| 【表紙】 | |
|---|---|
| 【提出書類】 | 四半期報告書の訂正報告書 |
| 【根拠条文】 | 金融商品取引法第24条の4の7第4項 |
| 【提出先】 | 関東財務局長 |
| 【提出日】 | 2023年4月3日 |
| 【四半期会計期間】 | 第41期第2四半期(自 2022年3月1日 至 2022年5月31日) |
| 【会社名】 | サムティ株式会社 |
| 【英訳名】 | Samty Co.,Ltd. |
| 【代表者の役職氏名】 | 代表取締役社長 小 川 靖 展 |
| 【本店の所在の場所】 | 大阪市淀川区西宮原一丁目8番39号 |
| 【電話番号】 | 06(6838)3616(代表) |
| 【事務連絡者氏名】 | 執行役員経営管理本部長 濵 松 貴 志 |
| 【最寄りの連絡場所】 | 大阪市淀川区西宮原一丁目8番39号 |
| 【電話番号】 | 06(6838)3616(代表) |
| 【事務連絡者氏名】 | 執行役員経営管理本部長 濵 松 貴 志 |
| 【縦覧に供する場所】 | サムティ株式会社 東京支店 (東京都千代田区丸の内一丁目8番3号) サムティ株式会社 名古屋支店 (名古屋市中村区名駅一丁目1番1号) 株式会社東京証券取引所 (東京都中央区日本橋兜町2番1号) |
1 【四半期報告書の訂正報告書の提出理由】
当社は、特定の取引先との取引に関連し、過年度決算における会計上の連結対象範囲の判断等についての疑義が判明したため、2023年1月16日に特別調査委員会を設置し調査を実施いたしました。特別調査委員会の調査結果については、2023年3月7日付「特別調査委員会の調査報告書公表に関するお知らせ」にて開示しております。当社は、特別調査委員会による調査結果を踏まえ、再発防止策を策定し、再発防止に努めております。
当社としては、これまでに提出した有価証券報告書等について訂正を要するまでには至らないと判断しておりますが、上記の調査過程において判明した一連の事実を踏まえ、会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人から、これまでに同法人から受領した第39期(自 2019年12月1日 至 2020年11月30日)以降のすべての四半期レビュー報告書及び監査報告書(以下「監査報告書等」という。)について、限定付結論及び限定付適正意見を付したものへ修正する監査報告書等を受領いたしました。
そこで2022年7月15日に提出いたしました第41期第2四半期(自 2022年3月1日 至 2022年5月31日)四半期報告書に添付されていた四半期レビュー報告書を差し替えるために四半期報告書の訂正報告書を提出するものであります。
2 【訂正事項】
独立監査人の四半期レビュー報告書
3 【訂正箇所】
訂正箇所は を付して表示しております。
(訂正前)
独立監査人の四半期レビュー報告書
2022年7月15日
サムティ株式会社
取締役会 御中
EY新日本有限責任監査法人 大阪事務所
| 指定有限責任社員 業務執行社員 | 公認会計士 | 前 川 英 樹 |
|---|
| 指定有限責任社員 業務執行社員 | 公認会計士 | 仲 下 寛 司 |
|---|
監査人の結論
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、「経理の状況」に掲げられているサムティ株式会社の2021年12月1日から2022年11月30日までの連結会計年度の第2四半期連結会計期間(2022年3月1日から2022年5月31日まで)及び第2四半期連結累計期間(2021年12月1日から2022年5月31日まで)に係る四半期連結財務諸表、すなわち、四半期連結貸借対照表、四半期連結損益計算書、四半期連結包括利益計算書、四半期連結キャッシュ・フロー計算書及び注記について四半期レビューを行った。
当監査法人が実施した四半期レビューにおいて、上記の四半期連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠して、サムティ株式会社及び連結子会社の2022年5月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する第2四半期連結累計期間の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった。
監査人の結論の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期レビューの基準に準拠して四半期レビューを行った。四半期レビューの基準における当監査法人の責任は、「四半期連結財務諸表の四半期レビューにおける監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、結論の表明の基礎となる証拠を入手したと判断している。
四半期連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠して四半期連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない四半期連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
四半期連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき四半期連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
四半期連結財務諸表の四半期レビューにおける監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した四半期レビューに基づいて、四半期レビュー報告書において独立の立場から四半期連結財務諸表に対する結論を表明することにある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期レビューの基準に従って、四半期レビューの過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 主として経営者、財務及び会計に関する事項に責任を有する者等に対する質問、分析的手続その他の四半期レビュー手続を実施する。四半期レビュー手続は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される年度の財務諸表の監査に比べて限定された手続である。
・ 継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められると判断した場合には、入手した証拠に基づき、四半期連結財務諸表において、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠して、適正に表示されていないと信じさせる事項が認められないかどうか結論付ける。また、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、四半期レビュー報告書において四半期連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する四半期連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、四半期連結財務諸表に対して限定付結論又は否定的結論を表明することが求められている。監査人の結論は、四半期レビュー報告書日までに入手した証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 四半期連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠していないと信じさせる事項が認められないかどうかとともに、関連する注記事項を含めた四半期連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに四半期連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示していないと信じさせる事項が認められないかどうかを評価する。
・ 四半期連結財務諸表に対する結論を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する証拠を入手する。監査人は、四半期連結財務諸表の四半期レビューに関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査人の結論に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した四半期レビューの範囲とその実施時期、四半期レビュー上の重要な発見事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(四半期報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは四半期レビューの対象には含まれていません。
(訂正後)
独立監査人の四半期レビュー報告書
2023年3月31日
サムティ株式会社
取締役会 御中
| EY新日本有限責任監査法人 | ||
| 大阪事務所 | ||
| 指定有限責任社員 業務執行社員 | 公認会計士 | 前 川 英 樹 |
| 指定有限責任社員 業務執行社員 | 公認会計士 | 仲 下 寛 司 |
限定付結論
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、「経理の状況」に掲げられているサムティ株式会社の2021年12月1日から2022年11月30日までの連結会計年度の第2四半期連結会計期間(2022年3月1日から2022年5月31日まで)及び第2四半期連結累計期間(2021年12月1日から2022年5月31日まで)に係る四半期連結財務諸表、すなわち、四半期連結貸借対照表、四半期連結損益計算書、四半期連結包括利益計算書、四半期連結キャッシュ・フロー計算書及び注記について四半期レビューを行った。
当監査法人が実施した四半期レビューにおいて、上記の四半期連結財務諸表が、「限定付結論の根拠」に記載した事項の四半期連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響を除き、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠して、サムティ株式会社及び連結子会社の2022年5月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する第2四半期連結累計期間の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった。
限定付結論の根拠
会社は、特定の取引先(以下「A社」という。)との取引に関連し、過年度決算における会計上の連結対象範囲の判断等についての疑義が判明したことを受けて、外部の弁護士及び公認会計士による特別調査委員会を設置して調査を進め、特別調査委員会より2023年3月6日付で調査報告書を受領した。
同調査報告書においては、2009年3月27日から2014年9月29日までの期間については、A社株式を保有するG社及びH社(会社の創業者であり前代表取締役会長の森山茂氏(以下「森山氏」という。)及び同じく創業者のf氏それぞれの資産管理会社)が、会社の「緊密な者」(以下「緊密者」という。)に該当し、かつ、A社の財務及び営業または事業の方針を決定する機関(以下「意思決定機関」という。)を支配している可能性があると認められるため、A社は会社の子会社に該当する可能性が高いとされている。また、2014年9月30日にA社の全株式がG社及びH社からA社の代表取締役であったc氏(2010年10月20日に就任し、現任。)に譲渡され、調査期間末日の2023年3月5日に至るまでA社の代表取締役c氏がA社の全ての議決権を所有しているが、c氏は会社の緊密者又は「同意している者」(以下「同意者」という。)に該当せず、また、会社が企業会計基準第22号第7項(2)②から⑤に規定されている要件(以下「支配要件」という。)を充足しているとは認められないため、A社は会社の子会社には該当しないとされている。
会社は、この調査報告書の内容を踏まえ、2014年9月29日までの期間については、A社は会社の子会社に該当する可能性があると判断する一方で、2014年9月30日以降の期間については、A社は会社の子会社に該当せず連結対象範囲に含める必要はないと判断している。
しかしながら、2014年9月30日に当時緊密者であるG社及びH社からA社の代表取締役c氏がA社の全株式を取得したことを契機としてA社が会社の子会社に該当しなくなるという判断については、その直前までA社が子会社に該当していた可能性を踏まえると殊更慎重に検討する必要がある。連結財務諸表に関する会計基準や関連する適用指針等によれば、仮にc氏が会社の緊密者又は同意者に該当する場合には、会社が自己の計算において所有している議決権(0%)と、緊密者又は同意者たるc氏が所有している議決権(100%)とを合わせて、会社がA社の議決権の過半数を所有することとなり、さらに、会社が支配要件を満たす場合には、会社はA社の意思決定機関を支配している企業と評価され、A社が会社の子会社となる可能性があるからである。
そこで当監査法人は、2014年9月30日以降の期間について、会社がA社の意思決定機関を実質的に支配しているかどうかを判断するための要件、すなわち①c氏の緊密者該当性、及び②c氏の同意者該当性、並びに③支配要件充足性に関する会社の主張に対して慎重に批判的検討を加えた結果、以下のとおり、会社の主張と異なりA社を子会社とすべきとする見解が存在する可能性があると判断した。
| ①c氏の緊密者該当性 | ||
| 緊密者とは、「自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者」であり(企業会計基準第22号第7項(3)及び企業会計基準適用指針第22号第8項)、緊密者に該当するかどうかは、「両者の関係に至った経緯、両者の関係状況の内容、過去の議決権の行使の状況、自己の商号との類似性等を踏まえ、実質的に判断する」こととされている(企業会計基準適用指針第22号第9項)。 | ||
| 会社の主張 | 監査人の見解 | |
| 両者の関係に至った経緯 | 会社及び森山氏とc氏の長年の関係性、A社は会社の所有物件を売却するための会社であり森山氏がc氏にその代表取締役の就任を依頼したこと、森山氏はA社に会社の協力会社として期待していたこと、A社の売上の一定割合は、会社に依って立つものであり、会社とc氏には単なる取引先を超えた関係性があることが窺われる。もっとも、2014年9月30日のc氏へのA社株式譲渡は、名実ともにA社をc氏に任せることとしたものであり、c氏もA社の株主となる意思をもってこれを譲り受けたものである。この結果、c氏はA社の100%株主かつ一人取締役として利益が一致している。また、c氏と会社の利益が一致していることを示す事実もなく、c氏が、自己の利益より会社の意思を優先してA社の議決権を行使するとは評価できない。なお、後述のとおり、森山氏がA社の実印等を会社内で自ら保管していたが、c氏が契約締結の意思決定をして調印する場面では、c氏が保管する認印が使用されている。 よって、両社の関係に至った経緯は、c氏が会社の意思と同一の内容の議決権を行使する事情と認められない。 | 会社及び森山氏とc氏の長年の関係性、A社は会社の所有物件を売却するための会社であり森山氏がc氏にその代表取締役の就任を依頼したこと、森山氏はA社に会社の協力会社として期待していたこと、A社の会社に対する事業依存度が高いこと、これら一連の事実から、会社とc氏の間には緊密な関係性があったと評価できる。 c氏に株主が移った2014年9月30日以降も、A社はホテルへの投資実績が無いにもかかわらず、ホテルを短期間に会社から取得しており、会社がA社に対する多額の不動産売却取引を継続していることから、A社は会社が所有物件を売却するための協力会社であり続けたと評価すべき可能性が否定できない。また、森山氏がA社の実印等を会社内で自ら保管し銀行印の捺印もしていた事実が識別されていることは、名実ともにA社の意思決定をc氏に任せたとは言い切れない可能性を示すものと考えられる。 さらに、会社はA社に物件を売却することによって利益を獲得し、A社も会社への事業依存度が相当程度高い状況下において会社からの物件取得後に賃貸や転売により利益を獲得しており、会社が想定した時期に会社からの依頼に応じる形でA社が繰り返し物件を取得していたことは、A社唯一の株主兼取締役c氏が、会社の意向に沿った意思決定を行うことによって自己の利益を獲得したことを示唆している。すなわち、会社の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる場合とは、必ずしも、自己の利益よりも他者の利益を優先して議決権を行使する場合に限定されることはなく、会社とA社及びc氏の利益が相反しない場合であっても成立し得ることから、会社の意思と同一の議決権をc氏が行使したと評価すべき可能性を否定できない。 したがって、A社が会社の子会社であった可能性がある2014年9月29日以前の会社とA社の関係性が、c氏に株主が移った2014年9月30日以降、独立した第三者間の関係性に変容していることを明確に示す根拠が十分ではないと考えられる。 |
| 出資の関係 | 2014年9月30日にc氏がA社株式を取得した際の譲渡代金はc氏が法的な返済義務を負担して自ら出捐したものであり、会社からの出資の事実は認められない。なお、c氏が会社から譲渡代金を借り入れた事実も認められない。 よって、出資面における関係性は、会社とc氏の緊密な関係性を基礎づけ得るものではない。 | 出資における関係性については、単に会社が直接出資したか否かということに限らず、その出資に至る経緯や価格の根拠、財源などを含めて検討することが、実質的な判断に資するものである。 c氏は、森山氏及びf氏から資金を借り入れて株式を取得していたと合理的に推測される事実があり、これは、それまでの会社とc氏との間の緊密な関係性や、森山氏が会社の創業者であり代表取締役会長であることを勘案すると、出資において会社とc氏との間に緊密な関係性があることを裏付けるものと評価すべき可能性が否定できない。 また、c氏は直前に行われた名目的なA社株式の譲渡と比べて著しく低廉な価格でA社株式を取得している。このような事実は、森山氏が会社の代表取締役会長であり、A社は会社の協力会社として期待されていたことを併せて勘案すれば、会社とc氏の緊密な関係性を裏付けるものとして評価すべき可能性を否定できない。 |
| 人事の関係 | 緊密な関係性を基礎付ける「人事」の例示は、「自己の役員・・・であった者が、代表権のある役員として派遣されており、かつ、取締役会その他これに準ずる機関の構成員の相当数を占めている企業」である。 2014年9月29日以前の4年弱の間、c氏は会社の子会社と評価され得るA社の役員であった事実が認められるとしても、会社がc氏をA社の役員として派遣した事実はなく、かつ、A社の役員はc氏のみであるため、取締役会の相当数という状況が観念されない。また、同月30日以降、役員が変遷した事実もない。その一方で、100%株主かつ一人取締役であるc氏はA社の役員報酬の増額決議を行うなど、会社の利益ではなくc氏個人の利益を優先する議決権行使が行われており、上記役員であった事実による人事における関係性は、c氏が、会社の意思と同一の内容の議決権を行使する事情とは認められない。 | c氏が2010年10月20日にA社唯一の取締役に就任したのは、会社の当時の取引先金融機関からの要請に配慮した森山氏の意向によるものとされ、その後もc氏は会社の協力会社と期待されていたA社の役員であり続けた。これは会社による役員派遣の形式がないことよりも、会社とc氏の緊密性を基礎づけるものである。 また、2014年9月30日以降のc氏の役員報酬の増額については、会社がA社への物件売却から得られる利益と比較して僅少であり、当該意思決定が会社にとって重要ではないため、当該役員報酬の増額の決定が会社の意向に沿わない意思決定であったと認定できる根拠にはならず、会社の緊密者ではないという判定の根拠として十分ではない可能性を否定できない。 |
| 資金の関係 | 緊密な関係性を基礎付ける「資金」の例示は、「自己が資金調達額の総額の概ね過半について融資を行っている企業」である。 会社からc氏個人及びA社いずれに対しても、融資や債務保証及び担保提供は行われていない。 よって、資金面における関係性は、会社とc氏の緊密な関係性を基礎づけ得るものではない。 | 資金における関係性については、例示の該当性のみを検討するだけではなく、資金調達等が行われている背景や信用の源泉などを含めて検討することが、実質的な判断に資するものである。 A社による会社からの物件取得に際して、A社は取得したホテルのすべてについて金融機関Q社から融資を受けている。ホテルに係る会社とA社との賃貸借契約が、契約書上だけではどの程度継続されるか不確実な状況にありながらも、このように融資が行われていることは、賃借料を基礎とした物件の客観的評価やA社の財務状況並びにc氏自身の個人保証だけではなく、当該金融機関と会社及び森山氏との間の長年の取引関係に基づき、会社グループがホテルの賃借等に継続的に関与することにより、安定的なキャッシュ・フローが見込まれることへの期待が背景にあるとの可能性を否定できない。 |
| 技術の関係 | 会社がA社に対する技術援助等といった具体的な内容を有する契約を締結していた事実は認められない。A社は不動産流動化等特段複雑な取引を行っておらず、特段の技術援助を必要とするような業務はない。 技術援助とは評価すべきではないものの、c氏は経理知識が十分ではなく、金融機関等向けの経理・財務関連資料を作成することまではできず、会社従業員に作成を依頼していた。当該従業員は、A社の所有不動産明細や預金残高表、資金推移表を作成しており、会社とc氏の近しい間柄を窺わせるものであり、緊密な関係性を推認させ得る。 しかし、これらの作業はいずれも事務作業又はそれに類似したものであり、人の雇用や税理士等への外注により代替可能なものであり、事業の継続に重要な影響を及ぼす性質のものではない。 よって、技術面における関係性は、会社とc氏の緊密な関係性を基礎づけ得るものではない。 | 会社の経理担当職員が、A社の金融機関等向けの融資交渉資料を作成していたことのみならず、A社全社の所有不動産明細や預金残高表、資金推移表などの経理・財務関連資料を作成していたことは、c氏自らはそうした収支計算や財務管理を行うことはなく、会社による経済性計算に基づいて自己の利益を判断していたことを示唆するものであり、会社が物件を継続して賃借しホテル運営を安定的に行うことを、c氏が物件取得の前提としていた可能性をも窺わせるものである。 また、A社が会社から物件を取得した後、会社がA社における第三者への物件売却活動に直接関与していた事実があることを併せて踏まえると、会社とA社の業務の関係性は特異なものであり、会社がA社の事業の継続に重要な影響を及ぼしていると評価すべき可能性を否定できない。 |
| 取引等における関係 | c氏の個人事業の収入のほとんどは会社の子会社からの手数料であり、また、A社の会社に対する事業依存度は相当程度大きい。このような会社とc氏の取引における関係性は、c氏と会社の緊密性な関係性を相当程度基礎付けるものであり、c氏が会社の意思と同一の議決権を行使する事情の一つとして、一定の推認力を有する。 | 会社の主張のとおりである。 |
| 取引等における関係(実印等の保有) | 森山氏は、もともとA社の実印及び銀行印を保管しており、2014年9月30日以降も、c氏から返還を求められず、A社の物件売却の事実を把握すること等を目的に引き続き保管していたが、森山氏や会社が会社の意向に沿ってc氏の意向に反してA社の実印等を利用することは想定されていなかった。 現に、A社における2014年9月30日以降の不動産売買契約書すべて(その他の契約書類の大半も同様)においてc氏が保管する認印が使用されているなど、c氏が契約締結の意思決定をして調印する場面では、c氏が保管する認印が使用されていた。また、A社の実印による押印は、森山氏から実印を渡されたc氏が自ら行っており、c氏が押印にあたって森山氏の指示を受けたり、承諾を得ていたことを疑わせる事情も不見当である(なお、森山氏が払出票への捺印を行った事実が確認されているが、c氏の承認のもとに行われていたと推認されている。) そして、A社の実印等保管の事実は、森山氏以外の役職員は一部が抽象的又は抽象的可能性の限度で認識していたにとどまり、その余の役職員は認識しておらず、役職員の共通認識となっていない。 これらの点からすれば、A社の実印等の他の事実は、c氏が会社の意思と同一の内容の議決権を行使する事情と認められない。 | 森山氏が、2014年9月30日にc氏にA社株式を譲渡して以降も、A社の実印及び銀行印を会社内で保管しており銀行印を自ら捺印していた事実もあることから、c氏が会社の意思と同一の議決権を行使するものと評価すべき可能性を否定できない。 A社の物件売却の事実を把握すること等を目的に森山氏が実印等を引き続き保管することをc氏が容認していたこと、またA社の経費支払に要する払出票に森山氏が自らA社銀行印を捺印していたこと、そしてその払出票による支払手続に会社の経理担当職員が関与していたことは、森山氏が自己の利益を図るためではなく、会社の代表取締役会長として行ったと捉えることが自然である。この点からも、c氏が会社の意思と同一の内容の議決権を行使したと評価すべき可能性を否定できない。 |
| 過去の議決権の行使の状況 | c氏が会社の子会社と評価され得る会社の役員であったという人事における関係性と同様に、2014年9月29日までの期間の議決権の行使の状況について、会社とc氏の緊密な関係性を相当程度基礎づけるものであると考えられる。しかし、2014年9月30日にc氏が株主となった以降は、株式譲渡は行われず、会社が株式譲渡承認決議及びこれに関する対応に関与した事実はない。また、株主だけでなく役員についても変更もなくc氏が代表取締役の地位を有している。 よって、過去の議決権行使の状況をもって、c氏が会社の意思と同一の内容の議決権を行使する事情と認められない。 | A社においては、実際には株主総会が開催されておらず議決権を行使する場面が存在していない。また、会社は、会社とc氏との間に深刻な意見対立が生じた事実を識別していない。したがってc氏にA社株式が譲渡されて以降もc氏が株主及び取締役の地位を継続している事実は、2014年9月30日以降も会社がc氏の地位継続に同意し、c氏が会社の意思と同一の内容の議決権を行使したものと評価すべき可能性を否定できない。 |
| 不動産売買取引における議決権行使の状況 | 会社とA社の不動産売買取引に係る意思決定過程の検討の結果、c氏が自己の利益に基づいて主体的に意思決定を行っており、会社と同一の内容の議決権を行使したとは認められない。 | 2014年9月30日以降に行われた会社とA社との不動産売買取引については、会社の予算達成・事業遂行の動機に基づき、会社からc氏に売買を働きかけており、いずれもc氏からの依頼に基づくものではない。したがって、これらの取引の際にc氏が自己の利益に基づいて主体的に意思決定を行っているとしても、会社の意向に沿って取引を実行していることを否定するものではないから、会社の意思と同一の内容の議決権を行使したと評価すべき可能性を否定できない。 |
| 上記の関係を踏まえた実質的な判断 | 会社とc氏の相当程度緊密な関係性を基礎づける事情は、いずれも、c氏によるA社の議決権の行使に影響を与える程度は軽微か、特段の影響を与えないと解される。これらを総合的に考慮した結果、c氏が会社の意思と同一の内容の議決権を行使する者、すなわち緊密者には該当しないものと評価する。 | 当監査法人は、会社とA社との間で売買されたホテルは、通常、取得に際し慎重に検討を重ねられることが多いと理解している。また、A社はc氏のほか従業員1名の小規模な会社である。 当該状況下におけるc氏による短期間のホテル取得への同意については、上記の関係の評価により識別された、c氏がA社の代表取締役に就任した経緯、長年の会社及び森山氏とc氏との親密な関係、長年の会社及び森山氏と金融機関Q社との取引関係、そして会社とA社の業務における特異な関係性があったから初めて成しえた可能性を否定できない。 したがって、当監査法人は、c氏の意思決定の背後にある、このような会社とc氏との複数の直接的又は間接的な緊密な関係性の組み合わせ(以下「構造」という。)が存在することから、c氏については「同一の内容の議決権を行使することが認められる」と評価すべき可能性を否定できないものと判断した。 また、当監査法人は、2014年9月30日にc氏へのA社株式譲渡後も、会社が予算達成・事業遂行を行うためにA社を利用してきた事実を識別しており、前述の「構造」を背後に持つc氏は引続き会社の「緊密者」であったと評価すべき可能性を否定できないものと判断した。 さらに、当監査法人は、会社にとって特に重要な取引であったと考えられる不動産売買取引(ホテル「物件①」、ホテル「物件②」及びホテル「物件③」に関する売買取引)に関してc氏がいずれも合意している事実は、上記の判断を裏付けるものと評価すべき可能性も否定できないと判断した。 |
| ②c氏の同意者該当性 | |
| 同意者とは「契約や合意等により、自己の意思と同一内容の議決権を行使することに同意していると認められる者」であり(企業会計基準第22号第7項(3))、同意者は「契約や合意等により、自己の意思と同一内容の議決権を行使することに同意していると認められる者が該当する。」とされている(企業会計基準適用指針第22号第9項)。 | |
| 会社の主張 | 監査人の見解 |
| c氏の緊密者該当性に関する評価に変更が生じない限りにおいて、c氏が同意者に該当すると評価することはできない。 | 当監査法人は、c氏が同意者に該当すると評価すべき契約や合意等の存在は識別していない。 |
| ③支配要件充足性 | |
| 支配要件とは、企業会計基準第22号第7項(2)②から⑤に規定されている要件を指す。 ②役員若しくは使用人である者、又はこれらであった者で自己が他の企業の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して影響を与えることができる者が、当該他の企業の取締役会その他これに準ずる機関の構成員の過半数を占めていること ③他の企業の重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等が存在すること ④他の企業の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているもの)の総額の過半について融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下同じ。)を行っていること(自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の過半となる場合を含む。) ⑤その他他の企業の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること | |
| 会社の主張 | 監査人の見解 |
| 企業会計基準第22号第7項(2)②から⑤の要件のいずれかに該当する事実が存在するとは認められず、A社の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在するとの評価には至らなかった。 | 当監査法人は、A社の株主はc氏一人であり、また役員もc氏一人であるため、A社の意思決定機関に対する支配の検討に際しても、c氏の緊密者判定の結果を参照すべきと判断した。 緊密者判定において識別されたc氏の意思決定の背後にある「構造」が、取引先との間で独立第三者間に見られる親密な関係性を超えた特殊なものであると考えられる。したがって、当監査法人は、そのような「構造」の存在が、支配要件の充足性に係る実質的な判断に際して、A社の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すると評価すべき可能性を否定できないものと判断した。 |
上記の検討の結果、当監査法人は、会社とA社の親密な関係性に関し、緊密者該当性及び支配要件充足性の判定に与える影響が軽微であると評価するためには、より強い証拠力を持つ監査証拠が必要となると考える。しかしながら、当監査法人は、会社が利用する特別調査委員会の調査結果の基礎となる関係者から提供された関係資料やヒアリング供述内容の真偽及び完全性並びに網羅性の検証を含む、支配の有無を一義的に判断するに至るまでの客観的かつ十分な記録や証憑を入手できなかった。
このため、当監査法人は、主として、過年度におけるA社への以下の販売用不動産の売却取引に係る売却益に関してA社を子会社として連結の範囲に含めて未実現利益が消去されるべきであったか否か、そして、その未実現利益の消去に伴い前連結会計年度及び当連結会計年度における販売用不動産、繰延税金資産、利益剰余金について修正が必要となるかどうかについて、判断するための十分かつ適切な監査証拠を入手できなかった。
| 物件名 | 売却時期 | 売却額(百万円) |
|---|---|---|
| ホテル「物件①」 | 2016年11月 | 2,900 |
| ホテル「物件③」 | 2019年2月 | 4,300 |
(注)文中の氏名等の略称は、2023年3月7日付「特別調査委員会の調査報告書公表に関するお知らせ」に添付された「調査報告書(開示版)」に用いられているものを使用した。なお、ホテル「物件①」は2018年3月に会社がA社から再度取得し、ホテル「物件②」は2017年11月にA社に売却された後、2019年1月にA社から第三者へ売却されている。
この影響は、前連結会計年度の連結財務諸表並びに前連結会計年度及び当連結会計年度の四半期連結財務諸表の特定の勘定科目に限定され、他の勘定科目には重要な影響を及ぼさないことから、四半期連結財務諸表全体に及ぼす影響は限定的である。したがって、四半期連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は重要であるが広範ではない。
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期レビューの基準に準拠して四半期レビューを行った。四半期レビューの基準における当監査法人の責任は、「四半期連結財務諸表の四半期レビューにおける監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、限定的結論の表明の基礎となる証拠を入手したと判断している。
その他の事項
四半期報告書の訂正報告書の提出理由に記載されているとおり、会社は、四半期連結財務諸表を訂正していないが、四半期報告書に添付されている四半期レビュー報告書を差し替えるために四半期報告書の訂正報告書を提出している。なお、当監査法人は、訂正報告書が提出される前の四半期連結財務諸表に対して2022年7月15日に四半期レビュー報告書を提出しているが、「限定付結論の根拠」に記載したとおり、当該事後判明事実が四半期連結財務諸表に与える影響について十分かつ適切な監査証拠を入手することができなかったため、四半期レビュー報告書の修正を行い、本四半期レビュー報告書を提出するものである。
四半期連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠して四半期連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない四半期連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
四半期連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき四半期連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
四半期連結財務諸表の四半期レビューにおける監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した四半期レビューに基づいて、四半期レビュー報告書において独立の立場から四半期連結財務諸表に対する結論を表明することにある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期レビューの基準に従って、四半期レビューの過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 主として経営者、財務及び会計に関する事項に責任を有する者等に対する質問、分析的手続その他の四半期レビュー手続を実施する。四半期レビュー手続は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される年度の財務諸表の監査に比べて限定された手続である。
・ 継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められると判断した場合には、入手した証拠に基づき、四半期連結財務諸表において、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠して、適正に表示されていないと信じさせる事項が認められないかどうか結論付ける。また、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、四半期レビュー報告書において四半期連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する四半期連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、四半期連結財務諸表に対して限定付結論又は否定的結論を表明することが求められている。監査人の結論は、四半期レビュー報告書日までに入手した証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 四半期連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠していないと信じさせる事項が認められないかどうかとともに、関連する注記事項を含めた四半期連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに四半期連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示していないと信じさせる事項が認められないかどうかを評価する。
・ 四半期連結財務諸表に対する結論を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する証拠を入手する。監査人は、四半期連結財務諸表の四半期レビューに関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査人の結論に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した四半期レビューの範囲とその実施時期、四半期レビュー上の重要な発見事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上