2021年6月30日から、劣後債を規制上の資本と認識するために、単一破綻処理委員会における減損の権限およびネッティング契約の欠如に関連する新しい適格基準が導入された。これらの規定により、2019年6月27日より前に発行され、2025年6月28日までにこれらの追加要件を満たさない商品を対象とする新しい経過措置のルールが導入された。
普通株式等Tier1(CET1)資本
CET1資本は、以下の修正再表示とともに株主資本(ハイブリッド証券を除く。)を用いて計算されている。
・ 配当金見積額
・ のれんおよび無形固定資産
・ ヘッジ目的デリバティブにおける回収可能な未実現損益
・ 発行済債券および金融商品の自己の信用リスク(負債価額調整)
・ 慎重な評価調整
・ 出資比率における予定損失および信用損失に対する予定損失の引当金の不足
・ 貸借対照表で認識された確定給付年金基金の資産
・ ノンバンクの非支配持分
・ 規則に定められた閾値を超過する銀行の非支配持分
・ 自己のCET1商品および株式持合い
・ 金融機関が発行する資本商品の非重要持分の閾値1の超過分
・ 金融機関が発行する資本商品の重要持分の閾値2の超過分
・ 将来の収益に依拠し、一時的差異により生じる繰延税金資産の閾値2の超過分
・ 閾値2に関して控除されない金額に共通する閾値3の超過分
・ その他Tier1資本*(下記を参照のこと。)*の超過分の控除
・ 将来の収益に依存するが、一時的差異に起因しない繰延税金資産
・ 不良債権に対する不十分なカバレッジ
・ 2022年2月に受領した監督機関からの明示的な要請に基づき、単一破綻処理基金および預金保証基金に支払われた取消不能な支払約束に関する預り保証金
その他Tier1(AT1)資本
AT1資本は、下記より構成される。
・ 段階的実施の措置の適用後にAT1として認識される劣後負債性金融商品
・ 当該カテゴリーから行われた控除
・ Tier2資本*(下記を参照のこと。)*の超過分の控除
委員会施行規則第1423/2013号(別紙Ⅱ)により要求される2025年12月31日現在でその他Tier1資本に計上された負債性金融商品およびそれらの特徴についての詳細は、ナティクシスのウェブサイト(www.natixis.groupebpce.com)で閲覧可能である。
Tier2(T2)資本
T2資本は、下記より構成される。
・ 段階的実施の措置の適用後にT2資本として認識される劣後負債性金融商品
・ 当該カテゴリーから行われた控除
・ 予想損失に関する余剰引当金
・ 適格負債を上回る適格負債の超過控除
委員会施行規則第1423/2013号(別紙Ⅱ)により要求される2025年12月31日現在でTier2資本に計上された負債性金融商品およびそれらの特徴についての詳細は、ナティクシスのウェブサイト(www.natixis.groupebpce.com)で閲覧可能である。
④ 2025年における規制上の資本、規制上の自己資金要件および比率の変更
規制上の資本および自己資本比率
以下は、主要な構成要素ごとに2025年末のCET1、Tier1およびその合計の比率を示している。比較対象として2024年末時点の同じ比率も示している。
Pillar Ⅰに基づくバーゼル3/CRRの規制上の枠組の適用により、2024年に7.64%、9.14%および11.14%であり、2025年に7.65%、9.15%および11.15%である累積的バッファーに加え、同比率はそれぞれ最低基準の4.5%、6%および8%を超えていなくてはならない。
■ 資本比率合計
| (単位:百万ユーロ) | 2025年12月31日 | 2024年12月31日 |
|---|---|---|
| 株主資本(グループ持分) | 20,966 | 20,294 |
| 超劣後債務(DSN) | 3,033 | 2,233 |
| 永久劣後債(PSN) | 0 | 0 |
| 連結株主資本(グループ持分)(DSNおよびPSNを除く。) | 17,933 | 18,062 |
| 非支配持分 | 82 | 79 |
| 無形資産 | (382) | (472) |
| のれん | (2,985) | (3,179) |
| 株主総会で提案された配当金の額 | (792) | (737) |
| 控除金、健全性の修正再表示ならびに段階的実施の措置 | (1,305) | (2,531) |
| 普通株式等Tier1資本合計 | 12,550 | 11,221 |
| 超劣後債務(DSN) | 2,959 | 2,317 |
| その他Tier1資本 | 0 | 0 |
| Tier1控除金および段階的実施措置 | 0 | 0 |
| Tier1資本合計 | 15,509 | 13,538 |
| Tier2商品 | 2,850 | 2,937 |
| その他Tier2資本 | 280 | 0 |
| Tier2控除金および段階的実施措置 | 0 | 0 |
| 資本全体 | 18,639 | 16,475 |
| リスク加重資産合計 | 106,813 | 103,753 |
| 信用リスク加重資産 | 68,575 | 74,783 |
| 市場リスク加重資産 | 19,304 | 14,489 |
| オペレーショナル・リスク加重資産 | 18,540 | 14,415 |
| その他リスク加重資産 | 393 | 66 |
| 自己資本比率 | ||
| 普通株式等Tier1資本比率 | 11.7% | 10.8% |
| Tier1資本比率 | 14.5% | 13.0% |
| 資本比率合計 | 17.5% | 15.9% |
普通株式等Tier1(CET1)資本は、2025年12月31日現在で合計12.6十億ユーロであり、年間で1.3十億ユーロ増加した。この変化は以下の変化によるものである。
・ 2025年3月5日の増資によるプラス0.9十億ユーロ
・ 2025年3月5日の臨時株主総会で発行された新株に対して支払われた20セント相当の2024年の追加配当によるマイナス0.1十億ユーロ
・ 当期中のプラス1.4十億ユーロの普通利益
・ その他の包括利益(OCI)の変動、株式に直接計上されるリサイクル可能およびリサイクル不能な損益(0.2十億ユーロ増となったOCIを通じて公正価値で認識される負債性金融商品および持分金融商品の再評価額の影響により一部相殺された0.6十億ユーロ減の為替換算調整額のマイナスの影響を含む。)
・ 1株当たり20セント、すなわち、マイナス0.8十億ユーロの2025年の年間配当の支払予定額
・ 無形資産のフィルタリング(通貨の影響による0.2十億ユーロ増およびMV Creditの売却による0.1十億ユーロ増を含む、0.3十億ユーロ増)および税務上の繰越欠損金に対する繰延税金資産(0.1十億ユーロ増)
その他Tier1資本は、特に為替相場の変動(0.2十億ユーロ減)を反映して0.6十億ユーロ増加し3.0十億ユーロとなった。また、日ごとのレバレッジ比率の遵守要件を満たすため、0.8十億ユーロの新規発行も含まれる。
Tier2資本は、プラス3.1十億ユーロとなった。2025年6月29日以降、既得権条項の適用を受けていた商品はこの区分から除外された(0.1十億ユーロ減)。管轄機関が企業の債務不履行エクスポージャーの信用RWA算定に関する新たな内部モデルを承認したことにより、新たな予想損失(EL)が算出され、これは会計上の減損(IFRS第9号)よりも低く、その差額がこのサブファンドに含まれている(0.3十億ユーロ増)。最終的に、当事業年度初頭に償還された同額および同質の債券に代わり、プラス0.3十億ユーロの新規Tier2債が発行された。
■ リスク加重資産(NX07)
| RWA | |||||||
| (単位:百万ユーロ) | 合計 | 信用リスクおよび取引相手方リスク | 決済リスク/受渡リスク | 市場リスク | オペレーショナル・リスク | 信用評価調整リスク | その他のリスク |
| 2024年12月31日 | 103,753 | 74,670 | 0 | 13,310 | 14,415 | 1,178 | 179 |
| 手法および方針* | (305) | (4,923) | - | - | 3,329 | 1,289 | - |
| 為替の変化 | (2,169) | (2,169) | - | - | - | - | - |
| 事業活動の変化 | 7,329 | 5,164 | - | - | 796 | 1,062 | 306 |
| リスク・パラメーターの変化 | (1,331) | (3,792) | 17 | 2,448 | - | - | (4) |
| 持分の取得および処分 | - | - | - | - | - | - | - |
| 担保の影響額 | (463) | (463) | - | - | - | - | - |
| 2025年12月31日 | 106,813 | 68,487 | 17 | 15,758 | 18,540 | 3,529 | 482 |
* CRR3の発効
⑤ 資本運営
資本運営は、ナティクシスの自己資本目標を定め、継続的にすべてのコンパートメントにおける規制上の資本要件の遵守および当該機関が定義するリスク選好と自己資本を一致させることを保証し、ならびに資本配分および事業分野の利益性をそれぞれ適応させるという要素からなる。
ナティクシスのCET1比率は、規制要件ならびに年次審査を受けるRAF閾値およびRAF限界値を上回らなければならない。戦略計画に沿って、最低目標は10.5%から11.0%の範囲に設定されている。2025年には、ナティクシスのCET1比率は11%の上回りを維持した。
運営の枠組は、最終的に、監督機構およびBPCEまたは投資家の要件を満たすことを目的として、すべてのプロセスを適応させている。
・ ソルベンシーの軌道の継続的な維持
・ 2つのアプローチを用いて実施された、ナティクシスの自己資本充実度評価プロセス(ICAAP)の開発
・ Pillar Ⅰの規制ベースラインに基づく3年間の内部ストレス・テストがナティクシスに与える影響を測定することを目的とした、いわゆる「規範的」アプローチ
・ 短期間(1年間)の視野で、内部手法を用いて自己資本によるリスクを特定、定量化し、ヘッジする、いわゆる「経済的」アプローチ。ナティクシスのレベルでは、開発された手法により、すでにPillar Ⅰの対象であるリスクのより適切な評価およびまだPillar Ⅰの対象ではないリスクの追加的な評価が可能となっている。
・ ナティクシスの全体的な自己資本方針の枠組における、事業分野別の資本要件の見積り/予測
・ 規制上の変更およびナティクシスの事業分野に対するそれらの影響の予測
・ 事業分野の資本消費およびバーゼル3/CRRリスク加重資産に基づく収益性を分析するメカニズムの実施
・ 事業要件、収益性および事業分野間のバランスを考慮に入れ、戦略的計画および年次の予算編成手続の枠組における事業分野の資本配分
見通し
ナティクシスの2つの事業分野であるAWMおよびCIBと協力の上、資本管理チームは、BPCEのガイドライン、戦略計画を視野に入れた2つの事業分野の開発目標、ならびに特に2025年1月1日に発効されたCRR3およびP2Rの0.30%の引上げを含む2026年1月1日以降の強化されたレバレッジ比率要件等の新たな規制要件に沿って、戦略計画の一部であるソルベンシーの軌道を進展させた。
(b) その他の規制比率
① レバレッジ比率
2014年1月1日以降、銀行はレバレッジ比率を計算し、欧州の監督機関に報告しなければならない。バーゼル委員会が導入したレバレッジリスクの枠組は、CRR規則に取り入れられた。レバレッジ比率は、金融機関のTier1資本ならびに銀行の貸借対照表上のエクスポージャー(特にデリバティブおよび再購入契約における一部修正再表示後)およびオフバランスシート上のエクスポージャー(貸借対照表の変換係数を適用後)との比率で定義される。これは、2015年1月1日以降、財務報告の一部として公表することが義務付けられている。
2021年6月から、CRR2規則により、レバレッジ比率は金融機関が常に遵守しなければならない要件となった。同要件はTier1資本の3%に達し、最大分配可能額(MDA)の発動を誘発する可能性がある。監督機関は、過剰なレバレッジリスクに対処するため、追加の資本要件を課すことができる。
CRR2規則は、特定のエクスポージャー(特に「インセンティブ」ローンおよび条件付きで中央銀行に連動する資産)を除外することで、レバレッジ比率の計算ルールを修正する。また、デリバティブとエクスポージャーの相殺の計算に関する新しいルールも導入された。
ナティクシスは、CRR2規則に従ってレバレッジ比率を計算および公表し、検討中の目標比率に収束するために必要な措置を実施する。
■ レバレッジ比率目的のための会計資産およびエクスポージャー間の調整に関する概要(EU LR1‐LRSum)
| (単位:百万ユーロ) | 適用額 | |
| 1 | 財務諸表において報告された資産合計 | 521,602 |
| 2 | 会計上連結されているがプルーデンシャル連結範囲外である事業体に関する調整 | (3,898) |
| 3 | (リスク移転の運用要件を満たす証券化エクスポージャーの調整) | - |
| 4 | (中央銀行向けエクスポージャーの一時的な除外のための調整(該当する場合)) | - |
| 5 | (適用ある会計の枠組に従い貸借対照表上で認識されるが、CRR第429a(1)条(i)に基づきエクスポージャーの測定合計から除外される受託資産に関する調整) | - |
| 6 | 取引日に認識された金融資産の正常化された購入および売却に関する調整 | - |
| 7 | 一元化された現金管理システム取引の適格化に関する調整 | - |
| 8 | デリバティブ金融商品に関する調整 | (12,956) |
| 9 | 証券金融取引に関する調整(SFT) | 8,842 |
| 10 | オフバランスシート項目(与信相当額へのオフバランスシート・エクスポージャーへの変換の結果による)に関する調整 | 54,439 |
| 11 | (健全な評価目的に関する評価調整ならびにTier1資本を減少させた特定および一般条項に関する調整) | - |
| EU-11a | (CRR第429a(1)条(c)に基づきエクスポージャーの測定合計から除外されるエクスポージャーに関する調整) | (134,481) |
| EU-11b | (CRR第429a(1)条(j)に基づきエクスポージャーの測定合計から除外されるエクスポージャーに関する調整) | - |
| 12 | その他の調整 | (14,988) |
| 13 | エクスポージャーの測定合計 | 418,559 |
② レバレッジ比率の監督
フランスの健全性監督機関および破綻処理当局による監督の対象である銀行部門、決済サービス部門および投資サービス部門の企業の内部統制に関する2014年11月3日付フランス省令に基づき、監督対象の企業は、国際的な限界値を設定し、また過度のレバレッジリスクを検出し、管理し、および監視するための方針ならびにプロセスを構築することを要求されている。
ナティクシスの上級経営陣は、四半期末時点におけるレバレッジ比率を規制上の最低要件であるTier1資本の3%を上回るように、限界値およびRAF閾値をステアリングの閾値とともに設定した。かかる比率は、ナティクシスのALM委員会の権限のもと管理されている。BOAT部門は、BPCEの財務管理部門の事業分野と連携し、SBSRの統制下でこの制約を遵守するように調整する。
③ 大規模エクスポージャー比率
大規模エクスポージャー比率
大規模エクスポージャー管理に関する規制は、CRRに組み込まれた2014年に見直された。この規制は、「グループ・ヘッド」の下にグループ化された一連の取引相手方に関連するリスクに対する銀行のエクスポージャーを制限することを目的としている。この規制の遵守状況は、毎日測定され、各「グループ・ヘッド」に関連するリスク加重資産(RWA-LE)が、現在ナティクシスのTier1資本の25%に設定されている大規模エクスポージャーの限度を機械的に下回り続けることが確保されている。
ナティクシスは、2025事業年度中、技術的な1日限りの超過を除き、単一の顧客またはグループ顧客のリスク加重が同事業年度の残期間を通じて資本の10%を超えなかったため、規制により設定された「主要なリスク」の限界値を引続き下回った。
(c) 担保付資産および無担保資産
ビジネスモデルが資産の担保に与える影響および金融機関の資金調達モデルに対する当該担保の重要性についての記述的情報であり、EU AE1およびEU AE2モデルで求められる情報を利用者に提供するものである。
2025年12月31日、貸借対照表上の資産および受領担保付資産の合計は、286,589百万ユーロであった。これらの種類および債務の源泉別の内訳は以下のとおりである。
・ 特に証券貸付および買戻契約を含む証券取引(合計275,642百万ユーロ)
・ カバード・ボンドのビークル(Natixis Pfandbriefbank)により担保される担保付債権(合計1,741百万ユーロ)
・ カバード・ボンドの資産プール以外のビークルのうち中央銀行のリファイナンスまたはその他の市場ビークル等の担保付債権(合計500百万ユーロ)
・ デリバティブ・ポジションに対するマージンコールに関する支払いによる担保付資産(合計8,661百万ユーロ)
・ ナティクシスは、以下の資産については通常の業務の過程において担保されないと考えている。
・ コールローン(59十億ユーロ、すなわち無担保資産の12.4%)
・ デリバティブ(65十億ユーロ、すなわち無担保資産の13.6%)
■ 担保付資産****および無担保資産(EU AE1)
| 担保付資産の 帳簿価額 | 担保付資産の 公正価値 | 無担保資産の 帳簿価額 | 無担保資産の 公正価値 | ||||||||
| うち 理論上 適格なEHQLA およびHQLA | うち 理論上 適格なEHQLA およびHQLA | うちEHQLA およびHQLA | うちEHQLA およびHQLA | ||||||||
| (単位:百万ユーロ) | 010 | 030 | 040 | 050 | 060 | 080 | 090 | 100 | |||
| 010 | 報告機関の資産 | 88,352 | 64,450 | 425,241 | 2,181 | ||||||
| 030 | 持分金融商品 | 38,334 | 29,246 | 38,334 | 29,246 | 1,304 | 450 | 1,304 | 450 | ||
| 040 | 債務証券 | 39,070 | 35,203 | 39,070 | 35,203 | 3,420 | 1,732 | 3,420 | 1,732 | ||
| 050 | うちカバード・ボンド | 120 | 43 | 120 | 43 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
| 060 | うち資産担保証券 | 570 | 0 | 570 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
| 070 | うち国債 | 24,818 | 24,469 | 24,818 | 24,469 | 502 | 502 | 502 | 502 | ||
| 080 | うち金融機関が 発行する証券 | 11,948 | 10,428 | 11,948 | 10,428 | 1,217 | 1,217 | 1,217 | 1,217 | ||
| 090 | うち金融機関以外が 発行する証券 | 2,053 | 208 | 2,053 | 208 | 257 | 0 | 257 | 0 | ||
| 120 | その他の資産 | 10,947 | 0 | 420,517 | 0 | ||||||
■ 担保および発行済自社債務証券(EU AE2)
| 無担保 | |||||
| 受領担保および発行済の 自社担保付債務証券の公正価値 | 受領担保および担保として 利用可能な発行済の 自社債務証券の公正価値 | ||||
| うち理論上 適格なEHQLA およびHQLA | うちEHQLA およびHQLA | ||||
| (単位:百万ユーロ) | 010 | 030 | 040 | 060 | |
| 130 | 報告機関が受領した担保 | 198,238 | 174,042 | 54,339 | 30,203 |
| 140 | コールローン | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 150 | 持分金融商品 | 26,555 | 20,554 | 30,909 | 13,036 |
| 160 | 債務証券 | 171,683 | 153,488 | 19,341 | 17,167 |
| 170 | うちカバード・ボンド | 2,032 | 2,013 | 0 | 0 |
| 180 | うち資産担保証券 | 10,120 | 4,035 | 0 | 0 |
| 190 | うち国債 | 134,760 | 133,052 | 4,451 | 4,451 |
| 200 | うち金融機関が発行する証券 | 31,060 | 18,185 | 12,716 | 12,716 |
| 210 | うち金融機関以外が発行する証券 | 6,139 | 2,703 | 2,556 | 0 |
| 220 | コールローン以外の貸付金および債権 | 0 | 0 | 3,636 | 0 |
| 230 | その他の受領担保 | 0 | 0 | 454 | 0 |
| 240 | 自社担保付債券または自社担保付証券以外の発行済自社債務証券 | 0 | 0 | 3,663 | 0 |
| 241 | 発行済かつ担保として差し入れていない 自社担保付債券および自社担保付証券 | 0 | 0 | ||
| 250 | 受領担保および発行済の自社債務証券合計 | 198,238 | 174,042 | ||
■ 担保付資産の源泉(EU AE3)
| 関連する負債、偶発債務 または貸付有価証券 | 自社担保付債券および 自社担保付証券以外の資産、 受領担保および発行済の自社 債務証券 | |||
|---|---|---|---|---|
| (単位:百万ユーロ) | 010 | 030 | ||
| 010 | 主要金融負債の帳簿価額 | 168,654 | 175,855 |
(d) 流動性カバレッジ比率
A 規制上の流動性比率
2010年以降、バーゼル委員会は新たな流動性リスクの測定方法を導入した。
・ 流動性カバレッジ比率(LCR、2013年1月)は、短期流動性比率であり、ストレス・シナリオにおいて、銀行が30日間の純現金流出額を補填するための十分な流動性資産を確実に保有することを目指している。
・ 安定調達比率(NSFR、2014年10月)は、銀行に対して安定した資金調達プロファイルを維持することを要求し、満期転換を1年未満に制限することにより、銀行部門の回復力を強化するために開発された長期の構造的流動性比率である。
これらの規則は、欧州連合に移行された。LCRに関しては、2014年10月10日に公表された委任規制(EU)第2015/61号が、2015年10月1日に発効した。この規制は、2018年7月13日に公表された委任規制(EU)第2018/1620号により改訂され、2020年4月30日から適用された。
NSFRについては、バーゼル委員会は2018年1月1日から最低要件として適用することを望んでおり、2021年6月28日に施行されたNSFR部分に関する規制(EU)第2019/876号(CRR2)により欧州で施行された。
これまでに、欧州規則は以下の事項を要求している。
・ 2015年10月1日以降のLCRの遵守。最低要件は2017年1月1日時点で80%、2018年1月1日から100%となる。
・ 2021年6月28日以降、NSFRの最低要件である100%の比率の遵守。
ナティクシスは、LCRおよびNSFRを連結ベースで計算しており、適用される規制要件を遵守するために、その流動性ポジションとこれらの測定基準に関連する流動性ニーズのカバレッジを操作的に管理している。
LCR‐流動性バッファー
規制第2015/61号では、流動性資産および短期の流動性危機が生じた場合の資金調達ニーズに応えるために利用された流動性バッファーに適格となるために満たさなければならない流動性基準について定義している。
資産は、30日のストレス期間の中で、内在的要件(発行体、格付、市場流動性等)および業務上の要件(資産の効果的な利用可能性、多様性等)を満たさなければならない。
流動性バッファーは、規制上の意味においては、LCR(HQLA)の分子であり、主に以下により構成されている。
・ レベル1流動性資産、すなわち中央銀行への現金預金
・ 主にソブリン、中央銀行および公共部門事業体に対する債券を表すまたはそれらに保証された市場性証券ならびに高格付のカバード・ボンドにより構成される、その他のレベル1流動性資産
・ 主にレベル1として適格でないソブリンまたは公共部門により発行されるカバード・ボンドおよび債務証券、社債ならびに活発な市場に上場され、特定の条件を満たした株式により構成されるレベル2流動性有価証券
B 準備金および比率の運営管理
業務上の流動性バッファー
ナティクシスは、業界の慣行に則り、将来発生しうる流動性ニーズに備えてあらかじめ資金を調達することで、流動性ニーズを見越している。この事前の資金調達により創出された流動性は、その後流動性バッファー(または「バッファー」)に投じられ、Groupe BPCEの流動性バッファーと統合される。
ナティクシスは、Groupe BPCEに包含される業務上の流動性バッファーを維持している。
・ 日中の決済、より具体的には時間指定債務(TSO)をカバーするための流動性バッファー。これは、主に中央銀行預金勘定の残高およびレポ市場で借り入れた証券で構成されており、振出ファシリティの対象となる。
・ 流動性の危機的状況に対処するための流動性バッファー。このバッファーは、主に中央銀行預金勘定の残高で構成されているが、高品質流動資産(HQLA)の様々なポートフォリオも含んでおり、当行の他の証券ポートフォリオから厳密に切り離され、財務部門内のBOAT(バッファー、金融業務、ALMおよびトレジャリー)部門によって管理される。これは、流動性管理計画(LMP)に記録されており、非常事態資金調達計画(CFP)が発動された場合に現金化することが可能となり、そして上級経営陣2名が議長を務める戦略的バッファー委員会によって監督されている。この証券ポートフォリオの一部は、アジアおよび米国のプラットフォームによって保有されている。後者が保有している場合には、ドッド=フランク法に基づくプルーデンシャル基準およびボロワー・イン・カストディプログラムに準拠する。
また、これらの偶発的な流動性要件または規制上の流動性要件を受けて調達された流動性剰余金も、当行グループのバッファーの一形態を構成する。ナティクシスの準備金は、銀行間取引を通じてBPCEに一元化されることがある。
短期流動性比率の運営
流動性カバレッジ比率(LCR)は、当行のRAF枠組の一部であり、取締役会により承認された閾値およびRAF限界値が適用されている。ナティクシスの比率の管理は、ナティクシスのALM委員会により監督され、BPCEと調整されている。ナティクシスの財務部門内のBOAT(「バッファー、金融業務、ALMおよびトレジャリー」)部門は、BPCEの財務管理部門と協議して運営を監督する。かかる管理は日常的に、あるいはBPCE S.A.およびナティクシスの貸借対照表間における規制上の流動性平準化業務を通じて、実施されている。
レーティング・トリガー条項の監視
1社または複数の格付機関がGroupe BPCE(ひいてはナティクシス)の信用格付を格下げした場合、ナティクシスは、レーティング・トリガー条項を含む契約を締結した特定の取引相手方に対して、現金または有価証券の形で追加の担保を提供することが要求される可能性がある。これらの偶発的な流動性要件は中程度ではあるが、これらは(特にLCRを通じて)監視され、確保される。その後30日以内に発生する可能性のある債務は事前に資金調達され、この目的のために調達された資金は流動性バッファーに位置づけられる。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績等の概要
下記「(3) 財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
(2) 生産、受注および販売の状況
該当事項なし。
(3) 財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析
本項に含まれる将来予測に関する記述は、2025年12月31日現在の予測である。
(i) 2025年における重要事象
(a) マクロ経済の背景
① 経済成長および金融政策
2025年は、ドナルド・トランプ氏による関税の急増にもかかわらず、世界経済の強靭さによって特徴付けられた。
米国では、2025年はドナルド・トランプ氏の第2期政権の発足に特徴付けられ、その経済政策、貿易政策、財政政策および移民政策には不透明さが伴った。「解放の日」(2025年4月2日)に発表された記録的な関税は、地政学的緊張、そして世界経済および米国経済が減速する恐怖を引き起こした。しかし、「解放の日」のショックは、一部の関税の即時撤回およびその後数ヶ月間かけての漸次的再導入とともに速やかに鎮静化した。つまり、危惧されたインフレのショックは、ごく一部しか実際には発生しなかった。2025年7月27日にEUと米国との間で締結された協定は、関税の上限を15%と定め、一部の商品を適用除外とするものであり、事業活動の意思決定に足かせとなっていた不確実性の多くを払拭した。
・ 米国の成長率は回復力を証明し、2025年第3四半期は、前年比2.3%に達した。しかし、米国の公共財政をめぐっては、大幅な赤字が慢性化していること、政府機関の閉鎖が史上最長(43日間)に及んだことから懸念が増した。かかる閉鎖により米国の経済データの公表が中断され、最新の数値の解釈をさらに難しくしている。
・ インフレが再び進行し始めたものの、関税の導入時に懸念されたほど強力なリバウンドは起きていない。2025年のインフレ率は、平均2.8%と予想される。関税は事前に発表されたため、その施行前に、企業は輸入の一部を前倒しすることができ、価格上昇の転嫁を徐々に行うことができた。
ユーロ圏では、成長率の回復が力強く、2025年は1.5%に達した。上半期の成長が特に堅調であり、これは主に米国の関税を予想したものであって、米国向けの商品輸出が急増した。労働市場もまた堅調であり、失業率は引続き低下し、史上最低水準となった(6.4%)。2025年、ユーロ圏のインフレ率は低下し、ECBの2%目標に近づき、2024年には2.4%から平均2.1%となった。
しかし、成長およびインフレは、ユーロ圏の主要国の間で異なっていた。
・ フランスにおいて:政治の不確実性にもかかわらず成長率は粘り強さを発揮し、2024年は1.1%であったが、2025年は0.9%に達した。フランス経済の強み(航空宇宙、船舶、防衛、事業向けサービス等)が活況を牽引した一方で、国内市場の依存度が高い部門は成長が低迷した。政治の不確実性(2025年予算が2025年2月に成立したこと、2025年は3回の政権交替があったこと、2026年予算は、社会保障予算は採択されたが、国家予算はされていないこと等)によって、2025年の成長率は0.2パーセントポイントから0.3パーセントポイント低下したと推定されている。公的赤字は、2024年の5.8%の後、2025年には5.2%(政府:5.4%)になる見込みで、ユーロ圏で最も高くなっている。インフレ率は、賃金の抑制、エネルギー価格の低下、管理価格の限定的な上昇の影響が相まって、ユーロ圏で最も低い部類である(2025年は0.9%)。
・ ドイツにおいて:2025年2月の選挙を受けて、新たな連立政権(CDU、CSUおよびSPD)が成立し、債務ブレーキに関する憲法改正が行われ、公共投資に関する500十億ユーロの特別基金が設立された。製造業部門は2025年も引続き困難に直面しており、雇用の喪失(2024年に79,000人減少、2025年は40,000人減少)および製造業の産出高の減少は、国際的状況(トランプ氏の関税および中国の競争力)およびコスト、特に人件費の増加(ナティクシスの予測では、2025年においてCSUは4.6%増)によりさらに悪化した。一方、サービス業部門は比較的堅調であり、これは公共部門および準公営部門によるところが大きい。このためもあり、全体として、2025年を通じて安定した雇用が維持されたが、失業率は若干上昇した(2025年は6.3%、2024年は6%)。最後に、ドイツ経済は2年間縮小した(2023年に0.7%減、2024年に0.5%減)後、2025年の成長率はプラス(0.3%)に戻った。
・ イタリアにおいて:2025年は、外国貿易が重しとなったものの、内需は継続的な投資、とりわけ次世代EU基金に関連した投資の恩恵を受け、緩やかな成長を維持した(0.7%増、2024年は0.5%増)。雇用市場は、引続き徐々に改善した。公共財政については、イタリアは2025年の財政赤字が欧州委員会によるとGDPのマイナス3.0%に達する見込みであるため、引続き過剰財政赤字是正手続の適用下にあり、また、公的債務比率が依然として非常に高く、かつ不安定である現状に鑑み、持続可能となるよう、2026年までに欧州の最低基準未満に戻す目標にも服する。
・ スペインにおいて:2025年のスペインの経済は、ユーロ圏の中では比較的好調であり、主に内需(官民の消費)および活発な労働市場に牽引され、成長率はプラス2.8%であった(2024年はプラス3.5%)。外国貿易の寄与は、引続き効果が分かれた。投資は、当年度中に息切れの兆候を示したものの、欧州基金の恩恵を受けた。公共財政については、欧州委員会は2025年の赤字がGDPのマイナス2.5%に達すると予想し、公会計は次第に改善していると確認している。こうした背景にあって、マクロ経済のファンダメンタルズが堅調であるにもかかわらず、深刻な政治的分裂により、予算および財政の改革や労働市場の改革の導入、ならびに欧州基金に関連する一定の約定の実行が困難になっている。
ユーロ圏以外では、英国の2025年のGDP成長率は、主に第1四半期の好調に支えられて1.3%に達した。しかし、好スタートのGDP成長率はその後、第2四半期および第3四半期には前四半期比0.2%および0.1%と減速した。企業は2025年4月以降、人件費の上昇に直面している。さらに、予算に先立つ不確実性の高まりが企業の景況感および消費者信頼感を圧迫した。
中国では、2025年の経済成長は、政府の目標である5%を達成すると予想されている。しかし、2025年のインフレ率はほぼ0%とディスインフレ圧力が続くことを反映して供給と需要に大幅な不均衡があるため、内需は依然として弱い。米国向け輸出が減少した(2018年には輸出合計の19%を占めたのに対し、2025年は11%であった。)にもかかわらず、ASEAN向け輸出(2018年比5パーセントポイント増)およびラテンアメリカ向け輸出(2025年は2018年比3パーセントポイント増)は、本年はかつてないほど加速した。欧州連合向け輸出は、割合こそ低下したものの、それでも2025年の商品輸出の8十億超を占める。内需の弱さが相まって、中国の輸出は、2025年に史上最高の貿易黒字(2025年1月から11月までですでに1兆ドル)を達成した。
日本の経済は、2025年上半期、堅調な外需および投資の増加に支えられ、回復を示した。特に、日本の輸出は、米国の関税に先立つ前倒しの恩恵を受けた。しかし、第3四半期には、関税の導入で米国向け輸出が減少したことにより、GDPが縮小した。2025年のGDPは、平均1.3%の成長が予想されている。名目賃金の高い伸び(2025年4月から2026年3月までの2025事業年度において5.3%増)と急激な円安とが相まって、インフレ圧力を高めており、12ヶ月間で3.1%に達すると予想されている。一方、高市早苗氏が日本初の女性首相に就任した。高市氏は、「日本列島を、強く豊かに。」とのビジョンの下、国を再構築しようとしている。高市氏の戦略は、国家安全保障を前面に出し、成長を促進する政策を重視している。
② 金融政策
先進国経済の中央銀行のほとんどが利下げを開始(連邦準備制度理事会の場合)または継続(ECB、イングランド銀行の場合)した一方で、日本銀行は利上げサイクルを継続した。
・ ECBは、25ベーシスポイントの利下げを4回、2月、3月、4月および6月に実施して金融緩和サイクルを終了し、預金ファシリティは2%、リファイナンス金利は2.15%となった。
・ 連邦準備制度理事会は、金融緩和サイクルを再開し、25ベーシスポイントの利下げを9月、10月および12月(11月は現状維持)の3回連続で行った。連邦準備制度理事会に関する2025年の大きな話題の1つは、その独立性に対する攻撃、とりわけドナルド・トランプ大統領からの攻撃であった。
・ イングランド銀行は、賃金の上昇率が鈍化するとともに失業率が上昇(2021年以来最高)する状況において、25ベーシスポイントの金利引下げを4回、2月、5月、8月および12月に行い、利下げサイクルを継続した。政策金利は2025年12月末現在、3.75%に達した。イングランド銀行は、そのバランスシートの縮小を継続したが、9月には、量的引締めのペースを年間100十億英ポンドから年間70十億英ポンドに減速すると発表した。
・ 逆に、日本銀行は、政策金利を1月に1回および12月に1回の計2回、25ベーシスポイントずつ引き上げた。政策金利は現在、0.75%である。同時に、日本銀行は、そのバランスシート縮小プログラムの一環として、日本国債の買入れを減額し続けている。
・ 中国においては、中国人民銀行が金利を若干引き下げた。1年物ローンプライムレートは、2025年、3.1%から3.0%に低下した。
③ 金利
2025年は、ECBのバランスシート縮小に牽引された期間プレミアムの再構築およびドイツが発表したパラダイムシフトを想定した予算計画を背景に、ユーロ圏ソブリン利回りの上昇が特徴となる見込みであった。結果として、10年物ブンド利回りは2.90%近くまで上昇し、30年物ブンドは約3.50%と2011年以来の高水準を記録した。ECBの利下げおよび長期金利の上昇により、イールド・カーブは急勾配化した。欧州側では、持続的なリスク選好、継続的な債券供給およびオランダ年金基金の移行が相まって、長期金利への圧力が継続した。慎重な声明に裏付けられたECBの現在の様子見の中立姿勢がこのシナリオを強化し、短期金利の予想を現状維持に留めている。米国側では、連邦準備制度理事会の利下げサイクル再開により米国金利はむしろ下降傾向を示した。2025年、10年物UST利回りは約4.15%で取引を終えた。ソブリン・スプレッドに関しては、政治リスクの高さからフランス国債の利回り曲線は圧力を受けた一方、周辺国スプレッドは縮小し、10年物BTP-ブンドは財政基盤の改善を背景に70ベーシスポイントと2008年以来の低水準を記録し、ソブリン格付の差が依然としてフランスに有利であるにもかかわらず、10年物OAT-ブンドスプレッドを下回った。
④ 外国為替
2025年、DXYドル指数は2017年以来の急落を記録し、9.4%下落する見込みであった。当年度を通じて、G10通貨はすべて対ドルで上昇し、スウェーデンクローナの20%から日本円の0.3%まで幅があった。上半期の動向により、2025年はユーロが13.4%上昇し1.1736と2017年以来の最大の上昇を記録した。実際に、四半期ベースでは、ユーロは2025年の第3四半期および第4四半期の両方で、ほぼ横ばいで推移した。ユーロに対しては、G10通貨の中でスウェーデンクローナ(5.9%増)およびスイスフラン(1%増)の2通貨のみが上昇した。スイスフランは11月にユーロに対して0.918と2015年以来の高値を記録したが、当年度末には0.931まで下落した。
新興国通貨の中で最も上昇したのは人民元であり、1ドル当たり7人民元を下回り、2024年第3四半期以来の高値水準まで上昇した。
⑤ 石油
ドナルド・トランプ氏の米国大統領当選は、より積極的な地政学的スタンスと高いボラティリティをもたらす関税政策を特徴とする、2025年の原油価格の変化における決定的な要因となった。2025年第1四半期、イラン産石油に対する米国の制裁措置への懸念が市場を下支えし、価格は1バレル当たり平均75ドルで推移したが、4月に「解放の日」関税が発表されると価格は急落した。世界貿易の減速は、産業用燃料消費を圧迫する要因として迫っており、4月初頭にはブレント原油価格は1バレル当たり62ドルまで下落した。
しかしながら、12日間戦争の一環としてイランとイスラエルの間で紛争が勃発し、米国がイランの核施設を攻撃したことを受けて、ブレント価格は上昇し、6月には1バレル当たり80ドル近くに達した。紛争が沈静化するにつれ価格は小幅に下落したものの、2025年下半期の市場は比較的安定し、1バレル当たり60ドルから65ドルの間で推移した。供給の堅調な伸びおよびOPEC供給の回復によりファンダメンタルズは弱気だったが、2025年第4四半期のトランプ政権によるRosneftおよびLukoilへの制裁など、残存する地政学的リスクが価格を支えた。
⑥ 株式
2025年は、貿易摩擦による不確実性にもかかわらず、株式市場が過去最高のパフォーマンスを記録した年となった。MSCIワールド指数は当年度は19.5%上昇している。米国の主要指数はマグニフィセント7(24.6%増)に牽引され、引続き極めて好調なパフォーマンスを維持している一方(S&P500:16.4%増)、米国以外への分散投資がより顕著になっている。欧州株式は他を上回るパフォーマンスを示した(ユーロ・ストックス50:21.2%増)。ユーロ・ストックス内では、銀行が突出して好調(80%増)であり、次いで建設・素材(29%増)、公益事業、エネルギー、基礎素材および工業製品が続いた。これらは、欧州におけるインフラおよび防衛の回復への期待から恩恵を受けたセクターである。DAXおよびFTSEはCACを上回るパフォーマンスを示した。最後に、アジア市場および新興国市場の指数も過去最高のパフォーマンスを記録した。アジアおよびラテンアメリカに牽引されたMSCI EMはプラス30.6%、日経平均はプラス26.2%となった。インプライド・ボラティリティ(VIX指数)は、4月初頭(解放の日)に50を上回る急騰を見せた後、当年度末には15を下回り、2024年末に近い水準で当年度を終えた。
(b) ナティクシスの事業分野における重要事象
2025年におけるナティクシスの事業分野のハイライトは、「第2 企業の概況」に示されている。
(ⅱ) 2025年12月31日現在の経営報告書
決済事業の売却後、かかる残存寄与額およびNatixis Moscowの残存寄与額は、損益計算書の下部に個別に表示されている。
さらに、プロフォーマ経営データとは、「(ⅳ) 定義および代替業績指標」に記載された修正再表示を考慮した後の2024年のデータを指す。
(a) 連結決算
| 2025年 | 2024年 | 変動 2025年と2024年との比較 | ||
| プロフォーマ | 現行 | 恒常 | ||
| 銀行業務純利益 | 8,267 | 8,110 | 1.9% | 3.8% |
| うち事業分野 | 8,352 | 7,941 | 5.2% | 7.1% |
| 営業費用 | (6,087) | (5,786) | 5.2% | 7.1% |
| 営業総利益 | 2,180 | 2,325 | (6.2)% | (4.6)% |
| リスク費用 | (237) | (282) | ||
| 営業利益 | 1,943 | 2,043 | ||
| 持分法 | 28 | 23 | ||
| その他の資産に係る損益 | 5 | (14) | ||
| のれん価値における変動 | 0 | 0 | ||
| 税引前利益 | 1,977 | 2,052 | ||
| 所得税 | (558) | (636) | ||
| 非支配持分 | (58) | (66) | ||
| 非継続事業からの純寄与額 | 0 | 2 | ||
| 純利益(グループ持分)(報告値) | 1,361 | 1,352 | ||
| 費用収益比率 | 73.6% | 71.3% | ||
連結損益計算書に含まれる主要な項目の増減の分析
銀行業務純利益
ナティクシスの**銀行業務純利益(NBI)**は、2024年に対して現行為替レートで1.9%、恒常為替レートで3.8%増加して、2025年には8,267百万ユーロとなった。
2025年、資産運用およびウェルス・マネジメントならびにコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの銀行業務純収益は、前年に対して現行為替レートで5.2%、恒常為替レートで7.1%増加して、8,352百万ユーロとなった。当該期間中、資産運用およびウェルス・マネジメントの収益は現行為替レートで0.8%、恒常為替レートで3.2%増加し、3,535百万ユーロとなった。同時期に、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの収益は4,817百万ユーロとなり、2024年に対して現行為替レートで8.6%、恒常為替レートで10.1%増加した。
Natixis Algérieを含むコーポレートセンターのNBIは、2024年におけるプラス169百万ユーロと比較してマイナス84百万ユーロとなった。これは特に、当該期間中のドル相場の影響により、2024年のプラス91百万ユーロと比較して、外貨建てDSNの過去の割引に関するマイナス159百万ユーロが含まれる。
営業費用および人員
営業****費用は、2024年に対して現行為替レートで5.2%増加して6,087百万ユーロとなり、恒常為替レートで7.1%の増加となった。
資産運用およびウェルス・マネジメント部門の費用は、主に固定人件費および変動人件費の増加に起因して、現行為替レートでは安定して2,763百万ユーロとなり、恒常為替レートでは2.2%増加した。かかる費用の増加は、NBIの3.2%の増加と関連付けて見るべきである。コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門の費用は、事業に連動して現行為替レートで10.4%、恒常為替レートで12.1%増加し、3,186百万ユーロとなった。2025年のコーポレートセンターの費用の138百万ユーロは、恒常為替レートでの年間成長率はプラス1.9%にとどまり、現行為替レートでは安定している。
人員は、2025年12月末現在において常勤労働者が前年同期比で4.4%増の15,859人となった。資産運用およびウェルス・マネジメント部門の人員は安定し、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門においては4.4%増加した。IT、業務および統制チームの展開に伴い、支援部門は5.8%増加した。これは一部の業務をポルトへ移転したことによるものであった。
営業総利益
営業総利益は、2024年と比較して、現行為替レートで6.2%、恒常為替レートで4.6%減少し、2025年には2,180百万ユーロとなった。
税引前利益
リスク費用は、2024年と比較して、現行為替レートで45百万ユーロ減少(恒常為替レートで43百万ユーロ減)し、2025年には237百万ユーロが費用として計上された。事業分野の残高に対するリスク費用の比率は、2024年の37.9ベーシスポイントに対して、2025年は28.9ベーシスポイントとなった。
持分法適用会社からの収益は、2024年の23百万ユーロに対して、2025年には合計28百万ユーロとなった。
その他の資産に係る損益は、2024年の現行為替レートで14百万ユーロの費用に対して、2025年は5百万ユーロの収益を計上した。2024年は、Natixis Moscowの売却による影響を受けた。
したがって、税引前利益は、2024年の2,052百万ユーロに対して、2025年には合計1,977百万ユーロとなった。
純利益(グループ持分)
税金費用は、2024年の636百万ユーロに対して、2025年には558百万ユーロとなった。
非支配持分は、2025年には58百万ユーロとなり(2024年は66百万ユーロ)、そのうち資産運用およびウェルス・マネジメント部門は56百万ユーロ、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門は3百万ユーロであった。
非継続事業からの純寄与額は、2025年はゼロ(0百万ユーロ)となった。
これにより会計純利益はプラスとなり、2024年の1,352百万ユーロと比較して、2025年は1,361百万ユーロとなった。
(b) ナティクシスの事業分野の分析
① 資産運用およびウェルス・マネジメント
| 2025年 | 2024年 | 変動 2025年と2024年との比較 | ||
| プロフォーマ | 現行 | 恒常 | ||
| 銀行業務純利益 | 3,535 | 3,506 | 0.8% | 3.2% |
| 資産運用 | 3,408 | 3,387 | 0.6% | 3.1% |
| ウェルス・マネジメント | 127 | 119 | 6.7% | 6.7% |
| 営業費用 | (2,763) | (2,762) | 0.0% | 2.2% |
| 営業総利益 | 772 | 744 | 3.8% | 6.9% |
| リスク費用 | (7) | 14 | ||
| 営業利益 | 766 | 758 | ||
| 持分法 | 0 | (0) | ||
| その他の資産に係る損益 | 6 | 0 | ||
| のれん価値における変動 | 0 | 0 | ||
| 税引前利益 | 771 | 758 | ||
| 所得税 | (207) | (204) | ||
| 非支配持分 | (56) | (54) | ||
| 純利益(グループ持分)(報告値) | 509 | 500 | ||
| 費用収益比率 | 78.2% | 78.8% | ||
資産運用およびウェルス・マネジメント部門の収益
資産運用およびウェルス・マネジメント部門の収益は、2024年と比較して、恒常為替レートで3.2%増加(現行為替レートでは0.8%増)し、3,535百万ユーロとなった。
営業費用は、2024年と比較して、恒常為替レートで2.2%増加(現行為替レートでは安定)し、2,763百万ユーロとなった。
営業総利益は、恒常為替レートで6.9%増加(現行為替レートでは3.8%増)し、772百万ユーロとなった。
A 資産運用
2025****年12月末現在の運用資産額は、2024年12月31日と比較して、88十億ユーロ、すなわち現行為替レートで0.4%増加(恒常為替レートでは7%増)し、1,323十億ユーロと過去最高記録に達した。かかる増加は、当年度中の非常に有利な市場の影響(87十億ユーロ増)および力強い流入額(40十億ユーロ増)によるもので、不利な通貨影響額(83十億ユーロ減)および期首残高に対する方法論的な調整(30十億ユーロ減)により相殺された。
■ 当年度における運用資産額の変動(単位:十億ユーロ)
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* 資産運用範囲による影響額:MV Créditの売却に伴う運用資産額の減少、Dorvalのウェルス・マネジメントへの移管、Belmontの買収およびオーバーレイ事業のEdward Jonesへの売却
** 期首調整:NIMの新たな運用資産額報告方針を反映した、収益に影響を与えない期首ベンチマークの方法論的な調整
2025年12月31日現在、当事業分野は主に債券商品により、純流入額40十億ユーロを計上した。
| ・ | Active Fundamentalの純流入額は26十億ユーロとなった。これは主に、Loomis SaylesおよびDNCAにおける債券商品の力強い流入によるものであった。 |
|---|---|
| ・ | Solutionsの純流入は、主にSolutions USにおける多角的商品および株式商品で13十億ユーロとなった。 |
| ・ | Ostrum Asset Managementは、主に債券商品により、2十億ユーロの純流入額を記録した。 |
| ・ | 個人資産では、主にAEW CMの不動産商品により1十億ユーロの流出額を計上した。 |
| ・ | Quantは、当年度中は少ない流入額となった。 |
2025年12月31日現在における平均残高は1,183十億ユーロとなり、2024年12月31日と比較して恒常ユーロで8%増加(87十億ユーロ増)した。
Ostrum Asset Managementを除くと、平均残高は803十億ユーロとなり、2024年12月31日と比較して恒常ユーロで10%増加した。
Ostrum Asset Managementを含む残高に係る利益率は、24.8ベーシスポイントとなり、2024年12月31日と比較して恒常為替レートで1.2ベーシスポイント減少した。Ostrumを除くと34.6ベーシスポイントとなり、2024年12月31日と比較して恒常為替レートで2.1ベーシスポイント減少した。
2025年12月31日現在、資産運用の銀行業務純利益は、恒常為替レートで、2024年12月31日と比較して3.1%増加(103百万ユーロ増)し、3,408百万ユーロとなった。かかる成長は、主にDNCA、VegaおよびLoomisにおける運用資産額の手数料(82百万ユーロ増)、ならびに、主にDNCAとAEW CMにおける業績報酬(29百万ユーロ増)の大幅な成長に牽引されたが、為替レートの不利な影響による金融収益の減少とseed income(プライベート・エクイティ)の減少によって相殺された。
営業費用は恒常為替レートで2,637百万ユーロとなり、2024年12月31日と比較して2%増加(52百万ユーロ増)した。
この費用の抑制された増加は、人件費に起因するものであり、収益および平均従業員数の増加により上昇しているが、運営費用の削減により一部相殺されている。
B ウェルス・マネジメント
2025年12月31日現在、ウェルス・マネジメント部門の銀行業務純利益は、平均資産運用額の増加に伴い、資産運用額の手数料(10百万ユーロ増)および取引手数料(2百万ユーロ増)に起因して127百万ユーロとなり、2024年12月31日と比較して6.7%増加(8百万ユーロ増)したが、純受取利息の減少(3百万ユーロ減)および業績報酬の減少(1百万ユーロ減)により一部相殺された。
営業費用は、2024年12月31日と比較して6.8%増加(8百万ユーロ増)して126百万ユーロとなった。これは、範囲による影響額のプラス4百万ユーロとその他の営業費用のプラス3百万ユーロが含まれる。
② コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング
| 2025年 | 2024年 | 変動 2025年と2024年との比較 | ||
| プロフォーマ | 現行 | 恒常 | ||
| 銀行業務純利益 | 4,817 | 4,436 | 8.6% | 10.1% |
| グローバル・マーケッツ | 2,352 | 2,052 | 14.6% | 15.3% |
| フィックスド・インカム | 1,641 | 1,433 | 14.5% | 15.1% |
| 株式 | 689 | 603 | 14.3% | 15.3% |
| XVAデスク | 22 | 16 | 35.2% | 35.2% |
| グローバル・ファイナンス | 1,785 | 1,770 | 0.9% | 2.7% |
| インベストメント・バンキングおよびM&A | 644 | 627 | 2.7% | 4.9% |
| その他の項目 | 36 | (13) | ||
| 営業費用 | (3,186) | (2,886) | 10.4% | 12.1% |
| 営業総利益 | 1,630 | 1,550 | 5.2% | 6.4% |
| リスク費用 | (228) | (282) | (19.0)% | (18.2)% |
| 営業利益 | 1,402 | 1,269 | 10.5% | 11.9% |
| 持分法 | 28 | 23 | 20.9% | 20.9% |
| その他の資産に係る損益 | 0 | 0 | ||
| 税引前利益 | 1,430 | 1,292 | ||
| 純利益(グループ持分)(修正再表示) | 1,065 | 951 | ||
| 費用収益比率 | 66.2% | 65.0% | ||
2025年において、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの銀行業務純利益は、2024年と比較して恒常為替レートで10.1%増加し、4,817百万ユーロとなった。
グローバル・マーケッツ****の収益は、2024年と比較して恒常為替レートで15.3%増加し、2025年には合計2,352百万ユーロとなった。
金利、外国為替、信用供与、コモディティおよびトレジャリー業務の収益は、2024年と比較して恒常為替レートで15.1%増加し、2025年には1,641百万ユーロとなった。各セグメントにおいて、下記の変動が見られた。
・ マクロ業務(金利、外国為替およびコモディティを含む。)は、好調な商業活動の恩恵を受けて、恒常為替レートで10.6%増加した。
・ 信用市場業務の収益は、すべてのサブアクティビティに牽引され、2024年と比較して恒常為替レートで3.8%増加した。
・ 最後に、力強い商業活動からも恩恵を受けたグローバル証券化ファイナンス(特に回収)の収益は、債券と株式で半々を占め、恒常為替レートで39.7%増加した。
株式業務の収益は689百万ユーロとなり、恒常為替レートで15.3%近く増加した。主に、グローバル証券化ファイナンスが成長を牽引した。戦略的株式資本市場に関連するインベストメント・バンキングのエクイティ・デリバティブおよび提携事業の収益は、前年同期比で安定した。
インベストメント・バンキングおよびM&Aの収益は644百万ユーロとなり、2025年は恒常為替レートで4.9%増加した。第4四半期にはわずかな回復が見られた世界的なM&A市場において、主に国際的な大規模取引が中心となり、M&A業務は恒常為替レートで4.8%増加した。買収および戦略ファイナンスの収益は、特に買収ファイナンス等の主要業務の好調な勢いに後押しされ、恒常為替レートで2.8%増加した。戦略的株式資本市場業務の収益は、戦略的持分取引業務に牽引され、恒常為替レートで1%の増加が見られた。デット・キャピタル・マーケッツ業務は、2024年と比較して恒常為替レートでプラス15.5%の大幅な収益増加が見られた。留意:インベストメント・バンキング業務の収益は、グローバル・マーケッツと提携しており、その結果はグローバル・マーケッツおよびインベストメント・バンキング間で平等に分配される。
ファイナンスの収益は1,785百万ユーロとなり、2024年と比較して恒常為替レートで2.7%増加した。実物資産に係るオリジネーションおよびシンジケーション業務の収益は、不動産部門の回復、浮揚性のあるインフラストラクチャーおよびエネルギーファイナンスならびに航空機業務が牽引し、2024年と比較して26.3%増加した。2025年におけるファイナンス・ポートフォリオの収益は、2024年のベース効果の影響を受けて、恒常為替レートで2.6%減少した。グローバル・トレード業務の収益は、恒常為替レートで1%増加したが、これはストラクチャード・ソリューション、顧客口座管理業務および取引金融の好調な業績に牽引された。
雑収入は成長に伴い36百万ユーロに達したが、これは主に2024年の経常外のベース効果(オペレーショナル・リスク、資本の分析的利益率)によるものである。
2025年において、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの営業費用は、2024年と比較して恒常為替レートで12.1%増加し、3,186百万ユーロとなった。これは、事業分野の目標を支援するためのIT費用の増加、業績連動報酬および人員の増加ならびに事業成長による営業費用の増加等、費用と投資のインフレを反映している。
営業総利益は、2024年と比較して恒常為替レートで6.4%増加し、合計1,630百万ユーロとなった。2025年の費用収益比率は、成長を支えるIT投資の影響を受けて66.2%となり、2024年と比較して1.1ポイント増加した。
リスク費用は228百万ユーロとなり、2024年と比較して恒常為替レートで18.2%減少したが、これは主に個人の引当金の影響によるものであった。
税引前利益は、収益の増加とリスク費用の減少により、2024年と比較して恒常為替レートで12.1%増加し、1,430百万ユーロとなった。
③ コーポレートセンター
| 2025年 | 2024年 | 変動 2025年と2024年との比較 | ||
| プロフォーマ | 現行 | 恒常 | ||
| 銀行業務純利益 | (84) | 169 | ||
| Algeria | 79 | 75 | 5.3% | 7.9% |
| 事業横断型機能 | (163) | 94 | ||
| 営業費用 | (138) | (138) | (0.3)% | 1.9% |
| 営業総利益 | (222) | 31 | ||
| リスク費用 | (2) | (15) | (87.3)% | |
| 営業利益 | (224) | 16 | ||
| 持分法 | (0) | 0 | ||
| その他の資産に係る損益 | (0) | (14) | (98.8)% | |
| のれん価値における変動 | (0) | 0 | ||
| 税引前利益 | (224) | 2 | ||
コーポレートセンターの銀行業務純利益は、2024年末現在のプラス169百万ユーロと比較して、2025年はマイナス84百万ユーロとなった。
A Natixis Algérie
恒常為替レートで、2024年と比較して、短期平均貸付残高は7%増加し、中期および長期平均貸付残高は8%増加した。
顧客預金は、定期預金および貯蓄預金の預金残高の増加に伴い6%増加した。
オフバランスシートコミットメントは、現地保証、信用状および再発行保証が増加したことに伴い、恒常為替レートで27%増加した。
最後に、ファイナンス・リースの残高は46%増加した。
Natixis Algérieは、2024年と比較して、現行為替レートで5%増加しプラス79百万ユーロの銀行業務純利益を示した。マイナス1.8百万ユーロの不利な通貨影響額を除くと、NBIは8%増加した。これは、特に(ⅰ)短期国債への投資に伴うエクイティ投資収益(恒常為替レートで6%増)、(ⅱ)残高の増加により保証および再発行に集中した手数料(恒常為替レートで20%増)および(ⅲ)残高の増加に関連するリース利息(恒常為替レートで35%増)の増加によるものである。かかる動向は、決済手段および貸出金の手数料の減少(恒常為替レートで7%減)により一部相殺された。
B 事業横断型機能
事業横断型機能の銀行業務純利益には、主にトレジャリー取引および貸借対照表管理取引からの収益が含まれている。2024年末現在のプラス94百万ユーロと比較して、2025年末現在はマイナス163百万ユーロとなった。
・ BPCEが引き受けたドル建ての超劣後債の為替レートの影響は、前年のプラス91百万ユーロと比較して、2025年末現在はマイナス159百万ユーロとなった。
・ その他の項目は、1年前のプラス3百万ユーロと比較して、マイナス4百万ユーロとなった。
コーポレートセンターの営業****費用は、2025年末現在は合計138百万ユーロとなり、横ばいであった。
コーポレートセンターの営業総利益は、2024年末現在のプラス31百万ユーロと比較して、2025年末現在はマイナス222百万ユーロとなった。
コーポレートセンターのリスク費用は、2024年はマイナス15百万ユーロであったが、2025年を通してマイナス2百万ユーロとなった。これには、Natixis Algérieのリスク費用(1百万ユーロ)と、S1、S2およびS3の貸付残高に対する戻入が含まれている。
コーポレートセンターの税引前利益は、2024年のプラス2百万ユーロと比較して、2025年末現在はマイナス224百万ユーロとなった。
④ リスク費用
2025年12月31日現在のリスク費用はマイナス237百万ユーロとなり、そのうちマイナス216百万ユーロが不良債権、マイナス21百万ユーロが正常債権に関するものであった。2024年12月31日現在のリスク費用はマイナス282百万ユーロであり、そのうち、マイナス347百万ユーロが不良債権、プラス65百万ユーロが正常債権に関するものであった。
■ 部門別のリスク費用合計
| (単位:百万ユーロ) | 2025年12月31日 | 2024年12月31日 |
|---|---|---|
| コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング | (228) | (281) |
| 資産運用およびウェルス・マネジメント | (7) | 14 |
| その他 | (2) | (15) |
| リスク費用合計 | (237) | (282) |
■ 地理的地域別のリスク費用合計
| (単位:百万ユーロ) | 2025年12月31日 | 2024年12月31日 |
|---|---|---|
| EMEA | (174) | (189) |
| 中央およびラテンアメリカ | (9) | (12) |
| 北米 | (75) | (69) |
| アジアおよびオセアニア | 21 | (12) |
| リスク費用合計 | (237) | (282) |
別表-連結決算
■ 1‐2025年12月31日現在における経営業績を連結決算へと調整
| (単位:百万ユーロ) | 2025年 基本 | 特別項目 および非継続事業 | 2025年修正再表示 | 非継続事業の再分類 | 2025年公表値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 銀行業務純利益 | 8,426 | (159) | 8,267 | 0 | 8,267 |
| 営業費用 | (6,040) | (47) | (6,087) | 0 | (6,087) |
| 営業総利益 | 2,386 | (206) | 2,180 | 0 | 2,180 |
| リスク費用 | (237) | 0 | (237) | 0 | (237) |
| 営業利益 | 2,150 | (206) | 1,943 | 0 | 1,944 |
| 持分法 | 28 | 0 | 28 | 28 | |
| その他の資産に係る損益 | 5 | 0 | 5 | 5 | |
| 税引前利益 | 2,183 | (206) | 1,977 | 0 | 1,977 |
| 所得税 | (634) | 76 | (558) | (0) | (558) |
| 非支配持分 | (58) | 0 | (58) | (58) | |
| 非継続事業前の純利益 (グループ持分) | 1,491 | (130) | 1,361 | 0 | |
| 非継続事業からの純利益 | 0 | 0 | (0) | ||
| 純利益(グループ持分) | (130) | 1,361 | 0 | 1,361 | |
| 費用収益比率 | 71.7% | 73.6% | 73.6% |
■ 2‐2024年12月31日現在における経営業績を連結決算へと調整
| (単位:百万ユーロ) | 2024年 基本 | 特別項目 および非継続事業 | 2024年修正再表示 | 非継続事業の 再分類 | 2024年12月の 公表値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 銀行業務純利益 | 8,020 | 91 | 8,110 | 9 | 8,120 |
| 営業費用 | (5,786) | 0 | (5,786) | (7) | (5,792) |
| 営業総利益 | 2,234 | 91 | 2,325 | 3 | 2,328 |
| リスク費用 | (282) | 0 | (282) | 0 | (282) |
| 営業利益 | 1,952 | 91 | 2,043 | 3 | 2,045 |
| 持分法 | 23 | 0 | 23 | 0 | 23 |
| その他の資産に係る損益 | (14) | 0 | (14) | 0 | (14) |
| 税引前利益 | 1,961 | 91 | 2,052 | 3 | 2,054 |
| 所得税 | (612) | (23) | (636) | (1) | (636) |
| 非支配持分 | (66) | 0 | (66) | 0 | (66) |
| 非継続事業前の純利益 (グループ持分) | 1,283 | 67 | 1,350 | 2 | |
| 非継続事業からの純利益 | 2 | 2 | (2) | ||
| 純利益(グループ持分) | 69 | 1,352 | 0 | 1,352 | |
| 費用収益比率 | 72.1% | 71.3% | 71.3% |
(ⅲ) Natixis S.A.に関する情報
(a) Natixis S.A.の損益計算書
| (単位:百万ユーロ) | 2025年 | 2024年 | |||||||
| 比較* | 比較* | 比較* | |||||||
| フランス本土 | % | 支店 | % | Natixis S.A. | % | フランス本土 | 支店 | Natixis S.A. | |
| 銀行業務純利益 | 2,003 | (11.7) | 2,253 | 13.8 | 4,255 | 0.2 | 2,267 | 1,979 | 4,246 |
| 営業費用 | (1,773) | 9.0 | (974) | 6.2 | (2,746) | 8.5 | (1,614) | (917) | (2,531) |
| 営業総利益 | 230 | (64.7) | 1,279 | 20.4 | 1,509 | (12.0) | 653 | 1,062 | 1,715 |
| リスク費用 | 94 | +100% | (97) | 29.9 | (4) | (99.1) | (345) | (75) | (420) |
| 営業利益 | 324 | 5.2 | 1,182 | 19.7 | 1,505 | 16.2 | 308 | 987 | 1,295 |
| 固定資産に係る利益/(損失) | 25 | +100% | (0) | (60.0) | 26 | (104.3) | (596) | 0 | (597) |
| 税引前利益 | 349 | +100% | 1,182 | 19.7 | 1,531 | +100% | (289) | 987 | 699 |
| 所得税 | 43 | +100% | (281) | 28.1 | (238) | +100% | (31) | (220) | (251) |
| 引当金/一般銀行業務リスクおよび規制条項による資金調達の戻入れ | 0 | N/A | 0 | N/A | 0 | N/A | 0 | 0 | 0 |
| 純利益/(損失) | 392 | +100% | 900 | 17.3 | 1,293 | +100% | (320) | 768 | 448 |
* 2025年と2024**年の比較
2025年12月31日現在、Natixis S.A.の営業総利益はプラス1,509百万ユーロとなり、銀行業務純利益が横ばいで推移した一方、営業費用が215百万ユーロ増加したことにより、2024年12月31日と比較して、206百万ユーロ減少した。
銀行業務純利益において、純受取利息は、397百万ユーロ増加してマイナス1,116百万ユーロとなった。かかる変動は、主に残高の変動と金利の低下に起因するものである。したがって、欧州の銀行間基準金利(1年間のユーロ短期金利(ESTR))は、2024年12月31日現在の2.12%と比較して、2025年12月31日現在では1.93%(2025年9月30日現在では1.99%)となった。米国では、1年物米ドル担保付翌日物調達金利(SOFR)のベンチマーク金利も、2024年12月31日現在の4.18%と比較して、2025年12月31日現在には3.42%(2025年9月30日時点では3.63%)に低下した。
純受取利息の変動は、貿易業務のリファイナンスによる影響を受けており、その収益はトレーディング勘定の取引利益合計(4,817百万ユーロ)に計上され、173百万ユーロ減少していることに留意すべきである。
手数料収入(純額)は、153百万ユーロ増加して487百万ユーロとなった。これは特に、顧客取引の手数料収入(純額)の56百万ユーロの増加およびオフバランスシート手数料の83百万ユーロの増加が含まれている。
変動利付有価証券からの収益は、456百万ユーロ減少した。これは、ナティクシスの子会社により支払われた配当の減少が含まれており、そのうち、マイナス393百万ユーロがNatixis Investment Managersにより支払われた配当、マイナス77百万ユーロがNatixis Trustにより支払われた配当に起因するものであった。
投資ポートフォリオにおける収益は、関連引当金の変動に伴い、66百万ユーロ増加した。
その他銀行業務営業収益および費用は、23百万ユーロ増加した。
営業費用は、215百万ユーロ増加した。そのうち、
・ 人件費の129百万ユーロの減少。内訳は、フランスの事業の80百万ユーロ(変動報酬の影響)の減少および支店(特にニューヨークおよびポルトガル)の49百万ユーロの減少
・ 主に「外部要員」費による、フランスおよびロンドン支店の活動に関連するその他の管理費用の39百万ユーロの増加
・ 陳腐化した固定資産の加速償却による、主にパリの親会社における減価償却費用および償却費用の48百万ユーロの増加
**リスク費用(純額)**は、2024年の420百万ユーロからマイナス4百万ユーロに減少した。これは、以下の主要な項目で構成されている。
・ 不良債権および訴訟引当金に対するリスク費用は、2024年のマイナス348百万ユーロと比較して、マイナス214百万ユーロとなった。当年度の費用は、Natixis Parisが保有する貸付残高に対する引当金マイナス121百万ユーロと、各支店が計上したマイナス93百万ユーロに関連するものである。特にインフラおよび不動産プロジェクトに関連する。
・ セクター・リスクのリスク費用の収益は、2024年のマイナス82百万ユーロと比較して、プラス244百万ユーロとなった。
・ カントリーリスク引当金のリスク費用は、2024年のプラス12百万ユーロと比較して、マイナス33百万ユーロとなった。この割当は主に、地域別引当金とセクター別引当金の計算順序の入れ替えによるものである。
その結果、営業利益は、これらの項目によって210百万ユーロ増加し、プラス1,505百万ユーロとなった。
2025年12月31日現在、固定資産に係る損益は、2024年のマイナス597百万ユーロと比較して、プラス26百万ユーロとなった。これは主に、ナティクシスが保有する子会社の有価証券保有状況の変動で構成されている。2025年には、大きな変動は見られなかった。
税引後純利益は、2024年がプラス448百万ユーロであったのに対し、プラス1,293百万ユーロとなった(すなわち845百万ユーロ増の変動)。
2025年12月31日現在、貸借対照表は、2024年12月31日現在の467,432百万ユーロに対し、合計478,401百万ユーロとなった。
(b) 利益分配案
2025年12月31日現在のナティクシスの親会社の財務諸表において、純利益は1,292,512,112.96ユーロの黒字であり、利益剰余金の2,376,201,322.58ユーロを考慮すると、分配可能利益は3,668,713,435.54ユーロである。
2026年5月21日の株主総会では、決議に関し、以下を決定した。
・ 普通配当として792,405,899.00ユーロを支払う。
・ 法定準備金として100,877,787.74ユーロを割り当てる(うち、56,394,093.02ユーロは、過年度の剰余金から充当された2022事業年度、2023事業年度および2024事業年度の配分額である。)。
・ 残余分配可能金(すなわち2,775,429,748.80ユーロ)を剰余金として割り当てる。
(c) 節倹費用および控除不適用の費用
フランス一般租税法典第223条の4および第223条の5の規定に従い、過年度の財務諸表には、課税所得から控除不適用である節倹費用は含まれていないことに留意すべきである。
(d) 支払条件
フランス商法第D.441-4条に準じて、サプライヤーに対する債務残高のうち受理済だが決算日現在において未払いとなっているものの満期別分類(43.9百万ユーロの当行グループの内部債務を含む、総額79.5百万ユーロ(税込)である。)は以下のとおりである。
■ 決算日現在において受領済および未払いの債務
| 支払遅延のトランシェ | ||||||
| 0日 (目安) | 1日から30日 | 31日から60日 | 61日から90日 | 91日以上 | (1日以上の) 合計* | |
| 影響を受けた債務総額(税込)(単位:百万ユーロ) | 76.5 | 1.6 | 1.4 | 0.0 | 0.0 | 3.0 |
| 当事業年度の購入額合計 (税込)に対する割合 | 4.09% | 0.09% | 0.07% | 0.00% | 0.00% | 0.16% |
| 影響を受けた債務数 | 1,635 | 26 | ||||
* 主にGroupe BPCEの事業体またはナティクシスの子会社および支店により発行された債務
この情報には、銀行取引および関連業務は含まれていない。
Natixis S.A.の顧客に関連する負債および債権については、満期別資産および負債に関する、その残存満期の情報を記載する「第6 経理の状況-1 財務書類-(3) 個別財務諸表および注記-個別財務諸表注記」の注記37を参照のこと。
(ⅳ) 定義および代替業績指標
「事業分野の銀行業務純利益」および「コーポレートセンターのNBI」の定義
ナティクシスは、以下の2つの事業部門で構成されている。
・ 資産運用およびウェルス・マネジメント部門
・ コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング
「事業分野」の範囲は、上記2部門の集合体である。「事業分野」の範囲とは、資産運用およびウェルス・マネジメント部門ならびにコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門の業績をいい、「コーポレートセンター」は除外される。これらの事業部門のほかにコーポレートセンター業務が存在し、ここには主に本部のリファイナンス・メカニズムならびにナティクシスの資産負債管理に関連する収益および費用、Natixis Algérieの業績ならびに非継続事業からの残余純利益が含まれる。
経常外項目
特別項目は、額の大きい経常外項目または経営実績を反映しない項目とりわけ変革費用および再編費用である。次の表は、特別項目の詳細を示したものである。
| (単位:百万ユーロ) | 2025年 | 2024年 | |
|---|---|---|---|
| 外貨建てDSNに係る為替レートの変動(NBI) | コーポレートセンター | (159) | 91 |
| 変革費用 | 事業分野およびコーポレートセンター | (47) | (0) |
| 所得税に及ぼした影響 | 76 | (23) | |
| 純利益(グループ持分)に及ぼした影響合計 | (130) | 67 |
非継続事業からの純寄与額
この表示の使用により、ナティクシスの事業について、現在は売却または処分がなされている事業は除外した上で分析および提言を行うことが可能となる。2024年は、「非継続事業からの純寄与額」項目において、(ⅰ)Natixis S.A.傘下の決済事業(SEP)および(ⅱ)Natixis Moscowの残余寄与額を損益計算書の下部に分離表示している。2025年は、Natixis Moscowを2024年12月に売却したことおよびSEP Paymentの解散(2024年12月31日)に伴い、非継続事業からの純利益はゼロであった。
「基礎」/「修正再表示」/「報告値」の範囲
・ 「基礎」は特別項目(上記の定義を参照のこと。)および非継続事業を除外している。
・ 「修正再表示」は特別項目を含み、非継続事業を含めて表示される場合、これらは損益計算書の下部に分離表示される。
・ 「報告値」は特別項目および非継続事業を含む。
別表-連結決算は、これら3つの損益計算書の表示法の間の移行を示している。これらの異なる表示は、ナティクシスおよびその事業分野の実績の評価を、特別項目および非継続事業からの収益を分離して(該当する場合)業務の実績を測定することにより行うことを可能にする。
費用収益比率
費用収益比率とは、費用と収益との比率をいい、銀行部門の業務効率を測定するものである。
リスク費用
これは、連結損益計算書の「リスク費用」項目である。この指標は、リスクの水準を測定する。
その他の定義および規則
さらに、銀行業務の分離に係るフランスの法の要件を遵守するため、以前はグローバル・マーケッツの一部であった、短期金融市場および担保管理の業務は、2017年4月1日に財務部門に移された。もっとも、互換性を確保するため、経営報告書において、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングとは、短期金融市場および担保管理業務を含むコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングを指すものとする。
分析修正再表示には、プルーデンシャル控除に基づく事業分野別割当が含まれる。
さらに、部門の業績評価の基準は、バーゼル3の平均リスク加重資産の10.5%(CRR3)に基づく各事業分野への標準資本配分について定めている。
なお、ナティクシスの事業部門の利益は、バーゼル3の規制枠組に従って表示されている。様々な事業部門によって創出された利益を断定するために適用される規則は、以下のとおりである。
・ 割り当てられた標準自己資本の利益を各事業部門が受領していること
・ 各部門を構成する事業体の発行済株式資本利益率が除去されていること
・ Tier2劣後負債の費用が、それぞれの規制上の自己資本に比例して各部門に請求されていること
・ 各部門にナティクシスの費用の大部分についての金額の請求書が送られていること。請求書が送られない部分は、ナティクシスの費用合計の3%未満である。
超劣後債務(DSN)は株主の持分金融商品として分類され、すなわち、かかる商品に係る利息費用は、損益計算書において認識されていない。
以下に記載の組織変更は、業績管理の監督の一環として実施された。
・ AWMの範囲:事業体の資本所有の変更。VEGA IM:ウェルス・マネジメントによる100%保有から、WMおよびNIMによるそれぞれ49%および51%の共同保有への移行、ならびにDorvalの資産運用からウェルス・マネジメントへの移転
・ 子会社Moscowの売却:CIBとコーポレートセンター部門との比較を円滑化するため、過去の業績の「非継続事業」分野への移転
これらの組織変更は、事業分野への支援部門の費用配分に影響を与えた。
最後に、中間経営収支の表示に関して、表示された2024事業年度および2025事業年度において注目すべき変更点はない。
ナティクシスおよび各事業分野のROEおよびROTEは、以下のとおり計算される。
・ ナティクシスのROEを求めるために使用される利益の測定値は、純利益(グループ持分)からDSNの税引後利息費用を差し引いたものである。株主の株式資本は、IFRSが定義した平均グループ持分株主資本であり、配当金を支払い(平均ハイブリッド負債を除く。)、株主資本として認識される未実現または繰延の損益(OCI)を除いた後のものである。
・ 事業分野のROEの計算は、以下に基づく。
・ 分子に関しては、事業分野の税引前利益。前述の規則のとおり、これに対して標準税率が適用される。標準の税率は、ナティクシスの企業が事業を行う法域における納税義務の条件を考慮して、各部門について決定される。これは年に1回決定され、当年度における繰延税金に関連する潜在的な変更については考慮に入れていない。
・ 分母に関しては、部門に割り当てられたRWAの10.5%の基準で計算された標準自己資本と、部門および事業分野に直接帰属するプルーデンシャル控除に関連するのれんおよび無形資産を足した額
・ ナティクシスのROTEは、分子に関しては、純利益(グループ持分)から税引後の優先株に係るDSNの利息費用を除いた額を用いて計算される。株主の株式資本は、IFRSが定義する、平均株式資本(グループ持分)であり、配当金を支払い、平均ハイブリッド負債、平均無形資産および平均のれんを除き、株主資本として認識される未実現または繰延の損益を除いた後のものである。
「第6 経理の状況-1 財務書類-(1) 連結財務諸表および注記-連結財務諸表注記」の注記5.22も参照のこと。
5 【重要な契約等】
上記「第2 企業の概況-3 事業の内容」および「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-(3) 財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
6 【研究開発活動】
該当事項なし。
第4 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
「第6 経理の状況-1 財務書類-(1) 連結財務諸表および注記-連結財務諸表注記」の注記5.7および注記7.10を参照のこと。
2 【主要な設備の状況】
上記「1 設備投資等の概要」を参照のこと。
3 【設備の新設、除却等の計画】
該当事項なし。
第5 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
① 【株式の総数】
| 授 権 株 数(株) | 発行済株式総数(株) | 未発行株式数(株) |
|---|---|---|
| (注) | 3,962,029,495株 (2025年12月31日現在) | (注) |
(注) フランス法上、未発行の授権株式という概念はない。しかしながら株主から取締役会への委託により発行される株式という概念がある。当行の株主は、一定の額および期間において新株または持分証券を発行する権限を取締役会に与えることができる。
② 【発行済株式】
| 記名・無記名の別及び 額面・無額面の別 | 種 類 | 発行数(株) | 上場金融商品取引所名又は 登録認可金融商品取引業協会名 | 内 容 |
|---|---|---|---|---|
| 当行の株式は、株主の判断により、記名式または識別可能な無記名式のいずれかの形式とする。(1株の額面金額1.60ユーロ) | 普通株式 | 3,962,029,495株 (2025年12月31日現在) | 未上場 | 議決権に 制限のない株式 |
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
「第6 経理の状況-1 財務書類-(1) 連結財務諸表および注記-連結財務諸表注記」の注記5.16を参照のこと。
(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
過去3年間における株式資本の推移
下記の表は、過去3年間における当行の株式資本の推移を示している。
| 事業年度当初 における株式数 | 事業年度中 の新規株式数 | 事業年度末 における株式数 | 資本金 (単位:ユーロ) | |
|---|---|---|---|---|
| 2023年 | 3,684,053,471 | 0 | 3,684,053,471 | 5,894,485,553.60 |
| 2024年 | 3,684,053,471 | (47,068) | 3,684,006,403 | 5,894,410,244.80 |
| 2025年 | 3,684,006,403 | 278,023,092 | 3,962,029,495 | 6,339,247,192.00 |
下記の表は、各企業活動の株式プレミアムの金額の詳細である。
| 事業年度 | 日付 | 株式数 | 資本金 (単位:ユーロ) | 増資時の 株式プレミアム (単位:ユーロ) | |
| 2023年 | 1月1日 | 3,684,053,471 | 5,894,485,553.60 | ||
| 無償株式割当 | 0 | 0 | |||
| 増資における従業員向け株式の発行 | 0 | 0 | |||
| 12月31日 | 3,684,053,471 | 5,894,485,553.60 | |||
| 2024年 | 1月1日 | 3,684,053,471 | 5,894,485,553.60 | ||
| 無償株式割当 | 0 | 0 | |||
| 増資における従業員向け株式の発行 | 0 | 0 | |||
| 2024年11月6日付の減資に伴う自己株式の消却* | (47,068) | (75,308.80) | |||
| 12月31日 | 3,684,006,403 | 5,894,410,244.80 | |||
| 2025年 | 1月1日 | 3,684,006,403 | 5,894,410,244.80 | ||
| 無償株式割当 | 0 | 0 | |||
| 増資における株式の発行 | 278,023,092 | 444,836,947.20 | 405,913,714.32 | ||
| 12月31日 | 3,962,029,495 | 6,339,247,192.00 | |||
* 当該減資は、損失に起因するものではなく、資本の10万分の1に相当し、従業員および経営陣を対象とした無償株式配分制度の充当分として割り当てられた、ナティクシスの自己株式の残りを消却することを目的として、2024年5月22日付の共同株主総会で承認された。前述の無償株式配分制度に適用される権利確定期間が満了したため、ナティクシスの自己株式の保有はもはや重要ではない。
取締役会は、EU規則第1024/2013号第77条およびEU規則第575/2013号第27条の規定に基づき、ナティクシスの自己資金および適格な約定は、前述のEU規制第575/2013号で設定された要件を超過すべきであるとのECB理事会の承認を得た後、2024年11月6日にこの減資が確定的に完了したことは留意すべきである。
2025年には無償株式割当は実施されておらず、2023年4月14日以降、施行されている無償株式配分制度に基づき、現在権利確定中の株式は存在しない。
(4)【所有者別状況】
下記「(5)大株主の状況」を参照のこと。
(5)【大株主の状況】
2025年12月31日における資本金の配分
2025年12月31日現在、BPCEは実質的に全株式資本を保有しており、Groupe BPCE内の1つの事業体が証券担保ローンを通じて1株を保有しているが、これは株式資本の0.001%未満に相当する。
2 【配当政策】
前期繰越損失を控除した各事業年度の最終利益のうち少なくとも5%が法定準備金として留保されるものとする。かかる規定は、当該準備金が当行の資本金の10分の1に達した場合には適用されなくなる。しかし、当該準備金が資本金の10分の1を下回った場合は、再びこの留保が再開される。
利益残高は、利益剰余金とともに、法律により認められる範囲内で定時株主総会が自由に処分することができ、かつ、取締役会の提案により時期への繰越し、準備金への組み入れまたは一部もしくは全部の分配を行うことができる分配可能利益を構成する。
定時株主総会は、利益剰余金または株主総会が自由に処分できる準備金から留保した額を分配することの決定を行うこともできる。この場合、当該決定は、使用する準備金の勘定科目について明示しなければならない。
定時株主総会決議により、分配配当金の全額または一部について、現金による配当または株式による配当のいずれかを選択するオプションを株主に与えることができる。株式配当の場合は、関連する法令および規定に従って、当行の株式を分配することにより配当金の支払いが行われる。
取締役会は、法律により認められる範囲内で、現金配当または株式配当のいずれかによる中間配当を実施する決定を行うことができる。
総会(中間配当の場合は取締役会)は、配当金、中間配当金、準備金、プレミアムもしくは利益剰余金の分配の全部または一部を、金融証券を含む現物資産の引渡しにより行うことを決定することができる。いかなる場合においても、総会は、単元未満株式の権利が交渉または譲渡可能なものではないと決定することができる。特に、株主が権利を有する分配金の株式数が分配に使用される測定単位の整数とならない場合、株主はもともとの株式数を超えない範囲で測定単位に1番近い整数分の株式を受け取り、総会(もしくは中間配当の場合は取締役会)で定められた条件のもとで譲渡可能な現金による差額の支払いまたは測定単位未満の端数に対する権利のいずれかによって補完されることを決定できる。
年間配当金の支払いは、事業年度末日から9ヶ月以内の取締役会の定める時期に実施する。
2025年5月21日に開催されたナティクシスの定時株主総会において、1株当たり0.20ユーロの配当支払いが決議された。
3 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
(1) コーポレート・ガバナンスの管理および監督
(a) 取締役会
① 取締役会の構成および組織
2026年3月10日現在、ナティクシスの取締役会は15名の取締役を擁している。その構成は下記のとおりである。
・ BPCEからの2名(ニコラ・ナミア氏およびエレーヌ・マダール氏(注1)によって代表されるBPCE)
・ Banques Populairesからの4名(シルヴィ・ギャルスロン氏、ドミニク・ガルニエ氏、リオネル・ボー氏(注2)およびカリン・ピュジェ氏)
・ Caisses d'Epargneからの4名(ヴァレリー・アンドリュー氏(注3)、ドミニク・デュバン氏、クリストフ・ピノー氏およびローラン・ルーバン氏)
・ 独立取締役5名(アンヌ・ラルー氏、デルフィーヌ・メゾヌーブ氏、カトリーヌ・パリゼ氏、ローラン・セイヤー氏およびエドゥアール・マロ・アンリ氏)
(注1) カトリーヌ・ハルバーシュタット氏の後任として、2024年6月12日よりBPCEの常任代表者および取締役に任命された。
(注2) 2024年8月1日の取締役会により選任された。以前はフィリップ・ウルダン氏が務めていた。
(注3) 2026年3月10日の取締役会会議により選任された。以前はカトリーヌ・アミン・ガルド氏が務めていた。
フランス商法第L.225-27-1条に従い、ナティクシスの取締役会には従業員を代表する取締役または従業員兼株主を代表する取締役はいない。しかし、社会経済委員の代表者2名が取締役会の全会議に顧問として参加する。
フランス商法第L.225-19条に従い、70歳を超える取締役の数は在任の取締役の数の3分の1を超えてはならない。2026年3月10日現在、監査人を除き、70歳を超えているナティクシスの取締役はいない。
さらに、フランス私企業協会(AFEP)/フランス企業連盟(Medef)コーポレート・ガバナンス・コードの15.1条に基づき、ナティクシスの取締役会の任期は4年である。
独立取締役
取締役会の構成員の3分の1が、フランス私企業協会(AFEP)/フランス企業連盟(Medef)コーポレート・ガバナンス・コードに従って独立取締役である。2026年3月10日現在、ナティクシスの5名の独立取締役は、アンヌ・ラルー氏(Web School Factoryの最高経営責任者代理およびInnovation Factoryの会長)、デルフィーヌ・メゾヌーブ氏(Groupe VYVの最高経営責任者)、カトリーヌ・パリゼ氏(Stellantis Financial Services、Generali Vie、Generali IARDおよびGenerali Retraiteの取締役)、ローラン・セイヤー氏(Ellesse SASの会長)およびエドゥアール・マロ・アンリ氏(S3P(Strategic Personal Planning Process)の共同設立者)である。
例年どおり、指名委員会により提出された報告書に鑑みて、取締役会は、2025年5月5日および2026年3月10日のナティクシスの取締役会会議において、各独立取締役について、専門分野、思考および表現の判断および自由、具体的には、フランス私企業協会(AFEP)/フランス企業連盟(Medef)コーポレート・ガバナンス・コードに推奨されている独立基準および取締役会の内部規定の基準*(下記「② 取締役会の役割および権限」を参照のこと。)*に関して調査を行った。
取締役会は、ナティクシスまたは当行グループにおいて、当行の独立取締役が取締役を務める会社間の取引関係が重要であるか否かの評価に特に注意を払った。
ナティクシスは「リファレンス・バンカー」(すなわち、「当行のすべての要件にとり重要な銀行員」)のコンセプトを、取引関係の重要性の評価、ナティクシスへ依存している状況の特定、およびこれらの関係が取締役の判断の独立性に影響を及ぼしやすいかを判断する際に適用する。
かかる目的を達成するために、ナティクシスは広範にわたり、指数、基準およびパラメーターを分析し、これにはバンキング、取引およびコンサルティング関係の期間、程度および性質、負債総額に対するコミットメント額およびナティクシスの比重、ならびに当行の流動性要件が含まれる。
調査の結果、独立取締役が執行役員としての職務を行う、または専門業務を行う企業について、ナティクシスが「リファレンス・バンカー」に該当しないことが明らかになった。これらの企業に関して、ナティクシスは、取引関係を有していないか、または重要でない取引関係を有している。
さらに、現在まで、独立取締役は、すべての取締役会の構成員に適用される倫理規範に基づき、他の会社で務める非業務執行役員に関して利益相反する立場にない。かかるコンプライアンス憲章に基づき、独立取締役は、独立取締役が関与する利益相反を当行に通知し、前述のコンプライアンス憲章の取扱いに関連するプロセスを遵守することを約束している。
その結果、ナティクシスの取締役会は、独立基準の検討の結果、アンヌ・ラルー氏、デルフィーヌ・メゾヌーブ氏、カトリーヌ・パリゼ氏、ローラン・セイヤー氏およびエドゥアール・マロ・アンリ氏の独立性ならびにナティクシスの取締役会において独立取締役が占める割合、すなわち取締役会構成員の3分の1を確認した。
| 査定基準(a) | エドゥアール・ マロ・アンリ | アンヌ・ラルー | デルフィーヌ・ メゾヌーブ | カトリーヌ・ パリゼ | ローラン・ セイヤー |
|---|---|---|---|---|---|
| 過去5年間において、以下に該当していないまたは該当していなかった。 ・ ナティクシスの従業員または業務執行役員 ・ ナティクシスの連結会社の従業員、業務執行役員または取締役 ・ BPCEまたはBPCEの連結会社の従業員、業務執行役員または取締役 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ナティクシスが直接的もしくは間接的に取締役であるか、またはナティクシスの従業員もしくは業務執行役員が現在または過去5年間に取締役である会社の業務執行役員を務めていないこと | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ナティクシスもしくは当行グループの重要な顧客、仕入先、コーポレート銀行、投資銀行またはアドバイザーではないこと(またはこれらの者に直接的もしくは間接的に関係していないこと)、およびナティクシスもしくは当行グループとの取引が事業の大部分を占めていないこと | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 執行役の近親者ではないこと | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 過去5年間にナティクシスの監査人を務めていないこと | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 12年(独立取締役の地位は、12年間取締役を務めた後に消失する。)を超えてナティクシスの取締役を務めていないこと | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ナティクシスまたはBPCEの主要株主を代表する取締役ではないこと | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ナティクシスまたは当行グループから現金または株式の形で変動報酬または業績連動報酬を受けていないこと | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
(a) 下記「② 取締役会の役割および権限-B 取締役会構成員の*倫理規範」を参照のこと。*
② 取締役会の役割および権限
A 法定要件および取締役会の内部規定
取締役会の職務は法律およびナティクシスの定款により定められている。
2025年6月13日付の現行版の内部規定は、取締役会の運営に適用される規則を規定し、その取締役の権利および職務を定めることで、法定要件を整える。ナティクシス取締役会の内部規定は、ウェブサイト*https://natixis.groupebpce.com.***上ですべて閲覧可能である。
取締役会は、特別委員会の補佐を受け、以下の事項に関わっている。
・ 戦略的方向性
取締役会は、当行の業務に関連した社会問題および環境問題を考慮した上で、企業の利益に基づき、当行の業務の方向性を決定し、それらの実行を取り計らう。当行の目的の範囲内および法律または定款により株主総会に付与される権限の範囲内で、取締役会は、当行の業績に影響を与える事象を問題として取り上げ、その討議に基づいて当行を統制する。取締役会は、適当であると判断した場合、監査および検証を行う。
特に以下の多くの取引は、取締役会による事前承認の対象である。
・ ナティクシスが現在行っていない重要な事業分野へのナティクシスの活動の拡大
・ ナティクシスの構造が変更される場合で、金額が100百万ユーロを超える株式の取得もしくは買増し、投資、投資の撤収またはナティクシスもしくはその主要な子会社によるジョイントベンチャーの設立
・ ナティクシスが関与する出資事業、会社の合併または分割
・ 財務諸表
・ 取締役会が経営報告書を承認する。
・ 取締役会が翌年の予算案の検討を行う。
・ 取締役会が当行の親会社財務諸表および連結財務諸表を検討および承認し、その正確性および公正性を確保する。
・ 取締役会が、ナティクシスが公表する過程ならびに公表および開示しようとする情報の品質および信頼性の検証を行う。
・ 内部統制/リスク管理/コンプライアンス
・ 取締役会は、特に職務の分離および利益相反の防止の観点から、当行の業務執行取締役が監督枠組を適切に実施していることを検証し、当行が効果的かつ健全に管理されていることを確保する。
・ 取締役会は、フランス通貨金融法典第L.511-55条に規定されるとおり、ガバナンス枠組を検討し、定期的にその有効性を評価し、不備を改善する是正措置が講じられることを確保する。
・ 取締役会は、ナティクシスがさらされているかまたはさらされ得るリスク(経済環境により生じるリスク、社会的リスクおよび環境リスクを含む。)を引き受け、これを管理、監視および軽減させることを統制する方針および戦略を承認し、定期的に検討する。
・ 取締役会は、当行の最高リスク管理責任者、最高コンプライアンス責任者および内部監査部門長の辞任/選任について報告を受ける。
・ 取締役会は、当行の監査計画を承認し、内部監査部門、当行グループの一般的調査部門および監督機関から提出された勧告について、少なくとも年2回のフォローアップを行う。また、リスク委員会から定期的に提出される報告書を通じて、内部監査活動に関する情報を把握している。
・ ガバナンス
・ 法律および定款に基づき、取締役会会長は、取締役会を招集し議長を務め、その活動の計画および管理を行う。取締役会会長は、株主総会の議長も務める。取締役会会長または最高経営責任者は、各取締役が職務を遂行するのに必要なすべての書類および情報を提供することが求められる。注意点として、信用金融機関の取締役会は、最高経営責任者が議長を務めることはできない。
・ 当行の定款第14条に定義される条件に基づき、取締役会は、取締役の中から、またはその他から最高経営責任者の選任を行うことができる。また、最高経営責任者は、随時解任することができる。最高経営責任者は、代理する権限の有無にかかわらず、その権限を自ら選んだ執行役員に委任することができる。
・ 取締役会は、業務執行取締役(フランス通貨金融法典第L.511-13条に定める意味を有する。)を任命する。
・ 取締役会は、株主総会を招集し、議案の設定および採択された決議の実行について決定する。
・ 取締役会会長の提案に基づき、取締役会または取締役会会長により検討を提案された問題について議論するため、自身の委員会を設置することができる。取締役会は、かかる委員会の構成および権限を決定し、委員会は自身の責任の下で活動を行う。
・ ナティクシスの企業目的を踏まえ、フランス商法第L.821-67条およびフランス通貨金融法典第L.511-89条の規定に従って、取締役会は、監査委員会、リスク委員会、報酬委員会および指名委員会を設置する必要がある。
・ 取締役会の業績の評価に関して、内部規定は、少なくとも年1回、取締役会およびその特別委員会の運営評価を議案とすることを規定しており、かかる報告はナティクシスの年次報告書に記載される*(2025年の報告については、「④ 2025事業年度における取締役会の業績の評価」を参照のこと。)*。
・ 取締役会は、コーポレート・ガバナンスの報告書を承認する。
・ 取締役会議事録は、有効な法令の規定に従って作成される。
・ 補償方針
・ 取締役会は、当行の報酬方針の一般原則を採択かつ検討し、その実行を監視する。
・ 取締役会は、取締役会会長、最高経営責任者および最高経営責任者代理の報酬の水準および条件を、報酬委員会と協議の上で決定する。
・ 取締役会は、ナティクシスの報酬方針が現行の規則(特に当行の規制対象スタッフに関する規則)をどの程度遵守しているかについて意見を表明する。
・ 取締役会は、株主総会により取締役に割り当てられた報酬の分配に関する規則を設定する。
B 取締役会構成員の倫理規範
取締役会は、そのグッド・ガバナンスへのコミットメントを再確認するため、その構成員のためにすべての構成員が拘束される権利および義務を定めた倫理規範を採択した(社内規定に添付)。社内規定は、2025年6月13日の取締役会会議により更新された。
当規範の目的は、コーポレート・ガバナンス原則の適用およびナティクシスの取締役の最善な実務を推進することである。
就任を承諾する前に、ナティクシスの取締役会のすべての構成員は、法規制、定款、社内規定、当規範およびその他の拘束力のある条文等により自身に課せられる一般的または具体的な義務について熟知していることを保証しなければならない。
ナティクシスの取締役会の構成員は、下記に記載する当規範に含まれるガイドラインを遵守することに同意している。
第1条:出席
すべての取締役は、職務の遂行に十分な時間を割き注意を向けなければならず、取締役会、構成員を務める委員会および株主総会に定期的に出席しなければならない。したがって、取締役は、取締役としての回数および責務の水準に関連して、執行役をも務める場合は特に、要請される際に出席できることを保証しなければならない。
第2条:管理および企業利益
各取締役は、すべての株主を代表し、常時ナティクシスの企業利益のために努力するものとする。取締役は、ナティクシスの価値を保護し向上させる役割を担うものとする。
第3条:プロフェッショナリズムおよび効率性
取締役は、取締役会および特別委員会の同僚意識および業務の効率性に貢献する。取締役は、特に取締役会の定期的査定の間、取締役会運営の改善に役立つと考えられる助言を行う。
取締役会のその他の構成員とともに、取締役は、指導および管理義務が効力ある法規制に従って行われるよう注意する。
取締役は、取締役会が採る方針が、公式に決定され、妥当な根拠を有し、取締役会議事録に記載されることを保証する。
第4条:プライバシー
取締役会および委員会の構成員ならびに取締役会および委員会に出席するすべての個人は、審議において一般的な守秘義務を負う。
第5条:インサイダー取引の防止-内部情報
a) 発行者の内部情報を保有する場合の一般的な自制義務
市場濫用に関する欧州規則によると、内部情報とは、「未公表で、1もしくは複数の発行者または1もしくは複数の金融商品に直接的または間接的に関連し、公表された場合、当該金融商品または関連するデリバティブ金融商品の価格に著しい影響を及ぼすとみられる性質を明確に持つすべての情報」を指す。
取締役会が内部情報を得た場合、取締役、監査人および取締役会または委員会に出席する個人は、以下のことを行わないものとする。
・ インサイダー取引(「インサイダー取引」とは、(ⅰ)内部情報を所有する者が、自己もしくは第三者のために、かかる内部情報に関連する金融商品を直接的または間接的に売買するために内部情報を使用すること、また、(ⅱ)内部情報に基づく推奨および勧誘であると認識しているまたは認識すべきである場合に、当該推奨および勧誘を使用することを指す。)を実行することまたは実行しようと試みること
・ 他者にインサイダー取引の実行の推奨および勧誘を行うこと
・ 内部情報を非合法的に開示すること
これらの要件は、取締役が取締役会における業務の過程で内部情報を入手し得るすべての上場企業について、それが顧客、取引相手または第三者であるかにかかわらず、適用される。これらは、ナティクシスまたはその子会社により発行された上場債務証券(債券、EMTN)、BPCEまたはナティクシスが出資するまたは出資する可能性がある企業により発行された上場債務証券にも適用される。
欧州連合以外の規則に基づき、その他の制限が適用される場合がある。
b) ナティクシスまたはその子会社により発行された証券に関する具体的な制限
ナティクシスは、ナティクシスまたはその子会社により発行された上場債務証券の執行役による個人的な取引に関して制限方針を適用し、ナティクシスのコンプライアンス部門に承認されない限り、取締役および監査人がその任期中にかかる証券の取引を行わないよう求めている。
これに関連して、ナティクシスは、ナティクシスの「パーマネント・インサイダー」のリストに取締役および監査人を記載している。パーマネント・インサイダーとは、発行体が所有する内部情報に、発行体におけるその職務または地位の性質により継続的にアクセスすることが可能な個人または法人を指す。
また、取締役会の構成員は、それが近い関係を有する人物、特に以下の者が実行するナティクシスの株式の取引に起因するリスクについて知らされる。
・ 配偶者または国内法令に従って配偶者と同等であるとみなされるパートナー
・ 国内法令において扶養児童とされる者
・ 該当する取引の実行日において、少なくとも1年間同居していた親類
・ 法人、トラストまたはパートナーシップ
・ その経営責任が経営責任を果たす者またはその者に近い関係を有する者により果たされている。
・ かかる者によって直接的または間接的に管理されている。
・ かかる者の利益のために設立されている。
・ その経済的利益が、かかる者の経済的利益と実質的に同等である。
したがって、ナティクシスはこれらの「近しい関係者」がこのような取引を行わないよう推奨している。
このような行為がなされた場合は、行政上および刑事上処罰される。
c) 報告義務
ナティクシスは、フランス国内外のすべての当局(株式市場の規制当局等)に対する報告義務を履行するために必要な情報(上場会社株式の取引に関するもの)を提供するよう、各取締役および監査人に要求することができる。
第6条:独立性および利益相反
倫理および職業行為に関する期待が中心的な役割を果たす状況において、潜在的および/または証明された利益相反の検知、管理および防止は、良きガバナンスの一部である。
したがって、各取締役は、ナティクシスの取締役会構成員および業務執行取締役の利益相反の防止および管理における方針の規定を遵守しなければならない。
この方針は、役割および責任ならびにナティクシスの取締役会構成員に関わり得る利益相反を特定、防止および管理するための措置を定めることを目的とする。
なお、利益相反が生じた場合には、取締役または監査人は、必要に応じて、かかる利益相反に関連する事項を扱う取締役会または特別委員会の審議への参加を差し控えるものとする。また、当該取締役または監査人は、取締役会の審議または投票に参加せず、かかる利益相反の対象となる事項に関連する会議の議事録の部分は、当該取締役または監査役に提出されないものとする。
取締役会会長が過去にナティクシスで執行役(業務執行取締役および最高経営責任者)を務めた場合、取締役会の議長を務める際に利益相反の状況に陥る可能性がある。上記のいずれかの状況に陥ることを回避できない場合、取締役会会長はコンプライアンス、法務、セキュリティ、ガバナンスおよび規制関連業務を担当する相談役に報告する。その場合、取締役会会長は討論の議長を務めることができず、取締役会の独立取締役、および必要に応じて、当該議題項目を検討した特別委員会の議長が後任を務める。
第7条:情報/研修
すべての取締役は、取締役会および特別委員会の議案に関して役立つ活動を行うために必要な情報を知り、それを適切な期間内に取締役会会長および/または所属する特別委員会の会長に対し要求しなければならない。
ナティクシスの業務執行取締役、取締役会構成員および主要な役職の保有者(第6項)の適合性を評価する方針に従い、すべての取締役は、必要な場合、当行が提供する研修モジュールに参加し、個別研修パスポートに従って研修を受けなければならない。
第8条:規範の適用
ナティクシスの取締役会の構成員が、自己都合またはナティクシスの社内規定に関連するその他の理由で、当規範を遵守して業務を行うことができる立場ではなくなった場合、当該取締役は取締役会会長に通知し、状況を修正するための方法を検討しなければならない。かかる方法が見つからない場合、業務の遂行に関して、個人的に影響を受けるものとする。
ナティクシスの最高コンプライアンス責任者は、倫理規範についての取締役会の各構成員からの質問に回答するものとする。
C 取締役のインテグリティおよび利益相反
有罪判決の不存在に関する開示
ナティクシスが知る限りでは、取締役会の構成員または上級経営陣はいずれも、少なくとも過去5年間に直接または間接的に不正行為で有罪判決を受けておらず、破産もしくは清算手続または管財人の管理下に入らず、当局による有罪判決および/または処罰を受けておらず、発行者の経営管理または監督機構の構成員として、または発行者の事業管理もしくは運営に参加する上で不適格とされていない。
利益相反
ナティクシスの取締役会の構成員は、BPCE(ナティクシスの主要株主)および従業員またはGroupe BPCE内、特にCaisses d'EpargneおよびBanques Populairesでその他の仕事を持つ個人を含む。ナティクシスおよびその子会社は、BPCEおよびGroupe BPCEの企業との取引関係を維持している。
さらに、ナティクシスの取締役会の構成員は、ナティクシスまたはその子会社と取引銀行関係または取引関係を維持することができる第三者グループに所属する独立取締役を含む。
ナティクシスが知る限りでは、これらの状況は、取締役の判断、決定および行為の独立性に影響を与えない。必要に応じて、取締役会の内部規定および取締役会構成員向けの倫理規範において利益相反の管理枠組を定め、かかる構成員に対して取締役会会長(またはコンプライアンス、法務、セキュリティ、ガバナンスおよび規制関連業務を担当するナティクシスの相談役)にあらゆる利益相反を通知し、かかる利益相反に関する案件を扱う取締役会または特別委員会の該当部分への参加を控え、または対応する決議を棄権することを求めている。
さらに、2026年2月26日の会議において、指名委員会は、潜在的な利益相反に関して取締役が行った宣言を検討した。宣言された各状況を分析した結果、検討日において、ナティクシスの利益のために要求される客観性、精神的独立性および公平性をもって職務を遂行する取締役の能力を損なう可能性のある利益相反状況は、発見されなかった。かかる検討により、検討日において、独立取締役は他の会社における非常勤の役職に関して利益相反の状態にないことも明らかになった。
ナティクシスが知る限りでは、その条件に基づき便宜を図ることができ、または契約の性質上、当事者の独立性を損なうかまたは決断を妨げることのあり得る、取締役会構成員または上級経営陣をナティクシスに拘束する役務契約を締結しない。
雇用契約および/または業務委託契約
いかなる取締役も当行との雇用契約および/または業務委託契約に拘束されないことが規定されている。
D 「関連当事者」契約
社内憲章
2013年2月17日のナティクシスの取締役会において、フランス金融市場庁勧告No.2012-05に従い、ナティクシスの取締役会は関連当事者契約に関する社内憲章を採択した。これは、2014年7月31日の指令No.2014-863による修正を盛り込むために2014年12月17日に、「Loi Pacte」として知られる企業の成長および改革に関する2019年5月22日の法律第2019-486号の規定を考慮して2021年2月11日に、ならびに2021年12月13日に、それぞれ改訂された。
かかる憲章は、フランス商法第L.225-38条の規定に従って「関連当事者契約」を設定する基準を定義する。
特に、法定監査人の特別報告書を踏まえ、取締役会の通知から株主総会による承認までの手続を定める。
2025事業年度において認可された関連当事者契約
2025事業年度中において、取締役は、フランス商法第L.225-38条に定める範囲内の関連当事者契約を承認しなかった。
2025事業年度において承認された関連当事者契約
2025事業年度中において、フランス商法第L.225-38条の範囲内の該当する関連当事者契約のうち、ナティクシスの株主総会の承認を必要とするものはなかった。
過年度の事業年度中に締結および認可され、2025事業年度中にその実施が継続された関連当事者契約の年次レビューを経て、取締役会は、2026年2月2日の会議において、「ナティクシス、BPCEおよびNatixis Immo Exploitation間の不動産マスタープランに関する償還契約」の区分解除を承認した。この契約は2023年12月31日をもって失効し、2024年に最終請求書が発行され、2025年における財政的な影響はなかった。
また、同会議において取締役会は、フランス商法第L.225-39条に基づき、2025年7月16日以降BPCEがナティクシスの全株式を保有していること(ただし、株式会社において少なくとも2名の株主を要するという要件を満たすための証券担保ローンを除く。)を理由として、以下の契約の区分解除を承認した。
・ BPCE(連結グループの親会社)とナティクシス(連結グループの子会社)との間の税務連結契約。この契約により、2025年には201,222,866.52ユーロの財政的な影響が生じた。
・ Natixis Investment Managers、Ostrum Asset Management、Topco、La Banque Postale Asset Management間のパートナーシップ契約(ナティクシス、BPCEおよびLa Banque Postaleの立会いのもと。)。この契約は2025年に財政的な影響をもたらさなかった。
・ BPCEが米国で実施した「3a2」債券発行プログラムおよび2013年4月9日にナティクシスのニューヨーク支店がBPCEの債券保有者に対して付与した保証に関連する契約の変更。本契約に関連してナティクシスのニューヨーク支店が計上した収益は、2025年12月31日に終了した事業年度において33,791.88ユーロであった。
関連当事者契約の情報は、2026年5月21日の株主総会で示される法定監査人の特別報告書に含まれる。
③ 2025年における取締役会の業績
取締役会は、2025年に合計9回開催された。その構成員の出席率は、95%であった。
取締役会会議および委員会会議への各取締役の個別の出席率は、本章の「⑧ 取締役会および特別委員会の出席状況表」に記載されている。
議案に係るすべての書類は、取締役会開催前の合理的な期間内に、安全な電子プラットフォームを通じて各取締役宛に送付または手渡される。これらの書類は、例外的に会議において配布される場合がある。
最高経営責任者は、自身の報酬が議論された一部の会議を除き、9回取締役会に出席したため、取締役会の構成員は、重要な問題に関する最高経営責任者の意見を聞き、関連すると考えられる質問ができた。
取締役会において討議された議題の詳細を提供するため、上級経営委員会の構成員も招集された。最後に、社会経済委員会の代表者も各取締役会に招集された。
2025年に取締役会が取り組んだ主な議題は、具体的には以下のとおりであった。
| 財政状態/非財政状態およびナティクシスの活動の監視 | ・ 2024年12月31日現在の(個別および連結の)年次財務諸表の検討および承認 ・ 2025年3月31日現在、2025年6月30日現在および2025年9月30日現在の連結財務諸表の検討 ・ 純利益配分案および配当金支払い案の承認 ・ 2024年サステナビリティ報告書の承認 ・ 2026年の予算の提示および検討 |
|---|---|
| リスク管理 | ・ リスク選好枠組(RAF)の年次更新、リスク選好報告書、リスクの特定および重要性、戦略的RAF指標およびその制限(2014年11月3日付フランス省令の範囲内のものを含む。)ならびにコンプライアンス・リスクに対する選好宣言の承認 ・ 特に流動性ポジションおよびリスク軽減要因に係る代替シナリオを考慮した、緊急時計画の承認 ・ DORAデジタル運営の回復力システムの承認 ・ CIBの新しい内部監査部長の任命の承認 ・ 更新されたUSRC憲章の承認 ・ 株式市場「Medium」および「Medium+」商品における名目上の制限の撤廃に関する確認 ・ 流動性ポジションおよびALM枠組更新の確認 ・ 2024年のコンプライアンス・チェックの活動および結果の確認 ・ BPCE Equipements Solutions USのCUSOシステムへの統合の確認 ・ RAF制限の監視 ・ リスク委員会および米国リスク委員会の作業に対するフィードバック |
| コンプライアンスおよび内部統制 | ・ 年次AML-CTFおよび資産凍結報告書 ・ コンプライアンス・リスクのマッピング、コンプライアンス・リスク管理枠組の状況ならびにコンプライアンス監視活動および結果の確認 ・ コンプライアンス統制活動および結果の発表 |
| 監査 | ・ 2026年Natixis CIB監査計画の草稿の承認 ・ 2026年Natixis AWM監査計画の草稿の承認 ・ 2024年12月31日現在および2025年6月30日現在の勧告のフォローアップ(内部監査、当行グループの一般的調査および監督) ・ 監査委員会の作業の返還 |
| コーポレート・ ガバナンス | ・ 取締役会および特別委員会の業績評価に関する行動計画の承認 ・ コーポレート・ガバナンス報告書および当行の資本金を増加させるための権限の使用に関する取締役会の報告書を含む取締役会の経営報告書の承認 ・ 特別委員会の新たな構成の承認 ・ 取締役会の社内規定の承認 ・ 取締役会構成員の適正状況のレビュー ・ 利益相反(潜在的または証明されたもの)のレビュー ・ 独立した構成員としての取締役の資格のレビュー ・ 取締役会において遂行される職務に必要な要件の分析 ・ 過年度に締結および許可され現在も有効である関連当事者契約の年次レビュー ・ 2025事業年度における業務執行取締役の個人および集団評価に関する年次レビュー ・ 将来の取締役候補者の探索において有利となる補完的なプロファイルの確認 ・ 取締役の辞任の確認 ・ 取締役向けの2025年研修オファーの確認 ・ 2025年3月5日の株主総会の招集-決議案および決議に関する報告書の承認 ・ 2025年5月22日の株主総会の招集-決議案および決議に関する報告書の承認 ・ 無議決権株所有者の株主総会への招集-決議文の承認 ・ 2025年3月5日の臨時株主総会で承認された増資の計上 ・ ナティクシスの定款の更新案の発表 ・ 2025年5月21日の株主総会における、取締役の任期の更新を条件とする、取締役の再任/選任/交代 ・ 上級経営委員会の新たな構成の発表 ・ 2025年に外部機関による取締役会の業務評価を開始 ・ 2024事業年度における取締役会および特別委員会の個別構成および全体構成の妥当性の評価 ・ 取締役会におけるダイバーシティ目的および目標の設定 ・ 取締役会の構成に関する規定の確認 ・ 2026年会議日程 ・ 指名委員会の業務に対するフィードバック |
| 報酬 | ・ 2024事業年度の最高経営責任者の報酬および2025事業年度の報酬原則 ・ リスクおよびコンプライアンスに関する2025年の具体的な目標の承認 ・ 2024年の変動報酬の承認 ・ CRD5に基づく、統制機能部長およびリスク・テーカー層に対する2024年の報酬の承認 ・ 2025年の取締役会構成員の報酬方針の承認 ・ 報酬方針および報酬慣行に関する2024事業年度の年次報告書のレビューおよび承認 ・ 2025年繰延変動報酬方針における変更の承認 ・ 現段階での予測結果に基づく、2025年のすべての変動報酬枠組の承認 ・ 2025年の重要なリスク・テーカー(MRT)の特定の確認 ・ ナティクシスの従業員貯蓄計画および2025年におけるその変遷の確認 ・ 2025年の職場における同一賃金および男女間の平等性に関するナティクシスの方針の確認 ・ 報酬委員会の業務に対するフィードバック |
| 金融取引および/または戦略 | ・ パンダ債の発行の承認 ・ Natixis Investment Managers/Generaliのパートナーシップ計画の発表および監視 ・ マーシャル・プロジェクトの承認に関するレビュー ・ 社債の発行認可の更改 ・ トランプ政権の発足とナティクシスの事業分野への影響に関する発表 ・ マクロ経済環境ならびに市場およびナティクシスの事業分野への影響に関する更新 ・ スケールアップ戦略計画の更新 ・ CIBの人事戦略の更新 ・ CIBのITおよびAIプロジェクトに関する更新 |
| ESR | ・ 現代奴隷法に関連する宣言の承認 ・ ESR委員会の改正された社内規定の承認 ・ ESR委員会の業務の報告 |
| その他 | ・ 上海支店からの利益の送金 ・ Manon Naticalyのすべての資産および負債の移転 ・ Natixis Loan Fundingのすべての資産および負債のナティクシスへの移転の承認 ・ 日本での資格の取得 ・ M&A開発の更新 ・ 債券およびワラント発行枠の利用状況に関する半期の更新 ・ IB/RA事業分野の発表 ・ レピュテーションの影響が大きい訴訟に関する更新 |
④ 2025事業年度における取締役会の業績の評価
上場企業の適格なガバナンスに関してフランス私企業協会(AFEP)/フランス企業連盟(Medef)コーポレート・ガバナンス・コードに規定される勧告に基づき、ナティクシスは、過年度と同様に、取締役会および特別委員会の業績の評価を行った。
取締役会は、3年ごとに取締役会の業務および特別委員会の業務の形式的評価を行うために、独立した外部企業のサービスを利用している(2010年、2013年、2016年、2019年、2022年)。その他の年については、取締役会によって内部評価が行われた。
2025事業年度には、2024年に行われた内部評価から以下の勧告が実施された。
・ 新たな独立取締役を任命(ニコラス・ドゥ・タヴェルノ氏に代わりエドゥアール・マロ・アンリ氏)し、銀行業務および国際的なプロファイルを求めることで、取締役会の集合的専門性を引続き強化すること。エドゥアール・マロ・アンリ氏は大手銀行グループで30年超の経験があり、そのうち3分の1はコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの実務、とりわけ国際的な実務に従事し、残る3分の2はコーポレートおよび統制に関わる役割を担っていた。
・ 遠隔学習の推進、特にe-ラーニング提供の拡充(新しいDORA(デジタル・オペレーショナル・レジリエンス法)e-ラーニング・コース)
・ トレーニング&ラーニングハブのプラットフォームの立ち上げを通じた研修記録の体系化およびそれらを6ヶ月間閲覧可能にすること
・ 支援のために重要な戦略プロジェクトについての発表をすることで、事業分野、デジタル/データ/IT、および企業の状況に関する項目を取締役会の議題により多く取り込むこと。これは取締役会および戦略委員会への発表という形で実施され、特に、以下のテーマ(マクロ経済の状況とそれが市場、ITならびにCIBの人工知能プロジェクトに及ぼす影響、インベストメント・バンキング/実物資産事業の紹介、データおよび人工知能への注力、人材および従業員エンゲージメントへの注力、「大中華圏」に関する発表、NIMとGeneraliの合併プロジェクトおよびスケールアップ戦略計画の進捗報告)に焦点を当てていた。
・ スケールアップ戦略計画の進捗報告の発表で引続き戦略計画の指標の監視を行い、2025年上半期の戦略監視指標を定め、2025年9月17日の戦略委員会の会議の一環としてCIBおよびNIMに焦点を当てたスケールアップ戦略計画の監視を行うこと
2025事業年度において、ナティクシスはフランス私企業協会(AFEP)/フランス企業連盟(Medef)コーポレート・ガバナンス・コードの規定に従い、取締役会およびその特別委員会の組織および運営を検討し、全体的なパフォーマンスを測定するための外部評価を実施した。
2025事業年度の取締役会の業務評価では、次のトピックに焦点が置かれた。
・ 取締役会および特別委員会の全般的な実績
・ 取締役会および特別委員会の構成、組織および機能
・ 取締役会、取締役会会長、最高経営責任者間の関係および対話
・ 結果
・ 戦略
・ リスク、規制遵守および内部統制
・ 提供された研修
各取締役および取締役会会長は、個人面談においてアンケートに回答した。また、CSEの代表者も個人面談に参加した。
さらに、フランス私企業協会(AFEP)/フランス企業連盟(Medef)コーポレート・ガバナンス・コードに推奨されているように、各取締役の取締役会の業務への実際の貢献の評価を行う一環として、各取締役は、取締役の個人の能力を評価するよう求められた。
かかる面談の結果は、評価報告書にまとめられ、指名委員会で提示された後、2026年3月10日の取締役会で提示された。
かかる評価では、以下の評価および結果が得られた。
・ 取締役会の全体的なパフォーマンスに対する取締役の評価は、引続き肯定的である。特に、外部機関の報告書は、取締役会が職務を効果的に遂行しており、Groupe BPCEのガバナンスに適切に組み込まれていると指摘した。それにもかかわらず、取締役は事業分野に関するさらなる対話を求めており、IT/データ/AIの課題のみならず、人事および人材関連のトピックに対しても強い期待を寄せている。
・ 取締役がコミットしており、幅広い能力を備え、経営陣から受け取る情報は透明性が高く、恩恵を受けていることは留意すべきである。
・ さらに外部報告書は、取締役会会長による取締役会の卓越したリーダーシップおよび特別委員会の効果的な機能を強調するとともに、現在は主に委員会で扱われている特定の課題を取締役会に戻して扱うことを望む意向も示している。
・ 最後に、報告書は取締役の統合および研修において大きな進展があったことを示している。事務局はその支援の質で高く評価されている。しかしながら、資料はより簡潔かつ意思決定に直結する形式にする余地があると指摘されている。
⑤ 取締役の研修
2025年、ナティクシスは、取締役に対する研修プログラムを下記のとおり更新し、強化した。ナティクシスの取締役会の構成員もまた、BPCEの監査役会の構成員に対して設定された研修プログラムを利用できることは留意すべきである。
かかるプログラムは継続教育の原則に基づいており、基礎、専門知識および時事問題に関する研修モジュールならびにe-ラーニングがある。
また、各新取締役は、就任後6ヶ月以内に、そのスキル・プロファイルに合わせた導入研修を受ける。
2024年と同様に2025年にも、必修および推奨研修コースの提案、ならびに出席率の個別モニタリングを含む「個別研修パスポート」が各取締役に付与された。
さらに、2025年にナティクシスのガバナンス部門は新しいプラットフォームである「トレーニング&ラーニングハブ」を設置し、各取締役がすべての記録済研修コースを利用できるようにした。この整備の結果、取締役は参加型セッション、オンデマンドセッション、e-ラーニングモジュールといった多様な形式の研修リソースを利用できる。こうしたマルチチャネル方式により、学習を各個人のニーズおよび都合に合わせて調整することが可能となる。
講師については、問われるテーマに応じて社内講師および/または外部講師が研修コースを担当する。
2025事業年度におけるナティクシスの取締役向けの研修プログラムは、15の研修コース(e-ラーニングを除く。)で構成され、19回のセッションにわたって実施された。これらの研修セッションはBPCEの監査役会の構成員および社会経済委員会の代表者にも公開された。さらに、主要なナティクシス子会社(Coficiné、Natixis Interépargne等)の取締役も、ナティクシスが主催する研修セッションに出席するよう招待された。
2025年にナティクシスが提供した研修は、以下のトピックを取り上げた。
・ 2025年:マクロ経済の分岐の年か?
・ 資本計画
・ 資本および金融市場活動(基礎および専門知識に焦点を当てた教育モジュールならびに綿密な研究)
・ 資産運用分野におけるESG課題に対する成熟したアプローチ
・ 生物多様性
・ アジア太平洋プラットフォームおよびその活動の紹介
・ 米国プラットフォームおよびその活動の紹介
・ 実務でのAIの活用
・ メガトレンド
・ 資産運用分野における規制課題への対応
・ サイバー・セキュリティ:情報の露出を制御し、企業イメージを管理する。
・ ESR:CIBの顧客の移行計画の分析
・ 取締役の責任
・ 金融セキュリティ枠組の重視
⑥ 監査人
| 氏名 | 年齢 (2025年12月31日現在) | 国籍 | 初就任日 | 任期満了日 |
| 監査人 | ||||
| アンリ・プログリオ | 76 | フランス | 2019年4月4日 | 2027年株主総会 |
2019年4月4日現在、ナティクシスの取締役会には、監査人であるアンリ・プログリオ氏も含まれている。同氏は、12年間の任期終了日であった2018年11月17日までの間は、ナティクシスの監査役会の独立した構成員および独立取締役を務めた。
2006年にさかのぼる同氏のナティクシスに関する知識、財務に関する事項における同士の認められた専門知識、同氏の大企業の経営および戦略的課題への取り組みにおける経験は、取締役会にとって効果的である。同氏は、顧問としての立場で取締役会会議に出席し、報酬委員会および戦略委員会の業務に貢献している。
(b) 特別委員会:取締役会の派生
ナティクシスの取締役会は、その審査過程の補佐、その審議の一部の準備およびフランス通貨金融法典の遵守のために、7つの特別委員会、すなわち、監査委員会、リスク委員会、米国リスク委員会、報酬委員会、指名委員会、戦略委員会および環境・社会的責任委員会(ESR委員会)を設置している。各委員会は、独立取締役が議長を務めている。
2025年5月5日、取締役会は、
・ 2025年5月21日の株主総会において、この株主総会で任期満了となるカトリーヌ・ルブラン氏の後任として、カリン・ピュジェ氏をナティクシスの取締役会の取締役に推薦することに賛成票を投じる決定をした。カリン・ピュジェ氏の任期は4年間、すなわち2028年12月31日に終了する事業年度に係る財務書類を承認するために2029年に招集されるナティクシスの株主総会までとする。カリン・ピュジェ氏は、ナティクシスの報酬委員会および戦略委員会にも選任された。
・ 2025年5月21日の株主総会において、この株主総会で任期満了となるニコラス・ドゥ・タヴェルノ氏の後任として、エドゥアール・マロ・アンリ氏をナティクシスの取締役会の取締役に推薦することに賛成票を投じる決定をした。エドゥアール・マロ・アンリ氏の任期は4年間、すなわち2028年12月31日に終了する事業年度に係る財務書類を承認するために2029年に招集されるナティクシスの株主総会までとする。エドゥアール・マロ・アンリ氏もまた、報酬委員会議長ならびに指名委員会、ESR委員会および戦略委員会の委員に選任された。
2025年5月5日、取締役会は、株主総会による任期の更新を条件として、また、これに先立ち、
・ クリストフ・ピノー氏を、報酬委員会、リスク委員会、米国リスク委員会および戦略委員会の委員に選任した。
・ デルフィーヌ・メゾヌーブ氏を、指名委員会議長、リスク委員会および戦略委員会の委員に選任した。
2025年5月21日、定時株主総会において、
・ 2025年5月21日の株主総会の終了時に任期満了となるニコラス・ドゥ・タヴェルノ氏の後任として、エドゥアール・マロ・アンリ氏を取締役に選任した。任期は4年間(2028年12月31日に終了する事業年度に係る財務書類を承認するために2029年に予定される株主総会の終了時まで)である。
・ 2025年5月21日の株主総会の終了時に任期満了となるカトリーヌ・ルブラン氏の後任として、カリン・ピュジェ氏を取締役に選任した。任期は4年間(2028年12月31日に終了する事業年度に係る財務書類を承認するために2029年に予定される株主総会の終了時まで)である。
2025年5月21日、株主総会において、
・ クリストフ・ピノー氏の取締役としての任期を4年間(2028年12月31日に終了する事業年度に係る財務書類を承認するために2029年に予定される株主総会の終了時まで)更新した。
・ デルフィーヌ・メゾヌーブ氏の取締役としての任期を4年間(こちらも2028年12月31日に終了する事業年度に係る財務書類を承認するために2029年に予定される株主総会の終了時まで)更新した。
2025年8月4日、取締役会において、
・ カトリーヌ・アミン・ガルド氏が、2025年8月4日(取締役会終了時)現在、取締役を辞任したことを正式に確認した。
① 監査委員会
A 組織
監査委員会は5名により構成されている。2026年3月10日現在、その構成員は以下のとおりである。
| カトリーヌ・パリゼ | 議長 |
|---|---|
| エレーヌ・マダールによって代表されるBPCE | 委員 |
| ヴァレリー・アンドリュー(1) | 委員 |
| シルヴィ・ギャルスロン | 委員 |
| ローラン・セイヤー | 委員 |
(1) 2026**年3月10日の取締役会会議終了時に、カトリーヌ・アミン・ガルド氏の後任として、ヴァレリー・アンドリュー氏が取締役に選任された。
監査委員会の議長および構成員は、その専門的な役職を通じて得た豊富な会計および財務の専門知識を持つ。
5名の構成員のうち2名(カトリーヌ・パリゼ氏およびローラン・セイヤー氏)が独立取締役である。
2017年2月9日より、カトリーヌ・パリゼ氏が監査委員会の議長を務めている。
当行の主要株主(Caisses d'EpargneおよびBanques Populairesの構成員ならびにGroupe BPCEの代表者)の異なる構成員が代表を務めるために、フランス私企業協会(AFEP)/フランス企業連盟(Medef)コーポレート・ガバナンス・コードに推奨されているように、独立取締役が監査委員会の3分の2を占めることはないが、いつも独立取締役が議長を務めている。さらに、監査委員会の所見および提案は、議長を含む出席委員の過半数が賛成した場合に採用される。
B 役割および権限
ナティクシスの監査委員会は、その権限および業務手順を定める内部規定を有しており、その最新版は2024年12月12日の取締役会により承認されている。
ナティクシスの取締役会の権限の下、監査委員会の主要な職務は以下のとおりである。
・ ナティクシスが提供した情報の明確さの検証、ならびにナティクシスの個別および連結財務諸表の作成に使用された会計方法の適切性の評価
・ 財務報告の作成過程、サステナビリティ報告の作成過程(財務諸表、経営報告書、サステナビリティ報告書等)の監視およびその完全性を保証するための提言
・ ナティクシスの四半期、半期および年次の連結財務諸表ならびに年次の個別財務諸表の法定監査、健全性比率、予算案ならびに重要なオフバランスシートのコミットメントの監視(これらは、ナティクシスの取締役会に提示する前に十分な時間をかけて行われる。)ならびに半期および年次の経営報告書の監督
・ 会計および財務情報の作成および処理の手順に関連する内部統制およびリスク管理枠組の有効性の監視
・ 独立性の義務を負う監査人が、その義務を遵守することを確実にすること。したがって、当該委員会は、以下のことを行わなければならない。
・ ナティクシスが支払う金額またはそれらの金額が会社およびネットワークの純売上高に占める割合が本質的に、監査人の独立性を損なわないことを確保する。
・ 監査人が提供し得る業務に適用される規則の設定および財務諸表の証明以外の業務の承認の管理
・ 監査人の職務の遂行の監視
・ ナティクシスの取締役会への監査人または監査法人の選任に関する推薦の提出
・ 監査人の監査プログラム、当該監査人が行った監査および勧告の成果、ならびに実施されたフォローアップ措置についての検証
・ 当該委員会の職務の遂行に関する取締役会への定期的な報告。財務諸表の証明の結果に基づく、かかる業務が財務諸表の完全性にどのように貢献したか、また、かかる一連の作業においてそれが果たした役割に関する報告も行う。直面した困難については、遅滞なく報告する。
当行の最高経営責任者は、監査委員会に対して当該委員会の業務に必要な書類および情報を提供する。以下の一覧はすべてを網羅するものではない。
・ 当行が定期的に作成する単体および連結の財務関連書類、会計資料ならびに規制文書
・ 当行の法定監査人の概括報告書
・ 評価メカニズムに関する書類
・ 当行内で適用される会計方針および会計処理法
・ 内部統制の原則および手続
・ 当行の連結年間利益の見積り
・ 主要子会社の取締役会または(場合により)監査委員会に提供された主要子会社の連結予算および財務諸表ならびに関連書類
監査委員会は、取締役会に対して、監査(特に当行およびその子会社の財務諸表に関する監査)を行う旨の提案をすることができる。
当該委員会は、それが適切と判断した場合、その付託された権限に該当する事項を説明するために外部の専門家またはコンサルタントの技能を求めることができる。
監査委員会は、少なくとも1年に4回は会合を開くものとする。監査委員会の会合の議事録は、取締役会秘書役により作成される。これらの議事録は、監査委員会の委員で共有され、次回の会合の際に承認される。取締役会は、十分な情報に基づいた決断を下せるよう、監査委員会の業務について情報提供を受ける。
C 2025年における監査委員会の業務
ナティクシスの監査委員会は、2025事業年度に7回会議(ESR委員会との合同会議を含む。)を開いた。その構成員の出席率は、通年で89%であった。
監査委員会会議への各取締役の個別の出席率は、本章の「⑧ 取締役会および特別委員会の出席状況表」に記載されている。
委員会会議前の合理的な期間内に、会議に向けた検討および分析のため、各取締役に安全な電子プラットフォームを通して議題項目が記載されたファイルが送付される。
検討および分析のために提出された各事項について、監査委員会は、関連するナティクシスの社員から話を聞き、また、かかる事項の報告について熟知する機会があった。
監査委員会は、ナティクシスの親会社および連結会社の年次、半期および四半期の財務諸表の法定監査ならびにその予算案の監視を、それらがナティクシスの取締役会に提出される前に行った。
議題によっては、いくつかの監査委員会の会議は、財務統制担当部長、BPCEの一般的調査部門長ならびにNCIBおよびAWMの内部監査部門長とともに、最高財務責任者、最高リスク管理責任者、相談役の立会いの下その会合が開かれた。また、法定監査人も出席した。2025事業年度中において、経営陣を交えずに、監査委員会の委員と法定監査人との間で、意見交換会が1回開催された。
監査を実施するため、監査委員会は、年次財務諸表の締め括りの際ならびに半期および四半期財務諸表の審査の際に、財務部門の提示および法定監査人のコメントを聴取した。
2025事業年度において、監査委員会の業務は特に以下のものに重点を置いた。
| 財政状態および非財政状態 | ・2024事業年度の個別および連結の財務諸表の検討および承認 |
|---|---|
| ・2025年の第1四半期、第2四半期および第3四半期の連結財務諸表の承認 | |
| ・財政的要素および非財政的要素(2024年のサステナビリティ報告書を含む。)に関する法定監査人のコメント | |
| ・2026年の予算の提示 | |
| ・ナティクシスの投資運用会社およびDNCAの米国の関係会社とのパートナーシップ契約から生じる分担取決めの結果の監査 | |
| ・ナティクシスの増資に関する情報 | |
| ・2024年サステナビリティ報告書のレビュー | |
| ・CSRDに関する更新(2024年の審査および2025年への準備)(ESR委員会との共同) | |
| ・2025年CSRDの公表の一環として、DMAに関連する取組みの発表 | |
| その他 | ・法定監査人の2025年の監査計画、監査に割り当てられた予算および完了された/現在進行中の監査に対するフォローアップ |
| ・法定監査人の非監査業務に対する報酬のフォローアップ | |
| ・2025年の法定監査人の報酬のフォローアップ(証明およびその他の業務) | |
| ・法定監査人サービスの完了について、監査委員会のリーダーからの事前承認に関する情報 | |
| ・2024年の法定監査人の報告書作成に関する更新 | |
| ・ナティクシスによるBPCE VATグループへの参入計画 | |
| ・EMTN:2025年12月31日現在での移行状況および予想される影響 | |
| ・M&A会社における経営陣パッケージとして計上されている少数株主プットオプションの更新 | |
| ・評価メカニズムに関する更新ならびに欧州銀行の公正価値および健全性評価に関する年次ベンチマークの発表 | |
| ・2026年の監査委員会の暫定議題 |
② リスク委員会
A 組織
リスク委員会は6名により構成されている。2026年3月10日現在、リスク委員会の構成員は以下のとおりである。
| ローラン・セイヤー | 議長 |
|---|---|
| ドミニク・ガルニエ | 委員 |
| デルフィーヌ・メゾヌーブ | 委員 |
| カトリーヌ・パリゼ | 委員 |
| クリストフ・ピノー | 委員 |
| ローラン・ルーバン | 委員 |
6名の構成員のうち3名(デルフィーヌ・メゾヌーブ氏、カトリーヌ・パリゼ氏およびローラン・セイヤー氏)が独立取締役である。なお、リスク委員会の所見および提案は、当該委員会の議長を含む出席委員の過半数が賛成した場合に採用される。
リスク委員会の議長および委員は、その専門的な役職を通じて広範な専門知識を得た結果、ナティクシスのリスク管理および内部統制について深い理解を有している。
2021年12月13日以降、リスク委員会はローラン・セイヤー氏がその議長を務めている。
B 役割および権限
ナティクシスのリスク委員会は、その権限および業務手順を定める内部規定を有しており、かかる規定の最新版は2024年12月12日の取締役会により承認された。
ナティクシスの取締役会の権限の下、リスク委員会の主要な職務は特に以下のとおりである。
・ 現在および将来における当行の全体的な戦略およびリスク選好についての取締役会への助言
・ 業務執行取締役および最高リスク管理責任者によるかかる戦略の実施に関する、取締役会の検査の支援
・ 規則の遵守ならびにリスクの監視および統制を確保するためにナティクシスが設けた手順に関して所見を述べること。このために、ナティクシスは、ナティクシスおよびその子会社のリスク委員会による報告ならびに当行の最高経営責任者の指令により作成された、特にオペレーショナル・リスク、市場リスクまたは取引相手方リスクのリスクに関する報告を受領する。
・ 内部統制およびリスク管理枠組の有効性の監視
・ (特に、職務の分離および利益相反の防止について)取締役会がガイドラインを決定し、業務執行取締役が適切に監視体制を実施していることを確認する上での支援を行うことで、当行が効果的かつ慎重に管理されることを確保
・ 付託された権限に従って、顧客に提供される商品の価格およびサービスがナティクシスのリスク戦略に適合しているかの検討。これらの価格がリスクを正しく反映していない場合、リスク委員会は、かかる状態を修正する行動計画を取締役会に提出する。
・ 報酬委員会の責任について、その権限を侵害することなく、ナティクシスの報酬方針および慣行により規定されたインセンティブが、ナティクシスがさらされているリスク、その資本、その流動性および可能性ならびに期待される利益の計画に関しての状況と適合しているかの検討
・ 前述のガバナンスの体制についての検討、その有効性の評価、また、不足な点があった場合にその是正措置の実施の確保を取締役会が行う際の支援
・ 当該機関のリスク文化が一貫して実施されていることの検証
・ 経済環境から生じるリスクを含め、ナティクシスがさらされているまたはさらされる可能性があるリスクを取ること、管理すること、監視することおよび低減することを監督する戦略および方針の定期的な審査。このために、少なくとも年に1回、リスク委員会は、ナティクシスのリスク選好を定義し監視するために使用される書類すなわちリスク選好報告書およびリスク選好枠組を分析する。また、リスク委員会は、内部ストレス・テストの結果および経済的資本の消費方法を研究する。リスク委員会は、2回の年次レビューの間に、業界別制限の変更を含むすべての制限変更を研究する。
・ 資本管理戦略および流動性管理戦略の実施の監督
・ 銀行部門の事業、決済サービスおよび投資サービスの内部統制に関する2014年11月3日付フランス省令第253条に従って、コンプライアンス・リスクの監視に関連する事項を少なくとも年に1回審査すること
・ 少なくとも年に1回、環境リスク監督および気候変動に関連するリスクに関する要素を審査すること
・ 内部監査部門長の任命および解任につき当該委員会の所見を述べること
・ 内部監査部門の業務を監督し、特に、年次のナティクシスの内部監査プログラム、その実行および調整事項について検討および承認を行うこと、ならびにナティクシスならびに規制当局および監督当局(特に、フランスのプルーデンシャル監督庁および欧州中央銀行)により実施された内部監査業務の結果ならびに提言を監視すること。この目的のために、ナティクシスおよびその子会社に関するナティクシスの内部監査部門およびBPCEの一般調査の報告書の要約がリスク委員会の注意喚起のために作成され、リスク委員会はナティクシスおよびその子会社に関する規制当局および監督当局(特に、フランスのプルーデンシャル監督庁および欧州中央銀行)からのすべての報告書も通知される。
・ 内部監査に割り当てられた組織、人員および資源を検討および承認し、NCIBおよびAWMの内部監査部門の独立性を確保すること、ならびに当行グループ内部監査憲章に対する変更の提案に関して報告を受けること
リスク委員会の業務に貢献できる、最高財務責任者、ナティクシスおよびBPCEの最高リスク管理責任者、相談役、NCIBおよびAWMの内部監査部門長ならびにBPCEの一般的調査部門長、ならびにナティクシスの法定監査人が、リスク委員会の常任委員として、リスク委員会会議に招待される。
リスク委員会の議長の勧告に基づき、リスク委員会は、当該委員会が適切だとみなした場合、その委員会のいずれか1つの会議に、リスク委員会の業務に光明を投じることができるナティクシスのマネージャー(主要な子会社1社のマネージャーまたはそのリスク委員会の議長を含む。)を招くことができる。
最高リスク管理責任者、最高コンプライアンス責任者およびBPCEの一般的調査部門長ならびにナティクシスの内部監査部門長は、リスク委員会へ常時直接アクセスできる。
リスク委員会の議事録は、取締役会の秘書役が作成する。この議事録は、リスク委員会の委員間で共有され、次の会議で承認される。取締役会は、十分な情報を得た上で意思決定を行うため、当該委員会の活動状況を把握している。
C 2025年におけるリスク委員会の業務
リスク委員会は、2025事業年度に7回会議を開いた。その構成員の出席率は、通年で81%であった。
リスク委員会会議への各取締役の個別の出席率は、本章の「⑧ 取締役会および特別委員会の出席状況表」に記載されている。
委員会会議前の合理的な期間内に、会議に向けた検討および分析のため、各取締役に安全なデジタル・プラットフォームを通して議題項目が記載されたファイルが送付される。
2025事業年度において、リスク委員会の業務は以下のものに重点を置いた。
| リスク管理 | ・リスク選好に関する運営指標の更新を含むリスクダッシュボードの要点および当行のリスク環境の見通しのレビュー |
| ・リスク部門の2024年の成果と2025年の優先事項の提示 | |
| ・以下を含む流動性の更新 ・流動性リスク許容度の年次レビュー ・流動性リスクに関する戦略、方針、手続、システム、ツール、制限およびその前提の年次レビュー ・特に流動性ポジションおよびリスク削減要因に関する代替シナリオの結果を踏まえた非常事態計画の年次レビュー ・ALM枠組のレビュー ・代替的な危機シナリオに関する半期ごとの結果 ・流動性ポジションの推移に関するレビューおよび分析の半期ごとの結果 | |
| ・株式市場:ヘッジの複雑さによる在庫制限の見直し | |
| ・報酬方針がリスクに適合していることの確認 | |
| ・NIMにおけるステップイン・リスクの重要性の年次評価 | |
| ・2024年の四半期ごとの経済資本要件および2025年の基準変更後の内部ストレス・テストの結果を含む、ICAAPの2025年報告書の提示 | |
| ・ICAAP経済資本要件の提示 | |
| ・リスク選好枠組および2014年11月3日付フランス省令に定められている指標のレビュー | |
| ・BCBS 239原則への準拠に関するナティクシスの2025年の最新情報の発表 | |
| ・内部ストレス・テストの結果の提示 | |
| ・ESG主要リスク指標の閾値の提示 | |
| ・モデル・リスク管理の更新 | |
| ・顧客に提供される商品の価格およびサービスがナティクシスのリスク戦略に適合しているかの検討 | |
| ・市場リスクおよび取引相手方リスク:Expo2プログラムの提示 | |
| ・シンジケーションおよび販売リスク:シンジケーション事業分野の提示、販売リスク管理システムおよび販売ポートフォリオの概要 | |
| ・戦略的リスク計画の更新 | |
| ・ESGリスク監視の年次更新 | |
| ・テクノロジー・リスクの更新 | |
| ・プライベート市場へのエクスポージャーおよびNAVファイナンスの提示 | |
| 内部監査 | ・2025年の内部監査予算の提示 |
| ・CIBの内部監査業務において特定された主要なリスクの提示 | |
| ・2024年のCIB内部監査のレビュー、主要な結論および特定されたリスク | |
| ・内部監査業務の概要ならびにCIBおよびAWMの内部監査業務における調査結果の提示 | |
| ・新しい内部監査部長の指名 | |
| ・内部監査の更新、確認された主要なリスクおよび2025年の予算 | |
| ・2024年12月31日現在、2025年3月31日現在、2025年6月30日現在および2025年9月30日現在の活動および推奨事項の全体的な監視(内部監査、当行グループの一般的調査部門および監督)ならびに2025年12月31日現在の推奨事項の監視の見通し | |
| ・Natixis CIBおよびAWMならびにGroupe BPCEの一般的調査部門(特にAEW Europeに関する業務)の内部監査業務のレビュー | |
| ・RACIの提示 | |
| ・CIBおよびAWMの2026年の監査計画および優先事項の提示 | |
| ・フランスのプルーデンシャル監督庁へ提出した内部統制報告書の提示 | |
| ・2026年の内部監査計画の提示に向けたアプローチ、優先事項およびスケジュールの提示 | |
| ・Groupe BPCEの一般的調査部門によるCIBおよびAWMの内部監査部門の評価 | |
| ・外部サービス提供者によるAWM監査品質レビュー結果の提示 | |
| コンプライアンスおよび 内部統制 | ・コンプライアンス部門の2024年の成果および2025年の優先事項の提示 |
| ・コンプライアンス・リスクに関するハイライト、課題およびプロジェクト | |
| ・2024年の統制計画および2025年のコンプライアンスRCSAに関する仲裁覚書の提示を含む、内部統制枠組の状況およびコンプライアンス統制の結果(S2 2024)の提示 | |
| ・年次コンプライアンス部門評価報告書の提示 | |
| ・2024年のAML-CFT内部統制年次報告書の提示 | |
| ・投資サービス・コンプライアンス責任者によるAMF2024年報告書の提示 | |
| ・2024年の「MIF-MAR」連結報告書の提示 | |
| ・2025年上半期の「レピュテーション・リスク」および「内部通報」システムの更新 | |
| ・2025年のコンプライアンス統制計画の提示 | |
| ・金融セキュリティ枠組に関する年次提示 | |
| ・内部通報システムの更新 | |
| ・2025年上半期の永久統制システムの更新 | |
| その他 | ・SREP 2024および2025レター:主な結論および提言ならびに関連する行動計画 |
| ・APACプラットフォームの提示 | |
| ・商品取引事業者のECB(OSI)業務の結論 | |
| ・世界貿易事業およびリスクの提示 | |
| ・デジタルオペレーショナル・レジリエンスシステム(DORA)の提示 | |
| ・EMEAプラットフォーム(中東およびロンドン)における活動およびリスクの提示 |
③ 米国リスク委員会(USRC)
米国リスク委員会は、米国で設立され一定の活動閾値基準を満たす外国銀行に対して適用される米国の規制要件(ドッド・フランク法)を満たすために、2016年に創設された。
A 組織
米国リスク委員会は、6名(リスク委員会の委員5名および米国に拠点を置く委員1名(注1))により構成されている。
(注1) 2025年3月31日にキャサリン・ルミュー氏が辞任したことに伴い、米国リスク委員会の構成員のうち、米国に拠点を置く者は1名のみとなっている。
2026年3月10日現在、その構成員は以下のとおりである。
| ローラン・セイヤー | 議長 |
|---|---|
| ロナルド・カスカート | 副議長 |
| ドミニク・ガルニエ | 委員 |
| カトリーヌ・パリゼ | 委員 |
| クリストフ・ピノー | 委員 |
| ローラン・ルーバン | 委員 |
2021年12月13日以降、米国リスク委員会はローラン・セイヤー氏がその議長を務めている。
B 役割および権限
米国リスク委員会は、ナティクシスの統合米国業務に関連するリスク管理を監督する職務を負う。
米国リスク委員会の責務および業務手順は憲章に定められており、その最新版は2025年8月4日の取締役会により承認された。
C 2025年における米国リスク委員会の業務
米国リスク委員会は、2025事業年度に5回会議を開いた。その出席率は、通年で92%であった。
米国リスク委員会会議への各取締役の個別の出席率(米国に拠点を置く準委員を除く。)は、本章の「⑧ 取締役会および特別委員会の出席状況表」に記載されている。
委員会会議前の合理的な期間内に、会議に向けた検討および分析のため、各取締役に安全なデジタル・プラットフォームを通して議題項目が記載された電子ファイルが送付される。
2025年において、同委員会は、以下の事項に重点を置いた。
| ・CUSO環境ならびにリスク・エクスポージャーならびに許容度およびコンプライアンス下におけるUSRCの要約および概要 | |
|---|---|
| ・米国リスク委員会憲章のレビュー | |
| ・CUSOの「リスク管理枠組」方針の年次レビュー | |
| ・CUSOのガバナンスおよび統制の監視 | |
| ・米国2025年再建計画 | |
| ・米国リスク選好枠組の年次レビュー | |
| ・年次のCUSOの自己評価および行動計画 | |
| ・最高情報セキュリティ責任者の年次報告書のレビュー | |
| ・CUSOのリスク選好に関する年次レビュー | |
| ・CUSOのコンプライアンス・リスク解析およびCUSOの2025年の年次統制計画の提示 | |
| ・CIB Americasのサイバー・セキュリティ改善計画 | |
| ・貸付検討および監査の結果に関する監視 | |
| ・CPRMおよび販売の提示 | |
| ・ベンダーリスク管理プロジェクトの提示 | |
| ・NIM Risk USの提示 | |
| ・NIMの米国関係会社Harris Associatesの提示(投資リスクレビュー) | |
| ・BPCE Equipment Solutions USの提示 | |
| ・人事後継計画の提示 | |
| ・監督および規制関係の監視 | |
| ・気候リスク研修 | |
| ・AML/BSA研修 |
④ 報酬委員会
A 組織
報酬委員会は6名により構成されている。
2026年3月10日、報酬委員会の構成員は以下のとおりである。
| エドゥアール・マロ・アンリ(1) | 議長 |
|---|---|
| ドミニク・ガルニエ | 委員 |
| アンヌ・ラルー | 委員 |
| カトリーヌ・パリゼ | 委員 |
| カリン・ピュジェ(2) | 委員 |
| クリストフ・ピノー | 委員 |
(1) エドゥアール・マロ・アンリ氏は、2025年5月21日の株主総会において、ニコラス・ドゥ・タヴェルノ氏の後任として取締役に選任された。
(2) カリン・ピュジェ氏は、2025年5月21日の株主総会において、カトリーヌ・ルブラン氏の後任として取締役に選任された。
6名の構成員のうち3名(アンヌ・ラルー氏、カトリーヌ・パリゼ氏およびエドゥアール・マロ・アンリ氏)が独立取締役である。
2025年5月21日以降、報酬委員会はエドゥアール・マロ・アンリ氏がその議長を務めている(注1)。
(注1) ニコラス・ドゥ・タヴェルノ氏は、2013年8月6日から2025年5月21日まで報酬委員会の議長を務めた。同日、ナティクシスの取締役、報酬委員会議長および委員、指名委員会委員ならびに戦略委員会委員としての任期が満了した。
アンリ・プログリオ氏(監査人)もまた、報酬委員会に出席している。
報酬委員会の独立取締役の人数は、フランス私企業協会(AFEP)/フランス企業連盟(Medef)コーポレート・ガバナンス・コードの勧告にもかかわらず、構成員全体の人数の半数以下である。同委員会は、バランスのとれた構成であり(50%が独立、50%が非独立取締役)、独立取締役がその委員会の議長を務めている。
さらに、報酬委員会の意見および提案は、当該委員会の議長を含む出席委員の過半数が賛成した場合に採択される。
B 役割および権限
ナティクシスの報酬委員会の役割は、報酬に関してナティクシスの取締役会が発表する決定(特に当行のリスクおよびリスク管理に重大な影響を与えるもの。)に関して準備することである。報酬委員会の権限および業務手順については、内部規定に詳述されており、その最新版は2024年12月12日の取締役会により承認された。
報酬委員会は、ナティクシスの取締役会に対して、以下に関する提案を提出する責任を有する。
・ 該当があれば、ナティクシスの取締役会会長に支払われる現物給付、年金制度および共済保険を含む報酬の金額および条件
・ 最高経営責任者および該当があれば最高経営責任者代理1名以上に支払われる現物給付、年金制度および個人保護の団体保険を含む報酬の金額および条件
・ ナティクシスの株主総会でかかる株主に決定のために提出される、ナティクシスの取締役会の構成員の報酬の分配に関する規則および当該報酬の合計額
・ 統制部門長(リスク、コンプライアンスおよび監査)に対する報酬の管理
・ 適用される規則(特に信用機関および投資会社(CRD5およびIFD)、ならびに資産運用業務(AIFMDおよびUCITS V)を統制するもの)にナティクシスの報酬方針が準拠していること
・ 特に上記の規則の枠組内において、ナティクシスまたは当行グループのリスク特性に重要な影響を与え得る専門的な業務に従事する従業員の区分に分配される変動報酬に関するナティクシスの報酬方針およびその施行の年次レビュー
報酬委員会は、ナティクシスが締結した執行役の責任に関する保険方針を検討し、意見を表明する。
報酬委員会は、必要に応じて、従業員貯蓄計画に関連する案件および、特にナティクシスの従業員を対象とした増資案件、および該当があれば、株主総会に提出される株式募集または購入計画、無償株式割当制度について検討する。
ナティクシスの最高経営責任者は、報酬委員会に対して、その義務の履行に際して有用となる書類を提供し、同委員会へ十分な情報が確実に与えられるようにする。
報酬委員会は、必要に応じてナティクシスの内部統制部門または外部の専門家に相談する。
報酬委員会の議事録は、人事部門が、取締役会の秘書役と共同で作成する。この議事録は、報酬委員会の委員間で共有され、次の会議で承認される。取締役会は、十分な情報を得た上で意思決定を行うため、報酬委員会の活動状況を把握している。
C 2025年における報酬委員会の業務
報酬委員会は、2025事業年度に3回会議を開いた。その構成員の出席率は、通年で100%であった。
報酬委員会会議への各取締役の個別の出席率は、本章の「⑧ 取締役会および特別委員会の出席状況表」に記載されている。
委員会会議前の合理的な期間内に、会議に向けた検討および分析のため、各取締役に安全なデジタル・プラットフォームを通して議題項目が記載された電子ファイルが送付される。
2025年において、報酬委員会は、以下の分野に重点を置いた。
| 執行役 | ・最高経営責任者の2024事業年度の報酬および2025事業年度の報酬原則 |
|---|---|
| ・2025年の取締役会構成員の報酬方針 | |
| 報酬方針の施行/年次報酬のレビュー | ・リスクおよびコンプライアンスの特定の目標のレビュー(2024年のレビューおよび2025年の目標の提示) |
| ・2024年の変動報酬(CIB Front、支援・統制部門およびAWM) | |
| ・CRD5に基づく、統制部門長およびリスク・テーカーに対する2024年の報酬 | |
| ・2024年の所得上位100名、ならびにAWM部門の欧州の関係会社の執行役員および統制部門長の個人情報 | |
| ・過去の繰延変動報酬制度に基づく2025年の買収 | |
| ・CIB Frontの2025年の変動報酬プールの軌跡 | |
| ・2025年の繰延変動報酬の方針 | |
| ・2026年の固定報酬引上げおよび2025年の変動報酬パッケージの枠組化 | |
| ・2025年の従業員貯蓄計画 | |
| ・同一賃金および2025年の職場における男女間の平等性に関するナティクシスの方針 | |
| 規則の遵守 | ・CRD5のリスク・テーカーに関する2024年の監査業務の結論(2023事業年度) |
| ・ナティクシスの報酬方針および慣行に関する2024年の年次報告書(CRD5におけるリスク・テーカーに注力) | |
| ・規制上の変更のレビュー | |
| その他 | ・2026年の報酬委員会の暫定スケジュール |
⑤ 指名委員会
A 組織
2026年3月10日現在、指名委員会は6名により構成されていた。
その内訳は以下のとおりである。
| デルフィーヌ・メゾヌーブ | 議長 |
|---|---|
| ヴァレリー・アンドリュー(1) | 委員 |
| リオネル・ボー | 委員 |
| エドゥアール・マロ・アンリ | 委員 |
| アンヌ・ラルー | 委員 |
| ローラン・ルーバン | 委員 |
(1) 2026年3月10日の取締役会をもって、ヴァレリー・アンドリュー氏が、カトリーヌ・アミン・ガルド氏の後任として取締役に任命された。
6名の構成員のうち3名(アンヌ・ラルー氏、デルフィーヌ・メゾヌーブ氏およびエドゥアール・マロ・アンリ氏)が独立取締役である。指名委員会の独立取締役の人数は、フランス私企業協会(AFEP)/フランス企業連盟(Medef)コーポレート・ガバナンス・コードの勧告にもかかわらず、構成員全体の人数の半数以下である。同委員会は、バランスのとれた構成を有し(50%が独立、50%が非独立取締役)、独立取締役がその議長を務めている。さらに、指名委員会の所見および提案は、指名委員会の議長を含む出席委員の過半数が賛成した場合に採用される。
2023年4月13日以降、指名委員会はデルフィーヌ・メゾヌーブ氏がその議長を務めている。
B 役割および権限
ナティクシスの指名委員会の役割は、執行役員の選任/任命に関するナティクシスの取締役会の決定を準備することと、取締役および業務執行取締役の個人および集団としての技能ならびに取締役会の有効性を評価することである。指名委員会の権限および業務手順については、取締役会の内部規定に詳述されており、その最新版は2024年12月12日の取締役会により承認された。
指名委員会の主要な職務は、以下のとおりである。
・ ナティクシスの取締役会の候補者/構成員、最高経営責任者および業務執行取締役の個人および集団としての適合性を評価すること。指名委員会はその活動内容を取締役会に報告し、当該分野に関する提言を行う。
・ 個人および集団として、取締役会の構成員が有する知識、技能および経験のバランスおよび多様性を評価すること
・ ナティクシスの取締役会の構成員を務める際の職務および必要な要件を詳述し、また、かかる業務に費やす時間を評価すること
・ 取締役会の多様性に関する方針に沿って、取締役会に多様性に関して達成すべき目標を提案し、また、取締役会の候補者/構成員の適合性を評価する際にこれらの目標が考慮されるよう取り計らうこと。ナティクシスの目標、方針および実施手順は公表される。
・ 取締役会の集団スキルマップの分析に基づき、取締役会の補完的なプロファイルを特定し、提言を行うこと
・ 取締役会に与えられた責務に関して、定期的に(少なくとも年に1回)取締役会の構造、規模、構成および有効性について評価し、また、取締役会に有益な提案を提出すること
・ 年に1回、取締役会の方針および手続をレビューし、提言を行うこと
・ 最高経営責任者の後任育成計画をレビューすること
・ 取締役の研修計画をレビューし、提言を行うこと
・ 年に1回、取締役会および特別委員会の業務を評価し、業績を検証し、提言を行い、行動計画を監視すること
・ 株主総会に提出される取締役会の構成に関する決議案をレビューすること
・ 取締役および業務執行取締役の承認に関連して監督機関に課された措置に対するフォローアップを行うこと
独立取締役の資格は、指名委員会が議論し、取締役会への報告を作成する。毎年、年次報告書が発表される前に、かかる報告に基づき、取締役会は、取締役会の内部規定に定められた独立性基準に基づいて、取締役会の各構成員の状況を検討する*(「(a) 取締役会**-② 取締役会の役割および権限」を参照のこと。)*。
指名委員会会議の議事録は、取締役会の秘書役が作成する。この議事録は、指名委員会の委員間で共有され、次の会議で承認される。取締役会は、十分な情報を得た上で意思決定を行うため、指名委員会の活動状況を把握している。
C 2025年における指名委員会の業務
指名委員会は、2025事業年度に3回会議を開いた。その構成員の出席率は、92%であった。
指名委員会会議への各取締役の個別の出席率は、本章の「⑧ 取締役会および特別委員会の出席状況表」に記載されている。
委員会会議前の合理的な期間内に、会議に向けた検討および分析のため、各取締役に安全なデジタル・プラットフォームを通して議題項目が記載されたファイルが送付される。
2025年において、指名委員会は、以下の分野に重点を置いた。
| 取締役会および特別委員会の構成および有効性 | ・取締役会および特別委員会の構成 |
| ・取締役会および特別委員会に不足しているプロファイルの特定 | |
| ・取締役会の任期満了予定 | |
| ・退任する取締役の後任選定作業の開始 | |
| ・有利となるプロファイルの特定 | |
| ・退任する取締役の後任候補者の選任に係る株主総会の提案に関する意見 | |
| ・2025年5月21日の株主総会をもって任期満了となる取締役の任期更新に関する通知 | |
| ・取締役の研修(2024年の研修出席状況および2025年の研修スケジュールのレビュー) | |
| ・取締役および業務執行取締役の承認に関連して監督機関に課された適正な承認申請および措置の監視 | |
| ・取締役会および特別委員会の業務に対する2024年の評価に関する行動計画のレビュー | |
| ・取締役会および特別委員会の業務に対する2025年の年次評価の開始 | |
| 取締役会および特別委員会の個人および集団としての技能の妥当性 | ・取締役会および特別委員会の構成員の個人および集団としての評価のレビュー(2024事業年度)は、以下を含む。 |
| ・取締役会の構成員(監査人を含む。)の適正基準のレビュー、利益相反の分析および独立取締役の独立性のレビュー | |
| ・取締役会および特別委員会の構成員のスキル・マッピングの詳細なレビュー(取締役会において遂行される職務に必要な要件のレビュー、取締役会および特別委員会の構成員の個人および集団としての技能のレビュー、多様性の基準/目標のレビュー、取締役会がナティクシスの利益を損なうような形で個人またはグループにより支配されていないことの確認) | |
| ・取締役の多様性に係る基準のレビューおよび取締役会がナティクシスの利益を損なうような形で個人またはグループにより支配されていないことの確認(2025事業年度) | |
| ・業務執行取締役の個人および集団としての評価のレビュー(2025事業年度)は、以下を含む。 | |
| ・業務執行取締役の適正基準のレビュー | |
| ・業務執行取締役の個人および集団としての技能のレビュー | |
| ・取締役の選任および再任の提案に伴う取締役会および特別委員会の構成の妥当性に関する評価の更新 | |
| 株主総会 | ・2025年5月21日の株主総会に提出された、取締役会の構成に関する決議案のレビュー |
| その他 | ・ガバナンス計画の進捗の提示 |
| ・ガバナンス方針の更新 | |
| ・2026年の指名委員会の暫定スケジュール |
D 業務執行役員の後任育成計画
ナティクシスの取締役会会長の後任育成計画に関しては、当行グループ固有の内部統制規則に従い、BPCEの業務執行役員会会長がナティクシスの取締役会会長を兼任していることに留意する必要がある。
指名委員会は、業務の一環として、最高経営責任者の後任育成計画を定期的に検討している。
また、指名および後任育成計画は、ナティクシスの最高経営責任者、最高経営責任者代理、その他の業務執行取締役およびナティクシスの取締役会の構成員の指名および後任育成方針に組み込まれ、2024年12月12日の取締役会により承認された。
指名委員会は、その業務および議論を通じて、すべての構成要素において多様性を重要な要素としつつ、短期的、中期的および長期的な状況に適合した方針を策定した。
指名委員会は、その職務を遂行するため、取締役会にその業務の進捗状況を報告し、報酬委員会と連携する。
⑥ 戦略委員会
A 組織
戦略委員会は、すべての取締役および監査人により構成される。ナティクシスの上級経営委員会の構成員が、戦略委員会に招聘される。外部の者も同委員会に参加することができる。
戦略委員会は、2016年2月10日以降、アンヌ・ラルー氏がその議長を務めている。
B 役割および権限
戦略委員会の主要な職務は以下のとおりである。
・ 専門会議において取締役会の戦略的思考を維持すること
・ ナティクシスにおける戦略的動向に関して上級経営陣との対話を可能にし、重要な問題になった場合には、率先して取締役会に承認を要請すること
・ 取締役会によって検証された戦略的方向性の実施を監視し、必要に応じて是正措置について議論すること
C 2025年における戦略委員会の業務
戦略委員会は、少なくとも年に1回会議を開いている。
戦略委員会は、2025年に1回会議を開いた。その構成員の出席率は、100%であった。戦略委員会会議への各取締役および監査人の個別の出席率は、本章の「⑧ 取締役会および特別委員会の出席状況表」に記載されている。
合理的な期間内に、各取締役に安全なデジタル・プラットフォームを通して議題項目に関連する書面が送付される。
2025年、ナティクシスの戦略委員会は、以下の点を審議した。
・ CIBおよびNIMのスケールアップ戦略計画に対するフォローアップ
・ 地政学的状況および経済状況
・ 「事業」の重点分野:グレーターチャイナ
・ 「資源」の重点分野:従業員の能力およびコミットメント
・ 「資源」の重点分野:データおよび人工知能
・ 「資源」の重点分野:CIBのIT
・ 「事業」の重点分野:M&A
⑦ 環境・社会的責任(ESR)委員会
A 組織
ESR委員会は4名により構成されている。2026年3月10日現在、その構成員は以下のとおりである。
| アンヌ・ラルー | 議長 |
|---|---|
| ドミニク・デュバン | 委員 |
| シルヴィ・ギャルスロン | 委員 |
| エドゥアール・マロ・アンリ | 委員 |
2021年1月1日以降、ESR委員会はアンヌ・ラルー氏がその議長を務めている。
構成員のうち2名(アンヌ・ラルー氏およびエドゥアール・マロ・アンリ氏)が独立取締役である。
4名のESR技能は、取締役会において評価されている。
B 役割および権限
ナティクシスのESR委員会は、その権限および業務手順を定める内部規定を有しており、その最新版は2025年6月13日の取締役会により承認された。
一般的に、ESR委員会は、フランス商法第L.225-35条に従って、取締役会が当行の事業ガイドラインを決定・実施する際に、社会的および環境的な問題が考慮されるよう取り計らう。
ESR委員会の主要な職務は以下のとおりである。
・ 当行グループのESR戦略とコミットメント、特にすべての事業分野におけるグリーンで持続可能な金融戦略に関する検討を行うこと
・ 投融資活動に関連して、ナティクシスが環境フットプリントを減少させるために講じた措置(資源消費、廃棄物管理および移動慣行の管理)の結果を審査すること
・ 報酬委員会と連携して業務執行役員の報酬方針において非財務的基準を考慮するための手続を審査すること
・ リスク委員会の主導のもと、合同会議を通じて、ESRリスクを審査し、また、投資、経済パフォーマンスおよびレピュテーションの観点から環境問題および社会問題の影響を審査すること
・ 監査委員会の支援のもと、サステナビリティ報告書に関する合同会議を通じて、「環境、社会およびガバナンス」報告の品質および(一般的に)現行の法律で要求されている非財務情報をレビューすること
ESR委員会会議の議事録は、取締役会の秘書役が作成する。この議事録は、ESR委員会の委員間で共有され、次の会議で承認される。ESR委員会は、その活動内容を取締役会に報告し、より具体的に結論を提示して議論し、必要に応じて審議に付す。
C 2025年におけるESR委員会の業務
ESR委員会は、2025事業年度に4回会議を開いた(監査委員会との合同会議を含む。)。その構成員の出席率は、100%であった。
ESR委員会会議への各取締役の個別の出席率は、本章の「⑧ 取締役会および特別委員会の出席状況表」に記載されている。
委員会会議前の合理的な期間内に、会議に向けた検討および分析のため、各取締役に安全なデジタル・プラットフォームを通して議題項目が記載されたファイルが送付される。
2025年において、同委員会は、以下の分野に重点を置いた。
| 戦略/ESG | ・NIMのESGガバナンスおよび運営体制の提示 |
| ・「ESGデータ」の提示 | |
| ・規制および政治の状況に関する「一般的な」情報(米国、オムニバス法案等) | |
| ・NIMのESG市場における位置付け | |
| ・グリーン・ウェイティング・ファクター(GWF)ツールの提示 | |
| ・ネットワーク・グリーン・ハブの提示 | |
| ・新たな顧客オンボーディング・プロセスの提示(顧客のESGリスク評価の提示を含む。) | |
| ・(監査委員会との連携による)「CSRD 2025」におけるDMAに関する取組みの共有 | |
| その他 | ・ESR委員会の内部規定の年次レビュー |
| ・NIMに関する最新情報(市場/事業) | |
| ・CIBに関する最新情報(第3四半期/9ヶ月間の業績) | |
| ・2026年の暫定スケジュール |
⑧ 取締役会および特別委員会の出席状況表
| 取締役会 | リスク 委員会 | 米国リスク 委員会 | 監査 委員会 | 報酬 委員会 | 指名 委員会 | ESR 委員会 | 戦略 委員会 | 個別の 出席率 | |
| BPCEからの取締役 | |||||||||
| ニコラ・ナミア (会長) | 9/9 | 1/1 | |||||||
| 100% | N/A | N/A | N/A | N/A | N/A | N/A | 100% | 100% | |
| BPCE (代表:エレーヌ・マダール) | 9/9 | 6/7 | 1/1 | ||||||
| 100% | N/A | N/A | 86% | N/A | N/A | N/A | 100% | 95% | |
| 独立取締役 | |||||||||
| デルフィーヌ・メゾヌーブ | 6/9 | 3/7 | 3/3 | 1/1 | |||||
| 67% | 43% | N/A | N/A | N/A | 100% | N/A | 100% | 77% | |
| アンヌ・ラルー | 9/9 | 3/3 | 3/3 | 4/4 | 1/1 | ||||
| 100% | N/A | N/A | N/A | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | |
| カトリーヌ・パリゼ | 8/9 | 7/7 | 5/5 | 6/7 | 3/3 | 1/1 | |||
| 89% | 100% | 100% | 86% | 100% | N/A | N/A | 100% | 96% | |
| ローラン・セイヤー | 9/9 | 7/7 | 4/5 | 7/7 | 1/1 | ||||
| 100% | 100% | 80% | 100% | N/A | N/A | N/A | 100% | 96% | |
| ニコラス・ドゥ・タヴェルノ (2025年5月21日まで) | 5/5 | 2/2 | 1/2 | ||||||
| 100% | N/A | N/A | N/A | 100% | 50% | N/A | N/A | 83% | |
| エドゥアール・マロ・アンリ (2025年5月21日より) | 4/4 | 1/1 | 1/1 | 3/3 | 1/1 | ||||
| 100% | N/A | N/A | N/A | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | |
| Banques Populairesからの取締役 | |||||||||
| リオネル・ボー | 7/9 | 3/3 | 1/1 | ||||||
| 78% | N/A | N/A | N/A | N/A | 100% | N/A | 100% | 93% | |
| シルヴィ・ギャルスロン | 9/9 | 5/7 | 3/3 | 1/1 | |||||
| 100% | N/A | N/A | 71% | N/A | N/A | 100% | 100% | 93% | |
| ドミニク・ガルニエ | 9/9 | 6/7 | 4/5 | 3/3 | 1/1 | ||||
| 100% | 86% | 80% | N/A | 100% | N/A | N/A | 100% | 93% | |
| カトリーヌ・ルブラン (2025年5月21日まで) | 4/5 | 2/2 | |||||||
| 80% | N/A | N/A | N/A | 100% | N/A | N/A | N/A | 90% | |
| カリン・ピュジェ (2025年5月21日より) | 4/4 | 1/1 | 1/1 | ||||||
| 100% | N/A | N/A | N/A | 100% | N/A | N/A | 100% | 100% | |
| Caisses d’Epargneからの取締役 | |||||||||
| カトリーヌ・アミン・ガルド (2025年8月4日まで) | 7/7 | 5/5 | 2/2 | ||||||
| 100% | N/A | N/A | 100% | N/A | 100% | N/A | N/A | 100% | |
| ドミニク・デュバン | 9/9 | 3/3 | 1/1 | ||||||
| 100% | N/A | N/A | N/A | N/A | N/A | 100% | 100% | 100% | |
| クリストフ・ピノー | 9/9 | 5/7 | 5/5 | 3/3 | 1/1 | ||||
| 100% | 71% | 100% | N/A | 100% | N/A | N/A | 100% | 94% | |
| ローラン・ルーバン | 9/9 | 6/7 | 5/5 | 3/3 | 1/1 | ||||
| 100% | 86% | 100% | N/A | N/A | 100% | N/A | 100% | 97% | |
| 監査人 | |||||||||
| アンリ・プログリオ | 5/9 | 3/3 | 1/1 | ||||||
| 56% | N/A | N/A | N/A | 100% | N/A | N/A | 100% | 85% | |
| 平均出席率(監査人を除く。) | 95% | 81% | 92% | 89% | 100% | 92% | 100% | 100% | 94% |
(c) 上級経営陣
2026年3月10日現在、上級経営陣は、最高経営責任者であるモハメド・カララ氏、最高経営責任者代理であるフィリップ・セトボン氏および上級経営委員会(2025年の活動内容については下記に詳述される*(下記「④ 上級経営委員会の業務」を参照のこと。)*。)を中心に構成されている。
上級経営陣の構成員は、最高経営責任者および最高経営責任者代理の他は以下のとおりである。
・ ジェニファー・バート氏(相談役(注1))
・ ナタリー・ブリッカー氏(Natixis Investment Managersの財務、戦略、リスク、コンプライアンスおよび法務担当の最高経営責任者代理)
・ ニコラ・フナール氏(ITおよびオペレーション部門のグローバルヘッド)
・ マイケル・ハイゼ氏(グローバル・マーケッツ部門のグローバルヘッド)
・ ラジャ・メグハー氏(最高リスク管理責任者兼業務執行取締役)
・ アンヌ・サボ氏(最高財務責任者)
・ セシル・トリコン・ボサード氏(最高人事責任者)
(注1) コンプライアンス、法務、セキュリティ、ガバナンスおよび規制関連業務担当の相談役
① 上級経営委員会における男女の均衡
ガバナンス機関(取締役会および上級経営委員会を含む。)における男女の割合の均衡は、ナティクシスにとって重要な問題である。
2019年、当行は国連の男女平等に関する原則に署名した。ナティクシスは、女性のエンパワーメントのための7つの原則に署名することで、当行の最高レベルにおいて男女平等のガバナンスを実施することを約束している。
2026年3月10日現在、ナティクシスの上級経営委員会における女性の割合は56%(9名中5名が女性)であった。
ナティクシスは、7年前には男性のみで構成されていた上級経営委員会から、現在は男性4名、女性5名で構成される委員会へと移行し、女性5名それぞれが戦略的地位に就いている。
2024年より、「インスパイアリング・ウーマン・プログラム」と呼ばれる国際的な集団支援プログラムが開始されたことに留意する必要がある。さらに、ナティクシスは、その他のリーダーシップ開発プログラムにおいても、女性比率が50%以上となるよう努めている。
② 最高経営責任者および最高経営責任者代理
取締役会会長および最高経営責任者の機能を分離させる2009年4月30日の取締役会の決定に従って、2025年2月4日現在、最高経営責任者および最高経営責任者代理がナティクシスの経営を指揮している。
モハメド・カララ氏は、2024年11月6日、取締役会により最高経営責任者に指名された。その任期は2025年1月1日から4年間であり、2028年12月31日に終了する事業年度の財務諸表を承認するために2029年に招集されるナティクシス株主総会の終了時までとなる。
したがって、モハメド・カララ氏は、2025年1月1日現在、フランス通貨金融法典第L.511-13条および第L.532-2条での意味におけるナティクシスの業務執行取締役に該当する。
最高経営責任者は、その権力の一部を、同人が選んだ代表者へ委任することができ、当該代表者は、他の者にこれを代行させる権利を有する場合と有しない場合がある。この事実に関して、ナティクシスは、権限および署名権限の委任を任命し監視する包括的システムを有しており、これには上級経営委員会の構成員への上級経営陣の権限の委任が含まれる。さらに、各事業分野および支援部門は、上級経営陣が定めた方針に沿って、自身の署名権限規則の定義および定期的な更新を行う。
最高経営責任者の提案により、取締役会は取締役の中からまたは別の方法で選出された1名から5名の自然人を、最高経営責任者を補佐する最高経営責任者代理の肩書で指名することができる。
フィリップ・セトボン氏は、2024年11月6日、取締役会により最高経営責任者代理に指名された。その任期は2025年1月1日から4年間であり、2028年12月31日に終了する事業年度の財務諸表を承認するために2029年に招集されるナティクシス株主総会の終了時までとなる。
したがって、フィリップ・セトボン氏は、2025年1月1日現在、フランス通貨金融法典第L.511-13条および第L.532-2条での意味におけるナティクシスの業務執行取締役に該当する。
取締役会は、最高経営責任者と合意の上、最高経営責任者代理に付与される権限の範囲およびその期間を決定する。最高経営責任者代理は、第三者に対しては、最高経営責任者と同一の権限が付与される。
有罪判決の不存在に関する開示
ナティクシスの最高経営責任者および最高経営責任者代理は、少なくとも過去5年間に、直接または間接的に、詐欺の有罪判決を受けたことはなく、破産、清算、財産管理または会社の破産を申立てられたことも、当局により有罪判決および/または処罰を受けたこともなく、発行会社の管理機関、経営機関もしくは監督機関の構成員として行為することまたは発行会社の事業の管理もしくは運営において行為することについて不適格となったこともない。
利益相反
最高経営責任者のナティクシスに対する職務と、同人の私的利益および/または第三者に対するその他の職務の間に、潜在的な利益相反は存在しない。
また、最高経営責任者をナティクシスに拘束する業務契約であって、かかる契約の条件に従って利益を供することができ、同人の独立性について疑義を生じさせたり、同人の意思決定に干渉したりする可能性のあるものは存在しない。
最高経営責任者代理については、同人のNatixis Investment Managersの最高経営責任者としての地位から生じる可能性のある潜在的な利益相反を管理し、ナティクシスの最高経営責任者代理としての同人の責任が独立して、かつ客観的に遂行されることを確保するための措置が講じられている。
③ 業務執行取締役
フランス財政金融法第L.511-13条および第L.532-2条に従い、2025年2月4日現在、ナティクシスは、3名の業務執行取締役(最高経営責任者であるモハメド・カララ氏(注1)、最高経営責任者代理であるフィリップ・セトボン氏(注2)および最高リスク管理責任者であるラジャ・メグハー氏(注3))を擁している。
(注1) モハメド・カララ氏は、2024年11月6日、取締役会によりナティクシスの最高経営責任者に指名され、その任期は2025年1月1日に開始した。
(注2) フィリップ・セトボン氏は、2024年11月6日、取締役会によりナティクシスの最高経営責任者代理に指名され、その任期は2025年1月1日に開始した。
(注3) ラジャ・メグハー氏は、2023年11月8日の取締役会会議において、ナティクシスの業務執行取締役に指名された。
業務執行取締役として、モハメド・カララ氏、フィリップ・セトボン氏およびラジャ・メグハー氏は、監督当局、特にフランスのプルーデンシャル監督庁(ACPR)および欧州中央銀行(ECB)に対して、以下の業務に関する保証を行い、また、その全責任を負う。
・ 当行の業務に関する効率的な決定
・ 会計および財務に関する情報
・ 内部統制
・ 資金需要の決定
かかる状況において、業務執行取締役は、ナティクシスのあらゆる部門、部署、被支配事業体または子会社から、すべての有益な情報を要求しそれを受領する権限を有する。
業務執行役員が不在の場合、その他の業務執行取締役は、指名委員会による推薦に基づいて、取締役会が新たな最高経営責任者を指名するまで事業継続性を確保する。
④ 上級経営委員会の業務
ナティクシスが取締役会を有する株式会社へ転換したことに伴い、当行の主要な決定の検討および認可ならびに当行の経営の舵取りを行うために、2009年5月初旬に上級経営委員会が設置された。例外がなければ、上級経営委員会は、最高経営責任者が議長を務め、毎週開催される。
状況が許す限り、上級経営委員会の構成員は2025年中のすべての会合に出席した。事業分野または様々な支援部門の代表者が、その部門に付与された権限の範囲内に当たる計画または方針を上級経営委員会に上程するために、会合に招かれた。
2025年は、「スケールアップ」戦略計画の実施に注力した年となった。当該計画は、当行グループの戦略計画であるVISION 2030に完全に沿っている。当該計画は、2030年までにより持続可能な経済モデルを提供する主要なグローバル金融プレーヤーになるという、ナティクシスの両事業分野の共通ビジョンを定めている。各事業分野、すなわちコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングならびに資産運用およびウェルス・マネジメントのそれぞれについて具体的な目標が設定され、2026年の目標に反映されている。
2025年には、上級経営委員会が、当年度中にナティクシスが実施したすべての戦略的業務についての分析および承認を、当行の取締役会への提出前に行った。上級経営委員会は、特に、外部成長の機会を調査し、様々なプロジェクトまたは構想の監督を行った。
CIBに関しては、日本で銀行免許を取得したことや、インドのギフトシティでの支店開設が承認されたことにより、アジアにおけるプレゼンスを拡大し、このことが顧客支援体制の強化につながった。ナティクシスは、直接貸付ファンドである「ユニバース」を立ち上げ、その当初の資本金は625百万ユーロであった。2025年1月にFinancière de Courcellesの持分を取得したことも、Banques PopulairesおよびCaisses d'Epargneのネットワークとのシナジー効果をもたらし、フランスのM&A市場における地位の向上に寄与した。
資産運用およびウェルス・マネジメント事業分野では、当事業年度は、「スケールアップ」計画の一環として数多くの戦略計画が遂行された年となった。これに関連して、当年度中に複数の組織改編が実施された。MirovaとThematics AMの合併が完了したことにより、2026年1月1日付で、主要なテーマ型株式ファンドの募集が開始された。Natixis Wealth Managementが、Dorval AMの買収により運用能力を強化した一方で、Gatewayは、Belmont Capitalの米国事業を統合することでマネージド・アカウントの提供体制を拡充した。さらに、Vauban Infrastructure Partnersの事業展開は、経営陣とともに戦略的少数株主が参画したことによって後押しされた。Natixis Investment Managersはまた、Edward Jonesとの戦略的パートナーシップを通じて、米国のウェルス・マネジメントにおける地位を固めた。当事業年度は、商業活動の勢いが堅調であり、純流入額は2年連続で過去最高水準を記録した。
上級経営委員会は、当年度を通してその会合において当行の事業の進展および業績を定期的に精査した。同委員会は、年次財務諸表、半期財務諸表および四半期財務諸表について、取締役会への提出前に検討を行った。また、特に低炭素化への道筋の検証、戦略指標の定期的な監視および各事業分野による取組みを通じて、ESR戦略の実施を監督した。
さらに、上級経営委員会は、銀行部門における経済環境および規制環境の変動に対するナティクシスの適応を監督した。特に、同委員会は、規制上の変更および取組みを定期的に監視した。同委員会はまた、事業成長の支援を目的としたIT投資を加速させるための戦略を監督し、人工知能のユースケースの導入および成果を監視した。
関連する事業分野および支援部門との詳細な議論の後、上級経営委員会は、主要な経営上の決定(予算および資本軌道の策定、ならびにリスク選好枠組の検討を含む。)の承認を行った。また、内部ストレス・テストおよびICAAPの結果についても検討を行った。さらに、同委員会は、義務的な年次交渉および報酬見直し方針を統制する諸条件、上級経営者の指名ならびにすべての重要な計画または投資/売却についての承認も行った。
さらに、上級経営委員会は、ナティクシス内の経営、リスク管理およびコンプライアンスの手段を監視し、当行のリスクにおける変化および監査の影響について定期的に検討した。また、同委員会は、行動規範の遵守にも注意を払った。
(2) 執行役に対する報酬方針
本項には、以下の事項を記載する。
・ (ⅰ)非業務執行役員(すなわち取締役および取締役会会長)ならびに(ⅱ)執行役員(すなわち最高経営責任者)に対する報酬方針の原則
・ (ⅰ)取締役会会長および(ⅱ)最高経営責任者に対して前事業年度に関して支払われたまたは割り当てられた報酬の構成要素
報酬委員会の構成ならびに役割および権限に関する情報は、上記「(1) コーポレート・ガバナンスの管理および監督」に表示される。(「(1) コーポレート・ガバナンスの管理および監督-(b) 特別委員会:取締役会の派生-④ 報酬委員会」を参照のこと。)
(a) 執行役に対する報酬方針
ナティクシスの報酬方針は、当行の戦略を実施し、それを継続する上で重要な要素である。取締役会は、当該方針が社会的利益に適うものであることを保証している。取締役会は、報酬の各構成要素と付与される手当のバランスを確保しており、当該報酬および手当は、遂行された職務に見合うものであり、過度なリスク負担を抑制しつつ、従業員の長期にわたるコミットメントを促進し、かつ、当行の魅力を高めるような構造になっている。
当該方針には、各事業および各従業員の個別および全体の業績が反映され、財務および定性的な実績基準(特に環境的および社会的責任(CSR)に関する基準を含む。)が組み入れられている。また、当該方針は、従業員と顧客との間の利益相反を生じさせないようにし、ナティクシスの行動規範に反映されているとおり、ナティクシスの文化および善良な行動規範に沿った行動を促進することにより、時間をかけてナティクシスの様々な利害関係者の利益を調整している。報酬方針には、職場における平等および無差別に関するナティクシスの基本的な目標も組み込まれている。
報酬方針の決定・修正プロセスの独立性および妥当性を保証するため、報酬委員会(当該委員会の役割は「(1) コーポレート・ガバナンスの管理および監督-(b) 特別委員会:取締役会の派生-④ 報酬委員会」に詳述される。)は、報酬方針の原則について年次の見直しを行い、取締役会への提案を行っている。同時に、報酬委員会は、適用ある法律および取締役会の内部規則に定める利益相反の管理に関する規則を確実に遵守している。
ナティクシスの報酬方針は、例えば、CRD、SRABおよびボルカー・ルール、AIFMD、UCITS、IFD、金融商品市場指令ならびにIDD等、ナティクシスが事業を行う国および事業部門に特有の規制枠組を厳密に遵守している。
業務執行役員の報酬は、すべての従業員に適用されるナティクシスの報酬方針の枠組内に含まれており、特に、ナティクシスのリスク特性に重大な影響を与える専門的な業務に従事する従業員の区分については、株主総会の前に毎年公表される報酬方針および実務に関する年次報告書に記載される。
報酬委員会との協議の後、取締役会がナティクシスの業務執行役員の報酬の構成要素を決定する上で根拠となる2つの主要原則は、以下のとおりである。
・ 類似の項目に関する市場慣行との比較に基づき測定される様々な構成要素の競争力
・ 業績との関連性
競争力 市場慣行との比較 + 業績 個別および全体の 財務基準および非財務基準
取締役会は、この方針の主要原則と整合したアプローチを維持しつつ、例外的な状況においては、報酬方針の特定の規定を変更することができる。
ガバナンスに変更があった場合または新たな執行役が選任された場合、取締役会は、報酬方針の中核となる原則の遵守を監視し、利害関係者の特性によっては当該方針からの逸脱を決定することができる。
**
**
(b) 非業務執行役員
ナティクシスの取締役会の構成員は、以下に規定される条件に従い、報酬を受領する。
取締役会の構成員に割り当てられる報酬の年間予算総額の上限は、2025事業年度については780,000ユーロに設定された。
取締役会の構成員の報酬は、13名の取締役(取締役会会長およびBPCEは報酬を放棄した。)および1名の監査人という構成を基準に、以下の規定に従って割り当てられる。
| 管理機関 | 金額 | |
| 固定部分(任期に応じ比例配分) | 変動部分 | |
| 取締役会 | ||
| 会長 | N/A | N/A |
| 構成員 | 8,000ユーロ | 会議1回につき2,000ユーロ (10回を上限とする。) |
| 監査委員会 | ||
| 議長 | 17,000ユーロ | 会議1回につき2,000ユーロ (7回を上限とする。) |
| 委員 | 3,000ユーロ | 会議1回につき1,000ユーロ (7回を上限とする。) |
| リスク委員会 | ||
| 議長 | 17,000ユーロ | 会議1回につき2,000ユーロ (8回を上限とする。) |
| 委員 | 3,000ユーロ | 会議1回につき1,000ユーロ (8回を上限とする。) |
| 米国リスク委員会 | ||
| 議長 | 17,000ユーロ | 会議1回につき2,000ユーロ (6回を上限とする。) |
| 委員 | 3,000ユーロ | 会議1回につき1,000ユーロ (6回を上限とする。) |
| 指名委員会 | ||
| 議長 | 15,000ユーロ | 会議1回につき2,000ユーロ (6回を上限とする。) |
| 委員 | 2,000ユーロ | 会議1回につき1,000ユーロ (6回を上限とする。) |
| 報酬委員会 | ||
| 議長 | 15,000ユーロ | 会議1回につき2,000ユーロ (5回を上限とする。) |
| 委員 | 2,000ユーロ | 会議1回につき1,000ユーロ (5回を上限とする。) |
| ESR委員会 | ||
| 議長 | 12,000ユーロ | 会議1回につき2,000ユーロ (3回を上限とする。) |
| 委員 | 2,000ユーロ | 会議1回につき1,000ユーロ (3回を上限とする。) |
| 戦略委員会 | ||
| 議長 | N/A | 会議1回につき12,000ユーロ (2回を上限とする。) |
| 委員 | N/A | 会議1回につき2,000ユーロ (2回を上限とする。) |
取締役会の構成員は、取締役会会議への参加に関して、年間8,000ユーロの固定部分および会議1回につき2,000ユーロの変動部分(出席回数に応じたものであり、報酬が支払われる会議の回数は年間10回を上限とする。)を受領する。したがって、取締役会会議について支払われる報酬の最大額は、いずれの取締役についても28,000ユーロを超えてはならない。
特定の事業年度中に取締役会の構成に変更があった場合、この金額は、就任する取締役と退任する取締役との間で分割される。
さらに、該当する場合には、上表に示すとおり、取締役会の様々な特別委員会への参加に関しても報酬を受領する。
例えば、監査委員会、リスク委員会および米国リスク委員会の委員(議長ではなく)も務める取締役は、取締役会およびこれらの委員会のすべての会議につき100%出席した場合、年間58,000ユーロを受領する。
特別委員会の議長には、その仕事量および責任を考慮し、委員よりも高額の報酬が支払われる。
取締役会会長およびBPCEが、その取締役としての職務に関して支払われるべき報酬を放棄したことを考慮し、(必要な場合には)この方針が取締役会会長およびBPCEに適用されないことが規定されている。
取締役の固定報酬および変動報酬の分配方法は、2026年2月2日に開催された2026事業年度の取締役会会議により承認されたが、取締役会の構成に変更があった場合または仕事量もしくは責任の増加を考慮した変更があった場合には、取締役会によって調整される可能性があることに留意されたい。
取締役会の構成員の任期は、取締役会の構成の要約表に詳述されることになっている。さらに、取締役会の構成員の選任および解任に関する条件については、フランス商法第L.225-18条に言及される。取締役はまた、理由を示さずに辞職することができる。死亡または辞職により取締役に欠員が生じた場合、取締役会は、2回の株主総会の間に臨時選任を行うことができる。取締役会が行う選任は、次の株主総会で承認されることを条件とする。最後に、いかなる取締役も、当行との雇用契約および/または役務契約に拘束されない。
(c) 取締役会会長
2022年12月1日、ナティクシスの取締役会は、2022年12月3日付で、ローラン・ミニョン氏の後任としてニコラ・ナミア氏を取締役会会長に指名した。
BPCEの業務執行役員会会長が行うナティクシスの取締役会会長の職務は、同人の責務の一部であるため、BPCEの業務執行役員会会長としての報酬の定義に含まれる。結果として、ナティクシスの取締役会会長はかかる職務に対する報酬を受領しないこととなった。
(d) 最高経営責任者
固定報酬
最高経営責任者の固定報酬は、その職務を遂行するために必要な能力および専門知識に基づき設定され、同等の役職に関する市場慣行に沿っている。
モハメド・カララ氏の最高経営責任者としての2025事業年度の年間固定報酬は、総額1,200,000ユーロであった。
年間変動報酬
最高経営責任者は、当行の業績と連動し、あらかじめ定められた目標の達成を条件とする変動報酬を受給する資格も有しており、その詳細および事業年度末現在における達成率は、報酬委員会との協議の後、取締役会によって評価される。当該目標は、(ⅰ)Groupe BPCEおよびナティクシス事業分野の財務実績に関する量的目標、ならびに(ⅱ)複数の側面を網羅する戦略目標(環境的および社会的責任(ESR)ならびに雇用主の責任および従業員のコミットメントに関する目標を含む。)という2種類の基準に基づいている。環境的および社会的責任(ESR)に関しては、2つの主要な事業(すなわち、資産運用およびウェルス・マネジメントならびにコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング)において、ESRに影響を与えるプレーヤーとしてのナティクシスの地位を強化することを目標としている。雇用主の責任および従業員の貢献に関しては、ダイバーシティ、ESGおよびAIスキルマネジメントならびに従業員の経験といったトピックが目標に含まれている。
最高経営責任者の年間変動報酬の支払条件は、適用ある規制、特に2019年5月20日付欧州指令CRD5に規定される報酬の監督に関する規制上の要件を遵守する。特に、付与された変動報酬の一部の支払いは、複数年にわたり繰り延べられ、条件付であり、勤続要件および業績基準を満たすことを条件とする。
付与された変動報酬の繰延部分は、付与された変動報酬の少なくとも40%を占めており、年間変動報酬の50%は、Groupe BPCEの基礎となる純利益(グループ持分)の3年間の平均変動率に連動する(2025年まで)。
繰り返し述べるが、最高経営責任者は、変動報酬の繰延部分の権利確定期間および制限期間の両方において、ヘッジまたは保険戦略手段の使用を禁止されている。
■ 2025年変動報酬決定規則
モハメド・カララ氏の最高経営責任者としての2025年の年間変動報酬目標は、同氏の固定報酬の100%に相当する総額1,200,000ユーロである。
2025事業年度の目標は以下のとおり設定された。
<> <img width={287} height={265} id="図 1" src="/images/S100Y6UK/0105010_natixis_2605y_image001.jpg" /> </>
取締役会により設定された2025事業年度の年間変動報酬の決定基準は、以下のとおりであった。
| 変動幅は目標の0%から155.5%(すなわち、最大で固定報酬の200%)であった。 | ||
| 量的基準 Groupe BPCEの財務実績* | 10% | 1.67%のGroupe BPCEのNBI 3.33%のGroupe BPCEの費用収益比率 5.00%のGroupe BPCEの純利益(グループ持分) |
| 量的基準 ナティクシスの財務実績* | 25% | 6.25%のナティクシスのNBI 6.25%のナティクシスの純利益(グループ持分) 6.25%のナティクシスの費用収益比率 6.25%のナティクシスのROE |
| 量的基準 CIBの財務実績* | 25% | 6.25%のCIBのNBI 6.25%のCIBのRBE 6.25%のCIBのREX 6.25%のCIBのEVA |
| 戦略的基準 | 40% | 12.50%の当行グループの戦略の実施 10.00%のリスク統制に係る監視 10.00%の環境的および社会的責任 7.50%の従業員の貢献/雇用主の責任 |
* 基礎となるデータ
2026年2月2日の取締役会会議において、2025年に定められた基準に関して最高経営責任者の業績の水準を評価し、報酬委員会の意見を受けた後に、最高経営責任者に対して、以下のとおり付与することが決定された。
・ Groupe BPCEの量的基準に関して:年間報酬目標の150.00%
・ ナティクシスの量的基準に関して:年間報酬目標の113.27%
・ CIBの量的基準に関して:年間報酬目標の144.30%
・ 戦略的基準に関して:年間報酬目標の120.00%
また、VISION 2030戦略計画の2026年の中間目標をすべて予定より1年前倒しで達成した功績を称え、最高経営責任者であるモハメド・カララ氏に300,000ユーロの特別賞与を付与することが決定された。
したがって、2025年の最高経営責任者の変動報酬は、1,828,687ユーロとなり、全体的な支給率は152.39%である。
2025年の最高経営責任者の変動報酬の40%は、2026年に確定する(そのうち50%は2026年3月に、残りの50%は2027年3月に支払われる。)。残りの60%は5年(2027年から2031年まで)かけて取得される。また、最高経営責任者の変動報酬の50%は現金で支払われ、残りの50%は指数連動現金で支払われる。この指数は、半分がGroupe BPCEの基礎となる純利益(グループ持分)の3年間のローリング平均に基づき、残りの半分がBPCEの基礎となる純利益(グループ持分)の3年間のローリング平均に基づいて決定される。繰り延べられた金額は、勤続要件および業績条件に基づき支払われる。
■ 最高経営責任者であるモハメド・カララ氏の2025事業年度の年間変動報酬の権利確定日別の内訳
<> <img width={336} height={268} id="図 2" src="/images/S100Y6UK/0105010_natixis_2605y_image002.jpg" /> </>
■ 最高経営責任者の職務に関して付与される2025事業年度の報酬総額の内訳
<> <img width={495} height={216} id="図 3" src="/images/S100Y6UK/0105010_natixis_2605y_image003.jpg" /> </>
さらに、2026年2月2日に開催されたナティクシスの取締役会会議において、最高経営責任者であるモハメド・カララ氏の2026年の年間変動報酬目標を、同氏の固定報酬の100%に相当する総額1,200,000ユーロに設定すると規定された。
諸手当
最高経営責任者は、ナティクシスの従業員に適用されるものと同一条件の社会的保護手当も受領する。
退職後給付
年金制度
ナティクシスのすべての従業員と同様、最高経営責任者は、強制加入年金制度による給付を受けている。
ナティクシスの最高経営責任者であるモハメド・カララ氏は、2025年1月1日から2025年12月31日までの期間、Natixis S.A.の非分類役員向け年金制度に基づき、以下の給付を受けた。
・フランスの社会保障制度
・AGIRC-ARRCO補完年金制度(第一区分の拠出率:13.53%、第二区分の拠出率:21.59%、PASSの4倍を上限とする第二区分の拠出率:3.86%)
退職金
最高経営責任者は、契約終了手当を受給する資格を有しており、当該手当は、以下に定める原則および条件に従って付与される。
補償金の額は、「標準報酬月額 ×(12ヶ月 + 勤続年数ごとに1ヶ月)」に等しく、標準報酬月額は、(ⅰ)勤務の最終暦年に関して支払われた固定報酬および(ⅱ)その職務に基づき、勤務の最終3暦年に関して付与された変動報酬の平均値を合計した額の12分の1に相当する。
最高経営責任者は、重大な過失もしくは故意による不正行為が発生した場合、自らの意思で当行を離れ他の職務に就く場合もしくはGroupe BPCE内の他の職務へ異動する場合、または退職に係る権利を行使する場合には、契約終了手当を受領しない。
さらに、フランス私企業協会(AFEP)/フランス企業連盟(Medef)コーポレート・ガバナンス・コードの規定に沿って、手当を享受する権利は、取締役会により適宜検証される業績基準および条件を満たすことを条件としている。2021年2月11日、ナティクシスの取締役会は、これらの基準および条件について、以下のとおり更新を行った。
・ 事業年度通期において実施された予算の策定・監視プロセスを反映させるため、目標の達成状況に係る評価を過去2事業年度に関して実施する。
・ 予算目標の達成状況を評価するための純利益(グループ持分)およびROEについては、基礎となるデータを用いる。
これに基づき、業績基準および条件は以下のとおり評価される。
1)退任前の2事業年度における基礎となる純利益(グループ持分)の平均が、同期間の平均予算見通しの75%以上であること
2)退任前の2事業年度における基礎となるROEの平均が、同期間の平均予算見通しの75%以上であること
3)退任前に終了した半期における費用収益比率が75%未満であること
各業績基準の達成度については、ナティクシスが50%、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングが50%の割合で算定される。
支払額は、達成された業績基準の数に基づいて決定される。
・ 3つの基準がすべて達成された場合、合意された支払額の100%
・ 2つの基準が達成された場合、合意された支払額の66%
・ 1つの基準が達成された場合、合意された支払額の33%
・ いずれの基準も達成されなかった場合、支払いは行われない。
繰り返し述べるが、最高経営責任者が受領する契約終了手当の額、また(保証される場合)競業避止補償と合算した額は、標準報酬月額の24ヶ月分を超えてはならない。
競業避止補償
競業避止契約は6ヶ月の期間に限定され、最高経営責任者の離職日に効力を有する、固定報酬の6ヶ月分に相当する補償を提供する。
2021年2月11日、取締役会は以下のとおり決定し、これらの事項は2021年5月28日の株主総会において承認された。
・ 業務執行取締役が年金受給権を行使する場合、競業避止補償は支払われない。
・ いかなる場合であっても、65歳を超える人物に競業避止補償を支払うことはできない。
また、競業避止補償は、任期中に分割して支払われなければならないと規定されている。
最高経営責任者が受領する競業避止補償の額、また場合によっては契約終了手当と合算した額の上限は、標準報酬月額の24ヶ月分(固定および変動報酬の両方)である。
取締役会は、最高経営責任者が退任した際に競業避止条項を行使するか否かを決定しなければならない。
2024年11月6日、取締役会は、2025年1月1日付で新たな最高経営責任者となったモハメド・カララ氏に対する同一の競業避止給付の原則を更新した。
また、最高経営責任者の選任および解任に関する条件は、フランス商法第L.225-51-1条および第L.225-55条に規定される。
(e) 最高経営責任者代理
2025年1月1日付で実施されるナティクシスの新しいガバナンス体制の実施の一環として、2024年11月6日に行われたナティクシスの取締役会において、フィリップ・セトボン氏も最高経営責任者代理に指名された。
フィリップ・セトボン氏は、この役職に係る報酬を受け取らないことが規定されている。
(f) フランス金融市場庁の勧告に従った規格表
■ 表1(フランス金融市場庁)
各業務執行役員に付与された報酬、ストック・オプションおよび株式の概要
| 2025事業年度 | 2024事業年度 | |||
| ニコラ・ナミア、取締役会会長 | ||||
| 事業年度において支払われるべきまたは付与された報酬 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ |
| 事業年度において付与されたオプションの価格 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ |
| 事業年度において付与されたパフォーマンス・シェアの価格 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ |
| 合計 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ |
| ニコラ・ナミアのナティクシスの最高経営責任者としての職務に係るその他の報酬 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ |
| ニコラ・ナミアのBPCEにおける職務に係るその他の報酬 | 2,870,184 | ユーロ | 2,663,632 | ユーロ |
| モハメド・カララ、最高経営責任者 | ||||
| 事業年度において支払われるべきまたは付与された報酬 | 3,028,687 | ユーロ | NA | |
| 事業年度において付与されたオプションの価格 | 0 | ユーロ | NA | |
| 事業年度において付与されたパフォーマンス・シェアの価格 | 0 | ユーロ | NA | |
| 合計 | 3,028,687 | ユーロ | NA | |
| モハメド・カララのBPCEにおける職務に係るその他の報酬 | 0 | ユーロ | NA | |
| ステファニー・ペ、最高経営責任者 | ||||
| 事業年度において支払われるべきまたは付与された報酬 | NA | 1,887,785 | ユーロ | |
| 事業年度において付与されたオプションの価格 | NA | 0 | ユーロ | |
| 事業年度において付与されたパフォーマンス・シェアの価格 | NA | 0 | ユーロ | |
| 合計 | NA | 1,887,785 | ユーロ | |
| ステファニー・ペのBPCEにおける職務に係るその他の報酬 | NA | 0 | ユーロ | |
■ 表2(フランス金融市場庁)
各業務執行役員に付与された報酬の概要
以下の表において、
・ 「支払われるべきまたは付与された金額」とは、支払日にかかわらず、年間を通じた執行役の職務に関して割り当てられる報酬および手当をいう。
・ 「支払われた金額」とは、付与日にかかわらず、年間を通じた執行役の職務に関して実際に支払われた報酬および手当をいう。
| 2025事業年度 | 2024事業年度 | |||||||||||
| 支払われるべき または付与された 金額 | 支払われた 金額 | 支払われるべき または付与された 金額 | 支払われた 金額 | |||||||||
| ニコラ・ナミア、 取締役会会長 | ||||||||||||
| 執行役業務に対する固定報酬 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | ||||
| 年間変動報酬 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | ||||
| 特別報酬 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | ||||
| 役員報酬 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | ||||
| 現物給付 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | ||||
| 合計 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | ||||
| ニコラ・ナミアのナティクシスの最高経営責任者としての職務に係るその他の報酬(a) | 0 | ユーロ | 381,020 | ユーロ | 0 | ユーロ | 458,587 | ユーロ | ||||
| ニコラ・ナミアのBPCEにおける職務に係るその他の報酬 | 2,870,184 | ユーロ | 1,881,716 | ユーロ | 2,663,632 | ユーロ | 1,750,580 | ユーロ | ||||
| モハメド・カララ、 最高経営責任者 | ||||||||||||
| 執行役業務に対する固定報酬 | 1,200,000 | ユーロ | 1,200,000 | ユーロ | NA | NA | ||||||
| 年間変動報酬 | 1,828,687 | ユーロ | 844,077 | ユーロ | NA | NA | ||||||
| 特別報酬 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | NA | NA | ||||||
| 役員報酬 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | NA | NA | ||||||
| 現物給付 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | NA | NA | ||||||
| 合計 | 3,028,687 | ユーロ | 2,044,077 | ユーロ | NA | NA | ||||||
| モハメド・カララのBPCEにおける職務に係るその他の報酬 | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | NA | NA | ||||||
| ステファニー・ペ、 最高経営責任者 | ||||||||||||
| 執行役業務に対する固定報酬 | NA | NA | 800,000 | ユーロ | 800,000 | ユーロ | ||||||
| 年間変動報酬 | NA | NA | 1,087,785 | ユーロ | 441,281 | ユーロ | ||||||
| 特別報酬 | NA | NA | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | ||||||
| 役員報酬 | NA | NA | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | ||||||
| 現物給付 | NA | NA | 0 | ユーロ | 0 | ユーロ | ||||||
| 合計 | NA | NA | 1,887,785 | ユーロ | 1,241,281 | ユーロ | ||||||
| ステファニー・ペのBPCEにおける職務に係るその他の報酬(b) | NA | NA | 0 | ユーロ | 145,945 | ユーロ | ||||||
(a) この金額には、過年度に係る繰延変動報酬に関連する支払いおよびナティクシスの最高経営責任者としての職務に関して付与された報酬が含まれる。
(b) この金額には、過年度に係る繰延変動報酬の支払いおよび証券の交付が含まれ、ステファニー・ペ氏のその他の職務に関して付与される。
下表は、従来の繰延変動報酬計画に基づき、2025年に各業務執行役員に支払われた変動報酬を満期日別に示している。
付与された金額と実際に支払われた金額との差額は、対応する計画の指数条件に連動している。
| 2022年計画の 現金指数 | 2023年計画の 現金指数 | 2024年計画の 現金指数 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|
| ニコラ・ナミア | ||||
| 2025年に支払われた金額 | 220,979ユーロ | 160,041ユーロ | 381,020ユーロ | |
| 付与価格(当初価格) | 208,000ユーロ | 159,945ユーロ | 367,945ユーロ | |
| モハメド・カララ | ||||
| 2025年に支払われた金額 | 184,985ユーロ | 156,094ユーロ | 172,998ユーロ | 514,077ユーロ |
| 付与価格(当初価格) | 174,120ユーロ | 156,000ユーロ | 185,640ユーロ | 515,760ユーロ |
■ 表3A(フランス金融市場庁)
ナティクシスの非業務執行役員が受領した報酬
2023年5月23日の株主総会で承認された原則に従い、非業務執行役員は、下表に記載される報酬を受領した。
1)ナティクシスにより支払われた報酬
| 2025事業年度 | 2024事業年度 | |||||
| 取締役 | 取締役会 | 委員会 | 取締役会 | 委員会 | ||
| (単位:ユーロ) | 金額(a) | うち 変動報酬 | 金額(a) | うち 変動報酬 | 割当総額(a) | 割当総額(a) |
| BPCE(b)(代表:エレーヌ・マダール(2024年6月12日から)) | N/A | N/A | N/A | N/A | ||
| ニコラ・ナミア(b) | N/A | N/A | N/A | N/A | ||
| カトリーヌ・アミン・ガルド (2025年8月4日まで任期) | 18,734 | 14,000 | 9,959 | 7,000 | 11,344 | 9,090 |
| リオネル・ボー | 22,000 | 14,000 | 7,000 | 5,000 | 11,344 | 3,836 |
| ドミニク・デュバン | 26,000 | 18,000 | 7,000 | 5,000 | 24,000 | 9,000 |
| シルヴィ・ギャルスロン | 26,000 | 18,000 | 15,000 | 10,000 | 24,000 | 18,000 |
| ドミニク・ガルニエ | 26,000 | 18,000 | 23,000 | 15,000 | 24,000 | 29,000 |
| エドゥアール・マロ・アンリ (2025年5月21日から任期) | 12,909 | 8,000 | 19,660 | 8,000 | N/A | N/A |
| フィリップ・ウルダン (2024年6月13日まで任期) | 11,607 | 7,902 | ||||
| アンヌ・ラルー | 26,000 | 18,000 | 40,000 | 24,000 | 22,000 | 56,000 |
| カトリーヌ・ルブラン (2025年5月21日まで任期) | 11,090 | 8,000 | 2,773 | 2,000 | 24,000 | 10,000 |
| デルフィーヌ・メゾヌーブ | 20,000 | 12,000 | 29,000 | 11,000 | 22,000 | 40,000 |
| カトリーヌ・パリゼ | 24,000 | 16,000 | 54,000 | 29,000 | 24,000 | 56,000 |
| クリストフ・ピノー | 26,000 | 18,000 | 23,000 | 15,000 | 22,000 | 28,000 |
| カリン・ピュジェ (2025年5月21日から任期) | 12,909 | 8,000 | 4,227 | 2,000 | N/A | N/A |
| ローラン・ルーバン | 26,000 | 18,000 | 24,000 | 16,000 | 24,000 | 29,000 |
| ヴァレリー・サヴァーニ (2024年6月13日まで任期) | 9,607 | 12,254 | ||||
| ローラン・セイヤー | 26,000 | 18,000 | 68,000 | 31,000 | 24,000 | 77,000 |
| ニコラス・ドゥ・ タヴェルノ (2025年5月21日まで任期) | 13,090 | 10,000 | 11,567 | 5,000 | 24,000 | 33,000 |
(a) 30%または(フランスに居住していない取締役については)12.8%の源泉徴収税を控除する前の金額。
(b) 取締役会会長は、同人の取締役としての職務に関して支払われるべき報酬を受領する権利を放棄した。BPCEは、2023事業年度付で、取締役としての職務に関して支払われるべき報酬を受領する権利を放棄している。
2)ナティクシスの連結範囲に含まれる企業により支払われた報酬
| 取締役 | 2025事業年度 | 2024事業年度 | ||
| (単位:ユーロ) | 割当総額 | 支払総額 | 割当総額 | 支払総額 |
| BPCE | 6,300 | 6,300 | 9,300 | 9,300 |
■ 表4(フランス金融市場庁)
当期中に、発行会社およびグループ会社が各業務執行役員に対して付与した新株予約権
またはコール・オプション
2025事業年度に付与された新株予約権またはコール・オプションはない。
■ 表5(フランス金融市場庁)
当期中に、各業務執行役員によって行使された新株予約権またはコール・オプション
2025事業年度に行使された新株予約権またはコール・オプションはない。
■ 表6(フランス金融市場庁)
2025事業年度において各業務執行役員に対して割り当てられた無償株式
2025事業年度に付与された株式はない。
■ 表7(フランス金融市場庁)
当事業年度中に、各業務執行役員に対して譲渡可能となった無償株式
当事業年度中に譲渡可能となった無償株式はない。
■ 表8(フランス金融市場庁)
当行グループ(ナティクシス、BPCE、Caisses d'Epargne、Banques Populaires):
付与された新株予約権またはコール・オプションの記録
2009年以降、当行により付与された新株予約権またはコール・オプションはない。
■ 表9(フランス金融市場庁)
上位10名の非執行役従業員に対して付与された新株予約権またはコール・オプション
および行使されたオプション
2025事業年度にナティクシスの従業員により付与されたまたは行使された新株予約権またはコール・オプションはない。
■ 表10(フランス金融市場庁)
2025年において権利確定の過程にある、または権利確定した各業務執行役員に対する無償株式割当
2025事業年度において権利確定の過程にある、または権利確定した業務執行役員に対する無償株式はない。
■ 表11A(フランス金融市場庁)
業務執行役員の状況
| 2025事業年度 | 雇用契約 | 補完年金制度 | 任期満了もしくは 異動に伴い支払われるべきもしくは支払われるであろう 報酬または手当(a) | 競業避止条項に 係る報酬(a) | ||||
| 業務執行役員 | 有 | 無 | 有 | 無 | 有 | 無 | 有 | 無 |
| ニコラ・ナミア、取締役会会長 任期開始日:2022年12月3日 任期満了日:2027年5月開催の株主総会の終了時 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
| モハメド・カララ、最高経営責任者 任期開始日:2024年11月6日 任期満了日:2028年12月31日に終了する事業年度に係る財務書類を承認するために2029年に招集される株主総会の終了時 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
(a) 「(d) 最高経営責任者-退職金および競業避止補償」を参照のこと。
(2)【役員の状況】
(a) 取締役(本書提出日現在)
男性の数(監査人を除く):8名、女性の数:6名(女性の比率43%)
| 氏名 | 当行内での 主な役職 | 社外での 主な役職 | 略歴 |
|---|---|---|---|
| ニコラ・ナミア 生年月日:1976年3月25日 国籍:フランス | 取締役会会長 初就任:2022年12月1日開催の取締役会で取締役に選任、取締役会会長に就任(2022年12月3日付で有効) 任期満了日:2027年開催の株主総会 戦略委員会委員 初就任: 2022年12月1日開催の取締役会(2022年12月3日付で有効) | BPCE業務執行役員会会長 75013 パリ市プロムナード・ジェルメーヌ・サブロン7番地 | スタンフォード大学経営大学院(エグゼクティブプログラム)、ESSECおよびInstitut d'Études Politiques de Parisの学位を保有し、エリートÉcole Nationale d'Administration (ENA)の卒業生であるニコラ・ナミア氏は、2004年にフランス経済・財務省の財務省においてそのキャリアを開始した。同氏は初め、G8およびG20の国際的な財務会議の準備を任され、のちにフランス金融市場庁(AMF)の政府委員代理として任命された。2008年、同氏はGroupe BPCEの財務部門に入社し、商業銀行業務および保険業務の企画長となった。2012年、同氏は、経済、事業および国際経済関係の資金調達に関する首相のテクニカル・アドバイザーとして任命された。 ニコラ・ナミア氏は、2014年にナティクシスの戦略企画部長およびエグゼクティブ委員会の構成員としてGroupe BPCEに戻った。かかる立場において、同氏は、ナティクシスにより行われたすべての外部成長業務の調整を行った。2017年9月、同氏は、最高財務責任者および戦略企画部長ならびにナティクシスの上級経営委員会の構成員に任命された。 2018年6月、ニコラ・ナミア氏は財務部門、戦略部門および法務部門および監査役会秘書室を担当する、BPCEの業務執行役員会委員として任命された。2018年11月から2020年8月まで、同氏は、財務部門およびグループ戦略部門を担当するBPCEの業務執行役員会の役員を務めた。 2020年8月3日から2022年12月2日まで、ニコラ・ナミア氏は、ナティクシスの最高経営責任者およびBPCE業務執行役員会役員を務めた。 ニコラ・ナミア氏は、2022年12月3日付で、BPCE業務執行役員会会長およびナティクシス取締役会会長に任命された。 |
| BPCE ナティクシス株式持分: 3,961,806,414株 (2025年3月31日現在) | 取締役 常任代表者:エレーヌ・マダール氏 生年月日:1969年2月18日 国籍:フランス 初就任:2009年8月25日開催の取締役会で選任、2010年5月27日開催の株主総会で承認 任期満了日:2027年開催の株主総会 監査委員会委員 初就任:2017年12月21日開催の取締役会(2018年1月1日付で有効) 戦略委員会委員 初就任:2017年12月21日開催の取締役会(2018年1月1日付で有効) | BPCEの業務執行役員会役員(リテール・バンキングおよび保険担当) 75013 パリ市プロムナード・ジェルメーヌ・サブロン7番地 | University of Paris 1 Panthéon-Sorbonneで経済学の博士号を取得し、様々な銀行ネットワーク内でマーケティング職を歴任した後、エレーヌ・マダール氏は2014年にネットワークおよび事業開発の役員としてBanque Populaire du Nordに入社した。その後、同氏はBPCEのリテール・バンキングおよび保険部門のオファリング・ディレクターに就任した。2022年1月からは、Banque Populaire du Nordの最高経営責任者を務めている。 そして、2023年4月1日から、エレーヌ・マダール氏はリテール・バンキングおよび保険担当のBPCEの業務執行役員会役員である。 |
| リオネル・ボー 生年月日:1967年9月18日 国籍:フランスおよびスイス | 取締役 初就任:2024年8月1日開催の取締役会 任期満了日:2030年開催の株主総会 指名委員会委員 初就任:2024年8月1日開催の取締役会 戦略委員会委員 初就任:2024年8月1日開催の取締役会 | Banque Populaire Auvergne Rhône Alpesの取締役会会長 | マイクロメカニクスのBTSを卒業。リオネル・ボー氏は、1988年にBaud Industries Groupに入社し、Baud Groupの国際展開を担当する営業職を務める。2000年から、同氏はBaud Industries Groupの最高経営責任者およびその後の会長職を含むBaud Group内のいくつかの役職を歴任した。同氏はまた、同グループの海外子会社の取締役も務めている。2011年には、Natixis Investment Managers S.A.の取締役会およびBanque Populaire des Alpesの取締役に任命された。同氏はまた、Banque Palatineの取締役会の取締役でもある。 Groupe BPCE内では、同氏は2018年からBanque Populaire Auvergne Rhône Alpesの取締役会会長を務めている。 |
| ドミニク・デュバン 生年月日:1958年3月10日 国籍:フランス | 取締役 初就任:2020年2月6日開催の取締役会で選任、2020年5月20日開催の株主総会で承認 任期満了日:2030年開催の株主総会 戦略委員会委員 初就任:2020年12月17日開催の取締役会(2021年1月1日付で有効) ESR委員会委員 初就任:2020年12月17日開催の取締役会(2021年1月1日付で有効) | Caisse d'Epargne et de Prévoyance Grand Est Europeの運営および監査役会の会長 ナンシー、54000、ラクスー通り53番地 | École Nationale des Travaux Publics de l’Étatを卒業し、コーポレート・アドミニストレーションの大学院の学位を有するドミニク・デュバン氏は、departmental infrastructure directorateにおいてエンジニアとしてキャリアを開始し、その後ムルトエモーゼル県のジェネラルカウンセルに所属、1989年に都市計画の半官半民企業であるSoloremに入社した。1991年、同氏は新規建築工事マネージャーとしてBatigère Groupeに加わった。賃貸管理担当として5年間務めた後、1997年、同氏はBatigère Nancyの取締役となった。2001年、同氏は業務執行役員会役員に任命され、2002年から2014年までBatigèreの業務執行役員会会長を務めた。2014年6月から2018年6月まで、同氏はBatigèreの監査役会会長を務めた。 2016年、同氏はSociété Locale d'Épargne Meurthe-et-Moselleの取締役に任命された。 2018年から2021年9月まで、同氏はBanque BCP Luxembourgの監査役会の役員を務めた。 ドミニク・デュバン氏は、2018年5月28日より、Caisse d’Epargne et de Prévoyance Grand Est Europeの運営および監査役会の会長を務めている。 |
| シルヴィ・ギャルスロン 生年月日:1965年4月14日 国籍:フランス | 取締役 初就任:2016年2月10日開催の取締役会で選任、2016年5月24日開催の株主総会で承認 任期満了日:2028年開催の株主総会 監査委員会委員 初就任:2016年2月10日開催の取締役会 戦略委員会委員 初就任:2016年2月10日開催の取締役会 ESR委員会委員 初就任:2020年12月17日開催の取締役会(2021年1月1日付で有効) | Banque Populaire Aquitaine Centre Atlantiqueの最高経営責任者 ボルドー・セデックス、33072、ケリー通り10番地 | SKEMAビジネススクールの卒業生であるシルヴィ・ギャルスロン氏は、1987年にBanques Populairesグループの一般的調査部門に入社した。同氏は、1994年にSBEの事務総長になり、その後2000年にBREDの財務部門に入社した。2003年に同氏はNatexisに入社し、最初は第三者資産運用部門の役職に就き、その後情報システムおよびロジスティクス部門に入った。2006年に同氏はM.A.銀行の最高経営責任者に選任され、2010年には業務執行役員会会長に選任された。2013年4月、同氏は最高経営責任者代理としてCASDENに入社し、その後2015年5月に最高経営責任者に任命された。 2021年4月1日から、シルヴィ・ギャルスロン氏は、Banque Populaire Aquitaine Centre Atlantiqueの最高経営責任者を務めている。 |
| ドミニク・ガルニエ 生年月日:1961年6月20日 国籍:フランス | 取締役 初就任:2021年5月28日開催の取締役会で選任(2021年5月29日付で有効) 任期満了日:2028年開催の株主総会 報酬委員会委員 初就任:2021年5月28日開催の取締役会(2021年5月29日付で有効) 戦略委員会委員 初就任:2021年5月28日開催の取締役会(2021年5月29日付で有効) リスク委員会および米国リスク委員会委員 初就任:2023年11月8日開催の取締役会(即時で有効) | Banque Populaire Alsace Lorraine Champagneの最高経営責任者 メッス、57000、フランソワ・ド・キュレル通り3番地 | ESSCA、Banques Populairesの上級課程および更なる経営研修のためのBanques Populaires Centerを卒業したドミニク・ガルニエ氏は、Banque Populaire Anjou Vendéeでキャリアを開始し、その後1992年から1994年まで、Banques PopulairesBanque Fédérale des Banques Populairesの一般的調査部門に所属した。1995年、同氏はBanque Populaire Anjou Vendéeの開発部長に、その後2002年にBanque Populaire Atlantiqueの最高経営責任者代理(最高執行責任者)に任命された。2008年から2010年まで、同氏は、Banque Fédérale des Banques Populairesの戦略副部長、BPCEの商業調整部長、その後Banque Populaire Sud Ouestの最高経営責任者を歴任した。2011年11月、同氏はBanque Populaire Aquitaine Centre Atlantiqueの最高経営責任者に任命された。 同氏は、2018年にファイナンス・ソリューションおよび専門(SEF)部門の最高経営責任者としてBPCEに入社し、その後2021年5月20日にBanque Populaire Alsace Lorraine Champagneの最高経営責任者に任命された。 |
| エドゥアール・マロ・アンリ(2025年5月21日から) 生年月日:1960年3月19日 国籍:フランス | 独立取締役 初就任:2025年5月21日開催の株主総会で選任 任期満了日:2029年開催の株主総会(a) 報酬委員会議長 初就任:2025年5月5日開催の取締役会 (2025年5月21日より効力発生) 指名委員会委員 初就任:2025年5月5日開催の取締役会 (2025年5月21日より効力発生) ESR委員会委員 初就任:2025年5月5日開催の取締役会 (2025年5月21日より効力発生) 戦略委員会委員 初就任:2025年5月5日開催の取締役会 (2025年5月21日より効力発生) | S3P(Strategic Personal Planning Process)の共同創設者 75013 パリ市プロムナード・ジェルメーヌ・サブロン7番地 | 1982年にSciences Po Bordeauxで政治科学の修士号を、1984年にUniversity of Paris Ⅱ Panthéon-Assasで法学の修士号を取得後、エドゥアール・マロ・アンリ氏はSociété Généraleに入社し、36年間の銀行業界でのキャリアを通じて様々な管理職を歴任した。 当行グループの一般的調査部門に加入後、エドゥアール・マロ・アンリ氏は、1995年から2000年までSociété Générale Australiaのマネージング・ディレクターを、その後2000年から2002年まではコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門(CIB)の内部監査部門の部門長を務めた。2002年には、大企業・金融機関事業分野の最高執行責任者に任命されて2004年まで務め、その後2004年から2008年までSociété Générale Canadaの社長となった。その後、2009年末まで大型株エネルギー・環境部門の部門長を経て、2012年まで検査・内部監査のグローバルヘッドを務めた。2012年6月から2017年6月まで人事部門のグローバルヘッドを務め、その後2017年6月から2020年12月までコンプライアンス部門のグローバルヘッドを務めた。 2024年4月に、S3P(Strategic Personal Planning Process)を共同設立した。 エドゥアール・マロ・アンリ氏は、2025年5月21日より、ナティクシスの取締役会の構成員を務めている。 |
| デルフィーヌ・メゾヌーブ 生年月日:1968年9月26日 国籍:フランスおよびエクアドル | 独立取締役 初就任:2023年4月13日開催の取締役会で選任、2023年5月23日開催の株主総会で承認 任期満了日:2029年開催の株主総会 指名委員会議長 初就任:2023年4月13日開催の取締役会 戦略委員会委員 初就任:2023年4月13日開催の取締役会 リスク委員会委員 初就任:2023年11月8日開催の取締役会 | Groupe VYVの最高経営責任者 パリ、75013、ジャンヌ・ダルク通り62-68番地 | École Centrale de Lyonを(エンジニアとして)卒業したデルフィーヌ・メゾヌーブ氏は、1991年にAXA Franceでキャリアを開始し、1993年まで組織のプロジェクト・マネージャー、その後1994年から1999年までセールス・インスペクター(総合仲介者ネットワーク-北東地域)を務めた。 同氏は、スペインおよびフランスで様々な役職を歴任した。 2000年から2003年まで、同氏はAXA Segurosでメソッド・ビジネス開発マネージャーを務めた。 同氏はその後、2004年から2006年まで、AXAグループの流通ディレクターを務めた。 同氏はその後、AXA Franceに入社し、2007年から2011年3月までIle-de-Franceの販売・流通部長、2011年3月から2015年3月まで損害保険(IARD)専門市場および個人市場部長ならびに損害保険(IARD)個人市場および専門市場部長、ならびに2015年3月から2018年6月まで損害保険(IARD)個人市場および専門市場部長を歴任した。 これらの役職に続き、同氏は2018年7月から2019年12月までAXA Brazilの最高経営責任者を務めた。 2020年1月、同氏はAXA Next(Axaのグローバル・イノベーション戦略に特化した事業体)の最高経営責任者に任命され、2021年4月までグループ最高イノベーション責任者を務めた。 2021年6月から、同氏は、Harmonie Mutuelle、MGEN、MNT、MMG、SMACL mutuelle、UMG VyV3およびGroupe Arcade-VYVからなる相互医療・社会保護プレーヤーであるGroupe VYVの最高経営責任者を務めている。 同氏はまた、プルーデンシャル保険グループの業務執行取締役およびオペレーショナル・マネージャーならびにケアおよび支援業務を担当するVyV3のオペレーショナル・マネージャー、ならびにVyV InvestのCEOも兼務している。 |
| カトリーヌ・パリゼ 生年月日:1953年8月22日 国籍:フランス | 独立取締役 初就任:2016年12月14日開催の取締役会で選任、2017年5月23日開催の株主総会で承認 任期満了日:2027年開催の株主総会 監査委員会議長 初就任:2016年12月14日開催の取締役会 リスク委員会および米国リスク委員会委員 初就任:2016年12月14日開催の取締役会 報酬委員会委員 初就任:2023年11月8日開催の取締役会 戦略委員会委員 初就任:2016年12月14日開催の取締役会 | Stellantis Financial Services、Generali VieおよびGenerali IARDの取締役会役員 パリ、75015、ジヌー通り19番地 | University of Paris IX Dauphineの経営学の修士号を有するカトリーヌ・パリゼ氏は、監査およびコンサルティングに35年従事し、1990年から2015年までPricewaterhouseCoopers(PwC)のパートナーであった。カトリーヌ・パリゼ氏は、AXA、Sanofi、Crédit Agricole、Caisses des Dépôts、Compagnie des Alpes and Generali Franceの世界規模の監査を担当するパートナーであった。同氏はまた、7年間、PwCの取締役会役員を務め、保険および銀行部門を監督するパートナーであった。 |
| クリストフ・ピノー 生年月日:1961年11月26日 国籍:フランス | 取締役 初就任:2018年12月20日開催の取締役会で選任、2019年5月28日開催の株主総会で承認 任期満了日:2029年開催の株主総会 リスク委員会および米国リスク委員会委員 初就任:2018年12月20日開催の取締役会 報酬委員会委員 初就任:2018年12月20日開催の取締役会 戦略委員会委員 初就任:2018年12月20日開催の取締役会 | Caisse d'Epargne et de Prévoyance Bretagne Pays de Loireの業務執行役員会会長 オルヴォー・セデックス、44703、ラ・ジュネス通り15番地 | ISC Paris Business School、ITB (Institut Technique Bancaire)およびICG IFG (Institut Français de Gestion)を卒業したクリストフ・ピノー氏は、1984年、Banque Populaire Anjou-Vendéeでキャリアを開始し、その後、Crédit Agricole de la MayenneおよびCrédit Mutuel Anjouへ転職した。2002年、同氏は、Caisse d'Epargne et de Prévoyance Bretagne Pays de Loireにネットワーク部長として入社し、その後、開発担当の業務執行役員会役員となった。その後、同氏は、2007年に、Crédit Foncierに開発担当の最高経営責任者代理として入社した。2013年、同氏は、Caisse d'Epargne Côte d'Azurの執行役員会会長に任命された。 同氏は、2018年4月24日以降、Caisse d'Epargne et de Prévoyance Bretagne Pays de Loireの業務執行役員会会長である。 |
| カリン・ピュジェ(2025年5月21日から) 生年月日:1970年10月18日 国籍:フランス | 取締役 初就任:2025年5月21日開催の株主総会で選任 任期満了日:2029年開催の株主総会(a) 報酬委員会委員 初就任:2025年5月5日開催の取締役会 (2025年5月21日より効力発生) 戦略委員会委員 初就任:2025年5月5日開催の取締役会 (2025年5月21日より効力発生) | Banques Populaires du Sudの取締役会会長 ペルピニャン・セデックス09、66966、ジョルジュ・クレマンソー通り38番地 | 科学博士であり、フランス研究省の革新的企業の創出のための全国大会で受賞したカリン・ピュジェ氏は、20年以上前に研究・健康・イノベーション分野のバイオテクノロジー会社であり、モンペリエに近いサン・ジャン・ド・ヴェダに拠点を置くGENEPEPを設立した。同社は、新薬、新しい診断または化粧品ソリューションの開発に有用なペプチドと呼ばれる分子の生産と最適化を専門とする。 Groupe BPCE内でカリン・ピュジェ氏は、2016年よりBanques Populaires du Sudの取締役会の構成員を務め、2024年5月より取締役会会長に就任している。 |
| ローラン・ルーバン 生年月日:1969年11月2日 国籍:フランス | 取締役 初就任:2021年9月22日開催の取締役会で選任、2022年3月22日開催の株主総会で承認 任期満了日:2028年の株主総会 リスク委員会および米国リスク委員会委員 初就任:2021年9月22日開催の取締役会 指名委員会委員 初就任:2021年9月22日開催の取締役会 戦略委員会委員 初就任:2021年9月22日開催の取締役会 | Caisse d’Epargne et de Prévoyance des Hauts de Franceの業務執行役員会会長 リール、59800、ショード・リヴィエール通り612番地 | ローラン・ルーバン氏は、École Centrale ParisおよびUniversity of Stanford (Executive Program)の卒業生である。同氏はUniversity of Paris-Dauphineの大学院の学位を保有している。 同氏は1992年にCompagnie Bancaire Groupホールディングカンパニーでキャリアを開始し、その後Cetelem Spain (BNP PARIBAS Group)のリスク部門に勤めた。1996年、同氏はPriceWaterhouseCoopers Managementに入社し、2000年に銀行および金融機関部門に所属した。 2002年、同氏はCaisse d’Epargne du Pas-de-Calaisの財務およびリスク担当の業務執行役員会の役員として指名された。2005年、同氏はIxis Asset Managementに入社し、Natixis Asset Managementの業務部長となった。 同氏は2008年にCaisse Nationale des Caisses d’Epargneに入社し、BPCEのCaisses d’Epargneの事業開発部門長を務めた。2011年に同氏はCaisse d’Epargne de Picardieの業務執行役員会会長に指名された。2016年、同氏はGroupe BPCEの業務執行役員会役員として、リテール・バンキングおよび保険担当の最高経営責任者に就任した。 2018年から、ローラン・ルーバン氏はCaisse d’Epargne Hauts de Franceの業務執行役員会会長を務めている。 |
| ローラン・セイヤー 生年月日:1965年2月16日 国籍:フランス | 独立取締役 初就任:2021年12月13日開催の取締役会 任期満了日:2030年開催の株主総会 リスク委員会および米国リスク委員会議長 初就任:2021年12月13日開催の取締役会 監査委員会委員 初就任:2021年12月13日開催の取締役会 ESR委員会委員(2025年5月21日まで) 初就任:2021年12月13日開催の取締役会 戦略委員会委員 初就任:2021年12月13日開催の取締役会 | Ellesse SASの会長 サン・ジェルマン・アン・レー、78100、トゥルヴィル通り38番地 | ローラン・セイヤー氏は、Société Généraleに24年間勤務し、一般的調査部門、M&A、株式デリバティブにおける様々な管理職を経験した。同氏は2006年から2012年までLyxor Asset Managementの最高経営責任者を務めた。 その後、同氏はパリのAXA Investment Managers LLCに業務執行役員会役員として入社し、初めはマルチ・アセット・クライアント・ソリューションズのグローバルヘッド、その後クライアント・グループのグローバルヘッドを務めた。 2014年、同氏はロンドンのMSCI Inc.にクライアント・カバレッジのグローバルヘッドとして入社した後、2020年まで最高クライアント責任者および最高執行責任者を務めた。 |
| アンリ・プログリオ 生年月日:1949年6月29日 国籍:フランス | 監査人 初就任:2019年4月4日開催の取締役会、2019年5月28日開催の株主総会で承認 任期満了日:2027年開催の株主総会 報酬委員会委員 初就任(監査人として):2019年4月4日開催の取締役会 戦略委員会委員 初就任(監査人として):2019年4月4日開催の取締役会 | Henri Proglio Consulting SASの会長 | HEC Parisを卒業したアンリ・プログリオ氏は、1972年にGénérale des Eauxグループ(現Veolia Environnement)にてキャリアを開始し、上級経営陣の様々な地位に就いた。1990年、同氏は、廃棄物の管理および輸送を専門とした子会社である、CGEAの会長兼最高経営責任者に任命された。2000年、同氏は、Vivendi Environnement (Veolia Environnement)の会長を務め、2003年に会長兼最高経営責任者となった。 また、2005年、同氏は出身大学院であるHECの学校評議会会長に任命された。 2009年から2014年11月22日まで、アンリ・プログリオ氏は、EDFの会長兼最高経営責任者であった。2015年より、同氏はEDFの名誉会長を務めている。 |
| ヴァレリー・アンドリュー(2026年3月10日から) 生年月日:1955年11月2日 国籍:フランス | 取締役 初就任:2026年10月3日開催の取締役会 任期満了日:2027年開催の株主総会(b) 指名委員会委員 初就任:2026年10月3日開催の取締役会 監査委員会委員 初就任:2026年10月3日開催の取締役会 戦略委員会委員 初就任:2026年10月3日開催の取締役会 | Caisse d’Epargne Auvergne Limousinの指導監査役会会長 サン・パンタレオン・ド・ラルシュ、19600、ピエール・メジョナード506通り、レストレード | ヴァレリー・アンドリュー氏は、University of Toulouse(ミラール学部)で応用外国語学の学位を取得し、ミラール学部にて英語・ドイツ語・フランス語の3ヶ国語対応エグゼクティブ秘書課程のBTS(上級技術者免状)を取得した。 地域コミュニティおよび企業に貢献する同氏のキャリアは、1988年にPays de Briveの商工会議所でスタートした後、最近は2021年よりCorrèze and DordogneのCCI(商工会議所)の事務総長を務めている。 2009年にCaisse d’Epargne Auvergne Limousinの取締役に任命され、その後Société Locale d’Epargne de Corrèzeの会長を務めたヴァレリー・アンドリュー氏は、2015年に指導監査役会に任命され、リスク委員会および監査委員会の委員ならびにESR委員会の議長を務めた。 2023年4月より、指導監査役会会長ならびに報酬委員会および指名委員会の議長を務めている。 |
| カトリーヌ・ルブラン(2025年5月21日まで) 生年月日:1955年2月11日 国籍:フランス | 取締役 初就任:2020年6月23日開催の取締役会 任期満了日:2025年開催の株主総会 報酬委員会委員 初就任:2020年6月23日開催の取締役会 戦略委員会委員 初就任:2020年6月23日開催の取締役会 | Banque Populaire Grand Ouestの取締役会会長 サン・グレゴワール セデックス、35768、ブティエール通り15番地 | Université Paris XIの卒業生で、法学の博士号保有者であるカトリーヌ・ルブラン氏は、1980年にFédération Nationale de la Mutualité Françaiseの法律顧問としてそのキャリアを開始し、1982年にはCentre National sur les Droits de la Femmeの上級顧問を務めた。 1983年より同氏はパリ商工会議所の調査部門に在籍した。同氏は、法務部長、財務部長および人事部長(1990年から1999年)ならびに開発部長(1999年から2000年)等の様々な役職に就いた。同時に、同氏はESCPにおいて欧州商法および国際人事マネジメントを教えた。 Groupe BPCE内において、カトリーヌ・ルブラン氏は、2019年5月21日よりBanque Populaire Grand Ouestの取締役会会長を務めている。 |
| ニコラス・ドゥ・タヴェルノ(2025年5月21日まで) 生年月日:1950年8月22日 国籍:フランス | 独立取締役 初就任:2013年7月31日開催の株主総会 任期満了日:2025年開催の株主総会 報酬委員会議長 初就任:2013年8月6日開催の取締役会 指名委員会委員 初就任:2014年12月17日開催の取締役会 戦略委員会委員 初就任:2013年8月6日開催の取締役会 | CMA Média持株会社副会長(2025年8月15日まで)、RMC-BFMの会長および最高経営責任者(2025年10月30日まで)、FILIALE LFP 1最高経営責任者 (2025年4月30日から) | Sciences Po Bordeauxの卒業生であり、公法の大学院の学位(DES)を有するニコラス・ドゥ・タヴェルノ氏は、1975年に、ノルベール・セガール内閣の外国貿易大臣としてキャリアを開始し、その後フランス郵政大臣を務めた。1986年に、同氏は、Lyonnaise des Eauxのオーディオ・ビジュアル業務部長に就任し、その間M6を設立する計画を監督した。 1987年に、同氏はMétropole Télévision M6の副最高経営責任者に任命され、2000年から2024年まで同社の業務執行役員会会長を務めた。2024年から2025年まで、同氏はCMA Mediaの副会長および戦略委員会の議長に就任し、RMC BFMの会長および最高経営責任者にも就任した。2025年4月30日、同氏はSUBSIDIARY LFP1の最高経営責任者に就任した。 |
| カトリーヌ・アミン・ガルド(2025年8月4日まで) 生年月日:1955年3月8日 国籍:フランス | 取締役 初就任:2024年8月1日開催の取締役会で選任 任期満了日:2027年開催の株主総会 指名委員会委員 初就任:2024年8月1日開催の取締役会 監査委員会委員 初就任:2024年8月1日開催の取締役会 戦略委員会委員 初就任:2024年8月1日開催の取締役会 | Caisse d’Epargne et de Prévoyance Loire Drôme Ardècheの指導監査役会会長(2025年4月22日まで) | カトリーヌ・アミン・ガルド氏は、University of Lyon 2で歴史学と観光学(Ilkirch Grafenstaden - Lyon 2)を専攻し、若者政策コンサルティングの学位(INJEP Marly le Roi)を取得、またEcole Nationale d’Administration de Strasbourgでは欧州研究の修士号を取得した。数年間教鞭をとった後、同氏は青少年スポーツ省の人気教育・青少年アドバイザー(2005年から2009年)となり、その後内務省で様々な役職を歴任した。2009年、都市政策を担当する県知事代理に就任。同時期の2000年2月、同氏はGroupe BPCEに地元Epargne Drôme Provençale Centre bankの会長として入社した。2005年4月からは、同氏はCaisse d'Epargne Loire Drôme Ardècheの指導監査役会会長を務め、また同銀行で会長を務めたほか、報酬委員会、指名委員会の議長、監査委員会およびリスク委員会の委員ならびに協同組合およびESR委員会の構成員である。 |
| アンヌ・ラルー(2026年5月21日まで) 生年月日:1963年12月6日 国籍:フランス | 独立取締役 初就任:2015年2月18日開催の取締役会で選任、2015年5月19日開催の株主総会で承認 任期満了日:2026年開催の株主総会 報酬委員会委員 初就任:2015年2月18日開催の取締役会 指名委員会委員 初就任:2020年12月17日開催の取締役会(2021年1月1日付で有効) 戦略委員会議長 初就任:2015年2月18日開催の取締役会 CSR委員会委員議長 初就任:2020年12月17日開催の取締役会(2021年1月1日付で有効) | Web School Factoryの最高経営責任者代理およびInnovation Factoryの会長 パリ、75014、ディド通り96番地 | ESSECビジネススクールの卒業生であるアンヌ・ラルー氏は、マネージャーとしてキャリアを開始し、ロンドン、続いてパリのLazardでM&A部門のアシスタント・ディレクターを務めた。同氏はその後パリのHavasで展望・開発部長となった。同氏は、Rothschild & Cieにマネージング・ディレクターとして入社するまで、Havas Édition Électroniqueの会長および最高経営責任者であった。 アンヌ・ラルー氏は、2002年にNexityに入社し、2006年にNexity-Franchisesの最高経営責任者に任命されるまで、事務総長および開発担当取締役を務め、2011年まで販売部門の最高経営責任者代理を務めた。 アンヌ・ラルー氏はWeb School Factoryの最高経営責任者代理を務め、Innovation Factoryの会長を務めている。 |
(a) 2028**年12月31日に終了する事業年度に係る財務書類を承認するために招集される2029年開催の株主総会
(b) 2024**年12月31日に終了した事業年度に係る財務書類を承認するために招集された2025年開催の株主総会
(b) 上級経営陣(本書提出日現在)
男性の数:2名、女性の数:0名(女性の比率0%)
| 執行役の氏名 | 当行内での 主な役職 | 社外での 主な役職 | 略歴 |
|---|---|---|---|
| モハメド・カララ 生年月日:1967年9月14日 | ナティクシスの最高経営責任者 初就任:2024年11月6日開催の取締役会(2025年1月1日付で有効) 任期満了日:2029年開催の株主総会 | BPCE上級経営委員会委員 | モハメド・カララ氏は、École normale supérieure(ENS Ulm)で物理科学の博士号およびCollège des ingénieursで経営管理学のMBAを取得している。同氏は、1993年にBNP ParibasでALMトレーダーとしてキャリアをスタートさせた。1996年から2000年までは、Crédit Agricole IndosuezのM&Aディレクターを務めた。2000年にはGlobal Equities Corporate Financeを設立し、2005年まで最高経営責任者を務めた。 2005年、モハメド・カララ氏は不動産コンサルティング部長としてナティクシスに入社し、2008年までその職であった。その後、2010年までM&Aを専門とする、当行グループの事業体であるNatixis Financeの部長に就任した。2010年7月には、不動産金融部門のグローバルヘッドに昇進した。2016年11月には、ナティクシスのインベストメント・バンキングのグローバルヘッドに任命され、2020年3月までその職を務めた。2020年3月にはグローバル・マーケッツのグローバルヘッドに就任し、2020年11月にはCIB事業分野のグローバル共同ヘッドに任命された。2023年1月にはグローバルヘッドとしてCIB事業分野の単独ヘッドに就任した。モハメド・カララ氏は2020年11月からナティクシスの上級経営委員会委員を務めている。 2025年1月1日より、同氏はNatixis S.A.の最高経営責任者であり、BPCE上級経営委員会の構成員である。 |
| フィリップ・セトボン 生年月日:1965年3月12日 | ナティクシスの最高経営責任者代理 初就任:2024年11月6日開催の取締役会(2025年1月1日付で有効) 任期満了日:2029年開催の株主総会 | BPCE上級経営委員会委員 | Paris Dauphine大学で金融学(DESS 225)の修士号を取得し、フランス金融アナリスト協会から金融分析のディプロマを取得したフィリップ・セトボン氏は、1990年にBarclaysで金融アナリストとしてキャリアをスタートさせた。1993年から2001年までは、Azur GMFでポートフォリオ・マネージャーおよびBoissy Gestionの最高投資責任者(CIO)としてキャリアを継続した。 2003年6月から2004年2月までRothschild & Cie Gestionで株式運用および戦略の部長を務めた後、Generali Groupに最高経営責任者代理として入社し、その後2009年4月までGenerali Investments Franceの最高経営責任者を務めた。その後、2009年から2013年まではGenerali Groupの最高経営責任者を務めた。 2013年、フィリップ・セトボン氏はGroupama Asset Management.の最高経営責任者に任命された。2019年11月、同氏はOstrum Asset Managementの最高経営責任者に就任した。2023年12月より、Natixis Investment Managersの最高経営責任者となり、資産運用およびウェルス・マネジメント事業分野を監督している。フィリップ・セトボン氏は、2022年よりAssociation Française de Gestion(AFG)の会長を務めており、2017年から2022年までは副会長を務めていた。フィリップ・セトボン氏は、2023年12月よりナティクシスの上級経営委員会委員を務めている。 2025年1月1日より、同氏はNatixis S.A.の最高経営責任者代理であり、BPCEの上級経営委員会の構成員である。 |
(c) 上級経営委員会
・上級経営委員会(CDG)の委員(本書提出日現在)
男性の数:4名、女性の数:5名(女性の比率56%)
| モハメド・カララ コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングを担当する最高経営責任者 | フィリップ・セトボン 資産運用およびウェルス・マネジメントを担当する最高経営責任者代理、Natixis Investment Managersの最高経営責任者 | ジェニファー・バート コンプライアンス、法務、セキュリティ、ガバナンスおよび規制関連業務担当の相談役 | ナタリー・ブリッカー 財務、戦略、リスク、コンプライアンスおよび法務関連業務担当のNatixis Investment Managersの最高経営責任者代理 |
|---|---|---|---|
| ニコラ・フナール ITおよびオペレーションのグローバルヘッド | ラジャ・メグハー 最高リスク管理責任者、業務執行取締役 | アンヌ・サボ 最高財務責任者 | セシル・トリコン・ボサード 最高人事責任者 |
| マイケル・ハイゼ グローバル・マーケッツのグローバルヘッド |
(3)【監査の状況】
(a) 監査委員会、内部監査および法定監査人
① 監査委員会
「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-(1) コーポレート・ガバナンスの管理および監督-(b) 特別委員会:取締役会の派生-① 監査委員会」を参照のこと。
② 内部監査
「第3 事業の状況-3 事業等のリスク-(2)リスク管理-(a) ナティクシスの内部統制枠組の組織」を参照のこと。
③ 法定監査人
「第6 経理の状況-1 財務書類-(1) 連結財務諸表および注記-連結財務諸表注記」の注記14を参照のこと。
(b) 監査報酬の内容等
① 外国監査公認会計士等に対する報酬の内容
「第6 経理の状況-1 財務書類-(1) 連結財務諸表および注記-連結財務諸表注記」の注記14を参照のこと。
② その他重要な報酬の内容
「第6 経理の状況-1 財務書類-(1) 連結財務諸表および注記-連結財務諸表注記」の注記14を参照のこと。
③ 外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
「第6 経理の状況-1 財務書類-(1) 連結財務諸表および注記-連結財務諸表注記」の注記14を参照のこと。
④ 監査報酬の決定方針
該当事項なし。
(4)【役員の報酬等】
該当事項なし。
(5)【株式の保有状況】
該当事項なし。
第6 【経理の状況】
a. 本書記載のナティクシス・エス・エー(以下「当行」という。)および連結子会社(以下、合わせて「当行グループ」という。)の連結財務諸表は、欧州連合(以下「EU」という。)が採用し、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)が公表した国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成された。また、当行の個別財務諸表は、フランスにおける諸法令および一般に公正妥当と認められる会計原則に準拠して作成された。当行グループおよび当行が採用した会計原則、会計慣行および表示方法と、日本において一般に公正妥当と認められるそれらとの間の主な相違点に関しては、「第6 4.本国と日本における会計原則及び会計慣行の相違」に説明されている。
本書記載の当行グループの連結財務諸表および当行の個別財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)第328条第1項の適用を受けるものである。
b. 本書記載の原文の連結財務諸表および個別財務諸表(以下「原文の財務諸表」という。)は、フランスの独立公認会計士であり、かつ外国監査法人等(「公認会計士法」(昭和23年法律第103号。その後の改正を含む。)第1条の3第7項に規定されている外国監査法人等をいう。)であるフォーヴィス・マザー・エス・エーおよびプライスウォーターハウスクーパース・オーディット(以下「会計監査人」と総称する。)から監査を受けている。2025年12月31日に終了した年度の原文の財務諸表について会計監査人が行った監査は、「金融商品取引法」(昭和23年法律第25号。その後の改正を含む。)第193条の2第1項第1号に規定されている監査証明に相当すると認められる証明となっており、会計監査人の原文の監査報告書およびその日本語訳は本書に添付されている。
c. 本書記載の原文の財務諸表は、フランスにおいて開示されたものと同一のものであり、日本語版はその翻訳である。
d. 本書記載の原文の財務諸表はユーロで表示されている。「財務諸表等規則」第331条の規定に基づき「円」で表示されている金額は、2026年3月27日現在の株式会社三菱UFJ銀行における対顧客電信直物売買相場の仲値、1ユーロ=183.94円の為替レートで換算された金額である。金額は億円単位(四捨五入)で表示されている。なお、円換算額は単に便宜上表示されたものであり、ユーロ額が上記のレートで円に換算されることを意味するものではない。円換算額は、四捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。
e. 円換算額および「第6 2.主な資産・負債及び収支の内容」から「第6 4.本国と日本における会計原則及び会計慣行の相違」までの記載事項は、原文の財務諸表には含まれておらず、当該事項における原文の財務諸表への参照事項を除き、上記b.の会計監査の対象にもなっていない。
1【財務書類】
(1) 連結財務諸表および注記
連結損益計算書
| 注記 | 2025年12月31日 に終了した年度 | 2024年12月31日 に終了した年度 | |||
| 百万ユーロ | 億円 | 百万ユーロ | 億円 | ||
| 受取利息および類似収益 | 6.1 | 11,081 | 20,382 | 13,447 | 24,734 |
| 支払利息および類似費用 | 6.1 | (9,048) | (16,643) | (11,564) | (21,271) |
| 受取報酬および受取手数料 | 6.2 | 5,472 | 10,065 | 5,188 | 9,543 |
| 支払報酬および支払手数料 | 6.2 | (1,208) | (2,222) | (1,125) | (2,069) |
| 純損益を通じて公正価値で測定される金融商品に係る正味損益 | 6.3 | 1,895 | 3,486 | 2,180 | 4,010 |
| 資本を通じて公正価値で測定される金融商品に係る正味損益 | 6.4 | 74 | 136 | 76 | 140 |
| 償却原価で測定される金融資産の認識中止による正味損益 | 6.5 | (1) | (2) | (13) | (24) |
| その他業務収益 | 6.6 | 108 | 199 | 71 | 131 |
| その他業務費用 | 6.6 | (107) | (197) | (141) | (259) |
| 銀行業務純利益 | 8,267 | 15,206 | 8,120 | 14,936 | |
| 営業費用 | 6.7 | (5,811) | (10,689) | (5,560) | (10,227) |
| 有形固定資産および無形資産の減価償却、償却および減損引当金 | (276) | (508) | (233) | (429) | |
| 営業総利益 | 2,180 | 4,010 | 2,328 | 4,282 | |
| リスク費用 | 6.8 | (237) | (436) | (282) | (519) |
| 営業純利益 | 1,944 | 3,576 | 2,045 | 3,762 | |
| 持分法による投資利益 | 28 | 52 | 23 | 42 | |
| その他の資産に係る正味損益 | 6.9 | 5 | 9 | (14) | (26) |
| のれんの価値の変動 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 税引前利益 | 1,977 | 3,636 | 2,054 | 3,778 | |
| 法人所得税 | 6.10 | (558) | (1,026) | (636) | (1,170) |
| 非継続事業に係る純利益 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 当期純利益/(損失) | 1,419 | 2,610 | 1,418 | 2,608 | |
| うち、グループ持分 | 1,361 | 2,503 | 1,352 | 2,487 | |
| うち、非支配持分に帰属する利益 | 58 | 107 | 66 | 121 | |
当期純利益およびその他の包括利益に係る計算書
| 2025年12月31日 に終了した年度 | 2024年12月31日 に終了した年度 | ||||
| 百万ユーロ | 億円 | 百万ユーロ | 億円 | ||
| 純利益 | 1,419 | 2,610 | 1,418 | 2,608 | |
| 損益にリサイクル可能な項目 | (536) | (986) | 163 | 300 | |
| 為替換算調整額 | (585) | (1,076) | 242 | 445 | |
| 期中の再評価調整額 | (582) | (1,071) | 262 | 482 | |
| 純損益への振替 | (3) | (6) | (21) | (39) | |
| その他の分類変更 | 0 | 0 | 1 | 2 | |
| その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産(負債性金融商品)の再評価額 | 86 | 158 | (84) | (155) | |
| 期中の再評価調整額 | 73 | 134 | (108) | (199) | |
| 純損益への振替 | 13 | 24 | 24 | 44 | |
| その他の分類変更 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| ヘッジ目的デリバティブの再評価額 | (14) | (26) | (22) | (40) | |
| 期中の再評価調整額 | (19) | (35) | 9 | 17 | |
| 純損益への振替 | 5 | 9 | (31) | (57) | |
| その他の分類変更 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本に直接計上された持分法適用関連会社の純利益に対する持分(損益にリサイクル可能) | 0 | 0 | (1) | (2) | |
| 売却目的で保有する非流動資産(a) | (7) | (13) | (4) | (7) | |
| 損益にリサイクル可能な項目に係る税効果 | (16) | (29) | 29 | 53 | |
| 損益にリサイクル不可能な項目 | (791) | (1,455) | 33 | 61 | |
| 確定給付制度の再評価調整額 | 12 | 22 | 12 | 22 | |
| 純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債に係る自己の信用リスクの再評価額(b) | (1,233) | (2,268) | (17) | (31) | |
| その他の包括利益を通じて公正価値で認識される資本性金融商品の再評価額 | 134 | 246 | 54 | 99 | |
| その他の包括利益を通じて公正価値で認識される金融資産のヘッジ目的デリバティブの再評価額 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 資本に直接計上された持分法適用関連会社の純利益に対する持分(損益にリサイクル不可能) | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 売却目的で保有する非流動資産 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 損益にリサイクル不可能な項目に係る税効果 | 295 | 543 | (15) | (28) | |
| その他の包括利益に直接計上された損益(税引後) | (1,327) | (2,441) | 196 | 361 | |
| 利益合計 | 92 | 169 | 1,614 | 2,969 | |
| グループ持分 | 30 | 55 | 1,548 | 2,847 | |
| 非支配持分 | 61 | 112 | 66 | 121 | |
(a) (原文の注記2.6を参照。)
(b) (原文の注記5.6を参照。)
未実現損益または繰延損益に係る税金の内訳
| 2025年12月31日現在 | 2024年12月31日現在 | |||||
| (単位:百万ユーロ) | 税引前 | 法人所得税 | 税引後 | 税引前 | 法人所得税 | 税引後 |
| 為替換算調整額 | (585) | 0 | (585) | 242 | 0 | 242 |
| 損益にリサイクル可能なその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産(負債性金融商品)の再評価額 | 86 | (22) | 64 | (84) | 22 | (62) |
| ヘッジ目的デリバティブの再評価額 | (14) | 4 | (10) | (22) | 6 | (16) |
| 純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債に係る自己の信用リスクの再評価額 | (1,233) | 319 | (914) | (17) | 4 | (13) |
| その他の包括利益を通じて公正価値で認識される資本性金融商品の再評価額 | 134 | (21) | 114 | 54 | (16) | 37 |
| その他の包括利益を通じて公正価値で認識される金融資産のヘッジ目的デリバティブの再評価額 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 確定給付制度の再評価調整額 | 12 | (3) | 9 | 12 | (4) | 9 |
| 関連会社の未実現損益または繰延損益に対する持分 | 0 | (0) | 0 | 2 | (0) | 1 |
| 売却目的で保有する非流動資産(a) | (7) | 2 | (6) | (4) | 1 | (3) |
| 未実現損益または繰延損益の変動合計 | (1,606) | 279 | (1,327) | 183 | 13 | 196 |
(a) (原文の注記2.6を参照。)
| 2025年12月31日現在 | 2024年12月31日現在 | |||||
| (単位:億円) | 税引前 | 法人所得税 | 税引後 | 税引前 | 法人所得税 | 税引後 |
| 為替換算調整額 | (1,076) | 0 | (1,076) | 445 | 0 | 445 |
| 損益にリサイクル可能なその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産(負債性金融商品)の再評価額 | 158 | (40) | 118 | (155) | 40 | (114) |
| ヘッジ目的デリバティブの再評価額 | (26) | 7 | (18) | (40) | 11 | (29) |
| 純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債に係る自己の信用リスクの再評価額 | (2,268) | 587 | (1,681) | (31) | 7 | (24) |
| その他の包括利益を通じて公正価値で認識される資本性金融商品の再評価額 | 246 | (39) | 210 | 99 | (29) | 68 |
| その他の包括利益を通じて公正価値で認識される金融資産のヘッジ目的デリバティブの再評価額 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 確定給付制度の再評価調整額 | 22 | (6) | 17 | 22 | (7) | 17 |
| 関連会社の未実現損益または繰延損益に対する持分 | 0 | (0) | 0 | 4 | (0) | 2 |
| 売却目的で保有する非流動資産(a) | (13) | 4 | (11) | (7) | 2 | (6) |
| 未実現損益または繰延損益の変動合計 | (2,954) | 513 | (2,441) | 337 | 24 | 361 |
(a) (原文の注記2.6を参照。)
連結貸借対照表 - 資産
| 注記 | 2025年12月31日現在 | 2024年12月31日現在 | |||
| 百万ユーロ | 億円 | 百万ユーロ | 億円 | ||
| 現金および中央銀行預け金 | 52,793 | 97,107 | 52,765 | 97,056 | |
| 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 | 7.1.1 | 236,980 | 435,901 | 232,417 | 427,508 |
| ヘッジ目的デリバティブ | 7.2 | 374 | 688 | 377 | 693 |
| その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 | 7.4 | 11,711 | 21,541 | 11,434 | 21,032 |
| 償却原価で測定される有価証券 | 7.6.3 | 1,819 | 3,346 | 1,955 | 3,596 |
| 償却原価で測定される銀行貸出金および債権ならびに類似項目 | 7.6.1 | 120,877 | 222,341 | 114,765 | 211,099 |
| 償却原価で測定される顧客貸出金および債権 | 7.6.2 | 84,181 | 154,843 | 82,219 | 151,234 |
| 金利リスクをヘッジしたポートフォリオの再評価調整額 | 0 | 0 | 10 | 18 | |
| 当期税金資産 | 327 | 601 | 201 | 370 | |
| 繰延税金資産 | 7.8 | 1,394 | 2,564 | 1,157 | 2,128 |
| 未収勘定および雑資産 | 7.9.1 | 5,417 | 9,964 | 6,370 | 11,717 |
| 売却目的で保有する非流動資産 | 2.6 | 197 | 362 | 438 | 806 |
| 関連会社に対する投資 | 1,059 | 1,948 | 1,049 | 1,930 | |
| 投資不動産 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 有形固定資産 | 7.10 | 742 | 1,365 | 800 | 1,472 |
| 無形資産 | 7.10 | 568 | 1,045 | 586 | 1,078 |
| のれん | 7.12 | 3,162 | 5,816 | 3,474 | 6,390 |
| 資産合計 | 521,602 | 959,435 | 510,017 | 938,125 | |
連結貸借対照表**-負債および純資産**
| 注記 | 2025年12月31日現在 | 2024年12月31日現在 | |||
| 百万ユーロ | 億円 | 百万ユーロ | 億円 | ||
| 中央銀行預り金 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 | 7.1.2 | 250,638 | 461,024 | 237,221 | 436,344 |
| ヘッジ目的デリバティブ | 7.2 | 288 | 530 | 293 | 539 |
| 銀行預り金および類似項目 | 7.13.1 | 133,628 | 245,795 | 144,188 | 265,219 |
| 顧客預り金 | 7.13.2 | 64,150 | 117,998 | 49,230 | 90,554 |
| 債務証券 | 7.14 | 38,129 | 70,134 | 44,794 | 82,394 |
| 金利リスクをヘッジしたポートフォリオの再評価調整額 | 11 | 20 | 0 | 0 | |
| 当期税金負債 | 1,460 | 2,686 | 1,296 | 2,384 | |
| 繰延税金負債 | 7.8 | 459 | 844 | 480 | 883 |
| 未払勘定および雑負債 | 7.9.2 | 7,262 | 13,358 | 7,370 | 13,556 |
| 売却目的で保有する非流動資産に係る負債 | 2.6 | 21 | 39 | 312 | 574 |
| 劣後債務 | 7.15 | 3,022 | 5,559 | 3,028 | 5,570 |
| 引当金 | 7.16 | 1,485 | 2,732 | 1,431 | 2,632 |
| 株主資本(グループ持分) | 20,966 | 38,565 | 20,294 | 37,329 | |
| ・ 株式資本および資本剰余金 | 11,805 | 21,714 | 10,955 | 20,151 | |
| ・ 利益剰余金 | 7,983 | 14,684 | 6,845 | 12,591 | |
| ・ 資本に直接計上されたリサイクル可能な損益 | 266 | 489 | 805 | 1,481 | |
| ・ 資本に直接計上されたリサイクル不可能な 損益 | (450) | (828) | 337 | 620 | |
| ・ 当期純利益/(損失) | 1,361 | 2,503 | 1,352 | 2,487 | |
| 非支配持分 | 83 | 153 | 80 | 147 | |
| 負債および純資産合計 | 521,602 | 959,435 | 510,017 | 938,125 | |
2 【主な資産・負債及び収支の内容】
「第6 1財務書類」の「連結財務諸表注記」および「個別財務諸表注記」を参照のこと。
3 【その他】
(1) 後発事象
財務諸表の監査を終了した事業年度末以降、本書の他の箇所に記載した内容以外に、当行グループの財務状態および営利状況における重要な変更はない。
(2) 訴訟
本書提出日現在、「第3 事業の状況-3 事業等のリスク-(2) リスク管理-(i) 法的リスク」に記載したもの以外に、当行は重要な訴訟に関与していない。
4 【本国と日本における会計原則及び会計慣行の相違】
(1) 日本とIFRSとの会計原則の相違
添付の当行グループの連結財務諸表は、欧州連合が採用したIFRSに準拠して作成されている。これらは日本において一般に公正妥当と認められた会計原則(以下「日本基準」という。)とは、いくつかの点で異なる。直近期の財務諸表に関する主な相違点は以下のとおりである。
- 連結の範囲
IFRSでは、連結財務諸表には、親会社およびグループによって支配されている会社(一定の特別目的事業体(以下「SPE」という。)を含む。)(すべての子会社)ならびに共同支配企業に対する持分についての財務諸表が含まれている。
「支配」は、親会社がその事業体の活動からの便益を得るためにその事業体の財務および経営に関する方針を左右するパワーを有する場合に存在し、一般的には議決権の過半数を保有することにより生じる。企業が他の企業体に対して支配できるパワーを有しているか否かを判断するにあたり、他社により保有されているものを含め、現時点で行使可能または転換可能な潜在的議決権の存在を考慮している。
企業がSPEを実質的に支配している場合には、当該SPEは当該企業に連結される。
2012年12月11日、ヨーロッパ委員会は、IFRS第10号「連結財務諸表」を採用した。これにより、IAS第27号「連結及び個別財務諸表」のうち連結財務諸表にわたる部分ならびに特別目的事業体に関するSIC第12号は、IFRS第10号により置き換えられた。同基準は、組成された企業(ストラクチャード・エンティティ)であるか否かを問わず、すべての事業体に対して同一の支配モデルを適用することを規定している。事業体に対する支配は、同時に充足されるべき3つの要件(関連する事業活動に対する支配、当該事業体の変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利および当該事業体の得る変動リターンに影響を及ぼす能力)を用いて分析されることになる。
日本基準では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、実質支配力基準により連結範囲が決定され、支配されている会社の財務諸表は連結される。他の企業の財務上または営業上もしくは事業上の意思決定機関を支配している場合には、親会社は当該他の企業に対して支配権を有しているといえる。潜在的議決権は考慮されていない。ただし、子会社のうち支配が一時的であると認められる企業、または連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある企業については、連結の範囲に含めないこととされている。また、非連結子会社および重要な影響力を与えることができる会社(関連会社)については、持分法の適用範囲に含める。なお、日本でも、連結財務諸表上、共同支配投資企業は、共同支配企業に対する投資について持分法を適用する。
日本基準ではまた、特別目的会社については、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」および企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」において、特別目的会社が、適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する証券の所有者に享受させることを目的として設立され、当該特別目的会社の事業がその目的に従って適切に遂行されているときは、当該特別目的会社に資産を譲渡した企業から独立しているものと認め、当該特別目的会社に資産を譲渡した企業の子会社に該当しないものと推定され連結の対象となっていない。ただし、このように連結の範囲に含まれない特別目的会社については、企業会計基準適用指針第15号「一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針」に基づき、当該特別目的会社の概要、当該特別目的会社を利用した取引の概要、当期に行った当該特別目的会社との取引金額または当該取引の期末残高等の一定の開示を行うことが、特別目的会社に資産を譲渡した会社に求められている。
- 会計方針の統一
IFRSでは、連結財務諸表は、類似の状況における同様の取引および事象に関し、統一された会計方針を用いて作成される。グループのメンバーが、類似環境下で行われた同様の性質の取引等に関して連結財務諸表で採用している会計方針とは異なるものを使用している場合、連結財務諸表作成時に適切な修正が行われる。
日本基準では、連結財務諸表を作成する場合、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、親会社および子会社が採用する会計方針は、原則として統一しなければならない。ただし、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」により、在外子会社の財務諸表がIFRSまたは米国会計基準に準拠して作成されている場合、および国内子会社が指定国際会計基準または修正国際基準に準拠した連結財務諸表を作成して有価証券報告書により開示している場合には、当面の間、一定の項目(のれんの償却、退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理、研究開発費の支出時費用処理、IFRSに基づく投資不動産の時価評価およびIFRSに基づく固定資産の再評価、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合の組替調整)の修正を条件に、これを連結決算手続上利用することができる。
関連会社については、企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」により、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、投資会社(その子会社を含む。)および持分法を適用する被投資会社が採用する会計方針を原則として統一することと規定されている。ただし、実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」により、在外関連会社の財務諸表がIFRSまたは米国会計基準に準拠して作成されている場合、および国内関連会社が指定国際会計基準または修正国際基準に準拠した連結財務諸表を作成して有価証券報告書により開示している場合については、当面の間、実務対応報告第18号で規定される在外子会社等に対する当面の取扱いに準じて行うことができる。
- 他の企業への関与の開示
IFRSでは、IFRS第12号「他の企業への関与の開示」に従い、次の事項に関する開示が要求されている。
(a) 重大な判断および仮定(支配、共同支配および重要な影響力等を決定する際に行った重大な判断および仮定)
(b) 子会社への関与(企業集団の構成、非支配持分が企業集団の活動およびキャッシュ・フローに対して有している関与、企業集団の資産へのアクセス等に対する重大な制限の内容および程度、連結した組成された企業への関与に関連したリスクの内容および変動、ならびに子会社に対する所有持分の変動)
(c) 共同支配の取決めおよび関連会社への関与(共同支配の取決めおよび関連会社への関与の内容、程度および財務上の影響、ならびに当該関与に関連したリスクの内容および変動)
(d) 非連結の組成された企業への関与(非連結の組成された企業への関与の内容および程度、ならびに当該関与に関連したリスクの内容および変動)
日本では、上記に関して包括的に規定する会計基準はないが、連結の範囲に含まれない特別目的会社に関する開示や、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、連結の範囲に含めた子会社、非連結子会社に関する事項その他連結の方針に関する重要な事項およびこれらに重要な変更があったときは、その旨およびその理由について開示することが要求されている。
- 企業結合
IFRSでは、すべての企業結合は取得法で会計処理することが要求されている(共同支配の取決め自体の財務諸表における共同支配の取決めの形成の会計処理、共通支配下の企業または事業の結合、および事業を構成しない資産または資産グループの取得を除く。)。子会社の支配を獲得した取得日に、のれんと区別して、その識別可能な資産および負債は一般的に支配獲得日の公正価値により、また非支配持分を連結財務諸表に計上する。
日本基準では、すべての企業結合(共同支配企業の形成および共通支配下の取引を除く。)はパーチェス法(取得法に類似する方法)で会計処理することが要求されている。パーチェス法による会計処理では、企業結合の対価は公正価値で測定される。
- のれんの当初認識と非支配持分の測定方法
IFRSでは、取得企業は、次の(a)が(b)を超過する額として測定される取得日時点ののれんを認識する。
(a) 次の総計
(i) 移転された対価(通常は取得日における公正価値)
(ii) 被取得企業のすべての非支配持分の金額
(iii) 段階的に達成される企業結合の場合には、取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日における公正価値
(b) 取得した識別可能な資産および引き受けた負債の取得日における正味の金額
IFRS第3号(改訂)では、非支配持分の認識について次の2つの方法のうちいずれかの方法の選択適用が認められている。
a) 非支配持分を取得日に公正価値により測定する。(いわゆる、全部のれんアプローチ)
b) 非支配持分は被取得企業の識別可能資産の純額の価値に対する持分割合により測定する。 (いわゆる、購入のれんアプローチ)
日本基準では、のれんは、企業または事業の取得原価が、取得した資産および引き受けた負債に配分された純額に対する持分相当額を超過する額として算定される(いわゆる、購入のれんアプローチ)。 子会社の資産および負債は取得日において公正価値により測定され、非支配株主持分は取得日における純資産の公正価値の非支配株主持分割合相当額により認識される(いわゆる、全面時価評価法)。
- のれんの償却
IFRSでは、のれんは償却されず、年1回もしくは事象や状況の変化が減損の可能性を示唆する場合はより頻繁に、減損テストが実施される。
日本基準では、のれんは20年以内のその効果が及ぶ期間にわたり定額法その他の合理的方法により規則的に償却され、必要に応じて減損処理の対象となる。ただし、金額に重要性が乏しい場合には、当該のれんが生じた事業年度の費用として処理することができる。
また、負ののれんについては、企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」に従い、その発生が見込まれる場合には、取得企業は、すべての識別可能資産および負債が把握されているか、また、それらに対する取得原価の配分が適切に行われているかを見直す。その見直し後もなお負ののれんが生じる場合には、当該負ののれんが生じた事業年度の利益として処理する。
- 段階取得
IFRSでは、段階取得による企業結合の場合、支配獲得前に保有していた被取得企業に対する持分を取得日における公正価値により再評価し、再評価差額は純損益に認識する。さらに、取得企業が被取得企業への持分の価値の変動をその他の包括利益に認識していた場合には、その認識額については取得企業が従来から保有していた持分を直接処分する場合に求められる会計処理と同じ基準により認識される。
非支配持分の測定については、上記「のれんの当初認識と非支配持分の測定方法」を参照のこと。
日本基準では、連結財務諸表上、支配を獲得するに至った取引のすべてについて、企業結合日の公正価値で取得原価を算定する。当該取得原価と、支配獲得までの個々の取引の原価合計との差額は損益とする。非支配株主持分の測定については、上記「のれんの当初認識と非支配持分の測定方法」を参照のこと。
- 金融商品の分類および測定
IFRSでは、IFRS第9号「金融商品」により、金融資産および金融負債を以下のように分類し、測定することが要求されている。
金融資産については、金融資産の管理に関する企業の事業モデルおよび金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性の両方に基づき、以下のように事後測定するものに分類しなければならない。
(a) 償却原価で事後測定するもの: 契約上のキャッシュ・フローを回収することを保有目的とする事業モデルの中で保有され、契約条件により元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で事後測定するもの: 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有され、契約条件により元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合。
(c) 純損益を通じて公正価値で事後測定するもの: 上記以外の場合。
ただし、企業は、当初認識時に、売買目的保有またはIFRS第3号が適用される企業結合における取得者によって認識される条件付対価ではない資本性金融商品の公正価値の事後変動をその他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行うことができる。
金融負債(公正価値オプションおよび負債であるデリバティブ等を除く)については、償却原価で事後測定するものに分類しなければならない。
またIFRS第9号では、会計上のミスマッチを除去または大幅に低減するなどの一定の要件を満たす場合、当初認識時に金融資産および金融負債を、純損益を通じて公正価値で測定するものとして取消不能の指定をすることができる(公正価値オプション)。
日本基準では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、金融資産および金融負債は以下のように測定される。
・ 売買目的有価証券は、公正価値で測定し、公正価値の変動は損益認識される。
・ 満期保有目的の債券は取得原価または償却原価で測定される。
・ その他有価証券(売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式および関連会社株式以外の有価証券)は、公正価値で測定し、公正価値の変動額は、(a) 純資産に計上され、売却、減損あるいは回収時に損益計算書へ計上されるか、または (b) 個々の証券について、公正価値が原価を上回る場合には純資産に計上し、下回る場合には損益計算書に計上する。
・ 市場価格のない株式等については、取得原価をもって貸借対照表価額とする。
・ 貸付金および債権は取得原価または償却原価から貸倒引当金を控除した金額で測定される。
・ 金融負債のうち支払手形、買掛金、借入金、社債その他の債務は債務額で測定される。ただし社債については、社債金額よりも低い価格又は高い価格で発行した場合など、収入に基づく金額と債務額とが異なる場合には、償却原価法に基づいて算定された価額で評価しなければならない。
日本では、IFRSで認められる公正価値オプションに関する規定はない。
- 金融資産の減損
IFRSでは、IFRS第9号「金融商品」に従い、償却原価で事後測定される金融資産またはその他の包括利益を通じて公正価値で事後測定される金融資産、リース債権、契約資産、純損益を通じて公正価値で事後測定されないローン・コミットメントおよび金融保証契約について、予想信用損失に対する損失評価引当金を認識しなければならない。その他の包括利益を通じて公正価値で事後測定される金融資産に係る損失評価引当金はその他の包括利益に認識し、財政状態計算書における当該金融資産の帳簿価額を減額してはならない。
各報告日における金融商品に係る損失評価引当金は、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しなければならない。
各報告日において、企業は、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しなければならない。この評価を行う際に、企業は、予想信用損失の金額の変動ではなく、当該金融商品の予想存続期間にわたる債務不履行発生のリスクの変動を用いなければならない。この評価を行うために、企業は、報告日現在での当該金融商品に係る債務不履行発生のリスクを当初認識日現在での当該金融商品に係る債務不履行発生のリスクと比較し、当初認識以降の信用リスクの著しい増大を示す、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しなければならない。
予想信用損失の測定に当たっては、次のものを反映する方法で見積もらなければならない。
・ 一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・ 貨幣の時間価値
・ 過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
報告日現在の損失評価引当金をIFRS第9号に従って認識が要求される金額に修正するために必要となる予想信用損失(または戻入れ)の金額は、減損利得または減損損失として、純損益に認識することが要求される。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」および関連する指針に従い、満期保有目的の債券、子会社株式および関連会社株式ならびにその他有価証券のうち、市場価格のない株式等以外のものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理しなければならない。市場価格のない株式等については、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額をし、評価差額は当期の損失として処理する。実質価額とは、通常、一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成した財務諸表を基礎に資産等の時価評価に基づく評価差額等を加味して算定した1株当たりの純資産額に、所有株式数を乗じた金額とされている。また、営業債権・貸付金等の債権については、債務者の財政状態および経営成績等に応じて債権を一般債権、貸倒懸念債権および破産更生債権等の3つに区分し、一般債権については貸倒実績率法、貸倒懸念債権については債権の状況に応じて財務内容評価法又はキャッシュ・フロー見積法、破産更生債権等については財務内容評価法と、債権の区分ごとに定められた方法に従い貸倒見積高を算定する。
また日本では、減損の戻入は、株式について禁止されているだけでなく、満期保有目的の債券およびその他有価証券に分類されている債券についても認められていない。貸付金および債権についても、直接減額を行った場合には、減損の戻入益の計上は認められていない。
- 金融資産の認識の中止
IFRSでは、IFRS第9号「金融商品」に従い、(1)資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、または(2)金融資産を譲渡し、かつⅰ)企業が金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが他の当事者に移転した時、もしくはⅱ)企業がリスクと経済価値のほとんどすべてを移転も保持もしないが金融資産に対する支配を保持していない場合、当該金融資産の認識を中止する。企業がリスクと経済価値のほとんどすべてを移転しないが保持もせず、譲渡された資産を支配し続ける場合には、企業は資産に対する留保持分と関連して支払う可能性がある負債を認識する。企業が、譲渡された金融資産のほとんどすべてのリスクと経済価値を保持している場合には、企業は金融資産の認識を継続する。
日本基準では、譲渡金融資産の財務構成要素ごとに、支配が第三者に移転しているかどうかの判断に基づいて、当該金融資産の認識の中止がなされる。
- 金融商品の分類変更
IFRSでは、IFRS第9号「金融商品」に従い、金融資産の管理に関する事業モデルを変更した場合にのみ、影響を受けるすべての金融資産を同基準に定める分類方法に従って分類変更することが求められている。金融負債の分類変更を行うことは認められていない。
日本では、会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」に従い、売買目的または売却可能(その他有価証券)から満期保有目的へ保有目的区分を変更することは認められず、売買目的から売却可能(その他有価証券)への保有目的区分の変更については、正当な理由がある限られた状況(トレーディング業務の廃止を決定した場合に、売買目的として分類していた有価証券の保有目的区分をすべて売却可能(その他有価証券)に変更することができる。)においてのみ認められている。
- ヘッジ会計
IFRSでは、IFRS第9号「金融商品」において、ヘッジに関する方針の文書化等のヘッジ会計の要件を満たした場合に、以下の3つのヘッジ関係に基づいて会計処理される。
(a) 公正価値ヘッジ:認識されている資産若しくは負債または未認識の確定約定(あるいはそうした項目の構成要素)の公正価値の変動のうち、特定のリスクに起因し、かつ、純損益に影響する可能性があるものに対するエクスポージャーのヘッジ。ヘッジ対象の特定のリスクに起因する公正価値の変動とヘッジ手段の公正価値の変動は、ともに純損益に認識される。ただし、公正価値の変動をその他の包括利益に表示することを企業が選択した資本性金融商品に対する公正価値ヘッジの場合には、ともにその他の包括利益に認識される。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ:認識されている資産若しくは負債または可能性の非常に高い予定取引の全部または構成要素に係る特定のリスクに起因し、かつ、純損益に影響する可能性があるものに対するキャッシュ・フローの変動可能性に対するエクスポージャーのヘッジ。ヘッジ手段の利得または損失の有効部分はその他の包括利益に直接認識され、非有効部分は純損益に認識される。
(c) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ:在外営業活動体に対する純投資のヘッジ。有効なヘッジと判断されるヘッジ手段から生じる為替換算差額は、その他の包括利益に直接認識され、非有効部分については純損益に認識される。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、ヘッジ会計の方法は、原則として、時価評価されているヘッジ手段に係る損益または評価差額を、ヘッジ対象(相場変動等による損失の可能性がある資産または負債で、予定取引により発生が見込まれる資産または負債も含まれる)に係る損益が認識されるまで純資産の部において繰り延べる方法(繰延ヘッジ)による。ただし、現時点ではその他有価証券のみを適用対象として、ヘッジ対象に係る相場変動等を損益に反映させることにより、その損益とヘッジ手段に係る損益とを同一の会計期間に認識する方法(時価ヘッジ)の適用も認められている。在外営業活動体に対する純投資に対するヘッジに関しては、企業会計審議会公表の「外貨建取引等会計処理基準」および関連する実務指針において、IFRSと概ね同様の会計処理が認められている。
また、ヘッジ全体が有効と判定され、ヘッジ会計の要件が満たされている場合には、ヘッジ手段に生じた損益のうち結果的に非有効となった部分についても、ヘッジ会計の対象として繰延処理を行うことができる(なお、合理的に区分できる非有効部分については当期の純損益に計上することができる)。
資産または負債に係る金利の受払条件を変換することを目的として利用されている金利スワップが、金利変換の対象となる資産または負債とヘッジ会計の要件を充たしており、かつ、その想定元本、利息の受払条件および契約期間が当該資産または負債とほぼ同一である場合には、金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純額等を当該資産または負債に係る利息に加減する「特例処理」が認められている。また、ヘッジ会計の要件を満たす為替予約等については、当分の間、為替予約等により確定する決済時における円貨額により外貨建取引および金銭債権債務等を換算し直物為替相場との差額を期間配分する方法(「振当処理」)によることができる。
- 退職後給付
IFRSでは、確定給付制度においては、制度負債は、予測単位積増方式を用いた数理計算に基づき測定され、制度負債と同様の期間および同様の通貨の優良社債の直接利回りを反映した金利で割引かれている。制度資産は、公正価値で測定されている。当該制度の資産が負債を超える場合は資産(超過額)として、不足する場合は負債(不足額)として、それぞれ貸借対照表に計上されている。各貸借対照表日においては、制度資産および確定給付制度債務は再測定される。損益計算書においては、以下を除く利得または損失の変動を反映する:退職給付制度への拠出および制度から支払われる退職給付ならびに企業結合および再測定後の利得および損失。再測定された利得および損失は、数理計算上の差異および制度資産からの収益(確定給付負債または資産の純額に係る利息純額に含められた金額を除く)および資産上限額の影響の変動(確定給付負債または資産の純額に係る利息純額に含まれる金額を除く)からなる。再測定された金額は、その他の包括利益に計上される。
利益または損失として認識される年金費用(収入)の金額は、制度資産の原価に含めることが他のIFRSで要求されているか、または、認められている場合を除いて、以下の個々の構成要素に含まれる。
・ 勤務費用(当期中の従業員の勤務により生じる、確定給付制度債務の現在価値の増加)
・ 利息費用の純額(確定給付制度債務の割引による戻入分および制度資産からの理論的な収益)
確定給付制度が積立超過の場合には、確定給付資産の純額を次のいずれか低い方で測定する。
・ 当該確定給付制度の積立超過
・ 制度からの返還または制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値(資産上限額)
日本基準では、企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準」および企業会計基準適用指針第25号「退職給付に関する会計基準の適用指針」に従って、退職給付見込額について全勤務期間で除した額を各期の発生額とする方法(期間定額基準)と、給付算定式基準のいずれかを選択適用することとされている。
日本では、割引率は、安全性の高い債券の利回りを基礎として決定するが、これには、期末における国債、政府機関債および優良社債の利回りが含まれ、いずれも選択可能である。また、割引率等の計算基礎に一定の重要な変動が生じていない場合には、割引率を見直さないことが認められている。制度資産に係る利息収益(長期期待運用収益)は、期首の年金資産の額に合理的に予想される収益率(長期期待運用収益率)を乗じて算定する。確定給付資産の上限はない。
また、遅延認識が認められており、原則として各期の発生額について平均残存勤務期間内の一定の年数で按分した額を毎期費用処理する。数理計算上の差異の当期発生額のうち費用処理されない部分(未認識数理計算上の差異)および過去勤務費用の当期発生額のうち費用処理されない部分(未認識過去勤務費用)についてはいずれも、連結財務諸表においては、その他の包括利益に計上する。また、その他の包括利益累計額に計上された未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務費用のうち、当期に費用処理された部分については、その他の包括利益の調整(組替調整)を行う。
14) 株式に基づく報酬
IFRSでは、IFRS第2号「株式に基づく報酬」がすべての株式に基づく報酬取引に適用され、持分決済型、現金決済型および現金選択権付きの株式に基づく報酬取引の3つが規定されている。
(a) 持分決済型の株式に基づく報酬取引:受け取った財またはサービスおよびそれに対応する資本の増加を、原則として受け取った財またはサービスの公正価値で測定する。従業員および他の類似サービス提供者との取引において受け取ったサービスについては、付与した資本性金融商品の付与日現在の公正価値で測定する。
(b) 現金決済型の株式に基づく報酬取引:受け取った財またはサービスおよび発生した負債を、当該負債の公正価値で測定する。
(c) 現金選択権付きの株式に基づく報酬取引:株式に基づく報酬取引または当該取引の構成要素を、現金(または他の資産)で決済する負債が発生している場合にはその範囲で現金決済型の株式に基づく報酬取引として、そのような負債が発生していない場合にはその範囲で持分決済型の株式に基づく報酬取引として、会計処理される。
また持分決済型取引に関して、ストック・オプション等の公正価値と予想される権利確定数に基づいて費用計上額を認識した後は、権利確定後に失効した場合でも費用の戻入等の処理は行われず、認識される株式に基づく報酬費用の総額に影響は生じない。
日本でも、企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」に基づき、ストック・オプションの付与日から権利確定日までの期間にわたり、付与日現在のストック・オプションの公正な評価額に基づいて報酬費用が認識され、対応する金額は資本(純資産の部の新株予約権)に計上される。また、実務対応報告第41号「取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い」の適用対象とされる取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に係る費用の認識および測定については、企業会計基準第8号の定めに準じることとされている。
ただし、企業会計基準第8号および実務対応報告第41号の適用範囲は持分決済型株式報酬に限定されており、現金決済型取引等については特段規定がなく、実務上は発生時に費用(負債)処理される。また、企業会計基準第8号では、権利確定後に失効した場合には失効に対応する新株予約権につき利益計上(戻入)を行う等、IFRSと異なる処理が定められている。
- 有給休暇引当金
IFRSでは、改訂IAS第19号「従業員給付」に従って、有給休暇引当金を計上することが要求されている。
日本基準においては、該当する規定はない。
- リース
IFRSでは、IFRS第16号「リース」が、リースを「資産(原資産)を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約または契約の一部分」と定義し、顧客が使用期間全体を通じて次の両方を有している場合にこれを満たすとしている。
(a) 特定された資産の使用からの経済的便益のほとんどすべてを得る権利
(b) 特定された資産の使用を指図する権利
IFRS第16号は、期間が12か月超のすべてのリースについて、資産および負債を認識することを借手に要求している(原資産が少額の場合を除く)。借手は、リース対象の原資産の使用権を表す使用権資産およびリース料の支払義務を表すリース負債を認識することを要求される。
借手は、使用権資産をその他の非金融資産(有形固定資産等)と同様に、リース負債をその他の金融負債と同様に測定する。その結果、借手は使用権資産の減価償却費およびリース負債に係る利息を認識する。リースから生じる資産および負債は当初現在価値ベースで測定する。この測定には、解約不能なリース料(インフレに連動する料金を含む)が含まれる。また、借手がリースを延長するオプションを行使する、またはリースを解約するオプションを行使しないことが合理的に確実である場合には、オプション期間に行われる支払も含まれる。
日本では、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」が、リース取引を、「特定の物件の所有者たる貸手が、当該物件の借手に対し、合意された期間にわたりこれを使用収益する権利を与え、借手は、合意された使用料を貸手に支払う取引」と定義している。借手は、リース取引をファイナンス・リース取引とそれ以外の取引(オペレーティング・リース取引)に区分し、ファイナンス・リース取引について、財務諸表に資産計上し、対応するリース債務を負債に計上する。ファイナンス・リース取引とは、解約不能かつフルペイアウトの要件を満たすものをいい、ファイナンス・リース取引に該当するかどうかについてはその経済的実質に基づいて判断すべきものであるとしている。ただし、解約不能リース期間がリース物件の経済的耐用年数の概ね75%以上、または解約不能のリース期間中のリース料総額の現在価値がリース物件を借手が現金で購入するものと仮定した場合の合理的見積金額の概ね90%以上のいずれかに該当する場合は、ファイナンス・リースと判定される。リース資産およびリース債務の計上額を算定するにあたっては、原則として、リース契約締結時に合意されたリース料総額からこれに含まれている利息相当額の合理的な見積額を控除する方法による。当該利息相当額については、原則として、リース期間にわたり利息法により配分する。再リースに係るリース料は、企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」に基づき、借手が再リースを行う意思が明らかな場合を除き、リース料総額に含めない。ファイナンス・リースは、借手の財務諸表に資産計上され、対応するリース債務が負債に計上される。なお、オペレーティング・リース取引、および少額(リース契約1件当たりのリース料総額が300万円以下の所有権移転外ファイナンス・リース)または短期(1年以内)のファイナンス・リースについては、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。
- 無形資産および有形固定資産の減損
IFRSでは、各報告日において、有形固定資産または無形資産の減損の兆候の有無について評価している。そのような兆候が存在する場合、会社は当該資産の回収可能価額および減損損失を見積らなければならない。のれんおよび耐用年数を特定できない無形資産については、年1回もしくは事象や状況の変化が減損の兆候を示す場合はより頻繁に、減損テストが実施される。無形資産(のれんを除く。)または有形固定資産に係る減損損失の戻入は、回復の都度、認識されている。ただし、増加した帳簿価額は、減損損失計上前の帳簿価額を超えてはならない。なお、のれんに係る減損損失の戻入は行われない。
日本基準では、「固定資産の減損に係る会計基準」に従い、資産の減損の兆候が認められ、かつ割引前将来キャッシュ・フローの総額(20年以内の合理的な期間に基づく)が帳簿価額を下回ると見積られる場合において、回収可能価額(正味売却価額と使用価値(継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い方の金額)と帳簿価額の差額につき減損損失を計上する。減損損失の戻入は認められない。
- 引当金の計上基準
IFRSでは、以下の要件すべてを満たす場合に認識しなければならない。
・ 企業が過去の事象の結果として現在の債務(法的または推定的)を有している。
・ 当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高い。
・ 当該債務の金額について信頼性のある見積りができる。
貨幣の時間価値による影響が重要な場合には、引当金額は債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値としなければならない。
日本基準では、以下のすべてを満たす場合に認識しなければならない。
・ 将来の特定の費用または損失である。
・ その発生が当期以前の事象に起因する。
・ 発生の可能性が高い。
・ その金額を合理的に見積もることができる。
日本基準においては、「現在の債務」であることが明確に要請された規定は無い。また、引当金について割引計算について該当する一般的な規定はない。
19)金融保証契約
IFRSでは、IFRS第9号「金融商品」に従い、金融保証契約については、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に指定した場合、または金融資産の譲渡が認識の中止の要件を満たさない場合もしくは継続的関与アプローチが適用される場合に生じる金融負債に該当する場合を除いて、当初は公正価値で計上し、当初認識後は予想信用損失に対する損失評価引当金の金額と、当初認識額からIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の原則に従って認識された収益の累計額を控除した金額とのいずれか高い方の金額で事後測定することが要求されている。
日本では、金融資産または金融負債の消滅の認識の結果生じる債務保証を除いて、保証を当初より公正価値で貸借対照表に計上することは求められていない。保証に起因して、将来の損失が発生する可能性が高く、かつその金額を合理的に見積ることができる場合には、債務保証損失引当金を計上する。銀行の場合には、第三者に負う保証債務は偶発債務として額面金額を支払承諾勘定に計上し、同時に銀行が顧客から得る求償権を偶発債権として支払承諾見返勘定に計上する。関連する貸倒引当金も計上される。
- コミットメント・フィー
IFRSでは、コミットメント・フィーは、融資枠残高に対する割合により決定されている。融資枠が使用される可能性が低い場合、この手数料は融資枠の契約期間にわたり損益として認識され、その他の場合は、貸付が実行されるまで繰延べられ、実行の際に実効金利に対する調整として認識されている。
日本基準では、コミットメント・フィーは、発生主義に基づき、当期に対応する部分を収益として認識する。
- 賦課金
IFRIC第21号「賦課金」では、企業は、法令によって賦課金の支払の契機となる活動が生じた時点においてのみ当該支払を負債認識する。債務発生事象が一定期間にわたって生じる場合には、負債は当該期間にわたって徐々に認識される。賦課金を支払う義務が、一定の閾値に達した時に発生する場合には、当該負債はその閾値に達した時点においてのみ認識される。
日本では、IFRIC第21号のような賦課金に関する特段の規定はない。
22) 繰延税金
(a) 繰延税金資産の回収可能性
IFRSでは、IAS第12号「法人所得税」に基づき、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について繰延税金資産を認識しなければならない。近年に損失が発生した経歴があるときは、企業は、税務上の繰越欠損金または繰越税額控除より発生する繰延税金資産を、十分な将来加算一時差異を有する範囲内でのみ、または税務上の繰越欠損金もしくは繰越税額控除の使用対象となる十分な課税所得が稼得されるという他の信頼すべき根拠がある範囲内でのみ認識する。
日本では、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に詳細な規定があり、収益力、タックス・プランニングおよび将来加算一時差異の解消に基づき、各一時差異の解消のスケジューリング等を考慮して、繰延税金資産の回収可能性を判断することが求められている。収益力に基づく判断に際しては、過去3年間と当期の課税所得等の要件に基づき企業を5つに分類し、当該分類に応じて、回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定する。
(b) 内部取引の未実現利益の消去に係る税効果
IFRSでは、IAS第12号「法人所得税」に基づき、内部取引の未実現利益の消去に係る税効果は、資産負債法に基づき、一時差異が発生している資産を保有する買手の税率により繰延税金資産を測定する。買手では、未実現利益の消去により発生する将来減算一時差異も含め、すべての将来減算一時差異についての繰延税金資産の回収可能性を判断する。
日本では、JICPA会計制度委員会報告第6号「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」および企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」に基づき、内部取引の未実現利益の消去に係る一時差異に対しては、例外的に繰延法に基づき売却元の税率を使用する。また、未実現利益の消去に係る一時差異は、売却元の売却年度の課税所得の額を上限とする。
- 負債と資本の区分
IFRSでは、IAS第32号「金融商品:表示」に基づき、当初認識時に、契約の実質、ならびに金融負債、金融資産および資本性金融商品の定義に従い、金融負債、金融資産または資本性金融商品に分類する。
日本では、会社法上の株式として発行された金融商品は、純資産の部に計上される。転換社債型新株予約権付社債については、企業会計基準適用指針第17号「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理」において、一括して負債とするか、社債と新株予約権に区分して負債と純資産の部にそれぞれ表示することが定められている。
(2) 日本とフランスとの単体の会計原則の相違(フランスの単体の会計原則に係るもの)
添付のナティクシス・エス・エーの個別財務諸表は、フランスの金融機関が適用している会計原則に従って作成されている。これらは日本の会計原則とは、いくつかの点で異なる。直近期の財務諸表に関する主な相違点は以下のとおりである。
- 資産の減損
フランスの会計原則では、貸付金および債権に関して、延滞貸付金は、借手が契約条件の一部またはすべてを遵守しないリスクがあると銀行が考えているような貸付金として定義される。これは、(a)1回またはそれ以上の約定返済の不履行期間が3ヶ月(不動産貸付金の場合は6ヶ月、地方自治体に対する貸付金の場合は9ヶ月)超の貸付金や、(b)法的手続が既に開始されている貸付金、あるいは (c)デフォルトが発生していなくとも、銀行にとって回収可能性にリスクがあると思われる借手に対する貸付金が該当する。特定の貸付金が延滞貸付金に分類された場合、当該貸付金の債務者に対するその他のあらゆる貸付金およびコミットメントは、自動的に同じ分類となる。
フランスの会計原則では、償却可能な固定資産については、決算日時点で潜在的な減損の兆候がないかどうかを確認するため、減損テストを行う。非償却資産については、毎年減損テストが行われる。減損の兆候がある場合には、新たな回収可能額と帳簿価額を比較する。資産の減損が発見された場合、減損損失が損益計算書および貸借対照表で認識される。この損失は、見積回収可能額に変更があった場合、あるいは減損の兆候がなくなった場合に戻し入れが行われる。
フランスの会計原則に基づく資産の使用価値は、日本の会計原則における割引後将来キャッシュ・フローと類似している。また、資産の公正価値の最善の証拠は、(ⅰ)拘束力のある売買契約における価格、(ⅱ)市場価格、(ⅲ)決算日現在、取引の知識がある自発的な当事者の間で独立第三者間取引条件による資産の売却から得られる金額について、事業体が入手することのできる最善の情報とされている。一度認識された減損損失は、その後当該資産(のれんを除く)の減損の理由が存在しなくなったか減少した場合には、戻し入れられる。
日本の会計原則では、固定資産の減損に関する会計基準として、「固定資産の減損に係る会計基準」が適用されている。当該基準では、長期性資産の割引前見積将来キャッシュ・フローが帳簿価額より低い場合に、当該帳簿価額と回収可能価額の差額が減損損失として計上される。減損損失の戻入れは禁止されている。
貸付金および債権については、債務者の財政状態および経営成績等に応じて債権を3つ(一般債権、貸倒懸念債権および破産更生債権等)に区分し、区分ごとに定められた方法に従い貸倒見積高を算定する。
- 有価証券
フランスの会計原則では、「有価証券」という用語は、(ⅰ)銀行間市場で取引される有価証券、(ⅱ)財務省証券や譲渡性預金、(ⅲ)債券およびその他の固定利付証券(固定金利であるか変動金利であるかを問わない)、ならびに(ⅳ)株式およびその他の変動利付証券を意味する。
CRC規則第2014-07号の適用により、有価証券は以下のとおり分類される。
(ⅰ)「トレーディング勘定の有価証券」
このカテゴリーには、短期間で売却するか買戻すことを目的に売買する有価証券や、マーケット・メイキング業務の結果として保有している有価証券が含まれる。これらの有価証券は、活発な市場で取引可能であり、かつ市場価格が正常な競争環境で定期的に行われる実際の取引の価格を反映している場合、市場価格で評価される。これら有価証券の市場価格の変動は、損益計算書および貸借対照表に認識される。
(ⅱ)「売却可能有価証券」
このカテゴリーには、その他のカテゴリーのいずれにも分類されない有価証券が含まれる。株式、債券およびその他の固定利付証券は、取得原価(未収利息を除く)と、推定市場価値(通常、株式市場価格に基づき決定される)のうちいずれか低い方の価額で評価される。
(ⅲ)「中期的に売却可能な持分証券」は、長期的な利益獲得を念頭においた発行体の事業開発への投資ではなく、中期的な利益獲得を念頭に置いたポートフォリオ管理を目的とする投資で構成される。これらの有価証券は、取得原価と公正価値のうちいずれか低い方の価額で銘柄ごとに計上される。
(ⅳ)「満期保有目的証券」は、既定の満期がある固定利付証券(主に債券、銀行間市場で取引される有価証券、財務省証券やその他譲渡性預金)のうち、満期まで保有するという当行の意思があるものに関連している。これらの有価証券の取得原価と償還価格の差額は、利息法を用いて損益計算書に認識される。貸借対照表では、当該証券の残存期間にわたり、当該証券の帳簿価額がその償還価額まで償却される。
(ⅴ)「その他長期投資」は、当行が、発行体の経営に積極的に参加することではなく、発行体と特別な関係を築くことにより長期的な事業関係の構築を促進することを意図しながら、長期的視点で十分な利益を獲得することを目的に長期保有する意図を持っているような株式および関連商品である。この種の有価証券は、取得原価と公正価値のいずれか低い方の価額で銘柄ごとに計上される。
(ⅵ)「関連会社に対する資本持分および投資」は、当行が経営に対する重要な影響力を持っている関連会社に対する投資や、当行の事業開発上戦略的意図を持った投資を含む。当該影響力は、当行が少なくとも10%の所有持分を保有している場合に存在するものとみなされる。この種の有価証券は、取得原価と公正価値のいずれか低い方の価額で銘柄ごとに計上される。
信用リスクが発生した場合、「売却可能」または「満期保有目的」のポートフォリオ内で保有する固定利付証券は、貸付金および債権ならびにコミットメントに適用される基準と同じ基準に基づき、延滞貸付金に分類される。取引先リスクにさらされている有価証券が延滞貸付金に分類され、関連引当金の額を個別に特定できる場合、対応する費用は「リスク費用」に含まれる。
日本の会計原則では、有価証券は経営者の保有目的およびその能力により以下のように分類および会計処理される。
(ⅰ) 売買目的有価証券
短期間の価格変動により利益を得ることを目的として保有される。時価で計上され、評価差額は当期の損益として計上される。
(ⅱ) 満期保有目的の債券
満期まで保有する積極的な意思とその能力に基づいて、満期までの保有が見込まれる債券。償却原価法に基づいて算定された価額で計上される。
(ⅲ) 子会社株式および関連会社株式
子会社株式および関連会社株式は、個別財務諸表では取得原価で計上される。
(ⅳ)その他有価証券
上記のいずれにも分類されない有価証券。時価で計上され、評価差額は、税効果を調整の上、純資産の部に計上される。
市場価格のない株式等については取得原価で計上される。
著しい時価の下落が生じた場合には、有価証券の帳簿価額は時価まで減額され、かかる評価差額は当期の損失として処理される。
- 自己株式
フランスの会計原則では、自己株式は資産として計上され、必要に応じて引当金の設定対象となる。従業員割当を目的として取得された自己株式は、市場価格に基づく減損の対象とはならない。
日本の会計原則では、自己株式は取得原価により、純資産の部の株主資本の末尾に自己株式として一括して控除する形式で表示される。
- 年金その他の退職後給付
フランスの会計原則では、法定財務諸表上に年金およびその他の退職後給付を認識することは要求されていない。しかし、CNC緊急委員会意見書2000-Aおよびプランコンタブルジェネラル第335-1条の適用により、退職後給付を法定財務諸表上に認識することを選択することができる。
日本の会計原則では、個別財務諸表と連結財務諸表の両方において退職後給付を認識することが要求されている。
- リスク費用引当金
フランスの会計原則では、銀行取引と無関係な項目に対する当該引当金は、以下の場合に限り計上できる。
- 期末日において第三者に対する債務を有している場合
- 第三者へ経済的資源を提供しなければならない可能性が高い場合
- かつ見返りとして提供物と同等の経済的便益を当該第三者から得られる見込みがない場合
日本の会計原則では、将来の特定の費用または損失について、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、その金額を合理的に見積もることができる場合に、当期の負担に属する金額を当期の費用または損失として引当金に繰り入れる。
- 法人所得税の会計処理
フランスの会計原則では、繰延税金資産および負債の計上は選択可能であるが、当期税金は認識する必要がある。当行は個別財務諸表では、繰延税金資産および負債の計上の選択はしておらず、当期税金のみ認識している。
日本の会計原則では、税金費用は税引前利益に基づいて計上され、個別財務諸表と連結財務諸表の両方において繰延税金の計上が行われる。
- デリバティブ
フランスの会計原則では、金利、為替、株式先物の売買目的取引およびヘッジ取引に係るコミットメントは、オフバランス・シート項目として当該契約の想定元本額で計上される。適用される会計方針は金融商品の種類および当初の取引目的により異なる。
先物取引
金利スワップおよび類似契約(金利先渡契約、カラー取引など)は当初の取引目的により次のように分類される。
・ ミクロヘッジ(個別ヘッジ)
・ マクロヘッジ(貸借対照表全体が対象)
・ 投機的ポジション/独立オープンポジション
・ 売買目的ポートフォリオと併せて利用
上記の最初の2つのカテゴリーについての受け払い金額は、期間按分して純損益に認識する。独立オープンポジションの基準を満たす先物契約の利得および損失は、金融商品の種類に応じて、当該先物契約が決済された時点か、または当該先物契約期間にわたり純損益に計上する。特定資産運用契約として分類される契約は、カウンターパーティー・リスクおよび将来の維持管理費の現在価値を斟酌するための割引を適用した上で再構築コスト法または債券相当アドオン方式を用いて測定される。ある会計期間から次の会計期間までの価値の変動は、損益計算書において直ちに認識する。
オプション
オプションの原資産の想定元本額は、ヘッジ目的の契約と資本市場売買取引の一環としての契約に区分されて認識される。
金利オプション、為替オプション、またはエクイティ・オプションについては、支払ったプレミアムまたは受領したプレミアムは仮勘定に認識する。組織化された市場または類似の市場で取引されたオプションは、年度末に評価され純損益に認識される。店頭オプション(OTC)は、キャピタル・ロスについては引当金が認識されるが、未実現利得については認識しない。
ヘッジ手段の収益および費用は、ヘッジ対象から発生する収益および費用と対称になるように認識する。
日本の会計原則では、スワップ、先物、先渡およびオプション等のデリバティブ取引は公正価値で測定される。再評価に係る利得または損失は、適格なヘッジ手段として指定されていない限り損益計算書に損益として認識される。
日本の会計原則では、文書化およびヘッジの有効性に関する一定の適格要件が満たされていることを条件として、ヘッジ会計の適用が認められている。ヘッジ会計においては、ヘッジ手段の再評価に係る利得および損失は、ヘッジ対象の利得または損失が損益計算書に認識されるまで、原則として、純資産の部において繰延べられる。一定の条件下では、ヘッジ対象およびヘッジ手段双方の再評価に係る利得または損失を、同一の会計期間に、損益計算書において認識することができる。
複合金融商品に含まれる組込デリバティブについては通常、一定の条件を満たす場合に、主契約から分離され、金融資産または負債として公正価値で測定される。再評価に係る利得または損失は、損益計算書に損益として認識される。
第7 【外国為替相場の推移】
ユーロと本邦通貨との間の為替相場は、最近5年間において、国内において時事に関する事項を掲載する2以上の日刊新聞紙に掲載されているため、本項の記載を省略する。
第8 【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
該当事項なし。
第9 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
該当事項なし。
2 【その他の参考情報】
当該事業年度の開始日から本書提出日までの期間において提出された書類および提出日は以下のとおりである。
| (1) 訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年1月14日 |
|---|---|
| (2) 発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年1月24日 |
| (3) 訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年2月3日 |
| (4) 発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年2月21日 |
| (5) 訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年3月31日 |
| (6) 発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年4月18日 |
| (7) 有価証券報告書および添付書類 | 提出日:2025年5月12日 |
| (8) 発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年5月12日 |
| (9) 訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年5月16日 |
| (10)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年5月20日 |
| (11)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年5月28日 |
| (12)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年5月30日 |
| (13)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年5月30日 |
| (14)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年6月3日 |
| (15)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年6月6日 |
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| (17)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年6月17日 |
| (18)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年6月19日 |
| (19)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年6月19日 |
| (20)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年6月27日 |
| (21)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年6月30日 |
| (22)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年7月1日 |
| (23)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年7月18日 |
| (24)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年8月14日 |
| (25)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年8月29日 |
| (26)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年8月29日 |
| (27)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年9月1日 |
| (28)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年9月11日 |
| (29)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年9月18日 |
| (30)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年9月18日 |
| (31)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年9月19日 |
| (32)半期報告書および添付書類 | 提出日:2025年9月30日 |
| (33)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年10月1日 |
| (34)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年10月8日 |
| (35)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年10月28日 |
| (36)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年10月31日 |
| (37)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年11月13日 |
| (38)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年11月17日 |
| (39)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年11月17日 |
| (40)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年11月27日 |
| (41)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年11月28日 |
| (42)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2025年11月28日 |
| (43)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年12月1日 |
| (44)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年12月15日 |
| (45)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年12月16日 |
| (46)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2025年12月16日 |
| (47)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2026年1月13日 |
| (48)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2026年1月21日 |
| (49)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2026年1月23日 |
| (50)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2026年1月30日 |
| (51)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2026年2月4日 |
| (52)訂正有価証券報告書(2025年5月12日提出の有価証券報告書の訂正) | 提出日:2026年2月16日 |
| (53)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2026年2月16日 |
| (54)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2026年2月18日 |
| (55)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2026年3月2日 |
| (56)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2026年3月31日 |
| (57)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2026年4月7日 |
| (58)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2026年4月15日 |
| (59)訂正発行登録書(2024年5月31日提出の発行登録書の訂正) | 提出日:2026年4月16日 |
| (60)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2026年4月20日 |
| (61)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2026年4月30日 |
| (62)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2026年5月1日 |
| (63)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2026年5月7日 |
| (64)発行登録追補書類および添付書類 | 提出日:2026年5月13日 |
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
第1 【保証会社情報】
該当事項なし。
第2 【保証会社以外の会社の情報】
該当事項なし。
第3 【指数等の情報】
1 【当該指数等の情報の開示を必要とする理由】
(1) 当行の発行している有価証券
ナティクシス 2029年11月26日満期 期限前償還条項付 日経平均株価連動デジタルクーポン円建社債
ナティクシス 2030年3月4日満期 日米2指数参照 期限前償還条項付 日経平均株価・S&P500指数連動デジタルクーポン円建社債
ナティクシス 2030年6月11日満期 日米2指数参照 期限前償還条項付 日経平均株価・S&P500指数連動デジタルクーポン円建社債
ナティクシス 2030年7月9日満期 日米2指数参照 期限前償還条項付 日経平均株価・S&P500指数連動デジタルクーポン円建社債
ナティクシス 2030年9月9日満期 日米2指数参照 期限前償還条項付 日経平均株価・S&P500指数連動デジタルクーポン円建社債
ナティクシス 2030年10月9日満期 日米2指数参照 期限前償還条項付 日経平均株価・S&P500指数連動デジタルクーポン円建社債
ナティクシス 2030年10月17日満期 期限前償還条項付 日経平均株価連動デジタルクーポン円建社債
ナティクシス 2030年11月26日満期 日米2指数参照 期限前償還条項付 日経平均株価・S&P500指数連動デジタルクーポン円建社債
ナティクシス 2030年12月9日満期 日米2指数参照 期限前償還条項付 日経平均株価・S&P500指数連動デジタルクーポン円建社債
10)ナティクシス 2030年12月23日満期 日米2指数参照 期限前償還条項付 日経平均株価・S&P500指数連動デジタルクーポン円建社債
11)ナティクシス 2031年2月13日満期 日米2指数参照 期限前償還条項付 日経平均株価・S&P500指数連動デジタルクーポン円建社債
12)ナティクシス 2031年5月15日満期 日米2指数参照 期限前償還条項付 日経平均株価・S&P500指数連動デジタルクーポン円建社債
13)ナティクシス 2031年5月21日満期 期限前償還条項付 日経平均株価連動デジタルクーポン円建社債
(2) 理由
上記2)、3)、4)、5)、6)、8)、9)、10)、11)および12)の社債は、その条件に従い、利率、早期償還の有無および満期償還額が日経平均株価およびS&P500の水準により決定されるため、日経平均株価およびS&P500についての開示を必要とする。
上記1)、7)および13)の社債は、その条件に従い、利率、早期償還の有無および満期償還額が日経平均株価の水準により決定されるため、日経平均株価についての開示を必要とする。
(3) 内容
- 日経平均株価
東京証券取引所プライム市場に上場されている選択された225銘柄の株価指数である日経平均株価(日経225)をいい、かかる指数は株式会社日本経済新聞社により計算および公表される。
- S&P500
S&P500指数としてS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス・エル・エル・シーが計算し、公表している値をいう。
2 【当該指数等の推移】
(1) 日経平均株価の過去の推移(終値ベース)
| (単位:円) | |||||||||||
| 最近5年間の 年別最高・最低値 | 年別 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |||||
| 最高 | 30,670.10 | 29,332.16 | 33,753.33 | 42,224.02 | 52,411.34 | ||||||
| 最低 | 27,013.25 | 24,717.53 | 25,716.86 | 31,458.42 | 31,136.58 | ||||||
| 当事業年度中 最近6ヶ月の 月別最高・最低値 | 月別 | 2025年7月 | 2025年8月 | 2025年9月 | 2025年10月 | 2025年11月 | 2025年12月 | ||||
| 最高 | 41,826.34 | 43,714.31 | 45,754.93 | 52,411.34 | 51,497.20 | 51,028.42 | |||||
| 最低 | 39,459.62 | 40,290.70 | 41,938.89 | 44,550.85 | 48,537.70 | 49,001.50 | |||||
出所:ブルームバーグ・エル・ピー
(2) S&P500の過去の推移(終値ベース)
| (単位:ポイント) | |||||||||||
| 最近5年間の 年別最高・最低値 | 年別 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |||||
| 最高 | 4,793.06 | 4,796.56 | 4,783.35 | 6,090.27 | 6,932.05 | ||||||
| 最低 | 3,700.65 | 3,577.03 | 3,808.10 | 4,688.68 | 4,982.77 | ||||||
| 当事業年度中 最近6ヶ月の 月別最高・最低値 | 月別 | 2025年7月 | 2025年8月 | 2025年9月 | 2025年10月 | 2025年11月 | 2025年12月 | ||||
| 最高 | 6,389.77 | 6,501.86 | 6,693.75 | 6,890.89 | 6,851.97 | 6,932.05 | |||||
| 最低 | 6,198.01 | 6,238.01 | 6,415.54 | 6,552.51 | 6,538.76 | 6,721.43 | |||||
出所:ブルームバーグ・エル・ピー
連結財務諸表に対する法定監査人の監査報告書
2025****年12月31日に終了した年度
ナティクシス株主総会御中
ナティクシスS.A.
75013 パリ市プロムナード・ジェルメーヌ・サブロン7番地
監査意見
株主総会により私たちに委託された契約に則り、私たちは2025年12月31日に終了した年度のナティクシスS.A.の添付の連結財務諸表について監査を実施した。
私たちの意見では、当該連結財務諸表は、欧州連合によって採用されている国際財務報告基準(IFRS)に準拠して、グループの過去1年度にわたる資産・負債および財政状態ならびに同日に終了した年度の経営成績について真実かつ公正な概観を与えている。
上に表明した意見は、監査委員会に対する私たちの報告内容と一致する。
意見の根拠
監査の枠組み
私たちは、フランスにおいて適用される専門家としての職業上の基準に準拠して監査を行った。私たちは、監査意見の根拠となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと考えている。
当該基準に基づく私たちの責任については、本報告書の「連結財務諸表の監査に関する法定監査人の責任」にて詳しく説明されている。
独立性
私たちは、2025年1月1日から本報告書発行日までの期間にわたり、フランス商法およびフランスの法定監査人の倫理規定に規定される独立性に関する規則に準拠して監査業務を実施し、特に、EU規則2014年第537号第5条第1項により禁止されている業務は一切提供していない。
私たちの評価の妥当性‐監査上の主要な検討事項
私たちの評価の妥当性に関するフランス商法第L.821-53条および第R.821-180条の規定に従い、当年度の連結財務諸表の監査にとって極めて重要であると職業的専門家として私たちが判断した重大な虚偽表示リスクに関する監査上の主要な検討事項、ならびに私たちが示したそれらリスクへの対処方法に留意いただきたい。
これらの評価は、連結財務諸表全体の監査と先に表明した私たちの意見の形成という観点から実施された。私たちは、連結財務諸表の特定の項目について個別の意見を示すことはしていない。
**
**
顧客貸出金および債権の減損(ステージ1、2および3)
| 識別されたリスクと主な判断 | 私たちの監査アプローチ |
|---|---|
| ナティクシスは、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門における金融事業の一環として、顧客に供与した貸出金および債権ならびに貸出コミットメントに関係して、信用リスクにさらされている。 IFRS第9号の「減損」規定に従い、ナティクシスは、ステージ1、2または3への分類に応じたそれらの残高に係る予想信用損失をカバーするために減損および引当金を認識している。それらの残高に割り当てられるステージは、当初認識以降に観察される信用リスクの増加に左右される。2025年度において、信用リスクの悪化は、連結財務諸表注記5.3に示されている定量的規準および定性的規準を基に評価された。 ステージ1または2に分類される残高に係る予想信用損失に対する減損または引当金は、将来予測的な情報を考慮し、予想年度ごとに、デフォルト時エクスポージャー(EAD)、デフォルト確率(PD)およびデフォルト時損失率(LGD)をインプットとした積を合計し、これを割り引いて算定されている。 ナティクシスはこれらのインプットを定義するために既存の概念とメカニズムを利用している。具体的には、規制上の自己資本要件(自己資本比率)を計算するために開発された内部モデルや、ストレス・テスト・メカニズムで使用されるものと類似の予測モデルを利用している。 2025年7月に、ナティクシスはマクロ経済シナリオを更新し、シナリオ間のレンジを縮小した結果、中央シナリオから楽観的シナリオおよび悲観的シナリオへのウエイトの移行が生じている。 ナティクシスはまた、信用リスク推計システムを専門家の判断に基づく調整で補完しており、これにより予想損失額は増加している。2025年度末のこれらの調整は、特に不動産セクターおよび米国の洋上風力発電セクターの業況悪化に加え、AIバブル崩壊の可能性およびこれに関連する地政学的リスクを反映したものである。 既知のデフォルトリスクがある貸出金残高(ステージ3)については、基本的に個別ベースで算定される減損が計上されている。これらの減損は、債権の回収可能価額、すなわち、担保による影響を考慮に入れた回収可能な将来キャッシュ・フローの見積りの現在価値を基に測定されている。 顧客に対する貸出金および債権(ステージ1、2および3)の減損は、貸出金残高のステージ1、2または3への分類、ステージ1および2の残高に関係する減損の計算に必要なインプットおよび手続の決定、ならびにステージ3に区分される貸出金残高の個別の引当金繰入水準の評価のいずれの観点からも、特に経済的に不確実な状況下での財務諸表の作成において判断が重要な役割を果たす領域であるため、監査上の主要な検討事項であると私たちは判断した。 2025年12月31日現在、償却原価で測定される顧客貸出金および債権に関係する正味エクスポージャーは84,181 百万ユーロであった。また、2025年度において、リスク費用は237百万ユーロであった。 詳しくは連結財務諸表注記5.1、5.3、5.22、6.8、7.6.2および9.1を参照されたい。 | 私たちは、リスクと経済状況の変化を考慮に入れて作業を行った。私たちは、ナティクシスの内部統制システムの妥当性について、特に不確実性のあるマクロ経済環境への適合の観点から評価した。 ステージ1および2に属する貸出金残高の減損 私たちは主に次の作業を実施した: ・ ナティクシスの内部統制システムにおける統制上の要点の有効性の評価とテスト ・ 信用リスクの重大な悪化の定義に用いられている指標に応じたステージ1または2への残高の分類 ・ 内部モデルの検証および使用 ・ 以下の事項の適切性の評価 ・ 2025年12月31日現在の減損の測定に使用したパラメータ ・ マクロ経済環境の不確実性を考慮したマクロ経済シナリオの調整 ・ 当該モデルから得られる予想信用損失の推定値を補完する専門家による調整 ・ クオンツ・ファイナンスの専門家の協力を得て、予想信用損失の推計に使用されたパラメータの決定と算定に用いられた手法の適切性の評価 ・ 契約のサンプルに関する確認計算の実施 ステージ3に属する貸出金残高の減損 私たちは、次の項目に関連する統制をはじめとする、ナティクシスが整備している主な統制の設計を評価し、その有効性をテストした: ・ 客観的な減損の兆候(期限を過ぎた支払いや返済条件の緩和など)の識別および取引相手方の格付プロセス ・ ステージ3へのエクスポージャーの分類 ・ 保証のモニタリング、その分析および評価 ・ 個別の減損損失の算定および関連するガバナンスおよび妥当性の確認システム また、重要性およびリスク規準を基に抽出したファイルのサンプルに基づいて、私たちは与信レビューを実施した。このレビューの中で私たちは: ・ リスクが著しく増加した取引相手方の状況について入手可能な最新の情報を確認した。 ・ 機関が提出した情報および外部データを基に、経営陣が使用した仮定および算定した引当金の見積りについて独立した立場から分析を実施した。 ・ 減損引当金の見積りが正確に認識されていたかを検証した。 この作業の一環として、当該の危機に鑑みて顧客に認められた措置(返済猶予、政府保証ローンなど)が実際にリスク評価に組み込まれていたかを検証した。 私たちはまた、信用リスクに関連するものを含む、顧客貸出金および債権の減損に関する注記に詳述されている情報の妥当性も検証した。 |
法務リスク・税務リスクおよびコンプライアンス・リスクに関する引当金
| 識別されたリスクと主な判断 | 私たちの監査アプローチ |
|---|---|
| 引当金は、過去の事象の結果として有する義務を決済するために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高く、かつ、当該義務の金額を信頼性をもって見積ることができる場合に計上される。この金額を計算するために、ナティクシスはリスクが発生する可能性を評価する必要がある。割引計算の影響が大きい場合は、将来キャッシュ・フローは割り引かれる。引当金の認識およびその金額の算定、ならびに連結財務諸表注記に開示される情報には、まさにその性質により、とりわけ現在進行中の訴訟の結果および財務的影響の見積りが難しいため、判断の行使が必要となる。 したがって、私たちは、経営陣が採用した仮定および選択肢に対するこれらの引当金の感応度に鑑み、リスク、係争手続および訴訟に関する引当金は監査上の主要な検討事項であると判断した。 2025年12月31日現在、注記7.16に示されている訴訟引当金は393百万ユーロであった。 詳しくは連結財務諸表注記5.13、5.22および7.16を参照されたい。 | 私たちは、訴訟リスクおよびコンプライアンス・リスクの識別、評価および引当金計上手続を検証した。 私たちは、現在進行中の訴訟の状況およびナティクシス・グループが識別した主なリスクを、主に経営陣(より具体的には、ナティクシスの法務、コンプライアンスおよび税務を所管する部門)との定期的な議論および入手した文書のレビューを通じて確認した。 私たちの作業においては、報告日に認識した引当金額を見積もるために経営陣が使用した仮定およびデータの合理性についても評価した。とりわけ、税法の専門家の関与を得て、ナティクシスが識別した税務リスクの分析および関連引当金の批判的レビューを実施した。 私たちはまた、現在進行中の訴訟について、ナティクシス・グループの法務顧問とともに確認手続を実施した。 最後に、そのように測定された引当金が正しく計上されているかを確認し、連結財務諸表注記における関連開示を検証した。 |
貸借対照表で保有する、レベル2またはレベル3に分類され公正価値で測定される金融資産および負債の評価
| 識別されたリスクと主な判断 | 私たちの監査アプローチ |
|---|---|
| コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門における資本市場事業の一環として、ナティクシスは、公正価値で測定される金融資産および負債を貸借対照表上に相当額保有している。 金融商品(資産または負債)の公正価値とは、評価日において、市場参加者間の通常の取引により、資産の売却に際して受け取ると想定される価格、または負債の移転に際して支払うと想定される価格である。 公正価値は、金融商品の性質および複雑性に応じて、以下の異なる方法により決定されている。すなわち、活発な市場における概ね直接観察可能な相場価格の使用(公正価値ヒエラルキーのレベル1に分類される金融商品)、活発な市場から得られる概ね観察可能なパラメータに基づく評価モデル(レベル2に分類される金融商品)、および主として観察不可能なパラメータに基づく評価モデル(レベル3に分類される金融商品)である。 複雑な金融商品、とりわけ公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類されるものやレベル2の一部に関しては、以下の理由により、これらのアプローチには相当の判断が含まれる場合がある: ・ 内部評価モデルの使用 ・ 市場において観察不可能な評価インプットの使用 ・ 一定の市場リスク、取引相手方リスク、または流動性リスクを反映させるために実施される補足的な評価調整 これらの補足的な評価調整には、時間の経過とともに変化し得る評価上の不確実性に関連する要素が組み込まれており、必要に応じて会計上の見積りの変更の対象となることがある。 したがって、私たちは、エクスポージャーの重要性、公正価値の算定における判断の使用、および経済環境の不確実性が当該金融商品の評価に及ぼす影響を考慮し、貸借対照表に計上されているレベル2およびレベル3に分類され公正価値で測定される金融資産および負債の評価を、監査上の主要な検討事項であると判断した。 2025年12月31日現在、レベル2の金融商品は、資産が144,978百万ユーロ、負債が192,878百万ユーロであった。 2025年12月31日現在、レベル3の金融商品は、資産が15,603百万ユーロ、負債が15,824百万ユーロであった。 詳しくは連結財務諸表注記5.6、5.22および7.5、ならびに注記5.6に記載された見積変更の財務的影響を説明する注記7.1.2.1を参照されたい。 | 私たちは、ナティクシスにおけるガバナンス、ならびに複雑な金融商品(レベル2およびレベル3に分類されるもの)に関する識別、評価、認識および分類に係るプロセスおよび内部統制の体制について検証した。 私たちは、次の項目に関連するものを含め、私たちの監査に関係があると判断した重要な統制の有効性をテストした: ・ リスク部門による評価モデルおよびそれに関連する調整の妥当性の確認ならびに定期的なレビュー ・ 評価パラメータの独立した検証 ・ 主な追加的な評価調整額の算定 ・ 複雑な金融商品を公正価値ヒエラルキーに分類するために用いられる観察可能性の規準の文書化および定期的なレビュー、ならびに必要に応じて繰延が求められるマージンの認識に関連する影響の見積り 私たちは、評価専門家による支援を受けてこれらの手続きを実施した。また、評価専門家とともに、サンプルに基づく独立した対抗評価(カウンター・バリュエーション)を行い、2025年12月31日現在における主な評価調整額の見積りに用いられた仮定、方法論およびパラメータを検証した。 さらに、ナティクシスの市場取引相手方との間で発生する証拠金請求額の差異についても、サンプル・ベースで検証を行い、評価の妥当性の判断に役立てた。 最後に、2025年12月31日現在の金融商品に関する注記に表示されている情報について、金融商品の公正価値に対する経済環境の不確実性の影響に関する情報を含め、その妥当性を検証した。 |
繰越欠損金に関連する繰延税金資産
| 識別されたリスクと主な判断 | 私たちの監査アプローチ |
|---|---|
| ナティクシスは、関係する課税主体が、所定の期限(最長10年)までに繰越欠損金と相殺できる課税所得を将来的に稼得する可能性が高いと判断した場合、繰越欠損金に関連する繰延税金資産を報告日に認識している。 当該期間内に課税所得を生み出す能力の見積りには、中期事業計画に基づく税務観点からの事業計画の策定など、繰延税金資産の認識に関する正当性の証明に際し、経営陣の判断の行使が求められる。 私たちは、このように認識される繰延税金資産が、経営陣が採用する仮定、選択肢、および繰越欠損金が実際に利用可能か否かに関する判断に対する感応度に鑑み、繰越欠損金に関連する繰延税金資産を監査上の主要な検討事項として識別した。 2025年12月31日現在、ナティクシスの連結貸借対照表には、繰延税金資産として1,394百万ユーロが認識されており、このうち繰越欠損金に関連する金額は、464百万ユーロである。 詳しくは連結財務諸表注記5.22および7.8を参照されたい。 | 私たちは、将来の課税所得を見積るために、予算データがどのように集計されているかという情報を収集し、税務観点からの事業計画の策定プロセスの信頼性を評価した上で、当該プロセスを基礎として、グループが繰延税金資産を回収できる確率を、以下の手段により評価した: ・ 当該見積りの根拠として用いられた直近の事業計画の策定および承認方法の検証 ・ 過年度の予測損益と、それらの年度の実際損益との比較分析 ・ 将来の所得を見積もるのに経営陣が使用した予測上の仮定およびインプットの合理性、ならびに認識された繰延税金資産の回収可能性を、私たちの経験およびナティクシス・グループの活動および戦略に関する私たちの理解を基に評価 私たちは、繰越欠損金に係る繰延税金資産の評価プロセスについて、税務部門により構築された内部統制の枠組みを理解した。 税務に関する専門家の協力を得て、繰延税金負債または将来の課税所得を通じて使用される既存の繰越欠損金を識別するために経営陣が採用した手法(モデル)の適切性を検証した。 また、繰延税金資産に関して税務部門が年次で作成する書類を検証した。 さらに、経営陣が決定した将来見通しに基づき、繰延税金資産の課税所得ベースが適切に計算されているか、ならびに適切な税率が使用されているかを確認するためのテストを実施した。 最後に、2025年12月31日に終了した会計年度に係る連結財務諸表注記に記載されている繰延税金資産に関する情報の妥当性について検証した。 |
のれんの回収可能価額の変動
| 識別されたリスクと主な判断 | 私たちの監査アプローチ |
|---|---|
| ナティクシスは、自己が発展するなか、取得した企業の取得価格と取得日に引き受けた識別可能な資産および負債の公正価値の差額に相当するのれんを、連結財務諸表の資産の部に認識した。 これらののれんは、特定の資金生成単位(CGU)に配賦されており、その正味帳簿価額と回収可能価額との比較を通じて、個別にフォローアップが行われている。回収可能価額が使用価値に対応する場合には、将来キャッシュ・フローを割り引くことにより算定される。 回収可能価額の算定、特に使用した評価方法の選択および計算において考慮した主な仮定(特に各事業部門の中期計画における予想キャッシュ・フローの成長率および割引率に関する仮定)に伴う経営陣による判断を踏まえ、かつ経済的に不確実な現在の状況を鑑み、のれんの回収可能価額の評価は監査上の主要な検討事項であると私たちは考えた。 2025年12月31日現在、貸借対照表に計上されたのれんは3,162百万ユーロであった。 詳しくは連結財務諸表注記2.5.4、5.22および7.12を参照されたい。 | 私たちは、ナティクシスが減損の客観的な兆候を識別し、のれんの減損を認識する必要性を評価するために実施した手順および統制をレビューした。 そのうえで、企業評価専門家による支援を受けて、IAS第36号の手法の適用として用いられた方法の批判的レビューを実施し、各種CGUの回収可能価額の計算を評価した。 よって、私たちは次の項目を検証した: ・ ナティクシスが選択した評価方法の市場慣行と照らしたときの適合性 ・ キャッシュ・フロー予測と経営陣による最新の見積りとの整合性、および経済的な不確実性と関連付けたときのそれらの合理性 ・ 外部の市場データと比較したときの主な仮定(成長率、割引率など)の整合性 また、次の項目を確認した: ・ 私たち独自の計算方法による、ナティクシス・グループが行った計算の妥当性 ・ について、私たち独自の計算方法による、ナティクシス・グループが行った主な仮定の変更に対する評価額の感応度の妥当性 さらに、2025年12月31日に終了した年度の連結財務諸表注記に示されたのれんに関する情報の妥当性を評価した。 |
所定の検証
私たちはまた、フランスにおいて適用される監査業務に関する職業上の基準に準拠し、取締役会の経営陣報告書に記載されたグループに関する情報について、法令および規制により求められている所定の検証を実施した。
これらの情報の真実性ならびに連結財務諸表との整合性について、特に指摘すべき事項は認められなかった。
フランスの法規制が定めているその他の検証または情報
年次財務報告に含まれる連結財務諸表の表示書式
私たちは、欧州単一電子報告書式に基づき表示される年次財務報告に含まれる連結財務諸表について、フランスにおいて適用される、当該表示書式に関する法定監査人の手続に係る職業上の基準に準拠し、最高経営責任者の責任のもと作成された、フランス通貨金融法典第L.451-1-2条Iに明記されている年次財務報告における連結財務諸表の表示が、2018年12月17日付委員会委任規則(EU)第2019/815号により定められた当該書式を遵守しているかどうかを検証した。連結財務諸表については、当該財務諸表に付されたマークアップが、上記規則の定める書式に従っているかどうかの検証も含まれる。
これらの作業の結果、私たちは、年次財務報告に含まれる連結財務諸表の表示が、すべての重要な点において、欧州単一電子報告書式を遵守していると結論付けた。
法定監査人の任命
私たちは、株主総会によりナティクシスの法定監査人として任命されており、当該株主総会は、プライスウォーターハウスクーパース・オーディットについては2016年5月24日、フォルヴィス・マザー・エス・エーについては2022年5月24日に開催された。
2025年12月31日現在、プライスウォーターハウスクーパース・オーディットは任命から9年目であり、その間に中断はなかった。フォルヴィス・マザー・エス・エーは任命3年目に当たる。
連結財務諸表に関する経営陣および統治責任者の責任
経営陣は、欧州連合が採用しているIFRSに準拠して連結財務諸表を作成し、これを適正に表示する責任を負っている。また、不正または誤謬によるかを問わず、重要な虚偽表示のない連結財務諸表の作成を可能とするために、経営陣が必要と判断する内部統制を整備する責任を有している。
連結財務諸表の作成に当たり、経営陣は、会社の清算または営業の停止が予想されない限り、継続企業としての存続能力の評価、継続企業に関する事項についての適宜開示、および継続企業を前提とした会計処理を実施する責任を有している。
監査委員会は、財務報告プロセスに加え、内部統制およびリスク管理システムの有効性、ならびに該当する場合には、会計および財務情報の作成および処理に係る手続に関する内部監査の有効性を監視する責任を負っている。
本連結財務諸表は、取締役会によって承認されている。
連結財務諸表の監査に関する法定監査人の責任
目的および監査アプローチ
私たちの役割は、連結財務諸表について報告書を発行することにある。私たちの目的は、連結財務諸表に、全体として、重要な虚偽表示がないことについて、合理的な保証を得ることにある。合理的な保証とは、高い水準の保証であるが、監査業務に関する職業上の基準に準拠して監査を実施した場合であっても、重要な虚偽表示が常に発見されることを保証するものではない。虚偽表示は、不正または誤謬によって生じる可能性があり、単独でまたは集計した場合に、当該連結財務諸表を根拠になされる財務諸表利用者の経済的な意思決定に影響を及ぼすことが合理的に見込まれる場合には、重要性があると判断される。
フランス商法第L.821-55条の規定により、私たちが実施する法定監査は、会社の存続能力あるいは会社の業務管理の質に関する保証を含むものではない。
フランスにおいて適用される監査業務に関する職業上の基準に従って実施される監査において、法定監査人は、監査の全過程を通じて職業的専門家としての判断を行使する。
法定監査人は、特に以下の責任を負う。
・ 不正または誤謬によるかを問わず、連結財務諸表に重大な虚偽表示が生じるリスクを識別し、評価した上で、当該リスクに応じた監査手続を設計し、実施する。また、自己の意見を形成するために十分かつ適切であると判断される監査証拠を入手する。不正は、共謀、ねつ造、故意の脱漏、不実表示または内部統制の無効化を伴う可能性があるため、誤謬に起因する重大な虚偽表示よりも、発見されないリスクが高い。
・ 状況に適した監査手続を設計するために、監査に関連のある内部統制を把握する。ただし、これは内部統制の有効性について意見を表明することを目的とするものではない。
・ 連結財務諸表において、経営陣が使用した会計方針の適切性ならびに経営陣が行った会計上の見積りおよび関連する開示の合理性を評価する。
・ 経営陣による、継続企業を前提とした会計の使用に関する適切性を評価するとともに、入手した監査証拠に基づき、継続企業として存続する会社の能力に重要な疑念を生じさせる事象または状況に関連して、重大な不確実性が存在するか否かを評価する。この評価は、監査報告日までに入手した監査証拠に基づいて行われる。ただし、将来の事象または状況により、会社が継続企業として存続できなくなる可能性もある。重大な不確実性が存在すると法定監査人が結論付けるときは、監査報告書において、連結財務諸表内の関連する開示に関する注意喚起を行うことが求められる。あるいは、かかる開示がなされていないまたは不十分である場合は、限定適正意見または意見差控を表明する必要がある。
・ 連結財務諸表の全般的な表示を評価し、かつ、連結財務諸表がその基礎となる取引および事象を適正に反映し、公正な表示を達成しているかどうかを評価する。
・ 連結範囲に含まれる者または事業体の財務情報について、連結財務諸表に関する意見を表明するうえで十分かつ適切だと判断される監査証拠を入手する。法定監査人は、連結財務諸表の監査を指示、監督および遂行する責任ならびに連結財務諸表について表明した意見に対する責任を負う。
監査委員会への報告
私たちは監査委員会に対し、監査の範囲および実施した監査計画、ならびに監査結果の説明を主な内容とする報告書を提出する。また、会計・財務情報の作成および処理に係る手続に関連する内部統制システムにおいて重要な不備を識別したときは、必要に応じて通知する。
監査委員会への私たちの報告書には、職業的専門家としての判断により、当期の連結財務諸表監査において極めて重要であり、よって本報告書にて説明する必要がある監査上の主要な検討事項に該当する重大な虚偽表示リスクも含まれている。
私たちはまた、EU規則第537/2014号第6条に基づいて監査委員会に対して宣誓を行い、フランス商法第L.821-27条から第L.821-34条およびフランスの法定監査人の倫理規定を含む、フランスにおいて適用される規則上の解釈に則った独立性を保持していることを表明する。私たちの独立性についてリスクが生じた場合には、必要に応じて、関連するセーフガード措置とともに、監査委員会と協議する。
ヌイイ・シュール・セーヌ市およびルヴァロワ・ペレにおいて、2026年3月18日
| 法定監査人 | ||
| プライスウォーターハウスクーパース・オーディット | フォーヴィス・マザー・エス・エー | |
| ローラン・タヴェルニエ | トマ・ジュレ | エマニュエル・ドゥースマン ベンジャミン・ヴォ-ゲル |
年次財務諸表に対する法定監査人の監査報告書
2025****年12月31日に終了した年度
ナティクシス株主総会御中
ナティクシスS.A.
75013 パリ市プロムナード・ジェルメーヌ・サブロン7番地
監査意見
株主総会により私たちに委託された任務に則り、私たちは2025年12月31日に終了した年度のナティクシスS.A.の年次財務諸表の監査を、本報告書に記載したとおり実施した。
私たちの意見では、当該年次財務諸表は、フランスの会計原則に準拠して、同社の過去1年度にわたる資産・負債および財政状態ならびに同日に終了した年度の経営成績について真実かつ公正な概観を与えている。
上に表明した監査意見は、監査委員会に対する私たちの報告内容と一致する。
意見の根拠
監査の枠組み
私たちは、フランスにおいて適用される専門家としての職業上の基準に準拠して監査を行った。私たちは、監査意見の根拠となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと考えている。
当該基準に基づく私たちの責任については、本報告書の「年次財務諸表の監査に関する法定監査人の責任」にて詳しく説明されている。
独立性
私たちは、2025年1月1日から本報告書発行日までの期間にわたり、フランス商法およびフランスの法定監査人の倫理規定に規定される独立性に関する規則に準拠して監査業務を実施し、特に、EU規則2014年第537号第5条第1項により禁止されている業務は一切提供していない。
観察事項
上記の意見に影響を及ぼすものではないが、ANC規則第2023-03号の初度適用により生じた会計方針の変更の影響について記載している個別注記2に留意いただきたい。
私たちの評価の妥当性‐監査上の主要な検討事項
私たちの評価の妥当性に関するフランス商法第L.821-53条および第R.821-1807条の規定に従い、当年度の年次財務諸表の監査にとって極めて重要であると職業的専門家として私たちが判断した重大な虚偽表示リスクに関する監査上の主要な検討事項、ならびに私たちが示したそれらリスクへの対処方法に留意いただきたい。
これらの評価は、連結財務諸表全体の監査と上述の私たちの意見表明という観点から実施された。私たちは、年次財務諸表の特定の項目について個別の意見を示すことはしていない。
個別ベースでの顧客取引の減損
| 識別されたリスクと主な判断 | 私たちの監査アプローチ |
|---|---|
| 顧客取引には、有価証券によって表象されるものおよび有価証券またはその他の金融商品により裏付けられたリバース・レポ取引に基づき受領された有価証券を除き、信用機関以外の経済主体に対して行われた貸出金が含まれる。 債権の一部または全額に回収不能リスクがある場合、予測損失額まで減損を認識する。これらの減損は、リスクおよび利用可能な担保の分析を考慮した上で、四半期ごとに個別に評価を行う。減損損失は、債権の簿価総額と、回収可能と見込まれる金額(担保の実行により得られるキャッシュ・フローを含む)との差額として算定され、固定金利債権については当初の実効金利によって、変動金利債権については契約条件に従って決定された直近の実効金利により割り引かれる。 不良債権に関する個別の減損額の算定には、多くの判断を要するが、とりわけ、減損の対象となる債権の識別、および認識すべき減損損失の見積りにおいて、重要な判断が求められる。 特に経済的不確実性のある状況下において、顧客取引に係る個別の減損は、年次財務諸表の作成において見積りが重要な役割を果たす領域であるため、監査上の主要な検討事項であると私たちは判断した。 2025年12月31日現在、顧客に対する債権は146,568 百万ユーロであった。うち2,168百万ユーロが不良債権であった。2025年12月31日現在、不良債権に係るリスク費用は201百万ユーロであった。 詳しくは個別財務諸表注記2の第1項、注記5および注記30を参照されたい。 | 私たちは、ナティクシスの内部統制システムの妥当性について、特に不確実性のあるマクロ経済環境への適合の観点から評価した。 また、私たちは、ナティクシスが整備している主要な統制の設計を評価し、その有効性をテストした。特に、以下に関連する統制に焦点を当てた。 ・ 減損の兆候(支払遅延の発生など)の識別および取引相手方の格付プロセス ・ エクスポージャーを不良債権として分類するプロセス ・ 保証のモニタリングおよび評価 ・ 不良債権に係る個別の減損損失の算定ならびにこれに関連するガバナンスおよび承認メカニズム さらに、重要性およびリスク規準を基に抽出した案件のサンプルについて、与信レビューを実施した。このレビューでは、以下の作業を行った。 ・ 慎重な扱いを要する不履行取引相手方の状況について、入手可能な最新の情報を確認した。 ・ 当該機関から提供された情報および外部データに基づき、経営陣が使用した仮定および算定した引当金の見積りについて独立した立場から分析を実施した。 ・ 見積減損引当金が正確に認識されていたかを検証した。 私たちはまた、顧客貸出金および債権の減損に関して個別注記に詳述されている情報の妥当性も検証した。 |
訴訟リスクおよびその他のリスクに関する引当金
| 識別されたリスクと主な判断 | 私たちの監査アプローチ |
|---|---|
| リスクに対する引当金は、その時期または金額が不確実な負債である。負債とは、過去の事象に起因して生じた現在の債務であり、その決済により、信頼性をもって測定できる経済的便益を包含する資源の流出が見込まれるものである。引当金として認識される金額は、決算日において現在の債務を決済するために必要と見込まれる支出の最善の見積でなければならない。引当金は決算日ごとに見直され、必要に応じて調整される。 引当金の認識およびその金額の算定、ならびに開示される財務情報は、その性質上、判断の行使を要する。とりわけ、リスクが実現する可能性の評価、ならびに現在進行中の訴訟の帰趨およびそれに伴う財務上の影響の見積りには困難が伴う。 以上から、私たちは、経営陣が採用した仮定および選択肢に対するこれら引当金の感応度に鑑み、訴訟およびその他のリスクに関する引当金は監査上の主要な検討事項であると判断した。 2025年12月31日現在、訴訟およびその他のリスクに係る引当金は1,682百万ユーロであった。 詳しくは個別財務諸表注記2の第10項および注記17を参照されたい。 | 私たちは、訴訟リスクおよびその他のリスクの識別、評価および引当金計上手続を検証した。 私たちは、特に税務調査を含む、現在進行中の訴訟の経過およびナティクシスが識別した主なリスクを、経営陣(より具体的には、ナティクシスの法務、コンプライアンスおよび税務を所管する部門)との定期的な議論および入手した文書のレビューを通じて把握した。 私たちの作業においては、報告日に認識した引当金額を見積もるために経営陣が使用した仮定およびデータの合理性についても検証した。とりわけ、税法の専門家の関与を得て、ナティクシスが識別した税務リスクの分析および関連引当金の批判的レビューを実施した。 私たちはまた、現在進行中の訴訟について、ナティクシスの法務顧問とともに確認手続を実施した。 最後に、そのように測定された引当金が正しく計上されているかを確認し、年次財務諸表注記における関連開示を検証した。 |
活発な市場での相場価格がない金融商品の評価
| 識別されたリスクと主な判断 | 私たちの監査アプローチ |
|---|---|
| 資本市場事業の一環として、ナティクシスは相当額の金融商品を貸借対照表に計上しているが、その多くが、活発な市場に上場していない金融商品である。 そうした金融商品の市場価値の算定は、用いる方法およびデータの選択において相当の判断を要する評価技法に基づいて行われる。 私たちは、活発な市場での相場価格がない金融商品の評価は、エクスポージャーの重要性および公正価値の算定における判断の使用という理由から、監査上の主要な検討事項であると判断した。 短期投資に認識されている、活発な市場に上場されていない金融商品、トレーディング目的で保有する有価証券および投資有価証券の金額は、2025年12月31日現在、27,323百万ユーロであった。 詳しくは個別財務諸表注記2の第2項および第6項、注記6、注記12、注記16、注記26および注記27を参照されたい。 | 私たちは、活発な市場での相場価格が存在しない金融商品の識別、評価および会計処理に関して、ナティクシスにおけるガバナンス、プロセスおよび内部統制の枠組みを検証した。 私たちは、次の項目に関連するものを含め、私たちの監査に関係があると判断した統制の有効性をテストした: ・ リスク部門による評価モデルおよび関連する調整の妥当性の確認と定期的なレビュー ・ 評価インプットの独立した検証 ・ 主な評価調整額の決定および評価調整額 また、評価専門家による支援を受けて、2025年12月31日現在の主な評価調整額の見積りに用いられた仮定、方法およびモデルをサンプル・ベースで検証することにより、独立した評価を行った。 また、ナティクシスの市場取引相手方との間で発生する証拠金の差異も、サンプル・ベースで検証を行い、評価の妥当性の判断に役立てた。 |
持分投資、子会社および関係会社への投資ならびにその他の長期投資の評価
| 識別されたリスクと主な判断 | 私たちの監査アプローチ |
|---|---|
| 年次財務諸表の注記2.2に示されている通り、 持分投資、子会社および関係会社への投資ならびにその他の長期投資は、取得日において、取得コストを除外した購入価格で計上されている。これらは、報告日において、使用価値と取得原価のいずれか低い方の金額で個別に評価される。 これらの有価証券の使用価値が取得原価を下回った場合には、減損が認識される。 長期投資の使用価値の決定に使用される評価方法は、以下のような様々な要因に基づく場合がある。 ・ 純資産価額方式(修正再表示の有無にかかわらず) ・ 同業他社との比較方式 ・ 割引将来キャッシュ・フロー(DCF)法 ・ 市場株価 ・ 上記を組み合わせた方法 使用価値の決定手法の選択における経営者の判断の程度と、これらの手法の基礎となる仮定における経営者の判断の程度を踏まえ、私たちは、持分投資、子会社および関係会社への投資ならびにその他の長期投資の評価を、監査上の主要な検討事項であると判断した。 短期投資に認識されている、活発な市場に上場されていない金融商品、トレーディング目的で保有する有価証券および投資有価証券の金額は、2025年12月31日現在、27,323百万ユーロであった。 詳しくは個別財務諸表注記2の第2項および第6項、注記6、注記12、注記16、注記26および注記27を参照されたい。 | 私たちの主な作業は以下の通りである。 ・ 持分投資、子会社及び関係会社に対する投資ならびにその他の長期投資を評価するために会社が実施している手続について、面談を通じて理解を更新した。 ・ 有価証券の使用価値の決定に使用されている方法の一貫性を確認した。 ・ 有価証券の使用価値を見積もるために使用された財務上の集計値を、期末時点において評価対象となる投資先および関係会社の貸借対照表および損益計算書と照合し、試査により確認した。 ・ 適宜、キャッシュ・フロー予測と経営陣の最新の見積りとの整合性および経済的不確実性のある状況下での合理性を評価するとともに、主要な仮定(成長率、割引率など)の整合性を外部の市場データと照合して検証した。 ・ 適宜、使用価値の算定に使用された倍率をセクター分析と比較した。 ・ 最後に、使用価値の推計額が取得原価を下回ることが判明した有価証券について、計上された減損損失認識と使用価値の算定結果との整合性を検証した。 |
所定の検証
私たちはまた、フランスの法規制で要求されている所定の検証を、フランスにおいて適用される専門家としての職業上の基準に準拠して実施した。
経営陣報告書ならびに株主宛の財政状態および財務諸表に関するその他の文書で開示されている情報
取締役会の経営陣報告書ならびに株主宛の財政状態および年次財務諸表に関するその他の文書に示されている情報の公正な表示および財務諸表との整合性について、下記の事項を除き、私たちが報告すべき事項はない。
フランス商法第D.441-6条に記載されている支払条件に関する情報の公正な表示および財務諸表との整合性について、私たちは次の事項を観察している:経営陣報告書に示されているとおり、銀行取引および関連業務は報告すべき情報の範疇にないと貴社が考えているため、この情報にそれらは含まれていない。
コーポレート・ガバナンスに関する情報
私たちは、フランス商法第L.225-37-4条および第L.22-10-10条に基づき要求されている情報が、取締役会の経営陣報告書におけるコーポレート・ガバナンスのセクションに存在することを証明する。
その他の情報
フランス法に従い、私たちは、投資および支配持分の取得に関連して必要な情報が適切に経営報告書の中に開示されていることを確認した。
フランスの法規制が定めているその他の検証または情報
年次財務報告に含まれる年次財務諸表の表示書式
私たちは、欧州単一電子報告書式に基づき表示される年次財務報告に含まれる連結財務諸表について、フランスにおいて適用される、当該表示書式に関する法定監査人の手続に係る職業上の基準に準拠し、最高経営責任者の責任のもと作成された、フランス通貨金融法典第L.451-1-2条Iに明記されている年次財務報告における年次財務諸表の表示が、2018年12月17日付委員会委任規則(EU)第2019/815号により定められた当該書式を遵守しているかどうかを検証した。
これらの作業の結果、私たちは、年次財務報告に含まれる年次財務諸表の表示が、すべての重要な点において、欧州単一電子報告書式を遵守していると結論付けた。
法定監査人の任命
私たちは、株主総会によりナティクシスの法定監査人として任命されており、当該株主総会は、プライスウォーターハウスクーパース・オーディットについては2016年5月24日、フォルヴィス・マザー・エス・エーについては2022年5月24日に開催された。
2025年12月31日現在、プライスウォーターハウスクーパース・オーディットは任命から9年目であり、その間に中断はなかった。フォルヴィス・マザー・エス・エーは任命3年目に当たる。
年次財務諸表に関する経営陣および統治責任者の責任
経営陣は、フランスの会計原則に準拠して年次財務諸表を作成し、これを適正に表示する責任を負っている。また、不正または誤謬によるかを問わず、重要な虚偽表示のない年次財務諸表の作成を可能とするために、経営陣が必要と判断する内部統制を整備する責任を有している。
年次財務諸表の作成に当たり、経営陣は、会社の清算または営業の停止が予想されない限り、継続企業としての存続能力の評価、継続企業に関する事項についての適宜開示、および継続企業を前提とした会計処理を実施する責任を有している。
監査委員会は、財務報告プロセスに加え、内部統制およびリスク管理システムの有効性、ならびに該当する場合には、会計および財務情報の作成および処理に係る手続に関する内部監査の有効性を監視する責任を負っている。
本年次財務諸表は、取締役会によって承認されている。
年次財務諸表の監査に関する法定監査人の責任
目的および監査アプローチ
私たちの役割は、財務諸表について報告書を発行することにある。私たちの目的は、財務諸表に、全体として、重要な虚偽表示がないことについて、合理的な保証を得ることにある。合理的な保証とは、高い水準の保証であるが、監査業務に関する職業上の基準に準拠して監査を実施した場合であっても、重要な虚偽表示が常に発見されることを保証するものではない。虚偽表示は、不正または誤謬によって生じる可能性があり、単独でまたは集計した場合に、当該年次財務諸表を根拠になされる財務諸表利用者の経済的な意思決定に、影響を及ぼすことが合理的に見込まれる場合には、重要性があると判断される。
フランス商法第L.821-55条の規定により、私たちが実施する法定監査は、会社の存続能力あるいは会社の業務管理の質に関する保証を含むものではない。
フランスにおいて適用される監査業務に関する職業上の基準に従って実施される監査において、法定監査人は、監査の全過程を通じて職業的専門家としての判断を行使する。
法定監査人は、特に以下の責任を負う。
・ 不正または誤謬によるかを問わず、年次財務諸表に重大な虚偽表示が生じるリスクを識別し、評価した上で、当該リスクに応じた監査手続を設計し、実施する。また、自己の意見を形成するために十分かつ適切であると判断される監査証拠を入手する。不正は、共謀、ねつ造、故意の脱漏、不実表示または内部統制の無効化を伴う可能性があるため、誤謬に起因する重大な虚偽表示よりも、発見されないリスクが高い。
・ 状況に適した監査手続を設計するために、監査に関連する内部統制を把握する。ただし、これは内部統制の有効性について意見を表明することを目的とするものではない。
・ 年次財務諸表において、経営陣が使用した会計方針の適切性ならびに経営陣が行った会計上の見積りおよび関連する開示の合理性を評価する。
・ 経営陣による、継続企業を前提とした会計の使用に関する適切性を評価するとともに、入手した監査証拠に基づき、継続企業として存続する会社の能力に重要な疑念を生じさせる事象または状況に関連して、重大な不確実性が存在するか否かを評価する。この評価は、監査報告日までに入手した監査証拠に基づいて行われる。ただし、将来の事象または状況により、会社が継続企業として存続できなくなる可能性もある。重大な不確実性が存在すると法定監査人が結論付けるときは、監査報告書において、年次財務諸表内の関連する開示に関する注意喚起を行うことが求められる。あるいは、かかる開示がなされていないまたは不十分である場合は、限定適正意見または意見差控を表明する必要がある。
・ 財務諸表の全般的な表示を評価し、かつ、財務諸表その基礎となる取引および事象を適正に反映し、公正な表示を達成しているかどうかを評価する。
監査委員会への報告
私たちは監査委員会に対し、監査の範囲および実施した監査計画、ならびに監査結果の説明を主な内容とする報告書を提出する。また、会計・財務情報の作成および処理に係る手続に関連する内部統制システムにおいて重要な不備を識別したときは、必要に応じて通知する。
監査委員会への私たちの報告書には、職業的専門家としての判断により、当期の年次財務諸表監査において極めて重要であり、よって本報告書にて説明する必要がある監査上の主要な検討事項に該当する重大な虚偽表示リスクも含まれている。
私たちはまた、EU規則第537/2014号第6条に基づいて監査委員会に対して宣誓を行い、フランス商法第L.821-27条から第L.821-34条およびフランスの法定監査人の倫理規定を含む、フランスにおいて適用される規則上の解釈に則った独立性を保持していることを表明する。私たちの独立性についてリスクが生じた場合には、必要に応じて、関連するセーフガード措置とともに、監査委員会と協議する。
ヌイイ・シュール・セーヌ市およびルヴァロワ・ペレにおいて、2026年3月18日
| 法定監査人 | ||
| プライスウォーターハウスクーパース・オーディット | フォーヴィス・マザー・エス・エー | |
| ローラン・タヴェルニエ | トマ・ジュレ | エマニュエル・ドゥースマン ベンジャミン・ヴォ-ゲル |